JP5681147B2 - 磁性1成分現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、磁性1成分現像用トナーに関する。
一般に電子写真法では、感光体ドラムの表面をコロナ放電等により帯電させた後、レーザー等により露光して静電潜像を形成する。形成した静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する。さらに、形成したトナー像を記録媒体に転写して高品質な画像を得ている。通常トナー像の形成に使用するトナーには、熱可塑性樹脂等の結着樹脂に、着色剤、電荷制御樹脂、離型剤等を混合した後、混練、粉砕、分級工程を経て得られる、平均粒径5〜10μmのトナー粒子(トナー母粒子)が用いられる。そしてトナーに流動性を付与したり、トナーに好適な帯電性能を付与したり、感光体ドラムからのトナーのクリーニング性を向上させたりする目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粉末がトナー母粒子に外添されている。
現在、実用化されている種々の電子写真法における乾式現像法としては、トナー及び鉄粉等のキャリアを用いる2成分現像方式と、キャリアを用いずトナー内部に磁性粉を含有するトナーを用いる磁性1成分現像方式が知られている。磁性1成分現像方式において用いられる磁性粉を含有するトナー(以下磁性トナーともいう)は、低コストであり耐久性に優れるというメリットを有する。
また、このようなトナーについて、近年の高画質化に対する要望の高まりから、トナーの小粒子径化が進んでいる。トナーを小粒子径化することで、細線再現性が向上し、形成画像の画質が向上する。
しかし、このように小粒子径化されたトナーでは、電荷制御剤や離型剤が、トナーの粒子から遊離した状態で、トナー中に含まれることが多い。このため、小粒子径化されたトナーでは、感光体ドラム表面にトナー成分が付着するフィルミング現象が生じやすい。フィルミング現象が生じた場合、これに起因して、所望する画像濃度の画像を形成しにくくなったり、形成される画像にかぶり等の画像不良が生じたりする場合がある。
磁性トナーについて、このようなフィルミング現象の発生に起因した問題が解消されたトナーとして、少なくとも結着樹脂、磁性粉及び荷電制御剤からなる磁性トナーであって、特定の方法で測定される荷電制御剤の溶出量C(g/g)と、重量平均径より求められる比表面積Sw(cm/cm)とが、所定の関係を満たしている磁性トナーが提案されている(特許文献1を参照)。
特開平8−123093号公報
しかし、特許文献1に記載の磁性トナーでは、小粒子径のトナーから優先的に現像されてしまう選択現像が起こりやすい。長期間にわたり繰り返し画像形成を行う際に、選択現像に起因して、小粒径のトナーが優先的に消費されるため、現像器内のトナーの平均粒子径が大粒子径側にシフトしてしまう。このため、特許文献1に記載の磁性トナーでは、初期に形成した細線画像に比べて、繰り返し画像形成を行った後に形成した細線画像の画質が劣化しやすい。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、長期間にわたって画像形成する場合に、形成された画像の画像濃度が所望する値より低くなることや、形成された画像にかぶり等の画像不良が発生すること、及び形成された画像の画質が低下することを抑制できる、静電潜像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、少なくとも、ポリエステル樹脂である結着樹脂と、磁性粉と、電荷制御樹脂と、を含有する磁性1成分現像用トナーについて、電子顕微鏡画像上での、トナー粒子の面積に対する、トナー粒子表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合を、トナー粒子の粒子径に対応した所定の範囲とすることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明は、少なくとも、結着樹脂と、磁性粉と、電荷制御樹脂と、を含有する磁性1成分現像用トナーであって、
前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
倍率10,000倍で撮影された電子顕微鏡画像上での、前記トナー粒子の面積に対する、前記トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合が、
粒子径4μm〜6μm未満のトナーでは、2.0〜3.4%であり、
粒子径6μm〜8μm未満のトナーでは、3.7〜5.6%であり、
粒子径8μm〜10μmのトナーでは、5.7〜8.1%である、磁性1成分現像用トナーに関する。
本発明によれば、長期間にわたって画像形成する場合に、形成された画像の画像濃度が所望する値より低くなることや、形成された画像にかぶり等の画像不良が発生すること、及び形成された画像の画質が低下することを抑制できる、静電潜像現像用トナーを提供することができる。
電子顕微鏡画像上の、本発明の磁性1成分現像用トナーの表面状態を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
本発明の磁性1成分現像用トナー(以下、単にトナーともいう)は、少なくとも、ポリエステル樹脂である結着樹脂と、磁性粉と、電荷制御樹脂と、を含有する。また、本発明のトナーは、電子顕微鏡画像上での、トナー粒子の面積に対する、トナー粒子表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合が、トナー粒子の粒子径に対応した所定の範囲である。
本発明のトナーは、結着樹脂と、磁性粉と、電荷制御樹脂とに加え、所望により、着色剤、及び離型剤等を含有してもよい。また、本発明のトナーは所望によりその表面が、外添剤により処理されたものであってもよい。以下、本発明の磁性1成分現像用トナーを構成する必須、又は任意の成分である、結着樹脂、磁性粉、電荷制御樹脂、着色剤、離型剤、及び外添剤と、磁性1成分現像用トナーの製造方法とについて順に説明する。
[結着樹脂]
本発明のトナーは、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる。結着樹脂としてポリエスエテル樹脂を用いることにより、低温で良好に定着でき、発色性に優れるトナーを調製しやすい。結着樹脂として使用するポリエステル樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来トナー用の結着樹脂として使用されているポリエステル樹脂から適宜選択できる。
以下、ポリエステル樹脂の具体例について説明する。ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものを使用することができる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下の2価又は3価以上のアルコール成分や2価又は3価以上のカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、或いはn−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸のようなアルキル又はアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸等が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成性の誘導体として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素原子数1から6のアルキル基を意味する。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合の、ポリエステル樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、90〜140℃がより好ましい。
ポリエステル樹脂には、本発明の目的を阻害しない範囲で、架橋剤や熱硬化性樹脂を添加することができる。結着樹脂であるポリエステル樹脂の内部に一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性、形態保持性、耐久性等を向上させることができる。
ポリエステル樹脂と共に使用できる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂やシアネート系樹脂が好ましい。好適な熱硬化性樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、50〜65℃が好ましく、50〜60℃がより好ましい。結着樹脂のガラス転移点が低すぎる場合、画像形成装置の現像部の内部でトナー同士が融着したり、トナーの保存安定性の低下により、トナー容器の輸送時や倉庫等での保管時にトナー同士が一部融着したりする場合がある。また、結着樹脂のガラス転移点が高すぎる場合、結着樹脂の強度が低下し、潜像担持部にトナーが付着しやすい。結着樹脂のガラス転移点が高すぎる場合、トナーが低温で良好に定着しにくい傾向がある。
なお、ポリエステル樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、以下のようにして結着樹脂のガラス転移点を測定する。測定装置としてセイコーインスツルメンツ株式会社製示差走査熱量計DSC−6200を用い、ポリエステル樹脂の吸熱曲線を測定することで求めることができる。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用する。そして、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/minで常温常湿下にて測定して得られたポリエステル樹脂の吸熱曲線よりガラス転移点を求めることができる。
[磁性粉]
本発明のトナーは、磁性トナーであるため、結着樹脂中に磁性粉を必須に含有する。結着樹脂中に配合される磁性粉の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。好適な磁性粉の例としては、フェライト、マグネタイト等の鉄;コバルト、ニッケル等の強磁性金属;鉄、及び/又は強磁性金属を含む合金;鉄、及び/又は強磁性金属を含む化合物;熱処理等の強磁性化処理を施された強磁性合金;二酸化クロムが挙げられる。
磁性粉の粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されない。具体的な磁性粉の粒子径は、0.1〜1.0μmが好ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。かかる範囲の粒子径の磁性粉を用いる場合、結着樹脂中に磁性粉を均一に分散させやすい。
磁性粉は、結着樹脂中での分散性を改良する目的等で、チタン系カップリング剤やシラン系カップリング剤等の表面処理剤により表面処理されたものを使用できる。
磁性粉の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な磁性粉の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、30〜50質量部が好ましく、35〜45質量部がより好ましい。磁性粉の使用量が過多である場合、長期間にわたり印刷する場合に形成画像の画像濃度が所望する値を下回ったり、トナーの定着性が極度に低下したりする場合がある。磁性粉の使用量が過少である場合、形成画像にかぶりが発生しやすかったり、長期間にわたり印刷する場合に形成画像の画像濃度が所望する値を下回ったりする場合がある。
[電荷制御樹脂]
本発明の磁性トナーは、電荷制御樹脂を必須に含む。電荷制御樹脂の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、例えば、官能基として4級アンモニウム塩、カルボン酸塩、又はカルボキシル基を有する樹脂を使用することができる。
より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル樹脂、カルボキシル基を有するスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン−アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂等の1種又は2種以上が挙げられる。これらの樹脂の分子量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、オリゴマーであってもポリマーであってもよい。
このような電荷制御樹脂の中では、所望する状態で、結着樹脂中に電荷制御樹脂を良好に分散させやすいことや、トナー粒子の表面に電荷制御樹脂が付着したトナーの製造が容易であることから、スチレン−アクリル系樹脂に、正帯電性又は負帯電性の官能基が導入された樹脂が好ましい。
正帯電性の電荷制御樹脂として使用できる樹脂の中では、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる点から、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂がより好ましい。4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン−アクリル系樹脂に関して、スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられ、ジアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としてはジメチルメタクリルアミドが挙げられ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの具体例としては、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが挙げられる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドのようなヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
好適な負帯電性の電荷制御樹脂、例えば、カルボキシル基や、カルボン酸塩基と不飽和結合を有するモノマーを、前述のアクリル系コモノマーやスチレンと共重合させた樹脂を用いることができる。カルボキシル基やカルボン酸塩基を有する不飽和結合を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、マレイン酸塩等が挙げられる。カルボン酸塩基に含まれるカルボン酸塩としては、カルボン酸のアルカリ金属塩が好ましく、カルボン酸ナトリウム塩、又はカルボン酸カリウム塩が撚り好ましい。これらの負帯電性の電荷制御樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
正帯電性又は負帯電性の電荷制御樹脂の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電性又は負帯電性の電荷制御樹脂の使用量は、典型的には、トナー全量を100質量部とした場合に、1.5〜15質量部が好ましく、2.0〜8.0質量部がより好ましく、4.0〜7.0質量部が特に好ましい。
電荷制御樹脂の使用量が過少である場合、初期の画像形成時において、トナーの帯電立ち上がり特性が良好でないため、形成画像の画像濃度が所望する値より低くなる場合がある。電荷制御樹脂の使用量が過多である場合、トナーの帯電不良が生じやすいため、形成画像にかぶりが生じやすい。
[着色剤]
本発明の第1実施形態に係るトナーは、磁性粉を必須の成分として含むため、通常黒色である。このため、トナーは、本発明の目的を阻害しない範囲で、本発明の磁性1成分現像剤を用いて形成した形成画像をより好ましい黒色の色相に調整する目的で、着色剤として、公知の染料又は顔料を含んでいてもよい。具体的には、顔料としてはカーボンブラック等が挙げられ、染料としてはアシッドバイオレット等が挙げられる。
着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。典型的には、結着樹脂100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
[離型剤]
本発明のトナーは、定着性や耐オフセット性を向上させる目的で、離型剤を含んでいてもよい。トナーに添加する離型剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。離型剤としてはワックスが好ましく、ワックスの具体例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックスが挙げられる。これらの離形剤は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの離型剤をトナーに添加することにより、オフセットや像スミアリング(画像をこすった際の画像周囲の汚れ)の発生をより効率的に抑制することができる。
離型剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。具体的な離型剤の使用量は、トナー全量を100質量部とした場合に、1〜10質量部が好ましい。離型剤の使用量が過少である場合、オフセットや像スミアリングの発生の抑制について所望の効果が得られない場合があり、離型剤の使用量が過多である場合、トナー同士の融着によってトナーの保存安定性が低下する場合がある。
〔外添剤〕
本発明のトナーは、所望によりその表面を外添剤により処理することができる。外添剤の種類は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、従来からトナー用に使用されている外添剤から適宜選択できる。好適な外添剤の具体例としては、シリカや、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのような金属酸化物が挙げられる。これらの外添剤は、2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらの外添剤は、アミノシランカップリング剤やシリコーンオイル等の疎水化剤により疎水化して使用することもできる。疎水化された外添剤を用いる場合、高温高湿下での帯電量の低下を抑制しやすく、流動性に優れるトナーを得やすい。
外添剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。外添剤の使用量は、典型的には、外添処理前のトナー粒子の全質量に対して、0.5〜5質量%が好ましい。
〔1成分現像剤用磁性トナーの製造方法〕
本発明のトナーの製造方法は、トナー粒子の粒子径に応じて、トナー表面に所望の状態で電荷制御樹脂を存在させることができれば特に限定されない。具体的には、本発明のトナーは、10,000倍で撮影された電子顕微鏡画像上での、トナー粒子の面積に対する、トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合が、
粒子径4μm〜6μm未満のトナーでは、2.0〜3.4%であり、
粒子径6μm〜8μm未満のトナーでは、3.7〜5.6%であり、
粒子径8μm〜10μmのトナーでは、5.7〜8.1%となるように製造される。
このようなトナーの好適な製造方法の具体例について、以下説明する。まず、結着樹脂と、磁性粉と、電荷制御樹脂と、必要に応じて、着色剤、離型剤等の任意の成分とを混合機等により混合し混合物を得る。次いで得られた混合物を、一軸又は二軸押出機等の混練機により溶融混練し溶融混練物を得る。得られた溶融混練物を冷却した後に粉砕し、得られた粉砕物を分級する分級処理を行う。
上記の分級処理は、第1分級工程と、第2分級工程とからなるのが好ましい。第1分級工程では、粉砕物から粒子径が3μm以下である微粒子を除去する、また、第1分級工程では、粉砕工程等で生じた、結着樹脂から脱離した電荷制御樹脂の微粉を、トナー粒子の表面に付着させる。第2分級工程では、第1分級工程を経て得られた粉体を分級することにより、所望する粒度分布、及び平均粒子径を有するトナーを得る。
第1分級工程では、ローター回転式分級機を用いるのが好ましい。ローター回転式分級機を用いる場合、ローターの回転及び機内を流動する空気の作用により、粉砕物中の微粒子のトナーを分級して除去しやすい。ローター回転式分級機の好適な例としては、例えば、TSP(ホソカワミクロン株式会社製)、及びターボクラシファイア(日清エンジニアリング株式会社製)等が挙げられる。
また、ローター回転式分級機を用いることにより、電子顕微鏡画像上での、トナー粒子の面積に対する、トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合が、トナーの粒子径に応じて所定の範囲となるように、トナー粒子の表面に、電荷制御樹脂を付着させることができる。
前述の通り、電子顕微鏡画像上での、トナー粒子の面積に対する、トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合は、トナーの粒子径が大きくなるほど、高い。ローター回転式分級機を用いる第1分級工程では、トナー粒子が分級機内を高速で旋回しており、トナー粒子の粒子径が大きいほど、旋回するトナー粒子と、分級機内を浮遊する電荷制御樹脂の微粉とが衝突する確立が高い。このため、ローター回転式分級機を用いて第1分級工程を行うことにより、トナーの粒子径が大きいほど、前述の割合を高くすることができる。また、第1分級工程では、ローターの回転数を上げるほど、前述の割合を高くすることができる。分級機内でのトナー粒子の流速が速いほど、トナー粒子と遊離の電荷制御樹脂の微粉とが衝突した際に、電荷制御樹脂の微粉がトナー粒子に貼り付きやすくなるためである。
このような第1分級工程を行うことにより、トナーの微粉が除去されており、且つ、粒子径の大きなトナー粒子ほど、所定の範囲で、多量の電荷制御樹脂が付着している本発明のトナーが得られる。本発明のトナーは、まず、第1分級工程によりトナーの微粉が除去されているため、粒子径の小さなトナーが優先的に現像される選択現像による悪影響を受けにくい。また、本発明のトナーは、粒子径の大きなトナー粒子ほど、その表面に多量の電荷制御樹脂が付着しているため、所望の帯電量に帯電させやすい。これによっても、本発明のトナーでは、前述の選択現像が抑制される。
また、電子顕微鏡画像上での、トナー粒子の面積に対する、トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合(%、以下、RACCRとも記す)は、エネルギー分散型X線分析(EDX)が可能な走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、トナー粒子の表面観察を行うことで測定できる。
SEMにより撮影されるトナー粒子の電子顕微鏡画像では、トナー粒子の表面は、図1に示すように、トナー粒子101の表面に付着又は露出した電荷制御樹脂102が、磁性粉103等の他の成分と共に、二次元の画像として観察される。そして、電子顕微鏡画像上の、トナー粒子101の面積と、トナー粒子101の表面に存在する電荷制御樹脂102の総面積とを計測することによって、RACCR(%)を算出することができる。
電荷制御樹脂が、窒素原子を含む正帯電性の電荷制御樹脂である場合の、RACCR(%)の測定方法について、具体的な方法を以下説明する。
<RACCR(%)の測定方法>
試料を、走査型電子顕微鏡(JSM−7600F(日本電子株式会社製))により倍率10,000倍の視野で観察し、電子顕微鏡画像を取得する。得られる電子顕微鏡画像に含まれる、各トナー粒子について、走査型電子顕微鏡に付属のエネルギー分散型X線分光器により元素のマッピングを行い、電荷制御樹脂由来の窒素原子を検出することにより、電子顕微鏡画像内のトナー粒子の表面の電荷制御樹脂を特定する。電子顕微鏡画像に含まれる、粒子径が4μm〜6μm未満のトナー、粒子径が6μm〜8μm未満のトナー、及び粒子径が8μm〜10μmのトナーについて、それぞれ、少なくとも10個のトナー粒子に関して画像解析を行う。なお、トナー粒子の粒子径とは、画像解析により測定される、電子顕微鏡画像上のトナー粒子の面積から算出される円相当径である。
具体的には、画像解析ソフトウェア(WinRoof(三谷商事株式会社製))により電子顕微鏡画像を画像処理し、トナー粒子1個毎に、電子顕微鏡画像中の、測定対象のトナー粒子1個の表面に付着する電荷制御樹脂の総面積(μm)と、トナー粒子の面積(μm)とを測定する。得られる面積の測定結果から、下式により、個々のトナー粒子のRACCR(%)を算出する。算出されるRACCR(%)から、各範囲の粒子径のトナー粒子について、RACCR(%)の平均値を求め、求められる平均値を各範囲の粒子径のトナーのRACCR(%)とする。
(RACCR算出式)
RACCR(%)=(電荷制御樹脂の総面積(μm)/トナー粒子の面積(μm)の平均値)×100
第1分級工程後、トナーを所望する粒子径及び粒度分布に調整する、第2分級工程が行われる。第2分級工程に用いる分級機は、気流式分級機を用いるのが好ましい。第2分級工程を経たトナーの平均粒子径は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、一般的には5〜10μmが好ましく、7〜9μmがより好ましい。
以上説明した分級処理により得られた粉体をトナー母粒子として用い、必要に応じて、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。なお、本出願の発明の詳細な説明において、外添剤を付着させる粒子を「トナー母粒子」と称する。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる方法は特に限定されず、従来知られる方法から適宜選択できる。具体的には、外添剤の粒子がトナー母粒子の表面に埋め込まれないように処理条件を調整し、ヘンシェルミキサーやナウターミキサー等の混合機によってトナー母粒子と外添剤とを混合する方法により、外添剤によるトナー母粒子の処理が行われる。
以上説明した本発明の磁性1成分現像用トナーによれば、長期間にわたって画像形成する場合に、形成された画像の画像濃度が所望する値より低くなることや、形成された画像にかぶり等の画像不良が発生すること、及び形成された画像の画質が低下することを抑制できる。このため、本発明の1成分現像剤用磁性トナーは、磁性1成分現像方式を採用した種々の画像形成装置において好適に使用される。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
実施例、及び比較例で、結着樹脂として使用するポリエステル樹脂と、電荷制御樹脂と、を以下の製造例1及び2に記載の処方に従い製造した。
〔製造例1〕
(ポリエステル樹脂の製造)
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物1960g、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物780g、ドデセニル無水コハク酸257g、テレフタル酸770g、及び酸化ジブチル錫4gを反応容器に仕込んだ。反応容器内を窒素雰囲気下で235℃まで昇温し、同温度で8時間反応を行った後、8.3kPaに減圧して同温度で1時間反応を行った。次いで、反応生成物を180℃まで冷却した後、無水トリメリット酸を添加してポリエステル樹脂の酸価を約10mgKOH/gに調整した。その後、10℃/時間の速度で210℃まで昇温し、同温度で反応を行い、ポリエステル樹脂を得た。
〔製造例2〕
(電荷制御樹脂の製造)
撹拌機、コンデンサー、温度計、及び窒素導入管を備える容量3リットルのフラスコを反応容器として用いた。反応容器に純水1000gと、乳化剤であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)4gとを投入し、窒素置換を30分間行った。次いで、反応容器内に、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)2gを加え、撹拌して溶解させた。反応容器内に窒素ガスを導入し、反応容器内を窒素雰囲気とした後、反応容器の内容物を80℃に昇温させた。その後、80℃を維持したまま、スチレン300g及びアクリル酸−2−エチルヘキシル(2−EHA)60gからなる混合モノマーと、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AAPS)40gを純水600gに溶解させた水溶液とを2時間かけて、別々にフラスコ内に滴下した。その後、80℃を維持したまま、8時間重合を行った。次いで、内容物を50℃の真空乾燥機で水分が1%以下になるまで乾燥させ、電荷制御樹脂であるスチレン−アクリル共重合体を得た。
〔実施例1〜7、及び比較例1〜6〕
(トナー母粒子の調製)
結着樹脂(製造例1で得たポリエステル樹脂)45質量部、離型剤(カルナバワックス(株式会社加藤洋行製))5質量部、電荷制御樹脂(製造例2で得たスチレン−アクリル共重合体)5質量部、及び磁性粉(マグネタイト、TN−15(三井金属鉱業株式会社製)))45質量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した。得られた混合物を2軸押出機にて溶融混練した後に冷却し、ハンマーミル(フェザーミルFM−1型(ホソカワミクロン株式会社製))にて粗粉砕した。得られた粗粉砕物を機械式粉砕機にて微粉砕した。その後、第1分級としてローター回転式分級機(200TSP(ホソカワミクロン株式会社製))を用いて、表1及び2に記載の回転数(rpm)により微粒子を分級除去し、さらに、第2分級として気流式分級機(DSX−2(日本ニューマチック工業株式会社製))を用いて分級して、体積平均粒径7.0〜9.0μmのトナー母粒子を得た。
(トナーの調製)
トナー母粒子と、トナー母粒子の質量に対して、1.0質量%の疎水性シリカ(RA−200(日本アエロジル株式会社製))とを、ヘンシェルミキサー(FM−20B(日本コークス工業株式会社製))により10分間混合して、実施例1〜7、及び比較例1〜6のトナーを得た。
以下の手順に従って、実施例1〜7、及び比較例1〜6のトナーについて、電子顕微鏡画像上での、トナーの面積に対する電荷制御樹脂の面積の割合(%、RACCRとも記す)を測定した。その測定結果を表1及び2に記す。
<電荷制御樹脂の割合(RACCR)>
得られたトナー粒子を、走査型電子顕微鏡(JSM−7600F(日本電子株式会社製))により倍率10,000倍の視野で観察し、電子顕微鏡画像を取得した。得られた電子顕微鏡画像に含まれる、各トナー粒子について、走査型電子顕微鏡に付属のエネルギー分散型X線分光器により元素のマッピングを行い、電荷制御樹脂由来の窒素原子を検出することにより、電子顕微鏡画像内のトナー粒子表面の電荷制御樹脂を特定した。電子顕微鏡画像に含まれる、粒子径が4μm〜6μm未満のトナー、粒子径が6μm〜8μm未満のトナー、及び粒子径が8μm〜10μm〜のトナーについて、それぞれ、10個のトナー粒子に関して画像解析を行った。なお、トナー粒子の粒子径は、画像解析により測定される、電子顕微鏡画像上のトナー粒子の面積から算出される円相当径である。
具体的には、画像解析ソフトウェア(WinRoof(三谷商事株式会社製))により電子顕微鏡画像を画像処理し、トナー粒子1個毎に、電子顕微鏡画像中の、測定対象のトナー粒子1個の表面に付着する電荷制御樹脂の総面積(μm)と、トナー粒子の面積(μm)とを測定した。得られた面積の測定結果から、下式により、電子顕微鏡画像上での、個々のトナー粒子のRACCR(%)を算出した。測定対象の複数のトナーに関する、算出されたRACCR(%)から、各範囲の粒子径のトナー粒子について、RACCR(%)の平均値を求め、求めた平均値を各範囲の粒子径のトナーのRACCR(%)とした。
(RACCR算出式)
RACCR(%)=(電荷制御樹脂の総面積(μm)/トナー粒子の面積(μm))×100
Figure 0005681147
Figure 0005681147
〔評価〕
実施例1〜7、及び比較例1〜6のトナーについて、初期及び連続画像形成後におけるトナーの粒度分布測定と、初期及び連続画像形成後における画像濃度、かぶり濃度、及び細線画質の評価を行った。初期及び連続画像形成後におけるトナーの粒度分布測定結果と、初期及び連続画像形成後における画像濃度、かぶり濃度、及び細線画質の評価結果とを表3及び4に記す。なお、評価機はページプリンター(FS−4020DN(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)、アモルファスシリコンドラム:アモルファスシリコン膜厚14μm)を用いた。
<粒度分布測定方法>
トナーの粒度分布(体積基準)の測定は、コールターカウンターマルチサイザー3(ベックマンコールター社製)を用いて行った。電解液としてアイソトンII(ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いた。電解液(アイソトンII)に少量の界面活性剤を添加した溶液にトナー10mgを加え、超音波分散器によりトナーを電解液中に分散させ、測定装置の表示濃度が7〜9質量%になるように調整した。トナーが分散した電解液を測定試料として用い、50,000個のトナー粒子についてコールターカウンターマルチサイザー3によりトナーの粒度分布を測定し、トナーの粒子径の体積分布を得た。得られたトナーの粒子径の体積分布から、中位粒径(D50)と、標準偏差(SD)とを求めた。
<画像濃度>
評価機により、常温常湿環境(20℃、65%RH)にて、被記録媒体に画像評価パターンを形成して初期画像を得た。その後、常温常湿環境(20℃、65%RH)にて印字率4%で5千枚連続印字した後に、被記録媒体に画像評価パターンを形成して連続画像形成後の画像を得た。初期画像、及び連続画像形成後の画像評価パターンにおけるソリッド画像の画像濃度を、反射濃度計(RD914(グレタグマクベス社製))により測定した。画像濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):1.15以上。
×(不合格):1.15未満。
<かぶり濃度>
画像濃度評価において得た、初期画像、及び連続画像形成後の画像評価パターンが形成された被記録媒体の非画像部の画像濃度を反射濃度計(RD914(グレタグマクベス社製))により測定した。非画像部の画像濃度から画像出力前の白紙の画像濃度を差し引いた値をかぶり濃度とした。かぶり濃度を以下の基準により評価した。
○(合格):0.010以下。
×(不合格):0.010超。
<細線画質評価(画質維持性)>
細線画質評価は、初期に形成した細線画像と、長期間にわたり繰り返し画像形成した後に形成した細線画像とを比較して、同等の細線が形成されているか否かを評価する。
画像濃度評価で用いた初期画像に含まれる細線画像と、連続画像形成後の画像に含まれる細線画像とを倍率15倍のルーペにより観察して、初期の細線画像に対する、連続形成後の細線画像の細線再現性を以下の基準により評価した。
◎(合格):初期と同等の細線画像が形成。
○(合格):初期と比べてやや劣化しているが、ほぼ同等の細線画像が形成。
×(不合格):初期と比べて明らかに劣化している細線画像が形成。
Figure 0005681147
Figure 0005681147
実施例1〜7によれば、RACCR(%)が、粒子径が4μm〜6μm未満のトナーでは、2.0〜3.4%であり、粒子径が6μm〜8μm未満のトナーでは、3.7〜5.6%であり、粒子径が8μm〜10μmのトナーでは、5.7〜8.1%である場合、長期間にわたって画像形成する場合に、画像濃度が所望する値より低くなることや、かぶり等の画像不良の発生、及び画質の低下を抑制できることが分かる。
これに対し、比較例1〜3によれば、RACCR(%)が、粒子径が4μm〜6μm未満のトナー、粒子径が6μm〜8μm未満のトナー、及び粒子径が8μm〜10μm以下のトナーの何れにおいても低過ぎる場合では、初期に形成した画像の画像濃度が所望の値より低くなりやすいことが分かる。これは、トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂が過少であるため、初期におけるトナーの帯電立ち上がり特性が良好でないと推察できる。
一方、比較例4によれば、RACCR(%)が、粒子径が4μm〜6μm未満のトナー、粒子径が6μm〜8μm未満のトナー、及び粒子径が8μm〜10μm以下のトナーの何れにおいても高過ぎる場合では、長期間にわたって画像形成する場合に、かぶり等の画像不良の発生を抑制できないことが分かる。これは、トナー表面の電荷制御樹脂が多すぎるために、長期間画像を形成した後に、現像器内のトナーが過度に帯電することによると推察できる。
比較例5によれば、粒子径が4μm〜6μm未満のトナーのRACCR(%)が高過ぎ、粒子径が8μm〜10μm以下のトナーのRACCR(%)が低過ぎる場合では、長期間にわたり繰り返し画像形成を行った後に形成した細線画像は、画質が劣化しやすいことが分かる。これは、RACCR(%)が高い小粒子径のトナーは、RACCR(%)が低い大粒子径のトナーよりも帯電されやすいために、優先的に現像され、これにより、長期間にわたり画像形成を行うことで、現像器内のトナーの粒度分布が大粒子径側にシフトしたためと推察できる。
比較例6によれば、粒子径が4μm〜6μm未満のトナー、及び粒子径が6μm〜8μm未満のトナーのRACCR(%)が高過ぎる場合では、長期間にわたり繰り返し画像形成を行った後に形成した細線画像は、画質が劣化しやすいことが分かる。これは、RACCR(%)が高い小粒子径のトナーがRACCR(%)帯電されやすいために、優先的に現像され、これにより、長期間にわたり画像形成を行うことで、現像器内のトナーの粒度分布が大粒子径側にシフトしたためと推察できる。
101 トナー粒子
102 電荷制御樹脂
103 磁性粉

Claims (2)

  1. 少なくとも、結着樹脂と、磁性粉と、電荷制御樹脂と、を含有する原料を溶融混錬して得た混練物を粉砕して粉砕物を得る粉砕処理と、前記粉砕物を分級する分級処理とを含む方法により得られる磁性1成分現像用トナーであって、
    前記分級処理は、第1分級工程と、前記第1分級工程を経て得られた粉体を分級する第2分級工程とからなり、
    前記第1分級工程では、ローター回転式分級機が用いられ、
    前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂であり、
    倍率10,000倍で撮影された電子顕微鏡画像上での、前記トナー粒子の面積に対する、前記トナー粒子の表面に存在する電荷制御樹脂の面積の割合が、
    粒子径4μm〜6μm未満のトナーでは、2.0〜3.4%であり、
    粒子径6μm〜8μm未満のトナーでは、3.7〜5.6%であり、
    粒子径8μm〜10μmのトナーでは、5.7〜8.1%である、
    磁性1成分現像用トナー。
  2. 前記電荷制御樹脂が、スチレン−アクリル系共重合樹脂である、請求項1に記載の磁性1成分現像用トナー。
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