JP2011219440A - スルフォラン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、スルフォレン化合物を水素化してスルフォラン化合物を得る反応において、水素化触媒の使用量を低減しつつ、安価かつ容易に効率よく水素化反応を行うことができるスルフォラン化合物の製造方法に関する。
スルフォラン化合物はベンゼン、トルエンやキシレン等の抽出溶媒、酸性ガスの除去剤、芳香族化合物の反応溶媒および電子部品製造用の溶媒等に用いられている。スルフォラン化合物の製造方法としては、共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて得られるスルフォレン化合物を水素化してスルフォラン化合物を得る方法が挙げられる。
一般に、スルフォレン化合物の水素化反応においては、反応に時間を要し、多量の水素化触媒を用いる必要があった。そこで、例えば、特許文献1には、スルフォランの製造方法として、ブタジエンと二酸化硫黄とを反応させてスルフォレンとした後、反応系内に残存する二酸化硫黄により水素化触媒の活性が阻害されないように、水素化反応前に不活性ガスを導入して二酸化硫黄を除去する方法が開示されている。特許文献1に開示されている方法を用いれば、効率よく水素化反応を行うことができるとされている。しかしながら、特許文献1に開示されている方法でも、スルフォレンの水素化反応における水素化触媒の使用割合が、スルフォレン1gに対して平均0.047gと比較的多いことから、残存二酸化硫黄の除去による効果は充分とは言えなかった。
本発明は、スルフォレン化合物を水素化してスルフォラン化合物を得る反応において、水素化触媒の使用量を低減しつつ、安価かつ容易に効率よく水素化反応を行うことができるスルフォラン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、式(1)で表されるスルフォレン化合物を含有する溶液を、水素化触媒とともに攪拌して前処理する工程1と、前記前処理後のスルフォレン化合物を水素化触媒の存在下で水素化させる工程2とを有する式(2)で表されるスルフォラン化合物の製造方法である。
式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す。
式(2)中、R1〜R6は、式(1)におけるR1〜R6と同じ基を示す。以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、スルフォレン化合物の水素化反応を行う前に、当該スルフォレン化合物を含有する溶液を水素化触媒とともに攪拌して前処理することにより、水素化触媒の使用量を低減しつつ、安価かつ容易に効率よくスルフォラン化合物を製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
スルフォレン化合物を前処理することにより、水素化反応が円滑に進行する理由は詳らかではないが、水素化反応を行う前のスルフォレン化合物を含有する溶液中に水素化触媒の活性点に入り込んで反応を阻害する物質(触媒毒ともいう)が存在するところ、該前処理において水素化触媒に該触媒毒を吸着させることで、水素化反応に用いる水素化触媒の活性が阻害されることを軽減させているためであると推測される。
スルフォレン化合物を前処理することにより、水素化反応が円滑に進行する理由は詳らかではないが、水素化反応を行う前のスルフォレン化合物を含有する溶液中に水素化触媒の活性点に入り込んで反応を阻害する物質(触媒毒ともいう)が存在するところ、該前処理において水素化触媒に該触媒毒を吸着させることで、水素化反応に用いる水素化触媒の活性が阻害されることを軽減させているためであると推測される。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法では、まず、前記式(1)で表されるスルフォレン化合物を含有する溶液を、水素化触媒とともに攪拌して前処理する工程1を行う。
前記式(1)で表されるスルフォレン化合物は特に限定されず、例えば、3−スルフォレン、3−メチル−3−スルフォレン、3−エチル−3−スルフォレン、3−プロピル−3−スルフォレン、3−ブチル−3−スルフォレン、3−イソブチル−3−スルフォレン、3−tert−ブチル−3−スルフォレン、3−ヘキシル−3−スルフォレン、3,4−ジメチル−3−スルフォレン、3,4−ジエチル−3−スルフォレン、3,4−ジブチル−3−スルフォレン、3−ヘキシル−4−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジメチル−3−スルフォレン、2,3,5−トリメチル−3−スルフォレン、2,5−ジメチル−3−ヘキシル−3−スルフォレン、2,3,4,5−テトラメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−2−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−2,5−ジメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3,4−ジメチル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3−メチル−3−スルフォレンおよび2,5−ジプロピル−3,4−ジメチル−3−スルフォレン等が挙げられる。
前記式(1)で表されるスルフォレン化合物を含有する溶液に用いる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール等のアルコール類、スルフォラン、2−メチルスルフォラン、3−メチルスルフォラン、3−エチルスルフォラン等のスルホン化合物、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機アミド化合物、水等が挙げられる。これらの中でも、価格や扱いやすさの観点から、水が好適に用いられる。
前記工程1において用いられる水素化触媒としては、例えば、ニッケル、コバルト、銅、鉄、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金等の金属やこれらの金属化合物を用いることができる。具体的には例えば、ラネーニッケル、ニッケル炭素、パラジウム炭素、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ルテニウム炭素、ロジウム炭素、白金炭素等が挙げられる。なかでも、価格や入手の容易さの観点から、ラネーニッケルが好ましく用いられる。これらの水素化触媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、上記ラネーニッケルとは、ニッケル−溶出金属合金から、アルカリ等により溶出金属を溶出して得られるものである。上記溶出金属としては、例えば、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム等が挙げられ、なかでも、合金の製造の容易性及び合金からの溶出の容易性の点でアルミニウムが好適である。
なお、上記ラネーニッケルとは、ニッケル−溶出金属合金から、アルカリ等により溶出金属を溶出して得られるものである。上記溶出金属としては、例えば、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム等が挙げられ、なかでも、合金の製造の容易性及び合金からの溶出の容易性の点でアルミニウムが好適である。
前記水素化触媒の形態としては、例えば、微粉状の粉体としたもの、活性炭、酸化アルミニウム、シリカゲル、珪藻土やゼオライト等の担体に担持させたもの、ホスフィンやアミン等との錯体としたもの等が挙げられる。
また、前記工程1において用いられる水素化触媒は、水素化能力を有していても失っていてもよいが、水素化反応に使用済みの失活した水素化触媒を用いることが好ましい。従来、廃棄されていたものである失活した水素化触媒を利用して上述の前処理を行うことにより、より安価にスルフォレン化合物の水素化反応を進めることができる。具体的には、前記工程1において用いられる水素化触媒として、3−スルフォレンの水素化反応試験を180分行った際の水素化反応率が10.0%以下であるものを用いることが好ましく、5.0%以下であるものを用いることがより好ましい。水素化反応を安価に進めるために前記失活した水素化触媒を利用するという観点から、前記3−スルフォレンの水素化反応試験を180分行った際の前記水素化反応率が10.0%を超える水素化触媒を前記工程1に用いることは経済的でない。
なお、本明細書において前記3−スルフォレンの水素化反応試験とは、攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)および水素化触媒0.48gを添加し、温度を30〜40℃の範囲に維持して、前記オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、水素を補充して圧力を保ちながら、攪拌機により1000rpmで撹拌して3−スルフォレンの水素化反応を行う試験を意味する。
なお、本明細書において前記3−スルフォレンの水素化反応試験とは、攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)および水素化触媒0.48gを添加し、温度を30〜40℃の範囲に維持して、前記オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、水素を補充して圧力を保ちながら、攪拌機により1000rpmで撹拌して3−スルフォレンの水素化反応を行う試験を意味する。
前記工程1において用いる水素化触媒の使用量は特に限定されないが、前記スルフォレン化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は2.0重量部である。前記工程1において用いる水素化触媒の使用量が0.05重量部未満であると、前処理によって水素化反応の反応効率を向上させる効果が充分に得られないことがある。前記工程1において用いる水素化触媒の使用量が2.0重量部を超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。前記工程1において用いる水素化触媒の使用量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1.0重量部である。
なお、本明細書において前記水素化触媒の使用量は、前記水素化触媒として金属や金属化合物を用いる場合、該金属又は該金属化合物の使用量を意味する。例えば、ラネーニッケルの場合はニッケル純分である。
なお、本明細書において前記水素化触媒の使用量は、前記水素化触媒として金属や金属化合物を用いる場合、該金属又は該金属化合物の使用量を意味する。例えば、ラネーニッケルの場合はニッケル純分である。
前記工程1において、前記前処理を行う際の前記スルフォレン化合物を含有する溶液の温度は特に限定されないが、好ましい下限は0℃、好ましい上限は150℃である。前記スルフォレン化合物を含有する溶液の温度が0℃未満であると、前処理が不充分で水素化反応の反応効率を向上させる効果が充分に得られないことがある。前記スルフォレン化合物を含有する溶液の温度が150℃を超えると、スルフォレン化合物が分解し、副生成物が生成する等して水素化反応の収率が低下することがある。前記スルフォレン化合物を含有する溶液の温度のより好ましい下限は15℃、より好ましい上限は100℃である。
前記工程1において、前記前処理を行う時間は特に限定されないが、好ましい下限は5分、好ましい上限は100分である。前記前処理を行う時間が5分未満であると、前処理によって水素化反応の反応効率を向上させる効果が充分に得られないことがある。前記前処理を行う時間が100分を超えてもそれ以上の効果は得られない。前記前処理を行う時間のより好ましい下限は10分、より好ましい上限は60分である。
前記前処理後、工程2を行う前に、濾過等の方法を用いて前記前処理に用いた水素化触媒を取り除いてもよい。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法は、次に、前記前処理後のスルフォレン化合物を新たな水素化触媒の存在下で水素化させる工程2を行う。
前記工程2において、前記スルフォレン化合物を水素化する反応に用いられる新たな水素化触媒は、一般的に接触水素化反応に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、ニッケル、コバルト、銅、鉄、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金等の金属やこれらの金属化合物を用いることができる。具体的には例えば、ラネーニッケル、ニッケル炭素、パラジウム炭素、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ルテニウム炭素、ロジウム炭素、白金炭素等が挙げられる。なかでも、価格や入手の容易さの観点から、ラネーニッケルが好ましく用いられる。これらの水素化触媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記工程2において用いる水素化触媒の形態としては、例えば、微粉状の粉体としたもの、活性炭、酸化アルミニウム、シリカゲル、珪藻土やゼオライト等の担体に担持させたもの、ホスフィンやアミン等との錯体としたもの等が挙げられる。
前記工程2において用いる水素化触媒の形態としては、例えば、微粉状の粉体としたもの、活性炭、酸化アルミニウム、シリカゲル、珪藻土やゼオライト等の担体に担持させたもの、ホスフィンやアミン等との錯体としたもの等が挙げられる。
前記工程2において用いる水素化触媒の使用量は特に限定されないが、前記スルフォレン化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は2.0重量部である。前記工程2において用いる水素化触媒の使用量が0.05重量部未満であると、反応が充分に完結せず、スルフォラン化合物の収率が低下することがある。前記工程2において用いる水素化触媒の使用量が2.0重量部を超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。前記工程2において用いる水素化触媒の使用量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1.0重量部である。
前記工程2において、前記スルフォレン化合物を水素化する反応に用いられる反応溶媒としては、前記工程1において用いた溶媒をそのまま用いることができる。必要があれば使用量を後述する範囲になるように調整してもよい。
前記工程2において、前記反応溶媒の使用量は特に限定されないが、前記スルフォレン化合物100重量部に対して、好ましい下限は10重量部、好ましい上限は1万重量部である。前記溶媒の使用量が10重量部未満であると、原料が析出する等して反応が円滑に進まず収率が低下することがある。前記溶媒の使用量が1万重量部を超えると、容積効率が悪くなり使用量に見合う効果がなく経済的でない。前記溶媒の使用量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は5000重量部であることがより好ましい。
前記スルフォレン化合物を水素化させる方法としては、例えば、反応容器内に水素ガスを導入し、水素雰囲気下で反応させる方法を挙げることができる。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応温度の好ましい下限は0℃、好ましい上限は150℃である。前記反応温度が0℃未満であると、反応が不充分で収率が低下することがある。前記反応温度が150℃を超えると、スルフォレン化合物が分解し、副生成物が生成する等して収率が低下することがある。前記反応温度のより好ましい下限は15℃、より好ましい上限は100℃である。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応容器内の圧力は、通常、水素雰囲気で0〜5MPaである。なお、本明細書において前記反応容器内の圧力は、大気圧を基準とする(大気圧を0とする)ゲージ圧で表す。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応時間は、反応温度や水素化反応に用いる水素化触媒の使用量により異なるが、通常、0.5〜5時間である。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応容器内の圧力は、通常、水素雰囲気で0〜5MPaである。なお、本明細書において前記反応容器内の圧力は、大気圧を基準とする(大気圧を0とする)ゲージ圧で表す。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応時間は、反応温度や水素化反応に用いる水素化触媒の使用量により異なるが、通常、0.5〜5時間である。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応後、反応容器内に残存する水素ガス等をパージし、反応液を濾過した後、溶媒を減圧蒸留して除去することで、前記式(2)で表されるスルフォラン化合物が得られる。
前記式(2)で表されるスルフォラン化合物としては、スルフォラン、3−メチルスルフォラン、3−エチルスルフォラン、3−プロピルスルフォラン、3−ブチルスルフォラン、3−イソブチルスルフォラン、3−tert−ブチルスルフォラン、3−ヘキシルスルフォラン、3,4−ジメチルスルフォラン、3,4−ジエチルスルフォラン、3,4−ジブチルスルフォラン、3−ヘキシル−4−メチルスルフォラン、2,5−ジメチルスルフォラン、2,3,5−トリメチルスルフォラン、2,5−ジメチル−3−ヘキシルスルフォラン、2,3,4,5−テトラメチルスルフォラン、2,5−ジエチルスルフォラン、2,5−ジエチル−2−メチルスルフォラン、2,5−ジエチル−2,5−ジメチルスルフォラン、2,5−ジエチル−3,4−ジメチルスルフォラン、2,5−ジプロピルスルフォラン、2,5−ジプロピル−3−メチルスルフォラン、2,5−ジプロピル−3,4−ジメチルスルフォラン等が挙げられる。
本発明によれば、スルフォレン化合物を水素化してスルフォラン化合物を得る反応において、水素化触媒の使用量を低減しつつ、安価かつ容易に効率よく水素化反応を行うことができるスルフォラン化合物の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(製造例)
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)およびラネーニッケル触媒(50%含水品)0.96g(ニッケル純分0.48g)を添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーにより水素化の反応率を測定し、3−スルフォレンが消失し、100%反応が進行していることを確認したところで反応終了とした。反応終了後、スルフォラン水溶液とラネーニッケル触媒を濾過分離した。
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)およびラネーニッケル触媒(50%含水品)0.96g(ニッケル純分0.48g)を添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーにより水素化の反応率を測定し、3−スルフォレンが消失し、100%反応が進行していることを確認したところで反応終了とした。反応終了後、スルフォラン水溶液とラネーニッケル触媒を濾過分離した。
(参考例)
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)および製造例で濾過分離して得られた水素化反応使用済のラネーニッケル触媒0.48gを添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、前記オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間180分でも3−スルフォレンは消失せず、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、その時点の反応率は3.0%であった。
参考例の結果から、製造例で得た水素化反応使用済のラネーニッケル触媒を用いても3−スルフォレンの水素化反応は進まず、該水素化反応使用済のラネーニッケル触媒は失活していることがわかる。製造例で得た水素化反応使用済のラネーニッケル触媒を失活した水素化触媒とした。
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)および製造例で濾過分離して得られた水素化反応使用済のラネーニッケル触媒0.48gを添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、前記オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間180分でも3−スルフォレンは消失せず、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、その時点の反応率は3.0%であった。
参考例の結果から、製造例で得た水素化反応使用済のラネーニッケル触媒を用いても3−スルフォレンの水素化反応は進まず、該水素化反応使用済のラネーニッケル触媒は失活していることがわかる。製造例で得た水素化反応使用済のラネーニッケル触媒を失活した水素化触媒とした。
(実施例1)
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)および製造例で得た失活した水素化触媒1.00gを仕込み、30℃〜35℃で約30分間攪拌して前処理を行った後、濾過して失活した水素化触媒を取り除いた。次いで、得られた3−スルフォレン水溶液にラネーニッケル触媒(50%含水品)0.96g(ニッケル純分0.48g)を添加し、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間150分で3−スルフォレンが消失し、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、100%反応が進行していることを確認し、反応終了とした。結果を表1に示す。
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)および製造例で得た失活した水素化触媒1.00gを仕込み、30℃〜35℃で約30分間攪拌して前処理を行った後、濾過して失活した水素化触媒を取り除いた。次いで、得られた3−スルフォレン水溶液にラネーニッケル触媒(50%含水品)0.96g(ニッケル純分0.48g)を添加し、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間150分で3−スルフォレンが消失し、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、100%反応が進行していることを確認し、反応終了とした。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、製造例で得た失活した水素化触媒の使用量を0.38gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応時間150分で100%反応が進行していることを確認した。結果を表1に示す。
実施例1において、製造例で得た失活した水素化触媒の使用量を0.38gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして3−スルフォレンの水素化反応を行った。その結果、反応時間150分で100%反応が進行していることを確認した。結果を表1に示す。
(実施例3)
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)およびラネーニッケル触媒(50%含水品)0.24g(ニッケル純分0.12g)を仕込み、30℃〜35℃で約30分間攪拌して前処理を行った後、濾過してラネーニッケル触媒を取り除いた。次いで、得られた3−スルフォレン水溶液にラネーニッケル触媒(50%含水品)0.72g(ニッケル純分0.36g)を添加し、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間180分で3−スルフォレンが消失し、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、100%反応が進行していることを確認し、反応終了とした。結果を表1に示す。
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)およびラネーニッケル触媒(50%含水品)0.24g(ニッケル純分0.12g)を仕込み、30℃〜35℃で約30分間攪拌して前処理を行った後、濾過してラネーニッケル触媒を取り除いた。次いで、得られた3−スルフォレン水溶液にラネーニッケル触媒(50%含水品)0.72g(ニッケル純分0.36g)を添加し、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間180分で3−スルフォレンが消失し、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、100%反応が進行していることを確認し、反応終了とした。結果を表1に示す。
(実施例4)
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)および製造例で得た失活した水素化触媒0.38gを仕込み、30℃〜35℃で約30分間攪拌して前処理を行った後、ラネーニッケル触媒(50%含水品)0.96g(ニッケル純分0.48g)を添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間150分で3−スルフォレンが消失し、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、100%反応が進行していることを確認し、反応終了とした。結果を表1に示す。
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)および製造例で得た失活した水素化触媒0.38gを仕込み、30℃〜35℃で約30分間攪拌して前処理を行った後、ラネーニッケル触媒(50%含水品)0.96g(ニッケル純分0.48g)を添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間150分で3−スルフォレンが消失し、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、100%反応が進行していることを確認し、反応終了とした。結果を表1に示す。
(比較例1)
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)およびラネーニッケル触媒(50%含水品)0.96g(ニッケル純分0.48g)を添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間180分でも3−スルフォレンは完全に消失せず、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、その時点の反応率は82.0%であった。結果を表1に示す。
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)およびラネーニッケル触媒(50%含水品)0.96g(ニッケル純分0.48g)を添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間180分でも3−スルフォレンは完全に消失せず、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、その時点の反応率は82.0%であった。結果を表1に示す。
(比較例2)
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)およびラネーニッケル触媒(50%含水品)0.72g(ニッケル純分0.36g)を添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間180分でも3−スルフォレンは完全に消失せず、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、その時点の反応率は74.9%であった。結果を表1に示す。
攪拌機、圧力計、温度計および加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、32重量%の3−スルフォレン水溶液200g(3−スルフォレン0.54mol)およびラネーニッケル触媒(50%含水品)0.72g(ニッケル純分0.36g)を添加した。次に、温度を30〜40℃の範囲に維持して、オートクレーブ内に水素を導入して1.0MPaまで加圧し、攪拌機により1000rpmで撹拌して反応を開始した。反応開始後、水素を補充して圧力を保ちながら、120分から30分ごとにサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィーを測定したところ、反応時間180分でも3−スルフォレンは完全に消失せず、ガスクロマトグラフィーの絶対検量線法から反応率を確認したところ、その時点の反応率は74.9%であった。結果を表1に示す。
実施例1、2、4と比較例1、2との比較から、従来、廃棄されていたものである失活した水素化触媒であっても、前処理に用いることにより、水素化反応時間が短縮され、反応が円滑に進むことがわかる。
本発明によれば、スルフォレン化合物を水素化してスルフォラン化合物を得る反応において、水素化触媒の使用量を低減しつつ、安価かつ容易に効率よく水素化反応を行うことができるスルフォラン化合物の製造方法を提供することができる。
Claims (3)
- 工程1において用いる水素化触媒は、3−スルフォレンの水素化反応試験を180分行った際の反応率が10.0%以下の水素化触媒である請求項1記載のスルフォラン化合物の製造方法。
- 工程1において用いる水素化触媒、及び、工程2において用いる水素化触媒は、ラネーニッケルであることを特徴とする請求項1または2に記載のスルフォラン化合物の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010093303A JP2011219440A (ja) | 2010-04-14 | 2010-04-14 | スルフォラン化合物の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013189384A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-26 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | スルフォレン化合物の製造方法及びスルフォラン化合物の製造方法 |
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2010
- 2010-04-14 JP JP2010093303A patent/JP2011219440A/ja active Pending
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