以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10の構成図である。
図1に示すように、画像形成システム10は、画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)20と、MFP20に接続されてMFP20に用紙などの記録媒体91を供給する補助供給装置としてのサイドマルチトレイ(Side multi tray)50と、MFP20に接続されてMFP20によって印刷された記録媒体91の仕分け、ステープルなどの後処理を実行するフィニッシャー(Finisher)70とを備えている。
図2は、画像形成システム10のブロック図である。
図2に示すように、MFP20は、MFP20全体を制御する制御部21と、各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部22と、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部23と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部24と、記録媒体91に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター25と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー26と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部27と、LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由で外部の装置と通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部28と、MFP20内における記録媒体91の詰まりなどの記録媒体91の搬送の失敗を検知する搬送失敗センサー29とを備えている。なお、搬送失敗センサー29としては、用紙のジャムを検知する公知の任意の装置が採用されることができる。
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部22に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
記憶部22は、MFP20用のプログラムである画像形成装置用プログラム22aと、記録媒体91の不正な状態である重送の基準である基準値22bとを記憶している。基準値22bは、例えば「搬送方向における1cm以上の連続した重なり」である。
なお、画像形成装置用プログラム22aは、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から、または、ネットワーク上からMFP20に追加でインストールされても良い。
制御部21は、記憶部22に記憶されている画像形成装置用プログラム22aを実行することによって、後述の媒体状態センサー53によって不正な状態である重送が検知された場合に重送が検知された記録媒体91への印刷を中止して記録媒体91を後述の排出トレイ54に排出させる印刷中止手段21a、および、基準値22bを設定する不正基準設定手段21bとして機能する。
図1に示すように、プリンター25は、記録媒体91を収納する複数のトレイ31aを備えていて記録媒体91を供給する供給装置31と、トナーによって形成された画像であって最終的に記録媒体91に定着させられる予定のトナー画像が現像される感光体としてのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の感光体ドラム32a〜32dと、感光体ドラム32a〜32dに現像されたトナー画像が一時的に転写される中間転写体としての中間転写ベルト33と、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像を記録媒体91に転写する転写ローラー34と、記録媒体91に転写されたトナー画像を熱によって記録媒体91に定着させる定着ローラー35と、定着ローラー35に記録媒体91を押し付ける加圧ローラー36と、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像に記録媒体91の搬送のタイミングを合わせるためのレジストローラー37と、印刷された記録媒体91が排出される排出トレイ38と、複数の搬送ローラー39aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部39とを備えている。
サイドマルチトレイ50は、記録媒体91を収納する複数のトレイ51aと、トレイ51aから記録媒体91が供給されたことを検知する媒体供給センサー52と、記録媒体91の状態を検知する媒体状態センサー53と、記録媒体91が排出される媒体排出部としての排出トレイ54と、複数の搬送ローラー55aを備えていて記録媒体91を搬送する媒体搬送部55とを備えている。
媒体状態センサー53は、トナー画像が感光体ドラム32a〜32dに現像される前に、このトナー画像が定着させられる予定の記録媒体91の状態を検知する位置に配置されている。媒体状態センサー53は、記録媒体91の不正な状態として、記録媒体91の重送を検知する。媒体状態センサー53は、超音波の送信ユニットと、超音波の受信ユニットとを備えており、超音波が送信ユニットから送信されてから受信ユニットに受信されるまでに記録媒体91によって減衰された量によって、記録媒体91の重送を検知する。
媒体搬送部55は、トレイ51aに収納されている記録媒体91のMFP20側とは反対側の端を先端として記録媒体91をMFP20に搬送するようになっている。
フィニッシャー70は、MFP20によって印刷された記録媒体91が排出される排出トレイ71、72と、複数の搬送ローラー73aを備えていて記録媒体91を搬送する搬送部73とを備えている。
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
画像形成システム10のMFP20の制御部21は、例えば、コピーのためにスキャナー26によって読み取られた画像データに基づいた印刷データ、ファックス通信部27を介して受信したファックスデータに基づいた印刷データ、ネットワーク通信部28を介して受信した印刷データなどの各種の印刷データに基づいてプリンター25によって印刷を実行する。ここで、制御部21は、印刷データ内の情報に従って、プリンター25による印刷のための記録媒体91をトレイ31aからではなく、サイドマルチトレイ50内のトレイ51aから搬送することができる。
図3は、記録媒体91がサイドマルチトレイ50から供給される場合の制御部21の描画制御および搬送制御のタイミングを示す図である。
図3に示すように、MFP20の制御部21は、印刷データに基づいて時間t0において印刷を開始すると、サイドマルチトレイ50の媒体搬送部55に記録媒体91の搬送を時間t1において開始させる。ここで、媒体搬送部55は、複数のトレイ51aのうち、印刷データにおいて指示されているトレイ51aから記録媒体91を搬送する。
媒体搬送部55によってトレイ51aから記録媒体91が搬送されると、制御部21は、媒体搬送部55によって搬送されている記録媒体91を媒体供給センサー52によって検知する。この時を、時間t2とする。
媒体搬送部55によって更に記録媒体91が搬送されると、制御部21は、媒体搬送部55によって搬送されている記録媒体91を媒体状態センサー53によって検知する。この時を、時間t3とする。したがって、制御部21は、媒体搬送部55によって搬送された記録媒体91に重送が発生しているか否かの判断を媒体状態センサー53の検知結果に基づいて時間t3において開始する。この判断は、時間t4まで継続される。
制御部21は、感光体ドラム32a〜32dへのトナー画像の現像を、時間t2の所定の時間後である時間t5において開始する。そして、感光体ドラム32a〜32dに現像されたトナー画像は、時間t6において中間転写ベルト33に転写が開始される。中間転写ベルト33への転写は、時間t7において終了する。
そして、制御部21は、図示していないレジストセンサーの検知結果に基づいて記録媒体91をレジストローラー37の位置で時間t8において一旦停止させる。
その後、制御部21は、中間転写ベルト33に転写されたトナー画像にタイミングを合わせて記録媒体91をレジストローラー37によって搬送する。
記録媒体91がサイドマルチトレイ50から供給される場合に制御部21が図3に示すタイミングで描画制御および搬送制御を実行するので、制御部21は、図4に示すように動作することができる。
図4は、記録媒体91がサイドマルチトレイ50から供給される場合の制御部21の動作のフローチャートである。
図4に示すように、制御部21は、サイドマルチトレイ50の媒体搬送部55に記録媒体91の搬送を開始させる(S101)。
次いで、制御部21は、媒体搬送部55によって搬送された記録媒体91に重送が発生しているか否かを媒体状態センサー53の検知結果に基づいて判断する(S102)。ここで、制御部21は、媒体状態センサー53の検知結果が記憶部22に記憶されている基準値22bに該当する場合、記録媒体91に重送が発生していると判断する。
制御部21の印刷中止手段21aは、重送が発生しているとS102において判断すると、重送が発生していると判断した記録媒体91への印刷を中止して(S103)、この記録媒体91を媒体搬送部55によってサイドマルチトレイ50の排出トレイ54に排出させる(S104)。したがって、画像形成システム10は、MFP20内で記録媒体91が詰まるという不具合、記録媒体91にトナー画像が適切に転写されないという不具合など、重送が発生した記録媒体91がサイドマルチトレイ50からMFP20に入って発生する不具合を防止することができる。
制御部21は、S104の処理の後、図4に示す処理を終了する。そして、制御部21は、印刷を中止した印刷データに基づいて再び図4に示す処理を開始する。
制御部21は、重送が発生していないとS102において判断すると、感光体ドラム32a〜32dへのトナー画像の現像を開始する(S105)。そして、感光体ドラム32a〜32dに現像されたトナー画像は、中間転写ベルト33に一時的に転写された後、転写ローラー34によって記録媒体91に転写される。次いで、記録媒体91に転写されたトナー画像は、定着ローラー35および加圧ローラー36によって記録媒体91に定着させられる。
制御部21は、S105の処理の後、トナー画像が定着させられた記録媒体91を排出トレイ38、71または72に排出し(S106)、図4に示す処理を終了する。なお、記録媒体91が排出トレイ38、71および72の何れに排出されるかは、印刷データにおいて指定されている。
次に、基準値22bの変更について説明する。
図5は、基準値22bとして具体的な値が指示された場合の不正基準設定手段21bの動作のフローチャートである。
制御部21の不正基準設定手段21bは、操作部23を介して、または、外部の装置からネットワーク通信部28を介して、基準値22bとして具体的な値が利用者によって指示されると、図5に示す処理を実行する。
図5に示すように、不正基準設定手段21bは、利用者によって指示された基準値22bが所定の範囲内であるか否かを判断する(S121)。ここで、基準値22bの範囲が設定されている理由は、例えば、画像形成システム10を損傷する基準値22bを受け入れないようにしたり、画像形成システム10の製造業者が認めない質の悪い印刷を発生させる基準値22bを受け入れないようにしたりするためである。
不正基準設定手段21bは、利用者によって指示された基準値22bが所定の範囲内であるとS121において判断すると、利用者によって指示された基準値22bを新たな基準値22bとして記憶部22に記憶させて(S122)、図5に示す処理を終了する。
不正基準設定手段21bは、利用者によって指示された基準値22bが所定の範囲内ではないとS121において判断すると、S122の処理を実行せずに図5に示す処理を終了する。
図6は、自動的な基準値22bの変更が指示された場合の不正基準設定手段21bの動作のフローチャートである。
不正基準設定手段21bは、操作部23を介して、または、外部の装置からネットワーク通信部28を介して、自動的な基準値22bの変更が利用者によって指示されると、図6に示す処理を実行する。
図6に示すように、不正基準設定手段21bは、1頁分の印刷が開始されたと判断するまで、1頁分の印刷が開始されたか否かを判断する(S141)。
不正基準設定手段21bは、1頁分の印刷が開始されたとS141において判断すると、記録媒体91の搬送が失敗したか否かを搬送失敗センサー29の検知結果に基づいて判断する(S142)。
不正基準設定手段21bは、記録媒体91の搬送が失敗していないとS142において判断すると、1頁分の印刷が終了したか否かを判断する(S143)。
不正基準設定手段21bは、1頁分の印刷が終了していないとS143において判断すると、再びS142の処理に戻る。
不正基準設定手段21bは、1頁分の印刷が終了したとS143において判断すると、記憶部22に記憶されている基準値22bを1mm増加させる(S144)。例えば、記憶部22に記憶されている基準値22bが「搬送方向における1cm以上の連続した重なり」である場合、「搬送方向における1.1cm以上の連続した重なり」に変更する。
次いで、不正基準設定手段21bは、S144において変更した基準値22bが所定の範囲内であるか否かを判断する(S145)。ここで、基準値22bの範囲が設定されている理由は、上述したS121の処理の理由と同一である。
不正基準設定手段21bは、基準値22bが所定の範囲内であるとS145において判断すると、再びS141の処理に戻る。
不正基準設定手段21bは、記録媒体91の搬送が失敗したとS142において判断するか、基準値22bが所定の範囲内ではないとS145において判断すると、記憶部22に記憶されている基準値22bを1mm減少させて(S146)、図6に示す処理を終了する。したがって、不正基準設定手段21bは、MFP20内における記録媒体91の詰まりなどの記録媒体91の搬送の失敗が生じるか、基準値22bが所定の範囲外になるかしない限り、基準値22bを変更し続ける。
以上に説明したように、画像形成システム10は、記録媒体91の状態が不正な状態であるか否かの判断基準、すなわち、記録媒体91への印刷を中止するか否かの判断基準である基準値22bを利用者からの指示に応じて変更することができる(S122、S144、S146)。
画像形成システム10は、不正基準設定手段21bが搬送失敗センサー29による検知結果に応じて基準値22bを設定する(S144、S146)ので、記録媒体91への印刷を中止するか否かの判断基準である基準値22bを搬送失敗センサー29による検知結果に応じて自動的に変更することができる。
画像形成システム10は、媒体状態センサー53によって記録媒体91の重送が検知された場合に記録媒体91が排出される排出トレイ54をサイドマルチトレイ50が備えているので、記録媒体91の重送が発生した場合に、重送が発生した記録媒体91がサイドマルチトレイ50からMFP20に入って不具合が発生することを防止することができる。したがって、画像形成システム10は、記録媒体91の重送が発生した場合に、重送が発生した記録媒体91がサイドマルチトレイ50からMFP20に入って不具合が発生するような構成と比較して、不具合の解消のための時間が不要となる。すなわち、画像形成システム10は、記録媒体91の重送が発生した場合に印刷に必要な時間を短縮することができる。
なお、画像形成システム10は、本実施の形態において、媒体状態センサー53によって記録媒体91の重送が検知された場合に記録媒体91が排出される媒体排出部がサイドマルチトレイ50の排出トレイ54であるが、MFP20の排出トレイ38、フィニッシャー70の排出トレイ71または排出トレイ72であっても良い。
画像形成システム10は、トナー画像が感光体ドラム32a〜32dに現像される前に、このトナー画像が定着させられる予定の記録媒体91の重送を検知する位置に媒体状態センサー53が配置されているので、記録媒体91の重送が発生した場合に、重送が発生した記録媒体91に定着させられる予定であったトナー画像が感光体ドラム32a〜32dに現像されることを防止することができる。したがって、画像形成システム10は、記録媒体91の重送が発生した場合に、図示していないクリーニング機構による感光体ドラム32a〜32dのクリーニング処理のための時間が不要となる。すなわち、画像形成システム10は、記録媒体91の重送が発生した場合に印刷に必要な時間を短縮することができる。
画像形成システム10は、トナー画像が感光体ドラム32a〜32dに現像される前に、このトナー画像が定着させられる予定の記録媒体91の重送を検知する位置に媒体状態センサー53が配置されているので、記録媒体91の重送が発生した場合に、感光体ドラム32a〜32dに現像される予定であったトナー画像の分の不必要なトナーの消費を防止することができる。
なお、画像形成システム10は、トナー画像が中間転写ベルト33に転写される前に、このトナー画像が定着させられる予定の記録媒体91の重送を検知する位置に媒体状態センサー53が配置されていれば、図7に示すように、トナー画像が感光体ドラム32a〜32dに現像され始めた後に、このトナー画像が定着させられる予定の記録媒体91の重送を検知する位置に媒体状態センサー53が配置されていても良い。
画像形成システム10は、トナー画像が中間転写ベルト33に転写される前に、このトナー画像が定着させられる予定の記録媒体91の重送を検知する位置に媒体状態センサー53が配置されている場合、記録媒体91の重送が発生したときに、重送が発生した記録媒体91に定着させられる予定であったトナー画像が中間転写ベルト33に転写されることを防止することができる。したがって、画像形成システム10は、記録媒体91の重送が発生した場合に、図示していないクリーニング機構による中間転写ベルト33のクリーニング処理のための時間が不要となる。すなわち、画像形成システム10は、記録媒体91の重送が発生した場合に印刷に必要な時間を短縮することができる。なお、画像形成システム10は、記録媒体91の重送が発生した場合に、既にトナー画像が感光体ドラム32a〜32dに現像されているとき、図示していないクリーニング機構による感光体ドラム32a〜32dのクリーニング処理のみを実行すれば良い。
画像形成システム10は、図1に示すようにサイドマルチトレイ50のトレイ51aに収納されている記録媒体91のMFP20側とは反対側の端を先端として記録媒体91をMFP20に搬送するようになっているので、図8に示すようにサイドマルチトレイ50のトレイ51aに収納されている記録媒体91のMFP20側の端を先端として記録媒体91をサイドマルチトレイ50からMFP20に搬送する構成と比較して、サイドマルチトレイ50のトレイ51aに収納されている記録媒体91がMFP20に入るまでの距離が長い。したがって、画像形成システム10は、媒体状態センサー53の配置の自由度を向上することができる。
なお、画像形成システム10は、図8に示すようにサイドマルチトレイ50のトレイ51aに収納されている記録媒体91のMFP20側の端を先端として記録媒体91をサイドマルチトレイ50からMFP20に搬送するようになっていても良い。
画像形成システム10は、利用者からの指示に応じて印刷中止手段21aの実行の有無が決定されても良い。すなわち、画像形成システム10は、媒体状態センサー53の検知結果に基づいた印刷の中止の処理を実行するか否かを利用者に選択させることができる。例えば、画像形成システム10は、利用者からの指示に応じて、媒体状態センサー53による検知を実行しないことによって、印刷中止手段21aの実行を止めることができる。また、画像形成システム10は、利用者からの指示に応じて、S101の処理の後、S102の処理を実行せずにS105の処理を実行することによって、印刷中止手段21aの実行を止めることができる。なお、利用者からの指示は、操作部23を介して、または、外部の装置からネットワーク通信部28を介して入力される。
画像形成システム10は、互いに異なる位置に配置された複数の媒体状態センサー53を備えていても良い。例えば、画像形成システム10は、図9に示すように、上述した媒体状態センサー53の他に、各トレイ51aの近傍に配置された媒体状態センサー53を備えていても良い。また、画像形成システム10は、図10に示すように、上述した媒体状態センサー53の他に、MFP20内においてレジストローラー37の近傍に配置された媒体状態センサー53と、MFP20内において各トレイ31aの近傍に配置された媒体状態センサー53とを備えていても良い。そして、印刷中止手段21aは、複数の媒体状態センサー53のうち利用者によって選択された媒体状態センサー53の検知結果に基づいて動作しても良い。すなわち、画像形成システム10は、複数の媒体状態センサー53のうち利用者によって選択された媒体状態センサー53の検知結果に基づいた印刷の中止の処理を実行することができる。なお、利用者による媒体状態センサー53の選択は、操作部23を介して、または、外部の装置からネットワーク通信部28を介して入力される。
なお、重送の検知方法としては、本実施の形態において超音波による方法が採用されているが、超音波による方法以外の公知の任意の方法が採用されることができる。
媒体状態センサー53は、本実施の形態において記録媒体91の不正な状態として記録媒体91の重送を検知するようになっているが、重送以外の不正な状態を検知するようになっていても良い。
例えば、媒体状態センサー53は、記録媒体91の厚みを記録媒体91の不正な状態として検知するようになっていても良い。記録媒体91の厚みを記録媒体91の不正な状態として媒体状態センサー53が検知する場合、画像形成システム10は、厚い記録媒体91の詰まりなどの不具合がMFP20内で発生することを防止することができるので、記録媒体91の重送を記録媒体91の不正な状態として検知する場合と同様に、印刷に必要な時間を短縮することができる。また、画像形成システム10は、記録媒体91が厚いために不十分な印刷が実行されるという質の悪い印刷の発生を防止することができる。画像形成システム10は、基準値22bを利用者からの指示に応じて変更することによって、厚い記録媒体91に印刷を実行することもできる。なお、記録媒体91の厚みを検知する媒体状態センサー53としては、接触式の紙厚センサー、非接触式の紙厚センサーなど、公知の任意の紙厚センサーが採用されることが可能である。
また、媒体状態センサー53は、記録媒体91の白色度を記録媒体91の不正な状態として検知するようになっていても良い。記録媒体91の白色度を記録媒体91の不正な状態として媒体状態センサー53が検知する場合、画像形成システム10は、白色度が低い記録媒体91に印刷されるという質の悪い印刷の発生を防止することができる。画像形成システム10は、基準値22bを利用者からの指示に応じて変更することによって、白色度が低い記録媒体91に印刷を実行することもできる。なお、記録媒体91の白色度を検知する方法としては、例えば、記録媒体91の表面に光を照射するとともに、記録媒体91の表面に照射された光のうち記録媒体91の表面によって反射された光を検知することによって、記録媒体91の白色度を検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることができる。
また、媒体状態センサー53は、記録媒体91の平滑度を記録媒体91の不正な状態として検知するようになっていても良い。記録媒体91の平滑度を記録媒体91の不正な状態として媒体状態センサー53が検知する場合、画像形成システム10は、平滑度が低い記録媒体91の詰まりなどの不具合がMFP20内で発生することを防止することができるので、記録媒体91の重送を記録媒体91の不正な状態として検知する場合と同様に、印刷に必要な時間を短縮することができる。画像形成システム10は、基準値22bを利用者からの指示に応じて変更することによって、平滑度が低い記録媒体91に印刷を実行することもできる。なお、記録媒体91の平滑度を検知する方法としては、例えば、記録媒体91の表面に光を照射するとともに、記録媒体91の表面に照射された光のうち記録媒体91の表面によって反射された光を検知することによって、記録媒体91の表面の凹凸を検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることができる。
また、媒体状態センサー53は、記録媒体91を斜めに搬送していることを記録媒体91の不正な状態として検知するようになっていても良い。記録媒体91を斜めに搬送していることを記録媒体91の不正な状態として媒体状態センサー53が検知する場合、画像形成システム10は、斜めに搬送されている記録媒体91の詰まりなどの不具合がMFP20内で発生することを防止することができるので、記録媒体91の重送を記録媒体91の不正な状態として検知する場合と同様に、印刷に必要な時間を短縮することができる。画像形成システム10は、基準値22bを利用者からの指示に応じて変更することによって、斜めに搬送されている記録媒体91に印刷を実行することもできる。なお、記録媒体91を斜めに搬送していることを検知する方法としては、例えば、記録媒体91の搬送路上において記録媒体91の搬送方向に直交する方向に離れて配置された2つの光センサーによって記録媒体91の傾きを検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることができる。
また、媒体状態センサー53は、搬送されている記録媒体91のサイズが利用者によって指定されているサイズと異なることを記録媒体91の不正な状態として検知するようになっていても良い。搬送されている記録媒体91のサイズが利用者によって指定されているサイズと異なることを記録媒体91の不正な状態として媒体状態センサー53が検知する場合、画像形成システム10は、利用者によって指定されているサイズと異なるサイズである記録媒体91の詰まりなどの不具合がMFP20内で発生することを防止することができるので、記録媒体91の重送を記録媒体91の不正な状態として検知する場合と同様に、印刷に必要な時間を短縮することができる。また、搬送されている記録媒体91のサイズが利用者によって指定されているサイズと異なることを記録媒体91の不正な状態として媒体状態センサー53が検知する場合、画像形成システム10は、利用者によって指定されているサイズより小さいサイズの記録媒体91への印刷によってMFP20内がトナーによって汚染されることを防止することができる。画像形成システム10は、基準値22bを利用者からの指示に応じて変更することによって、利用者によって指定されているサイズと異なるサイズである記録媒体91に印刷を実行することもできる。なお、搬送されている記録媒体91のサイズを検知する方法としては、例えば、記録媒体91の搬送路上において記録媒体91の搬送方向に直交する方向に配置された複数の光センサーによって記録媒体91の横幅を検知する方法、記録媒体91の搬送路上に配置された光センサーによって光センサー上を通過する記録媒体91の通過時間を検知することによって記録媒体91の縦幅を検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることができる。
また、媒体状態センサー53は、記録媒体91の搬送が遅れていることを記録媒体91の不正な状態として検知するようになっていても良い。記録媒体91の搬送が遅れていることを記録媒体91の不正な状態として媒体状態センサー53が検知する場合、画像形成システム10は、記録媒体91の重送を記録媒体91の不正な状態として検知する場合と同様に、中間転写ベルト33のクリーニング処理のための時間が不要となるので、印刷に必要な時間を短縮することができる。画像形成システム10は、基準値22bを利用者からの指示に応じて変更することによって、搬送が遅れている記録媒体91に印刷を実行することもできる。なお、記録媒体91の搬送が遅れていることを検知する方法としては、例えば、記録媒体91の搬送路上に配置された光センサーによって記録媒体91が光センサー上に到達したタイミングを検知する方法など、公知の任意の方法が採用されることができる。
本発明の画像形成システムは、本実施の形態においてMFPだけでなく、サイドマルチトレイおよびフィニッシャーも含んでいるが、MFPだけであっても良い。
本発明の画像形成システムは、本実施の形態においてMFPを備えているが、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置を備えていても良い。