JP5724871B2 - インクジェットインク及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、活性光線照射装置を具備したインクジェットプリンターに用いるインクジェットインクとそれを用いた画像形成方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される分野も多岐に亘り、それぞれの目的に応じて各種記録媒体あるいはインクジェットインクが使用されている。特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つインクジェットプリンターの開発も行われている。
このインクジェット記録方式は、インクジェットヘッドよりインクジェットインクを吐出し、記録媒体に着弾させて、画像を形成する。インクジェットヘッドより吐出させるためには、インクは低粘度であることが必要な条件となる。一方、色相の異なった複数のインクジェットインクが記録媒体の同一領域に着弾するために、ブリードと呼ばれる色混ざりを防止するためには、高粘度のインクが必要となる。
この様なジレンマを解決するための1つの方法として、活性光線硬化性インクジェットインクを用いる活性光線硬化型インクジェット記録方式が実用化されている。これは、インクジェットインク中に光硬化性モノマーと光開始剤を含有させ、記録媒体上に着弾した後、インクジェットインク液滴に活性光線を照射して、インクを硬化させることで、出射安定性の確保とブリードの防止を両立させている。しかし、活性光線硬化性インクジェットインクとして光重合性化合物を用いるために、本質的な課題を抱えている。光重合性化合物としては、主に、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物に分類される。
ラジカル重合性化合物は、大気中の酸素による重合阻害があることが周知であり、そのため、ラジカル重合性化合物を用いたラジカル重合性硬化型インクジェットインクは、窒素置換などの特別な環境下でなく通常の環境下で画像形成を行う場合には、高照度の光源と、大きなドットによって画像を形成することが必要となり、一般的な環境下で高精細な画像を形成することがむずかしい状況にある。
一方、カチオン重合性硬化型インクジェットインクでは、上記の様な酸素阻害を受けることがなく、高精細な画像を得るには適している。しかしながら、水分による重合阻害を起こしやすいため、低湿度環境下では少ない照射光量も硬化は十分に進むが、湿度が高くなるほど、光硬化感度が下がるとともに、硬化した膜の密着性、柔軟性などの膜物性も、脆弱になるという欠点がある。
上記のカチオン重合性硬化型インクジェットインクの課題を解決する手段として、予め高分子化合物をインクジェットインクに添加する方法が検討されている。例えば、カチオン重合性硬化型インクジェットインクにアリル基を有する高分子化合物を含有させたインクジェットインクが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。確かに、特許文献1に記載の方法では、膜物性は一部改善されてはいるが、湿度変動による光硬化感度の変動は改善されていない。その理由として、光照射時に、アリル基とカチオン重合性基の重合反応が進行しにくいためと推察している。
一方、カチオン重合性基を有するハイパーブランチポリマー、またはデンドリマーポリマーを含むインクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら湿度変動による光硬化感度の影響を小さくすることはできていない。
また、特許文献3においては、β−メチルビニルエーテル(プロペニルエーテルともいう)を高分子化合物の末端、または側鎖に置換した高分子化合物を用いた光硬化組成物が開示されており、高感度で、光照射により硬化し、流動特性、樹脂硬化物性、金属との密着性に優れた硬化画像が得られるとされている。しかしながら、本発明は、感光性樹脂を調製することを目的としたものであり、出射するためには低粘度であることを必要としているインクジェットインクとしては、高粘度すぎて、そのままでは用いることが出来なかった。
また、重量平均分子量が300〜5000のビニルエーテル化合物を含有させ、光硬化性と硬化膜強度が強靭で密着性、耐溶剤性にも優れた光硬化型インクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、特許文献4に記載された方法では、湿度に対する硬化感度の影響は、従来と同様に大きく、湿度により光硬化感度が大きく変動するという問題を解決するには至っていなかった。
特開2008−280460号公報 特開2006−282764号公報 特開平10−7754号公報 特開2005−8758号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、吐出安定性に優れ、画像形成時の湿度依存性が少なく、基材との密着性と柔軟性に優れた画像が得られるインクジェットインクと、それを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.色材、光重合性化合物及び重合開始剤を含有する光硬化性のインクジェットインクにおいて、該光重合性化合物が、分子量が100以上、2000未満のビニルエーテル基を有する化合物と、側鎖に下記一般式(1)で表される基を有し、重量平均分子量が2000以上、100000以下である高分子化合物とを含有することを特徴とするインクジェットインク。
〔式中、R、Rは、各々水素原子、炭素数が1から6のアルキル基または炭素数が3〜6のアルケニル基を表し、Xは1つ以上の酸素原子を有する有機連結基を表す。*は高分子主鎖との結合部を表す。〕
2.前記一般式(1)で表される側鎖を有する高分子化合物の主鎖が、アクリル樹脂、塩酢ビ樹脂、ポリエーテル樹脂及びビニルアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1に記載のインクジェットインク。
3.前記側鎖に一般式(1)で表される基を有する高分子化合物が、下記一般式(2)〜(4)で表される高分子化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェットインク。
〔式中、R11、R12、R21、R22、R31、R32は、各々水素原子、炭素数が1から6のアルキル基または炭素数が3から6のアルケニル基を表し、X、X、Xは、各々2価の有機連結基を表す。Rは水素原子または炭素数が1から4のアルキル基を表す。〕
4.前記一般式(1)で表される側鎖を有する高分子化合物が、複数のモノマー成分から構成される主鎖を有し、該高分子化合物の全質量に対するビニルエーテル基の濃度が、0.25mmol/g以上、3.5mmol/g以下であることを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
5.前記一般式(1)におけるXが、−(X−O)−(式中、Xは、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基を表し、nは1から5の整数である)で表される連結基を有していることを特徴とする前記1から4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
6.前記分子量が100以上、2000未満のビニルエーテル基を有する化合物の50質量%以上が、ビニルエーテル基の質量であることを特徴とする前記1から5のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
7.前記1から6のいずれか1項に記載のインクジェットインクを、インクジェットヘッドより記録媒体上に吐出した後、該インクジェットインクに活性光線を照射、硬化して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
本発明により、吐出安定性に優れ、画像形成時の湿度依存性が少なく、基材との密着性と柔軟性に優れた画像が得られるインクジェットインクと、それを用いた画像形成方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、色材、光重合性化合物及び重合開始剤を含有する光硬化性のインクジェットインクにおいて、該光重合性化合物が、分子量が100以上、2000未満のビニルエーテル基を有する化合物と、側鎖に前記一般式(1)で表される基を有し、重量平均分子量が2000以上、100000以下である高分子化合物とを含有することを特徴とするインクジェットインクにより、吐出安定性に優れ、画像形成時の湿度依存性が少なく、基材との密着性と柔軟性に優れた画像が得られるインクジェットインクを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、本発明のインクジェットインクでは、光重合性化合物として、分子量が100以上、2000未満の比較的低分子量のビニルエーテル基を有する化合物(以下、低分子化合物Aともいう)と、側鎖に一般式(1)で表される基を有し、重量平均分子量が2000以上、100000以下である高分子化合物(以下、高分子化合物Bともいう)とを併用することにより、インクの粘度を低減することができ、インクジェットヘッドからの出射安定性を得ることができると共に、水による硬化阻害の影響を最小限に抑えることができ、その結果、湿度変化に対する光硬化感度変動の影響を抑制でき、加えて、密着性、柔軟性の優れた画像を得ることができたものである。
低分子化合物Aと高分子化合物Bを併用した系でのそれぞれの反応性は、低分子化合物Aの方が高分子化合物Bよりも移動速度及び拡散速度が速いため、低分子化合物A同士の反応が、優先的に起きると考えられる。そのため、湿度の低い場合は、低分子化合物Aであるビニルエーテル化合物の重合反応が優先して起こり、高分子化合物Bは、結果として移動することができなくなるため、重合が進行せずに、高分子化合物Bが可塑剤的な役割を果すようになる。一方、湿度が高い環境下では、この低分子化合物Aであるビニルエーテル化合物の重合は、空気中からインク内に浸透した水が連鎖移動剤をして作用するため、低重合度の重合物が生じ、それが可塑剤として働く。この様な状態においては、高分子化合物Bの移動が可能となるために、高分子化合物B同士の重合反応が起きて硬化することができ、結果的に、低湿度環境下と同様に、高湿度環境下でも、同様の優れた硬化膜を得ることができると推測している。また、常湿環境下においては、上記の低湿度環境下及び高湿度環境下での作用効果が組み合わされて作用することにより、より優れた効果を発揮することができる。よって、様々な湿度環境下において、低分子化合物Aと高分子化合物Bを併用したインクジェットインクを用いることにより、光硬化感度の硬化環境における湿度変動の影響が抑制でき、常に、密着性、柔軟性の良い画像が安定して得られるようになったものと推察している。
以下、本発明のインクジェットインク及び画像形成方法の詳細について説明する。
《インクジェットインク》
〔分子量が100以上、2000未満のビニルエーテル基を有する化合物〕
本発明のインクジェットインクにおいては、光重合性化合物として、分子量が100以上、2000未満の比較的低分子量のビニルエーテル化合物(低分子化合物A)を用いることを1つの特徴とする。
以下、本発明に係る低分子化合物Aについて説明する。
本発明においては、上記で規定する要件を満たすビニルエーテル基を有する化合物(低分子化合物A)であれば、特に制限はないが、例えば、下記に例示する1〜6価のビニルエーテル化合物、ビニル基のβ位にメチル基が置換したビニルエーテル化合物(プロペニルエーテル)、ビニル基のβ位にエチル基が置換したビニルエーテル化合物(ブテニルエーテル)等を挙げることができる。
本発明に適用可能な1価のビニルエーテル基を有する化合物としては、例えば、ブチルビニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、ブチルブテニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルエトキシビニルエーテル、アセチルエトキシエトキシビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、アダマンチルビニルエーテル等を挙げることができる。
本発明に適用可能な2価のビニルエーテル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジブテニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジプロペニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールビニルエーテル、ブチレンジビニルエーテル、ジブチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジプロペニルエーテル、ノルボルニルジメタノールジビニルエーテル、イソバイニルジビニルエーテル、ジビニルレゾルシン、ジビニルハイドロキノン等を挙げることができる。
本発明に適用可能な3価のビニルエーテル基を有する化合物としては、例えば、グリセリントリビニルエーテル、グリセリンエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数6)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリプロペニルエーテル、トリビニルエーテルエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数3)等を挙げることができる。
本発明に適用可能な4価のビニルエーテル基を有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリプロペニルエーテル、ペンタエリスリトールエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数9)等を挙げることができる。
本発明に適用可能な6価のビニルエーテル基を有する化合物としては、例えば、ジトリメチロールプロパンヘキサビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンヘキサプロペニルエーテル、ジトリメチロールプロパンエチレンオキシド付加物ヘキサビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数6)等を挙げることができる。
本発明のインクジェットインクにおいては、低分子化合物Aとしては、2価以上のビニルエーテル基を有する化合物を用いることが好ましい。2価以上のビニルエーテル基を有する化合物を用いることにより、酸による重合反応がより速やかに起こり、光硬化感度の点でより好ましい。更に好ましくは、2価または3価のビニルエーテル基を有する化合物で、重量平均分子量が200以上、1000未満である。重量平均分子量が200以上、1000未満の範囲にある低分子化合物Aは、インク中の拡散速度がより一層速くなり、側鎖にビニルエーテル基を有する高分子化合物Bに比較して相対的に重合反応が速くなることにより、本発明の目的効果をより発揮することができる。
〔側鎖に一般式(1)で表される基を有する高分子化合物〕
本発明のインクジェットインクにおいては、光重合性化合物として、側鎖に一般式(1)で表される基を有し、重量平均分子量が2000以上、100000以下である高分子化合物(高分子化合物B)を用いることを1つの特徴とする。
前記一般式(1)で表される基において、R、Rは、各々水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基または炭素数が3〜6のアルケニル基を表す。
、Rにおいて、炭素数が1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。また、炭素数が3〜6のアルケニル基としては、例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、5−ヘキセニル基等を挙げることができる。好ましくは、炭素数が1〜4のアルキル基である。
Xは1つ以上の酸素原子を有する有機連結基を表す。本発明でいう1つ以上の酸素原子を有する有機連結基とは、連結基内にエーテル基、エステル基、炭酸基、アミド基を有する有機連結基をいい、好ましくは窒素原子を含まないエーテル基、エステル基、炭酸基を連結基内に有していることである。1つ以上の酸素原子を有する有機連結基は、好ましくは、連鎖移動基としての役割を果たさせるため、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコールなどで代表されるオキシアルキレン基を含有する2価の連結基、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの2価アルコールが脱水してエーテル構造になったもの、または有機酸と反応してエステル構造を有する2価の基、炭酸結合を有する2価の基であることが好ましい。また、4−オキシテトラヒドロフラン−2−イルなどのように、テトラヒドロフラン、ピランなどの酸素原子を環内に含有しているアルコールが脱水してエーテル構造を形成したもの、有機酸と反応してエステル構造を有するものも好適に用いることができる。
以下に、一般式(1)で表される側鎖の基の具体的構造例を示すが、本発明においては、ここで例示する基に限定されるものではない。
なお、例示した各基において、*は高分子主鎖との結合部を表し、ビニル基の末端に記載した波線は、メチル基の置換位置がCisまたはTransのいずれかを採ることを表す。
一般式(1)で表される基において、*は高分子主鎖との結合部を表し、高分子主鎖としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂、ビニルアセタール樹脂、ポリエーテル樹脂および、それらの共重合体を挙げることができ、好ましくはアクリル樹脂、塩酢ビ樹脂、ビニルアセタール樹脂、ポリエーテル樹脂から選ばれる樹脂である。
本発明に係る側鎖に一般式(1)で表される基を有する高分子化合物が、前記一般式(2)〜(4)で表される高分子化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記一般式(2)〜(4)において、R11、R12、R21、R22、R31、R32は、各々水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基または炭素数が3〜6のアルケニル基を表し、X、X、Xは、各々2価の有機連結基を表す。Rは水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を表す。nは重合度を表す。
11、R12、R21、R22、R31、R32において、炭素数が1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。また、炭素数が3〜6のアルケニル基としては、例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル、5−ヘキセニル基等を挙げることができる。好ましくは、炭素数が1〜4のアルキル基である。
、X、Xで表される2価の有機連結基としては、例えば、アルキレン基、フェニレン基、エステル基、エーテル基、アミド基が組み合わさった有機の連結基を挙げることができ、また、鎖状、脂環式、いずれも用いることができる。具体的には、アルキレン基、アルキレンオキシ基、ポリアルキレンオキシ基、フェニレン基、フェニレンアルキレン基、フェノキシアルキレン基、環状アルキレン基(シクロヘキシレン等)等が挙げられる。nは重合度を表し、該高分子化合物が重量平均分子量として2000以上、100000以下の範囲となる整数である。
本発明に係る高分子化合物Bのビニルエーテル基の含有量は、高分子化合物Bの全質量に対して、0.25mmol/g〜3.5mmol/gであることが好ましい。0.25mmol/g以上とすることにより、ビニルエーテル基の量が適切となり、高分子間の重合または架橋が十分に実行され、湿度による硬化感度の変動をより抑制することが可能となる。また、3.5mmol/g以下とすることにより、架橋密度が高くなりすぎることなく、良好な柔軟性がより得やすくなる。すなわち、ビニルエーテル基の含有量を0.25mmol/g〜3.5mmol/gの範囲にすることにより、湿度変動が少なく、柔軟性の良い画像が得られる。高分子化合物Bの分子量は、重量平均分子量として2000以上であることが好ましく、より好ましくは、重量平均分子量が4000以上、10万以下であり、特に好ましくは6000以上、50000以下である。
この様な高分子化合物Bの好ましい重量平均分子量の範囲は、以下の様な観点から導き出されている。高分子化合物Bの重量平均分子量が小さくなると、インク中での移動速度が速くなってしまうために、高湿度、または低湿度での硬化挙動が、低分子化合物Aとの差異が少なくる可能性がある。逆に分子量が大きすぎると、高分子化合物Bを含むインクが高粘度となるために、インクジェットインクの出射性、吐出安定性が損なわれる可能性が高まるため、適切な量を添加することが困難となる可能性がある。
なお、重量平均分子量の測定は、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)を用いることで、容易に測定することができる。
本発明のインクにおいて、高分子化合物Bは、インク中に2〜50質量%の範囲で添加することが好ましい。添加量が2質量%以上とすることにより、インク中での高分子化合物Bのビニルエーテル基濃度が適切となり、高分子同士の重合や架橋が十分に起こり、50質量%以下とすることにより、インクの安定した出射性を維持することができる。さらには、3〜50質量%の範囲であれば、出射性に悪影響を及ぼさずに、より高分子化合物B同士の重合または架橋が起こるので、本発明の効果をより発揮することができる。
本発明のインクにおいては、低分子化合物Aの含有量としては20質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上、98質量%以下である。
低分子化合物Aのビニルエーテル基を有する化合物は、分子量100以上、2000未満のビニルエーテルがインク全体の20質量%以上あれば、高分子化合物Bと互いに補って、本発明の効果をより確実に享受することができる。また、他の光重合性化合物、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物等がインクに含まれている場合には、低分子化合物Aのビニルエーテル基を有する化合物は他の光重合性化合物とは共重合しにくい性質があるため、低分子化合物Aをある程度の含有量とすることで低分子化合物Aのビニルエーテル基同士が優先的に重合させることができ、本発明の効果をより確実に享受することができる。さらには、低分子化合物Aの含有量が50質量%以上、95質量%以下ならば、さらに密着性、柔軟性なども優れるようになる。
本発明に係る高分子化合物Bの合成法としては、例えば、特開平4−068009号公報、特開平10−007754号公報などに記載された方法を用いることにより、容易に合成することができる。
また、本発明においては、本発明に係る低分子化合物Aと高分子化合物Bとの比率(質量比)は、特に制限はないが、概ね低分子化合物A:高分子化合物Bとして60:40以上、97:3以下であることが好ましく、より好ましくは80:20以上、95:5以下である。
〔インクジェットインクのその他の構成要素〕
(重合開始剤)
本発明のインクにおいては、光重合性化合物と共に重合開始剤を含有する。
本発明のインクジェットインクで用いることのできる重合開始剤としては、公知の重合開始剤を用いることができる。具体的にはアリールスルホニウム塩誘導体(ユニオンカーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974;旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172、サン・アプロ社製のCPI−100、CPI−110P、CPI−110A、三和ケミカル社製のTS−91、Lamberti社製のEsacure1187、Esacure1188等)、アリルヨードニウム塩誘導体(ローディア社製のRP−2074、チバ・ジャパン社製のイルガキュア250等)、アレン−イオン錯体誘導体(チバ・ジャパン社製のイルガキュア261等)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤は、光重合性化合物100質量部に対して0.2〜10質量部の比率、更に0.5〜5質量部で含有させるのが好ましい。重合開始剤の含有量が0.2質量部以上であれば所望の硬化物を得ることができ、10質量部以下であれば、重合開始剤自体が紫外線吸収剤となってインク中の遮蔽効果をもたらす作用を抑制することができ、更なる硬化性向上効果が得られると共に、低温および高温におけるインクの保存安定性を維持することができる。これら重合開始剤は、1種又は2種以上を選択して使用することができる。
重合開始剤と共に、増感剤を用いることができる。重合開始剤の増感剤としては、スルホニウム塩を重合開始剤とした場合にはアントラセン、アントラセン誘導体(旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−100、ジエトキシアントラセン、ジブトキシアントラセン等)が挙げられる。ヨードニウム塩を重合開始剤とした場合にはチオキサントン類などが使用できる。これらの増感剤は1種又は複数を組み合わせて使用することができる。その添加量は光重合性化合物100質量部に対して0.2〜5質量部の比率、更に好ましくは0.5〜4質量部で含有させるのが好ましい。0.2質量部以上であれば増感効果を得ることができ、5質量部以下であれば、増感剤自体の着色や増感剤分解物による着色を抑制することができる。
(その他の光重合性化合物)
本発明のインクジェットインクにおいては、低分子化合物A、高分子化合物Bのほかに、他の光重合性化合物。例えば、エポキシ化合物、オキセタン環含有化合物、ラジカル重合性化合物を、本発明の目的効果を損なわない範囲で用いることができる。
〈エポキシ化合物〉
エポキシ化合物としては、通常、エポキシ樹脂として用いられるモノマー、オリゴマー又はポリマーの何れも使用可能である。具体的には、従来公知の芳香族エポキシド、脂環族エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられる。尚、以下、エポキシドとは、モノマー又はそのオリゴマーを意味する。これらの化合物は1種又は必要に応じて2種以上用いてもよい。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロヘキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、例えば、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2080、セロキサイド2000、エポリードGT301、エポリードGT302、エポリードGT401、エポリードGT403、EHPE−3150、EHPEL3150CE;ユニオンカーバイド社製のUVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6100、UVR−6216、UVR−6000等を挙げることができる。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
更に、これらの化合物の他に、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル及びフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシドの内、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
〈オキセタン化合物〉
オキセタン化合物は、分子内に1以上のオキセタン(トリメチレンオキシド)環を有する化合物である。具体的には3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成社製:OXT101等)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(同OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(同OXT211等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(同OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(同OXT212等)、ジ(1−メチル−3−オキセタニル)メチルエーテル等を好ましく用いることができ、特に3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテルが好ましい。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
この他にも光重合性化合物としては、上述のビニルエーテル、エポキシ化合物、オキセタン化合物以外にも、光重合可能な公知の環状化合物を含有しても良い。
〈ラジカル重合性化合物〉
本発明の光硬化性のインクジェットインクには、光重合性化合物としてラジカル重合性の化合物を添加しても良い。ラジカル重合性の化合物としては、従来公知の(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、チオール化合物、アリル化合物、など不飽和二重結合と共重合可能な化合物を使用することができる。
(色材)
色材とは、顔料または染料で可視光の波長内で、光を吸収または反射するものをいう。しかしながら、堅牢性を考慮すると、より堅牢性の高い顔料を色材として用いることが好ましい。
顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無色無機顔料又は有色有機顔料を使用することができる。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料;キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料;ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料;イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料;ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料;チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン系有機顔料;イソインドリンイエローなどのイソインドリン系有機顔料;その他の顔料として、フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)No.で以下に例示する。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、
C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、
C.I.ピグメントグリーン7、36、
C.I.ピグメントブラウン23、25、26、
上記顔料の中でも、キナクリドン系、フタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、キノフタロン系、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。
有機顔料は、インク中では分散され、レーザー散乱による測定値でインク中の平均粒径が10〜150nmの微細粒子であることが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、150nmを超える場合は分散の安定維持が困難になり、顔料の沈澱が生じ易くなるとともに、吐出安定性が低下し、サテライトと言われる微小のミストが発生する問題を起こしやすくなる。ただし、酸化チタンの場合は白色度と隠蔽性を持たせるために平均粒径は150〜300nm、好ましくは180〜250nmとする。
また、インク中の顔料の最大粒径は、1.0μmを越えないよう、十分に分散、あるいはろ過により粗大粒子を除くことが好ましい。粗大粒子が存在すると、吐出安定性が低下する。
また、顔料はその表面に顔料分散剤との吸着を促進するために、酸性処理または塩基性処理、シナージスト、各種カップリング剤など、公知の技術により表面処理を行うことが分散安定性を確保するために好ましい。
顔料は、十分な濃度及び十分な耐光性を得るため、インクジェットインク中に白色を除く色の場合には1.5〜8質量%、酸化チタンを用いた白色インクの場合には10〜30質量%の範囲で含まれることが好ましい。
(顔料分散剤)
顔料をインク中で安定に分散するためには、顔料分散剤を用いることが好ましい。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
具体例としては、BYK Chemie社製の「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
又、Efka CHEMICALS社製の「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」;共栄化学社製の「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」;楠本化成社製の「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」等が挙げられる。
更には、花王社製の「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)」、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」;ゼネカ社製の「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13240、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000、32000、7000」;日光ケミカル社製の「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ製のアジスパー821、822、824等が挙げられる。
これらの顔料分散剤は、顔料100に対し5〜70質量%、好ましくは10〜50質量%の範囲で含有させることが好ましい。5%以上であれば分散安定性が向上し、70%以下であれば、良好な吐出安定性を維持することができる。
更に、これらの顔料分散剤は、0℃における光重合性化合物全質量に対し、5質量%以上の溶解性を有していることが好ましい。溶解性が5質量%以上であれば、インクを低温保存したときに、ポリマーゲルまたは顔料の軟凝集体が発生を防止でき、インクの保存安定性と吐出安定性を維持することができる。
(重合禁止剤)
本発明のインクにおいては、重合禁止剤を添加することが好ましい。
本発明に適用可能な重合禁止剤としては、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物もしくは、アミン類を挙げることができる。アルカリ金属イオン類は後述のするようにできるだけ添加しない方が好ましいので、アミン類が適している。
アミンとして好ましくは、アルカノールアミン類、N,N−ジメチルアルキルアミン類、N,N−ジメチルアケニルアミン類、N,N−ジメチルアルキニルアミン類などであり、具体的には、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、2−アミノエタノール、2−メチルアミノエタノール、3−メチルアミノ−1−プロパノール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−エチルアミノエタノール、4−エチルアミノ−1−ブタノール、4−(n−ブチルアミノ)−1−ブタノール、2−(t−ブチルアミノ)エタノール、N,N−ジメチルウンデカノール、N,N−ジメチルドデカノールアミン、N,N−ジメチルトリデカノールアミン、N,N−ジメチルテトラデカノールアミン、N,N−ジメチルペンタデカノールアミン、N,N−ジメチルノナデシルアミン、N,N−ジメチルイコシルアミン、N,N−ジメチルエイコシルアミン、N,N−ジメチルヘンイコシルアミン、N,N−ジメチルドコシルアミン、N,N−ジメチルトリコシルアミン、N,N−ジメチルテトラコシルアミン、N,N−ジメチルペンタコシルアミン、N,N−ジメチルペンタノールアミン、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、N,N−ジメチルヘプタノールアミン、N,N−ジメチルオクタノールアミン、N,N−ジメチルノナノールアミン、N,N−ジメチルデカノールアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルトリデシルアミン、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルペンタデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチルヘプタデシルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミンが挙げられる。これらの他にも、4級アンモニウム塩なども使用することができる。
本発明に適用可能なその他の重合禁止剤としては、例えば、メトキノン(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、ハイドロキノン、4−メトキシ−1−ナフトール、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、各種糖類、リン酸系酸化防止剤、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体、ジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンの重縮合物などが挙げられる。
これら重合禁止剤の添加量は10〜5000ppmであることが好ましい。10ppm未満では保存安定性が得られず、インクの増粘やインクジェットノズルに対する撥液性が得られなくなるなど吐出安定性を損なう。5000ppmより多いと重合開始剤の酸発生効率を低下させてしまい、硬化感度が低下してしまう。
本発明のインクにおいては、水を0.2〜2質量%含有させても良い。これにより硬化感度の低下をさせることなく、保存安定性を向上させることができる。0.2%以上で水添加による保存安定性向上が得られインクの増粘やインクジェットノズルに対する撥液性を保持するなど吐出安定性向上の効果が得られる。2%より多いと顔料分散性の低下や、分散剤や各種添加剤の析出といった保存安定性の低下が起こる。
(金属イオン)
本発明のインクにおいては、インク中のNaイオン、Caイオン及びMgイオンの総量が100ppm以下であることが好ましい。
これらのアルカリ金属イオンは、通常のインク貯蔵時には何ら問題を起こさないが、インクが活性エネルギー線を受け、重合開始剤から様々な分解物や活性種が生成した場合に、難溶性の塩を形成することがある。そのため、長期間インクを吐出すると、インクジェットノズルの開口部付近に難溶性の析出物が生成し吐出精度を低下させてしまう。
インク中のアルカリ金属イオン量を低減する方法は、各種使用素材を精製することによって達成される。特に、一般に流通している顔料、スルホニウム塩などの重合開始剤、分散剤、ビニルエーテル・オキセタン・エポキシなどの重合開始剤は、その製造工程でアルカリ金属イオンを不純物として含む場合があるので、各素材を適宜精製してから使うことが好ましい。これらアルカリ金属の精製により、対アニオンの含有量も減ることになり、不純物による光重合性の低下が抑えられる効果がある。
また、塩素などのハロゲンイオン種も可能な限り減ずることが好ましい。ハロゲンイオン種は高湿条件においてビニルエーテル化合物の反応性を著しく低下させてしまう。ハロゲンイオンの総量は、50ppm未満、好ましくは10ppm未満とすることが好ましい。ハロゲンイオン種の低減は、上述のアルカリ金属イオン種の低減と同様に、原材料の精製を行うことにより達成可能である。
これらのイオンは、インクと純水とを混合し、水相を分離した後に水相に抽出されたイオンをイオンクロマト法、原子吸光法、イオンプラズマ法など種々の分析法によって、容易に定量することができる。
(その他の添加剤)
本発明のインクには、必要に応じて界面活性剤、滑剤、充填剤、防錆剤、消泡剤、増粘剤、ゲル化剤、ポリマー類など各種の添加剤を含有させることができる。
また、必要に応じてエステル系溶剤、エーテル系溶剤、エーテルエステル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素溶剤、含窒素系有機溶剤など少量の溶剤を添加することもできる。
(インク物性)
本発明のインクの物性は、通常の硬化型インクジェットインクと同様の物性値を有することが好ましい。即ち、粘度は25℃において5〜50mPa・sで、シェアレート依存性ができるだけ小さく、表面張力は25℃において22〜35mN/mの範囲にあること、顔料以外に1μmを超えるようなゲル状物質が無いこと、電導度は10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクとすることが好ましい。コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には0.5mS/cm以上の電導度に調整することが好ましい。
加えて本発明のインクの物性として、更に好ましい形態は、毎分5℃の降下速度で25℃から−25℃の範囲でインクのDSC測定を行ったとき、単位質量あたりの発熱量が10mJ/mg以上の発熱ピークを示さないことである。本発明の構成に従って素材の選定を行うことにより、DSC測定において一定量以上の発熱を抑えることができる。このような構成とすることにより、インクを低温で保存した場合においてもゲルの発生や、析出物の発生を抑えることができる。
《インクジェット記録方法》
本発明のインクジェットインクは、インクを重ねて硬化する多数回パス方式のシリアル記録方法、1回のパスで硬化するライン記録方法、いずれでも用いることができる。
インク液滴量は、特に制限はないが、本発明の目的効果の1つである湿度依存性は、小液滴になればなるほど、湿度の影響を受けやすくなることから、0.1pl〜50pl、さらには0.1pl〜20plの範囲で好ましく用いることができる。
基材上に本発明のインクを着弾させた後、該インクに活性光線、例えば、紫外線を照射して硬化を行う。照射光源としては、例えば、紫外線LED、紫外線レーザー、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、低圧水銀灯、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ及び太陽光を使用することができる。電子線により硬化させる場合には、通常300eVの以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
《基材》
インクジェット記録に用いる基材としては、従来、各種の用途で使用されている広汎な合成樹脂が全て対象となり、具体的には、例えばポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が挙げられ、これらの合成樹脂基材の厚みや形状は何ら限定されない。この他にも金属類、ガラス、印刷用紙なども使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《インクの調製》
〔インク1の調製〕
下記各添加剤を混合した後、サンドミルで分散し、インク1を最後に0.85μmのメンブレンフィルターでろ過して、インク1を調製した。
色材:C.I.ピグメントブルー15:3 3.0g
分子分散剤:アジスパーPB−802(味の素ファインテクノ社製)
1.0g
分子化合物A:DEGDVE(ジエチレングリコールジビニルエーテル、分子量:186) 90.0g
高分子化合物B:高分子化合物1(下記参照) 10.0g
重合開始剤:CPI−100P(みどり化学製) 3.0g
〈高分子化合物1の調製〉
窒素導入管、冷却コンデンサーを設置した1Lの四つ口フラスコに、キシレンを50ml加え、窒素導入後、100℃に加温、攪拌した。そこに、メタクリル酸メチルを75g(0.75モル)、アクリル酸ブチルを32g(0.25モル)に、アゾイソブチロニトリルを2.1g溶解させた液を1時間かけて滴下したのち、さらに2時間攪拌を続け、粘凋な液を得た。次いで、その液に、2−(2−ビニロキシ)エトキシエタノールを26.4g(0.2モル)、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を19.3g(0.1モル)を加え、150℃で15時間加熱攪拌を行い、反応させた。反応後、イオン交換樹脂で余分な塩基を除き、エバポレートによる減圧処理を行って、高分子化合物1を得た。
得られた高分子化合物1の重量平均分子量を、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレンの検量線から求めた重量平均分子量は、9800であった。また、ビニルエーテルの定量は、NMRのδ6.5のピーク面積より算出した結果、仕込み量から計算により求めた1.61mmol/gと相違ないことを確認した。
〔インク2〜54の調製〕
上記インク1の調製において、低分子化合物Aの種類と添加量、高分子化合物Bの種類と添加量を、表1、表2に記載の様に変更した以外は同様にして、インク2〜54を調製した。
なお、インク2〜54の調製に用いた各高分子化合物は、上記高分子化合物1の調製において、各モノマー組成、モノマー比(モル比)で、ビニルエーテル基の濃度、重量平均分子量が表1、表2に記載の条件となる様に合成条件を適宜調整した以外は同様にして調製した。表1、表2には、インク1〜54を構成する低分子化合物Aと高分子化合物Bの詳細のみを示す。その他の構成要素は、インク1に記載した添加剤と同じである。
(低分子化合物A:ビニルエーテル化合物)
下記の各ビニルエーテル化合物を準備した。
DEGDVE:ジエチレングリコールジビニルエーテル(分子量:186)
TEGDVE:トリエチレングリコールジビニルエーテル(分子量:230)
TEGDPE:トリエチレングリコールジプロペニルエーテル(分子量:258)
CHDVE:1,4−シクロヘキサジメタノールジビニルエーテル(分子量:196)
BGDVE:ブタンジオールジビニルエーテル(分子量:170)
*1:DEGDVE/Ex−211=8/2(質量比)
*2:TEGDVE/CHDVE=1/1(質量比)
*3:DEGDVE/CHDVE=3/1(質量比)
*4:BGDVE/CHDVE=1/1(質量比)
*5:TEGDVE/VE−B(3官能ビニルエーテル化合物)=4/1(質量比)
*6:TEGDVE/VE−C(6官能ビニルエーテル化合物)=5/1(質量比)
*7:側鎖にビニルエーテル基(例示化合物:側鎖1)を有するアクリルオリゴマー
モノマー構成;BMA/側鎖1=4/1(モル比)
重量平均分子量;1000
*8:側鎖にビニルエーテル基(例示化合物:側鎖1)を有するアクリルオリゴマー
モノマー構成;BMA/側鎖1=4/1(モル比)
重量平均分子量;1500
*9:側鎖にビニルエーテル基(例示化合物:側鎖1)を有するアクリルオリゴマー
モノマー構成;MMA/BA/側鎖1=6/2/2(モル比)
重量平均分子量;1800
*10:側鎖にビニルエーテル基(例示化合物:側鎖1)を有するアクリルオリゴマー
モノマー構成;MMA/BA/側鎖1=6/2/2(モル比)
重量平均分子量;2500
*11:OXT221/VE−E(側鎖9を有する高分子化合物)=1/1(質量比)
*12:TEGDVE/イソダップ=1/1(質量比)
*13:Ex−211/DEGDVE=6/3(質量比)
*14:Ex−211/DEGDVE=5/5(質量比)
(その他の光重合性化合物)
Ex−211:エポキシ化合物(ダイセル化学社製)
イソダップ:アリル基を有するポリエステルオリゴマー(ダイソー社製)
C3000:脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学社製)
OXT221:オキタン化合物(東亞合成社製)
(高分子化合物Bの調製に用いたモノマー)
MMA:メタクリル酸メチル
MA:アクリル酸メチル
St:スチレン
VB:ビニルブチラール
VCl:塩化ビニル
BA:ブチルアクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
VAc:酢酸ビニル
VA:ビニルアルコール
《インクの評価》
上記調製した各インクについて、下記の方法に従っての各評価を行った。
(連続吐出安定性の評価)
コニカミノルタIJ社製のピエゾヘッド512SHに各インクを装填し、粘度が10mPa・sとなるように、ヘッド温度を設定し、4plの液滴サイズを20kHzの周波数で1L相当の各インクを連続吐出した後、吐出直後の出射性と比較し、下記の基準に従って連続吐出安定性を評価した。
◎:連続吐出前後で、出射精度に全く変化は認められない
○:連続吐出後に、出射角度の精度が若干劣化したが、クリーニング1回で回復した
△:連続吐出後に、出射角度の精度が若干劣化したが、クリーニング2から3回で回復した
×:連続吐出後に、出射角度の精度が劣化し、クリニーニングをしても回復しなかった
(湿度硬化依存性の評価:湿度環境変化に対する硬化感度依存性)
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、各インクを装填したピエゾヘッド512SHを搭載したシリアル方式のUV硬化型プリンターを、室温23℃、48%RHの環境下(環境Lと称す)に設置し、印字は画像解像度720×720dpiでベタ画像を作成した後、高圧水銀灯の出力を照度10、20、40、80、160、320、520mJ/cmの各光量で高圧水銀灯より紫外線を照射した。硬化したベタ画像から、触診により硬化感度を確認した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。次いで、室温30℃、82%RHの環境下(環境Hと称す)で、同様の印字を行い、ベタ画像の硬化感度を確認した。
硬化した水準の高圧水銀灯の照度10、20、40、80、160、320、520mJ/cmを硬化感度の尺度として、環境Lにおける硬化感度を基準として、環境Hでの相対感度を求め、下記の基準に従って、湿度依存性(湿度環境に対する光硬化感度依存性)を評価した。なお、低い照度で硬化するほど、硬化感度が高いことを表す。
◎:環境Lの硬化感度と環境Hにおける硬化感度で、差は認められまかった
○:環境Lの硬化感度に対し、環境Hにおける硬化感度は、0.50以上、0.99未満であった
△:環境Lの硬化感度に対し、環境Hにおける感度は、0.20以上、0.50未満であった
×:環境Lの硬化感度に対し、環境Hにおける感度は、0.20未満であった
(密着性の評価)
湿度環境に対する光硬化感度依存性の評価で作成した各画像について、25℃、55%RHの環境下で、各色ベタ画像の表面部をつめで擦り、下記の基準に従って密着性を評価した。なお、下記の評価は環境Lで作成した画像と環境Hで作成した画像の平均値として求めた。
○:つめで表面を擦ったときに、膜のはがれが認められない
△:つめで表面を擦った時に、一部で膜のはがれが認められる
×:つめで表面を擦ったときに、膜がはがれ落ちる
なお、表に記載した(−)は、硬化が不十分で、評価できなかったことを表す。
(柔軟性の評価)
基材として、ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、塩化ビニルを用い、湿度環境に対する光硬化感度依存性の評価と同様にして印字を行った後、25℃、55%RHの環境下で、印字面を外側にして20回の折り曲げ試験を行い、下記の基準に従って、硬化膜の柔軟性を評価した。なお、下記の評価は環境Lで作成した画像と環境Hで作成した画像の平均値として求めた。
○:20回折り曲げても、画像形成面にひび割れの発生は認められない
△:15回以上、19回以下の折り曲げで、画像形成面で微小なひび割れの発生は認められる
×:14回以下の折り曲げで、画像形成面で明らかなひび割れの発生は認め、折り曲げ部が白化する
なお、表に記載した(−)は、硬化が不十分で、評価できなかったことを表す。
以上により得られた結果を、表3、表4に示す。
上記表3、表4に記載した様に、本発明の光硬化性のインクジェットインクは、比較例に対し、連続出射性に優れ、かつ光硬化感度に対する湿度の影響が少なく、基材との密着性及び柔軟性に優れた画像を得ることができた。
なお、顔料を、C.I.ピグメントブルー15:3に代えて、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントレッド122、カーボンブラック、酸化チタンに変更して同様の評価を行った結果、表3に記載したのと同様の効果が得られることを確認することができた。

Claims (7)

  1. 色材、光重合性化合物及び重合開始剤を含有する光硬化性のインクジェットインクにおいて、該光重合性化合物が、分子量が100以上、2000未満のビニルエーテル基を有する化合物と、側鎖に下記一般式(1)で表される基を有し、重量平均分子量が2000以上、100000以下である高分子化合物とを含有することを特徴とするインクジェットインク。

    〔式中、R、Rは、各々水素原子、炭素数が1から6のアルキル基または炭素数が3〜6のアルケニル基を表し、Xは1つ以上の酸素原子を有する有機連結基を表す。*は高分子主鎖との結合部を表す。〕
  2. 前記一般式(1)で表される側鎖を有する高分子化合物の主鎖が、アクリル樹脂、塩酢ビ樹脂、ポリエーテル樹脂及びビニルアセタール樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記側鎖に一般式(1)で表される基を有する高分子化合物が、下記一般式(2)〜(4)で表される高分子化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットインク。

    〔式中、R11、R12、R21、R22、R31、R32は、各々水素原子、炭素数が1から6のアルキル基または炭素数が3から6のアルケニル基を表し、X、X、Xは、各々2価の有機連結基を表す。Rは水素原子または炭素数が1から4のアルキル基を表す。〕
  4. 前記一般式(1)で表される側鎖を有する高分子化合物が、複数のモノマー成分から構成される主鎖を有し、該高分子化合物の全質量に対するビニルエーテル基の濃度が、0.25mmol/g以上、3.5mmol/g以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  5. 前記一般式(1)におけるXが、−(X−O)−(式中、Xは、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基を表し、nは1から5の整数である)で表される連結基を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  6. 前記分子量が100以上、2000未満のビニルエーテル基を有する化合物の50質量%以上が、ビニルエーテル基の質量であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェットインクを、インクジェットヘッドより記録媒体上に吐出した後、該インクジェットインクに活性光線を照射、硬化して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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