JP5735005B2 - 繊維製品用液体消臭剤組成物 - Google Patents
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Description
中でも、消臭技術として、金属イオンとキレート剤との金属錯体によるものが提案されている。この技術は、単一もしくは特定成分の消臭を主たる目的とし、例えばピリジン、ニコチン、酢酸等の複数の悪臭成分が含まれるタバコ臭や、皮脂や汗などの油分や脂肪酸等を含む体臭、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニアなどを含む排泄物臭のような複合臭の消臭には向いていない。さらに、家庭用の消臭スプレーは、繊維の変色や傷みなどのダメージを考慮しなければならないため、工業用の技術をそのまま使うことは困難であった(特許文献4,5)。
すなわち、本発明は、(A)2価の水溶性金属塩、
(B)下記式(I)〜(IV)で表される少なくとも一種の化合物と、
(C)水溶性溶剤を30質量%以下
含み、(A)/(B)=0.01〜6(モル比)である、繊維製品用液体消臭剤組成物を提供する。
式(II)中、XII-1〜XII-4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立して水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウム基及びアルカノールアミンからなる群より選ばれる1種を示し、QIIは水素原子またはアルキル基を表し、RIIは水素原子または水酸基を表し、nIIIは0または1の整数を表す。
式(III)中、RIIIは直鎖あるいは分岐を有する炭素数C8−C22のアルキルおよびアルケニル基、AIIIはH、メチル基、又は(CH2)nIII−COOXIII、XIII-1はそれぞれH、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン、又はNH4を表わす。nIIIは1〜3のいずれかを示す。
式(IV)中、XIVは水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を表す。nIVは1または2の整数を表し、nIVが2の場合、XIVは同一でも異なっていても良い。)
本発明はまた、上記組成物において、(C)水溶性溶剤の含有量が5質量%以上30質量%である繊維製品用液体消臭剤組成物を提供する。
本発明はまた、繊維製品用液体消臭剤組成物をスプレー容器に収容してなる繊維製品用液体消臭物品を提供する。
(A)成分は、上記特定の金属の塩、具体的には、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の水溶性亜鉛塩;硫酸銅、塩化銅等の水溶性銅塩;硫酸鉄等の水溶性鉄塩;塩化マンガン等の水溶性マンガン塩等があげられる。(A)成分は、これらの水和物も含む。消臭性能の面から、水溶性亜鉛塩または水溶性銅塩が好ましい。水溶性亜鉛塩としては、硫酸亜鉛、塩化亜鉛が好ましい。水溶性銅塩としては、硫酸銅及びこれらの水和物が好ましく、硫酸銅水和物がより好ましく、硫酸銅5水和物が更に好ましい。
(A)成分は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。2種以上を併用する場合、亜鉛塩を含むのが好ましい。
なお、本明細書において、「水溶性金属塩」とは、25℃の水1Lに10g以上溶解する金属塩を意味する。
(A)成分の含有量は、本発明の組成物中、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることが更に好ましい。ただし、(A)成分が水和物の場合は、無水物としての配合量を意味する。(A)成分の割合が0.01質量%未満であると消臭効果が充分でなくなる。10質量%を超えると、組成物の保存安定性が悪化したり、対象となる繊維にしみや変色等の不具合が起こる可能性が高くなる。
MIは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウム基、アルカノールアミンからなる群より選ばれる1種を示す。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。MIとしては、アルカリ金属が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
mI及びnIは、それぞれ0〜2の整数である。mIは、好ましくは0又は1である。nIは、好ましくは0又は1である。mIとnIとがいずれも0の場合、AIは、CH3である。
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。MIIとしては、アルカリ金属が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
QIIは水素原子または炭素数8〜22の直鎖又は分岐アルキル基を表す。
RIIは水素原子または水酸基を表す。nIIは0または1を表す。
AIIIは、H、メチル基又は(CH2)mIII−COOXIIIを表す。AIIIとしては、(CH2)mIII−COOXIIIが好ましい。
mIIIは、1〜3のいずれかの数を表す。
XIIIは、H、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカノールアミン又はNH4を表わす。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
nIIIは1〜3のいずれかを表す。
オクチルアミノプロピオン酸ナトリウム、デシルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ミリスチルアミノプロピオン酸ナトリウム、パルミチルアミノプロピオン酸ナトリウム、オレイルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアルキル及びアルケニルアミノプロピオン酸塩;
N‐オクチルグリシンナトリウム、N‐デシルグリシンナトリウム、N‐ラウリルグリシンナトリウム、N‐ミリスチルグリシンナトリウム、N‐パルミチルグリシンナトリウム、N‐オレイルグリシンナトリウム等のN‐アルキル及びアルケニルグリシン塩;
N‐オクチル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐デシル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐ドデシル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐ミリスチル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐パルミチル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐オレイル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム等のN‐アルキル及びアルケニル‐N‐メチル‐β‐アラニン塩;
オクチルアミノジ酢酸ナトリウム、デシルアミノジ酢酸ナトリウム、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、ミリスチルアミノジ酢酸ナトリウム、パルミチルアミノジ酢酸ナトリウム、オレイルアミノジ酢酸ナトリウム等のアルキル及びアルケニルアミノジ酢酸塩;及び オクチルアミノジプロピオン酸ナトリウム、デシルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリスチルアミノジプロピオン酸ナトリウム、パルミチルアミノジプロピオン酸ナトリウム、オレイルアミノジプロピオン酸ナトリウム等のアルキル及びアルケニルアミノジプロピオン酸塩等が挙げられる。
これらの中では、保存安定性から考えて、アルキル及びアルケニルアミノジ酢酸塩が好ましく、その中でもデシルアミノジ酢酸、ラウリルアミノジ酢酸、ミリスチルアミノジ酢酸、パルミチルアミノジ酢酸又はその塩が好ましく、特にラウリルアミノジ酢酸、ミリスチルアミノジ酢酸、パルミチルアミノジ酢酸又はその塩がより好ましい。
本発明の組成物は上記(A)成分と(B)成分を併用することにより、従来の消臭剤組成物よりも優れた消臭効果を得ることができる。(A)成分と(B)成分との配合モル比率を(A)/(B)で表した場合、0.01〜6であることが消臭効果の面より必要である。好ましくは0.05〜2.5、さらに好ましくは0.3〜1である場合に、さらに消臭効果を得ることができる。
本発明で用いる水溶性溶剤としては、繊維製品用液体消臭剤組成物に一般的に使用されているものを使用することができる。ここで言う「水溶性溶剤」とは任意の比率で水と混ぜて透明に混ざるものを指す。具体的には、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数2〜3の1級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの炭素数2〜6のグリコール類;及びグリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数3〜8の多価アルコール類等が挙げられる。繊維製品用液体消臭剤組成物の香気に及ぼす影響や価格の点から、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤の含有量は、本発明の組成物中、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。配合量がこれより少ないと、乾燥するまで時間がかかることがあり、これより多いと、使用者がむせてしまう可能性があるが、配合量はこれに限定されない。
(D)成分:4級アンモニウム化合物
本発明の組成物に4級アンモニウム化合物を含ませることにより、組成物が布に浸透しやすくなり、消臭効果を高めることができるので好ましい。さらに、ウイルスに対する不活化効果も高めることができる。インフルエンザウイルスなどのエンベロープ型のウイルスだけでなく、各種薬剤に対する抵抗性の高いノロウイルスやネコカリシウイルスなどの非エンベロープ型のウイルスにも、短時間で不活化することができる。(D)4級アンモニウム化合物としては、下記式(V)で表される化合物を用いることができる。
前記式(V)で表される化合物としては、例えば、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられるが、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドが効果の面から好ましい。
(D)成分の配合量は、本発明の組成物中、通常0〜20質量%、好ましくは0.01〜20質量%、更に好ましくは0.05〜5質量%である。これより多く配合しても効果が上がらない。
(A)/(D)の質量比は、通常0〜100、好ましくは0.01〜100であり、より好ましくは0.1〜10である。このような割合で両者を併用すると、(A)成分を繊維製品に効率的に浸透させることができるので好ましい。
非イオン性界面活性剤を含ませることにより、本発明の繊維製品用消臭剤組成物の分散安定性を高めることができる。
本発明において使用できる非イオン性界面活性剤としては、炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキル(C1〜3)エステルや、オキシエチレン基の平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルポリグルコシド、オキシエチレン基の平均付加モル数が20〜100モルである硬化ヒマシ油、などが挙げられる。中でも、炭素数10〜14のアルキル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数が5〜20モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、オキシエチレン基の平均付加モル数が30〜50モルである硬化ヒマシ油が好ましい。
また、任意の量の水にA成分とB成分を添加攪拌した後、事前にA成分とB成分と水以外を混合した小物を添加し、水酸化ナトリウムや塩酸、硫酸等のpH調整剤を用い、pHメーター(例えば、Mettler Toledo社製 型番MP230)で、配合物をスターラーにて攪拌したままpHを調整した後、残りの水を添加することにより製造するという方法もあるが、これに限らない。
保存安定性の観点からは、組成物のpHは6.5以下が好ましく、5以下であると更に好ましい。組成物のpHが6.5より高い場合、保存によって組成物の外観が変化してしまうことがあるが、その理由としては、如何なる理論にも拘束されるものではないが、A成分/B成分のモル比が1より大きくなればなるほど組成物中のA成分が組成物中でイオンの状態になっている量が多くなり、経時で水不溶性の化合物を形成してしまうことが考えられる。また、保存によってにおいが変化してしまうことがあるが、その理由としては、如何なる理論にも拘束されるものではないが、pHが高いことによりB成分が変質してしまうことが考えられる。
実施例及び比較例で使用した組成物は、表1〜表3に記載の配合量(質量%)で以下のように調製した。
(A)成分、(B)成分及び精製水以外の成分を予め混合したものに、精製水をある程度添加し、次いで(A)成分と(B)成分を添加した。その後、室温25℃の部屋にてpH測定器(株式会社堀場製作所製 pHメーター 型番F−52、pH電極 型番9615−10D)を用い、組成物を攪拌しながらpHを測定しながら0.1規定の水酸化ナトリウムもしくは希硫酸を用いてpHを調整し、残りの精製水を添加した。なお、以下の表1〜表3において精製水の添加量は、組成物の合計量を100質量%とした場合の残部である。各成分の詳細は以下の通りである。
A-1:硫酸亜鉛(II)(関東化学株式会社製)
A-2:硫酸銅・5水和物(関東化学株式会社製)
A-3:塩化亜鉛(関東化学株式会社製)
A-4:硫酸鉄(II)(関東化学株式会社製)
A-5:硫酸アルミニウム(III)
B-1:メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム「MGDA」(BASF社製)
B-2:2,2'-イミノジコハク酸四ナトリウム塩(ランクセス)
B-3:ラウリルアミノジ酢酸([商品名]ニッサンアノンパウダー、日油株式会社製)
B-4:2,3-ピリジンジカルボン酸無水物(ACR製)
B-5:エチレンジアミン4酢酸「EDTA」(関東化学株式会社製)
B-6:ジエチレントリアミン「DETA」:(東京化成工業社製)
C-1:合成エタノール 95%(日本アルコール販売)
C-2:グリセリン 試薬 純正化学
D-1:塩化ジデシルジメチルアンモニウム「AQ210」(アーカード210-80E、ライオンアクゾ(株)製)
E-1:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HC40:日本エマルジョン):0.5%
ポリエーテル変性シリコーン(SH3775M:東レ・ダウコーニング株式会社製):
0.2%
E-2:ポリエーテル変性シリコーン(E-1で使用したのと同じもの):0.5%
(F)香料
F-1:特開2008-7872号公報の実施例に記載の香料組成物a-1-1
F-2〜F-4:表4参照
<タバコ臭消臭性評価方法>
ウールサージ布(15cm×20cm、5g)16枚を縦50cm×横30cm×高さ50cmのダンボールの上部に吊るし、火を付けたタバコ(マイルドセブン、日本たばこ産業(株)製)1本をダンボールの下部に置き、ダンボールを密閉して40分間放置した。その後、ダンボールの上部を開け、40分間放置し、布を取りだした。実施例もしくは比較例に記載の組成物をディスペンサーポンプスプレー(スタイルガード しわもニオイもすっきりスプレー、ライオン(株)製)を用いて、上記試験布に均一に1g噴霧した。そのまま10分間放置した後、タバコ臭の強さを評価基準Aに従って点数付けをした。評価は、10人のパネラーで布に残っているタバコ臭の強さを下記の基準により官能評価し、その平均値から評価基準Bにしたがって実施例もしくは比較例に記載した。
5点:強烈なニオイ
4点:強いニオイ
3点:楽に感知できる程度のニオイの強さ
2点:何の臭いか分かる程度のニオイの強さ
1点:やっと感知できる程度のニオイの強さ
0点:無臭
<評価基準B>
◎◎◎:0.25点未満
◎◎:0.25点以上0.5点未満
◎ :0.5点以上1.5点未満
○ :1.5点以上2.5点未満
△ :2.5点以上3.5点未満
× :3.5点以上
○、◎、◎◎、◎◎◎を合格とする。
垂直に立てたアクリル板(40cm×50cm)にウールトップミルド布(30cm×30cm、グレー)を洗濯ばさみでとめ、実施例もしくは比較例に記載の組成物をディスペンサーポンプスプレー(スタイルガード しわもニオイもすっきりスプレー、ライオン(株)製)を用いて、上記試験布に20cm離して同じ部分に3回噴霧した。そのまま2時間乾燥後、噴霧部分の変色、輪染み等の色の変化を目視で判定した。
<評価基準C>
◎◎:変化なし
◎:わずかに変色あり
○:やや変色あり
△:かなり変色あり
×:はっきりと変色あり
○、◎、◎◎を合格とする。
綿布(10cm×10cm,かなきん3号,(財)日本規格協会製)を枕に縫いつけて、30〜40代の男性が1週間使用したものを試験布とした。実施例もしくは比較例に記載の組成物をディスペンサーポンプスプレー(スタイルガード しわもニオイもすっきりスプレー、ライオン(株)製)を用いて、上記試験布に均一に1g噴霧した。そのまま10分間放置した後、枕の臭いの強さを評価基準Aに従って点数付けをした。評価は、10人のパネラーで布に残っている悪臭の強さを下記の基準により官能評価し、その平均値から評価基準Bにしたがって実施例もしくは比較例に記載した。
5点:強烈なニオイ
4点:強いニオイ
3点:楽に感知できる程度のニオイの強さ
2点:何の臭いか分かる程度のニオイの強さ
1点:やっと感知できる程度のニオイの強さ
0点:無臭
<評価基準B>
◎◎◎:0.25点未満
◎◎:0.25点以上0.5点未満
◎ :0.5点以上1.5点未満
○ :1.5点以上2.5点未満
△ :2.5点以上3.5点未満
× :3.5点以上
○、◎、◎◎、◎◎◎を合格とする。
トイレマット(65cm×65cm,乾度良好Dナチュレ(ホワイト),オカ株式会社製)に対して、20〜40代の男性5名から採取した尿10gを均一に塗布し、3日間室温で放置したものを試験布とした。実施例もしくは比較例に記載の組成物をディスペンサーポンプスプレー(スタイルガード しわもニオイもすっきりスプレー、ライオン(株)製)を用いて、上記試験布10cm×10cmに均一に1g噴霧した。そのまま10分間放置した後、トイレマットの臭いの強さを評価基準Aに従って点数付けをした。評価は、10人のパネラーでトレイマットに残っている悪臭の強さを下記の基準により官能評価し、その平均値から評価基準Bにしたがって実施例もしくは比較例に記載した。
5点:強烈なニオイ
4点:強いニオイ
3点:楽に感知できる程度のニオイの強さ
2点:何の臭いか分かる程度のニオイの強さ
1点:やっと感知できる程度のニオイの強さ
0点:無臭
<評価基準B>
◎◎◎:0.25点未満
◎◎ :0.25点以上0.5点未満
◎ :0.5点以上1.5点未満
○ :1.5点以上2.5点未満
△ :2.5点以上3.5点未満
× :3.5点以上
○、◎、◎◎、◎◎◎を合格とする。
配合した組成物をねじ口瓶(日電理科硝子株式会社製、SV−50瓶)に入れ、配合直後の外観及びにおいを評価した。その後、40℃又は−5℃で1ヶ月間保存した後室温(約25℃)に戻し、保存後の外観及び香気を評価した。
外観は目視で評価した。においはビン口のにおいを官能評価した。保存後のにおいは、−5℃保存後の香気を標準として、40℃保存後のにおいを以下の基準で評価した。
<配合直後外観評価基準>
○ :濁り、分散不良、析出物なし
△ :やや不透明ではあるが、分散不良、析出物なし
× :濁りもしくは分散不良、もしくは析出物あり
<配合直後香気評価基準>
○ :異臭なし
△ :やや異臭あり
× :異臭あり
<保存後外観評価基準>
◎:変化なし
○:よく見るとわずかに色が濁っている。
△:半透明である。もしくは析出が発生しているが、軽く振り混ぜれば溶解する。
×:不透明である。もしくは析出物が発生しており、振り混ぜても溶解しない。
<保存後におい評価基準>
◎:変化なし
○:わずかに変化があるがにおいは変わらない
△:わずかににおいに変化あり
×:においに変化あり
実施例及び比較例の組成物をウイルスに作用させ、TCID50法により、実施例及び比較例の組成物のウイルス不活化効果を評価した。
(1)供試ウイルス
A型インフルエンザウイルス及びネコカリシウイルス(ノロウイルス代替ウイルス)
(2)ウイルス液の調製
(a)A型インフルエンザウイルス液
A型インフルエンザウイルスを発育鶏卵の漿尿膜腔に摂取し、ふ卵器で静置培養後、漿尿液を採取し密度勾配遠心法により精製したものをウイルス液とした。
(b)ネコカリシウイルス液
ネコカリシウイルス(FCV)F9 株を培養細胞に接種し、PBS(-)で洗浄後、血清不含イーグルMEM 培地でふ卵器で静置培養した。全ての細胞に細胞変性効果が生じた時点で培養液および細胞を回収し、遠心分離した上清をウイルス液とした。
(i)実施例又は比較例の組成物0.9mLと、上で調製したウイルス液0.1mLとを室温で混合し、30分(作用時間)反応させた。
(ii)上記(i)で得られたA型インフルエンザウイルス液に、0.2%FBS(ウシ胎児血清)含有DMEM(Dulbecco's modified Eagle's Medium)を添加し100倍希釈することにより、反応を停止させた。ネコカリシウイルス液には、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)を添加して100倍に希釈することにより、反応を停止させた。得られた液体を原液とし、PBSで10倍階段希釈した。
(iii)ウイルスを感染させるための細胞懸濁液50μLを用意した。
(iv)上記(ii)で調製した原液または希釈液50μLと、(iii)で準備した細胞懸濁液50μLとを96ウエルプレートに植え込んだ後、TCID50法(Behrens・Karber 法に準拠)に従って感染価を測定した。
上記(i)〜(iv)の方法で作用時間を0分とし、組成物の代わりにPBSを用いたものを試験し、感染価を測定した。その感染価の対数から、各組成物の感染価の対数を減じた値を、「感染価対数減少値」とした。感染価対数減少値に基づき、各組成物のウイルス不活化能を以下の基準により評価した。
また予備試験として、ウイルスなしのサンプルを上記の不活化試験法にて評価することにより、細胞はすべて成育することを確認した。
<評価基準>
○:評価ウイルス2種とも感染価対数減少値が3以上
△:評価ウイルス2種とも感染価対数減少値が1以上3未満、又は
評価ウイルスいずれか1種のみが感染価対数減少値3以上
×:評価ウイルス2種のうち、1種が感染価対数減少値1未満であり、
もう1種が感染価対数減少値3未満
上記基準により、○を合格とした。
Claims (10)
- (A)2価の水溶性金属塩、
(B)下記式(I)、(III)又は(IV)で表される少なくとも一種の化合物と、
(C)水溶性溶剤を30質量%以下
含み、(A)/(B)=0.01〜6(モル比)である、繊維製品用液体消臭剤組成物。
式(III)中、RIIIは直鎖あるいは分岐を有する炭素数C8−C22のアルキルおよびアルケニル基、AIIIはH、メチル基、又は(CH2)nIII−COOXIII、XIII-1はそれぞれH、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミン、又はNH4を表わす。nIIIは1〜3のいずれかを示す。
式(IV)中、XIVは水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属を表す。nIVは1または2の整数を表し、nIVが2の場合、XIVは同一でも異なっていても良い。) - (B)成分が、式(I)で表される化合物である請求項1に記載の繊維製品用液体消臭剤組成物。
- (B)成分が、メチルグリシンジ酢酸又はこの塩である請求項1に記載の繊維製品用液体消臭剤組成物。
- (A)成分が、水溶性亜鉛塩もしくは水溶性銅塩である請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維製品用液体消臭剤組成物。
- (C)成分が、炭素数2〜3の1級アルコール、炭素数2〜6のグリコール、及び炭素数3〜8の多価アルコールからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜4のいずれか1項記載の繊維製品用液体消臭剤組成物。
- 組成物のpHが6.5以下である請求項1〜5のいずれか1項記載の繊維製品用液体消臭剤組成物。
- さらに、炭素数10〜14のアルキル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数が5〜20モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、オキシエチレン基の平均付加モル数が30〜50モルである硬化ヒマシ油からなる群から選ばれる非イオン界面活性剤を含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の繊維製品用液体消臭剤組成物。
- さらに(D)成分として4級アンモニウム化合物を含有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の繊維製品用液体消臭剤組成物。
- (C)水溶性溶剤の含有量が5質量%以上30質量%である請求項1〜8のいずれか1項記載の繊維製品用液体消臭剤組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項記載の繊維製品用液体消臭剤組成物をスプレー容器に収容してなる繊維製品用液体消臭物品。
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