JP5679379B1 - 移植機 - Google Patents

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Abstract

【課題】植付け株への干渉なしに、植付具に付着した泥土を確実に掻取ることができる植付具を備える移植機を提供する。【解決手段】移植機は、受けた移植物を圃場に植付ける植付具(20)を機体側面視でループ状の昇降軌跡(A)に沿って昇降可能に備えて構成され、上記植付具(20)には、植付け動作に伴う付着泥土を両側方から掻取るための弾性部材による左右のスクレーパ板(122)と、これら左右のスクレーパ板(122)を左右に開閉動作可能に支持する左右のスクレーパアーム(123)と、これら左右のスクレーパアーム(123)を閉じ側に付勢するスプリング(126)と、同スクレーパアーム(123)の閉じ側の限度位置を規定する規制具(132)とを設けたものである。【選択図】図11

Description

本発明は、植付具を昇降動作可能に備える移植機に関するものである。
玉ねぎなど葉茎菜類の苗を植付ける移植機が知られており、詳細には、鳥のくちばし形状の植付具を昇降動作可能に備え、その昇降範囲の上端で野菜苗を受け、下降端で圃場の畝面に突入するとともに植付具を開き、この突入穴に野菜苗を残留して上昇しつつ閉じる動作を繰返す。この植付具の畝面突入に伴い、圃場の泥土が植付具に付着して雪だるま状になると、圃場面に形成される植付穴が大きくなり、この大きな植付け穴の中で移植苗が傾斜して植付け姿勢の乱れを招くこととなり、また、植付具が開いても野菜苗が付着泥土に引っ掛かって植付け姿勢が乱れたり、植付具内に留まった場合には苗飛びとなり、手植えによる補植を要する事態を招くのみならず、植付具内の苗に更に上から供給された次の苗が引っ掛かって苗供給部のトラブルを招くことから、特許文献1に記載の如く、植付具にスクレーパを設けることにより、付着泥土を掻取って植付け異常を防止することができる。
特開2010−51237号公報
しかしながら、スクレーパの掻き取り作用によって植付具の付着泥土の掻取りを可能とするものの、スクレーパの作用力が弱いと残留泥土よる累積付着を招き、その一方で、スクレーパの作用力が強すぎると植付けた移植株を挟み込み、機体移動によって植付け株の植付け姿勢が乱れたり、ときに移植株の引抜きを招くという問題があった。
本発明は、植付け株への干渉なしに、植付具に付着した泥土を確実に掻取ることができる植付具を備える移植機を提供することにある。
請求項1に係る発明は、受けた移植物を圃場に植付ける植付具(20)を昇降軌跡(A)に沿って昇降可能に備える移植機において、
上記植付具(20)には、植付け動作に伴う付着泥土を両側方から掻取るための可撓性の板状材で形成した左右のスクレーパ板(122)と、これら左右のスクレーパ板(122)を左右に開閉動作可能に支持する左右のスクレーパアーム(123)と、これら左右のスクレーパアーム(123)を閉じ側に付勢するスプリング(126)と、同スクレーパアーム(123)の閉じ側の限度位置を規定する規制具(132)とを設け、
上記左右一対のスクレーパ板(122)は、上記左右のスクレーパアーム(123)が
上記規制具(132)により規制された閉じ側の限度位置で、左右のスクレーパ板(12
2)の前半部分を互いに接触する接触部(122c)とし、残余の部分の間を開いて構成
することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記植付具(20)を3条以上の植付条別に配置するとともに移植物を供給する供給装置(6)を設け、この供給装置(6)は、移植物を収容する複数の収容体(22)と、これら収容体(22)が各植付具(20)の上方を順次通過して周回移動させる移動機構(23)と、この移動機構(23)により連続して通過する全植付条分の収容体(22)を収容ユニット(25)として上記全植付条の植付具(20)に落下供給させる落下供給機構(24)とを備え、
この落下供給機構(24)は、各々の植付具(20)に対応する各々の落下供給位置で移植物を落下供給すると共に、各々の落下供給位置に対応して落下供給する移植物を収容する収容体(22)を各別に設けて、各々の落下供給位置に対応する上記各別の収容体(22)を各々1個づつ備えて周回移動経路で隣接させた3個以上の収容体(22)からなる収容ユニット(25)を構成し、移動機構(23)により収容ユニット(25)を同一の周回移動経路で複数組周回移動させる構成とし、収容体(22)の周回移動経路を平面視で左右方向に延びる直線状部分と直線状部分から前側又は後側に円弧状に曲がる円弧状部分とを備えた長円形構成とし、隣接する落下供給位置の周回移動経路に沿う互いの配列間隔を異ならせ、
第一から第三の落下位置は、周回経路の直線状部分に配置し、
第一の落下位置では、植付具(20)が上死点又は上死点近くに到達したときに植付具
(20)へ移植物を落下供給し、
第二の落下位置では、植付具(20)が上死点へ向けて上動するタイミングで植付具(
20)へ移植物を落下供給し、
第三の落下位置では、植付具(20)が上死点を過ぎて下動するタイミングで植付具(
20)へ移植物を落下供給し、
さらにそれぞれの植付具(20)に対応して上記左右のスクレーパ板(122)および上記左右のスクレーパアーム(123,123)を設けたことを特徴とする。
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請求項1に係る発明により、可撓性の板状材で形成した左右のスクレーパ板(122,122)は、スクレーパアーム(123,123)に作用するスプリング(126)によって閉じる方向に付勢されることから、昇降動作する植付具(20)の両側面に接して付着泥土を掻き落すことができ、このとき、左右のスクレーパアーム(123,123)は、規制具(132)によって一定の範囲に限って植付具(20)の両側面に接することから、植付け株に対する干渉を抑えることができる。
さらに接触部によって規制具(132)を構成することができ、左右のスクレーパ板(122,122)の後部による植付け株への干渉を抑えることができる。
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請求項に係る発明により、請求項に係る発明の効果に加え、共通の供給装置(6)により移植物の補給を容易に行うことができる。また。3条以上の移植における移植物の落下供給を適正に行うことができる。
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本発明の第一実施形態にかかる苗移植機の側面図 図1の苗移植機の平面図 図1の苗移植機の正面図 図1の苗移植機の容器支持部の拡大正面図 図4の容器支持部の底面保持部の斜視拡大図 図1の苗移植機のローリング用アクチュエータ周辺の拡大平面図 植付部周りの要部側面図) スクレーパの平面図(a)、側面図(b)および背面図(c)) スクレーパアームの中間部位置(a)と端部位置(b)の断面図 植付具のループ状軌跡の側面図 別構成例1のスクレーパの平面図 ハブの前支持(a)と後支持(b)の拡大斜視図 4条構成の場合のスクレーパの平面図 外側条(a)と内側条(b)のスクレーパの側面図 別構成例2のスクレーパの平面図(a)、側面図(b)、背面図(c) 別構成例3のスクレーパの側面図(a)、閉じた時(b)および開いた時(c)の断面図 別構成例4のスクレーパの側面図(a)および別構成例5のスクレーパの側面図(b) 本発明の実施の形態において、苗落下供給機構24による苗の供給動作を説明する図であり、苗供給装置を上から見た模式図 (a)本発明の実施の形態の、番号1で区別される苗収容体に対応する底蓋の平面図及び側面図、(b)本発明の実施の形態の、番号2で区別される苗収容体に対応する底蓋の平面図及び側面図、(c)本発明の実施の形態の、番号3で区別される苗収容体に対応する底蓋の平面図及び側面図、(d)本発明の実施の形態の、番号4で区別される苗収容体に対応する底蓋の平面図及び側面図 本発明の実施の形態の苗供給装置を周回移動する苗収容体を支持する支持構造を上から見た図 (a):本発明の実施の形態の、各落下供給位置と対応する植付具との位置関係を示す図、(b):第1苗ガイドの左側面図、(c):第2苗ガイド及び第3苗ガイドの左側面図、(d):第4苗ガイドの左側面図 本発明の実施の形態において、第3植付具に苗を供給するときの苗供給装置を上から見た模式図
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。なお以下の説明では、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン3を配置した側を前とする。そして、機体後側から機体前側に向かって右手側を右とし、左手側を左とする。
図1には本発明の第一実施形態にかかる苗移植機の側面図を、図2には図1の苗移植機の平面図を、図3には図1の苗移植機の正面図を示す。図3においては、操縦ハンドル2等の走行車体4の後方に位置するものは省略している。
この苗移植機1は、機体を前進走行可能とする走行車体4と、該走行車体4の後部に設けた歩行操縦用の操縦ハンドル2と、圃場に苗を植付ける苗植付装置5と、該苗植付装置5に苗を供給する苗供給装置6を備え、主にタマネギ等の苗を移植する構成としている。
走行車体4は、図示例では、エンジン3と、該エンジン3の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の駆動車輪である後輪7と、該後輪7の前方に転動自在に支持した左右一対の前輪8とを備えたものとしている。
エンジン3の後側にはミッションケース9を配置し、そのミッションケース9は、その左側部からエンジン3の左側方に延びるケース部分を有し、これがエンジン3の左側部と連結している。このケース部分にエンジン3の出力軸が入り込んでミッションケース9内の伝動機構に動力が伝達する構成となっている。ミッションケース9の左右両側部には、前後に長い走行用の伝動ケース10の前部を回動自在に取り付けている。具体的には、走行用の伝動ケース10の前部の機体内側部に、該伝動ケース10と一体回転可能に設けたアクスルケース11を設け、このアクスルケース11をミッションケース9の左右両側部に回動自在に取付けて、走行用の伝動ケース10をミッションケース9の左右両側部に対して回動自在に取付けている。アクスルケース11は、畝幅に対応して左右に伸縮調節可能に設けている。そして、この走行用の伝動ケース10の後部側方に突出させた車軸12に後輪7を装着している。伝動ケース10の前部の回動軸心位置には、ミッションケース9から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで、ミッションケース9内の走行部系変速伝動部を経た走行用の動力が伝動ケース10内の伝動機構に伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース10内の伝動機構を介して、伝動ケース10の後端側の車軸12に伝動し、後輪7が駆動回転するようになっている。
なおミッションケース9内に設けた左右それぞれのサイドクラッチ(図示せず)により、左右各々の後輪7の駆動を断つことができる構成になっている。したがって、機体を旋回させるときには、前記サイドクラッチにより旋回内側となる左右一方の後輪7を非駆動状態にしてスム−ズに旋回できるようになっている。
走行用の伝動ケース10には、該伝動ケース10の前部側を回動支点として後輪7を上下させるよう上下回動する駆動手段が連結している。具体的には、伝動ケース10のミッションケース9への取付部には、上方に延びるアーム13を一体的に取り付けていて、これがミッションケース9に固定された昇降用油圧シリンダのピストンロッド先端に取り付けた連結体の左右両側部と連結している。左右一方側(右側)は、ロッドで連結し、他方側(左側)は、機体の傾斜に応じて伸縮作動可能な左右水平制御用の油圧シリンダであるローリング用アクチュエータ110で連結している。
昇降用油圧シリンダが作動してそのピストンロッドが機体後方に突出すると、左右の前記アーム13は前方に回動し、これに伴い伝動ケース10が下方に回動して、機体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダのピストンロッドが機体前方に移動してシリンダ内に引っ込むと、左右の前記アーム13は前方に回動し、これに伴い伝動ケース10が上方に回動して、機体が下降する。この昇降用油圧シリンダは、畝面に接地して機体と畝面との上下間隔の変動にともなって動作するセンサー14によって作動する。センサー14の動作は機体に対する畝上面高さを検出する動作となり、そのセンサー14の検出動作に基づいて機体を畝上面高さに対して設定高さになるよう昇降用油圧シリンダが作動するよう構成している。また、操縦ハンドル2近傍に配置した植付・昇降操作具15の人為操作によって機体を上昇或は下降させるよう昇降用油圧シリンダが作動する構成ともしている。尚、この植付・昇降操作具15は、苗植付装置5及び苗供給装置6の駆動の入切も行える構成となっている。
前記ローリング用アクチュエータ110が伸縮作動すると、そのローリング用アクチュエータ110と連結する左側のアーム13が回動して、左側の後輪7のみを上下動させ、機体を左右に傾斜させる。このローリング用アクチュエータ110は、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサの検出結果に基づいて機体を左右水平になるように作動するよう構成している。
前記左右前輪8は、エンジン3下方の左右中央位置で前後方向の軸心周りに回動自在に取り付けた横フレーム16の左右両側部に、上下に長い縦フレーム17を取付け、その下端部側方に固着した車軸18に回転自在に取り付けている。従って、左右前輪8は、機体の左右中央の前後方向の軸心周りにローリング動自在となっている。横フレーム16の左右両側部に対して縦フレーム17を上下調節可能に設けていて、前輪8の高さ調節をすることができるようになっている。
前記操縦ハンドル2は、機体後部に設けていて、後輪7の車軸12より機体後側に位置している。具体的には、ミッションケース9に前端部を固定した機体フレーム19の後端部に取り付けている。機体フレーム19は、機体の左右中央で後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、機体フレーム19の後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2aは、作業者がそのグリップ部2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
上記走行車体4は、接地して駆動回転する走行駆動部を、前後車輪を備えた四輪式の走行駆動部の構成としたものであるが、クローラー式の走行駆動部の構成とすることもできる。
(苗植付装置) 苗植付装置5は、先端が下方に向かうくちばし状の植付具20と、該植付具20の下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに植付具20を上下動させる上下動機構21と、くちばし状の植付具20の下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容する閉状態と植付具20の下端部が左右に開いて内側に収容した苗を下方に放出する開状態とに植付具20を開閉する開閉機構とを備え、苗供給装置6は、苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数の苗収容体22と、該苗収容体22を植付具20の上方を通過するように周回移動させる移動機構23と、植付具20の上方位置で苗収容体22の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて植付具20に苗を供給する苗落下供給機構とを備えた苗供給装置6を備える。
(植付具) 植付具20は、上下動機構21に装着している。前記上下動機構21は、後部を植付具20に連結した上側と下側の昇降リンクを備えている。そして、別途設けた駆動機構からの動力で上下の昇降リンクを上下動させ、左右の植付具20が上下動する構成となっている。この上下動の上昇位置では植付具20の下端部が圃場面より上方に位置し、下降位置では植付具20の下端部が圃場面より下方に位置する。植付具20の開閉機構は、上下動機構21の作動に連動して、植付具20が下降下端位置に達すると該植付具20の下部側を左右に開いて下方に開放状態とし、植付具20が上昇上端位置に達すると該植付具20の下部側を閉じて閉塞状態とする構成である。
苗供給装置6は、上下に開口する筒状体と該筒状体の下側の開口部を開閉する底蓋とを有し互いにループ状に連結する複数の苗収容体22と、該苗収容体22を前記植付具20の上方近傍を通過する状態で機体平面視左右に長い長円形状のループ状の軌跡で左回りに周回動させる移動機構23と、前記苗収容体22の底蓋を植付具20の上方位置で開放する開放機構を設けた構成である。この苗
供給装置6は、前記苗収容体22の外周に円筒外周部を形成し、該円筒外周部に外側から回動自在に係合する係合部を有して二つの苗収容体22を連結する連結体を複数設け、該連結体の係合部を苗収容体22の円筒外周部に回動自在に係合し該円筒外周部を回動軸として隣の苗収容体22が回動自在に連結する状態として複数の苗収容体22を互いに連結した構成としている。即ち、苗収容体22と連結体とで無端チェーンのように連結した構成である。これにより、苗収容体22は、直線的に移動する部分28でも円弧状に移動する部分29でも隣接する苗収容体22との間隔が変わらないので、苗収容体22から植付具20に苗を供給する個所で苗収容体22が植付具20に対して位置ズレが生じにくくなり苗供給が適正に行われて適確な苗の移植ができる。苗収容体22の個数と周回動する範囲を設定したうえで、苗収容体22の上側開口部を可能な限り広く形成できて、機体のコンパクト化を図りつつ苗収容体22への苗補給作業をできるだけ容易に行えるものとなる。
苗供給装置6の回転は、無端チェーンのように互いに連結する苗収容体22を左右に設けたスプロケットの外周の円弧状切欠部に係合させて巻き掛け、この左右のスプロケットを駆動回転することにより、各苗収容体22を周回動させる構成としている。
苗収容体22が周回する周回移動経路は、平面視で左右方向に延びる直線状部分28とスプロケットにより前記直線状部分28から前側又は後側に円弧状に曲がる円弧状部分29とを備えた長円状であり、左右の後輪7より機体内側に配置している。また、植付具20は、後輪7の車軸12位置より後側に配置している。
苗収容体22の底蓋が開くタイミングは、植付具20が苗収容体22の直下まで上昇したときとなるように調整しておく。また、上記構成に代えて、植付具20が苗収容体22の直下まで上昇したときに、植付具20に設けた開放作動部材が、植付具20の上方に位置する苗収容体22の底蓋が開くのを規制する規制手段を規制解除動作させる構成も採用できる。
(覆土具) また、苗移植機は、植付具20が植付けた苗に対して覆土鎮圧するための覆土具である覆土鎮圧輪37を各植付具20の苗植付け個所の後方左右両側近傍位置に設けている。この覆土鎮圧輪37は、転動輪であって、機体に固定された取付部材25に左右方向の回動支点軸38回りに上下回動自在に取り付けられた覆土具フレーム39の回動先端側(後側)に取り付けられている。前記覆土具フレーム39は、パイプフレ−ムを適宜折り曲げて構成されている。この覆土具フレーム39の後端部には上下方向に延びるロッド40の下端を連結している。
この苗移植機1は、苗供給装置6に苗を補給する作業者が乗車して苗補給作業が行えるよう、作業者が座る作業者用座席46を設けている。具体的には、苗供給装置6の前側となる機体左右中央位置に後向きに作業者用座席46を配置している。この座席46に座る作業者は、苗供給装置6の前側部に向って後側向き姿勢で着座して、苗供給装置6の前側部、特に苗収容体22の周回移動経路における前側の直線状部分28に対して苗補給作業を行う。また、第一実施形態の苗移植機は、畝溝を走行する後輪7の後側で機体後部に設けた操縦ハンドル2の左右方向外側に、作業者が立って前に歩きながら苗供給装置6の後側部に苗を補給する作業を可能とする作業空間Wを形成しており、この作業空間Wに立つ作業者から苗供給装置6の後側部に対して苗補給作業を行うこともできる。なお、座席46を載せて支持する略水平方向に延びる座席フレーム47を設け、座席46は前記座席フレーム47に対して後側の回動支点軸回りに後方へ回動できる構成となっており、前記座席フレーム47よりその近傍に位置する燃料タンクの給油キャップ48が低い位置にある。これにより、燃料タンクに燃料を補給するときは、座席46を後方へ回動させ、座席フレーム47に燃料を収容する補給タンク等を置いて、手動ポンプ等により容易に燃料タンクへ燃料を補給することができる。
また第一実施形態にかかる苗移植機は、座席46に着座する作業者用の反射鏡111を、苗供給装置6を挟んで、座席46がある側と反対側で、ステップ49と同じ左右位置又はステップ49よりも機体左右方向で外側位置に設ける。このような構成により、苗移植機をコンパクトな構成としながら、座席46に着座する作業者が、座席46の側方の後述するステップ49の上方の空間を介して機体前方の様子を反射鏡111に映して見ることができ、作業者の視界を良好にすることができる。これにより作業者が振り向いて背後を確認する動作を省略でき、作業能率が向上する。
作業者用座席46の後側及び左右両側には、ステップ49を設けている。このステップ49は、機体側面視で作業者用座席46の下方位置から前輪8の上方位置すなわち機体前端近傍にわたって延設している。従って、作業者は、機体前方から該ステップ49に乗降することができる。後輪7は大径車輪で、前輪8は小径車輪であり、機体側面視で、この小径車輪の前輪8の上方にステップ49の前側部分が位置するように設けている。
ステップ49の機体外側には、苗植付装置5へ供給する液剤のタンクTを備えるタンク載置台105を設ける。液剤は主に苗植付装置5が苗を植付ける際に供給する灌水であるが、液体肥料などを含む。タンクTは左右に2個ずつ載置できるようにし、タンク載置台105と後述する容器支持部101とが平面視で重複するように配置する。平面視で重複するとは、一部が重複するものを含む。
苗移植機の走行車体4に、座席46と苗供給装置6とを前後に位置させ、座席46の左右側方には、ステップ49とタンク載置台105とをこの順に設け、このタンク載置台105と容器支持部101とが平面視で重複する構成としたことにより、複数の液剤用のタンクTを装着しながら、苗移植機をコンパクトに構成できる。また、苗供給装置6から走行車体4の前後端部に亘る前後方向のステップ49を設けたことにより、作業者の乗降性がよくなる。
(容器支持部) 図4には、苗移植機の容器支持部101の拡大した正面図を示す。図4では、走行機体の左側に備えた容器支持部101を示している。
玉ねぎなど葉茎菜類の裸苗を植付ける苗移植機では、植付準備段階で苗をコンテナ等の苗収容用の容器Cに入れ、その容器をそのまま苗移植機の容器支持部101へ装備し、この容器から直接作業者が苗を苗供給装置6へ供給する。第一実施形態にかかる容器支持部101は座席46の外側方に設ける。容器支持部101は、容器Cの側面を保持する側面保持部102と、容器の底面を保持する底面保持部103とにより構成する。側面保持部102と底面保持部103とは正面視で略垂直に構成する。そして底面保持部103を作業者側に向けて下り傾斜姿勢の平板形状に構成することで、上方が開口した直方体状の容器Cの開口部が作業者側に向く傾斜姿勢となる。
容器支持部101を、容器Cの側面を保持する側面保持部102と、容器Cの底面を保持する底面保持部103とにより構成することにより、平板状の底面保持部103で容器Cの重量を受ける構成となり、容器Cの側面孔に容器重量の作用する割合が少なくなる。これにより容器Cが破損することが少なくなる。また、容器重量が作用する底面保持部103は、容器支持部101の下部となるので、容器支持部101をより堅固な構成とすることができる。加えて、容器(C)が傾斜姿勢で保持されるので、作業者が苗を取り出すのが容易になる。
側面保持部102は1本のパイプフレームを歪曲し、側面視で逆U字型を形成するように構成する(図1参照)。このパイプフレームよりなる側面保持部102を途中で作業者側に折り曲げ、折り曲げた箇所より下の部分を、容器Cの側面に沿って上方へ延びる外方部分102aとし、折り曲げた箇所より上の部分を、外方部分102aから延伸する側面孔挿入部分102bとする。折り曲げる前は、外方部分102aと側面孔挿入部分102bがなす角θは180度であるが、折り曲げることにより側面孔挿入部分102bが、外方部分102aとのなす角度θを鈍角とするように構成する。この側面孔挿入部分102bは、コンテナ等の容器Cの持ち運び用に設ける側面孔に挿入できる形状とする。
図5には容器支持部101の底面保持部103の拡大した斜視図を示す。底面保持部103は平板状であり、その上面が平坦な容器底面接触部103aと、容器Cの底面凹部に係合する凸形状部103bとにより構成する。なお、前記底面凹部は、容器Cの底板部を貫通する孔により構成することもできる。この凸形状部103bにより、容器Cが下側にずれるのを防止する。底面保持部103と側面保持部102とは、容器底面接触部103aに設けた切欠きにパイプフレームを挿入し、溶接することで固定する。第一実施形態において凸形状部103bは、ボルトとナットにより構成し、容器底面接触部103aに設けた長穴にボルトを差し込みナットで固定する。容器Cに対しては、容器底面接触部103aから突出したボルトねじ部が、容器Cの底面に設けた孔にはまり込むことにより容器Cを固定する。この場合、凸形状部103bは容器Cの底面凹部の形状に合わせて、底面凹部に係合する位置に自在に変更できる。
側面保持部102の側面孔挿入部分102bが、外方部分102aとのなす角度を鈍角とするように容器C側に傾斜していることにより、容器Cの側面上部の孔に容易に側面孔挿入部分を挿入することができ、容器の交換作業が容易になる。
また底面保持部103が、平坦な上面を有する容器底面接触部103aと、容器Cの底面凹部に係合する凸形状部103bとにより構成されることにより、容器Cの容器支持部101への固定が堅固となり、苗移植機の移動の際などに容器Cが安定する。
更に凸形状部103bの位置が可変であることにより、異なる形態の容器Cに対応できる。
容器支持部101の下方には、容器支持部101のパイプフレームを固定する水平回動バー113を設け、この水平回動バー113は、鉛直な上下方向の容器回動軸104を中心にして回動可能な構成である。容器支持部101は、作業者が苗供給装置6に苗を供給する場合の作業位置(図2に示す位置)と、容器Cを苗移植機に装備する装備位置との間で回動する。ここで装備位置は、図2に示す位置から、容器回動軸104を中心として180度回転した位置を言い、この位置まで容器支持部101を回動させると、作業者の乗降が容易になる。また、このとき容器支持部101の底面保持部103は、機体外方へ向けて下り傾斜姿勢となる。
容器支持部101が容器Cの装備位置にあるときに、容器支持部101の底面保持部103が、機体外方へ向けて下り傾斜姿勢であることにより、容器Cを容器支持部101へ装着する作業が容易になり、作業能率が向上する。
(ローリングアクチュエータ) 図6には図1の苗移植機のローリングアクチュエータ110周辺の拡大平面図を示す。第一実施形態にかかる苗移植機は、座席に着席する作業者が苗移植機の動力の入り切りをするクラッチを操作できる主クラッチペダル106をステップ49上であって、走行機体の左右一方向に偏倚して設ける。この際ステップ49のペダル孔107と主クラッチペダル106との間には、主クラッチペダル106を踏み込んだ際に、主クラッチペダル106の上下操作速度を緩和するグロメット108を設ける。
主クラッチペダル106とペダル孔107との間に、この主クラッチペダル106の上下操作速度を緩和するグロメット108を設けたことにより、主クラッチペダル106の操作荷重を適切に得ることができ、適切な速度で主クラッチペダル106を操作できる。
また主クラッチペダル106を、ステップ49上の走行機体の左右一方向に偏倚して設けることにより、走行車体中央に設け
た座席46に着席する作業者が、容易に主クラッチペダル106を足で操作できる。
主クラッチペダル106は、クラッチ操作部112と金属ワイヤである連繋機構109によってステップ49の下方で連繋しており、クラッチ操作部112は主クラッチペダル106よりも走行車体4の中央よりに設けているので、連繋機構109は、走行車体4の前後軸に対して斜めに配置するようになる。この連繋機構109をローリング用アクチュエータ110の上方に位置するようにする。ローリングアクチュエータ110は、走行車体4中央近辺に配置されるが、このように配置することにより連繋機構109とローリング用アクチュエータ110との干渉を避けることができ、苗移植機をコンパクトに構成することができる。
苗移植機の別実施形態として、エンジン3の端部のリコイルケース(リコイル及び冷却ファンを収容するケース)にパンチングメタル等で直径2[mm]程度の孔を有し開口率が50[%]程度の部材を用いることができる。これにより、リコイルケース内への吸気性を維持しながら、リコイルケース内への枯れ苗や苗の表皮を含む塵芥の侵入を防止でき、エンジン3の冷却効果も所望に維持できる。また、リコイルケースの外側(又は上側)にフィルタを設けることもできる。吸気スリットよりも細かいフィルタを設けたことにより塵埃の侵入を防止できる。なお、フィルタは、着脱可能に設けるとよい。
(スクレーパ) 次に、植付具20に付帯するスクレーパ121について説明する。 スクレーパ121は、植付部周りの要部側面図を図7に示すように、対向配置の左右のスクレーパ板122,122と、前後方向に延びるスクレーパアーム123,123と、それぞれの一端(図例は前端)を共通に軸支する縦支軸124とによって構成される。このスクレーパ121を機体の左右方向に位置調節可能に、かつ、覆土具フレーム39より高位置に保持するべく、植付伝動ケース9aから下方に延びるステー125a…を介して機体の左右方向に延びる取付フレーム125に取付ける。
詳細には、スクレーパの平面図(a)、側面図(b)および背面図(c)を図8に示すように、弾性板材によってスクレーパ板122,122を構成し、このスクレーパ板122,122を左右に可動支持する左右のスクレーパアーム123,123を設け、それぞれの一端を縦支軸124に軸支して連結端とし、他端を開閉可能な可動端として構成するとともに、左右間を閉じるようにスプリング126で連結付勢する。また、左右のスクレーパアーム123,123には、それぞれ2つの枝アーム123a,123bを長手方向の中間部と可動端の位置の下側から内方に屈曲して設ける。
左右のスクレーパ板122,122の取付けは、それぞれの上半122a,122aを左右のスクレーパアーム123,123の可動端から一部を突出して固定し、それぞれの2つの枝アーム123a,123bに沿うように屈曲して中段に傾斜部122b,122bを形成し、下部を互いに接して接触部122c,122cを連続的に形成する。傾斜部122b,122bは、左右間の中央側に下降傾斜し、その傾斜角は、スクレーパアーム123,123の長手方向の中間部位置(a)と可動端位置(b)の断面図を図9に示すように、縦支軸124からの距離と対応して縦支軸124から離れる側(後側)ほど上下鉛直方向に近くなる急傾斜に形成する。また、可動端側の枝アーム123bは、スクレーパ板122の長い傾斜部122bを保持しうる長さに張出して形成する。
このようにスクレーパ121を構成した苗移植機1による植付走行においては、タマネギ等の野菜苗を受けたくちばし状の植付具20が、機体側面視でループ状の下端軌跡(植付具20の下端の移動軌跡)Aに沿って昇降するとともに開閉動作して圃場に野菜苗を植付け、このとき、スクレーパ121は、植付具20を挟んで可撓性の板状材で形成した左右のスクレーパ板122,122を配置し、これら両スクレーパ板に互いに対向して接する接触部122c,122cを構成したことから、左右のスクレーパ板122,122の間で両接触部122c,122cの間に分け入って植付具20が下降動作する。
その結果、左右のスクレーパ板122,122が植付具20の対応する側面にそれぞれ作用して付着泥土を掻取り、続く上昇動作の際は、植付具20が接触部122c,122cを左右に切り分けたまま上昇することにより、植付けに伴って新たに付着した泥土とともに付着泥土を掻取ることができる。この掻取作用は、上昇と下降の両行程に及び、また、両スクレーパ板122,122の作用点がループ状軌跡の前後方向範囲で常に移動することから、掻取泥土の再付着を招くことなく掻取作用が維持される。
また、左右のスクレーパ板122,122を個別に支持する左右のスクレーパアーム123,123を設け、これら左右のスクレーパアームを可動支持した上で内側方向に付勢して構成したことから、植付具20の外形寸法によることなく、スクレーパ板122,122の接触部122c,122cが一定の力で掻取り作用することから、付着泥土を確実に掻取ることができる。
また、左右のスクレーパアーム123,123を共通の縦支軸124によって一端を軸支したことから、植付具20とスクレーパ121との左右の位置ずれがあっても、植付具20の両側でバランスして掻取力が作用し、また、接触部122c,122cを介してその上方の傾斜部122b,122bから傾斜方向の反力が植付具20に作用することから、植付け時に付着した泥土を伴って上動する植付具20に有効に掻取力が作用するとともに、縦支軸124の軸線からの距離に応じて急角度となる傾斜部122b,122bからの作用力が植付具20に作用することから、ループ状軌跡で昇降する植付具20に対する作用位置の前後移動によっても一様の掻取作用が確保される。
この場合において、縦支軸124を左右のスクレーパアーム123,123の後端位置としても、同様の作用効果を奏することが明らかであることから、スクレーパ121は、図例に限らず、前後いずれの向きにも構成することができる。
また、縦支軸124を左右方向に位置調節可能に支持する左右方向の取付フレーム125を設けることにより、植付具20の植付け条間調節に対応することができ、この取付フレーム125は、植付けた苗に影響しないように、植付具20の前方に配置する。さらに、縦支軸124の取付け長さおよび取付け方向の設定により、左右のスクレーパアーム123,123の連結端位置を取付フレーム125の前後におよぶ範囲内で植付具20の位置に対応して構成することができる。
また、スクレーパ121は、図10の植付具20のループ状軌跡Aの側面図に示すように、最上昇位置にある植付具20の下端より上方にスクレーパ板122,122が及ぶ高さ位置に配置して植付具20の昇降範囲を左右のスクレーパ板122,122の間に限ることにより、植付具20が左右のスクレーパ板122,122の左右外側に外れることを防止でき、確実に付着土を除去することができる。
覆土具37との関連については、覆土具37を支持する覆土具フレーム39を前後方向に向けて配置し、その一端を左右方向に延びる回動支点軸38に軸支して所定の範囲で回動昇降可能に構成するとともに同回動支点軸38に沿って位置調節可能に支持し、この覆土具フレーム39の回動上限より高位置に前記スクレーパアーム123,123を配置することにより、スクレーパ121と近接する覆土具フレーム39との干渉を招くことなく、植付具20の上動時に、植付具20に付着する土の除去作用を向上することができる。
(スクレーパ別例) 次に、別の構成例1によるスクレーパについて説明する。 スクレーパ121は、その平面図を図11(a)に示すように、植付具20の植付け動作に伴う付着泥土を両側方から掻取るための可撓性の板状材で形成した左右のスクレーパ板122,122と、これら左右のスクレーパ板122,122を左右に開閉動作可能に支持する左右のスクレーパアーム123,123およびその支軸124と、これら左右のスクレーパアーム123,123を閉じ側に付勢するスプリング126と、スクレーパ121を取付フレーム125に取付けるハブ131とから構成する。それぞれのハブ131には、左右のスクレーパアーム123,123の閉じ側の限度位置を規定する左右の規制具132,132を設け、この規制具132,132によって規制された閉じ側の限度位置で、左右のスクレーパ板122,122の後半側の間を開きつつ、前半側を接触部122c,122cとして互いに接触させる。また、ハブ131は、スクレーパ121の平面図を図11(b)に示すように、取付フレーム125に対して支持位置を前後に入替え可能に構成する。なお、左右のスクレーパアーム123,123に左右各々のスクレーパ板122,122を固着する固着部材(取付ボルト)は、左右のスクレーパアーム123,123及び左右のスクレーパ板122,122の左右外側に突出した構成(取付ボルトの頭部が左右外側に位置する構成)となっており、植付具20と干渉しない構成としている。
ハブ131について詳細に説明すると、前支持(a)と後支持(b)の拡大斜視図を図12に示すように、縦支軸124の近傍に左右のスクレーパアーム123,123に干渉可能に形成した左右の規制具132,132にそれぞれ設ける。
左右の規制具132,132は、それぞれにの先端を互いに開いてそれぞれの内側縁132a,132aを左右のスクレーパアーム123,123の外側面の干渉可能範囲に、また、それぞれの外側縁132b,132bを左右のスクレーパアーム123,123の内側面の干渉可能範囲に形成する。
前支持の場合は、取付フレーム125に対して縦支軸124を前側としてハブ131を取付けてスクレーパ121を支持することにより、左右のスクレーパアーム123,123の閉じ動作により左右の規制具132,132のそれぞれの内側縁132a,132aが左右のスクレーパアーム123,123の外側面と干渉する。また、後支持の場合は、取付フレーム125に対して縦支軸124を後側としてハブ131を取付けてスクレーパ121を支持することにより、左右のスクレーパアーム123,123の閉じ動作により左右の規制具132,132のそれぞれの外側縁132b,132bが左右のスクレーパアーム123,123の内側面と干渉する。この干渉動作によって閉じ側の限度位置を規定することができ、左右のスクレーパ板122,122の間に所定の隙間を残して植付株への干渉によるつまみ上げ等を防止することができる。
4条構成の場合のスクレーパの平面図を図13、外側条(a)と内側条(b)のスクレーパの側面図を図14に示すように、それぞれのハブ131…を介して内側条を後支持、外側条を前支持として前後に位置をずらすことにより、後述の落下供給タイミングの違いに応じた植付具20…の位置と対応して各条のスクレーパ121を配置する。なお、ハブ131の取付けにあたり、該ハブ131の向きを前後逆にして外側条と内側条との前後位置のずれに対応する構成としたので、外側条と内側条とでハブを兼用でき、コストダウンが図れる。
また、別構成例2のスクレーパの平面図(a)、側面図(b)、背面図(c)を図15に示すように、左右のスクレーパアーム123,123と一体に左右のストッパ141,141を設けて左右のスクレーパ板122,122が閉じないように構成することにより、植付株のつまみ上げを防止し、また、植付具20が上昇端位置の場合に左右のスクレーパ板122,122が当らない位置に配置する。
また、別構成例3のスクレーパの側面図を図16(a)及び(c)に示すように、植付具20は、下端側が開閉可能な一対の分割体
20h,20hによってくちばし状に構成され、上端側からその内部に移植物を収容するとともに、下端側の開放により移植物を圃場へ落下させて植え付け可能に構成し、分割体20h,20hの外側(最外側位置またはその近傍位置)に溶接したガイド151a,151aを経て延びるワイヤー151等の連結部材で接続した左右の内スクレーパ板152,152を内側にスプリング153で吊って上下移動可能に設ける。植付具20が閉じた時(b)は、内スクレーパ板152はスプリング153で上位置となり、植付具20が開いた時(c)は、同時に分割体20h,20hの外側のワイヤー151が引張られて内スクレーパ板152,152が下方に移動することにより、内周面の泥を落すとともに、移植株の落下を促す。
また、別構成例4のスクレーパの側面図を図17(a)に示すように、ワイヤ154aにバネ154bを介して植付具20の外面に接してリング状の泥落しワイヤ154を構成し、これを上方に引上げるバネ155,155を連結して手動操作で泥落しワイヤ154を引下ろすことにより、外周面の泥を落すことができる。また、覆土具フレーム39等の機体下部部材にロープ156aとスプリング156bで連結することにより、植付具20が下降して開き、続いて上昇するときに泥落しワイヤ154を引下ろして外周面の泥を自動的に落すことができる。
また、別構成例5のスクレーパの側面図を図17(b)に示すように、バネ鋼等によって弾性変形可能なリング157を植付具20の内部に配置し、覆土具フレーム39等の機体下部にロープ156aとスプリング156bで連結してリングを引下ろし可能に構成することにより、内部の泥を自動で落すことができる。
(苗供給装置) 次に、苗供給装置6を中心に説明する(図1、図2、図18、図19参照)。即ち、苗供給装置6は、苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数の苗収容体22と、苗収容体22を、4条用としての第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの上方を通過させて周回移動させる移動機構23(図1参照)と、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの上方位置で苗収容体22の底部を開放して内側に収容した苗を落下させて、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの何れかに苗を供給させる苗落下供給機構24(図18、図20参照)とを備える。尚、苗落下供給機構24については、更に後述する。
各苗収容体22は、上下に開口する筒状体と、その筒状体の下側の開口部を開閉する底蓋27(図19参照)とを有し、互いにループ状に連結している。
移動機構23は、連結した各苗収容体22が各植付具20a〜20dの上方近傍を通過する状態で、機体平面視で左右に長い長円形状のループ状の軌跡で、連結した苗収容体22を左回りに周回動させる(図18参照)。
苗落下供給機構24は、苗収容体22の底蓋27を、その苗収容体22に対応する、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dの何れかの上方位置で開放する。
本実施の形態では、苗収容体22の外周に円筒外周部を形成し、その円筒外周部に外側から回動自在に接続する係合部(丸孔)を設けて、2つの苗収容体22を連結する連結体を複数形成した。そして、その連結体の係合部を苗収容体22の円筒外周部に回動自在に接続し、その円筒外周部を回動軸として隣の苗収容体22が回動自在に連結する状態として、複数の苗収容体22を互いに連結した構成としている。すなわち、苗収容体22と連結体とで無端チェーンの如く連結した構成である。
これにより、苗収容体22は、直線的に移動する直線状部分28でも円弧状に移動する円弧状部分29でも隣接する苗収容体22との間隔が変わらないので、苗収容体22から各植付具20a〜20dに苗を供給する個所で、苗収容体22の各植付具20a〜20dに対する位置ズレが生じ難くなり、苗供給が適正に行われて適確な苗の植え付けが出来る。
苗収容体22の個数と周回動する範囲を設定した上で、苗収容体22の上側開口部を可能な限り広く形成出来て、機体のコンパクト化を図りつつ苗収容体22への苗補給作業を出来るだけ容易に行えるものとなる。
苗供給装置6の移動機構23は、無端チェーンの如く互いに連結する苗収容体22を、左右に設けたスプロケットの外周の円弧状切欠部に巻き掛け、この左右のスプロケットを植付駆動伝動ケース内から取り出した動力で駆動回転することにより、各苗収容体22を周回動させる構成としている。
苗収容体22が周回する周回移動経路は、平面視で左右方向に延びる直線状部分28と、スプロケットにより直線状部分28から前側又は後側に円弧状に曲がる円弧状部分29とを備えた長円状であり、左右の後輪44より機体内側に配置されている。
また、各植付具20a〜20dは、後輪車軸12の位置よりも後側に配置している。
苗供給装置6は、4体の第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dに合わせて苗収容体22が一回りで周回移動して苗を供給する構成としている。
(供給動作) 次に、図18〜図21を用いて、苗落下供給機構24による各植付具20a〜20dへの苗の供給動作について説明する。
図18は、苗落下供給機構24による苗の供給動作を説明する図であり、苗供給装置6を上から見た模式図である。
各植付具20a〜20d(図21(a)参照)に対応して落下供給する苗を収容する苗収容体22を各別に設けている。尚、図18は、左から2条目に対応する第2植付具20bへ、苗収容体22から苗を落下供給させるときの状態を示している。
図18の各苗収容体22に記載の数字1〜4は、苗を落下供給する各植付具20a〜20dに対応する苗収容体22の区別を表している。
第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dは、それぞれ、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dで、苗収容体22から苗が落下供給される(図21参照)
図18において、番号1の苗収容体22は、周回径路上で最初に通過する第1落下供給位置31aで底蓋27(図19参照)が開き、第1落下供給位置31aで内側に収容している苗が第1植付具20aへ落下供給される。
番号2の苗収容体22は、第1落下供給位置31aでは底蓋27は開かず、第2落下供給位置31bで底蓋27が開き、第2落下供給位置31bで内側に収容している苗が第2植付具20bへ落下供給される。
番号3の苗収容体22は、第1落下供給位置31a及び第2落下供給位置31bでは底蓋27は開かず、第3落下供給位置31cで底蓋27が開き、第3落下供給位置31cで内側に収容している苗が第3植付具20cへ落下供給される。
番号4の苗収容体22は、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b及び第3落下供給位置31cでは底蓋27は開かず、第4落下供給位置31dで底蓋27が開き、第4落下供給位置31dで内側に収容している苗が第4植付具20dへ落下供給される。
尚、機体の内側に配置されている第2落下供給位置31b及び第3落下供給位置31cが、本発明の上死点落下供給位置の一例にあたり、左端に配置されている第1落下供給位置31aが、本発明の上動落下供給位置の一例にあたり、右端に配置されている第4落下供給位置31dが、本発明の下動落下供給位置の一例にあたる。
番号1〜4で区別した苗収容体22ごとに対応する落下供給位置で苗を落下供給させる構成例について説明する。
図19(a)〜(d)に、苗収容体22の底蓋27部分の構成を示す。図19(a)〜(d)は、それぞれ、図18に示した番号1〜4の苗収容体22に対応する底蓋27部分を示している。図19(a)〜(d)は、それぞれ、図に向かって上側を苗収容体22の周回移動経路の内側向きとして記載し、左に平面図を示し、右に側面図を示している。
図19(b)〜(d)に示す通り、番号2〜4の苗収容体22の底蓋27には、周回移動経路の内側又は外側に突出する開閉規制板部が設けられている。
図19(b)に示す通り、番号2で区別される苗収容体22の底蓋27には、周回移動経路の外側に向けて突出する第2開閉規制板部54bが設けられている。また、図19(c)に示す通り、番号3で区別される苗収容体22の底蓋27には、周回移動経路の内側に向けて突出する第3開閉規制板部54cが設けられている。また、図19(d)に示す通り、番号4で区別される苗収容体22の底蓋27には、周回移動経路の内側及び外側の両側に向けて突出する第3開閉規制板部54dが設けられている。一方、図19(a)に示す通り、番号1で区別される苗収容体22の底蓋27には、開閉規制板部は設けられていない。
図20に、苗供給装置6を周回移動する苗収容体22を支持する支持構造を上から見た図を示す。
各苗収容体22の下には、底蓋27の中央部分に接触する構成で周回経路に沿った収容体支持軸52が配置されている。
図20に示す通り、収容体支持軸52は、第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dの部分では一部途切れている。収容体支持軸52が途切れて欠如している部分の一部には、周回経路の内側部分に内側支持軸51が配置され、周回経路の外側部分に外側支持軸53が配置されている。
番号2及び番号4で区別される苗収容体22は、周回経路上の収容体支持軸52が欠如した部分を通過するときでも、第2開閉規制板部54b又は第4開閉規制板部54dが外側支持軸53によって支持されるので、外側支持軸53が配置されている部分では、底蓋27が閉じたまま周回経路を移動する。
同様に、番号3及び番号4で区別される苗収容体22は、周回経路上の収容体支持軸52が欠如した部分を通過するときでも、第3開閉規制板部54c又は第4開閉規制板部54dが内側支持軸51によって支持されるので、内側支持軸51が配置されている部分では、底蓋27が閉じたまま周回経路を移動する。
この構成により、各苗収容体22は、対応する第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c又は第4落下供給位置31dを通過するときに底蓋27が開き、収容している苗が落下する。
すなわち、第1落下供給位置31aでは、収容体支持軸52が欠如しているが、内側支持軸51及び外側支持軸53が配置されているので、番号2〜番号4で区別される苗収容体22の底蓋27は閉じたまま通過し、番号1で区別される苗収容体22の底蓋27のみが開き、苗を落下させる。また、第2落下供給位置31bでは、内側支持軸51は配置されているが外側支持軸53が無いので、番号3及び番号4で区別される苗収容体22の底蓋27は閉じたまま通過し、番号2で区別される苗収容体22の底蓋27が開き、苗を落下させる。また、第3落下供給位置31cでは、内側支持軸51が無いので、番号4で区別される苗収容体22の底蓋27は閉じたまま通過し、番号3で区別される苗収容体22の底蓋27が開き、苗を落下させる。そして、第4落下供給位置31cでは、収容体支持軸52が欠如しており、内側支持軸51も外側支持軸53も配置されておらず、番号4で区別される苗収容体22の底蓋27も開き、苗を落下させる。
本実施の形態では、図18に示す通り、苗収容体22に番号1〜4で区別した各別の苗収容体22を1個ずつ備えて周回移動経路で隣接させた4個の苗収
容体22からなる苗収容ユニット25を構成し、移動機構23により苗収容ユニット25を同一の周回移動経路で複数組(8組)周回移動させる構成とし、計32個の苗収容体22を周回移動させる。そして、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dのそれぞれに対応する4箇所の第1落下供給位置31a、第2落下供給位置31b、第3落下供給位置31c及び第4落下供給位置31dを、苗収容体22の周回移動経路上の同一の直線状部分28に設定している。
尚、上記において、底蓋27、内側支持軸51、収容体支持軸52、外側支持軸53、第2開閉規制板部54b、第3開閉規制板部54c及び第4開閉規制板部54dで構成される苗落下供給機構24が、本発明の移植物落下供給機構の一例にあたる。
また、苗収容体22が、本発明の収容体の一例にあたり、苗収容ユニット25が、本発明の区画の一例にあたる。
次に、本実施の形態の苗供給装置6から各植付具20a〜20dへ苗を供給する動作の詳細について説明する。
図21(a)に、各落下供給位置31a〜31dと、それぞれに対応する植付具20a〜20dとの位置関係を示し、図21(b)に第1苗ガイド32aの左側面図を、図21(c)に第2苗ガイド32b及び第3苗ガイド32cの左側面図を、図20(d)に第4苗ガイド32dの左側面図をそれぞれ示している。
苗収容体22から落下供給される苗が確実に供給させるべく、各植付具20a〜20dの上部には、上方の開口側に向けて広がった形状の苗ガイド32a〜32dが取り付けられている。図21(a)では、各植付具20a〜20dの本体部分の図示を省略し、第1植付具20a、第2植付具20b、第3植付具20c及び第4植付具20dのそれぞれの上部に取り付けられている第1苗ガイド32a、第2苗ガイド32b、第3苗ガイド32c及び第4苗ガイド32dの部分を記載している。
また、図21(a)〜図21(d)に示す通り、第1苗ガイド32aの上端側の開口を第1苗投入口32a1、第2苗ガイド32bの上端側の開口を第2苗投入口32b1、第3苗ガイド32cの上端側の開口を第3苗投入口32c1、第4苗ガイド32dの上端側の開口を第4苗投入口32d1とする。また、第1苗ガイド32aの下端側の開口を第1苗供給口32a2、第2苗ガイド32bの下端側の開口を第2苗供給口32b2、第3苗ガイド32cの下端側の開口を第3苗供給口32c2、第4苗ガイド32dの下端側の開口を第4苗供給口32d2とする。
尚、各苗ガイドの構成については更に後述する。
図18は、左から2条目に対応する第2植付具20bへ、苗収容体22から苗を落下供給させるときの状態を示している。
このとき、上下動する第2植付具20bは、上死点近傍に到達しており、第2植付具20bと同期して上下動する第1植付具20aも上死点近傍に到達している。
このとき、第1植付具20aへ供給すべき苗を収容している番号1で区別される苗収容体22は、図18に示す通り、第1植付具20aの上方よりも右側にずれた位置まで移動している。従って、このとき、すなわち第2植付具20bへ苗を供給するタイミングと同時に、番号1で区別される苗収容体22の底蓋27を開放しても、苗が第1植付具20aの第1苗ガイド32aから右側に外れた位置に落下してしまい、第1植付具20aへ苗を供給出来ない。
尚、このとき、第2植付具20bへ供給すべき苗を収容している番号2で区別される苗収容体22は、図18に示す通り、第2植付具20bの上方に位置している。従って、このタイミングで、番号2で区別される苗収容体22の底蓋27を開放することにより、苗が第2植付具20bの第2苗ガイド32bの第2苗投入口32b1の位置に落下し、更に第2苗供給口32b2から第2植付具20bへと確実に苗が供給される。
本実施の形態では、このときに、確実に第1植付具20aへ苗を落下供給させるべく、第2植付具20bへ苗が供給されるタイミングよりも早いタイミングで第1植付具20aへ苗を供給させる構成としている。
すなわち、第1植付具20aが上死点近傍に到達したときに苗収容体22の底蓋27を開放させるのではなく、上死点近傍に到達するタイミングよりも前の、第1植付具20aが、作動軌跡A上を上死点に向かって上動しているタイミングで苗収容体22の底蓋27を開放させている。
つまり、底蓋27が開放されたその時点において、第1植付具20aは、作動軌跡Aの上動域にあり、作動軌跡Aの上死点よりも後方側にずれた位置にある。従って、苗の落下供給時における第1植付具20aの前後位置を第1落下供給位置31aの前後位置に合わせるべく、第1植付具20aは、第2植付具20b及び第3植付具20cを基準に前方側にずれた位置にある。
尚、具体的には、周回経路上で番号1で区別される苗収容体22を支持している収容体支持軸52の途切れる部分の位置を調節することにより、苗収容体22の底蓋27の開放タイミングを自由に調節することが出来る。
この構成により、番号1で区別される苗収容体22が第1植付具20aの上方にきたときに、苗収容体22に収容されている苗を落下させることが出来るので、第1植付具20aへ苗を確実に供給することが出来る。
また、苗収容体22の底蓋27が開放された時点において、第1植付具20aの位置が、作動軌跡Aの上死点よりも後方側にずれていることについては、第1植付具20aが第2植付具20b及び第3植付具20cを基準に前方側にずれていることで、第1植付具20aへ苗を確実に供給することが出来る。
一方、第4植付具20dへ苗を確実に落下供給させるべく、第3植付具20cへ苗が供給されるタイミングよりも遅いタイミングで第4植付具20dへ苗を供給させる構成としている。
図22は、左から3条目に対応する第3植付具20cへ、苗収容体22から苗を落下供給させるときの状態を示した、苗落下供給機構24による苗の供給動作を説明する図であり、苗供給装置6を上から見た模式図である。
第3植付具20c及び第4植付具20dは、第1植付具20a及び第2植付具20bとは180度異なった位相で上下動しているので、図18に示す状態から、苗収容体22が周回径路上を2個分移動したときに、上下動する第3植付具20c及び第4植付具20dは上死点近傍に到達し、図22に示す状態となる。
苗収容体22から第3植付具20cへ苗を供給するとき、第3植付具20cは、上死点近傍に到達しており、第3植付具20cと同期して上下動する第4植付具20dも上死点近傍に到達している。
このとき、第4植付具20dへ供給すべき苗を収容している番号4で区別される苗収容体22は、図22に示す通り、まだ第4植付具20dの上方よりも左側にずれた位置までしか移動してきていない。従って、このとき、すなわち第3植付具20cへ苗を供給するタイミングと同時に、番号4で区別される苗収容体22の底蓋27を開放しても、苗が第4植付具20dの第4苗ガイド32dから左側に外れた位置に落下してしまい、第4植付具20dへ苗を供給出来ない。
尚、このとき、第3植付具20cへ供給すべき苗を収容している番号3で区別される苗収容体22は、図22に示す通り、第3植付具20cの上方に位置している。従って、このタイミングで、番号3で区別される苗収容体22の底蓋27を開放することにより、苗が第3植付具20cの第3苗ガイド32cの第3苗投入口32c1の位置に落下し、更に第3苗供給口32c2から第3植付具20cへと確実に苗が供給される。
本実施の形態では、このときに、確実に第4植付具20dへ苗を落下供給させるべく、第3植付具20cへ苗が供給されるタイミングよりも遅いタイミングで第4植付具20dへ苗を供給させる構成としている。
すなわち、第4植付具20dが上死点近傍に到達したときに苗収容体22の底蓋27を開放させるのではなく、第4植付具20dが、作動軌跡A上を上死点を過ぎて下動し始めたタイミングで苗収容体22の底蓋27を開放させている。
つまり、底蓋27が開放されたその時点において、第4植付具20dは、作動軌跡Aの下動域にあり、作動軌跡Aの上死点よりも後方側にずれた位置にある。従って、苗の落下供給時における第4植付具20dの前後位置を第4落下供給位置31dの前後位置に合わせるべく、第4植付具20dは、第2植付具20b及び第3植付具20cを基準に前方側にずれた位置にある。
尚、具体的には、周回経路上で番号4で区別される苗収容体22を支持している収容体支持軸52の途切れる部分の位置を調節することにより、苗収容体22の底蓋27の開放タイミングを自由に調節することが出来る。
この構成により、番号4で区別される苗収容体22が第4植付具20dの上方にきたときに、苗収容体22に収容されている苗を落下させることが出来るので、第4植付具20dへ苗を確実に供給することが出来る。
また、苗収容体22の底蓋27が開放された時点において、第4植付具20dの位置が、作動軌跡Aの上死点よりも後方側にずれていることについては、第4植付具20dが第2植付具20b及び第3植付具20cを基準に前方側にずれていることで、第4植付具20dへ苗を確実に供給することが出来る。
また、この構成により、4条を等間隔に設定しながら、直線状部分28を長く出来るので、4条で共通の周回移動経路で、且つ該周回移動経路に多数の苗収容体22を配置することが出来、補給作業性が向上する。また、直線状部分28が長く出来るので、苗供給装置6の前後幅を小さく出来、機体のコンパクト化が図れる。
また、上死点よりも下方の位置にある第1植付具20a及び第4植付具20dへ苗を落下供給するという点で落下供給の不安要素がある本発明の上動落下供給位置(第1落下供給位置31a)及び下動落下供給位置(第4落下供給位置31d)を、左右の両端の位置に配置したことにより、これらの位置における苗の落下供給状態の確認が容易になる。
図21(a)に示す通り、第1植付具20a及び第4植付具20dに取り付けた第1苗ガイド32a及び第4苗ガイド32dは、第2植付具20b及び第3植付具20cに取り付けた第2苗ガイド32b及び第3苗ガイド32cよりも、上方が左右方向に大きく広がった形状としている。
また、図18、図21(b)〜図21(d)に示す通り、第1苗ガイド32aの第1苗投入口32a1の位置は、平面視で、第1苗供給口32a2の位置と同じ前後位置である。また、第4苗ガイド32dの第4苗投入口32d1の位置は、平面視で、第4苗供給口32d2の位置と同じ前後位置である。また、第2苗ガイド32bの第2苗投入口32b1の位置は、平面視で、第2苗供給口32b2の位置と同じである。また、第3苗ガイド32cの第3苗投入口32c1の位置は、平面視で、第3苗供給口32c2の位置と同じである。
この構成により、第1植付具20a及び第4植付具20dの直上よりも左右方向に少しずれた第1落下供給位置31a及び第4落下供給位置31dから落下してくる苗を、確実に第1植付具20a及び第4植付具20dへ供給させることが出来る。
更に、第1苗ガイド32a及び第4苗ガイド32dを、上方が左右方向に広がった広幅の形状としたことにより、苗が落下してくる位置の左右方向のズレに対応出来るので、第1落下供給位置31a及び第4落下供給位置31dから苗を落下させるタイミングを、第1植付具20a及び第4植付具20dが、より上死点に近い位置にきたときのタイミングとすることが出来る。第1植付具20a及び第4植付具20dが、より上死点に近い
位置にきたタイミングで苗を落下供給させることにより、より確実に第1植付具20a及び第4植付具20dへ苗を供給することが出来る。また、第1苗ガイド32a及び第4苗ガイド32dによる供給される苗の左右移動量を抑えることが出来、苗の落下供給を円滑に行える。
また、本実施の形態の第1植付具20a及び第4植付具20dは、左右方向に位置を移動することが可能であり、これにより、簡単な構成で植え付け条間を変更することが出来る。
第1植付具20a及び第4植付具20dを左右方向に移動したときでも、上記方法により、第1植付具20a及び第4植付具20dへの苗の供給落下タイミングを調節することで、確実に第1植付具20a及び第4植付具20dへ苗を落下供給させることが出来る。
6 供給装置20 植付具20h 分割体22 収容体23 移動機構24 落下供給機構25 収容ユニット37 覆土具39 覆土具フレーム122 スクレーパ板122c接触部123 スクレーパアーム124 縦支軸125 取付フレーム126 スプリング131 ハブ132 規制具151 連結部材152 内スクレーパ板153 スプリングA 昇降軌跡

Claims (2)

  1. 受けた移植物を圃場に植付ける植付具(20)を昇降軌跡(A)に沿って昇降可能に備
    える移植機において、
    上記植付具(20)には、植付け動作に伴う付着泥土を両側方から掻取るための可撓性の板状材で形成した左右のスクレーパ板(122)と、これら左右のスクレーパ板(122)を左右に開閉動作可能に支持する左右のスクレーパアーム(123)と、これら左右のスクレーパアーム(123)を閉じ側に付勢するスプリング(126)と、同スクレーパアーム(123)の閉じ側の限度位置を規定する規制具(132)とを設け、
    上記左右一対のスクレーパ板(122)は、上記左右のスクレーパアーム(123)が
    上記規制具(132)により規制された閉じ側の限度位置で、左右のスクレーパ板(12
    2)の前半部分を互いに接触する接触部(122c)とし、残余の部分の間を開いて構成
    することを特徴とする移植機。
  2. 上記植付具(20)を3条以上の植付条別に配置するとともに移植物を供給する供給装置(6)を設け、この供給装置(6)は、移植物を収容する複数の収容体(22)と、こ
    れら収容体(22)が各植付具(20)の上方を順次通過して周回移動させる移動機構(
    23)と、この移動機構(23)により連続して通過する全植付条分の収容体(22)を
    収容ユニット(25)として上記全植付条の植付具(20)に落下供給させる落下供給機
    構(24)とを備え、
    この落下供給機構(24)は、各々の植付具(20)に対応する各々の落下供給位置で移植物を落下供給すると共に、各々の落下供給位置に対応して落下供給する移植物を収容する収容体(22)を各別に設けて、各々の落下供給位置に対応する上記各別の収容体(22)を各々1個づつ備えて周回移動経路で隣接させた3個以上の収容体(22)からなる収容ユニット(25)を構成し、移動機構(23)により収容ユニット(25)を同一の周回移動経路で複数組周回移動させる構成とし、収容体(22)の周回移動経路を平面視で左右方向に延びる直線状部分と直線状部分から前側又は後側に円弧状に曲がる円弧状部分とを備えた長円形構成とし、隣接する落下供給位置の周回移動経路に沿う互いの配列間隔を異ならせ、
    第一から第三の落下位置は、周回経路の直線状部分に配置し、
    第一の落下位置では、植付具(20)が上死点又は上死点近くに到達したときに植付具
    (20)へ移植物を落下供給し、
    第二の落下位置では、植付具(20)が上死点へ向けて上動するタイミングで植付具(
    20)へ移植物を落下供給し、
    第三の落下位置では、植付具(20)が上死点を過ぎて下動するタイミングで植付具(
    20)へ移植物を落下供給し、
    さらにそれぞれの植付具(20)に対応して上記左右のスクレーパ板(122)および上記左右のスクレーパアーム(123,123)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
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