JP2010099905A - ゴム部材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

ゴム部材の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】押出成型して搬送するゴム部材の形状を調整可能にし、製造するゴム部材の形状精度を向上させる。
【解決手段】押出機10により押出成型したゴム部材Bを、第1及び第2のコンベヤ20、30により順次搬送しつつ、第2のコンベヤ30上で、ゴム部材Bの形状を形状測定手段60により測定して制御装置40に出力する。制御装置40により、ゴム部材Bの測定形状と目標形状とを比較し、その差に応じて、第1のコンベヤ20の回転駆動軸21に設けられた拡縮径機構を作動させ、回転駆動軸21を拡径又は縮径させる。これにより、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を変更し、その間のゴム部材Bに圧縮力又は引張力を作用させて変形させ、ゴム部材Bの形状を制御して調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、押出機により押出成型されたゴム部材を複数のコンベヤにより搬送しつつ、コンベヤ間の搬送速度差によりゴム部材の形状の調整を行うゴム部材の製造装置及び製造方法に関する。
例えばタイヤの製造工程では、未加硫ゴムを押出機により連続的に押出成型し、トレッドゴムやサイドウォールゴム等の各ゴム部材(タイヤ構成部材)を所定の断面形状に形成している。このようなゴム部材は、通常、押出機の口金に形成された開口部(ゴム吐出口)の形状に応じた断面形状に形成され、長手方向(押出方向)に沿って略同一の断面形状に形成される。しかしながら、実際に押出成型されるゴム部材は、原材料や製造条件の変動等により、重量や断面形状等の性状が製造ロット毎に、又は長手方向に沿って変動するのが一般的である。
そこで、従来、押出成型したゴム部材を複数のコンベヤにより順次搬送しながら、その単位長さ当たりの重量を連続的に測定し、その測定結果に基づき、各コンベヤによるゴム部材の搬送速度に差を設けてゴム部材に生じる上記した変動に対処することが行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
このような従来のゴム部材の製造装置では、前記重量の測定値と重量の目標値(設計値)との差に応じて、コンベヤ間の相対搬送速度比(ドロー比)を変更して調整し、主にコンベヤ間に位置するゴム部材に引張力又は圧縮力を作用させる。これにより、ゴム部材を引き伸ばし、或いは圧縮して変形させ、その単位長さ当たりの重量が目標値になるように調整する。
ところが、この調整時に、ゴム部材は変形して形状(断面形状)が変化するものの、従来の製造装置では、このゴム部材の形状変化に関しては配慮しないため、重量調整後のゴム部材の形状が、その変形量や変形態様等によっては、元の押出形状から大きく変化することがある。その結果、製造したゴム部材の形状精度が低下し、目標形状(設計形状)からのずれが大きくなる恐れがある。
特開平6−182854号公報 特開平6−344411号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、押出成型して搬送するゴム部材の形状を調整可能にし、製造するゴム部材の形状と目標形状との差を低減して、その形状精度を向上させることである。
本発明は、ゴム部材を押出成型する押出機と、該押出成型されたゴム部材を順次搬送する少なくとも2つのコンベヤと、を備えたゴム部材の製造装置であって、少なくとも1つの前記コンベヤの回転駆動軸に設けられ、該回転駆動軸を拡縮径させて前記コンベヤ間の相対搬送速度比を変更させる拡縮径機構と、前記搬送するゴム部材の形状を測定する測定手段と、該測定手段による測定形状と該ゴム部材の目標形状とを比較する手段と、該比較結果に基づいて前記拡縮径機構により前記回転駆動軸を拡径又は縮径させ、前記コンベヤ間の相対搬送速度比を変更して前記搬送するゴム部材の形状を調整する手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、押出成型したゴム部材を少なくとも2つのコンベヤで順次搬送するゴム部材の製造方法であって、前記搬送するゴム部材の形状を測定する工程と、該ゴム部材の測定形状と該ゴム部材の目標形状とを比較する工程と、該比較結果に基づいて、少なくとも1つの前記コンベヤの回転駆動軸を拡径又は縮径させ、前記コンベヤ間の相対搬送速度比を変更して前記搬送するゴム部材の形状を調整する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、押出成型して搬送するゴム部材の形状が調整可能となり、製造するゴム部材の形状と目標形状との差を低減して、その形状精度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のゴム部材の製造装置及び製造方法は、連続して押出成型するゴム部材の形状(断面形状)を、その製造工程においてオンラインで測定して調整する装置及び方法である。以下では、未加硫ゴムを押出成型してタイヤの製造に使用するトレッドゴムやサイドウォールゴム等のゴム部材(タイヤ構成部材)を製造する場合を例に採り説明する。
図1は、本実施形態のゴム部材の製造装置の概略構成を示す要部構成図であり、その側方から見た要部を模式的に示している。
このゴム部材の製造装置1は、図示のように、ゴム部材Bを押出成型する押出機10と、押出成型されたゴム部材Bを順次搬送する少なくとも2つ(ここでは2つ)のコンベヤ20、30と、装置全体を制御する制御装置40と、を備えている。
押出機10は、略円筒状のシリンダ11と、その内部に収納された螺旋状のフライトを有するスクリュ12と、スクリュ12を所定速度で回転させるモータ13と、シリンダ11等を加熱して機体内部のゴムを所定温度に加熱する加熱手段(図示せず)と、を備えている。また、押出機10は、シリンダ11の一端側(ゴム押出後端部側)の側面に設けられた原料ゴムG等をシリンダ11内に投入するためのホッパ14と、シリンダ11の他端側(ゴム押出先端部側)のゴム吐出口に取り付けられた口金15等を備えている。この押出機10では、ホッパ14から投入される原料ゴムG等を、回転するスクリュ12により、ゴム吐出口側に螺旋状に移送しながらシリンダ11内で混練・加熱し、口金15に向かって所定量ずつ供給する。このゴムを、口金15に形成された開口部から押し出して、その断面形状に応じた断面形状に成型し、未加硫のゴム部材Bを、例えば帯状やシート状等の所定形状に連続して押出成型する。
コンベヤ20、30は、押出成型されたゴム部材Bを次工程等に向かって搬送するための搬送手段であり、ここでは、押出機10に隣接して配置された第1のコンベヤ20及び、そのゴム搬送下流側に隣接して配置された第2のコンベヤ30からなる。これらコンベヤ20、30は、ゴム部材Bを同一方向に連続搬送すべく、ゴム部材Bの搬送経路に沿って直線状に配置され、押出機10からのゴム部材Bが第1のコンベヤ20の上面に向かって押し出される。この押出成型されたゴム部材Bは、最初に第1のコンベヤ20により搬送され、続いて、第2のコンベヤ30上に移し替えられて、これらにより順次移動して連続して搬送(図1の矢印参照)される。
具体的には、これら各コンベヤ20、30は、それぞれ、一対の回転駆動軸21、31及び回転従動軸22、32を含む、互いに略平行に配置された複数(ここでは2つ)の回転可能な軸(プーリ)と、それらの間に略水平状態に架け渡された無端状のベルト23、33等から構成されている。また、各コンベヤ20、30には、それぞれの回転駆動軸21、31を回転させるモータ等からなる回転駆動手段(図示せず)が各々設けられており、これにより各ベルト23、33が、それぞれ独立して循環駆動される。このようにして、コンベヤ20、30は、押出機10による押出成型に同期して、ベルト23、33の上面上に載せられたゴム部材Bを移動させ、後述するように、押出機10による押出成型速度等に応じて、それぞれ同じか又は異なる所定速度で搬送する。
制御装置40は、装置全体の制御を行う制御手段であり、例えば、各種のデータ処理や解析、演算等を行う中央演算処理装置(CPU)41や、各種の制御プログラム等を格納するROM42、及びCPU41の処理用データ等を一時的に格納するRAM43等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。また、制御装置40は、外部機器(装置)との接続のためのインターフェース(図示せず)等を有し、それらを介して、以上説明した押出機10やコンベヤ20、30等の装置各部や、それらに設置された制御に必要な各種センサ等が接続され、それらとの間で制御信号を含む各種信号(データ)を送受信する。
これにより、制御装置40は、所定のプログラムに基づいて接続された各部を予め設定されたタイミングで関連動作させる等、装置各部を連動して作動させ、上記した押出機10によるゴム部材Bの押出成型や、そのコンベヤ20、30による搬送動作を含むゴム部材Bの製造動作(工程)等を実行させる。また、この制御装置40には、搬送中のゴム部材Bの重量を測定する重量測定手段50と、ゴム部材Bの形状を測定する形状測定手段60とが接続されている。
重量測定手段50は、搬送されるゴム部材Bの単位長さ当たりの重量(以下、単位重量という)を連続して測定可能な連秤計であり、ここでは、第2のコンベヤ30のベルト33に沿って配置されている。その位置で、重量測定手段50は、第2のコンベヤ30上に載せられて搬送させるゴム部材Bの単位重量を連続的に又は所定時間毎に測定し、単位重量の測定値(実測値)を制御装置40に出力する。
形状測定手段60は、コンベヤ20、30により搬送するゴム部材Bの形状を測定して取得するための装置であり、この製造装置1では、第2のコンベヤ30の上方に、その上面に向かって配置され、第2のコンベヤ30上を移動するゴム部材Bの形状を測定する。その際、この形状測定手段60は、ゴム部材Bの長手方向(搬送方向)に略直行する幅方向の全体の外形形状又は断面形状を連続的に、又は所定時間毎に測定し、その測定結果(ゴム部材Bの測定形状(実測形状))を制御装置40に出力する。
また、この形状測定手段60は、ゴム部材Bの形状を非接触で測定する周知の非接触測定手段であり、本実施形態では、ゴム部材Bに対して上方から一次元レーザ光を照射するレーザ照射手段等の投光手段61と、その反射光を撮影するCCD(Charge Coupled Device)カメラ等の撮影手段62等から構成されている。ここでは、この形状測定手段60の撮影手段62による撮影結果に基づき、ゴム部材Bの形状(ここでは断面形状)を、いわゆる光切断法を利用してオンラインで測定及び出力する。これにより、制御装置40は、ゴム部材Bの形状情報やその変化をリアルタイムで取得して収集する。
なお、光切断法は、投光手段61から被測定物(ここでは第2のコンベヤ30上のゴム部材B)の表面にスリット光等の光を照射し、その照射箇所からの反射光を撮影手段62で撮影して、その画素データを演算処理することで被測定物の断面形状を算出して測定する方法である。この光切断法では、これら投光手段61と撮影手段62を1組、又はゴム部材Bを挟んで上下方向に2組、或いは、その周囲に沿って複数組配置して、その画素データを制御装置40により演算処理して解析し、ゴム部材Bの形状を取得する。
制御装置40は、これら各測定手段50、60による単位重量と形状の各測定結果に基づき、コンベヤ20、30の各ベルト23、33の循環速度比を相対的に変更し、それらの搬送速度に差を設ける。これにより、コンベヤ20、30間の互いのゴム部材を搬送する相対搬送速度比(いわゆるドロー比)を変化させ、搬送するゴム部材Bの重量や形状を調整する制御も実行する。その際、本実施形態では、少なくとも1つのコンベヤ20、30の回転駆動軸21、31に、外径を連続して変化させる拡縮径機構を設け、これにより、同機構が設けられた回転駆動軸21、31を拡縮径させて、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を変更させるようになっている。また、ここでは、この拡縮径機構を、第2のコンベヤ30の回転従動軸32と対向して配置された、第1のコンベヤ20のゴム搬送下流側に位置する回転駆動軸21に設けている。
図2は、この拡縮径機構21Kが設けられた回転駆動軸21付近を拡大して模式的に示す斜視図であり、回転駆動軸21が縮径した状態を点線で、拡径した状態を実線でそれぞれ概略的に示している。
この製造装置1では、図示のように、回転駆動軸21を、その外周部を構成し、周方向に略等間隔に分割された径方向に移動可能な複数のセグメント21Sと、各セグメント21Sを径方向の内外方向に同期して放射状に移動させるための複数組のリンク機構(図示せず)等から構成している。また、これらリンク機構を駆動して連動して作動させ、複数のセグメント21Sを拡縮径方向に移動させるためのモータやエアシリンダ等からなる駆動源及び、その駆動力をリンク機構に伝達する伝達機構等から構成される周知の駆動手段を備え、これらにより拡縮径機構21Kを構成している。
製造装置1は、この拡縮径機構21Kを作動させて複数のセグメント21Sを同期して移動させ、それらを拡径位置(図2の実線位置)と縮径位置(図2の点線位置)間の任意の位置に配置する。これにより、回転駆動軸21を所定量だけ拡縮径(ここでは、数%程度拡縮径)させて、その外径を変化させる。また、この回転駆動軸21に架け渡されたベルト23は、ゴム等の伸縮性のある素材から形成されており、回転駆動軸21の拡縮径に応じて、その拡縮径量に対応する長さだけ、全体の長さが連続して変化するようになっている。
その結果、第1のコンベヤ20は、回転駆動軸21を一定の角速度(回転数)で回転駆動させつつ、拡縮径機構21Kを作動させて回転駆動軸21を拡径させることで、その外周部における周方向速度が速くなり、ベルト23の循環駆動速度及び、その上面上のゴム部材Bの搬送速度が速くなる。一方、回転駆動軸21を同状態で縮径させることで、その外周部の周方向速度が遅くなり、ベルト23の循環駆動速度及びゴム部材Bの搬送速度が遅くなる。製造装置1は、このようにして、制御装置40により制御して回転駆動軸21を拡縮径させ、第1のコンベヤ20によるゴム部材Bの搬送速度を任意の速度に変更し、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を変更制御する。
ここで、押出成型されたゴム部材Bは、隣り合う2つのコンベヤ20、30により順次搬送されるため、それらの搬送速度が異なると、ゴム部材Bには、互いに対向する各軸21、32間の位置で、第1のコンベヤ20を離れて第2のコンベヤ30上に移動する間に引張力又は圧縮力が作用する。本実施形態では、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を上記のように変更制御し、搬送するゴム部材Bにコンベヤ20、30間の位置で引張力又は圧縮力を作用させ、同位置のゴム部材Bを引張又は圧縮変形させて、その重量や形状の調整を行う。
即ち、この製造装置1では、ゴム部材Bの調整すべき部分がコンベヤ20、30間に位置する間に、回転駆動軸21を拡径(図2の実線参照)させ、ゴム部材Bの第2のコンベヤ30による搬送速度に対して、第1のコンベヤ20による搬送速度を相対的に速くする。これにより、ゴム部材Bに、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比に応じた圧縮力を作用させて、同位置のゴム部材Bを圧縮方向に変形させ、その厚さや幅を増加させて断面形状を大きくする等して形状を調整し、或いは、単位重量を重くして重量を調整する。また、逆に、回転駆動軸21を縮径(図2の点線参照)させ、第2のコンベヤ30に対して第1のコンベヤ20によるゴム部材Bの搬送速度を相対的に遅くする。これにより、ゴム部材Bに、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比に応じた引張力を作用させ、同位置のゴム部材Bを引張方向に変形させ、その厚さや幅を低減させて断面形状を小さくする等して形状を調整し、或いは、単位重量を軽くして重量を調整する。
その際、例えばゴム部材Bの単位重量を調整する場合には、制御装置40により、重量測定手段50により取得した単位重量の測定値と、予め設定された単位重量の目標値とを比較し、その差を取得する。この差に応じて、制御装置40により制御してコンベヤ20、30間の相対搬送速度比を変更し、搬送中のゴム部材Bを上記したように変形させ、これらを繰り返して、製造するゴム部材Bの単位重量をフィードバック制御する。
一方、ゴム部材Bの形状を調整する場合には、制御装置40により、形状測定手段60により測定した搬送中のゴム部材Bの測定形状と、ゴム部材Bの予め設定された目標形状(設計形状)とを比較する。また、この比較結果に基づいて回転駆動軸21の拡縮径機構21Kを駆動し、これにより回転駆動軸21を拡径又は縮径させて、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を所定の割合だけ変更し、搬送するゴム部材Bに引張力又は圧縮力を作用させる。この力でゴム部材Bを変形させてゴム部材Bの形状を上記したように調整し、この形状の測定及び相対搬送速度比の変更を、連続して又は所定時間間隔で繰り返してフィードバックループを形成する。
このように、制御装置40により、ゴム部材Bの形状が目標形状になるようにフィードバック制御して調整し、その形状をゴム部材Bの製造工程において、オンラインで調整制御する。その際、この製造装置1では、搬送中のゴム部材Bの測定形状と目標形状との差を比較算出して差分を抽出して取得し、この両形状の差に応じて拡縮径機構21Kの駆動量を制御して回転駆動軸21を拡径又は縮径させる。これにより、コンベヤ20、30間の相対速度比を、搬送するゴム部材Bの断面形状や外形形状等の形状が対応する目標形状に近づく方向に変更して、ゴム部材Bを引張又は圧縮し、ゴム部材Bを変形させてその形状を調整する。従って、制御装置40は、形状測定手段60や回転駆動軸21の拡縮径機構21K等と共に、上記したゴム部材Bの形状を比較や調整等する各手段を構成している。
なお、回転駆動軸21の拡縮径量及び、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比の変更量は、例えば回転駆動軸21の外径や外周の変化量、及びゴム部材Bの測定形状と目標形状との差との関係から決定される関係式等の予め設定される条件等に基づき、制御装置40により決定される。或いは、この拡縮径量や相対搬送速度比の変更量は、例えば、ゴム部材Bの測定形状と目標形状との差に応じて、増減すべき第1のコンベヤ20による搬送速度との関係を予め決定し、その速度制御テーブルを制御装置40のメモリ(記憶手段)に格納して利用するようにしてもよい。この場合には、制御装置40が、速度制御テーブルから上記差に応じた搬送速度を読み出し、これに基づいて回転駆動軸21を拡径又は縮径させて、第1のコンベヤ20によるゴム部材Bの搬送速度を変更制御する。
次に、このゴム部材の製造装置1により、形状を調整しつつゴム部材Bを製造する手順や動作及び、製造方法について説明する。
図3は、ゴム部材Bの製造手順を示すフローチャートである。
この製造装置1では、まず、図示のように、押出機10によりゴム部材Bを連続して押出成型し(S101)、押出成型したゴム部材Bを少なくとも2つ(ここでは2つ)のコンベヤ20、30で順次搬送する(S102)。
この搬送するゴム部材Bの形状を、第2のコンベヤ30上において形状測定手段60により測定し(S103)、その測定結果を制御装置40に出力する。続いて、制御装置40により、ゴム部材Bの測定形状とゴム部材Bの予め設定された目標形状とを比較する(S104)。次に、この形状の比較結果に基づいて、拡縮径機構21Kを作動させて第1のコンベヤ20の回転駆動軸21を所定量だけ拡径又は縮径させ、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を変更して(S105)、搬送するゴム部材Bに引張力又は圧縮力を作用させる。これにより、ゴム部材Bを、上記したように所定量だけ変形させて形状の調整を行い、ゴム部材Bの形状が目標形状になるようにフィードバック制御する。
その際、ここでは、ゴム部材Bの測定形状と目標形状との差に応じて、回転駆動軸を拡径又は縮径させ、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を、搬送するゴム部材Bの形状が目標形状に近づく方向に変更して所定の比率に調整する。これにより、搬送するゴム部材Bを引張又は圧縮して、その形状を調整する。また、両形状の差が所定範囲内であるときには、相対搬送速度比を変更せずに、ゴム部材Bのコンベヤ20、30による搬送を継続する。その後、ゴム部材Bの製造が終了するまで上記した各工程を繰り返し(S106、NO)、ゴム部材Bの製造終了により(S106、YES)、処理を終了させる。
以上説明したように、本実施形態のゴム部材の製造装置1では、ゴム部材Bの測定形状と目標形状との比較結果に基づき、拡縮径機構21Kにより回転駆動軸21を拡径又は縮径させて、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を、ゴム部材Bの形状が目標形状になるように変更制御する。これにより、ゴム部材Bの単位重量に加えて、押出成型して搬送するゴム部材Bの形状をオンライン上で調整でき、フィードバック制御を繰り返して、例えば、その形状の数%程度の微調整が可能となる。その結果、製造するゴム部材Bの形状と目標形状との差(ずれ)を低減して、その形状精度を向上させることができる。また、ここでは、ゴム部材Bの測定形状と目標形状との差に応じて、回転駆動軸21を拡径又は縮径させ、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を変更して、ゴム部材Bの形状が目標形状に近づくように引張又は圧縮させるため、その形状の調整をより正確かつ高精度に行うことができる。
ここで、本実施形態では、回転駆動軸21に1つの拡縮径機構21Kを設けたが、回転駆動軸21の軸線方向(コンベヤ幅方向)に沿って複数(2以上)の拡縮径機構21Kを設け、それらを独立して作動させてゴム部材Bの形状の調整を行うようにしてもよい。
図4は、このように回転駆動軸21に複数の拡縮径機構21Kを設けた例を模式的に示す斜視図であり、図2に対応して回転駆動軸21付近を拡大して概略的に示している。
ここでは、図示のように、回転駆動軸21の軸線方向に沿って、互いに独立して作動する複数(ここでは3つ)の拡縮径機構21Kが取り付けられ、それらが一体に回転するようになっている。また、回転駆動軸21に架け渡されたベルト23も、拡縮径機構21Kの数に応じて幅方向に分割され、それぞれ拡縮径機構21K毎に架け渡されて、各位置の回転駆動軸21の回転に応じて循環駆動される。この拡縮径機構21Kは、それぞれが上記と同様に構成され、制御装置40により各々の駆動手段(図示せず)が制御されて駆動され、第1のコンベヤ20の幅方向の各位置で、回転駆動軸21を互いに独立に拡縮径させる。
このように、制御装置40は、複数の拡縮径機構21Kを独立制御して、それらが取り付けられた回転駆動軸21の各取付範囲の外径を拡縮径させ、同範囲毎に、第2のコンベヤ30に対する第1のコンベヤ20の搬送速度を変更制御する。その際、制御装置40は、ゴム部材Bの測定形状と目標形状とを比較し、その比較結果に基づいて、各拡縮径機構21Kにより回転駆動軸21を軸線方向の複数箇所でそれぞれ互いに独立して拡径又は縮径させる。これにより、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比を、複数の拡縮径機構21Kの配置位置毎に変更して、搬送するゴム部材Bの形状を調整する。
より具体的には、制御装置40は、ゴム部材Bの測定形状と目標形状との差を、各拡縮径機構21Kに対応する範囲毎に取得し、その各差に応じて、それぞれ拡縮径機構21Kを所定量ずつ拡径又は縮径させ、同範囲毎にコンベヤ20、30間の相対搬送速度比を変更制御する。これにより、ゴム部材Bの形状を各拡縮径機構21Kの位置毎にそれぞれ変化させて微調整する。即ち、例えばゴム部材Bの中央部の測定形状が目標形状に対して大きく(厚く)、その付近の形状のみを調整する必要があるときには、上記と同様に、回転駆動軸21の中央部の拡縮径機構21Kを作動させて同範囲の外径を変更する。その際、回転駆動軸21の両側部の拡縮径機構21Kは変化させずに、その範囲の外径は変更せず、ゴム部材Bの中央部付近を中心に変形させて、その全体形状が目標形状になるようにフィードバック制御して調整する。
このようにすることで、搬送するゴム部材Bの形状を、その幅方向に分割した複数の範囲毎に変化させて、より適切かつ正確な調整が可能となり、製造後のゴム部材Bの形状と目標形状との差を一層低減して、その形状精度を更に向上させることができる。なお、1つの回転駆動軸21に対する拡縮径機構21Kの設置数や、配置間隔等の設置条件は、必要とされるゴム部材Bの形状調整可能幅や能力、又は性能等により適宜設定される。
以上、拡縮径機構21Kを、第1のコンベヤ20に設けた各例を説明したが、その替わりに、同様の拡縮径機構21Kを、第2のコンベヤ30側に設けて、コンベヤ20、30間の相対搬送速度比の変更制御を行ってもよい。また、両コンベヤ20、30の回転駆動軸21、31に拡縮径機構21Kを設け、両コンベヤ20、30のゴム部材Bの搬送速度を共に、又は、必要に応じて何れか一方を変更して、相対搬送速度比を変更制御するようにしてもよい。
更に、ここでは、第2のコンベヤ30上のゴム部材Bの形状を測定したが、第1のコンベヤ20上において、ゴム部材Bの形状を測定してもよい。この場合には、測定位置のゴム部材Bが、コンベヤ20、30間に位置するタイミングで、形状の比較結果等に基づいて相対搬送速度比を変更し、上記と同様にゴム部材Bの形状を調整するようにしてもよい。加えて、本実施形態では、2つのコンベヤ20、30により、ゴム部材Bの形状を調整しつつ搬送したが、3つ以上のコンベヤによりゴム部材Bを順次搬送しつつ、それらの相対搬送速度比を互いに変更等して、ゴム部材Bの形状を多段階で調整してもよい。
本実施形態のゴム部材の製造装置の概略構成を示す要部構成図である。 本実施形態の拡縮径機構が設けられた回転駆動軸付近を拡大して模式的に示す斜視図である。 本実施形態のゴム部材の製造手順を示すフローチャートである。 回転駆動軸に複数の拡縮径機構を設けた例を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
1・・・ゴム部材の製造装置、10・・・押出機、11・・・シリンダ、12・・・スクリュ、13・・・モータ、14・・・ホッパ、15・・・口金、20・・・第1のコンベヤ、21・・・回転駆動軸、21K・・・拡縮径機構、21S・・・セグメント、22・・・回転従動軸、23・・・ベルト、30・・・第2のコンベヤ、31・・・回転駆動軸、32・・・回転従動軸、33・・・ベルト、40・・・制御装置、41・・・CPU、42・・・ROM、43・・・RAM、50・・・重量測定手段、60・・・形状測定手段、61・・・投光手段、62・・・撮影手段、B・・・ゴム部材、G・・・原料ゴム。

Claims (6)

  1. ゴム部材を押出成型する押出機と、該押出成型されたゴム部材を順次搬送する少なくとも2つのコンベヤと、を備えたゴム部材の製造装置であって、
    少なくとも1つの前記コンベヤの回転駆動軸に設けられ、該回転駆動軸を拡縮径させて前記コンベヤ間の相対搬送速度比を変更させる拡縮径機構と、
    前記搬送するゴム部材の形状を測定する測定手段と、
    該測定手段による測定形状と該ゴム部材の目標形状とを比較する手段と、
    該比較結果に基づいて前記拡縮径機構により前記回転駆動軸を拡径又は縮径させ、前記コンベヤ間の相対搬送速度比を変更して前記搬送するゴム部材の形状を調整する手段と、
    を備えたことを特徴とするゴム部材の製造装置。
  2. 請求項1に記載されたゴム部材の製造装置において、
    前記調整する手段は、前記ゴム部材の測定形状と前記目標形状との差に応じて前記回転駆動軸を拡径又は縮径させ、前記コンベヤ間の相対搬送速度比を変更して前記搬送するゴム部材を引張又は圧縮する手段であることを特徴とするゴム部材の製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたゴム部材の製造装置において、
    前記回転駆動軸の軸線方向に沿って互いに独立して作動する複数の前記拡縮径機構を有し、
    前記調整する手段が、前記各拡縮径機構により前記回転駆動軸を軸線方向の複数箇所でそれぞれ拡径又は縮径させ、前記コンベヤ間の相対搬送速度比を前記各拡縮径機構の位置毎に変更して前記搬送するゴム部材の形状を調整することを特徴とするゴム部材の製造装置。
  4. 押出成型したゴム部材を少なくとも2つのコンベヤで順次搬送するゴム部材の製造方法であって、
    前記搬送するゴム部材の形状を測定する工程と、
    該ゴム部材の測定形状と該ゴム部材の目標形状とを比較する工程と、
    該比較結果に基づいて、少なくとも1つの前記コンベヤの回転駆動軸を拡径又は縮径させ、前記コンベヤ間の相対搬送速度比を変更して前記搬送するゴム部材の形状を調整する工程と、
    を有することを特徴とするゴム部材の製造方法。
  5. 請求項4に記載されたゴム部材の製造方法において、
    前記調整する工程は、前記ゴム部材の測定形状と前記目標形状との差に応じて前記回転駆動軸を拡径又は縮径させ、前記コンベヤ間の相対搬送速度比を変更して前記搬送するゴム部材を引張又は圧縮する工程であることを特徴とするゴム部材の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載されたゴム部材の製造方法において、
    前記調整する工程が、前記回転駆動軸を軸線方向の複数箇所で互いに独立して拡径又は縮径させ、前記コンベヤ間の相対搬送速度比を前記複数箇所毎に変更して前記搬送するゴム部材の形状を調整することを特徴とするゴム部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101268377B1 (ko) 2010-12-30 2013-05-28 금호타이어 주식회사 트레드 압출물 이송 장치
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