JP5986482B2 - 断熱部材 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機(通称エアコン)に用いられる断熱部材であって、鋼板と断熱材が配置された空気調和機用断熱部材に関するものである。
空気調和機は、形態によって天井埋込型(天井取付型)や天吊型などに分類される。天井埋込型空気調和機は点カセとも呼ばれ、表面に吸込み口と吹出し口のある熱交換機内蔵ユニットを天井内に埋め込んだものである。天井埋込型のうち、エアコン天井部に鋼板カバーが用いられるものは、特に天井取付型とも呼ばれる。
図1に、天井埋込型業務用エアコン室内機の構成を示す。図1の天井部には鋼板カバーが設けられている。室内の空気は、送風ファンにより吸込み口から中に入り、熱交換器により冷却され、冷却された空気は、吹出し口を通じて室内に吹き出される。その際、吹出し口までの内部通風路周辺部(図示せず)も冷却され、結露が発生するという問題がある。そこで、結露防止のため、上記周辺部のカバー類(図1では鋼板カバー)に断熱材が取り付けられる場合がある。
例えば特許文献1は、キャビネットと天面パネルとの接合部に結露を生じさせることのない天吊型空気調和装置として、後部に段部を有する発泡ポリスチレン製の断熱体の天面側のほぼ全領域をカラー鋼板で包んだ構成の装置が開示されている。詳細には、カラー鋼板の後部は断熱体の段部でほぼU字状に曲がり、その先端部は段部に重合する断熱材に食い込んでいるので、断熱材とカラー鋼板とが強固に接続される旨、記載されている。
また、特許文献2には、天井埋込型空気調和機等に好適な断熱鋼板について記載されている。ここには、空気調和機本体および化粧パネルは冷房運転時の露付き防止と、暖房運転時の熱ロス低減を目的として多くの箇所に断熱材が設けられている」ことが挙げられると共に、断熱材の貼付け方式の問題点として、「断熱材を空気調和機本体の成形品のコーナー部などに貼付ける際、間隙が形成され易く、断熱シール不足を招くため、露付きや、断熱材の接着剤の経時劣化により、断熱材の剥れが発生し易い上に、貼合わせ位置のずれによる断熱不良等が生じる」点が指摘されている。すなわち、特許文献2では、鋼板と断熱材との間に間隙が存在すると、断熱効果が失われると指摘している。そこで特許文献2では、断熱シール性の向上を図ることができる断熱鋼板として、表面処理を施した鋼板を含む鋼板の少なくとも片面に、未発泡の発泡剤を含む合成樹脂を被着した後に、成形加工し発泡剤を発泡させ、断熱層を一様に形成する方法が開示されている。
一方、特許文献3は、空気調和機に関する技術ではないが、LNGプラントなどのように搬送流体がマイナス百数十℃程度の保冷配管等に使用され、結露防止に有用な鋼板などの外装材が開示されている。ここには、「赤外線放射率の高い外装材が結露防止に有効であり、これにより、保冷厚さを薄くできる」との指針に基づき、外装材の被膜表面の性状を制御して放射率を高めた外装材が開示されている。特許文献3の実施例では、このような外装材を断熱材の外面に隙間無く巻き付け、バンド止めして固定した断熱部材を用いれば、断熱材厚さを小さくしても結露発生を防止できることが開示されている。
このように鋼板と断熱材を貼付けなどの方法によって配置させた結露発生防止技術では、前述した特許文献1、2のような空気調和機の分野においても(特許文献1、2)、特許文献3のような空気調和機以外の分野においても、断熱材による断熱シール性を高めるとの観点から、鋼板と断熱材を隙間無く貼付ける方法が用いられてきた。
特開平11−101463号公報 特開平4−1042号公報 特開2001−270031号公報
本発明の目的は、鋼板に断熱材が配置された空気調和機用断熱部材であって、結露を有効に防止し得、断熱材の厚さを薄くすることが可能な空気調和機用断熱部材を提供することにある。
本発明の空気調和機用断熱部材は、鋼板に断熱材が配置された空気調和機用断熱部材であって、前記鋼板と前記断熱材の間に、接合手段を介して、または接合手段を介さないで、接合部および非接合部を有することを特徴とする空気調和機用断熱部材である。特に、前記鋼板と前記断熱材の間に、非接合部を有するところに要旨を有するものである。
前記接合手段として、接着剤、または基材の両側に接着剤を有する接合材を用いることが好ましい。
また、前記接合手段を介さないで接合部および非接合部を有するときは、前記断熱材として、凹凸を有する発泡プラスチック系断熱材を用いることが好ましい。
更に、鋼板と前記断熱材が非接合部を有することなく接合したときの接合面積を100%としたとき、前記鋼板と前記断熱材の接合部における接合面積の合計は100%未満であることが好ましい。
前記鋼板の、前記断熱材側とは反対の面(鋼板表面)の放射率は、前記鋼板の、前記断熱材側の面(鋼板裏面)の放射率と同じか、または高いものであることが好ましい。
更に、前記鋼板表面は放熱性塗膜を有することが好ましい。
また、前記鋼板裏面は放熱性塗膜を有することもできる。
更に、前記放熱性塗膜は、放熱性添加剤を含有することが好ましい。
前記鋼板は、めっき鋼板であることが好ましい。
本発明によれば、鋼板と断熱材の間に、接合部および非接合部を有する断熱部材とすることにより、結露を有効に防止し得、断熱材の厚さを薄くすることができる空気調和機用断熱部材を提供することができた。
図1は、天井埋込型業務用エアコン室内機の一般的な構成を示す図である。 図2Aは、図1のA部分を拡大した従来例の図である(鋼板と断熱材の接合面積=100%)。 図2Bは、図1のA部分を拡大した本発明例の図である(鋼板と断熱材の接合面積=50%)。 図3は、実施例1において、鋼板と断熱材の接合面積が10%(非接合部の面積率は90%)となるように配置された本発明例の図である。 図4は、実施例1において、鋼板と断熱材の接合面積が25%(非接合部の面積率は75%)となるように配置された本発明例の図である。 図5は、実施例1において、鋼板と断熱材の接合面積が50%(非接合部の面積率は50%)となるように配置された本発明例の図である。 図6は、実施例1において、鋼板と断熱材の接合面積が75%(非接合部の面積率は25%)となるように配置された本発明例の図である。 図7は、実施例1において、鋼板と断熱材の接合面積が90%(非接合部の面積率は10%)となるように配置された本発明例の図である。 図8Aは、実施例2において、断熱材として用いた発泡スチロール表面に直交する2本の直線を引いたときの、一方の直線(交差点を含めて測定基準長さは50mm)上の粗さデータを示す図である。 図8Bは、実施例2において、断熱材として用いた発泡スチロール表面に直交する2本の直線を引いたときの、他方の直線(交差点を含めて測定基準長さは50mm)上の粗さデータを示す図である。
本発明者らは、鋼板に断熱材が配置された空気調和機用断熱部材において、結露を有効に防止し得、断熱材の厚さを薄くすることが可能な空気調和機用断熱部材を提供するため、種々検討した。その結果、鋼板と断熱材を配置するに当たり、前述した特許文献1〜3に記載の方法(断熱材による断熱シール性を高めるため、鋼板と断熱材を隙間無く完全に接合する方法であり、鋼板と断熱材との接合面積は100%となる)を採用するのではなく、意外にも、非接合部を設けて配置する方法(鋼板と断熱材との接合面積<100%、)が非常に有効であり、これにより、非接合部を設けない従来の方法に比べ、断熱材の厚さを薄くできることが判明し、本発明を完成した。
本発明によれば、鋼板と断熱材を、従来のように完全に密着、接着させる必要がないため、密着、接着のための多大な労力や工夫が不要であり、コストも低減することができる。
また本発明によれば、上記のように断熱材の厚さを薄くできることに伴い、以下の利点も得られる。まず、空気調和機内部に配置される部品の許容スペースが広がる結果、上記部品の大きさや上記部品の配置なども制約されないなど、設計上の利点が挙げられる。また、断熱材が厚くなって冷風の通路が狭くなると、通風音が発生し易いが、本発明によれば、通風音の問題も解消される。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る空気調和機の構成を具体的に説明する。但し、本発明は上記図面に限定する趣旨では決してない。
図2Aおよび図2Bは、いずれも、図1のA部分を拡大した図であり、図2Aは従来例(鋼板と断熱材の接合面積=100%、非接合部なし)、図2Bは本発明例(鋼板と断熱材の接合面積=50%、非接合部の面積=50%)である。
まず、図2Aの従来例を参照する。これまでの、鋼板に断熱材が配置された断熱部材は、図2Aに示すように、接着剤などによって鋼板と断熱材が隙間無く完全に接合されており、鋼板と断熱材の接合面積=100%である。
これに対し、本発明では、図2Bに示すように、鋼板と断熱材の間に、両者が接合する接合部と、両者が接合しない非接合部の両方が存在する。図2Bには、鋼板と断熱材の接合面積=50%の例を示したが、これに限定されず、例えば、後記する図3〜図7の例も本発明の範囲内に包含される。
そして後記する実施例に示すように、図2Bなどに示される本発明の断熱部材を用いれば、図2Aに示される従来の断熱部材に比べて、断熱材の厚さを薄くしても結露の発生を有効に防止することができた。この知見は、空気調和機の技術分野に携わる当業者にとって、極めて驚くべき知見であった。当業者であっても、非接合部の有無によって結露発生防止効果に差が見られるなどとは、到底、思いつかなかったからである。そこで、これまでは、前述したように、断熱材による断熱効果を有効に発揮させるために、鋼板と断熱材を隙間無く接合させることが不可欠であると考えられており、そのために、例えば特許文献1に開示されているように、鋼板と断熱材の接続状態を工夫するなどの開発が盛んに行なわれてきたからである。ところが本発明者らの実験によれば、意外にも、非接合部を設けた方が、断熱部材の断熱性が向上することが知見された。
本発明による断熱性向上効果は、例えば使用する鋼板の種類の選択、鋼板表面(断熱材側とは反対の面;図2A、図2Bを参照)の放射率の制御、鋼板表面と鋼板裏面(断熱材側の面;図2A、図2Bを参照)の放射率の関係制御、鋼板表裏面の放射率を高めるための放熱性添加剤の種類や量の選択、鋼板表裏面の放射率を高めるための放熱性塗膜の制御などの方法によって、一層高められる(後記する実施例を参照)。
以下、本発明に係る空気調和機用断熱部材の構成を、詳細に説明する。
本発明に用いられる鋼板は、空気調和機などの分野に通常用いられるものであれば特に限定されない。鋼板は、冷延鋼板、熱延鋼板、めっき鋼板のいずれも用いることができる。耐食性を考慮すると、めっき鋼板の使用が好ましい。めっきの組成は特に限定されず、亜鉛、スズ、アルミなどの少なくとも一種の元素でめっきされた鋼板(Znめっき鋼板、Alめっき鋼板、Al−Znめっき鋼板、Zn−Niめっき鋼板など)が用いられるが、亜鉛めっき鋼板の使用が好ましい。
亜鉛めっき鋼板としては、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)のいずれも用いることができる。なお、各亜鉛めっき鋼板(原板)の放射率は、後記する実施例の測定方法によれば、以下のとおりであり、GAと、EG、GIとの間では、放射率に大きな差が見られた。
GAの放射率=0.4、EGの放射率=0.04、GIの放射率=0.03。
上記鋼板は皮膜を有していても良い。皮膜の詳細は後述する。
本発明に用いられる断熱材は、空気調和機などの分野に通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、発泡プラスチック系断熱材、無機繊維系断熱材、天然素材系断熱材などが挙げられる。これらは、そのまま用いても良いし、または、断熱材と鋼板との接合を容易にするなどの目的で、断熱材の表面にウレタン皮膜、アクリル系粘着皮膜などの皮膜を有していても良い。
これらのうち、発泡プラスチック系断熱材としては、ビーズ法ポリスチレンフォーム[所謂発泡スチロール(発泡ポリスチレン)]、押出法ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォームなどが挙げられる。また、無機繊維系断熱材としては、例えば、ガラスを繊維状にしたグラスウール、玄武岩などを繊維状にしたロックウールなどが挙げられる。また、天然素材系断熱材としては、例えば、セルロースファイバー、羊毛断熱材、炭化発泡コルクなどが挙げられる。これらのうち、熱伝導率が低く、安価で軽量などの観点から、発泡プラスチック系断熱材の使用が好ましい。
本発明の断熱部材は、上記鋼板に上記断熱材が配置されたものである。具体的には、図2Bに示すように、鋼板裏面(断熱側)と断熱材が、対向するように配置されたものである。これらは、(1)接合手段を介して、または(2)接合手段を介さないで、配置される。
(1)接合手段を介する場合
まず、接合手段を介した場合の、本発明に係る断熱部材について説明する。ここで「接合手段」とは、具体的には、(ア)接着剤を用いる方法と、(イ)基材の両側に接着剤を有する接合材を用いる方法が挙げられる。これらは、いずれか一方を用いても良いし、両方を用いても良い。
本発明に用いられる接合剤は、空気調和機の分野において、鋼板と断熱材を貼合わせるためになどに通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、シリカ系、セラミック系、セメント、はんだ、水ガラス(珪酸ナトリウム、珪酸ソーダ)などの無機系接着剤;有機系接着剤;カゼイン、天然ゴム系などの天然系接着剤;アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系などの合成系接着剤などが挙げられる。これらは市販品を用いることができる。
また、本発明に用いられる接合材としては、例えば上記接着剤を、布、紙、金属箔、セロファンなどの薄膜状基材に塗布または浸漬して加工したものが挙げられる。代表的には両面テープなどのテープ類が挙げられる。これらは、一般に粘着剤と呼ばれる粘性を有し、常温での接着が可能である。これらは市販品を用いることができる。本発明のように非接合部を設ける場合、非接合部の比率を制御するなどの観点からすると、接着剤よりも接合材の使用が好ましい。
図3〜図7は後記する実施例の態様を図示したものであり、両面テープを用いて、鋼板と断熱材を貼合わせたものである。これらの図に示すように、両面テープの貼合わせ方法を種々変更することによって、非接合部と接合部の比率を様々に制御することができる。図3〜図7は、好ましい実施形態の一例を示したものに過ぎず、これらに限定する趣旨では決してない。
(2)接合手段を介さない場合
次に、接合手段を介さない場合の、本発明に係る断熱部材について説明する。ここでは、上述した接着剤や両面テープなどの接合手段を使用せず、鋼板と断熱材のみを用いて、所定の非接合部と接合部が形成されるように配置させる。具体的には、例えば、鋼板と断熱材の形状を加工する方法(例えば、鋼板カバーの一部をコの字形に形成し、コの部分に挿入・固定できるような形状の断熱材を使用する方法)などによってこれらを配置することが推奨される。
上記態様では、断熱材として用いる発泡プラスチック類として、表面に樹脂皮膜を被覆せず、表面に凹凸を有するものを用いることが好ましい。樹脂皮膜を被覆して断熱材の表面がほぼ平滑なものより、非結合部形成による結露防止効果が一層有効に発揮されることが確認された。
表面の凹凸性状としては、例えば、後記する実施例の方法によって粗さ曲線を測定して高さの差を算出したとき、高さの差が、おおむね、2.5〜25μm程度のものを用いることが好ましい。
上記(1)または上記(2)の方法によって、図2Bに示すように非接合部と接合部が形成される。
本発明における「非接合部」とは、対向する鋼板と断熱部材とが接合しない部分を意味し、「接合部」とは、対向する鋼板と断熱部材とが接合する部分を意味する。具体的には、鋼板と断熱材が、非接合部を有することなく接合した従来例(図2Aを参照)の接合面積(鋼板と断熱材とが接触する面積の合計)を100%としたとき、非接合部を有する本発明では、鋼板と断熱材の接合部における接合面積の合計は100%未満である(図2Bを参照)。
本発明における「非接合部」は、鋼板と断熱材との間に形成された「間隙」または「隙間」として三次元レベル(面積×厚さ=体積)に捉えることもできるが、少なくとも二次元レベル(面積率)でみたとき、上記のように100%未満であるものを意味する。
詳細には、例えば上記(1)のように接合手段を介する場合、例えば両面テープの貼合わせ方法を変化させることによって「非接合部」の上記面積率を制御することができる。また、両面テープの厚みによって、「非接合部」の厚さ、ひいては上記面積率と厚さの積で表される体積を制御することができる。
また、例えば上記(2)のように接合手段を介しない場合、例えば発泡スチロール表面に起因する凹凸形状を適切に制御したり、或いは、凹凸のある発泡スチロールを鋼板に係合する方法を適切に制御することによって、当該凹凸に起因する「非接合部」の面積率や厚さを調整でき、所望とする「非接合部」が得られる。但し、上記(2)に対応する後記実施例2では、面積率よりも算出が容易な、体積を用いた(実施例2における体積の算出方法は実施例2で詳述する)。
具体的には、接合部の面積率は、10%〜95%程度が好ましい(換言すれば、非接合部の面積率は5〜90%が好ましい。)。後記する実施例に示すように、使用する鋼板および断熱材の種類や放射率が同じ場合、接合部の面積率が小さくなるにつれ(換言すれば、非接合部の面積率が大きくなるにつれ)、結露発生防止効果が大きくなる傾向が見られる。但し、鋼板と断熱材を接合させるためには、所定の接合部面積率を確保することが好ましい。これらのバランスを考慮すると、接合部の面積率は、より好ましくは25〜90%程度である(換言すれば、非接合部の面積率は10〜75%が好ましい。)。
また、鋼板と断熱材との接合部の好ましい厚さ(=非接合部の好ましい厚さ)は、上記と同様、鋼板と断熱材を接合させつつ、結露発生防止効果を有効に発揮させるとの観点から、適切に制御すれば良いが、例えば、好ましくは10μm以上、1mm程度以下であり、より好ましくは50μm以上、750μm以下である。更に、断熱材の厚さを出来るだけ薄くするとの観点も考慮すると、上記厚さの上限は、おおむね、500μm以下であることが、更に好ましい。上記厚さは、例えば両面テープを用いるとき、両面テープの厚さを調節することによって制御することができる。
また、鋼板と断熱材との接合部の体積は、上述した面積率と厚さの積で表されるものであるが、面積率および厚さについて、それぞれ、好ましい範囲内に制御することによって、制御することができる。
以上、本発明に係る断熱部材の基本構成について説明した。
次に、結露発生防止のための好ましい態様について説明する。前述したように鋼板表面の放射率を高めることにより、結露の発生を有効に防止できることが知られており、本発明でも、この態様を好ましく用いることができる。本明細書では、鋼板の、断熱材側とは反対の面を鋼板表面と呼び;鋼板の、断熱材側の面を鋼板裏面と呼ぶ(図2Bを参照)。
具体的には、鋼板表面の放射率は、鋼板裏面の放射率と同じか、または高いことが好ましい。空気調和機による冷房効果を発揮させつつ、結露発生を防止するためには、鋼板表面の放射率をできるだけ高くし(例えば0.8以上)、鋼板裏面の放射率との差を出来るだけ大きくすることが推奨される。
放射率を向上させる方法としては、例えば、鋼板表面に皮膜を設けると共に、(ア)皮膜に放熱性添加剤を添加し、その種類や添加量を制御する方法、(イ)皮膜中の厚さを制御する方法などが挙げられる。詳細は、例えば特開2004−74412号公報などを参照することができる。
(ア)放熱性添加剤を皮膜中に添加する方法
本発明に用いられる放熱性添加剤は、鋼板の放射率を高めるために通常用いられるものであれば特に限定されない。例えば、黒色の放熱性添加剤として、代表的にはカーボンブラックのほか、Fe,Co,Ni,Cu,Mn,Mo,Ag,Sn等の酸化物、硫化物、カーバイドや黒色の金属微粉等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。最も好ましいのはカーボンブラックである。
また、黒色添加剤以外の放熱性添加剤として、例えばTiO、セラミックス、酸化鉄、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化ケイ素などが挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。また、上述した黒色の放熱性添加剤と、黒色以外の放熱性添加剤とを、単独で、または併用することもできる。
本発明に用いられる皮膜に含まれる塗料樹脂(ベース樹脂)の種類は特に限定されず、例えば、前述した特開2004−74412号公報に記載のものが挙げられる。具体的には、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、およびそれらの混合または変性した樹脂等を適宜使用することができる。放熱性に加え、耐食性、加工性の向上も高めたい場合は、非親水性樹脂[具体的には、水との接触角が30°以上(より好ましくは50°以上、更により好ましくは70°以上)を満足するもの]であることが好ましい。この様な非親水性特性を満足する樹脂は、混合度合や変性の程度等によっても変化し得るが、例えばポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、およびそれらの混合または変性した樹脂等の使用が好ましく、なかでもポリエステル系樹脂若しくは変性したポリエステル系樹脂(エポキシ変性ポリエステル系樹脂、フェノール誘導体を骨格に導入したポリエステル系樹脂等の熱硬化性ポリエステル系樹脂または不飽和ポリエステル系樹脂)の使用が推奨される。
本発明では、上記放熱性添加剤を含む皮膜を特に、放熱性皮膜と呼ぶ。上記放熱性皮膜の厚さが厚いほど、鋼板の放射率を高くすることができる。但し、放熱性皮膜の厚さが厚くなり過ぎると加工時に皮膜が脱離し易くなる。これらを総合的に勘案し、上記放熱性皮膜の好ましい厚さは、1〜30μmである。
上記放熱性塗膜は、鋼板表面に少なくとも設けることが好ましい。更には、放熱性塗膜を鋼板裏面に設けても良い。
(イ)放熱性添加剤を皮膜中に添加しない方法
鋼板の放射率を高くするには、放熱性添加剤を皮膜に添加しなくても、皮膜中の厚さを厚くするだけで、放射率が高められる。但し、厚くなり過ぎると加工時に皮膜が脱離し易くなる。これらを考慮し、上記皮膜(放射性添加剤なし)の好ましい厚さは、0.5〜50μmである。
上記皮膜(放射性添加剤なし)は、鋼板表面に少なくとも設けることが好ましい。更には、上記皮膜を鋼板裏面に設けても良い。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
本実施例では、接合手段を介する態様について、以下のようにして実験を行なった。
(鋼板)
原板として、縦250mm×横180mm×厚さ0.6mmの電気亜鉛めっき鋼板(EG)を用いた。亜鉛の付着量は、表裏面それぞれ20g/m2とした。亜鉛めっきの付着量はICP発光分析装置を用いて測定した。
(皮膜)
鋼板の表面または裏面に皮膜を被覆するときは、下記の塗料1(放熱性添加剤なし)または塗料2(放熱性添加剤あり)を用い、バーコーターで所定付着量(0.1〜0.86g/m2)となるように塗布し、到達板温が230℃となるように焼付け炉で60秒間焼付けをおこなった。皮膜の厚さは、塗料の付着量を変化させることによって調節した。
(a)塗料1
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(「バイロンGK780(Tg:36℃)」;バイロンは登録商標;東洋紡社製)100質量部(固形分換算)にメラミン樹脂(「スミマールM−40ST」;長春人造樹脂製)を20質量部(固形分換算)加えたものを使用した。なお、合計の固形分が15質量%となるように、キシレンとシクロヘキサンノンの混合溶媒(50/50)で希釈した。
(b)塗料2
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(「バイロンGK780(Tg:36℃)」;バイロンは登録商標;東洋紡社製)100質量部(固形分換算)にメラミン樹脂(「スミマールM−40ST」;長春人造樹脂製)を20質量部(固形分換算)加えたものを使用した。これに、全固形分中の質量分率が10%となるように三菱カーボンブラックMA100を加えた。なお、合計の固形分が30質量%となるように、キシレンとシクロヘキサンノンの混合溶媒(50/50)で希釈した。
(断熱材)
本実施例では、ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板(JIS A9511 A−ESP−B−3)(以下、発泡スチロール板という)を所定のサイズに切断[250mm×180mm×厚さ(9〜32mmのものを1mm毎)に切断]して使用した。断熱材のサイズ(縦、横)は、上記鋼板と同じである。
(断熱部材の作製)
接合手段として以下の各種両面接着テープを用い、上記の鋼板および断熱材を、図3〜7の方法で接合した。両面接着テープの種類により、または、厚さが同一または異なる両面接着テープを2層以上積層するなどの方法によって、鋼板と断熱材の接合部の厚さ(非接合部の厚さと同じ)を調節することができる。
日東電工株式会社製の両面接着テープNo.5601 厚さ10μm
日東電工株式会社製の両面接着テープNo.591 厚さ50μm
日東電工株式会社製の両面接着テープNo.5610 厚さ100μm
日東電工株式会社製の両面接着テープNo.515 ※厚さ500μm
※この場合のみ、上記両面接着テープを二重に積層した。
日東電工株式会社製の両面接着テープNo.541 厚さ750μm
(接合部(非接合部)の面積率の算出方法)
非接合部を有する場合の接合部の面積率Aは、鋼板と断熱材が非接合部を有することなく接合したときの接合面積を100%としたときの、鋼板と断熱材の接合部の面積率で算出される。一方、非接合部の面積率Bは、100%から、上記接合部の面積率Aを引いたものである。
(非接合部の体積の算出方法)
参考のため、非接合部の体積を、以下のようにして算出した。
本実施例で用いた鋼板の面積(縦250mm×横180mm)×非接合部の面積率×非接合部の厚さ
(結露試験方法)
サイズ約10m×約5mの試験室を、厚さ50mmのビーズ法ポリスチレンフォーム保温板(JIS A9511 A−ESP−B−3)を用いて壁を作って2部屋に分割し、一方の部屋(サイズ約5m×約5m)を高温室(温度35℃、湿度85%)とし、他方の部屋(サイズ約5m×約5m)を低温室(温度12℃)とした。なお、低温室の湿度は、本実施例では特に大きな影響を及ぼさないため、調整していない。
次に、壁の一部に250mm×180mmの開口部をつくり、そこに上記の鋼板と断熱部材を、鋼板表面が高温室側となるように取付けた。各部屋の温度および湿度が上記の範囲となったことを確認してから1時間後に、鋼板表面に発生する結露の有無を、目視で観察し、結露が発生しない断熱材の最小厚さを測定した。具体的には、上記温度および湿度で1時間放置して、結露が発生しないときは、断熱材の厚さを1mm薄くしたものを用意して上記と同様の実験を行なう作業を、1mm単位で、繰り返して行ない、最終的に、結露の発生が生じない断熱材の最小厚さを算出した。結露が発生しない断熱材の最小厚さが小さい程、結露防止効果が高いと評価される。
(放射率の測定方法)
放射率の測定方法は、前述した特開2004−74412号公報の方法と同じである。具体的には、以下の通りである。
装置:日本電子(株)製「JIR−5500型フーリエ変換赤外分光光度計」及び放射測定ユニット「IRR−200」
測定波長範囲:4.5〜15.4μm
測定温度:試料の加熱温度を100℃に設定する
積算回数:200回
分解能 :16cm−1
これらの結果を表1〜7に併記する。
表1は、本実施例の実験方法および結果をまとめて記載したものである。表1より、本実施例の実験の全概要を理解できる。
更に表2〜表6は、上記表1について、実験条件ごとに対比および考察がし易いように、データを抽出して抜粋したものである。
まず、表2を参照する。表2のNo.1〜12は、それぞれ、表1のNo.1〜12に対応するものであり、非接合の面積率の効果を調べたものである。表2には、塗料の種類を変えて表裏面の放射率を変化させた2種類の鋼板(皮膜あり)を用いた結果を示している。
表2より、接合部の面積率を100%(従来例、非接合部0)から、90%(非接合部の面積率10%)→75%(非接合部の面積率25%)→50%(非接合部の面積率50%)→25%(非接合部の面積率75%)→10%(非接合部の面積率90%)と小さくし、非接合部の面積率を大きくするにつれ、結露が発生しない断熱材の最小厚さ(以下、単に断熱材の最小厚さと略記する。)も小さくなった。
詳細には、表2のNo.1〜6は鋼板表面の放射率0.86、鋼板裏面の放射率0.1の例;表2のNo.7〜12は鋼板表面および裏面の放射率がいずれも0.1の例であるが、いずれの場合も、従来例(接合部の面積率100%のNo.6、No.12)に比べ、非接合部を設けた本発明例では、断熱材の最小厚さが小さくなり、結露防止作用が向上した。
なお、本実施例の評価によれば、表2において、従来例であるNo.6(最小厚さ17mm)と、本発明例であるNo.4(最小厚さ16mm)とは、最小厚さの差は僅かに1mmであるが、本実施例における「最小厚さの差=1mm」は、実製品において極めて重要な意義を有するものである。本発明のような空気調和機の分野において、結露の発生が生じない断熱材の最小厚さを1mm薄くすることは、多大な労力を伴うものだからである。
なお、No.6(従来例、接合部の面積率100%)とNo.5(接合部の面積率90)を対比すると、両者の最小厚さは同じ(いずれも17mm)であったが、これは、No.6では放射率の高い鋼板を用いたために、非接合部を有しなくても、もともと高い結露防止効果を発揮することに起因するものである。上記No.5のように接合部の面積率が90%程度では、No.6(従来例)との差は見られなかったが、接合部の面積率を、一層小さくし(すなわち、非接合部の面積率を、一層大きくし)、75%以下にしたNo.4〜No.1では、No.6(従来例)との差が見られ、非接合部の形成による効果が、一層顕著に発揮されることが分かった。
次に、表3を参照する。表3は、接合部の面積率を10%(すなわち、非接合部の面積率を90%)と一定にし、非接合部の厚さを変化させたときの、結露防止作用に及ぼす効果を示したものである。表3には、塗料の種類を変えて表裏面の放射率が異なる2種類の鋼板を用いた結果を示している。参考のため、表3には、従来例(接合部の面積率100%)に対応するデータ(表3のNo.5、10)も併記している。詳細には、表3のNo.1〜10は、それぞれ、表1のNo.13〜16、12(従来例=接合部の面積率100%)、17〜19、1、6(従来例=接合部の面積率100%)に対応する。
表3より、鋼板表裏面の放射率にかかわらず、非接合部の厚さを0.01mm(No.1、6)→0.1mm(No.2、7)→0.5mm(No.3、8)→0.75mm(No.4、9)と厚くするにつれ、結露が発生しない断熱材の最小厚さも小さくなった。このことは、非接合部について、面積率が同じ(ここでは全て90%)であっても、更に厚さを厚くして体積を大きくすることにより、最小厚さが小さくなり、結露発生防止効果が促進されることを示している。
詳細には、表3のNo.1〜6は鋼板表面および裏面の放射率がいずれも0.1の例;表3のNo.6〜12は鋼板表面の放射率0.86、鋼板裏面の放射率0.1の例であるが、いずれの場合も、従来例(接合部の面積率100%のNo.6、No.12)に比べ、非接合部の厚さを厚くした本発明例では、結露防止作用が向上した。
次に、表4を参照する。表4は、表面に皮膜を有しない鋼板(原板まま)を用いたときの、非接合部形成の効果を調べたものである。詳細には、表4のNo.1、2は、それぞれ、表1のNo.20、21(従来例=接合部の面積率100%)に対応し、鋼板の表面および裏面の放射率は0.04と低い。
表4より、放射率が非常に低い鋼板(原板まま)を用いた場合でも、No.1のように非接合部を設けることによって断熱材の最小厚さが小さくなり、結露発生防止効果が促進されることが分かった。
なお、本実施例では電気亜鉛めっき鋼板(EG)を用いたが、上記表4と同様の傾向は、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)においても見られることを確認している。
次に、表5を参照する。表5はいずれも、接合部の面積率を10%(非接合部の面積率を90%)、且つ、非接合部の厚さも50μmと一定(表には示さず)とし、皮膜の付着量を変えて鋼板の表面・裏面の放射率を変化させたときの(表面と裏面の放射率は同じ)、結露防止作用に及ぼす効果を示したものである。表5のNo.1〜6は、表1のNo.22〜27に対応する。
表5より、非接合部の面積率が同じ場合、鋼板の表面・裏面の放射率が大きくなるほど、最小厚さが小さくなり、結露発生防止効果が促進されることが分かった。
次に、表6を参照する。表6は、接合部の面積率を75%(非接合部の面積率を25%)、非接合部の厚さを750μm(表には示さず)、鋼板表面の放射率を0.86と、いずれも一定にし、皮膜の付着量を変えて鋼板裏面の放射率を変化させたときの、非接合部形成の効果を調べたものである。詳細には、表6のNo.1、2は、それぞれ、表1のNo.28、29に対応する。
表6より、非接合部の面積率および厚さ、並びに鋼板表面の放射率が同じ場合、鋼板表面と鋼板裏面の放射率の差が大きくなるほど、断熱材の最小厚さが小さくなり、結露発生防止効果が促進されることが分かった。
実施例2
本実施例では、接合手段を介しない態様について、以下のようにして実験を行なった。なお、実験に用いた鋼板は上記実施例1と同じである。
本実施例では、実施例1で用いた断熱材の発泡スチロール板とは別に、当該発泡スチロール板の表面にウレタン樹脂皮膜を被覆して表面を平滑にしたものを用意し、表面性状の相違による結露発生防止効果に及ぼす影響を調べた。実施例1で用いた断熱材の発泡スチロールの表面は、詳細には、後記する図8Aおよび図8Bに示すように凹凸を有しており、この凹凸に起因して非接合部が生じるため、結露発生防止効果が期待される。そこで、本実施例では、実施例1で用いた発泡スチロール板表面の凹凸をなくすため、ウレタン樹脂皮膜を被覆して表面をほぼ平滑にしたものを用意し、両者を比較した。なお、接着剤を用いる代わりに、上記発泡スチロール板と鋼板とを重ね合わせて四隅をミニクランプで固定した。
まず、実施例1で用いた発泡スチロール板(ウレタン樹脂皮膜なし)の表面性状を、以下のようにして調べた。発泡スチロール板の表面に直交する2本の直線を引き、それぞれの直線(交差点を含めて基準長さは50mm)上の粗さ曲線を、以下の方法により求めた(図8A、図8B)。図8Aおよび図8Bの各粗さ曲線について、最大値[各図の縦軸(プラス側)の最も大きい値)と最小値[各図の縦軸(マイナス側)の最も小さい値]をカットし、プラス側のうち2番目に大きい値と、マイナス側のうち2番目に小さい値をそれぞれ、選択し、高さの差を算出した。本実施例における上記高さの差は、22.5μmであった。
このようにして得られた差(ここでは22.5μm)の半分(差×1/2=11.25μm)を、非接合部の高さ(厚さ)とし、以下のようにして、接合手段を介しない場合における非接合部の体積を算出した。表7には、このようにして算出された体積を、「断熱材の表面凹凸を含めた非接合部の体積」と記載した。
本実施例で用いた鋼板の面積(縦250mm×横180mm)×非接合部の面積率×非接合部の厚さ(11.25μm)
更に、上記発泡スチロール板とは別に、当該発泡スチロール板の表面にウレタン樹脂皮膜を被覆したものを用意した。具体的には、東邦化学工業(株)製水系ウレタン樹脂ハイテック U―2078を用い、10g/m2の付着量となるよう発泡スチロール板の表面に塗布した後、50℃で5時間乾燥し、ウレタン樹脂皮膜を形成した。このようにして得られたウレタン樹脂皮膜表面の粗さ曲線を上記と同様にして測定し、高さの差を算出した結果、1.6μmであった。上記と同様にして、「断熱材の表面凹凸を含めた非接合部の体積」を算出し、表7に併記した。
これらの結果を表7に記載する。表7のNo.1は、発泡スチロールにウレタン樹脂皮膜を設けない例(上記高低差22.5μm)、No.2は、発泡スチロールにウレタン樹脂皮膜を設けた例(上記高低差1.6μm)である。表7より、ウレタン樹脂皮膜を設けて表面を平滑にしたNo.2に比べ、ウレタン樹脂皮膜を設けないNo.1は、結露防止に有用な非接合部が形成されるため、断熱材の最小厚さが小さくなった。

Claims (7)

  1. 空気調和機の内部側に配置された断熱材と、鋼板裏面(断熱側)とが、対向するように配置された空気調和機用断熱部材であって、
    前記鋼板と前記断熱材の間に、接合手段を介して、または接合手段を介さないで、接合部および非接合部を有し、
    前記接合部および前記非接合部は、
    前記接合手段として、接着剤、または基材の両側に接着剤を有する接合材を用いて形成されるか;または、
    前記接合手段を介さないときは、凹凸を有する発泡プラスチック系断熱材を用いて形成されるものであり、
    前記非接合部の厚さが10μm以上、750μm以下であることを特徴とする空気調和機用断熱部材。
  2. 前記鋼板と前記断熱材が非接合部を有することなく接合したときの接合面積を100%としたとき、前記鋼板と前記断熱材の接合部における接合面積の合計は100%未満である請求項1記載の断熱部材。
  3. 前記鋼板の、前記断熱材側とは反対の面(鋼板表面)の放射率は、前記鋼板の、前記断熱材側の面(鋼板裏面)の放射率と同じか、または高いものである請求項1または2に記載の断熱部材。
  4. 前記鋼板表面は放熱性塗膜を有するものである請求項1〜のいずれかに記載の断熱部材。
  5. 更に、前記鋼板裏面は放熱性塗膜を有するものである請求項に記載の断熱部材。
  6. 前記放熱性塗膜は、放熱性添加剤を含有するものである請求項またはに記載の断熱部材。
  7. 前記鋼板は、めっき鋼板である請求項1〜のいずれかに記載の断熱部材。
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