JP2005172941A - 非磁性一成分現像装置及びそれに用いられるトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像剤担持体の上に長期間に亘って安定した均一な現像剤コート層を形成し画像劣化を防止できるような、耐久性の向上を図った現像剤量規制手段を備えた非磁性一成分現像装置及びそれに用いられるトナーを提供する。
【解決手段】 非磁性一成分現像装置においては現像剤量規制手段の一部であって少なくとも現像剤と接触する領域に導電性の現像剤離型層を着設し、トナーでは平均円形度が0.960〜1.0で円形度の標準偏差が0.040以下のトナーに平均一次粒径が16〜28nmで3つの粒径範囲にある粒子の各個数A、B、Cが一定の関係を有するシリカを含ませるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真法を用いたプリンターや複写機などの画像形成装置の現像装置で使用される非磁性一成分現像装置及びそれに用いられるトナーに係り、特に、現像ローラなどの現像剤担持体の表面の現像剤量を規制する現像剤量規制手段を備えた非磁性一成分現像装置及びそれに用いられるトナーに関する。
近年、オフイス或いは一般ユーザーのニーズに対応して複写機やプリンター等について、小型化、高速化、低価格化、低消費エネルギー化が進んでいる。また、インクジェットプリンタの高画質化に伴い、電子写真プロセスにおいても高画質化が強く要求されてきている。電子写真方式や静電印刷方式などで用いられる静電潜像現像用現像剤は、従来から、混練−粉砕法や懸濁重合などに代表される湿式法により製造されたものなどがあった。また、これらの方法で得られた粒子の特性を改良するために、粒子(現像剤粒子)を調整したのち該粒子を機械的衝撃力や熱等の各種方法によって表面改質することが知られている。
本願の発明者らは表面改質に着目し、トナーの形状を制御すること等によってトナーの品質改善や機能向上が図れると考えて鋭意検討した。その結果、例えばトナーの形状をできるだけ球状にすることによって、次の(1)〜(5)に示すような良質な効果が得られることが分かった。即ち、(1)トナー粒子同士の凝集性が小さいため、中抜け品質が良好となる。(2)移動性が高いため、転写効率がよい。(3)外部からの応圧力に対して均一にかかりやすいため、トナーの局所的な変化や劣化(品質のバラツキ)に強い。(4)特にトナーの小粒径成分がもたらす副作用である凝集性、チャージアップ、選択現像などの現象(特定の粒径・帯電量のトナーから先に消費されていく現象)等が抑制できる。(5)不定形トナーに比して表面形状が均一になるため、トナー表面の電荷密度分布もより均一になって帯電量分布もシャープになる。
然しながら、凝集性が小さく、移動性と流動性が高いため、転写時の飛び散りやクリーニング性が著しく悪化してしまうなどという問題点も上記効果と同時に生じることが判明した。特に、飛び散りについては、モノクロであるとカラーであるとを問わず画像品位を著しく低下させてしまうため、極めて重要な問題であり、フルカラープロセスなどで色重ねを行なう場合においては、顕著な現象として現れる。
クリーニング性についてはクリーニングブレードを用いた場合に顕著であるが、トナーのすり抜けや拭き残しなどのクリーニング不良が極めて発生しやすい。これらが発生すると、感光体に適性な電位がのせられず現像特性を著しく変化させたり、画像上に白抜け、かぶり、ムラ、メモリー(同一周期で以前の画像パターンが残る)などが現れ、画像品位を著しく低下させる原因になる。また、これらは一般的に用いられる感光体だけでなく、ベルトタイプの感光体や中間転写体においても同様に現れる。更に、球形トナーは一般的に用いられる流動化剤を少量用いた場合でも、極めて高い流動性をもちやすくマシン内部でのパッキングやシール性(トナー漏れ)なども懸念される。
また、マシンの小型化、高速化及び低温定着化に伴い、低い熱エネルギーで十分な定着性(品質)を確保しながら、耐熱保管性や定着時以外のマシン内部での熱的安定性を確保すること、即ち、規制部などの摩擦熱、高温環境又は定着器から発生する熱による機内温度(上昇)などから与えられる熱量の安定性を確保することが必要である。このことについてトナー形状の均一化や球形化の効果で対処することも考えられているが、未だ十分であるとは言えない状況である。
また、電子写真法により画像を形成する画像形成装置では、感光体の表面に形成された静電潜像をトナーにより顕像化するため、所定の電荷が付与されたトナーを感光体の表面に供給する現像装置が備えられている。この現像装置は、周面にトナーを担持して一定速度で回転する現像ローラを感光体の表面に対向して備えている。このような画像形成装置において全面均一な濃度の画像を得るためには、現像ローラの周面にトナーを均一の厚さに薄層化して担持させる必要があり、現像装置には現像ローラの周面に一定の弾性力によって当接する層厚規制部材(以下、「現像ブレード」という)が設けられている。
一成分トナーとしてカーボン等の着色剤を混合した樹脂粉末に磁性粉を混入した磁性一成分トナーを用いる場合、現像装置に装着された現像ローラの内部には磁石が備えられ、現像ローラの周面に磁性一成分トナーを磁力で吸着させるようになっている。この場合、現像ローラの周面にトナーが磁力によって過剰に吸着し易く、現像ブレードは主に現像ローラの周面に過剰に吸着したトナーを掻き落とす目的に使用される。また、現像ブレードの掻き落とし効果を高めるため、現像ローラの周面との当接位置から現像ブレードの先端を殆ど延出させないようにして現像ブレード先端のエッジ部を現像ローラの周面に当接させている。更に、エッジ部において現像ローラの周面に当接する現像ブレードの両端部からのトナーの漏出や飛散を防止するため、下記特許文献1では、現像ブレードの両側縁の裏面を覆う弾性部材を設けた構成が開示されている。
一方、一成分トナーとして磁性粉を混入していない非磁性一成分トナーを用いる場合、トナーを磁力によって現像ローラの周面に吸着させることができないため、現像ローラの周面に対するトナーの供給不足が生じ易い。また、現像ローラの周面に多量のトナーを集めるために、現像ローラの周面との当接位置から現像ブレードの先端部を十分に延出させ現像ブレードと現像ローラの周面で形成される楔状の空間を大きくすることが考えられる。また、本願出願人が出願済の下記特許文献2には、円弧部と平板部とを有する板バネによって現像ブレードを構成することにより現像ブレードと現像ローラの周面で形成される楔状の空間を大きくした現像装置が開示されている。
然しながら、現像ブレードと現像ローラの周面で形成される楔状の空間を大きくした状態で現像ローラを回転させると、楔状の空間内に導かれたトナーのうち現像ローラの周面に吸着しなかったトナーが現像ローラの軸方向において楔状の空間の内側から外側に向かって移動し、現像ローラの両端部近傍からのトナーの漏出量が増加して画像形成装置の内部や画像を汚損したり、トナー消費量の増加によるランニングコスト上昇を招くという問題があった。
この場合、特許文献1に開示されている構成を適用して、現像ブレードの側端部の裏面を弾性部材によって覆うと、現像ローラの周面のトナー層厚が不均一になるという問題があった。即ち、非磁性一成分現像装置の従来例構成説明図である図4が示すように、現像ブレード13において現像ローラ11の周面との当接部13aから延出した先端部13cが弾性部材13bによって現像ローラ11の周面方向に押圧される結果、現像ブレード13の先端部13cに現像ローラ11の周面から離間する方向への部分的な変形が生じ、この変形部分における現像ブレード13と現像ローラ11の周面との当接力が減少して現像ローラ11の周面のトナー層厚が不均一になるという問題があった。
また、従来の一般的な現像装置では、現像ブレードの側端部からのトナーの漏出を防止するために、現像ブレードと現像ローラが接触する面と同一面若しくは反対面の側端部近傍、又は、現像ブレードの側端面においてシールするようにしている。しかし、何れの面においても隙間が生じ易く、トナーの漏出や飛散によって画像形成装置の内部や画像を汚損したり、トナー消費量の増加によるランニングコストの上昇を招く問題があった。また、隙間が生じないようにするため現像ブレードに対するシール材の押圧力を高くすると、現像ブレードに変形が生じ現像ローラの周面に均一な層厚のトナー層を形成することができず、画質を劣化させるなどの問題が生じていた。
ところで、従来の一成分現像装置は、図4でも示されているように、C方向に回転する像担持体である感光体18に対向し矢印A方向に回転しながら現像領域を形成する現像剤担持体である現像ローラ11と、矢印B方向に回転し現像ローラに非磁性一成分現像剤(以下、「現像剤」と略す)Tを供給する供給ローラ12と、現像ローラ11上の現像剤Tの塗布量及び帯電量を規制する現像剤量規制手段である現像ブレード13と、現像剤Tの粉圧を制御する現像剤粉圧制御部材14と、現像剤Tを蓄えるホッパー15と、現像ローラ11の下側からホッパー15内の現像剤Tの飛散を防ぐための吹き出し防止シート16などから構成されている。
この種の現像装置は、現像ローラ11を感光体18に押圧もしくは接触させて現像を行なうため、現像ローラ11として適度な弾性を有するものを用いることが必要となる。特に、感光体18が剛体である場合には、感光体18を傷つけるのを避けるため、現像ローラ11を弾性体で構成することが必須要件となる。通常、現像ローラ11としては、ステンレス又はアルミ剛体の芯金の周りにソリッドタイプのシリコーンゴムを厚さ数mm形成し、ローラ形状にしたもの若しくは現像剤Tへの電荷付与性を高める材料を現像ローラ11のシリコーンゴム上に更にコートしたものが用いられる。また、現像ブレード13は、現像ローラ11の上に十分帯電された現像剤Tを薄層に担持させるために、ステンレスなどの剛体のエッジ部分を現像ローラ11に食い込ませる構成になっている。
一方、現像装置は、現像ローラ11を構成する現像スリーブに現像バイアスを電源から印加することによって現像領域に現像電界を形成する。そして、感光体18の表面に形成された静電潜像を、現像ローラ11の表面に鏡映力にて担持されている現像剤Tで現像して可視化する。この現像時に、現像ローラ11の表面に残留した残留現像剤は、供給ローラ12を介してホッパー15内に回収される。
この現像装置は、基本的に絶縁性の非磁性一成分現像剤を用いるものであり、供給ローラ12による上記現像スリーブへの現像剤Tの供給は、供給ローラ12と現像ローラ11との摺擦領域において、現像剤Tが摩擦帯電して生ずる鏡映力により行なわれる。また、上記現像スリーブへの現像剤Tの供給量調整は、現像ローラ11と供給ローラ12との周速差で行われる。このような形式の現像装置は、現像剤Tの搬送に磁気力を必要としないため、現像剤Tが非磁性化されており特にカラー画像形成に有利である。
然しながら、上記従来例においてはステンレスなどの金属からなる現像ブレード13が弾性を有する現像ローラ11と当接するような構成であるため、次のような問題があった。即ち、現像ブレード13は供給ローラ12によって現像ローラ11上に供給された現像剤Tを当接領域において所定の現像剤量に規制し、通常、多層塗布された現像剤Tを当接領域において1〜2層に規制する。この規制は、当接領域において現像ローラ11と現像ブレード13と現像剤Tとの間に生じる摩擦によって行なうため、当接領域において摩擦熱が発生して現像剤Tが軟化し、現像ブレード13のエッジ付近に現像剤が融着し易くなる(現像剤融着)。現像ブレード13は、ステンレス、りん青銅などの金属を用いていたため現像剤Tに対する離型性が極めて悪く、一度軟化した現像剤Tが現像ブレード13のエッジ部に固着すると容易には除去できなくなっていた。
このように現像ブレード13のエッジ部に付着した現像剤は、常に摩擦熱を受けて溶融し、現像剤融着T2となる。この現象は、特に近年多く用いられている省エネルギー定着のための低融点現像剤において、顕著に生じる。現像ブレード13のエッジ部に現像剤融着T2が生じると、現像ローラ11上の現像剤Tのコート層に白スジが生じ、その結果、出力画像の上に白スジが発生し画像劣化が生じる。
上述のような問題は、現像ブレード13が現像剤Tに対して離型性が低いために生じるものである。即ち、上記従来例では、現像ローラ11上に白スジの無い均一な現像剤コート層を安定して、長期間にわたって形成することは困難であり、特に、省エネルギー定着のために低融点現像剤を用いると、現像装置の耐久性をも低下させる原因の一つになっていた。
特公平4−62391号公報 特開平10-133473号公報
本発明は上述のような従来技術の問題などに鑑みてなされたものであり、その目的は、現像剤担持体の上に長期間に亘って安定して均一な現像剤コート層を形成し長期間に亘って画像劣化が生じることを防止できるような、耐久性の向上を図った現像剤量規制手段を備えた非磁性一成分現像装置及びそれに用いられるトナーを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、現像剤担持体の表面の現像剤の量を規制する現像剤量規制手段を備えた非磁性一成分現像装置において、現像剤量規制手段の一部であって少なくとも現像剤と接触する領域に導電性の現像剤離型層を設け、その帯電極性が現像剤の帯電極性と摩擦帯電系列的に逆極性であるようにしたものである。これにより、現像剤量規制手段とトナーの間の付着力を下げることができ、現像剤担持体の上に安定して均一な現像剤コート層を形成させることができるようになる。
第2に、本発明は、現像剤離型層をシリコン樹脂又はアミド樹脂で構成したものである。汎用性及び加工性の観点からシリコン樹脂やアミド樹脂が最適であるため、現像剤離型層ひいては現像剤量規制手段の汎用性や加工性を高めることができる。
第3に、本発明は、前記現像剤離型層の厚みを50μm以下としたものである。これにより、印加電圧に関するマシン設計上の制限が回避できるようになる。
第4に、本発明は、平均円形度が0.960〜1.0、円形度の標準偏差が0.040以下のトナーに、平均一次粒径が16〜28nmであり、15nm未満の粒径を有する粒子の個数(A)と15〜30nmの粒径を有する粒子の個数(B)と30nmより大きな粒径を有する粒子の個数(C)との間にB/A>4且つB/C>4の関係が成り立つシリカを含有させるようにしたものである。これにより、帯電量分布のシャープ化などが達成できて画像品位の向上が図れるうえ安定的なトナー品質の確保などができる。
第5に、本発明は、疎水化剤で表面処理された平均一次粒径5〜30nmのシリカがトナー表面に固着及び/又は外添混合されるようにしたものである。これにより、トナーの流動性を向上させることができる。
第6に、本発明は、平均一次粒径50〜1000nmの無機微粒子がトナーに外添混合されるようにしたものである。これにより、トナーの環境安定性及び耐久安定性を向上させることができる。
第7に、本発明は、トナーを、外添剤による被覆率が5〜99%であるようにしたものである。これにより、現像剤の離型性を一層高めることができる。
本発明によれば、現像剤担持体の上に長期間に亘って安定して均一な現像剤コート層を形成し長期間に亘って画像劣化が生じることを防止できるような非磁性一成分現像装置及びそれに用いられるトナーが実現する。
以下、本発明の最良の実施形態について説明する。なお、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。また、図1は本発明の実施形態に係わる非磁性一成分現像装置を説明するための要部構成説明図、図2は本実施形態の非磁性一成分現像装置に装着された現像剤量規制部材である現像ブリードを説明するための図、図3は図2の一部拡大図である。
図1において、本実施形態の非磁性一成分現像装置は、画像担持体である感光体(図4の感光体18と同一の感光体)に対向配置された現像剤担持体である現像ローラ1と、この現像ローラ1に接して設けられ現像剤Tを現像ローラ1に供給する供給ローラ2と、現像ローラ1に当接して現像ローラ1上の現像剤Tを所定量に規制する現像剤量規制手段である現像ブレード3と、現像剤Tの粉圧を制御する現像剤粉圧制御部材4と、現像剤Tを蓄える現像槽5を備えている。
現像ローラ1は、ステンレス製の外径φ8mmの芯金に体積抵抗値106Ωmのウレタンゴム(ソリッドゴム)による弾性層4mmが形成され外径φ16mmの弾性現像ローラとなっており、硬度がJIS−Aで約45°、表面粗さRz が約4μmである。なお、現像剤Tに帯電量を付加するコート層を現像ローラ1の表層に設けるようにしてもよい。
供給ローラ2は、現像ローラ1の表面に現像剤Tを供給すると共に現像工程で現像に供されなかった残留現像剤を現像ローラ1の表面から除去する機能を有しており、現像ローラ1と同電位になるように配置されている。この供給ローラ2は、ステンレス製の外径φ8mmの芯金上に体積抵抗値1014Ωcmの絶縁性のウレタンスポンジゴムを4mm形成した外径φ12mmの弾性スポンジローラであり、現像ローラ1との間にニップ約2mmを形成するように配置されている。
現像ブレード3は、図2及び図3に示すようにステンレス板の片端部がL字状に曲げ加工されL字状に曲がったエッジ部3aが現像ローラ1の外周面に当接している。また、現像ブレード3は、このエッジ部3aにおいて現像ローラ1上の現像剤Tを所定量に規制するようになっており、多層コートの状態から1層コート(通常は1〜2層)の状態に規制している。なお、現像ブレード3の現像ローラ1に対する当接圧は、30g/cm程度とした。現像ブレード3には、少なくとも現像剤と接触する領域、例えばエッジ部3aの領域付近に現像剤離型層3bが設けられている。
このような構成からなる本実施形態の非磁性一成分現像装置において、現像ローラ1は例えば175mm/secで回転し、供給ローラ2は例えば70mm/secで回転するようになっている。このような現像ローラ1と供給ローラ2との周速差は、現像ローラ1への現像剤Tの供給及び現像に供されなかった現像剤Tを現像ローラ1から除去する観点から、供給ローラ2の周速を現像ローラ1の周速の例えば60%減に設定されたものである。
次に、現像ブレード3について図2及び図3を参照しながら更に詳しく説明する。現像ブレード3は導電性を有し、その帯電極性が現像剤の帯電極性と摩擦帯電系列的に逆極性となっており、ブレード3と現像剤Tの間の付着力を下げることができる。また、現像ブレード3の材料としては、その汎用性や加工性などからシリコン樹脂もしくはアミド樹脂が最適であるため、現像ブレード3はシリコン樹脂又はアミド樹脂から構成されている。
また、現像ブレード3のエッジ部3aに形成された現像剤離型層3bの厚みは10μm〜50μm以下となるように設計されている。この厚みが10μmより薄いと塗布ムラなどにより効果的に付着力を下げることはできず、50μmより厚いと印加電圧を大きくする必要がありマシン設計上の制限が加わり好ましくないためである。なお、現像ブレード3としては、通常100〜150μm程度の厚さのものが用いられるが、この厚さに限定されるものではない。
以下、現像ブレード3のエッジ部3aに形成されている現像剤離型層3bについて詳しく説明する。この現像剤離型層3bは、例えば離型性の優れたレジンを約20μmコーティングして形成されている。また、離型性の良否判定は、ブレード材とトナーの付着力測定により行なった。なお、トナーの付着応力とは、粉体層の圧縮・引張特性計測装置(アグロボット:ホソカワミクロン社製)を用い、下記条件下で上下2分割の円筒セル内に一定量の粉体を充填し、粉体を2kg/cm2又は6kg/cm2の圧力下で保持した後、上部セルを持ち上げ粉体層が破断されたときの最大引張応力(g/cm2)をいう。
「測定条件」
サンプル量:圧縮状態において10cm3となる量
環境温度:25℃
湿度:50%
セル内径:25mm
セル温度:25℃
バネ線径:1.0mm
圧縮速度:0.1mm/sec
圧縮応力:2kg/cm2又は6kg/cm2
圧縮保持時間:60秒
引張速度:0.4mm/sec
なお、付着応力は上記と同様の原理や法則によって求められる限り、上記機種による測定に限定されないものとする。また、2kg/cm2圧縮時におけるトナーの付着応力をF(2)(g/cm2)とし、6kg/cm2圧縮時におけるトナーの付着応力をF(6)(g/cm2)とする。
付着応力は、円形度、微粉含有割合及び表面特性等のトナー粒子物性、並びに外添剤の種類及び添加量等によって制御され得るが、本発明においては後述のようにして得られるトナー粒子に比較的少量の外添剤を添加するだけで上記付着応力を容易に規定範囲内に制御できる。例えば、付着応力を低下させるには、平均円形度を大きくする、微粉含有割合を小さくする、トナー粒子表面の凹凸を少なくする、適切な粒径の外添剤を使用する、外添剤の添加量を多くする、粉砕性指数の大きなバインダー樹脂を使用する等の手法が有効であり、これらの手法を組み合わせて上記付着応力を制御する。なお、F(6)は比較的大きな圧縮応力を用いて測定される値であることから、本発明においてはトナー粒子単独の付着応力に近似した値と考えることができ、F(6)は特に上記トナー粒子物性によって有効に制御することができる。
また、「(F(6)−F(2))/4」は、X軸(横軸)を圧縮応力(kg/cm2)、Y軸(縦軸)を付着応力(g/cm2)として作成されたグラフにおいて、点A(2、F(2))及び点B(6、F(6))をプロットしたときの線分ABの傾き(以下、単に「傾き」という)を表わすものとする。即ち、この傾きは粉体の凝集性(付着応力)の圧縮応力依存性を示し、この傾きが小さいほど圧縮応力の変化による粉体の凝集し易さがあまり変わらないことを意味する。
本実施形態のトナーは、F(2)が1〜12.0g/cm2以下、好ましくは2〜12g/cm2、より好ましくは5〜11.5g/cm2であり、かつ上記傾きが0.5〜5若しくは1〜4.8、より好ましくは2〜4である。F(2)が12.0g/cm2を越えたり、又は傾きが5を越えると、転写性が悪化し、得られる画像に中抜けが発生する。特に、フルカラー画像を形成する場合やトナー粒子に離型剤が含まれる場合には中抜けの発生は顕著になる。
また、F(6)は3〜34g/cm2であり、好ましくは5〜33g/cm2、より好ましくは10〜32g/cm2である。なお、転写性とは、現像によって感光体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写するときの転写容易性を意味し、特に感光体表面のトナー像を中間転写ベルト等の中間転写体に一旦、転写した後で中間転写体上のトナー像を被転写体に転写する場合においては感光体から中間転写体への転写容易性及び中間転写体から被転写体への転写容易性を包含して意味するものとする。
以下、本実施形態のトナーについて詳しく説明する。
本実施形態のトナーは、平均円形度が0.960〜1.0であって円形度の標準偏差が0.040以下であり、該トナー中に、平均一次粒径が16〜28nmであって、15nm未満の粒径を有する粒子の個数(A)と15〜30nmの粒径を有する粒子の個数(B)と30nmより大きな粒径を有する粒子の個数(C)との間にB/A>4且つB/C>4の関係が成立するシリカを含有するように構成されている。
表面の均質性並びに1個1個の粒子におけるバラツキが低減することにより、トナーにおける帯電の立ち上がり特性が向上し帯電量分布のシャープ化が達成できる為、カブリ等のノイズが少なく画像品位の向上が図れる。また、選択現像等の現象(特定の粒径・帯電量のトナーから先に消費されていく現象)等が抑制され、耐刷時においても安定的なトナー品質が確保できる。更に、本実施形態のトナーを用いれば、移動性(現像性、転写性)等の安定性と均一性が図れるため、マシンの設定条件のウィンドウが広がる。
本実施形態のトナーには、耐オフセット性等の特性を向上させるためにワックスを含有させてもよい。このようなワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワックス、フィッシャートロプシュワックス等を挙げることができる。また、トナーにワックスを含有させる場合、その含有量をバインダー樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部とすることが、フィルミング等の問題を生じることなく添加による効果を得る上で好ましい。
なお、耐オフセット性向上の観点からポリプロピレンワックスを含有させることが好ましく、また、自動原稿送り時或いは両面複写時に片面に既に画像が形成された用紙の紙送りの際にローラで画像が擦られて画像ににじみや汚れ等の画質低下を起こす現象である所謂スミア性を改善させる観点から、ポリエチレンワックスを含有させることが好ましい。この観点から特に好ましいポリプロピレンワックスは、160℃における溶融粘度が50〜300cps、軟化点が130〜160℃及び酸価が1〜20KOHmg/gである
ポリプロピレンワックスであり、また、特に好ましいポリエチレンワックスは、160℃における溶融粘度が1000〜8000cps及び軟化点が130〜150℃であるポリエチレンワックスである。
即ち、上記溶融粘度、軟化点及び酸価を有するポリプロピレンワックスは上記バインダー樹脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく耐オフセット性を向上させることができる。特にポリエステル樹脂をバインダ樹脂として使用する場合には、酸化型ワックスを使用することが好ましい。酸化型ワックスとしては、ポリオレフィン系の酸化型ワックス、カルナバワックス、モンタワックス、ライスワックス、フィッシャー・トロプシュワックスが挙げられる。ポリオレフィン系ワックスであるポリプロピレン系ワックスとしては、低分子量のポリプロピレンは硬度が小さい為、トナーの流動性を低下させる欠点を持っており、この欠点を改良する為に、カルボン酸又は酸無水物で変性したものを使用することが好ましい。特に、低分子量ポリプロピレン系樹脂を(メタ)アクリル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸からなる群より選ばれる1種以上の酸モノマーで変成した変成ポリプロピレン樹脂が好適に使用できる。この変性ポリプロピレンは、例えばポリプロピレン系樹脂に(メタ)アクリル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸からなる群より選ばれる1種以上の酸モノマーを過酸化物触媒存在下で若しくは無触媒下でグラフト或いは付加反応することにより得られる。変性ポリプロピレンを使用する場合には、酸価が0.5〜30KOHmg/g、好ましくは1〜20KOHmg/gである。
上記酸化型ポリプロピレンワックスとして市販されているものでは、三洋化成工業社製のビスコール200TS(軟化点140℃,酸価3.5)、ビスコール100TS(軟化点140℃,酸価3.5)、ビスコール110TS(軟化点140℃,酸価3.5)等が使用できる。
酸化型ポリエチレンとして市販されているものでは、三洋化成工業社製のサンワックスE300(軟化点103.5℃,酸価22)、サンワックスE250P(軟化点103.5℃,酸価19.5)、三井石油化学工業社製のハイワックス4053E(軟化点145℃,酸価25)、405MP(軟化点128℃,酸価1.0)、310MP(軟化点122℃,酸価1.0)、320MP(軟化点114℃,酸価1.0)、210MP(軟化点118℃,酸価1.0)、220MP(軟化点113℃,酸価1.0)、220MP(軟化点113℃,酸価1.0)、4051E(軟化点120℃,酸価12)、4052E(軟化点115℃,酸価20)、4202E(軟化点107℃,酸価17)、2203A(軟化点111℃,酸価30)等が使用できる。
カルナバワックスを使用する場合は微結晶のものが良く、酸価が0.5〜10KOHmg/g好ましくは1〜6KOHmg/gのものが良い。モンタンワックスは、一般的に鉱物より精製されたモンタン系エステルワックスを指しカルナバワックス同様微結晶であり、酸価が1〜20好ましくは3〜15である。ライスワックスは米ぬかワックスを空気酸化したものであり、酸価が5〜30KOHmg/gであることが好ましい。
フィッャー・トロプシュワックスは、石炭より合成石油を炭化水素合成法により製造する際、副生するワックスで例えばサゾール社製の商品名「サゾールワックス」として市販されているものである。またこれとは別に天然ガスを出発原料とするフィッシャー・トロプシュワックスも低分子量成分が少なくトナーに用いた場合の耐熱性に優れる為、好適に使用できる。
フィッシャー・トロプシュワックスの酸価としては、0.5〜30KOHmg/gの物が使用でき、サゾールワックスの中では、特に、酸価が3〜30KOHmg/gを有する酸化タイプのもの(商品名、サゾールワックスA1、A2等)が好適に使用できる。また、上記溶融粘度及び軟化点を有するポリエチレンワックスも上記バインダー樹脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問題を生じることなく定着画像表面の摩擦係数を低減させてスミア性の向上を達成できる。なお、ワックスの溶融粘度はブルックフィールド型粘度計により測定した。
また、フルカラートナー用の着色剤としては、公知の顔料及び染料が使用される。例えば、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレツド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を挙げることができる。
本実施形態のトナーには、目的に応じて帯電制御剤や離型剤等の添加剤を結着樹脂中に添加して用いることができる。例えば、帯電制御剤としては、フッ素系界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物のような含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体の如き高分子酸、第4級アンモニウム塩、ニグロシン等のアジン系染料、カーボンブラック等を添加することが可能であり、必要に応じて磁性粉等を添加するようにしてもよい。
更に、本実施形態のトナーは、表面改質前及び/又はトナー粒子を調整した後の流動性調整剤として各種有機/無機微粒子を添加することが好ましい。無機の微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム、ダイヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等のホウ化物、酸化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト等の各種非磁性無機微粒子を単独で或いは組み合わせて用いることができる。特に、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛等の無機微粒子においては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等の従来から使用されている疎水化処理剤、更には、フッ素系シランカップリング剤、又はフッ素系シリコーンオイル、更にアミノ基や第4級アルミニウム塩基を有するカップリング剤、変性シリコーンオイル等の処理剤で公知の方法で表面処理されていることが好ましい。
有機微粒子としては乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、非水分散重合法等の湿式重合法、気相法等により造粒した、スチレン系、(メタ)アクリル系、ベンゾグアナミン、メラミン、テフロン、シリコン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の各種有機微粒子を用いることもできる。この有機微粒子はクリーニング助剤としての機能も有する。なお、チタン酸金属塩等の比較的大径の無機微粒子並びに各種有機微粒子は、疎水化処理してもしなくても良い。
上記微粒子の中でも、後述する熱処理の前に添加する無機微粒子としては、特に疎水性シリカが好ましい。更に好ましくは、平均一次粒子径(ピーク値)が16〜28nmの範囲にあり、かつ、15nm未満の粒径を有する粒子の個数(A)と15〜30nmの粒径を有する粒子の個数(B)と30nmより大きな粒径を有する粒子の個数(C)との間にB/A>4かつB/C>4の関係が成立するシリカ微粒子、より好ましくは、平均一次粒子径(ピーク値)が18〜25nmの範囲にあり、しかも、B/A>5かつB/C>5の関係が成立する疎水性シリカ微粒子である。なお、更に好ましくは、平均一次粒径(ピーク値)が18〜25nmの範囲にあり、しかも、B/A>6かつB/C>6の関係が成立する疎水性シリカ微粒子である。
上記のような粒径分布を有する無機微粒子を使用することにより、特にクリーニングブレードを用いた場合に本件のシリカがクリーニング部で制止層(せきとめの効果)を十分形成し、トナーのすり抜けふき残しを防止する。これらは、どのトナー粒子にも均一に付着しているため、安定した制止層形成を促し、一般的な小粒径タイプの無機微粒子ほど単体での流動性が高くなく感光体との適度な摩擦力が保有されるためと考えられる。
また、上記のような無機微粒子は、均一に付着することによるトナー表面被覆と、適度なトナー間距離(スペーサ効果)を付与することができ、更に、トナーの球形化により、表面積減少の効果と不定形トナーの有する角張った部分などの局所的な高接触部がないことと相俟って、低粘度タイプのトナーであっても十分な耐熱性が得られる。
上記のような粒径分布を有する無機微粒子は部材などとの付着性を低減し(いわゆるスペーサ効果)、小径タイプのシリカなどの(サラサラした)流動性を高めるのではなく、流動性をさげる効果(比較的流動し難いボサボサした感じの流動性)を与えることができるため、球形トナーでの高流動性を適当な領域(範囲)の流動性に調整することが可能である。これにより、球形トナーでの効果(中抜け品質や転写効率)を妨げることなく、飛び散りをなくすことができる。また、適度な流動性に調整できるため、マシンでのハンドリング性が容易になりシール性などにも有利になる。上述の微粒子は、トナーの表面改質(熱処理)を行なう前後どちらで用いても良いが、後述の熱処理の前にも用いるとより効果的である。
熱処理を施すと、無機微粒子はトナー粒子表面に固定或いは固着される。なぜなら、熱処理しても十分にトナー表面に存在し本件の効果を損なうことなくトナー表面に微小な凹凸を与えるため、他の外添剤を用いる場合などにおいても容易かつ均一に後処理ができ、熱処理時の分散性及び定量供給安定性に対しても有利なためである。なお、無機微粒子の粒子径は、粒子の電子顕微鏡写真をとり、3000〜5000個の粒子の直径の分布をとり、各粒子の直径の算術平均を平均一次粒子径としている。
本実施形態のトナーとして粉砕法のトナーを使う場合は、バインダー樹脂、着色剤、その他所望の添加剤を、従来の方法で混合、混練、粉砕、分級し、所望の粒径を有する粒子を得、上記のようにして得られた粒子を瞬間加熱処理する。粒径としては4〜10μm、好ましくは5〜9μmである。この段階で得られる粒子は瞬間加熱処理された後でも、その粒径分布は殆ど変わらない。
分級工程は、本実施形態における瞬間加熱処理を施した後に行っても良い。この際、粉砕工程で使用する粉砕装置として被粉砕粒子を球形化できる粉砕装置を用いることにより、この後で処理する瞬間的熱処理の制御が行いやすくなる為好ましい。このような装置として、イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を挙げることができる。また、分級工程で使用する分級装置として被処理粒子を球形化できる分級装置を用いることにより、円形度等の制御が容易になる。このような分級装置としてティープレックス型分級機(ホソカワミクロン社製)等を挙げることができる。
また、本発明で示した瞬間加熱処理と組み合わせて各種現像剤の表面改質装置における各種処理と組み合わせても良い。これら表面改質装置としては、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンコスモスシステム(川崎重工業社製)、イノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)等の高速気流中衝撃法を応用した表面改質装置、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等の乾式メカノケミカル法を応用した表面改質装置、ディスパーコート(日清エンジニアリング社製)、コートマイザー(フロイント産業社製)の湿式コーティング法を応用した表面改質装置を適宜、組み合わせて使用できる。
瞬間的加熱処理を施すことにより、混練−粉砕法で得られたトナー粒子の形状を球状でかつ均一な形状に制御し、更には、トナーの表面にある細孔を低減し、平滑性を上げることができる。このことにより帯電の均一性ならびに画像性能に優れ、また、現像剤中の特定の粒径・形状成分や特定の帯電量を有するトナーから先に消費されるといった選択現像が発生せず、長期にわって安定した画像性能を達成するトナーを提供できる。
また、本実施形態のトナーは、近年要求の高い、高画質、低消費(色材高充填型)、省エネルギー定着方式に適した低軟化点のバインダ樹脂を主成分とし、色材部数を高充填した小粒径トナーにおいても、トナー担持体(現像ローラ)、感光体、転写部材に対する付着性が適正化され移動性に優れている。更に、流動性に優れ、帯電の均一性が向上され、長期に渡って安定した耐久特性を有する。
具体的には、平均円形度が0.960以上、好ましくは0.960〜0.995かつ平均円形度の標準偏差が0.040以下、好ましくは0.035以下とする。なお、平均円形度は下記(1)式によって算出される値の平均値であり、「粒子の投影面積に等しい円の周囲長」及び「粒子投影像の周囲長」はフロー式粒子像分析装置(EPIA−1000又はEPIA−2000)を用いて水分散系で測定を行なって得られる値で示している。また、この平均円形度は1に近いほど真球に近いことを示している。
平均円形度=「粒子の投影面積に等しい円の周囲長」/「粒子投影像の周囲長」…(1)
このように平均円形度は、「粒子の投影面積に等しい円の周囲長」及び「粒子投影像の周囲長」から求められるため、その値はトナー粒子の形状すなわち粒子表面の凹凸状態を正確に反映する指標となる。また、平均円形度はトナー粒子(3000個)の平均値として得られる値であるため、本実施形態における平均円形度の信頼性は極めて高い。なお、この平均円形度は上述の装置による測定に限定されるものではなく、原理的に上式に基いて求めることができる装置であればいかなる装置によって測定されてもよいものとする。
また、円形度の標準偏差は円形度分布における標準偏差を指し、その値は上記フロー式粒子像分析装置によって平均円形度と同時に得られ、その値が小さいほどトナー粒子形状が揃っていることを意味する。
本実施形態において使用する瞬間的加熱処理は、熱風中にトナー粒子を圧縮空気により分散噴霧することにより、現像剤が熱により表面改質され、従来の方法をもっても達成できなかった球形度とその均一性を達成するものである。
また、本実施形態の現像剤としてケミカルトナーを使う場合は、コア/シェル構造としたうえでシェル部分を重合により製造した現像剤を使用するのが好ましい。これは、現像剤の表面部分を重合法により製造し、分散媒体の中にプレトナー(モノマー組成物)粒子として存在させ、表面側の部分を重合反応によって生成するものである。このような構造にすると、球形化度合の高い現像剤を容易に製造できるという利点がある。即ち、コアを有しないバルクとして重合法より得た現像剤に比較して、シェル部分のみ重合する方が、重合工程後の後処理工程で残存モノマーの除去を容易にできる。
更に、コア部の主成分として低軟化点物質とするのが好ましく、具体的には、ASTMD3418−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が40〜90℃である化合物が好ましい。
極大ピーク値の範囲を好ましくは40〜90℃とする理由は、次のとおりである。即ち、極大ピーク値が40℃未満であると、低軟化点物質の自己凝集力が弱くなって高温オフセット性が弱くなり、極大ピーク値が90℃を越えると定着温度が高くなるからである。このような極大ピーク値範囲の40〜90℃の低軟化点物質としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物などが挙げられる。
更に、低軟化点物質は、現像剤の中に5〜30重量%添加することが好ましい。5〜30重量%添加する理由は、次のとおりである。すなわち、5重量%未満の添加では、上述した残存モノマーの除去に負担がかかり、30重量%を超えると、造粒時に現像剤粒どうしの合一が起こりやすく、粒度分布の広いものが生成しやすいからである。
以上のようにして得られたトナー粒子に外添剤を添加する。外添剤としては、熱処理前に添加するのに使用するものと同様の無機微粒子、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛等がチタン酸ストロンチウム等或いは有機微粒子を使用することができる。また、外添剤は、トナー粒子100重量部に対して0.3〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部添加されるが、熱処理前と熱処理後で適宜添加量を調整して使用することが好ましい。これらの微粒子は、比較的大径のチタン酸金属塩を疎水化処理をしていなくても使用できるが、シランカップリング剤等で表面疎水化処理されていることが好ましい。
また、上記外添剤としては、トナーの流動性を向上させる観点から、平均一次粒径が5〜30nm、好ましくは5〜25nmの無機微粒子を用いることが望ましい。更に、トナーの環境安定性及び耐久安定性を向上させる観点からは、平均一次粒径が50〜1000nm、好ましくは100〜500nmの無機微粒子を用いることが望ましい。現像剤の表面の外添剤被覆率は、離型性を高めるという目的から、5〜99%であることが好ましく、また、10〜99%であることが更に好ましい。なお、現像剤表面の外添剤被覆率は、堀場製作所製のパーティクルアナライザーを用い、C元素と外添材中の金属元素(Si、Tiなど)との相関性から解析を行なって算出した。
本実施形態のトナーは、近年要求の高い、高画質、低消費(色材高充填型)、省エネルギー定着方式に適した低軟化点のバインダ樹脂を主成分としている。また、色材部数を高充填した小粒径トナーにおいても、トナー担持体(現像ローラ)、感光体、転写部材に対する適度な付着性及び移動性に優れる為、流動性に優れ、帯電の均一性が向上され、長期に渡って安定した耐久特性を有する。
以下、本実施形態のトナーを製造する為に用いられるポリエステル樹脂の製造例について詳しく説明する。
[ポリエステル樹脂A、B、Cの製造例]
温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー、及び窒素導入管を取り付けたガス製4つ口フラスコに、表1に示すモル比でアルコール成分及び酸成分を重合開始剤とともに入れた。これをマントルヒーター中において窒素気流下で、撹拌しながら加熱して反応させた。この反応の進行は、酸価を測定することにより追跡した。所定の酸価に達した時点でそれぞれ反応を終了させて室温まで冷却し、ポリエステル樹脂を得た。得られた各ポリエステル樹脂1mm以下に粗砕したものを以下のトナーの製造で用いた。なお、ここで得られたポリエステル樹脂の物性は、表1に示す通りの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)、ガラス転移点(Tg)、軟化点(Tm)、酸価及び水酸価を有する。
なお、表1の中で、POはポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを表わし、EOはポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを表わし、GLはグリセリンを表わす。また、TPAはテレフタル酸を表わし、TMAはトリメリット酸を表わし、FAはフマル酸を表わしている。
Figure 2005172941
表1に示す各種物性は、以下のようにして測定した。
「樹脂のガラス転移点Tgの測定」
示差走査熱量計(DSC−200:セイコー電子社製)を用いリファレンスをアルミナとし、10mgの試料を昇温速度10℃/minの条件で20〜120℃の間で測定してメイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。
「樹脂の軟化点Tmの測定」
フローテスター(CFT−500:島津製作所社製)を用い、ダイスの細孔(径1mm、長さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温速度6℃/minの条件下で1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度を軟化点とした。
「分子量の測定」
分子量はゲルバーミエーションクロマトグラフィ(807−IT型;日本分光工業社製)を使用し、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを使用してポリスチレン換算により分子量を求めた。
「酸価」
酸価は、10mgの試料をトルエン50mlに溶解して、0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、予め標定されたN/10の水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量から算出した値である。
「水酸価」
水酸価は、秤量された試料を無水酢酸で処理し、得られたアセチル化合物を加水分解し、遊離する酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmgで表した。
[ポリエステル系樹脂D(L体)の製造例]
温度計、撹拌器、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニル無水コハク酸、テレフタル酸及びフマル酸を重量比82:77:16:32:30に調整して重合開始剤であるジブチル錫オキサイドとともに入れた。これをマントルヒーター中で窒素雰囲気下にて、220℃で撹拌しつつ反応させた。得られたポリエステル系樹脂D(L体)の軟化点は110℃、ガラス転移点は60℃、酸価は17.5KOHmg/gであった。
[ポリエステル系樹脂E(H体)の製造例]
スチレン及び2−エチレンヘキシルアクリレートを重量比17:3.2に調整し、重合開始剤であるジグミルパーオキサイドとともに滴下ロートに入れた。一方、温度計、撹拌器、流下式コンデンサー及び窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニル無水コハク酸、テレフタル酸、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びアクリル酸を重量比42:11:11:11:8:1に調整して重合開始剤であるジブチル錫オキサイドとともに入れた。
これをマントルヒーター中で窒素雰囲気下にて、135℃で撹拌しながら、滴下ロートからスチレン等を滴下した後、昇温して230℃で反応させた。得られたポリエステル系樹脂E(H体)の軟化点は150℃、ガラス転移点は62℃、酸価は24.5KOHmg/gであった。
以下、実施例及び比較例に基いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例や比較例により何ら限定されるものではない。
〔顔料マスタバッチの製造〕
フルカラートナーの製造に使用する顔料は、実施例で使用する熱可塑性樹脂とC. I. Pigment Blue15−3とを重量比で7:3の割合で加圧ニーダーに仕込み、120℃で1時間混練した。冷却したのちハンマーミルで粗粉砕し、顔料含有率30wt%の顔料マスターバッチを得た。
〔粉砕トナーの製造例〕
フルカラートナーを次の製造例C−1や製造例C−2のようにして製造し、ブラックトナーを製造例Bk−1のようにして製造した。
[製造例C−1]
樹脂製造例で得られたポリエステル樹脂A100重量部に対して、C. I. Pigment Blue15−3を4.0重量部含有相当のマスターバッチと荷電制御剤としてサリチル酸の亜鉛錯体(E−84:オリエント化学工業社製)2.0重量部、酸化型低分子量ポリプロピレン(100TS:三洋化成社製;軟化点140℃、酸価3.5)1.0重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、2軸押し出し混練機(PCM−30:池貝社製)の排出部を取り外したものを使用して、溶融混練したのち冷却した。得られた混練物を冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、更に、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチック工業社製)で平均粒径6.6μmまで粉砕粗粉分級した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して体積平均粒径6.8μmのシアントナー粒子(C−1)を得た。
[製造例C−2]
樹脂製造例で得られたポリエステル樹脂(樹脂Bと樹脂Cを80:20の割合でブレンドしたもの)を用いた以外はC−1と同様にして、体積平均粒径6.8μmのシアントナー粒子(C−2)を得た。
[製造例Bk−1]
ポリエステル系樹脂D(L体)を40重量部、ポリエステル系樹脂E(H体)を60重量部、ポリエチレンワックス(800P;三井化学工業社製;160℃における溶融粘度5400cps;軟化点140℃)2重量部、ポリプロピレンワックス(TS−200;三洋化成工業社製;160℃における溶融粘度120cps;軟化点145℃;酸価3.5KOHg/g)2重量部、酸性カーボンブラック(モーガルL;キャボット社製;pH2.5;平均1次粒径24nm)8重量部及び負荷電制御剤2重量部をヘンシェルミキサーで充分混合し、二軸押出混練機で溶融混練後、冷却し、その後、ハンマーミルで粗粉砕しジェット粉砕機で微粉砕した後、分級して体積平均粒径6.5μmのトナー粒子Bk−1を得た。
上記で得られたトナーC−1〜C−2、トナーBk−1などを表2に示した無機微粒子と組み合わせて前処理を行ない、次に瞬間過熱装置により熱処理を行ない、最後に表2の中で示した無機微粒子と組み合わせて後処理を行なってトナーA〜Mを得た。前処理条件、熱処理条件、後処理条件は下記の通りである。
Figure 2005172941
表2の中で示されている材料の番号は、次のような各無機微粒子の番号を表わしている。
無機微粒子1(疎水性シリカ:疎水化度55%、平均一次粒径7nm、TS500;キャボジル社製)は、15nm以下(A)と15〜30nm(B)と30nmより大(C)の個数比がB/A=0.1、B/C=0であった。
無機微粒子2(疎水性シリカ:疎水化度48%、平均一次粒径12nm、R974;日本アエロジル社製)は、15nm以下(A)と15〜30nm(B)と30nmより大(C)の個数比がB/A=0.3、B/C=0であった。
無機微粒子3(疎水性シリカ:疎水化度65%、平均一次粒径35nm、NAX50;日本アエロジル社製)は、15nm以下(A)と15〜30nm(B)と30nmより大(C)の個数比がB/A=15、B/C=0.5であった。
無機微粒子4 はAEROSIL 90G(日本アエロジル社製のシリカ微粒子)をヘキサメチレンジシラザンで表面処理したもの(疎水化度67%、平均一次粒径22nm)であり、15nm以下(A)と15〜30nm(B)と30nmより大(C)の個数比がB/A=8かつB/C=13であった。
[疎水性酸化チタンの製造例−無機微粒子5]
硫酸法によって含水酸化チタンを得、これを洗浄した後300℃で焼成し、平均1次粒子径15nmの酸化チタンを得た。この酸化チタン2重量%の割合で水系中で混合撹拌しながら、疎水化剤としてn−ブチルトリメトキシシランを酸化チタン粒子に対して10重量%の割合で添加混合し、混合物を乾燥、解砕してBET比表面積112m2/g、疎水化度55%の疎水性酸化チタン微粒子無機微粒子5を得た。
[疎水性酸化チタンの製造例−無機微粒子6]
硫酸法によって含水酸化チタンを得、これを洗浄した後300℃で焼成し、平均1次粒子径21nmの酸化チタンを得た。前記酸化チタンに2重量%の割合で水系中で混合撹拌しながら、疎水化剤としてn−ブチルトリメトキシシランを酸化チタン粒子に対して10重量%の割合で添加混合し、混合物を乾燥したのち解砕して、疎水化度55%の疎水性酸化チタン微粒子無機微粒子6を得た。この無機微粒子6は、平均1次粒子径が21nmであり、15nm以下(A)と15〜30nm(B)と30nmより大(C)の個数比がB/A=9かつB/C=8であった。
無機微粒子aは平均一次粒径250nmのルチル型二酸化チタン(KR−380;チタン工業社製)を水系中でn−ブチルトリメトキシシランで表面処理したもの(疎水化度50%)であり、無機微粒子bは次のようにして製造した。
〔疎水性チタン酸ストロンチウム粒子の製造〕
酸化チタンと炭酸ストロンチウムを焼結させ、個数平均粒径250nmのチタン酸ストロンチウム粒子Aを得た。このチタン酸ストロンチウム粒子Aに対して塩酸溶液中で炭酸ストロンチウムの溶出処理を施し、洗浄、乾燥させ、チタン酸ストロンチウム粒子A0を得た。得られたA0をX線回折によって定性分析したところ、炭酸ストロンチウムのピークは検出されなかった。A0に乾式法でn−ブチルトリメトキシシランを0.5wt%表面処理して、疎水性チタン酸ストロンチウム粒子A1(無機微粒子b)を得た。
「前処理条件」
ヘンシェルミキサーで(周速40m/sec,60秒間)混合処理した。
「熱処理条件」
現像剤供給部; テーブルフィーダー+振動フィーダー
分散ノズル ; 4本(全周に対して、各90度の対称形配置)
噴出角度 ; 30度
熱風風量 ; 800L/min
分散風量 ; 55L/min
吸引風量 ; −1200L/min
分散濃度 ; 100g/m3
滞留時間 ; 0.5秒
冷却風温度 ; 15℃
冷却水温度 ; 10℃
処理温度 ; 表2に示す。
「後処理条件」
ヘンシェルミキサーで(周速40m/sec,150秒間)混合処理した。
〔ケミカルトナーの製造例〕
[ケミカルトナー製造例1]
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットルの4つ口フラスコ中に、イオン交換水710部と、0.1mol/lのNa3PO4水溶液455部を添加し、ホモミキサーの回転数を14,000回転に調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/lのCaCl2水溶液63部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む分散媒系を調製した。
一方、分散質系は、
・スチレン単量体 185部
・ブチルアクリレート単量体 15部
・C.I.ピグメントブルー15:3 12部
・サリチル酸金属化合物 2部
をアトライターを用いて3時間分散させた後、上記混合物に、飽和ポリエステル25部と低軟化点物質CH3(CH2)20COO(CH2)21CH3(極大ピークは74℃)50部を加え、更に、アトライターで2時間分散させた。
次に、上記混合物に重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6部を添加した後、上記分散媒中に投入し、14,000回転で15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌機に交換し、内温を80℃に昇温させ、50回転で10時間重合した。重合終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加して分散剤を除去した。更に水洗し、乾燥、分級を行い、重量平均径6.2μmの重合粒子1を得た。
[ケミカルトナー製造例2]
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットルの4つ口フラスコ中に、イオン交換水1,000部と0.1mol/lのNa3PO4水溶液450部を添加し、ホモミキサーの回転数を14,000回転に調整し、60℃に加温した。ここで、1.0mol/lのCaCl2水溶液65重量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む分散媒系を調製した。
一方、分散質系は、
・スチレン単量体 160部
・ブチルアクリレート単量体 40部
・磁性体(チタンカップリング剤で疎水化処理) 85部
・サリチル酸金属化合物 2部
をアトライターを用いて2時間分散させた後、上記混合物に、飽和ポリエステル15部とケミカルトナー製造例1で用いた低軟化点物質40部を加え、更にアトライターで1時間分散させた。
次いで、上記混合物を、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8部を添加した後、上記分散媒中に投入し、14,000回転で15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌機に交換し、内温を80℃に昇温させ、50回転で10時間重合した。重合終了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加して分散剤を除去した。更に、水洗し、乾燥、分級を行い、重量平均径7.6μmの重合粒子2を得た。
Figure 2005172941
〔現像ブレードの調整〕
前述の本実施形態では、現像剤Tとして負極性現像剤が用いられているため、現像剤離型層として、現像剤の負極性に対して摩擦帯電系列的に逆極性の正極性であるシリコーン樹脂を用いた。このシリコーン樹脂、このシリコーン樹脂と同じ正極性であるポリアミド、更にはPFA(Per -FluoroAlkoxyalkaneplastics、パーフロロアルコキシアルカン樹脂)に関する離型性は次の表4に示す通りである。
Figure 2005172941
この表4によると、シリコーン樹脂の離型性がポリアミドより優れていることが分かる。即ち、現像剤Tの剥離し易さを示す接触角(度)はシリコーン樹脂がポリアミドよりも大きく、現像剤Tの付着し易さを示すぬれ尺度(dyne/cm)はシリコーン樹脂がポリアミドよりも小さくなっており、シリコーン樹脂の離型性がポリアミドより高いことを示している。
本実施形態に係わる現像装置では、具体的にシリコーン樹脂にカーボンを12.5重量部、硬化剤としてシランカップリング剤を5wt%添加し、24時間約20℃の室温下で分散撹拌し、導電性のコーティングレジンAを作製した。このコーティングレジンAを、片端をL字状に折り曲げたステンレス板のエッジ部に約20μmコーティングし、その後、180℃に設定された恒温槽に約2時間入れ、乾燥硬化処理を行い、本実施形態に拘わる現像装置に装着する現像ブレードSを作成した。
また、上記コーティングレジンAと同程度の抵抗とするため、ポリアミドにカーボンを12.5重量部分散し、実施例用のコート剤をつくった。このコート剤の片端をL字状に折り曲げたステンレス板のエッジ部に約20μmコーティングし、その後、180℃に設定された恒温槽に約2時間入れて乾燥硬化処理を行ない、約20分間乾燥処理させた。このようにして、実施例用の現像ブレードS及び現像ブレードUを作成した。なお、現像ブレードS及び現像ブレードUは、それぞれシリコーン樹脂とポリアミドにカーボンを添加して現像剤離型層を導電性としているが、その理由は、現像剤Tのクーロン力による電気的な強固な固着を防止するため即ち離型性を高めるためである。また、現像ブレードSのコート厚みを10μmとしたものを現像ブレードW、40μmとしたものを現像ブレードXとした。
同様の方法により上記PFAを使って比較例用の現像ブレードVを準備した。また、現像ブレードSと同じブレードでコート厚みを60μmとした現像ブレードYと、全くコートしなかった現像ブレードZとを準備し、いずれも比較例用の現像ブレードとした。
〔評価〕
得られたトナー、現像ブレードの組み合わせで、白スジ、クリーニング性、飛び散り、耐熱性、SL上観察による評価を行なった。なお、白スジ、ブレード融着、クリーニング特性及び耐熱性の各評価方法などは以下の通りである。また、これらの各評価結果を下記表5に示す。
「白スジ」
通紙をおこない現像ローラ上現像剤コート層の白スジ発生を確認した。すなわち、シャープ製AR−260フルカラー機で5cmX5cmベタ画像(付着量0.4mg/cm)を出力して評価した。
「白スジの判定基準」
○:10,000枚以上通紙しても白スジ発生せず
△: 1,000枚〜5,000枚で白スジ発生
×: 1,000枚以下で 白スジ発生
「ブレード融着」
白スジと同じ評価方法により行なった。
「ブレード融着の判定基準」
○:10,000枚以上通紙してもブレード融着発生せず
△: 1,000枚〜5,000枚でブレード融着発生
×: 1,000枚以下で ブレード融着発生
「クリーニング特性」
シャープ製AR−260フルカラー機にてL/L(低温低湿環境)では50枚複写後(初期)評価を行い、N/N環境では50枚複写後(初期)及び2000枚複写後(耐久後)にそれぞれ感光体上、中間転写体上を目視で評価した。なお、複写は所定のプリントパターンでB/W比が6%の条件で行った。
「クリーニング特性の判定基準」
○:フィルミング及びBSの発生がなく問題のなかった。
△:どちらか片方でフィルミング及びBSの発生がみられるが画像上には見えなかった。
×:フィルミング及びBSの発生があり画像上でも確認できた。
「耐熱性」
50ccガラスビンにトナーを10g入れ、栓をし、55℃、24hの条件で恒温槽内に保管する。取り出した後、軽くシェイクし、A4ペーパー上にトナーをひろげて観察した。
「耐熱性の判定基準」
○:容易にほぐれ、凝集した粒子がなかった。
△:一部軟凝集しているが、容易にほぐれた。
×:凝集固化した粒子やほぐれない固まりがあった。
Figure 2005172941
表5に示されている評価結果から、次のことが分かる。
(1)実施例1で全評価項目が○となっているにも拘らず、比較例4〜6はいずれも全評価項目が×となっている。このことから、上記現像ブレードV、現像ブレードY又は現像ブレードZを使用した場合には同一のトナー(前記表2のトナーA)を使用しても全評価項目が×となること、即ち、白スジ、クリーニング性、飛び散り及び耐熱性の全てが不良となることが分かる。
(2)実施例1〜10及び実施例14〜17で全評価項目が○となっているにも拘らず、比較例1〜3はいずれも全評価項目が×となっている。このことから、前記表2のトナーK、トナーL又はトナーMを使用した場合には同じ現像ブレードSを使用しても全評価項目が×となることが分かる。一方、前述のように、トナーKは無機微粒子1を材料とし、トナーLは無機微粒子3を材料とし、トナーMは無機微粒子6を材料としている。このため、無機微粒子4を材料としているトナーA〜J及びトナーN〜R或いは無機微粒子2を材料としているトナーQとはトナー材質が異なっている。従って、同じ現像ブレードSを使用する場合であっても所定材質以外のトナーを使用すると全評価項目が×、即ち、白スジ、クリーニング性、飛び散り及び耐熱性の全てが不良となる場合があることが分かる。
(3)実施例12、実施例13及び比較例4はいずれも同一のトナー(前記表2のトナーA)を使用しているうえ現像ブレードの材質も同一(カーボンが添加されたシリコーン樹脂)である。それにも拘らず、実施例12と実施例13はいずれも全評価項目が○となっており、比較例4は全評価項目が×となっている。このことから、現像ブレードをコーティングしているレジンの厚さが一定の値以下の場合にのみ全評価項目が○、即ち、白スジ、クリーニング性、飛び散り及び耐熱性の全てについて満足できることが分かる。
本発明の実施形態に係わる非磁性一成分現像装置を説明するための要部構成説明図である。 本発明の実施形態に係わる非磁性一成分現像装置に装着される現像ブリードを説明するための図である。 図2の一部拡大図である。 非磁性一成分現像装置の従来例構成説明図である。
符号の説明

1、11 ……………………… 現像ローラ
2、12 ……………………… 供給ローラ
3、13 ……………………… 現像ブレード
3a …………………………… エッジ部
3b …………………………… 現像剤離型層
4、14 ……………………… 現像剤粉圧制御部材
5 ……………………………… 現像槽

Claims (7)

  1. 現像剤担持体の表面の現像剤の量を規制する現像剤量規制手段を備えた非磁性一成分現像装置において、前記現像剤量規制手段の一部であって少なくとも前記現像剤と接触する領域に導電性の現像剤離型層が設けられ、該現像剤離型層の帯電極性が前記現像剤の帯電極性と摩擦帯電系列的に逆極性であることを特徴とする非磁性一成分現像装置。
  2. 請求項1記載の非磁性一成分現像装置において、前記現像剤離型層がシリコン樹脂又はアミド樹脂からなることを特徴とする非磁性一成分現像装置。
  3. 請求項1又は2記載の非磁性一成分現像装置において、前記現像剤離型層の厚みが50μm以下であることを特徴とする非磁性一成分現像装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載された非磁性一成分現像装置において使用されるトナーであって、平均円形度が0.960〜1.0、円形度の標準偏差が0.040以下であり、該トナー中に、平均一次粒径が16〜28nmであって、15nm未満の粒径を有する粒子の個数(A)と15〜30nmの粒径を有する粒子の個数(B)と30nmより大きな粒径を有する粒子の個数(C)との間にB/A>4且つB/C>4の関係が成り立つシリカを含有することを特徴とするトナー。
  5. 請求項4記載のトナーにおいて、疎水化剤で表面処理され、平均一次粒径5〜30nmのシリカが表面に固着及び/又は外添混合されていることを特徴とするトナー。
  6. 請求項4又は5記載のトナーにおいて、平均一次粒径50〜1000nmの無機微粒子が外添混合されていることを特徴とするトナー。
  7. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載されたトナーにおいて、外添剤による被覆率が5〜99%であることを特徴とするトナー。
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