JP5686528B2 - 釣り竿用トップラインガイド及び釣り竿 - Google Patents
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Description
(イ)釣り糸をガイドするセラミック製のガイドリングを金属製案内環保持部で支持していた。
(ロ)金属製案内環保持部には、ガイドリングを保持装着する部分と、その装着する部分から釣竿本体方向下向きに延出する金属製脚と、金属製脚の下端で金属製取付けパイプの先端とが連結されていた。連結するにあたって金属製取付けパイプの先端をカシメ等するため平坦(S)にして、金属製脚との連結固定をしていた。
(ハ)金属製案内環保持部の両側から、金属製ブリッジは斜め下方に延出し金属パイプ中間部で固定していた(特許文献1)。
(ニ)釣竿穂先先端への固定は、金属製取付けパイプへ穂先先端を挿入し接着等で固定していた。
(ロ)金属製の案内環保持部、金属製脚、金属製のブリッジを形成するに、プレスによる打ち抜き加工、及び、深絞り加工を施して形成したり、あるいは、複数の部品をロー付け加工、カシメ等によって細幅の金属を組み付けて構成する手法を採っているので、金属製のフレームの形状に不連続な部分が必然的に形成され、その不連続な部分に釣り糸が絡み付き易いという問題があった。また金属を曲げ加工するに十分寸法精度を出すことができず、困難を生じる場合もあった。
(ハ)図12に示すとおり、金属製脚(J)と金属製取付パイプ(M)の固定は、金属製取付パイプ(M)先端を平坦(S)にして固定しているため、穂先(Aa)先端部は金属製取付パイプ(M)の先端まで挿入できず、ガイドリング(R)部から相当距離離れしまい、ガイドリングへ釣り糸(L)から伝わる魚信(振動)が穂先(Aa)先端と交差する方向へ作用せず、穂先先端から先部へ相当距離離れた方向へ作用し、結果として穂先部へは偶力モーメントしか作用せず、しかも金属製脚(J)、金属製取付パイプ(P)等を介して、釣り竿穂先とは異質の材料である金属ガイドから合成樹脂複合材料で構成されている穂先へ伝わるため、そのままの魚信(振動)が伝わっていない懸念があった。
(二)穂先(Aa)先端への固定は金属製取付けパイプ(M)へ穂先(Aa)先端を挿入する形式をとっているが、釣竿(A)穂先(Aa)が通常形成される炭素繊維等に合成樹脂を含浸した合成樹脂複合体と金属パイプとは物性が、大きく異なることから、金属製取付パイプと穂先(Aa)の連結部で破損等の問題が生じることがあった。
請求項1に係る発明の特徴構成は、釣り竿穂先部に取り付けられるトップラインガイドであって、釣糸導通用の導通孔を形成しているセラミック製等のガイドリングが、複合材製リング保持部に一体固定され、前記複合材製リング保持部は高強度繊維を含有する合成樹脂複合材で前記ガイドリングの外側に形成され、かつ前記複合材製リング保持部の下部には先端固定用穴部を有し、前記複合材製リング保持部と前記穂先部先部に載置される高強度繊維を含有する合成樹脂複合材製取付部とが、前記穂先への取付け状体での側面視で、段差なく形成され、リング保持部に金属製板状リング保持部が更に設けられている釣り竿用トップラインガイドにあり、その作用効果は次の通りである。
セラミック製のガイドリングの外側に高強度繊維を含有する合成樹脂複合材で前記ガイドリングが一体固定されているので、ガイドリングが脱落したりすることなく、衝撃的な荷重を受けた場合であっても、金属製の場合のように変形するようなことはなくガイドリングが損傷する虞が少ない。もちろん金属製のように海水によって、腐蝕するようなこともない。また、合成樹脂複合材製リング保持部(以下リング保持部という。)と前記複合材製取付部(以下取付部という。)とが取付け状態での側面視で、段差なく形成されているので、釣り糸の糸がらみがしにくい。更に穂先への取付け部が、従来のごとく金属パイプでなく、通常使用される釣り竿と同質の合成樹脂複合材で形成されているので、金属パイプと穂先部の接合部近傍で局部的な応力がかかることがなく穂先に取り付けられた場合、金属パイプとのつなぎ部の穂先部局部に集中的な力がかかることがなく、穂先部での破損も少なくなる。かつ、リング保持部に先端固定用穴部が設けられ、その穴部に穂先先端が固定されているので、魚信による振動が、従来のトップガイドのように金属パイプに伝播されてそれから穂先先端に伝わるのでなく、穂先先端に向かう方向視に働くので、正確な魚信を釣り人は感じ取ることができる。
セラミック製等のガイドリングが、更に金属製板状リング保持部によっても固定されているので、強固に保持固定される。
金属製板状リング保持部がリング保持部の表面に表出しているので、その部分が岩等に当たっても傷つきにくい。特に穂先先端は障壁に当たりやすく、傷付きやすい部分であるので、釣り竿の取って有効である。
連結部の構成として、左右に側脚部を配置する構成によって、脚部を左右に間隔を開けた状態で配置構成することができる。このことによって、釣り竿用のトップラインガイドに曲げ荷重やネジリ荷重が掛る場合にも、左右の側脚部が踏張力を発揮して、十分耐えるものとなる。
この側脚部を左右に下方に向けて連続的に延出されているよう配することによって、この側脚部の側面によって釣り糸が絡み付くのを阻止でき、糸絡みを効果的に抑制する。
穂先先部をリング保持部の先端固定用穴部と合成樹脂複合材製パイプ内周面に固定することができるため、トッププラインガイドが穂先へ強固に固定可能となる。
穂先へのトップラインガイドの固定を穂先先端部と先端から一定距離を置いた穂先先部の周方向の1部に固定が可能となるので、なお穂先へライントップガイド固定による穂先部局部への集中的な曲げ力がかかることなく、穂先の破損を防止できる。
〔作用効果〕
つまり、釣り竿の外周面に取り付けられる取付部側に位置する部分の方が、前後幅が広くなっているので、曲げ応力等の大きな荷重を受ける部分の強化を図ることができ、釣り竿用トップラインガイドの釣り竿への取付状態を安定したものにできる。
リング保持部に釣り糸が絡み付きを生じた場合であっても、錘等によってリング保持部の前側(穂先側)に向けて引かれる釣り糸は、前向きに傾斜するリング保持部に引っ掛かることなく、すり抜けることができる。
一方、側脚部の軸線の後向き面は、前記リング保持部側に位置する部分から前記取付部側に位置する部分に掛けて、段差なく繋がるように形成してあるので、不連続な面がなく、釣り糸が引っ掛かることが少ない。
以上のように、釣り竿用トップラインガイドは、取付部から側脚部を介してリング保持部まで、不連続な面を抑制し、かつ、姿勢を前向きに傾斜させる構成によって、釣り糸の巻き付き難いものと成っている。
請求項9に係る発明の特徴構成は、請求項1〜8のうちのいずれか一つに記載の釣り竿用竿体を備えた釣り竿である点にあり、その作用効果は次の通りである。
釣り竿用トップラインガイドは、複合材製合成樹脂で製作されることによって金属のみのものに比べて軽量化が達成でき、魚信を正確にキャッチでき、かつ、糸絡みの少ないものとなったので、捌き易い釣り竿とできた。
なお、トップラインガイドを構成する高強度繊維としては、短繊維ではラインガイドとしての強度を確保できないので、長繊維であることが必要であり、具体的には、炭素繊維以外にガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等が使用でき、合成樹脂複合材の合成樹脂としては、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂やPVE等の熱可塑性樹脂が使用できる。
ガイドリングにはセラミック等の表面硬度が極めて硬いものが使用され、炭化ケイ素、ハイアルミナ等が材料として選定され、サーメット等の金属とセラミックの化合物も使用される。表面硬度が高く耐摩耗性の高い材料であれば使用可能である。セラミック等には、セラミック等を金属等の表面への溶射、照射、コーティング等硬質材でコーティングしたものも含む。
真空バッグ成形法では、ツール面の上に保護フイルムを敷き、プリプレグが貼り付けられたトップラインガイドの原形をセットする。上面にも保護フイルムを敷き、その上に平滑な所定形状のくぼみ部をもった板をのせる。場合によっては、ガイドリング部分(1P,1R)をまず成型し、次に釣り竿への取付部(1Q)を成型する。
トップラインガイド3の金属製板状リング保持部3Pmは、材料的には主としてチタン、ステンレス、アルミナ等が用いられる。特に炭素繊維にエポキシ樹脂等を含浸したコンポジット(CFRP)と金属は電触を起こし易いため、金属材料によっては、コンポジット内部に一体成型して、海水、空気にさらされないようにしておく必要がある場合もある。
図7では金属製板状リング保持部3Pmが合成樹脂複合材製リング保持部3Pの上面に表出させたものである。上面が最も岩等に当たり傷等つき易い部分であり、上面に表出することによって、有効に傷つくのを防止することができる。
ここで、板状物としてとして金属を用いたが、板状のものであれば、成型の際耐熱性、強度剛性を有しておれば、金属でなくてもいい。例えば炭素繊維をエポキシ、フェノール等熱硬化性樹脂で構成されたいわゆるCFRP板を板状体として用いてもよい。
また、側脚部1Lを左右に下方に向けて連続的に延出されているよう配することによって、この側脚部の側面によって釣り糸が絡み付くのを阻止でき、糸絡みを効果的に抑制し、釣り糸が絡み付いてもスリヌケ易い構成となっている。
また、図5,6,7の実施例に示すように、リング保持部1P,2P,3P、4Pの両横側方には側脚部1L,2L,3L、4Lが形成されており、この側脚部は、リング保持部1P,2P,3P、4Pの後向き面から後方に延出されているが、その延出量は、リング保持部1P,2P,3P、4Pの上端部では殆ど無く、合成樹脂複合材製リング保持部の下方に位置する側脚部1L,2L,3L、4Lの後方で大きく突出するように形成されており、上記リング保持部と同様に前倒れ姿勢に傾斜している。
このように、側脚部1L,2L,3L、4Lが取付部1Q,2Q,3Q、4Q側程、前記軸線Xに沿った前後幅を上端部分より広くしているので、リング保持部1P,2P,3P、4Pの前後幅の大きな側脚部と相俟って、大きな曲げ力やネジリ力が掛った場合であっても、それらに十分対抗する強度を現出することができる。
(1)取付部1Q,2Q,3Q,4Qを竿体に取り付けるのに、接着又は取付用の糸aで行っているが、取付用の糸a等の代わりに樹脂テープを利用してもよい。更に、取付固定力を強力にするには、強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグをテープ状に形成したプリプレグテープを使用してもよい。
(2)リング保持部1P,2P,3P,4Pが取付部1Q,2Q,3Q,4Qに対して斜め前方に傾斜する姿勢に形成してあるが、取付装着部1B、2B、5Bに対して垂直な姿勢であってもよい。
Ap 塗料
K 魚信(振動)方向
1 第1釣り竿用トップラインガイド
1A、2A、3A、4A 釣り糸導通孔
1H、2H、3H、4H 先端固定用穴部
1P、2P、3P、3P リング保持部
1Q、2Q、3Q、4Q 取付部
1Qi 取付部周内面
1R、2R、3R、4R セラミック等リング
1Rr セラミック等コート
1L、2L、3L、4L 側脚部
1Lb、4Lb 側脚部後向き面
2 第2釣り竿用トップラインガイド
3 第3釣り竿用トップラインガイド
3Pm 金属板状リング保持部
4 第4釣り竿用トップラインガイド
Claims (9)
- 釣り竿穂先部に取り付けられるトップラインガイドであって、
釣糸導通用の導通孔を形成しているセラミック製等のガイドリングが、複合材製リング保持部に一体固定され、前記複合材製リング保持部は高強度繊維を含有する合成樹脂複合材で、前記ガイドリングの外側に形成され、かつ前記複合材製リング保持部の下部には先端固定用穴部を有し、前記複合材製リング保持部と前記穂先部先部に載置される高強度繊維を含有する合成樹脂複合材製取付部とが、前記穂先への取付け状体での側面視で、段差なく形成され、
前記複合材製リング保持部に金属製板状リング保持部が更に設けられている釣り竿用トップラインガイド。 - 前記金属製板状リング保持部が前記複合材製リング保持部の表面に表出している請求項1記載の釣り竿用トップラインガイド。
- 前記複合材製リング保持部と前記複合材製取付部との連結が、高強度繊維を含有する複合材製合成樹脂で形成されている側脚部である請求項1又は2記載の釣り竿用トップラインガイド。
- 前記側脚部が、前記複合材製リング保持部の左右側端より下方に向けて連続的に延出されている左右側脚部で成っている請求項3記載の釣り竿用ラインガイド。
- 前記複合材製取付部が合成樹脂複合材製パイプで形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の釣り竿用トップラインガイド。
- 前記複合材製取付部の内周面が円弧状である請求項1〜5のいずれか一項に記載の釣り竿用トップラインガイド。
- 前記側脚部は、側面視において、前記ガイドリング前部で前記ガイドリングと前記複合材製リング保持部がほぼ同一面で、前記ガイドリング保持部上部に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅より、前記複合材製取付装着部側に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅の方が、広くなっている請求項3〜6のいずれか一項に記載の釣り竿用トップラインガイド。
- 前記複合材製リング保持部は、前記導通孔の軸線に対して直交する垂直面に対して前向きに傾斜する状態に傾けて形成してある請求項1〜7のいずれか一項に記載の釣り竿用トップラインガイド。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の釣り竿用トップラインガイドを備えた釣り竿。
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