JP5703202B2 - 射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体 - Google Patents

射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体 Download PDF

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本発明は、射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体に関し、さらに詳しくは、射出成形の際に、糸引き防止性に優れ、流動性(成形性)及び物性バランスにも優れた射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体に関する。
樹脂材料による射出成形において、射出成形機の射出ノズルから射出された加熱溶融樹脂は、例えば、金型キャビティ内に充填され、充填された加熱溶融樹脂は、冷却されて固化し、型開き後に金型から取り外される。その際に、加熱溶融樹脂の分離部分が引き延ばされて、糸状化される所謂「糸引き」現象が生じることがある。
そして、糸状化した成形樹脂は、キャビティ内に付着すると、次の成形サイクルにおいて成形品の表面に筋状の痕跡を生じ、製品の外観を損なうことになる。
そこで、このような成形品の不良要因となる糸引き現象の発生を防止する方法として、従来から、射出ノズルの構造、金型などの改良提案や射出成形方法の提案などがなされている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、ポリプロピレン系樹脂組成物は、物性、成形性及び経済性などに優れた材料としてその使用分野が年々拡大し、中でもバンパー、インストルメントパネル、ピラーなどの自動車部品、テレビ、掃除機などの電気機器部品の分野などでは、ポリプロピレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂にタルクなどのフィラーやエラストマー(ゴム)を複合強化した複合ポリプロピレン系樹脂などのポリプロピレン系樹脂組成物が、曲げ弾性率・衝撃強度などの物性バランス、成形性、リサイクル性や経済性などに優れるため、その成形体を含め広く用いられている。
これらの分野においては、益々進む成形体の高機能化、大型化、薄肉化、形状の多様化・複雑化などに対応するため、ポリプロピレン系樹脂組成物やその成形体の成形外観(フローマーク、ウェルド等)、物性バランス、成形性などのほか、射出成形の際に、糸引き防止性が求められている。
ところが、成形樹脂材料、すなわち、ポリプロピレン系樹脂組成物の面からは、射出成形の際に、糸引き現象の発生を防止する方法の提案は、殆どないのが現状である。
そこで、射出成形性の観点から、ポリプロピレン系樹脂組成物の従来技術を考察すると、いくつかの提案がされている(例えば、特許文献2〜4など参照。)。
例えば、特許文献2には、射出成形に好適で、機械的特性に優れ、フローマークやウェルドマークを生じにくく、しかも、低光沢性や耐傷付性に優れた成形品を製造しうるポリプロピレン系樹脂組成物を提供することを課題として、(A)MFR20〜300g/10分のポリプロピレン(プロピレン・エチレンブロック共重合体):50〜75重量%、(B−1)MFRが0.4g/10分未満のエチレン・α−オレフィン共重合体またはエチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体:5〜15重量%、(B−2)MFRが0.5g/10分以上、20g/10分未満であるエチレン・α−オレフィン共重合体:5〜15重量%、及び(C)無機充填剤:15〜30重量%からなる(F)樹脂組成物100重量部に対して、(D)変性ポリプロピレン0.1〜5.0重量部、及び(E)表面改質剤0.1〜1.0重量部を配合してなるポリプロピレン系樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献3には、剛性、衝撃強度、流動性に優れ、かつ、成形体にした場合に成形体に色むらがなく、外観が良好なポリプロピレン系樹脂組成物、及びそれからなる射出成形体を提供することを課題として、ポリプロピレン系樹脂(A)と、エラストマー(B)と、無機充填剤(C)とを含有し(但し、(A)と(B)と(C)の重量合計を100重量部とする)、(A)と(B)と(C)の合計100重量に対して、pHが3以下であるカーボンブラック(D)0.0001〜1重量部と、ステアリン酸亜鉛(E)0.2〜1重量部とを、含有するポリプロピレン系樹脂組成物、及びそれからなる射出成形体が開示されている。
さらに、特許文献4には、低光沢でかつ剛性―耐衝撃性のバランスに優れ、フローマーク等の成形外観不良が少なく射出成形時の流動性に優れたプロピレン系樹脂組成物を提供することを課題として、プロピレン重合体成分を製造する工程およびプロピレン−エチレン共重合体ゴム成分を製造する工程によって得られ、メルトフローレート(MFR)、分子量分布(Mw/Mn)等の8要件を同時に満たすプロピレン系ブロック共重合体(A)40重量部以上、100重量部以下、エラストマー(B)0重量部以上、35重量部以下、およびフィラー(E)0重量部以上、40重量部以下(ただし、(A)、(B)、および(E)の合計は100重量部である)を含有するプロピレン系樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、上記特許文献のように、樹脂組成物及びそれからなる射出成形体は、フローマーク(成形外観)が良好で、流動性(成形性)及び物性バランスにも優れることが記載されているものの、糸引き防止性については、記載が無い。
特開2011−000814号公報 特表2010−537039号公報 特開2006−225418号公報 特開2011−190407号公報
本発明の目的は、従来のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体の問題点を解消し、各種成形体とりわけ自動車部品用などの射出成形体を得る際に、特に、糸引き防止性に優れ、流動性(成形性)及び物性バランスにも優れた射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、特定の高溶融張力(以下、単にMTともいう。)と低メルトフローレート(以下、単にMFRともいう。)を有する特定のプロピレン系重合体1.0〜8.0重量%と、その他のプロピレン系重合体92.0〜99.0重量%からなるポリプロピレン系樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体が、上記の課題を解決できることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、特性(i)〜(ii)を有する、プロピレン重合体(成分A−1)、プロピレン重合体部分及びエチレン・プロピレンランダム共重合体部分からなるプロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)、並びにプロピレン・エチレンランダム共重合体(成分A−1)からなる群から選ばれる少なくとも一種のプロピレン系重合体(成分A−1)1.0〜8.0重量%と、その他のプロピレン系重合体(成分A−2)92.0〜99.0重量%からなるポリプロピレン系樹脂(成分A)を含有することを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
特性(i):メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜2.0g/10分である。
特性(ii):190℃における溶融張力(MT)が5〜35gである。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、さらに、フィラー(成分B)を、前記ポリプロピレン系樹脂(成分A)100重量部に対して、1〜100重量部含有することを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記フィラー(成分B)は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、ポリエステル繊維、ウィスカー、ガラス繊維および炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、さらに、エラストマー(成分C)を、前記ポリプロピレン系樹脂(成分A)100重量部に対して、1〜100重量部含有することを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、前記エラストマー(成分C)は、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーまたはゴム、共役ジエン共重合体エラストマーまたはゴム、およびスチレン・共役ジエン共重合体エラストマーまたはゴムからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明に係る射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする射出成形体が提供される。
本発明は、上記の如く射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体などに係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)第1の発明において、特性(i)のMFRが0.1〜1.5g/10分、より好ましくは0.2〜1.0g/10分であり、また、特性(ii)の溶融張力(MT)が9〜35g、より好ましくは12〜30gであることを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
(2)第1の発明において、ポリプロピレン系樹脂(成分A)は、プロピレン系重合体(成分A−1)2.0〜6.0重量%と、その他のプロピレン系重合体(成分A−2)94.0〜98.0重量%とからなることを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
(3)第6の発明において、自動車部品であることを特徴とする射出成形体。
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体は、射出成形の際に、特に、糸引き防止性に優れ、流動性(成形性)及び剛性・衝撃強度などの物性バランスにも優れる。
そのため、インストルメントパネル、グローブボックス、トリム類、ハウジング類、ピラー、バンパー、フェンダー、バックドアーなどの自動車内外装部品をはじめ、テレビ・掃除機などの家電機器の各種部品、便座などの住宅設備機器部品、各種工業部品、建材部品などの用途に、好適に用いることができる。
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物の糸引き防止性の評価方法を説明する図である。
以下、本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体(以下、単に射出成形体ともいう。)について、項目毎に詳細に説明する。
I.ポリプロピレン系樹脂組成物の各構成成分
1.ポリプロピレン系樹脂(成分A)
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物ともいう。)では、樹脂成分として、特性(i)〜(ii)を有する、プロピレン重合体(成分A−1)、プロピレン重合体部分及びエチレン・プロピレンランダム共重合体部分からなるプロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)、並びにプロピレン・エチレンランダム共重合体(成分A−1)からなる群から選ばれる少なくとも一種のプロピレン系重合体(成分A−1)1.0〜8.0重量%と、その他のプロピレン系重合体(成分A−2)92.0〜99.0重量%からなるポリプロピレン系樹脂(成分A)が用いられる。
1−1.プロピレン系重合体(成分A−1)
本発明に係るプロピレン系重合体(成分A−1)は、特性(i)〜(ii)を有する、プロピレン重合体(成分A−1)、プロピレン重合体部分及びエチレン・プロピレンランダム共重合体部分からなるプロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)、並びにプロピレン・エチレンランダム共重合体(成分A−1)からなる群から選ばれる少なくとも一種のプロピレン系重合体である。
特性(i):メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜2.0g/10分である。
特性(ii):190℃における溶融張力(MT)が5〜35gである。
1−2.プロピレン系重合体(成分A−1)の特性
(1)特性(i):
本発明の樹脂組成物に用いられるプロピレン系重合体(成分A−1)のMFR(230℃、2.16kg荷重)は、0.1〜2.0g/10分であり、好ましくは0.1〜1.5g/10分、より好ましくは0.2〜1.0g/10分である。
MFRが0.1g/10分未満であると、樹脂組成物および射出成形体の流動性(成形性)が低下するおそれがある。一方、MFRが2.0g/10分を超えると、糸引き防止性および物性バランス(衝撃強度)が低下するおそれがある。
尚、MFR値は、JIS K7210に準拠し、測定温度:230℃、荷重:2.16kgで測定する値である。
(2)特性(ii):
プロピレン系重合体(成分A−1)の190℃における溶融張力(MT)は、5〜35gであり、好ましくは9〜35gであり、より好ましくは12〜30gである。
成分A−1の190℃における溶融張力が前記範囲外であると、本発明の樹脂組成物及び射出成形体の糸引き防止性および物性バランスが低下するおそれがある。
1−3.プロピレン系重合体(成分A−1)の製造
プロピレン系重合体(成分A−1)の製造法は、得られる成分A−1が上記特性(i)〜(ii)を有している限り、特に限定されるものではなく、公知の方法、条件の中から適宜に選択される。得られるプロピレン系重合体(成分A−1)は、プロピレン重合体(成分A−1)、プロピレン重合体部分及びエチレン・プロピレンランダム共重合体部分からなるプロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)、並びにプロピレン・エチレンランダム共重合体(成分A−1)からなる群から選ばれる少なくとも一種のプロピレン系重合体である。
特に、特性(ii)を満たす高溶融張力プロピレン系重合体(ポリプロピレン)は、電子線照射して長鎖分岐を付与したり、パーオキサイドと架橋モノマーの存在下に押出機内で変性することによって長鎖分岐を付与したり、また、多段重合により高分子量の成分を付与して、溶融張力を向上させるといった公知の方法で製造可能である。
プロピレンの重合触媒としては、通常、高立体規則性触媒が用いられる。例えば、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元し、さらに各種の電子供与体及び電子受容体で処理して得られた三塩化チタン組成物と有機アルミニウム化合物及び芳香族カルボン酸エステルを組み合わせた触媒(例えば、特開昭56―100806号、特開昭56−120712号、特開昭58−104907号の各公報参照。)、及び、ハロゲン化マグネシウムに四塩化チタンと各種の電子供与体を接触させた担持型触媒(例えば、特開昭57−63310号、同63−43915号、同63−83116号の各公報参照。)など各公報に記載されたものを例示することができる。
前記プロピレン重合体(成分A−1)は、通常、前記触媒の存在下、気相重合法、液相塊状重合法、スラリー重合法などの製造プロセスを適用して、プロピレンを単独重合することにより、得ることができる。
また、前記プロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)は、前記触媒の存在下、気相重合法、液相塊状重合法、スラリー重合法などの製造プロセスを適用して、プロピレンを重合し、続いてプロピレンとエチレンをランダム重合することにより得られる。
また、前記プロピレン・エチレンランダム共重合体(成分A−1)は、前記触媒の存在下、気相重合法、液相塊状重合法、スラリー重合法などの製造プロセスを適用して、プロピレンとエチレンをランダム重合することにより得られる。
前記した特定の溶融特性(低MFR、高溶融張力)などを有する成分A−1を得るためには、プロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)を用いるのが好ましく、これらは、スラリー法、気相流動床法にて、多段重合して製造することが好ましい。
また、プロピレン系重合体がプロピレン重合体(成分A−1)又はプロピレン・エチレンランダム共重合体(成分A−1)である場合は、プロピレン重合体部分の重合は、プロピレンの一段重合であっても、多段重合であってもかまわない。
プロピレン重合体(成分A−1)またはプロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)のプロピレン重合体部分の重合法としては、以下に示す重合法を、例示することができる。
プロピレンを、分子量調節剤としての水素の存在下で重合する。これは、所望の分子量範囲を有する重合体を生成するためである。
また、水素は、プロピレン重合体部分のMFRが(成分A−1)の場合は0.1〜2.0g/10分、(成分A−1)の場合は0.1−400g/10分になるように、適宜、添加される。水素濃度としては、所望の物性を得る目的で、全モノマー量に対して、通常0.1モル%〜40モル%の範囲から選択される。
また、重合温度は、通常40℃〜90℃、圧力は、通常大気圧に対する相対圧力で0.1MPa〜5MPaの範囲から選択される。
前記プロピレン重合体(成分A−1)、または前記プロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)のプロピレン重合体部分は、本発明の樹脂組成物の物性バランス(剛性)を高めるために、プロピレンの単独重合体であることが好ましいが、流動性(成形性)及び物性バランスなどをさらに改良する目的で、結晶性を著しく損なわない範囲で、少量のコモノマーとの共重合体とすることもできる。
具体的には、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル1−ペンテンなどのプロピレン以外のα−オレフィン、スチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンなどのビニル化合物などからなる群から選ばれる1以上のコモノマーに相応するコモノマー単位を、通常は7重量%以下、好ましくは5重量%以下の含量で含むことができる。これらのコモノマーは、二種以上共重合されていてもよい。コモノマーは、エチレン及び/または1−ブテンであるのが望ましく、最も望ましいのはエチレンである。ここで、コモノマー単位の含量は、赤外分光分析法(IR)にて求めた値である。
プロピレン系重合体がプロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)である場合、プロピレン重合体部分の重合に続いて、エチレン−プロピレンランダム共重合体部分の重合を行う。エチレン−プロピレンランダム共重合体部分は、溶融張力や分子量分布(Q値)を所定の値に調整するため、高分子量のエチレン−プロピレンランダム共重合体にすることが好ましい。
エチレン−プロピレンランダム共重合体部分の重合は、高分子量の重合体を重合するために、なるべく低濃度の水素雰囲気下もしくは、実質上水素の存在しない状態で重合することが好ましい。重合は、プロピレン重合体部分重合工程で生成したプロピレン重合体及び触媒の存在下、引き続いて行われる。重合温度は、通常40℃〜90℃、圧力は、通常大気圧に対する相対圧力で0.1MPa〜5MPaの範囲から選択される。また、本願規定を満たす範囲であれば、コモノマーとして、更に少量のα−オレフィンが共重合されていてもよい。
また、プロピレン系重合体がプロピレン・エチレンランダム共重合体(成分A−1)である場合、分子量調節剤としての水素の存在下で、溶融張力や分子量分布(Q値)を所定の値に調整しながら重合することが好ましい。重合は、前記触媒の存在下、重合温度は、通常40℃〜90℃、圧力は、通常大気圧に対する相対圧力で0.1MPa〜5MPaの範囲から選択される。また、本願規定を満たす範囲であれば、コモノマーとして、更に少量のα−オレフィンが共重合されていてもよい。
なお、これらのプロピレン系重合体は種々の製品が多くの会社から市販されており、所望によりそれらの製品を購入して使用することもできる。
MFRは、MFR計にて、また、エチレン−プロピレンランダム共重合体部分の含量及びエチレン含量、さらにQ値は、クロス分別装置、フーリエ変換型赤外線吸収スペクトル分析、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定する。また、溶融張力は、キャピログラフを用いて測定する。主な項目の測定条件などは、実施例において記述する。
1−4.その他のプロピレン系重合体(成分A−2)
本発明の樹脂組成物に用いられるその他のプロピレン系重合体(成分A−2)(以下、単に成分A−2ともいう。)は、前記ポリプロピレン系樹脂(成分A)のうち、前記成分A−1に該当しないポリプロピレン系樹脂である。具体的な成分A−2としては、前記成分A−1に該当しないプロピレン単独重合体、前記成分A−1に該当しないプロピレン−エチレンランダム共重合体や、前記成分A−1に該当しないプロピレン−エチレンブロック共重合体などのプロピレンとα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとビニル化合物との共重合体、プロピレンとビニルエステルとの共重合体、プロピレンと不飽和有機酸またはその誘導体との共重合体、プロピレンと共役ジエンとの共重合体、プロピレンと非共役ポリエン類との共重合体及びこれらの混合物などが挙げられる。
また、そのMFR(230℃、2.16kg荷重)は、通常、0.5〜200g/10分、好ましくは5〜170g/10分、より好ましくは10〜150g/10分のものである。
ここで、例えば、プロピレン−エチレンブロック共重合体の場合、該共重合体全体のMFR(230、2.16kg荷重)が0.1g/10分未満または2.0g/10分を超えるものは、成分A−2に包含され、また、該共重合体全体のMFR(230、2.16kg荷重)が0.1〜2.0g/10分であっても、すなわち、特性(i)の要件を満たしても、成分A−1の特性(ii)を満たさない場合、成分A−2に包含される。また、同様に、該共重合体が、例えば、特性(ii)の要件を満たしても、成分A−1の特性(i)を満たさない場合、成分A−2に包含される。
成分A−2の製造法は、特に限定されるものではなく、公知の方法、条件の中から適宜に選択される。重合触媒としては、通常、高立体規則性触媒が用いられ、例えば、チーグラー系触媒やメタロセン系触媒などを例示することができる。成分A−2は、前記触媒の存在下、気相重合法、液相塊状重合法、スラリー重合法などの製造プロセスを適用することにより得られる。
なお、その他のプロピレン系重合体に該当するものは、種々の製品が多くの会社から市販されており、所望により、それらの製品を購入して使用することもできる。
1−5.配合量比
本発明の樹脂組成物において、樹脂成分として用いられるポリプロピレン系樹脂(成分A)は、上記のプロピレン系重合体(成分A−1)1.0〜8.0重量%、好ましくは2.0〜6.0重量%と、その他のプロピレン系重合体(成分A−2)92.0〜99.0重量%、好ましくは94.0〜98.0重量%からなる。
本発明の樹脂組成物では、樹脂成分全量に対して、高溶融張力、低MFRのプロピレン系重合体(成分A−1)[すなわち、プロピレン重合体(成分A−1)、プロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)、及びプロピレン・エチレンランダム共重合体(成分A−1)からなる群から選ばれる少なくとも一種のプロピレン系重合体]の含有量が1重量%未満であると、糸引き防止性の向上が図れないおそれがあり、一方、成分A−1の含有量が8重量%を超えると、流動性(成形性)が低下するおそれがある。
また、本発明の樹脂組成物において、樹脂成分として用いられるポリプロピレン系樹脂(成分A)は、糸引き防止性、フローマーク(成形外観)、流動性(成形性)及び剛性・衝撃強度などの物性バランスなどを維持、向上することに寄与する特徴を有し、上記の成分A−1と成分A−2の配合量比から、通常、例えば、MFR(230℃、2.16kg荷重)が0.5〜200g/10分、好ましくは5〜170g/10分、より好ましくは10〜150g/10分である。
成分AのMFRが0.5g/10分未満であると、本発明の樹脂組成物やそれからなる射出成形体のフローマーク(成形外観)や流動性(成形性)が低下するおそれがある。一方、MFRが200g/10分を超えると、物性バランス(衝撃強度)が低下するおそれがある。
2.フィラー(成分B)
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物では、上記の樹脂成分として用いられるポリプロピレン系樹脂(成分A)以外に、好ましくは、フィラー(成分B)と、後述するエラストマー(成分C)が用いられる。
フィラーの成分B(以下、単に成分Bともいう。)は、無機または有機の充填剤(充填材)である。成分Bは、本発明の樹脂組成物及び射出成形体の物性バランス(剛性など)、寸法安定性(線膨張係数の低減など)、環境適応性の各向上などに寄与する特徴を有する。
2−1.種類、形状など
成分Bの具体例として、例えば、無機フィラーとして、シリカ、ケイ藻土、バリウムフェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルンなどの酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウムなどの硫酸塩または亜硫酸塩、タルク、クレー、マイカ、ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、モンモリロナイト、ベントナイトなどのケイ酸塩、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中空球などの炭素類や、硫化モリブデン、ボロン繊維、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、マグネシウムオキシサルフェイト、塩基性硫酸マグネシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、各種金属繊維、ウィスカーなどを挙げることができる。
一方、有機フィラーとしては、例えばモミ殻などの殻繊維、木粉、木綿、ジュート、紙細片、セロハン片、芳香族ポリアミド繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、各種合成繊維、熱硬化性樹脂粉末などを挙げることができる。なお、該成分Bは、2種以上併用してもよい。
本発明の樹脂組成物において、好ましい成分Bのフィラーとして、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、ポリエステル繊維、ウィスカー、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
成分Bの形状については、特に制限はなく、粒状、板状、繊維状、棒状、ウィスカー状など、いずれの形状のものも、使用することができる。
中でも板状、繊維状、ウィスカー状のものは、物性バランスや寸法安定性などに優れた本発明の樹脂組成物及び射出成形体が得られやすい点で、好ましい。また、ポリマー用フィラーとして市販されているものは、いずれも使用できる。
これらは、一般的な粉末状の外に、取り扱いの利便性などを高めた、圧縮魂状、ペレット(造粒)状、顆粒状、チョップドストランド状などの形態で製造されることが多いが、いずれも使用することができる。中でも粉末状、圧縮魂状、顆粒状が好ましい。
前記成分Bの内、タルク、ポリエステル繊維、ウィスカー及びガラス繊維からなる群から選ばれた少なくとも一種のものは、物性バランス及び経済性などに優れた本発明の樹脂組成物及び射出成形体が得られ易い点で好ましい。ここで、ポリエステル繊維は、それと木綿と混紡したものなど、異なる複数の繊維同士を混紡したものでもよい。
また、ここでいうウィスカーとは、塩基性硫酸マグネシウム繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、炭酸カルシウム繊維、極細炭素繊維などの極細(概ね2μmφ以下、とりわけ1μmφ以下)繊維状のものである。
中でも、成分Bとしては、タルクが好ましく、特に平均粒径が15μm以下、好ましくは0.5〜10μm、とりわけ好ましくは2〜8μmのタルクは、物性バランス及び経済性が特に優れた本発明の樹脂組成物及び射出成形体が得られ易いなどの点で、好ましい。
この平均粒径は、レーザー回折散乱方式粒度分布計などを用いて測定した値であり、測定装置としては、例えば、堀場製作所製LA−920型が挙げられる。また、タルクは、平均アスペクト比が4以上、特に5以上のものがより好ましい。タルクのアスペクト比の測定は、顕微鏡などにより測定された値より求められる。
これらの成分Bは、有機チタネート系カップリング剤、有機シランカップリング剤、不飽和カルボン酸、またはその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルなどによって表面などを処理したものを用いてもよく、また、二種以上併用して表面などを処理してもよい。
2−2.製造
成分Bの製造方法は、特に限定されたものではなく、公知の各種製造方法などにて製造される。例えば、タルクの場合、天然に産出されたものを機械的に微粉砕化することにより得られたものを、さらに精密に1回又は複数回分級することによって得られる。
粉砕機としては、例えば、ジョークラシャ−、ハンマークラシャ−、ロールクラシャー、スクリーンミル、ジェット粉砕機、コロイドミル、ローラーミル、振動ミルなどを用いることができる。
これらの粉砕されたタルクは、本発明で示される平均粒径に調節するために、例えば、サイクロン、サイクロンエアセパレーター、ミクロセパレーター、サイクロンエアセパレーター、シャープカットセパレター、などの装置で1回または繰り返し湿式または乾式分級する。特定の粒径に粉砕した後、シャープカットセパレターにて、分級操作を行うことが好ましい。
なお、これらの成分Bに相当する種々の製品が多くの会社から市販されており、所望により、それらの製品を購入して使用することもできる。これらの成分Bは、後述するポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法において、そのもののみを直接添加してもよく、成分Bを高濃度で含む樹脂組成物(所謂マスターバッチ)として、添加してもよい。
2−3.配合量比
成分Bのフィラーの配合割合は、前記ポリプロピレン系樹脂(成分A)100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜60重量部である。成分Bの配合量が1重量部未満であると、本発明の樹脂組成物及び射出成形体の物性バランス(剛性、耐熱性など)が低下するおそれがある。また、配合量が100重量部を超えると、流動性(成形性)が低下するおそれがある。
3.エラストマー(成分C)
本発明の樹脂組成物において、好ましくは、エラストマー(成分C)が用いられる。
上記エラストマーの成分C(以下、単に成分Cともいう。)は、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーなどであり、本発明の樹脂組成物及び射出成形体において、物性バランス(衝撃強度など)や寸法安定性などの向上に寄与する特徴を有する。
尚、本発明において、エラストマーには、ゴムも含むものとする。
3−1.種類
成分Cは、オレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)、エチレン・ヘキセン共重合体エラストマー(EHR)、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(EPR)などのエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体などのエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマーなどを挙げることができる。
また、スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体エラストマー(SEB)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(SEP)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(SEBC)、水添スチレン・ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SBBS)、部分水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体エラストマー、部分水添スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体エラストマーなどが挙げられる。
さらに、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(CEBC)などの水添ポリマー系エラストマーなども挙げることができる。
中でも、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーまたはゴム、共役ジエン共重合体エラストマーまたはゴム、およびスチレン・共役ジエン共重合体エラストマーまたはゴムからなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、特に、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)やエチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)を使用すると、本発明の樹脂組成物及び射出成形体において、物性バランス(衝撃強度など)、流動性(成形性)や寸法安定性などの性能がより優れ、経済性にも優れる傾向にあるなどの点から好ましい。なお、この成分Cは、2種以上を併用してもよい。
3−2.製造
成分Cは、例えば、オレフィン系エラストマーのエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーや、エチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマーなどは、各モノマーを触媒の存在下、重合することにより製造される。
触媒としては、例えば、ハロゲン化チタンの様なチタン化合物、アルキルアルミニウム−マグネシウム錯体の様な有機アルミニウム−マグネシウム錯体、アルキルアルミニウム、またはアルキルアルミニウムクロリドなどのいわゆるチーグラー型触媒、WO91/04257号パンフレットなどに記載のメタロセン化合物触媒などを使用することができる。
重合法としては、気相流動床法、溶液法、スラリー法などの製造プロセスを適用して重合することができる。
また、スチレン系エラストマーは、通常のアニオン重合法及びそのポリマー水添技術などにより製造することができる。
なお、これらの成分Cに相当する種々の製品が多くの会社から市販されており、所望により、それらの製品を購入して使用することもできる。
3−3.配合量比
成分Cのエラストマーの配合割合は、前記ポリプロピレン系樹脂(成分A)100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜60重量部である。成分Cの配合量が1重量部未満であると、本発明の樹脂組成物及び射出成形体の物性バランス(剛性、耐熱性など)が低下するおそれがある。また、配合量が100重量部を超えると、物性バランス(剛性)、及び流動性(成形性)が低下するおそれがある。
4.任意添加成分
本発明の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物では、前記の樹脂成分であるポリプロピレン系樹脂の成分A、フィラーの成分B、エラストマーの成分C以外に、さらに必要に応じ、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、例えば、発明効果を一層向上させたり、他の効果を付与したりするなどのため、任意添加成分を配合することができる。
具体的には、フェノール系、リン系などの酸化防止剤、着色成分、ヒンダードアミン系などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、ソルビトール系などの造核剤、非イオン系などの帯電防止剤、無機化合物などの中和剤、チアゾール系などの抗菌・防黴剤、ハロゲン化合物などの難燃剤、可塑剤、有機金属塩系などの分散剤、滑剤、窒素化合物などの金属不活性剤、非イオン系などの界面活性剤や、前記成分Aに該当しないポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
これらの任意添加成分は、2種以上を併用してもよく、組成物に添加してもよいし、前記成分A〜成分Cの各成分に添加されていてもよく、夫々の成分においても2種以上併用することもできる。
前記着色成分として、例えば、無機系や有機系の顔料などは、本発明の樹脂組成物及び射出成形体の、着色外観、見映え、風合い、商品価値、耐候性や耐久性などの付与、向上などに有効である。
具体例として、無機系顔料としては、酸化チタン;酸化鉄(ベンガラ等);クロム酸(黄鉛など);モリブデン酸;硫化セレン化物;フェロシアン化物などが挙げられ、有機系顔料としては、難溶性アゾレーキ;可溶性アゾレーキ;不溶性アゾキレート;縮合性アゾキレートなどのアゾ系顔料;フタロシアニンブルー;フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アントラキノン;ペリノン;ペリレンなどのスレン系顔料;染料レーキ;キナクリドン系;ジオキサジン系;イソインドリノン系などが挙げられる。
光安定剤や紫外線吸収剤として、例えば、ヒンダードアミン化合物、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系やサリシレート系などは、本発明の樹脂組成物及び射出成形体の耐候性や耐久性などの付与、向上に有効である。
具体例としては、ヒンダードアミン化合物として、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセバケートなどが挙げられ、ベンゾトリアゾール系としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、サリシレート系としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート;2,4−ジ−t−ブチルフェニル3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
ここで、前記光安定剤と紫外線吸収剤とを併用する方法は、耐候性、耐久性などの向上効果が大きく、好ましい。
II.ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法、射出成形体の製造方法及び用途
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、例えば、前記成分A〜成分C(必要に応じ、任意添加成分)を、前記配合割合で、従来公知の方法で配合・混合・溶融混練することにより、製造することができる。
混合は、通常、タンブラー、Vブレンダー、リボンブレンダーなどの混合機器を用いて行い、溶融混練は、通常、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーなどの混練機器を用いて溶融混練し、造粒する。
また、溶融混練・造粒して製造する際には、前記各成分の配合物を同時に混練してもよく、さらに、性能向上をはかるべく各成分を分割して混練し、その後に残りの成分を混練・造粒するといった方法を採用することもできる。
本発明の射出成形体は、前記方法で製造されたポリプロピレン系樹脂組成物を、例えば、射出成形(ガス射出成形、二色射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形も含む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)などの周知の成形方法にて、成形することにより得ることができる。
本発明の射出成形体は、特に、糸引き防止性に優れ、また、物性バランスにも優れる。
そのため、これらの性能をバランスよく、より高度に必要とされる用途、例えば、自動車部品、テレビ・掃除機などの電気電子機器の各種部品、便座などの住宅設備機器部品などの工業分野の各種部品や建材部品などの用途、とりわけインストルメントパネル、グローブボックス、トリム類、ハウジング類、ピラー、バンパー、フェンダー、バックドアーなどの自動車内外装部品の用途に好適に用いることができる。これらの点などから、該ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体の工業的価値は大きい。
本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例で用いた評価法、分析の各法および材料は、以下の通りである。
1.評価方法、分析方法
1−1.糸引き防止性:
下記要領にて、糸引き防止性を評価した。
試験片:縦120×横120×厚さ3(mm)で、1mmのフィルムゲートである(図1参照。)。
成形機:東芝機械社製、射出成形機IS100GN。
成形条件:表1参照。
上記の射出成形機を用い,成形材料のテストピースを射出成形し、成形片のスプルからの糸引きの状態を観察した。成形は、10ショットパージ作業実施した後に行ない、5ショット目から25ショット目までを評価した。また、成形条件は、表1の条件で実施した。
評価基準は、以下のとおり。
◎:糸引きなし。
○:糸は引いているが、直ぐに切断され、短い。
△:糸は切断されるが、長い糸引きあり。
×:糸が切断されず、糸引きがひどい。
Figure 0005703202
1−2.流動性(MFR):
JIS K7210に準拠し、測定温度:230℃、荷重:2.16kgで測定する。該MFRは、流動性を表す指標であって、数値が大きい程、流動性が良好である。
1−3.成形性(流動性)の評価:
以下の評価基準で判定した。
良好:成形品表面に収縮によるヒケがなく、良品であった。
やや不良:成形品表面に収縮によるヒケがあった。
不良:金型内に樹脂が充填されない部分が残り、ショートショットとなった。
1−4.溶融張力(MT)(単位:g):
東洋精機製作所製のキャピログラフを用いて、シリンダー温度190℃、オリフィスL/D=8.1/2.095(mm)、ピストンスピード10mm/分、引取速度4m/分の条件下で行い、定常時の張力をMT値とした。
2.材料
2−1.成分A(成分A−1、成分A−2)(ポリプロピレン系樹脂):
(以下、いずれも酸化防止剤、中和剤を添加済のペレットである。)
A−1a:日本ポリプロ社製ポリプロピレン(商品名:ノバテック)の下記組成・物性のグレードを用いた。
該材料は、チーグラー・ナッタ系触媒で重合されたプロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂であって、190℃における溶融張力(MT)が25gであり、該共重合体樹脂全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が0.2g/10分であるもの。
A−1b:日本ポリプロ社製ポリプロピレン(商品名:ノバテック)の下記組成・物性のグレードを用いた。
該材料は、チーグラー・ナッタ系触媒で重合されたプロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂であって、190℃における溶融張力(MT)が14gであり、該共重合体樹脂全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が0.4g/10分であるもの。
A−2a:日本ポリプロ社製ポリプロピレン(商品名:ノバテック)の下記組成・物性のグレードを用いた。
該材料は、チーグラー・ナッタ系触媒で重合されたプロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂であって、エチレン−プロピレンブロック共重合体部分の該プロピレン−エチレン共重合体樹脂全体に対する割合が10重量%、該共重合体樹脂全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が65g/10分であるもの。
A−2b:日本ポリプロ社製ポリプロピレン(商品名:ノバテック)の下記組成・物性のグレードを用いた。
該材料は、チーグラー・ナッタ系触媒で重合されたプロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂であって、エチレン−プロピレンブロック共重合体部分の該プロピレン−エチレン共重合体樹脂全体に対する割合が13重量%、該共重合体樹脂全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が120g/10分であるもの。
2−2.成分B(フィラー):
B−1:日本タルク社製の平均粒径=5.1μm、平均アスペクト比=6のタルク。
2−3.成分C(エラストマー):
C−1:三井化学社製のMFR(230、2.16kg荷重)が2g/10分であるエチレン・ブテン共重合体エラストマー(タフマー1050S)(EBR)。
C−2:三井化学社製のMFR(230、2.16kg荷重)が6g/10分であるエチレン・ブテン共重合体エラストマー(タフマー4050S)(EBR)。
3.実施例及び比較例
[実施例1〜2及び比較例1〜3]
3−1.ポリプロピレン系樹脂組成物の製造
前記の成分A〜成分Cを、下記の添加剤とともに、表2に示す割合で配合し、下記の条件で混練、造粒し、製造した。
この際、成分A〜成分Cの合計100重量部当たり、BASF社製IRGANOX1010を0.1重量部及びBASF社製IRGAFOS168を0.05重量部配合した。
混練装置:神戸製鋼社製KCM50型二軸押出機。
混練条件:温度=200℃、スクリュー回転数=800rpm。
3−2.ポリプロピレン系樹脂組成物の成形
前記の造粒したペレットを用い、前記評価方法に示した要領で、夫々の評価用試験片を成形した。
3−3.評価
前記の成形したものについて、性能評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005703202
表2に示す結果から、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体の発明要件を満たしている実施例1、2は、糸引き防止性に優れ、流動性(成形性)などの物性バランスにも、優れていることが明らかである。
そのため、これらの性能をバランスよく、より高度に必要とされる用途、例えば、インストルメントパネル、グローブボックス、トリム類、ハウジング類、ピラー、バンパー、フェンダー、バックドアーなどの自動車内外装部品をはじめ、家電機器部品、便座などの住宅設備機器部品、各種工業部品、建材部品などの用途に、好適に用いることが明白になっている。
一方、上記本発明の特定事項を満たさない比較例において、比較例1〜3に示す組成を持ったポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体は、これらの性能バランスが不良で、実施例1、2のものに対して、見劣りしている。
例えば、成分A−1の含有量が多い比較例1は、糸引き防止性は良好なものの、成形性が悪く、一方、成分A−1の含有量が少ない比較例2は、成形性は良好なものの、糸引き防止性が悪い。これは、成分A−1の含有量が、本発明の要件を満たさないためと考えられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる射出成形体は、糸引き防止性、さらに、流動性(成形性)及び剛性・衝撃強度などの物性バランスにも優れるため、これらの性能をバランスよく、より高度に必要とされる用途、例えばインストルメントパネル、グローブボックス、トリム類、ハウジング類、ピラー、バンパー、フェンダー、バックドアーなどの自動車内外装部品をはじめ、テレビ・掃除機などの家電機器の各種部品、便座などの住宅設備機器部品、各種工業部品、建材部品などの用途に、好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 特性(i)〜(ii)を有する、プロピレン重合体(成分A−1)、プロピレン重合体部分及びエチレン・プロピレンランダム共重合体部分からなるプロピレン・エチレンブロック共重合体(成分A−1)、並びにプロピレン・エチレンランダム共重合体(成分A−1)からなる群から選ばれる少なくとも一種のプロピレン系重合体(成分A−1)1.0〜8.0重量%と、その他のプロピレン系重合体(成分A−2)92.0〜99.0重量%からなるポリプロピレン系樹脂(成分A)を含有することを特徴とする射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
    特性(i):メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜2.0g/10分である。
    特性(ii):190℃における溶融張力(MT)が5〜35gである。
  2. さらに、フィラー(成分B)を、前記ポリプロピレン系樹脂(成分A)100重量部に対して、1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 前記フィラー(成分B)は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、ポリエステル繊維、ウィスカー、ガラス繊維および炭素繊維からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. さらに、エラストマー(成分C)を、前記ポリプロピレン系樹脂(成分A)100重量部に対して、1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 前記エラストマー(成分C)は、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーまたはゴム、共役ジエン共重合体エラストマーまたはゴム、およびスチレン・共役ジエン共重合体エラストマーまたはゴムからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに1項に記載の射出成形用ポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなることを特徴とする射出成形体。
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