JP2020077838A - 熱伝導性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化マグネシウムフィラーを主成分として用い、耐水性、熱伝導性が高く、熱抵抗が低い熱伝導性シートを提供するこする【解決手段】少なくとも酸化マグネシウムフィラーとアクリル粘着剤とを含む熱伝導層と、該熱伝導層の上に設けられた粘着層を有し、熱伝導層と粘着層を合わせた厚みが100〜300μmであり、該酸化マグネシウムフィラーのうち、粒径が60μm以上のフィラーが60質量%以上であり、かつ粒径が150μm以上のフィラーが7.5〜20質量%であることを特徴とする熱伝導性シート。【選択図】なし

Description

本発明は、パソコン、携帯電話、PDAなどの電子機器や、LED、EL等の照明及び表示機器など、種々の装置の放熱に利用される熱伝導性シートに関する。
近年、演算素子や発光素子の著しい性能向上に伴い、パソコン、携帯電話、PDAなどの電子機器や、LED、EL等の照明及び表示機器などの性能向上は著しい。一方、演算素子や発光素子の性能向上に伴い発熱量も著しく増加していることから、電子機器、照明及び表示機器等における放熱をどのように行うかは重要な課題となっている。熱対策として、演算素子や発光素子の発生する熱をできるだけ迅速に広い面積に拡散させて放熱する方法は冷却効率を上げることを目的としたもので、積極的に冷却をするものではないが、携帯電話やパソコンなどの小型電子機器や照明における冷却方法としては最も現実的なものである。
このような熱を拡散させる熱伝導性シートの使用量は急速に拡大している。熱伝導性シートは一般的に、粘着性を有するバインダー成分中に熱伝導性のフィラーを分散した複合材料であって、熱伝導性のフィラーとしてはシリカフィラーやアルミナフィラーが多く用いられている。しかし、シリカやアルミナの熱伝導率は各々1W/m・K、30W/m・K程度であり、例えばアルミナを含有する熱伝導性シートでも、その熱伝導率は一般的に1〜3W/m・K程度に留まっている。近年では熱伝導性のフィラーとして窒化アルミニウムや窒化ホウ素が用いられる場合も出てきたが、これら窒化アルミニウムや窒化ホウ素は価格が高く、熱伝導性シートのコストが高くなるという問題があった。
酸化マグネシウムは、熱伝導率がおおよそ50W/m・K程度と高く、安価でモース硬度が低く、密度が軽い化合物であるため、取扱いに優れるという利点があり、更に、電気抵抗値が高い素材であることから、電気、電子分野において使用する熱伝導性のフィラーとして適している。しかしながら、酸化マグネシウムは耐水性及び耐酸性に劣るという欠点を有している。特に酸化マグネシウムは大気中の水分と容易に反応し、水酸化マグネシウムに変質することから、該熱伝導材料を利用した製品の品質及び耐久性が低下する場合があった。
酸化マグネシウムを熱伝導性フィラーとして用いる場合の耐水性に対しては、様々な対策が提案されてきた。例えば酸化マグネシウムフィラーを有機珪素化合物で加熱処理する方法、酸化マグネシウムフィラーをアルキルアルコキシシランで表面被覆する方法(特許文献1)、酸化マグネシウムフィラーをハロゲン化合物で表面処理し、その後、シランカップリング剤で表面処理する方法(特許文献2)、酸化マグネシウムフィラーと窒化ホウ素フィラー、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂と特定構造の酸性リン酸エステルが混合された樹脂組成物を用いる方法などが挙げられる。これら酸化マグネシウムフィラーの耐水性向上策により、酸化マグネシウムフィラーを熱伝導性フィラーとして用いた熱伝導性シートが提案されている(例えば特許文献3)。
一方、熱伝導性シートを多層化する方法が各種提案されている。例えば特開昭60−157244号公報(特許文献4)ではシリコーンゴムの粘着性を補うために、シリコーンゴムからなる絶縁放熱シートの少なくとも片面に粘着剤層を設ける方法が提案されている。また特開2012−233049号公報(特許文献5)では、熱伝導層と粘着層との界面接着力が高く、各層の特性を安定させるために、機能性層形成用塗液と粘着層形成塗液とを同時に塗布する方法が提案されている。また、特開2012−109313号公報(特許文献6)では、非球状粒子と50℃以下のガラス転移温度を有する有機高分子化合物とを含む熱伝導層の表面に粘着層を設ける方法が提案されている。
特開2015−13949号公報 国際公開第2015/122427号パンフレット 特開2017−79264号公報 特開昭60−157244号公報 特開2012−233049号公報 特開2012−109313号公報
熱伝導性シートは前述の通り、粘着性を有するバインダー成分中に熱伝導性フィラーを分散させた複合材料であり、熱伝導性シートは熱伝導性フィラーとバインダー成分を少なくとも含有する。該複合材料中の熱伝導性フィラー(P)とバインダー成分(B)との比率(P/B比)は、熱伝導性シートの熱伝導性に深く相関しており、P/B比を高めると熱伝導性が高くなる。更に同じP/B比の時には熱伝導性フィラーの平均粒径が大きいほど、また熱伝導率の高い物質からなる熱伝導性フィラーを用いると熱伝導性は高くなる。
一方、熱抵抗という概念があり、熱抵抗が低くなると、より熱を移す能力が高くなる。熱伝導性シートにおいて、熱伝導率は大変重要なファクターであるが、熱抵抗は、実際の熱伝導性シートの使用において、発熱体から熱伝導性シートを介して放熱体へと熱を移す抵抗そのものであることから、より重要であると言える。この熱抵抗を低くするためには熱伝導率を高くする、熱伝導性シートの厚みを薄くする等の方法が挙げられる。
前述の通り、熱伝導率を高めるには平均粒径の大きな熱伝導性フィラーを用いることが好ましいが、大きな熱伝導性フィラーを用いると熱伝導性シートを薄くし難く、適度な大きさの熱伝導性フィラーを用い、できるだけ薄い熱伝導性シートを作製することで、目的の熱抵抗を得ようとするのが一般的である。また、更に熱抵抗を下げるには、例えば酸化マグネシウムフィラーのような高熱伝導率を有する熱伝導性フィラーを用いる方法が挙げられる。
前述の通り、酸化マグネシウムフィラーに表面処理を施すことによって、その耐水性を向上させる方法が提案されている。しかしながら特許文献3のように大型の酸化マグネシウムフィラーを用いて薄い熱伝導性シートを作製した場合、表面処理を施した酸化マグネシウムを使っても耐水性が十分でない場合があった。
特許文献4〜6においては粘着力を確保するなどの目的で熱伝導性シートを多層化することを提案しているが、熱伝導性シートに好適な酸化マグネシウムフィラーが有する耐水性の問題について何ら言及がなされておらず、酸化マグネシウムフィラーを用いて耐水性、熱伝導率、熱抵抗を全て良好とする方法については未だ解明されていなかった。
従って本発明の目的は酸化マグネシウムフィラーを熱伝導性フィラーの主成分として用い、耐水性、熱伝導性が高く、熱抵抗が低い熱伝導性シートを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の構成の熱伝導性シートによって解決できることを見出した。
1.少なくとも酸化マグネシウムフィラーとアクリル粘着剤とを含む熱伝導層と、該熱伝導層の上に設けられた粘着層を有し、熱伝導層と粘着層を合わせた厚みが100〜300μmであり、該酸化マグネシウムフィラーのうち、粒径が60μm以上のフィラーが60質量%以上であり、かつ粒径が150μm以上のフィラーが7.5〜20質量%であることを特徴とする熱伝導性シート。
2.熱伝導層が可塑剤を含有し、熱伝導層中の有機成分に対し可塑剤の量が20〜45質量%であることを特徴とする1に記載の熱伝導性シート。
本発明によって、酸化マグネシウムフィラーを熱伝導性フィラーの主成分として用い、耐水性、熱伝導性が高く、熱抵抗が低い熱伝導性シートを提供することが可能となる。
本発明の熱伝導性シートは、無機成分である熱伝導性フィラーと、有機成分であるバインダー成分を含有する熱伝導層と、該熱伝導層の上に設けられた粘着層を有する。
<熱伝導層>
本発明の熱伝導性シートが有する熱伝導層は、熱伝導性フィラーとして少なくとも酸化マグネシウムフィラーを含有する。かかる酸化マグネシウムフィラーは、金属マグネシウムを燃焼して酸化する方法や、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウムを焼成して熱分解する方法などで得ることができる。水酸化マグネシウムとしては、海水中のマグネシウム塩と水酸化カルシウムとの反応で沈殿したものが例示される。炭酸マグネシウムとしては、マグネサイト鉱石として産出したものなどが例示される。その他としては、電融酸化マグネシウムを粉砕・分級することによって得られる結晶性の高い酸化マグネシウムが例示される。上記した金属マグネシウム、水酸化マグネシウム、及び炭酸マグネシウムの焼成温度としては特に制限はなく、任意の焼成温度で焼成した酸化マグネシウムを用いることができる。
酸化マグネシウムフィラーの形状は特には限定されず、球状、立方体状、直方体状、八面体、十四面体などの多面体状、不定形、繊維状のものを適宜使用することができる。
本発明で用いる酸化マグネシウムフィラーは、粒径60μm以上のフィラーが60質量%以上であり、好ましくは70〜80質量%の範囲であり、かつ粒径が150μm以上のフィラーが7.5〜20質量%、好ましくは10〜15質量%の範囲で構成される。この範囲を外れると耐水性、粘着力、熱伝導性、熱抵抗などの諸性能が悪くなる。なお上記した酸化マグネシウムの粒径は、例えばレーザー散乱式粒度分布計を用いて測定することができるが、一般的に粒度分布計は粒径とその個数分布を測定するので、質量分布は酸化マグネシウムフィラーを球形と仮定し、その粒径と密度から質量分布を計算して求める。本発明において、酸化マグネシウムフィラーの質量分布が上記の範囲に入る範囲で市販の酸化マグネシウムフィラーを2種以上混合して用いることができる。なお、酸化マグネシウムフィラーの算術平均粒径は1〜100μmが好ましく、更に好ましくは5〜60μmである。
本発明において酸化マグネシウムフィラーの純度は、熱伝導性の観点から90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
本発明の熱伝導性シートが有する熱伝導層が含有する酸化マグネシウムフィラーはシランカップリング剤による表面処理や、国際公開第2015/122427号パンフレットに記載のハロゲン化物処理、特開2015−13949号公報に記載のリン酸エステル化合物処理など、公知の処理も施すことができる。また、これらの表面処理を組み合わせて用いることも可能である。この中でもシランカップリング剤処理が特に好ましい。
酸化マグネシウムフィラーの表面処理に好ましく使用するシランカップリング剤としては、モノマーあるいはオリゴマーのいずれであってもよい。かかるモノマーとしては、具体的には、R Si(OR4−nの構造式で示される化合物を例示することができ、ここで、nは1〜3の整数であり、Rは活性水素を有する基(例えばアミノ基、メルカプト基、ウレイド基など)、重合性反応基(例えばビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基など)、活性水素と反応し得る基(例えばエポキシ基、イソシアネート基など)、アルキル基(直鎖状、分岐状及び環状のいずれでもあってもよく、炭素原子数が2〜18の範囲内にあることが好ましい)、及びフェニル基が挙げられ、ORはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基から選択される基であり、nが1〜2の場合(ORが2以上の場合)、ORは同一であっても異なっていてもよい。
上記したシランカップリング剤のうち、アミノ基を有するシランカップリング剤、ビニル基を有するシランカップリング剤、アルキル基を有するシランカップリング剤等が好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤の例としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ビニル基を有するシランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン等が挙げられ、アルキル基を有するシランカップリング剤の例としてはヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。中でも粘着性の良好な熱伝導材料が得られる観点からビニル基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
酸化マグネシウムフィラーのシランカップリング剤による表面の処理方法は、乾式法、湿式法のいずれであっても良い。
本発明の熱伝導性シートが有する熱伝導層は、熱伝導性フィラーとして、酸化マグネシウムフィラー以外にも他の無機フィラーを混合して用いることも可能である。他の無機フィラーとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ダイヤモンド、珪藻土、二酸化珪素などのフィラーが挙げられる。これら酸化マグネシウム以外の熱伝導性フィラーは、上記したシランカップリング剤やリン酸等による表面処理が施されていても、施されていなくても良いが、シランカップリング剤による表面処理が施されていることが好ましい。他の熱伝導性フィラーを使用する場合には、粒径に関して、これらの熱伝導性フィラーの質量分布と酸化マグネシウムフィラーの質量分布を加えた質量分布が、前述の酸化マグネシウムフィラーの好ましい質量分布と同じ範囲になることが好ましい。なお、熱伝導性フィラーの表面に存在する表面処理剤は、有機成分を含有するものであっても本願発明における有機成分(バインダー成分)には含めない。
本発明の熱伝導性シートが有する熱伝導層は、バインダー成分として少なくともアクリル粘着剤を含有する。アクリル粘着剤としては、アクリルモノマーを含む複数のモノマー成分を重合したアクリル共重合体を用いることができる。アクリルモノマーを含めて使用できるモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマーまたはその無水物(例えば無水マレイン酸等)、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等の炭素数が1〜20の直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−エトキシブチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、アリルアルコール等のヒドロキシル基(水酸基)含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のグリシジル基含有モノマー、アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー、N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー、ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェート等のリン酸基含有モノマー、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有モノマー、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等が挙げられる。
本発明で用いるアクリル粘着剤には粘着付与剤を含有することが好ましい。粘着付与剤としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンの未変性ロジンをアルコールなどでエステル化したロジンエステルや、未変性ロジンを変性した不均化ロジン、重合ロジン、水添ロジンなどの変性ロジン、これら変性ロジンを更にアルコールなどでエステル化した不均化ロジンエステル、重合ロジンエステル、水添ロジンエステルなどの変性ロジンエステル、未変性ロジンにフェノールを付加したロジンフェノール、テルペンフェノール樹脂、ジペンテン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、酸変性テルペン樹脂、スチレン化テルペン樹脂などのテルペン系樹脂、石油樹脂等が挙げられる。粘着付与剤は単独でも複数を組み合わせて用いてもよく、中でもロジン系粘着付与剤とテルペン系粘着付与剤を組み合わせて用いることも好ましい。粘着付与剤の量はアクリル共重合体に対して5〜100質量%の範囲で用いられることが好ましい。
本発明で用いるアクリル粘着剤としては、アクリル共重合体と粘着付与剤を含有した市販品を用いてもよく、例えばトーヨーケム(株)製オリバイン(登録商標)BPS6074THF、オリバインBPS6574OS、オリバインBPS6430OP、オリバインBPS6078TF、綜研化学(株)製SKダイン(登録商標)1700DT、SKダイン1502C、サイデン化学(株)製サイビノール(登録商標)ATD50、サイビノールAT193、東亞合成(株)製アロンタック(登録商標)S1511X、アロンタックS3403などが挙げられる。
本発明においてアクリル粘着剤の凝集力をより一層向上させ、安定した熱伝導率を得る上で、熱伝導性層にはアクリル粘着剤とともに架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、イソシアネート架橋剤、エポキシ架橋剤、金属キレート架橋剤、アジリジン架橋剤等を使用することができる。中でも、イソシアネート架橋剤またはエポキシ架橋剤を使用することが好ましい。
更に本発明の熱伝導性シートが有する熱伝導性層は可塑剤を含有し、かつ該可塑剤の量が熱伝導性層中の有機成分に対し、10〜50質量%であることが好ましく、20〜45質量%であることが粘着力を高める上で更に好ましい。本発明において可塑剤としては、例えばフタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸n−ブチルベンジル、イソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジ−n−ブチル、イソフタル酸ジ−n−ヘプチル、イソフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、イソフタル酸ジ−n−オクチル、イソフタル酸ジイソノニル、イソフタル酸ジイソデシル、イソフタル酸ジトリデシル、イソフタル酸n−ブチルベンジル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジ−n−ブチル、テレフタル酸ジ−n−ヘプチル、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、テレフタル酸ジ−n−オクチル、テレフタル酸ジイソノニル、テレフタル酸ジイソデシル、テレフタル酸ジトリデシル、テレフタル酸n−ブチルベンジル等のフタル酸エステル系可塑剤;アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル等のアジピン酸エステル系可塑剤;リン酸トリエチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、リン酸トリス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリキシリル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸モノイソデシル等のリン酸エステル系可塑剤;トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリ−n−オクチル、トリメリット酸トリイソデシル等のトリメリット酸エステル系可塑剤;二塩基酸(例えば、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸)及び二価アルコール(例えば、グリコール)などから合成される低分子量ポリエステルを主として含むポリエステル系可塑剤等の汎用の可塑剤を用いることができ、中でもリン酸エステル系可塑剤を用いることが好ましい。
本発明の熱伝導性シートが有する熱伝導層の熱伝導性フィラー(酸化マグネシウムフィラーとその他の無機フィラーを含む)とバインダー成分の体積比は45:55〜80:20であることが高い熱伝導性と被着体に対する高い密着力を得る上で好ましく、更に50:50〜75:25であることが好ましい。なお、本発明において体積比は、使用する各無機フィラーの質量をそれぞれの密度で割ったものの合計値と、バインダー成分の各構成成分の質量をそれぞれの密度で割ったものの合計値との比である。本発明の熱伝導性シートが有する熱伝導層の厚みは、例えばヒートシンクと基板のギャップによるなど使用用途によっても異なるが、90〜270μmであることが好ましく、145〜240μmが更に好ましい。
本発明の熱伝導性シートが有する熱伝導層は、更に、界面活性剤、金属石鹸、難燃剤など公知の物質を使用することができる。本発明の熱伝導性シートが有する熱伝導層は、多孔体状や発泡体状ではなく、また泡やボイド等の欠陥を含んでいないことが熱伝導の観点で好ましく、密度が2以上あることが好ましい。
<粘着層>
本発明の熱伝導性シートは熱伝導層の上に粘着層が設けられる。粘着層はアクリル粘着剤を含有することが好ましく、更に熱伝導性フィラー、ロジン、重合ロジン、重合ロジンエステル、ロジンフェノール、安定化ロジンエステル、不均化ロジンエステル、水添ロジンエステル、テルペン、テルペンフェノール、石油樹脂等の粘着付与剤、可塑剤、界面活性剤、金属石鹸、難燃剤など公知の物質を含有させることができる。
本発明の熱伝導性シートが有する粘着層に好ましく用いられるアクリル粘着剤としては、熱伝導層に用いられるものと同様のアクリル共重合体が挙げられる。また熱伝導層と同様に架橋剤を併用することが好ましい。粘着層に用いるアクリル粘着剤は熱伝導層に用いられる粘着剤と同じ種類であってもよく、異なっていても良い。
本発明の熱伝導性シートが有する粘着層に熱伝導性フィラーを含有させる場合、熱伝導層に用いられるに用いられるものと同様の酸化マグネシウムフィラーやその他の無機フィラーを用いることができるが、算術平均粒径は5μm以下、好ましくは3μm以下のものを用いる。粘着層における熱伝導性フィラーとバインダーの体積比は50:50以下が好ましく、30:70以下が更に好ましい。
本発明の熱伝導性シートが有する粘着層の厚みについては、熱伝導層と粘着層が共にアクリル粘着剤を用いる場合には、粘着層と熱伝導層との境界の区別がつき難いため、熱伝導層が有する粒径が60μm以上の熱伝導性フィラーの最も表面に近いフィラーの表面から、粘着層の表面までの距離を粘着層の厚みとする。粘着層の厚みは3〜20μmが好ましく、5〜10μmが更に好ましい。この範囲を外れると、耐水性が悪化したり、粘着力が悪化したりする。
<熱伝導性シート>
本発明の熱伝導性シートは好ましくは上記した成分を含有し有機溶剤で希釈された塗液(熱伝導層塗液並びに粘着層塗液)を離型フィルム上に積層して塗布し、乾燥して熱伝導性シートとする。熱伝導層塗液と粘着層塗液は同時に塗布しても、逐次塗布しても良い。粘着層塗布後には熱伝導性シートの上にまた別の離型フィルムを貼合して使用することが好ましい。離型フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルムなど、あるいはその表面にシリコーン離型剤など公知の離型剤を塗布した離型フィルムが例示される。熱伝導性シートを被着物に貼合する場合、片側の離型フィルムを剥離し、圧着することで仮貼合し、更に残る離型フィルムを剥離し、別の被着体を熱伝導性シートに圧着させることでなされる。
本発明の熱伝導性シートの厚みは100〜300μmであり、好ましくは150〜250μmである。厚みが厚いと熱抵抗が増し、薄いと耐水性、粘着力が不足する。
以下に本発明を実施例により更に詳細に示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「熱伝導性フィラーの粒度分布測定」
RF−10CS−SC、RF−10C−SC−45、RF−10C−SC、RF−50C−SC、RF−70C−SC(以上全て宇部マテリアルズ(株)製表面処理済み酸化マグネシウムフィラー)とAS−10、AS−5(以上昭和電工(株)製酸化アルミニウムフィラー)をそれぞれ純水中に分散し、(株)堀場製作所製LA−920レーザー散乱粒度分布計を使って、粒径の質量分布を調べた。結果を表1に示す。また、熱伝導層における各構成成分の含有体積を算出するにあたり、各構成成分の密度は以下の値を用いた。酸化マグネシウム3.6、酸化アルミニウム3.9、アクリル粘着剤1.19、リン酸モノイソデシル1.1、リン酸トリクレジル1.16、イソシアネート架橋剤1.0。
Figure 2020077838
「熱伝導性シート1の作製」
(株)シンキー製攪拌機AR250に下記の熱伝導層塗液1を投入し、撹拌モードで10分間撹拌した。得られた塗液を離型フィルム(アイム(株)製RF−CS001)に乾燥膜厚が70μmとなるよう塗布し、130℃で1分間乾燥した。
<熱伝導層塗液1>
RF−10C−SC 17.64g
RF−50C−SC 7.56g
オリバインBPS6574OS(トーヨーケム(株)製アクリル粘着剤。固形分57質量%) 6.26g
オリバインBHS8515(トーヨーケム(株)製イソシアネート架橋剤。固形分37.5質量%) 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液1における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は78.90質量%、粒径150μm以上の粒子は13.01質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
得られた熱伝導層の上に下記処方の粘着層塗液1を熱伝導層と粘着層の合計乾燥膜厚が75μmとなるよう塗布し、130℃で1分間乾燥し、その後離型フィルム(アイム(株)製RF−CS003)を貼合して熱伝導性シート1を得た。
<粘着層塗液1>
オリバインBPS6074OS(トーヨーケム(株)製アクリル粘着剤。固形分52質量%) 14.88g
オリバインBXX5983TF(トーヨーケム(株)製エポキシ架橋剤。固形分10質量%) 0.0056g
リン酸トリクレジル 0.30g
酢酸エチルを加えて全量を27gとした。
「熱伝導性シート2の作製」
熱伝導層の乾燥膜厚を120μm、総膜厚を125μmとする以外は熱伝導性シート1と同様にして、熱伝導性シート2を得た。
「熱伝導性シート3の作製」
熱伝導層の乾燥膜厚を170μm、総膜厚を175μmとする以外は熱伝導性シート1と同様にして、熱伝導性シート3を得た。
「熱伝導性シート4の作製」
熱伝導層の乾燥膜厚を220μm、総膜厚を225μmとする以外は熱伝導性シート1と同様にして、熱伝導性シート4を得た。
「熱伝導性シート5の作製」
熱伝導層の乾燥膜厚を270μm、総膜厚を275μmとする以外は熱伝導性シート1と同様にして、熱伝導性シート5を得た。
「熱伝導性シート6の作製」
熱伝導層の乾燥膜厚を320μm、総膜厚を325μmとする以外は熱伝導性シート1と同様にして、熱伝導性シート6を得た。
「熱伝導性シート7の作製」
下記処方の熱伝導層塗液2を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート7を得た。
<熱伝導層塗液2>
RF−10CS−SC 20.16g
RF−70C−SC 5.04g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液2における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は19.88質量%、粒径150μm以上の粒子は12.10質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート8の作製」
下記処方の熱伝導層塗液3を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート8を得た。
<熱伝導層塗液3>
RF−10C−SC−45 25.2g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液3における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は56.28質量%、粒径150μm以上の粒子は0.00質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート9の作製」
下記処方の熱伝導層塗液4を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート9を得た。
<熱伝導層塗液4>
RF−10C−SC−45 17.64g
RF−50C−SC 7.56g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液4における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は64.90質量%、粒径150μm以上の粒子は8.14質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート10の作製」
下記処方の熱伝導層塗液5を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート10を得た。
<熱伝導層塗液5>
RF−10C−SC−45 15.12g
RF−10C−SC 10.08g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液5における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は64.28質量%、粒径150μm以上の粒子は2.78質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート11の作製」
下記処方の熱伝導層塗液6を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート11を得た。
<熱伝導層塗液6>
RF−10C−SC−45 15.12g
RF−70C−SC 10.08g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液6における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は73.53質量%、粒径150μm以上の粒子は24.19質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート12の作製」
下記処方の熱伝導層塗液7を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート12を得た。
<熱伝導層塗液7>
RF−10C−SC 25.2g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液7における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は76.28質量%、粒径150μm以上の粒子は6.96質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート13の作製」
下記処方の熱伝導層塗液8を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート13を得た。
<熱伝導層塗液8>
RF−10C−SC 3.78g
RF−50C−SC 21.42g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液8における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は83.70質量%、粒径150μm以上の粒子は24.10質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート14の作製」
下記処方の熱伝導層塗液9を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート14を得た。
<熱伝導層塗液9>
RF−10C−SC 12.60g
RF−50C−SC 12.60g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液9における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は80.65質量%、粒径150μm以上の粒子は17.04質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート15の作製」
下記処方の熱伝導層塗液10を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート15を得た。
<熱伝導層塗液10>
AS−10 16.72g
AS−5 11.14g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液10における無機フィラーとバインダー成分の体積比は66.3:33.7となり、無機フィラー中の粒径60μm以上の粒子は61.03質量%、粒径150μm以上の粒子は18.77質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート16の作製」
下記処方の熱伝導層塗液11を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート16を得た。
<熱伝導層塗液11>
RF−10CS−SC 1.00g
RF−10C−SC 11.60g
RF−50C−SC 12.60g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液9における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は77.6質量%、粒径150μm以上の粒子は16.8質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート17の作製」
下記処方の熱伝導層塗液12を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート17を得た。
<熱伝導層塗液12>
RF−10CS−SC 2.20g
RF−10C−SC 12.60g
RF−50C−SC 10.40g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液9における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は73.2質量%、粒径150μm以上の粒子は14.7質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート18の作製」
下記処方の熱伝導層塗液13を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート18を得た。
<熱伝導層塗液13>
RF−10C−SC−45 5.64g
RF−50C−SC 9.56g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液9における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は67.2質量%、粒径150μm以上の粒子は10.3質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート19の作製」
下記処方の熱伝導層塗液14を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート19を得た。
<熱伝導層塗液14>
RF−10C−SC 24.20g
RF−50C−SC 1.00g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 0.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液9における無機フィラーとバインダー成分の体積比は65.8:34.2となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は76.6質量%、粒径150μm以上の粒子は7.8質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は15.2質量%である。
「熱伝導性シート20の作製」
下記処方の熱伝導層塗液15を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート20を得た。
<熱伝導層塗液15>
RF−10C−SC 17.64g
RF−50C−SC 7.56g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 1.00g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液9における無機フィラーとバインダー成分の体積比は60.3:39.7となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は78.9質量%、粒径150μm以上の粒子は13.0質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は24.0質量%である。
「熱伝導性シート21の作製」
下記処方の熱伝導層塗液16を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート21を得た。
<熱伝導層塗液16>
RF−10C−SC 17.64g
RF−50C−SC 7.56g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 2.50g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液9における無機フィラーとバインダー成分の体積比は56.6:43.4となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は78.9質量%、粒径150μm以上の粒子は13.0質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は42.1質量%である。
「熱伝導性シート22の作製」
下記処方の熱伝導層塗液17を用いる以外は熱伝導性シート3と同様にして、熱伝導性シート22を得た。
<熱伝導層塗液17>
RF−10C−SC 17.64g
RF−50C−SC 7.56g
オリバインBPS6574OS 6.26g
オリバインBHS8515 0.19g
リン酸モノイソデシル 0.15g
リン酸トリクレジル 3.00g
酢酸エチルを加えて全量を40gとした。
なお、熱伝導層塗液9における無機フィラーとバインダー成分の体積比は54.7:45.3となり、酸化マグネシウムフィラー中の粒径60μm以上の粒子は78.9質量%、粒径150μm以上の粒子は13.0質量%となる。有機成分中の可塑剤の量は46.3質量%である。
得られた熱伝導性シート1〜22を下記方法に従い、熱伝導性、熱抵抗、耐水性粘着力について評価した。結果を表2に示す。
<熱伝導性評価>
熱伝導性シートの一方の離型フィルム(RF−CS001)を剥離し、露出した熱伝導層表面に銀鏡メッキ(三菱製紙(株)製シルバープレーティングシステムを使用)を施した。続いて残る離型フィルムを剥離し、同じく銀鏡メッキを施した。断面をSEMで観察したところ、銀メッキ層の厚みはどちらも0.2μmであった。得られた銀メッキ済み熱伝導性シートを1cm×1cmの大きさに裁断し、ASTM E1461に準拠し、ネッチ・ジャパン(株)製のXeフラッシュアナライザーLFA447Nanoflashを用い、厚み方向の熱拡散率を測定した。また熱容量が既知である参照標準物質との比較からサンプルの比熱を算出した。更に別途水上置換法により測定した密度とから、次式により厚み方向の熱伝導率を算出した。この結果を表2に示す。
〔熱伝導率〕=〔熱拡散率〕×〔密度〕×〔比熱〕
<熱抵抗評価>
東京デバイセズ製熱抵抗測定キットIW7300−KITと、ヒートシンクHEATB2−10(ミスミ(株)製。アルミ製、幅73.5mm×長さ100mm×高さ25mm、厚み1.5mm、フィン数10枚。)を用いて測定した。該シートシンクの平坦面上に離型フィルム(RF−CS001)を剥離した熱伝導性シート1〜22をそれぞれ貼合し、更に残る離型フィルム(RF−CS003)を剥離して、その上にMOSFET(熱源IC。面積150mm)を貼合し、5Wの出力下でMOSFETとヒートシンクの温度が一定になるまで待ち、その時のMOSFETとヒートシンクとの間の温度差から、次式により熱抵抗を算出した。この結果を表2に示す。
〔熱抵抗〕=〔温度差〕÷〔MOSFET出力〕
<耐水性評価>
熱伝導性シート1〜22をそれぞれ85℃85%RH下で10日間保管し、その後熱伝導性を評価した。この結果を表2に示す。
<粘着力評価>
熱伝導性シートの片面の離型フィルム(RF−CS001)を剥離し、0.2mm厚みのアクリルフィルム(日東樹脂工業(株)製)に貼合し、残る離型フィルム(RF−CS003)を剥離し、剥離した面に同じ0.2mm厚みのアクリルフィルムを貼合した。得られた貼合物を幅25mmに裁断した。得られた試験片の密着強度を剥離機((株)イマダ製T字剥離法アタッチメントとフォースゲージDSTの組み合わせ)で測定した。この結果を表2に示す。
Figure 2020077838
以上の結果から本発明の効果が明らかにわかる。

Claims (2)

  1. 少なくとも酸化マグネシウムフィラーとアクリル粘着剤とを含む熱伝導層と、該熱伝導層の上に設けられた粘着層を有し、熱伝導層と粘着層を合わせた厚みが100〜300μmであり、該酸化マグネシウムフィラーのうち、粒径が60μm以上のフィラーが60質量%以上であり、かつ粒径が150μm以上のフィラーが7.5〜20質量%であることを特徴とする熱伝導性シート。
  2. 熱伝導層が可塑剤を含有し、熱伝導層中の有機成分に対し可塑剤の量が20〜45質量%であることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シート。
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