JP2013189384A - スルフォレン化合物の製造方法及びスルフォラン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特別な高圧ガス設備を用いず、かつ、重合物の生成を抑制することができるスルフォレン化合物の製造方法の提供。
【解決手段】共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて下記式(2)で表されるスルフォレン化合物を製造する方法であって、共役ジエン化合物を、溶媒中で70〜110℃の範囲で昇温しながら分割して添加する工程1と、前記工程1で共役ジエン化合物を添加した後、100〜130℃に昇温して保温する工程2とを有し、前記工程1及び前記工程2において、系の圧力を1MPa未満に維持するスルフォレン化合物の製造方法。
式(2)中、R1〜R6は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【選択図】なし
【解決手段】共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて下記式(2)で表されるスルフォレン化合物を製造する方法であって、共役ジエン化合物を、溶媒中で70〜110℃の範囲で昇温しながら分割して添加する工程1と、前記工程1で共役ジエン化合物を添加した後、100〜130℃に昇温して保温する工程2とを有し、前記工程1及び前記工程2において、系の圧力を1MPa未満に維持するスルフォレン化合物の製造方法。
式(2)中、R1〜R6は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【選択図】なし
Description
本発明は、スルフォレン化合物の製造方法に関する。また、本発明は、該スルフォレン化合物の製造方法を用いて製造されたスルフォレン化合物を用いたスルフォラン化合物の製造方法に関する。
スルフォラン化合物は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の抽出溶媒、酸性ガスの除去剤、芳香族化合物の反応溶媒及び電子部品製造用の溶媒等に用いられている。
スルフォラン化合物の製造方法として、例えば、特許文献1には、共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて得られるスルフォレン化合物を水素化してスルフォラン化合物を得る方法が開示されている。
スルフォラン化合物の製造方法として、例えば、特許文献1には、共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて得られるスルフォレン化合物を水素化してスルフォラン化合物を得る方法が開示されている。
しかしながら、一般にスルフォラン化合物の製造においては、スルフォレン化合物を得る反応において、重合物が生成して設備の配管が閉塞したり、スルフォレン化合物の水素化反応において、残存する二酸化硫黄等によって、水素化触媒の活性が阻害され、反応に時間を要し、多量の触媒を追加する必要があったりする等の不具合があった。
そこで、スルフォレンの製造方法において、重合抑制剤として4−t−ブチルカテコールを二酸化硫黄に添加し、ブタジエンと反応させることにより、重合物の生成を抑制する方法(特許文献2)や、スルフォラン化合物の製造方法において、重合抑制剤としてジメチルアミンを用い、ブタジエンと二酸化硫黄とを反応させてスルフォレン化合物を得た後、反応系内に残存する二酸化硫黄により水素化触媒の活性が阻害されないように、水素化反応前に不活性ガスを導入して二酸化硫黄を除去する方法が提案されている(特許文献3)。
従来のスルフォラン化合物の製造方法では、スルフォレン化合物を得る反応において、系の圧力(反応容器内の圧力)が高圧となってしまう。日本の高圧ガス保安法では、常用の温度において圧力が1MPa以上である圧縮ガス又は温度35℃において圧力1MPa以上となる圧縮ガスは「高圧ガス」とされ、スルフォラン化合物の製造においても、系の圧力が1MPa以上となる場合には、気密性の高い特別な高圧ガス設備にて製造する必要がある。
スルフォレン化合物を得る反応における系の圧力を下げる方法としては、反応温度を低くすることが考えられるが、単に反応温度を低くしただけでは、重合物が生成して設備の配管が閉塞したり、収率が低下したりするという問題があった。
本発明は、特別な高圧ガス設備を用いず、かつ、重合物の生成を抑制することができるスルフォレン化合物の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該スルフォレン化合物の製造方法を用いて製造されたスルフォレン化合物を用いたスルフォラン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
スルフォレン化合物を得る反応における系の圧力を下げる方法としては、反応温度を低くすることが考えられるが、単に反応温度を低くしただけでは、重合物が生成して設備の配管が閉塞したり、収率が低下したりするという問題があった。
本発明は、特別な高圧ガス設備を用いず、かつ、重合物の生成を抑制することができるスルフォレン化合物の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該スルフォレン化合物の製造方法を用いて製造されたスルフォレン化合物を用いたスルフォラン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて下記式(2)で表されるスルフォレン化合物を製造する方法であって、前記二酸化硫黄に前記式(1)で表される共役ジエン化合物を、溶媒中で70〜110℃の範囲で昇温しながら分割して添加する工程1と、前記工程1で前記式(1)で表される共役ジエン化合物を添加した後、100〜130℃に昇温して保温する工程2とを有し、前記工程1及び前記工程2において、系の圧力を1MPa未満に維持するスルフォレン化合物の製造方法である。
式(1)中、R1〜R6は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。
式(2)中、R1〜R6は、式(1)におけるR1〜R6と同じ基を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者は、特定の温度範囲で昇温しながら二酸化硫黄に共役ジエン化合物を分割して添加し、添加後、更に特定の温度範囲に昇温して保温することにより、系の圧力を1MPa未満に維持することができ、特別な高圧ガス設備を用いず、かつ、重合物の生成を抑制してスルフォレン化合物を製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、本明細書において、「系の圧力」とは反応容器内の圧力を意味し、大気圧を基準とする(大気圧を0とする)ゲージ圧を意味する。
なお、本明細書において、「系の圧力」とは反応容器内の圧力を意味し、大気圧を基準とする(大気圧を0とする)ゲージ圧を意味する。
本発明のスルフォレン化合物の製造方法は、二酸化硫黄に前記式(1)で表される共役ジエン化合物(以下、単に共役ジエン化合物ともいう)を、溶媒中で70〜110℃の範囲で昇温しながら分割して添加する工程1を有する。本発明のスルフォレン化合物の製造方法では、共役ジエン化合物の添加を、70〜110℃の範囲内の温度で昇温しながら分割して行うことにより、系の圧力を低く保ち、かつ、重合物の生成を抑制することができる。
なお、本明細書において、「分割して添加する」とは、一定温度にて一括して添加しないことを意味し、共役ジエン化合物を複数回に分けて添加する方法の他、ポンプ等を用いて連続的に添加する方法も含むものである。
また、「昇温しながら分割して添加する」とは、分割された各添加区分において、最初の添加区分の温度よりも最後の添加区分の温度の方が高いことを意味する。
なお、本明細書において、「分割して添加する」とは、一定温度にて一括して添加しないことを意味し、共役ジエン化合物を複数回に分けて添加する方法の他、ポンプ等を用いて連続的に添加する方法も含むものである。
また、「昇温しながら分割して添加する」とは、分割された各添加区分において、最初の添加区分の温度よりも最後の添加区分の温度の方が高いことを意味する。
前記工程1で共役ジエン化合物を昇温しながら分割して添加する方法は、昇温と添加を順に行うものであってもよいし、連続した昇温の途中に添加を分割して行うものであってもよいし、昇温しながら連続して添加を行うものあってもよい。昇温と添加を順に行う場合、最初の添加を70〜110℃の範囲で行なっていれば、その後は70〜110℃の範囲内であれば、昇温を先に行った後添加してもよいし、添加を先に行った後昇温してもよい。
前記工程1で共役ジエン化合物を添加する時間(添加開始から添加終了までの時間)の好ましい下限は30分、好ましい上限は50時間である。上記共役ジエン化合物を添加する時間が30分未満であると、重合物の生成が増加することがある。上記共役ジエン化合物を添加する時間が50時間を超えると、製造時間が長くなり、経済的ではない。
上記共役ジエン化合物を添加する時間のより好ましい下限は60分、より好ましい上限は24時間である。
上記共役ジエン化合物を添加する時間のより好ましい下限は60分、より好ましい上限は24時間である。
前記工程1における昇温方法としては、例えば、反応容器のジャケットにスチーム等の熱媒を導入する方法が挙げられる。
前記工程1における昇温速度の好ましい下限は0.01℃/分、好ましい上限は5℃/分である。上記昇温速度が0.01℃/分未満であると、重合物が増加することがある。上記昇温速度が5℃/分を超えると、系の圧力が高くなりすぎることがある。上記昇温速度のより好ましい下限は0.1℃/分、より好ましい上限は1℃/分である。
前記工程1で、共役ジエン化合物を昇温しながら分割して添加する際、共役ジエン化合物の添加を開始する際の温度が70℃未満であると、重合物が多量に生成し、設備の配管が閉塞したり、スルフォレン化合物の収率が低下したりする。共役ジエン化合物の添加を終了する際の温度が110℃を超えると、系の圧力が高くなりすぎる。前記共役ジエン化合物の添加は、70℃以上で開始し、100℃以下で終了することが好ましい。
前記工程1は、70〜90℃の範囲にて式(1)で表される共役ジエン化合物を、分割して添加する全量の40〜60質量%の範囲で添加する工程1−1と、80〜110℃の範囲にて式(1)で表される共役ジエン化合物を、分割して添加する全量の40〜60質量%の範囲で添加する工程1−2とを有することが好ましい。前記工程1−1と工程1−2とを行うことにより、重合物の生成を抑制しつつ、共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応が急速に進行するのを抑止することができる。前記工程1−1における温度が90℃を超えると、系の圧力が高くなりすぎることがある。前記工程1−2における温度が80℃未満であると、重合物が多量に生成し、設備の配管が閉塞したり、スルフォレン化合物の収率が低下したりすることがある。
前記共役ジエン化合物としては、具体的には例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタジエン、2−イソブチル−1,3−ブタジエン、2−tert−ブチル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジブチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−3−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、3−メチル−2,4−ヘキサジエン、3−ヘキシル−2,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−2,4−ヘキサジエン、3,5−オクタジエン、3−メチル−3,5−オクタジエン、3,6−ジメチル−3,5−オクタジエン、4,5−ジメチル−3,5−オクタジエン、4,6−デカジエン、5−メチル−4,6−デカジエン及び5,6−ジメチル−4,6−デカジエン等が挙げられる。なかでも、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン及び3,4−ジメチル−2,4−ヘキサジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の共役ジエン化合物であることが好ましい。
前記工程1において、二酸化硫黄の使用割合は特に限定されないが、共役ジエン化合物1モルに対して、好ましい下限は0.5モル、好ましい上限は10モルである。前記二酸化硫黄の使用割合が0.5モル未満であると、スルフォレン化合物の収率が低下することがある。前記二酸化硫黄の使用割合が10モルを超えても使用量に見合う効果がなく経済的でない。前記二酸化硫黄の使用割合のより好ましい下限は0.75モル、より好ましい上限は5モルである。
前記溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類や、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類や、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素や、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類や、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素や、スルフォラン、2−メチルスルフォラン、3−メチルスルフォラン等のスルホン化合物や、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物や、水等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記溶媒の使用量は、特に限定されないが、前記二酸化硫黄100質量部に対して、好ましい下限は50質量部、好ましい上限は1万質量部である。前記溶媒の使用量が50質量部未満であると、系の圧力が高くなりすぎることがある。前記溶媒の使用量が1万質量部を超える場合は、容積効率が悪くなり、使用量に見合う効果がなく経済的でない。前記溶媒の使用量のより好ましい下限は100質量部、より好ましい上限は5000質量部である。
前記工程1において、重合物の生成を抑制することを目的として、重合禁止剤を用いることが好ましい。
前記重合禁止剤としては、例えば、t−ブチルカテコール、フェロセン等が挙げられる。
前記重合禁止剤としては、例えば、t−ブチルカテコール、フェロセン等が挙げられる。
本発明のスルフォレン化合物の製造方法は、前記工程1で前記共役ジエン化合物を添加した後、100〜130℃に昇温して保温する工程2を有する。本発明のスルフォレン化合物の製造方法では、共役ジエン化合物の添加後、100〜130℃の温度で保温することにより、重合物の生成を抑制し、高い収率でスルフォレン化合物を得ることができる。
前記工程2で保温する温度が100℃未満であると、反応が不充分となり、スルフォレン化合物の収率が低下する。工程2で保温する温度が130℃を超えると、系の圧力が1MPaを超え、高圧ガス設備が必要となったり、生成したスルフォレン化合物が分解し、収率が低下したりする。
なお、工程1で共役ジエン化合物の添加を終了する際の温度が100℃以上である場合、工程2では、工程1で共役ジエン化合物の添加を終了する際の温度よりも高い温度、かつ、130℃以下の温度に昇温して保温する。
なお、工程1で共役ジエン化合物の添加を終了する際の温度が100℃以上である場合、工程2では、工程1で共役ジエン化合物の添加を終了する際の温度よりも高い温度、かつ、130℃以下の温度に昇温して保温する。
前記共役ジエン化合物と二酸化硫黄との反応における反応時間は、反応温度等により異なるが、通常は0.5〜50時間である。
なお、前記反応時間は、前記工程1で共役ジエン化合物の添加を開始してから、前記工程2の保温を終了するまでの時間を意味する。
なお、前記反応時間は、前記工程1で共役ジエン化合物の添加を開始してから、前記工程2の保温を終了するまでの時間を意味する。
本発明のスルフォレン化合物の製造方法は、前記工程1及び前記工程2において、系の圧力を1MPa未満に維持する。そのため、本発明のスルフォレン化合物の製造方法では、特別な高圧ガス設備を必要とせずに低コストで容易に前記式(2)で表されるスルフォレン化合物(以下、単にスルフォレン化合物ともいう)を製造することができる。
前記系の圧力は、1MPa未満であればよく、反応温度等によって変化するため一概には言えないが、0.2〜0.9MPaの範囲であることが好ましい。
前記工程2において保温した後、反応容器内に残存するガスをパージし、反応液を冷却することで、溶液としてスルフォレン化合物が得られる。当該溶液を冷却して析出させた後、濾過等によりスルフォレン化合物を単離することができる。
前記スルフォレン化合物の具体例としては、例えば、3−スルフォレン、3−メチル−3−スルフォレン、3−エチル−3−スルフォレン、3−プロピル−3−スルフォレン、3−ブチル−3−スルフォレン、3−イソブチル−3−スルフォレン、3−tert−ブチル−3−スルフォレン、3−ヘキシル−3−スルフォレン、3,4−ジメチル−3−スルフォレン、3,4−ジエチル−3−スルフォレン、3,4−ジブチル−3−スルフォレン、3−ヘキシル−4−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジメチル−3−スルフォレン、2,3,5−トリメチル−3−スルフォレン、2,5−ジメチル−3−ヘキシル−3−スルフォレン、2,3,4,5−テトラメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−2−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−2,5−ジメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3,4−ジメチル−3−スルフォレン、2,5−ジエチル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3−メチル−3−スルフォレン、2,5−ジプロピル−3,4−ジメチル−3−スルフォレン等が挙げられる。
前記スルフォレン化合物を単離することなく、引き続き、水素化することにより、効率よく下記式(3)で表されるスルフォラン化合物を得ることができる。
本発明のスルフォレン化合物の製造方法により、前記式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて製造した前記式(2)で表されるスルフォレン化合物を、水素化触媒の存在下で水素化させる工程3を有する式(3)で表されるスルフォラン化合物(以下、単にスルフォラン化合物ともいう)の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明のスルフォレン化合物の製造方法により、前記式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて製造した前記式(2)で表されるスルフォレン化合物を、水素化触媒の存在下で水素化させる工程3を有する式(3)で表されるスルフォラン化合物(以下、単にスルフォラン化合物ともいう)の製造方法もまた、本発明の1つである。
式(3)中、R1〜R6は、式(1)におけるR1〜R6と同じ基を示す。
本発明のスルフォラン化合物の製造方法では、前記スルフォレン化合物を水素化する前に、水素化触媒の活性を阻害する残存二酸化硫黄を脱気等により除去しておくことが好ましい。二酸化硫黄の残存濃度は、50ppm以下であることが好ましい。二酸化硫黄の残存濃度が50ppmを超える場合は、水素化反応が不充分となるおそれがある。
前記工程3において、スルフォレン化合物を水素化する方法としては、例えば、反応溶媒中、水素化触媒の存在下にて、反応容器内に水素ガスを導入し、水素雰囲気下で反応させる方法が挙げられる。
前記水素化触媒としては、一般的に接触水素化反応に用いられるものであれば限定されないが、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅、パラジウム、ロジウム、ルテニウム及び白金等の金属や金属化合物を用いることができ、これらの形態としては、例えば、これらを微粉状の粉体としたもの、活性炭、酸化アルミニウム、シリカゲル、珪藻土やゼオライト等の担体に担持させたもの、ホスフィンやアミン等との錯体としたもの等が挙げられる。具体的には例えば、ラネーニッケル、ニッケル炭素、パラジウム炭素、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ルテニウム炭素、ロジウム炭素及び白金炭素等が挙げられる。これらの水素化触媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記水素化触媒の使用量は特に限定されないが、前記スルフォレン化合物100質量部に対して、好ましい下限は0.05質量部、好ましい上限は6.0質量部である。前記水素化触媒の使用量が0.05質量部未満であると、水素化反応が充分に進行せず、スルフォラン化合物の収率が低下することがある。前記水素化触媒の使用量が6.0質量部を超えても、使用量に見合う効果がなく経済的でない。前記水素化触媒の使用量のより好ましい下限は0.1質量部、より好ましい上限は3.0質量部である。
前記水素化反応に用いられる反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類や、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類や、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素や、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類や、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素や、スルフォラン、2−メチルスルフォラン、3−メチルスルフォラン等のスルホン化合物や、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド化合物や、水等が挙げられる。これらの反応溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記反応溶媒の使用量は特に限定されないが、前記スルフォレン化合物100質量部に対して、好ましい下限は50質量部、好ましい上限は1万質量部である。前記反応溶媒の使用量が50質量部未満であると、原料が析出する等して反応が円滑に進まず、スルフォラン化合物の収率が低下することがある。前記反応溶媒の使用量が1万質量部を超える場合は、容積効率が悪くなり、使用量に見合う効果がなく経済的でない。前記反応溶媒の使用量のより好ましい下限は100質量部、より好ましい上限は5000質量部である。
前記工程3において、スルフォレン化合物を水素化する反応における反応温度(以下、水素化反応温度とも言う)の好ましい下限は0℃、好ましい上限は150℃である。前記水素化反応温度が0℃未満であると、水素化反応が不充分となってスルフォラン化合物の収率が低下することがある。前記水素化反応温度が150℃を超えると、スルフォレン化合物が分解し、副生成物が生成する等により、スルフォラン化合物の収率が低下することがある。前記水素化反応温度のより好ましい下限は15℃、より好ましい上限は100℃である。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応容器内の圧力は、水素雰囲気で大気圧(0MPa)以上1MPa未満であることが好ましい。
前記スルフォレン化合物を水素化する反応における反応時間は、反応温度等により異なるが、通常0.5〜50時間である。
前記工程3において、スルフォレン化合物を水素化する反応後、反応容器内に残存するガスをパージし、溶媒を減圧蒸留等で留出させて除去することで、式(3)で表されるスルフォラン化合物が得られる。また、前記スルフォラン化合物は、反応容器内に残存するガスをパージし、溶媒を除去した後に蒸留することでも得ることができる。
前記式(3)で表されるスルフォラン化合物としては、スルフォラン、3−メチルスルフォラン、3−エチルスルフォラン、3−プロピルスルフォラン、3−ブチルスルフォラン、3−イソブチルスルフォラン、3−tert−ブチルスルフォラン、3−ヘキシルスルフォラン、3,4−ジメチルスルフォラン、3,4−ジエチルスルフォラン、3,4−ジブチルスルフォラン、3−ヘキシル−4−メチルスルフォラン、2,5−ジメチルスルフォラン、2,3,5−トリメチルスルフォラン、2,5−ジメチル−3−ヘキシルスルフォラン、2,3,4,5−テトラメチルスルフォラン、2,5−ジエチルスルフォラン、2,5−ジエチル−2−メチルスルフォラン、2,5−ジエチル−2,5−ジメチルスルフォラン、2,5−ジエチル−3,4−ジメチルスルフォラン、2,5−ジエチルスルフォラン、2,5−ジプロピルスルフォラン、2,5−ジプロピル−3−メチルスルフォラン、2,5−ジプロピル−3,4−ジメチルスルフォラン等が挙げられる。
本発明によれば、特別な高圧ガス設備を用いず、かつ、重合物の生成を抑制することができるスルフォレン化合物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該スルフォレン化合物の製造方法を用いて製造されたスルフォレン化合物を用いたスルフォラン化合物の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(スルフォレン化合物の作製)
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを80℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、80℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを90℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、90℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを100℃に昇温した後、撹拌しながら100℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は395g(2.99mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は88%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、20ppmであった。
(スルフォレン化合物の作製)
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを80℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、80℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを90℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、90℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを100℃に昇温した後、撹拌しながら100℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は395g(2.99mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は88%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、20ppmであった。
(スルフォラン化合物の作製)
次に、撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、作製した3−メチルスルフォレン溶液160g(3−メチルスルフォレン含有量58g(0.44mol))とラネーニッケル(50%含水品)4.0g(ニッケル純分2.0g)とを仕込み、水素を導入して圧力計が0.8MPaになるまで充填し、撹拌速度1000rpmで反応を開始した。水素が水素化反応に消費され、圧力計が0.6MPaに低下したところで、水素を補充して、0.8MPaに戻すことを繰り返し、圧力の低下が停止したところで、反応終了とした。その結果、反応開始から反応終了までの反応時間は5時間であった。反応終了後、ガスクロマトグラフィーにより水素化の反応率を測定したところ、3−メチルスルフォレンは消失し、100%反応が進行していることを確認した。
その後、反応液中の金属触媒を濾過して取り除き、100mmHg、100℃で減圧蒸留を行い、2−プロパノールを留去した。次に、留去した反応液を3mmHg、120℃で減圧蒸留を行い、3−メチルスルフォラン56.4g(0.42mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は84%であった。
次に、撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた500mL容のステンレス製オートクレーブに、作製した3−メチルスルフォレン溶液160g(3−メチルスルフォレン含有量58g(0.44mol))とラネーニッケル(50%含水品)4.0g(ニッケル純分2.0g)とを仕込み、水素を導入して圧力計が0.8MPaになるまで充填し、撹拌速度1000rpmで反応を開始した。水素が水素化反応に消費され、圧力計が0.6MPaに低下したところで、水素を補充して、0.8MPaに戻すことを繰り返し、圧力の低下が停止したところで、反応終了とした。その結果、反応開始から反応終了までの反応時間は5時間であった。反応終了後、ガスクロマトグラフィーにより水素化の反応率を測定したところ、3−メチルスルフォレンは消失し、100%反応が進行していることを確認した。
その後、反応液中の金属触媒を濾過して取り除き、100mmHg、100℃で減圧蒸留を行い、2−プロパノールを留去した。次に、留去した反応液を3mmHg、120℃で減圧蒸留を行い、3−メチルスルフォラン56.4g(0.42mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は84%であった。
(実施例2)
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを90℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、90℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを100℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、100℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを110℃に昇温した後、撹拌しながら110℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は400g(3.03mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は89%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、25ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン57.4g(0.43mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は85%であった。
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを90℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、90℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを100℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、100℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを110℃に昇温した後、撹拌しながら110℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は400g(3.03mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は89%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、25ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン57.4g(0.43mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は85%であった。
(実施例3)
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを70℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した。この間、系内の温度を段階的に80℃まで昇温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを90℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、90℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを110℃に昇温した後、撹拌しながら110℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は397g(3.00mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は88%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、22ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン57.2g(0.43mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は85%であった。
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを70℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した。この間、系内の温度を段階的に80℃まで昇温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを90℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、90℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを110℃に昇温した後、撹拌しながら110℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.4MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は397g(3.00mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は88%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、22ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン57.2g(0.43mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は85%であった。
(実施例4)
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを70℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した。この間、系内の温度を段階的に90℃まで昇温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した。この間、系内の温度を段階的に110℃まで昇温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.6MPaであった。
次いで、撹拌しながら110℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は398g(3.01mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は89%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、32ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン57.6g(0.43mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は86%であった。
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを70℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した。この間、系内の温度を段階的に90℃まで昇温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した。この間、系内の温度を段階的に110℃まで昇温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.6MPaであった。
次いで、撹拌しながら110℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は398g(3.01mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は89%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、32ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン57.6g(0.43mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は86%であった。
(実施例5)
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを90℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、90℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを100℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、100℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを130℃に昇温した後、撹拌しながら130℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.9〜0.7MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は399g(3.03mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は89%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、18ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン57.2g(0.43mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は85%であった。
撹拌機、温度計、圧力計及び加熱器を備え付けた1500mL容のステンレス製オートクレーブに、2−プロパノール680g及びt−ブチルカテコール0.2gを仕込み、二酸化硫黄261gを充填した。次に、オートクレーブを90℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、90℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを100℃に昇温した。2−メチル−1,3−ブタジエン116g(1.7mol)を、ポンプを用いて1.93g/minの速度で注入した後、100℃で1時間撹拌した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。
次いで、オートクレーブを130℃に昇温した後、撹拌しながら130℃で3時間保温した。この間、オートクレーブ内の圧力は0.9〜0.7MPaであった。
次いで、オートクレーブを60℃に冷却した後、オートクレーブ内を放圧した。得られた反応液を、濾紙をひいたヌッチェ(ろ過器)を用いて濾過することにより、3−メチルスルフォレン溶液を得た。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は399g(3.03mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォレンの収率は89%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上に重合物は認められなかった。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、18ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン57.2g(0.43mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は85%であった。
(比較例1)
実施例1の「スルフォレン化合物の作製」において、2−メチル−1,3−ブタジエン滴下時及び保温時の温度を80℃一定に代えたこと以外は、実施例1と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は359g(2.72mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は80%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には3.5gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、33ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン51.3g(0.38mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は76%であった。
実施例1の「スルフォレン化合物の作製」において、2−メチル−1,3−ブタジエン滴下時及び保温時の温度を80℃一定に代えたこと以外は、実施例1と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は359g(2.72mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は80%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には3.5gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、33ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン51.3g(0.38mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は76%であった。
(比較例2)
実施例1の「スルフォレン化合物の作製」において、2−メチル−1,3−ブタジエン滴下時及び保温時の温度を120℃一定に代えたこと以外は、実施例1と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の最高釜圧は1.3MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は386g(2.92mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は86%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には0.5gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、25ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン54.6g(0.41mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は81%であった。
実施例1の「スルフォレン化合物の作製」において、2−メチル−1,3−ブタジエン滴下時及び保温時の温度を120℃一定に代えたこと以外は、実施例1と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の最高釜圧は1.3MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は386g(2.92mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は86%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には0.5gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、25ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン54.6g(0.41mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は81%であった。
(比較例3)
実施例3の「スルフォレン化合物の作製」において、2−メチル−1,3−ブタジエン滴下開始温度を60℃に代えたこと以外は、実施例3と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は350g(2.65mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は78%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には32.8gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、20ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン49.7g(0.37mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は74%であった。
実施例3の「スルフォレン化合物の作製」において、2−メチル−1,3−ブタジエン滴下開始温度を60℃に代えたこと以外は、実施例3と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の圧力は0.7〜0.4MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は350g(2.65mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は78%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には32.8gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、20ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン49.7g(0.37mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は74%であった。
(比較例4)
実施例4の「スルフォレン化合物の作製」において、2−メチル−1,3−ブタジエン滴下終了温度を120℃に代えたこと以外は、実施例4と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の最高釜圧は1.1MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は352g(2.66mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は78%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には0.2gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、41ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン54.8g(0.41mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は82%であった。
実施例4の「スルフォレン化合物の作製」において、2−メチル−1,3−ブタジエン滴下終了温度を120℃に代えたこと以外は、実施例4と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の最高釜圧は1.1MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は352g(2.66mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は78%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には0.2gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、41ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン54.8g(0.41mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は82%であった。
(比較例5)
実施例4の「スルフォレン化合物の作製」において、共役ジエン滴下終了後の保温温度を90℃に代えたこと以外は、実施例4と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は377g(2.85mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は84%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には0.2gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、41ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン53.8g(0.40mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は80%であった。
実施例4の「スルフォレン化合物の作製」において、共役ジエン滴下終了後の保温温度を90℃に代えたこと以外は、実施例4と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の圧力は0.8〜0.5MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は377g(2.85mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は84%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には0.2gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、41ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン53.8g(0.40mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は80%であった。
(比較例6)
実施例4の「スルフォレン化合物の作製」において、共役ジエン滴下終了後の保温温度を140℃に代えたこと以外は、実施例4と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の最高釜圧は1.4MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は380g(2.87mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は85%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には6.2gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、27ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン52.2g(0.49mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は78%であった。
実施例4の「スルフォレン化合物の作製」において、共役ジエン滴下終了後の保温温度を140℃に代えたこと以外は、実施例4と同様にして3−メチルスルフォレン溶液を得た。反応中のオートクレーブ内の最高釜圧は1.4MPaであった。得られた3−メチルスルフォレン溶液を、HPLCを用いて定量した結果、3−メチルスルフォレンの含有量は380g(2.87mol)であり、2−メチル−1,3−ブタジエンに対する収率は85%であった。3−メチルスルフォレン溶液を濾過した後の濾紙上には6.2gの重合物が認められた。
得られた3−メチルスルフォレン溶液を40〜50℃、100〜200mmHgで減圧脱気することにより、3−メチルスルフォレン溶液に溶存している二酸化硫黄を除去した。3−メチルスルフォレン溶液の二酸化硫黄濃度を、イオンクロマトグラフィーを用いて分析すると、27ppmであった。
得られた3−メチルスルフォラン溶液を用いて、実施例1の「スルフォラン化合物の作製」と同様にして3−メチルスルフォランの水素化反応を行い、3−メチルスルフォラン52.2g(0.49mol)を得た。2−メチル−1,3−ブタジエンに対する3−メチルスルフォランの収率は78%であった。
本発明によれば、特別な高圧ガス設備を用いず、かつ、重合物の生成を抑制することができるスルフォレン化合物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該スルフォレン化合物の製造方法を用いて製造されたスルフォレン化合物を用いたスルフォラン化合物の製造方法を提供することができる。
Claims (4)
- 下記式(1)で表される共役ジエン化合物と二酸化硫黄とを反応させて下記式(2)で表されるスルフォレン化合物を製造する方法であって、
前記二酸化硫黄に前記式(1)で表される共役ジエン化合物を、溶媒中で70〜110℃の範囲で昇温しながら分割して添加する工程1と、
前記工程1で前記式(1)で表される共役ジエン化合物を添加した後、100〜130℃に昇温して保温する工程2とを有し、
前記工程1及び前記工程2において、系の圧力を1MPa未満に維持する
ことを特徴とするスルフォレン化合物の製造方法。
- 工程1は、70〜90℃の範囲にて式(1)で表される共役ジエン化合物を、分割して添加する全量の40〜60質量%の範囲で添加する工程1−1と、
80〜110℃の範囲にて式(1)で表される共役ジエン化合物を、分割して添加する全量の40〜60質量%の範囲で添加する工程1−2とを有する
ことを特徴とする請求項1記載のスルフォレン化合物の製造方法。 - 式(1)で表される共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、及び、3,4−ジメチル−2,4−ヘキサジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種の共役ジエン化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のスルフォレン化合物の製造方法。
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