JP2019011391A - 繊維製品用帯電防止剤組成物 - Google Patents

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ひとみ 小林
Hitomi Kobayashi
ひとみ 小林
宮原 岳彦
Takehiko Miyahara
岳彦 宮原
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Abstract

【課題】静電気防止効果の高い帯電防止剤を提供する。【解決手段】以下の(A)及び(B)成分を含有する繊維製品用帯電防止剤組成物。(A)式(I)又は(II)で表される化合物1種以上、(B)重量平均分子量400以上のポリエチレングリコール及び/又は式(III)で表される化合物【選択図】なし

Description

本発明は、繊維製品用帯電防止剤組成物に関する。
近年、消費者は、スプレーの噴霧時間が少ない傾向にあり、少量噴霧でも静電気防止効果が高い製品が望まれている。また、多様な素材の繊維の衣類も増えたことから、衣類によっては静電気防止効果がでにくいものもあった。
帯電防止剤に関する技術又は繊維製品用処理剤に関する技術として、カチオン性化合物を用いることが知られている(特許文献1〜4)。
特開2009-144288号公報 特開2015-117451号公報 特開2006-143852号公報 特開2005-154645号公報
しかしながら、上記のとおり、より静電気防止効果が高い製品が望まれている実情がある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のカチオン性化合物を含む組成物を用いることで、より静電気防止効果を高められることを見出した。本発明は、これらの新規な知見に基づいて完成されたものである。
本発明の一実施態様において、以下の(A)及び(B)成分:
(A)以下の式(I)又は(II)で表される1種以上の化合物
(B)重量平均分子量400以上のポリエチレングリコール及び/又は以下の式(III)で表される化合物
を含有する繊維製品用帯電防止剤組成物が提供される。
Figure 2019011391
(式中、
1〜R4は、そのうちの3つが炭素数1〜3のアルキル基であり、1つが炭素数8〜14の直鎖状のアルキル基又は炭素数8〜14の直鎖状のアルケニル基であり、
1 -は対イオンである。)
Figure 2019011391
(式中、
5は、炭素数6〜22のアルキル基又は炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基であり、
6は、炭素数6〜22のアルキル基、炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基、メチル基又はトリル基であり、
7は、炭素数1〜2のアルキル基又は(CH2CH2O)nHであり、
m及びnは、それぞれオキシエチレン基の平均繰返し数を表し、mが1以上の数であり、nは0以上の数であり、
2 -は対イオンである。)
Figure 2019011391
(式中、
8は、炭素数6〜22の炭化水素基であり、
1O及びA2Oは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、
pは、A1Oの平均繰返し数を表し、qは、A2Oの平均繰返し数を表し、p+qが2以上60未満の数である。)
本発明の一実施態様によれば、繊維製品用帯電防止剤組成物は、(B)成分として、平均分子量400以上のポリエチレングリコール及び上記式(III)で表される化合物の両方を含む。
本発明の一実施態様によれば、静電気防止効果に優れた繊維製品用帯電防止剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、カチオン性化合物として、長鎖炭化水素基の数が2つのもの又は長鎖炭化水素基の数が1つであって炭素数16以上のものを用いた場合よりも、今までより少ない量でも高い静電気防止効果を奏する繊維製品用帯電防止剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、ポリエチレングリコールとして、重量平均分子量が300のものを用いた場合よりも、多様な繊維に対する高い静電気防止効果を奏する繊維製品用帯電防止剤組成物を提供することができる。
[(A)成分]
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物に含まれる(A)成分は、以下の式(I)又は(II)で表される1種以上の化合物である。本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物において、式(I)で表される化合物の1種以上と、式(II)で表される化合物の1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、式(I)で表される化合物を(A−1)、式(II)で表される化合物を(A−2)と称する。
Figure 2019011391
(式中、
1〜R4は、そのうちの3つが炭素数1〜3のアルキル基であり、1つが炭素数8〜14の直鎖状のアルキル基又は炭素数8〜14の直鎖状のアルケニル基であり、
1 -は対イオンである。)
Figure 2019011391
(式中、
5は、炭素数6〜22のアルキル基又は炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基であり、
6は、炭素数6〜22のアルキル基、炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基、メチル基又はトリル基であり、
7は、炭素数1〜2のアルキル基又は(CH2CH2O)nHであり、
m及びnは、それぞれオキシエチレン基の平均繰返し数を表し、mが1以上の数であり、nは0以上の数であり、
2 -は対イオンである。)
<(A−1)>
式(I)中、R1〜R4は、そのうちの3つが炭素数1〜3のアルキル基であるところ、炭素数1〜3のアルキル基としてはメチル基が好ましい。また、R1〜R4は、そのうちの3つがメチル基であることが好ましい。
式(I)中、R1〜R4は、そのうちの1つが炭素数8〜14の直鎖状のアルキル基又は炭素数8〜14の直鎖状のアルケニル基であるところ、そのうちの1つが炭素数8〜14の直鎖状のアルキル基であることが好ましく、炭素数12の直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
このように、(A−1)では、長鎖炭化水素基の数が1つのみであり、かつその炭素数も8〜14と、長鎖炭化水素基としては短めに限定されている。従来の帯電防止剤では、カチオン性化合物として、長鎖炭化水素基の数が2つのものであったり、長鎖炭化水素基の数が1つの場合には炭素数16以上のものが用いられてきたが、本発明において、長鎖炭化水素基の数が1つであり、かつその炭素数が8〜14であると、今までより少ない量でもより良好な静電気防止効果を奏することが新たに見出された。
式(I)中、Z1 -としては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン及びヨウ素イオン等のハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン及び亜硫酸イオン等の無機酸イオン、アルキル硫酸イオン(メチル硫酸イオンやエチル硫酸イオン等)、酢酸イオン、乳酸イオン及びプロピオン酸イオン等の有機酸イオン等が挙げられる。Z1 -は、汎用性の点から、塩素イオン又はアルキル硫酸イオンが好ましい。
(A−1)の具体例としては、n-オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド)、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(ミリスチルトリメチルアンモニウムブロミド)、ラウリルトリメチルアンモニウムメチル硫酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムエチル硫酸塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。(A−1)としては、好ましくは、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムメチル硫酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムエチル硫酸塩などが挙げられる。
(A−1)は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
(A−1)の市販品としては、例えば、n-オクチルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業(株))、ニッサンカチオンBB(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、日油(株))、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業(株))、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド)(東京化成工業(株))、n-オクチルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株))、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株))、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株))などが挙げられる。好ましくはニッサンカチオンBB(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、日油(株))、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業(株))である。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物中、(A−1)の配合量は特に限定されないが、繊維製品用帯電防止剤組成物の総質量に対して、0.01〜0.5質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.3質量%、さらに好ましくは0.1〜0.2質量%である。配合量が0.01〜0.5質量%の範囲内であると、帯電防止性能がより向上する。
<(A−2)>
式(II)中、R5は、炭素数6〜22のアルキル基又は炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基であるところ、炭素数6〜18のアルキル基又は炭素数6〜18のヒドロキシアルキル基であることが好ましい。R5において、当該アルキル基及び当該ヒドロキシアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、R5は、好ましくは炭素数6〜22の直鎖状のアルキル基、より好ましくは炭素数6〜18の直鎖状のアルキル基である。
式(II)中、R6は、炭素数6〜22のアルキル基、炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基、メチル基又はトリル基であるところ、炭素数6〜22のアルキル基及び炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは直鎖状である。好ましくは、R6は、メチル基又はトリル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
式(II)中、R6において、炭素数6〜22のアルキル基は、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基であり、炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基は、好ましくは炭素数6〜18のヒドロキシアルキル基である。
なお、R5及び/又はR6は、ヤシ油由来の基であってもよく、その場合、(A−2)としては、R5及び/又はR6が所定の範囲内(例えば、炭素数6〜18)で異なる炭素数を有する複数の化合物の混合物が用いられてもよい。R5及び/又はR6がヤシ油由来の基である場合、R5及び/又はR6の炭素数は、主として12及び/又は14であり得る。
7は、炭素数1〜2のアルキル基又は(CH2CH2O)nHであり、m及びnは、それぞれオキシエチレン基の平均繰返し数を表し、mが1以上の数であり、nは0以上の数である。
式(II)中、m及びnは、m+nが1以上の数であるところ、好ましくは1〜30の数であり、より好ましくは1〜15の数である。m+nが1〜30の数であると、より静電気防止効果が発揮されやすい。
式(II)中、mは、1以上の数であり、好ましくは1〜30の数である。
式(II)中、nは、0以上の数であり、好ましくは0〜30の数である。
式(II)中、Z2 -としては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン及びヨウ素イオン等のハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン及び亜硫酸イオン等の無機酸イオン、アルキル硫酸イオン(メチル硫酸イオンやエチル硫酸イオン等)、酢酸イオン、乳酸イオン及びプロピオン酸イオン等の有機酸イオン等が挙げられる。Z2 -は、汎用性の点から、塩素イオン又はアルキル硫酸イオンが好ましい。
(A−2)の具体例としては、塩化ヤシアルキルビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、塩化ポリオキシエチレンヤシアルキルメチルアンモニウム、塩化オレイルビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A−2)は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
(A−2)の市販品としては、例えば、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の「リポソカードC/12」(R5=ヤシ由来アルキル基、R6=メチル基、R7=(CH2CH2O)nH、m+n=2、Z2 -=塩素イオン)、「リポソカードC/25」(R5=ヤシ由来アルキル基、R6=メチル基、R7=(CH2CH2O)nH、m+n=15、Z2 -=塩素イオン)、「リポソカードO/12」(R5=オレイル基、R6=メチル基、R7=(CH2CH2O)nH、m+n=2、Z2 -=塩素イオン)、ロンザジャパン(株)から商品名Bardap26として販売されているジデシルメチルポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート(R5及びR6がいずれもデシル基(炭素数10)であり、R7がメチル基であり、mが1〜5であり、Z2 -=プロピオン酸イオンである化合物の混合物)が挙げられる。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物中、(A−2)の配合量は特に限定されないが、繊維製品用帯電防止剤組成物の総質量に対して、0.01〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5質量%である。配合量が0.01〜1質量%の範囲内であると、帯電防止性能がより向上する。
[(B)成分]
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物に含まれる(B)成分は、重量平均分子量400以上のポリエチレングリコール及び/又は以下の式(III)で表される化合物である。本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物において、重量平均分子量400以上のポリエチレングリコールと、式(III)で表される化合物とを組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において、重量平均分子量400以上のポリエチレングリコールを(B−1)、式(III)で表される化合物を(B−2)と称する。
Figure 2019011391
(式中、
8は、炭素数数6〜22の炭化水素基であり、
1O及びA2Oは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、
pは、A1Oの平均繰返し数を表し、qは、A2Oの平均繰返し数を表し、p+qは2以上60未満の数である。)
<(B−1)>
(B−1)を(A)成分と併用することで、繊維に適度な水分を保持でき、静電気を繊維から除去できる。(B−1)のポリエチレングリコールにおいて、重量平均分子量は400〜1000が好ましく、600〜1000がより好ましい。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物中、(B−1)の配合量は特に限定されないが、繊維製品用帯電防止剤組成物の総質量に対して、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。配合量が0.1〜5質量%の範囲内であると、優れた帯電防止性能が得られ、さらに衣類に噴霧した際のシミ発生や、衣類のベタツキ等が生じる恐れも少ない。
<(B−2)>
(B−2)は、主として、静電気防止性能を付与するために用いられる。
式(III)中、R8は、炭素数6〜22の炭化水素基であるところ、その炭素数は、6〜22が好ましく、6〜20がより好ましく、6〜18がさらに好ましく、12〜16が特に好ましい。R8の炭素数が6以上であることにより、より静電気防止効果が高まる。一方、R8の炭素数が22以下であることにより、水への溶解性が向上する。
なお、R8は、ヤシ油由来の基であってもよく、その場合、(B−2)としては、R8が所定の範囲内(例えば、炭素数6〜18)で異なる炭素数を有する複数の化合物の混合物が用いられてもよい。このような混合物である場合、R8の炭素数は、主として6以上であることが特に静電気防止効果の点から好ましく、20以下であることが特に水への溶解性の点から好ましい。R8がヤシ油由来の基である場合、R8の炭素数は、主として12及び/又は14であり得る。また、R8が牛脂由来の基である場合、R8の炭素数は、例えば10〜18であり、主として16及び/又は18であり得る。
式(III)中、R8における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、そのなかでも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
式(III)中、A1O及びA2Oは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であるところ、好ましくはオキシエチレン基やオキシプロピレン基である。A1OとA2Oとは、相互に同じであっても異なっていてもよい。
式(III)中、pはA1Oの平均繰返し数を表し、qはA2Oの平均繰返し数を表し、p及びqはそれぞれ独立に0以上の数である。
式(III)中、p+qは2以上60未満の数であるところ、好ましくは2以上40以下の数であり、より好ましくは2以上15以下の数である。
最も好ましくは、p+qは2〜10の数である。p+qが2以上の数であると、静電気防止効果が良好に得られやすくなるが、p+qが60以上であると、(B−2)自体の分子量の増加に伴い、同じ配合量では組成物中の(B−2)のモル数が減少するために静電気防止効果が低下しやすくなる恐れがある。p+qが2以上40以下の数であると、静電気防止効果がより高まる。
式(III)中、(A1O)p及び(A2O)qは、それぞれ、1種のオキシアルキレン基のみの繰返し構造でもよく、2種以上のオキシアルキレン基が混在した繰返し構造でもよい。(A1O)p及び(A2O)qが、それぞれ、2種以上のオキシアルキレン基が混在した繰返し構造である場合、各オキシアルキレン基は、ランダム状に繰り返されていてもよいし、ブロック状に繰り返されていてもよい。
式(III)中、(A1O)p及び(A2O)qは、それぞれ、オキシエチレン基のみの繰返し構造でもよく、オキシプロピレン基のみの繰返し構造でもよく、オキシブチレン基のみの繰返し構造でもよく、これらのオキシアルキレン基の2種以上が混在した繰返し構造でもよい。なかでも、オキシエチレン基のみの繰返し構造、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在している構造が好ましく、オキシエチレン基のみの繰返し構造がより好ましい。オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在した繰返し構造の場合、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とがランダム状に繰り返されていてもよいし、ブロック状に繰り返されていてもよい。
(B−2)の具体例としては、ビス(2-ヒドロキシエチル)アルキル(ヤシ)アミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)アルキル(牛脂)アミン、ポリオキシエチレンラウリルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(B−2)は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
(B−2)の市販品としては、例えば、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製の「リポノールC/12」(R8=ヤシ由来アルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=2)、「リポノールC/15」(R8=ヤシ由来アルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=5)、「リポノールC/25」(R8=ヤシ由来アルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=15)、「リポノールT/25」(R8=牛脂由来アルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=15)や、青木油脂工業(株)製の「BLAUNON L202」(R8=炭素数12のアルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=2)、「BLAUNON L205」(R8=炭素数12のアルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=5)、「BLAUNON L207」(R8=炭素数12のアルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=7)、「BLAUNON L210」(R8=炭素数12のアルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=10)、「BLAUNON S202」(R8=炭素数18のアルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=2)、「BLAUNON S202」(R8=炭素数18のアルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=2)、「BLAUNON S210」(R8=炭素数18のアルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=10)、「BLAUNON S245P」(R8=炭素数18のアルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=45)等が挙げられる。この中でも、「リポノールC/12」、「リポノールC/15」、「BLAUNON L202」、「BLAUNON L205」「BLAUNON L207」が好ましい。
(B−2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物中、(B−2)の配合量は特に限定されないが、繊維製品用帯電防止剤組成物の総質量に対して、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。配合量が0.1〜5質量%の範囲内であると、優れた帯電防止性能が得られ、さらに衣類に噴霧した際の変色が生じる恐れも少ない。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物において、(A)成分に対する(B)成分の質量比率が、(B)/(A)=1〜40であることが好ましく、5〜30であることがより好ましい。(B)/(A)=1〜40の範囲内であると、カチオン性物質と水分が適度な割合で存在しているため、より帯電防止性能が向上する。(B)/(A)=40を超えると、衣類に噴霧した際のシミ発生や、衣類のベタツキ等が生じる可能性がある。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物において、(A−1)と(B−1)と(B−2)を併用することで、さらなる帯電防止性能が持続する。特に、(A−1)と(B−1)と(B−2)を併用すると、アクリル繊維だけでなく、今まで効果がでにくかったナイロン等のポリアミド繊維の静電気防止効果に優れた繊維製品用帯電防止剤組成物を提供し得る。
[任意成分]
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)及び(B)成分以外の他の成分を含有してもよい。
前記他の成分としては、本発明の組成物の使用形態に応じ、繊維製品処理剤の技術分野(柔軟剤、スプレー剤等)で公知の成分を適宜含有させることができる。例えば、水、水溶性溶剤、ノニオン界面活性剤、シリコーン化合物、防腐剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、消臭剤、香料などを含有させることができる。
<水>
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物は、好ましくは水性組成物であり、水を含むことが好ましい。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水、精製水などいずれも用いることができる。中でも、イオン交換水、精製水が好適である。本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物中の水の含有量は、他の成分の含有量を考慮して適宜設定できる。
<水溶性溶剤>
本明細書において、「水溶性溶剤」とは、前記化合物(B−1)に該当しない、25℃の条件下にて任意の比率で水と混ぜたときに透明な溶液となる有機溶剤を意味し、炭素数2〜3のモノアルコール、炭素数2〜8の多価アルコール類(ただし前記化合物(B−1)を除く。)等が挙げられる。
炭素数2〜3のモノアルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。炭素数2〜8の多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数2〜6のグリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記のうち、価格の点では、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物が水性組成物であり、当該水性組成物をスプレー容器に収納して使用する場合、水性組成物の乾燥速度を早める点では、エタノールが好ましい。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物中の、水溶性溶剤の含有量は、本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物が水性組成物であり、当該水性組成物をスプレー容器に収納して使用する場合には、当該水性組成物の総質量に対して、5〜90質量%であることが好ましく、特にエアゾールスプレー容器のときは50〜85質量%がより好ましい。水溶性溶剤の含有量が前記範囲の下限値以上であると、短時間で水性組成物が乾燥できる。一方、前記範囲の上限値を超えると、使用者がむせる可能性がある。他の使用形態においては、本発明の水溶性溶剤の含有量は他の成分の含有量を考慮して適宜設定すればよい。
<ノニオン界面活性剤>
ノニオン界面活性剤は、その種類に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、高級アルコール又は高級脂肪酸から誘導されるものを用いることができる。より具体的には、炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキル(該アルキルの炭素数1〜3)エステル、炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルポリグルコシド、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルである硬化ヒマシ油などが挙げられる。中でも、炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が20〜80モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
<シリコーン化合物>
シリコーン化合物は、その種類に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、架橋していてもよい。また、シリコーン化合物は、変性シリコーン化合物であってもよく、前記変性シリコーン化合物は、1種の有機官能基により変性されたものであってもよく、2種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。
シリコーン化合物は、オイルの状態で使用してもよく、任意の乳化剤によって分散された乳化物の状態で使用してもよい。シリコーン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーンなどが挙げられる。
<防腐剤>
防腐剤は、主に、防腐力、殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために本発明の水性組成物において用いられ得る。防腐剤としては、例えば、イソチアゾロン系有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物中の防腐剤の含有量は、当該組成物の総質量に対し、0.0001〜1質量%であることが好ましい。防腐剤の含有量が前記範囲の下限値以上であると、防腐剤の添加効果が充分に得られ、上限値以下であると、水性組成物の保存安定性が良好である。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、紫外線を防御する効果のある薬剤であり、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出する成分である。紫外線吸収剤としては、例えば、アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、アゾール系化合物、4−t−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
<抗菌剤>
抗菌剤は、繊維上での菌の増殖を抑え、さらには微生物の分解物由来の嫌なにおいの発生を抑える効果を有する成分である。抗菌剤としては、例えば、四級アンモニウム塩(ただし(A)成分を除く。)などのカチオン性殺菌剤、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、8−オキシキノリン、ポリリジン等が挙げられる。
<消臭剤>
消臭剤としては、クラスターデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、モノアセチル−β−シクロデキストリン、アシルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、アミノカルボン酸系金属錯体(国際公開第2012/090580号記載のメチルグリシンジ酢酸3ナトリウムの亜鉛錯体)等が挙げられる。
<香料>
香料としては特に限定されないが、使用できる香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
前記の成分以外に、機能向上剤として、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、ポリビニルピロリドンなどの移染防止剤、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS−X)などの蛍光増白剤、染料固定剤、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンなどの退色防止剤、染み抜き剤、繊維表面改質剤としてセルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ケラチナーゼなどの酵素、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与できるものとしてシルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液があり、具体的にはK−50、K−30、K−10、A−705、S−702、L−710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス)、アルキレンテレフタレートおよび/またはアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位からなる非イオン性高分子化合物、例えば互応化学工業製FR627、クラリアントジャパン製SRC−1などの汚染防止剤などを配合することができる。
これらの任意成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
[本発明の組成物の製造方法]
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物の製造方法は特に限定されず、組成物の製造方法として公知の方法により製造できる。
例えば、(A)成分、(B)成分、任意成分を、常温にて混合する方法で調製してもよい。また、(A)成分あるいは(B)成分を各々任意成分と混合してから、さらに残りの成分を混合する方法でもよい。(B)成分が、気温によってワックス状や固体状になっている場合は、適時加温して均一に溶解してから使用する。
[スプレー容器]
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物は、スプレー容器に収納して使用されることができる。スプレー容器としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、エアゾールスプレー容器、トリガースプレー容器(直圧型あるいは蓄圧型)、ディスペンサースプレー容器等が挙げられる。
エアゾールスプレー容器の例としては、例えば、特開平9−58765号公報、特開平9−3441公報等に記載されているものが挙げられる。
エアゾールスプレー容器に充填する場合、噴射剤としてLPG(液化プロパンガス)、DME(ジメチルエーテル)、炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素ガス等を使用することができる。これら噴射剤は単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用してもよい。噴射剤としては、LPG:DME=30:70(質量比)の混合ガスが好ましい。
トリガースプレー容器の例としては、例えば、特開平9−268473号公報、特開平9−256272号公報、特開平10−76196号公報等に記載のものが挙げられる。
ディスペンサースプレー容器の例としては、例えば、特開平9−256272号公報等に記載のものが挙げられる。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物をスプレー容器に収納してスプレー式処理剤として使用する場合、当該スプレー式処理剤は、スプレー容器に収納する内容液として本発明の組成物を用いる以外は公知の方法により製造できる。
例えばスプレー容器がエアゾールスプレー容器である場合には、本発明の組成物(水性組成物)をエアゾール缶に入れ、クリンチ(閉缶)後、噴射剤を所定量充填することによりスプレー式処理剤を製造できる。本発明の組成物(水性組成物)と噴射剤との質量比は、本発明の組成物(水性組成物):噴射剤=90:10〜50:50の範囲内であることが好ましい。
容器がエアゾール缶の場合、本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物は、一般的に用いられている容器に収容される。前記容器の材質としては、特に限定されず、例えば金属等が挙げられる。前記金属としては、ブリキ、アルミニウム、アルミニウム合金等が挙げられる。また、前記金属の腐食を防止するために、前記金属の表面が樹脂でコーティングされてもよい。前記樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物と接する可能性があるマウンティングカップの材質は金属が使用される。金属としては、ステンレススチール、ブリキ、アルミニウム、アルミニウム合金等が上げられるが、アルミニウム、アルミニウム合金が好ましい。さらに腐食防止のために、前記述金属表面が樹脂でコーティング、あるいはPETフィルムでラミネートされているほうが好ましい。樹脂のコーティング剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。マウンティングカップの腐食による変色をより抑制する点からも、好ましい樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、より好ましくはポリアミドイミド樹脂が好ましい。
マウンティングカップの市販品としては、バルブパーツ21-109シリーズ、32-1490シリーズなどが挙げられる。その中でも、32-1092-XJXB1、32-1092-XJX19、32-1490-XJXB1、32-1490-XJX19(日本プリシジョンバルブ製)が好ましい。
スプレー容器がトリガースプレー容器、又はディスペンサースプレー容器である場合には、本発明の組成物(水性組成物)をそのままトリガースプレー容器、又はディスペンサースプレー容器に充填することによりスプレー式処理剤を製造できる。
[繊維製品]
本発明の繊維製品用帯電防止剤組成物を使用する対象の繊維製品としては、特に限定されないが、例えば、Yシャツ、Tシャツ、ポロシャツ、ブラウス、チノパン、スーツ、スラックス、スカート、ジャケット、コート、ニット、ジーンズ、パジャマ、テーブルクロス、ランチョンマット、カーテン、クッション、座布団、ソファ、枕カバー、シーツ、ベッドパッド、枕、布団、ベッドカバー、毛布、マットレス、靴、トイレマット、バスマット、玄関マット、カーペット、ラグ、絨毯、車のシート等が挙げられる。また、対象とする繊維製品の素材も、特に限定されないが、例えば、綿、ウール、麻等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン、テンセル、ポリノジック等の再生繊維及びこれら各種繊維の混紡品、混織品、混編品等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[(A)成分]
・A−1−1:ニッサンカチオンBB(ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、日油(株)製)
・A−1−2:ミリスチルトリメチルアンモニウムクロリド(東京化成工業(株)製)
・A’−1(比較例):リポカードT−800(塩化アルキル(C16-18)トリメチルアンモニウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
・A’−2(比較例):リポカード210-80E(塩化ジデシルジメチルアンモニウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
・A−2−1:リポソカードC/12(塩化ヤシアルキルビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
ヤシアルキルの炭素数は、主として12及び14である。
・A−2−2:リポソカードC/25(塩化ポリオキシエチレンヤシアルキルメチルアンモニウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
ヤシアルキルの炭素数は、主として12及び14である。
・A−2−3:リポソカードO/12(塩化オレイルビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
・A−2−4:Bardap26(ジデシルメチルポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート、ロンザジャパン(株))
[(B)成分]
・B−1−1:PEG−600(三洋化成工業(株)製)
・B−1−2:PEG−400(三洋化成工業(株)製)
・B’(比較例):PEG−300(三洋化成工業(株)製)
・B−2−1:リポノールC/12(式(III)中、R8=ヤシ由来アルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=2で表される化合物、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
ヤシ由来アルキル基の炭素数は、主として12及び14である。
・B−2−2:リポノールT/25(式(III)中、R8=牛脂由来アルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=15で表される化合物、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
牛脂由来アルキル基の炭素数は、主として16及び18である。
・B−2−3:BLAUNON L207(式(III)中、R8=炭素数12のアルキル基、A1O=オキシエチレン基、A2O=オキシエチレン基、p+q=7で表される化合物、青木油脂工業(株)製))
[共通成分]
・合成級95%特定アルコール(合成級95%未変性エタノール、日本アルコール販売株式会社製)
・香料:特開2002-146399号公報記載の表11〜18記載の香料組成物A
・精製水
[繊維製品用帯電防止剤組成物の調製]
(A)成分、(B)成分、共通成分を常温にて攪拌混合することにより、繊維製品用帯電防止剤組成物を得た。各成分の配合量は、下記表1に記載の通り調整した。
得られた繊維製品用帯電防止剤組成物を、トリガースプレー容器(ライオン(株)製のお洋服のスタイルガード(商品名))に充填し、トリガースプレー式処理剤とした(実施例18〜20)。
また別に、得られた繊維製品用帯電防止剤組成物を、エアゾール缶に充填し、クリンチ(閉缶)した後、噴射剤として、液化石油ガス(20℃における蒸気圧0.2MPa、東洋エアゾール工業(株)より入手)及びジメチルエーテル(東洋エアゾール工業(株)より入手)を所定量充填して、エアゾールスプレー式処理剤を得た(実施例1〜17及び比較例1〜3)。噴射剤は、液化石油ガス:ジメチルエーテル=30:70(質量比)で混合し、質量比で処理液70に対し噴射剤30の割合で全量120gになるように充填した。
エアゾールスプレー容器としては、以下のエアゾール缶、バルブを備えるものを使用した。
・エアゾール缶:アルミニウム合金、BL45AC157G(B2改コート)、外径45mm、高さ110mm(東洋製罐(株)製)
・バルブ:ステム04−5041、ガスケット51−5110−20、スプリング06−6040、ディップ・チューブ09−2010、ハウジング07−5180、マウンティングカップNo.32-1092-XJX19(日本プリシジョンバルブ(株)製)
・ボタン:21−6901−73(日本プリシジョンバルブ(株)製)
[評価用布の前処理方法]
1kgのアクリルジャージ布(アクリル100%、谷頭商店)、ナイロンタフタ(ナイロン100%、谷頭商店)を用意した。家庭用洗濯機(二槽式洗濯機、MITSUBISHI製、CW−C30A1−H)に、30Lの40℃水道水を入れ、これに衣類用粉末洗剤(商品名:消臭ブルーダイヤ、ライオン株式会社製)25gを添加し分散させた。次に、上記アクリルジャージあるいはナイロンタフタ1kgを投入し、15分間撹拌し洗浄した後、3分間脱水した。次いで、水道水を用いた流水すすぎを15分間行い、3分間脱水した。前記の流水すすぎと脱水を3回繰り返した。その後、アクリルジャージ及びナイロンタフタを、室温で乾燥し、30cm×30cmに裁断したものを試験布とした。
[摩擦布の前処理法]
JIS L 1094に記載の方法で、JIS L 0803に規定する綿の処理を行った。
[前処理した試験布の噴霧処理]
<トリガースプレー式処理剤による噴霧処理>
前記のとおり前処理して調製した試験布(アクリルジャージ及びナイロンタフタ)に、トリガースプレー式処理剤を布全体に均一に付着するように噴霧した。噴霧量は、アクリルジャージには2%о.w.f(=処理液の質量(g)/処理布の質量(g)×100)、ナイロンタフタには5%о.w.f(=処理液の質量(g)/処理布の質量(g)×100)の量とした。その後、室温で30分間乾燥した後、20℃湿度30%で24時間調湿した。
<エアゾールスプレー式処理剤による噴霧処理>
前記のとおり前処理して調製した試験布(アクリルジャージ及びナイロンタフタ)に、エアゾールスプレー容器の内容物が0.3〜0.4gになるように布全体に均一に付着するように噴霧した。その後、室温で30分間乾燥した後、20℃湿度30%で24時間調湿した。
[評価方法]
前記のとおり噴霧処理した試験布について、JIS L 1094 B法(摩擦帯電圧測定法)に準じて評価を行った。測定機器はTST-300A、以下の判定基準で評価した。結果を下記の表1に示す。1点から5点までを合格とした。
<アクリルジャージ>
1点:摩擦帯電圧100V未満
2点:摩擦帯電圧100〜200V未満
3点:摩擦帯電圧200〜300V未満
4点:摩擦帯電圧300〜400V未満
5点:摩擦帯電圧400〜500V未満
×:摩擦帯電圧500V以上
<ナイロンタフタ>
1点:摩擦帯電圧200V未満
2点:摩擦帯電圧200〜400V未満
3点:摩擦帯電圧400〜600V未満
4点:摩擦帯電圧600〜800V未満
5点:摩擦帯電圧800〜1000V未満
×:摩擦帯電圧1000V以上
Figure 2019011391
表中、各成分の組成における数値は質量%を表す。

Claims (2)

  1. 以下の(A)及び(B)成分:
    (A)以下の式(I)又は(II)で表される1種以上の化合物
    (B)重量平均分子量400以上のポリエチレングリコール及び/又は以下の式(III)で表される化合物
    を含有する繊維製品用帯電防止剤組成物。
    Figure 2019011391
    (式中、
    1〜R4は、そのうちの3つが炭素数1〜3のアルキル基であり、1つが炭素数8〜14の直鎖状のアルキル基又は炭素数8〜14の直鎖状のアルケニル基であり、
    1 -は対イオンである。)
    Figure 2019011391
    (式中、
    5は、炭素数6〜22のアルキル基又は炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基であり、
    6は、炭素数6〜22のアルキル基、炭素数6〜22のヒドロキシアルキル基、メチル基又はトリル基であり、
    7は、炭素数1〜2のアルキル基又は(CH2CH2O)nHであり、
    m及びnは、それぞれオキシエチレン基の平均繰返し数を表し、mが1以上の数であり、nが0以上の数であり、
    2 -は対イオンである。)
    Figure 2019011391
    (式中、
    8は、炭素数6〜22の炭化水素基であり、
    1O及びA2Oは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、
    pは、A1Oの平均繰返し数を表し、qは、A2Oの平均繰返し数を表し、p+qが2以上60未満の数である。)
  2. (B)成分として、平均分子量400以上のポリエチレングリコール及び前記式(III)で表される化合物の両方を含む、請求項1に記載の繊維製品用帯電防止剤組成物。
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