JP5701753B2 - タイヤ製造ドラム、未加硫タイヤの製造装置及び製造方法 - Google Patents

タイヤ製造ドラム、未加硫タイヤの製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、未加硫タイヤの製造に用いられる拡径及び縮径可能なタイヤ製造ドラムと、このタイヤ製造ドラムを用いて未加硫タイヤを製造する未加硫タイヤの製造装置及び製造方法に関する。
未加硫タイヤの製造工程では、ベルトとトレッドからなる円筒状部材を成形するベルト・トレッド成形ドラムや、円筒状のカーカスバンドの成形ドラム、又は、タイヤ構成部材を被成形体に転写する転写ドラム等、各種のタイヤ製造ドラムが使用されている。また、タイヤ製造ドラムとして、従来、ドラム周方向に並べた複数のセグメントをドラム内の駆動機構により変位させ、製造する未加硫タイヤや円筒状部材のサイズや周長等に合わせて、外周を拡径及び縮径させる成形ドラムが知られている(特許文献1参照)。
ところで、このような拡縮可能なタイヤ製造ドラムでは、一般に、セグメントが剛体からなるため、その外表面の曲率が変更できず、大きく拡径又は縮径すると、複数のセグメントから構成される外周の真円度が低くなる傾向がある。そのため、各セグメントは、充分な真円度を確保するため、比較的狭い拡縮径範囲内で使用されて、それぞれの径に応じて形成される。従って、従来のタイヤ製造ドラムは、未加硫タイヤの製造時に、例えば製造する部材のサイズ切替に応じて全体を交換し、或いは、セグメントを含む機械部品を交換して使用する必要がある。しかしながら、このように全体や部品を都度交換する場合には、交換用の機械部品等の保管に広いスペースが必要になり、スペースの有効利用が妨げられる。また、交換作業毎に多くの人手を要し、多大な手間や時間を消費するとともに、交換や調整の間は生産を停止するため、大幅に生産性が低下してタイヤの製造コストも上昇する傾向があり、生産性向上の観点から改善が求められている。
これに対し、セグメントの数を増やして外周をより多く分割することで、拡縮径するタイヤ製造ドラムに充分な真円度を確保し、より広い拡縮径範囲での使用を可能にして生産性向上を図ることが考えられる。この場合には、タイヤ製造ドラムの外周を任意の径に変更することで、部品等の交換を要さずに、任意のサイズ及び多種類の部材や未加硫タイヤの製造に対応でき、生産性向上に加えて、1つのドラムにより、製造範囲内の全てをカバーしてサイズフリーも実現できる。
ところが、従来のタイヤ製造ドラムでは、一般に、セグメントの駆動機構は、配置スペースがドラム内に制限されるため機械的な制約を受け、各セグメントの変位機構をドラム周方向に配置できる数も制限される。その結果、セグメントの数も変位機構の数内に限定されるため、外周を分割できる数を多くできず(例えば6〜12分割程度)、使用可能な拡縮径範囲を大きくして広く共用化を図るのは難しい。従って、生産性を一層向上させるため、装置を複雑化することなく、セグメントを大幅に増加させることが強く要求されている。
また、特許文献1に記載された成形ドラムは、ドラム周方向に並べた複数のセグメントを、ドラム内のガイド機構により案内してドラム半径方向に変位させ、製造する未加硫タイヤや円筒状部材のサイズや周長等に合わせて、外周を拡径及び縮径させる。
ただし、この従来の成形ドラムは、ガイド機構が、1つのガイド部材をドラム半径方向に変位させて各セグメントを案内する1段式のリニアガイドであり、変位させるガイド部材の長さや変位可能距離により、セグメントの変位量(拡縮径量)が決定される。また、ドラム外周を構成する複数のセグメントの内側にガイド機構を配置する必要があり、ガイド部材の長さに応じて、最も縮径変位させたセグメントのドラム半径方向位置と、成形ドラムの最も縮小したときの径(最縮小径)とが決定される。そのため、この成形ドラムは、ガイド部材を短くして成形ドラムの最縮小径を小さくすると、セグメントの拡縮径量が小さくなり、拡縮径範囲が小径側の範囲になる。一方、ガイド部材を長くしてセグメントの拡縮径量を大きくすると、成形ドラムの最縮小径が大きくなり、拡縮径範囲が大径側の範囲になる。
このようなガイド機構の問題に伴い、従来の成形ドラムは、小径から大径までの広い拡縮径範囲で拡縮できずに、変化可能な外周の長さが制限される。そのため、この成形ドラムは、ガイド機構により使用が制約を受けて、未加硫タイヤの製造時に、製造する部材のサイズ切替に応じて全体を交換し、或いは、機械部品を各径に応じて交換して使用する必要がある。従って、この成形ドラムは、ガイド機構の点でも、上記と同様に、交換用の機械部品等の保管に広いスペースが必要になり、スペースの有効利用が妨げられる。また、交換作業毎に多大な手間や時間を消費して、大幅に生産性が低下するため、生産性の向上が求められる。
これに対し、例えば、タイヤ製造ドラムにセグメントのガイド機構を設けず、各セグメントを、同期して拡開及び縮閉する一対のリンク機構により拡縮変位させることで、より広い拡縮径範囲での使用が可能になる。ところが、この場合には、ガイド機構を設けたときと比較して、拡縮変位するセグメントの位置が変動し易くなる虞があり、充分な拡縮変位の精度を安定して確保するため、更なる改良を図る余地がある。
特開平8−281829号公報
本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであって、その第1の目的は、タイヤ製造ドラムの外周を構成するセグメントの数を、装置の複雑化を抑制しつつ大幅に増加させ、タイヤ製造ドラムを広い拡縮径範囲で充分な真円度を確保して使用可能にし、未加硫タイヤ製造の生産性を向上させることである。
また、第2の目的は、タイヤ製造ドラムの外周を構成するセグメントの拡縮変位の精度を充分に確保しつつ、セグメントの変位を案内するガイド機構を従来よりも小径なドラム内に配置可能に、かつ、タイヤ製造ドラムを広い拡縮径範囲で使用可能にし、未加硫タイヤ製造の生産性を向上させることである。
(1)本発明のタイヤ製造ドラムは、未加硫タイヤの製造に用いられる少なくとも外周の一部が拡径及び縮径するタイヤ製造ドラムであって、ドラム周方向に順に配置された拡縮変位可能な複数のセグメントと、複数のセグメントを拡縮変位させるセグメント変位手段とを備え、セグメント変位手段は、各セグメントが取り付けられ、セグメントの変位方向に伸縮可能に順次連結された複数のガイド部材からなる複数段式の伸縮ガイドと、ガイド部材を変位させて伸縮ガイドを伸縮させるガイド伸縮手段を有し、複数のガイド部材は、ドラム主軸の外周面に同芯状に固定された第1のガイド部材と、第1のガイド部材に対してドラム軸線方向でドラム外側からドラム中央面へのきのみから重ねて配置されると共に、第1のガイド部材にドラム半径方向にスライド可能に連結された第2のガイド部材と、第2のガイド部材にドラム半径方向にスライド可能に連結され、セグメントが取り付けられた第3のガイド部材とからなることを特徴とする。
(2)本発明のタイヤ製造ドラムは、前記(1)に記載されたタイヤ製造ドラムにおいて、セグメント変位手段が、伸縮ガイドの伸縮変位可能なガイド部材を変位させて伸縮ガイドを伸縮させるガイド伸縮手段を有し、伸縮ガイドを伸縮させてセグメントを拡縮変位させることを特徴とする。
(3)本発明のタイヤ製造ドラムは、前記(1)に記載されたタイヤ製造ドラムにおいて、ガイド伸縮手段が、ドラム軸線方向に移動する移動体と、移動体と変位させる各ガイド部材とを連結し、移動体の移動に応じて拡開及び縮閉して各ガイド部材を伸縮変位させるリンク機構と、を有することを特徴とする。
(4)本発明のタイヤ製造ドラムは、前記(1)に記載されたタイヤ製造ドラムにおいて、各セグメントが、ドラム幅方向に離間して配置された複数の外周部材を有し、複数のセグメントは、ドラム周方向に隣接するセグメントの複数の外周部材同士が、ドラム幅方向位置をずらせて互いの間に配置されていることを特徴とする。
(5)本発明の未加硫タイヤの製造装置は、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載されたタイヤ製造ドラムを備えたことを特徴とする。
(6)本発明は、転写ドラムの外周に配置したタイヤ構成部材を被成形体に転写して未加硫タイヤを製造する未加硫タイヤの製造装置であって、転写ドラムが、タイヤ構成部材を外周に保持して拡径及び縮径可能な前記(1)ないし(4)のいずれかに記載されたタイヤ製造ドラムであり、転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材のドラム周方向に沿う長さを測定する測定手段と、測定手段による長さの測定値と予め設定された長さの目標値とを対比する手段と、長さ同士の対比結果に基づいて転写ドラムを拡径又は縮径させ、転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材の長さを調整する手段と、を備えたことを特徴とする。
(7)本発明の未加硫タイヤの製造方法は、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載されたタイヤ製造ドラムを用いて未加硫タイヤを製造する未加硫タイヤの製造方法であって、複数のセグメントを拡径又は縮径変位させて、タイヤ製造ドラムを拡径又は縮径させる工程を有することを特徴とする。
(8)本発明は、転写ドラムの外周に配置したタイヤ構成部材を被成形体に転写して未加硫タイヤを製造する未加硫タイヤの製造方法であって、転写ドラムが前記(1)ないし(4)のいずれかに記載されたタイヤ製造ドラムであり、転写ドラムの外周にタイヤ構成部材を保持する工程と、転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材のドラム周方向に沿う長さを測定する工程と、長さの測定値と予め設定された長さの目標値とを対比する工程と、長さ同士の対比結果に基づいて転写ドラムを拡径又は縮径させ、転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材の長さを調整する工程と、を有することを特徴とする。

本発明によれば、タイヤ製造ドラムの外周を構成するセグメントの数を、装置の複雑化を抑制しつつ大幅に増加でき、タイヤ製造ドラムを広い拡縮径範囲で充分な真円度を確保して使用可能にし、未加硫タイヤ製造の生産性を向上させることができる。
また、タイヤ製造ドラムの外周を構成するセグメントの拡縮変位の精度を充分に確保しつつ、セグメントの変位を案内するガイド機構を従来よりも小径なドラム内に配置可能に、かつ、タイヤ製造ドラムを広い拡縮径範囲で使用可能にでき、未加硫タイヤ製造の生産性を向上させることができる。
第1の実施形態のタイヤ製造ドラムを模式的に示す要部断面図である。 第1の実施形態のタイヤ製造ドラムから複数のセグメントを抜き出して示す側面図である。 第1の実施形態のセグメントの複数の外周部材を示す平面図である。 未加硫タイヤの製造装置の概略構成を示す模式図である。 タイヤ構成部材を外周に保持するタイヤ製造ドラムを模式的に示す側面図である。 タイヤ製造ドラムによるタイヤ構成部材の転写手順を示すフローチャートである。 第2の実施形態のタイヤ製造ドラムを模式的に示す要部断面図である。 図7に示すタイヤ製造ドラムの一方側の伸縮ガイド付近を示す部分拡大図である。 伸縮ガイドのガイド部材を抜き出して模式的に示す正面図である。 第2のガイド部材の連結片付近を拡大して示す平面図である。 第2の実施形態のタイヤ製造ドラムから複数のセグメントを抜き出して示す側面図である。 第2の実施形態のセグメントの複数の外周部材を示す平面図である。
以下、本発明のタイヤ製造ドラム(以下、単にドラムという)の一実施形態について、図面を参照して説明する。
ドラムは、少なくとも外周の一部が所定の拡縮径範囲で拡径及び縮径して、未加硫タイヤの製造工程(例えば、未加硫タイヤの成形工程)で使用される装置であり、未加硫タイヤの製造装置に設けられて未加硫タイヤの製造に用いられる。以下の第1の実施形態において、まず、このドラムを、ベルトとトレッドからなる円筒状部材を成形するベルト・トレッド成形ドラムに適用する例を説明する。
図1は、第1の実施形態のドラムを模式的に示す要部断面図であり、ドラム軸線を含む面で切断して、ドラム軸線よりも上側の半分を示している。
なお、図1Aはドラム1が縮径した状態を、図1Bはドラム1が拡径した状態を示している。また、ドラム1は、右側に駆動装置(図示せず)が連結されるとともに、以下説明する各構成が、一部を除いて、ドラム軸線方向(図1では左右方向)のドラム中央面CLを挟んで、同期して対称に作動する。
ドラム1は、図示のように、円筒状のドラム主軸2と、ドラム主軸2内の中空部に設けられたネジ軸3と、ドラム主軸2上をドラム軸線方向に移動して互いに接近及び離間可能な一対のスライダ4A、4Bと、を備えている。また、ドラム1は、ドラム半径方向(図1では上下方向に)に移動して拡縮変位可能な複数のセグメント10A、10Bを備え、それらをドラム周方向に順に隣接させて、円筒状に、かつドラム主軸2を囲んで同芯状に配置している。ここでは、ドラム周方向に隣接するセグメント10A、10Bを、ドラム軸線方向の逆方向に交互にずらせた状態で並べて設けている。なお、図1では、セグメント10A、10Bを区別するため、一方(図1では右方)にずらせたセグメント10Aを実線で、その紙面奥側に隣接する他方(図1では左方)にずらせたセグメント10Bを点線で示している。
ドラム主軸2は、軸線周りに回転可能に構成され、一端部(図1では右端部)が上記した駆動装置に連結されている。また、ドラム主軸2は、駆動装置に設けられたサーボモータ等の駆動源や、その回転動力の伝達機構等からなる回転駆動手段により駆動されて、軸線周りに所定速度で回転する。このドラム主軸2内には、ロッド状のネジ軸3が、軸受5を介して同芯状に回転可能に支持されている。
ネジ軸3は、一端部がドラム主軸2と同様に駆動装置に連結されて、ドラム主軸2とは独立に軸線周りの両方向に回転駆動されるとともに、独立した回転を停止して、ドラム主軸2と一体に回転駆動される。また、ネジ軸3は、ボールネジ機構を構成し、ドラム中央面CLを挟んで、互いにリードが逆向きの一対の雄ネジ部3A、3Bが対称に形成され、それらに、複数のボールを挟んで噛み合うナット6A、6Bが、ドラム主軸2内を移動可能に取り付けられている。これら各ナット6A、6Bの外周には、複数の板状部材7A、7Bが放射状に固定され、その各々が、ドラム主軸2のドラム軸線方向に延びる各スリット2S内に移動可能に配置されている。また、各板状部材7A、7Bは、スリット2Sを貫通して、環状のスライダ4A、4Bの内周面に取り付けられており、各ナット6A、6Bとスライダ4A、4Bとを連結している。従って、一対のスライダ4A、4Bは、ネジ軸3の回転により、連結されたナット6A、6B等を介して互いに逆方向に移動し、ドラム主軸2の外周面を摺動して、ドラム中央面CLを挟んで対称に接近及び離間する。また、一対のスライダ4A、4Bは、ネジ軸3の回転停止により停止して、ドラム軸線方向位置が位置決めされる。
ここで、第1の実施形態では、各セグメント10A、10Bの長手方向をドラム軸線方向に平行に配置するとともに、ドラム軸線方向の逆方向に交互にずらせたセグメント10A、10Bを、各々ずれた側のスライダ4A、4Bのみに連結している。即ち、複数のセグメント10A、10Bは、一方のセグメント10Aがドラム軸線方向の一方のスライダ4Aに、他方のセグメント10Bがドラム軸線方向の他方のスライダ4Bにそれぞれ連結され、ドラム周方向に沿って交互に異なるスライダ4A、4Bに連結される。
そのため、ドラム1は、ドラム中央面CLを挟んだ各側に、一方のスライダ4Aと各セグメント10Aとを連結する複数のリンク機構20A(図1では実線で示す)と、他方のスライダ4Bと各セグメント10Bとを連結する複数のリンク機構20B(図1では点線で示す)と、を備えている。これらリンク機構20A、20Bは、連結される各セグメント10A、10Bの位置に応じて、互いに各配置ピッチの半分(半ピッチ)だけドラム周方向にずれた位置に、かつ、ドラム中央面CLを挟んでドラム周方向に沿って交互に所定間隔で配置されている。また、リンク機構20A、20Bは、それぞれドラム周方向に等間隔に配置された複数のリンク21A、21Bと、各セグメント10A、10Bに取り付けられた複数の支持部材22A、22Bと、を有する。これらリンク21A、21Bは、一端部がスライダ4A、4Bの外周に回転自在に取り付けられ、ドラム中央面CLに向けて放射状に傾斜して延び、ドラム半径方向外側の他端部が各支持部材22A、22Bに回転自在に取り付けられている。
リンク機構20A、20Bは、スライダ4A、4Bの接近(図1B参照)及び離間(図1A参照)により、リンク21A、21Bが、スライダ4A、4B側の一端部を支点に同期して回動し、それらの他端部が拡開及び縮閉する。これに伴い、支持部材22A、22Bが、円盤状のフランジ23の各側面に沿って、リンク21A、21Bの拡縮に連動して、ドラム半径方向の外側と内側に同期して放射状に変位する。このフランジ23は、ドラム中央面CLに配置されて、ドラム主軸2の外周面に同芯状に固定され、ドラム軸線方向の両側面に、それぞれ対向する支持部材22A、22Bの変位を案内する複数のガイド部材24A、24Bが設けられている。
一方、支持部材22A、22Bには、フランジ23側に、スライドレール25A、25Bがドラム半径方向に沿って固定され、各スライドレール25A、25Bが、ガイド部材24A、24Bに形成された係合溝(例えばT溝)(図示せず)に挿入されて、摺動可能に係合している。リンク機構20A、20Bは、スライドレール25A、25Bを係合溝内で摺動させて、上記のように変位する支持部材22A、22Bをガイド部材24A、24Bにより案内する。また、変位する支持部材22A、22Bにより、複数のセグメント10A、10Bをドラム半径方向の両方向に同期して変位させる。
このように、ドラム1は、ナット6A、6Bやスライダ4A、4B等からなる、ドラム軸線方向に移動して互いに同期して接近及び離間する一対の移動体と、複数のリンク機構20A、20Bとを有し、それらにより一対のセグメント変位手段(変位機構)を構成している。また、複数のリンク機構20A、20Bにより、各移動体とそれぞれ変位させる各セグメント10A、10Bとを連結して片側リンク機構を構成し、リンク21A、21Bを移動体の移動に応じて拡開及び縮閉させ、各セグメント10A、10Bを拡縮変位させる。その際、ここでは、一対のセグメント変位手段が、ドラム周方向に沿って交互に各セグメント10A、10Bに連結され、それぞれ連結された各セグメント10A、10Bをドラム半径方向に変位させて、複数のセグメント10A、10Bを同期して拡縮変位させる。
即ち、ドラム1は、一対のセグメント変位手段を、ドラム軸線方向に離間させて、ドラム中央面CLを挟んだ対称な位置に配置し、それぞれにドラム周方向に沿って1つおきに配置されたセグメント10A、10Bを連結している。その結果、一対のセグメント変位手段は、一方が、1つおきに配置された一方のセグメント10Aに、他方が、一方のセグメント10A間に配置された他方のセグメント10Bに連結される。これら各セグメント変位手段を、上記した駆動装置やネジ軸3等からなる駆動手段により同期して駆動し、一対のセグメント変位手段により、互いに異なる複数のセグメント10A、10Bを変位させる。その際、一対のセグメント変位手段は、それぞれ連結されたセグメント10A、10Bを拡径及び縮径方向に変位させてドラム1を拡縮させる。これにより、ドラム1は、外周が拡径(図1B参照)及び縮径(図1A参照)するとともに、複数のセグメント10A、10Bを変位可能(拡縮径可能)範囲内の任意の位置で停止させて、外周を所定の直径に設定する。その状態で、ドラム1は、ドラム主軸2とネジ軸3とを一体に回転させて、セグメント10A、10Bを拡縮径させずに一定径を維持して回転する。
図2は、このドラム1から複数のセグメント10A、10Bを抜き出して模式的に示すドラム軸線方向から見た側面図である。また、図2では、左右の中心線を挟んで、左側が図1Aに対応するドラム1が縮径した状態を、右側が図1Bに対応するドラム1が拡径した状態を示している。なお、図2では、複数のセグメント10A、10Bを、それぞれ図1と同様に実線と点線とで1つおきに示しているが、これらは、互いにドラム軸線方向位置が異なるだけで、同様に構成されている。
複数のセグメント10A、10Bは、図示のように、ドラム周方向に沿って等間隔で並べて設けられて、全体として円筒状に配置され、ドラム外周面を構成するとともに、所定の拡径位置(図2の右側)と縮径位置(図2の左側)との間の任意の位置に配置される。その際、複数のセグメント10A、10Bは、ネジ軸3の回転及び停止により、拡径量及び縮径量(変位量)がアナログ的に無段階に調整され、外径と外周の長さ(ドラム周方向長さ)が所定値に設定される。また、ここでは、ドラム軸線方向の左右にずれたセグメント10A、10Bを各々22個ずつ配置し、合計44個のセグメント10A、10Bをドラム周方向に順に配置してドラム外周を構成している。このように、セグメント10A、10Bの数を多くして、ドラム1の外周面をタイヤ周方向に細かく分割することで、拡縮径範囲の全体に亘って充分な外周の真円度を確保し、各外径でドラム1の外周が円形に近い形状になるようにしている。
第1の実施形態では、この各セグメント10A、10Bを、それぞれ支持部材22A、22Bに取り付けられる矩形ロッド状のベース部11A、11B(図1参照)及び、そのドラム半径方向外側面に互いに隙間を開けて設けられた、分離型の複数の外周部材12A、12Bから形成している。これら複数の外周部材12A、12Bは、互いに組み合わされてドラム1の外周面を構成する矩形ブロック状部材であり、各ベース部11A、11Bの長手方向に沿って所定ピッチで等間隔に、かつ、ドラム幅方向(軸線方向)に離間して互いに平行に配置されている。また、外周部材12A、12Bは、長手方向(図2参照)をベース部11A、11Bの長手方向と直交するドラム周方向に向けて、ベース部11A、11Bからドラム周方向の両方向に突出して設けられている。更に、外周部材12A、12Bは、ドラム半径方向外側面が、所定径のドラム1の外周面に合わせて、所定の曲率で湾曲して形成されている。セグメント10A、10Bは、これら複数の外周部材12A、12Bとベース部11A、11Bにより全体形状が櫛歯状に形成されている。また、ドラム周方向に隣接するセグメント10A、10Bは、複数の外周部材12A、12Bの配置ピッチの半分(半ピッチ)だけ、ドラム幅方向の逆方向にずれた位置に配置され、1つの外周部材12A、12Bに相当する分だけ相対的に変位している。
図3は、これらセグメント10A、10Bの複数の外周部材12A、12Bを示す平面図であり、ドラム1を外周側(図1の上側)から見て、一部(図3では4つ)のセグメント10A、10Bの外周部材12A、12Bを模式的に示している。また、図3Aは、図1A及び図2の左側に対応するドラム1が縮径した状態を、図3Bは、図1B及び図2の右側に対応するドラム1が拡径した状態を、それぞれ示している。
複数のセグメント10A、10Bは、図示のように、ドラム周方向に隣接するセグメント10A、10Bの複数の外周部材12A、12Bが、ドラム幅方向位置をずらせて互いに他方の間に配置され、ドラム幅方向に沿って交互に配列される。このように、複数のセグメント10A、10Bは、ドラム周方向に沿って、交互にドラム幅方向の逆方向に相対変位し、各外周部材12A、12Bが、それらの間の隙間を埋めて噛み合うように、互い違いに順次配置されている。また、セグメント10A、10Bは、拡径及び縮径に伴い、互いのドラム周方向の間隔が連続的に変化し、拡径(図3B参照)により、外周部材12A、12Bの密度が次第に低くなり、それらの間の隙間が大きくなる。逆に、縮径(図3A参照)により、外周部材12A、12Bの密度が次第に高くなり、それらの隙間が小さくなって隙間が埋まる。
なお、各セグメント10A、10Bには、未加硫タイヤの成形時に、外周に巻き付けられるタイヤ構成部材を着脱可能に保持するための保持手段13を設けることができる。ここでは、保持手段13は、各外周部材12A、12Bの外周面側に埋め込まれたマグネットからなり、ベルト等のタイヤ構成部材に設けられたスチールコードを磁力により吸着して、タイヤ構成部材をドラム1の外周面に確実に保持する。また、複数のセグメント10A、10Bは、支持部材22A、22B(図1参照)の取付部を含めて全て同一に形成され、ドラム周方向に沿って、交互に180度向きを変えて、かつ、互いの外周部材12A、12Bを逆方向に半ピッチずらせて配置される。このような構成は、各セグメント10A、10Bが、ドラム中央面CLに対し、非対称構造をとることによって実現できる。このように、複数のセグメント10A、10Bを同一のセグメントにより構成することで、部品の種類を増加させずに簡素化し、かつ、セグメント10A、10Bの組み付けの煩雑さを回避しつつ、ドラム外周面の多分割構造の適用を容易にしている。
第1の実施形態では、このドラム1や各タイヤ構成部材の供給手段、及びタイヤ構成部材の巻付手段等により、円筒状のタイヤ構成部材や未加硫タイヤの中間成形体、或いは未加硫タイヤの製造装置を構成する。この製造装置が備えるドラム1を用いて、その複数のセグメント10A、10Bを、上記のように拡径又は縮径変位させ、ドラム1を所定径に拡径又は縮径させて、例えば、その外周にタイヤ構成部材を配置して円筒状に形成し、複数の部材を重ね合わせる等して中間成形体や未加硫タイヤを製造する。ここでは、ドラム1にベルトを巻き付けて、その外周側に、帯状のトレッド部材を巻き付け、或いは、ゴムストリップを積層してトレッド部材を形成し、ベルトとトレッドからなる円筒状部材を成形する。
以上説明したように、第1の実施形態のドラム1は、上記した内部に設けた一対のセグメント変位手段を、ドラム周方向に沿って交互に各セグメント10A、10Bと連結して、複数のセグメント10A、10Bを拡縮変位させる。そのため、例えば、ドラム周方向に沿って配置可能なリンク機構20A、20Bの数が制限されても、それらを配置可能な数の2倍までのセグメント10A、10Bを拡縮変位させることができる。これにより、セグメント変位手段の配置スペースの制限や機械的な制約に関わらず、ドラム1の機構や構造を不要に複雑化することなく、拡縮変位できるセグメント10A、10Bの数を大幅に増加させて、ドラム外周の分割数を多くすることができる。
その結果、各セグメント10A、10Bのドラム外周に対する割合と真円度への影響を小さくでき、ドラム1を大きく拡縮径させても、複数のセグメント10A、10Bにより構成されるドラム外周に充分な真円度を確保できる。これに伴い、セグメント10A、10Bを含む機械部品を交換することなく、ドラム1を大きく拡縮径させて使用でき、1つのドラム1の外周を、製造する部材のサイズ切替等に応じて拡径又は縮径させて、各種の円筒状部材や未加硫タイヤを製造できる。また、交換用の機械部品や、その保管スペースを不要にして、スペースを有効利用でき、かつ、交換作業に必要な人手や、そのための手間や時間を削減できるため、未加硫タイヤの生産性を大幅に高くしてタイヤの製造コストを低減することもできる。
従って、第1の実施形態によれば、ドラム1の外周を構成するセグメント10A、10Bの数を、装置の複雑化を抑制しつつ大幅に増加でき、ドラム1を広い拡縮径範囲で充分な真円度を確保して使用可能にし、未加硫タイヤ製造の生産性を向上させることができる。また、ドラム1の共用化を図り、その外周を任意の径に変更して使用することで、部品等の交換を要さずに、任意のサイズ及び多種類の部材や未加硫タイヤの製造に対応でき、生産性向上に加えて、1つのドラム1により、製造範囲内の全てをカバーしてサイズフリーも実現できる。
加えて、このドラム1では、各セグメント10A、10Bがドラム幅方向に離間した複数の外周部材12A、12Bを有し、ドラム周方向に隣接するセグメント10A、10Bの複数の外周部材12A、12B同士が、ドラム幅方向位置をずらせて互いの間に配置されている。そのため、ドラム1の拡径時に、外周に大きな隙間ができず、タイヤ構成部材と均等に当接して、外周面にタイヤ構成部材を確実に保持できるとともに、円筒状部材や未加硫タイヤの内面に跡が残るのを抑制できる。同時に、セグメント10A、10Bの構造が比較的単純で、それらの組み付けの煩雑さを回避して多分割構造へも容易に適用できる。また、セグメント変位手段を、上記した一対の移動体と、複数のリンク機構20A、20Bとにより構成しており、比較的単純な構造や機構により、高い外周面の拡縮径精度を得ることができる。
以上、ベルト・トレッド成形ドラムを例に説明したが、本発明のドラム1は、円筒状のカーカスバンドの成形ドラムや、外周の一部が断面トロイダル形状に拡径可能な未加硫タイヤの成形ドラム等、未加硫タイヤの製造に用いられる他のドラムに適用することもできる。その際、他のドラムは、ドラム外周の全部だけでなく、中央部や端部等の一部のみを拡縮させるドラムであってもよい。また、ドラム1は、インナーライナやカーカスプライ、又はベルト等、タイヤ各部を構成する伸縮可能なタイヤ構成部材を被成形体の外面に転写して未加硫タイヤを製造する転写ドラムにも適用できる。以下、このドラム1を転写ドラムとして使用する未加硫タイヤの製造装置について説明する。
図4は、この未加硫タイヤの製造装置(以下、タイヤ製造装置という)の概略構成を示す模式図であり、それぞれ図4Aは平面図、図4Bは側面図である。
タイヤ製造装置30は、図示のように、水平に設置されたコンベヤ31と、コンベヤ31の一端側に配置されたドラム1と、ドラム1と外周面同士を対向させて配置された被成形体40とを備えている。タイヤ製造装置30は、これらコンベヤ31、ドラム1、及び被成形体40を直線的に順に配置し、ドラム1の外周に配置したタイヤ構成部材Tを被成形体40に転写して未加硫タイヤを製造する。
コンベヤ31は、上面に配置されたタイヤ構成部材Tをドラム1に向かって搬送(図4Bの矢印H)する搬送手段であり、回転可能な一対のプーリ32、33と、それらの間に架け渡された無端状のベルト34とを有する。また、コンベヤ31は、一方のプーリ32又は33を回転させるモータ等からなる回転駆動手段(図示せず)を有し、これによりベルト34を循環駆動して、上面上のタイヤ構成部材Tをドラム1の回転と同期して所定速度で搬送する。
ここで、本実施形態のタイヤ構成部材Tは、コンベヤ31上に複数(図4では6枚)の帯状部材Bを配置して一体化することで、帯状部材Bの数や幅に応じた、かつドラム1の外周の長さ(周長)よりも短い所定長さに形成される。ここでは、所定幅の長尺な帯状部材Bの両端部を斜めに切断して所定長さに形成し、帯状部材Bを、その両端部の切断角度に応じて、ベルト34の駆動方向と交差する方向に傾斜させてコンベヤ31上の所定位置に配置する。この配置とベルト34の循環駆動とを順次繰り返して、複数の帯状部材Bの幅方向の各縁部を互いに突き合わせて、又は重ね合わせて接合し、コンベヤ31上に所定長さのタイヤ構成部材Tを形成する。なお、タイヤ構成部材Tは、幅広な帯状部材の長手方向両端部を斜めに切断して所定長さに形成する等、種類や貼り付け対象の被成形体40に応じて、1つの帯状部材から形成してコンベヤ31上に配置してもよい。
被成形体40は、例えば成形ドラムや剛体コア等の支持体(図示せず)と、その周囲に配置された少なくとも1つのタイヤ構成部材からなる成形途中段階の未加硫タイヤやタイヤ中間体であり、未加硫タイヤ成形の所定段階でタイヤ構成部材Tが巻き付けられる。ただし、被成形体40は、剛体コアや、円筒状又は膨出変形後の断面トロイダル形状の成形ドラム単体のみにより構成してもよく、或いは、加硫タイヤからトレッドを取り除いた台タイヤであってもよく、その構成は特に制限されず、タイヤ構成部材Tを転写するための支持体としての機能を有するものであればよい。また、被成形体40(支持体)は、回転駆動装置41の回転軸42に取り付けられて、モータ等の駆動源や、その回転動力の伝達機構により回転駆動され、ドラム1の回転に同期して所定の表面(外周面)速度で軸線周りに回転(図4Bの矢印R)して任意の回転角で停止する。
ドラム1は、上記した回転駆動装置41と同様に構成される駆動装置43に回転可能に支持され、ドラム軸線を被成形体40の軸線と平行にして、コンベヤ31の一端側の上方に配置されている。また、ドラム1は、外周面が、被成形体40の外周面と所定距離を隔てて対向するとともに、ベルト34の上面と当接又は所定間隔を開けて配置されている。駆動装置43は、例えば床面に敷設したレール(図示せず)上を走行して、ドラム1を、コンベヤ31上の位置と、被成形体40と外周面同士が当接する位置との間で移動させ、かつ、ドラム1を被成形体40に圧力を調整しつつ押し付ける。
ドラム1は、この駆動装置43により回転駆動されて、コンベヤ31によるタイヤ構成部材Tの搬送(図4Bの矢印H)に合わせて、その搬送速度と同じ表面速度で回転(図4Bの矢印K)する。ドラム1は、このように回転しつつ、外周面とベルト34との間に、搬送されるタイヤ構成部材Tを挟み込み、外周面に貼り付ける等して、タイヤ構成部材Tを一端側から順に外周上に移し替えて、外周に巻き付けるようにして保持する。その後、ドラム1は、駆動装置43とともに被成形体40側に移動して、タイヤ構成部材Tを被成形体40の外周面に貼り付けて転写する転写作業を実行する。ただし、ドラム1は、タイヤ構成部材Tを外周に保持した状態で、上記のように拡径及び縮径可能になっており、被成形体40への転写前に拡径又は縮径して、部材毎にバラツキを有するタイヤ構成部材Tの長さを所定長さに調整する。その際、ドラム1は、複数のセグメント10A、10Bが、タイヤ構成部材Tに当接して保持する保持部材としての機能を有し、ここでは、各外周部材12A、12Bのドラム半径方向外側面に、例えばタイヤ内でベルト層になる未加硫のベルト部材を貼り付け、その長さを調整してから転写する。
以上に加えて、タイヤ製造装置30は、装置全体を制御する制御装置45を備え、制御装置45により制御して、装置各部を予め設定されたタイミングや条件で関連動作させて、未加硫タイヤ製造の各工程を実行する。制御装置45は、例えばマイクロプロセッサ(MPU)46、各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)47、及びMPU46が直接アクセスするデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)48を備えたコンピュータから構成されている。また、制御装置45は、接続手段を介して装置各部が接続され、これにより、装置各部と制御信号や各種データを送受信する。更に、制御装置45には、ドラム1により保持されたタイヤ構成部材Tのドラム周方向に沿う長さを、接触又は非接触で測定するための測定手段35が接続されている。制御装置45は、この測定手段35の測定結果に基づいてドラム1を拡径又は縮径させ、タイヤ構成部材Tの長さを調整する制御を実行する。
図5は、タイヤ構成部材Tを外周に保持するドラム1を模式的に示す側面図であり、ドラム軸線方向から見た測定手段35も示している。
測定手段35は、例えば超音波式の距離センサであり、図示のように、センサ面をドラム1のドラム軸線に向けて、ドラム1の外周面に所定距離を隔てて対向して、かつ、ドラム幅方向の中央位置(ドラム中央面CL)に配置されている。測定手段35は、対向するドラム1の外周面やタイヤ構成部材Tまでの距離を測定し、測定結果を制御装置45に順次出力する。なお、測定手段35は、より正確な測定を行うため、必要に応じてドラム幅方向に複数配置してもよい。
このタイヤ製造装置30では、ドラム1を、外径を一定に維持して回転(図の矢印K)させつつ、測定手段35により連続して距離を測定し、その測定値の変化から、ドラム1の外周におけるタイヤ構成部材Tの有無を判別する。この判別結果及びドラム1の回転速度等の測定条件に基づき、制御装置45により演算して、ドラム1の外周における、タイヤ構成部材Tのドラム周方向に沿う長さを測定して取得する。また、制御装置45は、この測定手段35による長さの測定値と、予め設定されたタイヤ構成部材Tの長さの目標値とを対比し、この長さ同士の対比結果に基づいて、ドラム1を各値の差等に応じた所定量だけ拡径又は縮径(図2参照)させる。これにより、ドラム1の外周(セグメント10A、10B)に保持されたタイヤ構成部材Tを、ドラム周方向に引っ張るようにして長くし、又はドラム周方向に押し縮めて短くする。この伸長又は圧縮変形により、タイヤ構成部材Tのドラム周方向の長さを、ドラム1の拡径量又は縮径量(外周長さの変化量)に応じて変化させ、目標値になるように調整する。
このようにして、タイヤ製造装置30は、タイヤ構成部材Tをドラム周方向に変形させ、そのドラム周方向長さを、タイヤ構成部材Tを転写すべき被成形体40の転写部(転写位置)の周方向長さに応じた長さに調整する。従って、ドラム1は、拡径及び縮径可能なように、ある程度拡径して所定の外径に調節され、この一定径を維持した状態で、タイヤ構成部材Tを外周に貼り付けて保持する。また、タイヤ構成部材Tの長さの目標値は、被成形体40の上記した転写部の周方向長さ等に応じて決定され、制御装置45に予め設定される。或いは、この長さの目標値は、各タイヤ構成部材Tを転写する被成形体40の周長を都度測定し、この測定値に応じて転写毎に決定して、対比時までに設定するようにしてもよい。
タイヤ製造装置30は、この長さの調整後に、ドラム1を、駆動装置43(図4参照)とともに待機中の被成形体40側に移動させ、ドラム1の外周に保持したタイヤ構成部材Tを被成形体40の外周面の所定部に当接させる。その際、タイヤ構成部材Tを、ドラム1の回転方向の先方側から被成形体40に当接させ、その位置と圧力を調整しながら外周面に押し付ける。続いて、被成形体40の表面(外周面)速度と、タイヤ構成部材Tの表面速度とが等しい速度になるように、被成形体40とドラム1とを互いに逆方向に回転(図4の矢印R、K)させ、タイヤ構成部材Tを、ドラム1から被成形体40の外周面に貼り付けて所定位置に転写する。このように、所定長さのタイヤ構成部材Tを、被成形体40の異なる周方向位置に複数回に分けて転写し、その周方向の全体に亘って配置してベルト等を形成した後、他のタイヤ構成部材と組み合わせる等して未加硫タイヤを製造(成形)する。
なお、ドラム1の拡縮径量は、例えばドラム1の外径や外周の変化量との関係から決定される関係式等、予め設定された条件に基づき決定される。また、タイヤ構成部材Tの種類や厚さによっては、転写時に、ドラム1上のタイヤ構成部材Tと被成形体40の表面速度間に差が生じるように、ドラム1と被成形体40を互いに速度比をつけて回転させることもある。
次に、このタイヤ製造装置30により、ドラム1を転写ドラムとして使用して、未加硫タイヤを製造する手順や動作について説明する。ただし、ドラム1によるタイヤ構成部材Tの転写前や転写後は、従来と同様の工程や手順により未加硫タイヤを成形するため、ここでは、タイヤ構成部材Tの被成形体40への転写手順を中心に説明する。また、被成形体40には、このタイヤ構成部材Tの転写対象である成形中の未加硫タイヤが配置済みである。
図6は、このドラム1によるタイヤ構成部材Tの転写手順を示すフローチャートである。
タイヤ製造装置30は、図示のように、まず、タイヤ構成部材T(図4参照)を、停止したコンベヤ31上に配置して準備する(S101)。続いて、コンベヤ31を循環駆動してタイヤ構成部材Tをドラム1側に搬送しつつ、ドラム1を、その外径を所定径に維持して同期して回転させ、タイヤ構成部材Tをドラム1の外周に移し変えて保持する(S102)。
次に、測定手段35により、回転するドラム1に保持されたタイヤ構成部材Tのドラム周方向に沿う長さを測定し(S103)、この長さの測定値と、予め設定されたタイヤ構成部材Tの長さの目標値とを対比する(S104)。続いて、この長さ同士の対比結果に基づいて、複数のセグメント10A、10Bを変位させてドラム1を拡径又は縮径し(S105)、ドラム1に保持されたタイヤ構成部材Tの長さを、上記したように転写すべき被成形体40等に応じた目標値に合わせて調整する。このように、タイヤ構成部材Tの長さの調整が終了するまでドラム1を拡径又は縮径させ(S106−NO)、長さの調整が終了したときに(S106−YES)、ドラム1の拡径又は縮径を停止する。その際、ここでは、ドラム1を、タイヤ構成部材Tの長さの測定値と、その目標値の差に応じて拡径又は縮径し、外周に保持するタイヤ構成部材Tを所定量だけ伸張又は圧縮する。
続いて、ドラム1上のタイヤ構成部材Tを、被成形体40の外周面に所定圧力で押し付け、ドラム1と被成形体40を同期して逆方向に回転させ、タイヤ構成部材Tを被成形体40に貼り付けて所定位置に転写する(S107)。これら両回転を、このタイヤ構成部材Tの転写が終了するまで継続し(S108−NO)、転写が終了してから(S108−YES)、両回転を停止し、ドラム1を移動させて被成形体40から離す。このように、ドラム1の外周に配置したタイヤ構成部材Tを被成形体40の外面に1又は複数回(ここでは複数回)に亘って転写し、他のタイヤ構成部材を重ねて配置する等して未加硫タイヤを製造する。その後、未加硫タイヤを加硫成型して所定形状のタイヤ(例えば、空気入りタイヤ)が製造される。
以上のように、第1の実施形態のドラム1は、転写ドラムとしても使用でき、広い拡縮径範囲で充分な真円度を確保して拡径又は縮径して、多種類の又は長さが様々なタイヤ構成部材Tの長さを転写前に目標値に合わせて調整できる。これに伴い、部材毎にバラツキを有するタイヤ構成部材Tの長さを、それぞれ適宜調整して部材毎のバラツキを小さくでき、その寸法精度や被成形体40への配置(転写)精度を向上させることができる。また、このタイヤ製造装置30では、機械部品を交換することなく、1つのドラム1で種々のタイヤ構成部材Tの長さを調整できるため、未加硫タイヤ製造の生産性を向上させることもできる。
更に、各セグメント10A、10Bの保持手段13(図3参照)によりタイヤ構成部材Tを一層確実に保持できるため、タイヤ構成部材Tの長さの調整作業もより確実かつ正確に行える。加えて、各セグメント10A、10Bの複数の外周部材12A、12Bを、互いの間に配置したため、外周部材12A、12Bからタイヤ構成部材Tに作用する応力を細かく分散できる。そのため、ドラム1により、タイヤ構成部材Tを全体に亘って均一に保持でき、長さの調整時にも、タイヤ構成部材Tの全体を均一に変形させて、長さの調整を精度よく行うこともできる。
なお、このタイヤ製造装置30では、タイヤ構成部材Tをコンベヤ31上に準備してからドラム1に配置したが、タイヤ構成部材Tは、コンベヤ31を用いずに、ドラム1の外周に供給して直接配置してもよい。また、ここでは、ドラム1を被成形体40よりも小径に形成したが、ドラム1は、被成形体40よりも大径に形成してもよい。この場合には、タイヤ構成部材Tを複数回に分けて被成形体40に転写してベルト等を形成してもよく、転写するタイヤ構成部材Tをより長くして、一度の転写で被成形体40にベルト等を形成するようにしてもよい。
次に、第2の実施形態のドラムについて説明する。以下では、ドラムを、インナーライナやカーカスプライからなる円筒状のカーカスバンドを成形する成形ドラム(バンドドラム)に適用する例を説明する。
図7は、第2の実施形態のドラムを模式的に示す要部断面図であり、ドラム軸線を含む面で切断して、ドラム軸線よりも上側の半分を示している。
なお、図7Aはドラム50が縮径した状態を、図7Bはドラム50が拡径した状態を示している。また、横長なドラム50の右側には、駆動装置(図示せず)が連結されている。このドラム50は、一部を除いて、ドラム中央面CLを中心に左右対称に構成されており、以下説明する各構成は、ドラム中央面CLの両側に対称に配置され、それぞれ同期して対称に作動する。
ドラム50は、図示のように、軸線周りに回転可能なドラム主軸52と、ドラム主軸52内の中空部に設けられたネジ軸53と、ドラム主軸52上をドラム軸線方向に移動して互いに接近及び離間可能な一対のスライダ54と、を備えている。また、ドラム50は、ドラム半径方向に移動して拡縮変位可能な複数のセグメント60を備え、それらをドラム周方向に順に隣接させて、円筒状に、かつドラム主軸52を囲んで同芯状に配置している。更に、ドラム50は、複数のセグメント60の内側に配置されたセグメント変位手段70を備え、セグメント変位手段70により複数のセグメント60を同期してドラム半径方向に拡縮変位させて、外周を拡径及び縮径する。
このドラム50のドラム主軸52、ネジ軸53、及び、スライダ54は、上記したドラム1のドラム主軸2、ネジ軸3、及び、スライダ4A、4Bと、それぞれ同様に構成されている。即ち、ドラム主軸52は、一端部が連結された上記した駆動装置により駆動されて、軸線周りに所定速度で回転する。また、ドラム主軸52内には、ネジ軸53が軸受55を介して同芯状に回転可能に支持されている。
ネジ軸53は、一端部が駆動装置に連結されて、ドラム主軸52とは独立に回転駆動され、独立した回転を停止して、ドラム主軸52と一体に回転駆動される。また、ネジ軸53は、ドラム中央面CLを挟んで雄ネジ部53A、53Bが対称に形成され、それらにナット56がドラム主軸52内を移動可能に取り付けられている。これら一対のナット56の外周には、それぞれ複数の板状部材57が固定され、その各々が、ドラム主軸52の各スリット52S内に移動可能に配置されている。各板状部材57は、環状のスライダ54の内周面に取り付けられ、各ナット56とスライダ54とを連結している。従って、一対のスライダ54は、ネジ軸53の回転により、連結された各ナット56等を介して互いに逆方向に移動し、ドラム主軸52の外周面を摺動して、ドラム中央面CLを挟んで対称に接近及び離間する。また、一対のスライダ54は、ネジ軸53の回転停止により停止して、ドラム軸線方向位置が位置決めされる。
複数のセグメント60は、それぞれ長手方向がドラム軸線方向に平行に配置されて、セグメント変位手段70により一対のスライダ54の両方に連結され、スライダ54の移動に伴い、セグメント変位手段70により案内されてドラム半径方向の両方向に変位(拡縮変位)する。そのため、セグメント変位手段70は、一対のスライダ54にそれぞれ設けられた複数組みのリンク機構71、72と、セグメント60の変位を案内するガイド機構80と、を有する。これらリンク機構71、72は、それぞれ連結される各セグメント60の位置に合わせて互いに同じドラム周方向位置に、かつ、ドラム中央面CLを挟んで対称に配置されるとともに、ドラム周方向に沿って所定間隔で配置されている。一方、ガイド機構80は、ドラム中央面CLを挟んだ両側に、セグメント60の数に応じた複数の伸縮ガイド81を有し、ドラム中央面CLを挟んで対向する一対の伸縮ガイド81を伸縮させて、各セグメント60を案内して変位させる。
図8は、図7に示すドラム50の一方側の伸縮ガイド81付近を示す部分拡大図である。
伸縮ガイド81は、図示のように、ドラム主軸52に固定された基端部からドラム半径方向外側(図8では上側)に延び、その先端部に各セグメント60がそれぞれ取り付けられる。また、伸縮ガイド81は、複数(ここでは3つ)のガイド部材82、83、84からなる複数段式(ここでは2段式)の伸縮機構を有し、ガイド部材82、83、84が、セグメント60の変位方向であるドラム半径方向に伸縮可能に順次連結されている。これらガイド部材82、83、84は、ドラム半径方向にスライドして互いの位置が変化するように変位可能に係合し、互いの位置を順に変位させてドラム半径方向に複数段で伸縮する。セグメント変位手段70は、この伸縮ガイド81により、取り付けられたセグメント60を案内するガイド手段を構成し、複数のガイド部材82、83、84を伸長又は収縮変位させて、伸縮する伸縮ガイド81によりセグメント60を案内して拡縮変位させる。
ここでは、複数のガイド部材82、83、84は、ドラム軸線方向内側から外側(図8では左側から右側)に向かって順に重ねて配置された、第1、第2、第3のガイド部材82、83、84を有する。第1のガイド部材82は、ドラム主軸52の外周面に同芯状に固定された円盤状のフランジであり、ドラム半径方向位置が固定されるとともに、ドラム周方向に所定間隔で配置された複数の伸縮ガイド81に共通する基準ガイド部材(基端部材)として機能する。また、第1のガイド部材82には、ドラム軸線方向外側の側面に、対向する第2のガイド部材83と係合して変位を案内する係合部材82Kが設けられている。
第2のガイド部材83は、矩形板状をなし、第1のガイド部材82側に、スライドレール83Rがドラム半径方向に沿って固定され、スライドレール83Rが、係合部材82Kに形成された係合溝(例えばT溝)(図示せず)に挿入されて摺動可能に係合している。第2のガイド部材83は、このスライドレール83Rと係合部材82Kを介して、第1のガイド部材82にドラム半径方向に変位可能に連結され、変位時に、スライドレール83Rが係合溝内で摺動することで、係合部材82Kによりドラム半径方向に案内される。また、第2のガイド部材83には、ドラム軸線方向外側に、対向する第3のガイド部材84と係合して変位を案内する係合部材83Kが設けられている。
第3のガイド部材84は、ブロック状をなし、第2のガイド部材83側に、スライドレール84Rがドラム半径方向に沿って固定され、スライドレール84Rが、係合部材83Kに形成された係合溝に挿入されて摺動可能に係合している。第3のガイド部材84は、このスライドレール84Rと係合部材83Kを介して、第2のガイド部材83にドラム半径方向に変位可能に連結され、変位時に、スライドレール84Rが係合溝内で摺動することで、係合部材83Kによりドラム半径方向に案内される。また、第3のガイド部材84には、ドラム半径方向外側端に、セグメント60が取り付けられている。
図9は、これら伸縮ガイド81の3つのガイド部材82、83、84を抜き出して模式的に示す正面図であり、伸縮ガイド81を図8の右側から見て示している。また、図9Aは、図8Aに対応する伸縮ガイド81が収縮した状態を、図9Bは、図8Bに対応する伸縮ガイド81が伸長した状態を示している。
伸縮ガイド81は、図示のように、第1のガイド部材82に対して第2のガイド部材83を、第2のガイド部材83に対して第3のガイド部材84を、それぞれドラム半径方向両側にスライドさせてテレスコピック状に伸縮する。これにより、伸縮ガイド81は、固定された第1のガイド部材82に対して、第2、第3のガイド部材83、84を所定距離ずつ伸縮変位させ、収縮した状態(図9A参照)と伸長した状態(図9B参照)との間で伸縮してセグメント60を案内する。
ここで、セグメント変位手段70(図8参照)は、伸縮ガイド81の伸縮変位可能なガイド部材83、84を変位させて伸縮ガイド81を伸縮させるガイド伸縮手段を有し、伸縮ガイド81を伸縮させてセグメント60を拡縮変位させる。ここでは、ガイド伸縮手段は、上記した2つのリンク機構71、72からなり、それらに設けられたリンク71R、72Rの一端部を、それぞれ第2のガイド部材83と第3のガイド部材84とに回転自在に取り付けて変位させる。これらリンク71R、72Rは、同じドラム周方向位置に配置され、より長い一方のリンク72Rが、第3のガイド部材84側の一端部からドラム軸線方向外側(図8では右側)に傾斜して延び、他端部がスライダ54のドラム軸線方向外側位置に回転自在に取り付けられている。これに対し、より短い他方のリンク71Rは、第2のガイド部材83側の一端部からドラム軸線方向外側に傾斜して延び、他端部が、スライダ54のドラム軸線方向内側位置に回転自在に取り付けられている。また、リンク71Rは、一端部が、リンク72Rの一端部のドラム半径方向内側で、第2のガイド部材83に固定された連結片83Hに取り付けられている。
図10は、この第2のガイド部材83の連結片83H付近をドラム半径方向外側から見て拡大して示す平面図であり、一部を断面で示している。
連結片83Hは、図示のように、第2のガイド部材83に、ドラム軸線方向外側に突出して設けられ、その突端部でリンク71Rを挟み込んで回転自在に支持する。また、連結片83Hは、平面視矩形状の貫通孔83Jが形成されて中空状をなし、ドラム半径方向に延びる貫通孔83J内に、第3のガイド部材84のスライドレール84Rがドラム半径方向に変位自在に挿入される。
セグメント変位手段70(ガイド伸縮手段)は、同じスライダ54(図8参照)にリンク機構71、72が共に取り付けられ、スライダ54のドラム軸線方向の移動により、リンク71R、72Rがスライダ54側の端部を支点に同期して回動して拡開及び縮閉する。これに伴い、第2のガイド部材83と第3のガイド部材84が、互いに重なり合う状態(図8A参照)からスライドし、各リンク71R、72Rの拡開に連動して、それぞれドラム半径方向外側に所定距離ずつ変位(図8B参照)する。その際、短いリンク71Rよりも長いリンク72Rの拡開量が大きくなり、各拡開量に応じてガイド部材83、84が次第に変位する結果、変位する第2のガイド部材83に対して、それよりも速い速度で第3のガイド部材84が変位する。伸縮ガイド81は、このように伸縮して、セグメント60を、スライダ54の移動に応じた距離を連続して拡縮変位させ、任意の位置で停止させる。
以上のように、ドラム50は、ナット56やスライダ54等からなるドラム軸線方向に移動する移動体と、複数のリンク機構71、72とを有し、それらによりガイド伸縮手段を構成している。また、リンク機構71、72により、移動体と変位させる各ガイド部材83、84とを連結し、リンク71R、72Rを移動体の移動に応じて拡開及び縮閉させ、ガイド部材83、84をそれぞれ拡縮変位させる。
ここでは、ドラム50は、互いに同期して接近及び離間する一対のスライダ54(図7参照)と、各セグメント60に取り付けられた一対の伸縮ガイド81とを有し、ドラム中央面CLの両側で、スライダ54とガイド部材83、84とを、それぞれ拡縮量が異なる2つのリンク機構71、72により連結する。これら各リンク機構71、72のリンク71R、72Rを、スライダ54の移動により連動して拡開及び縮閉させ、連結されたガイド部材83、84を各々変位させて一対の伸縮ガイド81を伸縮させる。これにより、ドラム中央面CLの両側で、ドラム周方向に沿って配置された複数の伸縮ガイド81を同期して放射状に伸縮させ、複数のセグメント60を拡径及び縮径方向に変位させる。この変位に伴い、ドラム50は、外周が拡径(図7B参照)及び縮径(図7A参照)するとともに、複数のセグメント60を変位可能(拡縮径可能)範囲内の任意の位置で停止させて、外周を所定の直径に設定する。その状態で、ドラム50は、ドラム主軸52とネジ軸53とを一体に回転させて、セグメント60を拡縮径させずに一定径を維持して回転する。
図11は、このドラム50から複数のセグメント60を抜き出して模式的に示すドラム軸線方向から見た側面図である。また、図11では、左右の中心線を挟んで、左側が図7Aに対応するドラム50が縮径した状態を、右側が図7Bに対応するドラム50が拡径した状態を示している。
複数のセグメント60は、図示のように、ドラム周方向に沿って等間隔で並べて設けられて、全体として円筒状に配置され、ドラム外周面を構成するとともに、所定の拡径位置(図11の右側)と縮径位置(図11の左側)との間の任意の位置に配置される。その際、複数のセグメント60は、ネジ軸53の回転及び停止により、拡径量及び縮径量(変位量)がアナログ的に無段階に調整され、外径と外周の長さ(ドラム周方向長さ)が所定値に設定される。また、ここでは、15個のセグメント60をドラム周方向に順に配置してドラム外周を構成している。第2の実施形態では、この各セグメント60を、それぞれ第3のガイド部材84に取り付けられるベース部61及び、そのドラム半径方向外側に設けられた、一体型の外周部材62から形成している。外周部材62は、ドラム50の外周面を構成する部材であり、ベース部61からドラム周方向の両方向に突出して設けられ、ドラム半径方向外側面が、所定径のドラム50の外周面に合わせて、所定の曲率で湾曲して形成されている。
図12は、このセグメント60の外周部材62を示す平面図であり、ドラム50を外周側(図8の上側)から見て、2つのセグメント60の外周部材62を模式的に示している。また、図12では、タイヤ周方向(図12では上下方向)に隣接するセグメント60の外周部材62に異なるハッチングを付し、ドラム中央面CLの一方側を示している。
外周部材62には、図示のように、複数の突出部材(櫛歯部材)12Hが設けられ、それらがドラム周方向の両側でドラム周方向に突出して配置されている。また、複数の突出部材12Hは、それぞれセグメント60の長手方向に沿って所定ピッチで等間隔に、かつ、ドラム幅方向(軸線方向)に離間して互いに平行に配置されている。
セグメント60は、この外周部材62の突出部材62Hにより全体形状が櫛歯状に形成されている。また、ドラム周方向に隣接するセグメント60は、複数の突出部材62Hの配置ピッチの半分(半ピッチ)だけ、ドラム幅方向の逆方向にずれた位置に配置され、1つの突出部材62Hに相当する分だけ相対的に変位している。即ち、複数のセグメント60は、ドラム周方向に隣接するセグメント60の複数の突出部材62Hが、ドラム幅方向位置をずらせて互いに他方の間に配置され、ドラム幅方向に沿って交互に配列される。このように、複数のセグメント60は、ドラム周方向に沿って、交互にドラム幅方向の逆方向に相対変位し、各突出部材62Hが、それらの間の隙間を埋めて噛み合うように、互い違いに順次配置されている。また、セグメント60は、拡径及び縮径に伴い、互いのドラム周方向の間隔が連続的に変化し、それぞれの突出部材62Hが相手の間に入り込む量も次第に変化して、それらの隙間が大きく又は小さくなる。
なお、各セグメント60には、未加硫タイヤの成形時に、外周に巻き付けられるタイヤ構成部材を着脱可能に保持するための保持手段(図示せず)を設けることができる。ここでは、保持手段は、外周部材62の外周面側に埋め込まれたマグネットからなり、カーカスプライ等のタイヤ構成部材に設けられたスチールコードを磁力により吸着して、タイヤ構成部材をドラム50の外周面に確実に保持する。また、複数のセグメント60は、一対の第3のガイド部材84(図7参照)の取付部を含めて全て同一に形成され、ドラム周方向に沿って、交互に180度向きを変えて、かつ、突出部材62Hを順に逆方向に半ピッチずらせて配置される。このように、複数のセグメント60を同一のセグメントにより構成することで、部品の種類を増加させずに簡素化し、かつ、セグメント60の組み付けの煩雑さを回避しつつ、ドラム外周面の多分割構造の適用を容易にしている。
第2の実施形態では、このドラム50や各タイヤ構成部材の供給手段、及びタイヤ構成部材の巻付手段等により、円筒状のタイヤ構成部材や未加硫タイヤの中間成形体、或いは未加硫タイヤの製造装置を構成する。この製造装置が備えるドラム50を用いて、その複数のセグメント60を、上記のように拡径又は縮径変位させ、ドラム50を所定径に拡径又は縮径させて、例えば、その外周にタイヤ構成部材を配置して円筒状に形成し、複数の部材を重ね合わせる等して中間成形体や未加硫タイヤを製造する。ここでは、ドラム50にインナーライナやカーカスプライ等のタイヤ構成部材を順に巻き付けて、円筒状のカーカスバンドを成形する。
以上説明したように、第2の実施形態のドラム50は、伸縮可能に順次連結された複数のガイド部材82、83、84からなる複数段式の伸縮ガイド81を有し、テレスコピック状に伸縮する伸縮ガイド81によりセグメント60を案内して拡縮変位させる。そのため、伸縮ガイド81によりセグメント60を正確に変位させて位置の変動を抑制でき、ガイド機構80により、複数のセグメント60を充分な拡縮変位の精度を安定して確保して変位させ、ドラム50の外径と外周の長さを精度よく設定できる。また、例えば、各ガイド部材82、83、84の長さを短くして、最も収縮させたときの伸縮ガイド81の長さを短くしても、伸縮ガイド81をガイド部材82、83、84の数や各変位可能量に応じて大きく伸長させて、その伸縮量を大きくできる。これにより、ドラム50の最縮小径を小さく設定したときでも、その内部に配置したガイド機構80により複数のセグメント60を大きく拡縮変位させて、ドラム50の拡縮径量と拡縮径比を大きくできる。
その結果、セグメント60を案内して大きく拡縮変位可能なガイド機構80を比較的小径なドラム50内に配置できるとともに、ドラム50を従来よりも小径な状態から大径な状態まで変化させて拡縮径範囲を拡大でき、外周の長さも大きく変化させることができる。これに伴い、セグメント60を含む機械部品を交換することなく、ドラム50を大きく拡縮径させて使用でき、1つのドラム50の外周を、製造する部材のサイズ切替等に応じて拡径又は縮径させて、各種の円筒状部材や未加硫タイヤを製造できる。また、交換用の機械部品や、その保管スペースを不要にして、スペースを有効利用でき、かつ、交換作業に必要な人手や、そのための手間や時間を削減できるため、未加硫タイヤの生産性を大幅に高くしてタイヤの製造コストを低減することもできる。
従って、第2の実施形態によれば、ドラム50の外周を構成するセグメント60の拡縮変位の精度を充分に確保できるとともに、セグメント60の変位を案内するガイド機構80が従来よりも小径なドラム50内に配置可能になる。併せて、ドラム50が広い拡縮径範囲で使用可能になるため、未加硫タイヤ製造の生産性を向上させることができる。また、ドラム50の共用化を図り、その外周を任意の径に変更して使用することで、部品等の交換を要さずに、任意のサイズ及び多種類の部材や未加硫タイヤの製造に対応でき、生産性向上に加えて、1つのドラム50により、製造範囲内の全てをカバーしてサイズフリーも実現できる。
加えて、このドラム50では、伸縮ガイド81の伸縮変位可能なガイド部材83、84を上記したガイド伸縮手段により変位させ、各変位により伸縮ガイド81を伸縮させてセグメント60を拡縮変位させる。そのため、例えばガイド機構80とセグメント60を変位させる手段とを別個に独立して設けたときと比べて、ドラム50の機構や構造が複雑化せず、比較的単純な機構や動作により、セグメント60の変位と案内とを同時に実行できる。また、セグメント変位手段70を、上記した移動体とリンク機構71、72とにより構成しており、比較的単純な構造や機構により、各ガイド部材83、84を精度よく変位させてドラム半径方向位置を正確に位置決めでき、高い外周面の拡縮径精度を得ることができる。更に、ドラム周方向に隣接するセグメント60の複数の突出部材62H同士を互いの間に配置したため、ドラム50の拡径時に、外周に大きな隙間ができず、タイヤ構成部材と均等に当接して、外周面にタイヤ構成部材を確実に保持できるとともに、円筒状部材や未加硫タイヤの内面に跡が残るのを抑制できる。
なお、伸縮ガイド81は、セグメント60の拡縮距離を長くするため、伸縮変位可能なガイド部材を3つ以上にして、伸縮する段数を増加させることができる。また、セグメント60の形状も、上記した櫛歯状(図12参照)に限定されるものではない。以上、第2の実施形態では、カーカスバンド成形用のバンドドラムを例に説明したが、本発明のドラム50は、ベルトとトレッドからなる円筒状部材を成形するベルト・トレッド成形ドラムや、外周の一部が断面トロイダル形状に拡径可能な未加硫タイヤの成形ドラム等、未加硫タイヤの製造に用いられる他のドラムに適用することもできる。その際、他のドラムは、ドラム外周の全部だけでなく、中央部や端部等の一部のみを拡縮させるドラムであってもよい。
ここで、このドラム50は、上記した第1の実施形態のドラム1と同様に、未加硫タイヤの製造装置に設けて、タイヤ構成部材を被成形体の外面に転写して未加硫タイヤを製造する転写ドラムにも適用できる。ドラム50を転写ドラムとして使用するときには、上記したタイヤ製造装置30(図4、図5参照)における第1の実施形態のドラム1に替えて、第2の実施形態のドラム50をタイヤ製造装置30に設ける。また、タイヤ製造装置30により、ドラム50を転写ドラムとして使用して、上記した手順や動作(図6参照)で、タイヤ構成部材Tを被成形体40に転写して未加硫タイヤを製造する。これらタイヤ製造装置30の構成や未加硫タイヤの製造工程は、第1の実施形態で、図4、図5、図6を参照して説明したのと同様であるため、ここでは説明は省略する。
ドラム50を転写ドラムとして使用することで、タイヤ製造装置30に関する上記した作用や効果が得られる。ただし、このドラム50では、ドラム1と異なり、各セグメント60の複数の突出部材62Hを互いの間に配置することで、外周部材62からタイヤ構成部材Tに作用する応力が細かく分散される。また、ドラム50は、広い拡縮径範囲で充分な変位精度を確保して拡径又は縮径できるため、タイヤ構成部材Tの長さを目標値に向けて精度よく調整できる。
1・・・タイヤ製造ドラム、2・・・ドラム主軸、3・・・ネジ軸、3A、3B・・・雄ネジ部、4A、4B・・・スライダ、6A、6B・・・ナット、7A、7B・・・板状部材、10A、10B・・・セグメント、11A、11B・・・ベース部、12A、12B・・・外周部材、13・・・保持手段、20A、20B・・・リンク機構、21A、21B・・・リンク、22A、22B・・・支持部材、23・・・フランジ、24A、24B・・・ガイド部材、25A、25B・・・スライドレール、30・・・タイヤ製造装置、31・・・コンベヤ、32、33・・・プーリ、34・・・ベルト、35・・・測定手段、40・・・被成形体、41・・・回転駆動装置、42・・・回転軸、43・・・駆動装置、45・・・制御装置、50・・・タイヤ製造ドラム、52・・・ドラム主軸、53・・・ネジ軸、53A、53B・・・雄ネジ部、54・・・スライダ、56・・・ナット、57・・・板状部材、60・・・セグメント、61・・・ベース部、62・・・外周部材、62H・・・突出部材、70・・・セグメント変位手段、71、72・・・リンク機構、71R、72R・・・リンク、80・・・ガイド機構、81・・・伸縮ガイド、82、83、84・・・ガイド部材、82K、83K・・・係合部材、83R、84R・・・スライドレール、83H・・・連結片、83J・・・貫通孔、CL・・・ドラム中央面、T・・・タイヤ構成部材。

Claims (8)

  1. 未加硫タイヤの製造に用いられる少なくとも外周の一部が拡径及び縮径するタイヤ製造ドラムであって、
    ドラム周方向に順に配置された拡縮変位可能な複数のセグメントと、
    複数のセグメントを拡縮変位させるセグメント変位手段とを備え、
    セグメント変位手段は、各セグメントが取り付けられ、セグメントの変位方向に伸縮可能に順次連結された複数のガイド部材からなる複数段式の伸縮ガイドと、ガイド部材を変位させて伸縮ガイドを伸縮させるガイド伸縮手段を有し、
    複数のガイド部材は、ドラム主軸の外周面に同芯状に固定された第1のガイド部材と、第1のガイド部材に対してドラム軸線方向でドラム外側からドラム中央面へのきのみから重ねて配置されると共に、第1のガイド部材にドラム半径方向にスライド可能に連結された第2のガイド部材と、第2のガイド部材にドラム半径方向にスライド可能に連結され、セグメントが取り付けられた第3のガイド部材とからなることを特徴とするタイヤ製造ドラム。
  2. 請求項1に記載されたタイヤ製造ドラムにおいて、
    セグメント変位手段が、伸縮ガイドの伸縮変位可能なガイド部材を変位させて伸縮ガイドを伸縮させるガイド伸縮手段を有し、伸縮ガイドを伸縮させてセグメントを拡縮変位させることを特徴とするタイヤ製造ドラム。
  3. 請求項1に記載されたタイヤ製造ドラムにおいて、
    ガイド伸縮手段が、ドラム軸線方向に移動する移動体と、移動体と変位させる各ガイド部材とを連結し、移動体の移動に応じて拡開及び縮閉して各ガイド部材を伸縮変位させるリンク機構と、を有することを特徴とするタイヤ製造ドラム。
  4. 請求項1に記載されたタイヤ製造ドラムにおいて、
    各セグメントが、ドラム幅方向に離間して配置された複数の外周部材を有し、
    複数のセグメントは、ドラム周方向に隣接するセグメントの複数の外周部材同士が、ドラム幅方向位置をずらせて互いの間に配置されていることを特徴とするタイヤ製造ドラム。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載されたタイヤ製造ドラムを備えたことを特徴とする未加硫タイヤの製造装置。
  6. 転写ドラムの外周に配置したタイヤ構成部材を被成形体に転写して未加硫タイヤを製造する未加硫タイヤの製造装置であって、
    転写ドラムが、タイヤ構成部材を外周に保持して拡径及び縮径可能な請求項1ないし4のいずれかに記載されたタイヤ製造ドラムであり
    転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材のドラム周方向に沿う長さを測定する測定手段と、
    測定手段による長さの測定値と予め設定された長さの目標値とを対比する手段と、
    長さ同士の対比結果に基づいて転写ドラムを拡径又は縮径させ、転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材の長さを調整する手段と、
    を備えたことを特徴とする未加硫タイヤの製造装置。
  7. 請求項1ないし4のいずれかに記載されたタイヤ製造ドラムを用いて未加硫タイヤを製造する未加硫タイヤの製造方法であって、
    複数のセグメントを拡径又は縮径変位させて、タイヤ製造ドラムを拡径又は縮径させる工程を有することを特徴とする未加硫タイヤの製造方法。
  8. 転写ドラムの外周に配置したタイヤ構成部材を被成形体に転写して未加硫タイヤを製造する未加硫タイヤの製造方法であって
    転写ドラムが請求項1ないし4のいずれかに記載されたタイヤ製造ドラムであり、
    転写ドラムの外周にタイヤ構成部材を保持する工程と、
    転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材のドラム周方向に沿う長さを測定する工程と、
    長さの測定値と予め設定された長さの目標値とを対比する工程と、
    長さ同士の対比結果に基づいて転写ドラムを拡径又は縮径させ、転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材の長さを調整する工程と、
    を有することを特徴とする未加硫タイヤの製造方法。
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