JP5681147B2 - 磁性1成分現像用トナー - Google Patents
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Description
前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
倍率10,000倍で撮影された電子顕微鏡画像上での、前記トナー粒子の面積に対する、前記トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合が、
粒子径4μm〜6μm未満のトナーでは、2.0〜3.4%であり、
粒子径6μm〜8μm未満のトナーでは、3.7〜5.6%であり、
粒子径8μm〜10μmのトナーでは、5.7〜8.1%である、磁性1成分現像用トナーに関する。
本発明のトナーは、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる。結着樹脂としてポリエスエテル樹脂を用いることにより、低温で良好に定着でき、発色性に優れるトナーを調製しやすい。結着樹脂として使用するポリエステル樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来トナー用の結着樹脂として使用されているポリエステル樹脂から適宜選択できる。
本発明のトナーは、磁性トナーであるため、結着樹脂中に磁性粉を必須に含有する。結着樹脂中に配合される磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイト等の鉄;コバルト、ニッケル等の強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
本発明の磁性トナーは、電荷制御樹脂を必須に含む。電荷制御樹脂の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、例えば、官能基として4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を有する樹脂を使用することができる。
本発明の第1実施形態に係るトナーは、磁性粉を必須の成分として含むため、通常黒色である。このため、トナーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、本発明の磁性1成分現像剤を用いて形成した形成画像をより好ましい黒色の色相に調整する目的で、着色剤として、公知の染料又は顔料を含んでいてもよい。具体的には、顔料としてはカーボンブラック等が挙げられ、染料としてはアシッドバイオレット等が挙げられる。
本発明のトナーは、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。トナーに添加する離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましく、ワックスの具体例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックスが挙げられる。これらの離形剤は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの離型剤をトナーに添加することにより、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
本発明のトナーは、所望によりその表面を外添剤により処理することができる。外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらの外添剤は、アミノシランカップリング剤やシリコーンオイル等の疎水化剤により疎水化して使用することもできる。疎水化された外添剤を用いる場合、高温高湿下での帯電量の低下を抑制しやすく、流動性に優れるトナーを得やすい。
本発明のトナーの製造方法は、トナー粒子の粒子径に応じて、トナー表面に所望の状態で電荷制御樹脂を存在させることができれば特に限定されない。具体的には、本発明のトナーは、10,000倍で撮影された電子顕微鏡画像上での、トナー粒子の面積に対する、トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合が、
粒子径4μm〜6μm未満のトナーでは、2.0〜3.4%であり、
粒子径6μm〜8μm未満のトナーでは、3.7〜5.6%であり、
粒子径8μm〜10μmのトナーでは、5.7〜8.1%となるように製造される。
<RACCR(%)の測定方法>
試料を、走査型電子顕微鏡(JSM−7600F(日本電子株式会社製))により倍率10,000倍の視野で観察し、電子顕微鏡画像を取得する。得られる電子顕微鏡画像に含まれる、各トナー粒子について、走査型電子顕微鏡に付属のエネルギー分散型X線分光器により元素のマッピングを行い、電荷制御樹脂由来の窒素原子を検出することにより、電子顕微鏡画像内のトナー粒子の表面の電荷制御樹脂を特定する。電子顕微鏡画像に含まれる、粒子径が4μm〜6μm未満のトナー、粒子径が6μm〜8μm未満のトナー、及び粒子径が8μm〜10μmのトナーについて、それぞれ、少なくとも10個のトナー粒子に関して画像解析を行う。なお、トナー粒子の粒子径とは、画像解析により測定される、電子顕微鏡画像上のトナー粒子の面積から算出される円相当径である。
(RACCR算出式)
RACCR(%)=(電荷制御樹脂の総面積(μm2)/トナー粒子の面積(μm2)の平均値)×100
(ポリエステル樹脂の製造)
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物1960g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物780g、ドデセニル無水コハク酸257g、テレフタル酸770g、及び酸化ジブチル錫4gを反応容器に仕込んだ。反応容器内を窒素雰囲気下で235℃まで昇温し、同温度で8時間反応を行った後、8.3kPaに減圧して同温度で1時間反応を行った。次いで、反応生成物を180℃まで冷却した後、無水トリメリット酸を添加してポリエステル樹脂の酸価を約10mgKOH/gに調整した。その後、10℃/時間の速度で210℃まで昇温し、同温度で反応を行い、ポリエステル樹脂を得た。
(電荷制御樹脂の製造)
撹拌機、コンデンサー、温度計、及び窒素導入管を備える容量3リットルのフラスコを反応容器として用いた。反応容器に純水1000gと、乳化剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)4gとを投入し、窒素置換を30分間行った。次いで、反応容器内に、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)2gを加え、撹拌して溶解させた。反応容器内に窒素ガスを導入し、反応容器内を窒素雰囲気とした後、反応容器の内容物を80℃に昇温させた。その後、80℃を維持したまま、スチレン300g及びアクリル酸−2−エチルヘキシル(2−EHA)60gからなる混合モノマーと、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AAPS)40gを純水600gに溶解させた水溶液とを2時間かけて、別々にフラスコ内に滴下した。その後、80℃を維持したまま、8時間重合を行った。次いで、内容物を50℃の真空乾燥機で水分が1%以下になるまで乾燥させ、電荷制御樹脂であるスチレン−アクリル共重合体を得た。
(トナー母粒子の調製)
結着樹脂(製造例1で得たポリエステル樹脂)45質量部、離型剤(カルナバワックス(株式会社加藤洋行製))5質量部、電荷制御樹脂(製造例2で得たスチレン−アクリル共重合体)5質量部、及び磁性粉(マグネタイト、TN−15(三井金属鉱業株式会社製)))45質量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した。得られた混合物を2軸押出機にて溶融混練した後に冷却し、ハンマーミル(フェザーミルFM−1型(ホソカワミクロン株式会社製))にて粗粉砕した。得られた粗粉砕物を機械式粉砕機にて微粉砕した。その後、第1分級としてローター回転式分級機(200TSP(ホソカワミクロン株式会社製))を用いて、表1及び2に記載の回転数(rpm)により微粒子を分級除去し、さらに、第2分級として気流式分級機(DSX−2(日本ニューマチック工業株式会社製))を用いて分級して、体積平均粒径7.0〜9.0μmのトナー母粒子を得た。
トナー母粒子と、トナー母粒子の質量に対して、1.0質量%の疎水性シリカ(RA−200(日本アエロジル株式会社製))とを、ヘンシェルミキサー(FM−20B(日本コークス工業株式会社製))により10分間混合して、実施例1〜7、及び比較例1〜6のトナーを得た。
得られたトナー粒子を、走査型電子顕微鏡(JSM−7600F(日本電子株式会社製))により倍率10,000倍の視野で観察し、電子顕微鏡画像を取得した。得られた電子顕微鏡画像に含まれる、各トナー粒子について、走査型電子顕微鏡に付属のエネルギー分散型X線分光器により元素のマッピングを行い、電荷制御樹脂由来の窒素原子を検出することにより、電子顕微鏡画像内のトナー粒子表面の電荷制御樹脂を特定した。電子顕微鏡画像に含まれる、粒子径が4μm〜6μm未満のトナー、粒子径が6μm〜8μm未満のトナー、及び粒子径が8μm〜10μm〜のトナーについて、それぞれ、10個のトナー粒子に関して画像解析を行った。なお、トナー粒子の粒子径は、画像解析により測定される、電子顕微鏡画像上のトナー粒子の面積から算出される円相当径である。
(RACCR算出式)
RACCR(%)=(電荷制御樹脂の総面積(μm2)/トナー粒子の面積(μm2))×100
実施例1〜7、及び比較例1〜6のトナーについて、初期及び連続画像形成後におけるトナーの粒度分布測定と、初期及び連続画像形成後における画像濃度、かぶり濃度、及び細線画質の評価を行った。初期及び連続画像形成後におけるトナーの粒度分布測定結果と、初期及び連続画像形成後における画像濃度、かぶり濃度、及び細線画質の評価結果とを表3及び4に記す。なお、評価機はページプリンター(FS−4020DN(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)、アモルファスシリコンドラム:アモルファスシリコン膜厚14μm)を用いた。
トナーの粒度分布(体積基準)の測定は、コールターカウンターマルチサイザー3(ベックマンコールター社製)を用いて行った。電解液としてアイソトンII(ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いた。電解液(アイソトンII)に少量の界面活性剤を添加した溶液にトナー10mgを加え、超音波分散器によりトナーを電解液中に分散させ、測定装置の表示濃度が7〜9質量%になるように調整した。トナーが分散した電解液を測定試料として用い、50,000個のトナー粒子についてコールターカウンターマルチサイザー3によりトナーの粒度分布を測定し、トナーの粒子径の体積分布を得た。得られたトナーの粒子径の体積分布から、中位粒径(D50)と、標準偏差(SD)とを求めた。
評価機により、常温常湿環境(20℃、65%RH)にて、被記録媒体に画像評価パターンを形成して初期画像を得た。その後、常温常湿環境(20℃、65%RH)にて印字率4%で5千枚連続印字した後に、被記録媒体に画像評価パターンを形成して連続画像形成後の画像を得た。初期画像、及び連続画像形成後の画像評価パターンにおけるソリッド画像の画像濃度を、反射濃度計(RD914(グレタグマクベス社製))により測定した。画像濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):1.15以上。
×(不合格):1.15未満。
画像濃度評価において得た、初期画像、及び連続画像形成後の画像評価パターンが形成された被記録媒体の非画像部の画像濃度を反射濃度計(RD914(グレタグマクベス社製))により測定した。非画像部の画像濃度から画像出力前の白紙の画像濃度を差し引いた値をかぶり濃度とした。かぶり濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):0.010以下。
×(不合格):0.010超。
細線画質評価は、初期に形成した細線画像と、長期間にわたり繰り返し画像形成した後に形成した細線画像とを比較して、同等の細線が形成されているか否かを評価する。
画像濃度評価で用いた初期画像に含まれる細線画像と、連続画像形成後の画像に含まれる細線画像とを倍率15倍のルーペにより観察して、初期の細線画像に対する、連続形成後の細線画像の細線再現性を以下の基準により評価した。
◎(合格):初期と同等の細線画像が形成。
○(合格):初期と比べてやや劣化しているが、ほぼ同等の細線画像が形成。
×(不合格):初期と比べて明らかに劣化している細線画像が形成。
102 電荷制御樹脂
103 磁性粉
Claims (2)
- 少なくとも、結着樹脂と、磁性粉と、電荷制御樹脂と、を含有する原料を溶融混錬して得た混練物を粉砕して粉砕物を得る粉砕処理と、前記粉砕物を分級する分級処理とを含む方法により得られる磁性1成分現像用トナーであって、
前記分級処理は、第1分級工程と、前記第1分級工程を経て得られた粉体を分級する第2分級工程とからなり、
前記第1分級工程では、ローター回転式分級機が用いられ、
前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
倍率10,000倍で撮影された電子顕微鏡画像上での、前記トナー粒子の面積に対する、前記トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合が、
粒子径4μm〜6μm未満のトナーでは、2.0〜3.4%であり、
粒子径6μm〜8μm未満のトナーでは、3.7〜5.6%であり、
粒子径8μm〜10μmのトナーでは、5.7〜8.1%である、
磁性1成分現像用トナー。 - 前記電荷制御樹脂が、スチレン−アクリル系共重合樹脂である、請求項1に記載の磁性1成分現像用トナー。
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