JP2009137041A - タイヤ製造装置及びタイヤ製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】未加硫タイヤの製造時に、転写ドラムから被成型体に転写するタイヤ構成部材毎のバラツキを抑制し、その寸法や配置精度を向上させる。
【解決手段】転写ドラム20の外周面を、ドラム周方向に分割された複数のセグメント30A、30Bから構成する。また、転写ドラム20内に、複数のセグメント30A、30Bを同期してドラム径方向に放射状に移動させる移動機構を設け、複数のセグメント30A、30Bを移動させて転写ドラム20を拡縮径させる。転写ドラム20の外周にタイヤ構成部材を貼り付けて保持した後、タイヤ構成部材のドラム周方向の長さを測定して、この長さの測定値と目標値を対比し、対比結果に基づいて転写ドラム20を拡径又は縮径させる。これにより、タイヤ構成部材の長さを目標長さに合わせて調整した後、タイヤ構成部材を被成型体に転写して未加硫タイヤを製造する。
【選択図】 図2
【解決手段】転写ドラム20の外周面を、ドラム周方向に分割された複数のセグメント30A、30Bから構成する。また、転写ドラム20内に、複数のセグメント30A、30Bを同期してドラム径方向に放射状に移動させる移動機構を設け、複数のセグメント30A、30Bを移動させて転写ドラム20を拡縮径させる。転写ドラム20の外周にタイヤ構成部材を貼り付けて保持した後、タイヤ構成部材のドラム周方向の長さを測定して、この長さの測定値と目標値を対比し、対比結果に基づいて転写ドラム20を拡径又は縮径させる。これにより、タイヤ構成部材の長さを目標長さに合わせて調整した後、タイヤ構成部材を被成型体に転写して未加硫タイヤを製造する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、成型ドラム等の被成型体の外面にタイヤ構成部材を配置して未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を製造するタイヤ製造装置及びタイヤ製造方法に関する。
各種車両用の空気入りタイヤ等のタイヤは、一般に、インナーライナやカーカスプライ、ベルト等の複数の部材から構成され、これら未加硫ゴムやコード等からなる複数のタイヤ構成部材を組み合わせて未加硫タイヤを成型し、加硫成型して所定形状の製品タイヤが製造される。このようなタイヤの製造装置として、従来、転写ドラムの外周にタイヤ構成部材を配置し、このタイヤ構成部材を、転写ドラムから成型ドラムの外面に転写して貼り付け、未加硫タイヤを成型及び製造する装置が知られている(特許文献1参照)。
ところが、タイヤ構成部材は、その寸法が外気温やゴム練り条件等の影響を受けやすく、部材毎に長さを均一に形成して、常に一定の長さで供給するのは非常に困難である。そのため、この特許文献1に記載された従来の装置では、転写ドラムから成型ドラムに転写するタイヤ構成部材の長さにバラツキが生じる等して、成型ドラムへのタイヤ構成部材の配置精度や、その寸法精度が低くなる恐れがある。このように、この従来の装置では、部材毎にバラツキを有し、長さ等が変化するタイヤ構成部材に各々対応して上記した各部材精度を効果的に向上させるのは難しく、そのロバスト性を考慮して各部材のバラツキ等に対処する必要がある。
これに対し、近年では、タイヤ製造の自動化を推進するため、タイヤ構成部材に関する以上の各問題に対して種々の改善がなされているものの、その改善の効果はなお充分でなく、自動化の阻害要因となっている。従って、一層の自動化推進を図る観点からも、転写ドラムにより転写するタイヤ構成部材の寸法や、その被成型体(ここでは、上記した成型ドラムに加えて、剛体コアや成型途中の未加硫タイヤ、又は仕掛かり品等を含むタイヤ構成部材を転写する対象物のことをいう)への配置(転写)精度の更なる向上が求められている。
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、未加硫タイヤの製造時に、転写ドラムから被成型体に転写するタイヤ構成部材毎のバラツキを抑制し、その寸法や配置精度を向上させることである。
本発明は、転写ドラムの外周に配置したタイヤ構成部材を被成型体に転写して未加硫タイヤを製造するタイヤ製造装置であって、前記タイヤ構成部材を外周に保持して拡縮径可能な前記転写ドラムと、該転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材のドラム周方向に沿う長さを測定する測定手段と、該測定手段による長さの測定値と予め設定された該長さの目標値とを対比する手段と、該対比結果に基づいて前記転写ドラムを拡径又は縮径させ、該転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材の長さを調整する手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、転写ドラムの外周に配置したタイヤ構成部材を被成型体に転写して未加硫タイヤを製造するタイヤ製造方法であって、前記転写ドラムの外周に前記タイヤ構成部材を保持する工程と、前記転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材のドラム周方向に沿う長さを測定する工程と、該長さの測定値と予め設定された該長さの目標値とを対比する工程と、該対比結果に基づいて前記転写ドラムを拡径又は縮径して、該転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材の長さを調整する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、転写ドラムの外周に配置したタイヤ構成部材を被成型体に転写して未加硫タイヤを製造するタイヤ製造方法であって、前記転写ドラムの外周に前記タイヤ構成部材を保持する工程と、前記転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材のドラム周方向に沿う長さを測定する工程と、該長さの測定値と予め設定された該長さの目標値とを対比する工程と、該対比結果に基づいて前記転写ドラムを拡径又は縮径して、該転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材の長さを調整する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、未加硫タイヤの製造時に、転写ドラムから被成型体に転写するタイヤ構成部材毎のバラツキを抑制でき、その寸法や配置精度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤ製造装置は、上記した従来の装置と同様に、インナーライナやカーカスプライ、又はベルト等、タイヤ各部を構成する伸縮可能なタイヤ構成部材を転写ドラムの外周に配置し、これを被成型体の外面に転写して未加硫タイヤを製造する装置である。ただし、本実施形態では、転写ドラムにタイヤ構成部材の長さを調整する機能を持たせ、部材毎にバラツキを有するタイヤ構成部材の長さを、被成型体への転写前に調整するようになっている。以下、被成型体の外面(ここでは外周面)に、例えばタイヤ内でベルト層になる未加硫のベルト部材等のタイヤ構成部材を貼り付けて転写する場合を例に採り説明する。
本実施形態のタイヤ製造装置は、上記した従来の装置と同様に、インナーライナやカーカスプライ、又はベルト等、タイヤ各部を構成する伸縮可能なタイヤ構成部材を転写ドラムの外周に配置し、これを被成型体の外面に転写して未加硫タイヤを製造する装置である。ただし、本実施形態では、転写ドラムにタイヤ構成部材の長さを調整する機能を持たせ、部材毎にバラツキを有するタイヤ構成部材の長さを、被成型体への転写前に調整するようになっている。以下、被成型体の外面(ここでは外周面)に、例えばタイヤ内でベルト層になる未加硫のベルト部材等のタイヤ構成部材を貼り付けて転写する場合を例に採り説明する。
図1は、本実施形態のタイヤ製造装置の概略構成を示す模式図であり、それぞれ図1Aは平面図、図1Bは側面図である。
このタイヤ製造装置1は、図示のように、略水平に設置されたコンベア10と、コンベア10の一端側に配置された転写ドラム20と、転写ドラム20と外周面同士を対向させて配置された被成型体50と、装置全体を制御する制御装置60と、を備えている。また、タイヤ製造装置1は、床面等に、これらコンベア10、転写ドラム20、及び被成型体50を直線的に順に配置している。
このタイヤ製造装置1は、図示のように、略水平に設置されたコンベア10と、コンベア10の一端側に配置された転写ドラム20と、転写ドラム20と外周面同士を対向させて配置された被成型体50と、装置全体を制御する制御装置60と、を備えている。また、タイヤ製造装置1は、床面等に、これらコンベア10、転写ドラム20、及び被成型体50を直線的に順に配置している。
コンベア10は、上面に配置されたタイヤ構成部材Tを転写ドラム20に向かって搬送(図1Bの矢印H)する搬送手段であり、回転可能な少なくとも一対のプーリ11、12と、それらの間に略水平状態に架け渡された無端状のベルト13等からなる。また、コンベア10は、一方のプーリ11又は12を回転させるモータ等からなる回転駆動手段(図示せず)を有し、これによりベルト13を循環駆動して、上面上のタイヤ構成部材Tを、転写ドラム20の回転と同期して所定速度で搬送する。
ここで、本実施形態のタイヤ構成部材Tは、コンベア10上に複数(図では6枚)の帯状部材Bを配置して一体化することで、帯状部材Bの数や幅等に応じた、かつ転写ドラム20の外周の長さ(周長)よりも短い所定長さに形成される。即ち、ここでは、所定幅の長尺な帯状部材Bの両端部を斜めに切断して所定長さに形成し、この帯状部材Bを、その両端部の切断角度に応じて、ベルト13の駆動方向と交差する方向に傾斜させてコンベア10(ベルト13)上の所定位置に配置する。この配置とベルト13の循環駆動とを順次繰り返して、複数の帯状部材Bの幅方向の各縁部を互いに突き合わせて、又は重ね合わせて接合し、コンベア10上に所定長さのタイヤ構成部材Tを形成する。なお、タイヤ構成部材Tは、例えば、その幅と同じ幅の帯状部材の長手方向両端部を斜めに切断して所定長さに形成する等、種類や貼り付け対象の被成型体50等に応じて、1つの帯状部材から形成してコンベア10上に配置してもよい。
被成型体50は、ここでは、略環状の支持体(例えば成型ドラムや剛体コア等)の外面側に配置及び支持された成型中の未加硫タイヤであり、床面等に設置された回転駆動手段51の回転軸52に、同芯状に取り付けられて支持されている。この回転駆動手段51は、モータ等の駆動源や、その回転動力を回転軸52に伝達する周知の伝達機構(例えば複数の噛合歯車又は伝動ベルトとプーリ等)を有し、それらにより回転軸52を回転させて被成型体50を回転駆動する。これにより、被成型体50は、軸線を略水平に維持した状態で、転写ドラム20の回転と同期して所定の表面(外周面)速度で軸線周りに回転(図1Bの矢印R)する。
転写ドラム20は、外周面形状が略円筒状をなし、上記した回転駆動手段51と同様に構成される、床面等に配置された駆動手段21により回転可能に支持されている。また、その状態で、転写ドラム20は、軸線を被成型体50の軸線と略平行にして、コンベア10の一端側の上方に配置されている。更に、転写ドラム20は、その外周面が、被成型体50の外周面と所定距離を隔てて対向するとともに、転写すべきタイヤ構成部材Tの厚さや種類等に応じて、コンベア10のベルト13の上面と当接又は所定間隔を開けた位置に配置されている。一方、駆動手段21は、例えば床面に敷設したレール(図示せず)上を走行する等、転写ドラム20を、コンベア10上の位置と、被成型体50と外周面同士が当接する位置との間で移動させ、かつ転写ドラム20を被成型体50に圧力を調整しつつ押し付ける周知の移動・押付手段を備えている。
転写ドラム20は、この駆動手段21により回転駆動されて、コンベア10によるタイヤ構成部材Tの搬送(図1Bの矢印H)に合わせて、その搬送速度と略同じ表面速度で回転(図1Bの矢印K)する。転写ドラム20は、このように回転しつつ、外周面とベルト13との間に、搬送されるタイヤ構成部材Tを挟み込み、外周面に貼り付ける等して、タイヤ構成部材Tを一端側から順に外周上に移し替えて、巻き付けるようにして保持する。その後、転写ドラム20は、駆動手段21と共に被成型体50側に移動して、タイヤ構成部材Tを被成型体50の外周面に貼り付けて転写する転写作業を実行する。ただし、本実施形態の転写ドラム20は、拡縮径可能に構成されており、被成型体50への転写前に、タイヤ構成部材Tを外周に保持した状態で拡径又は縮径して、その長さを所定長さに調整するようになっている。以下、この転写ドラム20の拡縮機能について、詳細に説明する。
図2は、ドラム径方向から見た転写ドラム20の要部を模式的に示す一部断面図であり、その中心軸線を含む断面の上半分を示している。
なお、図2Aは転写ドラム20が縮径した状態を、図2Bは転写ドラム20が拡径した状態を各々示し、それぞれ右側に駆動手段21(図2では図示を省略する)が連結されている。また、転写ドラム20は、ドラム軸線方向(図では左右方向)のドラム中心面CLを挟んで略対称に構成され、かつ各部が略対称に駆動又は作動等するようになっている。
なお、図2Aは転写ドラム20が縮径した状態を、図2Bは転写ドラム20が拡径した状態を各々示し、それぞれ右側に駆動手段21(図2では図示を省略する)が連結されている。また、転写ドラム20は、ドラム軸線方向(図では左右方向)のドラム中心面CLを挟んで略対称に構成され、かつ各部が略対称に駆動又は作動等するようになっている。
この転写ドラム20は、図示のように、中心軸22と、中心軸22の外周面を摺動可能な一対の略円筒状のスライダ23A、23Bと、スライダ23A、23Bの外周側に配置されたドラム径方向(図では上下方向)に移動可能な複数(図では実線と点線で1つずつ示す)のセグメント30A、30Bと、を有する。本実施形態では、これら複数のセグメント30A、30Bは、それぞれドラム軸線方向に延び、ドラム周方向に並設されるとともに、後述するように、隣接するもの同士が互いにドラム軸線方向位置が異なるように、ドラム周方向に沿って、ドラム軸線方向の逆方向に交互にずらせて配置されている。従って、図2では、ドラム軸線方向の一方(図では右方)にずらせて配置されたセグメント30Aを実線で、そのドラム周方向(図では紙面奥側)に隣接する他方(図では左方)にずらせて配置されたセグメント30Bを点線で示して区別している。また、転写ドラム20は、この一方のセグメント30Aを一方(図では右方)のスライダ23Aに、他方のセグメント30Bを他方(図では左方)のスライダ23Bに、それぞれ連結するようになっており、それらを互いに連結する複数組み(図では左右に1組ずつ示す)のリンク40A、40B及び連結部材41A、41Bを有する。ただし、これらリンク40A及び連結部材41A(図では連結させるセグメント30Aに対応して実線で示す)と、リンク40B及び連結部材41B(図では連結させるセグメント30Bに対応して点線で示す)とは、各セグメント30A、30Bの位置に応じて、ドラム周方向にずらせて、かつドラム中心面CLを挟んでドラム周方向に沿って交互に所定間隔で配置されている。
中心軸22は、軸線周りに回転可能な略円筒状をなし、上記した駆動手段21に連結されて軸線周りに回転駆動される。また、中心軸22の中空部(内部)には、略ロッド状のネジ軸24が同芯状に、かつ両端部側に配置されたベアリング等の軸受け部材25を介して回転可能に支持されている。このネジ軸24は、互いにリードが逆向きの逆ネジである左右のネジ部24A、24Bが、ドラム中心面CLを挟んで外周面に略対称に形成され、中心軸22とは独立に、駆動手段21により軸線周りの両方向に回転駆動される。
これらネジ軸24の各ネジ部24A、24Bは、ボールネジ機構を構成し、それぞれ複数のボールを挟んで噛み合うナット26A、26Bが、ドラム中心面CLを挟んで略対称な位置に、かつ中心軸22の中空部を移動可能に取り付けられている。一方、中心軸22の各ネジ部24A、24Bに対向する範囲には、それぞれドラム軸線方向に延びるスリット22Sが長孔状に、かつドラム周方向に略等間隔で複数形成されている。各ナット26A、26Bの外周面には、これら各スリット22S内をドラム軸線方向に移動可能な複数の板状部材27A、27Bが、それぞれ放射状に固定されており、その各先端部が、それぞれスライダ23A、23Bの半径方向内側面(内周面)に取り付けられて、各ナット26A、26Bとスライダ23A、23Bとが連結されている。
従って、一対のスライダ23A、23Bは、ネジ軸24の回転により、ナット26A、26B及び板状部材27A、27B等を介して駆動され、ドラム軸線方向に左右対称に接近及び離間変位する。また、これらスライダ23A、23Bのドラム軸線方向内側端(各中央側端)には、それぞれ複数のリンク40A、40Bの一端部が回転可能に、かつ各々ドラム周方向に略等間隔で取り付けられている。これに対し、各リンク40A、40Bの他端部は、それぞれ、略矩形板状の連結部材41A、41Bのドラム軸線方向の外側縁部に、ドラム中心面CLを挟んで略対称な状態で回転可能に取り付けられている。
その結果、スライダ23A、23Bの接近及び離間により、左右のリンク40A、40Bが、それぞれスライダ23A、23B側の一端部を支点に同期して回動し、そのドラム軸線方向内側の他端部が拡開及び縮閉する。これに伴い、複数の連結部材41A、41B及び、そのドラム径方向外側端に各々固定されたセグメント30A、30Bが、ガイド機構28により案内されてドラム径方向の外側及び内側に同期して放射状に移動する。このガイド機構28は、中心軸22外周面のドラム中心面CL上に同芯状に固定された略環状のガイド部材(ガイド手段)であり、ドラム軸線方向の両側面に、対向する連結部材41A、41Bの側面側の係合部が摺動可能に係合する係合溝(例えばT字溝)(図示せず)が、各々ドラム径方向に延びるように複数形成されている。ガイド機構28のこれら複数の係合溝は、複数の連結部材41A、41Bと同様に、その各配置位置に応じて、ドラム周方向に沿って両側面に交互に、かつ各々放射状に形成され、各側面側において、係合する複数の連結部材41A、41Bを、それぞれ摺動させつつドラム径方向に案内して移動させる。このように、転写ドラム20内の以上の各部は、複数のセグメント30A、30Bを駆動してドラム径方向の両方向に移動させ、転写ドラム20を拡縮径させるセグメント移動機構(拡縮手段)になっている。また、転写ドラム20は、中心軸22とネジ軸24とを一体に回転することで、セグメント30A、30Bを拡縮径させずに、一定径を維持した状態で回転する。
図3は、この転写ドラム20から複数のセグメント30A、30Bのみを抜き出してドラム軸線方向から見た状態を示す模式図であり、左右の中心線を挟んで、左側が図2Aに対応する転写ドラム20が縮径した状態を、右側が図2Bに対応する転写ドラム20が拡径した状態を各々示している。また、図では、見やすいように、複数のセグメント30A、30Bを、図2と同様に1つおきに実線と点線とで示しているが、これらは、互いにドラム軸線方向位置が異なるだけで、同様に形成されている。
ここで、これら複数のセグメント30A、30Bは、タイヤ構成部材Tに接触して保持するための保持部材であり、図示のように、全体として略円筒状に配置されて転写ドラム20の外周面を構成するとともに、ドラム周方向に分割されて同方向に沿って略等間隔で並設されている。また、セグメント30A、30Bは、上記したように、セグメント移動機構により駆動されて拡縮径方向に移動し、所定の拡径位置(図3の右側及び図2B参照)と縮径位置(図3の左側及び図2A参照)との間の任意の位置に、その拡径及び縮径量(移動量)をアナログ的に無段階に調整されつつ配置される。その際、この転写ドラム20では、セグメント移動機構を構成する前記各部の寸法等の精度を高くして、移動する複数のセグメント30A、30Bにバックラッシュや移動量の累積誤差が発生するのを防止し、外周の長さ(ドラム周方向長さ)を所定長さに調節する。また、外周が円形に近い形状になるように、外周面を比較的細かく分割してセグメント30A、30Bの数を比較的多くし、ここでは、ドラム軸線方向の左右にずれたセグメント30A、30Bを各々24ずつ配置して、合計48のセグメント30A、30Bによりドラム外周面を構成している。
本実施形態では、この各セグメント30A、30Bを、長手方向の中央を挟んで左右略対称をなすように、それぞれ連結部材41A、41Bに取り付けられる略矩形ロッド状のベース部31A、31B(図2参照)及び、そのドラム径方向外側面(図2では上面)に設けられた複数の当接部材32A、32Bから形成している。これら複数の当接部材32A、32Bは、ドラム径方向外側面でタイヤ構成部材Tに当接して保持する機能を有し、各ベース部31A、31Bの長手方向に沿って略等間隔で配置され、互いに略平行な状態でドラム幅方向(ここではドラム軸線方向と同じ方向)に配列している。また、当接部材32A、32Bは、それぞれ略矩形ブロック状をなし、その長手方向(図3参照)をベース部31A、31Bの長手方向と直交する方向(ドラム周方向)に向けて、ベース部31A、31Bからドラム周方向の両方向及びドラム径方向外側に突出するように設けられている。加えて、この当接部材32A、32Bは、転写ドラム20の外周面に対応するドラム径方向外側面が、転写ドラム20の外周面に応じた所定の曲率で湾曲して形成されている。
セグメント30A、30Bは、これら複数の当接部材32A、32Bとベース部31A、31Bにより、側面視略T字状(図3参照)に、かつ全体形状が櫛歯状に形成されている。また、ここでは、ドラム周方向に隣接するセグメント(例えば図3の下半分側に示す実線のセグメント30Aと点線のセグメント30B)は、複数の当接部材32A、32Bの配列ピッチの半分だけドラム幅方向にずらせて配置されている。これにより、各セグメント30A、30Bは、隣接するもの同士が1つの当接部材32A、32Bに相当する分だけドラム幅方向に変位し、ドラム周方向にそれぞれ突出する当接部材32A、32Bが、隣接するセグメント30A、30Bの当接部材32A、32Bの間に位置するように互い違いに配置されている。
図4は、これらセグメント30A、30Bの複数の当接部材32A、32Bの配置状態を示す模式図であり、転写ドラム20を外周側(図2の上側)から見て、一部(図では計4つ)のセグメント30A、30Bを抜き出して示す平面展開図である。また、図4Aは、図2A及び図3の左側に対応する転写ドラム20が縮径した状態を、図4Bは、図2B及び図3の右側に対応する転写ドラム20が拡径した状態を、それぞれ示している。更に、図4では、タイヤ周方向(図では上下方向)に隣接するセグメント30A、30Bの1つおき(セグメント30B)に格子状のハッチングを付し、他方のセグメント30Aと区別して示している。
この転写ドラム20では、図示のように、ドラム周方向に隣接するセグメント30A、30B同士の複数の当接部材32A、32Bが、互いに他方の間に位置し、ドラム幅方向(図では左右方向)に沿って交互に、互い違いに配置されている。このように、複数のセグメント30A、30Bは、ドラム周方向に沿って、交互にドラム幅方向の逆方向に相対変位し、各当接部材32A、32Bが、それらの間の隙間を埋めて噛み合うように順次配置されている。また、セグメント30A、30Bは、上記した拡径及び縮径に伴い、互いのドラム周方向の間隔が連続的に変化し、拡径(図4B参照)により、それぞれの当接部材32A、32B間の間隔が次第に広くなって隙間が大きくなる。逆に、縮径(図4A参照)により、それぞれの当接部材32A、32B間の間隔が次第に狭くなり、それらの隙間が埋まるように小さくなる。
なお、本実施形態では、各セグメント30A、30Bの当接部材32A、32Bは、そのドラム幅方向の厚さ(図4AのW)が、隣接する当接部材32A、32B同士の間隔(図4AのM)よりも、それぞれ薄く形成されている。これにより、セグメント30A、30Bの拡径及び縮径時に、当接部材32A、32B同士が接触せずにセグメント30A、30Bが滑らかに変位する。
また、これら各セグメント30A、30Bには、タイヤ構成部材Tを着脱可能に保持するための保持手段33が設けられており、転写ドラム20は、この保持手段33により、タイヤ構成部材Tを外周面に確実に保持及び固定しながら拡径及び縮径する。この保持手段33は、タイヤ構成部材Tの種類等に応じて設けられ、例えばタイヤ構成部材Tがベルト等の鋼線を含む部材であるときには、各当接部材32A、32Bの表面側に1又は複数(ここでは中央部に1つ)の磁石を固定してタイヤ構成部材Tを磁着して保持する磁着手段が設けられる。また、保持手段33は、例えばタイヤ構成部材Tがゴム部材であるときには、各当接部材32A、32Bの表面にバキューム穴を形成し、それらを介して真空ポンプ等の排気手段を作動させてタイヤ構成部材Tを吸着して保持する吸着手段であってもよい。
以上に加えて、タイヤ製造装置1(図1参照)は、装置全体の制御を行う制御手段である制御装置60を備えている。制御装置60は、例えば、各種のデータ処理や解析、演算等を行う中央演算処理装置(CPU)61や、各種の制御プログラム等を格納するROM62、及びCPU61の処理用データ等を一時的に格納するRAM63等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。また、制御装置60は、外部機器(装置)との接続のためのインターフェース(図示せず)等を有し、それらを介して、以上説明した装置各部や、それらに設置された制御に必要な各種センサ等が接続され、それらとの間で制御信号を含む各種信号(データ)を送受信する。
このようにして、制御装置60は、所定のプログラムに基づいて接続された各部を予め設定されたタイミングで関連動作させる等、装置各部を連動して作動させ、上記したコンベア10上のタイヤ構成部材Tを転写ドラム20で保持する動作を含む未加硫タイヤの製造(成型)動作(工程)等を実行させる。また、この制御装置60には、転写ドラム20により保持されたタイヤ構成部材Tのドラム周方向に沿う長さを、接触又は非接触で測定するための測定手段2が接続されている。制御装置60は、この測定手段2の測定結果に基づいて転写ドラム20を拡径又は縮径させ、タイヤ構成部材Tの長さを調整する制御も実行する。
図5は、タイヤ構成部材Tを外周に保持する転写ドラム20を模式的に示す側面図であり、ドラム軸線方向から見た測定手段2も示している。
ここでは、測定手段2は、周知の距離センサであり、この図5及び図1に示すように、そのセンサ面を転写ドラム20の中心軸線に向けて、かつ転写ドラム20の外周面から所定の距離を隔てて、ドラム径方向外側(図5では右側)に対向して配置されている。また、測定手段2は、転写ドラム20のドラム幅方向の略中央位置に配置されるとともに、その外周面の垂線方向(ドラム径方向)に向けて配置され、そこから対向する転写ドラム20の外周面又はタイヤ構成部材Tまでの距離を測定する。なお、測定手段2は、より正確な測定を行う観点から、必要に応じてドラム幅方向に複数配置してもよい。
ここでは、測定手段2は、周知の距離センサであり、この図5及び図1に示すように、そのセンサ面を転写ドラム20の中心軸線に向けて、かつ転写ドラム20の外周面から所定の距離を隔てて、ドラム径方向外側(図5では右側)に対向して配置されている。また、測定手段2は、転写ドラム20のドラム幅方向の略中央位置に配置されるとともに、その外周面の垂線方向(ドラム径方向)に向けて配置され、そこから対向する転写ドラム20の外周面又はタイヤ構成部材Tまでの距離を測定する。なお、測定手段2は、より正確な測定を行う観点から、必要に応じてドラム幅方向に複数配置してもよい。
本実施形態では、転写ドラム20を、外径を一定に維持して回転(図5の矢印K)させつつ、測定手段2により連続的に距離を測定し、その測定値の変化から、転写ドラム20外周のタイヤ構成部材Tの有無を判別する。この判別結果及び転写ドラム20の回転速度等の測定条件等に基づき、制御装置60により演算して、転写ドラム20の外周面における、タイヤ構成部材Tのドラム周方向に沿う長さを測定して取得する。また、制御装置60は、この測定手段2による長さの測定値と、予め設定されたタイヤ構成部材Tの長さの目標値とを対比し、この対比結果に基づいて、転写ドラム20を各値の差等に応じた所定量だけ拡径又は縮径(図3参照)させる。これにより、セグメント30A、30Bに貼り付けられて固定され、転写ドラム20の外周に保持されたタイヤ構成部材Tを、ドラム周方向に引っ張るようにして長くし、又はドラム周方向に押し縮めて短くする。この伸長又は圧縮変形により、タイヤ構成部材Tのドラム周方向の長さを、転写ドラム20の拡径又は縮径量(外周長さの変化量)に応じて変化させ、目標値になるように調整する。
このように、タイヤ製造装置1は、測定手段2の測定結果に基づいて転写ドラム20を拡径又は縮径させ、転写ドラム20に保持されたタイヤ構成部材Tをドラム周方向に変形させる。これにより、同方向の長さを、タイヤ構成部材Tを転写すべき被成型体50の転写部(転写位置)の周方向長さに応じた長さに調整する。従って、転写ドラム20は、拡径及び縮径可能なように、ある程度拡径して所定の外径に調節され、この一定径を維持した状態で、タイヤ構成部材Tを外周に貼り付けて保持する。また、タイヤ構成部材Tの長さの目標値は、被成型体50の上記した転写部の周方向長さ等に応じて決定され、長さの対比等を行う各手段である制御装置60に予め設定される。或いは、この長さの目標値は、各タイヤ構成部材Tを転写する被成型体50の周長を都度測定し、この測定値に応じて転写毎に決定して、対比時までに設定するようにしてもよい。
タイヤ製造装置1は、この長さの調整後に、転写ドラム20を、駆動手段21(図1参照)と共に待機中の被成型体50側に移動させ、その外周に保持したタイヤ構成部材Tを被成型体50の外周面の所定部に当接させる。その際、タイヤ構成部材Tを、転写ドラム20の回転方向の先方側から被成型体50に当接させ、その位置と圧力を調整しながら外周面に押し付ける。その状態で、被成型体50の表面(外周面)速度と、タイヤ構成部材Tの表面速度とが略等しい所定速度になるように、被成型体50と転写ドラム20とを互いに逆方向に回転(図1の矢印R、K)させ、タイヤ構成部材Tを、転写ドラム20から被成型体50の外周面に貼り付けて所定位置に転写する。このように、所定長さのタイヤ構成部材Tを、被成型体50の異なる周方向位置に複数回に分けて転写し、その周方向の全体に亘って配置してベルト等を形成した後、他のタイヤ構成部材と組み合わせる等して未加硫タイヤを製造(成型)する。
なお、転写ドラム20の拡縮径量は、例えば転写ドラム20の外径や外周の変化量との関係から決定される関係式等の予め設定された条件等に基づき決定される。また、タイヤ構成部材Tの種類や厚さ等によっては、転写時に、転写ドラム20上のタイヤ構成部材Tと被成型体50の表面速度間に差が生じるように、転写ドラム20と被成型体50を互いに速比をつけて回転させることもある。
次に、このタイヤ製造装置1による未加硫タイヤの成型手順や動作等、本実施形態のタイヤ製造方法について説明する。ただし、転写ドラム20によるタイヤ構成部材Tの転写前や転写後は、従来と同様の工程や手順により未加硫タイヤを成型するため、ここでは、タイヤ構成部材Tの被成型体50への転写手順を中心に説明する。また、被成型体50には、このタイヤ構成部材Tの転写対象である成型中の未加硫タイヤが配置済みである。
図6は、この転写ドラム20を使用したタイヤ構成部材Tの転写手順を示すフローチャートである。
このタイヤ製造装置1では、図示のように、まず、タイヤ構成部材T(図1参照)を、停止したコンベア10上に配置して準備する(S101)。続いて、コンベア10を循環駆動してタイヤ構成部材Tを転写ドラム20側に搬送(図1の矢印H)しつつ、転写ドラム20を、その外径を所定径に維持して同期して回転(図1の矢印K)させ、タイヤ構成部材Tを転写ドラム20の外周に移し変えて保持する(S102)。
このタイヤ製造装置1では、図示のように、まず、タイヤ構成部材T(図1参照)を、停止したコンベア10上に配置して準備する(S101)。続いて、コンベア10を循環駆動してタイヤ構成部材Tを転写ドラム20側に搬送(図1の矢印H)しつつ、転写ドラム20を、その外径を所定径に維持して同期して回転(図1の矢印K)させ、タイヤ構成部材Tを転写ドラム20の外周に移し変えて保持する(S102)。
次に、測定手段2により、回転する転写ドラム20に保持されたタイヤ構成部材Tのドラム周方向に沿う長さを測定し(S103)、この長さの測定値と、予め設定されたタイヤ構成部材Tの長さの目標値とを対比する(S104)。続いて、この対比結果に基づいて、複数のセグメント30A、30Bを駆動変位させて転写ドラム20を拡径又は縮径し(S105)、転写ドラム20に保持されたタイヤ構成部材Tの長さを、上記したように転写すべき被成型体50等に応じた目標値に合わせて調整する。このように、タイヤ構成部材Tの長さの調整が終了するまで転写ドラム20を拡径又は縮径させ(S106−NO、S105)、長さの調整が終了したときに(S106−YES)、転写ドラム20の拡径又は縮径を停止する。その際、このタイヤ製造装置1では、転写ドラム20を、タイヤ構成部材Tの長さの測定値と、その目標値の差に応じて拡径又は縮径し、外周に保持するタイヤ構成部材Tを所定量だけ伸張又は圧縮する。
続いて、転写ドラム20上のタイヤ構成部材Tを、被成型体50の外周面に圧力を調節して所定圧力で押し付け、転写ドラム20と被成型体50を同期して逆方向に回転(それぞれ図1の矢印K、R)させ、タイヤ構成部材Tを被成型体50に貼り付けて所定位置に転写する(S107)。これら両回転を、このタイヤ構成部材Tの転写が終了するまで継続し(S108−NO、S107)、転写が終了してから(S108−YES)、両回転を停止し、転写ドラム20を移動させて被成型体50から引き離す。このように、転写ドラム20の外周に配置したタイヤ構成部材Tを被成型体50の外面に1又は複数回(ここでは複数回)に亘って転写し、他のタイヤ構成部材を重ねて配置する等して未加硫タイヤを製造する。その後、未加硫タイヤを加硫成型等して所定形状の製品タイヤが製造される。
以上説明したように、本実施形態のタイヤ製造装置1は、転写ドラム20に、外周に保持するタイヤ構成部材Tの長さを調整する機能(拡縮機能)を持たせ、被成型体50への転写前に、タイヤ構成部材Tの長さを目標値に合わせて調整する。そのため、タイヤ構成部材Tの長さを、転写対象の被成型体50等に応じた最適長さに調整することができる。これに伴い、部材毎にバラツキを有するタイヤ構成部材Tの長さ変化に対処して、その長さを各々調整して部材毎のバラツキを小さくでき、その寸法精度や被成型体50への配置(転写)精度等の各精度を向上させることができる。その際、ここでは、タイヤ構成部材Tの長さの測定値と目標値との差に応じて、転写ドラム20を拡径又は縮径する等して各長さを調整するため、部材毎の長さ変化に柔軟に対応して効果的に対処することができ、ロバスト性の観点からも大きな効果を得ることができる。
従って、本実施形態によれば、未加硫タイヤの製造時に、転写ドラム20から被成型体50に転写するタイヤ構成部材T毎のバラツキを抑制でき、その寸法や配置等の精度を向上させることができる。また、このタイヤ製造装置1では、タイヤ構成部材Tの長さや前記精度のバラツキ等に起因して装置が一旦停止するのを防止することもでき、未加硫タイヤ製造の自動化を一層推進することができる。
更に、ここでは、転写ドラム20を、ドラム周方向に分割された複数のセグメント30A、30Bとセグメント移動機構等により構成しており、その構造が比較的単純で、かつ高い外周面の拡縮径精度を比較的容易に得ることができる。また、各セグメント30A、30Bに、タイヤ構成部材Tの種類等に応じた保持手段33を設けたため、転写ドラム20の外周(セグメント30A、30B)にタイヤ構成部材Tをより確実に保持でき、タイヤ構成部材Tの長さの調整作業もより確実かつ正確に行うことができる。
加えて、各セグメント30A、30Bに複数の当接部材32A、32Bを設けるとともに、ドラム周方向に隣接するセグメント30A、30B同士の複数の当接部材32A、32Bを、互いに噛み合うように、ドラム幅方向に沿って互い違いに配置したため、当接部材32A、32Bからタイヤ構成部材Tに作用する応力を細かく分散することができる。そのため、転写ドラム20により、タイヤ構成部材Tを全体に亘って均一に保持でき、かつ、長さの調整時にも、タイヤ構成部材Tの全体を均一に変形させて、長さの調整を精度よく行うこともできる。また、ここでは、セグメント30A、30Bを、それぞれ、上記のようにドラム周方向に沿って交互に配置したドラム中心面CLを挟んだ片側のリンク40A、40B等により移動させる片側リンク機構を採用したため、それらをドラム周方向により多く設けることができる。これにより、セグメント30A、30Bのドラム周方向の分割数をより増加させることができ、タイヤ構成部材Tに作用する応力を細かく分散できる等、上記と同様の各効果が得られる。
ここで、本実施形態では、転写ドラム20を拡径又は縮径させてタイヤ構成部材Tの長さを調整したが、この長さの調整は、転写ドラム20を拡径させて、タイヤ構成部材Tを引っ張る方向に変形させて行うのがより望ましい。このようにすることで、転写ドラム20上のタイヤ構成部材Tの皺や弛みを是正できることに加えて、タイヤ構成部材Tを適度な張力が付加した状態で被成型体50へ転写でき、転写後のタイヤ構成部材Tに皺や弛みが生じるのを防止することもできる。従って、タイヤ構成部材Tは、常に目標長さよりも僅かに短く形成し、転写ドラム20により引き伸ばしてから被成型体50に転写するようにしてもよい。
なお、このタイヤ製造装置1では、タイヤ構成部材Tを、コンベア10上に準備してから転写ドラム20上に配置したが、タイヤ構成部材Tは、コンベア10を用いずに、転写ドラム20の外周面に向かって供給して直接配置するようにしてもよい。ただし、本実施形態のように、コンベア10と転写ドラム20とを併用する場合には、転写ドラム20から被成型体50へタイヤ構成部材Tを転写中に、コンベア10上に次に転写するタイヤ構成部材Tを予め準備できるため、サイクルタイムを短縮することができる。
また、本実施形態では、転写ドラム20を被成型体50よりも小径に形成したが、転写ドラム20は、逆に、被成型体50よりも大径に形成してもよい。この場合には、上記と同様に、タイヤ構成部材Tを複数回に分けて被成型体50に転写してベルト等を形成してもよく、転写するタイヤ構成部材Tをより長くして、一度の転写で被成型体50にベルト等を形成するようにしてもよい。
1・・・タイヤ製造装置、2・・・測定手段、10・・・コンベア、11・・・プーリ、12・・・プーリ、13・・・ベルト、20・・・転写ドラム、21・・・駆動手段、22・・・中心軸、22S・・・スリット、23A、23B・・・スライダ、24・・・ネジ軸、24A、24B・・・ネジ部、25・・・軸受け部材、26A、26B・・・ナット、27A、27B・・・板状部材、28・・・ガイド機構、30A、30B・・・セグメント、31A、31B・・・ベース部、32A、32B・・・当接部材、33・・・保持手段、40A、40B・・・リンク、41A、41B・・・連結部材、50・・・被成型体、51・・・回転駆動手段、52・・・回転軸、60・・・制御装置、61・・・CPU、62・・・ROM、63・・・RAM、T・・・タイヤ構成部材、B・・・帯状部材、CL・・・ドラム中心面。
Claims (6)
- 転写ドラムの外周に配置したタイヤ構成部材を被成型体に転写して未加硫タイヤを製造するタイヤ製造装置であって、
前記タイヤ構成部材を外周に保持して拡縮径可能な前記転写ドラムと、
該転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材のドラム周方向に沿う長さを測定する測定手段と、
該測定手段による長さの測定値と予め設定された該長さの目標値とを対比する手段と、
該対比結果に基づいて前記転写ドラムを拡径又は縮径させ、該転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材の長さを調整する手段と、
を備えたことを特徴とするタイヤ製造装置。 - 請求項1に記載されたタイヤ製造装置において、
前記転写ドラムは、該転写ドラムの外周面を構成しドラム周方向に分割された複数のセグメントと、該セグメントを前記拡縮径方向に移動させるセグメント移動機構と、を有することを特徴とするタイヤ製造装置。 - 請求項2に記載されたタイヤ製造装置において、
前記セグメントは、前記タイヤ構成部材に当接するドラム幅方向に配列された複数の当接部材を有し、
前記転写ドラムは、ドラム周方向に隣接する前記セグメント同士の複数の当接部材がドラム幅方向に沿って互い違いに配置されていることを特徴とするタイヤ製造装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤ製造装置において、
前記転写ドラムは、前記タイヤ構成部材を着脱可能に保持する保持手段を有することを特徴とするタイヤ製造装置。 - 転写ドラムの外周に配置したタイヤ構成部材を被成型体に転写して未加硫タイヤを製造するタイヤ製造方法であって、
前記転写ドラムの外周に前記タイヤ構成部材を保持する工程と、
前記転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材のドラム周方向に沿う長さを測定する工程と、
該長さの測定値と予め設定された該長さの目標値とを対比する工程と、
該対比結果に基づいて前記転写ドラムを拡径又は縮径して、該転写ドラムに保持されたタイヤ構成部材の長さを調整する工程と、
を有することを特徴とするタイヤ製造方法。 - 請求項5に記載されたタイヤ製造方法において、
前記調整する工程は、前記転写ドラムを前記タイヤ構成部材の長さの測定値と前記長さの目標値との差に応じて拡径又は縮径することを特徴とするタイヤ製造方法。
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-
2007
- 2007-12-03 JP JP2007312801A patent/JP2009137041A/ja active Pending
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