JP5715824B2 - スルフォレン化合物の製造方法およびスルフォラン化合物の製造方法 - Google Patents

スルフォレン化合物の製造方法およびスルフォラン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、重合物の生成を抑制することができるスルフォレン化合物の製造方法に関する。また、本発明は、水素化触媒の活性が阻害されることを抑制し、スルフォレン化合物を円滑に水素化することができるスルフォラン化合物の製造方法に関する。
スルフォラン化合物はベンゼン、トルエンやキシレン等の抽出溶媒、酸性ガスの除去剤、芳香族化合物の反応溶媒および電子部品製造用の溶媒等に用いられている。スルフォラン化合物の製造方法としては、共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて得られるスルフォレン化合物を水素化してスルフォラン化合物を得る方法が挙げられる。
しかしながら、一般にスルフォラン化合物の製造においては、スルフォレン化合物を得る反応において、重合物が生成して設備の配管が閉塞したり、スルフォレン化合物の水素化反応において、残存する二酸化硫黄等によって、水素化触媒の活性が阻害され、反応に時間を要し、多量の触媒を追加する必要があったりするなどの不具合があった。
そこで、スルフォレンの製造方法において、重合抑制剤として4−t−ブチルカテコールを二酸化硫黄に添加し、ブタジエンと反応させることにより、重合物の生成を抑制する方法(特許文献1)や、スルフォラン化合物の製造方法において、重合抑制剤としてジメチルアミンを用い、ブタジエンと二酸化硫黄とを反応させてスルフォレン化合物を得た後、反応系内に残存する二酸化硫黄により水素化触媒の活性が阻害されないように、水素化反応前に不活性ガスを導入して二酸化硫黄を除去する方法が提案されている(特許文献2)。
特開平7−17970号公報 特開平6−321936号公報
特許文献1の方法によると、スルフォレンの製造における重合物生成の抑制に効果があるが、反応条件によっては必ずしも充分ではなかった。また、特許文献2の方法によると、水素化反応前に二酸化硫黄を除去しても、重合抑制剤として使用したジメチルアミンを除去しなければ、水素化反応が阻害されるという不具合があった。さらに、市販等により入手したスルフォレン化合物を出発原料とする場合であっても、水素化反応に時間を要する等の不具合があった。
本発明は、重合物の生成を抑制することができるスルフォレン化合物の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、水素化触媒の活性が阻害されることを抑制し、スルフォレン化合物を円滑に水素化することができるスルフォラン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを、メタロセン化合物の存在下で反応させる工程を有し、前記メタロセン化合物の使用割合が前記共役ジエン化合物1モルに対して0.000001〜0.1モルである式(2)で表されるスルフォレン化合物の製造方法である。
Figure 0005715824
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
Figure 0005715824
式(2)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
また、本発明は、式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを、メタロセン化合物の存在下で反応させて製造した式(2)で表されるスルフォレン化合物を、水素化触媒の存在下で水素化させる工程を有し、前記メタロセン化合物の使用割合が前記共役ジエン化合物1モルに対して0.000001〜0.1モルである式(3)で表されるスルフォラン化合物の製造方法である。
Figure 0005715824
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
Figure 0005715824
式(2)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
Figure 0005715824
式(3)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
さらに、本発明のスルフォラン化合物の製造方法の別の態様は、式(2)で表されるスルフォレン化合物を、水素化触媒、並びに、安定化剤および/またはアルカリ剤の存在下において水素化させる工程を有する式(3)で表されるスルフォラン化合物の製造方法である。
Figure 0005715824
式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
Figure 0005715824
式(3)中、R〜Rは、式(2)におけるR〜Rと同じ基を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。最初に、本発明のスルフォレン化合物の製造方法について詳細に説明する。
式(1)で表される共役ジエン化合物の具体例としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタジエン、2−イソブチル−1,3−ブタジエン、2−tert−ブチル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジブチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、3−メチル−2,4−ヘキサジエン、3−ヘキシル−2,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、3,5−オクタジエン、3−メチル−3,5−オクタジエン、3,6−ジメチル−3,5−オクタジエン、4,5−ジメチル−3,5−オクタジエン、4,6−デカジエン、5−メチル−4,6−デカジエンおよび5,6−ジメチル−4,6−デカジエン等が挙げられる。なかでも、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエンおよび3,4−ジメチル−2,4−ヘキサジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の共役ジエン化合物であることが好ましい。
前記共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応において、二酸化硫黄の使用割合は特に限定されないが、例えば、共役ジエン化合物1モルに対して、0.5〜10モルの割合であることが好ましく、0.75〜5モルであることがより好ましい。二酸化硫黄の使用割合が0.5モル未満の場合は、式(2)で表されるスルフォレン化合物(以下、単にスルフォレン化合物ともいう)の収率が低下するおそれがあり、10モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応において用いられるメタロセン化合物の具体例としては、例えば、フェロセン、メチルフェロセン、エチルフェロセン、ブチルフェロセン、tert−ブチルフェロセン、1,1’−ジメチルフェロセン、1,1’−ジブチルフェロセン、アセチルフェロセンおよびフェニルフェロセン等のフェロセン化合物、ニッケロセン等のニッケロセン化合物、ルテノセン等のルテノセン化合物、ジルコノセン等のジルコノセン化合物並びにチタノセン等のチタノセン化合物等が挙げられる。これらのメタロセン化合物の中でも、フェロセン化合物を用いることが好ましく、フェロセンを用いることがより好ましい。これらのメタロセン化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記メタロセン化合物の使用割合は特に限定されないが、共役ジエン化合物1モルに対して、0.000001〜0.1モルの割合であることが好ましく、0.00001〜0.01モルの割合であることがより好ましい。前記メタロセン化合物の使用割合が0.000001モル未満の場合は、重合物の生成が多くなり、製造設備において配管閉塞等の障害を起こし、重合物の除去に多大な時間を要するおそれがあり、0.1モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応において、溶媒は必ずしも用いる必要はないが、例えば、原料が固体または反応液粘度が高く、攪拌が不充分な場合などでは、必要に応じて用いてもよい。用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールおよびブタノール等のアルコール類、スルフォラン、2−メチルスルフォランおよび3−メチルスルフォラン等のスルホン化合物、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物、N−メチル−2−ピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等の有機アミド化合物、並びに水等が挙げられる。
前記共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応における反応温度は、50〜150℃であることが好ましく、70〜130℃であることがより好ましい。
前記共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応における反応容器内の圧力は、反応温度等により異なるが、通常は0.2〜6.5MPaである。なお、本明細書において前記反応容器内の圧力は、大気圧を基準とする(大気圧を0とする)ゲージ圧で表す。
前記共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応における反応時間は、反応温度等により異なるが、通常は0.5〜50時間である。
前記共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応後、反応容器内に残存するガスをパージし、反応液を冷却することで、式(2)で表されるスルフォレン化合物が得られる。また、例えば、反応容器内に残存するガスをパージした後、水等の溶媒を添加し、溶液として式(2)で表されるスルフォレン化合物を得てもよい。当該溶液を冷却して析出させた後、濾過等により単離することができる。
式(2)で表されるスルフォレン化合物の具体例としては、例えば、3−スルフォレン、3−メチル−3−スルフォレン、3−エチル−3−スルフォレン、3−プロピル−3−スルフォレン、3−ブチル−3−スルフォレン、3−イソブチル−3−スルフォレン、3−tert−ブチル−3−スルフォレン、3−ヘキシル−3−スルフォレン、3,4−ジメチル−3−スルフォレン、3,4−ジエチル−3−スルフォレン、3,4−ジブチル−3−スルフォレン、3−ヘキシル−4−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジメチル−3−スルフォレン、2,3,5−トリメチル−3−スルフォレン、2,5−ジメチル−3−ヘキシル−3−スルフォレン、2,3,4,5−テトラメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−2−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−2,5−ジメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3,4−ジメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3−メチル−3−スルフォレンおよび2,5−ジプロピル−3,4−ジメチル−3−スルフォレン等が挙げられる。
前記スルフォレン化合物を単離することなく、引き続き、水素化することにより、効率よく式(3)で表されるスルフォラン化合物(以下、単にスルフォラン化合物ともいう)を得ることができる。
式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを、メタロセン化合物の存在下で反応させて製造した式(2)で表されるスルフォレン化合物を、水素化触媒の存在下で水素化させる工程を有する式(3)で表されるスルフォラン化合物の製造方法もまた、本発明の1つである。
Figure 0005715824
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
Figure 0005715824
式(2)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
Figure 0005715824
式(3)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
以下、本発明のスルフォラン化合物の製造方法について詳細に説明する。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法では、前記スルフォレン化合物を水素化する前に、水素化触媒の活性を阻害する残存二酸化硫黄を脱気等により除去しておくことが好ましい。二酸化硫黄の残存濃度は、50ppm以下であることが好ましい。二酸化硫黄の残存濃度が50ppmを超える場合は、水素化反応が不充分となるおそれがある。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法に用いられる水素化触媒の具体例としては、一般的に接触水素化反応に用いられるものであれば限定されないが、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよび白金等の金属や金属化合物を用いることができ、これらの形態としては、例えば、これらを微粉状の粉体としたもの、活性炭、酸化アルミニウム、シリカゲル、珪藻土やゼオライト等の担体に担持させたもの、ホスフィンやアミン等との錯体としたもの等が挙げられる。具体例としては、例えば、ラネーニッケル、ニッケル炭素、パラジウム炭素、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ルテニウム炭素、ロジウム炭素および白金炭素等が挙げられる。これら水素化触媒は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記水素化触媒の使用量は特に限定されないが、前記スルフォレン化合物100重量部に対して、0.05〜6.0重量部であることが好ましく、0.1〜3.0重量部であることがより好ましく、0.2〜3.0重量部であることが更に好ましい。水素化触媒の使用量が0.05重量部未満の場合は、反応が充分に完結せず、スルフォラン化合物の収率が低下するおそれがあり、6.0重量部を超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記水素化反応に用いられる反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノールおよびペンタノール等のアルコール類、スルフォラン、2−メチルスルフォラン、3−メチルスルフォランおよび3−エチルスルフォラン等のスルホン化合物、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物、N−メチル−2−ピロリドンおよびN,N−ジメチルホルムアミド等の有機アミド化合物並びに水等が挙げられる。これらの中でも、価格や扱いやすさの観点から、水が好適に用いられる。
前記反応溶媒の使用量は特に限定されないが、前記スルフォレン化合物100重量部に対して、10〜10000重量部であることが好ましく、10〜8000重量部であることがより好ましく、20〜5000重量部であることが更に好ましく、20〜4000重量部であることが特に好ましい。前記スルフォレン化合物100重量部に対する反応溶媒の使用量が10重量部未満の場合は、原料が析出する等して反応が円滑に進まず収率が低下するおそれがあり、10000重量部を超える場合は、容積効率が悪くなり使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記水素化反応の方法としては、例えば、反応容器内に水素ガスを導入し、水素雰囲気下で反応させる方法を挙げることができる。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応温度は、0〜150℃であることが好ましく、15〜100℃であることがより好ましい。反応温度が0℃未満の場合は、反応が不充分で収率が低下するおそれがあり、150℃を超える場合は、スルフォレン化合物が分解し、副生成物が生成するなどして収率が低下するおそれがある。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応容器内の圧力は、反応温度等により異なるが、通常は水素雰囲気で0〜6MPaである。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応時間は、反応温度等により異なるが、通常50〜300分である。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応後、反応容器内に残存する水素ガス等をパージし、反応液を濾過後、溶媒を減圧蒸留して除去することで、式(3)で表されるスルフォラン化合物が得られる。
式(3)で表されるスルフォラン化合物としては、スルフォラン、3−メチルスルフォラン、3−エチルスルフォラン、3−プロピルスルフォラン、3−ブチルスルフォラン、3−イソブチルスルフォラン、3−tert−ブチルスルフォラン、3−ヘキシルスルフォラン、3,4−ジメチルスルフォラン、3,4−ジエチルスルフォラン、3,4−ジブチルスルフォラン、3−ヘキシル−4−メチルスルフォラン、2,5−ジメチルスルフォラン、2,3,5−トリメチルスルフォラン、2,5−ジメチル−3−ヘキシルスルフォラン、2,3,4,5−テトラメチルスルフォラン、2,5−ジエチルスルフォラン、2,5−ジエチル−2−メチルスルフォラン、2,5−ジエチル−2,5−ジメチルスルフォラン、2,5−ジエチル−3,4−ジメチルスルフォラン、2,5−ジエチルスルフォラン、2,5−ジプロピルスルフォラン、2,5−ジプロピル−3−メチルスルフォランおよび2,5−ジプロピル−3,4−ジメチルスルフォラン等が挙げられる。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法の別の態様は、式(2)で表されるスルフォレン化合物を、水素化触媒、並びに、安定化剤および/またはアルカリ剤の存在下において水素化させる工程を有する式(3)で表されるスルフォラン化合物の製造方法である。
Figure 0005715824
式(2)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
Figure 0005715824
式(3)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
本発明の別の態様のスルフォラン化合物の製造方法における前記式(2)で表されるスルフォレン化合物は特に限定されないが、本発明のスルフォレン化合物の製造方法を用いて製造したものであることが好ましい。
本発明の別の態様のスルフォラン化合物の製造方法における前記式(2)で表されるスルフォレン化合物を水素化させる方法は、前記安定化剤および/またはアルカリ剤を用いること以外は、本発明のスルフォラン化合物の製造方法と同様であるため、前記安定化剤およびアルカリ剤以外についての詳しい説明を省略する。
本発明の別の態様のスルフォラン化合物の製造方法では、前記安定化剤を用いることにより、スルフォレン化合物の水素化反応を円滑に進行させることができる。
前記安定化剤の具体例としては、例えば、4−t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、4−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ブチルヒドロキシアニソール、ピロガロール、2,4−ジニトロフェノールおよび2,4,6−トリヒドロキシベンゼン等のフェノール化合物、p−ベンゾキノン、クロラニルおよびトリメチルキノン等のキノン、フェロセン、メチルフェロセン、アセチルフェロセン、フェニルフェロセン、ニッケロセン、ルテノセン、ジルコノセンおよびチタノセン等のメタロセン化合物並びにメトキシアニソールが挙げられる。
これらの安定化剤の中でも、価格や入手のしやすさの観点から、4−t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールおよびフェロセンが好ましく、4−t−ブチルカテコールおよびフェロセンがより好ましく用いられる。これらの安定化剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記安定化剤の使用割合は特に限定されないが、スルフォレン化合物1モルに対して、0.0001〜0.1モルの割合であることが好ましく、0.001〜0.05モルの割合であることがより好ましい。スルフォレン化合物1モルに対する安定化剤の使用割合が0.0001モル未満の場合は、スルフォレン化合物の水素化反応に時間を要したり、多量の水素化触媒が必要になったりするおそれがあり、0.1モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記安定化剤を用いることにより、スルフォレン化合物の水素化反応が円滑に進行する理由は詳らかではないが、例えば、スルフォレン化合物の熱分解等によって生じる二酸化硫黄等が、共存する水素化触媒の活性を阻害するところ、当該安定化剤が、スルフォレンの熱分解を抑制していたり、二酸化硫黄等が水素化触媒の活性を阻害することを軽減させていたりすることが考えられる。
本発明の別の態様のスルフォラン化合物の製造方法では、前記アルカリ剤を用いることにより、スルフォレン化合物の水素化反応を円滑に進行させることができる。
前記アルカリ剤の具体例としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化バリウムおよび酸化バリウム等が挙げられる。これらの中でも、後述する反応溶媒に難溶であり、反応液が過度のアルカリ性になることを防ぐ観点から、水酸化マグネシウムおよび酸化マグネシウムが好ましく用いられる。これらアルカリ剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記アルカリ剤の使用割合は特に限定されないが、スルフォレン化合物100重量部に対して、0.1〜1.0重量部であることが好ましく、0.2〜0.5重量部であることがより好ましい。スルフォレン化合物100重量部に対するアルカリ剤の使用量が0.1重量部未満の場合は、水素化反応が円滑に進まず収率が低下するおそれがあり、1.0重量部を超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記アルカリ剤を用いることにより、スルフォレン化合物の水素化反応が円滑に進行する理由は詳らかではないが、例えば、スルフォレン化合物の熱分解等によって生じる二酸化硫黄等が反応液を酸性化して、水素化触媒の金属成分が溶出し易くなり、触媒活性が低下するところ、アルカリ剤を用いて中性〜アルカリ性とすることで、前記金属成分の溶出を抑制していることが考えられる。なお、反応液のアルカリ性の程度は、副反応を防止する観点から弱アルカリ性(例えば、pH10未満)であることが好ましい。また、二酸化硫黄等とアルカリ剤とが反応して、反応溶媒に溶けにくい亜硫酸塩等となり、触媒活性を阻害することを軽減させていることも考えられ、これらが相乗的に働いて、円滑な水素化反応に作用していることが考えられる。
本発明によれば、重合物の生成を抑制することができるスルフォレン化合物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、水素化触媒の活性が阻害されることを抑制し、スルフォレン化合物を円滑に水素化することができるスルフォラン化合物の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
撹拌機、温度計、圧力計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、フェロセン0.186g(1.0mmol)を仕込み、二酸化硫黄77gを充填した。次に、オートクレーブを100℃に昇温し、1,3−ブタジエン54g(1.0mol)を、ポンプを用いて0.38g/minの速度で注入した後、100℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は2.7〜0.7MPaであった。
次いで、オートクレーブ内を放圧後、水150gを添加し、60℃に冷却した後、濾紙を用いて内容物を濾過することにより、3−スルフォレン水溶液を得た。得られた水溶液の3−スルフォレンの含有量を、液体クロマトグラフィーを用いて定量すると、103g(0.87mol)であり、1,3−ブタジエンに対する収率は87%であった。なお、前記濾過に用いた濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−スルフォレン水溶液の全量を500mlの三角フラスコに入れ、水を70g加え、35℃に加温しながら、空気を100ml/分の流量で1時間吹込むことにより、3−スルフォレン水溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。この3−スルフォレン水溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、31ppmであった。
次に、撹拌機、温度計、圧力計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、得られた3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン含有量64g(0.54mol))とラネーニッケル(50%含水品)1.04g(ニッケル純分0.52g)とを仕込み、35℃で維持した。オートクレーブ内に水素を導入して圧力計が1.0MPaになるまで充填し、1000rpmで撹拌して反応を開始した。水素が水素化反応に消費され、圧力計が0.9MPaに低下したところで水素を補充して1.0MPaに戻す操作を繰り返し、圧力の低下が停止したところで反応終了とした。その結果、反応開始から反応終了までの反応時間は78分であった。反応終了後、ガスクロマトグラフィーにより水素化の反応率を測定したところ、3−スルフォレンは消失し、100%反応が進行していることを確認した。重合物の生成量および水素化反応時間の測定結果を表1に示す。
(実施例2)
スルフォレンの製造に使用したフェロセンの配合量を0.019g(0.10mmol)としたこと以外は、実施例1と同様にして3−スルフォレン水溶液を得た。得られた水溶液の3−スルフォレンの含有量は104g(0.88mol)であり、1,3−ブタジエンに対する収率は88%であった。なお、3−スルフォレン水溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。次いで、得られた3−スルフォレン水溶液を、実施例1と同様にして水素化反応させたところ、反応時間は98分であり、100%反応が進行していることを確認した。重合物の生成量および水素化反応時間の測定結果を表1に示す。
(実施例3)
スルフォレンの製造に使用したフェロセンの配合量を0.002g(0.01mmol)としたこと以外は、実施例1と同様にして3−スルフォレン水溶液を得た。得られた水溶液の3−スルフォレンの含有量は104g(0.88mol)であり、1,3−ブタジエンに対する収率は88%であった。なお、3−スルフォレン水溶液を濾過した後の濾紙上に0.001gの重合物が認められた。次いで、得られた3−スルフォレン水溶液を、実施例1と同様にして水素化反応させたところ、反応時間は90分であり、100%反応が進行していることを確認した。重合物の生成量および水素化反応時間の測定結果を表1に示す。
(比較例1)
スルフォレンの製造に使用したフェロセン0.186g(1.0mmol)に代えて4−t−ブチルカテコール0.166g(1.0mmol)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3−スルフォレン水溶液を得た。得られた水溶液の3−スルフォレンの含有量は87g(0.75mol)であり、1,3−ブタジエンに対する収率は75%であった。なお、3−スルフォレン水溶液を濾過した後の濾紙上に3.8gの重合物が認められた。次いで、得られた3−スルフォレンの水溶液を、実施例1と同様にして水素化反応させたところ、反応時間は70分であり、100%反応が進行していることを確認した。重合物生成量および水素化反応時間の測定結果を表1に示す。
(比較例2)
スルフォレンの製造に使用したフェロセン0.186g(1.0mmol)に代えてジメチルアミン0.045g(1.0mmol)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3−スルフォレン水溶液を得た。得られた水溶液の3−スルフォレンの含有量は100g(0.85mol)であり、1,3−ブタジエンに対する収率は85%であった。なお、3−スルフォレン水溶液を濾過した後の濾紙上に0.1gの重合物が認められた。次いで、得られた3−スルフォレンの水溶液を、実施例1と同様にして水素化反応させたところ、反応時間340分でも水素圧の低下が停止せず、その時点の反応率は75%であった。重合物の生成量および水素化反応時間の測定結果を表1に示す。
(比較例3)
スルフォレンの製造に使用したフェロセン0.186g(1.0mmol)に代えて塩化鉄(II)0.13g(1.0mmol)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3−スルフォレン水溶液を得た。得られた水溶液の3−スルフォレンの含有量は103g(0.85mol)であり、1,3−ブタジエンに対する収率は85%であった。なお、3−スルフォレン水溶液を濾過した後の濾紙上に0.01gの重合物が認められた。次いで、得られた3−スルフォレンの水溶液を、実施例1と同様にして水素化反応させたところ、反応時間240分でも水素圧の低下が停止せず、その時点の反応率は57%であった。重合物の生成量および水素化反応時間の測定結果を表1に示す。
Figure 0005715824
実施例1と比較例1との比較から、重合抑制剤としてメタロセン化合物を用いることで重合物の生成が抑制されることがわかる。また、実施例1と比較例2および比較例3との比較から、メタロセン化合物を用いて作製した3−スルフォレンを用いることで、水素化反応時間が短縮され、水素化反応が円滑に進むことがわかる。
(実施例4)
撹拌機、温度計、圧力計、および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、3−スルフォレン(東京化成工業社製)64g(0.54mol)および水136gを仕込み、3−スルフォレンを溶解させた後、4−t−ブチルカテコール0.1g(0.6mmol)およびラネーニッケル(50%含水品)1.04g(ニッケル純分0.52g)を添加し、35℃に維持した。オートクレーブ内に水素を導入して圧力計が1.0MPaになるまで充填し、1000rpmで撹拌して反応を開始した。水素が水素化反応に消費され、圧力計が0.9MPaに低下したところで水素を補充して1.0MPaに戻す操作を繰り返し、圧力の低下が停止したところで反応終了とした。その結果、反応開始から反応終了までの反応時間は78分であった。反応終了後、ガスクロマトグラフィーにより水素化の反応率を測定したところ、3−スルフォレンは消失し、100%反応が進行していることを確認した。表2に結果を示す。
(実施例5)
撹拌機、温度計、圧力計、および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、ジメチルアミン0.40g(8.8mmol)を仕込み、二酸化硫黄154g(2.4mol)を充填した。次に、オートクレーブを100℃に昇温し、1,3−ブタジエン108g(2.0mol)を、ポンプを用いて0.76g/minの速度で注入した後、100℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は2.7〜0.7MPaであった。
次いで、オートクレーブ内を放圧後、内容物を1L容のフラスコに移し、水300gを添加し、60℃に冷却した後、濾紙を用いて濾過することにより、3−スルフォレン水溶液を得た。得られた水溶液の3−スルフォレンの含有量を、液体クロマトグラフィーを用いて定量すると、204g(1.72mol)であり、1,3−ブタジエンに対する収率は86%であった。
得られた3−スルフォレン水溶液の全量を1L容のフラスコに入れ、水140gを加え、35℃に加温しながら、空気を200ml/分の流量で1時間吹込むことにより、3−スルフォレン水溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。この3−スルフォレン水溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて測定すると、10ppmであった。
次に、撹拌機、温度計、圧力計、および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、得られた3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン63g(0.53mol))、4−t−ブチルカテコール0.3g(1.8mmol)およびラネーニッケル(50%含水品)1.04g(ニッケル純分0.52g)を仕込み、35℃に維持した。これに水素ガスを導入して圧力計が1.0MPaになるまで充填し、1000rpmで撹拌して反応を開始した。水素が水素化反応に消費され、圧力計が0.9MPaに低下したところで水素を補充して1.0MPaに戻す操作を繰り返し、圧力の低下が停止したところで反応終了とした。その結果、反応開始から反応終了までの反応時間は123分であった。反応終了後、ガスクロマトグラフィーにより水素化の反応率を測定したところ、3−スルフォレンは消失し、100%反応が進行していることを確認した。表2に結果を示す。
(実施例6)
3−スルフォレンの水素化反応に使用した4−t−ブチルカテコールの配合量を1.0g(6.0mmol)としたこと以外は、実施例5と同様にして水素化反応を行った。その結果、反応時間は88分であり、100%反応が進行していることを確認した。表2に結果を示す。
(実施例7)
3−スルフォレンの水素化反応に使用した4−t−ブチルカテコール0.3g(1.8mmol)をフェロセン0.3g(1.6mmol)に代えた以外は、実施例5と同様にして水素化反応を行った。その結果、反応時間は140分であり、100%反応が進行していることを確認した。表2に結果を示す。
(比較例4)
3−スルフォレンの水素化反応に使用した4−t−ブチルカテコール0.1g(0.6mmol)を用いなかったこと以外は、実施例4と同様にして水素化反応を行った。その結果、反応時間は101分であり、100%反応が進行していることを確認した。表2に結果を示す。
(比較例5)
3−スルフォレンの水素化反応に使用した4−t−ブチルカテコール0.3g(1.8mmol)を用いなかったこと以外は、実施例5と同様にして水素化反応を行った。その結果、反応時間340分でも水素圧の低下が停止せず、その時点の反応率は75%であった。表2に結果を示す。
Figure 0005715824
実施例4と比較例4との比較および実施例5〜7と比較例5との比較から、安定化剤が存在することにより、スルフォレンの水素化反応時間が短縮され、水素化反応が円滑に進むことがわかる。
(実施例8)
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、3−スルフォレン(東京化成工業社製)64g(0.54mol)および水136gを仕込み、3−スルフォレンを溶解させた後、水酸化マグネシウム0.30g(5.14mmol)を仕込み、25〜35℃で約5分間攪拌後、ラネーニッケル(50%含水品)0.48g(ニッケル純分0.24g)を添加した。次に、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、水素化反応を開始させた。水素が反応に消費され、圧力が0.9MPaに低下したところで、水素を補充して1.0MPaまで加圧する操作を繰り返し、圧力の低下が停止したところで反応を終了した。その結果、反応開始から反応終了までの反応時間は140分であった。反応終了後、ガスクロマトグラフィーにより水素化の反応率を測定したところ、3−スルフォレンは消失し、100%反応が進行していることを確認した。結果を表3に示す。
(実施例9)
3−スルフォレンの水素化反応に使用した水酸化マグネシウム0.30gを酸化マグネシウム0.30g(7.44mmol)に代えたこと以外は、実施例8と同様にして水素化反応を行った。その結果、反応時間は117分であり、100%反応が進行していることを確認した。結果を表3に示す。
(実施例10)
3−スルフォレン(東京化成工業社製)64g(0.54mol)および水136gの代わりに、実施例2において得られた3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン含有量64g(0.54mol))を用いたこと以外は、実施例8と同様にして水素化反応を行った。その結果、反応時間は120分であり、100%反応が進行していることを確認した。結果を表3に示す。
(比較例6)
3−スルフォレンの水素化反応に使用した水酸化マグネシウム0.30gを用いなかったこと以外は、実施例8と同様にして水素化反応を行った。その結果、反応時間は365分であり、100%反応が進行していることを確認した。結果を表3に示す。
(比較例7)
3−スルフォレンの水素化反応に使用した水酸化マグネシウム0.30gを用いず、ラネーニッケル(50%含水品)0.48g(ニッケル純分0.24g)をラネーニッケル(50%含水品)0.96g(ニッケル純分0.48g)に代えたこと以外は、実施例8と同様にして水素化反応を行った。その結果、反応時間は146分であり、100%反応が進行していることを確認した。結果を表3に示す。
Figure 0005715824
実施例8および実施例9と比較例6との比較から、3−スルフォレンの水素化反応において、アルカリ剤を用いることにより、水素化反応時間が短縮され、反応が円滑に進むことがわかる。また、実施例8および実施例9と比較例7との比較から、アルカリ剤を用いることにより、水素化触媒が少なくても、水素化反応が円滑に進むことがわかる。
本発明によれば、重合物の生成を抑制することができるスルフォレン化合物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、水素化触媒の活性が阻害されることを抑制し、スルフォレン化合物を円滑に水素化することができるスルフォラン化合物の製造方法を提供することができる。

Claims (11)

  1. 式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを、メタロセン化合物の存在下で反応させる工程を有し、
    前記メタロセン化合物の使用割合が前記共役ジエン化合物1モルに対して0.000001〜0.1モルである
    式(2)で表されるスルフォレン化合物の製造方法。
    Figure 0005715824
    式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
    Figure 0005715824
    式(2)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
  2. メタロセン化合物が、フェロセン化合物である請求項1に記載のスルフォレン化合物の製造方法。
  3. フェロセン化合物が、フェロセンである請求項2に記載のスルフォレン化合物の製造方法。
  4. 式(1)で表される共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエンおよび3,4−ジメチル−2,4−ヘキサジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の共役ジエン化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のスルフォレン化合物の製造方法。
  5. 式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを、メタロセン化合物の存在下で反応させて式(2)で表されるスルフォレン化合物とし、前記スルフォレン化合物を水素化触媒の存在下で水素化させる工程を有し、前記メタロセン化合物の使用割合が前記共役ジエン化合物1モルに対して0.000001〜0.1モルである式(3)で表されるスルフォラン化合物の製造方法。
    Figure 0005715824
    式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
    Figure 0005715824
    式(2)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
    Figure 0005715824
    式(3)中、R〜Rは、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。
  6. メタロセン化合物が、フェロセン化合物である請求項5に記載のスルフォラン化合物の製造方法。
  7. フェロセン化合物が、フェロセンである請求項6に記載のスルフォラン化合物の製造方法。
  8. 式(1)で表される共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエンおよび3,4−ジメチル−2,4−ヘキサジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の共役ジエン化合物である請求項5〜7のいずれかに記載のスルフォラン化合物の製造方法。
  9. 式(2)で表されるスルフォレン化合物を、水素化触媒、並びに、安定化剤および/またはアルカリ剤の存在下において水素化させる工程を有し、前記安定化剤が、フェノール化合物、キノン、メタロセン化合物及びメトキシアニソールからなる群から選択される少なくとも1種である式(3)で表されるスルフォラン化合物の製造方法。
    Figure 0005715824
    式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
    Figure 0005715824
    式(3)中、R〜Rは、式(2)におけるR〜Rと同じ基を示す。
  10. 安定化剤が4−t−ブチルカテコールまたはフェロセンである請求項9に記載のスルフォラン化合物の製造方法。
  11. アルカリ剤が水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムである請求項9に記載のスルフォラン化合物の製造方法。
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