JP5706245B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
[1] 走行機体から苗植付け装置への動力伝達用に機体下腹部に配備されている伝動軸に、磁性金属板からなる回転検出体を取り付けるとともに、その回転検出体の回転を近接スイッチで検出するように構成した回転検出機構を備え、その回転検出機構による前記伝動軸が回転しているか否かの検出情報に基づいて、薬剤繰り出し用の目皿駆動用のステッピングモータの作動を制御するようにしたもの(たとえば特許文献1参照)。
また、別の目的として、その薬剤散布の監視に用いるセンサを、メンテナンス作業の妨げにならずに監視し易い位置に配設した田植機を得ることにある。
〔解決手段1〕
本発明は、苗のせ台を往復横送り作動させる横送り装置、及び前記苗のせ台上の苗を所定量ずつ苗取り出し口側へ送り出す縦送り装置を備えた苗植付け装置と、その苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置とを備えた田植機であって、前記横送り装置の横送り駆動部、及び前記縦送り装置の縦送り駆動部を内装する駆動ケースを備え、前記駆動ケースの左右方向の端部から縦送り装置の縦送り駆動軸を突出させて縦送りアームを設け、往復横移動する苗のせ台側に備えた前記縦送り装置の被動アームを前記縦送りアームで駆動するように構成し、前記縦送りアームが作動したことを検知する縦送り検知センサを備え、その縦送り検知センサの作動に基づいて前記散布装置の作動を制御するように構成してあり、前記駆動ケースの左右方向での一端部に、前記横送り駆動部の変速用ギヤをケース外部から交換可能な外部開放部、及びその外部開放部を閉塞可能な開閉カバーを設け、前記縦送り検知センサを、側面視で前記外部開放部から外れた位置に設けてあることを特徴とする。
上記の解決手段によれば、散布装置の散布量を決定するにあたり、苗植付け装置が作動しているのか否かではなく、縦送り装置の作動状況を監視して、その縦送り装置の作動状況に対応させて散布を行うので、縦送りアームの複数回の作動毎に一度の散布を行うように制御するなど、散布形態に基づいて散布装置の作動を制御して、散布装置の一度の散布量を特に微量に制限する必要もなく、圃場に対する散布量を適切に設定することができる利点がある。
解決手段2にかかる発明では、前記縦送りアームを、前記縦送り駆動軸の往復回転に伴って往復揺動作動するように構成された往復駆動式とし、前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されていることを特徴とする。
上記の解決手段によれば、縦送りアームの往復ストロークの端部位置では、揺動方向を反転する縦送りアームの作動が一旦停止するので、往復ストロークの中間位置で揺動作動中の縦送りアームの位置を検出する場合に比べて、縦送りアームの位置検出をより確実に行い易いものであり、確実な検出を行い易いという利点がある。
解決手段3にかかる発明では、前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置のうち、待機時間の長い方の端部で前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されていることを特徴とする。
上記の解決手段によれば、縦送りアームの往復ストロークの端部位置のうちでも、待機時間の長い方の端部で縦送りアームの位置を検知するものであるから、さらに確実に縦送りアームの位置を検出し易いという利点がある。
〔全体構成〕
図1に示すように、乗用型田植機は、操向操作自在な左右一対の前輪1及び左右一対の後輪2を備えた走行機体3の前部側に、エンジン4及びミッションケース5を備え、走行機体3の中央部にステアリングハンドル6等を装備した操縦部7と運転座席8とを備えて構成され、又、走行機体3の左右両側に予備苗のせ台9が配設されている。
走行機体3の後方には、リフトシリンダ10の操作により、リンク機構11を介して昇降操作自在に苗植付け装置12が連結され、その苗植付け装置12の後方に、散布装置の一例であるところの、粉粒状の除草剤等の薬剤を散布する薬剤散布装置13が備えられている。図2に示すように、苗植付け装置12は4条植型式に構成されている。ミッションケース5には、操縦部7に装備した変速レバー7aを操作することにより変速操作される静油圧式の無段変速装置(図示せず)が備えられている。
この薬剤散布装置13は、苗植付け装置12の後述する植付け伝動ケース16に対して散布装置支持フレーム28を介して着脱可能に装備されている。
前記電気制御ユニット27には、後述する縦送り検知センサ50で検出される縦送り装置21の送り作動が設定回数行われたことを検出する毎に、繰出し機構25により所定量の薬剤を拡散放出機構26側に送り出して、薬剤を圃場に拡散放出するように、繰出し機構25及び拡散放出機構26の作動を制御する制御装置(図示せず)が備えられている。
図1及び図2に示すように、苗植付け装置12は、1個のフィードケース14(駆動ケースに相当する)に連結された機体左右方向に延びる支持フレーム15,15に、後部側の植付け爪駆動機構17に動力を伝える2個の植付け伝動ケース16が後向きに片持ち状に連結されている。植付け伝動ケース16の後部の左右両側部に植付アーム18が植付け爪駆動機構17により上下に揺動自在に支持され、植付アーム18に植付爪22が備えられており、苗植付け装置12の下部には接地フロート19が支持されている。
又、苗植付け装置12には、苗のせ台20が左右に一定ストロークで往復横送り駆動自在に備えられており、苗のせ台20がストロークエンドに達する毎に、載置された苗を所定量だけ下方に送るベルト式の縦送り装置21が苗のせ台20に備えられている。
前記中継軸32に伝えられた動力は、中継軸32と一体回動する出力スプロケット32bからチェーン式伝動機構42を介して後述する植付け爪22の駆動系と、後述する苗のせ台20を横送りする横送り装置としての横送り駆動軸34や、前記縦送り装置21の縦送りベルト21aを駆動するための縦送りアーム38の駆動系とに分配供給されるように構成してある。
つまり、各植付アーム18は、分配供給された動力が、第1伝動軸44や第2伝動軸45などを介して伝達されることで、一定周期ごとに苗のせ台20の苗取出口20aから苗のせ台20に載置された苗を所定量ずつ取り出して圃場に植え付ける植え付け動作を行うように構成されている。
そして、前記変速出力ギヤ43aと変速入力ギヤ43bとのギヤ比を変更するように変速出力ギヤ43aと変速入力ギヤ43bとを交換することで、横送り駆動軸34の回転速度を変更して、苗のせ台20の横送り速度を適宜の減速された速度に変更可能であるように構成してあり、植付アーム18での苗取り量を変更可能に構成してある。
前記縦送り駆動軸36に設けられた被操作片36aは、図7に示すように、その遊端部がフィードケース14の内面側へに向けて付勢されるように、つるまきバネ37が縦送り駆動軸36に外嵌して装着されている。前記横送り駆動軸34に装備された操作片34bが、フィードケース14内で、縦送り駆動軸36に装備された被操作片36aをつるまきバネ37の付勢力に抗して、フィードケース14から離れる側に揺動操作するように、前記操作片34bの回転軌跡に対する被操作片36aの相対位置を設定して配設してある。
そして、縦送り駆動軸36の往復回動に連動して、縦送り駆動軸36の左右両端部に装備された縦送りアーム38のいずれかが、苗のせ台20が左右の各ストローク端に到達するたびに苗のせ台20に装備された被動アーム41を蹴り上げて、苗のせ台20に装備された複数の縦送りベルト21aを間欠駆動させることで、苗のせ台20が左右の各ストローク端に到達するごとに苗のせ台20に載置された苗を所定ピッチで縦送りするように構成されている。つまり、前記縦送り駆動部、縦送りアーム38、被動アーム41、及び縦送りベルト21aによって縦送り装置21が構成されている。
この縦送りアーム38の往復ストロークRSのうちで、図5に仮想線で示すように、検出アーム部38bが往復ストロークRSの下端部に位置する箇所に対応させて、縦送り検知センサ50を設けてある。
そして、前記縦送り検知センサ50による縦送り駆動軸36の作動検出情報は、前記薬剤散布装置13に備えた電気制御ユニット27によって予め設定された所定回数だけカウントされ、縦送り駆動軸36の作動回数が所定回数に達すると前記電気制御ユニット27の指令に基づいて繰り出し機構25が作動され、所定量の薬剤が繰り出されるように制御される。
前記支持ロッド23aは、植付け伝動ケース16の横側部に固定ボルト48aを用いて連結固定された金属製のロッド支持体48に挿通された状態で固定してある。このロッド支持体48は、前記植付け伝動ケース16とは別部品としてロストワックス製法により予め鋳造されたものであり、植付け伝動ケース16に対して板状部材を溶接固定して構成されるものではないので、ロッド支持体48の製造、ならびに組み付け工程を簡素化する上で有効である。また、予め鋳造品として構成することにより、板状部材を溶接して構成する場合よりも錆にも強い製品を得やすい点でも有利である。
図9はマーカ51の格納構造を示す。
このマーカ51は、苗植付け装置12の左右両側に装備させてあり、車体前後方向に沿う前後向き軸芯p2周りで上下揺動可能に構成されている。
このマーカ51は、基端側から遊端側に亘る一連の長い棒状のバネ鋼からなるマーカアーム52と、そのマーカアーム52の遊端側に装着された回転マーカ53と、前記マーカアーム52の基端側部分に装着された補強アーム54とを備え、前記マーカアーム52が水平横外方へ突出するマーカ作用姿勢となる側へ付勢バネ55で揺動付勢されている。
つまり、前記固定金具57は、図9に示すように、苗植え付け装置12側の固定支柱12Bへの取付部57aの他に、第1係合部57bと第2係合部57cとを形成するように、2段に屈曲形成された棒状部材で構成してある。
したがって、図9に実線で示すようにマーカ51が固定金具57の第1係合部57bに係合した状態では、前記回転マーカ53の中心が前記前後向き軸芯p2の直上近くに位置するが、図9に仮想線で示したように、マーカ51が固定金具57の第2係合部57cに係合した状態では、前記回転マーカ53の中心が前記前後向き軸芯p2の直上よりも機体内方側に位置し、前記回転マーカ53の横外方側の端部が摺動板ガード23bの外側縁上の鉛直線yよりも機体内方側に入り込むように位置する。
前記エンジンボンネット60は合成樹脂製材料で構成してあり、上端側を図示しない揺動支点周りで揺動自在に取り付けてあり、下端側にマグネット63がボルト63a及びナット63bで固定してある。
前記フェンダ64は板金製材料で構成してあり、フェンダ64の上面側と前記マグネット63との間の吸磁力でエンジンボンネット60の下端側をガタツキなく固定できるように構成してある。このようにマグネット63がフェンダ64側にではなくエンジンボンネット60側に設けてあることにより、前記マグネット63の存在箇所に雨水や泥水が溜まって錆が発生し易くなるような事態を避けやすくなる。
これによって、隣接マーカ65の下端の位置を任意の方向に向けて位置変更し易くなる。
この警報用のホーン68は、運転座席8を支持する座席支持台8Aの内側向きの横側壁箇所に支持ステー68aを介して支持されている。
実施の形態では、縦送り検知センサ50を、縦送りアーム38の検出アーム部38bの往復ストロークRSの下端部で縦送りアーム38の検出アーム部38bの位置を検出するように構成したものを示したが、これに限らず、例えば、縦送りアーム38の検出アーム部38bの往復ストロークRSの中間位置で検出アーム部38bの位置を検出したり、縦送りアーム38の検出アーム部38bの往復ストロークRSにおける上端部で縦送りアーム38の検出アーム部38bの位置を検出するように構成してもよい。
この状態は、横送り駆動軸34の操作片34bの回転軌跡のうちで、操作片34bが被操作片36aに接当して被操作片36aを作動させる範囲を除く残りの全範囲に相当するものであり、この残りの全範囲は、前記操作片34bが被操作片36aに接当して被操作片36aを作動させる範囲よりも遙かに大きいので、縦送りアーム38の検出アーム部38bが停止している時間も最も長い箇所である。
したがって、この往復ストロークRSにおける上端部で縦送りアーム38の検出アーム部38bの位置を検出すれば、最も検出ミスを少なくし易いものである。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成すればよい。
実施の形態では、横送り駆動部の変速用ギヤ43を設けるにあたり、横送り駆動軸34や中継軸32の一端側をフィードケース14の外側に延出して、フィードケース14に変速用ギヤ43を装着可能な外部開放部Sを形成し、その外部開放部Sを開閉カバー47で覆う状態と、開閉カバー47を外して変速用ギヤ43の着脱が可能な状態とに切り換えられるようにした構造のものを示したが、これに限らず、例えば、横送り駆動軸34や中継軸32の一端側で前記変速用ギヤ43を設ける部位をも含めてフィードケース14の内部に形成し、フィードケース14の一端側に開口、及び開口を閉塞する開閉蓋を設けて、その開閉蓋を開けることによって前記変速用ギヤ43の着脱を行えるように構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成すればよい。
実施の形態では、縦送り検知センサ50を無接触式の近接センサによって構成したが、これに限らず、接触式のセンサを用いて構成してもよい。
実施の形態では、縦送り検知センサ50で検出される縦送り装置21の送り作動が設定回数行われたことを検出する毎に、繰出し機構25により所定量の薬剤を拡散放出機構26側に送り出して、薬剤を圃場に拡散放出するように、繰出し機構25及び拡散放出機構26の作動を制御するものを示したが、前記設定回数は、予め設定された一定の複数の設定回数であるものに限らず、設定回数が規則的に変化する、あるいは不規則に変化するように設定された回数毎に散布するように設定されたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成すればよい。
13 散布装置
14 駆動ケース
16 植付け伝動ケース
20 苗のせ台
21 縦送り装置
36 縦送り駆動軸
38 縦送りアーム
41 被動アーム
43 変速用ギヤ
47 開閉カバー
50 縦送り検知センサ
S 外部開放部
RS 往復ストローク
Claims (3)
- 苗のせ台を往復横送り作動させる横送り装置、及び前記苗のせ台上の苗を所定量ずつ苗取り出し口側へ送り出す縦送り装置を備えた苗植付け装置と、その苗植付け装置の作動に同調して駆動される散布装置とを備えた田植機であって、
前記横送り装置の横送り駆動部、及び前記縦送り装置の縦送り駆動部を内装する駆動ケースを備え、前記駆動ケースの左右方向の端部から縦送り装置の縦送り駆動軸を突出させて縦送りアームを設け、往復横移動する苗のせ台側に備えた前記縦送り装置の被動アームを前記縦送りアームで駆動するように構成し、
前記縦送りアームが作動したことを検知する縦送り検知センサを備え、その縦送り検知センサの作動に基づいて前記散布装置の作動を制御するように構成してあり、
前記駆動ケースの左右方向での一端部に、前記横送り駆動部の変速用ギヤをケース外部から交換可能な外部開放部、及びその外部開放部を閉塞可能な開閉カバーを設け、
前記縦送り検知センサを、側面視で前記外部開放部から外れた位置に設けてあることを特徴とする田植機。 - 前記縦送りアームを、前記縦送り駆動軸の往復回転に伴って往復揺動作動するように構成された往復駆動式とし、前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されている請求項1記載の田植機。
- 前記縦送り検知センサは、前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置のうち、待機時間の長い方の端部で前記縦送りアームの往復ストロークの端部位置を検知するように配設されている請求項2記載の田植機。
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