JP5682071B2 - 磁性防火壁装材及びそれを用いた磁性防火壁 - Google Patents

磁性防火壁装材及びそれを用いた磁性防火壁 Download PDF

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本発明は、表面が強磁性体(鉄板など磁石が磁気吸着する材質)製である壁基体の表面に、表面に表装材(ビニル壁紙など)を積層した磁石シートを磁気吸着力によって貼着して用いられる磁性壁装材に関するものであって、詳しくは、防火性能を有し磁気吸着力で貼着する磁性防火壁装材及びそれを用いた磁性防火壁に関するものである。
従来の防火性能を有する壁装材料としては、ビニル樹脂系壁紙、合成樹脂塗装系壁紙、合成樹脂含浸ガラス繊維クロス、無機質壁紙などがあり、其々難燃性壁紙用基材に積層する化粧層に特定の難燃化剤の添加又は塗布、及び厚みを限定する事で燃焼し発熱する有機物の量を限定する事により、国土交通大臣認定の難燃材料、又は準不燃材料、又は不燃材料に適合する防火性能を有するものも存在している。そして、これらの壁紙は壁基体に接着剤(接着剤乃至感圧接着剤)で一体的に積層される。
又、その他に防火性能を有する磁石シートからなる壁装材(以下、磁性防火壁装材)もあり、この場合は、直接的に強磁性体製である壁基体に磁気吸着力で貼着される。
なお、磁性防火壁装材並びに磁性防火壁に関する先行技術としては、出願人が先に発明した特許文献1が存在している。
この技術を具体的に述べると、磁性防火壁装材と同義の磁性防火壁面材には、強磁性体粉末である硬質磁性材料粉末(永久磁石材料粉)又は軟磁性体粉末(磁石の被着体材料粉)と少量の粘結剤である特定の有機高分子エラストマー及び特定の難燃化剤を主たる組成とし、厚みを限定した可撓性の多極着磁を施した磁石シート又は可撓性の磁石の被着体シートで、不燃石膏ボードに積層した場合のコーンカロリーメーターによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、特定の防火性能以上の防火性能を有し、並びにガス有害性試験(昭和51年建設省告示1231号準拠)に合格する磁性シートを使用する。
そして、硬質磁性材料粉末(永久磁石材料粉)を用いた防火磁性壁面材又は、軟磁性体粉末(磁石の被着体材料粉)を用いた防火磁性壁面材の何れか一方の防火磁性壁面材を、国土交通省告示の不燃材料又は、準不燃材料よりなる壁下地材に積層させて防火磁性壁を形成している。
ちなみに、この発明においては、その状態からさらに、硬質磁性材料粉末(永久磁石材料粉)を用いて多極着磁を施した防火磁性壁面材に対しては軟磁性体粉末(磁石の被着体材料粉)を用いた防火磁性壁面材からなる防火磁性表示片を、軟磁性体粉末(磁石の被着体材料粉)を用いた防火磁性壁面材に対しては硬質磁性材料粉末(永久磁石材料粉)を用いて多極着磁を施した防火磁性壁面材からなる防火磁性表示片を、夫々、上記磁性壁に磁気吸着により着脱自在に取り付ける構成が開示されたものとなっている。
従って、防火磁性壁面材の表面に表装材を積層する場合は、表装材の材質と防火磁性壁面材及び表装材の厚みを限定することで、建築基準法で定める国土交通大臣が認定する不燃〜準不燃の評価基準に適合する防火性能が得られるものとなる。
特許第4153891号
このように、特許文献1で開示した技術を用いた表装材を使用する場合は、特定の材質で特定の厚み以下のものを用いる必要性が生じている。
しかしながら、市場の要望は、その特定条件を緩和した条件のものでも使用できる防火磁性壁面材を求めている。
具体的には、不燃性の防火磁性壁面材(国土交通大臣認定の不燃材料である磁石シート)に、市販の不燃性の壁紙(国土交通大臣認定の不燃材料の壁紙)を表装材として積層した不燃性の防火磁性壁装材の要望である。
但し、当然のことながら、両者に含有する燃焼して発熱する有機物などの総和が規制値の総発熱量に大きく影響するので、不燃はもとより準不燃、難燃グレードにも適合しない場合を生じる可能性が高いことになる。
そこで、本発明は、この不都合を解消させることを課題とする。
総発熱量を低減する大きな効果的手段は、燃焼して発熱する有機物などを減量することであるが、可撓性磁石シート(マグネットシート)は粘結剤である少量の有機高分子エラストマーに磁性材料粉末を高充填(練込んだ)したものであり、配合的に有機高分子エラストマーを減量することは物性の低下、及び製造機械への過大負荷となるので出来ない。又、厚みを薄くして単位面積当たりの有機物の量を少なくすることは磁気吸着力の低下を来たし使用に耐えないものになる。
そこで、磁気吸着力の低下を来たさない技術の研究を重ねた結果、防火磁性壁装材の磁石シートと表装材の間に強磁性体薄板(鉄板など)を介在させて、被着体である強磁性体製の壁基体の表面に磁気吸着した場合、図2の如く磁気閉回路を形成し磁気吸着力が強化されること、そして特に、図13〜図14の如く薄層磁石の領域でその効果(磁気吸着力増大率)が大きいことに着目し、これにより磁石シートの厚みを低減することで有機物などの低減が出来ること、且つ、不燃性の金属板である強磁性体薄板を介在さす事により磁石シート側への表装材の燃焼ガスの遮断及び空気の遮断によって、磁石シートへの延焼を阻害する効果が大きく得られることを見出し本発明をなすに至った。
従来の磁石シートについて概説すると、一般的に、多極着磁を施した磁石シートは、硬質磁性材料(磁石材料粉)と粘結材(バインダー)である少量の有機高分子エラストマー(ゴム状弾性を有する有機高分子)を主たる成分として、少量の有機高分子エラストマーに磁石材料粉を練込んだ後、シート状に成形し、所定の多極極間で強い磁界を印加して着磁(磁化)することで得られる。
硬質磁性材料(磁石材料粉)としては多くの場合、化学的に安定(酸化劣化をしない等)で安価な金属酸化物の磁石材料であるフエライト系磁石材料粉が用いられる。
フエライト系磁石材料粉末は、等方性(どちらの方向から磁界を印加しても同様な磁気特性が得られるもの)、と異方性(特定の方向から磁界を印加すると優れた磁気特性が得られるもので、磁石シート成形時に磁粉の結晶磁化容易軸を揃える配向処理を行う)に大別される。
多極着磁を施した磁石シートの吸着力は、組成、磁石材料粉の充填量(バインダーへの練込量)、加工条件が同一である場合は、厚みと極間によって吸着力の強弱を生じる。
即ち、一般的に厚みに適した極間があり、例えば磁石シートの厚み0.4mm〜0.8mmに対して極間2mmピッチ、1.0mm〜1.4mmに対して極間2.5mmピッチ、1.6mm〜1.8mmに対して極間3.0mmピッチ、2.0mm〜3.0mmに対して極間5mmピッチ、程度の製品が市販されている。又、一方磁石シートが同じ厚みで極間が狭いとエアーギャップ(磁石シートの着磁面と強磁性体である被着体間の距離)が0の場合に磁気吸着力が強く、極間が広いとエアーギャップが大きい場合に、極間が狭いものに比べて磁気吸着力が強い。
又、磁石シートの磁気吸着力は同一厚み同一極間の場合、異方性の厚み方向(配向方向)の磁気吸着力は等方性の略2倍である。例えば0.2〜0.4mm厚で極間が2.0〜3.5mm程度の場合1.8〜2.0倍程度強力である。
用途的には多くの場合、片面多極着磁を施したものの着磁面側の磁気吸着力を利用されるが、強磁性体製の基板である被着体に強磁性体板を磁気吸着させて用いる場合には、両面着磁を施した磁石シートを介在させて用いられている。
又、着磁面側の磁力(磁気吸着力)を強くするために非着磁面に強磁性体板を積層して磁石シートの非着磁面(背面)から漏洩する磁束を防止する方法が知られているが、強磁性体板の積層加工、表面材の積層加工に手間取るなどで、磁石シートの厚みを厚くする手段で解決され、実用実績は少なく詳細な検討がなされていない。
次に詳しく課題を解決するための手段を述べる。
1、表面が強磁性体製である壁基体の表面に、表面に表装材を積層した磁石シートを磁気吸着力によって貼着して用いる磁性壁装材において、防火性能が下記の〔発熱性試験及び評価方法1〕で不燃材料に適合する80〜240μm厚の表装材の裏面に、30〜150μm厚の強磁性体薄板を接着剤(感圧接着剤・粘着剤も含む;以後同じ)を用いて積層し、この強磁性体薄板の裏面に、防火性能が下記の〔発熱性試験及び評価方法1〕で不燃材料に適合し、少なくとも前記強磁性体薄板の裏面接触面とは反対側の壁基体接触面に2.0〜3.5mmピッチの多極着磁を施した0.15〜0.30mm厚の磁石シートを、磁気吸着力で貼着又は接着剤を用いて積層又は塗布によって形成してなる磁性防火壁装材であって、壁基体の表面に磁気吸着力で貼着することにより磁気閉回路を形成させて強力な磁気吸着力を発揮させると共に、強磁性体薄板の介在により燃焼時に磁石シートへの表装材の燃焼ガス、火炎及び空気の遮断性を付与させることにより、防火性能が下記の〔発熱性試験及び評価方法2〕又は〔発熱性試験及び評価方法3〕で難燃材料に適合する防火性能以上を有する磁性防火壁装材とする。
〔発熱性試験及び評価方法1〕
試験体を、0.27mm厚の亜鉛メッキ鋼板又は不燃石膏ボード(12.5mm厚)に、接着剤を用いて積層又は磁気吸着力にて貼着して、コーンカロリーメータによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後特定時間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能であって、特定時間を加熱開始後20分間とした場合は不燃材料、10分間とした場合は準燃材料、5分間とした場合は難燃材料、に適合すると評価する。
〔発熱性試験及び評価方法2〕
試験体を、0.27mm厚の亜鉛メッキ鋼板に、磁気吸着力にて貼着又は接着剤を用いて積層して、コーンカロリーメータによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後特定時間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能であって、特定時間を加熱開始後20分間とした場合は不燃材料、10分間とした場合は準燃材料、5分間とした場合は難燃材料、に適合すると評価する。
〔発熱性試験及び評価方法3〕
試験体を、表面に0.1mm厚みの亜鉛メッキ鋼板を接着剤を用いて積層した不燃石膏ボード(12.5mm厚)に、磁気吸着力にて貼着又は接着剤を用いて積層して、コーンカロリーメータによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後特定時間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能であって、特定時間を加熱開始後20分間とした場合は不燃材料、10分間とした場合は準燃材料、5分間とした場合は難燃材料、に適合すると評価する。
2、表装材の厚みが100〜220μmで、強磁性体薄板の厚みが50〜100μmで、少なくとも壁基体接触面に多極着磁を施した磁石シートの厚みが0.15〜0.30mmで多極着磁の極間が2.5〜3.0mmピッチの磁性防火壁装材とする。
3、磁石シートは、強磁性体薄板の裏面接触面と、壁基体接触面との両面に多極着磁が施され、該強磁性体薄板の裏面接触面は、強磁性体薄板と磁気吸着によって貼着される磁性防火壁装材とする。
4、磁石シートの磁気吸着力は、強磁性体薄板の裏面接触面側より、壁基体接触面側の方が強い磁性防火壁装材とする。
5、磁石シートは、壁基体接触面側のみに多極着磁を施すが、強磁性体薄板の裏面接触面側にも磁極が形成されるものとすることにより、磁気吸着力が、強磁性体薄板の裏面接触面側より、壁基体接触面側の方が強くなる磁性防火壁装材とする。
6、強磁性体薄板の裏面には、磁石層が塗布によって形成され、さらにその表面には、表装材が接着剤を用いて積層される構成の磁性防火壁装材とする。
7、多極着磁を施した磁石シートが硬質磁性材料微粉末と少量の有機高分子エラストマーである粘結材を主な成分とする可撓性ボンド磁石シートであり、強磁性体薄板が防食メッキ鋼板、塗装防食メッキ鋼板、フエライト系ステンレス鋼板の中から選ばれた磁性防火壁装材とする。
8、表面が強磁性体製である壁基体の表面に、これまで述べた磁気防火壁装材を、全面又は一部分に磁気吸着力で貼着した磁性防火壁とする。
9、表面が強磁性体製である壁基体は、国土交通大臣認定の無機質不燃ボードの表面に強磁性体板を接着剤を用いて積層したものとし、これまで述べた磁性防火壁装材を、全面又は一部分に磁気吸着力で貼着した磁性防火壁とする。
従来は、図6の如く不燃材料である表装材の裏面に、不燃材料である磁石シートの非着磁面を接着剤を用いて積層した磁性表装材(磁性表面材)を、強磁性体板(鉄板など)である壁基体に磁気貼着した形式のものと、図8の如く、不燃材料である表装材の裏面に、不燃材料である磁石シートの着磁面を接着剤を用いて積層した磁性表装材(磁性表面材)の裏面を、不燃無機質ボード(石膏ボードなど)である壁基体に接着剤を用いて積層した形式のものがある。そして両者とも、不燃表装材、不燃磁石シート各々単独では国土交通大臣認定の不燃材料に適合するが、積層して使用した際には、両者の燃焼して発熱する有機物などの総和が規制値の燃焼試験の総発熱量に大きく寄与することから防火性能が劣化し、不燃材料はもとより、準不燃材料、難燃材料にも適合しない不都合を生じる可能性を秘めている。
本発明は、不燃表装材の裏面に接着剤を用いて強磁性体薄板(鉄板など)を積層し、強磁性体薄板の裏面に不燃磁石シートを磁気吸着力で貼着又は、接着剤を用いて積層又は塗布によって形成してなる磁性表装材とすること、即ち、不燃表装材と不燃磁石シート間に強磁性体薄板を介在さすことで、強磁性体製の壁基体に磁気吸着させた場合に、図2の如く磁気閉回路を形成し外部漏洩磁束を生じないので強い磁気吸着力が得られ、磁石シートが薄層の場合にその磁気吸着力増加率が大きい。この効果によって不燃磁石シートの厚みを薄く出来ることから、燃焼して発熱する有機物などの減量となる大きな効果を得る。
又、強磁性体薄板を介在することで表装材の燃焼による燃焼ガス、火炎及び空気を遮断して不燃磁石シートへの延焼を阻害する効果が得られる。
そして、前記2つの効果によって、磁性防火壁装材に使用できる不燃表装材の限定範囲が緩和される。即ち、市販の不燃壁紙(国土交通大臣認定)の中から選んだものを磁性防火壁装材の表装材として使用して、不燃、準不燃、難燃の何れかの認定基準に適合する磁性防火壁装材が得られる可能性が増大した。
副次的には強磁性体薄板を介在さすことで、図10の如く、従来の磁性防火壁のように磁性防火壁と磁性表示片の極間を合わす(合せないと磁気反撥で剥離する箇所を生じる)必要が無く、又、自由な方向に貼着するために軟磁性体粉(鉄粉など)を練込んだ軟磁性シート製の磁性表示片とする必要も無い利点を生じる。
又、従来の、石膏ボードに、表装材を積層した磁石シートの背面を接着剤を用いて積層したものは、表装材を変更する場合は新しく表装材を積層した磁石シートを表面に磁気貼着することになるに対して、本発明のものは表装材を積層した強磁性体薄板から成る磁性防火表装材を取り替える事でたりる利点を生じる。
本発明の磁性防火壁装材の1例を示すもので、強磁性体製の壁基体と磁性防火壁装材の構成と主たる磁束の流れを示す模式図(断面図)である。 本発明の磁性防火壁の1例を示すもので、強磁性体製の壁基体に磁性防火壁装材を磁気貼した磁性防火壁の主たる磁束の流れ(磁気閉回路を形成し外部漏洩磁束を生じない)を示す模式図(断面図)である。 本発明の磁性防火壁装材の他の1例を示すために、無機質ボードの表面に強磁性体板を積層した壁基体と磁性防火壁装材を示す模式図(断面図)である。 本発明の磁性防火壁の他の1例を示すもので、無機質ボードの表面に強磁性体板を積層した壁基体に磁性防火壁装材を磁気貼した磁性防火壁の主たる磁束の流れ(磁気閉回路を形成し外部漏洩磁束を生じない)を示す模式図(断面図)である。 従来の磁性防火壁装材の1例を示すもので、強磁性体製の壁基体と磁性防火壁装材の構成と主たる磁束の流れ(磁石シートから表面側にも外部漏洩磁束がある)を示す模式図(断面図)である。 従来の磁性防火壁の1例を示すもので、強磁性体製の壁基体に磁性防火壁材を磁気貼着した磁性防火壁の主たる磁束の流れ(磁石シートから表面側に外部漏洩磁束がある)を示す模式図(断面図)である。 従来の磁性防火壁装材の他の1例を示すもので、無機質ボードの壁基体に磁性防火壁装材を接着剤で積層した磁性防火壁装材の構成と主たる磁束の流れ(磁石シートから表面側にも外部漏洩磁束がある)を示す模式図(断面図)である。 従来の磁性防火壁の他の1例を示すもので、無機質ボードの壁基体に磁性防火壁装材を接着剤を用いて積層した磁性防火壁の主たる磁束の流れ(磁石シートから壁基体側と表面側にも外部漏洩磁束がある)を示す模式図(断面図)である。 本発明の磁性防火壁に従来の磁性表示片を磁気貼着する場合の1例を示す模式図(断面図)である。 本発明の磁性防火壁に従来の磁性表示片を磁気貼着した場合の1例及び、主たる磁束の流れを示す模式図(断面図)である。 従来の磁性防火壁に従来の磁性表示片を磁気貼着する場合の1例を示す模式図(断面図)である。 従来の磁性防火壁に従来の磁性(磁性防火壁の磁石シートの極間と磁性表示片の極間が同じ場合)を磁気貼着した場合の1例及び、主たる磁束の流れを示す模式図(断面図)である。 磁気吸着力に及ぼす磁石シートの背面薄鉄板貼着効果(V)(異方性磁石シートの多極着磁2.5mmピッチと3.0mmピッチについて)のグラフ 磁気吸着力に及ぼす磁石シートの背面薄鉄板貼着効果(W)(等方性磁石シートの多極着磁2.5mmピッチと3.0mmピッチについて)のグラフ
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4、図9〜図10、及び従来の形態を図5〜図8、図11〜図12を用いて説明する。
(1)、図1は、本発明の磁性防火壁装材の1例を示すもので、強磁性体製の壁基体と、磁性防火壁装材の構成と主たる磁束の流れを示す模式図(断面図)である。1は強磁性体製の壁基体であり、Aは磁性防火壁装材であり、表装材5の裏面に接着層4を介して強磁性体薄板3を積層したものを、片面より多極着磁を施した磁石シート2に磁気吸着力で貼着したもので、主な磁束の流れ7を図示している。N Sは片面より多極着磁を施した磁石シートの着磁面側の磁極を示し、N’ S’は非着磁面の磁極を示す。(以下同じ)
図1では、表装材5の裏面に接着層4を介して強磁性体薄板3を積層したものを、片面より多極着磁を施した磁石シート2に磁気吸着力で貼着しているが、両面より多極着磁を施した磁石シートも使用出来るし、又、接着剤を用いても良い。
図2は、図1で示した強磁性体製の壁基体1に、磁性防火壁装材Aを磁気吸着力で貼着した本発明の磁性防火壁B1の磁束の流れを示す模式図(断面図)であり、磁気閉回路(外部漏洩磁束を生じない)を形成して強い吸着力を生じる状態を示す。即ち、磁石シートの両面に高透磁率で磁気抵抗が少ない材料である強磁性体板(鉄板など)が接して磁気閉回路を形成しているので、表装材5の裏面に強磁性体薄板3を積層していない従来の磁性防火壁E1に比べ顕著に磁気吸着力が大きく得られ、使用する磁石シートの厚みを薄くすることが出来るので、単位面性当りの燃焼時発熱する有機高分子などの含有量の低減が出来る大きな利点である。
又、強磁性体薄板3を、表装材5と磁石シート2の間に介在させることにより、表装材5の燃焼時に燃焼による燃焼ガス、及び空気を遮断して磁石シート2への延焼を阻害する効果が得られる大きな利点がある。
又、副次的には強磁性体薄板3を介在させることで、図6の従来の磁性防火壁E1に於いて図12のように磁気表示片を磁気貼着さす場合は、磁性防火壁E1の磁石シート2と同じ多極着磁の極間で(極間の寸法精度が劣ると磁気吸着力が劣る)、磁性防火壁E1の磁石シート2の磁極方向に沿っての磁気貼着する必要があるが、図10の本発明の磁性防火壁B1に於いては、防火表装材の強磁性体薄板が磁石シートの磁束を遮蔽するので、磁気表示片の極間が異なっても良く、又、表示片を自由な方向に貼着することが出来る。
表装材5の厚みは、80〜250μm厚であることが好ましく、80μmより薄いと隠ぺい力の不足により色調の低下を招く可能性が大きく、250μm厚より厚いと単位面積当たりの有機物の量などが多くなることで燃焼時の発熱が大きくなり、又、表面に磁気吸着力で表示片を貼着する場合には磁石のエアーギャップとなり磁気吸着力の低下を招くので好ましくない。更に、好ましくは100〜220μm厚である(市販のビニル壁紙の中でも得られる厚みである)。
強磁性体薄板としては、防食メッキ鋼板、塗装防食メッキ鋼板、フエライト系ステンレス鋼板が磁気性能的、防錆的、経済的に好ましく、厚みは30〜150μmが好ましく、30μm厚より薄いと場合によっては磁気の飽和によって背面からの磁束の漏洩が無視できなくなり、150μm厚より厚いと巻物としての取扱いが難しく、又、製品の裁断加工も難しく成るので好ましくない。更に好ましくは50〜100μmである。
磁石シートの多極着磁の極間は、磁石シートの両面に強磁性体板を磁気吸着させた磁気閉回路で用いる場合は、磁石シートの厚みに適した極間よりも25〜30%大きくする方が強い磁気吸着力が得られ、2.0〜3.5mmピッチが好ましく、2.0mmより小さい場合と、3.5mmより大きい場合は、磁気吸着力の発現効率が低下するので好ましくない。
磁石シートの厚みは0.15〜0.30mmが好ましく、0.15mm厚より薄いと、場合によっては吸着力不足となり、0.30mm厚より厚くなると単位面積当たりの有機物などの量が多くなり、燃焼時の発熱量が大きくなるので好ましくない。
図13は、磁石シートの磁気吸着力に及ぼす強磁性体製板を背面に磁気貼着した効果の1例として、多極着磁を施した異方性磁石シート2.5mmピッチと3.0mmピッチについて、磁石シートの厚みを変化させた磁気吸着力のデータである(強磁性体製板として鉄板80μm厚を用いている。
該磁石シートは、塩素化ポリエチレン・エラストマー100重量部、酸化防止剤2重量部、滑剤3重量部、異方性ストロンチュウムフエライト粉末770重量部〔硬質磁性材料粉の充填率:88.0重量%、61.6容量%〕の組成物を、公知の方法により混練及び、圧延成形によって磁石シート原反を成形後、公知の方法である永久磁石型着磁ロールで着磁を施したものである。
そして、磁気吸着力増加率は、鉄板背面磁気貼着磁石シートの磁気吸着力−磁石シート単体の磁気吸着力÷磁石シート単体の磁気吸着力×100で算出した。
磁気吸着力増加率は、磁石シートの厚みが薄くなるほど大きくなり、必要吸着力を得る磁石シートの厚みを薄くすることが出来る。
又、磁気吸着力は本発明に用いる磁石シートの厚み範囲(0.15〜0.30mm)に於いては、3.0mmピッチ多極着磁を施したものは2.5mmピッチ多極着磁を施したものに比較すれば幾分磁気吸着力が低いが、被着体に磁気貼着の際にエアーギャップを生ずる場合は3.0mmピッチ多極着磁の方が有利であるので、被着体(壁)の塗装、表装材の厚み、及び表面の平滑性など実用時に選べばよい。
図14は、等方性磁石シートについて前記異方性磁石シートと同様にして試験した結果である。当然の事であるが異方性磁石シートに比べると、磁気吸着力が2分の1程度であるが、本発明に用いる磁石シートの厚み範囲(0.15〜0.30mm)に於いては、3.0mmピッチ多極着磁を施したものは2.5mmピッチ多極着磁を施したものに比較すれば幾分磁気吸着力が低いが、被着体に磁気貼着の際にエアーギャップを生じる場合は3.0mmピッチ多極着磁の方が有利であるので、被着体(壁)の塗装、表装材の厚み、及び表面の平滑性など実用時に選べばよい。
等方性磁石シートは異方性磁石シートに比べ、得られる磁気吸着力は低いが、厚い目にすることで必要な従来品の磁気吸着力の程度は得られるので、経済性(安価)を重視する用途に好適である。又、後述((6)項)する薄層の磁性層の形成を塗布による場合に有利である。
(2)、表装材5と積層した強磁性体薄板3の裏面と多極着磁を施した磁石シート2の積層を該磁石シートの磁気吸着力による貼着とすることで、燃焼して発熱する有機物である接着剤を使用しないですむので、磁性防火壁装材の燃焼時の総発熱量を低減できる。又、製造工程での不良品や使用済み品のリサイクル時の分離が容易になる。
(3)、磁石シート2の壁基体側の磁気吸着力が表装材側の磁気吸着力よりも強くすること、即ち、略必要な磁気吸着力比とすることで磁気吸着力の効率の良い配分となり、磁石シートの厚みを薄くすることで、燃焼時に発熱する有機物などの量を減量することになる。表装材側の磁気吸着力は表装材と強磁性体薄板を保持するに必要な力があれば良く、壁基体側の磁気吸着力は表装材と強磁性体薄板と磁石シートの自重を保持するに必要な力と表装材を貼替え時の剥離力に耐える力、更に壁基体側の表面の平滑性が劣る場合はエアーギャップを生じる部分があるので磁気吸着力の低下も考慮した磁気吸着力を必要とし、実用時に用途分野によって考慮すれば良いが、その比は略1:0.6〜0.9が好ましい。
(4)、磁石シートの着磁を、片面からのみ多極着磁を施し両面に磁極を形成させることにより、壁基体側の磁気吸着力が表装材側の磁気吸着力よりも強くする方法は、他の方法に比べて工数が少なく、安定した磁気吸着力比が得られる。即ち、片面を着磁後に他の面を着磁する方法は工数が増す他に着磁電源方式に於いては着磁電源の調整に手間取り、又、一度に両面着磁をする場合に於いても着磁電源の調整に手間取る他に安定した磁気吸着力比が得られないし、永久磁石ロール方式に於いては後着磁に用いる永久磁石ロールに適した磁力のものを用意する必要があるので好ましくない。
(5)、磁性防火壁装材Aの磁石層(磁石シート2の部分)を強磁性体薄板に塗布によって形成したものとする事により、磁石層を強磁性体薄板に積層するための接着剤及び磁気吸着力の必要が無くなる。接着剤の不要は有機物の低減となり、磁気吸着力の不要は壁基体側の磁気吸着のみで良く両面に磁気吸着力を配分する必要が無くなる。又、背面が強磁性体板であるので着磁を施す時に背面からの磁束の漏洩を防止(強磁性体薄板と着磁ヨーク間で磁気閉回路を形成)することで着磁効率が良く、この二つにより厚みのわりに強い磁気吸着力が得られ磁石層の厚みを低減できる利点がある。
磁石層の形成を塗布による方法は、異方性磁石層成形に於いては磁化容易軸の磁場配向処理が必要であるが、強磁性体薄板に塗布する場合の磁場配向処理は困難であるので、等方性磁石材料の方が好ましい。
塗布による磁石層の形成は、後述する(6)項の硬質磁性材料(磁石材料粉)と有機高分子エラストマーを主たる成分とし、エラストマーは有機溶剤タイプ、又はエマルジョンタイプを用いて、硬質磁性材料の含有量が57〜62容量%(乾燥後)と成るようにする。又、塗工液はコーターに適した粘度に調整すれば良い。そして、コーターとしては、ナイフコーター、コンマコーター、ロールコーター、リバースロールコーターなど公知のコーターを使用すれば良い。
(6)、硬質磁性材料(磁石材料粉)としては多くの場合、化学的に安定(酸化劣化をしない等)で安価な金属酸化物の磁石材料であるフエライト系磁石材料粉が用いられる。
フエライト系磁石材料粉末としては、例えばストロンチュウムフエライト、バリュウムフエライト等が挙げられ、充填量(有機高分子エラストマーへの練込み率)は57〜62容量%である。
有機高分子エラストマーとしては、例えば塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を必要な物性によって選ぶことになる。
その他、各種の添加剤は各エラストマーに適したものが用いられ、場合によっては有機高分子エラストマーの物性改善に可塑剤が用いられる。
可塑剤としては多くの場合、可塑剤兼難燃剤として燐酸エステル系可塑剤、例えば2−エチルヘキシルジフエニルホスフェート、クレジルジフエニルホスフェート等が挙げられ、塩素系可塑剤、例えば塩素化(40〜70%)パラフィンが挙げられる。又、可塑剤兼熱安定剤として、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などが挙げられる。
熱安定剤としては、含塩素エラストマー(塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン)には塩化ビニル用熱安定剤が用いられ、金属石鹸系安定剤(Ca/Zn石鹸、Ba/Zn石鹸など)、有機錫系安定剤(ジブチル錫マレート、ジブチル錫ジラウレートなど)が挙げられ、エラストマー全般的には酸化防止剤が有効である。
酸化防止剤としては、フエノール系酸化防止剤(テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕メタン、3,9−ビス〈2−〔3−(3−t−ブチル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〉−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンなど)、硫黄系酸化防止剤(ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネ−トなど)、 燐系酸化防止剤(トリスノニルフエニルフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトなど)が用いられ、これらは単独又は2種併用(相乗効果を期待)で用いられる。
滑剤としては、炭化水素系(ポリエチレンワックスなど)、脂肪酸系(ステアリン酸、ベヘニン酸など)、脂肪族アルコール系(ステアリルアルコールなど)、脂肪族アマイド系(エチレンビスステアリン酸アミドなど)、金属石鹸系(ステアリン酸カルシュウム、ステアリン酸マグネシュウムなど)、エステル系(ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸ブチルなど)などが挙げられる。これらは単独又は2種併用で用いられる。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤(臭素化芳香族・ビス〈4−(23−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフエニル〉プロパン)、燐系難燃剤(赤燐、)、無機系難燃剤(三酸化アンチモン、硼酸亜鉛、水酸化アルミニュウム、水酸化アマグネシウム)などが挙げられ、単独又は2種併用での相乗効果が期待できる。
磁石シートの成形は、公知の磁石シート成形方法(圧延成形、押出/圧延成形)で成形出来る。又、着磁はシート成型後に、公知の着磁方法(永久磁石製の着磁ロール法、高圧パルス電流の着磁ヨーク法)で着磁することが出来る。
図3は、本発明の磁性防火壁の他の1例を示すもので、無機質のボードの壁基体と磁性防火壁装材の構成と磁束の流れを示す模式図(断面図)である。
6は無機質ボードであり、接着剤層4を介して強磁性体薄板3を積層して壁基体としたものである。Aは、図1と同様のものである。
図4は、図3で示した無機質ボード6に接着剤層4を介して強磁性体薄板3を積層した無機質ボードの壁基体に、磁性防火壁装材Aを磁気吸着力で貼着した本発明の磁性防火壁B2の磁束の流れを示す模式図(断面図)であり、磁気閉回路を形成して強い吸着力を生ずる状態を示す。(前記の図2と同じ効果である)
又、副次的には強磁性体薄板3を介在さすことで、図12の従来の磁性防火壁E2のように磁気表示片を磁気貼着さす場合は、磁性防火壁E2の磁石シート2と同じ多極着磁の極間で、磁性防火壁E2の磁石シート2の磁極方向に沿っての磁気貼着とする必要が無くなる。図10の本発明の磁性防火壁B2に於いては、強磁性体薄板3を介在さすことで、磁石シート2の磁束を遮蔽するので、磁気表示片の極間が異なっても良く、又、表示片を自由な方向に貼着することが出来る。
図9は、図4のB2の本発明の磁性防火壁と従来の磁気表示片Cの構成と主な磁束の流れを示す模式図(断面図)であり、図10は、該磁気表示片を磁気貼着した時の磁束の流れを示す模式図(断面図)であり、強磁性体板3が存在するので磁石シート2の磁束の影響を受けないので磁気表示片Cの極間を磁石シート2の極間に合わすことなく自由な位置に磁気貼着できることを示す模式図(断面図)である。
図5は、従来の磁性防火壁装材の1例を示すもので、強磁性体製の壁基体と、磁性防火壁装材の構成と主たる磁束の流れを示す模式図(断面図)である。1は強磁性体製の壁基体であり、Dは磁性防火壁装材であり、表装材5の裏面に接着層4を介して片面より多極着磁を施した磁石シート2を積層したもので、主な磁束の流れ7を図示している。本発明の磁性防火壁装材と異なり、磁石シート2の背面に強磁性体板が無いので表面側にも漏洩磁束が生じている。
図6は、図5で示した強磁性体製の壁基体1に、磁性防火壁装材Dを磁気吸着力で貼着した時の磁束の流れを示す模式図(断面図)であり、磁性防火壁装材E1の表面から漏洩磁束を生じ、強磁性体製の壁基体1への磁気吸着力の発現が劣る。
図7は、従来の磁性防火壁装材の他の1例を示すもので、無機質のボードの壁基体6と、磁性防火壁装材Dの構成と磁束の流れを示す模式図(断面図)である。
Dは表装材5の裏面に接着層4を介して片面より多極着磁を施した磁石シート2の着磁面を積層したもので、表面に漏洩磁束を出して用いる磁性防火壁装材である。
図8は、無機質のボードの壁基体6に、従来の磁性防火壁装材Dを接着層4を介して積層した時の、主な磁束の流れを示す模式図(断面図)であり、表面に同じ極間で多極着磁を施した磁性表示片を磁気貼着して用いられる。非着磁面側からの漏洩磁束があるので表面側の磁束の発現が劣る。
図11は、図8のE2の従来の磁性防火壁と磁性防火壁装材Dと同様な構成の従来の磁気表示片Dの構成と主な磁束の流れを示す模式図(断面図)であり、図12は、該磁気表示片を磁気貼着した時の磁束の流れを示す模式図(断面図)であり、強磁性体板3が存在しないので磁石シート2の外部漏洩磁束が大きい。即ち壁基体6に接着剤を用いて磁石シート2を積層しているので壁基体6側と表面材5側の両方に外部漏洩磁束(磁束が非磁性体中に出ている)を生じ磁気吸着力の発現効率が劣る。
又、磁気表示片Cの極間を磁性防火壁の磁石シート2の極間に合わす必要があり(極間の寸法精度の劣るものは磁気吸着力が劣る)、磁性防火壁の磁石シート2の磁極方向のみの磁気貼着である。
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限定されるものではない。
<磁性防火壁装材について>
各実施例と比較例の構成と性能を表1、表2に示す。
Figure 0005682071
Figure 0005682071
(1)壁基体
・壁基体として、溶融亜鉛メッキ鋼板0.27mm厚を用いる。
(2)磁石シートの作成
(配合)配合No2
・塩素化ポリエチレン(エラスレン351A)昭和電工社製〔エラストマー〕100重量部
・2−エチルへキシルジフエニルホスフェート(♯41)大八化学社製〔可塑剤兼難燃化剤〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7重量部
・ステアリン酸カルシュウム(SC100)堺化学社製〔滑剤〕・・・・・・3重量部
・チオエーテル系酸化防止剤(アデカAO−23)旭電化社製・・・・・・・2重量部
・2,2−ビス{4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフエニル}プロパン臭素化芳香族系難燃剤(フレームカット121)東ソー社製〔難燃剤〕9重量部
・硼酸亜鉛(アルカネックスFRC−500)水沢化学社製〔難燃剤〕・・14重量部
・異方性ストロンチュウムフエライ(OP−56)DOWAエフテック社製〔硬質磁性材料粉〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・850重量部
〔硬質磁性材料粉の充填量〕・・・・・・・・・・86.3重量%〔61.0容量%〕
(ペレットの作成)
・上記の配合No1に従って加圧ニーダー(40L)にて120°C×15分混練後、冷却した後、ハンマー型粉砕機で粉砕ペレットを作成する。
(磁石シートの作成)
・上記のペレットを、φ18インチ2本ロール圧延機(表面温度80°C)にてペレット圧延を行い0.25mm厚の磁石シート原反を成形後、片面より多極着磁の極間2.5mmピッチ用の永久磁石式着磁ロールにて着磁を施して磁石シートを作成する。
(3)磁性表装材の作成
・表装材として、塩ビ系不燃壁紙・粘着層付(層厚200μm)(ダイノック:3M社製)の裏面に、強磁性体薄板として、亜鉛メッキ圧延鋼板80μm厚(東洋鋼鈑社製)をラミネーターを用いて積層する。
(4)磁性防火壁の作成
・前記の壁基体の表面に、磁石シートの着磁面側を磁気貼着し、他の面に磁性表装材を磁気貼着する。(図1、図2参照)
・磁石シートの厚みを0.20mmとする以外は、(実施例1)と同様にする。
・磁石シートの厚みを0.30mmとし、多極着磁の極間を3.0mmピッチで片面ずつ両面に着磁を施すこと(後着磁は0.1mmのエアーギャップを設ける)、強磁性体薄板の厚みを100μmとする以外は、(実施例1)と同様にする。
・磁石シートの配合を配合No1とし厚みを0.30mmとする以外は、(実施例1)と同様にする。
(配合)配合No1
・塩素化ポリエチレン(エラスレン351A)昭和電工社製〔エラストマー〕100重量部
・ステアリン酸カルシュウム(SC100)堺化学社製〔滑剤〕・・・・・・3重量部
・チオエーテル系酸化防止剤(アデカAO−23)旭電化社製・・・・・・・2重量部
・2,2−ビス{4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフエニル}プロパン臭素化芳香族系難燃剤(フレームカット121)東ソー社製〔難燃剤〕10重量部
・硼酸亜鉛(アルカネックスFRC−500)水沢化学社製〔難燃剤〕・・15重量部
・異方性ストロンチュウムフエライ(OP−56)DOWAエフテック社製〔硬質磁性材料粉〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・850重量部
〔硬質磁性材料粉の充填量〕・・・・・・・・・・86.7重量%〔62.2容量%〕
・磁石シートの配合を配合No3とし厚みを0.30mmすること、表装材を塩ビ系不燃壁紙・粘着層付(層厚200μm)(ベルビアン:シーアイ化成社製)とすること、強磁性体薄板を亜鉛メッキ圧延鋼板50μm厚(東洋鋼鈑社製)とし溶剤型アクリル系接着剤ハマタイトY−6067(横浜ゴム社製)を用いて(ドライ2〜4μm厚塗布)磁石シートに積層すること以外は、(実施例1)と同様にする。
(配合)配合No3
・塩素化ポリエチレン(エラスレン351A)昭和電工社製〔エラストマー〕100重量部
・2−エチルへキシルジフエニルホスフェート(♯41)大八化学社製〔可塑剤兼難燃化剤〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7重量部
・ステアリン酸カルシュウム(SC100)堺化学社製〔滑剤〕・・・・・・3重量部
・チオエーテル系酸化防止剤(アデカAO−23)旭電化社製・・・・・・・2重量部
・2,2−ビス{4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフエニル}プロパン臭素化芳香族系難燃剤(フレームカット121)東ソー社製〔難燃剤〕9重量部
・硼酸亜鉛(アルカネックスFRC−500)水沢化学社製〔難燃剤〕・・14重量部
・等方性ストロンチュウムフエライ(HM403)フィージャーマグネックス社製〔硬質磁性材料粉〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・850重量部
〔硬質磁性材料粉の充填量〕・・・・・・・・・・86.3重量%〔61.0容量%〕
(磁石シートを塗布により形成)
(1)壁基体 実施例1と同様
(2)磁性表装材の作成
・磁性表装材の強磁性体薄板として亜鉛メッキ圧延鋼板80μm厚(東洋鋼鈑社製)を用い、その片面に塗布により磁性層を形成し、他の面に表装材として塩ビ系不燃壁紙・粘着層付(総厚200μm)(ベルビアン:シーアイ化成社製)をラミネーターを用いて積層する。
(磁石シート(磁性層))の形成
・下記の配合No4に従って作成した塗工液を用いて、ナイフコーターで塗布(ドライ0.2mm厚)乾燥(熱風50〜90°C)後、片面より多極着磁の極間3.0mmピッチ用の永久磁石式着磁ロールにて着磁を施す。
(配合)配合No4
・クロロスルホン化ポリエチレン(TS340)東ソー社製〔エラストマー〕70重量部
・エチレン・酢酸ビニル共重合体(EV40LX)三井・デュポンポリケミカル社製〔エ
ラストマー〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30重量部
・2,2−ビス{4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフエニル}プロパン臭素化芳香族系難燃剤(フレームカット121)東ソー社製〔難燃剤〕10重量部
・硼酸亜鉛(アルカネックスFRC−500)水沢化学社製〔難燃剤〕・・15重量部
・等方性ストロンチュウムフエライ(HM403)フィージャーマグネックス社製〔硬質磁性材料粉〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・850重量部
・トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・450重量部
〔固形分中の硬質磁性材料粉の充填量〕・・・・86.5重量%〔61.9容量%〕
(塗工液の作成)
・配合No4に従って秤量した薬品をデイスパミルにて攪拌後、サンドミル(メディヤ:硬質ガラスビーズ1.25mmφ、ディスク(平型)周速12m/S)にて分散処理して粘度約8000mPa・Sにて、140メッシュフィルターで濾過する。
(3)磁性防火壁の作成
・実施例1と同様の壁基体の表面に、前記の磁性表装材を磁気吸着力で貼着する。
<比較例1>(従来型)
・磁石シートの厚みを0.4mmとし、磁性表装材としない(強磁性体薄板を用いない)以外は、(実施例4)と同様にする。
<比較例2>
・磁石シートの厚みを0.3mmとし、磁性表装材としない(強磁性体薄板を用いない)こと以外は、(実施例1)と同様にする。
・壁基体として不燃石膏ボードの表面に、強磁性体板である溶融亜鉛メッキ鋼板100μm厚をノンサポートタイプの両面粘着フィルム(40μm厚)を用いて積層する。
・磁石シートの厚みを0.15mmとする以外は、(実施例1)と同様にする。
・壁基体として不燃石膏ボードの表面に積層する強磁性体板をSUS430の100μm厚(JFEスチール社製)とし、磁石シートの厚みを0.25mm、多極着磁の極間を3.0mmとし、磁性表装材の強磁性体薄板をSUS430の50μm厚(JFEスチール社製)とする以外は実施例7と同様にする。
・磁石シートの厚みを0.30mmとし、磁性表装材の表装材として塩ビ系不燃壁紙・粘着層付(総厚200μm)(ベルビアン:シーアイ化成社製)とした以外は実施例7と同様にする。
<比較例3>(従来型)
・壁基体としての不燃石膏ボードの表面に強磁性体板を積層しないで、磁石シートの非着磁面を不燃石膏ボードの表面にノンサポートタイプの両面粘着フィルム(40μm厚)を用いて直接に積層すること、磁性表装材としない(強磁性体薄板を用いない)こと以外は実施例9と同様にする。
<試験結果>
・各実施例と比較例の構成と性能を表1、表2に示す。磁気吸着力については、磁性防火壁装材及び磁性防火壁の評価の他に、磁性防火壁と従来からの磁性表示片(ステッカーなど)間の磁気吸着力も試験した((Z)磁性防火壁と磁性表示片間であり、磁性表示片は比較例1に於ける磁性防火壁装材と同様)。
1、試験方法
(1)発熱性試験及び評価方法
1)発熱性試験及び評価方法2(壁基体が鋼板の場合)
・試験体を、0.27mm厚の亜鉛メッキ鋼板に、磁気吸着力にて貼着又は接着剤を用いて積層して、コーンカロリーメータによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後特定時間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能であって、特定時間を加熱開始後20分間とした場合は不燃材料、10分間とした場合は準燃材料、5分間とした場合は難燃材料、に適合すると評価する。
2)発熱性試験及び評価方法3(壁基体が不燃石膏ボードの場合)
・試験体を、表面に0.1mm厚みの亜鉛メッキ鋼板又はフエライト系ステンレス鋼板を接着剤を用いて積層した不燃石膏ボード(12.5mm厚)に、磁気吸着力にて貼着又は接着剤を用いて積層して、コーンカロリーメータによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後特定時間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能であって、特定時間を加熱開始後20分間とした場合は不燃材料、10分間とした場合は準燃材料、5分間とした場合は難燃材料、に適合すると評価する。
(2)磁気吸着力測定方法
(磁気吸着力に及ぼす磁石シートの背面薄鉄板貼着効果試験)
(V)磁石シート単体と軟鉄製試験治具間の磁気吸着力測定方法(磁気吸着力の標準測定方法)
・一辺が40mmの正方形の試料片を、テーブルに固定した平滑なプラスチック板の表面に、両面テープを用いて試料片の非測定面を積層し、測定面に背面の中央に引っ掛けを設けた一辺が30mmの正方形の平滑な軟鉄板(2mm厚)製の測定治具を磁気吸着させて、垂直方向に引き離すに要する力を引っ掛けにバネ秤を引っ掛けて測定し、g/cmを算出する。
(W)背面に薄鉄板を貼着した磁石シートと軟鉄製試験時治具間の磁気吸着力測定方法
・一辺が40mmの正方形の薄鋼板をテーブルに固定した平滑なプラスチック板の表面に両面テープを用いて積層し、その表面に試料片の非測定面に粘着剤を塗布(ドライ1〜2μm厚)して積層する。次に測定面に背面の中央に引っ掛けを設けた一辺が30mmの正方形の平滑な軟鉄板(2mm厚)製の測定治具を磁気吸着させて、垂直方向に引き離すに要する力を引っ掛けにバネ秤を引っ掛けて測定し、g/cmを算出する。
(本発明の磁性防火壁各構成部分の磁気吸着力)
(X)壁基体と磁石シート間の磁気吸着力の測定方法
・一辺が40mmの正方形の鋼板をテーブルに固定した平滑なプラスチック板の表面に両面テープを用いて積層し、その表面に一辺が30mmの正方形の試料片(磁石シート)の測定面を磁気貼着する。一方、背面の中央に引っ掛けを設けた一辺が40mmの正方形の平滑なプラスチック板製の測定治具の表面に薄鋼板を両面テープを用いて積層し、他の面に粘着剤を塗布(ドライ1〜2μm厚)して磁石シートの非測定面に積層する。
・次に垂直方向に引き離すに要する力を測定治具の引っ掛けにバネ秤を引っ掛けて測定し、g/cmを算出する。
(Y)磁石シートと強磁性体薄板(薄鉄板)間の磁気吸着力の測定方法
・一辺が40mmの平滑な正方形の鋼板をテーブルに固定した平滑なプラスチック板の表面に両面テープを用いて積層し、その表面に一辺が40mmの正方形の磁石シートの非測定面側を磁気貼着する。一方、背面の中央に引っ掛けを設けた一辺が40mmの正方形の平滑なプラスチック板製の測定治具の表面に一辺が30mmの正方形の薄鋼板を両面テープを用いて積層し他の面を磁石シートの測定面に磁気貼着する。
・次に垂直方向に引き離すに要する力を測定治具の引っ掛けにバネ秤を引っ掛けて測定し、g/cmを算出する。
(磁性防火壁と磁性表示片間の磁気吸着力)
(Z)磁性防火壁と磁性表示片間の磁気吸着力の測定方法
・一辺が40mmの平滑な正方形の磁性防火壁の構成と同様に作成した試験片(A)の裏面を、テーブルに固定した平滑なプラスチック板の表面に両面テープを用いて積層する。
・一方、背面の中央に引っ掛けを設けた一辺が40mmの正方形の平滑なプラスチック板製の測定治具の表面に一辺が30mmの正方形の磁性表示片の構成と同様に作成した試験片(B)の表面を両面テープを用いて積層し、裏面を試験片(A)の表面に磁気吸着力で貼着する。
・次に垂直方向に引き離すに要する力を測定治具の引っ掛けにバネ秤を引っ掛けて測定し、g/cmを算出する。
2、試験結果
・表1、表2から分かるように、本発明のものは表装材と磁石シート間に強磁性体薄板(鋼板)を介在させることで、薄層磁石シートであっても強い磁気吸着力が得られることから、従来の磁性防火壁装材に比べて、磁石シートの厚みを薄くできるので燃焼時の燃焼発熱量の低減となること、及び磁石シートへの表装材の燃焼ガス、火炎、空気を遮断して延焼を阻害することで優れた防火性能が得られている。
・又、強磁性体薄板(鋼板)によって、磁性防火壁と磁性表示片間の磁気吸着力が各試料共に同様な値が得られる。又、自由な方向に貼着することが出来き、両者の極間が異なる場合の問題も生じない。(従来のものは両者が同一極間であること、及び磁性防火壁の磁極方向のみで磁気貼着が可能となる)
次に、防火磁性壁について説明する。
<磁性防火壁について>
・一般乗用エレベーター(積載荷重750kg、最大定員11人)のかご(内面:塩ビ被覆鋼板)の内法寸法(幅1400mm、奥行1350mm、高さ2300mm)に対して、各面の内法寸法に合わせて、磁性防火壁装材(実施例1の構成)を裁断機を用いて裁断し、磁気吸着力で貼着する。
・磁性防火壁装材は、910mm幅であるので、幅方向の不足分は、突き付け貼りで貼着する。即ち、1350mm必要な場合は、1350mm−910mm=440mmを、突き付けで継貼りする。
・長さ方向は、巻物から必要寸法を採取する。
・磁性防火壁装材を実施例2の構成のものを用いる他は、実施例10と同様とする。
・磁性防火壁装材を実施例3の構成のものを用いる他は、実施例10と同様とする。
・磁性防火壁装材を実施例4の構成のものを用いる他は、実施例10と同様とする。
・磁性防火壁装材を実施例5の構成のものを用いる他は、実施例10と同様とする。
・磁性防火壁装材を実施例6の構成のものを用いる他は、実施例10と同様とする。
・石膏ボード(GB−R)タイガーボード(吉野石膏社製)(不燃)12.5mm厚、910mm×2420mmを用いて、木造建屋の壁基体として、公知の従来手法で貼付けた3500mm×2400mmの表面に、亜鉛メッキ鋼板(100μm厚)を、ノンサポートタイプのアクリル樹脂系両面粘着フィルム(40μm厚)を用いて、突き付けで積層する。
・該面に磁性防火壁装材(実施例7の構成)を磁気吸着力で貼着する。
・幅方向は、磁性防火壁装材の幅寸法が910mmであるので、突き付け貼りで、貼着する。
・長さ方向は、巻物から必要寸法を採取する。
・壁基体の強磁性体を、SUS430製で100μ厚とし、磁性防火壁装材を、実施例8の構成とする他は、実施例16と同様にする。
・磁性防火壁装材を実施例9の構成とする他は、実施例16と同様にする。
<実質的評価>
1、着脱作業性
・壁基体が鋼板の場合、壁基体が石膏ボードの場合共に、同じ壁基体に対して、各実施例の通り、実施例の番号順で磁性防火壁装材を7日間貼着後交替することで、着脱作業性を観察した。
・結果は、各実施例の全てが着脱容易であった。
2、貼着安定性
・各実施例について、貼着後7日間の磁気吸着状態を観察したところ、端部の剥れ部分剥れ等の不具合は、全く表れないという優れた貼着安定性が認められた。

従来、不燃磁石シート、不燃ビニル壁紙などの国土交通大臣認定の不燃材料は、各々単独では不燃材料の性能基準に適合するが、不燃磁石シートの表装材として不燃ビニル壁紙などを積層すると、当然の事ながら単位面積当りの有機物含有量が増すので、発熱性試験に於いて基準値を超えて不燃材料はもとより難燃材料にも適合しない場合が多い。
市場は、この問題点の解決を強く要望しているので、特に下記分野への利用が大いと考えられる。
1.壁基体が強磁性体製(鋼板など)の場合としては、エレベーターの籠内壁、大型高層ビル通路壁面などの張替え容易な防火磁性表装材又は及び防火磁性壁としての利用。
2.壁基体が無機質ボード(石膏ボードなど)の場合としては、大型店舗、大型展示場などの内壁の張替え容易な防火磁性表装材又は及び防火磁性壁としての利用。
1 強磁性体製の壁基体
2 磁石シート
3 強磁性体薄板
4 接着剤(接着剤又は粘着剤)層
5 表装材
6 無機質ボードの壁基体
7 主な磁束線
A 本発明の磁性防火壁装材
B1 本発明の磁性防火壁
B2 本発明の磁性防火壁
C 一般の磁性表示片
D 従来の磁性防火壁装材
E1 従来の磁性防火壁
E2 従来の磁性防火壁
N 着磁面のN極
S 着磁面のS極
N’ 非着磁面(背面)のN極
S’ 非着磁面(背面)のS極

Claims (4)

  1. 表面が強磁性体製である壁基体の表面に、表面に表装材を積層した磁石シートを磁気吸着力によって貼着して用いる磁性壁装材において、
    防火性能が下記の〔発熱性試験及び評価方法1〕で不燃材料に適合する80〜240μm厚の表装材の裏面に、30〜150μm厚の強磁性体薄板を接着剤を用いて積層し、該強磁性体薄板の裏面に、防火性能が下記の〔発熱性試験及び評価方法1〕で不燃材料に適合し、少なくとも前記強磁性体薄板の裏面接触面とは反対側の壁基体接触面に2.0〜3.5mmピッチの多極着磁を施した0.15〜0.30mm厚の磁石シートを、磁気吸着力で貼着又は接着剤を用いて積層又は塗布によって形成してなる磁性防火壁装材であって、
    前記壁基体の表面に磁気吸着力で貼着することにより磁気閉回路を形成させて強力な磁気吸着力を発揮させると共に、
    強磁性体薄板の介在により燃焼時に磁石シートへの表装材の燃焼ガス、火炎及び空気の遮断性を付与させることにより、
    防火性能が下記の〔発熱性試験及び評価方法2〕又は〔発熱性試験及び評価方法3〕で難燃材料に適合する防火性能以上を有することを特徴とする磁性防火壁装材。

    〔発熱性試験及び評価方法1〕
    試験体を、0.27mm厚の亜鉛メッキ鋼板又は不燃石膏ボード(12.5mm厚)に、接着剤を用いて積層又は磁気吸着力にて貼着して、コーンカロリーメータによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後特定時間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能であって、特定時間を加熱開始後20分間とした場合は不燃材料、10分間とした場合は準燃材料、5分間とした場合は難燃材料、に適合すると評価する。
    〔発熱性試験及び評価方法2〕
    試験体を、0.27mm厚の亜鉛メッキ鋼板に、磁気吸着力にて貼着又は接着剤を用いて積層して、コーンカロリーメータによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後特定時間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能であって、特定時間を加熱開始後20分間とした場合は不燃材料、10分間とした場合は準燃材料、5分間とした場合は難燃材料、に適合すると評価する。
    〔発熱性試験及び評価方法3〕
    試験体を、表面に0.1mm厚みの亜鉛メッキ鋼板を接着剤を用いて積層した不燃石膏ボード(12.5mm厚)に、磁気吸着力にて貼着又は接着剤を用いて積層して、コーンカロリーメータによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後特定時間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能であって、特定時間を加熱開始後20分間とした場合は不燃材料、10分間とした場合は準燃材料、5分間とした場合は難燃材料、に適合すると評価する。
  2. 前記表装材の厚みが100〜220μmで、強磁性体薄板の厚みが50〜100μmで、少なくとも壁基体接触面に多極着磁を施した磁石シートの厚みが0.15〜0.30mmで多極着磁の極間が2.5〜3.0mmピッチであることを特徴とする請求項1記載の磁性防火壁装材。
  3. 磁石シートは、壁基体接触面側のみに多極着磁を施すが、強磁性体薄板の裏面接触面側にも磁極が形成されるものとすることにより、磁気吸着力が、強磁性体薄板の裏面接触面側より、壁基体接触面側の方が強くなることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性防火壁装材。
  4. 強磁性体薄板の裏面には、磁石層が塗布によって形成され、さらにその表面には、表装材が接着剤を用いて積層される構成としたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁性防火壁装材。






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