JP5726272B2 - シリコーンレジン組成物およびシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法 - Google Patents

シリコーンレジン組成物およびシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコーンレジン組成物に係り、さらに詳しくは加温することなく常温下で硬化し、被膜物性に優れたシリコーンレジン組成物およびシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法に関するものである。
コンクリートや鋼板などを腐食性物質や使用環境から保護するための保護被覆は、一般的に材料表面に保護被覆のための組成物を塗布し、被膜を形成することによって行われる。
ここで、これらの保護被覆に使用される組成物としては、特許文献1に示されるような有機系の合成樹脂で構成された組成物を用いることが多い。
また、保護被覆する対象となる材料との密着性や形成される被膜の耐久性、耐候性などを考慮して、特許文献2に示されるような無機系のシリコーンレジン組成物も用いられている。
さらに、近年においては環境に配慮して、特許文献3に示されるような有機溶剤を使用しない水性タイプのシリコーンレジン組成物が用いられることも多い。
特開平10−231453号公報 特開2000−26727号公報 特開2006−225629号公報
しかしながら、特許文献1に記載の組成物は、有機系の合成樹脂を使用していることから、無機質の材料であるコンクリートなどに使用した場合には密着性などの点で必ずしも相性がよいとはいえない。従って、被膜がふくれたり、剥離したりするという問題があった。
また、特許文献1に記載の組成物は、被膜が炭素結合によって形成されているものである。従って、10年程度の耐用年数が要求されるコンクリートの保護被覆においては、耐久性や耐候性の点において必ずしも十分であるとはいえないという問題もあった。
一方、特許文献2に記載の組成物は、無機系のシリコーンレジン組成物であることから、無機質の材料であるコンクリートとは密着性に優れ、上記のような被膜がふくれたり、剥離したりするという問題を防止できるという長所を有している。
しかしながら、特許文献2に記載の組成物は、溶媒に有機溶剤を使用することから、被膜形成時において有機溶剤が大気中に放出されることになり、大気環境を汚染するという問題があった。
その点、特許文献3に記載の組成物は、溶媒に水を使用しているシリコーンレジンであることから、上記のような大気環境を汚染するという問題を防止できるという長所を有している。
しかしながら、特許文献3に記載の組成物は、被膜形成時には加温することが不可欠であることから被膜形成に時間を要し、コンクリートなどの保護被覆に使用する際には作業性の点で問題があった。また、この問題は、特に冬場における屋外での作業時には顕著であった。
なお、加温を必要とせずに空気中の水分で硬化するものとして湿気硬化型のシリコーン樹脂がある。しかしながら、コンクリートなどの保護被覆は数百μmの膜厚が必要になることから、かかる膜厚において十分な被膜物性を確保しようとすると、これら湿気硬化型のシリコーン樹脂を単独で使用するだけでは十分な性能を確保できないという問題もあった。
本発明は上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、溶媒に水を使用するものでありながら、加温することなく常温下で被膜を形成し、かつ、形成された被膜が十分な被膜物性を有するシリコーンレジン組成物およびシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法を提供することを目的とする。


上記目的を達成するために、本発明のシリコーンレジン組成物は、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物と、シリコーン樹脂と、水とが含有されており、シリコーン樹脂が、平均組成式:[RSiO 3/2 [R SiO] (Rは同一又は異種の炭素数1〜20の1価有機基であり、m+nが1.0である。)で示されるオルガノシリコーン化合物であり、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物が、鉄鋼スラグまたはアルミナセメントまたはその混合物に由来のものであり、さらにカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物の配合量が、シリコーン樹脂50〜100重量部に対して1〜100重量部であることを特徴とする。

本発明のシリコーンレジン組成物は、シリコーン樹脂が、(A)平均組成式:[RSiO3/2m[R2SiO]n(Rは同一又は異種の炭素数1〜20の1価有機基であり、m+nが1.0である。)で示されるオルガノシリコーン化合物と、(B)乳化剤と、(C)水、とを含有してなる水性エマルジョンまたは水性ディスパージョンである構成にしてある。
本発明のシリコーンレジン組成物は、シリコーン樹脂が、(A)平均組成式:[RSiO3/2m[R2SiO]n(Rは同一又は異種の炭素数1〜20の1価有機基であり、m+nが1.0である。)で示されるオルガノシリコーン化合物と、(B)乳化剤と、(C)水と、(D)SP値が8.0〜11.0である水混和性有機溶剤、とを含有してなる水性エマルジョンまたは水性ディスパージョンである構成にしてある。
本発明のシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法は、本発明のシリコーンレジン組成物を用いることを特徴とする。
本発明のシリコーンレジン組成物は、シリコーン樹脂と、これらの樹脂の硬化触媒となるカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物と、水または水分とが必要であり、これらの各成分で構成されていることにより、加温することなく常温下で硬化し被膜を形成する。

ここで、各成分の配合量としては、使用環境に応じた被膜物性が発現するものであれば特に限定されないが、樹脂成分がシリコーン樹脂の場合には、同じく作業性の点からシリコーン樹脂が50〜100重量部、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物が1〜100重量部、水が200重量部以下であることが好ましい。
また、本発明のシリコーンレジン組成物には、必要に応じて適宜、ケイ砂、磁器粉、ガラス粉、シラスバルーンなどの無機質系バルーンなどを使用してもよい。
次に、本発明のシリコーンレジン組成物を構成する各成分について説明する。
(カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物)
本発明に用いられるカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物は単体の化合物でもよいし、後記する鉄鋼スラグやアルミナセメントまたはその混合物の中に存在しているカルシウムアルミネート類等のように、他の化合物との複合物の状態となっているものでもよい。
そして、これらの化合物は、化合物自体あるいは、化合物から水に溶出した微量の金属イオンが触媒となり、シリコーンレジンを硬化させ、被膜を形成させる。
本発明に用いられるカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物の配合比率は、作業性の点から、樹脂成分がシリコーン樹脂の場合にはシリコーン樹脂50〜100重量部に対して1〜100重量部配合されていることが好ましい。
配合量が上記範囲より少ない場合には硬化に長時間を要し、上記範囲を超える場合には逆に硬化が速くなりすぎるため、それぞれ作業性の問題が生じる恐れがあるからである。
また、本発明に用いられるカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物は、被覆する対象材料がコンクリートなどに代表されるような酸性物質に弱い材料である場合には、水に金属イオンが溶出した際の水のpHが9〜13を示すものであることが好ましく、さらにはpHが10.5〜11.5を示すものであることが好ましい。pHが9より小さい場合には硬化に長時間を要し、13を超える場合には逆に硬化が速くなりすぎるため、それぞれ作業性の点において問題が生じる恐れがあるからである。
なお、上記のカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物に炭酸カルシウムなどの単体の化合物を使用した場合には、樹脂成分に対する配合量がわずかとなることから、硬化触媒としての該化合物が組成物中に局在して分布することになり、まれに硬化にムラが発生し、良好な被膜を得ることが困難になる場合がある。
従って、組成物中へ均一に分散させて硬化を緩やかにし、良好な被膜を得やすくするためには、上記のカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物としては、後記する鉄鋼スラグやアルミナセメントまたはその混合物などに含まれているカルシウムアルミネート類等のように、他の化合物との複合物の状態となっているものを用いることが好ましい。
(鉄鋼スラグまたはアルミナセメントまたはその混合物)
本発明に用いられる鉄鋼スラグとは、金属の精錬時に副産物として回収されるものであり、高炉スラグと製鋼スラグに分類されるものである。なお、高炉スラグはさらに徐冷スラグと水砕スラグに分類される。
鉄鋼スラグの組成としては、酸化カルシウムと二酸化ケイ素を主成分とし、その他の成分として酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、鉄、マンガン、硫黄などが単体あるいはカルシウムアルミネート類などのように他の化合物との複合物の状態となって含まれているものである。
ここで、鉄鋼スラグを使用する場合には、作業性の点から高炉スラグを用いることが好ましい。製鋼スラグについては、使用するグレードによってシリコーンレジン組成物の硬化が速くなりすぎて、作業性の点から使用しづらい場合があるからである。
本発明に用いられるアルミナセメントとは、ボーキサイトと石灰石から製造されるセメントであり、アルミン酸石灰を主成分とするものである。
なお、本発明に用いられる鉄鋼スラグとアルミナセメントについては、上記のカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物が含有されているものであれば、両者が混合されたものであってもよい。
さらに、本発明に用いられる鉄鋼スラグやアルミナセメントは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物を有するものであれば、物性は特に限定されないが、作業性、可使時間の点からブレーン比表面積が3000〜10000cm/gの範囲のものであることが好ましい。
ブレーン比表面積が3000cm/gより小さい場合には作業性の悪化の問題が生じ、10000cm/gを超える場合には作業性の悪化、可使時間の短縮の問題が生じる恐れがあるからである。
(水)
本発明のシリコーンレジン組成物における水の配合量については、特に限定されず、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物の溶解性や作業性などの点から適宜決定することができる








(シリコーン樹脂)
本発明に用いられるシリコーン樹脂は、シロキサン結合を有するものであって、上記したカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物またはこれら化合物から溶出した金属イオンによって硬化するものであれば特に限定されない。また、本発明に用いられるシリコーン樹脂は、水溶性タイプのものを使用することもできるが、シリコーンレジン組成物の撥水性能の面から、オルガノシリコーン化合物を乳化剤、水、水混和性有機溶剤などによって乳化、分散させたエマルジョンタイプまたはディスパージョンタイプのものを用いることが好ましい。
本発明に用いられるシリコーン樹脂にエマルジョンタイプまたはディスパージョンタイプのものを使用する場合には、これらの平均粒径は、保存安定性の点から1,000nm以下、特に800nm以下であることが好ましい。1,000nmを超える場合には経時分離の問題が生じる恐れがあるからである。
また、本発明に用いられるシリコーン樹脂にエマルジョンタイプまたはディスパージョンタイプのものを使用する場合には、取り扱い性の点からシリコーン樹脂の不揮発分(固形分)が5〜80質量%であることが好ましく、さらには10〜70質量%であることが好ましい。不揮発分が5質量%より小さい場合にはシリコーンレジン組成物の粘度が低くなりすぎ成形性低下の問題が生じ、80質量%を超える場合にはシリコーン樹脂の粘度が高くなりすぎ作業性低下の問題が生じる恐れがあるからである。
次に、シリコーン樹脂にエマルジョンタイプまたはディスパージョンタイプのものを使用する場合の各構成成分について説明する。
(オルガノシリコーン化合物)
ここで、エマルジョンタイプまたはディスパージョンタイプのシリコーン樹脂を使用する場合には、被膜特性の点から、平均組成式が[RSiO3/2m[R2SiO]n(Rは同一又は異種の炭素数1〜20の1価有機基であり、m+nが1.0である。)で示されるオルガノシリコーン化合物を用いたものを使用することが好ましい。
ここで、Rは同一又は異種の炭素数1〜20の1価有機基であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどのアルキル基、フェニル、トリル、ナフチルなどのアリール基、ビニル、アリルなどのアルケニル基などが挙げられる。
また、水素原子の一部(1個又はそれ以上)がエポキシ基、メルカプト基、メタクリル基、アクリル基、カルボキシル基、アミノ基、ケト基などの反応性基で置換されたものも含まれる。反応性基で置換された有機基としては、3−グリシドキシプロピル、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、3−メルカプトプロピル、3−メタクリロキシプロピル、3−アクリロキシプロピル、3−アミノプロピル、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル、N−フェニル−3−アミノプロピル、3−ウレイドプロピル、3−クロロプロピル、10−カルボキシデシル、2−カルボキシエチル、3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピル、−C24−CHO、−C36−S−C24−CONH−C(CH32−CH2COCH3などが挙げられる。なお、本発明においては、耐候性の点からRの30モル%以上がメチル基であることが望ましい。
オルガノシリコーン化合物中の[RSiO3/2]単位のモル比率(m)は、被膜の硬度と耐久性の点から0.2〜1.0の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜1.0の範囲であり、さらに好ましくは0.4〜1.0の範囲である。0.2より小さい場合には被膜硬度が軟らかくなり、耐久性が低下してしまう恐れがあるからである。
また、オルガノシリコーン化合物中の[R2SiO]単位のモル比率(n)も同様に、被膜の硬度と耐久性の点から0〜0.8の範囲が好ましく、より好ましくは0〜0.7の範囲であり、さらに好ましくは0〜0.6の範囲である。0.8より大きい場合には被膜硬度が軟らかくなり、耐久性が低下してしまう恐れがあるからである。
さらに、オルガノシリコーン化合物については、成分中に硬化性や被膜特性を損なわない範囲で[R3SiO1/2]単位(Rは上記の通り)および/または[SiO2]単位を微量含んでも構わない。但しこの場合には、m+nは0.8〜1.0であることが好ましく、さらには0.9〜1.0であることが好ましい。ここでm+n=1.0でない場合には、残りの単位は[R3SiO1/2]単位、[SiO2]単位であり、これらとの総計が1.0となる。
オルガノシリコーン化合物は、該当する単位のクロロシランやアルコキシシランを加水分解、縮合反応する方法など、公知の方法で製造することができる。これら公知の方法で製造されたオルガノシリコーン化合物は、末端基として少量の水酸基や、場合によりさらにアルコキシ基を含有する。そして、この水酸基やアルコキシ基が、上記したカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物またはこれら化合物から溶出した金属イオンを触媒として脱水縮合、脱アルコール縮合することによって加温することなく常温下で硬化し被膜となるのである。
ここで硬化性の点から、水酸基の量は0.1〜10質量%、アルコキシ基量は0.1〜10質量%であり、水酸基とアルコキシ基の合計量は0.1〜15質量%であることが好ましい。水酸基とアルコキシ基の合計量が0.1質量%より小さい場合には硬化不良の問題が生じ、15質量%を超える場合には収縮の問題が生じる恐れがあるからである。さらに、アルコキシ基については反応性の点から炭素数が1〜6であることが好ましい。
また、オルガノシリコーン化合物については、必要に応じて、乳化剤、水、水混和性有機溶剤を用いることができる。
ここで、オルガノシリコーン化合物に乳化剤、水、水混和性有機溶剤を用いる場合には、エマルジョンまたはディスパージョンになった際の安定性の点から、予めオルガノシリコーン化合物の水混和性有機溶剤溶液を作製しておき、次に乳化剤と水とを混合して、撹拌することで乳化分散をさせる方法によって製造することが好ましい。
(乳化剤)
乳化剤としては、オルガノシリコーン化合物を水中へ乳化分散させることができるものであれば特に制限はない。そしてこれらの乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン酢酸塩等のカチオン系界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤等を挙げることができる。また、これらの乳化剤は、単独あるいは2種以上を併用して使用することができる。
そしてこれらの乳化剤としては、上記の中でも安定性の面から、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのようなノニオン系界面活性剤が好ましい。
さらに、これらノニオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルなどが挙げられる。
また、乳化剤の添加量としては、エマルジョン化、被膜硬度、密着性の点からオルガノシリコーン化合物100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜30質量部であり、さらに好ましくは3〜20質量部である。乳化剤の添加量が1質量部より少ないとエマルジョン化が困難であり、50質量部より多いと被膜の硬度や強度、基材との密着性が低下してしまう恐れがあるからである。
(水混和性有機溶剤)
水混和性有機溶剤としては、オルガノシリコーン化合物を乳化する際に流動性を付与したり、オルガノシリコーン化合物の粘度を調整したりするために使用されるものであり、SP値(溶解パラメーター)が8.0〜11.0で、水混和性のものであることが好ましい。
ここで、SP値とは溶解パラメーターのことであり、溶解度係数ともいう、Hildebrandにより提唱された液体間の混合性の尺度となる特性値である。
なお、SP値はオルガノシリコーン化合物の溶解性と乳化した際のエマルジョンの安定性の点から8.0〜11.0が好ましく、より好ましくは8.5〜10.5である。SP値が8.0より小さい場合にはオルガノシリコーン化合物を均一溶解することができず、11.0より大きい場合には乳化した際のエマルジョンの安定性が低下してしまう恐れがあるからである。
また、該有機溶剤は水混和性が必要であり、水混和性がない場合には乳化した際のエマルジョンの安定性が低下してしまう。ここで、水混和性としては20℃における水100gへの溶解度が1g以上のものである必要があり、2g以上のものであることが好ましい。
このような水混和性有機溶剤としては、アルコール系化合物、ケトン系化合物、エステル系化合物、エーテル系化合物などがある。具体的には、セロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルカルビトール、カルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸カルビトール、酢酸ブチルカルビトール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレートなどが挙げられる。
そしてこの中でも水への溶解度の点から、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレートを用いるのが好ましい。
水混和性有機溶剤を配合する場合の添加量としては、オルガノシリコーン化合物100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜40質量部であり、さらに好ましくは5〜30質量部である。添加量が1質量部より少ないとオルガノシリコーン化合物溶液の粘度が高く、エマルジョン化が困難であり、乳化安定性も劣る恐れがあるからである。一方、添加量が50質量部より多いとエマルジョンの乾燥に長時間要してしまう恐れがあるからである。
また、オルガノシリコーン化合物は、[RSiO3/2]単位の含有率が高い場合には固体状であること、あるいは縮合反応性が高い場合にはゲル化しやすいことから、通常はトルエンやキシレンといった有機溶剤に希釈された状態で取り扱われる。本発明においては、水混和性有機溶剤溶液をこのような希釈剤として使用することもでき、さらには水混和性有機溶剤溶液をオルガノシリコーン化合物製造時の溶剤として使用することも可能である。
ここで、水混和性有機溶剤溶液をオルガノシリコーン化合物の希釈剤として用いる際には、乳化性の点から、水混和性有機溶剤により希釈されたオルガノシリコーン化合物溶液の粘度がB型回転粘度計を用いて測定した場合に、25℃において500〜500,000mPa・sであることが好ましく、さらには1,000〜200,000mPa・sとなるようにすることが好ましい。
なお、オルガノシリコーン化合物の希釈剤としては水を用いることもでき、この場合の水の配合量は、オルガノシリコーン化合物100質量部に対して25〜2,000質量部であることが好ましく、さらには50〜1,000質量部であることが好ましい。
次に、本発明のシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法について説明する。
(シリコーンレジン組成物を用いた防食方法)
本発明のシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法としては、従来のコンクリートの保護だけでなく、例えば、工場の煙突の内面(煙道)に代表されるような耐熱、屋外で使用される場合の耐候性、オゾン及び塩素などの過酷な環境にさらされる材料の保護被覆に対しても使用することができる。
保護被膜の形成方法としては、本発明のシリコーンレジン組成物を対象材料にスプレー、刷毛、コテなどで塗装する方法などがあげられる。ここで、被膜の厚さについては、保護被覆性の点から0.5〜5mmであることが好ましい。膜厚が0.5mmより薄い場合には遮断性の問題が生じ、5mmより厚い場合には硬化収縮の問題が生じる恐れがあるからであるからである。
なお、本発明のシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法としては、必要に応じて、本発明のシリコーンレジン組成物と対象材料との間にプライマー層を設けても構わないし、本発明のシリコーンレジン組成物による被膜の表面にさらに仕上げ用のトップコート層を設けても構わない。
本発明のシリコーンレジン組成物によれば、シリコーン樹脂と、これらの樹脂の硬化触媒となるカルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物と、水とが含有されているので、これら化合物自体あるいは、化合物から水に溶出した金属イオンが触媒となり、シリコーンレジンを加温することなく硬化させ、被膜を形成させることができる。
本発明のシリコーンレジン組成物によれば、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムのうちいずれか1つの元素を含有する化合物が、鉄鋼スラグまたはアルミナセメントまたはその混合物に由来のものであるので、鉄鋼製造工程の副産物である鉄鋼スラグやアルミナセメントなどを有効利用することができる。
本発明のシリコーンレジン組成物によれば、シリコーン樹脂が、水性エマルジョンまたは水性ディスパージョンであるので、溶媒に水を用いたシリコーン樹脂を使用することができ、大気環境を汚染するという問題を防止することができる。
本発明のシリコーンレジン組成物によれば、シリコーン樹脂に特定の構造のものを用いているので、使用環境、使用用途に応じたシリコーンレジン組成物を提供することができる。
本発明のシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法によれば、加温することなく常温下で被膜を形成するシリコーンレジン組成物を使用しているので、作業性に優れた保護被覆を行うことができる。
以下に、本発明の具体的な実施例をその比較例と対比させて詳しく説明する。
なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(シリコーン樹脂の作製)
まず、以下に示す方法にてシリコーンレジン組成物に使用するシリコーン樹脂を3種類作製した。また、比較例としてアクリル樹脂系エマルジョン(BAFSジャパン社製、品番:YJ−2720D)を使用した。
(製造例1)
平均組成式:[(CH3)SiO3/20.67[(C65)SiO3/20.33で示されるオルガノシリコーン化合物のエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(SP値8.9)溶液(シリコーンレジン/エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート=83/17質量比)530部、乳化剤として「ノイゲンXL40」(商品名、第一工業製薬社製、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、HLB10.5)25部、「ノイゲンXL400D」(商品名、第一工業製薬社製、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、HLB18.4の65%水溶液)38.5部、「ニューコール291M」(商品名、日本乳化剤社製、アルキルスルホコハク酸ソーダ75%液)5部及び脱イオン水401.5部を、ホモディスパーを用いて乳化分散し、150℃/3時間での不揮発分が47質量%、平均粒径(コールター社製粒度分布測定装置N4Plusで測定)が200nmの青白色なオルガノシリコーン化合物エマルジョン(A−1)を得た。
(製造例2)
平均組成式:[(CH3)SiO3/20.67[(CH32SiO2/20.33で示されるオルガノシリコーン化合物のエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(SP値8.9)溶液(シリコーンレジン/エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート=93/7質量比)530部、乳化剤として「ノイゲンXL40」(商品名、第一工業製薬社製、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、HLB10.5)25部、「ノイゲンXL400D」(商品名、第一工業製薬社製、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、HLB18.4の65%水溶液)38.5部、「ニューコール291M」(商品名、日本乳化剤社製、アルキルスルホコハク酸ソーダ75%液)5部及び脱イオン水401.5部を、ホモディスパーを用いて乳化分散し、150℃/3時間での不揮発分が47質量%、平均粒径(コールター社製粒度分布測定装置N4Plusで測定)が190nmの青白色なオルガノシリコーン化合物エマルジョン(A−2)を得た。
(製造例3)
メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(平均重合度15、粘度40mm2/s)33重量%、ジメチルジメトキシシラン25モル%とフェニルトリメトキシシラン75モル%との部分共加水分解縮合物(平均重合度12、粘度140mm2/s)33重量%、ジメチルジメトキシシラン30モル%とフェニルトリメトキシシラン50モル%とジフェニルジメトキシシラン20モル%との部分共加水分解縮合物(平均重合度4、粘度20mm2/s)33重量%、有機金属系硬化触媒としてテトラ−n−ブチルチタネート重合体1重量%を、ホモディスパーを用いて混合し、湿気硬化型シリコーン樹脂(A−3)を得た。
(カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物)
カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物については、酸化カルシウム(特級試薬)および後記する鉄鋼スラグ、アルミナセメントを使用した。また、比較例として普通ポルトアンドセメントを使用した。
(鉄鋼スラグ、アルミナセメントの作製)
次に、鉄鋼スラグとしては高炉スラグを用い、その中でもブレーン比表面積が4000cm/gのもの(鉄鋼スラグ−1)とブレーン比表面積が10000cm/gのもの(鉄鋼スラグ−2)を使用し、アルミナセメントとしてはブレーン比表面積が4600cm/gのものを使用した。
なお、作製した鉄鋼スラグまたはアルミナセメント5gと水100gを混合した際の水のpHについては23℃において10.8であった。
(実施例1〜10、比較例1〜4)
次に、表1に示す配合にて、実施例1〜10と、比較例1〜4のシリコーンレジン組成物を作製した。なお、作製方法については、表1の原料を容量1Lの容器に入れた後、混錬することによって作製した。
そして、以上の実施例1〜10および比較例1〜4のシリコーンレジン組成物について、作業性試験、耐薬品性試験(耐塩素性試験、耐オゾン性試験)、耐候性試験、耐熱性試験、防汚染性試験、コンクリート付着性試験、鋼板付着性試験をそれぞれ以下の方法で実施した。但し、作業性試験およびコンクリート付着性試験、鋼板付着性試験にて×の評価であったものについては、その他の試験は行わなかった。
(作業性試験)
作業性試験については、コテ塗り時の作業性を評価することにより行った。具体的には調合・攪拌直後及び30分間放置後のシリコーンレジン組成物をコテ塗り作業した際、作業性が良好な場合は◎、作業性が若干低下した場合は○、作業性が低下した場合は△、作業ができない場合は×と評価することにより行った。
(耐塩素性試験)
耐塩素性試験については、試験片を次亜塩素ナトリウム5%水溶液に浸漬することにより行った。具体的には、縦70mm×横70mm×厚さ20mmのモルタル板にシリコーンレジン組成物を塗布量が1.0kg/mになるように金ゴテによるコテ塗りで塗装し、温度20±2℃、湿度65±10%の条件下で7日硬化させることによって試験片を作製した。
そして、上記の水溶液に試験片を30日間浸漬した後目視観察を行い、外観に変化無い場合は◎、若干の色調変化が生じた場合○、若干の劣化が生じた場合は△、劣化現象が生じた場合は×と評価することにより行った。
(耐オゾン性試験)
耐オゾン性試験については、試験片を下水処理施設のオゾン処理槽に浸漬することにより行った。具体的には、縦80mm×横120mm×厚さ10mmのモルタル板にシリコーンレジン組成物を塗布量が1.0kg/mになるように金ゴテによるコテ塗りで塗装し、温度20±2℃、湿度65±10%の条件下で7日硬化させることによって試験片を作製した。
そして、上記の処理槽に試験片を1年間浸漬した後目視観察を行い、外観に変化が無い場合を◎、若干の色調変化が生じた場合を○、若干の劣化現象が生じた場合を△、劣化現象が生じた場合を×と評価することにより行った。
(耐候性試験)
耐候性試験については、スーパーUVテスター試験機(岩崎電気社製)を用いて行った。具体的には、縦70mm×横150mm×厚さ3mmのモルタル板にシリコーンレジン組成物を塗布量が1.0kg/mになるように金ゴテによるコテ塗りで塗装し、温度20±2℃、湿度65±10%の条件下で7日硬化させることによって試験片を作製した。
そして、1000時間経過後目視観察を行い、外観に変化が無い場合を◎、若干の色調変化が生じた場合を○、若干の劣化現象が生じた場合を△、劣化現象が生じた場合を×と評価することにより行った。
(耐熱性試験)
耐熱性試験については、試験片を煮沸水に浸漬することにより行った。具体的には、縦70mm×横70mm×厚さ20mmのモルタル板にシリコーンレジン組成物を塗布量が1.0kg/mになるように金ゴテによるコテ塗りで塗装し、温度20±2℃、湿度65±10%の条件下で7日硬化させることによって試験片を作製した。
そして、上記の煮沸水に試験片を7日間浸漬した後目視観察を行い、外観に変化が無い場合を◎、若干の色調変化が生じた場合を○、若干の劣化現象が生じた場合を△、劣化現象が生じた場合を×と評価することにより行った。
(防汚染性試験)
防汚染性試験については、屋外暴露試験により行った。具体的には、縦70mm×横70mm×厚さ20mmのモルタル板にシリコーンレジン組成物を塗布量が1.0kg/mになるように金ゴテによるコテ塗りで塗装し、温度20±2℃、湿度65±10%の条件下で7日硬化させることによって試験片を作製した。
そして、兵庫県内において半年間屋外暴露した後目視観察を行い、外観に汚れが無い場合を◎、若干の汚れが生じた場合を○、汚れが生じた場合を△、汚れが多い場合を×と評価することにより行った。
(コンクリートへの付着性試験)
コンクリートへの付着性試験については、コンクリート板への塗布後の引張強度測定により行った。具体的には、縦300mm×横300mm×厚さ60mmのモルタル板にシリコーンレジン組成物を塗布量が1.0kg/mになるようにコテ塗りで塗装し、温度20±2℃、湿度65±10%の条件下で7日硬化させることによって試験片を作製した。
そして、所定のアタッチメントを接着剤にて被膜に接着した後、建研式接着力試験機にて引っ張り、破断強度が1.0N/mm以上の場合を◎、0.5以上〜1.0N/mm未満の場合を○、0.5N/mm未満の場合を×と評価することにより行った。
(鋼板付着性試験)
鋼板付着性試験については、鋼板への塗布後の引張強度測定により実施した。具体的には、縦300mm×横300mm×厚さ5mmの鋼板にシリコーンレジン組成物を塗布量が1.0kg/mになるように金ゴテによるコテ塗りで塗装し、温度20±2℃、湿度65±10%の条件下で7日硬化させることによって試験片を作製した。
そして、所定のアタッチメントを接着剤にて被膜に接着した後、建研式接着力試験機にて引っ張り、破断強度が1.0N/mm以上の場合を◎、0.5以上〜1.0N/mm未満の場合を○、0.5N/mm未満の場合を×と評価することにより行った。
以上の試験結果から、本発明にかかるシリコーンレジン組成物は、加温することなく常温下で硬化し、優れた被膜物性を示すことがわかった。
本発明のシリコーンレジン組成物およびシリコーンレジン組成物を用いた保護被覆工法は、溶媒に水を使用しつつ加温することなく常温下で被膜を形成することから作業性に優れ、かつ、形成された被膜が十分な被膜物性を有する。

Claims (4)

  1. カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物と、
    シリコーン樹脂と、
    水とが含有されており、
    前記シリコーン樹脂が、
    平均組成式:[RSiO 3/2 [R SiO] (Rは同一又は異種の炭素数1〜20の1価有機基であり、m+nが1.0である。)で示されるオルガノシリコーン化合物であり、
    前記カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物が、
    鉄鋼スラグまたはアルミナセメントまたはその混合物に由来のものであり、
    さらに前記カルシウム、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物の配合量が、
    前記シリコーン樹脂50〜100重量部に対して1〜100重量部であることを特徴とするシリコーンレジン組成物。
  2. 前記シリコーン樹脂が、
    (A)平均組成式:[RSiO3/2[RSiO](Rは同一又は異種の炭素数1〜20の1価有機基であり、m+nが1.0である。)で示されるオルガノシリコーン化合物と、
    (B)乳化剤と、
    (C)水、
    とを含有してなる水性エマルジョンまたは水性ディスパージョンであることを特徴とする請求項1に記載のシリコーンレジン組成物。
  3. 前記シリコーン樹脂が、
    (A)平均組成式:[RSiO3/2[RSiO](Rは同一又は異種の炭素数1〜20の1価有機基であり、m+nが1.0である。)で示されるオルガノシリコーン化合物と、
    (B)乳化剤と、
    (C)水と、
    (D)SP値が8.0〜11.0である水混和性有機溶剤、
    とを含有してなる水性エマルジョンまたは水性ディスパージョンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコーンレジン組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のシリコーンレジン組成物を用いることを特徴とする保護被覆工法。
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