JP2013112718A - ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体 - Google Patents

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JP2013112718A JP2011258660A JP2011258660A JP2013112718A JP 2013112718 A JP2013112718 A JP 2013112718A JP 2011258660 A JP2011258660 A JP 2011258660A JP 2011258660 A JP2011258660 A JP 2011258660A JP 2013112718 A JP2013112718 A JP 2013112718A
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健 池田
Toshihiro Yoshida
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Abstract

【課題】軽量化が図られた上に、流動性(成形性)及び物性バランスにも優れたポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体を提供する。
【解決手段】プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)100重量部に、平均粒径1〜10μmのタルク(B成分)1〜20重量部、平均繊維径0.1〜1.5μmで平均繊維長10〜30μmの繊維状硫酸マグネシウム(C成分)1〜20重量部、およびエラストマー(D成分)1〜100重量部を含有してなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、
タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)の重量比(B:C)が3:1〜1.5:1の範囲であり、且つ該樹脂組成物の密度が0.950〜1.000g/cmであることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物およびそれからなる成形体など。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体に関し、さらに詳しくは、軽量化が図られた上に、流動性(成形性)及び物性バランスにも優れたポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体に関する。
ポリプロピレン系樹脂組成物は、物性、成形性及び経済性などに優れた材料としてその使用分野が年々拡大し、中でもバンパー、インストルメントパネル、ピラーなどの自動車部品、テレビ、掃除機などの電気機器部品の分野などでは、ポリプロピレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂にタルクなどのフィラーやエラストマー(ゴム)を複合強化した複合ポリプロピレン系樹脂などのポリプロピレン系樹脂組成物が曲げ弾性率・衝撃強度などの物性バランス、成形性、リサイクル性や経済性などに優れるため、その成形体を含め広く用いられている。
特に、自動車産業分野においては、地球環境の保全のため、二酸化炭素の削減を目的として、燃費向上のための車体の軽量化が検討され、その具体策の一つとして、内装部品用材料として多用されているフィラー充填ポリオレフィンの軽量化がある。
しかし、タルクなどのフィラーを充填する目的は、製品として必要な剛性、耐熱性を保持することにあるため、単に、フィラーの配合量を減らして、軽量化を図った場合、剛性、耐熱性の低下、線膨張率の増大を来たし、使用上、問題が生じる。このため、単に、フィラー量の削減による軽量化は、困難であった。
そこで、自動車内装部品用フィラー充填ポリオレフィンの軽量化のため、従来から幾つかの方法が考えられてきた。例えば、タルク充填ポリプロピレン(タルク充填量15〜25重量%)の軽量化のため、タルクよりも、剛性改良効果の高いマイカを充填する方法が考えられている。しかし、この方法は、それでも剛性改良効果が十分でなく、かつ軽量化の効果も少ないばかりか、逆に、衝撃強度や外観の低下が著しいという欠点がある。また、繊維状フィラーとして、グラスファイバー(ガラス繊維)を配合することも考えられているが、この方法による自動車用内装部品は、外観低下、反り変形が大きいという問題がある。
上記の課題や問題点を解決するため、いくつかの方法が提案されている(例えば、特許文献1、2など参照。)。
例えば、上記特許文献1では、自動車内装部品用のフィラー充填樹脂組成物を軽量化する目的で、高流動性、高結晶性、高衝撃性を有する特定の結晶性プロピレンーエチレン共重合体(A)と、特定の繊維径及び繊維長を有する繊維状無機フィラー(B)と、特定の粒子径を有するタルク(C)とを、特定比率で配合したポリオレフィン樹脂組成物が提案され、剛性、耐熱性や、線膨張係数を維持しつつ、大幅な低比重化及び外観向上を実現できることが、開示されている。
また、上記特許文献2では、軽量で強度と剛性に優れたポリプロピレン樹脂組成物を提供するために、酸変性ポリプロピレン樹脂(A−1)と酸変性されていないポリプロピレン樹脂(A−2)からなり、酸価が0.2〜5.0(mgKOH/g)であるポリプロピレン樹脂(A)に、繊維長2〜20mmの炭素繊維(B)を、樹脂組成物中に10〜45質量%含まれる炭素繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、上記のように、提案されているポリプロピレン系樹脂組成物では、軽量化が図られているものは、流動性(成形性)及び剛性・衝撃強度などの物性バランスが不十分であるか、或いは、剛性・衝撃強度などの物性バランスが十分なものは、軽量化が不十分であり、その結果、軽量化と、流動性(成形性)及び剛性・衝撃強度などの物性バランスとの両方が十分なものが、未だなく、要望されている。
特開平05−311018号公報 特開2011−178937号公報
本発明の目的は、上記の従来技術の状況に鑑み、軽量化が図られた上に、流動性(成形性)及び物性バランスにも優れたポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、プロピレン−エチレンブロック共重合体に、特定の粒子径を有するタルク、特定の繊維径と繊維長を有する繊維状硫酸マグネシウム、およびエラストマーを、特定の割合で含有し、かつ特定のタルクと特定の繊維状硫酸マグネシウムを特定の配合比で含有すると、軽量化が図られた上に、流動性(成形性)及び物性バランスにも優れたポリプロピレン系樹脂組成物が得られることを、見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)100重量部に、平均粒径1〜10μmのタルク(B成分)1〜20重量部、平均繊維径0.1〜1.5μmで平均繊維長10〜30μmの繊維状硫酸マグネシウム(C成分)1〜20重量部、およびエラストマー(D成分)1〜100重量部を含有してなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、
タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)の重量比(B:C)が3:1〜1.5:1の範囲であり、且つ該樹脂組成物の密度が0.950〜1.000g/cmであることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体が提供される。
本発明は、上記の如くポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体などに係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)第1の発明において、エラストマー(D成分)は、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(EPR)、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SBS)及びスチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SEBS)からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の重合体であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体は、軽量化が図られた上に、流動性(成形性)及び物性バランスにも優れる。
そのため、インストルメントパネル、グローブボックス、トリム類、ハウジング類、ピラー、バンパー、フェンダー、バックドアーなどの自動車内外装部品をはじめ、テレビ・掃除機などの家電機器の各種部品、便座などの住宅設備機器部品、各種工業部品、建材部品などの用途に、好適に用いることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)100重量部に、平均粒径1〜10μmのタルク(B成分)1〜20重量部、平均繊維径0.1〜1.5μmで平均繊維長10〜30μmの繊維状硫酸マグネシウム(C成分)1〜20重量部、およびエラストマー(D成分)1〜100重量部を含有してなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)の重量比(B:C)が3:1〜1.5:1の範囲であり、且つ該樹脂組成物の密度が0.950〜1.000g/cmであることを特徴とする。
以下、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体について、項目毎に詳細に説明する。
I.ポリプロピレン系樹脂組成物の各構成成分と特性
1.プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物ともいう。)に用いられるプロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)は、MFR(230℃、2.16kg荷重)が1〜200g/10分、より好ましくは5〜150g/10分、特に好ましくは10〜100g/10分のものが望ましい。プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)のMFRが1g/10分未満であると、流動性が不足するので、成形性が悪化する場合がある。一方、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)のMFRが200g/10分を超えると、耐衝撃性が低下する。
なお、本発明で使用するプロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)は、特に制限されず、公知の方法で製造してもよく、種々の市販品を購入して、使用することもできる。
2.タルク(B成分)
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に用いられるタルク(B成分)は、平均粒径が1〜10μm、より好ましくは2〜8μmのものである。平均粒子径が1μm未満であると、タルクの分散性が悪くなり、衝撃強度が低下する場合が生じ、一方、平均粒子径が10μmを超えると、剛性の改良効果が小さいばかりか、衝撃強度の低下が起こる。
本発明で使用されるタルク(B成分)は、上記要件を満足するものを種々の市販品として購入可能であるので、それらを使用すればよい。
3.繊維状硫酸マグネシウム(C成分)
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に用いられる繊維状硫酸マグネシウム(C成分)は、平均繊維径が0.1〜1.5μm、好ましくは0.2〜1μmで、平均繊維長が10〜30μm、好ましくは15〜25μmのものである。平均繊維径が0.1μm未満であると、繊維状硫酸マグネシウム(C成分)の分散性が悪く、衝撃強度が低下することがあり、一方、平均繊維径が1.5μmを超えると、衝撃強度、剛性、耐熱性の低下が生じるとともに、外観が悪くなる。また、平均繊維長が10μm未満であると、剛性、耐熱性の改良効果が小さく、一方、平均繊維長が30μm以上であると、衝撃強度の低下が起こる。
また、C成分として用いる繊維状硫酸マグネシウムは、市販品として、宇部興産(株)「モスハイジ」、ミリケン社の「Hyperform(登録商標) HPR−803」、「Hyperform(登録商標) HPR−803i」などが挙げられる。
これらの繊維状硫酸マグネシウムは、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を構成するその他の成分と共に、押出機などの溶融混練装置を用いて複合化されるが、この溶融混練の際には、繊維状硫酸マグネシウムの過剰な折損を防止するような複合化方法を選択することが好ましい。これを実現するための方法としては、例えば、押出機による溶融混練では、繊維状硫酸マグネシウム以外の成分を十分に溶融混練した後、繊維状硫酸マグネシウムをサイドフィード法等により、樹脂成分の完全溶融位置よりも、川下側の位置からフィードし、繊維の折損を最小限に抑えながら、収束繊維を分散させる方法等を例示することができる。
4.配合割合
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物において、上記タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)の配合量は、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)100重量部に対して、タルク(B成分)が1〜20重量部、および繊維状硫酸マグネシウム(C成分)が1〜20重量部であって、タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)の重量比(B:C)が3:1〜1.5:1の範囲である必要がある。
特に、タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)の重量比(B:C)が上記範囲を外れると、タルクの割合が高まることにより、剛性の低下や密度の超過が起こり、また、繊維状硫酸マグネシウムの割合が高まることにより、コストが高くなり、経済性が悪化する。
5.エラストマー(D成分)
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物において、上記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)、タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)以外に、さらに、エラストマー(D成分)を、プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)100重量部に対し、1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜50重量部を含有する。
エラストマー(D成分)の配合量が1重量部未満であると、本発明の樹脂組成物及び成形体の物性バランス(剛性、耐熱性など)が低下するおそれがある。また、配合量が100重量部を超えると、物性バランス(剛性)、フローマーク(成形外観)及び流動性(成形性)が低下するおそれがある。
エラストマー(D成分)としては、オレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーなどであり、本発明の樹脂組成物及び成形体において、物性バランス(衝撃強度など)や寸法安定性などの向上に寄与する特徴を有する。
尚、本発明において、エラストマーには、ゴムも含むものとする。
上記オレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)、エチレン・ヘキセン共重合体エラストマー(EHR)、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)、エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(EPR)などのエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー;エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ブタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・イソプレン共重合体などのエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体エラストマーなどを挙げることができる。
また、スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共重合体エラストマー(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン共重合体エラストマー(SEB)、スチレン−エチレン・プロピレン共重合体エラストマー(SEP)、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SEBS)、スチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(SEBC)、水添スチレン・ブタジエンエラストマー(HSBR)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレン共重合体エラストマー(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体エラストマー(SBBS)、部分水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体エラストマー、部分水添スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体エラストマーなどが挙げられる。
さらに、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体エラストマー(CEBC)などの水添ポリマー系エラストマーなども挙げることができる。
中でも、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーまたはゴム、共役ジエン共重合体エラストマーまたはゴム、およびスチレン・共役ジエン共重合体エラストマーまたはゴムからなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、特に、エチレン・オクテン共重合体エラストマー(EOR)やエチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)を使用すると、本発明の樹脂組成物及び成形体において、物性バランス(衝撃強度など)、流動性(成形性)や寸法安定性などの性能がより優れ、経済性にも優れる傾向にあるなどの点から好ましい。なお、このエラストマー(D成分)は、2種以上を併用してもよい。
なお、これらのエラストマー(D成分)は、種々の製品を市販品として、入手可能であるので、それらを使用すればよい。
6.任意添加成分
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物では、上記プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)、タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)、エラストマー(D成分)以外に、さらに必要に応じ、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、例えば、発明効果を一層向上させたり、他の効果を付与するなどのため、任意添加成分を配合することができる。
具体的には、フェノール系、リン系などの酸化防止剤、着色成分、ヒンダードアミン系などの光安定剤、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、ソルビトール系などの造核剤、非イオン系などの帯電防止剤、無機化合物などの中和剤、チアゾール系などの抗菌・防黴剤、ハロゲン化合物などの難燃剤、可塑剤、有機金属塩系などの分散剤、滑剤、窒素化合物などの金属不活性剤、非イオン系などの界面活性剤や、前記A成分に該当しないポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
これらの任意添加成分は、2種以上を併用してもよく、組成物に添加してもよいし、前記A成分〜D成分の各成分に添加されていてもよく、夫々の成分においても2種以上併用することもできる。
前記着色成分として、例えば、無機系や有機系の顔料などは、本発明の樹脂組成物及び成形体の、着色外観、見映え、風合い、商品価値、耐候性や耐久性などの付与、向上などに有効である。
具体例として、無機系顔料としては、酸化チタン;酸化鉄(ベンガラ等);クロム酸(黄鉛など);モリブデン酸;硫化セレン化物;フェロシアン化物などが挙げられ、有機系顔料としては、難溶性アゾレーキ;可溶性アゾレーキ;不溶性アゾキレート;縮合性アゾキレートなどのアゾ系顔料;フタロシアニンブルー;フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料;アントラキノン;ペリノン;ペリレンなどのスレン系顔料;染料レーキ;キナクリドン系;ジオキサジン系;イソインドリノン系などが挙げられる。
光安定剤や紫外線吸収剤として、例えば、ヒンダードアミン化合物、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系やサリシレート系などは、本発明の樹脂組成物及び成形体の耐候性や耐久性などの付与、向上に有効である。
具体例としては、ヒンダードアミン化合物として、コハク酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合物;ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕;テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート;ビス−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルセバケートなどが挙げられ、ベンゾトリアゾール系としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられ、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、サリシレート系としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート;2,4−ジ−t−ブチルフェニル3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
ここで、前記光安定剤と紫外線吸収剤とを併用する方法は、耐候性、耐久性などの向上効果が大きく、好ましい。
7.ポリプロピレン系樹脂組成物の特性
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上記構成成分を配合することにより、その密度が0.950〜1.000g/cmであり、軽量化が図られた上に、流動性(成形性)及び物性バランスにも優れるという特徴を有する。
II.ポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法、成形体の製造方法及び用途
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、例えば、前記A成分〜D成分(必要に応じ、任意添加成分)を、前記配合割合で、従来公知の方法で配合・混合・溶融混練することにより、製造することができる。
混合は、通常、タンブラー、Vブレンダー、リボンブレンダーなどの混合機器を用いて行い、溶融混練は、通常、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーなどの混練機器を用いて溶融混練し、造粒する。
また、溶融混練・造粒して製造する際には、前記各成分の配合物を同時に混練してもよく、さらに、性能向上をはかるべく各成分を分割して混練し、その後に残りの成分を混練・造粒するといった方法を採用することもできる。
本発明の成形体は、前記方法で製造されたポリプロピレン系樹脂組成物を、例えば、射出成形(ガス射出成形、二色射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形も含む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)、押出成形、シート成形、中空成形などの周知の成形方法にて、成形することにより得ることができる。このうち、射出成形または射出圧縮成形にて、得ることが好ましい。
本発明の成形体は、軽量化が図られた上に、フローマーク(成形外観)に優れ、物性バランスにも優れる。
そのため、これらの性能をバランスよく、より高度に必要とされる用途、例えば自動車部品、テレビ・掃除機などの電気電子機器の各種部品などの工業分野の各種部品や建材部品などの用途、とりわけインストルメントパネル、グローブボックス、トリム類、ハウジング類、ピラー、バンパー、フェンダー、バックドアーなどの自動車内外装部品の用途に好適に用いることができる。これらの点などから、該ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体の工業的価値は大きい。
本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例で用いた評価法、分析の各法および材料は、以下の通りである。
1.評価方法、分析方法
1−1.流動性(MFR):
JIS K7210に準拠し、測定温度:230℃、荷重:2.16kgで測定する。該MFRは、流動性を表す指標であって、数値が大きい程、流動性が良好である。
1−2.曲げ弾性率:
JIS K7171に準拠し、測定温度23℃で測定する。試験片は、長さ80×幅10×厚み4(mm)であり、下記の射出成形機及び条件にて、作製する。
成形機:東芝機械社製、射出成形機IS80G。
成形条件:成形温度=220℃、金型温度=40℃、射出圧力=60MPa。
1−3.シャルピー衝撃強度(ノッチ付):
JIS K7111に準拠し、測定温度23℃で測定する。試験片の調製は、上記1−2項と同様に行う。
1−4.密度:
JIS K7111に準拠して測定した。
2.材料
2−1.A成分(プロピレン−エチレンブロック共重合体):
(以下、いずれも酸化防止剤、中和剤を添加済のペレットである。)
A−1:日本ポリプロ社製ポリプロピレン(商品名:ノバテック)の下記組成・物性のグレードを用いた。
該材料は、チーグラー・ナッタ系触媒で重合されたプロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂であって、エチレン−プロピレンランダム共重合体部分の該プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂全体に対する割合が19重量%、該共重合体樹脂全体のMFR(230℃、2.16kg荷重)が25g/10分であるもの。
2−2.B成分(タルク):
B−1:日本タルク社製の平均粒径=5.1μmのタルク、「ミクロエースC31」。
2−3.C成分(繊維状硫酸マグネシウム):
C−1:ミリケンジャパン社製の平均繊維径0.5μm、平均繊維長25μmの繊維状硫酸マグネシウム、「Hyperform HPR−803」。
2−4.D成分(エラストマー):
D−1:三井化学社製のMFR(230、2.16kg荷重)=2.4g/10分、密度=0.862g/cmである、エチレン・ブテン共重合体エラストマー(EBR)、「A1050S」。
2−5.その他成分
グラスファイバー:日本電気硝子社製の平均繊維径13μm、平均繊維長3mmの「T480」
3.実施例及び比較例
[実施例1〜2及び比較例1〜5]
3−1.ポリプロピレン系樹脂組成物の製造
前記のA成分〜D成分(または、さらにその他成分)を、下記の添加剤とともに、表1に示す割合で配合し、下記の条件で混練、造粒し、製造した。
この際、A成分〜D成分の合計100重量部当たり、BASF社製IRGANOX1010を0.1重量部、BASF社製IRGAFOS168を0.05重量部、日東化成工業社製ステアリン酸カルシウムを0.4重量部配合した。
混練装置:神戸製鋼社製KCM50型二軸押出機。
混練条件:温度=200℃、スクリュー回転数=800rpm。
Figure 2013112718
表1に示す評価結果から、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の発明要件を満たしている実施例1、2は、密度が0.950〜1.000g/cmであり、軽量化が図られた上に、流動性(成形性)及び剛性・衝撃強度などの物性バランスにも、優れていることが明らかである。
そのため、これらの性能をバランスよく、より高度に必要とされる用途、例えば、インストルメントパネル、グローブボックス、トリム類、ハウジング類、ピラー、バンパー、フェンダー、バックドアーなどの自動車内外装部品をはじめ、家電機器部品、便座などの住宅設備機器部品、各種工業部品、建材部品などの用途に、好適に用いることが明白になっている。
一方、タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)の重量比が3:1〜1.5:1から外れる比較例1、2は、曲げ弾性率・シャルピー衝撃強度で劣り、その曲げ弾性率・シャルピー衝撃強度を向上させるため、タルクを増量した比較例3では、密度が1.000g/cmを超過している。また、比較例4は、エラストマー(D成分)を使用していないために、シャルピー衝撃強度が劣る。さらに、比較例5は、繊維状硫酸マグネシウム(C成分)に代えて、グラスファイバーを配合したが、曲げ弾性率が改善されていない。
したがって、これらの比較例の材料では、自動車内外装部品への適用は困難である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物及びそれからなる成形体は、軽量化が図られた上に、流動性(成形性)及び剛性・衝撃強度などの物性バランスにも優れるため、これらの性能をバランスよく、より高度に必要とされる用途、例えばインストルメントパネル、グローブボックス、トリム類、ハウジング類、ピラー、バンパー、フェンダー、バックドアーなどの自動車内外装部品をはじめ、テレビ・掃除機などの家電機器の各種部品、便座などの住宅設備機器部品、各種工業部品、建材部品などの用途に、好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. プロピレン−エチレンブロック共重合体(A成分)100重量部に、平均粒径1〜10μmのタルク(B成分)1〜20重量部、平均繊維径0.1〜1.5μmで平均繊維長10〜30μmの繊維状硫酸マグネシウム(C成分)1〜20重量部、およびエラストマー(D成分)1〜100重量部を含有してなるポリプロピレン系樹脂組成物であって、
    タルク(B成分)と繊維状硫酸マグネシウム(C成分)の重量比(B:C)が3:1〜1.5:1の範囲であり、且つ該樹脂組成物の密度が0.950〜1.000g/cmであることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体。
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