JP2009165375A - 苗移植機 - Google Patents

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Shiro Katsuno
勝野  志郎
Masami Muranami
村並  昌実
Hideaki Kurose
英明 黒瀬
Hirotaka Doi
土井  宏貴
Nobuhiro Yamane
暢宏 山根
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Abstract

【課題】苗供給カップの底蓋に付着した泥土を落としてカップ底蓋の開閉がスムーズに行えるようにし、苗植付作業全体の作業効率を向上させる苗移植機を提供すること。
【解決手段】苗供給装置40の苗供給カップ41が所定の位置にあるときにのみ底蓋52の開放規制を解く開放規制具54を苗移植機に取り付け、底蓋52が開いた時の苗供給カップ41の底蓋52下端部と底蓋52上端部との間に、底蓋52内側の泥を落とす土落とし具60を苗供給カップ41の搬送方向から見て底蓋52と重なるように設け、更に苗供給カップ41が搬送されて底蓋52が閉じるときに土落とし具60が底蓋52外側から内側へ通過するための空間52aを底蓋52に設けた。苗供給カップ41が搬送され底蓋52が閉じるときに土落とし具60が底蓋52外側から内側へ空間52aを通過して底蓋52内側に露出し、苗供給カップ41の底蓋52内側の泥土を擦り落とすことが可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車輪等の走行推進体で機体を推進させながら野菜などの苗を植付ける全自動苗移植機に関する。
走行車体に嘴状の苗植付装置と、多数の苗カップが長円形状の軌跡で周回して苗植付装置に苗を供給する苗供給装置に、多数の苗ポットを形成する苗トレイの苗を前記苗供給装置に供給する苗移植機が知られている。作業者は苗トレイの苗を苗供給装置に供給し、ターンテーブルに載せた苗供給カップ中の苗は前記カップ底蓋が順次開放することで上下作動機構を有する苗植付装置の苗植え付けカップに落とされ、苗移植機の前進に合わせて順に、上下動する苗植え付けカップが苗を保持した状態で下降した際に圃場に突き刺して苗を引き抜き苗を植え付ける構成である。
そして、このように苗の植え付け作業をしているうちに苗植付装置の苗植え付けカップの外周面に土が付着して固着すると、苗の移植穴が大きくなったり、苗の植え付け深さが一定にならないという不具合が起きる。
このような不具合を防ぐため、下記特許文献1記載の構成によれば、苗植付装置の苗植え付けカップに付着した泥土を除去する泥土除去具のスクレーパの先端を苗植え付けカップの上下作動域に配置している。
特開2003−199408号公報
上記特許文献1記載の構成により、苗植え付けカップの外周面に付着した泥土は除去できる。しかし、苗植付装置に苗を供給する苗供給装置の苗供給カップにも苗の泥土が付着する。苗供給カップの底蓋に付着した泥土は、底蓋が下方に開放することで落下するが、粘土質の粘性の高い圃場や雨上がりの作業時など、圃場の状態によっては苗供給カップの底蓋に付着した泥土は落ちにくく、苗供給カップの底蓋が重くなってカップが閉じにくくなったり、カップの開閉機構に負担がかかってカップの開閉にも支障を及ぼすという不具合が生じる。また、底蓋に付着した泥土により、苗供給カップ内での苗の姿勢が不適正となり、ひいては苗植付装置へ苗を適正な姿勢で且つ適正な位置へ供給できなくなるおそれがある。このように苗供給カップの開閉に支障があると、苗植付作業全体の作業効率も落ち、苗植付作業全体にも影響が及ぶ。
本発明の課題は、苗供給カップの下部開口部に設ける底蓋に付着した泥土を落としてカップ底蓋の開閉がスムーズに行えるようにし、苗植付作業全体の作業効率を向上させる苗移植機を提供することである。
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、苗をそれぞれ収納し、底蓋(52)が開放可能である複数の苗供給カップ(41)と所定の搬送経路に沿って苗供給カップ(41)を搬送する搬送手段(51,51,51a)を備えた苗供給装置(40)と苗供給装置(40)の下方に位置し、苗供給装置(40)により搬送、供給された苗を圃場に植え付けるための苗植付装置(4)とを設けた苗移植機 において、苗供給カップ(41)が所定の位置にあるときにのみ底蓋(52)の開放規制を解き、底蓋(52)を開いて苗供給カップ(41)内の苗を下方の苗植付装置(4)内に落とす開放規制具(54)と前記底蓋(52)が開いたときの苗供給カップ(41)の底蓋(52)下端部と底蓋(52)上端部との間に、底蓋(52)内側表面に付着した土を落とす土落とし具(60)を苗供給カップ(41)の搬送方向から見て底蓋(52)と重なるように苗供給装置(40)に取り付け、更に苗供給カップ(41)が搬送手段(51,51,51a)で搬送されながら底蓋(52)が開放規制具(54)により規制されて閉じるときに土落とし具(60)が底蓋(52)の外側から内側へ通過するための空間(52a)を苗供給カップ(41)の底蓋(52)に設けた苗移植機である。
請求項1記載の発明によれば、苗供給カップ(41)の搬送手段(51,51,51a)による搬送中に苗供給カップ(41)の底蓋(52)が開放規制具(54)により規制されて閉じるときに土落とし具(60)が底蓋(52)外側から内側へ空間(52a)を通過して底蓋(52)の内側表面に露出し、苗供給カップ(41)の底蓋(52)内側表面の泥土を擦り落とすことが可能となる。
したがって、苗供給カップ(41)の底蓋(52)が重くなって閉じにくくなったり、底蓋(52)の開閉機構に負担がかかって底蓋(52)の開閉にも支障を及ぼすという不具合がなくなり、苗植付作業全体の作業効率も向上する。
本発明の実施例では、ねぎ等の苗を畝の間の溝部又は平地に植付ける苗移植機を例にして図面と共に説明する。
図1と図2に本発明の一実施形態による苗移植機の側面図と平面図を示す。
なお、本実施例についての説明で前又は後というときは、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン5を配置した側を前とする。そして、右又は左というときは、機体後部において機体前部側を前側として立つ作業者から見て右手側を右とし、左手側を左としていう。
苗移植機は、走行装置1と操縦ハンドル2を備えた機体に、昇降駆動するリンク機構3と連結して昇降動作する開閉可能なくちばし状の苗植付部4aを備えた苗植付装置4を設けた構成としている。
走行装置1は、図示例では、エンジン5と、該エンジン5の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の後輪7,7と、転動自在に支持した左右一対の前輪6,6とを備えたものとしている。
エンジン5の後部には、ミッションケース8を配置し、そのミッションケース8は、その左側部からエンジン5の左側方に延びるケース部分を有し、これがエンジン5の左側部と連結している。このケース部分にエンジン5の出力軸が入り込んでミッションケース8内の伝動機構に動力が伝達される構成となっている。ミッションケース8の左右両側部に伝動ケース9,9を回動自在に取り付け、この伝動ケース9,9の回動中心にミッションケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸9Aの先端が入り込んで伝動ケース9,9内の伝動機構に走行用の動力を伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9,9内の伝動機構を介して、機体後方側に延びてその後端側側方に突出する車軸10,10に伝動され、後輪7,7が駆動回転するようになっている。
また、伝動ケース9,9のミッションケース8への取付部には、上方に延びるアーム9B,9Bを一体的に取り付けていて、該アーム9B,9Bに各々昇降用油圧シリンダ15が回動自在に連結している。昇降用油圧シリンダ15のピストンロッド15aの先端には機体に固着された横杆13が取り付けられている。
また、機体の水平制御をハンドル2に設けた手動レバー(図示せず)により操作して機体の自動水平制御時に生じやすいハンチングを防止する。
また、昇降用油圧シリンダ15が作動してそのピストンロッド15aが収縮すると、これに伴い伝動ケース9,9が下方に回動して、機体が上昇する。
反対に、昇降用油圧シリンダ15のピストンロッド15aが突出すると、左右の前記アーム9B,9Bは前方に回動し、これに伴い伝動ケース9,9が上方に回動して、機体が下降する。この昇降用油圧シリンダ15は、機体に対する圃場面高さを検出するセンサS0の検出結果に基づいて機体を圃場面に対して設定高さになるよう作動するよう構成しており、また、操縦ハンドル2近傍に配置した操作具28の人為操作によって機体を上昇或は下降させるよう作動する構成ともしている。
さらに、前輪面がフラットになっている前輪6が溝の床面と接して溝の床面を平らにする。平らになった後の溝床面高さをセンサS0がセンシングするので、センサS0が適切に溝床面高さを検出するので、該検出結果に基づいて機体を溝の床面高さに対して設定高さになるよう作動させることができる。従って、苗の植付深さの制御にも用いることができる。なお、溝床面に植付溝を作るための突起S0aをセンサS0の底面の中央部に設けた。このため苗の植付位置での苗植付具4aの先端の溝床面に対する差し込みが容易になる。
また、前記左右水平制御用油圧シリンダ15が互いに異なる位置に伸縮作動すると、左右の伝動ケース9,9を互い違いに上下動させ機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダ15は、手動レバーの操作に基づいて機体を所望の左右傾斜姿勢になるように作動する構成にしている。
一対の前輪6,6は、車体に支持された左右一対の前輪支持フレーム16に取り付けられた車軸17に回転自在に取り付けられている。
操縦ハンドル2は、ミッションケース8に前端部を固定した機体フレーム14の後端部に取り付けられている。機体フレーム14は、機体の左右中央から右側に偏った位置に配置されて後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、機体フレーム14の後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a,2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2a,2aは、作業者がそのグリップ部2a,2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a,2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部2a,2aとしても良い。
リンク機構3は、ミッションケース8内から苗植付け具駆動用の動力を受けて伝動する伝動機構を内装する植付け伝動ケース18に装着している。図例のように植付け伝動ケース18は、その前部がミッションケース8の後部に連結し、そこから後斜め上方に延びる第一ケース部18aと、この第一ケース部18aの上部左側部に固定され、左側方に延びる第二ケース部18bと、その第二ケース部18bの左端部に固定され、後斜め下方に伸びる第三ケース部18cと、その第三ケース部18cの下端部外側部に固定され、左側方に伸びる第四ケース部18dと、その第四ケース部18dの左端部に固定され後方水平状に伸びる第五ケース部18eを有するものとしている。これら第一ケース部18a〜第五ケース部18e内にリンク機構3を昇降駆動するための動力を伝達する伝動機構を内装している。
なお、第一ケース部18a内に内装した伝動機構には、リンク機構3及び苗植付装置4をその昇降動最上位の位置で、又はその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構と、リンク機構3及び苗植付装置4の昇降動を停止させるクラッチ機構とを備えている。間欠駆動機構によって停止する時間は、該間欠駆動機構が備える変速機構によって調節され、この調節によって苗植付装置4による苗植付株間が変更調節されるようになっている。
そして、リンク機構3は、苗植付装置4の前側に設けた左右方向の軸19の左右中間部に回動自在に連結する第一昇降アーム20と、苗植付装置4の後側に設けた左右方向の軸21の左側部に回動自在に連結する第二昇降アーム22とを備える。
詳細は省略するが、第一昇降アーム20と第二昇降アーム22とが揺動しながら昇降動し、その結果、苗植付装置4の下端部が側面視で上下に長い略楕円形状の軌跡(図示せず)で昇降動する。
苗植付装置4には、下方に向かって伸び左右方向に開くくちばし状の苗植付部4aを設けている。そして、落下した苗を収納した苗植付装置4はリンク機構3によって、側面視で上下に長い略楕円形状の軌跡に従って下降して圃場内に挿入され、左右のくちばし状の苗植付部4aが機体左右方向に開放すると苗が圃場に植え付けられ、その後に苗植付装置4が上昇する。
苗植付装置4の下端部が左側方から見て反時計回りに略楕円形状の軌跡で昇降回動する。従って、作業走行しながら苗植付装置4が上記回転方向で前記軌跡を描くように昇降回動すると、軌跡の下端部で苗植付装置4の下端部が圃場の畝の土壌中に苗を植付け、くちばし状の苗植付部4aを備えた苗植付装置4は、機体左右方向に開いて苗植付装置4内の苗を畝の土壌に放出する。そのため、苗植付装置4で苗の左右方向の隣接する畝の斜面に寄せられた土が、再度苗の周辺に流入し易くなり、より鎮圧輪38,38で覆土し易くなる。また、機体左右方向に開くことで、苗を溝部の土壌中に植え付けて挿して上昇するときに植え付けた苗に苗植付装置4があたって苗の植付姿勢を乱すことを防止することができる。これは特にねぎ等のように長い苗を植え付ける場合に効果がある。
苗供給装置40はスプロケット51,51の一方の回転軸51aと第一ケース部18aとを伝動軸53を介して連結することでエンジン5からの動力を伝動して左右のスプロケット51,51を回転駆動させて苗供給カップ41を周回移動させる構成としている。
苗供給装置40の上方には、多数の苗供給カップ41が等間隔で連結され、苗供給カップ41の周回移動軌跡に沿う移動を案内するガイド体42,42を苗供給カップ41…の周回移動軌跡の内側と外側とにそれぞれ設けている。これにより、苗供給カップ41…の周回移動が適確且つ円滑に行われる。
また、肥料、薬剤、土及び水などの副資材を貯留した副資材タンク44が植付伝動ケース18上に取り付けられており、該副資材タンク44から苗植付体4a内に副資材が供給される。更に、薬剤等の副資材の供給用の動力を取り出しやすいように副資材タンク44の左側に灌水タンク46を配置して薬剤などの副資材を作業者が取りやすいようにしても良い。
ミッションケース8の右側部には第一株間調節レバー70(図2)を設け、該レバー70の操作によりミッションケース8内のギヤの噛み合いを変更して機体の走行速度に対する苗植付装置4の駆動を変速して苗の植付株間を変更できるようになっている。これとは別に、植付伝動ケース18の右側部には第二株間調節レバー71(図2)を設け、該レバー71の操作により植付伝動ケース18内のギヤの噛み合いを変更して機体の走行速度に対する苗植付装置4の駆動周期を変更して苗の植付株間を変更できるようになっている。
前記操縦ハンドル2の前側で苗供給装置40の後側には、操作パネル29を設けている。この操作パネル29には後輪7,7及び苗植付装置4の駆動を共に入切可能な主クラッチレバー27と、油圧昇降シリンダ15による機体の昇降操作及び苗植付装置4のみの駆動の入切が行える植付・昇降(サブクラッチ)レバー(操作具)28とを設けている。また、操縦ハンドル2の左右それぞれの把持部2a,2aの下方にはサイドクラッチレバー30を設け、このサイドクラッチレバー30の操作により左右一対の後輪7,7の左右一方の駆動を断つようになっている。そして、オペレータが操縦ハンドル2を押し下げ前輪6,6を宙に浮かせた状態で左右一方のサイドクラッチレバー30を操作して左右一方の後輪7の駆動を断ち、該後輪7を中心に機体を旋回させるようになっている。
図3と図4に苗供給カップの底蓋(シャッタ)の開放機構の説明図を示す。
図3には、図1の苗移植機の苗供給カップ41のシャッタ52の開閉時の苗供給カップ41付近の図を示す。図3(a)には、シャッタ52がシャッタ閉じ棒54に規制されて閉じる様子を示した正面一部縦断面図(苗供給位置Pの左方付近)を示し、図3(b)には、シャッタ52開放時の側面図(図3(a)の矢印S方向から見た図)を示す。また、図3(c)には、土落とし具の配置を変えた場合のシャッタ52開放時の側面図を示す。図4には図3(a)の矢印T方向から見た図を示す。
苗移植機の圃場上の進行とともに植付け伝動ケース18などの動力伝動機構からの動力伝達で苗植付装置4が動作し、該苗植付装置4の作動と同期して苗供給カップ41の取付間隔分づつ左右のスプロケット51,51が間欠的に回転するが、各苗供給カップ41の下部開口部には開閉自在なシャッタ52が設けられていて、所定の部位のシャッタ52が開くと苗植付装置4の苗植付部4aの中に苗供給カップ41内の苗が落下する。
苗供給装置40には、平面視で苗供給カップ41の周回軌跡の前側中央付近の位置が切れた略C字形のシャッタ閉じ棒(シャッタ52の開放規制具)54が苗供給カップ41の底蓋に接する高さに設けられており、上記シャッタ閉じ棒54の切れた部分に相当する苗供給位置P(図2)に位置する苗供給カップ41のシャッタ52は開放規制が解かれて自重もしくは苗の重量で開くが、それ以外の苗供給カップ41、…のシャッタ52、…はシャッタ閉じ棒54に規制されて閉じた状態になる。
また、ハンドル操作を行う作業者はハンドル2に設けた主クラッチレバー27を操作して主クラッチの入切操作を行うことができるが、ガイド体42の近傍で苗供給作業を行っている作業者も主クラッチの入切操作を行うことができるようにガイド体42の近傍にサブクラッチレバー28を設けているので、主クラッチの入切操作を苗供給作業中の作業者も即座に行うことができ、何らかの危険を回避する場合などに苗供給作業を行っている作業者も作業走行を停止させることができる。
本実施形態によれば、シャッタ52が開いた時の苗供給カップ41のシャッタ52下端部とシャッタ52上端部との間に、苗供給カップ41の移動方向(矢印A方向)から見てシャッタ52と重なるように、苗供給カップ41のシャッタ52に付着した泥や土などを落とす土落とし具60をシャッタ閉じ棒54に固着連結させて設けたことを特徴としている。シャッタ閉じ棒54から平面視でシャッタ52の外側を介して土落とし具60を固着している。
そして、図3(b)に示すように、苗供給カップ41が矢印A方向に移動しながらシャッタ52がシャッタ閉じ棒54により規制されて閉じるときに、土落とし具60がシャッタ52外側から内側へ通過するための空間52aをシャッタ52に設けている。
まず、苗供給カップ41が苗供給位置P(図2)に位置するとシャッタ閉じ棒54による開放規制が解かれてシャッタ52が開き、苗供給カップ41内の苗が苗植付部4aに落下する。苗供給カップ41は矢印A方向に移動するが、このときシャッタ52の進行方向(矢印A方向)下手側(シャッタ52の後方、外側)にある土落とし具60が、シャッタ52が移動する際にシャッタ52の切込み(空間部)52aを通過してシャッタ52の進行方向(矢印A方向)上手側(シャッタ52の前方、内側)に露出する。
このように、苗供給カップ41が移動する時に開放されたシャッタ52の位置に合わせて、ちょうど土落とし具60が通過可能な切込み52aをシャッタ52に設けることで、土落とし具60が切込み52aを通り抜けてシャッタ52の内側表面に露出する。
それと同時に苗供給カップ41のシャッタ52は、再びシャッタ閉じ棒54により規制されて閉じるが、その際に図3(a)に示すように、土落とし具60がシャッタ52の内側表面に接触することで、シャッタ52の内側表面の泥土が擦り落とされる。
なお、土落とし具60は単数個設けても良いが、複数個設けても良い。例えば、図3(b)に示すように土落とし具60a、60bを高さ方向上下に2個設けてもよい。その場合は土落とし具60が通過する切込み52aa、52abを土落とし具60の通過位置に合わせてシャッタ52の基部52b側と先端部側に設けると良い。
このように、苗供給カップ41のシャッタ52に付着した泥を落とす土落とし具60を設けることで、苗供給カップ41のシャッタ52が重くなって閉じにくくなったり、シャッタ52の開閉機構に負担がかかってシャッタ52の開閉にも支障を及ぼすという不具合がなくなる。そして、シャッタ52に付着した泥土により苗供給カップ41内での苗の姿勢が不適正となることを防止し、苗植付部4aへ苗を適正な姿勢で且つ適正な位置へ供給できる。したがって、苗植付作業全体の作業効率も向上する。
また、シャッタ52に切込み52aを設けずに土落とし具60を設ける場合は、シャッタ52が閉じる際に当たるなどの支障がないようにするためには、シャッタ52の中央付近には設けることはできない。したがって、例えば図3(c)に示すように、土落とし具60はシャッタ52の両端部にしか設けることができず、シャッタ52の両端部の泥土(斜線(イ)で示した部分)しか落とせない。
しかし、シャッタ52に土落とし具60が通過する切込み52aを設けることで、シャッタ52の中央付近の泥土も落とせるようになり、シャッタ52の内側表面全体の泥土の除去も可能となる。したがって、シャッタ52の内側表面の泥落とし範囲を広げることが可能となる。
そして、図3(b)に示すように、土落とし具60を上下高さに段違いに、平面視で一部重複するように(重複部分C)配置し、同様にシャッタ52の切込み52aa、52abも、シャッタ52が開放したときの上下高さに段違いに配置して、一部重複するように重複部分Cを設けることで、重複部分Cの泥落としが良好になって、シャッタ52の内側表面全体の泥土の泥落としが可能となる。
このようにシャッタ52に切込み52aa、52abを複数設け、土落とし具60を上下高さに段違いに配置し、更に平面視で一部重複するように設けることで、重複部分の泥落としが良好になって、シャッタ52の内側表面全体の泥土の泥落としが可能となり、泥土の落とし範囲を広げることができる。
また、シャッタ閉じ棒54の形状を、シャッタ52が閉じるまで常にシャッタ52の内側が土落とし具60に接する様な形状とすると良い。例えば、図3(a)に示すように、シャッタ52が閉じる際のシャッタ閉じ棒54の先端部を下方に屈曲させて、苗供給カップ41の進行方向(矢印A方向)上手側から下手側にかけて上下高さが高くなるように傾斜を設ける。シャッタ52はシャッタ閉じ棒54の傾斜形状に沿って緩やかに閉じるため、土落とし具60とシャッタ52の内側表面の接触時間を長くできる。
また、シャッタ52が閉じる際にシャッタ閉じ棒54とシャッタ52が最初に接触する部分には負荷がかかるが、その部分を丸みを帯びた形状(曲面形状)とすれば、シャッタ52がシャッタ閉じ棒54に接触する際の抵抗や衝撃を和らげることができる。
図3(a)に示すように、シャッタ52は、まず苗供給カップ41の進行方向上手側の正面視曲線形状の屈曲部54bに接触するが、屈曲部54bがあることで、シャッタ52がシャッタ閉じ棒54に接触する際の衝撃を和らげて、シャッタ52はスムーズに移動する。
そして、シャッタ52はシャッタ閉じ棒54の先端部形状(傾斜形状)に沿って緩やかに閉じるため、シャッタ52の開いた状態を長く維持できる。その後、シャッタ52の位置が土落とし具60から外れて進行方向下手側の屈曲部54aに接触するとシャッタ閉じ棒54の上下高さが一定となることでシャッタ52は完全に閉じる。
シャッタ52が閉じる際のシャッタ閉じ棒54の形状を、このように先端部を下方に屈曲させて進行方向上手側から下手側にかけて上下高さが高くなるように傾斜を設けることで、シャッタ閉じ棒54に傾斜を設けずに水平にした場合に比べてシャッタ52はシャッタ閉じ棒54の形状(傾斜形状)に沿って緩やかに閉じるため、シャッタ52の開放時間を長く維持できる。したがって、シャッタ52が閉じるまで常にシャッタ52の内側が土落とし具60に接することが可能となり、土落とし具60とシャッタ52の内側表面の接触時間を長くできるので、確実にシャッタ52の内側表面全体の泥土を除去できる。
シャッタ閉じ棒54の屈曲部54aの位置は土落とし具60からシャッタ52が外れる時のシャッタ基部52bの位置に設け、供給位置Pを変更する場合には、土落とし具60の位置により適宜調整すればよい。
また、土落とし具60をブラシ形状としても良い。ブラシ形状にすれば、ブラシの毛がシャッタ52の内側表面に引っかかり泥土を擦り落とすため、泥土を効率よく落とすことができる。
図5には、本発明の他の実施形態による苗移植機の苗供給カップ41付近の簡略背面図を示し、図3に示す土落とし具60を螺旋状のブラシとした場合の例を示している。図6には、図5の螺旋状のブラシ61と苗供給カップ41付近の簡略平面図を示す。
そして、図5及び図6に示すように、螺旋状のブラシ61によりシャッタ52の内側表面の泥土を落とす構成でも良い。なお、図5及び図6に示す例では、連続する3つの苗供給カップ41の様子を示している。
図5に示すように、苗供給位置Pよりも苗供給カップ41の進行方向(矢印A方向)側に螺旋状のブラシ61を、開放されたシャッタ52が螺旋状のブラシ61の軸61a上方に位置するように設ける。螺旋状のブラシ61はスプロケット51の駆動軸51aからベベルギヤ51b,61cを介して軸61aが駆動される。
螺旋状のブラシ61には、エンジン5からの動力が上記スプロケット51及びベベルギア51b,61cを介して螺旋状のブラシ61の軸61aに伝達されて、ブラシ軸61aが矢印D方向に回転することにより、ブラシ61も回転し、苗供給カップ41の移動とブラシ61の回転による相互作用によってシャッタ52の内側表面の泥土が除去部材であるブラシの毛61bにより擦り落とされて効率よく泥土が除去される。
まず、図5(a)に示すように、点線P位置で苗供給カップ41のシャッタ52が開放されると苗は苗植付部4a(図5には図示せず)に供給される。そして、苗供給カップ41と共に開放されたシャッタ52は開放状態を保持したまま螺旋状のブラシ61の軸61a上を軸61aに沿って矢印A方向に移動する。そして、この時に螺旋状のブラシ61は矢印D方向に回転しながら、何度かブラシの毛61bによりシャッタ52の内側表面の泥土を擦り落とす。
シャッタ52はブラシの毛61b間の軸61a上を軸61aに沿って移動するが、シャッタ52がブラシの毛61bに当たったとしても毛61bの弾性作用により苗供給カップ41の矢印A方向への移動に支障を来すことは無い。
そして図5(b)に示すように、苗供給カップ41が矢印A方向に移動して、苗供給カップ41のシャッタ52がシャッタ閉じ棒54により規制され閉じ始める時点で、シャッタ52はブラシ61の位置から外れて、シャッタ閉じ棒54により規制されながら矢印A方向に移動する。
そして、図5(c)に示すように、苗供給カップ41のシャッタ52はシャッタ閉じ棒54の傾斜部分を通過した後、完全に閉まる。このように次々に苗供給カップ41のシャッタ52はブラシ61の毛61bによりシャッタ52の内側表面の泥土が擦り落とされた後、シャッタ閉じ棒54により規制されて閉じる。
そして、シャッタ52はブラシ61の軸61a上を軸61aに沿って矢印A方向に移動する際に、螺旋状であるブラシの毛61bによって何度かシャッタ52の内側表面の泥土の除去が行われるため、シャッタ52の内側表面全体の泥土の泥落としが良好になる。
本構成を採用することにより、螺旋状のブラシ61でシャッタ52の内側表面の泥土を落とすことで、シャッタ52が螺旋状のブラシ61の毛61b間に入るため、シャッタ52の内側表面の泥土をきれいに落とすことが可能となる。また、螺旋ブラシ61の巻回数には限定が無く、図5に示す例では3回巻きの螺旋ブラシ61を用いているが、それ以上またはそれ以下の巻回数でも良い。
また、図3に示す土落とし具60によってシャッタ52の内側表面の泥土を落とす構成のように、土落とし具60の通過位置に合わせてシャッタ52に切込み52aを設ける必要もないため、簡易な構成でシャッタ52の内側表面の泥土をきれいに落とすことが可能となる。
また、螺旋状のブラシ61の軸61aの回転による除去部材である毛61bの苗供給カップ41移動方向への移動速度と苗供給カップ41の移動速度が異なると、例えば苗供給カップ41の移動速度の方が速い場合はシャッタ52の内側表面の泥土の除去が不十分なままシャッタ52が閉じてしまう場合が考えられる。また、螺旋状のブラシ61の軸61aの回転速度が速い場合(毛61bの苗供給カップ41移動方向への移動速度が速い場合)はシャッタ52がブラシ61の毛61bにかみ込むことが考えられる。
また、螺旋状のブラシ61の軸61aの回転による除去部材である毛61bの苗供給カップ41移動方向への移動速度と苗供給カップ41の移動速度が異なると、苗供給カップ41のシャッタ52がブラシ61の毛61bに当たって移動の障害となることも考えられる。
しかし、螺旋状のブラシ61の軸61aの回転による除去部材である毛61bの苗供給カップ41移動方向への移動速度と苗供給カップ41の移動速度を同じ速度にすれば、シャッタ52はブラシ61の毛61bの移動に合わせて軸61aに沿ってスムーズに移動できるため、ブラシ61の毛61bに当たって移動の障害となることはない。
そして、ブラシ61と苗供給カップ41のシャッタ52の内側表面が接触する時間が十分確保され、軸61aの回転及びシャッタ52の移動の相互作用が発揮されることで確実にシャッタ52の内側表面の泥土を落とすことができる。また、シャッタ52がブラシ61の毛61bにかみ込むことも防止できる。なお、エンジン5からの動力が螺旋状のブラシ61の軸61aに伝達される際のベベルギヤの伝動比の設定により、上記移動速度と回転速度を同じにすることができる。
そして、図6に示すように、螺旋状のブラシ61の軸61aを平面視で苗供給カップ41の軌跡(点線F)に対して斜めとなるように配置する。更に、シャッタ52に接触する位置となる軸61aの上側位置で、除去部材である毛61bの配列が、開いたシャッタ52の表面に沿う方向(前後方向に対して真っ直ぐな配列となる方向)となるように螺旋状のブラシ61を配置する。
螺旋状のブラシ61の軸61aを平面視で苗供給カップ41の軌跡に沿って配置すると、苗供給カップ41の軌道上に螺旋状のブラシ61が位置するため、シャッタ52が閉じる際にブラシ61が邪魔になって、閉じにくくなることも考えられる。
しかし、螺旋状のブラシ61の軸61aを平面視で苗供給カップ41の軌跡に対して交差するように斜めに配置することで、螺旋状のブラシ61はシャッタ52の内側表面の泥土を落とした後、速やかに苗供給カップ41の軌道上から外れるため、シャッタ52がブラシ61の毛61bにかみ込むことがなく、シャッタ52が閉じる際にブラシ61が邪魔にならない。また、螺旋状のブラシ61の毛61bがシャッタ52の表面に沿う方向から接触するため、泥土を擦り落とす効果も大きくなる。またブラシ61がシャッタ52の内側表面全面に当たって泥落とし範囲が広がり、泥が落ちやすくなる。
次に、図7と図8に本発明の他の実施形態による苗移植機の側面図と平面図を示す。
図7及び図8に示す苗移植機は2個以上の苗植付部4aを左右に配列した2条以上の苗を植付ける苗移植機であり、この苗移植機は、機体を前進走行可能とする走行装置1と、該走行装置1の後部に設けた歩行操縦用の操縦ハンドル2と、圃場に苗を植付ける苗植付装置4と、該苗植付装置4に苗を供給する苗供給装置40を備えている。各装置の伝動機構などの基本的構成は、図1及び図2に示す苗移植機と同様である。
苗植付装置4は、先端が下方に向かうくちばし状の苗植付部4aと、該苗植付部4aの下端部が圃場面より上方となる位置と圃場面より下方となる位置とに苗植付部4aを上下動させる上下動機構25と、くちばし状の苗植付部4aの下端部が閉じて上方から苗を受け入れて内側に苗を収容可能する閉状態と苗植付部4aの下端部が左右に開いて内側に収容した苗を下方に放出可能する開状態とに苗植付部4aを開閉する開閉機構とを備えている。
そして、苗供給装置40は、苗を上方から受け入れて内側に苗を収容する複数の苗供給カップ41と、該苗供給カップ41を苗植付部4aの上方を通過するように周回移動させるスプロケット51,51などの移動機構と、苗植付部4aの上方位置で苗供給カップ41の底蓋を開放して内側に収容した苗を落下させて苗植付部4aに苗を供給する苗落下供給機構となる開放機構(図示していないが、図4等のシャッタ閉じ棒54と同じようなもの)を備えている。
苗植付装置4は、苗植付部4aを左右に略等間隔となる設定間隔で複数体並べて配備した複数条植の構成としている。本例では、苗植付部4aを左右に設定間隔で四体並べて配備した四条植えの構成としている。
そして、この苗移植機は、苗供給装置40に苗を補給する作業者が乗車して苗補給作業が行えるよう、作業者が座る作業者用座席47を設けている。具体的には、苗供給装置40の前側となる機体左右中央位置に後向きに作業者用座席47を配置している。また、作業者用座席47の左右両側で機体側面視で後輪7の車軸10の上方位置に、苗供給装置40に補給する苗を収容可能な苗載台50を設けている。
このように四体の苗植付部4aに対して苗供給カップ41が一回りで周回移動して苗を供給する構成とした場合は、各々の苗植付部4aに対応して落下供給する苗を収容する苗供給カップ41を各別に設けて、この各別の苗供給カップ41を各々1個づつ備えて周回移動経路で隣接させた4個の苗供給カップ41からなる苗収容ユニットを構成し(図8の落下供給位置31で苗供給カップ41のシャッタ52(図4等参照)が開き、落下供給位置32で苗供給カップ41のシャッタ52が開き、落下供給位置33で苗供給カップ41のシャッタ52が開き、落下供給位置34で苗供給カップ41のシャッタ52が開く構成となっており、これらのシャッタ52を有する4個の苗供給カップ41が1つの苗収容ユニットを構成し、該苗収容ユニットが連続して設けられて周回移動するループ状の苗収容ユニットが形成されている)、前記苗収容ユニットを同一の周回移動経路で複数組(6組)周回移動させる構成とし、計24個の苗供給カップ41を周回移動させる。
従って、四体の苗植付部4aに対応する4箇所の落下供給位置31,32,33,34を、苗供給カップ41の同一の周回移動経路上に設定している。
このような図7及び図8に示す苗移植機にも、上述した土落とし具60や螺旋状のブラシ61を用いることができる。その場合は、土落とし具60や螺旋状のブラシ61をそれぞれの落下供給位置31,32,33,34に合わせて設ければよい。また、螺旋状のブラシ61は、各落下供給位置31,32,33,34に対応して設けなくても、全ての落下供給位置31,32,33,34の下手側で共通のブラシ61とすることもできる。
次に、図9と図10に本発明の他の実施形態による苗移植機の側面図と平面図を示す。更に図11には図9の苗供給装置の一部側断面図を示し、図12には、図11とは別の苗供給カップ41及びガイド体42の例を示した側面図(一部断面図)を示す。
図9及び図10に示す苗移植機は、図1及び図2に示す苗移植機の肥料タンク46を外して苗載台50を設置した点及び植付リンク機構3の構成が異なるが、それ以外の構成(各装置の伝動機構など)は、図1及び図2に示す苗移植機と同様である。
図3及び図5に示すような土落とし具60や螺旋状のブラシ61を苗移植機に設けても、完全にはシャッタ52の内側表面の泥土が落としきれない場合も考えられる。シャッタ52の内側表面に泥土が残ると、シャッタ52表面の泥土の厚みにより、シャッタ閉じ棒54に規制されてシャッタ52が閉じる際に、シャッタ閉じ棒54とシャッタ52の両方に負荷がかかってしまう。
従来は、ガイド体42は機体に固定されていたので、苗供給カップ41のシャッタ52が泥土等の異物を挟んで閉じようとしたり、ガイド体42と苗供給カップ41との間に異物を挟んだりすると、負荷が生じて苗供給カップ41を破損させたり、苗供給カップ41の移動が円滑に行われなかったりするおそれがある。
しかし、本実施形態によれば、ガイド体42にスプリング80(図11,図12参照)を設けてガイド体42を上方に逃がす構成としている。すなわち、苗供給カップ41を押さえているガイド体42にスプリング80などの弾性体を取り付け、苗供給カップ41のシャッタ52がシャッタ閉じ棒54に規制されて負荷がかかると、苗供給カップ41の中央付近に接して苗供給カップ41が浮き上がらないように上から押さえているガイド体42aが上方へ逃げる構成とすれば良い。
図9及び図11に示すように、苗供給カップ41は、上部の径が大きく、下部の径が小さい形状をしている。そして、下部の径はほぼ一定であるが、上部の径は上方ほど大きくなるような形状である。ガイド体42は苗供給カップ41の上部と下部のちょうど径が変わる部分で苗供給カップ41を保持し、支えている。
そして、図11に示すように、苗供給カップ41の周囲に接して苗供給カップ41,41を連結する連結体49の上部(表面)と側面視L字状のガイド体42bの折れ曲がり部42ba裏面との間にスプリング80を設けてガイド体42aとガイド体42bを接続する。苗供給カップ41は、ガイド体42aに当接する連結体49に接して支えられているため、ガイド体42aがスプリング80によって上下に移動すると、苗供給カップ41も共に移動する。
そして、シャッタ52の内側表面に泥土が残った場合に、シャッタ52がシャッタ閉じ棒54に規制されて苗供給カップ41の底蓋(シャッタ52)が下方から押さえられても、ガイド体42bとガイド体42a間のスプリング80によって苗供給カップ41が上方に移動可能である。したがって、本構成を採用することにより、シャッタ52の内側表面に泥土が残っても、苗供給カップ41は上方へ移動するため、シャッタ閉じ棒54とシャッタ52などに負荷がかかる不具合は生じない。
また、図12に示すように、上述の例とは反対に、シャッタ52の内側表面に泥土が残ってシャッタ閉じ棒54とシャッタ52の両方に負荷がかかると、シャッタ52を押さえているシャッタ閉じ棒54が、下方へ逃げる構成としても良い。
ガイド体42bの折れ曲がり部42ba裏面とシャッタ閉じ棒54と一体である取付部材48間にスプリング80を設けて、ガイド体42aとガイド体42bを一体的に固定し、苗供給カップ41を連結する連結体49が上方へ逃げない構成とする。
シャッタ閉じ棒54は、シャッタ閉じ棒54とガイド体42ba間のスプリング80によって上下に移動可能であるため、シャッタ52の内側表面に泥土が残った場合に、シャッタ52がシャッタ閉じ棒54に規制されても、苗供給カップ41の底蓋(シャッタ)52がシャッタ閉じ棒54を下方に押し下げることで、シャッタ閉じ棒54が下方に移動してシャッタ閉じ棒54とシャッタ52などに負荷がかかる不具合は生じない。
また、苗供給カップ41のシャッタ52の内側表面に泥土が残っても、苗供給カップ41の形状を工夫することで、シャッタ閉じ棒54とシャッタ52などに負荷がかかる不具合を防止できる。
図13には、図1等の苗移植機の苗供給カップ41の別の例を示し、苗供給カップ41の形状を工夫した場合の簡略正面図を示す。
図13(a)に示す例は、シャッタ52表面に付着した泥土等を挟んでシャッタ52が完全に閉じない状態を防止するために苗供給カップ41下部とシャッタ52の間に隙間Gを設けたものである。苗供給カップ41下部とシャッタ52の間に隙間Gを設けることで、シャッタ52が閉じても、隙間Gに泥土を保持できる。特に、粒径の小さい砂状の培土を苗床として使用している場合、該培土をシャッタ52が挟まないように隙間Gから排出することができる。なお、泥土や砂が苗から取れてシャッタ52に付着しやすい苗の場合は隙間を大きくすると良い。本構成を採用することにより、シャッタ閉じ棒54とシャッタ52などに負荷がかかることがなく、シャッタ52の開閉にも支障を及ぼすという不具合がなくなる。したがって、苗植付作業全体の作業効率を向上させることができる。
また、図13(b)に示すように、図13(a)の苗供給カップ41下部とシャッタ52間の隙間Gをブラシ状に塞いでもよい。ブラシの毛の間隔は泥土、砂等が通過できる程度にすればよい。このように苗供給カップ41下部とシャッタ52間の隙間Gをブラシ状にすることで、隙間Gにある泥土、砂等が保持又は排出できる構成としながら、苗は隙間Gに入って引っ掛かるようなことを防止でき、苗の落下供給を適正に行える。
また、図13(c)に示すように、苗供給カップ41の下部に凹凸部83を設けて、苗供給カップ41下部とシャッタ52間に隙間を設けても良い。図13(a)に示す構成と似ているが、凹部83aで泥土、砂等を保持又は排出できる構成としながら、凸部83bで苗が隙間Gに入って引っ掛かるようなことを防止でき、苗の落下供給を適正に行える。
また、図13(d)に示すように、苗供給カップ41の下部を断面三角形状(斜線部分W)としても良い。三角形状の先端部41aは尖っているため、泥土、砂等をかみ込んでも、泥土、砂等は矢印Jまたは矢印K方向などに逃げるため、シャッタ52を隙間無く閉じることができ、苗供給カップ41とシャッタ52間に泥土、砂等が挟まれるのを防止できる。
また、図13(e)に示すように、平面視円形状であるシャッタ52の径Mを、同じく平面視円形状の苗供給カップ41の底蓋の径Lよりも小さくすると、泥土、砂等をかみ込んでも泥土、砂等はLM間の隙間Nから落ちるため、苗供給カップ41とシャッタ52間に泥土、砂等が挟まれるのを防止できる。
また、図13(f)に示すように、図13(a)の苗供給カップ41下部とシャッタ52間の隙間Gに苗供給カップ41と直接つながる蛇腹状部85を設けて、苗供給カップ41の下部を蛇腹状とし、上下方向に伸び縮み可能な構成とすることで、苗供給カップ41下部とシャッタ52間の隙間の高さを調節できる。泥土や砂が苗から取れてシャッタ52に付着しやすい苗の場合は隙間を大きくできる。
このように、苗供給カップ41の形状を工夫することで、苗供給カップ41のシャッタ52の内側表面に泥土が残っても、シャッタ閉じ棒54とシャッタ52などに負荷がかかる不具合を防止できる。そして、苗植付作業全体の作業効率を向上させることができる。
本発明の走行車両は、ねぎ苗などの畝間の溝又は平地に植え付ける苗の移植機として利用可能性がある。また、苗移植機に限らず、農作物の収穫などに用いる、泥土等の除去が必要な農作業機にも利用可能性がある。
本発明の一実施形態による苗移植機の側面図である。 図1の苗移植機の平面図である。 図1の苗移植機のシャッタ開閉時の苗供給カップ付近の図である。図3(a)は、シャッタがシャッタ閉じ棒に規制されて閉じる様子を示した正面図であり、図3(b)は、シャッタ開放時の側面図である。図3(c)は、土落とし具の配置を変えた場合のシャッタ開放時の側面図である。 図3(a)の矢印T方向から視た図である。 本発明の他の実施形態による苗移植機の苗供給カップ付近の簡略背面図である。 図5の苗移植機の苗供給カップ付近の簡略平面図である。 本発明の他の実施形態による苗移植機の側面図である。 図7の苗移植機の平面図である。 本発明の他の実施形態による苗移植機の側面図である。 図9の苗移植機の平面図である。 図9の苗供給装置の一部側断面図である。 図11とは別の苗供給カップ及びガイド体の例を示した側面図(一部断面図)である。 本発明の一実施形態による苗移植機の苗供給カップの別の例を示す簡略側面図である。
符号の説明
1 走行装置 2 操縦ハンドル
3 リンク機構 4 苗植付装置
4a 苗植付部 5 エンジン
6 前輪 7 後輪
8 ミッションケース 9 伝動ケース
9A 車軸駆動軸 9B アーム(連結シャフト)
10 車軸 13 横杆
14 機体フレーム 15 油圧シリンダ
15a ピストンロッド 16 前輪支持フレーム
17 車軸 18 植付け伝動ケース
19 左右方向軸 20 第一昇降アーム
21 左右方向軸 22 第二昇降アーム
25 上下動機構 27 主クラッチレバー
28 植付・昇降(サブクラッチ)レバー(操作具)
29 操作パネル 30 サイドクラッチレバー
31,32,33,34 落下供給位置 38 鎮圧輪
40 苗供給装置 41 苗供給カップ
41a 先端部 42,42a,42b ガイド体
42ba 折れ曲がり部 44 副資材タンク
46 灌水タンク 47 作業者用座席
48 取付部材 49 連結体
50 苗載台 51 スプロケット
51a 回転軸 51b ベベルギア
52 シャッタ 52a 切込み
52b 基部 53 伝動軸
54 シャッタ閉じ棒 54a,54b 屈曲部
60 土落とし具 61 螺旋ブラシ状泥落とし具
61a 軸 61b ブラシの毛
61c ベベルギア 70 第一株間調節レバー
71 第二株間調節レバー 80 スプリング
83 凹凸部 83a 凹部
83b 凸部 85 蛇腹状部
S0 センサ S0a 突起

Claims (1)

  1. 苗をそれぞれ収納し、底蓋(52)が開放可能である複数の苗供給カップ(41)と所定の搬送経路に沿って苗供給カップ(41)を搬送する搬送手段(51,51,51a)を備えた苗供給装置(40)と苗供給装置(40)の下方に位置し、苗供給装置(40)により搬送、供給された苗を圃場に植え付けるための苗植付装置(4)とを設けた苗移植機 において、
    苗供給カップ(41)が所定の位置にあるときにのみ底蓋(52)の開放規制を解き、底蓋(52)を開いて苗供給カップ(41)内の苗を下方の苗植付装置(4)内に落とす開放規制具(54)と前記底蓋(52)が開いたときの苗供給カップ(41)の底蓋(52)下端部と底蓋(52)上端部との間に、底蓋(52)内側表面に付着した土を落とす土落とし具(60)を苗供給カップ(41)の搬送方向から見て底蓋(52)と重なるように苗供給装置(40)に取り付け、
    更に苗供給カップ(41)が搬送手段(51,51,51a)で搬送されながら底蓋(52)が開放規制具(54)により規制されて閉じるときに土落とし具(60)が底蓋(52)の外側から内側へ通過するための空間(52a)を苗供給カップ(41)の底蓋(52)に設けたことを特徴とする苗移植機。
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