JP2005008758A - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク及び印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】光重合性に優れ、硬化性が良好で、硬化膜の強度が強靭で、ノズルでの吐出安定性にも優れ、基材への密着性、耐溶剤性及び耐水性も良好な活性エネルギー線硬化型インクジェットインク及びそれを用いて作製した印刷物の提供。
【解決手段】カチオン重合性化合物を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクにおいて、該カチオン重合性化合物の少なくとも1種が重量平均分子量300〜5,000のビニルエーテル化合物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。前記ビニルエーテル化合物が芳香族化合物であること、少なくとも2個のビニルエーテル基を有すること、前記カチオン重合性化合物に占める前記ビニルエーテル化合物の割合が30〜70質量%であること、は何れも好ましい態様である。
【選択図】 なし
【解決手段】カチオン重合性化合物を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクにおいて、該カチオン重合性化合物の少なくとも1種が重量平均分子量300〜5,000のビニルエーテル化合物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。前記ビニルエーテル化合物が芳香族化合物であること、少なくとも2個のビニルエーテル基を有すること、前記カチオン重合性化合物に占める前記ビニルエーテル化合物の割合が30〜70質量%であること、は何れも好ましい態様である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は活性エネルギー線硬化型インクジェットインク及びそれを用いた印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐水性の良好なインクジェットインクとしては、油溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの、油溶性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが、染料は耐光性等の諸耐性で顔料に劣るため、着色剤として顔料を用いたインクが望まれている。しかしながら、顔料を安定して有機溶剤に分散することは困難であり、安定な分散性及び吐出性を確保することも難しい。
【0003】
一方、高沸点溶剤を用いたインクは、非吸収性の基材においては、インク中の溶剤が揮発せず、溶剤の蒸発による乾燥は困難なので、非吸収性の基材への印字は不可能である。
【0004】
揮発性の有機溶剤を用いたインクにおいては、使用する樹脂の密着性及び溶剤の揮発によって非吸収性の基材においても良好な印字を形成することができる。しかしながら、揮発性の溶剤がインクの主成分となるため、ヘッドのノズル面において溶剤の揮発による乾燥が非常に早く、頻繁なメンテナンスを必要とする。又、インクは本質的に溶剤に対する再溶解性が必要とされるため、溶剤に対する耐性が十分得られないことがある。
【0005】
又、ピエゾ素子によるオンデマンド方式のプリンタにおいては、揮発性の溶剤を多量に使用することはメンテナンスの頻度を増やし、又、プリンタ内のインク接触材料の溶解膨潤という問題を誘発し易くする。又、揮発溶剤は消防法で言う危険物による制約も大きくなる。そこで、ピエゾ素子を用いるオンデマンドタイププリンタにおいては、揮発性溶剤の少ないインクとする必要がある。しかしながら、活性エネルギー線硬化型のインクに用いる材料は比較的粘度の高い材料であり、従来のプリンタにて吐出できるような粘度において、硬化性が良く安定性が良好なインクを設計することは困難であった。
【0006】
このような問題を解決すべく、光カチオン重合開始剤、エポキシ化合物、オキセタン環含有化合物及びビニルエーテル化合物を含有する活性エネルギー線硬化型組成物が開示されている(例えば特許文献1及び2参照)。これらの特許に記載されたビニルエーテル化合物を該発明に従って検討してみたが、インクの硬化性が劣り硬化膜の強度に問題があり、又、ノズルでの吐出安定性、基材への密着性、耐溶剤性及び耐水性に問題があった。
【0007】
一方、特開平9−176537号では、水、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物の少なくとも一つから成る活性エネルギー線硬化型インクジェットインキが開示されている。該公報に記載のビニルエーテル化合物も検討してみたが、前記発明と同様の問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−220526号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002−188025号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、光重合性に優れ、硬化性が良好で、硬化膜の強度が強靭で、ノズルでの吐出安定性にも優れ、基材への密着性、耐溶剤性及び耐水性も良好な活性エネルギー線硬化型インクジェットインク及びそれを用いて作製した印刷物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0012】
1)カチオン重合性化合物を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクにおいて、該カチオン重合性化合物の少なくとも1種が重量平均分子量300〜5,000のビニルエーテル化合物である活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0013】
2)前記ビニルエーテル化合物が芳香族化合物である1)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0014】
3)前記ビニルエーテル化合物が少なくとも2個のビニルエーテル基を有する1)又は2)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0015】
4)前記カチオン重合性化合物に占める前記ビニルエーテル化合物の割合が30〜70質量%である1)〜3)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0016】
5)前記カチオン重合性化合物としてエポキシ化合物又はオキセタン環含有化合物を含む1)〜4)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0017】
6)前記エポキシ化合物が脂環式化合物である5)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0018】
7)光カチオン重合開始剤を含む1)〜6)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0019】
8)顔料を含む1)〜7)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0020】
9)顔料分散剤を含む8)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0021】
10)前記顔料の平均粒径が10〜150nmである8)又は9)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0022】
11)25℃における粘度が5〜50mPa・sである1)〜10)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0023】
12)1)〜11)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いて基材上に形成した印刷物。
【0024】
本発明を更に詳しく説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク(以下、単にインクジェットインクとも称す)は、カチオン重合性化合物を含み、該カチオン重合性化合物の少なくとも1種が重量平均分子量300〜5,000のビニルエーテル化合物であることを特徴とするが、その他に顔料、顔料分散剤、光カチオン重合開始剤などを含有することが好ましい。
【0025】
以下、インクジェットインクの構成要素ごとに詳述する。
(顔料)
本発明のインクジェットインクに含まれる顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無色無機顔料又は有色有機顔料を使用することができる。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料;キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料;ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料;イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料;ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料;チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン系有機顔料;イソインドリンイエローなどのイソインドリン系有機顔料;その他の顔料として、フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
【0026】
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)No.で以下に例示する。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185。
【0027】
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240。
【0028】
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50。
【0029】
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64。
【0030】
C.I.ピグメントグリーン7、36。
C.I.ピグメントブラウン23、25、26。
【0031】
上記顔料の中でも、キナクリドン系、フタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、キノフタロン系、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。
【0032】
有機顔料は、レーザ散乱による測定値で平均粒径10〜150nmの微細粒子であることが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、150nmを超える場合は分散の安定維持が困難になり、顔料の沈澱が生じ易くなる。
【0033】
有機顔料の微細化は以下の方法で行うことができる。即ち、有機顔料、有機顔料の3質量倍以上の水溶性無機塩及び水溶性溶剤の少なくとも3成分から成る混合物を粘土状とし、ニーダー等で強く練り込んで微細化した後、水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とする。次いで、スラリーの濾過と水洗を繰り返して、水溶性の無機塩及び水溶性の溶剤を除去する。微細化工程において、樹脂、顔料分散剤等を添加してもよい。
【0034】
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。これらの無機塩は有機顔料の3〜20質量倍の範囲で用いる。無機塩の量が3質量倍よりも少ないと、所望の大きさの処理顔料が得られず、又、20質量倍よりも多いと、後の工程における洗浄処理が多大であり、有機顔料の実質的な処理量が少なくなる。
【0035】
水溶性溶剤は、有機顔料と破砕助剤として用いられる水溶性無機塩との適度な粘土状態を作り、充分な破砕を効率よく行うために用いられ、水に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇して溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点120〜250℃の高沸点の溶剤が好ましい。水溶性溶剤として、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(i−ペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0036】
顔料は、十分な濃度及び十分な耐光性を得るため、インクジェットインク中に3〜15質量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0037】
(顔料分散剤)
顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
【0038】
具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
【0039】
又、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」;共栄化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」;楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」等が挙げられる。
【0040】
更には、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)」、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」;ゼネカ社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13240、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000、32000」;日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」等が挙げられる。
【0041】
これらの顔料分散剤は、インク中に0.1〜10質量%の範囲で含有させることが好ましい。
【0042】
(ビニルエーテル化合物)
本発明のビニルエーテル化合物は、下記一般式(VE)で表されるビニルエーテル類とアルコール類(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンレングリコール、ペンタエリスリトール等)、フェノール類(フェノール、クレゾール、ビスフェノール、ノボラック樹脂等)、これらの金属アルコキシド、又は(メタ)アクリル系重合体とを反応させて得られるビニルエーテル化合物の内、重量平均分子量が300〜5,000、好ましくは500〜5,000のものである。更に、ビニルエーテル化合物は芳香族化合物であることが好ましい。
【0043】
一般式(VE) R1−CH=CHO−R2−X
式中、R1は水素原子又は置換基を表し、R2は2価の連結基を表し、Xはヒドロキシル基又はハロゲン原子を表す。R1で表される置換基は、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜11の芳香族基等が挙げられる。R2で表される連結基は特に限定されないが、例えば炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合により酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されてもよい芳香族基等が挙げられる。
【0044】
一般式(VE)で表されるビニルエーテル類の代表例としては、2−ビニロキシエタノール、2−(又は3−)ビニロキシプロパノール、2−(又は4−)ビニロキシブタノール、6−ビニロキシヘキサノール、2−(ビニロキシエトキシ)エタノール、2−(ビニロキシ−i−プロポキシ)プロパノール、2−(ビニロキシエトキシ)−i−プロパノール、2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エタノール、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等のヒドロキシル基含有ビニルエーテル類;1−クロロ−2−ビニロキシエタン、1−クロロ−3−ビニロキシプロパン、1−クロロ−4−ビニロキシブタン、1−クロロ−6−ビニロキシヘキサン、1−クロロ−2−(ビニロキシ−i−プロポキシ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシ)プロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシ)−i−プロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシポリエトキシ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシポリ−i−プロポキシ)エタン等のハロゲン含有ビニルエーテル類等が挙げられる。
【0045】
このようにして得られるビニルエーテル化合物の具体例を以下に示す。
ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリ(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチルエステル、フェノールノボラック樹脂ビニルエーテル、クレゾールノボラック樹脂ビニルエーテル、エチレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、エチレングリコールビス(2−ビニロキシポリ−i−プロポキシ)エチルエーテル、ジエチレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、トリエチレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、プロピレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、ジプロピレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、ブタンジオールビス(2−ビニロキシポリ−i−プロポキシ)エチルエーテル、ヘキサンジオールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、シクロヘキサンジメタノールビス(2−ビニロキシポリ−i−プロポキシ)エチルエーテル、トリメチロールプロパントリ(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、1,1,1−トリ(4−ビニロキシフェニル)エタン、1−〔α−メチル−α−(4−ビニロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ビニロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス(4−ビニロキシフェニルスルホニルメチル)ベンゼン。
【0046】
これらのビニルエーテル化合物の内、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0047】
ビニルエーテル化合物は必須の配合成分であり、配合させることによってインクジェットインクに要求される低粘度化が実現できる。又、硬化速度も向上できる。ビニルエーテル化合物は、カチオン重合性化合物中、30〜70質量%を占めることが好ましい。
【0048】
(エポキシ化合物)
本発明で用いるエポキシ化合物は、分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物である。
【0049】
通常、エポキシ樹脂として用いられるモノマー、オリゴマー又はポリマーの何れも使用可能である。具体的には、従来公知の芳香族エポキシド、脂環族エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられる。尚、以下、エポキシドとは、モノマー又はそのオリゴマーを意味する。これらの化合物は1種又は必要に応じて2種以上用いてもよい。
【0050】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0051】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、例えばダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2080、セロキサイド2000、エポリードGT301、エポリードGT302、エポリードGT401、エポリードGT403、EHPE−3150、EHPEL3150CE;ユニオンカーバイド社製のUVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6100、UVR−6216、UVR−6000等を挙げることができる。
【0052】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0053】
更に、これらの化合物の他に、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル及びフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシドの内、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
【0054】
これらエポキシ化合物は、オキセタン環含有化合物、ビニルエーテル化合物から成る液状成分中、0〜40質量%、好ましくは0〜30質量%配合される。
【0055】
(オキセタン化合物)
オキセタン化合物は、分子内に1以上のオキセタン(トリメチレンオキシド)環を有する化合物である。具体的には3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成社製:OXT101等)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(同OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(同OXT211等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(同OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(同OXT212等)等を好ましく用いることができ、特に3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテルが好ましい。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0056】
尚、本発明においては、前記ビニルエーテル化合物、エポキシ化合物及びオキセタン化合物をカチオン重合性化合物と称する。
【0057】
(光カチオン重合開始剤)
本発明で用いられる光カチオン重合開始剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974;旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172等)、アリルヨードニウム塩誘導体(ローディア社製のRP−2074等)、アレン−イオン錯体誘導体(チバガイギー社製のイルガキュア261等)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。
【0058】
光カチオン重合開始剤は、脂環式エポキシ基を有する化合物100質量部に対して0.2〜20質量部の比率で含有させるのが好ましい。光カチオン重合開始剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、20質量部を超えて含有させても更なる硬化性向上効果はない。これら光カチオン重合開始剤は、1種又は2種以上を選択して使用することができる。
【0059】
光重合促進剤としては、アントラセン、アントラセン誘導体(旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−100等)が挙げられる。これらの光重合促進剤も1種又は複数を組み合わせて使用することができる。
【0060】
(インクの調製)
インクジェットインクは、活性エネルギー線硬化性化合物(カチオン重合性化合物及び光カチオン重合開始剤)、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め顔料高濃度の濃縮液を作製しておき、活性エネルギー線硬化性化合物で希釈することが好ましい。通常の分散機による分散においても充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーが掛からず、多大な分散時間を必要としないので、インク成分の分散時の変質を招き難く、安定性に優れたインクが調製できる。調製されたインクは、孔径3μm以下、更には1μm以下のフィルターで濾過することが好ましい。
【0061】
(インクの物性)
本発明のインクジェットインクは、25℃での粘度を5〜50mPa・sと高めに調整することが好ましい。25℃での粘度がこの範囲のインクは、特に通常の4〜10kHzの周波数を有するヘッドから10〜50kHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。粘度が5mPa・s未満の場合は、高周波数のヘッドにおいて吐出の追随性の低下が認められ、50mPa・sを超える場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり全く吐出できなくなる。
【0062】
又、本発明のインクジェットインクは、ピエゾヘッドにおいては10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクとすることが好ましい。又、コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
【0063】
(基材)
インクジェット記録に用いる基材としては、従来、各種の用途で使用されている広汎な合成樹脂が全て対象となり、具体的には、例えばポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が挙げられ、これらの合成樹脂基材の厚みや形状は何ら限定されない。
【0064】
(インクジェット記録)
本発明のインクジェットインクを使用するには、まずインクジェットインクをインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドから基材上に吐出し、その後、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する。これにより印刷媒体上の組成物は速やかに硬化する。
【0065】
活性エネルギー線の光源としては、紫外線を照射する場合には、例えば水銀アークランプ、キセノンアークランプ、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ及び太陽光を使用することができる。電子線により硬化させる場合には、通常300eVの以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
【0066】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】
実施例1
〈インクの作製〉
表1に示す顔料と顔料分散剤及びビニルエーテル化合物、エポキシ化合物、オキセタン環含有化合物を、共にサンドミルに入れて分散を4時間行い、活性エネルギー線硬化型インク原液を得た。次いで、光開始剤をインク原液に加え、光開始剤が溶解するまで穏やかに混合させた後、メンブランフィルターで加圧濾過し、12種のインクジェットインクを得た(本発明のインクNo.1〜8、比較のインクNo.9〜12)。
【0068】
本発明のインク及び比較のインク何れも、25℃での粘度は5〜50mPa・sの範囲であった。
【0069】
【表1】
【0070】
表中の化合物を下記に示す。表中の数値は質量部を示す。
(顔料)
P1:粗製銅フタロシアニン(東洋インク製造社製:銅フタロシアニン)250部、塩化ナトリウム2,500部及びポリエチレングリコール(東京化成社製:ポリエチレングリコール300)160部をスチレン製3.8リットルニーダー(井上製作所社製)に仕込み、3時間混練した。次に、混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、次いでスプレードライをして乾燥した。
【0071】
乾燥顔料の平均粒径は20nmであった。
(ビニルエーテル化合物)
VE−1:重量平均分子量384
ポリエチレングリコール(PLURIOL−E−300:BASF社製)ジビニルエーテル
VE−2:重量平均分子量484
ポリエチレングリコール(PLURIOL−E−400:BASF社製)ジビニルエーテル
【0072】
【化1】
【0073】
【化2】
【0074】
E−200−DVE:重量平均分子量284
ポリエチレングリコール(PLURIOL−E−200:BASF社製)ジビニルエーテル
DVE−3:重量平均分子量158
トリエチレングリコールジビニルエーテル(ISP社製)
(オキセタン環含有化合物)
OXT221:オキセタン化合物(東亞合成社製)
(エポキシ化合物)
CEL2021P:脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学社製)
(顔料分散剤)
32000:脂肪族変性系分散剤(ソルスパーズ32000:ゼネカ社製)
(光開始剤)
SP−152:トリフェニルスルホニウム塩(アデカオプトマーSP−15:旭電化社製)
〈印刷物の作製〉
各インクはピエゾヘッドを有するインクジェットプリンタにてポリエチレンテレフタレート(PET)基材上に印字を行った後、UV照射装置(冷陰極管8灯,出力20W)により、基材の搬送速度を20〜100cm/秒で硬化を行った。
【0075】
色違いのインク(No.1〜4)を用いてフルカラー積層画像を形成する際は、3色目迄の露光量はインクの完全硬化に必要な露光量の1/2の露光量で行い、4色目のみ完全硬化に必要な露光量を照射し、フルカラー印刷物を得た。
【0076】
〈印刷物の評価〉
得られた印刷物について、下記項目の評価を行った。
【0077】
《硬化性》
指触によりタック(べたつき)が無くなる迄のUV照射装置下の基材の搬送速度で表した。数値が大きいほど硬化に必要なエネルギーが低く、硬化性が良好である。
【0078】
《吐出安定性》
30分間の連続出射を行った後、ノズル欠の有無について観察を行い、下記の基準に則り連続出射性の評価を行った。
【0079】
○:30分連続出射でノズル欠が生じない
△:30分連続出射でノズル欠が生じないが、サテライトが発生する
×:30分連続出射でノズル欠が生じる
《膜強度》
硬化膜の強度を爪の引っ掻き試験で行った。
【0080】
○:引っ掻いても全く取れない
△:強く引っ掻くと若干取れる
×:引っ掻くと簡単に取れてしまう
《密着性》
作製した印字画像について、全く印字面に傷を付けない試料と、JIS K 5400に準拠して印字面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目を入れ、1mm角の碁盤目を100個設けた試料とを作製し、各印字面上にセロテープ(R)を貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った印字画像あるいは碁盤目の状況について、下記の基準に則り評価した。
【0081】
○:碁盤目テストでも、印字画像の剥がれが全く認められない
△:碁盤目テストでは若干のインク剥がれが認められるが、インク面に傷を付けなければ剥がれは殆ど認められない
×:両条件共に、簡単にセロテープ(R)での剥がれが認められる
《耐溶剤性、耐水性》
PET基材に印字したサンプルを50℃のアルコール、温水に10秒間浸漬した後、画像の破損、収縮具合を以下の基準により目視評価した。
【0082】
○:変化なし
△:僅かに破損、収縮が生じる
×:明らかに破損、収縮が生じる
結果を併せて表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】
表2より、本発明のインクは、硬化性、ノズルでの吐出安定性、膜強度、印字画像の密着性、印字画像の耐溶剤性、耐水性について、何れも比較インクに対し優れていることが明らかである。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、光重合性に優れ、硬化性が良好で、硬化膜の強度が強靭で、ノズルでの吐出安定性にも優れ、基材への密着性、耐溶剤性及び耐水性も良好な活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが提供でき、このインクを用いた印刷物は画質が良好で、堅牢性にも優れている。
【発明の属する技術分野】
本発明は活性エネルギー線硬化型インクジェットインク及びそれを用いた印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐水性の良好なインクジェットインクとしては、油溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの、油溶性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが、染料は耐光性等の諸耐性で顔料に劣るため、着色剤として顔料を用いたインクが望まれている。しかしながら、顔料を安定して有機溶剤に分散することは困難であり、安定な分散性及び吐出性を確保することも難しい。
【0003】
一方、高沸点溶剤を用いたインクは、非吸収性の基材においては、インク中の溶剤が揮発せず、溶剤の蒸発による乾燥は困難なので、非吸収性の基材への印字は不可能である。
【0004】
揮発性の有機溶剤を用いたインクにおいては、使用する樹脂の密着性及び溶剤の揮発によって非吸収性の基材においても良好な印字を形成することができる。しかしながら、揮発性の溶剤がインクの主成分となるため、ヘッドのノズル面において溶剤の揮発による乾燥が非常に早く、頻繁なメンテナンスを必要とする。又、インクは本質的に溶剤に対する再溶解性が必要とされるため、溶剤に対する耐性が十分得られないことがある。
【0005】
又、ピエゾ素子によるオンデマンド方式のプリンタにおいては、揮発性の溶剤を多量に使用することはメンテナンスの頻度を増やし、又、プリンタ内のインク接触材料の溶解膨潤という問題を誘発し易くする。又、揮発溶剤は消防法で言う危険物による制約も大きくなる。そこで、ピエゾ素子を用いるオンデマンドタイププリンタにおいては、揮発性溶剤の少ないインクとする必要がある。しかしながら、活性エネルギー線硬化型のインクに用いる材料は比較的粘度の高い材料であり、従来のプリンタにて吐出できるような粘度において、硬化性が良く安定性が良好なインクを設計することは困難であった。
【0006】
このような問題を解決すべく、光カチオン重合開始剤、エポキシ化合物、オキセタン環含有化合物及びビニルエーテル化合物を含有する活性エネルギー線硬化型組成物が開示されている(例えば特許文献1及び2参照)。これらの特許に記載されたビニルエーテル化合物を該発明に従って検討してみたが、インクの硬化性が劣り硬化膜の強度に問題があり、又、ノズルでの吐出安定性、基材への密着性、耐溶剤性及び耐水性に問題があった。
【0007】
一方、特開平9−176537号では、水、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物の少なくとも一つから成る活性エネルギー線硬化型インクジェットインキが開示されている。該公報に記載のビニルエーテル化合物も検討してみたが、前記発明と同様の問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−220526号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002−188025号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、光重合性に優れ、硬化性が良好で、硬化膜の強度が強靭で、ノズルでの吐出安定性にも優れ、基材への密着性、耐溶剤性及び耐水性も良好な活性エネルギー線硬化型インクジェットインク及びそれを用いて作製した印刷物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
【0012】
1)カチオン重合性化合物を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクにおいて、該カチオン重合性化合物の少なくとも1種が重量平均分子量300〜5,000のビニルエーテル化合物である活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0013】
2)前記ビニルエーテル化合物が芳香族化合物である1)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0014】
3)前記ビニルエーテル化合物が少なくとも2個のビニルエーテル基を有する1)又は2)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0015】
4)前記カチオン重合性化合物に占める前記ビニルエーテル化合物の割合が30〜70質量%である1)〜3)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0016】
5)前記カチオン重合性化合物としてエポキシ化合物又はオキセタン環含有化合物を含む1)〜4)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0017】
6)前記エポキシ化合物が脂環式化合物である5)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0018】
7)光カチオン重合開始剤を含む1)〜6)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0019】
8)顔料を含む1)〜7)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0020】
9)顔料分散剤を含む8)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0021】
10)前記顔料の平均粒径が10〜150nmである8)又は9)記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0022】
11)25℃における粘度が5〜50mPa・sである1)〜10)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
【0023】
12)1)〜11)のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いて基材上に形成した印刷物。
【0024】
本発明を更に詳しく説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク(以下、単にインクジェットインクとも称す)は、カチオン重合性化合物を含み、該カチオン重合性化合物の少なくとも1種が重量平均分子量300〜5,000のビニルエーテル化合物であることを特徴とするが、その他に顔料、顔料分散剤、光カチオン重合開始剤などを含有することが好ましい。
【0025】
以下、インクジェットインクの構成要素ごとに詳述する。
(顔料)
本発明のインクジェットインクに含まれる顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無色無機顔料又は有色有機顔料を使用することができる。有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系有機顔料;キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系有機顔料;ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系有機顔料;イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系有機顔料;ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系有機顔料;チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン系有機顔料;イソインドリンイエローなどのイソインドリン系有機顔料;その他の顔料として、フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。
【0026】
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)No.で以下に例示する。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185。
【0027】
C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240。
【0028】
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50。
【0029】
C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64。
【0030】
C.I.ピグメントグリーン7、36。
C.I.ピグメントブラウン23、25、26。
【0031】
上記顔料の中でも、キナクリドン系、フタロシアニン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、キノフタロン系、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。
【0032】
有機顔料は、レーザ散乱による測定値で平均粒径10〜150nmの微細粒子であることが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、150nmを超える場合は分散の安定維持が困難になり、顔料の沈澱が生じ易くなる。
【0033】
有機顔料の微細化は以下の方法で行うことができる。即ち、有機顔料、有機顔料の3質量倍以上の水溶性無機塩及び水溶性溶剤の少なくとも3成分から成る混合物を粘土状とし、ニーダー等で強く練り込んで微細化した後、水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とする。次いで、スラリーの濾過と水洗を繰り返して、水溶性の無機塩及び水溶性の溶剤を除去する。微細化工程において、樹脂、顔料分散剤等を添加してもよい。
【0034】
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。これらの無機塩は有機顔料の3〜20質量倍の範囲で用いる。無機塩の量が3質量倍よりも少ないと、所望の大きさの処理顔料が得られず、又、20質量倍よりも多いと、後の工程における洗浄処理が多大であり、有機顔料の実質的な処理量が少なくなる。
【0035】
水溶性溶剤は、有機顔料と破砕助剤として用いられる水溶性無機塩との適度な粘土状態を作り、充分な破砕を効率よく行うために用いられ、水に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇して溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点120〜250℃の高沸点の溶剤が好ましい。水溶性溶剤として、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(i−ペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0036】
顔料は、十分な濃度及び十分な耐光性を得るため、インクジェットインク中に3〜15質量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0037】
(顔料分散剤)
顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
【0038】
具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
【0039】
又、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」;共栄化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」;楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」等が挙げられる。
【0040】
更には、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)」、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」;ゼネカ社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13240、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000、32000」;日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」等が挙げられる。
【0041】
これらの顔料分散剤は、インク中に0.1〜10質量%の範囲で含有させることが好ましい。
【0042】
(ビニルエーテル化合物)
本発明のビニルエーテル化合物は、下記一般式(VE)で表されるビニルエーテル類とアルコール類(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンレングリコール、ペンタエリスリトール等)、フェノール類(フェノール、クレゾール、ビスフェノール、ノボラック樹脂等)、これらの金属アルコキシド、又は(メタ)アクリル系重合体とを反応させて得られるビニルエーテル化合物の内、重量平均分子量が300〜5,000、好ましくは500〜5,000のものである。更に、ビニルエーテル化合物は芳香族化合物であることが好ましい。
【0043】
一般式(VE) R1−CH=CHO−R2−X
式中、R1は水素原子又は置換基を表し、R2は2価の連結基を表し、Xはヒドロキシル基又はハロゲン原子を表す。R1で表される置換基は、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜11の芳香族基等が挙げられる。R2で表される連結基は特に限定されないが、例えば炭素数2〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合により酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキレン基、炭素数6〜11の置換されてもよい芳香族基等が挙げられる。
【0044】
一般式(VE)で表されるビニルエーテル類の代表例としては、2−ビニロキシエタノール、2−(又は3−)ビニロキシプロパノール、2−(又は4−)ビニロキシブタノール、6−ビニロキシヘキサノール、2−(ビニロキシエトキシ)エタノール、2−(ビニロキシ−i−プロポキシ)プロパノール、2−(ビニロキシエトキシ)−i−プロパノール、2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エタノール、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等のヒドロキシル基含有ビニルエーテル類;1−クロロ−2−ビニロキシエタン、1−クロロ−3−ビニロキシプロパン、1−クロロ−4−ビニロキシブタン、1−クロロ−6−ビニロキシヘキサン、1−クロロ−2−(ビニロキシ−i−プロポキシ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシ)プロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシ)−i−プロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシポリエトキシ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシポリ−i−プロポキシ)エタン等のハロゲン含有ビニルエーテル類等が挙げられる。
【0045】
このようにして得られるビニルエーテル化合物の具体例を以下に示す。
ポリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテル、ポリ(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチルエステル、フェノールノボラック樹脂ビニルエーテル、クレゾールノボラック樹脂ビニルエーテル、エチレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、エチレングリコールビス(2−ビニロキシポリ−i−プロポキシ)エチルエーテル、ジエチレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、トリエチレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、プロピレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、ジプロピレングリコールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、ブタンジオールビス(2−ビニロキシポリ−i−プロポキシ)エチルエーテル、ヘキサンジオールビス(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、シクロヘキサンジメタノールビス(2−ビニロキシポリ−i−プロポキシ)エチルエーテル、トリメチロールプロパントリ(2−ビニロキシポリエトキシ)エチルエーテル、1,1,1−トリ(4−ビニロキシフェニル)エタン、1−〔α−メチル−α−(4−ビニロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ビニロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス(4−ビニロキシフェニルスルホニルメチル)ベンゼン。
【0046】
これらのビニルエーテル化合物の内、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0047】
ビニルエーテル化合物は必須の配合成分であり、配合させることによってインクジェットインクに要求される低粘度化が実現できる。又、硬化速度も向上できる。ビニルエーテル化合物は、カチオン重合性化合物中、30〜70質量%を占めることが好ましい。
【0048】
(エポキシ化合物)
本発明で用いるエポキシ化合物は、分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物である。
【0049】
通常、エポキシ樹脂として用いられるモノマー、オリゴマー又はポリマーの何れも使用可能である。具体的には、従来公知の芳香族エポキシド、脂環族エポキシド及び脂肪族エポキシドが挙げられる。尚、以下、エポキシドとは、モノマー又はそのオリゴマーを意味する。これらの化合物は1種又は必要に応じて2種以上用いてもよい。
【0050】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0051】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく、具体例としては、例えばダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、セロキサイド2021A、セロキサイド2021P、セロキサイド2080、セロキサイド2000、エポリードGT301、エポリードGT302、エポリードGT401、エポリードGT403、EHPE−3150、EHPEL3150CE;ユニオンカーバイド社製のUVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6100、UVR−6216、UVR−6000等を挙げることができる。
【0052】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0053】
更に、これらの化合物の他に、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル及びフェノール、クレゾールのモノグリシジルエーテル等も用いることができる。これらのエポキシドの内、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
【0054】
これらエポキシ化合物は、オキセタン環含有化合物、ビニルエーテル化合物から成る液状成分中、0〜40質量%、好ましくは0〜30質量%配合される。
【0055】
(オキセタン化合物)
オキセタン化合物は、分子内に1以上のオキセタン(トリメチレンオキシド)環を有する化合物である。具体的には3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成社製:OXT101等)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン(同OXT121等)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(同OXT211等)、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル(同OXT221等)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(同OXT212等)等を好ましく用いることができ、特に3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテルが好ましい。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0056】
尚、本発明においては、前記ビニルエーテル化合物、エポキシ化合物及びオキセタン化合物をカチオン重合性化合物と称する。
【0057】
(光カチオン重合開始剤)
本発明で用いられる光カチオン重合開始剤としては、アリールスルホニウム塩誘導体(ユニオン・カーバイド社製のサイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6974;旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−152、アデカオプトマーSP−170、アデカオプトマーSP−172等)、アリルヨードニウム塩誘導体(ローディア社製のRP−2074等)、アレン−イオン錯体誘導体(チバガイギー社製のイルガキュア261等)、ジアゾニウム塩誘導体、トリアジン系開始剤及びその他のハロゲン化物等の酸発生剤が挙げられる。
【0058】
光カチオン重合開始剤は、脂環式エポキシ基を有する化合物100質量部に対して0.2〜20質量部の比率で含有させるのが好ましい。光カチオン重合開始剤の含有量が0.2質量部未満では硬化物を得ることが困難であり、20質量部を超えて含有させても更なる硬化性向上効果はない。これら光カチオン重合開始剤は、1種又は2種以上を選択して使用することができる。
【0059】
光重合促進剤としては、アントラセン、アントラセン誘導体(旭電化工業社製のアデカオプトマーSP−100等)が挙げられる。これらの光重合促進剤も1種又は複数を組み合わせて使用することができる。
【0060】
(インクの調製)
インクジェットインクは、活性エネルギー線硬化性化合物(カチオン重合性化合物及び光カチオン重合開始剤)、顔料分散剤と共に、顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散することにより製造される。予め顔料高濃度の濃縮液を作製しておき、活性エネルギー線硬化性化合物で希釈することが好ましい。通常の分散機による分散においても充分な分散が可能であり、このため、過剰な分散エネルギーが掛からず、多大な分散時間を必要としないので、インク成分の分散時の変質を招き難く、安定性に優れたインクが調製できる。調製されたインクは、孔径3μm以下、更には1μm以下のフィルターで濾過することが好ましい。
【0061】
(インクの物性)
本発明のインクジェットインクは、25℃での粘度を5〜50mPa・sと高めに調整することが好ましい。25℃での粘度がこの範囲のインクは、特に通常の4〜10kHzの周波数を有するヘッドから10〜50kHzの高周波数のヘッドにおいても安定した吐出特性を示す。粘度が5mPa・s未満の場合は、高周波数のヘッドにおいて吐出の追随性の低下が認められ、50mPa・sを超える場合は、加熱による粘度の低下機構をヘッドに組み込んだとしても吐出そのものの低下を生じ、吐出の安定性が不良となり全く吐出できなくなる。
【0062】
又、本発明のインクジェットインクは、ピエゾヘッドにおいては10μS/cm以下の電導度とし、ヘッド内部での電気的な腐食のないインクとすることが好ましい。又、コンティニュアスタイプにおいては、電解質による電導度の調整が必要であり、この場合には0.5mS/cm以上の電導度に調整する必要がある。
【0063】
(基材)
インクジェット記録に用いる基材としては、従来、各種の用途で使用されている広汎な合成樹脂が全て対象となり、具体的には、例えばポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブタジエンテレフタレート等が挙げられ、これらの合成樹脂基材の厚みや形状は何ら限定されない。
【0064】
(インクジェット記録)
本発明のインクジェットインクを使用するには、まずインクジェットインクをインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、このプリンタヘッドから基材上に吐出し、その後、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射する。これにより印刷媒体上の組成物は速やかに硬化する。
【0065】
活性エネルギー線の光源としては、紫外線を照射する場合には、例えば水銀アークランプ、キセノンアークランプ、螢光ランプ、炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ及び太陽光を使用することができる。電子線により硬化させる場合には、通常300eVの以下のエネルギーの電子線で硬化させるが、1〜5Mradの照射量で瞬時に硬化させることも可能である。
【0066】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】
実施例1
〈インクの作製〉
表1に示す顔料と顔料分散剤及びビニルエーテル化合物、エポキシ化合物、オキセタン環含有化合物を、共にサンドミルに入れて分散を4時間行い、活性エネルギー線硬化型インク原液を得た。次いで、光開始剤をインク原液に加え、光開始剤が溶解するまで穏やかに混合させた後、メンブランフィルターで加圧濾過し、12種のインクジェットインクを得た(本発明のインクNo.1〜8、比較のインクNo.9〜12)。
【0068】
本発明のインク及び比較のインク何れも、25℃での粘度は5〜50mPa・sの範囲であった。
【0069】
【表1】
【0070】
表中の化合物を下記に示す。表中の数値は質量部を示す。
(顔料)
P1:粗製銅フタロシアニン(東洋インク製造社製:銅フタロシアニン)250部、塩化ナトリウム2,500部及びポリエチレングリコール(東京化成社製:ポリエチレングリコール300)160部をスチレン製3.8リットルニーダー(井上製作所社製)に仕込み、3時間混練した。次に、混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、次いでスプレードライをして乾燥した。
【0071】
乾燥顔料の平均粒径は20nmであった。
(ビニルエーテル化合物)
VE−1:重量平均分子量384
ポリエチレングリコール(PLURIOL−E−300:BASF社製)ジビニルエーテル
VE−2:重量平均分子量484
ポリエチレングリコール(PLURIOL−E−400:BASF社製)ジビニルエーテル
【0072】
【化1】
【0073】
【化2】
【0074】
E−200−DVE:重量平均分子量284
ポリエチレングリコール(PLURIOL−E−200:BASF社製)ジビニルエーテル
DVE−3:重量平均分子量158
トリエチレングリコールジビニルエーテル(ISP社製)
(オキセタン環含有化合物)
OXT221:オキセタン化合物(東亞合成社製)
(エポキシ化合物)
CEL2021P:脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学社製)
(顔料分散剤)
32000:脂肪族変性系分散剤(ソルスパーズ32000:ゼネカ社製)
(光開始剤)
SP−152:トリフェニルスルホニウム塩(アデカオプトマーSP−15:旭電化社製)
〈印刷物の作製〉
各インクはピエゾヘッドを有するインクジェットプリンタにてポリエチレンテレフタレート(PET)基材上に印字を行った後、UV照射装置(冷陰極管8灯,出力20W)により、基材の搬送速度を20〜100cm/秒で硬化を行った。
【0075】
色違いのインク(No.1〜4)を用いてフルカラー積層画像を形成する際は、3色目迄の露光量はインクの完全硬化に必要な露光量の1/2の露光量で行い、4色目のみ完全硬化に必要な露光量を照射し、フルカラー印刷物を得た。
【0076】
〈印刷物の評価〉
得られた印刷物について、下記項目の評価を行った。
【0077】
《硬化性》
指触によりタック(べたつき)が無くなる迄のUV照射装置下の基材の搬送速度で表した。数値が大きいほど硬化に必要なエネルギーが低く、硬化性が良好である。
【0078】
《吐出安定性》
30分間の連続出射を行った後、ノズル欠の有無について観察を行い、下記の基準に則り連続出射性の評価を行った。
【0079】
○:30分連続出射でノズル欠が生じない
△:30分連続出射でノズル欠が生じないが、サテライトが発生する
×:30分連続出射でノズル欠が生じる
《膜強度》
硬化膜の強度を爪の引っ掻き試験で行った。
【0080】
○:引っ掻いても全く取れない
△:強く引っ掻くと若干取れる
×:引っ掻くと簡単に取れてしまう
《密着性》
作製した印字画像について、全く印字面に傷を付けない試料と、JIS K 5400に準拠して印字面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目を入れ、1mm角の碁盤目を100個設けた試料とを作製し、各印字面上にセロテープ(R)を貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った印字画像あるいは碁盤目の状況について、下記の基準に則り評価した。
【0081】
○:碁盤目テストでも、印字画像の剥がれが全く認められない
△:碁盤目テストでは若干のインク剥がれが認められるが、インク面に傷を付けなければ剥がれは殆ど認められない
×:両条件共に、簡単にセロテープ(R)での剥がれが認められる
《耐溶剤性、耐水性》
PET基材に印字したサンプルを50℃のアルコール、温水に10秒間浸漬した後、画像の破損、収縮具合を以下の基準により目視評価した。
【0082】
○:変化なし
△:僅かに破損、収縮が生じる
×:明らかに破損、収縮が生じる
結果を併せて表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】
表2より、本発明のインクは、硬化性、ノズルでの吐出安定性、膜強度、印字画像の密着性、印字画像の耐溶剤性、耐水性について、何れも比較インクに対し優れていることが明らかである。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、光重合性に優れ、硬化性が良好で、硬化膜の強度が強靭で、ノズルでの吐出安定性にも優れ、基材への密着性、耐溶剤性及び耐水性も良好な活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが提供でき、このインクを用いた印刷物は画質が良好で、堅牢性にも優れている。
Claims (12)
- カチオン重合性化合物を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクにおいて、該カチオン重合性化合物の少なくとも1種が重量平均分子量300〜5,000のビニルエーテル化合物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 前記ビニルエーテル化合物が芳香族化合物であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 前記ビニルエーテル化合物が少なくとも2個のビニルエーテル基を有することを特徴とする請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 前記カチオン重合性化合物に占める前記ビニルエーテル化合物の割合が30〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 前記カチオン重合性化合物としてエポキシ化合物又はオキセタン環含有化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 前記エポキシ化合物が脂環式化合物であることを特徴とする請求項5記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 光カチオン重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 顔料を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 顔料分散剤を含むことを特徴とする請求項8記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 前記顔料の平均粒径が10〜150nmであることを特徴とする請求項8又は9記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 25℃における粘度が5〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク。
- 請求項1〜11のいずれか1項記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクを用いて基材上に形成した印刷物。
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