JP4153891B2 - 磁気吸着型の防火磁性壁並びに防火磁性表示片 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の防火壁装材料及びそれを用いた壁に関するものである。更に詳しく述べると、建物の壁面に磁石の吸着力によって容易に貼着乃至剥離できる、磁気吸着型の防火磁性壁並びに防火磁性表示片に関するものである。
従来は、磁石の吸着力によって容易に貼着乃至剥離できる方法として、シート状磁石または表装材に積層したシート状磁石を壁下地に接着剤を用いて貼着した壁面に対して、表示材、装飾材、壁表面材等を積層したシート状軟質磁性体、例えば、鉄板、鉄粉をエラストマーに練り込んだシート等を磁石の吸着力によって貼着する方法と、逆に、シート状軟質磁性体または表装材を積層したシート状軟質磁性体を壁下地に接着剤を用いて貼着した壁面に対して、表示材、装飾材、壁面材等を積層したシート状磁石を磁気吸着力によって貼着する方法がある。(特許文献1及び特許文献2参照。なお、壁下地材に接着剤を用いて積層して用いるシート状軟質磁性体については、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)
その他、シート状磁石、または表装材を積層したシート磁石を壁下地に接着剤を用いて積層した壁面に対して、表示材、装飾材、壁表面材料を積層した、前記シート状磁石と同様に着磁を施したシート状磁石を用いて、磁石の異極吸引、同極反撥によって、壁下地側の着磁極に誘引されて、一定方向に整列貼着させる方法がある。(特許文献6参照)
一方、難燃性のシート状磁石乃至磁石の被着体となるシート状軟質磁性体としては、金属水酸化物系難燃剤と赤リン(難燃剤)を含有するものが提案されている。これは、電気・電子機器分野に開発されたもので、防火壁装材としての防火性能とガス有害性を考慮していない。(特許文献7参照)
即ち、電気・電子機器の難燃性能は、有機高分子材料が着火しても火災の原因とならないように、小火源での短時間加熱後の速やかな自己消化性と、家電製品の内部の綿埃への着火を生じないように、着火高分子材料が熱により流動し液滴が落下して綿埃に着火しないことが要求される。
評価は、通常UL94プラスチック材料の難燃試験法によって、20mm垂直試片による残炎時間と液滴落下による着火の有無を試験する。
また、発明の属する技術分野ではないが、電子機器等に用いる電磁波吸収体で、組成的に似かよった技術が開示されている。これは後で述べる本発明に比べ、有機臭化物系難燃剤と亜鉛系難燃剤の添加量が極端に多く、壁装材(内装材)のようにガス有害性を考慮していないので、防火壁装材への応用は好ましくない技術である。(特許文献8参照)
本発明の属する防火壁装材料(内装用)の難燃性能は、通常の火災において発火から完全火災(フラッシュオーバー)に至る時間内の初期火災の段階で避難や消火活動に入るまでの時間を得るために延焼を遅延させる難燃性と、避難上有害なガス発生をしないことが要求される。
評価は、通常、燃焼試験とガス有害性試験で行う。
1)燃焼試験は、実際に使用する構成(例えば石膏ボードに防火壁装材を貼着)で、コーンカロリーメーター法(ISO5660)の燃焼試験にて、要求レベルに応じて一定時間の総発熱量8MJ/m以下、一定時間防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴が生じないこと、一定時間最高発熱速度が10秒継続して200KW/mを超えないことを試験する。
2)ガス有害性試験は、実際に使用する構成で燃焼した時に発生するガスが木材の燃焼によって発生するガスの有害性の水準を上回るか否かを、マウスへの暴露試験で判定する。(昭和51年8月25日建設省告示第1231号によるガス有害性試験に準拠)
従来の技術には、上記のような防火壁装材に必要な防火性能とガス有害性を考慮した防火磁性壁面材は開示されていない。
特公昭49−11171(1頁右欄11行〜2頁左欄15行) 特開2002−201787号公報(2頁段落0005〜段落0008、図4) 特公平6−76729号公報(2頁左欄8行〜19行) 特許第3057426号公報(2頁段落0005) 特開2002−129726号公報(2頁段落0007及び段落0014〜段落0015) 実公昭63−15902号公報(2頁左欄1行〜26行) 特開2000−208314号公報(3頁段落0012〜段落0014) 特開2000−151177号公報(2頁段落0009及び3頁段落0016〜段落0019)
本発明は、建物の壁面において、防火壁装材料(内装材)としての難燃性及びガス有害性(有害ガス発生の少ない)付与されていると共に、さらに、磁石の吸着力によって、容易に貼着乃至剥離できる磁気吸着型の防火磁性壁並びに防火磁性表示片を提供しようとするものである。
前記課題を解決するために、防火磁性壁面材に用いる粘結材であるエラストマー、磁性粉体の充填量、難燃化剤の種類と添加量、防火磁性壁面材の厚み、表装材の材質と厚み及び壁下地材について総合的に鋭意研究を行った結果、エラストマーは難燃性が優れ柔軟性と強度を兼ね備えた、磁性材料粉末及び難燃剤粉末(成形加工時の温度において)の高充填性(高濃度に練り込む)に優れたものを用いて、磁性材料粉末を高充填することで、厚みが薄くて磁性の優れたものを得ることによって、単位面積当たりのエラストマー等の有機物(燃焼して発熱する物質)を少量とすることをベースとして、更に特定の2種類の難燃化剤を少量添加することによって、目的の難燃性が得られ、かつ、ガス有害性(有害ガスの発生が少ない)の優れた防火磁性壁面材が得られることを見出した。
また、防火磁性壁面材の表装材としては、特定のJISK7201−2に準拠する限界酸素指数(以下、LOIという)以上、特定厚み以下のフィルムを用いることで、難燃性及びガス有害性を殆ど阻害しないこと、及び無機不燃ボードに積層することによって、優れた防火磁性壁を得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、(A)塩素化ポリオレフィン系エラストマーである粘結剤100重量部当たり、(B)臭素化芳香族系難燃剤5〜20重量部、(C)亜鉛系難燃剤10〜30重量部、及び(D)強磁性体粉末500〜1400重量部を含有し、かつ、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分との合計量に対する(B)成分と(C)成分と(D)成分との合計量の割合が、容積比で0.73以下である磁性組成物からなり、厚み0.05〜0.6mmで、不燃石膏ボードに貼着した場合のコーンカロリーメーターによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後5分間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能以上の防火性能、並びに、ガス有害性試験(昭和51年建設省告示1231号準拠)にて平均マウス行動停止時間の値が6.8分以上の性能を有する磁性シートであって、そのうちの上記(D)成分を硬質磁性材料粉末として着磁を施した第1の防火磁性壁面材と、この第1の防火磁性壁面材に磁気吸着するように、(D)成分を軟質磁性材料粉末のものとするか或いは第1の防火磁性壁面材同様に硬質磁性材料粉末として着磁を施した第2の防火磁性壁面材とを使用する。
そして第1の防火磁性壁面材或いは第2の防火磁性壁面材のいずれか一方の防火磁性壁面材を不燃材料(平成12年建設省告示第1400号)乃至準不燃材料(平成12年建設省告示第1401号)よりなる壁下地材に貼着させて防火磁性壁を形成する共に、他方の防火磁性壁面材を防火磁性表示片とすることにより、防火磁性壁に防火磁性表示片を磁気吸着により着脱自在に取付ける構成として実施することができる。
なお、組成物のうち、(A)成分を塩素化ポリエチレンエラストマーとし、(B)成分を2,2−ビス{4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル}プロパンとし、(C)成分を硼酸亜鉛とする態様が好ましい。
また、第1の防火磁性壁面材およびまたは第2の防火磁性壁面材は、その表面に、JISK7201−2に準拠する限界酸素指数(LOI)28以上で厚み0.15mm以下の非磁性体フィルムを、表装材として一体的に積層したものであって、不燃石膏ボードに貼着した場合のコーンカロリーメーターによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後5分間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能以上の防火性能を有し、かつ、ガス有害性試験(昭和51年建設省告示1231号準拠)にて、平均マウス行動停止時間の値が6.8分以上の性能を有する態様が好ましい。
さらに、防火磁性壁の壁下地材に貼着する防火磁性壁面材または防火磁性表示片として使用する防火磁性壁面材のうち、いずれか一方の材料は、(D)成分を硬質磁性材料粉末として着磁を施した磁性組成物からなる防火磁性壁面材を使用するが、他方の防火磁性壁面材の材料はこの磁性組成物に換えて磁性金属ホイルを使用したものとし、両部材を磁気吸着にて着脱自在に取付ける構成としてもよい。この場合においては、磁性金属ホイルが不燃性であり有害ガスも発生しにくい利点がある。
本発明による防火磁性壁面材は、難燃性が優れ、柔軟性と強度を兼ね備えた塩素化ポリオレフィン系エラストマーを粘結剤に用いて、成形加工時の温度で粉体である難燃剤と強磁性体粉の高充填を可能とし、薄層で充分な磁性を有する磁石シートを得ることをベースに、従来技術に比べ少量の難燃剤の添加、即ち、粘結剤100重量部に対して、臭素化芳香族系難燃剤5〜20重量部と亜鉛系難燃剤10〜30重量部とを併用することによって、建築基準法の防火材料(不燃、準不燃、難燃のいずれかの)認定基準に適合する防火性能とガス有害性に優れた性能を有する。
本発明による防火磁性壁は、火災発生時に本発明の防火磁性壁面材が難燃性で発熱量が少なく、有害ガスの発生も少ないことと、壁下地材を不燃乃至準不燃にすることで、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂や穴を生じないので、避難や救助・消火の活動が容易にできる利点を有する。また、無機質の不燃乃至準不燃ボード使用した場合にあっては、熱伝導率が低いので背面に接する枠材等への延焼を防止する効果があり、鉄系の不燃材料を使用した場合にあっては、防火磁性壁面材が多極着磁を施した永久磁石シートである場合、背面に漏洩する磁束を防止するので、表面側の磁束が増大することにより、強い吸着力が得られる。
本発明による防火磁性壁には、防火磁性表示片磁気吸着力で貼着できるので、着脱が容易で便利である。
本発明の防火磁性壁及び防火磁性表示片は、建物の壁だけでなく、天井や床等にも使用できる。また、電波吸収材、電磁波シールド材、遮音材、制振材として用いることもできる。
本発明の防火磁性壁面材の成形材料として用いる磁性組成物において、(A)成分の粘結剤としての塩素化ポリオレフィン系エラストマーとしては、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のエラストマーが適し、塩素化率が30〜40重量%が好ましく、30重量%未満では非結晶性が低下してエラストマー性が低下し、40重量%を越えると凝集エネルギーが増大しエラストマー性が低下することにより、粉体の高充填性も低下するので好ましくない。また、3重量%以下のスルホン化したものであっても良い。これらのエラストマーの市販品は、例えば塩素化ポリエチレンエラストマーとしては、昭和電工社製のエラスレン301A、351A、401A、大阪曹達社製のダイソラックC−130、H135が挙げられ、クロロスルホン化ポリエチレンエラストマーとしては、デュポン社製のハイパロン40、45が挙げられる。
上記エラストマーは、難燃性が優れ、粉体の高充填性(多量の練り込みができる)に優れ、磁性組成物をシートに成形する際の加工温度において粉体である(B)成分の臭素化芳香族系難燃剤と(C)成分の亜鉛系難燃剤及び(D)成分の強磁性体粉末を高充填した薄肉シートを成形することができるので、薄肉シートであっても、充分な磁性が得られ、また、単位面積当たりのエラストマー等の有機物の量が少なくなることで、燃焼時の燃焼熱が少なくなる。
本発明に用いる磁性組成物においては、難燃剤として(B)成分の臭素化芳香族系難燃剤と(C)成分の亜鉛系難燃剤との組合せが用いられる。上記(B)成分としては、例えばデカブロモジフェニルエーテル、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ハイドロオキシフェニール)プロパン、2,2−ビス{4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(2,アリルオキシ)3,5−ジブロモフェニル}プロパン等が挙げられるが、これらの中で特に2,2−ビス{4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル}プロパンが好適である。(実施例1〜4)
(C)成分としての亜鉛系難燃剤としては、硼酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸亜鉛、錫酸亜鉛等が挙げられるが、これらの中で特に硼酸亜鉛が好適である。(実施例1〜4)
本発明に用いられる磁性組成物においては、(B)成分の臭素化芳香族系難燃剤と(C)成分の亜鉛系難燃剤を組み合わせて用いることにより、(B)成分は主として燃焼により発生するラジカルの捕獲による燃焼反応の抑制、(C)成分の亜鉛成分が(A)成分の塩素化ポリオレフィンエラストマーの塩素供給源を分解する媒体として作用し、架橋及びチャーの生成を促進する。また、硼酸塩の場合は硼酸塩成分(B)が炭化物表面をガラス成分で覆うことで、更なる炭化物の酸化(アフターブロー)を抑制する。また、結晶水の蒸発水で燃焼温度を下げ、更に多孔質で熱絶縁性の高いチャーを形成することとの相乗効果によって、優れた難燃効果が得られる。
本発明においては、(B)成分の臭素化芳香族系難燃剤は単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良く、また、その配合量は、前記(A)成分の粘結剤100重量部に対し、5〜20重量部の範囲で選ばれる。この配合量が5重量部未満では充分な難燃性付与効果が発揮されないし、20重量部を越えるとガス有害性が防火壁装(内装)材として無視できなくなる場合を生じる。
(C)成分の亜鉛系難燃剤は、単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良く、また、その配合量は、前記(A)成分の粘結剤100重量部に対し、10〜30重量部の範囲で選ばれる。この配合量が10重量部未満では充分な難燃性付与効果が発揮されないし、30重量部を越えると磁性組成物の成形加工性が悪くなる。また、(B)成分と(C)成分との配合比は、(B)<(C)が好ましく、(B)>(C)の場合は(C)成分の配合量が難燃性付与効果を支配する。
本発明に用いられる磁性組成物においては、(D)成分の強磁性体粉末としては、本発明の分野では、永久磁石材料粉末である硬質磁性材料(保磁力が大)と、磁石の被着体となる軟質磁性材料(高透磁率で保磁力が極小)に大別される。
硬質磁性材料粉末としては、例えば、フェライト系磁石材料粉として、Srフェライト、Baフェライト、希土類系磁石材料粉として、Sm−Co系、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系等が挙げられ、軟質磁性材料粉としては、例えば、フェライト系軟質磁性材料粉として、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、マグネタイト(四三酸化鉄)、鉄系金属軟質磁性材料粉として、鉄粉、カルボニル鉄粉、鉄系合金粉、その他パーマロイ粉、センダスト粉が挙げられ、これら強磁性体粉は平均粒子径が0.3〜500μmの範囲内の粉末で用いられる。
本発明においては、これらの強磁性体粉末は、単独で用いても良く、2種類組み合わせて用いても良い。これらの中で特にフェライト系は、長期的に安定な金属酸化物であり、磁性シートの成形加工性も良く、安価でもあるので実用的に好ましい。また、磁石の被着体として用いるフェライト系の軟質磁性体粉末のみに用いると磁化が不足する場合は、鉄系金属粉を併用することが効果的であり、また、加工性、防錆の点からも好ましい。
強磁性体粉末の充填量は、前記(A)成分の粘結剤100重量部に対して、500から1400重量部の範囲で選ばれる。この充填量が500未満では磁性特性が充分発現しないし、1400重量部を越えると成形加工性が低下し、また、シートの表面性が劣ってくるので好ましくない。好ましい充填量は600〜1300重量部の範囲である。
本発明に用いられる磁性組成物においては、前記(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分との合計量に対する、シートに成形する際の加工温度において粉体である(B)成分と(C)成分と(D)成分との合計量の割合が容積比で0.73以下であることが必要である。この容積比を越えると磁性組成物のシートへの成形加工性が低下し、またシートの表面性が劣ってくるので好ましくない。
本発明に用いられる磁性シートの厚みにおいては、0.05〜0.6mmの範囲が好ましく、0.05mm未満であると磁気吸着力が不足する場合を生じ、0.6mmを越えると、単位面積当たりの有機物(燃焼して発熱する物質)が多くなり、燃焼時の総発熱量が大きくなるので好ましくない。
本発明に用いられる磁性組成物においては、必要に応じて、当該技術分野において行うような各種配合剤(熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、カップリング剤等)を必要に応じて適宜添加することができる。熱安定剤としては、金属石鹸系安定剤、有機錫系安定剤、及び安定助剤としてエポキシ化大豆油が挙げられ、中でもBa−Zn系またはCa−Zn系金属石鹸とエポキシ化大豆油の併用、ジオクチル錫系またはブチル錫系安定剤とエポキシ化大豆油の併用が好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、燐系酸化防止剤が挙げられ、中でも、硫黄系酸化防止剤のチオエーテル系であるジラウリル−3,3−チオジプロピオネイト、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が好ましい。
滑剤としては、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤、脂肪族アマイド系滑剤、金属石鹸系滑剤、エステル系滑剤が挙げられ、中でも、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、等が好ましい。可塑剤としては、塩素化パラフィン系、燐酸エステル系が挙げられ、中でも、70%塩素化パラフィン、トリクレジルホスフェート等が好ましい。カップリング系としては、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤が挙げられ、中でも、チタネート系カップリング剤・味の素ファインテクノ社製KRTTS,KR38S等が好ましい。
[防火磁性壁面材]
本発明の防火磁性壁面材である磁性シートの成形は、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、更に必要に応じて用いる添加成分を、それぞれ所定の割合で混練後、圧延成形、押出成形、押出・圧延成形等によって0.05〜0.6mm厚に成形する。混練及び各成形方法は、従来公知のマグネットシートの成形と同様にして成形することができる。例えば混練は、加圧ニーダー、二軸混練押出機、ミキシングロール等が挙げられ、例えばシート成形は、2本ロールによる1段または2段圧延方式、フィシュテールダイを用いた押出成形、又は及び、押出後2本ロールによる圧延方式等が挙げられる。
(D)成分を硬質磁性材料粉末永久磁石材料粉とした磁性シートは、従来公知の着磁方法によって永久磁石シート作製することができる。例えば、片面または両面に多極着磁を施す場合は、ワンターン着磁ヨークを磁性シートの表面に密着させて着磁電源(高圧大容量コンデンサー)よりパルス直流電流を通電することで着磁する方法、または、永久磁石を用いた多極磁石ロールを磁性シートの表面に密着回転させて着磁する方法が挙げられ、後者は極薄磁性シートの着磁に適する。
本発明の磁性シートに表装材を積層した防火磁性壁面材は、前期磁性シートの表面に、LOI:28以上、厚み0.15mm以下の非磁性体フィルムを、公知のマグネットシートとプラスチックフィルムを積層する方法である熱圧着、または、接着剤を用いて積層することで得られる。
難燃継続性を評価する方法の一つに酸素指数による燃焼性試験(JISK7201−2)があり、継続燃焼に必要な雰囲気中の酸素の限度濃度(限界酸素指数:LOI)を測定する。
一般に、LOIが21以上であれば継続的に燃焼することは無く、LOIが25〜27以上であれば極端な条件でない限り継続的に燃焼しないと云われる。
本発明の防火磁性壁面材に用いる非磁性体フィルムは、LOI:26以上のものが用いられるが、好ましくはLOI:28以上のものが良く、LOI:28以下であると所期の防火性能が得られなくなる場合を生じる。また、厚みは0.15mm以下であるのが好ましく、0.15mmを越えると燃焼熱量が大きくなり総発熱量への影響が大きくなるので好ましくない。
LOI:28以上の非磁性体フィルムとしては、可塑剤15PHR以下含有の塩化ビニルフィルム及び難燃剤を含有する難燃性プラスチックフィルム、難燃剤を含有する難燃紙、水酸化アルミニウム紙、金属ホイル等が挙げられ、その中でも可塑剤10PHR以下含有の塩化ビニルフィルムが好ましい。
積層に用いる接着剤としては、公知のアクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体系接着剤、ウレタン・アクリル共重合体接着剤、変性シリコーン系接着剤等、及びホットメルト系接着剤としては、エチレン・酢酸ビニル系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤等が挙げられる。また、粘着剤としては、公知のアクリル系粘着剤、変性シリコーン系粘着剤等が挙げられる。
接着剤または粘着剤層の厚みは、燃焼時の総発熱量への影響を考慮して、50μm以下にするのが好ましい。また、難燃剤を添加した接着剤または粘着剤を用いることで、難燃性を向上させることもできる。
[防火磁性壁]
本発明の防火磁性壁の作製方法は、壁下地材として不燃材料乃至準不燃材料に本発明の防火磁性壁面材を接着剤または粘着剤を用いて貼着することで達成される。この場合の接着剤または粘着剤の種類と層の厚みは、前記の磁気シートと表装材との積層の場合と同様で良い。
本発明の防火磁性壁に用いる不燃材料または準不燃材料は、国土交通大臣が定めたものであって、不燃材料は建設省告示1400号(平成12年5月30日)に定められた建築材料、例えば、石膏ボード(厚さ12mm以上、かつ、ボード用原紙の厚さ0.6mm以下)、ガラス繊維混入セメント板(厚さ3mm以上)、繊維強化セメント板、ガラス、コンクリート、モルタル、鉄鋼、アルミニウム、金属板等が挙げられ、準不燃材料は建設省告示1401号(平成12年5月30日)に定められた建築材料、例えば、上記の不燃材料で当規定に該当するもの、石膏ボード(厚さ9mm以上、かつ、ボード用原紙の厚さ0.6mm以下)、硬質木片セメント板(厚さ9mm以上で、かさ比重0.9以上)、パルプセメント板(厚さ6mm以上)等が挙げられる。
本発明の防火磁性壁に用いる不燃材料または準不燃材料は、ボード等の単体であっても、建物に組み込まれた状態であっても、一般の壁装材と同様に積層することができる。
本発明の防火磁性壁とすることによって、火災発生に際して本発明の防火磁性壁面材が、難燃性で発熱量が少なく、また、有害ガスの発生も少なく、壁下地材が不燃材料または準不燃材料であることから、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴を生じないので、避難や救助・消化活動が容易にできる防火上の効果が得られる。また、無機質の不燃乃至準不燃材料にあっては、熱伝導率が低いので、壁下地材の背面に接する枠材等への延焼を防止する効果があり、鉄系の不燃材料にあっては、防火磁性壁面材が多極着磁を施した永久磁石である場合、背面に漏洩する磁束を防止するので、表面側の磁束を増大する効果がある。例えば、永久磁石シートの厚み0.3mm、極間2.5mmピッチにおいて、永久磁石シートの表面密着吸着力は、壁下地材が非磁性体の場合21g/cmに対して、鉄板の場合は56g/cmとなる効果がある。
[実施例]
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限定されるものではない。
[磁性シート(防火磁性壁面材)の成形(実施例1〜7、比較例1〜7)]
表1に示す、実施例1〜4、比較例1〜5の配合表(重量部)によって、各成分を加圧ニーダーで100〜120°C×15分間混練して、磁性組成物を調整する。次に、この磁性組成物をロールの表面温度90°Cの2本ロール式圧延機(直径10’’・面長30’’ロール)を用いて、表1と表2に示す厚みで500mm幅の磁性シートを作成し巻物とする。
なお、表1中で必要に応じて添加する成分としては、実施例1〜4、比較例1〜3については、ステアリン酸カルシウム(滑剤として)、チオエーテル系酸化防止剤である。
また、この状態を断面で表わすと図3のようになる。但し、実施例1〜3及び比較例1〜3は、後述するように表面に着磁を施すため、最終状態としての図3は、実施例4及び比較例4、比較例5を表わし、B1はこれらの実施例及び比較例における防火磁性壁面材を示す。
Figure 0004153891
実施例(1〜4)、比較例(1〜5)に使用した、各種成分は次の通りである。
(1)塩素化ポリエチレンエラストマー:昭和電工社製・商品名エラスレン351A・塩
素化率35W%・比重1.16
(2)クロロプレンゴム:電気化学工業社製・商品名デンカクロロプレンEM−40・塩素含有率40W%・比重1.22
(3)エチレンアクリレート共重合体:アメリカンサイアナミド社製・商品名サイナアク
リルR・比重1.1
(4)エチレンメタアクリレート共重合体:デュポン社製・商品名ベイマックG・比重
1.03
(5)エポキシ大豆油:大日本インキ化学工業社製・商品名W−100EL
(6)ステアリン酸カルシウム:堺化学工業社製・商品名CS−100
(7)チオエーテル系酸化防止剤:旭電化工業社製・商品名アデカA0−23
(8)アミン系酸化防止剤:川口化学工業社製・商品名アンテージ6C
(9)ステアリン酸:花王社製・商品名ルナック40
(10)臭素化芳香族難燃剤:東ソー社製・商品名フレームカット121K・組成2,2−
ビス{4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル}プロパン・比重2.2
(11)ヘキサブロモベンゼン:マナック社製・商品名HBB−S・比重2.9
(12)硼酸亜鉛:水沢化学社製・商品名アルカネックスFRC−500・比重2.66・
組成2ZnO・3B・3.5H
(13)三酸化アンチモン:味の素ファインテクノ社製・商品名ポリセーフ100ND・比重5.2
(14)赤燐:日本化学工業社製・商品名ヒシガードTP−10F・平均粒子径5μm・比重2.2
(15)水酸化アルミニウム:日本軽金属社製・商品名B703・平均粒子径2μm・比重2.42
(16)水酸化マグネシウム:協和化学工業社製・商品名キスマ5B・平均粒子径0.8μm・比重2.36
(17)Srフェライト:日本弁柄社製・商品名NF−56(異方性機械配向型)・平均粒子径1.05μm・ 比重5.1
(18)Mn−Znフェライト:戸田工業社製・商品名BSF−547・平均粒子径3.2μm・比重5.1
(19)マグネタイト:チタン工業社製・商品名BL−100・平均粒子径3μm・比重5.1
(20)還元鉄粉:パウダーテック社製・商品名還元鉄粉・平均粒子径30μm・比重7.86
(21)カルボニル鉄粉:BASF社製・商品名カルボニル鉄EW・平均粒子径4μm・比重 7.86
[加工性の評価]
前記磁性シートを成形する際の加工性(厚み0.4mmにおける)を下記の判断基準に従って評価し、結果を表1に示す。
○:磁性シートの表面が平滑で、幅方向及び流れ方向の厚み差が少ない。
(厚みのバラツキ±10%以下)
△:圧延機の負荷が大きく、磁性シートの幅方向の厚み差が大(中央部が厚く、両端が
薄い)巻物を巻くほどフレヤー(波打ち)を生じる。
×:圧延機の負荷が極めて大きく、磁性シートの両端にクラックを生じ、500mm幅
の磁性シートの成形が困難。
[着磁加工(実施例1〜3、比較例1〜3)]
前記、磁性シートのうち、実施例1〜3、比較例1〜3は、(D)成分を硬質磁性材料粉(永久磁石材料粉)としたもので、永久磁石として用いるために片面多極着磁を施す必要がある。
磁性シートの片面を、幅600mm長さ300mmの2.5mmピッチ多極着磁ヨーク(ワンターン)に、コンデンサー式着磁電源より、2000Aのパルス電流を流して着磁し、順次磁性シートを300mm移動させては同様に着磁する。
なお、図1はこれらの実施例1〜3、比較例1〜3の断面図を表わし、A1はそれらの実施例及び比較例における防火磁性壁面材を示す。
[表装材を積層した磁性シート(防火磁性壁面材)の作製(実施例5〜7、比較例6〜7)]
表装材を積層した磁性シートの構成を表2に示す。
[表装材]
・無可塑剤塩化ビニルフィルム(LOI:35)シーアイ化成社製
・半硬質塩化ビニルフィルム(可塑剤10PHR含有、LOI:30)理研ビニル社製
・水酸化アルミニウム紙を基材とした壁紙(LOI:33、市販品)
[積層]
アクリル系粘着フィルム(厚み30μm、寺岡製作所社製)を用いてラミネーターにて積層する。
図2は、実施例5及び7並びに比較例6〜7の断面図であり、1は表装材、A2は表装材を積層した防火磁性壁面材を示す。なお、A1は実施例2の組成で表に示す厚みの防火磁性壁を使用する。
また、図4は実施例6の断面図であり、1は表装材、B2は表装材を積層した防火磁性壁面材を示す。なお、B1は実施例4の組成で厚み0.3mmの防火磁性壁面材を使用する。
Figure 0004153891
[防火磁性壁の作製(実施例8〜11)]
防火磁性壁の構成を表3に示す。
[壁下地材への防火磁性壁面材の積層]
防火磁性壁面材の裏側に、アクリル系粘着フィルム(厚み30μm、寺岡製作所社製)を、ラミネーターを用いて貼り合わせる。
次に該粘着層付き防火磁性壁面材の巻物を、巻きほどきながら壁下地材へ積層する。
なお、図5は実施例8の断面図であり、C1は本実施例の防火磁性壁、2は壁下地材、3は壁下地材としての不燃石膏ボード、A1は実施例2の防火磁性壁面材を示す。
また、図6は実施例9の断面図であり、C2は本実施例の防火磁性壁、3は壁下地材である不燃石膏ボード、A2は実施例7の(表装材を積層した)防火磁性壁面材を示す。
また、図7は実施例10の断面図であり、C3は本実施例の防火磁性壁、4は壁下地材である亜鉛メッキ鋼板(0.27mm)、A2は実施例5の(表装材を積層した)防火磁性壁面材を示す。
また、図8は実施例11の断面図であり、Dは本実施例の防火磁性壁、3は壁下地材である不燃石膏ボード、B2は実施例6の(表装材を積層した)防火磁性壁面材を示す。
Figure 0004153891
[防火性能とガス有害性の評価]
前記、防火磁性壁面材(実施例1〜4、比較例1〜5)と表装材を積層した防火磁性壁面材(実施例5〜7、比較例6〜7)、及び防火磁性壁(実施例8〜11)について、下記の試験方法及び判定基準で評価し、結果を表1と表2及び表3に示す。
「発熱性試験及び判定基準」
(1)防火磁性壁面材について
防火磁性壁面材を、不燃石膏ボードにアクリル系粘着フィルム(30μm厚)を用いて積層したテストピースを作製し、コーンカロリーメーター法(ISO5660)の燃焼試験にて、所要時間(建築基準法第2条第9号、同施行令108条の2、同施行令第1条第5号、同施行令第1条第6号で定める不燃、準不燃、難燃に要求される下記の時間)後の総発熱量が8MJ/m以下で、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと、及び最高発熱速度が10秒以上継続して200KW/mをこえないこと。
なお、材料の防火性能に要求される時間は次の通りであり、試験結果には対応する評価の表示を行う。但し、下記難燃材料の要求時間に満たないものは、×の表示とする。
・不燃材料 :要求時間20分、(評価の表示:不燃)
・準不燃材料:要求時間10分、(評価の表示:準不)
・難燃材料 :要求時間 5分、(評価の表示:難燃)
(2)防火磁性壁について
防火磁性壁と同じ構成のテストピースを作製し、(1)と同様にコーンカロリーメーター法の燃焼試験にて評価する。
[ガス有害性試験]
昭和51年8月25日建設省告示第1231号によるガス有害試験方法に準じた試験を行い、平均マウス行動停止時間値が6.8分以上を合格とする。なお、試験結果には、合格を○、不合格を×と表示する。
以上の結果から判るように、各実施例の防火磁性壁面材(表1、表2)及び防火磁性壁(表3)は、建築基準法に定める防火材料(不燃、準不燃、難燃)認定基準のいずれかに適合すると思われる、優れた防火性能を有する。また、本発明の範囲を逸脱した比較例は、加工性、防火性能、ガス有害性のいずれかが劣る結果を呈する。
なお、比較例4は、電子機器分野の電磁波吸収体の技術であり、比較例5は電子機器分野の電磁波シールド及び磁石シートの技術であり、建築壁装材(内装材)分野の使用は好ましくない結果を呈する。
[防火磁性壁の使用例(実施例12〜15)]
防火磁性壁の使用例の構成を表4に示す。
本発明の防火磁性壁には、表面に一時的(着脱自由)に、一部分または全面に防火磁性壁面材を用いた防火磁性表示片磁気吸着によって貼着することができる。
Figure 0004153891
[実施例12]
図9に示すように、実施例8からなる防火磁性壁(表面が磁石シート)C1の表面に、実施例6からなる防火磁性壁面材(表面に表層材を積層した磁石の被着体)で作製された防火磁性表示片E2を全面に磁気吸着したものであり、その後、別の図柄のものと取り替えることが容易にできる。
[実施例13]
図10に示すように、実施例9からなる防火磁性壁(表面に表層材を積層した磁石シート)C2の表面に、実施例6の防火磁性壁面材(表示文字を印刷した表装材を積層した)からなる防火磁性表示片E2’(縦300mm×横900mm)を磁気吸着したものであり、その後、別の表示片との取り替えや他の箇所への追加表示が容易にできる。
[実施例14]
図11に示すように、実施例10からなる防火磁性壁(壁下地材を鋼板とし、表面に表装材を積層した磁石シート)C3の表面に、実施例10の磁石シートと同じ極間で多極着磁を施した実施例5からなる表装材に表示文字を施した防火磁性壁面材である防火磁性表示片(縦60mm×横800mm)E1’を磁極の異極吸引、同極反撥により貼着させるものであり、防火磁性壁の磁極に沿って該表示片E1(この図では3枚)を、平行に整列磁気吸着できる。
[実施例15]
図12に示すように、実施例11からなる防火磁性壁(表面に表装材を積層した磁石の被着体シート)Dの表面に、実施例5からなる表装材に表示文字を施した防火磁性壁面材である防火磁性表示片(縦300mm×横900mm)E1を磁気吸着したものであり、その後、別の防火磁性表示片との取り替えが容易にできる他に、各種の磁石による表示片、表示片押え磁石を磁気吸着することができる。
[実施例12〜15における各表示片の磁気吸着力]
前記実施例12〜15について、防火磁性壁と表面に磁気貼着する防火磁性壁面材からなる防火磁性表示片との磁気吸着力を下記の方法で測定する。
[磁気吸着力の測定方法]
防火磁性壁の表面に、表面へ磁気貼着する防火磁性壁面材でなる防火磁性表示片を10cmの円形に打ち抜いたものを、バネ秤の引掛用部品を背面の中心部に設けた、平滑な非磁性体製の円盤(10cm)に非測定面を両面テープで貼り合わせて、着磁面(測定面)を磁気吸着させ、壁面に直角方向に引き離すに要する力をバネ秤で測定しg/cmを求める。
[測定結果]
表4に示すように、磁気吸着力は、いずれも実用に耐え得る吸着力を有し、中でも壁下地材に鋼板を用いたものは、磁石シートの背面磁束漏洩を防止するので得られる吸着力が大きい。
なお、これまで説明した防火磁性壁の表面の材料並びに防火磁性表示片の材料は、一方の材料は硬質磁性粉末を使用し多極着磁を施した防火磁性壁面材とし、他方の材料は硬質磁性粉末を使用し多極着磁を施した防火磁性壁面材または軟質磁性粉末を使用した防火磁性壁面材としており、いずれの組み合わせも磁気吸着が可能で、しかも防火性能に優れガス有害性の少ないものとなっている。
この観点からは、一方の材料が本発明による、硬質磁性粉末を使用し多極着磁を施した防火磁性壁面材である場合には、他方の材料を磁性金属ホイルとしても磁気吸着が可能で、しかも不燃性のため防火性能に優れガス有害性の少ないことが自明であるものと思料されるので、このような構成で実施しても良い。
本発明によれば室内の側壁、天井、床面等の各壁面並びにそこに貼着する表示片を、防火性能に優れガス有害性の少ない防火磁性壁面材を使用した防火磁性壁並び防火磁性取付片とすることができる。さらに、この技術は、壁以外にも衝立、パーテーション、掲示板、案内板等にも応用することができ、防火性を求められる、あらゆる装飾や表示に用いることができる。また、重量効果による遮音剤、制振材として用いることができるし、強磁性体粉として軟質磁性材料粉を用いたものは、電波吸収体、電磁波シールド材としても壁、天井、床面、パーテーション等に用いることも可能である。
本発明における実施例1〜3のシート状磁石よりなる防火磁性壁面材を示す断面図である。 本発明における実施例5及び実施例7のシート状磁石よりなる防火磁性壁面材の表面に表層材を積層した構成を示す断面図である。 本発明の実施例4におけるシート状の磁石の被着体である防火磁性壁面材を示す断面図である。 本発明の実施例6におけるシート状の磁石の被着体である防火磁性壁面材の表面に表層材を積層した構成を示す断面図である。 本発明の実施例8における防火磁性壁の構成を示す断面図である。 本発明の実施例9における防火磁性壁の構成を示す断面図である。 本発明の実施例10における防火磁性壁の構成を示す断面図である。 本発明の実施例11における防火磁性壁の構成を示す断面図である。 本発明の実施例12における防火磁性壁に防火磁性表示を磁気貼着した例を示す断面図である。 本発明の実施例13における防火磁性壁に防火磁性表示を磁気貼着した例を示す断面図である。 本発明の実施例14における防火磁性壁に防火磁性表示を磁気貼着した例を示す断面図である。 本発明の実施例15における防火磁性壁に防火磁性表示を磁気貼着した例を示す断面図である。
符号の説明
A1 防火磁性壁面材
A2 表装材を積層した防火磁性壁面材
B1 防火磁性壁面材(磁石の被着体)
B2 表装材を積層した防火磁性壁面材(磁石の被着体)
C1 (実施例8の)防火磁性壁
C2 (実施例9の)防火磁性壁
C3 (実施例10の)防火磁性壁
D (実施例11の)防火磁性壁
E1、E1’、E2、E2’ 防火磁性表示片
1 表装材
2 壁下地材
3 不燃石膏ボード
4 亜鉛メッキ鋼板

Claims (4)

  1. (A)塩素化ポリオレフィン系エラストマーである粘結剤100重量部当たり、(B)臭素化芳香族系難燃剤5〜20重量部、(C)亜鉛系難燃剤10〜30重量部、及び(D)強磁性体粉末500〜1400重量部を含有し、かつ、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分との合計量に対する(B)成分と(C)成分と(D)成分との合計量の割合が、容積比で0.73以下である磁性組成物からなり、厚み0.05〜0.6mmで、不燃石膏ボードに貼着した場合のコーンカロリーメーターによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後5分間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能以上の防火性能、並びに、ガス有害性試験(昭和51年建設省告示1231号準拠)にて平均マウス行動停止時間の値が6.8分以上の性能を有する磁性シートであって、
    そのうちの上記(D)成分を硬質磁性材料粉末として着磁を施した第1の防火磁性壁面材と、該第1の防火磁性壁面材に磁気吸着するように、上記(D)成分を軟質磁性材料粉末のものとするか或いは第1の防火磁性壁面材同様に硬質磁性材料粉末として着磁を施した第2の防火磁性壁面材とを使用し、
    上記第1の防火磁性壁面材或いは上記第2の防火磁性壁面材のいずれか一方の防火磁性壁面材を不燃材料(平成12年建設省告示第1400号)乃至準不燃材料(平成12年建設省告示第1401号)よりなる壁下地材に貼着させて防火磁性壁を形成する共に、
    他方の防火磁性壁面材を防火磁性表示片とすることにより、
    上記防火磁性壁に上記防火磁性表示片を磁気吸着により着脱自在に取付ける構成したことを特徴とする磁気吸着型の防火磁性壁並びに防火磁性表示片
  2. (A)成分を塩素化ポリエチレンエラストマーとし、(B)成分を2,2−ビス{4−(2,3−ジブロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル}プロパンとし、(C)成分を硼酸亜鉛とすることを特徴とする請求項1記載の磁気吸着型の防火磁性壁並びに防火磁性表示片
  3. 第1の防火磁性壁面材およびまたは第2の防火磁性壁面材は、その表面に、JISK7201−2に準拠する限界酸素指数(LOI)28以上で厚み0.15mm以下の非磁性体フィルムを、表装材として一体的に積層したものであって、不燃石膏ボードに貼着した場合のコーンカロリーメーターによる発熱性試験(ISO5660−1準拠)にて、加熱開始後5分間の総発熱量が8MJ/m以下、200KW/mを超える発熱速度が10秒を越えて継続しない防火性能以上の防火性能を有し、かつ、ガス有害性試験(昭和51年建設省告示1231号準拠)にて、平均マウス行動停止時間の値が6.8分以上の性能を有することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気吸着型の防火磁性壁並びに防火磁性表示片
  4. 上記請求項1〜3における防火磁性壁の壁下地材に貼着する防火磁性壁面材または防火磁性表示片として使用する防火磁性壁面材のうち、いずれか一方の材料は、(D)成分を硬質磁性材料粉末として着磁を施した磁性組成物からなる防火磁性壁面材を使用するが、他方の防火磁性壁面材の材料は該磁性組成物に換えて磁性金属ホイルを使用したものとし、両部材を磁気吸着にて着脱自在に取付ける構成としたことを特徴とする磁気吸着型の防火磁性壁並びに防火磁性表示片
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