JP5678435B2 - 摩擦材用フェノール樹脂組成物および摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物 - Google Patents
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Description
ブレーキなどの摩擦材の製造プロセスとしては、前記熱硬化性フェノール樹脂組成物をバインダーとして用い、これに、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維などの繊維状無機充填材基材、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの粉末状無機充填材基材、及び、カシューダスト等を混合したものを熱圧プレス装置により加熱加圧成形して成形体を得る方法が挙げられる。
以前から摩擦材用樹脂に求められている特性は耐熱性、耐摩耗性、高摩擦係数、低鳴き、低吸湿性、高振動吸収性等が挙げられる。このような要求特性を満足させるために様々な摩擦材用フェノール樹脂組成物に関する技術が公開されている。
一般的な樹脂の難燃化の手法としては、リン含有物質や窒素含有物質を添加する方法などが挙げられる(例えば特許文献1、特許文献2参照)。このうち、窒素含有物質は塩基性物質であるものが多く、摩擦材としたときにローターに対して錆の発生を抑制できるという利点がある。しかし、窒素含有物質のみで十分な難燃化効果を得るためには、多量に添加を行う必要があり、摩擦材とした時に機械的強度が低下するという問題点があった。
また、摩擦材組成物の難燃化向上の手法として、可燃性ガスを発する有機成分の使用量削減も考えられる。しかし、バインダーであるフェノール樹脂の使用量を削減することで難燃化効果を得たとしても、バインダー量が削減されたことで、摩擦材とした時の機械的強度が低下するという問題がある。
[1]摩擦材用フェノール樹脂組成物に、ヘキサメチレンテトラミンを含んでなる摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物であり、前記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、樹脂軟化点が70〜130℃であるノボラック型フェノール樹脂(a)と、メラミン、メラミンシアヌレート、グアナミン、アジポグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、サクシノグアナミン、メラム、及び、メレムからなる群より選ばれる1種以上にアルデヒド類を反応させてなるトリアジン化合物(b)または芳香族アミンにアルデヒド類を反応させてなる芳香族アミン化合物(c)とを含む樹脂組成物であり、かつ、窒素含有量が上記樹脂組成物全体の4〜30重量%であり、トリアジン化合物(b)が、フェノール類で変性された化合物を含むものであることを特徴とする摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。
[2]摩擦材用フェノール樹脂組成物に、ヘキサメチレンテトラミンを含んでなる摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物であり、前記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、樹脂軟化点が70〜130℃であるノボラック型フェノール樹脂(a)と、メラミン、メラミンシアヌレート、グアナミン、アジポグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、サクシノグアナミン、メラム、及び、メレムからなる群より選ばれる1種以上にアルデヒド類を反応させてなるトリアジン化合物(b)と、芳香族アミンにアルデヒド類を反応させてなる芳香族アミン化合物(c)とを含む樹脂組成物であり、かつ、窒素含有量が上記樹脂組成物全体の4〜30重量%であり、トリアジン化合物(b)が、フェノール類で変性された化合物を含むものであることを特徴とする摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。
[3]上記トリアジン化合物(b)が、メチロール基、メチロールエーテル基、ジメチレンエーテル基から選ばれる基を含むものである、上記[1]又は[2]に記載の摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。
[4]上記芳香族アミン化合物(c)が、フェノール類で変性された化合物を含むものである、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。
[5]上記摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物の粒度は、メディアン径が1〜22μmである、上記[4]に記載の摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。
本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物は、樹脂軟化点が70〜130℃であるノボラック型フェノール樹脂(a)と、メラミン、メラミンシアヌレート、グアナミン、アジポグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、サクシノグアナミン、メラム、及び、メレムからなる群より選ばれる1種以上にアルデヒド類を反応させてなるトリアジン化合物(b)または芳香族アミンにアルデヒド類を反応させてなる芳香族アミン化合物(c)とを含む樹脂組成物であり、かつ、窒素含有量が上記樹脂組成物全体の4〜30重量%であることを特徴とする。
また、本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物は、樹脂軟化点が70〜130℃であるノボラック型フェノール樹脂(a)と、メラミン、メラミンシアヌレート、グアナミン、アジポグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、サクシノグアナミン、メラム、及び、メレムからなる群より選ばれる1種以上にアルデヒド類を反応させてなるトリアジン化合物(b)と、芳香族アミンにアルデヒド類を反応させてなる芳香族アミン化合物(c)とを含む樹脂組成物であり、かつ、窒素含有量が上記樹脂組成物全体の4〜30重量%であることを特徴とする。
また、本発明の摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物は、上記本発明の摩擦材用フェノール樹脂組成物に、ヘキサメチレンテトラミンを含んでなることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物に用いるノボラック型フェノール樹脂(a)としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを含む原材料を酸性触媒の存在下で反応させてなるもので、樹脂軟化点が70〜130℃であり、好ましくは80〜125℃である。
これにより、本発明の樹脂組成物を摩擦材に用いた場合に、良好な機械的強度を得る事ができる。
ノボラック型フェノール樹脂(a)の軟化点を上記下限値以上とすることにより、樹脂組成物のブロッキングを防ぎ、摩擦材に用いた場合に樹脂の偏在を防止し、良好な機械的強度を確保することができる。また、上記上限値以下とすることにより、摩擦材成形時の流動性を確保し、高い機械的強度を発現させることができる。
好ましくは、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレンである。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することもできる。
具体的には、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物、メラミンシアヌレート・ホルムアルデヒド重縮合物などが挙げられる。
これにより、難燃成分である窒素成分を摩擦材において有効に樹脂骨格に導入することが可能となり、摩擦材の高負荷時におけるトリアジン化合物(b)の分解を分散化することができるため、難燃性向上効果を高めることができる。
なお、メチロール基、メチロールエーテル基、ジメチレンエーテル基はそれぞれ単独で存在しても、これら複数の官能基が同時に含まれていてもかまわない。
このようなトリアジン化合物(b)は、例えば、酸や塩基触媒による縮合反応によって得ることができる。また、メラミン、メラミンシアヌレート、グアナミン、アジポグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、サクシノグアナミン、メラム、及び、メレムからなる群(T)とアルデヒド類(F)とを反応させる際の反応モル比[F/T]としては特に限定されないが、1.2〜4.0とすることが好ましい。特に好ましくは1.2〜3.0である。反応モル比を上記範囲にすることにより、反応中に樹脂がゲル化することなく、メチロール基、メチロールエーテル基、ジメチレンエーテル基から選ばれる基を有するトリアジン化合物(b)を効率的に得ることができる。また、このようにして調製
された市販品を用いることもできる。
具体的には、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物として、メチロール化メラミン、メチロールエーテル化メラミン、ジメチレンエーテル化メラミンなどが挙げられる。
このようなフェノール類で変性されたトリアジン化合物(b)は、例えば、上記原料のほか、フェノール類を用いて、酸や塩基触媒による縮合反応によって得ることができ、また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
具体的には、フェノール変性メラミン・ホルムアルデヒド縮合物(メラミン変性フェノール樹脂)などが挙げられる。
芳香族アミン化合物(c)は、上記トリアジン化合物(b)よりも、通常、難燃成分である窒素成分の分解温度が高いため、より高い温度域での難燃性を付与し、難燃性向上効果を高めることができる。また、ラジカルトラップ剤としての効果も期待できる。
好ましくは、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレンである。これらを単独または2種類以上組み合わせて使用することもできる。
具体的には、アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物、フェニレンジアミン・ホルムアルデヒド重縮合物などが挙げられる。
このようなフェノール類で変性された芳香族アミン化合物(c)は、例えば、上記原料のほか、フェノール類を用いて、酸や塩基触媒による縮合反応で得ることができ、また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
具体的には、フェノール変性アニリン・ホルムアルデヒド縮合物(アニリン変性フェノール樹脂)などが挙げられる。
これにより、本発明の樹脂組成物を摩擦材に用いた場合に、充分な難燃性向上効果と、高い機械的強度を発現させることができる。
窒素による難燃化機構としては、窒素自身が炭素に比べ燃焼性が低いこと、窒素含有不活性ガスが発生し可燃性ガス・酸素の希釈、酸素遮断効果による消火作用が起こること、窒素含有不活性ガスによる活性OHラジカルの捕捉が起こることなどによるものと考えられている。
本発明の樹脂組成物中の窒素含有量は4〜30重量%であり、好ましくは5〜25重量%である。
上記窒素含有量が下限値未満である場合には、難燃性向上の効果が十分に得られない事がある。また上記窒素含有量が上限値よりも高い場合、実質的なバインダー成分量が減少するため、摩擦材としたときに機械的強度が低下する事がある。
中でも、トリアジン化合物(b)を用いる場合、トリアジン化合物(b)由来の窒素含有量は、3〜29重量%であることが好ましく、さらに好ましくは4〜24重量%である。
また、芳香族アミン化合物(c)を用いる場合、芳香族アミン化合物(c)由来の窒素含有量は、0.1〜15重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。
このように、(b)、(c)各成分由来の窒素含有量を上記範囲とすることにより、特
に、充分な難燃性向上効果と、高い機械的強度の効果を発現させることができる。
なお、本発明において、上記(b)成分、上記(c)成分の窒素含有量は、それぞれ、元素分析装置(住化分析センター社製・スミグラフ)などを用いた元素分析により測定することができる。
本発明の樹脂組成物は、(b)成分または(c)成分のいずれかを含有することにより、摩擦材に用いた場合に高度な難燃性を付与することができる。そして、好ましくは(b)成分と(c)成分との両方を含有することにより、より高度な難燃性を付与することができる。
具体的には、低温域での難燃性向上はトリアジン化合物(b)が高い効果を発揮し、高温域での難燃性向上は芳香族アミン化合物(c)が高い効果を発揮する。また、(b)、(c)成分の分解により生じた窒素含有不活性ガスが可燃性ガスを希釈、酸素を希釈・遮断することによる消火作用が起こること、窒素含有不活性ガスによる活性OHラジカルの捕捉も起こり、これによりさらに難燃効果を高めることができる。この構造の異なる両者を組み合わせることで、各々単独で配合した場合と比較して、低温域から高温域までより広い温度域において高い難燃性を発現させることができ、本発明の樹脂組成物を摩擦材に用いた場合に優れた難燃性・耐発火性を付与することができる。
本発明の摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物(以下、単に「熱硬化性樹脂組成物」ということがある)は、上記本発明の樹脂組成物に、ヘキサメチレンテトラミンを含んでなることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物より熱硬化性樹脂組成物を得る方法を説明する。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記方法により得られた樹脂組成物に、ヘキサメチレンテトラミンと、必要に応じて硬化促進剤を添加混合することにより得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を調製する方法としては、例えば、本発明の樹脂組成物とヘキサメチレンテトラミンとを溶融混合する方法、樹脂組成物とヘキサメチレンテトラミンとを溶融混合した後に粉砕する方法、樹脂組成物とヘキサメチレンテトラミンとを各々粉砕したものを乾式混合する方法、あるいは、樹脂組成物とヘキサメチレンテトラミンとを同時に粉砕して混合する方法、などにより調製することができる。
ヘキサメチレンテトラミンの配合量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物を充分に硬化させることができ、摩擦材の寸法精度を向上させることができる。また、上記上限値以下とすることにより、ヘキサメチレンテトラミンの分解によるガスの発生を抑制し、摩擦材成形品に膨れ、亀裂などが発生するのを防止することができる。
これにより、熱硬化性樹脂組成物を摩擦材に用いた場合に、摩擦材配合物間に熱硬化性樹脂組成物が高精度に分散し、熱硬化性樹脂組成物と被接着物との接触面積が増加する。また、熱硬化性樹脂組成物の単位重量あたりの表面積が大きくなることで効率的に硬化し、摩擦材に高度な機械的強度を付与することができる。そのため、従来の摩擦材に用いられている樹脂組成物、例えば、メディアン径が25〜40μmのものと比較し、フェノール樹脂の含有量を10〜30重量%削減しても、同等の機械的強度を有することができ、耐発火性向上にも寄与することができる。
フェノール1000部、37%ホルマリン570部、蓚酸10部の混合物を、100℃で3時間反応後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が220℃になるまで減圧蒸留で脱水、脱モノマーし、ノボラック型フェノール樹脂A905部を得た。ノボラック型フェノール樹脂Aの軟化点は88℃であった。
フェノール1000部、37%ホルマリン700部、蓚酸10部の混合物を、100℃で3時間反応後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が220℃になるまで減圧蒸留で脱水、脱モノマーし、ノボラック型フェノール樹脂B925部を得た。ノボラック型フェノール樹脂Bの軟化点は122℃であった。
フェノール1000部、37%ホルマリン790部、蓚酸10部の混合物を、100℃で3時間反応後、ブタノールを200部添加し、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が230℃になるまで減圧蒸留で脱水、脱モノマーし、ノボラック型フェノール樹脂C1015部を得た。ノボラック型フェノール樹脂Cの軟化点は135℃であった。
フェノール2000部、37%ホルマリン900部、蓚酸30部の混合物を、100℃で3時間反応後、反応混合物の温度が130℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が200℃になるまで減圧蒸留で脱水、脱モノマーし、ノボラック型フェノール樹脂D1000部を得た。ノボラック型フェノール樹脂Dの軟化点は67℃であった。
メラミン1000部、37%ホルマリン1400部、グアニジン3部、水200部の混合物を90℃で3時間反応後、0.9kPaまで徐々に減圧しながら、2時間反応させた後、脱水、脱モノマーし、窒素含有量が56%のメラミン・ホルムアルデヒド重縮合物(メチロール化メラミン)1200部を得た。
フェノール800部、メラミン200部、37%ホルマリン600部の混合物を100℃で4時間反応後、反応混合物の温度が120℃になるまで常温蒸留で脱水し、2時間反応させた。更に、反応混合物の温度が180℃になるまで常温蒸留で脱水し、2時間反応させ、0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、脱水、脱モノマーし、窒素含有量が13%のメラミン変性フェノール樹脂900部を得た。
アニリン1000部、37%ホルマリン880部、蓚酸10部の混合物を、100℃で3時間反応後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常圧蒸留で脱水し、更に、0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が200℃になるまで減圧蒸留を行い、脱水、脱モノマーし、窒素含有量が13%のアニリン・ホルムアルデヒド重縮合物1040部を得た。
フェノール500部、アニリン500部、37%ホルマリン860部、蓚酸10部の混合物を100℃で3時間反応後、反応混合物の温度が140℃になるまで、常温蒸留で脱水し、更に0.9kPaまで、徐々に減圧しながら、反応混合物の温度が160℃になるまで減圧蒸留を行い、脱水、脱モノマーし、窒素含有量が7%のアニリン変性フェノール樹脂1200部を得た。
ノボラック型フェノール樹脂B、メラミン変性フェノール樹脂(窒素含有量13%)、アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量13%)を表1に示す割合で配合した。
ヘキサメチレンテトラミンは、これらの成分の総和に対して12%配合し、小型粉砕機で粉砕混合を行い、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物(1)を得た。
ノボラック型フェノール樹脂A、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量56%)、アニリン変性フェノール樹脂(窒素含有量7%)を表1に示す割合で配合した。
これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物(2)を得た。
ノボラック型フェノール樹脂B、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量56%)、アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量13%)、アニリン変性フェノール樹脂(窒素含有量7%)を表1に示す割合で配合した。
これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物(3)を得た。
ノボラック型フェノール樹脂A、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量56%)、アニリン変性フェノール樹脂(窒素含有量7%)を表1に示す割合で配合した。
これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物(4)を得た。
ノボラック型フェノール樹脂A、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量56%)を表1に示す割合で配合し、これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物(5)を得た。
ノボラック型フェノール樹脂B、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量56%)、メラミン変性フェノール樹脂(窒素含有量13%)を表1に示す割合で配合した。
これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物(6)を得た。
ノボラック型フェノール樹脂B、アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量13%)、アニリン変性フェノール樹脂(窒素含有量7%)を表1に示す割合で配合した。
これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物(7)を得た。
実施例(1)で作製した熱硬化性樹脂組成物(1)をさらに粉砕し、メディアン径が5μmの熱硬化性樹脂組成物(8)を得た。
実施例(2)で作製した熱硬化性樹脂組成物(2)をさらに粉砕し、メディアン径が8μmの熱硬化性樹脂組成物(9)を得た。
実施例(3)で作製した熱硬化性樹脂組成物(3)をさらに粉砕し、メディアン径が12μmの熱硬化性樹脂組成物(10)を得た。
実施例(4)で作製した熱硬化性樹脂組成物(4)をさらに粉砕し、メディアン径が18μmの熱硬化性樹脂組成物(11)を得た。
実施例(5)で作製した熱硬化性樹脂組成物(5)をさらに粉砕し、メディアン径が15μmの熱硬化性樹脂組成物(12)を得た。
実施例(6)で作製した熱硬化性樹脂組成物(6)をさらに粉砕し、メディアン径が6μmの熱硬化性樹脂組成物(13)を得た。
実施例(7)で作製した熱硬化性樹脂組成物(7)をさらに粉砕し、メディアン径が10μmの熱硬化性樹脂組成物(14)を得た。
ノボラック型フェノール樹脂D、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量56%)、アニリン変性フェノール樹脂(窒素含有量7%)を表1に示す割合で配合し、これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物を得た。
ノボラック型フェノール樹脂C、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量56%)、アニリン変性フェノール樹脂(窒素含有量7%)を表1に示す割合で配合し、これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物を得た。
ノボラック型フェノール樹脂A、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量56%)、アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量13%)を表1に示す割合で配合し、これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物を得た。
ノボラック型フェノール樹脂B、メラミン変性フェノール樹脂(窒素含有量13%)、アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物(窒素含有量13%)を表1に示す割合で配合し、これ以降は実施例1と同様の方法でヘキサメチレンテトラミンを混合し、メディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物を得た。
ノボラック型フェノール樹脂Bにヘキサメチレンテトラミンをノボラック型フェノール樹脂B100部に対して12部配合し、小型粉砕機で粉砕混合を行い、メディアン径30μmのメディアン径30μmの熱硬化性樹脂組成物を得た。
(1)メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物、メラミン変性フェノール樹脂、アニリン・ホルムアルデヒド重縮合物、アニリン変性フェノール樹脂の窒素含有量は、元素分析装置(住化分析センター社製・スミグラフ)を用いた元素分析により測定した。また、樹脂組成物中の窒素含有量は、各実施例、比較例において用いた(b)成分、(c)成分由来の窒素含有量の和により算出した。
(2)上記実施例1〜7及び比較例1〜5で得られた熱硬化性樹脂組成物の評価を下記の要領で行った。樹脂組成物より得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、ブレーキ材を作成し、評価を行った。硫酸バリウム400部、炭酸カルシウム400部、カシューダスト50部、アラミド繊維50部と、実施例1〜7及び比較例1〜5で得られた粉末状の熱硬化
性樹脂組成物100部とを乾式で混合して配合物を得た。得られた配合物を温度150℃、圧力400kg/cm2で5分間成形し、100mm×100mmの成形品を得た。得られた成形品をさらに200℃で5時間焼成してブレーキ材を作製した。
上記実施例8〜14で得られた熱硬化性樹脂組成物の評価を下記の要領で行った。樹脂組成物より得られた熱硬化性樹脂組成物を用いて、ブレーキ材を作成し、評価を行った。硫酸バリウム400部、炭酸カルシウム400部、カシューダスト50部、アラミド繊維50部と、実施例8〜14で得られた粉末状の熱硬化性樹脂組成物を100部を基準として表4に示す使用量削減率分を削減した量を用いて乾式で混合して配合物を得た。得られた配合物を温度150℃で5分間成形し、100mm×100mmの成形品を得た。得られた成形品をさらに200℃で5時間焼成してブレーキ材を作製した。
(1)曲げ強度
得られたブレーキ材をJIS K 7171「プラスチック−曲げ特性の求め方」に準拠して測定した。常温で常態強度を測定し、また350℃で4時間加熱処理を行ったサンプルについて、熱処理後強度を測定した。
(2)難燃性
得られたブレーキ材を一辺10mmの立方体にダイアモンドカッターで切り出し、得られた試験片をあらかじめ600℃に加熱した乾燥炉中に投入し、投入後から発火に至るまでの時間を測定した。
一方で軟化点の低いフェノール樹脂を使用した比較例1では、樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物がブロッキングを起こし、成形体を得る事ができなかった。また、軟化点の高いフェノール樹脂を使用した比較例2では、樹脂の流動性不足のため、成形体を得る事ができなかった。
また、窒素の含有量が所定範囲よりも多い比較例3では難燃性向上効果は確認できたが
、常態強度、熱処理後強度が大きく低下した。逆に窒素の含有量が所定範囲よりも少ない比較例4では、難燃性が低下した。
これらの結果より、本発明によって得られる樹脂組成物および熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、成形体の強度を維持したまま難燃性が大きく向上し、摩擦材用フェノール樹脂組成物、および摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物として優れた物である事がわかった。
これらの結果より、メディアン径が好ましい範囲の熱硬化性樹脂組成物を用いた場合は、その使用量を削減しても成形体の強度を維持したまま難燃性が向上し、摩擦材用フェノール樹脂組成物、および摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物として優れた物である事がわかった。
Claims (5)
- 摩擦材用フェノール樹脂組成物に、ヘキサメチレンテトラミンを含んでなる摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物であり、
前記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、樹脂軟化点が70〜130℃であるノボラック型フェノール樹脂(a)と、メラミン、メラミンシアヌレート、グアナミン、アジポグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、サクシノグアナミン、メラム、及び、メレムからなる群より選ばれる1種以上にアルデヒド類を反応させてなるトリアジン化合物(b)または芳香族アミンにアルデヒド類を反応させてなる芳香族アミン化合物(c)とを含む樹脂組成物であり、かつ、窒素含有量が前記樹脂組成物全体の4〜30重量%であり、
トリアジン化合物(b)が、フェノール類で変性された化合物を含むものであることを特徴とする摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。 - 摩擦材用フェノール樹脂組成物に、ヘキサメチレンテトラミンを含んでなる摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物であり、
前記摩擦材用フェノール樹脂組成物は、樹脂軟化点が70〜130℃であるノボラック型フェノール樹脂(a)と、メラミン、メラミンシアヌレート、グアナミン、アジポグアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、サクシノグアナミン、メラム、及び、メレムからなる群より選ばれる1種以上にアルデヒド類を反応させてなるトリアジン化合物(b)と、芳香族アミンにアルデヒド類を反応させてなる芳香族アミン化合物(c)とを含む樹脂組成物であり、かつ、窒素含有量が前記樹脂組成物全体の4〜30重量%であり、
トリアジン化合物(b)が、フェノール類で変性された化合物を含むものであることを特徴とする摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。 - 前記トリアジン化合物(b)が、メチロール基、メチロールエーテル基、ジメチレンエーテル基から選ばれる基を含むものである、請求項1又は2に記載の摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。
- 前記芳香族アミン化合物(c)が、フェノール類で変性された化合物を含むものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。
- 前記摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物の粒度は、メディアン径が1〜22μmである、請求項4に記載の摩擦材用熱硬化性フェノール樹脂組成物。
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