JP2019151945A - 繊維製品用処理剤組成物 - Google Patents

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英史 小倉
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Abstract

【課題】ウイルス不活化活性に優れた繊維製品用処理剤組成物を提供する。【解決手段】(A)トリアジン誘導体、及び(B)以下の式(1)で表されるカチオン化合物R1R2R3R4N+X-(1)(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に選択され、R1、R2、R3及びR4のうち2つが、炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルケニル基、又はベンジル基であり、R1、R2、R3及びR4のうちの他の2つが、H、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数2〜5の直鎖若しくは分岐アルケニル基、又は−(AO)nRであり、Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基から選ばれる1種又は2種以上であり、nは、(AO)の平均付加モル数を表し、0.1〜20であり、RはH又はCH3であり、X-は、無機酸若しくは有機酸の1価のアニオン又は当量の多価のアニオンである。)を含む、繊維製品用処理剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品用処理剤組成物に関する。詳細には、本発明は、ウイルス不活化活性に優れた繊維製品用処理剤組成物に関する。
近年、除菌、消臭、防臭、香り付け、しわとりなど、各社から家庭用の繊維製品用スプレーが多数発売されており、その市場は年々増加している。また家庭において、インフルエンザウイルスやノロウイルスの感染を防止するため、手洗いに加えて、繊維製品におけるウイルス除去やウイルス不活化を図ることも有効であり、そういった効果のある繊維製品用スプレーが求められている。
特許文献1には、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンナトリウム、ジアミノベンゼンスルフォン酸ナトリウム及び塩化ジデシルジメチルアンモニウムを用いて、繊維構造物において抗ウイルス・制菌性能を付与又は向上させる加工法が記載されている。しかしながら、特許文献1には、繊維製品用処理剤組成物は記載されていない。特許文献1に記載される繊維加工技術は、特殊な処理により繊維自体に抗ウイルス・制菌性能を付与するものであり、一般的な繊維製品に対して用いる処理剤とは全く異なり、そのような処理剤を開示又は示唆するものではない。また、特許文献1に記載される繊維加工技術では、高濃度の2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンナトリウムが用いられている。
特開2011−179157号公報
本発明は、ウイルス不活化活性に優れた繊維製品用処理剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、抗菌剤として知られているトリアジン誘導体と特定のカチオン化合物を組み合わせることで、高いウイルス不活化活性を実現できることを見出した。本発明は、このような新規な知見に基づいて完成されたものである。
従って、本発明の一実施態様において、
(A)トリアジン誘導体、及び
(B)以下の式(1)で表されるカチオン化合物
1234+- (1)
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に選択され、R1、R2、R3及びR4のうち2つが、炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルケニル基、又はベンジル基であり、R1、R2、R3及びR4のうちの他の2つが、H、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数2〜5の直鎖若しくは分岐アルケニル基、又は−(AO)nRであり、Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基から選ばれる1種又は2種以上であり、nは、(AO)の平均付加モル数を表し、0.1〜20であり、RはH又はCH3であり、X-は、無機酸若しくは有機酸の1価のアニオン又は当量の多価のアニオンである。)
を含む、繊維製品用処理剤組成物が提供される。
また、本発明の一実施態様において、上記繊維製品用処理剤組成物を繊維上のウイルスに適用することを含む、ウイルス不活化方法が提供される。
本発明のまた別の一実施態様において、上記繊維製品用処理剤組成物で繊維製品を処理することを含む、繊維上のウイルスを不活化するための繊維製品の処理方法が提供される。
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、優れたウイルス不活化効果をもたらすことができる。
[(A)成分]
(A)成分はトリアジン誘導体である。トリアジン誘導体とは、環内に窒素原子を3個含む6員環構造を分子内に1つ以上有する化合物である。トリアジン誘導体には、1,2,3-トリアジン誘導体、1,2,4-トリアジン誘導体、及び1,3,5-トリアジン誘導体がある。
本発明の繊維製品用処理剤組成物において配合されるトリアジン誘導体としては、特に限定されないが、環内に窒素原子を3個含む6員環構造を分子内に1つ有するものが好ましい。具体的には、1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリエタノール、1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜C13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アセチルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン化合物が挙げられる。なかでも、1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリエタノール及び1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンがより好ましい。
(A)成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中、(A)成分の配合量は特に限定されないが、繊維製品用処理剤組成物の総質量に対して、0.001〜5質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましく、0.005〜0.5質量%が更に好ましく、0.005〜0.05質量%が最も好ましい。(A)成分の配合量が0.001〜5質量%の範囲内であると良好なウイルス不活化活性を実現し得る。また、(A)成分の配合量が0.005〜0.5質量%の範囲内であると、特に良好なウイルス不活化活性を実現し得る。
[(B)成分]
(B)成分は以下の式(1)で表されるカチオン化合物である。
1234+- (1)
式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に選択され、R1、R2、R3及びR4のうち2つが、炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルケニル基、又はベンジル基であり、R1、R2、R3及びR4のうちの他の2つは、H、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数2〜5の直鎖若しくは分岐アルケニル基、又は−(AO)nRであり、Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基から選ばれる1種又は2種以上であり、nは、(AO)の平均付加モル数を表し、0.1〜20であり、RはH又はCH3であり、X-は、無機酸若しくは有機酸の1価のアニオン又は当量の多価のアニオンである。
式(1)中、R1、R2、R3及びR4のうち2つは、ウイルス不活化効果の観点から、好ましくは、炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルケニル基であり、より好ましくは、炭素数6〜20の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数6〜20の直鎖若しくは分岐アルケニル基、更に好ましくは、炭素数6〜16の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数6〜16の直鎖若しくは分岐アルケニル基、特に好ましくは、炭素数8〜12の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数8〜12の直鎖若しくは分岐アルケニル基であり、最も好ましくは、炭素数10の直鎖アルキル基、又は炭素数10の直鎖アルケニル基である。
式(1)中、R1、R2、R3及びR4のうちの他の2つは、ウイルス不活化効果の観点から、好ましくは、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数2〜3の直鎖若しくは分岐アルケニル基、又は−(AO)nRであり、より好ましくは、メチル基、エチル基、又は−(AO)nRである。また、ウイルス不活化効果の観点から、Aは炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、特に炭素数2が好ましく、nは0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは1〜5であり、RはHが好ましい。
式(1)中、X-としては、ハロゲンイオン、アルキル硫酸イオン、有機酸の一価のアニオンなどが挙げられ、具体的には、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオンなどが挙げられる。X-は、Cl-以外であることが好ましく、有機酸の1価のアニオンであることがより好ましい。
(B)成分の具体例としては、3級アミンの4級化物である4級アンモニウム化合物等が挙げられ、4級アンモニウム化合物が好ましい。
4級アンモニウム化合物としては、各アルキル基の炭素数が6〜18のジアルキルジメチルアンモニウム塩が好ましく、アルキル基の炭素数が4〜10のジアルキルジメチルアンモニウム塩がより好ましい。
より具体的には、(B)成分として、塩化ジヤシアルキルジメチルアンモニウム(製品名「リポカード2C-75」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、塩化ジアルキル(C14-18)ジメチルアンモニウム(製品名「リポカード2HP-75」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、塩化ジデシルジメチルアンモニウム(製品名「リポカード210-80E」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、ジデシルメチルポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート(製品名「Bardap26」、ロンザジャパン株式会社製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(B)成分は、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(B)成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中、(B)成分の配合量は特に限定されないが、繊維製品用処理剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.05〜1質量%、特に好ましくは0.1〜1質量%である。(B)成分の配合量が0.01質量%以上であると、配合効果(ウイルス不活化効果)を十分に得ることができる。(B)成分の配合量が1質量%以下であると、繊維製品に使用した際にべたつきやシミを生じることなく、配合効果を得ることができる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中、(A)成分と(B)成分の質量比率((A)/(B))は、10/1〜1/10が好ましく、5/1〜1/5がより好ましく、2/1〜1/2が特に好ましい。
[任意成分]
本発明の繊維製品用処理剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で一般的な繊維製品用処理剤組成物に配合される以下のような任意成分を配合することができる。
<(C−1)成分>
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、水溶性溶剤を含み得る。水溶性溶剤としては、繊維製品用処理剤組成物に一般的に使用されているものを使用することができる。ここで言う「水溶性溶剤」とは任意の比率で水と混ぜて透明に混ざるものを指す。具体的には、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数2〜3の1級アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの炭素数2〜6のグリコール類;及びグリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどの炭素数3〜8の多価アルコール類等が挙げられる。繊維製品用処理剤組成物の香気に及ぼす影響や価格の点から、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中、水溶性溶剤の含有量は、繊維製品用処理剤組成物の総質量に対して、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。配合量が5質量%より少ないと、乾燥するまで時間がかかることがあり、30質量%より多いと、使用者がむせてしまう可能性があるが、配合量はこれに限定されない。
<(C−2)成分>
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、下記式(I)〜(IV)で表される化合物を含み得る。これらは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
Figure 2019151945
式(I)中、AIは炭素数8〜22の直鎖又は分岐アルキル基、スルホ基、アミノ基、水酸基、水素原子又はCOOMIを表す。AIとしては、CH3、OH、H、COOMIが好ましく、CH3、Hがより好ましく、CH3が特に好ましい。
Iは、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウム基、アルカノールアミンからなる群より選ばれる1種を示す。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。MIとしては、アルカリ金属が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
I及びnIは、それぞれ0〜2の整数である。mIは、好ましくは0又は1である。nIは、好ましくは0又は1である。mIとnIとがいずれも0の場合、AIは、CH3である。
前記式(I)で表される化合物のなかで好適なものとしては、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、アスパラギン酸ジ酢酸(ASDA)、イソセリンジ酢酸(ISDA)、β−アラニンジ酢酸(ADAA)、セリンジ酢酸(SDA)、グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、又はこれらの塩が挙げられる。なかでもMGDA又はその塩が好ましい。
Figure 2019151945
式(II)中、XII-1〜XII-4は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、カチオン性アンモニウム基、アルカノールアミンからなる群より選ばれる1種を表す。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。XII-1〜XII-4としては、アルカリ金属が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
IIは水素原子または炭素数8〜22の直鎖又は分岐アルキル基を表す。
IIは水素原子または水酸基を表す。
IIは0または1を表す。
前記式(II)で表される化合物のなかで好適なものとしては、イミノジコハク酸(IDS)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)、又はこれらの塩が挙げられ、なかでもIDS又はその塩がより好ましい。
Figure 2019151945
式(III)中、RIIIは、炭素数8〜22、好ましくは12〜18の、直鎖若しくは分岐アルキル又はアルケニル基を表す。
IIIは、H、メチル基又は(CH2)mIII−COOXIIIを表す。AIIIとしては、(CH2)mIII−COOXIIIが好ましい。
IIIは、1〜3のいずれかの数を表す。
IIIは、H、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカノールアミン又はNH4を表す。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。
IIIは1〜3のいずれかの数を表す。
前記式(III)で表される化合物の具体例としては、オクチルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルアミノ酢酸ナトリウム、ミリスチルアミノ酢酸ナトリウム、パルミチルアミノ酢酸ナトリウム、オレイルアミノ酢酸ナトリウム等のアルキル又はアルケニルアミノ酢酸塩;
オクチルアミノプロピオン酸ナトリウム、デシルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ミリスチルアミノプロピオン酸ナトリウム、パルミチルアミノプロピオン酸ナトリウム、オレイルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアルキル又はアルケニルアミノプロピオン酸塩;
N‐オクチルグリシンナトリウム、N‐デシルグリシンナトリウム、N‐ラウリルグリシンナトリウム、N‐ミリスチルグリシンナトリウム、N‐パルミチルグリシンナトリウム、N‐オレイルグリシンナトリウム等のN‐アルキル又はアルケニルグリシン塩;
N‐オクチル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐デシル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐ドデシル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐ミリスチル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐パルミチル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム、N‐オレイル‐N‐メチル‐β‐アラニンナトリウム等のN‐アルキル又はアルケニル‐N‐メチル‐β‐アラニン塩;
オクチルアミノジ酢酸ナトリウム、デシルアミノジ酢酸ナトリウム、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、ミリスチルアミノジ酢酸ナトリウム、パルミチルアミノジ酢酸ナトリウム、オレイルアミノジ酢酸ナトリウム等のアルキル又はアルケニルアミノジ酢酸塩;及び オクチルアミノジプロピオン酸ナトリウム、デシルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリスチルアミノジプロピオン酸ナトリウム、パルミチルアミノジプロピオン酸ナトリウム、オレイルアミノジプロピオン酸ナトリウム等のアルキル又はアルケニルアミノジプロピオン酸塩等が挙げられる。
これらの中では、保存安定性から考えて、アルキル又はアルケニルアミノジ酢酸塩が好ましく、その中でもデシルアミノジ酢酸、ラウリルアミノジ酢酸、ミリスチルアミノジ酢酸、パルミチルアミノジ酢酸又はその塩が好ましく、特にラウリルアミノジ酢酸、ミリスチルアミノジ酢酸、パルミチルアミノジ酢酸又はその塩がより好ましい。
Figure 2019151945
式(IV)中、XIVは水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を表す。nIVは1又は2を表し、nIVが2の場合、XIVは同一でも異なっていても良い。(COOXIV)nIV基の置換位置は、特に限定されないが、α位が好ましい。
(C−2)成分としては、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物が特に好ましく、さらに特に、MGDA、IDS及びこれらの塩が好ましい。MGDA及びその塩が最も好ましい。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中、(C−2)成分の含有量は、繊維製品用処理剤組成物の総質量に対して、好ましくは0質量%を超え15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下であって、また、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。(C−2)成分の配合量を10質量%以下とすることにより、本発明の組成物を適用した繊維製品にしみ等の変色が発生することを効果的に防ぐことができる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、上記(C−2)成分と(C−3)成分を併用することにより、従来の消臭剤組成物よりも優れた消臭効果を得ることができる。
<(C−3)成分>
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、2価の水溶性金属塩を含み得る。水溶性金属塩としては、具体的には、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の水溶性亜鉛塩;硫酸銅、塩化銅等の水溶性銅塩;硫酸鉄等の水溶性鉄塩;塩化マンガン等の水溶性マンガン塩等があげられる。(C−3)成分は、これらの水和物も含む。消臭性能の面から、水溶性亜鉛塩または水溶性銅塩が好ましい。水溶性亜鉛塩としては、硫酸亜鉛、塩化亜鉛が好ましい。水溶性銅塩としては、硫酸銅及びこれらの水和物が好ましく、硫酸銅水和物がより好ましく、硫酸銅5水和物が更に好ましい。
(C−3)成分は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。2種以上を併用する場合、亜鉛塩を含むのが好ましい。
なお、本明細書において、「水溶性金属塩」とは、25℃の水1Lに10g以上溶解する金属塩を意味する。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中、(C−3)成分の含有量は、繊維製品用処理剤組成物の総質量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましい。ただし、(C−3)成分が水和物の場合は、無水物としての配合量を意味する。(C−3)成分の割合が0.01質量%未満であると消臭効果が充分でなくなる。10質量%を超えると、組成物の保存安定性が悪化したり、対象となる繊維にしみや変色等の不具合が起こる可能性が高くなる。
<(C−4)成分>
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、シリコーン化合物を含み得る。シリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物において、使用するシリコーン化合物としては、ポリエーテル変性シリコーンが好ましく、中でもHLBが13以下、好ましくは10以下、更に好ましくは7以下のポリエーテル変性シリコーンが、着用じわを減少させる観点から好ましい。具体的には東レ・ダウコーニング社製のSH3775C、SH3772Cなどの化合物が好適である。
(C−4)成分は、市場において容易に入手可能である。
(C−4)成分は単独で用いても、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中、(C−3)成分の含有量は、繊維製品用処理剤組成物の総質量に対して、0.01〜5質量%とすることができる。本発明の繊維製品用処理剤組成物において、しわ減少効果と経済性の観点から、(C−3)成分を0.1〜1質量%配合することが好ましい。
<その他の成分>
本発明の繊維製品用処理剤組成物において、その他配合されるものとしては、キレート剤、再汚染防止剤、高分子、防腐剤、抗菌剤、防カビ剤、忌避剤、天然物などのエキス、分散剤、色素、酸化防止剤、増粘剤、減粘剤、紫外線吸収剤など、安全性が高くしかも通常の繊維製品用処理剤組成物に使用されるものであればどのようなものでもよく、特に限定されるものではない。本発明の繊維製品用処理剤組成物における上記その他の成分の配合量は、上限が好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
繊維製品上での菌の増殖を抑制し、不快臭の発生を抑制する観点から、有機系防菌防黴剤、無機系防菌防黴剤の中から1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。有機系防菌防黴剤としては、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、ニトリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ビグアナイド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、糖質系、トロポロン系、有機金属系のものが含まれる。また、無機系防菌防黴剤としては、金属酸化物、銀系が含まれる。例えばイソプロピルメチルフェノールなどの抗菌剤或いは除菌剤を液体消臭剤組成物中に0.05〜1質量%の範囲で配合することが好ましい。
また、繊維製品用処理剤組成物に含まれる成分の保存安定性を確保するために、pH調整剤を組成物に配合できる。酸として、例えば塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、クエン酸等のカルボン酸が挙げられる。アルカリとして、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
さらに、繊維製品用処理剤組成物そのもの、または繊維製品用処理剤組成物により処理された繊維製品に香り付けをするために、香料を繊維製品用処理剤組成物に配合できる。本発明の分野において通常使用されているいかなる香料も使用でき、例えば特開2008-7872号公報に記載されているような香料成分、溶剤、安定化剤を含有する香料組成物が挙げられ、繊維製品用処理剤組成物中に0.005〜5質量%配合することができる。香り付けの効果と経済性の観点から、0.01〜1質量%配合することが好ましい。
[組成物の製造方法]
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の繊維製品用処理剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。例えば、(C−1)水溶性溶剤に、(A)トリアジン化合物、(B)カチオン性化合物、(C−4)シリコーン化合物等の任意成分を添加して混合後、水をある程度添加し、混合する。その後、MGDA等の(C−2)成分、硫酸亜鉛等の(C−3)成分等の任意成分を添加して混合後、必要であれば水酸化ナトリウムや塩酸、硫酸等のpH調整剤を用い、pHメーター(例えば、Mettler Toledo社製 型番MP230)で、配合物をスターラーにて攪拌したままpHを調整した後、残りの水を添加することにより製造することができる。
[組成物の性状]
本発明の繊維製品用処理剤組成物のpHは特に限定されない。しかしながら、繊維製品用処理剤組成物の貯蔵安定性や対象の臭気抑制効果を確保するために、上記pH調整剤を用いて繊維製品用処理剤組成物のpHを一定の範囲に調整することが好ましい。このようなpHの範囲は例えば、下限が好ましくは3以上、上限は好ましくは8以下、より好ましくは6.5以下である。pHが上記範囲内であると、タバコ臭の悪臭消臭効果を高めることができる。
また、pHの下限が好ましくは4以上、より好ましくは5.5以上、上限が好ましくは9以下である。pHがこのような範囲内であると、汗臭や枕カバー臭などの体臭などの悪臭消臭効果を高めることができる。
保存安定性の観点からは、組成物のpHは6.5以下が好ましく、5以下であると更に好ましい。
また、本発明の繊維製品用処理剤組成物の粘度は特に限定されないが、10mPa・s以下であることが好ましい。スプレー容器に入れて使用する場合には5mPa・s以下であることがより好ましい。なお、ここで示す粘度は、B型粘度計(トキメック社製)を用いて、原液を25℃で測定した場合の数値である。
[組成物の使用方法]
本発明の繊維製品用処理剤組成物を、繊維製品に使用する使用方法としては、特に限定されない。繊維製品を組成物中に浸漬した後風乾してもよいし、組成物をスプレー容器に収納し、繊維製品に対して組成物を噴霧した後風乾してもよい。特に、家庭においても手軽に実施できる簡便性や、必要量の組成物を繊維製品の気になる部位にのみ作用できるという経済性の点から、組成物をスプレー容器に収納し、繊維製品に噴霧して使用する方法が好ましい。
本発明は、繊維製品用処理剤組成物を繊維上のウイルスに適用することを含む、ウイルス不活化方法にも関するが、ここで言う「適用」には、本発明の繊維製品用処理剤組成物の原液又はその希釈溶液を滴下、塗布、噴霧等して適用対象となる繊維製品に接触させること、また、本発明の繊維製品用処理剤組成物の原液又はその希釈溶液に適用対象となる繊維製品を浸漬することが含まれる。
本発明は、繊維製品用処理組成物で繊維製品を処理することを含む、繊維上のウイルスを不活化するための繊維製品の処理方法にも関するが、ここで言う「処理」には、本発明の繊維製品用処理剤組成物の原液又はその希釈溶液を滴下、塗布、噴霧等して適用対象となる繊維製品に接触させること、また、本発明の繊維製品用処理剤組成物の原液又はその希釈溶液に適用対象となる繊維製品を浸漬することが含まれる。
なお、本発明の繊維製品用処理剤組成物は、すでにウイルスが存在する繊維上に使用されることで、繊維上のウイルスを不活化することができる。
スプレー容器としては、エアゾールスプレー容器、トリガースプレー容器(直圧型あるいは蓄圧型)、ディスペンサースプレー容器等が挙げられる。エアゾールスプレー容器の例としては、特開平9-3441号公報、及び特開平9-58765号公報等に記載されているものが挙げられる。また、噴射剤としてはLPG(液化プロパンガス)、DME(ジメチルエーテル)、炭酸ガス、窒素ガス等が挙げられ、これらは単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。トリガースプレー容器の例としては、特開平9-268473号公報、特開平9-256272号公報、特開平10-76196号公報等に記載のものが挙げられる。ディスペンサースプレー容器の例としては、特開9-256272号公報等に記載のものが挙げられる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物を、対象となる繊維製品に噴霧して使用する場合の噴霧量は、特に限定はされないが、繊維製品の質量に対して、下限が好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、上限は好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。噴霧量がこの範囲内にあると、ウイルス不活化活性に優れるので好ましい。
また、本発明の繊維製品用処理剤組成物は、プラスチック製容器に収納することができる。プラスチック製容器としては、ボトル容器や詰替え用のスタンディングパウチ等が挙げられる。スタンディングパウチとしては、例えば、特開2000-72181号公報に記載のものが挙げられるが、材質としては、内層に100〜250μmの線状低密度ポリエチレン、外層に15〜30μmの延伸ナイロンの二層構造又は15μmの延伸ナイロンを中間層、15μmの延伸ナイロンを外層にした三層構造のスタンディングパウチが保存安定性の点から好ましい。
本発明の繊維製品用処理剤組成物を使用する対象の繊維製品としては、特に限定されないが、例えば、Yシャツ、Tシャツ、ポロシャツ、ブラウス、チノパン、スーツ、スラックス、スカート、ジャケット、コート、ニット、ジーンズ、パジャマ、テーブルクロス、ランチョンマット、カーテン、クッション、座布団、ソファ、枕カバー、シーツ、ベッドパッド、枕、布団、ベッドカバー、毛布、マットレス、靴、トイレマット、バスマット、玄関マット、カーペット、ラグ、絨毯等が挙げられる。また、対象とする繊維製品の素材も、特に限定されないが、例えば、綿、ウール、麻等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン、テンセル、ポリノジック等の再生繊維及びこれら各種繊維の混紡品、混織品、混編品等が挙げられ、その中でも、普段の手入れが困難なウール及びその混紡品において、本発明の組成物の効果が顕著に発揮される。
本発明の繊維製品用処理剤組成物により不活化され得るウイルスは、エンベロープ型及び非エンベロープ型の両者を含む。
また、本発明の繊維製品用処理剤組成物により不活化され得るウイルスは、二本鎖DNAウイルス、一本鎖DNAウイルス、二本鎖RNAウイルス、一本鎖(+)RNAウイルス、一本鎖(−)RNAウイルス、及び逆転写ウイルスが挙げられる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物により不活化され得るウイルスとしては、例えば、カリシウイルス科、オルトミクソウイルス科、コロナウイルス科、ヘルペスウイルス科などに属するウイルスが挙げられる。中でも、本発明の繊維製品用処理剤組成物は、カリシウイルス科に属するウイルスに対する不活化効果に優れている。カリシウイルス科に属するウイルスとしては、ノロウイルス属、サポウイルス属、ラゴウイルス属、ネボウイルス属及びベシウイルス属に属するウイルスが挙げられるが、中でも、本発明の繊維製品用処理剤組成物は、ノロウイルス属に属するウイルス及びベシウイルス属に属するウイルスに対して良好な不活化効果を発揮する。
なお、本発明の繊維製品用処理剤組成物におけるウイルス不活化効果は、ウイルスの感染又は増殖能力を除去又は低下させる効果を発揮するものであればよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において、成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[(A)成分]
下記のA−1及びA−2を使用した。
・A−1:1,3,5-トリアジン-1,3,5-トリエタノール(和光純正工業株式会社製)
・A−2:1,3,5-トリメチルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(東京化成工業株式会社製)
[(B)成分]
下記のB−1及びB−2を使用した。また、比較例としてB−3を使用した。
・B−1:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(リポカード210-80E、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
・B−2:ジデシルメチルポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート(Bardap26、ロンザジャパン株式会社製)
・B−3(比較例):塩化アルキル(C12-16)トリメチルアンモニウム(リポカードC50、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
[任意成分]
・C−1:合成エタノール95%(日本アルコール販売株式会社製)
・C−2:メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム「MGDA」(BASF社製)
・C−3:硫酸亜鉛(II)(関東化学株式会社製)
・C−4:ポリエーテル変性シリコーン(SH3775M)(東レ・ダウコーニング株式会社製)
・C−5:香料A
下記表1に組成が示される香料組成物を用いた。
Figure 2019151945
[試料溶液の調製]
各成分の配合量を、下記表2に記載の通り調整して、次の手順により試料溶液を調製した。
水溶性溶剤である(C−1)成分に、(A)成分、(B)成分、(C−4)成分及び(C−5)成分を添加して混合後、精製水をある程度添加し、混合した。次いで、(C−2)成分及び(C−3)成分を添加して混合した。その後、室温25℃の部屋にてpH測定器(Mettler Toledo社製 型番MP230)を用い、組成物を攪拌しながらpHを測定しながら硫酸(9%)を用いてpHを調整し、残りの精製水を添加した。なお、以下の表2において精製水の添加量は、組成物の合計量を100質量%とした場合の残部である。
[ネコ腎細胞の調製]
DOLBECCO'S MODIFIED EAGLE'S MEDIUM(D-MEM、SIGMA社、D6429)に、ペニシリンストレプトマイシン混合液(SIGMA社、P4333)3mL、及び56℃で30分間保温して非働化処理したウシ胎児血清(FBS、Fetal Clone III Hyclone社 SH30109.03)25mLを加え、5%FBS D-MEM培養液を調製した。
T-75細胞培養フラスコ(IWAKI社、75平方センチメートル、270mL、カントネック、3123-075)にて培養したネコ腎細胞(Crandall-Rees feline kidney cell、CRFK、ATCC株CCL-94)の培養上清を捨て、当該フラスコ中に、37℃に保温したダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS(-))を10mL入れて細胞表面を洗浄して排水した。次いで、当該フラスコ中に、37℃のトリプシン-EDTA(GIBCO社、TrypLE Express with Phenol Red 12605-028)を2mL入れて、37℃で2分程度静置し、細胞を当該フラスコから剥した。そこにFBSを含まないD-MEM培養液を8mL入れて細胞を懸濁して抽出し、800rpm×5分間の遠心分離にて細胞を沈澱させた。上清を取り除き、前記のとおり調製した5%FBS D-MEM培養液を約8mL添加して細胞懸濁液を調製した。5%FBS D-MEM培養液10mLをT-75細胞培養フラスコに入れ、前記のとおり調製した細胞懸濁液を2mL添加し、CO2インキュベーターにて37℃で、3〜4日培養した。
[96穴マイクロプレート評価用のCRFK細胞の調製]
上記したとおり培養したCRFK細胞を、5%FBS D-MEM培養液で1/3〜1/7に希釈し、この希釈液を96穴マイクロプレート(Nunc社、167008)に0.2mLずつ添加し、同様に3〜4日間の培養を行った。
[ウイルス濃縮液の調製]
前記ネコ腎細胞の調製に従って準備した、培養細胞が十分に増殖した状態(コンフルエント)のT-75培養フラスコから培養上清を除き、PBS(-) 10mLで2回洗浄を行った。ネコカリシウイルス(Feline calicivirus F9株、FCV、ATCC株VR-782)を、PBS(-)に、TCID50約4log/mLとなるように懸濁し、その懸濁液1mLを当該フラスコ中に添加した。10分おきに攪拌して37℃で1時間培養し、そこにOpti-MEM(GIBCO社、31985-070)を12mL添加し、37℃で培養した。培養時間の目安は約20時間で、細胞培養面積の約90%に細胞変性(CPE)が認められた。その培養上清を回収して4,000rpmで10分間遠心し、その上清を0.2ミクロンメンブレンフィルターにてろ過した。その後、遠心式フィルターユニット(ミリポア社、Amicon Ultra-15、100KDa、50mL容器)に添加して4,000rpmで5分間遠心し、培養上清約80mLを1mL程度に濃縮し、感染価TCID50の常用対数/mLが1×9の溶液(ウイルス濃縮液)を調製した。
なお、ネコカリシウイルスは、ノロウイルスに対する薬剤の不活化作用を実証するために用いられることが広く知られている。
[ウイルス不活性化の評価]
上記のとおり調製した試料溶液90μLに、上記のとおり調製したウイルス濃縮液を10μL入れて、25℃で、30分間反応させた。その後、反応液40μLを、反応停止液である2%FBSを含むD-MEM 360μLと混合して反応を停止させた。反応を停止させた当該溶液について10倍希釈系列を作成するために、当該溶液40μLを0.1M HEPES(pH7.5)360μLにて順次希釈した。次いで、上記したとおり96穴マイクロプレート上にてCRFK細胞を培養したものから、5%FBS D-MEM培養液を取り除き、各ウェルに、前記10倍希釈系列の各希釈溶液30μLを添加し、CO2インキュベーターにて37℃で約30分間放置した。その後、各ウェルに、0.2%FBS D-MEM培養液を0.1mL添加し、37℃で3日間培養した。実体顕微鏡にてウイルス感染の有無を観察し、ウイルス感染価(50%組織培養感染値量、50% tissue culture infective dose、TCID50)を求めた。TCID50は、Hierholzer J.C., Killington R.A., Virus isolation and quantitation, In Mahy B.W.J., Kangro H.O. (ed.), Virology methods manual, Harcourt Brace & Company, London, pp. 25-46 (1996)に記載されている、Behrens・Karber法に従った。
log TCID50=log(1列目の希釈度)−(各希釈列における(変性ウェル数/全ウェル数)の総和−0.5)×log(希釈率)
以下の評価基準に基づき、ウイルスの不活性化を評価した。結果を下記表2に示す。
<評価基準>
◎:ブランクのウイルス感染価からの減少値が3以上
○:ブランクのウイルス感染価からの減少値が2以上3未満
×:ブランクのウイルス感染価からの減少値が0以上2未満
なお、ブランクは、試料溶液の代わりに、(A)成分及び(B)成分を添加しないことを除いて試料溶液と同じように調製した溶液を用いて上記と同じ方法で試験した場合である。ブランクのウイルス感染価は、4.5であった。
Figure 2019151945

Claims (3)

  1. (A)トリアジン誘導体、及び
    (B)以下の式(1)で表されるカチオン化合物
    1234+- (1)
    (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に選択され、R1、R2、R3及びR4のうち2つが、炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数6〜24の直鎖若しくは分岐アルケニル基、又はベンジル基であり、R1、R2、R3及びR4のうちの他の2つが、H、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数2〜5の直鎖若しくは分岐アルケニル基、又は−(AO)nRであり、Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキレン基から選ばれる1種又は2種以上であり、nは、(AO)の平均付加モル数を表し、0.1〜20であり、RはH又はCH3であり、X-は、無機酸若しくは有機酸の1価のアニオン又は当量の多価のアニオンである。)
    を含む、繊維製品用処理剤組成物。
  2. 請求項1に記載の繊維製品用処理剤組成物を繊維上のウイルスに適用することを含む、ウイルス不活化方法。
  3. 請求項1に記載の繊維製品用処理剤組成物で繊維製品を処理することを含む、繊維上のウイルスを不活化するための繊維製品の処理方法。
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