JP5718371B2 - 乗物エンジン音の増強 - Google Patents

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Description

本発明は乗物エンジン音の増強システム、及びそれを処理するための方法に関係する。
この明細書は、乗物エンジン音の増強システムを説明する。エンジン音の増強システムは、乗物の運転者、乗物の乗員、または乗物の近くにいる人の音に関する体験及び/または振動に関する体験を加減する増強された音を提供する。例えば、エンジン音の増強システムは、比較的静かな乗物、例えば電気的に動力を供給された乗物に、エンジンが動いているという表示を、運転者に対して提供させると共に、乗物の動作状態、例えばその乗物が移動している速度に対する感覚による表示を提供させる。ハイブリッド車において、音の増強システムは、内燃力(internal combustion power)から電動機力(electric motor power)への変更にもかかわらず、運転者に一定の音に関する体験を提供し得る。エンジン音の増強システムは、乗員が、エンジン音を、大きく、刺激的で、そして乗物の外の人には迷惑に大きくないレベルで体験することを可能にし得る。エンジン音の増強システムは、歩行者に、動いている乗物、例えば電気的に動力を供給された乗物がすぐ近くに存在するという可聴表示を提供することができる。
1つの特徴において、乗物エンジン倍音増強システムを処理するための方法は、第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する段階と、個別に等化されたラウドスピーカエンジン倍音増強オーディオ信号を提供するように、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を、独立して複数のラウドスピーカのそれぞれに関して等化する段階とを含む。前記エンジン倍音増強オーディオ信号を、独立して前記複数のラウドスピーカのそれぞれに関して等化する前記段階は、前記エンジン増強オーディオ信号の位相、振幅、及び遅延の内の少なくとも2つを修正する段階を含むことができる。前記方法は、基本倍音周波数を判定する段階を含むことができると共に、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階は、前記基本倍音周波数の倍音を提供する段階と、前記基本倍音周波数の前記倍音のそれぞれを独立して等化する段階とを含むことができる。前記エンジン倍音増強オーディオ信号を、独立して複数のラウドスピーカのそれぞれに関して等化する前記段階は、前記エンジン増強オーディオ信号の位相、振幅、及び遅延の内の少なくとも2つを修正する段階を含むことができる。前記方法は、第2エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する段階を更に含むことができると共に、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階は、前記基本倍音周波数の倍音の第1セットを提供する段階と、前記基本倍音周波数の前記倍音の第1セットのそれぞれを独立して等化する段階とを含むことができ、前記第2エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階は、前記基本倍音周波数の倍音の第2セットを提供する段階と、前記基本倍音周波数の前記倍音の第2セットのそれぞれを独立して等化する段階とを含むことができる。前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する前記段階は、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する段階と、変換された第1音増強オーディオ信号の明白な発信源が第1の乗物位置になるように、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を変換する段階とを含むことができると共に、前記第2エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する前記段階は、前記第2エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する段階と、変換された第2音増強オーディオ信号の明白な発信源が第2の乗物位置になるように、前記第2エンジン倍音増強オーディオ信号を変換する段階とを含むことができる。その方法は、対応するラウドスピーカのために、個別に等化されたラウドスピーカエンジン倍音増強オーディオ信号と娯楽オーディオ信号を多重化する段階を更に含むことができる。前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階は、エンジン倍音増強利得のストリームを提供する段階と、平滑化されたエンジン倍音増強利得のストリームを提供するように、前記エンジン倍音増強利得のストリームを平滑化する段階と、前記平滑化エンジン倍音利得のストリームを前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号に適用する段階と含むことができる。前記方法は、エンジン負荷が増加しているか、もしくは減少しているかどうかを判定する段階と、もしエンジン負荷が減少しているならば、平滑化パラメータを変更する段階とを更に含むことができる。前記平滑化する段階は、ローパスフィルタ処理をする段階を含むことができる。前記第1エンジン倍音オーディオ信号を提供する段階は、エンジン倍音増強利得のストリームを提供する段階と、エンジン負荷が増加しているか、もしくは減少しているかどうかを判定する段階と、もしエンジン負荷が減少しているならば、前記エンジン倍音利得のストリームの印加に遅延を適用する段階とを含むことができる。
別の特徴では、複数のラウドスピーカ、娯楽オーディオシステム、及びエンジン倍音増強システムを備える乗物オーディオシステムにおいて、方法は、等化された娯楽オーディオ信号を提供するように、娯楽オーディオ信号を等化する段階と、エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する段階と、等化されたエンジン倍音増強オーディオ信号を提供するように、前記娯楽オーディオ信号から切り離して前記エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する段階と、前記等化された娯楽オーディオ信号と前記等化されたエンジン倍音増強オーディオ信号を多重化する段階とを含む。前記エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階は、基本倍音周波数を判定する段階と、前記基本倍音周波数の倍音を提供する段階と、前記基本倍音周波数の前記倍音のそれぞれを独立して等化する段階とを含むことができる。前記エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する前記段階が、それぞれが複数のラウドスピーカの内の1つに対応する複数のエンジン増強オーディオ信号を提供するように、エンジン増強オーディオ信号を処理する段階と、複数のエンジン増強オーディオ信号のそれぞれを独立して等化する段階とを含むことができる。
添付の図面に関連して読まれたとき、他の特徴、目的、及び利点は、下記の詳細な説明から明白になるであろう。
乗物エンジン音増強システムを備える乗物の構成図である。 エンジン倍音オーディオ信号発信源の構成図である。 エンジン倍音増強(engine harmonic enhancement:EHE)等化器及び空間プロセッサの構成図である。 サウンドステージプロセッサ及び増幅器の構成図である。 別のEHE EQ及び空間プロセッサの構成図である。 サウンドステージプロセッサの構成図である。 EHE利得及び遅延判定器の構成図である。 EHE利得及び遅延判定器の構成図である。 EHE利得及び遅延判定器の構成図である。
図面のいくらかの図の構成要素は、構成図における個別素子として示されて説明され得ると共に、特に示されない限り、“回路”と呼ばれ得るが、それらの構成要素は、アナログ回路、デジタル回路、またはソフトウェア命令を実行する1つ以上のマイクロプロセッサの内の1つとして、またはそれらの組み合わせとして、実施され得る。ソフトウェア命令は、デジタル信号処理(DSP)命令を含み得る。動作は、アナログ回路によって、もしくは、アナログ動作に等しい数学的動作もしくは論理的動作を実行するマイクロプロセッサによって実行され得る。特に示されない限り、信号線は、個別的なアナログ信号線もしくはデジタル信号線として、オーディオ信号の個別のストリームを処理するための適切な信号処理を伴う1つの個別的なデジタル信号線として、もしくは、無線通信システムの構成要素として実施され得る。いくらかの処理は、構成図において説明され得る。各ブロックで行われる作業(activity)は、1つの構成要素によって、もしくは、複数の構成要素によって実行され得ると共に、時間的に分割され得る。ブロックの作業を実行する構成要素は、物理的に分割され得る。特に示されない限り、オーディオ信号、またはビデオ信号、或いはそのいずれもが、デジタル形式かアナログ形式のいずれかに符号化されて、送信され得ると共に、図面には、従来のデジタル/アナログ変換器またはアナログ/デジタル変換器は示されないかもしれない。
図1は、乗物エンジン音増強システムを備える乗物の構成図である。エンジン倍音オーディオ信号発信源10は、エンジン倍音増強(engine harmonic enhancement:EHE)等化器及び空間プロセッサ12に操作可能に連結されると共に、エンジン倍音増強等化器及び空間プロセッサ12は、同様に、加算器14と連結される。更に、娯楽オーディオ等化器及び空間プロセッサ16によって加算器14に連結されるのは、娯楽オーディオ信号発信源18である。加算器14は、マルチチャンネル増幅器20を通して、乗物のキャビン(cabin)の周囲に配置されると共に、いくらかの実施においては例えば音響エネルギーを乗物の外部に放出するラウドスピーカ24として配置され得る、複数のラウドスピーカ22−1〜22−4に連結される。エンジン倍音オーディオ信号発信源と、EHE EQ及び空間プロセッサとの間の動作上の結合は、1本の線によって示される。エンジン倍音オーディオ信号発信源10と、EHE EQ及び空間プロセッサ12との間の動作上の関係の更に完全な説明は、次の図面において示されると共に、下記で更に詳細に説明される。EHE等化器及び空間プロセッサ12、娯楽オーディオ等化器及び空間プロセッサ16、加算器14、そして増幅器20の間の結合は、複数の線で示されたように、マルチチャネル(multichannel:多重チャンネル)であり得る。上述のように、信号線は、個別的なアナログ信号線もしくはデジタル信号線として、オーディオ信号の個別のストリームを処理するための適切な信号処理を伴う1つの個別的なデジタル信号線として、もしくは、無線通信システムの構成要素として実施され得る。
動作中、娯楽オーディオ信号発信源18と、娯楽オーディオ等化器及び空間プロセッサ16は、従来通りに(conventionally)、等化されると共に空間的に処理されたオーディオ娯楽を乗物のキャビンの乗員に提供するように動作し得る。いくらかの実施において、娯楽オーディオ信号発信源は、ナビゲーション、警報信号等のための告知オーディオ信号(announcement audio signal)を含むことができる。EHEオーディオ信号発信源は、合成的に生成されたまたは合成的に録音された、通常は毎分回転数(revolutions per minute:RPM)で参照されるエンジン回転速度に関連する倍音周波数(harmonic frequency)のエンジン音を表す信号を提供する。EHE等化器及び空間プロセッサは、ラウドスピーカ22−1〜22−4、及び24によって再生(reproduce:再現)されたとき、それらが所望の音の体験を提供するように、EHEオーディオ信号を処理する。例えば、EHEオーディオ信号に対応する音が前方のエンジン室(engine bay)17か、または後方の排気管19のいずれかから起こるように思われることが、望まれ得る。処理されたEHEオーディオ信号、及び処理された娯楽オーディオ信号は、加算器14において加算され、増幅器20によって増幅され、そしてラウドスピーカ22−1〜22−4、及び24によって音響エネルギーに変換される。
図2は、更なる詳細におけるエンジン倍音オーディオ信号発信源10の構成図である。RPM検出器及び基本周波数計算器28は、入力として、RPMにおけるエンジン回転速度を表している信号27を受け取る。RPM検出器及び基本周波数計算器28は、RPM変化率検出器(RPM rate of change detector)30、RPM範囲内検出器(RPM in range detector)32、及び倍音発生器(harmonics generator)34と、操作可能に連結される。エンジン負荷検出器(engine load detector)36は、入力として、エンジン負荷を表している信号37を受け取ると共に、エンジン負荷利得判定器(engine load gain determiner)38、及びエンジン負荷利得変動検出器(engine load gain change detector)39と、操作可能に連結される。
図3は、更なる詳細におけるEHE等化器及び空間プロセッサ12の構成図である。EHE利得及び遅延判定器21は、図2のエンジン倍音オーディオ信号発信源10のRPM変化率検出器30、エンジン負荷利得判定器38、及びRPM範囲内検出器32からの入力を受け取るように、そして、倍音加算器42からの入力を受け取り、全体増強利得(overall enhancement gain)50に対する信号を出力するように、操作可能に連結される。全体増強利得50は、サウンドステージプロセッサ52と連結される。H1形状参照テーブル(look up table:LUT)44−1・・・Hn形状LUT44−nは、図2のエンジン倍音オーディオ信号発信源10の倍音発生器34に、操作可能に連結される。加算器46−1・・・46−nは、対応する倍音形状LUT44−1・・・44−nに、図2のエンジン倍音オーディオ信号発信源10の倍音発生器34に、そして対応する倍音利得48−1・・・48−nに、操作可能に連結される。倍音利得48−1・・・48−nは、倍音加算器42に、操作可能に連結される。
図2及び図3の個々の構成要素の動作が、ここから説明されることになる。RPM検出器及び基本周波数計算器28に入力されるRPM信号は、エンジン倍音の基本周波数を判定すると共に、エンジン負荷信号は、倍音増強作用の全体の音響レベルを制御する。RPM信号は、配線(wire)上のアナログ信号、またはバス(GMLAN、CAN、MOST等)上のデジタル信号であり得る。1つの実装において、RPM信号は、エンジン回転数当たりのパルスの既知の数を示す。もしRPM信号がイグニションモジュール(ignition module)によってもたらされるならば、回転数当たりのパルス(pulses per revolution:PPR)数は、従来の(4ストローク)エンジンのシリンダーの半分だけが各回転を点火する(fire each revolution)ので、通常、各回転を点火するエンジンシリンダーの数に等しいか、あるいは、動作中のエンジンシリンダーの総数の半分に等しい。例えば、8シリンダー(8気筒)のエンジンからのイグニションベース(イグニションに基づく:ignition-based)のRPM信号は、4つのPPRを有することになる。もしRPMがクランクシャフトセンサによってもたらされるならば、パルスの数は、クランク位置を示すために使用される、通常はクランクシャフトの上死点(top dead center:TDC)位置を示すために使用される、特別な歯を含まない、クランクシャフト位置ホイール(crankshaft position wheel)上の等間隔の(equally-spaced)歯の数に等しい。
RPM検出器及び基本倍音周波数計算器は、連続するRPMパルスの間の時間を測定すると共に、基本エンジン倍音周波数を判定するために、逆数を計算する。RPM検出におけるTDCパルスまたはエラーを除去するために、検出器は、新しいパルス周期(pulse period)が以前に受け入れられたパルス周期に対する所定の許容範囲(例えば+/−25[%])より大きい場合に、新しいパルス周期を例えば前のパルス周期と置換し得る。
図2のエンジン負荷検出器36は、適切に音の増強作用のバランスをとるために、固有のエンジン音レベルを判定する。エンジン負荷を表す信号は、少なくとも2つの理由によって、音の増強レベルを制御することに適している。第一に、全体のエンジンの騒音レベルは、正のエンジン負荷が増加すると単調に増加する。第二に、エンジンが変速装置を駆動する場合に、強い増強作用は、概して正のエンジン負荷の場合にのみ望ましい。同様にエンジンブレーキとして知られている、変速装置がエンジンを駆動する場合に、負のエンジン負荷が発生する。エンジンブレーキの間に、高いレベルの固有のエンジン騒音が存在し得る一方、騒音消去(noise cancellation)がこの状況のために望まれるかもしれないが、しかし有意の音の増強作用はめったに望まれない。
乗物のエンジン制御ユニット(Engine Control Unit:ECU)は、通常、エンジン負荷と関連していると共に、アナログ形式またはデジタル形式でEHEシステムに利用可能であり得る下記の信号、例えば、アクセルペダルの位置(accelerator pedal position:APP);スロットル開度センサ(throttle position sensor:TPS);吸入空気量(mass air flow:MAF(吸気量));分岐管における絶体圧力(manifold absolute pressure:MAP);エンジントルク(engine torque);及び/または計算されたエンジン負荷(computed engine load)の内の利用可能ないくつかを有しているであろう。これらの信号の内のいずれかは、もしその信号と倍音増強作用の所望の音響レベルとの間に十分に近接した1対1の関係が存在するならば、EHE制御に適当である。
図2のRPM変化率検出器30は、RPMの変化率を検出する。エンジンは、運転者が有意の量のパワーをそれに要求する時のみ、聴覚へのフィードバックとして、心地よくて、聞こえる、力強い音を放つべきである。そのような使用法は、通常、著しく増加するエンジン負荷とRPMの両方と連結される。他のエンジン負荷の下では、エンジンは、より静かであるべきである。乗物が滑らかな(平らな)ハイウェイ(level highway)をクルージングしているとき、エンジン負荷とRPMの両方は、一般的に安定している。固定した変速機歯車(transmission gear:動力伝達装置)における乗物の減速の間、エンジン負荷とRPMの両方は、減少する。従って、RPM変化率検出器30は、RPMにおける変化が小さいか、もしくは減少しているときはいつでも、エンジン増強を低減するか、またはターンオフする。
図2の範囲内検出器32におけるRPMは、基本エンジン回転周波数が、EHEが動作するように設計されるRPMの範囲を決定する最小の周波数しきい値を下回っているか、もしくは、最大の周波数しきい値を越えているかどうかを判定する。
図2の倍音発生器34は、(非整数倍音であろう)各増強されたエンジン倍音に関する2つのパラメータを出力する。最初に、それは、基本的なエンジン回転周波数に、各増強されたエンジン倍音の次数を掛けることによって、各増強された倍音に関する周波数を計算する。次に、それは、基本周波数を、倍音形状参照テーブル(Look-Up Table:LUT)に対するインデックスに変換する。
図2のエンジン負荷利得判定器38は、2つの部分を備える。1つ目は、エンジン負荷を表す入力信号を変換すると共に、それを増強利得に変換する参照テーブルである。この利得は、エンジン負荷によって決まる固有のエンジン騒音のバランスをとるように、増強レベルを調整する。もし異なる倍音の音響レベルにエンジン負荷を表す信号に応じて有意の差が存在するならば、複数のエンジンレベル制御テーブルが必要とされ得る。第2の部分は、利得値を平滑化する。このモジュールのための調節可能なパラメータは、立ち上がり(attack:アタック)、遅延(delay:ディレイ)、及び減衰(decay:ディケイ)、維持(hold:ホールド)を含む。これらの調節可能な特性は、運転者がスロットルを解除するときに固有のエンジン騒音より更に突然減少し得る非理想的なエンジン負荷信号を調整する。
エンジン負荷利得変動検出器39は、エンジン負荷が増加しているか、もしくは減少しているかどうかを判定すると共に、エンジン負荷が増加しているか、もしくは減少している速度を判定し得る。一般的に、エンジン負荷が増加しているならば、EHE信号の振幅がエンジン負荷を追跡し、しかし、エンジン負荷が減少しているならば、EHE信号の振幅がエンジン負荷より更に徐々に減少するという条件において、更に現実的な効果が達成される。
図3の倍音形状LUT44−1〜44−nは、各増強された倍音の音響レベルが周波数に依存することを可能にする周波数対利得参照テーブル(LUT)である。この形状制御部は、倍音増強レベルを調整する利得を出力する。その結果生じる、スピーカを通して出力されると共に固有の倍音音響レベルと音響的に加算された増強作用は、所望の目標に適合する音響レベルを生成する。この目的を達成するために、参照テーブルは、全てが乗員の耳で理想的に測定された、固有の倍音レベル、目標倍音レベル、及びオーディオシステムの伝達関数から構成されなければならない。参照テーブルは、隣接の周波数インデックスの間で補間された(interpolated)音響レベル値が所望の増強要求を満たし、そして、粗すぎる周波数間隔に起因する増強作用の不自然な結果をもたらさないように、十分な周波数分解能を有しているべきである。計算の効率のために、全ての倍音形状LUTは、通常エンジンのRPM(毎分回転数)の第1の倍音に基づく、同じ周波数インデックスを使用し得る。もしそうであるならば、その場合に、全ての形状LUTは、同じ数のエントリ(entry)を有していることになる。そのような場合を仮定すると、最も高い次数のEHE倍音は、それが所定のRPM範囲に関して最も大きい周波数範囲をカバーすることになるので、LUTエントリの必要数を決定することになる。例えば、第一次の倍音は、600から6000までのPRM範囲に関して90[Hz]の範囲(10[Hz]から100[Hz])をカバーし、一方、第十次の倍音は、同一のRPM範囲に関して900[Hz]の範囲をカバーすることになる。
倍音利得48−1・・・48−nは、倍音形状LUT44−1〜44−nからの入力、及び、倍音発生器34によって判定された倍音周波数のそれぞれに関するシヌソイド(sinusoid)の瞬時値に基づいて、個別の倍音に特定の利得(individual harmonic specific gain)を、各々の倍音に適用(印加)する。
EHE利得及び遅延判定器21は、EHE全体増強利得50によって適用されるべき利得の量を判定する。EHE利得判定器は、EHE利得を判定するために、エンジン負荷、エンジン負荷の変化、RPM、及びRPMにおける変化率を使用し得る。更に、EHE利得判定器は、機械システムの場合における音の変化と類似して、音の変化(sound variation)が自然であり、そして歪みがないように、利得値を平滑化し得る。
全体増強利得50は、増強作用の周波数に依存する形状を変更することなく、個別の倍音の全体の音響レベルを変更することができる。倍音形状LUT44−1〜44−nがこれらの利得を組み込むことができるので、この特徴は全ての場合に絶対的に必要とされるとは限らない。全体増強利得50は、モノラルの、加算されて増減された(summed and scaled)EHEオーディオ信号を出力する。
サウンドステージプロセッサ52は、音の増強システムの音響映像を判定するように、モノラルの、加算されて増減されたEHE信号を処理する。サウンドステージプロセッサは、図1の各ラウドスピーカ22−1〜22−4及び24のための個別のオーディオ等化フィルタを通して、モノラルのEHE信号を処理する。オーディオ等化フィルタは、周波数及び遅延に応じて、振幅及び位相応答を制御する。伝統的な娯楽オーディオ等化及び空間イメージング(spatial imaging:空間画像化)調整技術(tuning technique)に加えて、サウンドステージプロセッサ52は、所望の音波イメージングを達成するために、更に、利得を調整し得ると共に、特定の周波数範囲にわたって特定のEHEスピーカをターンオフすることさえできる。EHEイメージング(imaging:画像化)の必要条件が娯楽オーディオの必要条件と通常異なるので、少なくともいくらかのEHE等化コンポーネントは、娯楽オーディオ等化コンポーネントから分離されている可能性がある。サウンドステージプロセッサ52は、所望の倍音の所望の振幅を達成するばかりでなく、エンジン倍音の所望の明白な発信源、例えば図1のエンジン室17または排気管19を実現するように、EHE信号を操作する。
サウンドステージプロセッサ52及び増幅器20は、図4において更に詳細に示される。サウンドステージプロセッサ52は、各スピーカのためのものである、複数の等化器(EQ)53−1〜53−5を備える。増幅器20は、両方とも各スピーカのためのものである、複数の加算器54−1〜54−5、及び複数のチャンネル増幅器56−1〜56−5を備える。いくらかの例において、等化器の数は、スピーカの実際の数より大きいか、もしくは少ないかもしれないと共に、理想的なスピーカのセットの配置に従って信号を等化し得る。等化された出力は、サウンドステージプロセッサ52の追加のステージによって、または、増幅器20の中の処理によって、スピーカの実際の数に適合するように再度混合される。
動作中、スピーカ用EQ53−1〜53−5のそれぞれは、全体増強利得50からの信号に対する振幅の調整(それはスピーカのターンオフを含み得る)及び位相の調整及び遅延の適用を含むことができる等化を適用する。スピーカ用EQ53−1〜53−5からの個々に等化された信号は、加算器54−1〜54−5における増幅器において、対応するスピーカを対象とした娯楽オーディオシステムからの信号と加算されると共に、加算された信号は、チャンネル増幅器56−1〜56−5によって増幅される。増幅されたチャンネル信号は、次に、オーディオ信号を音(sound)に変換するラウドスピーカ22−1〜22−4及びラウドスピーカ24に伝送される。
図1〜図4で説明されたEHEシステムにおいて、全体増強利得50からの単一のオーディオ信号が存在するか、あるいは、言い換えれば、EHEシステムが単に1つのチャンネルを有する場合、それはモノラルである。
図5は、1つより多いチャンネルを有する更に複雑なEHE EQ及び空間プロセッサ12を示す。EHE EQ及び空間プロセッサ12は、独立してH1〜Hx及びHy〜Hnの2つの倍音のグループを処理する。いくらかの実施において、倍音H1〜Hxは、低次側の倍音であり、倍音Hy〜Hnは、高次側の倍音であり得る。形状LUT44−1〜44−xのそれぞれ、形状LUT44−y〜44−nのそれぞれ、倍音利得48−1〜48−xのそれぞれ、倍音利得48−y〜48−nのそれぞれは、利得を倍音のそれぞれに適用するために、上記で説明されたように動作する。加算器42Aは、倍音利得48−1〜48−xの出力を加算し、全体増強利得50Aは、サウンドステージプロセッサ52に対して、結合された倍音利得48−1〜48−xに基づくEHEオーディオ信号を用意するために、上記で説明されたように動作する。同様に、加算器42Bは、倍音利得48−y〜48−nの出力を加算し、全体増強利得50Bは、サウンドステージプロセッサ52に対して、結合された倍音利得48−y〜48−nに基づくEHEオーディオ信号を用意するために、上記で説明されたように動作する。EHE利得及び遅延判定器21は、RPM変化率検出器30、RPM範囲内検出器32、エンジン負荷利得判定器38、及びエンジン負荷利得変動検出器39からの入力に基づいて、全体増強利得50A及び50Bにおいて適用するべき利得を判定するために、上記で説明されたように動作する。EHE EQ及び空間プロセッサ12は、3つ以上のチャンネルを含むように拡張され得る。
図6は、図5のEHE EQ及び空間プロセッサ12において使用するためのサウンドステージプロセッサ52を示す。図6のサウンドステージプロセッサ52は、倍音46−1〜46−x及び倍音46−y〜46−nのセットのそれぞれに関する音響映像を判定するように、全体増強利得50A及び50Bからの、加算されて増減されたEHEオーディオ信号を処理する。サウンドステージプロセッサは、図1の各ラウドスピーカ22−1〜22−4及び24のための個別のオーディオ等化フィルタ53−1〜53−5を通して、全体増強利得50A及び50BからのEHE信号のそれぞれを別々に処理する。各等化フィルタ53−1〜53−5は、点線における個別の経路によって表されるように、等化フィルタ53−1〜53−5を通して、異なる等化を全体増強利得50A及び50BからのEHE信号に適用し得る。2つの等化経路は、等化の後で合計されると共に、増幅器20に供給され、そして、図4の考察において上述されたように処理される。オーディオ等化フィルタは、周波数及び遅延の関数として、振幅応答及び位相応答を制御する。伝統的な娯楽オーディオ等化及び空間イメージング(spatial imaging:空間画像化)調整技術(tuning technique)に加えて、サウンドステージプロセッサ52は、所望の音波イメージングを達成するために、更に、利得を調整し得ると共に、特定の周波数範囲にわたって特定のEHEスピーカをターンオフすることさえできる。EHEイメージング(imaging:画像化)の必要条件が娯楽オーディオの必要条件と通常異なるので、少なくともいくらかのEHE等化コンポーネントは、娯楽オーディオ等化コンポーネントから分離されている可能性がある。サウンドステージプロセッサ52は、所望の倍音の所望の振幅を達成するばかりでなく、エンジン倍音のセットのそれぞれの所望の明白な発信源を実現するように、EHE信号を操作する。例えば、よりハイエンド(higher end:より高位)の倍音の発信源は図1のエンジン室17であり、よりローオーダ(lower order:より低位)の倍音の発信源は図1の排気管19であろう。図5のEHE EQ及び空間プロセッサ12、及び図6のサウンドステージプロセッサは、2を超えるチャンネルを提供するように拡張され得る。
図7は、構成要素21、21A、または21Bのいずれかのために使用され得るEHE利得及び遅延判定器を示す。図7のEHE利得及び遅延判定器は、RPM変化率検出器30、RPM範囲内検出器32、エンジン負荷利得判定器38から入力を受け取り、そしてエンジン負荷利得変動検出器39から入力を同様に受け取り得ると共に、EHE利得のストリームを判定して出力する利得判定ロジック(gain determination logic)60を備える。利得判定ロジックによって判定されたEHE利得のストリームは、次に、EHE利得における突然の変化の可能性を減少させるように、利得平滑器(gain smoother)62によって平滑化され得る。その平滑化は、スルーイング(slewing)、窓付き平均化(windowed averaging:窓平均化)、ローパスフィルタ処理(low pass filtering)、非線形平滑化技術(nonlinear smoothing technique)、時変平滑化技術(time varying smoothing technique)、またはその他という形を取り得る。1つの実装において、利得平滑器62は、単極(single pole)のローパスフィルタ、または可変極(variable pole)のローパスフィルタであり得る、ローパスフィルタである。もしエンジン負荷が減少しているならば、利得平滑器は、平滑化パラメータを変更し得る。例えば、ローパスフィルタの折れ点周波数(break frequency)が変更され得るか、または、窓付き平均化システムにおける窓の幅が変更され得る。
図8は、構成要素21、21A、または21Bのいずれかのために使用され得るEHE利得及び遅延判定器を示す。図8のEHE利得及び遅延判定器は、RPM変化率検出器30、RPM範囲内検出器32、及びエンジン負荷利得変動検出器39から入力を受け取ると共に、EHE利得のストリームを判定して出力する利得判定ロジック60を備える。EHE利得のストリームは、次に、立ち上がり(attack)/減衰(decay)遅延ロジック66によって処理される。エンジン負荷利得変動検出器39の考察において上述されたように、エンジン負荷が増加しているならば、EHE信号の振幅がエンジン負荷を追跡し、しかし、エンジン負荷が減少しているならば、EHE信号の振幅がエンジン負荷より更に徐々に減少するという条件において、更に現実的な効果が達成される。立ち上がり/減衰遅延ロジック66は、エンジン負荷が増加しているか、もしくは減少しているかどうかを判定する。もしエンジン負荷が減少しているならば、立ち上がり/減衰遅延ロジック66は、利得の印加に遅延を適用し得る。
図9は、構成要素21、21A、または21Bのいずれかのために使用され得るEHE利得及び遅延判定器を示す。図9のEHE利得及び遅延判定器は、図8において説明されたように機能する立ち上がり/減衰遅延ロジック、及び図7において説明されたように機能する利得平滑器に連結されると共に、図8の考察において説明されたように機能する利得判定ロジック60を備える。
図1〜図9に基づいたEHEシステムは、EHE音の更に良い聴覚像(acoustic image:音像)を提供する。倍音利得48−1・・・48−nによる個別的な個々の倍音の処理は、エンジン増強音の更に心地良く、実際的な全体の表示を提供すると共に、オーディオ信号の振幅、位相、及び遅延の個々の等化は、EHEオーディオ再生の更に実際的で、心地良い聴覚像(acoustic image:音像)を提供する。
ここで開示された特定の装置及び技術の多数の利用法、そしてここで開示された特定の装置及び技術からの新しい試みが、本発明の概念からはずれずに実施され得る。従って、本発明は、ここに開示されると共に、添付された請求項の範囲及び精神によってのみ限定される、ありとあらゆる新奇な特徴、及び特徴の新奇な組み合わせを包含すると解釈されるべきである。
10 エンジン倍音オーディオ信号発信源
12 エンジン倍音増強等化器及び空間プロセッサ
14 加算器
16 娯楽オーディオ等化器及び空間プロセッサ
17 エンジン室
18 娯楽オーディオ信号発信源
19 排気管
20 マルチチャンネル増幅器
21、21A、21B EHE利得及び遅延判定器
22−1〜22−4 ラウドスピーカ
24 ラウドスピーカ
27 エンジン回転速度を表している信号
28 RPM検出器及び基本周波数計算器
30 RPM変化率検出器
32 RPM範囲内検出器
34 倍音発生器
36 エンジン負荷検出器
37 エンジン負荷を表している信号
38 エンジン負荷利得判定器
39 エンジン負荷利得変動検出器
42 倍音加算器
42A 加算器
42B 加算器
44−1・・・44−n H1形状参照テーブル(倍音形状LUT)
44−1〜44−x、44−y〜44−n 倍音形状LUT
46−1・・・46−n 加算器
46−1〜46−x、46−y〜46−n 加算器
48−1・・・48−n 倍音利得
48−1〜48−x、48−y〜48−n 倍音利得
50 全体増強利得
50A 全体増強利得
50B 全体増強利得
52 サウンドステージプロセッサ
53−1〜53−5 等化器
54−1〜54−5 加算器
56−1〜56−5 チャンネル増幅器
60 利得判定ロジック
62 利得平滑器
66 立ち上がり/減衰遅延ロジック

Claims (10)

  1. 乗物エンジン倍音増強システムを処理するための方法であって、
    第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する段階と、
    個別に等化されたラウドスピーカエンジン倍音増強オーディオ信号を提供するように、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を、独立して複数のラウドスピーカのそれぞれに関して等化する段階と
    を含み、
    前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を、独立して前記複数のラウドスピーカのそれぞれに関して等化する前記段階が、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号の位相、振幅、及び遅延の内の少なくとも2つを修正する段階を含み、
    前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供するステップは、各増強された倍音の音響レベルが周波数に依存することを可能とする周波数対利得参照テーブル(LUT)を使用することによって前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供するステップを含み、
    記LUTの周波数インデックスの各々は、基本エンジン回転周波数から計算され、所定の範囲のRPM(毎分回転数)範囲に割り当てられ、
    前記LUTは、全てが乗員の耳で理想的に測定された固有の倍音レベル、目標倍音レベル、およびオーディオシステムの伝達関数から構成される
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記方法が、基本波倍音周波数を判定する段階を含み、
    前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階が、
    前記基本波倍音周波数の倍音を提供する段階と、
    前記基本波倍音周波数の前記倍音のそれぞれを独立して等化する段階とを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 第2エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する段階を更に含み、
    前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階が、
    前記基本波倍音周波数の倍音の第1セットを提供する段階と、
    前記基本波倍音周波数の前記倍音の第1セットのそれぞれを独立して等化する段階とを含み、
    前記第2エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階が、
    前記基本波倍音周波数の倍音の第2セットを提供する段階と、
    前記基本波倍音周波数の前記倍音の第2セットのそれぞれを独立して等化する段階とを含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する前記段階が、
    前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する段階と、
    変換された第1音増強オーディオ信号の明白な発信源が第1の乗物位置になるように、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を変換する段階とを含み、
    前記第2エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する前記段階が、
    前記第2エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する段階と、
    変換された第2音増強オーディオ信号の明白な発信源が第2の乗物位置になるように、前記第2エンジン倍音増強オーディオ信号を変換する段階とを含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階が、
    エンジン倍音増強利得のストリームを提供する段階と、
    平滑化されたエンジン倍音増強利得のストリームを提供するように、前記エンジン倍音増強利得のストリームを平滑化する段階と、
    前記平滑化されたエンジン倍音利得のストリームを前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号に適用する段階と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. エンジン負荷が増加しているか、もしくは減少しているかどうかを判定する段階と、
    もしエンジン負荷が減少しているならば、平滑化パラメータを変更する段階と
    を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記平滑化する段階が、ローパスフィルタ処理をする段階を含む
    ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. 前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を提供する前記段階が、
    エンジン倍音増強利得のストリームを提供する段階と、
    エンジン負荷が増加しているか、もしくは減少しているかどうかを判定する段階と、
    もしエンジン負荷が減少しているならば、前記エンジン倍音増強利得のストリームの印加に遅延を適用する段階と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 等化された娯楽オーディオ信号を提供するように、娯楽オーディオ信号を等化する段階と、
    等化されたエンジン倍音増強オーディオ信号を提供するように、前記娯楽オーディオ信号から切り離して前記エンジン倍音増強オーディオ信号を等化する段階と、
    対応するラウドスピーカのために、前記等化された娯楽オーディオ信号と前記等化されたエンジン倍音増強オーディオ信号を多重化する段階と
    を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 乗物エンジン倍音増強システムであって、
    第1エンジン倍音増強オーディオ信号を判定するための回路構成と、
    個別に等化された第1ラウドスピーカエンジン倍音増強オーディオ信号を提供するように、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を、独立して複数のラウドスピーカのそれぞれに関して等化するための回路構成と
    基本波倍音周波数の発信源と、
    基本波周波数の倍音の第2セットを判定するための回路構成と、
    第2エンジン倍音増強オーディオ信号を提供するように、前記基本波周波数の倍音の第2セットを処理するための回路構成と、
    個別に等化されたラウドスピーカ第2エンジン倍音増強オーディオ信号を提供するように、前記第2エンジン倍音増強オーディオ信号を、独立して複数のラウドスピーカのそれぞれに関して等化するための回路構成と
    を備え、
    前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を、独立して前記複数のラウドスピーカのそれぞれに関して等化するための前記回路構成が、前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号の位相、振幅、及び遅延の内の少なくとも2つを修正し、
    前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を判定するための前記回路構成が、前記基本波倍音周波数の倍音を提供し、
    前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を等化するための前記回路構成が、前記基本波倍音周波数の前記倍音のそれぞれを独立して等化し、
    前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を判定するための回路構成は、各増強された倍音の音響レベルが周波数に依存することを可能とする周波数対利得参照テーブル(LUT)を使用することによって前記第1エンジン倍音増強オーディオ信号を判定するように構成され、
    前記LUTの周波数インデックスの各々は、基本エンジン回転周波数から計算され、所定の範囲のRPM(毎分回転数)範囲に割り当てられ、
    前記LUTは、全てが乗員の耳で理想的に測定された固有の倍音レベル、目標倍音レベル、およびオーディオシステムの伝達関数から構成される
    ことを特徴とする乗物エンジン倍音増強システム。
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