JP2016141673A - ウイルス不活化のための液体組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたウイルス不活化効果を示す薬剤の提供。【解決手段】塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等の式(a1-1)で示される第4級アンモニウム化合物、塩化ベンザルコニウム、セチルピリジニウム塩等から選ばれる第4級アンモニウム化合物等と、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等のSO42−、SO32−、S2O32−、S2O42−、S2O72−及びS2O82−から選ばれるイオウを含む2価陰イオンを放出する化合物30mM〜700mMとを含有する液体ウイルス不活化剤組成物。(R11〜R14は少なくとも2つがC1〜3アルキル基、その他がC8〜18の直鎖状/分岐鎖状のアルキル基又はC8〜18の直鎖状/分岐鎖状のアルケニル基;Z1-はCl-等の対イオン)【選択図】なし
Description
本発明は、液体ウイルス不活化剤組成物(ウイルス不活化のための液体組成物)に関する。詳細には、本発明は、優れたウイルス不活化効果を示す液体ウイルス不活化剤組成物に関する。また、本発明は、特定の有機窒素化合物のウイルス不活化作用を増強する方法等に関する。
従来より、ウイルス感染症を予防するために、環境中のウイルスを不活化させるための手法について検討が行われている。その手法として、熱処理、紫外線処理などの物理的手法が検討される一方で、薬剤を用いる検討も行われている。例えば、ウイルス不活化作用を示す薬剤として、特定のカチオン界面活性剤が見出されている(特許文献1〜6)。カチオン界面活性剤は、塩素系漂白剤や過酸化物よりも刺激性や腐食性が少ないことから、安全に、かつ様々な場面で用いることができる。
しかしながら、カチオン界面活性剤によるウイルス不活化効果はいまだ十分でなく、さらに優れたウイルス不活化効果が求められている。
しかしながら、カチオン界面活性剤によるウイルス不活化効果はいまだ十分でなく、さらに優れたウイルス不活化効果が求められている。
本発明は、優れたウイルス不活化効果を示す薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の有機窒素化合物と、イオウを含む2価の陰イオンを放出する化合物とを併用することで、優れたウイルス不活化効果を示すことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、このような新規な知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、このような新規な知見に基づいて完成されたものである。
本発明の一実施態様において、以下の(A)成分及び(B)成分を含有する液体ウイルス不活化剤組成物が提供される。
(A)次の(a1)〜(a4)より選ばれる、1種以上の有機窒素化合物:
(a1):下式(a1−1)で表される化合物、下式(a1−2)で表されるベンザルコニウム塩、及び下式(a1−3)で表されるセチルピリジニウム塩からなる群から選ばれる第4級アンモニウム化合物。
(式中、R11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R11〜R14のうちの少なくとも2つが、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であり、Z1 -は対イオンを表す。)
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R24は、炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R23は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Z2 -は対イオンを表す。)
(式中、Z3 -は対イオンを表す。)
(a2):下式(a2)で表される3級アミン。
R5−N[(CH2)w−NH2]2 (a2)
(式中、R5は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のヒドロキシアルキル基を表し、wは、1〜4の数である。)
(a3):下式(a3)で表される2級アミン。
R6−NH−C3H6−NH2 (a3)
(式中、R6は、炭素数8〜14のアルキル基又は炭素数8〜14のヒドロキシアルキル基を表す。)
(a4):下式(a4)で表されるジメチルジアリルアンモニウムの重合体。
(式中、pは平均重合度を示し、6〜6000であり、Z5 -は対イオンを表す。)
(B)SO4 2-、SO3 2-、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O7 2-及びS2O8 2-からなる群から選ばれるイオウを含む2価陰イオンを放出する化合物 30mM以上。
(A)次の(a1)〜(a4)より選ばれる、1種以上の有機窒素化合物:
(a1):下式(a1−1)で表される化合物、下式(a1−2)で表されるベンザルコニウム塩、及び下式(a1−3)で表されるセチルピリジニウム塩からなる群から選ばれる第4級アンモニウム化合物。
(a2):下式(a2)で表される3級アミン。
R5−N[(CH2)w−NH2]2 (a2)
(式中、R5は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のヒドロキシアルキル基を表し、wは、1〜4の数である。)
(a3):下式(a3)で表される2級アミン。
R6−NH−C3H6−NH2 (a3)
(式中、R6は、炭素数8〜14のアルキル基又は炭素数8〜14のヒドロキシアルキル基を表す。)
(a4):下式(a4)で表されるジメチルジアリルアンモニウムの重合体。
(B)SO4 2-、SO3 2-、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O7 2-及びS2O8 2-からなる群から選ばれるイオウを含む2価陰イオンを放出する化合物 30mM以上。
本発明の一実施態様によれば、液体ウイルス不活化剤組成物は、(C)0.1〜10質量%のメチルグリシン二酢酸またはその塩を更に含むことができる。
本発明の一実施態様において、(A)成分と(B)成分とを含有する組成物中の(B)成分の濃度が30mM〜700mMとなるように、(B)成分を(A)成分に配合することを含む、(A)成分のウイルス不活化作用を増強する方法が提供される。
本発明の一実施態様において、(A)成分に、(B)成分を配合し、(B)成分を30mM〜700mM含有する組成物を形成することを含む、(A)成分及び(B)成分を含有する組成物の製造方法が提供される。
本発明の一実施態様において、(B)成分を、(A)成分に添加するか、及び/又は(A)成分と組み合わせて用いることを含み、(B)成分を30mM〜700mMの濃度とすることを特徴とする、(A)成分のウイルス不活化作用を増強するための(B)成分の使用方法が提供される。
本発明の一実施態様によれば、優れたウイルス不活化効果を示すことができる。また、本発明の一実施態様によれば、ウイルス不活化のために、一般家庭から医療機関まで様々な場面で安全に用いることができる。
本発明の一実施態様によれば、更に、特定のキレート剤を併用することにより、より優れたウイルス不活化効果を示すことができる。
本発明の一実施態様によれば、更に、特定のキレート剤を併用することにより、より優れたウイルス不活化効果を示すことができる。
[(A)成分]
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物に含まれる(A)成分は、下記(a1)〜(a4)成分より選ばれる、1種以上の有機窒素化合物である。本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において、(A)成分が配合されることで、ウイルス不活化効果が発揮される。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物に含まれる(A)成分は、下記(a1)〜(a4)成分より選ばれる、1種以上の有機窒素化合物である。本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において、(A)成分が配合されることで、ウイルス不活化効果が発揮される。
<(a1)成分>
(a1)成分は、ウイルス不活化作用を有する第4級アンモニウム化合物であり、例えば、以下のものが挙げられる。なお、(a1)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(1)下式(a1−1)で表される化合物。この化合物は、カチオン界面活性剤としても知られる化合物である。
式(a1−1)中、R11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R11〜R14のうちの少なくとも2つが、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基である。
(a1)成分は、ウイルス不活化作用を有する第4級アンモニウム化合物であり、例えば、以下のものが挙げられる。なお、(a1)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(1)下式(a1−1)で表される化合物。この化合物は、カチオン界面活性剤としても知られる化合物である。
R11〜R14のうち、3つが炭素数1〜3のアルキル基である場合、ウイルス不活化効果の向上の観点から、残りの基は炭素数12〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましい。より好ましくは、R11〜R14のうち、3つがメチル基で、残りの基は炭素数14〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基である。更に好ましくは、R11〜R14のうち、3つがメチル基で、残りの基は炭素数18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基である。
R11〜R14のうち、2つが炭素数1〜3のアルキル基である場合、ウイルス不活化効果の向上の観点から、残りの2つの基は炭素数8〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。より好ましくは、R11〜R14のうち、2つがメチル基で、残りの2つの基は炭素数8〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基である。更に好ましくは、R11〜R14のうち、2つがメチル基で、残りの2つの基は炭素数10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基である。
R11〜R14のうち、2つが炭素数1〜3のアルキル基である場合、ウイルス不活化効果の向上の観点から、残りの2つの基は炭素数8〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。より好ましくは、R11〜R14のうち、2つがメチル基で、残りの2つの基は炭素数8〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基である。更に好ましくは、R11〜R14のうち、2つがメチル基で、残りの2つの基は炭素数10の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基である。
式(a1−1)中、Z1 -は対イオンを表す。Z1 -は、例えば、ハロゲンイオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン)、又はアルキル硫酸イオンである。アルキル硫酸イオンにおけるアルキルの炭素数は、例えば、1〜12である。汎用性の点から塩化物イオンが好ましい。
(2)下式(a1−2)で表されるベンザルコニウム塩。
式(a1−2)中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R24は、炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R23は炭素数1〜3のアルキレン基を表す。
R24の炭素数は10〜18が好ましく、12〜14がより好ましい。R24の炭素数が上記範囲内であると、ウイルス不活化効果の更なる向上を図ることができる。
R24の炭素数は10〜18が好ましく、12〜14がより好ましい。R24の炭素数が上記範囲内であると、ウイルス不活化効果の更なる向上を図ることができる。
式(a1−2)中、Z2 -は対イオンを表す。Z2 -は、例えば、ハロゲンイオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン)、又はアルキル硫酸イオンである。アルキル硫酸イオンにおけるアルキルの炭素数は、例えば、1〜12である。汎用性の点から塩化物イオンが好ましい。
式(a1−2)で表されるベンザルコニウム塩の具体例としては、アーカードCB(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)、ハイアミン3500−J(商品名、ロンザジャパン株式会社製)、オスバンS(商品名、日本製薬株式会社製)等が挙げられる。
式(a1−2)で表されるベンザルコニウム塩の具体例としては、アーカードCB(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)、ハイアミン3500−J(商品名、ロンザジャパン株式会社製)、オスバンS(商品名、日本製薬株式会社製)等が挙げられる。
(3)下式(a1−3)で表されるセチルピリジニウム塩。
式(a1−3)中、Z3 -は対イオンを表す。Z3 -は、例えば、ハロゲンイオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン)、又はアルキル硫酸イオンである。アルキル硫酸イオンにおけるアルキルの炭素数は、例えば、1〜12である。汎用性の点から、Z3 -が塩化物イオンである、即ち、塩化セチルピリジニウムが好ましい。塩化セチルピリジニウムとしては、和光純薬工業株式会社等の市販品が用いられてもよい。
<(a2)成分>
(a2)成分は、ウイルス不活化作用を有する第3級アミン化合物であり、例えば、下記式(a2)で表されるものが挙げられる。
R5−N[(CH2)w−NH2]2 (a2)
式(a2)中、R5は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のヒドロキシアルキル基を表す。R5は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよく、中でも直鎖状が好ましい。R5が直鎖状であると、ウイルス不活化効果の更なる向上を図ることができる。液体洗浄剤の殺菌効果をより高められる。
R5の炭素数は、8〜18であり、8〜14が好ましく、12がより好ましい。上記下限値以上では十分なウイルス不活化効果が発揮され、上記上限値以下では水への溶解性も十分である。
式(a2)中、wは、1〜4の数であり、2〜4が好ましく、3がより好ましい。上記範囲内であれば良好なウイルス不活化効果を発揮できる。
(a2)成分は、ウイルス不活化作用を有する第3級アミン化合物であり、例えば、下記式(a2)で表されるものが挙げられる。
R5−N[(CH2)w−NH2]2 (a2)
式(a2)中、R5は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のヒドロキシアルキル基を表す。R5は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよく、中でも直鎖状が好ましい。R5が直鎖状であると、ウイルス不活化効果の更なる向上を図ることができる。液体洗浄剤の殺菌効果をより高められる。
R5の炭素数は、8〜18であり、8〜14が好ましく、12がより好ましい。上記下限値以上では十分なウイルス不活化効果が発揮され、上記上限値以下では水への溶解性も十分である。
式(a2)中、wは、1〜4の数であり、2〜4が好ましく、3がより好ましい。上記範囲内であれば良好なウイルス不活化効果を発揮できる。
(a2)成分の具体例としては、N,N−ビス(3−アミノメチル)オクチルアミン、N,N−ビス(3−アミノメチル)デシルアミン、N,N−ビス(3−アミノメチル)ドデシルアミン等のN,N−ビス(3−アミノメチル)アルキルアミン;N,N−ビス(3−アミノエチル)オクチルアミン、N,N−ビス(3−アミノエチル)デシルアミン、N,N−ビス(3−アミノエチル)ドデシルアミン等のN,N−ビス(3−アミノエチル)アルキルアミン;N,N−ビス(3−アミノプロピル)オクチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)デシルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミン等のN,N−ビス(3−アミノプロピル)アルキルアミン;N,N−ビス(3−アミノブチル)オクチルアミン、N,N−ビス(3−アミノブチル)デシルアミン、N,N−ビス(3−アミノブチル)ドデシルアミン等のN,N−ビス(3−アミノブチル)アルキルアミン等が挙げられ、中でも、N,N−ビス(3−アミノプロピル)アルキルアミンが好ましく、N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミンがより好ましい。これらの(a2)成分は、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)又は脂肪酸塩等のアニオン界面活性剤が存在してもウイルス不活化効果が低下しにくい点で好ましい。
N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミンとしては、トリアミンY12D(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)、ロンザバック12−100(商品名、ロンザジャパン株式会社製)等が挙げられる。
なお、(a2)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミンとしては、トリアミンY12D(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)、ロンザバック12−100(商品名、ロンザジャパン株式会社製)等が挙げられる。
なお、(a2)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
<(a3)成分>
(a3)成分は、ウイルス不活化作用を有する第2級アミン化合物であり、例えば、下記式(a3)で表されるものが挙げられる。
R6−NH−C3H6−NH2 (a3)
式(a3)中、R6は、炭素数8〜14のアルキル基又は炭素数8〜14のヒドロキシアルキル基を表す。R6の炭素数が上記範囲内であると、良好なウイルス不活化効果を発揮できる。
(a3)成分の具体例としては、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げられる。N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパンとしては、デュオミンCD(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等が挙げられる。
(a3)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(a3)成分は、ウイルス不活化作用を有する第2級アミン化合物であり、例えば、下記式(a3)で表されるものが挙げられる。
R6−NH−C3H6−NH2 (a3)
式(a3)中、R6は、炭素数8〜14のアルキル基又は炭素数8〜14のヒドロキシアルキル基を表す。R6の炭素数が上記範囲内であると、良好なウイルス不活化効果を発揮できる。
(a3)成分の具体例としては、N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン、N−硬化牛脂アルキル−1,3−ジアミノプロパン等が挙げられる。N−ヤシアルキル−1,3−ジアミノプロパンとしては、デュオミンCD(商品名、ライオンアクゾ株式会社製)等が挙げられる。
(a3)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
<(a4)成分>
(a4)成分は、ジメチルジアリルアンモニウムの重合体であり、例えば、下式(a4)で表されるものが挙げられる。
式(a4)中、pは平均重合度を示し、例えば、6〜6000が好ましく、60〜1200がより好ましい。
式(a4)中、Z5 -は対イオンを表す。Z5 -は、例えば、ハロゲンイオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン)、又はアルキル硫酸イオンである。アルキル硫酸イオンにおけるアルキルの炭素数は、例えば、1〜12である。汎用性の点から塩化物イオンが好ましい。
(a4)成分は、ジメチルジアリルアンモニウムの重合体であり、例えば、下式(a4)で表されるものが挙げられる。
式(a4)中、Z5 -は対イオンを表す。Z5 -は、例えば、ハロゲンイオン(フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン)、又はアルキル硫酸イオンである。アルキル硫酸イオンにおけるアルキルの炭素数は、例えば、1〜12である。汎用性の点から塩化物イオンが好ましい。
(a4)成分の分子量は、1000〜1000000が好ましく、10000〜200000がより好ましい。分子量が上記範囲内であると、良好なウイルス不活化効果を発揮できる。
(a4)成分の具体例としては、マーコート100(商品名、ナルコ社製)、PAS−H−1L、PAS−H−5L、PAS−H−10L(商品名、日東紡績株式会社製)等が挙げられる。
(a4)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(a4)成分の具体例としては、マーコート100(商品名、ナルコ社製)、PAS−H−1L、PAS−H−5L、PAS−H−10L(商品名、日東紡績株式会社製)等が挙げられる。
(a4)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
上述した(A)成分の中でも、液体ウイルス不活化剤組成物の粘度の上昇を抑える観点からは、(a1)〜(a3)成分が好ましい。(a1)〜(a3)成分の中では、(a1)及び(a2)成分がより好ましく、ウイルス不活化効果の強さの点から、(a1)成分が特に好ましい。また、ウイルス不活化効果の強さの点から、式(a1−1)で表される化合物が最も好ましい。
(A)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中の(A)成分の配合量は、(A)成分の種類等を勘案して決定され、例えば0.02〜30質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。また、(a1)成分を0.1〜10質量%配合することが最も好ましい。(A)成分の含有量が0.02質量%以上であると、十分なウイルス不活化効果が期待できる。(A)成分の含有量が30質量%以上であると、液剤の安定性が悪くなることがある。
(A)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中の(A)成分の配合量は、(A)成分の種類等を勘案して決定され、例えば0.02〜30質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。また、(a1)成分を0.1〜10質量%配合することが最も好ましい。(A)成分の含有量が0.02質量%以上であると、十分なウイルス不活化効果が期待できる。(A)成分の含有量が30質量%以上であると、液剤の安定性が悪くなることがある。
[(B)成分]
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物に含まれる(B)成分は、SO4 2-、SO3 2-、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O7 2-及びS2O8 2-からなる群から選ばれるイオウを含む2価陰イオンを放出する化合物である。本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において、(B)成分が配合されることで、(A)成分のウイルス不活化作用が増強される。
(B)成分は、好ましくは、1価陽イオンを放出する化合物である。放出される陽イオンが3価、2価及び1価のうちで、1価である場合が最も効果を発揮する。1価の陽イオンとしては、H+、Na+、K+、Li+、Rb+、Cs+等が挙げられる。中でも、K塩、Li塩、Rb塩、Cs塩は高価格となることから、H+、Na塩が入手の点で好ましい。Na塩はH+の様な強酸を示すことなく取り扱いが容易である。
(B)成分は、より好ましくは、H2SO4、Na2SO4、Na2SO3、Na2S2O3、Na2S2O3、Na2S2O4、Na2S2O7、Na2S2O8、又はそれらの水和物であり、更に好ましくは、H2SO4、Na2SO4、Na2SO3、Na2S2O3又はそれらの水和物あり、特に好ましくは、H2SO4、Na2SO4、Na2SO3又はそれらの水和物であり、最も好ましくはNa2SO4又はその水和物である。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物に含まれる(B)成分は、SO4 2-、SO3 2-、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O7 2-及びS2O8 2-からなる群から選ばれるイオウを含む2価陰イオンを放出する化合物である。本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において、(B)成分が配合されることで、(A)成分のウイルス不活化作用が増強される。
(B)成分は、好ましくは、1価陽イオンを放出する化合物である。放出される陽イオンが3価、2価及び1価のうちで、1価である場合が最も効果を発揮する。1価の陽イオンとしては、H+、Na+、K+、Li+、Rb+、Cs+等が挙げられる。中でも、K塩、Li塩、Rb塩、Cs塩は高価格となることから、H+、Na塩が入手の点で好ましい。Na塩はH+の様な強酸を示すことなく取り扱いが容易である。
(B)成分は、より好ましくは、H2SO4、Na2SO4、Na2SO3、Na2S2O3、Na2S2O3、Na2S2O4、Na2S2O7、Na2S2O8、又はそれらの水和物であり、更に好ましくは、H2SO4、Na2SO4、Na2SO3、Na2S2O3又はそれらの水和物あり、特に好ましくは、H2SO4、Na2SO4、Na2SO3又はそれらの水和物であり、最も好ましくはNa2SO4又はその水和物である。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中の(B)成分の配合量は、30mM〜700mMである。例えば、(B)成分の配合量は、40mM以上、50mM以上、60mM以上、70mM以上、80mM以上、90mM以上、100mM以上であり得、600mM以下、500mM以下、400mM以下、300mM以下、200mM以下であり得る。(B)成分の配合量は、30mM〜350mMがより好ましく、70mM〜200mMが最も好ましい。(B)成分の配合量が30mM以上であると、(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が発揮される。(B)成分の配合量が多すぎると液体安定性が悪くなることがある。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において、(A)成分と(B)成分の比率は0.02質量%/700mM〜10質量%/140mMが好ましく、0.1質量%/70mM〜5質量%/140mMがより好ましく、0.1質量%/70mM〜2質量%/70mMが最も好ましい。上記比率の範囲内であると、良好なウイルス不活化作用増強効果が期待できる。(B)成分の比率が高すぎると、ウイルス不活化作用増強効果が飽和する。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において、(A)成分と(B)成分の比率は0.02質量%/700mM〜10質量%/140mMが好ましく、0.1質量%/70mM〜5質量%/140mMがより好ましく、0.1質量%/70mM〜2質量%/70mMが最も好ましい。上記比率の範囲内であると、良好なウイルス不活化作用増強効果が期待できる。(B)成分の比率が高すぎると、ウイルス不活化作用増強効果が飽和する。
(B)成分を配合することによる、(A)成分のウイルス不活化作用増強効果のメカニズムは定かでないが、次の作用が働いていると考えられる。
2価陰イオンは、1価陰イオンよりもタンパク質表面の陽イオン部位に吸着しやすい。そのため、タンパク質表面の陽イオン部位が電荷的に中和されて、陽イオン部位を有する(A)成分がウイルス表面のタンパク質に吸着しやすくなる。
また、2価以上の陽イオンは、1価陽イオンよりもタンパク質表面の陰イオン部位に吸着しやすい。そのため、タンパク質表面の陰イオン部位への陽イオンの結合が強固となり、その部位への陽イオン性部位を有する(A)成分の吸着が阻害される傾向にある。
なお、(a2)成分及び(a3)成分は、アミン化合物で、塩基性物質であり、陽イオン部位を有するアンモニウムと同様の挙動を示すと考えられる。
2価陰イオンは、1価陰イオンよりもタンパク質表面の陽イオン部位に吸着しやすい。そのため、タンパク質表面の陽イオン部位が電荷的に中和されて、陽イオン部位を有する(A)成分がウイルス表面のタンパク質に吸着しやすくなる。
また、2価以上の陽イオンは、1価陽イオンよりもタンパク質表面の陰イオン部位に吸着しやすい。そのため、タンパク質表面の陰イオン部位への陽イオンの結合が強固となり、その部位への陽イオン性部位を有する(A)成分の吸着が阻害される傾向にある。
なお、(a2)成分及び(a3)成分は、アミン化合物で、塩基性物質であり、陽イオン部位を有するアンモニウムと同様の挙動を示すと考えられる。
[(C)成分]
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、(C)成分として、カルシウムイオンを捕捉する基剤を更に含み得る。(C)成分の配合量は、0.1〜10質量%であり、好ましくは、0.2〜2質量%である。
(C)成分としては、液体安定性の点から、メチルグリシン二酢酸またはその塩が好ましい。メチルグリシン二酢酸の塩としては、Na塩およびK塩が好ましく、Na塩が最も好ましい。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において、(C)成分を配合することにより、(A)成分のウイルス不活化効果を更に増強することができる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、(C)成分として、カルシウムイオンを捕捉する基剤を更に含み得る。(C)成分の配合量は、0.1〜10質量%であり、好ましくは、0.2〜2質量%である。
(C)成分としては、液体安定性の点から、メチルグリシン二酢酸またはその塩が好ましい。メチルグリシン二酢酸の塩としては、Na塩およびK塩が好ましく、Na塩が最も好ましい。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において、(C)成分を配合することにより、(A)成分のウイルス不活化効果を更に増強することができる。
[任意成分]
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(C)成分以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において配合され得る公知の成分を適宜配合することができる。例えば、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物には、水溶性溶剤、非イオン界面活性剤、防黴剤、pH調整剤、香料、シリコーン化合物等を配合することができる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(C)成分以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において配合され得る公知の成分を適宜配合することができる。例えば、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物には、水溶性溶剤、非イオン界面活性剤、防黴剤、pH調整剤、香料、シリコーン化合物等を配合することができる。
<水溶性溶剤>
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において配合され得る水溶性溶剤としては、液体組成物に一般的に使用されているものを使用することができる。ここで言う「水溶性溶剤」とは、任意の比率で水と混ぜて透明に混ざるものを指す。具体的には、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数2〜3の1級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの炭素数2〜6のグリコール類;及びグリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数3〜8の多価アルコール類等が挙げられる。液体組成物の香気に及ぼす影響や価格の点から、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤の配合量は、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。配合量が上記範囲内より少ないと、乾燥するまで時間がかかることがあり、上記範囲内より多いと、使用者がむせてしまう可能性があるが、配合量はこれに限定されない。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において配合され得る水溶性溶剤としては、液体組成物に一般的に使用されているものを使用することができる。ここで言う「水溶性溶剤」とは、任意の比率で水と混ぜて透明に混ざるものを指す。具体的には、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数2〜3の1級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの炭素数2〜6のグリコール類;及びグリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数3〜8の多価アルコール類等が挙げられる。液体組成物の香気に及ぼす影響や価格の点から、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤の配合量は、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。配合量が上記範囲内より少ないと、乾燥するまで時間がかかることがあり、上記範囲内より多いと、使用者がむせてしまう可能性があるが、配合量はこれに限定されない。
<非イオン界面活性剤>
非イオン性界面活性剤を用いることにより、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の分散安定性を高めることができる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において使用できる非イオン性界面活性剤としては、炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキル(C1〜3)エステルや、オキシエチレン基の平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルポリグルコシド、オキシエチレン基の平均付加モル数が20〜100モルである硬化ヒマシ油、などが挙げられる。中でも、炭素数10〜14のアルキル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数が5〜20モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、オキシエチレン基の平均付加モル数が30〜50モルである硬化ヒマシ油が好ましい。
非イオン性界面活性剤の配合量は、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。この範囲にあると、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の分散安定性をより高めることができる。
非イオン性界面活性剤を用いることにより、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の分散安定性を高めることができる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物において使用できる非イオン性界面活性剤としては、炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキル(C1〜3)エステルや、オキシエチレン基の平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルポリグルコシド、オキシエチレン基の平均付加モル数が20〜100モルである硬化ヒマシ油、などが挙げられる。中でも、炭素数10〜14のアルキル基を有し、オキシエチレン基の平均付加モル数が5〜20モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、オキシエチレン基の平均付加モル数が30〜50モルである硬化ヒマシ油が好ましい。
非イオン性界面活性剤の配合量は、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。この範囲にあると、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の分散安定性をより高めることができる。
<防黴剤>
繊維製品上での菌の増殖を抑制し、不快臭の発生を抑制する観点から、有機系防菌防黴剤、無機系防菌防黴剤の中から1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。有機系防菌防黴剤としては、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、ニトリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、糖質系、トロポロン系、有機金属系のものが挙げられる。また、無機系防菌防黴剤としては、金属酸化物、銀系が挙げられる。例えばイソプロピルメチルフェノールなどの抗菌剤或いは除菌剤を、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中に0.05〜1質量%の範囲で配合することが好ましい。
繊維製品上での菌の増殖を抑制し、不快臭の発生を抑制する観点から、有機系防菌防黴剤、無機系防菌防黴剤の中から1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。有機系防菌防黴剤としては、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、ニトリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、糖質系、トロポロン系、有機金属系のものが挙げられる。また、無機系防菌防黴剤としては、金属酸化物、銀系が挙げられる。例えばイソプロピルメチルフェノールなどの抗菌剤或いは除菌剤を、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中に0.05〜1質量%の範囲で配合することが好ましい。
<pH調整剤>
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物に含まれる成分の保存安定性を確保するために、pH調整剤を配合することができる。酸として、例えば塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸等のカルボン酸が挙げられる。アルカリとして、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物に含まれる成分の保存安定性を確保するために、pH調整剤を配合することができる。酸として、例えば塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸等のカルボン酸が挙げられる。アルカリとして、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
<香料>
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物そのもの、または本発明の液体ウイルス不活化剤組成物により処理された繊維製品等に香り付けをするために、香料を配合することができる。本発明の分野において通常使用されているいかなる香料も使用でき、例えば、特開2008-7872号公報に記載されているような香料成分、溶剤、安定化剤を含有する香料組成物が挙げられる。例えば、香料を、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中に0.005〜5質量%配合することができる。香り付けの効果と経済性の観点から、0.01〜1質量%配合することが好ましい。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物そのもの、または本発明の液体ウイルス不活化剤組成物により処理された繊維製品等に香り付けをするために、香料を配合することができる。本発明の分野において通常使用されているいかなる香料も使用でき、例えば、特開2008-7872号公報に記載されているような香料成分、溶剤、安定化剤を含有する香料組成物が挙げられる。例えば、香料を、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物中に0.005〜5質量%配合することができる。香り付けの効果と経済性の観点から、0.01〜1質量%配合することが好ましい。
<シリコーン化合物>
液体組成物にシリコーン化合物を配合し、消臭効果とスーツ等の着用じわを減少させる「しわ取り消臭剤組成物」とすることもできる。シリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられる。本発明において、使用するシリコーン化合物としては、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、中でもHLBが13以下、好ましくは10以下、更に好ましくは7以下のポリエーテル変性シリコーンが、着用じわを減少させる観点から好ましい。具体的には東レ・ダウコーニング社製のSH3775C、SH3772Cなどの化合物が好適である。これらシリコーン化合物の配合量は、液体消臭剤組成物中に0.01〜5質量%配合することができる。しわ減少効果と経済性の観点から、0.1〜1質量%配合することが好ましい。
液体組成物にシリコーン化合物を配合し、消臭効果とスーツ等の着用じわを減少させる「しわ取り消臭剤組成物」とすることもできる。シリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられる。本発明において、使用するシリコーン化合物としては、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、中でもHLBが13以下、好ましくは10以下、更に好ましくは7以下のポリエーテル変性シリコーンが、着用じわを減少させる観点から好ましい。具体的には東レ・ダウコーニング社製のSH3775C、SH3772Cなどの化合物が好適である。これらシリコーン化合物の配合量は、液体消臭剤組成物中に0.01〜5質量%配合することができる。しわ減少効果と経済性の観点から、0.1〜1質量%配合することが好ましい。
その他、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物に配合されるものとしては、キレート剤、再汚染防止剤、高分子、防腐剤、抗菌剤、忌避剤、天然物などのエキス、分散剤、色素、酸化防止剤、増粘剤、減粘剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。本発明のウイルス不活化剤組成物における上記任意成分の配合量は、上限が好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
[組成物のpH]
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物のpHは特に限定されない。しかしながら、液体組成物の貯蔵安定性や対象の臭気抑制効果を確保するために、上記pH調整剤を用いて液体組成物のpHを一定の範囲に調整することが好ましい。このようなpHの範囲は、例えば、下限が好ましくは3以上、上限は好ましくは8以下、より好ましくは6.5以下である。pHが上記範囲内であると、タバコ臭の悪臭消臭効果を高めることができる。また、pHの下限が好ましくは4以上、より好ましくは5.5以上、上限が好ましくは9以下であると、枕カバー臭や体臭などの悪臭消臭効果を高めることができる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物のpHは特に限定されない。しかしながら、液体組成物の貯蔵安定性や対象の臭気抑制効果を確保するために、上記pH調整剤を用いて液体組成物のpHを一定の範囲に調整することが好ましい。このようなpHの範囲は、例えば、下限が好ましくは3以上、上限は好ましくは8以下、より好ましくは6.5以下である。pHが上記範囲内であると、タバコ臭の悪臭消臭効果を高めることができる。また、pHの下限が好ましくは4以上、より好ましくは5.5以上、上限が好ましくは9以下であると、枕カバー臭や体臭などの悪臭消臭効果を高めることができる。
[組成物の粘度]
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の粘度は特に限定されないが、10mPa・s以下であることが好ましい。スプレー容器に入れて使用する場合には5mPa・s以下であることがより好ましい。なお、ここで示す粘度はB型粘度計(トキメック社製)を用いて、原液を25℃で測定した場合の数値である。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の粘度は特に限定されないが、10mPa・s以下であることが好ましい。スプレー容器に入れて使用する場合には5mPa・s以下であることがより好ましい。なお、ここで示す粘度はB型粘度計(トキメック社製)を用いて、原液を25℃で測定した場合の数値である。
[組成物の製造方法]
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体ウイルス不活化剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。通常、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の製造方法は、(A)成分に(B)成分を配合し、(B)成分を30mM〜700mM含有する組成物を形成することを含む。
例えば、水溶性溶剤に、(A)成分、必要によりシリコーン化合物や非イオン界面活性剤等の任意成分を添加して混合後、水をある程度添加し、次いで(B)成分及び任意に(C)成分を添加し、混合する。その後、必要であれば、水酸化ナトリウムや塩酸、硫酸等のpH調整剤を用い、pHメーター(例えば、Mettler Toledo社製 型番MP230)で、配合物をスターラーにて攪拌したままpHを調整した後、残りの水を添加することにより製造することができる。
また、任意の量の水に、(B)成分と任意に(C)成分を添加攪拌した後、事前に(B)成分と(C)成分と水以外を混合して準備した混合物を添加し、水酸化ナトリウムや塩酸、硫酸等のpH調整剤を用い、pHメーター(例えば、Mettler Toledo社製 型番MP230)で、配合物をスターラーにて攪拌したままpHを調整した後、残りの水を添加することにより製造するという方法もある。
しかしながら、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の製造方法は、これらの方法に限らない。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体ウイルス不活化剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。通常、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の製造方法は、(A)成分に(B)成分を配合し、(B)成分を30mM〜700mM含有する組成物を形成することを含む。
例えば、水溶性溶剤に、(A)成分、必要によりシリコーン化合物や非イオン界面活性剤等の任意成分を添加して混合後、水をある程度添加し、次いで(B)成分及び任意に(C)成分を添加し、混合する。その後、必要であれば、水酸化ナトリウムや塩酸、硫酸等のpH調整剤を用い、pHメーター(例えば、Mettler Toledo社製 型番MP230)で、配合物をスターラーにて攪拌したままpHを調整した後、残りの水を添加することにより製造することができる。
また、任意の量の水に、(B)成分と任意に(C)成分を添加攪拌した後、事前に(B)成分と(C)成分と水以外を混合して準備した混合物を添加し、水酸化ナトリウムや塩酸、硫酸等のpH調整剤を用い、pHメーター(例えば、Mettler Toledo社製 型番MP230)で、配合物をスターラーにて攪拌したままpHを調整した後、残りの水を添加することにより製造するという方法もある。
しかしながら、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の製造方法は、これらの方法に限らない。
[組成物の使用方法]
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体ウイルス不活化剤組成物の使用方法と同様の方法により使用できる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、水道水などで希釈して用いることもできる。本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の原液又はその希釈溶液を容器に入れ、その一部を滴下、塗布、噴霧等して適用対象となる硬表面や繊維製品などに接触させることができる。また、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の原液又はその希釈溶液に対象物を浸漬しても良い。硬表面としては、洗面所の流し、蛇口、鏡、壁、便器、ドアノブ、机、床、浴槽や台所のシンク周り、配管などが挙げられ、繊維製品としては、タオル、雑巾、一般衣料、マスク、シーツ、リネン、布団、毛布、ベッド、カーテン、椅子などが挙げられる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、液体噴霧剤、衣料用前処理剤、室内用洗浄剤等の製品として応用できる。
なお、一実施態様において、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、生体外の環境において適用され得る。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体ウイルス不活化剤組成物の使用方法と同様の方法により使用できる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、水道水などで希釈して用いることもできる。本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の原液又はその希釈溶液を容器に入れ、その一部を滴下、塗布、噴霧等して適用対象となる硬表面や繊維製品などに接触させることができる。また、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の原液又はその希釈溶液に対象物を浸漬しても良い。硬表面としては、洗面所の流し、蛇口、鏡、壁、便器、ドアノブ、机、床、浴槽や台所のシンク周り、配管などが挙げられ、繊維製品としては、タオル、雑巾、一般衣料、マスク、シーツ、リネン、布団、毛布、ベッド、カーテン、椅子などが挙げられる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、液体噴霧剤、衣料用前処理剤、室内用洗浄剤等の製品として応用できる。
なお、一実施態様において、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、生体外の環境において適用され得る。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物を繊維製品に使用する使用方法としては、繊維製品を組成物中に浸漬した後風乾すること、組成物をスプレー容器に収納し、繊維製品に対して組成物を噴霧した後風乾することなどが挙げられるが、特に限定されない。特に、家庭においても手軽に実施できる簡便性や、必要量の組成物を繊維製品のニオイが気になる部位にのみ適用できるという経済性の点から、組成物をスプレー容器に収納し、繊維製品に噴霧して使用する方法が好ましい。
スプレー容器としては、エアゾールスプレー容器、トリガースプレー容器(直圧型あるいは蓄圧型)、ディスペンサースプレー容器等が挙げられる。エアゾールスプレー容器の例としては、特開平9-3441号公報、及び特開平9-58765号公報等に記載されているものが挙げられる。また、噴射剤としてはLPG(液化プロパンガス)、DME(ジメチルエーテル)、炭酸ガス、窒素ガス等が挙げられ、これらは単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。トリガースプレー容器の例としては、特開平9-268473号公報、特開平9-256272号公報、特開平10-76196号公報等に記載のものが挙げられる。ディスペンサースプレー容器の例としては、特開平9-256272号公報等に記載のものが挙げられる。
スプレー容器としては、エアゾールスプレー容器、トリガースプレー容器(直圧型あるいは蓄圧型)、ディスペンサースプレー容器等が挙げられる。エアゾールスプレー容器の例としては、特開平9-3441号公報、及び特開平9-58765号公報等に記載されているものが挙げられる。また、噴射剤としてはLPG(液化プロパンガス)、DME(ジメチルエーテル)、炭酸ガス、窒素ガス等が挙げられ、これらは単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。トリガースプレー容器の例としては、特開平9-268473号公報、特開平9-256272号公報、特開平10-76196号公報等に記載のものが挙げられる。ディスペンサースプレー容器の例としては、特開平9-256272号公報等に記載のものが挙げられる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物を、適用対象となる繊維製品に噴霧して使用する場合の噴霧量は、付着したニオイの強度にもよるため、特に限定はされないが、繊維製品の質量に対して、下限が好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、上限は好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。噴霧量がこの範囲内にあると、ウイルス不活化効果及び経済性に優れるので好ましい。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、プラスチック製容器に収納することができる。プラスチック製容器としては、ボトル容器や詰替え用のスタンディングパウチ等が挙げられる。スタンディングパウチとしては、例えば、特開2000-72181号公報に記載のものが挙げられるが、材質としては、内層に100〜250μmの線状低密度ポリエチレン、外層に15〜30μmの延伸ナイロンの二層構造又は15μmの延伸ナイロンを中間層、15μmの延伸ナイロンを外層にした三層構造のスタンディングパウチが保存安定性の点から好ましい。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、プラスチック製容器に収納することができる。プラスチック製容器としては、ボトル容器や詰替え用のスタンディングパウチ等が挙げられる。スタンディングパウチとしては、例えば、特開2000-72181号公報に記載のものが挙げられるが、材質としては、内層に100〜250μmの線状低密度ポリエチレン、外層に15〜30μmの延伸ナイロンの二層構造又は15μmの延伸ナイロンを中間層、15μmの延伸ナイロンを外層にした三層構造のスタンディングパウチが保存安定性の点から好ましい。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物を使用する対象の繊維製品としては、特に限定されないが、例えば、Yシャツ、Tシャツ、ポロシャツ、ブラウス、チノパン、スーツ、スラックス、スカート、ジャケット、コート、ニット、ジーンズ、パジャマ、テーブルクロス、ランチョンマット、カーテン、クッション、座布団、ソファ、枕カバー、シーツ、ベッドパッド、枕、布団、ベッドカバー、毛布、マットレス、靴、トイレマット、バスマット、玄関マット、カーペット、ラグ、絨毯等が挙げられる。また、対象とする繊維製品の素材も、特に限定されないが、例えば、綿、ウール、麻等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン、テンセル、ポリノジック等の再生繊維及びこれら各種繊維の混紡品、混織品、混編品等が挙げられ、その中でも、普段の手入れが困難なウール及びその混紡品において、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物の効果が顕著に発揮される。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物により不活化され得るウイルスは、(A)成分の種類により異なるが、エンベロープ型及び非エンベロープ型の両者を含む。好ましくは、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物により不活化されるウイルスは非エンベロープ型である。
また、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物により不活化され得るウイルスは、二本鎖DNAウイルス、一本鎖DNAウイルス、二本鎖RNAウイルス、一本鎖(+)RNAウイルス、一本鎖(−)RNAウイルス、及び逆転写ウイルスが挙げられる。
また、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物により不活化され得るウイルスは、二本鎖DNAウイルス、一本鎖DNAウイルス、二本鎖RNAウイルス、一本鎖(+)RNAウイルス、一本鎖(−)RNAウイルス、及び逆転写ウイルスが挙げられる。
本発明の液体ウイルス不活化剤組成物により不活化され得るウイルスとしては、例えば、カリシウイルス科、オルトミクソウイルス科、コロナウイルス科、ヘルペスウイルス科などに属するウイルスが挙げられる。中でも、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、カリシウイルス科に属するウイルスに対する不活化効果に優れている。カリシウイルス科に属するウイルスとしては、ノロウイルス属、サポウイルス属、ラゴウイルス属、ネボウイルス属及びベシウイルス属に属するウイルスが挙げられるが、中でも、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物は、ノロウイルス属に属するウイルス及びベシウイルス属に属するウイルスに対して良好な不活化効果を発揮する。
なお、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物におけるウイルス不活化効果は、ウイルスの感染又は増殖能力を除去又は低下させる効果を発揮するものであればよい。
なお、本発明の液体ウイルス不活化剤組成物におけるウイルス不活化効果は、ウイルスの感染又は増殖能力を除去又は低下させる効果を発揮するものであればよい。
[(A)成分のウイルス不活化作用を増強する方法]
本発明の一実施態様において、(A)成分と(B)成分とを含有する組成物中の(B)成分の濃度が30mM〜700mMとなるように、(B)成分を(A)成分に配合することを含む、(A)成分のウイルス不活化作用を増強する方法が提供される。なお、本明細書において、「(B)成分を(A)成分に配合する」とは、容器等の中に配置された(A)成分中に(B)成分を添加することを意味してもよいし、容器等の中に配置された(B)成分中に(A)成分を添加することを意味してもよく、また、当業者に公知の方法で混合、攪拌等されてもよい。
本明細書において、「(A)成分のウイルス不活化作用を増強する」とは、(B)成分を用いずに所定の濃度の(A)成分単独で示されるウイルス不活化効果よりも、(B)成分と当該所定の濃度の(A)成分とを組み合わせて用いた場合に示されるウイルス不活化効果が優れていることを意味し得る。
なお、(A)成分及び(B)成分は上記のとおりである。
本発明の一実施態様において、(A)成分と(B)成分とを含有する組成物中の(B)成分の濃度が30mM〜700mMとなるように、(B)成分を(A)成分に配合することを含む、(A)成分のウイルス不活化作用を増強する方法が提供される。なお、本明細書において、「(B)成分を(A)成分に配合する」とは、容器等の中に配置された(A)成分中に(B)成分を添加することを意味してもよいし、容器等の中に配置された(B)成分中に(A)成分を添加することを意味してもよく、また、当業者に公知の方法で混合、攪拌等されてもよい。
本明細書において、「(A)成分のウイルス不活化作用を増強する」とは、(B)成分を用いずに所定の濃度の(A)成分単独で示されるウイルス不活化効果よりも、(B)成分と当該所定の濃度の(A)成分とを組み合わせて用いた場合に示されるウイルス不活化効果が優れていることを意味し得る。
なお、(A)成分及び(B)成分は上記のとおりである。
[(A)成分のウイルス不活化作用を増強するための(B)成分の使用方法]
本発明の一実施態様において、(B)成分を、(A)成分に添加するか、及び/又は(A)成分と組み合わせて用いることを含み、(B)成分を30mM〜700mMの濃度とすることを特徴とする、(A)成分のウイルス不活化作用を増強するための(B)成分の使用方法が提供される。なお、本明細書において、「(B)成分を(A)成分に添加する」とは、容器等の中に配置された(A)成分中に(B)成分を添加することを意味してもよいし、容器等の中に配置された(B)成分中に(A)成分を添加することを意味してもよく、また、当業者に公知の方法で混合、攪拌等されてもよい。また、本明細書において、「(B)成分を(A)成分と組み合わせて用いる」とは、(A)成分と(B)成分を予め組み合わせたもの、例えば、(A)成分及び(B)成分を含有する組成物を、対象に適用することを意味してもよいし、(A)成分と(B)成分を別々に対象に適用し、適用対象上において(A)成分と(B)成分を組み合わせることを意味してもよい。
なお、(A)成分及び(B)成分は上記のとおりである。
本発明の一実施態様において、(B)成分を、(A)成分に添加するか、及び/又は(A)成分と組み合わせて用いることを含み、(B)成分を30mM〜700mMの濃度とすることを特徴とする、(A)成分のウイルス不活化作用を増強するための(B)成分の使用方法が提供される。なお、本明細書において、「(B)成分を(A)成分に添加する」とは、容器等の中に配置された(A)成分中に(B)成分を添加することを意味してもよいし、容器等の中に配置された(B)成分中に(A)成分を添加することを意味してもよく、また、当業者に公知の方法で混合、攪拌等されてもよい。また、本明細書において、「(B)成分を(A)成分と組み合わせて用いる」とは、(A)成分と(B)成分を予め組み合わせたもの、例えば、(A)成分及び(B)成分を含有する組成物を、対象に適用することを意味してもよいし、(A)成分と(B)成分を別々に対象に適用し、適用対象上において(A)成分と(B)成分を組み合わせることを意味してもよい。
なお、(A)成分及び(B)成分は上記のとおりである。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[(A)成分]
下記のA−1〜A−3を使用した。
・A−1:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(ライオンアクゾ社、アーカード210(純分80%)
・A−2:塩化ベンザルコニウム(純正化学社製、50%(w/v)品)
・A−3:塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(東京化成社製、粉末品)
下記のA−1〜A−3を使用した。
・A−1:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(ライオンアクゾ社、アーカード210(純分80%)
・A−2:塩化ベンザルコニウム(純正化学社製、50%(w/v)品)
・A−3:塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(東京化成社製、粉末品)
[(B)成分]
下記のB−1〜B−4を使用した。
・B−1:硫酸ナトリウム(関東化学社製、分子量142)
・B−2:亜硫酸ナトリウム(関東化学社製、分子量126)
・B−3:ピロ亜硫酸ナトリウム(関東化学社製、分子量190)
・B−4:チオ硫酸ナトリウム五水和物(関東化学社製、分子量248)
・B−5(比較):メチル硫酸ナトリウム(東京化成社製、分子量134)
・B−6(比較):塩化ナトリウム(関東化学社製、分子量58)
下記のB−1〜B−4を使用した。
・B−1:硫酸ナトリウム(関東化学社製、分子量142)
・B−2:亜硫酸ナトリウム(関東化学社製、分子量126)
・B−3:ピロ亜硫酸ナトリウム(関東化学社製、分子量190)
・B−4:チオ硫酸ナトリウム五水和物(関東化学社製、分子量248)
・B−5(比較):メチル硫酸ナトリウム(東京化成社製、分子量134)
・B−6(比較):塩化ナトリウム(関東化学社製、分子量58)
[(C)成分]
以下のC−1を使用した。
・C−1:メチルグリシン二酢酸ナトリウム(BASF社製、純分40%)
以下のC−1を使用した。
・C−1:メチルグリシン二酢酸ナトリウム(BASF社製、純分40%)
[任意成分]
以下の任意成分を使用した。
・ノニオン界面活性剤:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HC40:日本エマルジョン)
・エタノール:関東化学社製
・グリセリン:純正化学社製
・シリコーン:ポリエーテル変性シリコーン、SH3775M、東レ・ダウコーニング社製
・香料:特開2008−7872の実施例の香料組成a−1−1
・塩酸:関東化学社製 5Nおよび1/10N
以下の任意成分を使用した。
・ノニオン界面活性剤:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HC40:日本エマルジョン)
・エタノール:関東化学社製
・グリセリン:純正化学社製
・シリコーン:ポリエーテル変性シリコーン、SH3775M、東レ・ダウコーニング社製
・香料:特開2008−7872の実施例の香料組成a−1−1
・塩酸:関東化学社製 5Nおよび1/10N
[液体ウイルス不活化剤組成物の調製]
各成分の配合量を、下記表1に記載の通り調整して、次の手順により液体ウイルス不活化剤組成物を調製した。
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び精製水以外の成分を予め混合したものに、精製水をある程度添加し、次いで(A)成分と(B)成分と(C)成分を添加した。その後、室温25℃の部屋にてpH測定器(堀場製作所社製 pHメーター 型番F−52、pH電極 型番9615−10D)を用い、組成物を撹拌しながら、pH測定しながら塩酸を用いてpHを調整し、残りの精製水を添加した。精製水の添加量は組成物の合計量を100質量%とした場合の残部である。
各成分の配合量を、下記表1に記載の通り調整して、次の手順により液体ウイルス不活化剤組成物を調製した。
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び精製水以外の成分を予め混合したものに、精製水をある程度添加し、次いで(A)成分と(B)成分と(C)成分を添加した。その後、室温25℃の部屋にてpH測定器(堀場製作所社製 pHメーター 型番F−52、pH電極 型番9615−10D)を用い、組成物を撹拌しながら、pH測定しながら塩酸を用いてpHを調整し、残りの精製水を添加した。精製水の添加量は組成物の合計量を100質量%とした場合の残部である。
[ネコ腎細胞の調製]
DOLBECCO'S MODIFIED EAGLE'S MEDIUM(D-MEM、SIGMA社、D6429)に、ペニシリンストレプトマイシン混合液(SIGMA社、P4333)3mL、及び56℃で30分間保温して非働化処理したウシ胎児血清(FBS、Fetal Clone III Hyclone社 SH30109.03)25mLを加え、5%FBS D-MEM培養液を調製した。
T-75細胞培養フラスコ(IWAKI社、75平方センチメートル、270mL、カントネック、3123-075)にて培養したネコ腎細胞(Crandall-Rees feline kidney cell、CRFK、ATCC株CCL-94)の培養上清を捨て、当該フラスコ中に、37℃に保温したダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS(-))を10mL入れて細胞表面を洗浄して排水した。次いで、当該フラスコ中に、37℃のトリプシン-EDTA(GIBCO社、TrypLE Express with Phenol Red 12605-028)を2mL入れて、37℃で2分程度静置し、細胞を当該フラスコから剥した。そこにFBSを含まないD-MEM培養液を8mL入れて細胞を懸濁して抽出し、800rpm×5分間の遠心分離にて細胞を沈澱させた。上清を取り除き、前記のとおり調製した5%FBS D-MEM培養液を約8mL添加して細胞懸濁液を調製した。5%FBS D-MEM培養液10mLをT-75細胞培養フラスコに入れ、前記のとおり調製した細胞懸濁液を2mL添加し、CO2インキュベーターにて37℃で、3〜4日培養した。
DOLBECCO'S MODIFIED EAGLE'S MEDIUM(D-MEM、SIGMA社、D6429)に、ペニシリンストレプトマイシン混合液(SIGMA社、P4333)3mL、及び56℃で30分間保温して非働化処理したウシ胎児血清(FBS、Fetal Clone III Hyclone社 SH30109.03)25mLを加え、5%FBS D-MEM培養液を調製した。
T-75細胞培養フラスコ(IWAKI社、75平方センチメートル、270mL、カントネック、3123-075)にて培養したネコ腎細胞(Crandall-Rees feline kidney cell、CRFK、ATCC株CCL-94)の培養上清を捨て、当該フラスコ中に、37℃に保温したダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS(-))を10mL入れて細胞表面を洗浄して排水した。次いで、当該フラスコ中に、37℃のトリプシン-EDTA(GIBCO社、TrypLE Express with Phenol Red 12605-028)を2mL入れて、37℃で2分程度静置し、細胞を当該フラスコから剥した。そこにFBSを含まないD-MEM培養液を8mL入れて細胞を懸濁して抽出し、800rpm×5分間の遠心分離にて細胞を沈澱させた。上清を取り除き、前記のとおり調製した5%FBS D-MEM培養液を約8mL添加して細胞懸濁液を調製した。5%FBS D-MEM培養液10mLをT-75細胞培養フラスコに入れ、前記のとおり調製した細胞懸濁液を2mL添加し、CO2インキュベーターにて37℃で、3〜4日培養した。
[96穴マイクロプレート評価用のCRFK細胞の調製]
上記したとおり培養したCRFK細胞を、5%FBS D-MEM培養液で1/3〜1/7に希釈し、この希釈液を96穴マイクロプレート(Nunc社、167008)に0.2mLずつ添加し、同様に3〜4日間の培養を行った。
上記したとおり培養したCRFK細胞を、5%FBS D-MEM培養液で1/3〜1/7に希釈し、この希釈液を96穴マイクロプレート(Nunc社、167008)に0.2mLずつ添加し、同様に3〜4日間の培養を行った。
[ウイルス濃縮液の調製]
前記ネコ腎細胞の調製に従って準備した、培養細胞が十分に増殖した状態(コンフルエント)のT-75培養フラスコから培養上清を除き、PBS(-) 10mLで2回洗浄を行った。ネコカリシウイルス(Feline calicivirus F9株、FCV、ATCC株VR-782)を、PBS(-)に、TCID約4log/mLとなるように懸濁し、その懸濁液1mLを当該フラスコ中に添加した。10分おきに攪拌して37℃で1時間培養し、そこにOpti-MEM(GIBCO社、31985-070)を12mL添加し、37℃で培養した。培養時間の目安は約20時間で、細胞培養面積の約90%に細胞変性(CPE)が認められた。その培養上清を回収して4,000rpmで10分間遠心し、その上清を0.2ミクロンメンブレンフィルターにてろ過した。その後、遠心式フィルターユニット(ミリポア社、Amicon Ultra-15、100KDa、50mL容器)に添加して4,000rpmで5分間遠心し、培養上清約80mLを1mL程度に濃縮し、感染価TCID50の常用対数/mLが1×9の溶液(ウイルス濃縮液)を調製した。
なお、ネコカリシウイルスは、ノロウイルスに対する薬剤の不活化作用を実証するために用いられることが広く知られている。
前記ネコ腎細胞の調製に従って準備した、培養細胞が十分に増殖した状態(コンフルエント)のT-75培養フラスコから培養上清を除き、PBS(-) 10mLで2回洗浄を行った。ネコカリシウイルス(Feline calicivirus F9株、FCV、ATCC株VR-782)を、PBS(-)に、TCID約4log/mLとなるように懸濁し、その懸濁液1mLを当該フラスコ中に添加した。10分おきに攪拌して37℃で1時間培養し、そこにOpti-MEM(GIBCO社、31985-070)を12mL添加し、37℃で培養した。培養時間の目安は約20時間で、細胞培養面積の約90%に細胞変性(CPE)が認められた。その培養上清を回収して4,000rpmで10分間遠心し、その上清を0.2ミクロンメンブレンフィルターにてろ過した。その後、遠心式フィルターユニット(ミリポア社、Amicon Ultra-15、100KDa、50mL容器)に添加して4,000rpmで5分間遠心し、培養上清約80mLを1mL程度に濃縮し、感染価TCID50の常用対数/mLが1×9の溶液(ウイルス濃縮液)を調製した。
なお、ネコカリシウイルスは、ノロウイルスに対する薬剤の不活化作用を実証するために用いられることが広く知られている。
[ウイルス不活性化の評価]
上記のとおり調製した液体ウイルス不活化剤組成物90μLに、上記のとおり調製したウイルス濃縮液を10μL入れて、25℃で、最大30分間で所定の時間反応させた。所定の時間経過後、反応液40μLを、反応停止液である2%FBSを含むD-MEM 360μLと混合して反応を停止させた。反応を停止させた当該溶液について10倍希釈系列を作成するために、当該溶液40μLを0.1M HEPES(pH7.5)360μLにて順次希釈した。次いで、上記したとおり96穴マイクロプレート上にてCRFK細胞を培養したものから、5%FBS D-MEM培養液を取り除き、各ウェルに、前記10倍希釈系列の各希釈溶液30μLを添加し、CO2インキュベーターにて37℃で約30分間放置した。その後、各ウェルに、0.2%FBS D-MEM培養液を0.1mL添加し、37℃で3日培養した。実体顕微鏡にてウイルス感染の有無を観察し、感染価(50%組織培養感染値量、50% tissue culture infective dose、TCID50)を求めた。TCID50は、Hierholzer J.C., Killington R.A., Virus isolation and quantitation, In Mahy B.W.J., Kangro H.O. (ed.), Virology methods manual, Harcourt Brace & Company, London, pp. 25-46 (1996)に記載されている、Behrens・Karber法に従った。
log TCID50=log(1列目の希釈度)−(各希釈列における(変性ウェル数/全ウェル数)の総和−0.5)×log(希釈率)
上記のとおり調製した液体ウイルス不活化剤組成物90μLに、上記のとおり調製したウイルス濃縮液を10μL入れて、25℃で、最大30分間で所定の時間反応させた。所定の時間経過後、反応液40μLを、反応停止液である2%FBSを含むD-MEM 360μLと混合して反応を停止させた。反応を停止させた当該溶液について10倍希釈系列を作成するために、当該溶液40μLを0.1M HEPES(pH7.5)360μLにて順次希釈した。次いで、上記したとおり96穴マイクロプレート上にてCRFK細胞を培養したものから、5%FBS D-MEM培養液を取り除き、各ウェルに、前記10倍希釈系列の各希釈溶液30μLを添加し、CO2インキュベーターにて37℃で約30分間放置した。その後、各ウェルに、0.2%FBS D-MEM培養液を0.1mL添加し、37℃で3日培養した。実体顕微鏡にてウイルス感染の有無を観察し、感染価(50%組織培養感染値量、50% tissue culture infective dose、TCID50)を求めた。TCID50は、Hierholzer J.C., Killington R.A., Virus isolation and quantitation, In Mahy B.W.J., Kangro H.O. (ed.), Virology methods manual, Harcourt Brace & Company, London, pp. 25-46 (1996)に記載されている、Behrens・Karber法に従った。
log TCID50=log(1列目の希釈度)−(各希釈列における(変性ウェル数/全ウェル数)の総和−0.5)×log(希釈率)
ウイルス不活性化の評価
上記のとおり調製したウイルス濃縮液を精製水に添加した場合をコントロールとした。コントロールにおけるlog TCID50/mLは、1×8であった。ウイルス不活性化の評価を、log TCID50/mLが1×2以下となるのに要した、液体ウイルス不活化剤組成物をウイルス濃縮液と反応させた時間(分)で下記表1に示した。
上記のとおり調製したウイルス濃縮液を精製水に添加した場合をコントロールとした。コントロールにおけるlog TCID50/mLは、1×8であった。ウイルス不活性化の評価を、log TCID50/mLが1×2以下となるのに要した、液体ウイルス不活化剤組成物をウイルス濃縮液と反応させた時間(分)で下記表1に示した。
実施例1〜6は、比較例1〜5に比べて、log TCID50/mLが1×2以下になる時間が明らかに短く、(B)成分による(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が認められた。
実施例5では、実施例3よりも強い(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が認められ、(C)成分による更なるウイルス不活化作用増強効果が認められた。
実施例7及び8では、(A)成分を変更しても、同様に(B)成分による(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が認められた。
実施例9〜11では、(B)成分を変更しても、同様に(B)成分による(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が認められた。
実施例12では、溶媒を変更しても、同様に(B)成分による(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が認められた。
比較例4及び5に示されるとおり、(B)成分の配合量が30mM未満である場合には、(A)成分のウイルス不活化作用増強効果は、観測できるほどには十分でなかった。
比較例6に示されるとおり、(C)成分単独によるウイルス不活化作用増強効果は認められなかった。
比較例7及び8に示されるとおり、(B)成分を1価の陰イオンを放出する化合物に変更した場合には、十分な(A)成分のウイルス不活化作用増強効果は観測できなかった。
実施例5では、実施例3よりも強い(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が認められ、(C)成分による更なるウイルス不活化作用増強効果が認められた。
実施例7及び8では、(A)成分を変更しても、同様に(B)成分による(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が認められた。
実施例9〜11では、(B)成分を変更しても、同様に(B)成分による(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が認められた。
実施例12では、溶媒を変更しても、同様に(B)成分による(A)成分のウイルス不活化作用増強効果が認められた。
比較例4及び5に示されるとおり、(B)成分の配合量が30mM未満である場合には、(A)成分のウイルス不活化作用増強効果は、観測できるほどには十分でなかった。
比較例6に示されるとおり、(C)成分単独によるウイルス不活化作用増強効果は認められなかった。
比較例7及び8に示されるとおり、(B)成分を1価の陰イオンを放出する化合物に変更した場合には、十分な(A)成分のウイルス不活化作用増強効果は観測できなかった。
Claims (5)
- 以下の(A)成分及び(B)成分を含有する液体ウイルス不活化剤組成物。
(A)次の(a1)〜(a4)より選ばれる、1種以上の有機窒素化合物:
(a1):下式(a1−1)で表される化合物、下式(a1−2)で表されるベンザルコニウム塩、及び下式(a1−3)で表されるセチルピリジニウム塩からなる群から選ばれる第4級アンモニウム化合物
(式中、R11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R11〜R14のうちの少なくとも2つが、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であり、Z1 -は対イオンを表す。)
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R24は、炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R23は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Z2 -は対イオンを表す。)
(式中、Z3 -は対イオンを表す。)
(a2):下式(a2)で表される3級アミン
R5−N[(CH2)w−NH2]2 (a2)
(式中、R5は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のヒドロキシアルキル基を表し、wは、1〜4の数である。)
(a3):下式(a3)で表される2級アミン
R6−NH−C3H6−NH2 (a3)
(式中、R6は、炭素数8〜14のアルキル基又は炭素数8〜14のヒドロキシアルキル基を表す。)
(a4):下式(a4)で表されるジメチルジアリルアンモニウムの重合体
(式中、pは平均重合度を示し、6〜6000であり、Z5 -は対イオンを表す。)
(B)SO4 2-、SO3 2-、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O7 2-及びS2O8 2-からなる群から選ばれるイオウを含む2価陰イオンを放出する化合物 30mM〜700mM - (C)0.1〜10質量%のメチルグリシン二酢酸またはその塩を更に含む、請求項1に記載の液体ウイルス不活化剤組成物。
- 以下の(A)成分と以下の(B)成分とを含有する組成物中の(B)成分の濃度が30mM〜700mMとなるように、(B)成分を(A)成分に配合することを含む、(A)成分のウイルス不活化作用を増強する方法。
(A)次の(a1)〜(a4)より選ばれる、1種以上の有機窒素化合物:
(a1):下式(a1−1)で表される化合物、下式(a1−2)で表されるベンザルコニウム塩、及び下式(a1−3)で表されるセチルピリジニウム塩からなる群から選ばれる第4級アンモニウム化合物
(式中、R11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R11〜R14のうちの少なくとも2つが、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であり、Z1 -は対イオンを表す。)
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R24は、炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R23は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Z2 -は対イオンを表す。)
(式中、Z3 -は対イオンを表す。)
(a2):下式(a2)で表される3級アミン
R5−N[(CH2)w−NH2]2 (a2)
(式中、R5は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のヒドロキシアルキル基を表し、wは、1〜4の数である。)
(a3):下式(a3)で表される2級アミン
R6−NH−C3H6−NH2 (a3)
(式中、R6は、炭素数8〜14のアルキル基又は炭素数8〜14のヒドロキシアルキル基を表す。)
(a4):下式(a4)で表されるジメチルジアリルアンモニウムの重合体
(式中、pは平均重合度を示し、6〜6000であり、Z5 -は対イオンを表す。)
(B)SO4 2-、SO3 2-、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O7 2-及びS2O8 2-からなる群から選ばれるイオウを含む2価陰イオンを放出する化合物 - 以下の(A)成分に、以下の(B)成分を配合し、(B)成分を30mM〜700mM含有する組成物を形成することを含む、(A)成分及び(B)成分を含有する組成物の製造方法。
(A)次の(a1)〜(a4)より選ばれる、1種以上の有機窒素化合物:
(a1):下式(a1−1)で表される化合物、下式(a1−2)で表されるベンザルコニウム塩、及び下式(a1−3)で表されるセチルピリジニウム塩からなる群から選ばれる第4級アンモニウム化合物
(式中、R11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R11〜R14のうちの少なくとも2つが、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であり、Z1 -は対イオンを表す。)
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R24は、炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R23は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Z2 -は対イオンを表す。)
(式中、Z3 -は対イオンを表す。)
(a2):下式(a2)で表される3級アミン
R5−N[(CH2)w−NH2]2 (a2)
(式中、R5は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のヒドロキシアルキル基を表し、wは、1〜4の数である。)
(a3):下式(a3)で表される2級アミン
R6−NH−C3H6−NH2 (a3)
(式中、R6は、炭素数8〜14のアルキル基又は炭素数8〜14のヒドロキシアルキル基を表す。)
(a4):下式(a4)で表されるジメチルジアリルアンモニウムの重合体
(式中、pは平均重合度を示し、6〜6000であり、Z5 -は対イオンを表す。)
(B)SO4 2-、SO3 2-、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O7 2-及びS2O8 2-からなる群から選ばれるイオウを含む2価陰イオンを放出する化合物 - 以下の(B)成分を、以下の(A)成分に添加するか、及び/又は以下の(A)成分と組み合わせて用いることを含み、(B)成分を30mM〜700mMの濃度とすることを特徴とする、(A)成分のウイルス不活化作用を増強するための(B)成分の使用方法。
(A)次の(a1)〜(a4)より選ばれる、1種以上の有機窒素化合物:
(a1):下式(a1−1)で表される化合物、下式(a1−2)で表されるベンザルコニウム塩、及び下式(a1−3)で表されるセチルピリジニウム塩からなる群から選ばれる第4級アンモニウム化合物
(式中、R11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R11〜R14のうちの少なくとも2つが、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基であり、Z1 -は対イオンを表す。)
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R24は、炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基を表し、R23は炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Z2 -は対イオンを表す。)
(式中、Z3 -は対イオンを表す。)
(a2):下式(a2)で表される3級アミン
R5−N[(CH2)w−NH2]2 (a2)
(式中、R5は、炭素数8〜18のアルキル基又は炭素数8〜18のヒドロキシアルキル基を表し、wは、1〜4の数である。)
(a3):下式(a3)で表される2級アミン
R6−NH−C3H6−NH2 (a3)
(式中、R6は、炭素数8〜14のアルキル基又は炭素数8〜14のヒドロキシアルキル基を表す。)
(a4):下式(a4)で表されるジメチルジアリルアンモニウムの重合体
(式中、pは平均重合度を示し、6〜6000であり、Z5 -は対イオンを表す。)
(B)SO4 2-、SO3 2-、S2O3 2-、S2O4 2-、S2O7 2-及びS2O8 2-からなる群から選ばれるイオウを含む2価陰イオンを放出する化合物
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JP2015021231A JP2016141673A (ja) | 2015-02-05 | 2015-02-05 | ウイルス不活化のための液体組成物 |
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---|---|---|---|---|
WO2022109694A1 (pt) * | 2020-11-30 | 2022-06-02 | Br3 Bio Ltda. | Formulação antimicrobiana ou método de desinfecção, uso da mesma, e, método para desinfecção, higienização, esterilização química, assepsia e/ou conservação de uma superfície contaminada |
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2015
- 2015-02-05 JP JP2015021231A patent/JP2016141673A/ja active Pending
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WO2022109694A1 (pt) * | 2020-11-30 | 2022-06-02 | Br3 Bio Ltda. | Formulação antimicrobiana ou método de desinfecção, uso da mesma, e, método para desinfecção, higienização, esterilização química, assepsia e/ou conservação de uma superfície contaminada |
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