JP2005068382A - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法及び活性エネルギー線硬化型インクジェット記録装置 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法及び活性エネルギー線硬化型インクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、インクの貯蔵安定性と、インクの光重合性、硬化性、ノズルでの吐出安定性、被記録媒体への密着性、耐溶剤性および耐水性がすべて両立できる活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法及びそれを備えた活性エネルギー線硬化型インクジェットインク記録装置を提供する。
【解決手段】 カチオン重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを充填したした容器と、該容器と連結したインクジェットヘッド部との間に、該活性エネルギー線硬化型インクジェットインクから、含有される水分を除去または分離する工程を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法およびそれを備えた活性エネルギー線硬化型インクジェット記録装置に関する。
従来、耐水性の良好なインクジェットインクとしては、油溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの、油溶性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが、染料は耐光性等の画像安定性で顔料に劣るため、着色剤として顔料を用いたインクジェットインクが望まれている。
しかしながら、顔料を安定して有機溶剤中に分散することは困難であり、安定な分散性及び吐出安定性を確保することも難しい。一方、高沸点溶剤を用いたインクジェットインクでは、インク中に含有される高沸点溶剤が揮発せず、溶剤の蒸発による乾燥は困難であるため、非吸収性の基材への適用は極めて困難とされている。
これに対し、揮発性の有機溶剤を用いたインクジェットインクは、使用する樹脂の密着性および溶剤の揮発によって、非吸収性基材においても良好な印字画像を形成することができる。しかしながら、揮発性の溶剤がインクの主成分となるため、ヘッドのノズル面において溶剤の揮発による乾燥が非常に早くなり、そのため、頻繁なメンテナンスを必要とする。また、インクジェットインクでは、本質的に溶剤に対する再溶解性が必要とされるため、これら溶剤に対する耐性が十分得られないことがある。
一方、ピエゾ素子によるオンデマンド方式のプリンタにおいては、揮発性の溶剤を多量に使用することは、メンテナンスの頻度を増やし、またプリンタ内のインク接触材料の溶解膨潤という問題を誘発しやすくする。また、揮発溶剤は消防法で指定される危険物の扱いとなるため、その制約も大きくなる。
そこで、ピエゾ素子を用いるオンデマンドタイプのプリンタにおいては、揮発性溶剤の少ないインクジェットインクが求められている。しかしながら、活性エネルギー線硬化型のインクジェットインクに用いられる構成材料の多くは、比較的粘度の高い材料であり、従来のプリンタで安定に吐出可能な粘度条件では、硬化性に優れ、安定性が良好なインクを設計することは困難であった。
上記課題に対し、様々な改良手段の検討がなされており、例えば、オキセタン環含有化合物等のカチオン重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかしながら、これら提案されている各インクにおいても、インク中に含まれる水分の影響が大きく、上記課題を十分に改良されるまでには至っていない。
一方、塩基性化合物を添加し、インクの貯蔵安定性を改良する方法が開示されている(例えば、特許文献3、4参照。)。本発明者は、特許文献3及び4で開示されている方法に従って更に検討を行った結果、インクの保存安定性について改良効果は認められるものの、その効果は充分とは言えず、また塩基性化合物の添加に伴い、インクの硬化性が劣化することが判明した。
特開2001−220526号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−188025号公報 (特許請求の範囲) 特開2000−186079号公報 (特許請求の範囲) 特開2000−327672号公報 (特許請求の範囲)
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの貯蔵安定性と、インクの光重合性、硬化性、ノズルでの吐出安定性、被記録媒体への密着性、耐溶剤性および耐水性がすべて両立できる活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法及びそれを備えた活性エネルギー線硬化型インクジェットインク記録装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
カチオン重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを充填したした容器と、該容器と連結したインクジェットヘッド部との間に、該活性エネルギー線硬化型インクジェットインクから、含有される水分を除去または分離する工程を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項2)
前記カチオン重合性化合物が、オキセタン環含有化合物、オキシラン基含有化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項3)
前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが、光カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項4)
前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが、顔料及び顔料分散剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項5)
前記顔料が、平均粒経10〜150nmの微細顔料粒子であることを特徴とする請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項6)
前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度が、5〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項7)
前記容器中の充填された前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの含水率が、0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項8)
前記インクジェットヘッド部にある前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの含水率が、0.001〜0.5質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項9)
前記含有される水分を除去または分離する手段が、吸水剤または吸湿剤を用いて水分を除去する方法であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項10)
前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクより含有される水分を除去または分離する手段が、加熱処理、減圧処理及び乾燥気体の接触処理から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
(請求項11)
前記請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録装置。
本発明によれば、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの貯蔵安定性と、インクの光重合性、硬化性、ノズルでの吐出安定性、被記録媒体への密着性、耐溶剤性および耐水性がすべて両立できる活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法及びそれを備えた活性エネルギー線硬化型インクジェットインク記録装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク(以下、単にインクジェットインク、またはインクともいう)の処理方法は、カチオン重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを充填したした容器と、該容器と連結したインクジェットヘッド部との間に、該活性エネルギー線硬化型インクジェットインクから、含有される水分を除去または分離する工程を有することを特徴とし、上記構成をとることにより、インクジェットインクの貯蔵安定性と、インクジェットインクの光重合性、硬化性、ノズルでの吐出安定性、被記録媒体への密着性、耐溶剤性および耐水性がすべて両立できる活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法においては、上述のように、インクジェットインクを充填したした容器と、該容器と連結したインクジェットヘッド部との間に、インクジェットインクから、含有される水分を除去または分離する工程を有する。
本発明に係るインクは、カチオン重合性化合物を含有し、インク調製後、容器中の充填された時の含水率が、0.1〜5質量%であることが好ましい。
保存中のインクの含水率が0.1質量%未満である場合には、保存中のインクの貯蔵安定性が低下し、逆に、含水率が5質量%を越えると、インク中の水分を除去するのに負荷が大きすぎ、水分を十分に除去しきれず、その結果、硬化性の低下を招く結果となり、好ましくない。
更に、インク中の水分を除去した後、インクジェットヘッド部に位置した時のインクの含水率が、0.001〜0.5質量%であることが好ましい。
インクジェットヘッド部におけるインクの含水率が0.001質量%未満であると、加熱されたインクジェットヘッド中でインクがゲル化を起こし、インクの安定した射出ができなくなる。また、インクの含水率が0.5質量%を越えると、硬化性が劣ってしまう。
すなわち、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法においては、インクを含水率が0.1〜5質量%となるように調製した後、容器に保存し、次いで水分を除去または分離する工程で、インク中の水分含有率を0.001〜0.5質量%とした後、インクジェットヘッド部に送液することが好ましい。
本発明において、インクを充填したした容器と、該容器と連結したインクジェットヘッド部との間に、インクに含有される水分を除去または分離する工程を有する。
この水分除去あるいは分離工程に用いられる方法は、例えば、吸水剤または吸湿剤を送液されるインクの流路に設置し、吸水剤または吸湿剤にインクを接触させ、インク中に含まれる水分を除去する方法が好ましい。
インク中の水分を吸水または吸湿する素材としては、公知のアルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩、シリカゲル、モレキュラーシーブ、酸化カルシウム、塩化カルシウム等の無機化合物やポリアミノ酸またはその塩に代表される吸水性樹脂等の有機物が用いられる。
吸水剤または吸湿剤の形状としては、特に限定されず、例えば、粉末、顆粒、球状、俵状、円盤状、不定形、或いはこれらの混合物等、適宜選択出来る。
本発明においては、上記各素材の中では、水以外のカチオン重合性インクの成分と反応したり、液状のインク中に溶解したりしない吸水剤または吸湿剤が好ましい。
また、別の方法としては、インクを充填したした容器と、該容器と連結したインクジェットヘッド部との間の流路に、加熱処理、減圧処理または乾燥気体の導入あるいは接触処理を行う装置を設けて、インク中に含まれる水分を除去する方法が好ましい。
加熱方法としては、特に制限はなく、保温水により加熱する方法、ヒーターあるいは加熱コイルに接触させて加熱する方法、ドライヤーなどの対流により加熱する対流加熱手段、赤外線や高周波の電磁波などの放射により加熱する放射加熱手段などが挙げられる。
また、減圧処理としては、インクを密封容器に導入した後減圧を行って水分を除去方法であり、この時上記加熱処理を併用することが、より効果的に水分を取り除くことができる点で好ましい。
また、乾燥気体の導入あるいは接触処理としては、インク表面に乾燥した気体を接触させて除去する方法、あるいは乾燥気体をインク液中にバブリングして水分を除く方法等を用いることができるが、この時使用する乾燥気体としては、インクの各構成成分との反応性が低いガス、不活性ガス等を選択して用いることが好ましい。また、乾燥気体の導入あるいは接触処理と同時に、上記加熱処理を併用することが、より効果的に水分を取り除くことができる点で好ましい。
次いで、本発明に係る活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの詳細について説明する。
本発明に係るインクでは、カチオン性重合化合物を含有することが特徴の1つであるが、該カチオン性重合化合物としては、オキセタン環含有化合物、オキシラン基含有化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係るオキシラン基含有化合物は、分子中に1個以上の下式で示されるオキシラン環
Figure 2005068382
を有する化合物であり、通常、エポキシ樹脂として用いられているものは、モノマー、オリゴマーまたはポリマーいずれも使用可能である。具体的には、従来公知の芳香族エポキシド、脂環族エポキシドおよび脂肪族エポキシドが挙げられる。なお、以降、エポキシドとは、モノマーまたはそのオリゴマーを意味する。これら化合物は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2080、セロキサイド3000、セロキサイド2000、エポリードGT301、エポリードGT302、エポリードGT401、エポリードGT403、EHPE−3150、EHPEL3150CE、ユニオンカーバイド社製、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6100、UVR−6216、UVR−6000等が挙げるられる。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
更に、これらの化合物の他に、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルおよびフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
オキシラン基含有化合物は、オキセタン環含有化合物および必要に応じて配合されるビニルエーテル化合物からなる液状成分中、10〜50質量%、好ましくは30〜50質量%配合される。オキシラン基含有化合物が上記数値より少ないと、硬化膜の強度が弱くなってしまい印字物としての耐性が得られず、上記数値より大きいと印字物の耐性は良くなるが、粘度が非常に上昇してしまい、インクジェットインクとして適用できなくなるため好ましくない。
本発明に係るオキセタン環含有化合物としては、分子中に1個または2個以上のオキセタン環を有する化合物が挙げられる。
分子中に1個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2005068382
上記一般式(1)において、Zは酸素原子または硫黄原子、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基、R2は、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基等の炭素数1〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基またはフェノキシエチル基等のアリール基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基またはペンチルカルボニル基等の炭素数1〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基またはブトキシカルボニル基等の炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基、エトキシカルバモイル基、プロピルカルバモイル基またはブチルペンチルカルバモイル基等の炭素数1〜6個のアルコキシカルバモイル基を表す。
本発明に係るオキセタン環含有化合物としては、上記一般式(1)において、R1が低級アルキル基、特にエチル基、R2がブチル基、フェニル基またはベンジル基、Zが酸素原子であるものが好ましい。
分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(2)、(8)で表わされる化合物を挙げることができる。
Figure 2005068382
一般式(2)において、mは2、3または4を表し、Zは酸素原子または硫黄原子、R3は水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基またはフリル基、R4は、例えば、一般式(3)で示される炭素数1〜12の線形または分枝アルキレン基、線形或いは分枝ポリ(アルキレンオキシ)基、
Figure 2005068382
〔式中、R5はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基を表す。〕
または、下記一般式(4)、(5)及び(6)からなる群から選択される多価基を表す。
Figure 2005068382
一般式(4)において、nは0または1〜2000の整数、R6はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜10個のアルキル基及び下記一般式(7)から成る群から選択される基を表す。
Figure 2005068382
〔式中、jは0または1〜100の整数、R8は1〜10個の炭素原子を有するアルキル、R7はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基を表す。〕
Figure 2005068382
一般式(5)において、R9は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜10個のアルキル基、炭素数1〜10個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシレート基またはカルボキシル基を表す。
Figure 2005068382
一般式(6)において、R10は酸素原子、硫黄原子、NH、SO、SO2、CH2、C(CH32またはC(CF32を表す。
本発明に係るオキセタン環含有化合物としては、上記一般式(2)において、R3が低級アルキル基、特にエチル基、R4が、一般式(5)におけるR9が水素原子である基、ヘキサメチレン基、一般式(3)において、R5がエチル基、R7及びR8は各々メチル基、Zが酸素原子であるものが好ましい。
Figure 2005068382
上記一般式(8)において、rは25〜200の整数であり、R11は炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基である。
本発明では、カチオン重合性組成物として、上記の分子中に一個以上のオキセタン環を有する化合物を2種類以上が併用されたものであってもよい。
オキセタン環含有化合物は、オキシラン基含有化合物および必要に応じて配合されるビニルエーテル化合物からなる液状成分中、50〜90質量%、好ましくは50〜70質量%配合される。オキセタン環含有化合物が上記数値より少ないと硬化性が悪くなってしまい、上記数値より大きいと硬化性はよくなるが、硬化膜の強度が弱く印刷物としての耐性がでなくなるため、好ましくない。
本発明に係るインクに含まれるビニルエーテル化合物は、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましく、特に、ジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
ビニルエーテル化合物は、任意の配合成分であり、配合させることによってインクジェットインクに要求される低粘度化が実現できる。また、硬化速度の向上もできる。ビニルエーテル化合物は、オキシラン基含有化合物およびオキセタン環含有化合物からなる液状成分中、0〜40質量%、好ましくは0〜20質量%が配合されることが好ましい。
本発明に係るインクでは、カチオン重合性化合物と共に、光カチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
本発明で用いることのできる光カチオン重合開始剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(例えば、ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172等)、アリルヨードニウム塩誘導体(例えば、ローディア社製のRP−2074等)、アレン−イオン錯体誘導体(例えば、チバガイギー社製のイルガキュア261等)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤を挙げることができる。
光カチオン重合開始剤は、インク中に脂環式エポキシ基を有する化合物100質量部に対し、0.2〜20質量部の比率で含有させることが好ましい。光カチオン重合開始剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難となり、20質量部を越えて含有させても更なる硬化性向上効果は期待できない。これら光カチオン重合開始剤は、1種または2種以上を選択して使用することができる。
本発明に係るインクには、光重合促進剤を用いることができ、例えば、アントラセン、アントラセン誘導体(例えば、旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−100)が挙げられる。これらの光重合促進剤は1種または複数を組み合わせて使用することができる。
本発明に係るインクには、色材として顔料及び顔料分散剤を含有することが好ましい。
本発明に係るインクに用いることのできる顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色無機顔料または有彩色の有機顔料が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンイエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンイエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
また、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
上記顔料の中で、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。有機顔料は、レーザ散乱による測定値で平均粒径10〜150nmの微細顔料であることが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、150nmを越える場合は、分散の安定維持が困難になり、顔料の沈澱が生じやすくなる。
有機顔料の微細化、いわゆる分散処理は下記の方法で行うことができる。
すなわち、有機顔料と、有機顔料の3質量倍以上の水溶性の無機塩および水溶性の溶剤の少なくとも3つの成分からなる混合物を粘土状の混合物とし、ニーダー等で強く練りこんで微細化したのち水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とする。次いで、スラリーの濾過と水洗を繰り返して、水溶性の無機塩および水溶性の溶剤を除去する。微細化工程において、樹脂、顔料分散剤等を添加してもよい。水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。これらの無機塩は、有機顔料の3質量倍以上、好ましくは20質量倍以下の範囲で用いる。無機塩の量が3質量倍よりも少ないと、所望の大きさの顔料粒子が得られない。また、20質量倍よりも多いと、後の工程における洗浄処理が多大であり、有機顔料の実質的な処理量が少なくなる。
水溶性の溶剤は、有機顔料と破砕助剤として用いられる水溶性の無機塩との適度な粘土状態をつくり、充分な破砕を効率よく行うために用いられ、水に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇して溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点120〜250℃の高沸点の溶剤が好ましい。水溶性溶剤としては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
本発明において顔料は、十分な濃度および十分な耐光性を得るため、インクジェットインク中に3〜15質量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明で好ましく用いられる顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
顔料分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」等が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)」、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、ゼネカ社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13240、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000、32000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」等が挙げられる。
本発明に係るインクにおいては、顔料分散剤はインク中に0.1〜10質量%の範囲で含有させることが好ましい。
本発明に係るインクジェットインクは、活性エネルギー線硬化性化合物、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め顔料高濃度の濃縮液を調製しておいて、活性エネルギー線硬化性化合物で希釈することが好ましい。通常の分散機による分散においても充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としないため、インク成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインクが調製される。インクは、孔径が3μm以下、更には1μm以下のフィルターにて濾過することが好ましい。
本発明に係るインクジェットインクは、25℃での粘度が5〜50mPa・sと高めに調整することが好ましい。25℃での粘度が5〜50mPa・sのインクは、特に通常の4〜10kHzの周波数を有するヘッドから、10〜50kHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。粘度が5mPa・s未満の場合は、高周波数のヘッドにおいて、吐出の追随性の低下が認められ、50mPa・sを越える場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり、全く吐出できなくなる。
また、本発明に係るインクジェットインクは、ピエゾヘッドにおいては、10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクとすることが好ましい。また、コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には、0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
本発明で用いる基材(被記録媒体)としては、従来より各種の用途で使用されている広汎な合成樹脂が全て対象となり、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が挙げられ、これらの合成樹脂基材の厚みや形状は何ら限定されない。
本発明に係るインクジェットインクを使用するには、まずこのインクを前述の本発明に係る含有される水分を除去または分離する工程を経た後、インクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドから基材上に吐出し、その後、紫外線または電子線等の活性エネルギー線を照射する。これにより記録媒体上の組成物は速やかに硬化する。
なお、活性エネルギー線の光源としては、紫外線を照射する場合には、例えば、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプおよび太陽光を使用することができる。電子線により硬化させる場合には、通常300eVの以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
以下、実施例に基づいて説明する。例中の部および%は、質量部および質量%をそれぞれ示す。
《インクの調製》
〔インク1〜6の調製〕
表1に記載の顔料(P1)、分散剤(S32000)と、オキセタン環含有化合物(OX211)、オキシラン基含有化合物(CEL2021P)、ビニルエーテル化合物(DVE−3)とを共にサンドミルに入れて4時間かけて分散を行ない、各活性エネルギー線硬化型のインク原液を得た。次いで、光カチオン重合開始剤(SP−152)を各インク原液に添加し、光カチオン重合開始剤が溶解するまで、穏やかに混合させた後、これをメンブランフィルターで加圧濾過して、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクであるインク1〜6を得た。
以上のようにして調製した各インクの含水率を、カールフィッシャー装置(自動水分測定装置 AQV−2000、平沼産業)により測定した
Figure 2005068382
表1に記載の各添加剤の詳細は、以下の通りである。
顔料(P1):粗製銅フタロシアニン(東洋インク製造社製「銅フタロシアニン」)を250部、塩化ナトリウムを2500部およびポリエチレングリコール(東京化成社製「ポリエチレングリコール300」)を160部、それぞれスチレン製5.55L(1ガロン)のニーダー(井上製作所社製)に入れ、3時間混練した。次に、この混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、次いでスプレードライにより乾燥して、顔料P1とした
オキセタン環含有化合物(OXT−221):ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、東亞合成社製
オキシラン基含有化合物(CEL2021P):脂環式エポキシ化合物 ダイセル社製 ビニルエーテル化合物(DVE−3):トリエチレングリコールジビニルエーテル ISP社製
顔料分散剤(S32000):脂肪族変性系分散剤 ソルスパーズ32000 ゼネカ社製
光カチオン重合開始剤(SP−152):トリフェニルスルホニウム塩 アデカオプトマーSP−152 旭電化社製
《インクの加熱保存処理》
上記調製したインク1〜6をインク保管容器に入れ、70℃で一週間保管した。なお、インク4〜6については、後述の画像評価については、70℃での加熱処理を行わなかったインクを使用した。
《インクジェット画像の形成》
〔画像1A〜3A、1B〜3Bの形成〕
上記加熱処理を施したインク1〜3を、インク保管容器からピエゾインクヘッドの流路の間に、下記の方法による脱水工程を通して脱水処理を施した後、ピエゾインクヘッドを有するインクジェット記録装置により、基材(ポリエチレンテレフタラートフィルム)上にベタ画像の印字を行い、その後、紫外線照射装置(メタルハライドランプ1灯:出力120W)により、基材の搬送速度10m/分の条件で硬化を行い、画像1A〜3A、1B〜3Bを形成した。
画像1A:インク1を、乾燥剤(硫酸マグネシウム)と接触させて脱水処理を行った。
脱水処理後の含水率は0.02%であった。
画像1B:インク1を、60℃で加熱して脱水処理を行った。脱水処理後の含水率は0.05%であった。
画像2A:インク2を、乾燥剤(硫酸カルシウム)と接触させて脱水処理を行った。
脱水処理後の含水率は0.04%であった。
画像2B:インク2を、1.33kPaの減圧下で、60℃に加熱して脱水処理を行った。脱水処理後の含水率は0.07%であった。
画像3A:インク3を、乾燥剤(硫酸カルシウム)と接触させて脱水処理を行った。
脱水処理後の含水率は0.07%であった。
画像3B:インク3を、60℃に加熱しながら乾燥空気を表面に吹き付けて脱水処理を行った。脱水処理後の含水率は0.30%であった。
〔画像1C〜3C、画像4〜6の形成〕
上記加熱処理を施したインク1〜3及び加熱処理を行わなかったインク4〜6を、そのままピエゾインクヘッドを有するインクジェット記録装置により、基材(ポリエチレンテレフタラートフィルム)上にベタ画像の印字を行い、その後、紫外線照射装置(メタルハライドランプ1灯:出力120W)により、基材の搬送速度10m/分の条件で硬化を行い、画像1C〜3C、4〜6を形成した。
《インク及び画像評価》
上記調製したインク及び形成画像について、下記の評価を行った。
〔インクの分散安定性の評価〕
上記調製したインク1〜6をインク保管容器に入れ、70℃で一週間保管した後、その液状態を目視観察し、下記の基準に則り分散安定性の評価を行った。
○:沈殿物の発生が認められず、粘度の変化なし
△:沈殿物の発生は認めらないが、粘度がやや上昇
×:明らかに沈殿物、凝集物の発生が認められる
〔出射安定性の評価〕
上記調製した脱水処理を施したインク(1A〜3A、1B〜3B、1C〜3C)と、加熱処理済みのインク4〜6を、上記インクジェット記録装置を用いて、30分間の連続出射を行った後、ノズル欠の有無について目視観察を行い、下記の基準に則り出射安定性の評価を行った。
○:30分連続出射でノズル欠が生じない
△:30分連続出射でノズル欠が生じないが、サテライトが発生する
×:30分連続出射でノズル欠が生じる
〔硬化性の評価〕
上記形成した各画像において、指触によりタックがなくなるまでの紫外線照射装置での基材のパス回数を求め、これを硬化性の尺度とした。数値が小さいほど、硬化に必要なエネルギーが低く、硬化性が良好であることを表す。
〔膜強度の評価〕
上記形成した各画像表面を、爪による引っ掻き試験で行い、下記の基準に則り膜強度の評価を行った。
○:爪で引っ掻いても全く画像の基材からの剥離が認められない
△:爪で強く引っ掻くと、画像の一部で基材からの剥離が見られる
×:爪で引っ掻くと、簡単に基材から画像が剥離してしまう
〔密着性の評価〕
上記作成した各ベタ画像について、全くベタ画像面に傷をつけない試料と、JIS K 5400に準拠して、印字面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤目を100個作った試料を作製し、各画像面上にセロテープ(R)を貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った印字画像あるいは碁盤目の状況について、下記の基準に則り評価した。
○:碁盤目テストでも、印字画像の剥がれが全く認められない
△:碁盤目テストでは若干の印字画像の剥がれは認められるが、画像面に傷をつけなければ剥がれは殆ど認められない
×:両条件共に、簡単にセロテープ(R)での剥がれが認められる
〔耐溶剤性、耐水性の評価〕
各印字画像サンプルを50℃のアルコールと温水にそれぞれ10秒間漬けた後、画像の破損、収縮具合を目視観察し、以下の基準に則り耐溶剤性、耐水性を評価した。
○:変化なし
△:僅かに破損、収縮が生じる
×:明らかに破損、収縮が生じる。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2005068382
表2の結果より明らかなように、含有される水分の除去処理を行った本発明のインクは、比較例に対し、高温状態で長時間保管されてもインクの分散安定性、出射安定性共に優れ、かつ形成した画像の硬化性、膜強度、密着性及び耐溶剤性、耐水性のいずれにも優れていることが分かる。

Claims (11)

  1. カチオン重合性化合物を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを充填したした容器と、該容器と連結したインクジェットヘッド部との間に、該活性エネルギー線硬化型インクジェットインクから、含有される水分を除去または分離する工程を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  2. 前記カチオン重合性化合物が、オキセタン環含有化合物、オキシラン基含有化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  3. 前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが、光カチオン重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  4. 前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが、顔料及び顔料分散剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  5. 前記顔料が、平均粒経10〜150nmの微細顔料粒子であることを特徴とする請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  6. 前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度が、5〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  7. 前記容器中の充填された前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの含水率が、0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  8. 前記インクジェットヘッド部にある前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの含水率が、0.001〜0.5質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  9. 前記含有される水分を除去または分離する手段が、吸水剤または吸湿剤を用いて水分を除去する方法であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  10. 前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインクより含有される水分を除去または分離する手段が、加熱処理、減圧処理及び乾燥気体の接触処理から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法。
  11. 前記請求項1〜10のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクの処理方法を有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット記録装置。
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