JP5696276B2 - 脱気包装冷凍寿司並びにその製造方法及び調理方法 - Google Patents

脱気包装冷凍寿司並びにその製造方法及び調理方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱湯又は蒸気等の加熱媒体の加熱による解凍(以下、加熱媒体による加熱解
凍という)に適した脱気包装冷凍寿司並びにその製造方法及び調理方法に関し、特に、寿
司を構成する具材又はネタ及び米飯の適温加熱が可能な、加熱媒体加熱による解凍対応の
脱気包装冷凍寿司並びにその製造方法及び調理方法に関する。また、本発明は、寿司が、
包装用のプラスチックフィルムに包まれて、又は包まれずにプラスチック製の包装容器内
に収容され、脱気されて密着状態でプラスチックフィルム製の包装容器内に密封され包装
されて、冷凍されて一体に凍結されて、加熱媒体による加熱解凍に適した、即ち、加熱媒
体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司並びにその製造方法及び調理方法に関する。
例えば、棒寿司等の寿司の場合、酢合わせした米飯に、例えば、砂糖、醤油及び味醂の
煮汁で煮染めてみじん切りにされた椎茸及び干瓢を混ぜ合わせた寿司飯を成形し、この成
形された混ぜ合わせた寿司飯成形体の上に、例えば腹開きに開いた穴子を砂糖、醤油及び
味醂の煮汁で煮て調製された穴子寿司用の具材を載せて、箱形包装容器形又は棒状等の種
々の形状に成形し、このように成形された成形寿司を竹の皮に包んで、プラスチックフィ
ルム製の包装袋に入れて、脱気し密封して包装し、これをエタノール等のブラインにより
凍結することにより、又は、前記成形寿司を冷凍し、この冷凍された成形寿司をプラスチ
ックフィルム製の包装袋に入れて、脱気し密封して包装することにより、脱気包装冷凍寿
司を製造している。
このようなブライン凍結による脱気包装冷凍寿司は、寿司をプラスチック製の包装袋に
入れて脱気し密封して包装し、この脱気包装された寿司について、ブライン凍結を行って
製造されるので、寿司に冷媒が直接触れることなく冷凍されて凍結されるので、凍結室内
での細菌の付着や冷却ガスの臭いが吸収又は吸着などがされることなく、したがって、例
えば、エアブラスト凍結又は窒素若しくは炭酸ガス凍結等の緩慢凍結により寿司を凍結し
た後に脱気し密封して包装を行う脱気包装冷凍寿司に比して、衛生面で優れている。特に
、ブライン凍結により冷凍された脱気包装冷凍寿司は、例えば、−18℃の保存温度下で
、3カ月以上の長期間にわたって安定して保存することができ、−50℃の保存温度では
、6カ月以上の保存が可能である。このように保存された脱気包装冷凍寿司は、解凍して
食事に供される。
ところで、このような脱気包装冷凍寿司は、湯浴又は蒸気浴で解凍されている。このよ
うに、湯浴又は蒸気浴で加熱するときは、寿司の周囲端部の角部が内側の平面部に比して
比較的高い温度になるために、寿司の周囲角部は、極度に高い温度になって、煮えたり又
は乾燥したりして、周囲に比して風味が落ちて好ましくない。そこで、湯浴又は蒸気浴に
より寿司を解凍する場合、加熱時間を、例えば、3乃至4分と短い時間として解凍されて
いる。しかし、このような短時間で脱気包装冷凍寿司を解凍する場合は、寿司の周囲角部
の温度は比較的高くなるが、平面部の温度は低くて、その温度差は、50℃以上に達する
ところで、例えば、箱寿司又は棒寿司の場合、一般に、米飯の部分は、寿司の種類にもよるが、人肌、例えば15乃至25℃の温度、好ましくは15乃至20℃の温度であるのが好まれ、具材の部分は、具材の種類にもよるが、例えば、穴子や鰻の場合は、米飯の部分と同様の温度、例えば10乃至25℃の温度、好ましくは10乃至20℃の温度であるのが好まれる。
そこで、湯浴又は蒸気浴等の熱加熱による脱気包装冷凍寿司は、解凍された寿司の味を損なわないように、例えば、具材を載せた寿司を竹の皮で包み、この包まれた寿司を冷凍食品用のプラスチックフィルム製の包装袋に入れて脱気し、冷凍して脱気包装冷凍寿司が作られている。また例えば、特許文献1,2及び3に示すマイクロ波加熱により解凍する脱気包装冷凍寿司にあっては、具材を載せた寿司を食品ラップ用のプラスチックフィルムで包み、この寿司のプラスチックフィルム包みの具材の上方に位置する箇所に、具材を覆って、金属箔を載せ、全体をプラスチックフィルムで覆い、解凍時の具材へのマイクロ波の照射を避けるように、脱気包装冷凍寿司が作られている。この脱気包装冷凍寿司の解凍は、解凍される寿司の温度が高くならないように、比較的短時間マイクロ波を照射したところでマイクロ波による加熱を停止し、次いで、米飯部分から発生する水蒸気を、プラスチックフィルム包装内から逃散しないように保持して、プラスチックフィルム包装内に水蒸気を篭もらせることにより、プラスチックフィルム包装内の寿司を、蒸らして、米飯内の比較的高い温度部分により加熱して、具材と米飯の接触部分の温度を15℃以上の温度にさせるように解凍している。
特開平8−214805号公報 特開平8−317764号公報 特開2001−275591号公報
しかし、このような脱気包装冷凍寿司を製造するには、寿司を食品ラップ用のプラスチ
ックフィルムに載せて密に包み、この包まれた寿司を冷凍食品用のプラスチックフィルム
製の包装袋に入れて脱気して、密封包装し冷凍することが必要であり、これらの作業は、
注意を要し、量産が難しく問題とされている。このような脱気包装冷凍寿司を顧客の需要
に沿うように製造するためには、多くの人手や時間を要し、問題である。
この脱気包装冷凍寿司の解凍方法としては、自然解凍、流水解凍、スチーム解凍、温湯
解凍及び湯浴又は蒸気浴解凍などがある。これらの解凍方法の中で、自然解凍、流水解凍
及び温湯解凍は多数の脱気包装冷凍寿司を解凍できるが、例えば棒寿司の場合で、室温解
凍では解凍に5時間を要し、問題とされている。また、湯浴又は蒸気浴解凍は、比較的短
時間に、解凍できるが、一度に処理される脱気包装冷凍寿司の個数に限りがあり、一度に
多数の脱気包装冷凍寿司を解凍することが難しく問題である。
本発明は、従来の脱気包装冷凍寿司の解凍に係る問題点を解決することを目的としている
本発明者らは、ビカット軟化点が100℃乃至130℃、好ましくは、110乃至12
0℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を
有するプラスチック及びプラスチックフィルムを、包装材料として使用することにより、
ブライン凍結及び85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍が可能であることを発見し
、また、脱気包装冷凍寿司を湯浴又は蒸し器中に入れて、85℃以上の温度の加熱媒体に
より10乃至25分の間加熱して解凍を行った場合、米飯部分の面部分の温度は40乃至
60℃と高くなるが、米飯部分の内部の温度は20乃至30℃の温度であり、具材部分
おいては、20℃以下の温度であり、米飯部分に比して、温度が高くならないことを発見
して、本発明に至った。
本発明は、一度に多数の脱気包装冷凍寿司を比較的短時間に解凍することができる脱気包装冷凍寿司並びにその製造方法及び調理方法を提供することを目的としている。
即ち、本発明は、密封されている柔軟なプラスチックフィルム製の包装袋内に包装寿司が配置されて、 脱気され、前記包装袋と一体に凍結されて形成され、85℃以上の温度の加熱媒体により加熱解凍される、加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司において、寿司は、該寿司の長軸を中心に、該寿司の長軸方向の長さより長い長さを有し、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上のプラスチックフィルムにより巻かれ、このプラスチックフィルムにより巻かれた寿司は、少なくとも一部面上で前記プラスチックフィルムにより二重に巻かれており、さらに、該寿司の長軸方向の両端部の面上で、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの端部が折り重ねられて、包装寿司が形成されており、この形成された包装寿司、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に入れられて、該包装袋内が350乃至140mmHgの圧力に脱気され密封されて形成された脱気包装寿司内において、前記包装袋の内面は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在しており、さらに、記寿司と前記包装袋の間には、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いて、前記寿司の容積に対して、0.1乃至0.7倍の容積の空間が形成されており、この脱気包装寿司を冷凍して、前記包装袋、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記寿司が共に凍結されて一体に形成された脱気包装冷凍寿司において、前記寿司を巻いたプラスチックフイルムの折り重ねた部分及び折り目部分には,夫々折り癖、圧着された折り目が形成されていることを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司にあり、さらに、本発明は、密封されている柔軟なプラスチックフィルム製の包装袋内に包装寿司が配置されて、脱気され、前記包装袋と一体に凍結されて形成され、85℃以上の温度の加熱媒体により加熱解凍される、加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司において、寿司は、該寿司の長軸を中心に、該寿司の長軸方向の長さより長い長さを有し、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上のプラスチックフィルムにより巻かれ、前記プラスチックフィルムにより巻かれた寿司は、少なくとも一部面上で前記プラスチックフィルムにより二重に巻かれており、前記プラスチックフィルムにより巻かれた寿司は、該寿司の長軸方向の両端部の面上で、前記巻かれたプラスチックフィルムの端部を折り重ね、さらに、前記プラスチックフィルムの両端部の折り重ねられた部分の上に、前記プラスチックフィルムが少なくとも一重に巻かれて包装寿司が形成されており、この形成された包装寿司は、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に入れられて、該包装袋内が350乃至140mmHgの圧力に脱気されて密封されており、この脱気されて密封された包装袋内において、前記包装袋の内面は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在しており、さらに、前記寿司と前記包装袋の間には、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いて、前記寿司の容積に対して、0.1乃至0.7倍の容積の空間が形成されており、この脱気包装寿司を冷凍して、前記包装袋、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記寿司が共に凍結されて一体に形成された脱気包装冷凍寿司において、前記寿司を巻いたプラスチックフイルムの折り重ねた部分及び折り目部分には,夫々折り癖、圧着された折り目が形成されていることを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司にある。本発明において、包装寿司を入れ脱気された包装袋内にける寿司と包装袋の間に形成されている空間の容積は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いて、前記寿司の容積に対して、0.1乃至0.5とすることができ、さらに、包装寿司は、巻かれたプラスチックフィルムの端部を折り重ねることにより可及的に密封されて形成することができる。
そしてこれらの他に、本発明は、寿司を、該寿司の長軸方向の長さより長い長さの長辺及び短辺を有する長方形で、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上の柔軟なプラスチックフィルムの上に、直接、前記寿司の長軸を、前記長辺に沿わせて載せ、前記プラスチックフィルムの寿司の短軸方向の第一の側の端部を、寿司の上面部を越えて、前記寿司の短軸方向の第一の側に対向する第二の側の側面部の下方に移動させて、前記寿司の上面及び第二の側の側面部を前記プラスチックフィルムで覆い、次いで、このプラスチックフィルムで覆われている寿司を、前記寿司の長軸を中心に、該寿司を巻いたプラスチックフィルムごと、少なくとも半回転させて、前記寿司を前記プラスチックフィルムで更に巻き、前記寿司の少なくとも一部を前記プラスチックフィルムで二重に覆って止めて、前記プラスチックフィルムの両端部を、夫々前記寿司の上面又は下面に折り重ねて、包装寿司が形成されており、この形成された包装寿司を柔軟な、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に入れて、前記包装袋内を350乃至140mmHgの圧力に脱気し、前記脱気された包装袋の開口部を密封して脱気包装寿司を形成し、この脱気包装寿司において、前記包装袋の内面は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在しており、さらに、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いた、包装袋と寿司の間に形成される空間の容積が、寿司の容積の0.1乃至0.7倍に調整されており、この脱気包装寿司を冷凍温度に冷却されている冷媒により冷却して、前記包装袋、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記寿司を共に凍結して一体に形成して、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの折り重ねた部分及び折り目部分に,夫々折り癖、圧着された折り目を形成させたことを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司の製造方法にあり、さらに、本発明は、寿司を、該寿司の長軸方向の長さより長い長さの辺を有し、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上の柔軟なプラスチックフィルムの上に、直接、前記寿司の長軸を、前記辺に沿わせて載せ、前記プラスチックフィルムの寿司の短軸方向の第一の側の端部を、前記寿司の上面部を越えて、前記寿司の短軸方向の第一の側に対向する第二の側の側面部の下方に移動させて、前記寿司の上面及び第二の側の側面部を前記プラスチックフィルムで覆い、次いで、このプラスチックフィルムで覆われている寿司を、寿司の長軸を中心に、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムごと、少なくとも半回転させて、前記寿司を前記プラスチックフィルムで更に巻き、前記寿司の少なくとも一部を前記プラスチックフィルムで二重に覆い、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの寿司の長軸方向両端部分を、夫々未だ、前記寿司を覆っていない前記プラスチックフィルムの部分を含めて反対側の端部に向けて折って、前記折り曲げられたプラスチックフィルムの前記寿司を覆っている部分の両端部分を、夫々前記寿司の上面又は下面に重ね、この折り重ねた部分の上を、前記プラスチックフィルムの前記寿司を覆っていない部分で巻いて、包装寿司を形成し、この形成された包装寿司を、柔軟な、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に入れて、前記包装袋内を350乃至140mmHgの圧力に脱気し、この脱気された包装袋の開口部を密封して脱気包装寿司を形成し、この脱気包装寿司において、前記包装袋の内面は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在しており、さらに、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いた、前記包装袋と前記寿司の間に形成される空間の容積が、前記寿司の容積の0.1乃至0.7倍に調整されており、この脱気包装寿司を冷凍温度に冷却されている冷媒により冷却して、前記包装袋、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記寿司を共に凍結して一体に形成して、プラスチックフイルムの折り重ねた部分及び折り目部分に,夫々折り癖、圧着された折り目を形成させて、脱気包装冷凍寿司を製造することを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司の製造方法にある。そして、本発明において、寿司の第一若しくは第二の側の側面部、上面部又は底面部の少なくとも一部を二重に覆ったプラスチックフィルムの前記寿司の長軸方向の端部又は両端部を、下側のプラスチックフィルム面に、接着剤若しくは粘着剤又は接着若しくは粘着具を介して固定することができ、また、包装袋は、耐熱性、耐寒性及び耐水性のプラスチックフィルム製とすることができる。
さらに、これらの他に、本発明は、寿司の長軸方向の長さより長い長さを有し、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上の柔軟なプラスチックフィルムにより、前記寿司の一部面上が少なくとも二重に巻かれており、さらに、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの寿司の長軸方向の両側の端部を、夫々寿司の面上に折り重ねて包装寿司を形成し、この形成された包装寿司を、柔軟な、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に配置し脱気してその内部が350乃至140mmHgの圧力の減圧状態にされて、その開口部が密封されている前記プラスチックフィルム製の包装袋内で、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在し、また、寿司の周囲に形成される空間の容積が、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いて、前記寿司の容積の0.1乃至0.7倍である脱気包装寿司を形成し、この脱気包装寿司において、前記包装袋の内面は、前記包装寿司のプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻いたプラスチックフイルムの折り重ねた部分及び折り目部分は,夫々折り癖、圧着された折り目を形成しており、さらに、この形成された脱気包装寿司を冷却して、前記寿司、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記包装袋が一体に凍結されている脱気包装冷凍寿司を形成し、このように形成された、加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司を、85℃以上の温度の加熱媒体により加熱して、前記寿司の米飯成形体部分の長手方向端部の温度を50℃以上にさせて前記加熱媒体による加熱を停止し、次いで、加熱された前記包装袋を密封したまま、室内若しくは水中に放置して、または、室内に放置した後水中に放置して、前記米飯成形体部分から発生する水蒸気を前記寿司と前記寿司を巻いた柔軟なプラスチックフィルムの間の空間内に流動可能に存在させることにより、前記寿司を蒸らして、該寿司の具材及び米飯の部分の温度を15℃乃至30℃にすることを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司の解凍調理方法にある。
本発明は、密封されている柔軟なプラスチック製の包装袋内に包装寿司が配置されて、
脱気され、前記包装袋と一体に凍結されて形成され、85℃以上の温度の加熱媒体により
加熱解凍される加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司において、脱気包装寿司は、寿司が、プラ
スチック材料により包装されて形成されており、寿司とプラスチック製の包装袋の間には
、プラスチック材料の容積を除いて、寿司の容積に対して、0.1乃至0.7倍の容積の
空間が形成されており、該包装袋内の圧力は500乃至50mmHg、好ましくは400
乃至140mmHg、さらに好ましくは、350乃至140mmHgであるので、脱気包
装冷凍寿司は、85℃以上の加熱媒体により、急速に加熱され解凍される。加熱後の脱気
包装冷凍寿司には温度むらが発生するが、加熱による解凍時に発生する蒸気で、低い温度
の部分を加熱することにより温度むらを解消することができる。この解凍の際には、蒸気
は、直接、寿司の米飯や具材に接触する。しかし、この米飯や具材に接触する蒸気は、元
もと米飯等に保有されている水分から発生するものであるから、米飯や具材の味覚を損な
うことはない。しかも、蒸気が流れる空間は、寿司の容積の0.1乃至0.7倍と調整さ
れており、僅かであるから、米飯や具材から発生する蒸気の保有する少ない熱量で、寿司
を一様に加熱でき、解凍により、温度むらが少ない、例えば、米飯部が30℃程度で、
材部が20℃程度の寿司を、比較的短時間で提供することができる。
したがって、本願発明においては、プラスチック包装具の亀裂や破裂を避けて、一度に多
数個の脱気包装冷凍寿司を解凍でき、しかも、解凍時に発生する水蒸気を蒸らしに使用し
て、比較的短時間で解凍でき、目的の温度に均した寿司を、食事に供することができ、美
味しく食することができる。
本発明において、脱気包装冷凍寿司とされる寿司は、具材を米飯成形体の上に載せた寿
司及びその他の寿司を包含する。具材を米飯成形体の上に載せた寿司としては、握り寿司
、棒寿司、押し寿司及び箱寿司があり、また、これらの他の寿司として、具材が米飯によ
り包まれている巻き寿司、米飯成形体の間に具材を挟む押し寿司、箱寿司及びその他の寿
司並びに具材が米飯により包まれている握り飯を包含する。脱気包装冷凍寿司は、一個又
は複数個の包装寿司を一つの包装袋内に入れたもの及び一個又は複数個の寿司を、一枚の
プラスチックフィルムによる包みといった一つの包装具内に収容して作った包装寿司を、
一つの包装袋内に入れ、脱気し密封後、冷凍されたものを包含する。複数の寿司を箱形包
装容器に入れる場合には、夫々の寿司をプラスチックフィルムで包むか、又は寿司間にプ
ラスチック製の仕切り片を配置して仕切って、解凍後、隣り合う寿司が互いに付着し合わ
ないようにするのが好ましい。
本発明において、脱気包装冷凍寿司は、包装寿司を、脱気し、冷凍して製造される。ま
た、包装寿司は、例えば、寿司をプラスチックフィルムにより該寿司の長軸を中心にして
巻いて、又は、更に、この巻いたプラスチックフィルムの端部を、プラスチックフィルム
で巻かれた寿司の上に折り重ねて形成するのが好ましい。この場合、折り重ねたプラスチ
ックフィルムの両端部が、容易に開いたり、又は元に戻ったりしないように、寿司の上に
折り目を付けて折り重ねると、包装寿司を一定の形状とすることができ、且つ、プラスチ
ックフィルムで巻かれた寿司は、前記プラスチックフィルムの折り目で、寿司を可及的に
密封することができる。プラスチックフィルムの端部を折り重ねる寿司の上の箇所は、寿
司の上面又は下面、即ち寿司の具の上若しくは寿司の米飯成形体の下、又は寿司の左側若
しくは右側の側面、即ち寿司の短軸側の何れか一方の側面、又は寿司の長軸側の何れか一
方の端面に重ねることができる。このようにして形成された包装寿司は、プラスチックフ
ィルム製の包装袋の中に入れられる。包装袋内に寿司を直接入れると、寿司の米飯部分が
包装袋に接着して、形を崩したりして、外観を悪くしたり又は衛生的にも好ましいもので
はないが、寿司を、プラスチックフィルム等で巻いて包装寿司とすることにより、寿司の
米飯部分が包装袋に接着することを避けることができ、寿司を包装袋に入れる作業を簡単
且つ容易にすることができる。
また、本発明において、包装寿司は、プラスチックフィルムに包んで寿司を入れて製造
することができる。寿司の具材は、加熱されて高い温度とならないように、米飯成形体の
上に具材が位置するようにして解凍される。
本発明において、プラスチックフィルムで包んだ包装寿司は、一枚以上のプラスチックフィルムで寿司を巻いて形成することができる。包装寿司を一枚のプラスチックフィルムで寿司を巻いて形成する場合には、寿司を、一辺が寿司の長軸方向の長さより長い長さのプラスチックフィルムの上に、寿司の長軸を、寿司の長軸方向の長さより長い長さの辺に沿うように載せて、該寿司を、寿司の長軸を中心にプラスチックフィルムで巻いて、寿司の左右側面及び上下面の全体を、プラスチックフィルムで巻き、少なくとも寿司の一部面上で、プラスチックフィルムを少なくとも二重に重なるように巻いて止め、この寿司を巻いた前記柔軟なプラスチックフィルムの寿司の両端部からはみ出す部分を、例えば、具材の位置する側又は米飯成形体の位置する側に折り畳んで、寿司の上に載せて、作製することができる。このようにして製造された包装寿司において、寿司は、寿司の長軸方向及び短軸方向の夫々の両端部が、寿司の間近で、プラスチックフィルムにより包まれており、寿司の両端部において発生する蒸気をプラスチックフィルム外に逃がすことなく、積極的に両端部の間に向けて移動させることにより、解凍時の温度むらを少なくすることができる。本発明においては、寿司の長軸方向及び軸方向の夫々の両端部は、プラスチックフィルムで囲われるが、長軸方向の両端部は開放されたままとすることができる。しかし、このように、寿司の長軸方向のプラスチックフィルムの両端部が開放状態であっても、脱気包装冷凍寿司の製造時において、包装寿司を柔軟なプラスチック製の包装袋内に装入する段階で、寿司の長軸方向のプラスチックフィルムの両端部は、包装袋の内面に接して折れ曲がり、又は窄められた状態になり、このプラスチックフィルムの両端部の折れ曲がり等により、包装寿司の両端部は半ば閉ざされた状態となって、寿司はプラスチックフィルムにより保護され、寿司が包装袋の内面と接触するのを避けることができ、解凍時にプラスチックフィルム包装内で発生する蒸気の流出を制限することができる。
本発明において、包装用プラスチックフィルムの寿司を巻く側の端部には、下側のプラ
スチックフィルムに接触する側の面に、接着剤又は粘着材を付着させることができる。こ
のように包装用プラスチックフィルムの巻く側の端部のプラスチックフィルムに接触する
側の面に接着剤又は粘着材を付着させると、巻いたプラスチックフィルムの端部が、下側
に位置するプラスチックフィルムに接着又は粘着して、容易に包装が解けることがなくな
るので好ましい。また、本発明において、プラスチックフィルムに接着剤又は粘着材を付
着させる場合には、プラスチックフィルムの寿司に直接接しない面、即ちプラスチックフ
ィルムの外側面の長手方向の両側端部において、折り畳み部分と接触する面の全面、複数
箇所又は所定箇所に接着材又は粘着材を付着させることができる。このように包装用プラ
スチックフィルムの寿司を巻いた側の端部外側面の折り畳み部分と接触する面の全面、複
数箇所又は所定箇所に接着材又は粘着材を付着させると、折り畳んだ部分を、プラスチッ
クフィルム面に固定することができ、寿司に折り重ねた部分の固定が安定すると同時に、
巻いたプラスチックフィルムが解けなくなるので好ましい。本発明において、接着材層及
び粘着材層をプラスチックフィルムに設ける場合は、被覆材料により覆われた接着材層及
び粘着材層をプラスチックフィルムの内側の面、又は外側の面に設けるのが好ましい。こ
のように被覆材料で覆った接着材層及び粘着材層を設けたプラスチックフィルムの場合は
、使用時に、被覆材料を引き剥がして接着材層又は粘着材層を露出させて、プラスチック
フィルムの接着又は粘着を行うことができるので好ましい。
本発明において、寿司をプラスチックフィルムに包んだ包装寿司の場合、脱気包装冷凍
寿司を湯浴に入れたとき、米飯部分は重いので、具材の側が浮き上がり、具材は湯に浸漬
されないので、具材が煮えるようなことにはならない。
本発明においては、具材を載せた寿司を収容した包装寿司は、型内で米飯成形体の上に
具材を載せて寿司を作り、この作られた寿司を、具材を上にして、寿司の上にプラスチッ
クフィルムを掛けて包装寿司とすることができる。
本発明において、寿司を箱形包装容器内に収容した包装寿司の場合は、寿司を箱形包装
容器内に収容して、寿司の上にプラスチックフィルムを被せ又は被せないで、包装寿司を
形成することができる。本発明において、寿司を入れた箱形包装容器は、柔軟なプラスチ
ック製の包装袋に入れられるが、箱形包装容器内が容易に脱気でき冷却できるように、寿
司を入れた箱形包装容器は蓋をしないで、柔軟なプラスチック製の包装袋に入れるのが好
ましい。寿司を入れた箱形包装容器を包装袋に、支障なく円滑に入れるために、箱形包装
容器内に、寿司を直に入れる場合は、箱形包装容器の寿司の上にプラスチックフィルムを
被せるのが好ましい。
本発明において、包装寿司を収容した包装袋内を脱気するのは、寿司と包装袋との間隙
を小さくして、冷凍及び加熱の際の伝熱効率を上げるためである。
箱形包装容器内に寿司を収容する箱形包装寿司の場合は、脱気が十分に行えるように、
寿司を入れた箱形包装容器は、蓋を被せないで、包装袋内に配置し、包装袋内を脱気し、
脱気後、包装袋の開口部を封着して密封する。
本発明において、包装寿司を入れた包装袋内は、低真空状態に脱気される。包装寿司を
入れて脱気されて、内部が真空又は低真空状態にされた包装袋は、外気の圧力により窄み
、包装袋の内面は、包装寿司のプラスチックフィルムに圧着した状態になり、真空により
、冷却時の伝熱が可及的に妨げられないようにされている。
脱気され密封された柔軟なプラスチック製の包装袋内においては、大気の圧力により、柔
軟なプラスチック製の包装袋の内面は、例えば、寿司の米飯成形体部分及び/又は寿司の
、及びプラスチックフィルムの包みの面に密着して、寿司及びプラスチックフィルムの包
みを固定する。本発明においては、このように、低真空に減圧されて包装袋の内面が、寿
司の具材及び/又は米飯成形体及びプラスチックフィルムの包みに密着して、寿司の具材
及び米飯成形体を押さえ込んだ状態で、冷凍されて一体に凍結されるので、解凍時に、具
材の位置がずれることはない。
本発明において、この包装袋内の脱気は、該包装袋内の寿司が脱気により乾燥しないよ
うに、低真空領域の圧力、例えば、50乃至500mmHgの低真空状態の圧力、好まし
くは、140乃至400mmHgの低真空状態の圧力、さらに好ましくは、140乃至3
50mmHgの低真空状態の圧力下で、比較的短時間に行うのがこのましい。脱気され内
部が減圧されて、50乃至500mmHgの圧力、好ましくは140乃至400mmHg
の圧力、より好ましくは140乃至350mmHgの圧力の低真空の減圧状態にある包装
袋は、包装袋の開口部から外気、液体、湿気及び細菌の侵入を、極力避けることができる
ように、熱シールや接着等により封着して密封される。該包装袋内の圧力が低い程、解凍
がし易くなるが、圧力が低くなる程、脱気の費用が大きくなり好ましくない。
本発明において、包装寿司が収容され、低真空状態に脱気されている包装袋は、大気圧
により圧着された状態で、例えば、零下36℃の温度でブライン凍結され、その包装袋内
は、前記包装袋と収容された物が凍結されて一体になる。この凍結の際に、包装寿司のプ
ラスチックフィルムは、包装袋によりプラスチックフィルムの巻いた部分、プラスチック
フィルムの折り重ねた部分及び折り目の部分は、夫々、巻き又は折り曲げた後に大気圧に
より加圧された状態で凍結されることとなって、解凍されても、包装寿司のプラスチック
フィルムの巻きは巻き癖となり、また包装寿司のプラスチックフィルムの折り重ねは折り
癖となって残り、また包装寿司の折り目は圧着された折り目となって残る。このような折
り目癖は、プラスチックフィルムによる包装を容易に解けないようにするものであり、プ
ラスチックフィルムによる包装を安定させることになるので好ましい。本発明の脱気包装
冷凍寿司は、寿司の米飯成形体及び具材が、プラスチックフィルムに包まれた上に、プラ
スチック製の包装袋に入れて、包装袋を脱気し密封して包装し、この密封包装された包装
袋は、冷凍温度に冷却されている冷媒に浸漬して冷凍される。本発明において、包装袋の
密封は、外気、湿気、冷媒の液体及び細菌の侵入を、極力避けることができるように行な
うことが必要である。
本発明において、脱気包装冷凍寿司は、冷凍温度に冷却されている冷媒に浸漬して冷凍
されるが、脱気包装冷凍寿司を製造するための他の冷凍手段としては、エアブラスト凍結
、窒素又は炭酸ガス凍結等の凍結法がある。脱気包装冷凍寿司は、包装袋内が、前記包装
寿司が入れられて真空状態下に密封されて萎んでいるために、前記包装袋内で、寿司とプ
ラスチックフィルム又は包装容器と包装袋は、互いに密着して冷却されることとなり、空
気層の容積が小さくなって、冷凍の際の伝熱が良好となり、冷却効率が良くなるので好ま
しい。このように製造された脱気包装冷凍寿司は、例えば、−18乃至−50℃の保冷温
度下で、保存される。
本発明において、脱気包装冷凍寿司は、飲食に供するに当たって、飲食に適する温度に
解凍される。
本発明において、解凍は、熱湯や蒸気等の加熱媒体による加熱により行われる。加熱媒
体が熱湯の場合は、ウォーターバス、湯浴又は湯煎により行うことができ、加熱媒体が蒸
気の場合は、スチームバス、蒸気浴、蒸気煎又は蒸し器等により行うことができる。ウォ
ーターバスやスチームバスなどの加熱媒体の加熱による解凍の場合は、一度に、多くの脱
気包装冷凍寿司を比較的短時間に解凍することを可能にするので好ましい。
本発明において、湯浴による解凍は、多数の脱気包装冷凍寿司を解凍しても温度低下が
少なくて済むようにするために、例えば、85℃以上、好ましくは90℃以上の比較的高
い温度の加熱媒体、例えば、沸騰時の熱湯又は沸騰時の蒸気を使用するのが、加熱温度を
略一定にできるので好ましい。このような85℃以上の加熱媒体により、脱気包装冷凍寿
司を加熱して解凍する場合、米飯成形体の中で、最も高い温度となる箇所は長手方向端部
であることが分かった。また、本発明において、解凍時の加熱直後の長手方向端部の温度
を55乃至45℃とすることにより、具材が変色したり、味覚が変化したり、煮えたりす
ることがないことも分かった。また、本発明において、85℃以上の加熱媒体による解凍
時において、加熱後の米飯成形体の長手方向端部の温度が55乃至45℃となるまで加熱
するのに要する時間は、加熱媒体の温度にもよるが、10分乃至25分、好ましくは、1
2乃至20分とするのが、短時間で解凍できることが分かった。この加熱時間が短いとき
は、蒸らしの時間が長くなり、加熱時間を長くしたときは、蒸らしの時間を短くすること
ができることも分かった。そこで、本発明においては、85℃以上の加熱媒体により、脱
気包装冷凍寿司を加熱解凍する場合、脱気包装冷凍寿司を、85℃以上の温度の加熱媒体
、例えば、湯浴即ち湯煎又は蒸気浴即ち蒸気煎により、例えば、10乃至25分間加熱し
て行われる。本発明において、脱気包装冷凍寿司を熱湯に浸漬して解凍する場合、具材部
分は、具材部分の周囲に僅かにも空間が存在することもあって、熱湯に浮き、湯に浸かる
ことなく解凍される。そこで、本発明において、脱気包装冷凍寿司は、具材部分が上にな
るように脱気包装冷凍寿司を配置して、湯浴又は蒸気浴で解凍される。
具材を載せた寿司の脱気包装冷凍寿司を湯浴又は蒸気浴で解凍するにあたって、脱気包
装冷凍寿司は、具材部分が米飯成形体部分より上に位置するように配置される。このよう
にすると、米飯成形体部分は湯浴に浸かり湯浴の湯の熱により加熱され、又は蒸気浴の蒸
気の吹き出し口に接して、蒸気の熱により直接加熱される。これに対して、具材部分は、
米飯成形体の部分よりも上方に位置するために、湯浴の場合は、具材部分は、湯浴の湯面
より上方に浮いた状態となるので、湯浴の湯の蒸気や輻射熱により加熱されるに止まり、
湯浴の湯の熱により直接加熱されることはない。また、蒸気浴の場合は、具材部分は、蒸
気の吹き出し口より離れて位置することになるので、米飯成形体部分に比して幾分冷めた
蒸気に接することとなる。このように、湯浴及び蒸気浴の何れの場合においても、解凍さ
れた寿司の温度は、米飯成形体部分の温度に比して低くなる。
本発明において、具材部分が米飯成形体より上に位置するように、脱気包装冷凍寿司を
、85℃以上、好ましくは90℃以上の比較的高い温度の熱湯に、例えば、10乃至25
分間直接浸漬して解凍する場合、米飯部分の熱湯に浸かる下部表面温度が、例えば、40
乃至60℃と高くなっても、具材部分の表面温度は、20℃以下の温度に止まり、米飯部
分に比して、温度が高くならないことが分かった。また、本発明において、蒸気浴による
脱気包装冷凍寿司の解凍において、具材を上に位置させて脱気包装冷凍寿司を、85℃以
上、好ましくは90℃以上の比較的高い温度の蒸気に、例えば、蒸し器のスノコ等の多孔
板から流出する85℃以上、好ましくは90℃以上の比較的高い温度の蒸気に、10乃至
25分間接して解凍させる場合、脱気包装冷凍寿司は、スノコ等の多孔板を通して上昇す
る蒸気により加熱されるために、多孔板に接する米飯成形体部分は、多孔板より離れて位
置する具材より、高い温度の蒸気に加熱されることとなり、湯浴の場合と同様に、米飯部
分の下面の温度は、40乃至60℃と高くなっても、具材の表面温度は、20℃以下の温
度であることが分かった。このような加熱解凍条件下では、米飯部分は、具材部分より温
度が40℃ほど高くなっており、また、米飯部分の端部の表面温度は、米飯部分の中心部
分の温度に比して20℃ほど高くなることも分かった。したがって、このような加熱解凍
条件下では、寿司全体を均一に加熱することが難しいことが分かった。
このように解凍時の寿司は、加熱解凍温度が85℃以上と高温であっても、米飯部分は
、加熱温度より遥かに低い温度であり、また、具材部分は、さらに、米飯部分より低い温
度であって、変色したり、味覚に変化を起こしたり、煮えた状態に全く至っていないこと
が分かった。しかし、このように解凍時の加熱された寿司は、具材と米飯部分との温度差
が大きく、美味しく食するのに適していない。そこで、本発明においては、解凍時に加熱
された脱気包装冷凍寿司を、包装袋を開封しないで、即ち、密封したままで、10乃至2
5分間室温に放置して蒸らすことにより、比較的米飯成形体の高温部分から発生する蒸気
と熱とで、低い温度の具材や米飯部分の中心部分を加熱して、食するのに適する温度にま
で高め、これにより、米飯部分の比較的高温部分の温度を低下させて、全体的に寿司を食
するのに適した温度にすることができることが分かった。
このように、本発明においては、脱気包装冷凍寿司を、所定時間の間、湯浴又は蒸気浴に
より加熱することで解凍し、その後蒸らすという簡単な作業で、容易に寿司を目的の温度
に均して、解凍することができる。このように本発明においては、解凍調理が簡単且つ容
易であり、解凍後の温度の不均一を解消することができる。しかも、比較的、多数の脱気
包装冷凍寿司の解凍が可能であるので、例えば、季節物の具材を使用する箱寿司の脱気包
装冷凍寿司を冷凍保存して、比較的短時間で解凍して、季節に関係なく、味を落とすこと
なく、一時に、多くの顧客に提供することが可能である。
本発明において、解凍後の脱気包装冷凍寿司についての蒸らしを効率よく行うために、脱気包装冷凍寿司の包装袋内において、加熱解凍の際に、寿司及び氷結部より発生する水蒸気を寿司全体に行き渡らせることができるように、寿司と包装袋の間に予め空間を形成して、寿司の周囲に蒸気の通路を確保するのが好ましい。
本発明においては、加熱媒体による解凍時において、特に、加熱後の温度が比較的高い側方端部及び長手方向端部で発生する蒸気を、積極的に解凍後の温度の低い中央部分及び内部に向けて移動させるために、寿司は、プラスチックフィルムにより長軸を中心に巻かれ、巻いたプラスチックフィルムの寿司の両端部から突き出る部分を、寿司から例えば5mm以下の間隔で離れた位置で、折り曲げて、寿司の上又は下方に折り重ねて包まれる。本発明においては、寿司がこのようにプラスチックフィルムにより包まれるので、寿司の軸方向端部及び長軸方向端部で発生する蒸気は、プラスチックフィルムと寿司の間に存在する間隙に沿って、対抗する端部間に向けて移動し、寿司の軸方向及び長軸方向中間部及びその内部の冷たい部分を加熱して、寿司の温度むらを小さくして、加熱後における蒸らしの時間を短縮する。本発明の蒸らしの段階において、寿司から発生して包装寿司のプラスチックフィルムの内側にある水蒸気が、プラスチックフィルムと包装袋との間の空間に流出することは避けられないから、包装袋の容積を小さくして、水蒸気による蒸らしが、効率よくプラスチックフィルムの外側及び内側で行えるようにするのが好ましい。この場合において、プラスチックフィルムの寿司の長軸方向の両端部の折り畳みは、寿司の長軸方向の両端部でのプラスチックフィルムとの間隙を少なくするのが好ましい。
また、寿司と包装袋の間に形成される空間の容積は、プラスチックフィルムの容積を除
いて、寿司の容積に対して、0.1乃至0.7倍、好ましくは、0.2乃至0.5倍とす
るのが、比較的短時間に、温度の均一化、即ち、温度むらを少なくする上で好ましい。寿
司の容積を1とした場合、包装袋と寿司の間に形成される隙間の容積が、寿司の容積0.
1倍より少ないと、蒸らしの効果が期待できなくなるので好ましくない。本発明において
、柔軟なプラスチックフィルムの両端が開放される場合にあっても、プラスチックフィル
ムと寿司の間の容積と、包装寿司と包装袋との間の容積との和が、寿司の容積に対して、
0.1倍以上、好ましくは、0.1倍乃至0.7倍、さらに好ましくは0.2倍乃至0.
5倍とするのが好ましい。包装寿司と包装袋の間の容積と、プラスチックフィルムと寿司
の間の容積との和が、寿司の容積に対して、0.7倍を越えると大きな蒸らしの効果が期
待できなくなるので好ましくない。
本発明において、このようにして製造された脱気包装冷凍寿司は、熱湯又は蒸気による
加熱時に、折り畳んだ包装用プラスチックフィルムの包みが、その内部で発生した水蒸気
により膨らみ、寿司の蒸らしによる加熱が効率よく行われて、解凍された寿司内の温度差
を小さくし、解凍時における水蒸気による蒸らしに要する時間を短縮することができ、ま
た、この場合、脱気された包装袋内において、巻いたプラスチックフィルムと寿司の間の
空間の容積、又はこの空間の容積と包装袋と冷凍寿司の間の空間の容積の総合した容積を
、冷凍寿司の容積より0.7倍以下に小さくすることにより、冷凍寿司から発生した水蒸
気が包みの外に逸散しても、包装袋内に止まらせて蒸らしを行うことができることが分か
った。
したがって、本発明においては、脱気包装冷凍寿司は、この加熱による解凍後、包装袋
を密封した侭で、即ち、プラスチックフィルム製の包装袋を開かずに、室内に放置して、
蒸らしが行われる。この蒸らしの時間は、15分間乃至30分間であり、この蒸らしの時
間は、解凍後の脱気包装冷凍寿司の加熱された温度及び放置される空間の温度により相違
するので予め測定しておくのが好ましい。例えば、室温における蒸らしの時間は、15分
間乃至30分間である。本発明において、この米飯成形体等から発生した水蒸気による蒸
らしは、寿司を食するに適した温度で、温度むらを少なくするものであり、この蒸らしの
段階で、脱気及び冷凍時に、互いに接して凍結されていたプラスチックフィルムと寿司及
びプラスチックフィルムと包装袋は、それらの間で発生する水蒸気により、夫々離れると
共に、それら空間に前記水蒸気が侵入して、寿司の米飯成形体、即ち、米飯部分及びを前
記解凍時に発生した水蒸気により加熱する。
本発明において、寿司を包装するプラスチックフィルムは、解凍時にプラスチックフィ
ルムの包み内で発生する水蒸気のプラスチックフィルムの包み外への逃散を避けるために
、一枚のプラスチックフィルムで寿司の全体を包装できるようにするのが好ましい。しか
し、プラスチックフィルムの巻き数を多くして、プラスチックフィルム分の厚さを厚くす
ると、その剛性により、寿司の両端部における折り畳み部からの水蒸気の流出を制限する
ことができる。本発明においては、寿司はプラスチックフィルムにより包まれており、解
凍時に包装寿司内に発生した水蒸気が、包装寿司のプラスチックフィルムの包みから包装
袋内に漏れ難くなっており、これにより、寿司から発生する水蒸気を、可及的にプラスチ
ックフィルムの外側に逃散させないで、寿司の長軸方向に流動させることができる。
殊に、寿司を巻いたプラスチックフィルムの両側端部を、寿司の上に、強く折り重ねて
、蒸気が逃散し難いようにすると、包装寿司の両端部において発生した比較的高い温度の
水蒸気が、包装寿司のプラスチックフィルム内側で、寿司の長軸方向内側に流動して寿司
を加熱又は温めることができ、寿司の温度むらを少なくできるので好ましい。この場合、
巻いたプラスチックフィルムの端部を寿司の上に折り重ねる段階で、巻いたプラスチック
フィルムの重なった部分が、開かないようにするために、寿司を巻いたプラスチックフィ
ルムの重なり合う面積を大きくするのが好ましい。包装寿司におけるプラスチックフィル
ムの巻き数を多くすると、解凍時に、包装寿司から包装袋への水蒸気の逃散を少なくでき
るので好ましい。しかし、接着材又は粘着材を介してプラスチックフィルムを固定すると
、水蒸気の逃散を解消できるので好ましい。
本発明において、脱気包装冷凍寿司の湯浴による熱湯解凍及び蒸気浴による蒸気解凍の
何れの場合においても、脱気包装冷凍寿司は、例えば、−18℃又は−50℃の保存温度
から、85℃以上の温度、例えば、95乃至100℃の温度の加熱温度に、急速に加熱さ
れることとなる。本発明においては、このような脱気包装冷凍寿司の保存温度と加熱温度
の間の大きな温度差により発生する物理的衝撃により、プラスチックフィルム製の包装袋
等が破壊したときは、汚れ等が、湯浴の湯や蒸気浴の蒸気と共に包装袋内に侵入して、例
えば、寿司を非衛生的にしたり、又は風味を変化させて好ましくない。このような危険を
避けるために、本発明において使用される、包装容器又は包装用フィルム又は包装容器及
び包装用フィルムといった包装具並びに包装袋は、耐熱性であると共に耐寒性であり、且
つ耐水性であり、さらに、発生する蒸気の圧力に耐える機械的強度を有するものであるの
が好ましい。したがって、本発明において、脱気包装冷凍寿司に使用されるプラスチック
容器やプラスチックフィルムは、ビカット軟化点(Vicat softening
point)が100℃乃至130℃、好ましくは、110乃至120℃と高く、耐熱性を有
し、また、ガラス転移点が、−20℃乃至−50℃と低く、耐寒性を有し、耐水性を有し
、且つ機械的強度、例えば、引張り強度が、34MPa以上、好ましくは36MPa以上
であり、引張り伸度が420%以上、好ましくは480%以上であり、またヤング率が3
30MPa以上、好ましくは350MPa以上であるプラスチック材料及びプラスチック
フィルムが包装材料として使用するのが好ましい。
このようなプラスチック容器及びプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレ
ン製容器、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン製容器又はポリプロピレンフィルムが
あり、これらの他に、ナイロン層とポリエチレン層を貼り合わせたからなる多層プラスチ
ックフィルムなどがある。本発明において、寿司を包む柔軟なプラスチックフィルムとし
ては、例えば、15μmの厚さの硬質のポリエチレンフィルムを使用することができる。
本発明においては、脱気包装冷凍寿司の製造工程は、寿司をプラスチックフィルムで巻
く作業、プラスチックフィルムの両端部を巻いたプラスチックフィルムの上に折り重ねる
作業、このようにして製造された包装寿司を包装袋に入れる作業、包装袋内を脱気する作
業、冷凍する作業、及び湯浴又は蒸気浴で解凍する作業という画一的な作業で構成される
ので、殆ど機械的に行うことが可能な作業であり、自動化が容易となって、衛生的に量産
することが可能となり、作業効率がよくなり、延いては良質な冷凍包装寿司の恒常的な製
造を行うことが可能となって、製品の歩留まりを向上させることができる。
本発明においては、巻物の寿司の場合には、寿司は、具材部分の配置に関係なくプラス
チックフィルムで巻かれ、さらに両端部を折り重ねて、包装寿司とし、包装袋に入れるこ
とができる。この場合、露出する具材の両端部を5mm以上の厚さ、好ましくは10mm
以上の厚さに、米飯で覆うと、解凍時及び蒸らしにおける具材部分の加熱が米飯成形体を
通して行われ、具材部分の温度を米飯成形体より低く保つことができ、米飯部を人肌程度
とし、具材部分の温度を米飯成形体の温度より低く保って、例えば、具材部分の温度を1
0乃至25℃、好ましくは15乃至20℃とすることができる。
本発明においては、包装寿司を脱気された包装袋に収容して、寿司を包装袋内で、包装
袋内面及び寿司を、冷凍温度に冷却されている冷媒と接触させて冷凍され一体に凍結され
るので、脱気包装冷凍寿司を製造する作業を殆ど機械的に行うことが可能となり、自動化
が容易となって量産することができ、しかも、寿司は、冷媒と直接接触しないので、衛生
的であり、延いては良質な脱気包装冷凍寿司の恒常的な製造を行うことができる。また、
本発明においては、脱気包装冷凍寿司は、加熱媒体で加熱解凍の際に、主として冷凍寿司
の米飯成形体から発生する水蒸気が、空間を流動して、冷凍されている具材を加熱して解
凍を行うことができる。
箱形包装容器の場合は、箱形包装容器及び寿司の周囲に空間が形成されるが、脱気段階
で、寿司の周りの空気が排除されて、夫々、互いに接着し合って、冷却時の伝熱を良好に
することができる。この脱気包装冷凍寿司においては、解凍の目的に応じて、箱形包装容
器は、開口部を上に向けた状態で解凍を行ってもよく、また、箱形包装容器を伏せた状態
で解凍を行ってもよい。
しかも、本発明においては、寿司をプラスチック製の箱形包装容器に入れ、寿司の入った
箱形包装容器をプラスチック製の包装袋に入れて凍結して一体にするので、寿司の周囲、
特に、寿司と箱形包装容器の間及び箱形包装容器と包装袋の間に隙間を形成することがで
き、解凍時に発生する蒸気の隙間内の流動により、蒸らし後の寿司の温度を均一にさせる
ことが容易となる。
寿司を包装袋内に入れるとき、米飯部分が包装袋に接触すると、米飯部分が包装袋に粘
着して、寿司の形を崩したり、寿司を円滑に包装袋内に入れることができなくなって好ま
しくない。そこで、本発明においては、寿司はプラスチックフィルムに包んだり、又は箱
形包装容器に収容し、米飯部分の表面をプラスチックフィルムで覆ったりして寿司を箱形
包装容器に入れている。このようにすることにより、包装寿司を包装袋内に入れるときに
、米飯部分の包装袋への粘着を避けることができ、包装寿司を包装袋に入れる作業が、簡
単且つ容易となって好ましい。
本発明の脱気包装冷凍寿司は、このように、寿司をプラスチックフィルムに包んだ包装
寿司、又は寿司を箱形包装容器に入れた包装寿司を、プラスチックフィルム製の包装袋に
入れて脱気し、冷凍して製造されるので、包装寿司の袋詰めの作業が簡単となり、また、
その後のプラスチックフィルム製の包装袋に寿司を入れて脱気包装及び冷凍する作業も簡
単且つ容易となる。このように、本発明においては、従来と同様の衛生的に優れた脱気包
装冷凍寿司を機械的に且つ大量に効率よく製造することができる。しかも、従来困難とさ
れていた、脱気冷凍包装寿司を製造する作業が画一化できるので、殆ど人手を離れて機械
的に行うことが可能となり、自動化により良質な冷凍包装寿司の恒常的な製造を行うこと
ができる。
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施の態様について説明するが、本発明は、以
下の説明及び例示により、何ら制限を受けるものではない。
添付図面において、図1は、本発明の一実施例の概略を説明する概略の側面側の断面図
である。図2は、図1に示す実施例の概略を説明する概略の正面側の断面図である。図3
は、寿司をプラスチックフィルムに載せた状態を示す概略の斜視図である。図4は、寿司
をプラスチックフィルムで一巻きした状態を示す概略の斜視図である。図5は、寿司をプ
ラスチックフィルムで一巻き半巻いた状態を示す図である。図6は、寿司を一巻き半した
プラスチックフィルムの両端部を、プラスチックフィルムで巻いた寿司の上に折り重ねた
状態を示す概略の斜視図である。図7は、未だ寿司を巻いていないプラスチックフィルム
の部分で寿司を巻いた態を示す概略の斜視図である。図8は、本発明の他の一実施例の概
略を説明する概略の側面側の断面図である。図9は、図8に示す実施例の概略を説明する
概略の正面側の断面図である。図10は、本発明のさらに他の一実施例の概略を説明する
概略の側面側の断面図である。図11は、図10に示す実施例の概略を説明する概略の正
面側の断面図である。図12乃至15は、本発明とは、箱形包装容器に寿司を入れた包装
寿司を包装袋に入れて作製された点でのみ相違する本発明と技術思想が同じ事例であり、
本発明を補うものである。図12は、箱形包装容器に寿司を入れた包装寿司を包装袋に入
れて作製された脱気包装冷凍寿司の概略を説明する概略の側面側の断面図である。図13
は、図12の例の概略を説明する概略の正面側の断面図である。図14は、図12とは相
違する箱形包装容器に寿司を入れて作製された包装寿司を包装袋に入れた例の概略を説明
する概略の側面側の断面図である。15は、図14の例の概略を説明する概略の正面側の
断面図である。図1乃至図15において、対応する箇所には、同一の符号が使用されてい
る。
例1
図1及び図2に示す実施例において、脱気包装冷凍寿司1は、外側の包装袋2が、耐寒
性、耐熱性及び耐水性の多層のプラスチックフィルム製であり、包装袋2の内部には包装
寿司3が入れられて、脱気され冷凍されて作製されている。包装袋2の内部は、脱気され
て減圧状態になっており、包装袋2の開口部4は封着されて、包装袋2内への気体、液体
及び細菌その他の固体が侵入しないように密封されている。本例において、包装寿司3は
、米飯成形体5の上に具材6を載せた寿司7を、ポリエチレンフィルム等の耐寒性、耐熱
性及び耐水性のプラスチックフィルム8で巻き、該プラスチックフィルム8の寿司7の両
端部より夫々外側にはみ出ている部分9及び10を、プラスチックフィルム8で巻かれた
寿司7の上に、折り重ねて作られている。脱気包装冷凍寿司1の包装袋2の内部は、脱気
されて冷凍されており、減圧下での冷凍状態にあって、寿司7の米飯成形体5及び具材6
は周囲のプラスチックフィルム8及び包装袋2の多層のプラスチックフィルムと共に凍結
されて一体に形成されている。本例の脱気包装冷凍寿司1において、包装寿司3は、脱気
された真空状態下で、その周囲のプラスチックフィルム8は萎んで寿司7に密着している
。また、本例の脱気包装冷凍寿司1において、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチ
ックフィルム製の包装袋2は、その内部が脱気されて真空状態となっており、該包装袋2
は大気の圧力により萎み、包装寿司3のプラスチックフィルム8に密着している。また、
包装袋2は、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルムで作製されており、
また、その内部は減圧されて真空状態にあるために、湯浴又は蒸気浴により加熱されても
、包装袋2が破裂するには至らない。例えば、棒寿司の脱気包装冷凍寿司を、湯浴の湯又
は蒸気浴の蒸気により解凍するとき、10分乃至20分の間連続して加熱することになる
が、発生する水蒸気により包装袋2が破れることはない。
本例は以上のように構成されているので、脱気包装冷凍寿司1を作製するにあたり、先
ず、包装寿司3を、例えば、図3乃至図7に示すような過程を経て作製する。即ち、先ず
、米飯成形体5の上に具材6を載せて作った寿司7を、具材を上に位置させてプラスチッ
クフィルム8の上に載せる(図3参照)。次いで、手前側11のプラスチックフィルム8
の端部12を、向こう側13の側の寿司7の側面14の下端に移動させ、プラスチックフ
ィルム8を寿司7の米飯成形体5の上に被せる(図4参照)。このプラスチックフィルム
8が被せられた寿司を、被せられたプラスチックフィルム8ごと向こう側13に向けて、
半回転(回転角度180度)させて、プラスチックフィルム8で寿司7を巻く(図5参照
)。寿司7を巻いたプラスチックフィルム8の寿司7の両端部からはみ出ている部分9及
び10を、寿司7の端部と接する箇所で折り曲げて、プラスチックフィルム8で巻かれて
いる寿司7の上に折り重ねる。これと、一緒に、寿司7を巻いていないプラスチックフィ
ルム8の部分15についても両端部を、プラスチックフィルム8の寿司7の端部と接する
箇所の延長線上の折線16に沿って折り曲げ、この折り曲げられた部分は、一緒に内側に
折り畳まれる(図6参照)。次いで、このプラスチックフィルム8が折り重ねられた寿司
7は、プラスチックフィルム8の寿司を巻いていない部分17並びにそのプラスチックフ
ィルム8の寿司を巻いていない部分15の両端部が折り曲げられた部分の上を、プラスチ
ックフィルム部分15及びその両端部が折り曲げられた部分並びに重ねられたプラスチッ
クフィルム8ごと、向こう側13に向けて転がされる。このようにして、寿司7は、さら
に前記寿司を巻いていないプラスチックフィルム部分15並びにその両端部が折り曲げら
れた部分により巻かれて、プラスチックフィルム8により包装された、側面部18、端面
部19及び表面部22を有する包装寿司3が作られる(図7参照)。
このように作られた包装寿司3をプラスチック製の包装袋2に入れて、該包装袋2の開
口部4を、真空ポンプの吸引口(何れも図示されていない)に接続し、例えば、160m
mHgの圧力で、前記包装袋2内を脱気する。この脱気により、包装袋2は、大気の圧力
で、内側に萎み、包装寿司3のプラスチックフィルム8の面を抑え込んで包装寿司3の位
置及びプラスチックフィルムの巻き及び折り目を確実なものとする。脱気をし終えたとこ
ろで、該包装袋2の開口部4を加熱シールにより密封する。密封された寿司を入れたプラ
スチック製の包装袋2を、−35℃の温度のエタノールの冷凍ブラインに浸漬して、プラ
スチック製の包装袋毎全体を一体に凍結して、脱気包装冷凍寿司1を製造する。製造され
た脱気包装冷凍寿司1は、保冷庫に例えば−25℃以下の低温で保冷されて、適宜取出し
解凍して寿司として提供される。
例2
図8及び図9に示す例は、包装寿司3のプラスチックフィルム8の折り畳んだ部分が、
具材6を上に位置させた寿司の米飯成形体5の下側に位置させた事例であり、図1及び図
2の例が、プラスチックフィルム8の折り畳んだ部分が具材6の上に配置されるのに対し
図8及び図9の例では、プラスチックフィルム8の折り畳んだ部分が米飯成形体5の下
に配置されている点で相違している。即ち、プラスチックフィルム8を米飯成形体の下に
折り重ねた場合、寿司7を巻いたプラスチックフィルム8の寿司7の両端部より外側には
み出ている部分9及び10は、寿司7の両端部の端面に沿って折り曲げた上で、米飯成形
体の面上に折り重ねる点で相違する。しかし、他の点は図1及び図2の例と同様であり、
図1及び図2の例と同様に、図3乃至7に示した過程を経て作製される。
即ち、図1及び図2の場合と同様に、脱気包装冷凍寿司1は、外側の包装袋2が、耐寒
性、耐熱性及び耐水性の多層のプラスチック製の包装袋2であり、プラスチック製の包装
袋2の内部には包装寿司3が入れられて、脱気され冷凍されて作製されている。プラスチ
ック製の包装袋2の内部は脱気されて、例えば、140乃至400mmHgの圧力の真空
状態になっている。包装袋2の開口部4は封着されており、これにより、包装袋2は、該
包装袋2内への気体、液体及び細菌その他の固体が侵入しないように密封されている。
本例において、米飯成形体5の上に具材6を載せて作った寿司7を、米飯成形体5を上
に位置させて、プラスチックフィルム8の上に載せる(図3参照)。次いで、手前側11
のプラスチックフィルム8の端部12を、向こう側13の側の寿司7の側面14の下端に
移動させて、プラスチックフィルム8を寿司7の具材6上に被せる(図4参照)。このプ
ラスチックフィルム8が被せられた寿司を、被せられたプラスチックフィルム8ごと向こ
う側13に向けて半回転(回転角度180度の回転)させて、プラスチックフィルム8で
寿司7を巻く(図5参照)。寿司7を巻いたプラスチックフィルム8の寿司7の両端部か
らはみ出ている部分9及び10を、寿司7の端部と接する箇所で折り曲げて、プラスチッ
クフィルム8で巻かれている寿司7の上に折り重ねる。これと、一緒に、寿司7を巻いて
いないプラスチックフィルム8の部分15についても両端部を、プラスチックフィルム8
の寿司7の端部と接する箇所の延長線上の折線16に沿って折り曲げ、この折り曲げられ
た部分は、一緒に内側に折り畳まれる(図6参照)。次いで、このプラスチックフィルム
8が折り重ねられた寿司7は、寿司を巻いていないプラスチックフィルム部分15並びに
その寿司を巻いていないプラスチックフィルム部分15の両端部が折り曲げられた部分の
上を、寿司を巻いていないプラスチックフィルム部分15及びその寿司を巻いていないプ
ラスチックフィルム部分15の両端部が折り曲げられた部分並びに重ねられたプラスチッ
クフィルム8ごと、向こう側13に向けて転がされる。このようにして、寿司7は、さら
に、前記寿司を巻いていないプラスチックフィルム部分15並びにその寿司を巻いていな
いプラスチックフィルム部分15の両端部が折り曲げられた部分により巻かれて、プラス
チックフィルム8により包装された側面部18、端面部19及び表面部22を有する包装
寿司3が作られる(図7参照)。
例3
図10及び図11に示す例は、図3乃至図7に示す製造過程で作成された包装寿司3を
耐寒性、耐熱性及び耐水性を有するプラスチック製の箱形包装容器21に入れ、箱形包装
容器21ごと耐寒性、耐熱性及び耐水性を有する多層の熱透過性のプラスチック製の包装
袋2に入れて、脱気包装後,ブライン冷凍により凍結させた事例であり、図8及び図9に
示す例に比して、包装寿司3と、耐寒性、耐熱性及び耐水性を有するプラスチック製の包
装袋2の間に、上部が開口されている耐寒性、耐熱性及び耐水性を有するプラスチック製
の箱形包装容器21が介在する点で相違する。このように、包装寿司3と包装袋2の間に
、箱形包装容器21を介在させると、脱気後に包装寿司3の周りにある程度の空間20を
確保することができ、これにより、さらに蒸らしが効率よく行うことができる。この場合
、寿司は、プラスチックフィルムで包装されており、解凍後付着することもなく、容易に
箱形包装容器21から1個ずつ取出すことができる。また、複数個の寿司7を箱形包装容
器21内に入れて包装寿司を作り、箱形包装容器21ごと包装寿司3を包装袋2内に入れ
て脱気包装し、冷凍して脱気包装冷凍寿司を製造することができる。
図1、図2、図8、図9、図10及び図11に示す脱気包装冷凍寿司1は、何れにおい
ても、具材6を上に位置させて湯浴又は蒸気浴により解凍される。また、図1及び図2に
示す脱気包装冷凍寿司1にあっては、解凍時に、プラスチックフィルムの折り重ねた部分
が、包装袋2の内面に接しているので、具材6を上に位置させて湯浴又は蒸気浴により解
凍しても、プラスチックフィルムの折り重ねた部分が解けることがない。また、図8及び
図9に示す脱気包装冷凍寿司1にあっては、プラスチックフィルムの折り重ねた部分が米
飯成形体の下側に位置するので、具材6を上に位置させて湯浴又は蒸気浴により解凍して
も、解凍時に、寿司の重さによりプラスチックフィルムの折畳んだ部分が押されて解ける
ことがない。具材6を上に位置させた状態で湯浴に入れて解凍する場合、米飯成形体5の
部分は湯浴に沈み、湯浴内に浸かった状態で湯浴によって直接加熱されるが、具材の部分
は、湯浴に浮き、湯浴面の上方に位置することとなって、湯浴によって直接加熱されるこ
とがないので、湯浴による加熱後において、具材部分の温度は、米飯成形体5の部分の温
度に比して、30℃程度温度が低くなっている。
以下に示す例4乃至例11は、何れも寿司を箱形の包装容器に入れて包装寿司とし、8
5℃以上の湯浴又は蒸気浴により解凍する参考事例であるが、解凍後の寿司の温度を測定
した事例であり、参考までに示すものである。
例4
図12乃至図15に示す実施例において、脱気包装冷凍寿司1は、外側が耐寒性、耐熱
性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋2であり、多層プラスチックフィル
ム製の包装袋2の内部には、寿司7を箱形容器21内に入れて作った包装寿司3を、箱形
容器21ごと包装袋2内に入れて、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィル
ム製の包装袋2内に収容されている。脱気包装冷凍寿司1の多層プラスチックフィルム製
の包装袋2の開口部4を封着して脱気包装し、冷凍して脱気包装冷凍寿司を製造する。脱
気包装冷凍寿司において、包装袋2の内部全体は、脱気された減圧状態(真空状態)で米
飯成形体5及び具6を備える寿司7と共に一体に凍結されている。脱気包装冷凍寿司1
において、多層プラスチックフィルム製の包装袋2は、内部が脱気され冷凍されて、真空
状態で冷凍されており、包装袋2の上部中央部24が大気の圧力により内側に凹んで、前
記中央部24の内面25を寿司7の具6の上面23に密着して凍結されており、解凍時
においても寿司7の具6の上面23は、多層プラスチックフィルム製の包装袋2の上部
中央部24の内面25に接した状態で解凍され、解凍後の箱26内の寿司7の米飯成形体
5及び具6の位置は脱気前と殆ど変わらない。また、包装袋2の内部は減圧状態にある
ために、85℃以上の湯浴又は蒸気浴による10乃至25分程度の加熱によって、水蒸気
が発生しても、包装袋2が破裂するには至らない。図14及び図15は、断面かまぼこ型
の容器26であり、内側にリブ28が形成されている。本例において、寿司7は、具材6
を、米飯成形体5の下に位置させて包装箱26に入れられている。図14には、包装箱2
6の内部29は、切り欠き線27により、寿司を除いて示されている。図15は、断面形
状がかまぼこ型の包装箱26の例である。本例においては、底部に具6を向けて寿司を
配置した場合、寿司7の具6が底部に密に接して、寿司の配置が安定する。本例におい
て、巻き寿司の場合は、底部を略円形に形成して、巻き寿司の上部を包装箱26の縁より
上部に多少突き出して配置することができる。この場合、巻き寿司の上部の突き出た部分
は、包装袋の内面が接して押えられ、巻き寿司の配置を安定させることができる。
本例は以上のように構成されているので、包装冷凍寿司1は、例えば、次のようにして
製造することができる。即ち、米飯成形体5の上に、具6を載せて寿司7を作り、この
作られた寿司7をプラスチック製の包装箱26に入れる。寿司7を入れた前記包装箱26
を、包装袋2内に入れて、該包装袋2の開口4を、真空ポンプの吸引口(何れも図示され
ていない)に接続し、例えば、400mmHgの圧力で、前記包装袋2内を脱気する。こ
の脱気過程で、包装袋2の上面部24は、大気の圧力で、内側に萎み、具6の上面23
を抑え込んで、包装箱26内の寿司7及び具6の位置を安定させる。脱気をし終えたと
ころで、該包装袋2の開口4を加熱シールにより密封し、密封されたプラスチック製の包
装袋2を、エタノールの冷凍ブラインに浸漬して、プラスチック製の包装袋毎全体を凍結
して一体に形成して、脱気包装冷凍寿司1を製造する。製造された脱気包装冷凍寿司1は
、保冷庫に例えば−25℃以下の低温で保冷されて、適宜取出し解凍して寿司として提供
される。
本例においても、図1、図2、図8、図9、図11及び図12に示した実施例と同様に
、脱気包装冷凍寿司1は、具材6を米飯成形体5の上に位置させて湯浴又は蒸気浴により
解凍する。具材6を上にして湯浴又は蒸気浴により解凍する場合は、具材6より、米飯成
形体5の方が高い温度に加熱される。このように加熱された米飯成形体5においては、温
度が上昇すると共に水蒸気が発生し、此処で発生した蒸気は、柔軟なプラスチック製の包
装袋2内に篭って、低い温度の米飯成形体5及び具6を温めることになり、寿司3の全
体を均一な温度に解凍させることになる。
例5
炊き上げた米飯13kgに酢1400mlを混合し、均一になるように撹拌し、このよ
うにして酢合わせされた米飯を、次いで50℃に冷却して、酢あわせした米飯、即ち酢飯
を調製した。この調製された酢飯130gに、巻き芯70gを載せて中巻き寿司を、中巻
きの巻き寿司機により、直径35mm、長さ180mmの丸棒状の中巻き寿司を作製した
。中巻き寿司200gを、耐寒性、耐熱性及び耐水性を有するMLシート(高密度ポリエ
チレンフィルム:最高温度121℃、最低温度−51℃)で前記図3乃至図7に示す過程
を経て包み、耐寒性、耐熱性及び耐水性を有し、開口部の大きさが、巾62mm、長さ1
92mm、高さ30mmで、底部の大きさが、巾20mm、長さ182mmの上方に広が
る形状のポリプロピレン製の包装容器に入れて包装寿司とした。包装容器に寿司を入れて
作製した包装寿司を、包装容器ごと、耐寒性、耐熱性及び耐水性を有する、内側がポリエ
チレンフィルムで外側がナイロンフィルムとなっている多層プラスチックフィルム製の包
装袋に入れて、真空ポンプにより、160mmHgの圧力に脱気した。包装寿司を入れた
包装袋は、脱気後、開口部が加熱シールされて密封された。密封された包装袋を、冷凍温
度の−36℃に冷却されたアルコールブラインに浸漬して、冷凍して脱気包装冷凍寿司を
作製した。作製された脱気包装冷凍寿司は保冷庫に例えば−25、2℃以下の低温で保冷
されて、適宜取出し解凍して寿司として提供される。
このよう作製した中巻き寿司の脱気包装冷凍寿司を調理するにあたって、蒸し器により
解凍した。蒸し器から発生する蒸気は、99.6℃であった。蒸し器の加熱時間は20分
であり、25℃の室温における蒸らしの時間は15分であった。
本例において、解凍された巻き寿司の温度を、前記米飯成形体の上面の幅方向中央で長手
方向の端から内側に10mm入った箇所(表1中、米飯端部上面部という)の温度、前記
米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所(表1中、米飯部中央表面部という
)の温度、前記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所の深さ2mm(表1
中、米飯部中央内部2mmという)前記具材の幅方向中央で長手方向中央の端部から内側
15mmの箇所(表1中、具材部15mmという)の温度を、解凍直後、蒸らし15分経
過後において測定した。その結果を表1に示す。
表1
解凍後の時間 解凍直後(℃) 15分(℃))
米飯部端部上面部 51.5 29.4
米飯部中央表面部 34.3 25.6
米飯部中央内部2mm 25.7 26.5
具材部表面部15mm 18.9 26.6
例6
例5で作製した中巻き寿司の脱気包装冷凍寿司について、蒸し時間を変えて蒸し器によ
り解凍した。蒸し器から発生する蒸気は、99.6℃であった。蒸し器の加熱時間は15
分であり、25℃の室温における蒸らしの時間は30分であった。
本例において、解凍された巻き寿司の温度を、前記米飯成形体の上面の幅方向中央で長手
方向の端から内側に10mm入った箇所(表2中、米飯部端部上面部という)の温度、前
記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所(表2中、米飯部中央表面部とい
う)の温度、前記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所の深さ2mm(表
2中、米飯部中央内部2mmという)前記具材の幅方向中央で長手方向中央の端部から内
側15mmの箇所(表2中、具材部表面部15mmという)の温度を、解凍直後、蒸らし
15分経過後において測定した。その結果を表2に示す。
表2
解凍後の時間 解凍直後(℃) 30分(℃))
米飯部端部上面部 38.3 16.2
米飯部中央表面部 27.5 14.9
米飯部中央内部2mm 23.0 13.9
具材部表面部15mm −0.2 12.7
例7
例5で作製した中巻き寿司の脱気包装冷凍寿司について、例5及び例6とは蒸し時間を
変えて蒸し器により解凍した。蒸し器から発生する蒸気は、99.6℃であった。蒸し器
の加熱時間は10分であり、25℃の室温における蒸らしの時間は40分であった。
本例において、解凍された巻き寿司の温度を、前記米飯成形体の上面の幅方向中央で長手
方向の端から内側に10mm入った箇所(表3中、米飯部端部上面部という)の温度、前
記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所(表3中、米飯部中央表面部とい
う)の温度、前記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所の深さ2mm(表
3中、米飯部中央内部2mmという)前記具材の幅方向中央で長手方向中央の端部から内
側15mmの箇所(表3中、具材部表面部15mmという)の温度を、解凍直後、蒸らし
15分経過後において測定した。その結果を表3に示す。
表3
解凍後の時間 解凍直後(℃) 40分(℃))
米飯部端部上面部 30.9 19.2
米飯部中央表面部 17.9 14.6
米飯部中央内部2mm 12.5 14.0
具材部表面部15mm −5.1 11.7
例8
寸法が、幅55mm、高さ30mm及び長さ180mmであり、重量は240gの米飯
成形体が使用された。シート状の鱒40gを具材として使用し、その上に酢飯の米飯成形
体(240g)を載せて、幅55mm、高さ30mm及び長さ180mmの鱒寿司を調製
する。このように調製された鱒寿司は、具材を下にして、即ち具材を底に接触させて、0
.3mm厚さのポリエチレンシート製のかまぼこ型トレイ(開口部寸法:巾55mm、長
さ180mm、高さ30mm、底部寸法、巾20mm、長さ182mm)に入れ、上側に
位置する米飯成形体の上に、耐熱性及び耐寒性のOPシート(二枚を重ねた二軸延伸ポリ
プロピレンフイルム:最高温度121℃、最低温度が−51℃)を被せて、トレイごと、
内側がポリエチレンフィルムで外側がナイロンフィルムとなっている多層プラスチックフ
ィルム製の包装袋に入れ、包装袋内を160mmHgの圧力に脱気して、該包装袋の開口
部を加熱シールすることにより密封した。このよう包装袋に入れられて密封包装された脱
気包装寿司は、エチルアルコールをブラインとして、−35℃の温度のブライン中に45
分間保持して、ブライン冷凍した。このときの脱気包装冷凍鯖寿司の芯の温度は−25℃
であった。このようにして製造された脱気包装冷凍鯖寿司は製品として−28℃の温度で
保存された。
この鱒寿司の脱気包装冷凍寿司について、鍋内の沸騰する湯(湯浴温度:99.6℃)の
中に、米飯成形体を下側にして浸して湯浴により解凍した。湯浴の加熱時間は20分であ
り、25℃の恒温器における蒸らしの時間は15分であった。
本例において、解凍された鱒寿司の温度を、前記米飯成形体の上面の幅方向中央で長手方
向の端から内側に10mm入った箇所(表4中、米飯部端部上面部という)の温度、前記
米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所(表4中、米飯部中央表面部という
)の温度、前記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所の深さ2mmの箇所
(表4中、米飯部中央内部2mmという)前記具材の幅方向中央で長手方向中央の端部か
ら内側表面15mmの箇所(表4中、具材部表面部15mmという)の温度を、解凍直後
、蒸らし15分経過後において測定した。その結果を表4に示す。
表4
解凍後の蒸らし時間 解凍直後(℃) 40分(℃)
米飯端部上面部 51.7 30.2
米飯部中央表面部 42.9 25.6
米飯部中央内部2mm 33.6 24.6
具材部表面部15mm 1.7 12.5
例9
例8で作製した鱒寿司の脱気包装冷凍寿司について、例8とは湯浴の加熱時間を変えて
解凍した。湯浴の温度は、99.6℃であった。湯浴の加熱時間は15分であり、恒温器
の温度25℃における蒸らしの時間は15分であった。
本例において、解凍された巻き寿司の温度を、前記米飯成形体の上面の幅方向中央で長手
方向の端から内側に10mm入った箇所(表5中、米飯部端部上面部という)の温度、前
記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所(表5中、米飯部中央表面部とい
う)の温度、前記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所の深さ2mm(表
5中、米飯部中央内部2mmという)の温度、及び前記具材の幅方向中央で長手方向中央
の端部から内側15mmの箇所(表5中、具材部表面部15mmという)の温度を、解凍
直後、蒸らし15分経過後において測定した。その結果を表5に示す。
表5
解凍後の時間 解凍直後(℃) 15分(℃)
米飯部端部上面部 46.2 23.5
米飯部中央表面部 39.7 22.5
米飯部中央内部2mm 26.8 21.0
具材部表面部15mm 0.6 6.0
例10
寸法が、幅55mm、高さ30mm及び長さ180mmであり、重量は240gの酢飯
の米飯成形体が使用された。シート状の鱒40gを具材として使用し、その上に酢飯の米
飯成形体(240g)を載せて、幅55mm、高さ30mm及び長さ180mmの鱒寿司
を調製する。このように調製された鱒寿司は、具材を下にして、即ち具材を底に接触させ
て、0.3mm厚さのポリエチレンシート製のかまぼこ型トレイ(開口部寸法:巾55m
m、長さ180mm、高さ30mm、底部寸法、巾20mm、長さ182mm)に入れ、
上側に位置する米飯成形体の上に、耐熱性及び耐寒性のOPシート(二枚を重ねた二軸延
伸ポリプロピレンフイルム:最高温度121℃、最低温度が−51℃)を被せて、トレイ
ごと、内側がポリエチレンフィルムで外側がナイロンフィルムとなっている多層プラスチ
ックフィルム製の包装袋に入れ、包装袋内を160mmHgの圧力に脱気して、該包装袋
の開口部を加熱シールすることにより密封した。このよう包装袋に入れられて密封包装さ
れた脱気包装寿司は、エチルアルコールをブラインとして、−35℃の温度のブライン中
に45分間保持して、ブライン冷凍した。このときの脱気包装冷凍鯖寿司の芯の温度は−
25℃であった。このようにして製造された脱気包装冷凍鯖寿司は製品として−28℃の
温度で保存された。
このようにして作製した鱒寿司の脱気包装冷凍寿司を調理するにあたって、蒸し器により
解凍した。蒸し器から発生する蒸気は、99.6℃であった。蒸し器の加熱時間は15分
であり、25℃の恒温器における蒸らしの時間は15分であった。
本例において、解凍された鱒寿司の温度を、前記米飯成形体の上面の幅方向中央で長手方
向の端から内側に10mm入った箇所(表6中、米飯部端部上面部という)の温度、前記
米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所(表6中、米飯部中央表面部という
)の温度、前記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所の深さ2mmの箇所
(表6中、米飯部中央内部2mmという)前記具材の幅方向中央で長手方向中央の端部か
ら内側表面15mmの箇所(表6中、具材部表面部15mmという)の温度を、解凍直後
、蒸らし15分経過後において測定した。その結果を表6に示す。
表6
解凍後の蒸らし時間 解凍直後(℃) 40分(℃)
米飯端部上面部 56.5 27.2
米飯部中央表面部 46.7 18.9
米飯部中央内部2mm 31.3 14.6
具材部表面部15mm 14.3 19.3
例11
例10で作製した鱒寿司の脱気包装冷凍寿司について、例10及び例11とは蒸気浴の
蒸気による加熱時間を変えて解凍した。蒸気浴の蒸気の温度は、99.6℃であった。蒸
気浴の蒸気による加熱時間は12分30秒であり、温度25℃の恒温器における蒸らしの
時間は15分であった。本例において、解凍された鱒寿司の温度を、前記米飯成形体の上
面の幅方向中央で長手方向の端から内側に10mm入った箇所(表7中、米飯部端部上面
部という)の温度、前記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の箇所(表7中、
米飯部中央表面部という)の温度、前記米飯成形体の下面の幅方向中央で長手方向中央の
箇所の深さ2mm(表7中、米飯部中央内部2mmという)の温度、及び前記具材の幅方
向中央で長手方向中央の端部から内側15mmの箇所(表7中、具材部表面部15mmと
いう)の温度を、解凍直後、蒸らし15分経過後において測定した。その結果を表7に示
す。
表7
解凍後の時間 解凍直後(℃) 15分(℃)
米飯部端部上面部 53.2 24.6
米飯部中央表面部 44.3 18.7
米飯部中央内部2mm 29.5 12.4
具材部表面部15mm 12.4 12.8
本発明においては、脱気包装冷凍寿司は、耐熱性、耐寒性及び耐水性を有するプラスチ
ック製の包装具に、寿司を入れて脱気包装して、冷凍することにより、寿司の周りに、5
0乃至500mmHgの圧力の寿司の容積に対して、0.1乃至0.7倍の容積の空間を
形成して、85℃以上の温度の加熱媒体により加熱して、比較的短時間に解凍でき、衛生
的に優れた脱気包装冷凍寿司を簡単に製造でき、その作業も比較的簡単かつ容易となるの
で、脱気包装冷凍寿司を機械的に且つ大量に効率よく製造することができる。しかも、従
来困難とされていた、冷凍包装寿司を製造する作業が殆ど人手を離れて機械的に行うこと
が可能となり、自動化が容易にでき、良質な脱気冷凍包装寿司の製造を恒常的に行うこと
ができ、産業上の利用性が大きい。
本発明の一実施例の概略を説明する概略の側面側の断面図である。 図1に示す実施例の概略を説明する概略の正面側の断面図である。 寿司をプラスチックフィルムに載せた状態を示す概略の斜視図である。 寿司をプラスチックフィルムで一巻きした状態を示す概略の斜視図である。 寿司をプラスチックフィルムで一巻き半巻いた状態を示す図である。 寿司を一巻き半したプラスチックフィルムの両端部を、プラスチックフィルムで巻いた寿司の上に折り重ねた状態を示す概略の斜視図である。 未だ寿司を巻いていないプラスチックフィルムの部分で寿司を巻いた態を示す概略の斜視図である。 本発明の他の一実施例の概略を説明する概略の側面側の断面図である。 図8に示す実施例の概略を説明する概略の正面側の断面図である。 本発明のさらに他の一実施例の概略を説明する概略の側面側の断面図である。 図10に示す実施例の概略を説明する概略の正面側の断面図である。 箱形包装容器に寿司を入れた包装寿司を包装袋に入れて作製された本発明の一実施例の概略を説明する概略の側面側の断面図である。 図12の実施例の概略を説明する概略の正面側の断面図である。 図12とは相違する箱形包装容器に寿司を入れて作製された包装寿司を包装袋に入れた本発明の一実施例の概略を説明する概略の側面側の断面図である。 図14の実施例の概略を説明する概略の正面側の断面図である。
1 脱気包装冷凍寿司
2 プラスチック製の包装袋
3 包装寿司
4 プラスチック製の箱
5 米飯成形体
6 具
7 寿司
8 プラスチックフィルム
9及び10 プラスチックフィルム8の寿司の外側にはみ出ている部分
11 手前側
12 手前側11のプラスチックフィルム8の端部
13 向こう側
14 向こう側13の側の寿司7の側面
15 寿司7を巻いていないプラスチックフィルム8の部分
16 寿司7の端部と接する箇所の延長線上の折線
17 向こう側13のプラスチックフィルムの端部
18 包装寿司3の側面部
19 包装寿司3の端面部
20 脱気包装寿司の空間部
21 包装容器
22 包装寿司3の表面部
23 具材6の上面
24 包装袋2の上部中央部
25 包装袋の上部中央部24の内面
26 包装箱
27 切り欠き線
28 リブ
29 包装箱26の内部
30 寿司の切れ目

Claims (8)

  1. 密封されている柔軟なプラスチックフィルム製の包装袋内に包装寿司が配置されて、 脱気され、前記包装袋と一体に凍結されて形成され、85℃以上の温度の加熱媒体により加熱解凍される、加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司において、寿司は、該寿司の長軸を中心に、該寿司の長軸方向の長さより長い長さを有し、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上のプラスチックフィルムにより巻かれ、このプラスチックフィルムにより巻かれた寿司は、少なくとも一部面上で前記プラスチックフィルムにより二重に巻かれており、さらに、該寿司の長軸方向の両端部の面上で、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの端部が折り重ねられて、包装寿司が形成されており、この形成された包装寿司、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に入れられて、該包装袋内が350乃至140mmHgの圧力に脱気され密封されて形成された脱気包装寿司内において、前記包装袋の内面は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在しており、さらに、記寿司と前記包装袋の間には、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いて、前記寿司の容積に対して、0.1乃至0.7倍の容積の空間が形成されており、この脱気包装寿司を冷凍して、前記包装袋、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記寿司が共に凍結されて一体に形成された脱気包装冷凍寿司において、前記寿司を巻いたプラスチックフイルムの折り重ねた部分及び折り目部分には,夫々折り癖、圧着された折り目が形成されていることを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司。
  2. 密封されている柔軟なプラスチックフィルム製の包装袋内に包装寿司が配置されて、脱気され、前記包装袋と一体に凍結されて形成され、85℃以上の温度の加熱媒体により加熱解凍される、加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司において、寿司は、該寿司の長軸を中心に、該寿司の長軸方向の長さより長い長さを有し、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上のプラスチックフィルムにより巻かれ、前記プラスチックフィルムにより巻かれた寿司は、少なくとも一部面上で前記プラスチックフィルムにより二重に巻かれており、前記プラスチックフィルムにより巻かれた寿司は、該寿司の長軸方向の両端部の面上で、前記巻かれたプラスチックフィルムの端部を折り重ね、さらに、前記プラスチックフィルムの両端部の折り重ねられた部分の上に、前記プラスチックフィルムが少なくとも一重に巻かれて包装寿司が形成されており、この形成された包装寿司は、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に入れられて、該包装袋内が350乃至140mmHgの圧力に脱気されて密封されており、この脱気されて密封された包装袋内において、前記包装袋の内面は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在しており、さらに、前記寿司と前記包装袋の間には、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いて、前記寿司の容積に対して、0.1乃至0.7倍の容積の空間が形成されており、この脱気包装寿司を冷凍して、前記包装袋、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記寿司が共に凍結されて一体に形成された脱気包装冷凍寿司において、前記寿司を巻いたプラスチックフイルムの折り重ねた部分及び折り目部分には,夫々折り癖、圧着された折り目が形成されていることを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司。
  3. 包装寿司を入れ脱気された包装袋内において、寿司と包装袋の間に形成されている空間の容積は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いて、前記寿司の容積に対して、0.1乃至0.5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司。
  4. 包装寿司は、寿司を巻いたプラスチックフィルムの端部を折り重ねることにより可及的に密封されて形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司。
  5. 寿司を、該寿司の長軸方向の長さより長い長さの長辺及び短辺を有する長方形で、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上の柔軟なプラスチックフィルムの上に、直接、前記寿司の長軸を、前記長辺に沿わせて載せ、前記プラスチックフィルムの寿司の短軸方向の第一の側の端部を、寿司の上面部を越えて、前記寿司の短軸方向の第一の側に対向する第二の側の側面部の下方に移動させて、前記寿司の上面及び第二の側の側面部を前記プラスチックフィルムで覆い、次いで、このプラスチックフィルムで覆われている寿司を、前記寿司の長軸を中心に、該寿司を巻いたプラスチックフィルムごと、少なくとも半回転させて、前記寿司を前記プラスチックフィルムで更に巻き、前記寿司の少なくとも一部を前記プラスチックフィルムで二重に覆って止めて、前記プラスチックフィルムの両端部を、夫々前記寿司の上面又は下面に折り重ねて、包装寿司が形成されており、この形成された包装寿司を柔軟な、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に入れて、前記包装袋内を350乃至140mmHgの圧力に脱気し、前記脱気された包装袋の開口部を密封して脱気包装寿司を形成し、この脱気包装寿司において、前記包装袋の内面は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻
    いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在しており、さらに、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いた、包装袋と寿司の間に形成される空間の容積が、寿司の容積の0.1乃至0.7倍に調整されており、この脱気包装寿司を冷凍温度に冷却されている冷媒により冷却して、前記包装袋、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記寿司を共に凍結して一体に形成して、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの折り重ねた部分及び折り目部分に,夫々折り癖、圧着された折り目を形成させたことを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司の製造方法。
  6. 寿司を、該寿司の長軸方向の長さより長い長さの辺を有し、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上の柔軟なプラスチックフィルムの上に、直接、前記寿司の長軸を、前記辺に沿わせて載せ、前記プラスチックフィルムの寿司の短軸方向の第一の側の端部を、前記寿司の上面部を越えて、前記寿司の短軸方向の第一の側に対向する第二の側の側面部の下方に移動させて、前記寿司の上面及び第二の側の側面部を前記プラスチックフィルムで覆い、次いで、このプラスチックフィルムで覆われている寿司を、寿司の長軸を中心に、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムごと、少なくとも半回転させて、前記寿司を前記プラスチックフィルムで更に巻き、前記寿司の少なくとも一部を前記プラスチックフィルムで二重に覆い、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの寿司の長軸方向両端部分を、夫々未だ、前記寿司を覆っていない前記プラスチックフィルムの部分を含めて反対側の端部に向けて折って、前記折り曲げられたプラスチックフィルムの前記寿司を覆っている部分の両端部分を、夫々前記寿司の上面又は下面に重ね、この折り重ねた部分の上を、前記プラスチックフィルムの前記寿司を覆っていない部分で巻いて、包装寿司を形成し、この形成された包装寿司を、柔軟な、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に入れて、前記包装袋内を350乃至140mmHgの圧力に脱気し、この脱気された包装袋の開口部を密封して脱気包装寿司を形成し、この脱気包装寿司において、前記包装袋の内面は、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在しており、さらに、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いた、前記包装袋と前記寿司の間に形成される空間の容積が、前記寿司の容積の0.1乃至0.7倍に調整されており、この脱気包装寿司を冷凍温度に冷却されている冷媒により冷却して、前記包装袋、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記寿司を共に凍結して一体に形成して、プラスチックフイルムの折り重ねた部分及び折り目部分に,夫々折り癖、圧着された折り目を形成させて、脱気包装冷凍寿司を製造することを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司の製造方法。
  7. 寿司の第一若しくは第二の側の側面部、上面部又は底面部の少なくとも一部を二重に覆ったプラスチックフィルムの寿司の長軸方向の端部又は両端部を、下側のプラスチックフィルム面に、接着剤若しくは粘着剤又は接着若しくは粘着具材を介して固定することを特徴とする請求項5又は6に記載の85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司の製造方法。
  8. 寿司の長軸方向の長さより長い長さを有し、ビカット軟化点が100℃乃至130℃と高く、耐熱性を有し、且つガラス転移点がー20℃乃至―50℃と低く、耐寒性を有し、引っ張り強度が36MPa以上、引っ張り伸度が480%以上、ヤング率が350MPa以上の柔軟なプラスチックフィルムにより、前記寿司の一部面上が少なくとも二重に巻かれており、さらに、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの寿司の長軸方向の両側の端部を、夫々寿司の面上に折り重ねて包装寿司を形成し、この形成された包装寿司を、柔軟な、耐寒性、耐熱性及び耐水性の多層プラスチックフィルム製の包装袋内に配置し脱気してその内部が350乃至140mmHgの圧力の減圧状態にされて、その開口部が密封されている前記プラスチックフィルム製の包装袋内で、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムと前記寿司の間には空間が存在し、また、寿司の周囲に形成される空間の容積が、前記寿司を巻いたプラスチックフィルムの容積を除いて、前記寿司の容積の0.1乃至0.7倍である脱気包装寿司を形成し、この脱気包装寿司において、前記包装袋の内面は、前記包装寿司のプラスチックフィルムに圧着しており、また、前記寿司を巻いたプラスチックフイルムの折り重ねた部分及び折り目部分は,夫々折り癖、圧着された折り目を形成しており、さらに、この形成された脱気包装寿司を冷却して、前記寿司、前記寿司を巻いたプラスチックフィルム及び前記包装袋が一体に凍結されている脱気包装冷凍寿司を形成し、このように形成された、加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司を、85℃以上の温度の加熱媒体により加熱して、前記寿司の米飯成形体部分の長手方向端部の温度を50℃以上にさせて前記加熱媒体による加熱を停止し、次いで、加熱された前記包装袋を密封したまま、室内若しくは水中に放置して、または、室内に放置した後水中に放置して、前記米飯成形体部分から発生する水蒸気を前記寿司と前記寿司を巻いた柔軟なプラスチックフィルムの間の空間内に流動可能に存在させることにより、前記寿司を蒸らして、該寿司の具材及び米飯の部分の温度を15℃乃至30℃にすることを特徴とする85℃以上の温度の加熱媒体による加熱解凍用の脱気包装冷凍寿司の解凍調理方法。
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