JP5718113B2 - 鞍乗型車両のチェーンケース構造 - Google Patents

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Description

本発明は,鞍乗型車両のチェーンケース構造に関するものである。
従来,鞍乗型車両のチェーンケース構造として,例えば特許文献1に見られるような鞍乗型車両のチェーンケース構造が知られている。同文献の符号を借りて説明すると,この鞍乗型車両のチェーンケース構造は,動力源であるエンジン(3)から駆動力を出力するドライブスプロケット(7)と,後輪(4)に連結されたドリブンスプロケット(8)と,ドライブスプロケット(7)とドリブンスプロケット(8)との間に巻き掛けられ,ドライブスプロケット(7)の駆動力をドリブンスプロケット(8)に伝達するドライブチェーン(9)と,このドライブチェーン(7)の外周側を覆う周壁部と,この周壁部と一体に構成され,ドライブチェーン(9)の側方を覆う左右の側壁部とを有する樹脂製のチェーンケース(10)とを備えている。
このようなチェーンケース構造によれば,軽量化を図ることができるとともに,振動による音の発生も抑制することができる。
特開平11−139376号公報
上述したようなチェーンケース構造においては,ドライブチェーンへの給油が適切な量を超えると,ドライブチェーンから垂れまたは飛散したオイルがチェーンケース内に付着する。
上述した従来の鞍乗型車両のチェーンケース構造では,チェーンケース内に付着したオイルがチェーンケースに浸透し,チェーンケース内面が外面に比べて膨潤し,結果として,チェーンケースが変形してしまうおそれがあった。
本発明が解決しようとする課題は,ドライブチェーンへの給油が適切な量を超えた場合であっても,チェーンケースが変形しにくい鞍乗型車両のチェーンケース構造を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の鞍乗型車両のチェーンケース構造は,
動力源から駆動力を出力するドライブスプロケットと,
後輪に連結されたドリブンスプロケットと,
前記ドライブスプロケットとドリブンスプロケットとの間に巻き掛けられ,ドライブスプロケットの駆動力をドリブンスプロケットに伝達するドライブチェーンと,
このドライブチェーンの外周側を覆う周壁部と,この周壁部と一体に構成され,前記ドライブチェーンの側方を覆う左右の側壁部とを有する樹脂製のチェーンケースとを備えた鞍乗型車両のチェーンケース構造において,
前記チェーンケースの内面へのオイルの浸透によるチェーンケースの変形を抑制する変形抑制部を,前記周壁部内面,または,該周壁部内面および前記側壁部内面に一体的に設け
前記変形抑制部は,前記周壁部内面と前記左右の側壁部のうちの一方の側壁部の内面とを一体に連結する第1リブと,前記周壁部内面と前記左右の側壁部のうちの他方の側壁部の内面とを一体に連結する第2リブとを有し,
これら第1,第2リブが,前記ドライブチェーンの長手方向において,交互にかつ千鳥状に配置されていることを特徴とする。
この鞍乗型車両のチェーンケース構造によれば,チェーンケースが樹脂製であるので,軽量化を図ることができるとともに,振動による音の発生も抑制することができる。
そして,チェーンケースの周壁部内面,または,該周壁部内面および前記側壁部内面には,チェーンケースの内面へのオイルの浸透によるチェーンケースの変形を抑制する変形抑制部が一体的に設けられているので,ドライブチェーンへの給油が適切な量を超えたとしても,チェーンケースの非相似変形が抑制されることとなる。
したがって,この発明によれば,チェーンケースの変形を抑制することができるとともに,樹脂製チェーンケースの利点である軽量化および振動による音の発生抑制を両立させることができる。
また,変形が抑制される結果として,チェーンケース周辺構造とのクリアランス確保を最小限として,車両をコンパクトに形成できるとともに,変形抑制のための部品点数および組み付け工数の増加も抑制することができる。
しかも,変形抑制部は,チェーンケースの内面に設けられるので,チェーンケースの外観が損なわれることもない
さらに、前記変形抑制部は,前記周壁部内面と前記左右の側壁部のうちの一方の側壁部の内面とを一体に連結する第1リブと,前記周壁部内面と前記左右の側壁部のうちの他方の側壁部の内面とを一体に連結する第2リブとを有し,
これら第1,第2リブが,前記ドライブチェーンの長手方向において,交互にかつ千鳥状に配置されている構成となっているので、周壁部に対する,左右の側壁部のうちの一方の側壁部の変形が第1リブによって抑制され,周壁部に対する左右の側壁部のうちの他方の側壁部の変形が第2リブによって抑制される。
第1,第2リブはドライブチェーンの長手方向において,交互にかつ千鳥状に配置されているので,第1,第2リブが配置されている範囲においては,周壁部に対する左右の側壁部の変形が抑制されることとなる。
しかも,第1,第2リブは千鳥状に配置されているので,第1,第2リブ間をオイルが流れることができる。したがって,リブを設けたにもかかわらず,第1,第2リブ間にオイルが溜まりにくくなり,その分,チェーンケース内面の膨潤も抑制されるので,チェーンケースの変形もさらに抑制されることとなる。
また、上記課題を解決するために本発明の鞍乗型車両のチェーンケース構造は,
前記変形抑制部は,前記周壁部内面と前記左右の両側壁部の内面とを一体に連結し,前記ドライブチェーンの長手方向において,複数配置された第3リブと,それら第3リブの間において,前記周壁部における底部に設けられたドレン開口とを有していることを特徴とする。
このように構成すると,周壁部に対する,左右の側壁部の変形が第3リブによって抑制される。
第3リブはドライブチェーンの長手方向において,複数配置されているので,第3リブが配置されている範囲においては,周壁部に対する左右の側壁部の変形が抑制されることとなる。
しかも,第3リブの間には,前記周壁部における底部にドレン開口が設けられているので,リブを設けたにもかかわらず第3リブ同士の間にオイルが溜まりにくくなる。したがって,チェーンケース内面の膨潤も抑制されるので,チェーンケースの変形もさらに抑制されることとなる。
また、上記課題を解決するために本発明の鞍乗型車両のチェーンケース構造は,
前記変形抑制部は,前記周壁部内面と前記左右の両側壁部の内面との間において,チェーンケースの長手方向に沿って設けた凹溝を有していることを特徴とする。
このように構成すると,周壁部内面の膨潤による内面の左右方向への膨張が前記凹溝によって吸収されやすくなる。したがって,周壁部内面の左右方向への膨張が,左右の側壁に及びにくくなり,結果として,チェーンケースの変形が抑制されることとなる。
また、上記課題を解決するために本発明の鞍乗型車両のチェーンケース構造は,
前記変形抑制部は,チェーンケースの長手方向および短手方向においてそれぞれ交互にかつ隣接させて前記周壁部内面に形成された複数の肉厚部と複数の肉薄部とを有していることを特徴とする。
このように構成すると,肉厚部表面の膨潤による膨張は,肉厚部間に存在する肉薄部の上部空間によって吸収されやすくなり,薄肉部表面の膨潤による膨張は,肉厚部の表面より下層に位置する非膨潤部によって抑制される。
したがって,周壁部内面の左右方向への膨張が,左右の側壁に及びにくくなり,結果として,チェーンケースの変形が抑制されることとなる。
また、上記課題を解決するために本発明の鞍乗型車両のチェーンケース構造は,
前記変形抑制部は,前記左右の側壁部の肉厚に対し,前記周壁部の肉厚を薄くすることことを特徴とする。
このように構成すると,周壁部の内面と外面との膨張度の差を小さくすることができるので,周壁部の膨張差の影響が左右の側壁に及びにくくなり,結果として,チェーンケースの変形が抑制されることとなる。
前記チェーンケースが前記ドライブチェーンおよびドリブンスプロケットを覆う場合には,前記変形抑制部は,前記ドライブチェーン長手方向において,前記ドリブンスプロケットを覆う範囲で前記チェーンケースに設けることができる。
このように構成すると,チェーンケースの変形を効率よく抑制することができる。
ドライブチェーンに付着したオイルは,チェーンケース内においてドライブチェーンの軌道が変化する範囲,すなわち,ドリブンスプロケットへの巻き掛け範囲,およびその近くにおいて飛散しやすい。
したがって,変形抑制部を,ドリブンスプロケットを覆う範囲でチェーンケースに設けることにより,チェーンケースの長手方向において全体に変形抑制部を設けなくても,チェーンケースの変形を効率よく抑制することができる。
前記変形抑制部は,前記左右の側壁部のうち,車両の車幅方向内側に位置する方の側壁部をスイングアームに固定する固定部を有している構成とすることができる。
このように構成すると,車幅方向内側に位置する方の側壁部の左右方向への変更を確実に抑制することができる。
しかも,固定部は車両の車幅方向内側に位置する方の側壁部をスイングアームに固定するから,この固定部は外部から見えにくくすることが可能であり,外観性が損なわれないようにすることが可能である。
本発明に係る鞍乗型車両のチェーンケース構造の一実施の形態を用いた鞍乗型車両の一例を示す側面図。 同上チェーンケース構造の一実施の形態の分解斜視図。 図2における部分省略III−III断面図。 図3における部分省略IV−IV拡大断面図。 チェーンケース構造の一実施の形態の概略側面図。 他の実施の形態示す図であり,図2における部分省略III−III断面図。 図6における部分省略VII−VII拡大断面図。 他の実施の形態示す図であり,図2における部分省略III−III拡大断面図。 図8における部分省略VIII−VIII断面図。 他の実施の形態示す図であり,図2における部分省略III−III拡大断面図(図12におけるX−X断面図)。 同実施の形態示す図であり,図12におけるXI−XI断面図。断面図。 図10および図11における部分省略XII−XII断面図。 他の実施の形態示す図であり,図2における部分省略III−III拡大断面図。 他の実施の形態示す部分省略斜視図。 他の実施の形態示す部分省略斜視図。
以下,本発明に係る鞍乗型車両のチェーンケース構造の実施の形態について図面を参照して説明する。なお,各図において,同一部分ないし相当する部分には,同一の符号を付してある。
図1に示す車両1は鞍乗型車両の一例である自動二輪車であり,車体フレーム2と,この車体フレーム2に取り付けられた動力源としてのエンジンEと,このエンジンEから駆動力を出力するドライブスプロケット3と,後輪WRに連結されたドリブンスプロケット4と,ドライブスプロケット3とドリブンスプロケット4との間に巻き掛けられ,ドライブスプロケット3の駆動力をドリブンスプロケット4に伝達するドライブチェーン5と,このドライブチェーン5を覆う樹脂製のチェーンケース10とを備えている。
車体フレーム2の前部には,ハンドル6で操作される一対のフロントフォーク6fが設けられ,このフロントフォーク6fに前輪WFが回転可能に支持されている。
車体フレーム2には,スイングアーム7がピボット軸7p(図2参照)で揺動自在に設けられ,このスイングアーム7の後端に後輪WRが回転可能に支持されている。スイングアーム7と車体フレーム2との間にはクッションユニット8が設けられている。
図2および図3に示すように,チェーンケース10は,アッパケース10Uとロアケース10Lとを有しており,いずれも,ドライブチェーン5の外周側を覆う周壁部11と,この周壁部11と一体に構成され,ドライブチェーン5の側方を覆う左右の側壁部12,13とを有している。アッパケース10U,ロアケース10Lは,いずれも,例えばポリプロピレンで一体成型することができる。図2において,14はドライブチェーン5にオイルを差すための穴であり,14cはそのキャップである。
この実施の形態のチェーンケース構造は,チェーンケース10の内面へのオイルの浸透によるチェーンケースの変形を抑制する変形抑制部20を,周壁部11の内面,または,周壁部11の内面および側壁部12,13の内面に一体的に設けたことを特徴とする。
変形抑制部20は,チェーンケース10の内面へのオイルの浸透によるチェーンケース10の変形を抑制することができる構成であれば適宜の構成を採用することができる。例えば,後述するような種々の構成を採用することができる。
このようなチェーンケース構造によれば,チェーンケース10が樹脂製であるので,軽量化を図ることができるとともに,振動による音の発生も抑制することができる。
そして,チェーンケース10の周壁部内面11b,または,該周壁部内面11bおよび側壁部内面12b,13bには,チェーンケース10の内面へのオイルの浸透によるチェーンケース10の変形を抑制する変形抑制部20が一体的に設けられているので,ドライブチェーン5への給油が適切な量を超えたとしても,チェーンケース10の変形が抑制されることとなる。
チェーンケース10の内面が膨潤すると,例えば図3に矢印eで示すように,ケースの開口部が広がるような変形が生じるおそれがあるが,変形抑制部20によってチェーンケース10の変形を抑制することができる。
すなわち,この実施の形態によれば,チェーンケース10の変形を抑制することができるとともに,樹脂製チェーンケースの利点である軽量化および振動による音の発生抑制を両立させることができる。
また,変形が抑制される結果として,チェーンケース10の周辺構造とのクリアランス確保を最小限として,車両1をコンパクトに形成できるとともに,変形抑制のための部品点数および組み付け工数の増加も抑制することができる。
しかも,変形抑制部20は,チェーンケース10の内面に設けられるので,チェーンケース10の外観が損なわれることもない。
図3および図4に示す変形抑制部20は,周壁部11の内面11bと左右の側壁部12,13のうちの一方の側壁部12の内面12bとを一体に連結する第1リブ21と,周壁部内面11bと左右の側壁部12,13のうちの他方の側壁部13の内面13bとを一体に連結する第2リブ22とを有し,これら第1,第2リブ21,22が,ドライブチェーン5の長手方向(車両1の前後方向であり,図4における上下方向)において,交互にかつ千鳥状に配置されている。
図3および図4に示す変形抑制部20によれば,周壁部11に対する,左右の側壁部12,13のうちの一方の側壁部12の変形(矢印e方向への変形)が,周壁部11と側壁部12とを一体に連結している第1リブ21によって抑制され,周壁部11に対する左右の側壁部のうちの他方の側壁部13の変形が,周壁部11と側壁部13とを一体に連結している第2リブ22によって抑制される。
第1,第2リブ21,22はドライブチェーン5の長手方向において,交互にかつ千鳥状に配置されているので,第1,第2リブ21,22が配置されている範囲においては,周壁部11に対する左右の側壁部12,13の変形が抑制されることとなる。
しかも,第1,第2リブ21,22は千鳥状に配置されているので,図4に矢印Oで示すように第1,第2リブ間をオイルが流れることができる。したがって,リブ21,22を設けたにもかかわらず,第1,第2リブ21,22間にオイルが溜まりにくくなり,その分,チェーンケース内面の膨潤も抑制されるので,チェーンケース10の変形もさらに抑制されることとなる。
変形抑制部20(例えば第1,第2リブ21,22,あるいは後述する構成の変形抑制部20)を設ける範囲は,アッパケース10Uおよびロアケース10Lの周壁部11の全周に亘って設けることもできるし,一部にのみ設けることもできる。また,ロアケース10Lにのみ設けることもできる。
図1に示すように,チェーンケース10はドライブチェーン5およびドリブンスプロケット4を覆っている。
このような場合には,例えば図5に示すように,変形抑制部20(例えば上記リブ21,22あるいは後述する構成の変形抑制部20)は,ドライブチェーン5の長手方向(図5において左右方向であり,車両の前後方向)において,ドリブンスプロケット5を覆う範囲(破線の斜線部分)でチェーンケース10に設けることができる。
このように構成すると,チェーンケース10の変形を効率よく抑制することができる。
ドライブチェーン5に付着したオイルは,チェーンケース10内においてドライブチェーン5の軌道が変化する範囲,すなわち,ドリブンスプロケット4への巻き掛け範囲α,およびその近くにおいて飛散しやすい。
したがって,変形抑制部20を,ドリブンスプロケット4を覆う範囲でチェーンケース10に設けることにより,チェーンケース10の長手方向において全体に変形抑制部を設けなくても,チェーンケース10の変形を効率よく抑制することができる。
例えば図6,図7に示すように,変形抑制部20は,周壁部内面11bと左右の両側壁部12,13の内面12b,13bとを一体に連結し,ドライブチェーン5の長手方向において,複数配置された第3リブ23と,それら第3リブ23の間において,周壁部11における底部11cに設けられたドレン開口11dとを有している構成とすることができる。
このように構成すると,周壁部11に対する,左右の側壁部12,13の変形が第3リブ23によって抑制される。
第3リブ23はドライブチェーン5の長手方向において,複数配置されているので,第3リブ23が配置されている範囲においては,周壁部11に対する左右の側壁部12,13の変形が抑制されることとなる。
しかも,第3リブ23の間には,周壁部11における底部11cにドレン開口11dが設けられているので,リブ23を設けたにもかかわらず第3リブ23同士の間にオイルが溜まりにくくなる。したがって,チェーンケース10内面,特に底部11c内面の膨潤も抑制されるので,チェーンケース10の変形がさらに抑制されることとなる。また,ドレン開口11dは底部11cの膨潤による膨張を吸収する役割も果たすので,チェーンケース10の変形はさらに抑制される。
例えば図8,図9に示すように,変形抑制部20は,周壁部内面11bと左右の両側壁部12,13の内面12b,13bとの間において,チェーンケース10の長手方向に沿って設けた凹溝24,24を有している構成とすることができる。
このように構成すると,周壁部内面11bの膨潤による内面11bの左右方向への膨張が凹溝24,24によって吸収されやすくなる。したがって,周壁部内面11bの左右方向への膨張が,左右の側壁12,13に及びにくくなり,結果として,チェーンケース10の変形(特に矢印e方向への変形)が抑制されることとなる。
例えば図10〜図12に示すように,変形抑制部20は,チェーンケース10の長手方向および短手方向においてそれぞれ交互にかつ隣接させて周壁部内面11bに形成された複数の肉厚部25と複数の肉薄部26とを有している構成とすることができる。図12においては,肉厚部25を黒塗り部で示してある。
このように構成すると,肉厚部25の表面の膨潤による横方向への膨張は,肉厚部25間に存在する肉薄部26の上部空間26sによって吸収されやすくなり,薄肉部26の表面の膨潤による横方向への膨張は,肉厚部25の表面より下層に位置する非膨潤部25c(図10,図11において仮想線より下部として示した)によって抑制される。
したがって,周壁部内面11bの左右方向への膨張が,左右の側壁12,13に及びにくくなり,結果として,チェーンケース10の変形が抑制されることとなる。
例えば図13に示すように,変形抑制部20は,左右の側壁部12,13の肉厚T2に対し,周壁部11の肉厚T1を薄くすることで構成することができる。
このように構成すると,周壁部11の内面11bと外面11gとの膨張度の差を小さくすることができるので,周壁部11の内面11bと外面11gとの膨張差の影響が左右の側壁12,13に及びにくくなり,結果として,チェーンケース10の変形が抑制されることとなる。
図13に示す周壁部11には,チェーンケース10の長手方向に伸びる凹溝11hが設けられている。これにより,周壁部11の内面11bの左右方向への膨張が凹溝11hで吸収されやすくなり,チェーンケース10の変形が一層抑制される。
チェーンケース10ないしチェーンケース10をなすアッパケース10Uとロアケース10Lのスイングアーム7への取付構造,アッパケース10Uとロアケース10Lとの結合構造は,適宜の構造を採用できる。
この実施の形態では,図2に示すように,チェーンケース10をなすアッパケース10Uとロアケース10Lとを接合し,アッパケース10Uはボルト15,15でスイングアーム7のフランジ部7b,7bに固定し,ロアケース10Lはボルト15,15でスイングアーム7のフランジ部7c,7cに固定する。
図14または図15に示すように,変形抑制部20は,左右の側壁部12,13のうち,車両1の車幅方向内側に位置する方の側壁部13をスイングアーム7に固定する固定部27を有している構成とすることができる。
このように構成すると,車幅方向内側に位置する方の側壁部13の左右方向への変更を確実に抑制することができる。
しかも,固定部27は車両の車幅方向内側に位置する方の側壁部13をスイングアーム7に固定するから,この固定部27は外部から見えにくくすることが可能であり,外観性が損なわれないようにすることが可能である。
図14に示す固定構造は,スイングアーム7に固定金具28bを溶接等で固着し,この固定金具28bと対をなす固定金具28cをチェーンケース10の外側(車幅方向内側)からチェーンケース10に当ててボルト28dで固定金具28bに締め付け固定した構造である。
図15に示す固定構造は,スイングアーム7に固定金具29bを溶接等で固着し,この固定金具28bに対し,チェーンケース10の側壁部13を車幅方向内側からボルト29dで締め付け固定した構造である。図15に示す構造は,アッパケース10Uの側壁部13を固定金具29bで固定しているが,ロアケース10Lの13に対しても同様の構造を採用することができる。
なお,固定構造は図14,図15に示す構造に限らす,固定部27が外部から見えにく構造であれば適宜の構造を採用し得る。
以上,本発明の実施の形態について説明したが,本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく,本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
1:鞍乗型車両, E:エンジン(動力源), 3:ドライブスプロケット, 4:ドリブンスプロケット, 5:ドライブチェーン, 7:スイングアーム, 10:チェーンケース, 10U:アッパケース, 10L:ロアケース, 11:周壁部, 11b:内面, 11c:底部, 11d:ドレン開口, 12,13:側壁部, 12b,13b:内面, 20:変形抑制部, 21:第1リブ, 22:2リブ, 23:第3リブ, 24:凹溝, 25:肉厚部, 26:肉薄部, 27:固定部。

Claims (7)

  1. 動力源から駆動力を出力するドライブスプロケット(3)と,
    後輪に連結されたドリブンスプロケット(4)と,
    前記ドライブスプロケット(3)とドリブンスプロケット(4)との間に巻き掛けられ,ドライブスプロケット(3)の駆動力をドリブンスプロケット(4)に伝達するドライブチェーン(5)と,
    このドライブチェーン(5)の外周側を覆う周壁部(11)と,この周壁部(11)と一体に構成され,前記ドライブチェーン(5)の側方を覆う左右の側壁部(12,13)とを有する樹脂製のチェーンケース(10)とを備えた鞍乗型車両のチェーンケース構造において,
    前記チェーンケース(10)の内面へのオイルの浸透によるチェーンケース(10)の変形を抑制する変形抑制部(20)を,前記周壁部内面(11b),または,該周壁部内面(11b)および前記側壁部内面(12b,13b)に一体的に設け
    前記変形抑制部(20)は,前記周壁部内面(11b)と前記左右の側壁部のうちの一方の側壁部(12)の内面(12b)とを一体に連結する第1リブ(21)と,前記周壁部内面(11b)と前記左右の側壁部のうちの他方の側壁部(13)の内面(13b)とを一体に連結する第2リブ(22)とを有し,
    これら第1,第2リブ(21,22)が,前記ドライブチェーン(5)の長手方向において,交互にかつ千鳥状に配置されていることを特徴とする鞍乗型車両のチェーンケース構造。
  2. 動力源から駆動力を出力するドライブスプロケット(3)と,
    後輪に連結されたドリブンスプロケット(4)と,
    前記ドライブスプロケット(3)とドリブンスプロケット(4)との間に巻き掛けられ,ドライブスプロケット(3)の駆動力をドリブンスプロケット(4)に伝達するドライブチェーン(5)と,
    このドライブチェーン(5)の外周側を覆う周壁部(11)と,この周壁部(11)と一体に構成され,前記ドライブチェーン(5)の側方を覆う左右の側壁部(12,13)とを有する樹脂製のチェーンケース(10)とを備えた鞍乗型車両のチェーンケース構造において,
    前記チェーンケース(10)の内面へのオイルの浸透によるチェーンケース(10)の変形を抑制する変形抑制部(20)を,前記周壁部内面(11b),または,該周壁部内面(11b)および前記側壁部内面(12b,13b)に一体的に設け、
    前記変形抑制部(20)は,前記周壁部内面(11b)と前記左右の両側壁部の内面(12b,13b)とを一体に連結し,前記ドライブチェーン(5)の長手方向において,複数配置された第3リブ(23)と,それら第3リブ(23)の間において,前記周壁部(11)における底部(11c)に設けられたドレン開口(11d)とを有していることを特徴とする鞍乗型車両のチェーンケース構造。
  3. 動力源から駆動力を出力するドライブスプロケット(3)と,
    後輪に連結されたドリブンスプロケット(4)と,
    前記ドライブスプロケット(3)とドリブンスプロケット(4)との間に巻き掛けられ,ドライブスプロケット(3)の駆動力をドリブンスプロケット(4)に伝達するドライブチェーン(5)と,
    このドライブチェーン(5)の外周側を覆う周壁部(11)と,この周壁部(11)と一体に構成され,前記ドライブチェーン(5)の側方を覆う左右の側壁部(12,13)とを有する樹脂製のチェーンケース(10)とを備えた鞍乗型車両のチェーンケース構造において,
    前記チェーンケース(10)の内面へのオイルの浸透によるチェーンケース(10)の変形を抑制する変形抑制部(20)を,前記周壁部内面(11b),または,該周壁部内面(11b)および前記側壁部内面(12b,13b)に一体的に設け、
    前記変形抑制部(20)は,前記周壁部内面(11b)と前記左右の両側壁部の内面(12b,13b)との間において,チェーンケース(10)の長手方向に沿って設けた凹溝(24)を有していることを特徴とする鞍乗型車両のチェーンケース構造。
  4. 動力源から駆動力を出力するドライブスプロケット(3)と,
    後輪に連結されたドリブンスプロケット(4)と,
    前記ドライブスプロケット(3)とドリブンスプロケット(4)との間に巻き掛けられ,ドライブスプロケット(3)の駆動力をドリブンスプロケット(4)に伝達するドライブチェーン(5)と,
    このドライブチェーン(5)の外周側を覆う周壁部(11)と,この周壁部(11)と一体に構成され,前記ドライブチェーン(5)の側方を覆う左右の側壁部(12,13)とを有する樹脂製のチェーンケース(10)とを備えた鞍乗型車両のチェーンケース構造において,
    前記チェーンケース(10)の内面へのオイルの浸透によるチェーンケース(10)の変形を抑制する変形抑制部(20)を,前記周壁部内面(11b),または,該周壁部内面(11b)および前記側壁部内面(12b,13b)に一体的に設け、
    前記変形抑制部(20)は,チェーンケース(10)の長手方向および短手方向においてそれぞれ交互にかつ隣接させて前記周壁部内面(11b)に形成された複数の肉厚部(25)と複数の肉薄部(26)とを有していることを特徴とする鞍乗型車両のチェーンケース構造。
  5. 動力源から駆動力を出力するドライブスプロケット(3)と,
    後輪に連結されたドリブンスプロケット(4)と,
    前記ドライブスプロケット(3)とドリブンスプロケット(4)との間に巻き掛けられ,ドライブスプロケット(3)の駆動力をドリブンスプロケット(4)に伝達するドライブチェーン(5)と,
    このドライブチェーン(5)の外周側を覆う周壁部(11)と,この周壁部(11)と一体に構成され,前記ドライブチェーン(5)の側方を覆う左右の側壁部(12,13)とを有する樹脂製のチェーンケース(10)とを備えた鞍乗型車両のチェーンケース構造において,
    前記チェーンケース(10)の内面へのオイルの浸透によるチェーンケース(10)の変形を抑制する変形抑制部(20)を,前記周壁部内面(11b),または,該周壁部内面(11b)および前記側壁部内面(12b,13b)に一体的に設け、
    前記変形抑制部(20)は,前記左右の側壁部(12,13)の肉厚(T2)に対し,前記周壁部(11)の肉厚(T1)を薄くすることで構成したことを特徴とする鞍乗型車両のチェーンケース構造。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか一項において,
    前記チェーンケース(10)は前記ドライブチェーン(5)およびドリブンスプロケット(4)を覆うチェーンケースであり,前記変形抑制部(20)は,前記ドライブチェーン長手方向において,前記ドリブンスプロケット(4)を覆う範囲で設けたことを特徴とする鞍乗型車両のチェーンケース構造。
  7. 請求項1〜のうちいずれか一項において,
    前記チェーンケース(10)が取り付けられるスイングアーム(7)をさらに備え,
    前記変形抑制部(20)は,前記左右の側壁部(12,13)のうち,車両の車幅方向内側に位置する方の側壁部(13)を前記スイングアーム(7)に固定する固定部を有していることを特徴とする鞍乗型車両のチェーンケース構造。
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