JP2023061105A - 環状ゴム部材の製造方法および装置 - Google Patents

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Yuta Takanashi
謙介 松村
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Abstract

【課題】ゴムストリップ材をドラム体に巻き付けて形成される環状ゴム部材を、質量バラつきを抑制して精度よく目標質量にして製造できる製造方法および装置を提供する。【解決手段】未加硫のゴムストリップ材Sを押出機2から押出してからダンサー経路6を通過させて搬送してドラム体9に巻き付けるまでに要する搬送時間CTの目標範囲ARを予め設定しておき、ゴムストリップ材Sの押出速度Vに応じて、制御部10によって搬送駆動ローラ5a、5b、5c、5dの回転速度を制御してダンサー経路6の長さLを調整することにより、搬送時間CTを目標範囲ARに維持してゴムストリップ材Sをドラム体9に巻付けて環状ゴム部材Rcを製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、環状ゴム部材の製造方法および装置に関し、さらに詳しくは、ゴムストリップ材をドラム体に巻き付けて形成される環状ゴム部材を、質量バラつきを抑制して精度よく目標質量にして製造できる製造方法および装置に関するものである。
タイヤなどのゴム製品の製造工程では、押出機によって押出された未加硫のゴムストリップ部材が使用されることがある(例えば、特許文献1参照)。このゴムストリップ材は、押出機の前端部の押出流路(ダイなど)を通過する際に、所定形状に型付けされる。
未加硫ゴムは、ダイの拘束から解放されると、幅方向および厚さ方向に膨張して長手方向に収縮する特性(以下、スウェルという)がある。このスウェルは、型付けされた未加硫ゴムに残存していた歪エネルギ(残留応力)が、未加硫ゴムを型付けされる前の状態に戻そうとするために生じる。このスウェルに起因して、押出された直後ではゴムストリップ材の断面形状は経時的に変化し、これに伴い、単位長さ当たりの質量も変化する。
ゴムストリップ材が空中移動するダンサー経路では、このスウェルに起因してゴムストリップ材の単位長さ当たりの質量は特に変動し易くなる。そして、ゴムストリップ材の押出速度(搬送速度)が変化した場合にダンサー経路の長さが不変であると、ダンサー経路の通過に要する時間が変化するので、残留応力に起因するゴムストリップ材の単位長さ当たりの重量のバラつきは大きくなる。その結果、ゴムストリップ材をドラム体に巻き付けて製造された環状ゴム部材の質量にもバラつきが生じる。それ故、質量バラつきを抑制して精度よく目標質量にした環状ゴム部材を製造するには改善の余地がある。
特開2014-58064号公報
本発明の目的は、ゴムストリップ材をドラム体に巻き付けて形成される環状ゴム部材を、質量バラつきを抑制して精度よく目標質量にして製造できる製造方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の環状ゴム部材の製造方法は、押出機から押出された未加硫のゴムストリップ材を、ダンサー経路を通過させて搬送してドラム体に巻き付けて環状に形成する環状ゴム部材の製造方法において、前記ゴムストリップ材を前記押出機から押出してから前記ドラム体に巻付けるまでに要する搬送時間の目標範囲が予め設定されていて、前記ゴムストリップ材の押出速度に応じて前記ダンサー経路の長さを制御することにより、前記搬送時間を前記目標範囲に維持して前記ゴムストリップ材を前記ドラム体に巻付けることを特徴とする。
本発明の環状ゴム部材の製造装置は、未加硫のゴムストリップ材を押出す押出機と、前記ゴムストリップ材が巻き付けられて環状に形成されるドラム体と、前記押出機と前記ドラム体との間に配置されるダンサー経路と、前記ダンサー経路に配置されて前記ゴムストリップ材を前記押出機から前記ダンサー経路を通過させて前記ドラム体に搬送する搬送駆動部と、制御部とを備えた環状ゴム部材の製造装置において、前記ゴムストリップ材を前記押出機から押出してから前記ドラム体に巻付けるまでに要する搬送時間の目標範囲が予め設定されていて、前記ゴムストリップ材の押出速度に応じて前記制御部により前記ダンサー経路の長さが制御されることにより、前記搬送時間を前記目標範囲に維持して前記ゴムストリップ材が前記ドラム体に巻付けられる構成にしたことを特徴とする。
本発明によれば、ゴムストリップ材の押出速度に応じてダンサー経路の長さを制御することにより、ゴムストリップ材を押出機から押出してからドラム体に巻付けるまでに要する搬送時間を目標範囲に維持するので、押出速度に拘わらず搬送時間のバラつきが抑制される。その結果、押出直後のスウェルに起因する搬送中のゴムストリップ材の変形具合のバラつきが抑制される。これに伴い、質量バラつきを抑制して精度よく目標質量にした環状ゴム部材を製造するには有利になる。
本発明の環状ゴム部材の製造装置の実施形態を側面視で例示する説明図である。 図1の製造装置を平面視で例示する説明図である。 製造された環状ゴム部材を横断面視で例示する説明図である。 図1のダンサー経路を短くした状態を例示する説明図である。 ゴムストリップ材の押出速度とダンサー経路の長さとの関係を例示するグラフ図である。 環状ゴム部材が形成されている別のドラム体を左半分の断面視で例示する説明図である。 図6のドラム体を側面視で示す説明図である。
以下、本発明の環状ゴム部材の製造方法および装置を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1~図2に例示する環状ゴム部材の製造装置1の実施形態では、押出機2から押出された未加硫のゴムストリップ材Sがドラム体9に巻き付けられて所望の断面形状を有する環状ゴム部材Rcが製造される。この環状ゴム部材Rcとは、筒状のゴム部材も含む概念である。この製造装置1は、ゴムストリップ材Sを押出す押出機2と、ドラム体9と、押出機2とドラム体9との間に形成されるダンサー経路6と、ダンサー経路6に配置される搬送駆動部5と、制御部10とを備えている。
この実施形態では製造装置1はさらに、位置センサ7と搬送コンベヤ8とを有している。図面の左右方向(押出機2とドラム体9との離間方向)が製造装置1における前後方向であり、図面の左側、右側がそれぞれ製造装置1における前方、後方になる。
押出機2は、筒状のシリンダ2aと、シリンダ2aの内部に配置されるスクリュー2bと、シリンダ2aの前端に設置されるヘッド2cとを備えている。ヘッド2cの前端には着脱自在にダイ3が取り付けられている。ダイ3には前後方向に連通する押出流路4が形成されている。押出流路4はシリンダ2aの内部に連通している。尚、押出機2としては公知の様々な仕様のものを用いることができ、例えばヘッド2cにギヤポンプを備えた仕様でもよい。
シリンダ2aの内部に投入された未加硫ゴムRは、駆動モータによって回転駆動されるスクリュー2bによってシリンダ2aの内部で前方に送られつつ粘度を低くされる(可塑化される)。この未加硫ゴムRが押出流路4を通過することで型付けされ、ダイ3の前端面に開口している押出流路4の出口からゴムストリップ材Sとして押出される。
押出流路4の断面形状によってゴムストリップ材Sの断面形状の概要が確定される。ゴムストリップ状Sの断面形状は特に限定されず、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状、その他の多角形状など、所望形状が採用される。ゴムストリップ材Sの幅寸法(直径寸法)は例えば、5mm~30mm程度である。ダイ3はヘッド2cに着脱自在なので、製造するゴムストリップ材Sの断面形状に応じて、対応する断面形状の押出流路4が形成されているダイ3がヘッド2cに装着される。
押出機2とドラム体9との間には搬送駆動部5と搬送コンベヤ8が順に配置されている。ダイ3により型付けされたゴムストリップ材Sを押出機2からダンサー経路6を通過させてドラム体9に搬送する。この実施形態では、搬送駆動部5としてゴムストリップ材Sを支持して搬送する搬送駆動ローラ5a、5b、5c、5dが採用されている。これら搬送駆動ローラ5a~5dは、載置されているゴムストリップ材Sを横断する方向に延在している。即ち、搬送駆動ローラ5a~5dの軸心の延在方向とゴムストリップ材Sの延在方向とは直交している。
それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dの回転速度は制御部10によって制御される。搬送駆動ローラ5a~5dの数は4個に限らず適切な数に適宜決定され、例えば2個~5個程度であり、3個以上が好ましい。
この実施形態ではダンサー経路6は、押出機2と搬送コンベヤ8の間に形成されていて、搬送駆動部5はダンサー経路6に配置されている。それぞれの搬送駆動ローラ5a、5b、5c、5d、搬送コンベヤ8は、押出機2とドラム体9の間に、前後方向に離間して順に配列されている。
搬送駆動ローラ5a、5b、5c、5d、搬送コンベヤ8にはゴムストリップ材Sが載置されて、これら隣り合うどうしの間にゴムストリップ材Sは架け渡されて自重によって垂れ下がった状態になる。ゴムストリップ材Sのこの垂れ下がった部分が、環状ゴム部材Rcの製造ラインでのゴムストリップ材Sの余長になる。
ダンサー経路6の長さLとは、ダンサー経路6に存在しているゴムストリップ材Sの長さである。即ち、ダイ3の前端面から搬送コンベヤ8の後端までの間におけるゴムストリップ材Sの延在長さがダンサー経路6の長さLである。
それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dの回転速度を制御することで、ダンサー経路6に存在するゴムストリップ材Sの長さは変化する。即ち、制御部10によって搬送駆動部5の動きを制御することでダンサー経路6の長さLは変化して、所望長さにすることが可能になっている。
搬送駆動ローラ5a、5b、5c、5d、搬送コンベヤ8の隣り合うどうしの間の上方位置には位置センサ7が配置されている。それぞれの位置センサ7は、それぞれの設置位置から下方に存在しているゴムストリップ材Sまでの離間距離(上下離間距離)を検知する。それぞれの位置センサ7による検知データは制御部10に入力される。
位置センサ7としては、ゴムストリップ材Sに非接触でゴムストリップ材Sまでの離間距離を検知できるセンサが好ましい。例えば、公知の種々のレーザ距離センサや光距離センサなどを位置センサ7として用いることができる。
それぞれの位置サンサ7、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dの設置位置は既知なので、これらの設置位置のデータは制御部10に入力されている。それぞれの位置センサ7によって下方に存在しているゴムストリップ材Sまでの離間距離が検知されることで、これら検知データに基づいて、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dからのゴムストリップ材Sの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4が制御部10により算出される。
また、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dの外径、搬送コンベヤ8のプーリの外径、搬送コンベヤ8の設置位置も既知なので、これらの外径のデータ、搬送コンベヤ8の設置位置も制御部10に入力されている。それ故、制御部10に入力されているこれらデータと、算出された垂れ下がり量h1、h2、h3、h4とに基づいて、ダンサー経路6の長さLが制御部10によって逐次算出される構成になっている。
搬送コンベヤ8は載置されたゴムストリップ材Sを前方に搬送する。搬送コンベヤ8はゴム製や樹脂製のコンベヤベルトを備えたタイプなど、公知の種々のタイプを採用することができる。
ドラム体9は、ゴムストリップ材Sが巻き付けられて環状に形成される。この実施形態では、円筒状のドラム体9の外周面に、ゴムストリップ材Sが圧着ローラなどを用いて巻き付けられる。ドラム体9の外周面に既に巻き付けられている別の部材の外周面にゴムストリップ材Sが巻き付けられることもある。したがって、ゴムストリップ材Sは、ドラム体9の外周面に直接または間接的に巻き付けられる。ドラム体9は、グリーンタイヤの成形に一般的に使用される円筒形状の成形ドラムに限らず、完成した加硫済みタイヤの内周面と同じプロファイルの外周面を有する剛性コアの場合もある。
ドラム体9にはスライド機構9aが接続されている。この実施形態では、油圧シリンダなどのアクチュエータがスライド機構9aとして用いられている。スライド機構9aのシリンダロッドが進退することで、ドラム体9はドラム幅方向にスライドする。スライド機構9aは回転中のドラム体9をスライドさせる。このドラム体9では、ゴムストリップ材Sが螺旋状に巻付けられて環状ゴム部材Rcが製造される。
ドラム体9をドラム幅方向にスライドさせずに搬送コンベヤ8をスライドさせても、ドラム体9と搬送コンベヤ8の両方をスライドさせてもよい。尚、搬送コンベヤ8をスライドさせる場合は、例えば、回転駆動ローラ5a~5d、押出機2および位置センサ7を搬送コンベヤ8と同期してスライドさせる。
制御部10としてはコンピュータが用いられる。制御部10は搬送駆動部5および搬送コンベヤ8の動きを制御する。また、この制御部10によりドラム体9の動きを制御する構成にすることもでき、さらに押出機2の動きも制御する構成にすることもできる。ドラム体9および押出機2の動きは、この制御部10とは別の制御部によって制御することもできる。
制御部10には、上述した種々のデータやその他の必要なデータが入力され、これらデータを用いて制御部10は演算処理を行う。制御部10には押出速度Vのデータも入力される。この押出速度Vはヘッド2cやダイ3を通過する未加硫ゴムRの流速を直接または間接的に検知されたものであり、例えばヘッド圧力やスクリュー2bの回転数、ギヤポンプを備えた押出機2であればギヤポンプの回転数のデータなどを用いて検知することができる。
次に、本発明による環状ゴム部材の製造方法の手順の一例を説明する。
図1~図2に例示するように、押出機2の前端に取付けられたダイ3から未加硫ゴムRを押出してゴムストリップ材Sを形成する。このゴムストリップ材Sは、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5d、搬送コンベヤ8の間に架け渡された状態になる。これにより、押出機2と搬送コンベヤ8との間にダンサー経路6が形成される。
ゴムストリップ材Sは、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5d、搬送コンベヤ8によって前方に引き出されて、押出機2からダンサー経路6を通過してドラム体9に搬送される。図1では、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dからのゴムストリップ材Sの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4は比較的大きくなっていて、ダンサー経路6の長さLは大きい状態に維持されている。
ドラム体9は回転しつつ、スライド機構9aによってドラム幅方向にスライドされる。搬送コンベヤ8によって搬送されたゴムストリップ材Sは、圧着ローラなどによってドラム体9の外周面に向かって押圧されてドラム体9の外周面に配置される。これにより、ゴムストリップ材Sは、ドラム体9に対してドラム幅方向位置をずらしながら螺旋状に巻き付けられる。搬送コンベヤ8によるゴムストリップ材Sの搬送速度とドラム体9の外周面の周方向速度とは、基本的には大きな差異を生じさせることなく、実質的に同速度になるように制御される。
ドラム幅方向に隣り合って巻き付けられたゴムストリップ材Sどうしは、自身の粘着性によって接合された状態になる。ドラム体9はドラム幅方向の一方向にスライドするだけでなく、必要に応じてドラム幅方向に往復してスライドしてゴムストリップ材Sが巻き付けられることもある。
ゴムストリップ材Sは必要長さに切断されて巻き付けられると、図3に例示するように、ドラム体9の外周面には環状(円筒状)ゴム部材Rcが製造される。このような環状ゴム部材Rcは、例えばタイヤトレッド部を形成する部材となる。図3に例示するドラム体9の外周面は、完成タイヤの内周面と同じプロファイルになっていて、ドラム体9として剛性コアが使用されている。
押出機2からドラム体9までの間でのゴムストリップ材Sの搬送速度を、押出速度Vよりも遅くしたままではゴムストリップ材Sの余長が際限なく大きくなって製造ラインが成立しなくなり、押出速度Vよりも速くしたままではゴムストリップ材Sの余長がマイナスになってゴムストリップ材Sが破断する。そのため、押出機2からドラム体9までの間でのゴムストリップ材Sの搬送速度は、定常状態では押出速度Vと実質的に同じに設定される。
押出機2は、品質一定のゴムストリップ材Sを得るために、基本的に一定の許容範囲内の押出速度Vで未加硫ゴムRを押出し続けるが、押出速度Vを途中で変化させることもある。また、未加硫ゴムRの仕様(ゴム種)が異なると適切な押出速度Vは異なるので、未加硫ゴムRの仕様に応じて異なる押出速度Vに設定される。
ゴムストリップ材Sの押出速度Vが変化した場合にダンサー経路6の長さLが不変であると、ゴムストリップ材Sがダンサー経路6を通過するために要する時間が変化する。即ち、ダンサー経路6の長さLが不変のままで、押出速度Vを速くした場合はゴムストリップ材Sがダンサー経路6を通過するために要する時間が短くなり、押出速度Vを遅くした場合はゴムストリップ材Sがダンサー経路6を通過するために要する時間が長くなる。
ゴムストリップ材Sはダイ3によって型付けされるが、ダイ3の拘束から解放された直後からスウェルに起因して経時的な形状変化が生じる。押出されたゴムストリップ材Sは何も拘束を受けなければ、ダイ3から押出された直後ではスウェルの影響が最大なので、幅方向および厚さ方向により大きく膨張し、長手方向により大きく収縮する。そして、ダイ3から押出された時間経過に従ってスウェルの影響が小さくなり、ゴムストリップ材Sの経時的な形状変化の具合は小さくなる。
したがって、押出機2からドラム体9に移動する間でゴムストリップ材Sはスウェル(換言すれば残留応力)の影響を受けて単位長さ当たりの質量が変動する。ゴムストリップ材Sが空中移動するダンサー経路6では、このスウェルに起因してゴムストリップ材Sの単位長さ当たりの質量は特に変動し易くなる。
ゴムストリップ材Sを押出機2から押出してからドラム体9に巻付けるまでに要する搬送時間CTに変化が少ない程、スウェルに起因するゴムストリップ材Sの単位長さ当たりの質量の変動を抑制するには有利になる。そこで本発明では、搬送時間CTの目標範囲ARを予め設定しておき、この目標範囲ARのデータも制御部10に入力しておく。そして、押出速度Vに応じてダンサー経路6の長さLを制御部10によって制御して、搬送時間CTを目標範囲ARに維持する。
詳述すると、押出速度Vを高速にする場合は、一時的にそれぞれの搬送駆動ローラ5a~5dの回転速度を遅くして、ダンサー経路6に存在するゴムストリップ材Sの長さを大きくする。この際に搬送コンベヤ8の搬送速度も遅くする。このように制御部10によって搬送駆動部5の動きを制御することで、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dからのゴムストリップ材Sの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4を増大させてダンサー経路6の長さL2を所望長さまで大きくして、その所望長さに維持する。それぞれの位置センサ7による検知データに基づいて垂れ下がり量h1、h2、h3、h4を把握しながら搬送駆動部5の動きを制御する。これにより、押出速度Vを速くしても搬送時間CTが短くならないようにして目標範囲ARに維持する。
図1では、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dからのゴムストリップ材Sの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4が同等になっている。ダンサー経路6の長さLを所望長さまで大きくできれば、それぞれの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4は任意に設定してよい。したがって、それぞれの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4のうちの少なくとも1つを異ならせることもできる。
押出速度Vを低速にする場合は、一時的にそれぞれの搬送駆動ローラ5a~5dの回転速度を速くして、図4に例示するように、ダンサー経路6に存在するゴムストリップ材Sの長さを小さくする。この際に搬送コンベヤ8の搬送速度も速くする。このように制御部10によって搬送駆動部5の動きを制御することで、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dからのゴムストリップ材Sの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4を縮小させてダンサー経路6の長さLを所望長さまで小さくして、その所望長さに維持する。それぞれの位置センサ7による検知データに基づいて垂れ下がり量h1、h2、h3、h4を把握しながら搬送駆動部5の動きを制御する。これにより、押出速度Vを遅くしても搬送時間CTが長くならないようにして目標範囲ARに維持する。
ダンサー経路6の長さLを制御する際には例えば、それぞれの搬送駆動ローラ5b~5dの回転速度を、押出機2側に隣り合って配置されている搬送駆動ローラ5a~5cの回転速度に基づいて制御する。即ち、搬送駆動ローラ5b、5c、5dのそれぞれの回転速度は、搬送駆動ローラ5a、5b、5cの回転速度に基づいて制御する。搬送コンベヤ8の搬送速度は隣り合って配置されている搬送駆動ローラ5dの回転速度に基づいて制御する。
このように押出機2の最も近くに配置されている搬送駆動ローラ5aの回転速度を基準にして、その他の搬送駆動ローラ5b~5dの回転速度、搬送コンベヤ8の搬送速度を制御することで、ダンサー経路6の長さLを円滑に所望長さに変更し易くなる。即ち、ダンサー経路6の長さLを所望長さに変更する際に、搬送駆動部5および搬送コンベヤ8の制御の複雑化を回避できる。
図4では、搬送駆動ローラ5b、5cからのゴムストリップ材Sの垂れ下がり量h2、h3が、搬送駆動ローラ5a、5dからの垂れ下がり量h1、h4よりも小さくなっている。ダンサー経路6の長さLを所望長さまで小さくできれば、それぞれの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4は任意に設定してよい。したがって、それぞれの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4を同等にすることもできる。
例えば図5に示すように、押出速度Vの増大に伴ってダンサー経路6の長さLを増大させて、押出速度Vに拘わらず搬送時間CTを目標範囲ARに維持する。このように押出速度Vに応じてダンサー経路6の長さLを制御して搬送時間CTを目標範囲ARに維持することで、押出直後のスウェルに起因する搬送中のゴムストリップ材Sの変形具合のバラつきが抑制される。これに伴い、質量バラつきを抑制して精度よく目標質量にした環状ゴム部材Rcを製造するには有利になる。
換言すると、ダンサー経路6の長さLを変化させることで、押出速度Vが変化しても、押出機2とドラム体9と間でゴムストリップ材Sの残留応力が緩和される時間を均一化することができる。これに伴い、残留応力の大きさのバラつきを是正できるので、スウェルに起因するゴムストリップ材Sの形状(断面形状)のバラつきが抑制され、ゴムストリップ材Sの単位長さ当たりの質量を安定化させ易くなる。この実施形態では、ダンサー経路6の長さLを無段階に変化させることができるので、残留応力の大きさのバラつき(換言すると質量のバラつき)を一段と小さくして是正できる。
このように質量バラつきが抑制されたゴムストリップ材Sを用いることで、ゴムストリップ材Sが螺旋状に巻き付けられて製造された環状ゴム部材Rcを、より高い精度で所望形状に形成するには有利になる。その結果、この環状ゴム部材Rcを用いて製造されたタイヤのユニフォミティの向上に寄与する。
この環状ゴム部材Rcの製造ラインでは、ダンサー経路6で、ゴムストリップ材Sの余長が吸収される。そのため、製造した環状ゴム部材Rcをドラム体9から取り外すためにドラム体9の回転を一時停止させる時やドラム体9を交換するなどのインターバル時でも、押出機2はそのままゴムストリップ材Sを押出し続けることができる。
未加硫ゴムRの仕様によってスウェルの具合は異なる。そこで、未加硫ゴムRの仕様毎に、押出速度Vに応じて変化させるダンサー経路6の長さLの適正範囲を、事前データとして予め把握して制御部10に記憶しておくとよい。環状ゴム部材Rcを製造する際には、未加硫ゴムRの仕様を特定する特定データを制御部10に入力することで、この特定データと予め把握した事前データとに基づいて制御部10によって、押出速度Vに応じてダンサー経路6の長さLを適正範囲に変化させる。これにより、様々な仕様の未加硫ゴムRを使用して環状ゴム部材Rcを製造する場合であっても、ダンサー経路6の長さLをより確実に適正範囲に制御できるので、搬送時間CTを目標範囲ARに維持するには有益である。
この実施形態では製造装置1は搬送コンベヤ8を有しているが、搬送コンベヤ8は必須の構成ではなく、搬送コンベヤ8に代えて例えば、駆動ローラなど用いることもできる。位置センサ7も必須の構成ではなく、それぞれの搬送駆動ローラ5a~5dからのゴムストリップ材Sの垂れ下がり量h1、h2、h3、h4を検知できる他の手段を用いることができる。
図6、図7に例示するドラム体(剛性コア)9では例えば、回転中のドラム体9の外周面の幅方向両端部に、ゴムストリップ材Sが螺旋状に巻付けられて円環状ゴム部材Rcが製造される。ゴムストリップ材Sは、ドラム体9の外周面に直接巻き付けられることも、ドラム体9の外周面に既に巻き付けられている別の部材(インナーライナおよびカーカス層)の外周面に巻き付けられることもある。ゴムストリップ材Sは、ドラム体9の外周面に沿って渦巻き状に巻き付けられる。この実施形態では、製造された円環状ゴム部材Rcは、タイヤサイド部を形成する部材となる。回転中のドラム体9の幅方向中央部にゴムストリップ材Sを螺旋状に巻付けて円筒状ゴム部材Rcを製造することもできる。
1 製造装置
2 押出機
2a シリンダ
2b スクリュー
2c ヘッド
3 ダイ
4 押出流路
5 搬送駆動部
5a、5b、5c、5d 搬送駆動ローラ
6 ダンサー経路
7 位置センサ
8 搬送コンベヤ
9 ドラム体
10 制御部
S ゴムストリップ材
Rc 環状ゴム部材(筒状ゴム部材、円環状ゴム部材、円筒状ゴム部材)
R 未加硫ゴム

Claims (5)

  1. 押出機から押出された未加硫のゴムストリップ材を、ダンサー経路を通過させて搬送してドラム体に巻き付けて環状に形成する環状ゴム部材の製造方法において、
    前記ゴムストリップ材を前記押出機から押出してから前記ドラム体に巻付けるまでに要する搬送時間の目標範囲が予め設定されていて、前記ゴムストリップ材の押出速度に応じて前記ダンサー経路の長さを制御することにより、前記搬送時間を前記目標範囲に維持して前記ゴムストリップ材を前記ドラム体に巻付ける環状ゴム部材の製造方法。
  2. 前記ダンサー経路に、前記ゴムストリップ材を支持して搬送する搬送駆動ローラが、前記押出機と前記ドラム体との離間方向に間隔をあけて3個以上配置されていて、前記ダンサー経路の長さを制御する際に、前記搬送駆動ローラの回転速度を前記押出機側に隣り合って配置されている前記搬送駆動ローラの回転速度に基づいて制御する請求項1に記載の環状ゴム部材の製造方法。
  3. 前記ダンサー経路の長さを、前記ダンサー経路に配置されている搬送駆動ローラの間に架け渡されている前記ゴムストリップ材の垂れ下がり量を前記ゴムストリップ材に非接触で検知する位置センサによる検知データを用いて算出する請求項1または2に記載の環状ゴム部材の製造方法。
  4. 前記ドラム体として、完成した加硫済みタイヤの内周面と同じプロファイルの外周面を有する剛性コアを使用する請求項1~3のいずれかに記載の環状ゴム部材の製造方法。
  5. 未加硫のゴムストリップ材を押出す押出機と、前記ゴムストリップ材が巻き付けられて環状に形成されるドラム体と、前記押出機と前記ドラム体との間に形成されるダンサー経路と、前記ダンサー経路に配置されて前記ゴムストリップ材を前記押出機から前記ダンサー経路を通過させて前記ドラム体に搬送する搬送駆動部と、制御部とを備えた環状ゴム部材の製造装置において、
    前記ゴムストリップ材を前記押出機から押出してから前記ドラム体に巻付けるまでに要する搬送時間の目標範囲が予め設定されていて、前記ゴムストリップ材の押出速度に応じて前記制御部により前記ダンサー経路の長さが制御されることにより、前記搬送時間を前記目標範囲に維持して前記ゴムストリップ材が前記ドラム体に巻付けられる構成にした環状ゴム部材の製造装置。
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