JP5676174B2 - 積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステルフィルム上に易接着層を介してハードコート層が積層された積層フィルムに関し、詳しくは干渉縞が低減された積層フィルムに関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置、あるいはタッチパネルにおける画像表示面は、傷がつかないように耐擦傷性を付与することが要求されている。これに対して、基材フィルムにハードコート層を設けたハードコートフィルムや、更にハードコート層上に反射防止層や防眩層等の光学機能層を設けた光学フィルムを利用することにより、画像表示面の耐擦傷性を向上させることが一般になされている。
上記のハードコートフィルムや光学フィルムのような積層フィルムに用いられる基材フィルムとして、ポリエステルフィルムやトリアセチルセルロースフィルムが一般的に知られている。ポリエステルフィルムはトリアセチルセルロースフィルムに比べて機械的特性、寸法安定性、耐熱性等に優れているが、その反面ハードコート層との接着性に劣るという欠点がある。そのため、ハードコートフィルムや光学フィルムに用いられるポリエステルフィルムには、ハードコート層との接着性を向上させるための易接着層が通常設けられている。
上記したハードコート層は、通常、紫外線硬化性のアクリル樹脂が一般的に用いられており、その屈折率は、通常1.49〜1.53程度である。基材フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた場合、ポリエステルフィルムの屈折率(通常1.62〜1.68程度)とアクリル樹脂からなるハードコート層の屈折率(1.49〜1.53程度)との差が大きいことが、干渉縞を発生させる1つの要因となっていた。
そこで、ポリエステルフィルムとハードコート層との間に、ポリエステルフィルムの屈折率とハードコート層の屈折率との中間の屈折率を有する干渉層やプライマー層(易接着層)を設けることによって干渉縞を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1、2)。
また一方、ポリエステルフィルムに設けられる易接着層として、相分離を利用した易接着層(積層膜、塗布層)が提案されている(特許文献3、4)。この相分離構造の易接着層は、1回の塗布により、高屈折率樹脂層/混在相領域/低屈折率樹脂層を形成するというものである。具体的には、高屈折率樹脂としてのポリエステル樹脂と低屈折率樹脂としてのアクリル樹脂をそれぞれ含む1つの塗布液を1回塗布することによって、「ポリエステル樹脂を主成分とする層」/「ポリエステル樹脂とアクリル樹脂の混在相領域」/「アクリル樹脂を主成分とする層」を形成するというものである。
特開2003−177209号公報 特開2003−291236号公報 特開平9−226079号公報 特開2004−107627号公報
上記特許文献1、2に開示されている技術、即ち、ポリエステルフィルムの屈折率とハードコート層の屈折率との中間の屈折率を有する易接着層を設ける技術では、干渉縞を十分に抑制することはできなかった。
上記特許文献1には、透明樹脂フィルムとハードコート層との間に、両者の中間の屈折率を有する第1干渉層設けることによって干渉縞を抑制することが記載されているが、透明樹脂フィルムと第1干渉層との屈折率差の絶対値、及び第1干渉層とハードコート層との屈折率差の絶対値をそれぞれ0.03以下にするという技術思想及び具体的構成は記載されてない。
上記特許文献2には、プライマー層とハードコート層との屈折率差の絶対値を0.05以下にすることによって干渉縞を抑制することが記載されているが、基材フィルムとプライマー層との屈折率差の絶対値を0.03以下にするという技術思想及び具体的構成は記載されていない。
また、特許文献1、2のように、樹脂フィルムとハードコート層との間に単一層の干渉層あるいはプライマー層を設けても、ポリエステルフィルムとハードコート層との屈折率差が比較的大きい積層フィルムでは、干渉縞を十分に抑制することはできなかった。
上記特許文献3、4の相分離構造の易接着層(積層膜)は、ポリエステルフィルムとハードコート層との接着性を改良するためのものであり、干渉縞を抑制することは記載されていない。
上記特許文献3、4には、ポリエステルフィルムと高屈折率樹脂との屈折率差の絶対値、低屈折率樹脂とハードコート層との屈折率差の絶対値を0.03以下にすることによって干渉縞を抑制するという技術思想は記載されてなく、また、特許文献3、4に具体的に開示されている構成では干渉縞は十分に抑制することはできなかった。
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、干渉縞の発生が十分に低減されたハードコート層を有する積層フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1) ポリエステルフィルムの第1の面に、第1の樹脂層を介してハードコート層が積層され、
前記ポリエステルフィルムの屈折率に対して前記ハードコート層の屈折率が0.07以上小さく、
前記第1の樹脂層が、第1の高屈折率樹脂と第1の低屈折率樹脂とが混合された塗布液を、前記ポリエステルフィルムの第1の面に塗布して形成され、かつ、相分離状態を有するものであり、
前記第1の高屈折率樹脂がフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂であり、かつ、この第1の高屈折率樹脂の屈折率は1.60以上1.70以下であり、
前記第1の低屈折率樹脂がアクリル樹脂であり、かつ、この第1の低屈折率樹脂の屈折率は1.60未満であり、
前記第1の高屈折率樹脂と前記ポリエステルフィルムとの屈折率差の絶対値が0.03以下であり、前記第1の低屈折率樹脂と前記ハードコート層との屈折率差の絶対値が0.03以下である、積層フィルム。
2) 前記第1の樹脂層を構成する前記第1の高屈折率樹脂と前記第1の低屈折率樹脂の含有比率(質量比)が、40:60〜90:10の範囲である、前記1)の積層フィルム。
3)前記ポリエステルフィルムの屈折率が1.61以上1.70以下である、前記1)または2)の積層フィルム。
4) 前記ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、前記1)〜3)のいずれかの積層フィルム。
5) 前記第1の樹脂層の厚みが0.02〜1μmである、前記1)〜4)のいずれかの積層フィルム。
6) 前記ハードコート層の屈折率が1.45以上1.60未満である、前記1)〜5)のいずれかの積層フィルム。
7) 前記ハードコート層上に反射防止層を有する、前記1)〜6)のいずれかの積層フィルム。
8) 前記第1の高屈折率樹脂(フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂)が、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分を含有する、前記1)〜7)のいずれかの積層フィルム。
9) 前記第1の樹脂層が、更に架橋剤および粒子を含有する、前記1)〜8)のいずれかの積層フィルム。
10) 前記ハードコート層が、金属酸化物粒子を含有し、ハードコート層における前記金属酸化物粒子の含有量が、ハードコート層の固形分総量100質量%に対して50質量%未満である、前記1)〜9)のいずれかの積層フィルム。
11) 前記ハードコート層が、金属酸化物粒子を含有しない、前記1)〜9)のいずれかの積層フィルム。

本発明によれば、干渉縞が十分に抑制された積層フィルムを提供することができる。
本発明にかかる積層フィルムは、ポリエステルフィルム少なくとも片面に樹脂層を介してハードコート層が積層されたものである。この樹脂層は、ポリエステルフィルムと、ハードコート層などの他の層との接着性を向上させる機能を有するものである。この樹脂層は、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とが混合された塗布液を、前記ポリエステルフィルムの第1の面に塗布して形成され、かつ、相分離状態を有するものであり、以後、この樹脂層を易接着層と呼ぶ。高屈折率樹脂とポリエステルフィルムとの屈折率差の絶対値が0.03以下であり、低屈折率樹脂とハードコート層との屈折率差の絶対値が0.03以下である。

本発明において、高屈折率樹脂とポリエステルフィルムとの屈折率差、及び低屈折率樹脂とハードコート層との屈折率差の好ましい値は以下のとおりである。
ポリエステルフィルムの屈折率をnP、高屈折率樹脂の屈折率をnAとすると、(nP−nA)の値の下限は−0.01以上が好ましく、0.00以上がさらに好ましい。(nP−nA)の値の上限は0.03以下であり、0.02以下が好ましく、0.01以下がさらに好ましい。(nP−nA)の値の上限値と下限値の組合せは任意である。
低屈折率樹脂の屈折率をnB、ハードコート層の屈折率をnHとすると、(nB−nH)の値の下限は−0.01以上が好ましく、0.00以上がさらに好ましい。(nB−nH)の値の上限は0.03以下であり、0.02以下が好ましく、0.01以下がさらに好ましい。(nB−nH)の値の上限値と下限値の組合せは任意である。
また、本発明は、ポリエステルフィルムとハードコート層との屈折率差が大きい場合に有効である。つまり、ポリエステルフィルムとハードコート層との屈折率差が大きいほど干渉縞が目立ちやすくなるが、本発明はポリエステルフィルムとハードコート層との屈折率差が大きい場合の干渉縞の低減に有効である。具体的には、本発明はポリエステルフィルムの屈折率に対してハードコート層の屈折率が0.07以上小さい場合に有効であり、更に0.08以上小さい場合に有効であり、特に0.09以上小さいこと場合に有効である。従って、本発明は、ポリエステルフィルムの屈折率に対してハードコート層の屈折率が0.07以上小さいことが好ましく、0.08以上小さいことがより好ましく、特に0.09以上小さいことが好ましい。
(ポリエステルフィルム)
本発明にかかるポリエステルフィルムとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子化合物を材料とするフィルムの総称であって、例えば、エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種を主要構成成分とするフィルムが挙げられる。これらのフィルムの中でも、品質、経済性などの総合的観点からポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
本発明用いられるポリエステルフィルムの屈折率は、1.61〜1.70の範囲が好ましく、1.62〜1.69の範囲がより好ましく、更に1.62〜1.68の範囲が好ましく、特に1.63〜1.67の範囲が好ましい。特に、屈折率が1.63〜1.67の範囲のポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
ポリエステルフィルムの厚みは、50〜300μmの範囲が適当であり、60〜250μmの範囲が好ましく、特に70〜200μmの範囲が好ましい。
(易接着層)
易接着層は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に設けられる。かかる易接着層は、塗布によって積層されたものであることが好ましい。易接着層は、ポリエステルフィルムと、ハードコート層などの他の層との接着性を向上させる機能を有するものである。
易接着層はポリエステルフィルムの片面のみに設けられていてもよく、ポリエステルフィルムの両面に設けられていてもよい。易接着層を片面のみに設けるか、それとも両面に設けるかは、積層フィルムの構成に応じて適宜選択される。後述するように、ポリエステルフィルムに対してハードコート層とは反対面に、粘着剤層を設ける場合は、ポリエステルフィルムの両面に易接着層を設けることが好ましい。また、ポリエステルフィルムの両面にハードコート層を設ける場合も、ポリエステルフィルムの両面に易接着層を設けることが好ましい。本願においては、ポリエステルフィルムの両面に易接着層を設けた場合、2つの易接着層を区別するため便宜的に、それぞれ第1の易接着層(第1の樹脂層)、第2の易接着層(第2の樹脂層)と呼ぶことがある。
易接着層は2つ以上の層で構成されており、ポリエステルフィルムに面する層が、屈折率が1.60以上1.70以下の高屈折率樹脂を主成分とする層(A)であり、ハードコート層に面する層が、屈折率が1.60未満の低屈折率樹脂を主成分とする層(B)であることが好ましい。以下、屈折率が1.60以上1.70以下の高屈折率樹脂を単に高屈折率樹脂と言い、屈折率が1.60未満の低屈折率樹脂を単に低屈折率樹脂と言う。
上記易接着層の構成において、高屈折率樹脂を主成分とする層(A)と低屈折率樹脂を主成分とする層(B)との間に、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とが混在する層が存在していてもよく、干渉縞低減の観点から前記混在層が存在していることが好ましい。
本発明の易接着層において、高屈折率樹脂を主成分とする層(A)とは、該層(A)の固形分総量100質量%に対して高屈折率樹脂を50質量%以上含むことである。層(A)は、高屈折率樹脂を60質量%以上含むことがより好ましく、更に70質量%以上含むことがより好ましく、特に80質量%以上含むことが好ましい。同様に、低屈折率樹脂を主成分とする層(B)とは、該層(B)の固形分総量100質量%に対して低屈折率樹脂を50質量%以上含むことである。層(B)は、低屈折率樹脂を60質量%以上含むことがより好ましく、更に70質量%以上含むことがより好ましく、特に80質量%以上含むことが好ましい。
本発明の易接着層を構成する高屈折率樹脂を主成分とする層(A)と低屈折率樹脂を主成分とする層(B)は、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とが混合された塗布層の相分離によって形成されることが好ましい。かかる態様は、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とを混合した塗布液を用いて、その塗布液をポリエステルフィルム上に塗布し、塗布後の乾燥過程で、塗布層中の高屈折率樹脂と低屈折率樹脂の表面エネルギー差を利用して相分離せしめて、ポリエステルフィルム側に高屈折率樹脂を主成分とする層(A)、反対側に低屈折率樹脂を主成分とする層(B)を形成するものである。ここで、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とを混合した塗布液とは、塗布液中で高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とが層状に分離しているのではなく、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とが混ぜ合わさった状態になっている塗布液である。
また、上記の易接着層を相分離で形成する態様は、塗布液の組成や乾燥条件等を調整することにより、高屈折率樹脂を主成分とする層(A)と低屈折率樹脂を主成分とする層(B)との間に高屈折率樹脂と低屈折率樹脂とが混在する層を形成することが可能であるために好ましい。
本発明にかかる易接着層の厚みは、0.02〜1μmの範囲が適当であり、0.04〜0.4μmの範囲が好ましく、特に0.05〜0.3μmの範囲が好ましい。易接着層の厚みが上記範囲内であると、良好な接着性が得られる。
易接着層における高屈折率樹脂を主成分とする層(A)と低屈折率樹脂を主成分とする層(B)との厚みの比率(層(A)/層(B))は、95/5〜20/80の範囲が好ましく、90/10〜30/70の範囲より好ましく、特に70/30〜50/50の範囲が好ましい。
易接着層を構成する高屈折率樹脂と低屈折率樹脂の含有比率(質量比)は、40:60〜90:10の範囲が好ましく、50:50〜85:15の範囲がより好ましく、特に60:40〜80:20の範囲が好ましい。
また、易接着層における高屈折率樹脂と低屈折率樹脂との合計の含有量は、易接着層の固形分総量100質量%に対して、50〜98質量%の範囲が好ましく、60〜95質量%の範囲がより好ましく、特に70〜90質量%の範囲が好ましい。
(高屈折率樹脂)
前述のとおり、本願においては、ポリエステルフィルムの両面に易接着層を設けた場合、2つの易接着層を便宜的に、それぞれ第1の易接着層、第2の易接着層と呼ぶことがある。さらに、本願においては便宜的に、第1の易接着層を構成する高屈折率樹脂を第1の高屈折率樹脂と、第2の易接着層を構成する高屈折率樹脂を第2の高屈折率樹脂と呼ぶことがある。
易接着層を構成する高屈折率樹脂としては、ポリエステル樹脂が好ましい。一般的に知られているポリエステル樹脂の屈折率は1.60未満であるために、本発明に用いられるポリエステル樹脂は、縮合多環式芳香族環をポリエステル樹脂中に導入して高屈折率化したポリエステル樹脂が好ましく用いられる。特に、縮合多環式芳香族環としてフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂が好ましく用いられる。ここで、ポリエステル樹脂とは、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有する樹脂である。
本発明に用いられる高屈折率樹脂の屈折率は、1.60〜1.70であるが、1.61〜1.68の範囲が好ましく、1.62〜1.67の範囲がより好ましく、特に1.62〜1.66の範囲が好ましい。
以下、フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂(以下、「フルオレン共重合ポリエステル樹脂」ということもある。)について説明する。
フルオレン共重合ポリエステル樹脂は、フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(aa−1)およびフルオレン骨格を有するグリコール成分(ab−1)の共重合量を調整することで、得ることができる。フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂とは、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するポリエステル樹脂を指し、以下のI)またはII)の方法によって得ることができる。また、I)とII)を併用する方法(ジカルボン酸成分(aa)、グリコール成分(ab)、および成分(ac)を構成成分とし、これらを重縮合反応せしめる方法)も用いても良い。
I)ジカルボン酸成分(aa)と、グリコール成分(ab)とを構成成分とし、両者を重縮合反応せしめる方法。
II)1以上のアルコール性の官能基(ヒドロキシル基)と、1以上のカルボキシル基を有する成分(ac)を構成成分とし、重縮合反応せしめる方法。
上記I)の方法において、ジカルボン酸成分(aa)は、フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(aa−1)と、フルオレン骨格を有しないジカルボン酸成分(aa−2)に区別される。また、グリコール成分(ab)は、フルオレン骨格を有するグリコール成分(ab−1)と、フルオレン骨格を有しないグリコール成分(ab−2)に区別される。本発明では、ポリエステル樹脂(a)にフルオレン骨格を導入するために、フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(aa−1)および/またはフルオレン骨格を有するグリコール成分(ab−1)が共重合されていることが必要である。
また、上記II)の方法において、成分(ac)は、フルオレン骨格を有する成分(ac−1)と、フルオレン骨格を有しない成分(ac−2)に区別される。本発明では、ポリエステル樹脂(a)にフルオレン骨格を導入するために、フルオレン骨格を有する成分(ac−1)が共重合されていることが必要である。
以下、フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂として、I)の方法を用いた場合の詳細について説明するが、II)の方法についてもI)の方法と同様である。
まず、本発明において、ジカルボン酸成分(aa)には、ジカルボン酸をアルキルエステル化せしめたエステル形成誘導体が含まれる。また、ジカルボン酸成分(aa)には、狭義のジカルボン酸のみならず、3価以上の多価カルボン酸も含まれる。また、ジカルボン酸成分(aa)には、酸無水物も含まれる。
本発明において、グリコール成分(ab)には、狭義のグリコールのみならず、3価以上のポリオールも含まれる。
フルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(aa−1)としては、例えば、9,9−ビス(t−ブトキシカルボニルメチル)フルオレン、9,9−ビス[2−(t−ブトキシカルボニル)エチル]フルオレン、9,9−ビス[1−(t−ブトキシカルボニル)エチル]フルオレン、9,9−ビス[2−(t−ブトキシカルボニル)−1−シクロヘキシルエチル]フルオレン、9,9−ビス[2−(t−ブトキシカルボニル)−1−フェニルエチル]フルオレン、9,9−ビス[1−(t−ブトキシカルボニル)プロピル]フルオレン、9,9−ビス[2−(t−ブトキシカルボニル)プロピル]フルオレン、9,9−ビス[2−(t−ブトキシカルボニル)−1−メチルエチル]フルオレン、9,9−ビス[2−(t−ブトキシカルボニル)−1−メチルプロピル]フルオレン、9,9−ビス[2−(t−ブトキシカルボニル)ブチル]フルオレン、9,9−ビス[2−(t−ブトキシカルボニル)−1−メチルブチル]フルオレン、9,9−ビス[5−(t−ブトキシカルボニル)ペンチル]フルオレン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
フルオレン骨格を有しないジカルボン酸成分(aa−2)としては、フルオレン骨格を有しない芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸や3価以上の多価カルボン酸が使用できる。本発明では、かかるジカルボン酸成分(aa−2)として、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを用いることができる。また、かかる脂肪族及び脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸など、及びそれらのエステル形成性誘導体を用いることができる。
フルオレン骨格を有するグリコール成分(ab−1)としては9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジエチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ) 10−3−イソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソブチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−(1−メチルプロピル)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ビス(1−メチルプロピル)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジフェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジベンジルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル]フルオレン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
フルオレン骨格を有しないグリコール成分(ab−2)としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、4,4’−チオジフェノール、ビスフェノールA、4,4’−メチレンジフェノール、4,4’−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−,及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−イソプロピリデンフェノール、4,4’−イソプロピリデンビンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどを用いることができるがこれに限定されるものではない。
フルオレン共重合ポリエステル樹脂におけるフルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(aa−1)の共重合量は、フルオレン共重合ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分(aa)の量に対して40モル%以上であることが好ましく、より好ましくは80モル%以上である。上限は特に限定されるものではないが、95モル%以下であることが好ましい。
また、フルオレン共重合ポリエステル樹脂におけるフルオレン骨格を有するグリコール成分(ab−1)の共重合量は、フルオレン共重合ポリエステル樹脂(a)を構成するグリコール成分(ab)の量に対して40モル%以上であること好ましく、より好ましくは80モル%以上である。上限は特に限定されるものではないが、特に好ましくは95モル%以下である。
共重合量が40モル%未満の場合、フルオレン共重合ポリエステル樹脂の高屈折率化が不十分となり、ハードコート層を積層した際に干渉縞が生じる可能性がある。また、上限は特に限定されるものではないが、共重合比率95モル%を超えるとフルオレン共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度が高くなってしまい、延伸性に乏しくなり、ハンドリング性が悪化したり、インラインコーティング法を用いて易接着層を設けた場合に延伸追従性が乏しくなり、均一な易接着が設けられなくなることがある。
また、フルオレン共重合ポリエステル樹脂におけるフルオレン骨格を有するジカルボン酸成分(aa−1)およびフルオレン骨格を有するグリコール成分(ab−1)の共重合量は、フルオレン共重合ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分(aa)の物質量とグリコール成分(ab)の物質量の合計を100モル%としたとき、20モル%以上が好ましく、より好ましくは40モル%以上である。上限は特に限定されるものではないが、50モル%以下であることが好ましい。
本発明の易接着層の高屈折樹脂を主成分とする層(A)は、フルオレン共重合ポリエステル樹脂を含有せしめた水系塗剤を基材ポリエステルフィルム表面に塗布し、乾燥、熱処理することにより得ることができる。
フルオレン共重合ポリエステル樹脂を含有せしめた水系塗剤を得るためには、フルオレン共重合ポリエステル樹脂は水溶性であることが好ましい。フルオレン共重合ポリエステル樹脂を水溶性とするためには、ポリエステル樹脂(a)の側鎖などにカルボン酸塩基を含む化合物や、スルホン酸塩基を含む化合物などの親水成分を導入することが好ましい。かかる親水成分の導入は、ジカルボン酸成分(aa)として、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分(aa−3)や、3価以上の多価カルボン酸成分(aa−4)を用いることによって、達成することができる。
スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分(aa−3)としては、例えばスルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
また、3価以上の多価カルボン酸成分(aa−4)としては、トリメリット酸等の多価カルボン酸の他、酸無水物を用いることもできる。具体的には、1,2,4,5−ブタンテトラカルボン酸二無水物(無水ピロメリット酸)、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’、4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
本発明の易接着層において、フルオレン共重合ポリエステル樹脂はスルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分(aa−3)を含有することが好ましい。フルオレン共重合ポリエステル樹脂を含む高屈折率樹脂を主成分とする層(A)は基材であるポリエステルフィルム側に位置しており、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分(aa−3)を含有することでポリエステルフィルムとの親和性を高くなり、塗布品位が向上したり接着力が増すため好ましい。また、易接着層を1回塗布工程における層分離による得る場合は、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分(aa−3)を含有することで、低屈折率樹脂を主成分とする層(B)とのエネルギー差が大きくなり、層分離構成をとることが容易となるため好ましい。
(低屈折率樹脂)
前述のとおり、本願においては、ポリエステルフィルムの両面に易接着層を設けた場合、2つの易接着層を便宜的に、それぞれ第1の易接着層、第2の易接着層と呼ぶことがある。さらに、本願においては便宜的に、第1の易接着層を構成する低屈折率樹脂を第1の低屈折率樹脂と、第2の易接着層を構成する低屈折率樹脂を第2の低屈折率樹脂と呼ぶことがある。
本発明の易接着層を構成する低屈折率樹脂としては、アクリル樹脂が好ましい。かかるアクリル樹脂は、例えば以下に例示するモノマーを1種もしくは2種以上を用いて重合することができる。
上記モノマーとして、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基等)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸及びそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)等のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー等が挙げられる。
また、アクリル樹脂には、上記モノマー以外の他のモノマーと共重合成分として含むことができる。
他のモノマーとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等のスルホン酸基またはその塩を含有するモノマー、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸及びそれらの塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等のカルボキシル基またはその塩を含有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物を含有するモノマー、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。
屈折率が1.60未満の低屈折率樹脂に好ましく用いられるアクリル樹脂として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸から選ばれる共重合体等が挙げられる。
アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)としては、0〜90℃の範囲が好ましく、10〜80℃の範囲がより好ましい。Tgが0℃より低いアクリル樹脂を用いた場合、高温高湿下での接着性が劣る傾向があり、逆にTgが90℃より高いアクリル樹脂を用いた場合、後述するインラインコーティング法を用いて易接着層を形成するときに亀裂を生じることがあり好ましくない。また、アクリル樹脂の分子量は、良好な接着性を得るという観点から、10万以上が好ましく、30万以上がより好ましい。上限の分子量は200万程度である。
本発明に用いられる低屈折率樹脂の屈折率は1.59未満であるが、1.58未満が好ましく、1.57未満がより好ましく、特に1.56未満が好ましい。下限の屈折率は1.43以上が好ましく、1.45以上がより好ましく、特に1.47以上が好ましい。
前述したように、易接着層形成用塗布液は水系塗布液であることが好ましく、上記したアクリル樹脂は水溶性あるいは水分散性(エマルション)のものが好ましい。このような水溶性あるいは水分散性のアクリル樹脂は、親水性基を有するモノマー((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびその塩など)との共重合、反応性乳化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、あるいはソープフリー重合などの方法によって得ることができる。
(易接着層を構成する他の成分)
本発明にかかる易接着層は、前述した高屈折率樹脂及び低屈折率樹脂に加えて架橋剤を含有することが好ましい。かかる架橋剤として、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系樹脂、アミドエポキシ化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを用いることができる。特に、易接着性や耐湿熱接着性などの点からメラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、及びカルボジイミド系架橋剤が好適に用いられる。
メラミン系架橋剤としては、特に限定されないが、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物などを用いることができる。またメラミン系架橋剤としては単量体、2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。エーテル化に用いられる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを用いることができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などである。その中でもメチロール化メラミン樹脂が最も好ましい。更に、メラミン系架橋剤の熱硬化を促進するため、例えばp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いてもよい。
オキサゾリン系架橋剤としては、該化合物中に官能基としてオキサゾリン基を有するものであれば特に限定されるものではないが、オキサゾリン基を含有するモノマーを少なくとも1種以上含み、かつ、少なくとも1種の他のモノマーを共重合させて得られるオキサゾリン基含有共重合体からなるものが好ましい。
オキサゾリン基を含有するモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどを用いることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することもできる。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。
オキサゾリン系架橋剤において、オキサゾリン基を含有するモノマーに対して用いられる少なくとも1種の他のモノマーとしては、該オキサゾリン基を含有するモノマーと共重合可能なモノマーであれば、特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどの含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー類、スチレン、α−メチルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族モノマー類などを用いることができ、これらは1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
カルボジイミド系架橋剤としては、該化合物中に官能基としてカルボジイミド基、またはその互変異性の関係にあるシアナミド基を分子内に1個または2個以上有する化合物であれば特に限定されるものではない。このようなカルボジイミド化合物の具体例としては、ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、ウレア変性カルボジイミド等を挙げることができ、これらは1種または2種以上の混合物を使用することもできる。
易接着層における架橋剤の含有量は、易接着層の固形分総量100質量%に対して、1〜40質量%の範囲が好ましく、3〜35質量%の範囲がより好ましく、特に5〜30質量%の範囲が好ましい。
本発明の易接着層は、更に粒子を含有することが好ましい。易接着層が粒子を含有することによって、易滑性や耐ブロッキング性が向上するので好ましい。
かかる粒子としては特に限定されないが、コロイダルシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ゼオライト粒子などの無機粒子や、アクリル粒子、シリコーン粒子、ポリイミド粒子、テフロン(登録商標)粒子、架橋ポリエステル粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋重合体粒子、コアシェル粒子などの有機粒子が挙げられる。
粒子の数平均一次粒径は、10〜400nmの範囲内であることが好ましい。ここで平均一次粒径とは、JIS−H7008(2002)において単一の結晶核の成長によって生成した粒子と定義される一次粒子の粒子径の平均である。また一次粒子の粒子径(以下、一次粒径と称する)とは、長径と短径の平均値とする。このような平均一次粒径の測定については、JIS−H7804(2005)に従い、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、倍率5万倍で試料を観察し、写真を用いて個々の一次粒子の長径と短径を測定し、その平均で一次粒径を求め、さらに一次粒子100個について同様の一次粒径の測定を行い、その数平均値から平均一次粒径を求めることができる。粒子の平均一次粒径が10nm未満の場合には粒子が凝集して易接着層のヘイズを悪化させる場合があり、逆に400nmを超える場合には添加量ほどの易滑性や耐ブロッキング性の効果が得られ難く、また易接着層の厚みによっては微粒子が脱落する場合がある。粒子の平均一次粒径は、より好ましくは20〜300nmの範囲内であり、さらに好ましくは20〜200nmの範囲内である。尚、粒子には、単分散粒子を用いても、複数の粒子が凝集した凝集粒子を用いてもよい。また、場合によっては平均一次粒径の異なる複数種の粒子を併用してもよい。また粒子の添加量は、易接着層の固形分総量100質量%に対して0.05〜8質量%の範囲内が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%の範囲内である。
本発明の易接着層には、本発明の効果が損なわれない範囲内で各種の添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、充填剤、帯電防止剤、核剤などを含有してもよい。
(易接着層の形成方法)
本発明において、高屈折率樹脂を主成分とする層(A)と低屈折率樹脂を主成分とする層(B)を有する易接着層を得る方法としは、次の(i)〜(iii)の方法が例示される。
(i) ポリエステルフィルム上に、高屈折率樹脂を主成分とする層(A)を形成する塗液と、低屈折率樹脂を主成分とする層(B)を形成する塗液とをこの順番に塗布、乾燥する方法。
(ii) ポリエステルフィルム上に、高屈折率樹脂を主成分とする層(A)を形成する成分と低屈折率樹脂を主成分とする層(B)を形成する成分とが層状になった塗液を塗布し、乾燥する方法。
(iii)高屈折率樹脂を主成分とする層(A)を形成する成分と低屈折率樹脂を主成分とする層(B)を形成する成分との混合物を塗布し、それぞれの成分の自己相分離を利用し、高屈折率樹脂を主成分とする層(A)と低屈折率樹脂を主成分とする層(B)を形成する方法。
本発明の易接着層はコスト面や塗布層の厚みの均一化の観点から、(iii)の相分離を利用した1回塗布をポリエステルフィルム製造工程中で行うインラインコーティング法にて実施することが望ましい。
相分離により高屈折率樹脂を主成分とする層(A)と低屈折率樹脂を主成分とする層(B)を分離するためには、ポリエステルフィルム側に位置する高屈折率樹脂を主成分とする層(A)を構成する成分は、表面エネルギーが高いポリエステル樹脂である事が好ましく、低屈折率樹脂を主成分とする層(B)を構成する成分は、表面エネルギーが低いアクリル樹脂である事が好ましい。ポリエステル樹脂とアクリル樹脂の表面エネルギーの差にて、相互排除し合う事で易接着層が2層に分離するが、両者の表面エネルギー差をより大きくし明確な分離層を形成するために、高屈折率樹脂を主成分とする層(A)を形成するポリエステル樹脂にスルホン酸基を有する成分が含まれることが好ましい。
本発明の易接着層を形成する塗布液の塗布方法は、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、塗布液を塗布する前に、予めポリエステルフィルムの表面にコロナ放電処理などを施し、該表面の濡れ張力を、好ましくは47mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上としておくことが好ましい。これによって、易接着層とポリエステルフィルムとの接着性が向上し、更にポリエステルフィルムの表面エネルギーが大きくなることで上述した相分離が起こりやすくなるという利点がある。また、インラインコーティング方法で塗布液を塗布する場合、環境汚染や防爆性の点から塗布液は水系であることが好ましい。水系塗布液には、塗布液の保存安定性やハンドリング性向上の点から、微量の水溶性有機溶媒を含有してもよい。水溶性有機溶媒としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の水溶性アルコール類やアセトン等の水溶性ケトン類、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等の水溶性エーテル類が挙げられる。水溶性有機溶媒の含有量は、防爆性、環境汚染の点から、塗布液の総量100質量%に対して10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、更に5質量%以下が好ましい。
(易接着層を有するポリエステルフィルムの製造方法)
本発明の易接着層を有するポリエステルフィルムの製造方法について、ポリエステルフィルムとしてポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)フィルムを用い、インラインコーティング方法で易接着層を設ける態様を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
PETフィルムの原料である極限粘度0.5〜0.8dl/gのPETペレットを真空乾燥した後、押し出し機に供給し260〜300℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを作製する。この未延伸PETフィルムを70〜100℃に加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向を指し「長手方向」ともいう)に2.5〜5倍延伸する。この延伸で得られた一軸延伸PETフィルムの少なくとも片面に空気中でコロナ放電処理を施し、該表面の濡れ張力を47mN/m以上とし、その処理面に上述の方法により水系塗布液を塗布する。
次に、水系塗布液が塗布された一軸延伸PETフィルムをクリップで把持して乾燥ゾーンに導き、一軸延伸PETフィルムのTg未満の温度で乾燥した後、Tg以上の温度に上げ、再度Tg近傍の温度で乾燥、引き続き連続的に70〜150℃の加熱ゾーンで横方向(フィルムの進行方向とは直交する方向を指し「幅方向」ともいう)に2.5〜5倍延伸し、続いて180〜240℃の加熱ゾーンで5〜40秒間熱処理を施し、結晶配向の完了したPETフィルムに易接着層が積層された積層ポリエステルフィルムが得られる。尚、上記熱処理中に必要に応じて3〜12%の弛緩処理を施してもよい。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよく、また縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸してもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層は、ポリエステルフィルム上に設けられた易接着層上に直接に積層されていることが好ましい。
ハードコート層はアクリル樹脂を主体に含有する層であることが好ましく、従って屈折率も比較的小さいものとなる。ハードコート層の屈折率は、具体的には1.60未満が好ましく、1.57未満がより好ましく、1.55未満が更に好ましく、特に1.53未満が好ましい。下限の屈折率は1.45以上が好ましく、1.47以上がより好ましく、特に1.49以上が好ましい。ハードコート層の屈折率を上記の範囲にすることによって、ハードコート層が積層された積層フィルムとしては、汎用の1.50付近のアクリル樹脂を主成分として用いて低コストで干渉縞抑制品が提供できる。また、ハードコート層上に反射防止層を積層した反射防止性積層フィルムとしては、反射スペクトル形状がフラットになり、積層フィルムの反射色が白色に近くなるため好ましい。本発明では更に、ハードコート層とポリエステル層の間に上述の易接着層があるため、干渉縞が極めて少なく、反射色が白色に近く、反射率が低いという理想的な反射防止性の積層フィルムを提供することができる。
ハードコート層は、積層フィルム表面に傷が発生するのを防止するために硬度が高いことが好ましく、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度が、H以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。
ハードコート層は、樹脂成分として熱硬化性樹脂や活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましく、更に、紫外線や電子線等の活性エネルギー線によって硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましい。特に、活性エネルギー線硬化性のアクリル樹脂が好ましい。
活性エネルギー線硬化性のアクリル樹脂としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合性官能基を有する、モノマー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合した組成物を用いることができる。
モノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アクリレート等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)トリアクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等を挙げることができる。
オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルキット(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記した、モノマー、オリゴマー、プレポリマーは、単独もしくは複数混合して使用してもよいが、3官能以上の多官能モノマーを用いることが好ましい。
上記の活性エネルギー線硬化性のアクリル樹脂の含有量は、ハードコート層の固形分総量100質量%に対して、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、更に60質量%以上であることが好ましく、特に70質量%以上であることが好ましい。
上記した、モノマー、オリゴマー、プレポリマーの重合を開始させるために、光重合開始剤を含有することが好ましい。かかる光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
上記光重合開始剤の含有量は、ハードコート層の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が適当であり、0.5〜8質量%の範囲が好ましい。
ハードコート層には、更に、帯電防止性を付与するため、あるいは屈折率を調整するために、金属酸化物粒子を含有することができる。ハードコート層における金属酸化物粒子の含有量は、ハードコート層の固形分総量100質量%に対して50質量%未満であることが好ましく、30質量%未満であることがより好ましく、更に20質量%未満であることが好ましく、特に10質量%未満であることが好ましい。金属酸化物粒子の含有量が50質量%以上となると、ハードコート層の透明性、塗工安定性、膜物性が低下するという不都合や、視感反射率が高くなるという不都合が生じる場合がある。
上記金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛等が挙げられる。
ハードコート層は、更に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、有機系帯電防止剤、滑剤、着色剤、顔料等を含有することができる。
ハードコート層の厚みは、特に限定されないが、0.5〜20μmの範囲が適当であり、0.5〜15μmの範囲が好ましく、0.8〜10μmの範囲がより好ましく、特に1〜8μmの範囲が好ましい。
(反射防止層)
本発明の積層フィルムは、ハードコート層上に反射防止層を設けることができる。かかる反射防止層としては、低屈折率層のみの単一層、高屈折率層(ハードコート層側)と低屈折率層の積層構成が挙げられる。
低屈折率層の屈折率は1.25〜1.45の範囲が好ましく、1.30〜1.43の範囲がより好ましく、特に1.33〜1.38の範囲が好ましい。高屈折率層の屈折率は、1.55〜1.80の範囲が好ましく、1.58〜1.75の範囲がより好ましく、特に1.60〜1.70の範囲が好ましい。上記高屈折率層と低屈折率層との屈折率差は、良好な反射防止性を得るという観点から、0.10以上が好ましく、0.13以上がより好ましく、更に0.15以上が好ましく、特に0.17以上が好ましい。屈折率差の上限は、0.5程度である。
反射防止層として低屈折率層のみをハードコート層上に積層する場合は、ハードコート層と低屈折率層との屈折率差は、良好な反射防止性を得るという観点から、0.05以上が好ましく、0.07以上がより好ましく、更に0.10以上が好ましく、特に0.13以上が好ましい。屈折率差の上限は、0.4程度である。
(反射防止層中の低屈折率層)
低屈折率層は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線によって硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂と、低屈折率材料として低屈折率無機粒子及び/または含フッ素化合物とを含む層であることが好ましい。
上記の活性エネルギー線硬化性樹脂としてはアクリル樹脂が好ましく、前述のハードコート層に用いられるものと同様のものが用いられるので、ここでの説明は省略する。また、活性エネルギー線硬化性樹脂と併せて用いることができる光重合開始剤も、前述のハードコート層に用いられるものと同様のものが用いられるので、ここでの説明は省略する。
上記の低屈折率無機粒子としては、シリカやフッ化マグネシウム等の無機粒子が好ましく用いられる。更にこれらの無機微粒子は中空状や多孔質のものが好ましい。上記無機粒子の屈折率は1.2〜1.4の範囲が好ましく、1.2〜1.35の範囲がより好ましい。
上記の含フッ素化合物としては、含フッ素モノマー、含フッ素高分子化合物が挙げられる。
含フッ素モノマーとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
含フッ素高分子化合物としては、例えば、含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基付与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレートのように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒドロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メタ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が挙げられる。
低屈折率層の厚みは、0.05〜0.15μmの範囲が適当であり、0.08〜0.12μmの範囲が好ましい。
(反射防止層中の高屈折率層)
高屈折率層は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線によって硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂と、高屈折率材料として金属酸化物微粒子とを含む層であることが好ましい。
上記の活性エネルギー線硬化性樹脂としてはアクリル樹脂が好ましく、前述のハードコート層に用いられるものと同様のものが用いられるので、ここでの説明は省略する。また、活性エネルギー線硬化性樹脂と併せて用いることができる光重合開始剤も、前述のハードコート層に用いられるものと同様のものが用いられるので、ここでの説明は省略する。
上記金属酸化物微粒子としては、屈折率が1.6以上のものが好ましく、特に屈折率が1.7〜2.8のものが好ましく用いられる。かかる金属酸化物粒子としては、チタン、ジルコニウム、亜鉛、錫、アンチモン、セリウム、鉄、インジウム等の金属酸化物粒子が挙げられる。金属酸化物粒子の具体例としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化鉄、アンチモン酸亜鉛、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、リンドープ酸化錫、アルミニウムドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ酸化錫等が挙げられ、これらの金属酸化物微粒子は単独で用いても良いし、複数併用してもよい。
金属酸化物微粒子の含有量は、高屈折率層の固形分総量100質量%に対して20〜90質量%の範囲が好ましく、30〜85質量%の範囲がより好ましく、特に40〜80質量%の範囲が好ましい。
高屈折率層の厚みは、0.05〜0.5μmの範囲が好ましく、0.08〜0.2μmの範囲がより好ましい。
(相分離型反射防止層)
反射防止層は、高屈折率層と低屈折率層が単一層の相分離によって形成される、いわゆる、相分離型反射防止層であってもよい。かかる相分離型反射防止層は、1つの塗布液を1回塗布し、乾燥(必要に応じて硬化する)することによって、高屈折率層と低屈折率層とが相分離によって形成されたものである。
相分離型反射防止層については、例えば特開2008−70414号公報、特開2009−58954号公報、特開2009−75576号公報等に記載されており、本発明はこれらの技術を用いることができる。
(粘着剤層)
前述した本発明の積層フィルムにおいて、ポリエステルフィルムのハードコート層が設けられた側とは反対側の面に、易接着層を介して粘着剤層が積層されていてもよい。
ここで、ポリエステルフィルムと粘着剤層との間に介在する易接着層(以下、粘着剤層側の易接着層と言う場合がある)は、ポリエステルフィルムとハードコート層との間に介在する易接着層(以下、ハードコート層側の易接着層という場合がある)と同じ構成のものであることが好ましい。
つまり、粘着剤層側の易接着層は2つ以上の層で構成されており、ポリエステルフィルムに面する層が、屈折率が1.60〜1.70の高屈折率樹脂を主成分とする層(A2)であり、粘着剤層に面する層が、屈折率が1.60未満の低屈折率樹脂を主成分とする層(B2)である。そして、高屈折率樹脂とポリエステルフィルムとの屈折率差の絶対値が0.03以下であり、低屈折率樹脂と粘着剤層との屈折率差の絶対値が0.03以下であることが好ましい。
粘着剤層側の易接着層を構成する高屈折率樹脂、及び低屈折率樹脂としては、ハードコート層側の易接着層を構成する高屈折率樹脂、及び低屈折率樹脂と同様の樹脂を用いることができる。また、粘着剤層側の易接着層を構成する高屈折率樹脂を主成分とする層(A2)と低屈折率樹脂を主成分とする層(B2)は、ハードコート層側の易接着層と同様に相分離によって形成されていることが好ましい。また、高屈折率樹脂を主成分とする層(A2)と低屈折率樹脂を主成分とする層(B2)との間に、上記高屈折率樹脂と低屈折率樹脂が混在する層が存在していることが好ましい。
本発明において、高屈折率樹脂とポリエステルフィルムとの屈折率差、及び低屈折率樹脂と粘着剤層との屈折率差の好ましい値は以下のとおりである。
即ち、ポリエステルフィルムの屈折率をnP、粘着剤層側の易接着層を構成する高屈折率樹脂の屈折率をnA2とすると、(nP−nA2)の値の下限は−0.01以上が好ましく、0.00以上がさらに好ましい。(nP−nA2)の値の上限は0.03以下であり、0.02以下が好ましく、0.01以下がさらに好ましい。(nP−nA2)の値の上限値と下限値の組合せは任意である。
また、粘着剤層側の易接着層を構成する低屈折率樹脂の屈折率をnB2、粘着剤層の屈折率をnDとすると、(nB2−nD)の値の下限は−0.01以上が好ましく、0.00以上がさらに好ましい。(nB2−nD)の値の上限は0.03以下であり、0.02以下が好ましく、0.01以下がさらに好ましい。(nB2−nD)の値の上限値と下限値の組合せは任意である。
粘着剤層側の易接着層の構成を上記のようにすることによって、干渉縞が低減できるので好ましい。
粘着剤層の屈折率は、1.43以上1.60未満の範囲が好ましく、1.45以上1.55以下の範囲がより好ましく、特に1.46〜1.53の範囲が好ましい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、従来から知られている粘着剤を用いることができる。例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられ、これらの中でもアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤が好ましく、特にアクリル系粘着剤が透明性、耐光性、耐熱性、及び耐湿熱性の点で好ましく用いられる。
粘着剤層には、可視光線を吸収する化合物及び/または近赤外線を吸収する化合物を含有することができる。
可視光線を吸収する化合物としては、各種有機系色素が好ましく用いられる。かかる有機系色素としては、例えばテトラアザポルフィリン系、フタロシアニン系、シアニン系、スクアリリウム系、インドール化合物系、アゾメチン系、キサンテン系、オキソノール系、アゾ系、キノン系、アズレニウム系、ピリリウム系、クロコニウム系、ピロメテン系、ポルフィリン系等が挙げられる。これらの色素は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができるが、本発明においては、テトラアザポルフィリン系、シアニン系、スクアリリウム系の色素が好ましく用いられる。
近赤外線を吸収する化合物としては、各種有機系色素が好ましく用いられる。かかる有機系近赤外線吸収色素としては、フタロシアニン系色素、シアニン系色素、アントラキノン系色素、ジチオール系色素、ジイモニウム系色素等が挙げられる。これらの色素は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができるが、本発明においては、フタロシアニン系色素、シアニン系色素、ジイモニウム系色素が好ましく用いられる。
粘着剤層には、更に架橋剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤あるいは可塑剤等を含有していてもよい。
粘着剤層の厚みは、5〜100μmの範囲が適当であり、10〜50μmの範囲が好ましく、15〜40μmの範囲がより好ましい。
本発明の積層フィルムを構成する粘着剤層は、本発明の積層フィルムをディスプレイ(例えばプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等)やタッチパネルに貼着するため、あるいは本発明の積層フィルムと他の機能性フィルム(例えば、電磁波遮蔽フィルム、近赤外線吸収フィルム等)とを貼合するための粘着剤層として用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
尚、本実施例における、測定方法及び評価方法を以下に示す。
(1)易接着層の相分離状態の確認
易接着層が形成されたポリエステルフィルムの断面を超薄切片に切り出し、RuO染色、OsO染色、あるいは両者の二重染色による染色超薄切片法により、TEM(透過型電子顕微鏡)で観察、写真撮影を行った。その断面写真から易接着層の相分離状態を確認した。写真上での染色の濃度差で樹脂種の違いを判定した。
<観察方法>
・装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製H−7100FA型)
・測定条件:加速電圧100kV
・試料調整:凍結超薄切片法。
(2)屈折率の測定
易接着層に用いられる樹脂、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層、粘着剤層のそれぞれの塗布液をシリコンウエハー上にスピンコーターにて塗工形成した塗膜(乾燥厚み約2μm)について、25℃の温度条件下で位相差測定装置(ニコン(株)製:NPDM−1000)で633nmの屈折率を測定した。また、ポリエステルフィルムの屈折率は、JIS K7105(1981)に準じてアッベ屈折率計で測定し、長手方向および幅方向の屈折率の平均値をポリエステルフィルムの屈折率とした。
(3)干渉縞の目視の評価
各サンプルを150mm×150mmに切り出し、PETフィルムに対してハードコート層とは反対側の面に黒粘着テープ(日東電工製“ビニルテープNo.21 トクハバ 黒”)を貼り付けて評価用サンプルを作製した。これらのサンプルを暗室三波長蛍光灯下にて目視でハードコート層面の干渉縞(反射色ムラ)を観察した。観察は、サンプルと視点間距離及び視点角度を変えながら、干渉縞の発生が認められるかどうか観察した。評価は以下の基準で行った。
○:視点間距離及び視点角度の変化に係わらず干渉縞の発生が殆ど認められない。
×:視点間距離の変化あるいは視点角度の変化によっては干渉縞の発生が認められる。
(易接着層に用いられるポリエステル樹脂)
<ポリエステル樹脂A1>
下記の共重合組成からなるフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂(屈折率は1.64、ガラス転移温度は120℃)を粒子状に水に分散させたナトリウム塩型の水性分散体。
・カルボン酸成分
コハク酸 40モル%
5−Naスルホイソフタル酸 10モル%
・グリコール成分
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン 45モル%
エチレングリコール 5モル%。
<ポリエステル樹脂A2>
下記の共重合組成からなるフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂(屈折率は1.62、ガラス転移温度は115℃)を粒子状に水に分散させたナトリウム塩型の水性分散体。
・カルボン酸成分
コハク酸 40モル%
5−Naスルホイソフタル酸 10モル%
・グリコール成分
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン 30モル%
エチレングリコール 20モル%。
<ポリエステル樹脂A3>
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂(屈折率は1.59、ガラス転移温度は82℃)を粒子状に水に分散させたナトリウム塩型の水性分散体。
・カルボン酸成分
テレフタル酸 34モル%
2,6−ナフタレンジカルボン酸 10モル%
5−Naスルホイソフタル酸 6モル%
・グリコール成分
エチレングリコール 49モル%
ジエチレングリコール 1モル%。
<ポリエステル樹脂A4>
下記の共重合組成からなるポリエステル樹脂(屈折率は1.57、ガラス転移温度は20℃)を粒子状に水に分散させたアンモニウム塩型の水性分散体
・カルボン酸成分
テレフタル酸 28モル%
5−Naスルホイソフタル酸 9モル%
トリメリット酸 10モル%
セバシン酸 3モル%
・グリコール成分
エチレングリコール 15モル%
ネオペンチルグリコール 18モル%
1,4−ブタンジオール 17モル%。
(易接着層に用いられるアクリル樹脂)
<アクリル樹脂B1>
下記の共重合組成からなるアクリル樹脂(屈折率は1.54、ガラス転移温度は45℃)を粒子状に水に分散させた水性分散液(エマルション;エマルション粒子径は48nm)
・共重合成分
メチルメタクリレート 64重量%
エチルアクリレート 30重量%
アクリル酸 5重量%
N−メチロールアクリルアミド 1重量%。
<アクリル樹脂B2>
下記の共重合組成からなるアクリル樹脂(屈折率は1.52、ガラス転移温度は42℃)を粒子状に水に分散させた水性分散液(エマルション;エマルション粒子径は50nm)
・共重合成分
メチルメタクリレート 63重量%
エチルアクリレート 35重量%
アクリル酸 1重量%
N−メチロールアクリルアミド 1重量%。
<アクリル樹脂B3>
下記の共重合組成からなるアクリル樹脂(屈折率は1.50、ガラス転移温度は40℃)を粒子状に水に分散させた水性分散液(エマルション;エマルション粒子径は55nm)
・共重合成分
メチルメタクリレート 58重量%
エチルアクリレート 20重量%
パーフルオロエチルアクリレート 20重量%
アクリル酸 1重量%
N−メチロールアクリルアミド 1重量%。
(実施例1)
以下の要領でポリエステルフィルム上に易接着層を積層した。
<易接着層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂A1/アクリル樹脂B1/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、75/25/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗布液とした。
上記メラミン系架橋剤としてメチロール型メラミン系架橋剤(三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」)、上記粒子としてコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製の「スノーテックスOL」)をそれぞれ用いた。尚、以下の実施例及び比較例においてメラミン系架橋剤及びコロイダルシリカとは、上記化合物を指す。
<ポリエステルフィルムの作製と易接着層の積層>
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した。次に上記易接着層形成用塗布液を1軸延伸フィルムの両面に塗布した。
易接着層形成塗布液が塗布された1軸延伸フィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃で乾燥、ラジエーションヒーターを用いて110℃に上げ、再度90℃で乾燥して後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて220℃の加熱ゾーンで20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了したポリエステルフィルムを作製した。このとき、ポリエステルフィルムの厚みは100μm、易接着層の厚みは0.1μmであった。
上記で積層された易接着層は、ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂(高屈折率樹脂)を主成分とする層、反対側にアクリル樹脂(低屈折率樹脂)を主成分とする層が形成されていることを確認した。
尚、ポリエステルフィルムの屈折率は、易接着層を積層しない以外は上記と同様の条件で製造したポリエステルフィルムの屈折率を測定し、その値をポリエステルフィルムの屈折率とした。屈折率は1.65であった。以下の実施例も同様である。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、下記のハードコート層形成用塗布液を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアロールで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
<ハードコート層形成用塗布液H1>
紫外線硬化性アクリル樹脂75質量部(ウレタンアクリレート35質量部とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)25質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解・分散したハードコート層形成用塗布液(固形分濃度30質量%)を調製した。この塗布液によって得られたハードコート層の屈折率は1.54であった。
(実施例2)
実施例1のハードコート層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<ハードコート層形成用塗布液H2>
紫外線硬化性アクリル樹脂80質量部(ジペンタエリスリトールトリアクリレート15質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート15質量部、ウレタンアクリレート50質量)、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解・分散したハードコート層形成用塗布液(固形分濃度30質量%)を調製した。この塗布液によって得られたハードコート層の屈折率は1.52であった。
(実施例3)
実施例1の易接着層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムの作製及び易接着層の積層を行った。
<易接着層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂A1/アクリル樹脂B2/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、75/25/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗液とした。
上記で積層された易接着層は、ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂を主成分とする層、反対側にアクリル樹脂を主成分とする層が形成されていることを確認した。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、実施例2と同様のハードコート層形成用塗布液H2を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
(実施例4)
実施例1の易接着層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムの作製及び易接着層の積層を行った。
<易接着層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂A2/アクリル樹脂B1/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、75/25/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗布液とした。
上記で積層された易接着層は、ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂(高屈折率樹脂)を主成分とする層、反対側にアクリル樹脂(低屈折率樹脂)を主成分とする層が形成されていることを確認した。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、実施例2と同様のハードコート層形成用塗布液H2を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
(実施例5)
実施例1の易接着層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムの作製及び易接着層の積層を行った。
<易接着層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂A2/アクリル樹脂B2/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、75/25/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗布液とした。
上記で積層された易接着層は、ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂(高屈折率樹脂)を主成分とする層、反対側にアクリル樹脂(低屈折率樹脂)を主成分とする層が形成されていることを確認した。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、実施例2と同様のハードコート層形成用塗布液H2を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
(実施例6)
実施例1の易接着層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムの作製及び易接着層の積層を行った。
<易接着層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂A2/アクリル樹脂B3/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、75/25/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗布液とした。
上記で積層された易接着層は、ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂(高屈折率樹脂)を主成分とする層、反対側にアクリル樹脂(低屈折率樹脂)を主成分とする層が形成されていることを確認した。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、下記のハードコート層形成用塗布液H3を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
<ハードコート層形成用塗布液H3>
紫外線硬化性アクリル樹脂80質量部(シリコーンアクリレート40質量部とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部)、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解・分散したハードコート層形成用塗布液(固形分濃度30質量%)を調製した。この塗布液によって得られたハードコート層の屈折率は1.50であった。
(比較例1)
実施例1のハードコート層形成用塗布液を、実施例6と同様のハードコート層形成用塗布液H3に変更する以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例2)
実施例1の易接着層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムの作製及び易接着層の積層を行った。
<易接着層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂A3/アクリル樹脂B1/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、75/25/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗布液とした。
上記で積層された易接着層は、ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂を主成分とする層、反対側にアクリル樹脂を主成分とする層が形成されていることを確認した。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、実施例1と同様のハードコート層形成用塗布液H1を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
(比較例3)
実施例1の易接着層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムの作製及び易接着層の積層を行った。
<易接着層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂A4/アクリル樹脂B2/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、75/25/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗布液とした。
上記で積層された易接着層は、ポリエステルフィルム側にポリエステル樹脂を主成分とする層、反対側にアクリル樹脂を主成分とする層が形成されていることを確認した。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、実施例2と同様のハードコート層形成用塗布液H2を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
(比較例4)
実施例1の易接着層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムの作製及び易接着層の積層を行った。
<易接着層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂A3/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、100/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗液とした。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、下記のハードコート層形成用塗布液H4を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
<ハードコート層形成用塗布液H4>
紫外線硬化性アクリル樹脂60質量部(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート40質量部とウレタンアクリレート20質量部)、五酸化アンチモン微粒子40質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)3質量部を、メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒に溶解・分散したハードコート層形成用塗布液(固形分濃度30質量%)を調製した。この塗布液によって得られたハードコート層の屈折率は1.57であった。
(比較例5)
実施例1の易接着層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムの作製及び易接着層の積層を行った。
<易接着層形成用塗布液>
ポリエステル樹脂A4/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、100/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗布液とした。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、比較例4と同様のハードコート層形成用塗布液H4を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
(比較例6)
比較例5のハードコート層形成用塗布液H4を、実施例1のハードコート層形成用塗布液H1に変更する以外は、比較例5と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例7)
実施例1の易接着層形成用塗布液を以下のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムの作製及び易接着層の積層を行った。
<易接着層形成用塗布液>
アクリル樹脂B1/メラミン系架橋剤/粒子を固形分質量比で、100/20/3の割合で混合したものを易接着層形成塗布液とした。
<積層フィルムの作製>
上記の両面に易接着層を有するポリエステルフィルムの一方の面に、実施例1と同様のハードコート層形成用塗布液H1を乾燥厚みが2μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥し、紫外線照射してハードコート層を形成した。
(比較例8)
比較例7のハードコート層形成用塗布液H1を、実施例2のハードコート層形成用塗布液H2に変更する以外は、比較例7と同様にして積層フィルムを作製した。
<干渉縞の評価>
上記の実施例及び比較例で作製した積層フィルムについて干渉縞を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0005676174
表1から本発明の実施例は、いずれも干渉縞が十分に低減されていることが分かる。一方、比較例1〜3は易接着層を構成するポリエステル樹脂とポリエステルフィルムとの屈折率差、あるいはアクリル樹脂とハードコート層との屈折率が0.03を越えており、干渉縞が十分に抑制されていない。また、比較例4〜8の易接着層は、ポリエステル樹脂あるいはアクリル樹脂のどちらかの樹脂で構成されているため、干渉縞が十分に抑制されていない。
(実施例7)
実施例1の積層フィルムのハードコート層上に、反射防止層として下記の低屈折率層1を積層した。
<低屈折率層1>
中空シリカ50質量部と紫外線硬化性アクリル樹脂(ジペンタエリスリトールトリアクリレート)50質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)2質量部を、メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールの混合溶媒に溶解・分散して調整した低屈折率層形成用塗布液(固形分濃度3質量%)を、乾燥厚みが0.1μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥後、紫外線を照射して硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.35であった。
(実施例8〜12)
実施例2〜6の積層フィルムのハードコート層上に、それぞれ反射防止層として下記の高屈折率層1と低屈折率層2をこの順に積層して、実施例8〜12の反射防止層が設けられた積層フィルムを作製した。
<高屈折率層1>
アンチモンドープ酸化錫(ATO)6質量部、紫外線硬化性アクリル樹脂(ジペンタエリスリトールトリアクリレート)2質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)0.1質量部、メチルエーテルケトン54質量部、イソプロピルアルコール38質量部の混合物を攪拌して高屈折率層用塗布液を調製した。この塗布液を乾燥厚みが0.1μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥後、紫外線を照射して硬化させて高屈折率層を形成した。この高屈折率層の屈折率は1.65であった。
<低屈折率層2>
市販の低屈折率層用塗料(JSR(株)製 オプスター(登録商標)TU2180)をメチルイソブチルケトンで固形分濃度が3質量%になるように希釈して調製した低屈折率層形成用塗布液を、乾燥厚みが0.1μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥後、紫外線を照射して硬化させて低屈折率層を形成した。この低屈折率層の屈折率は1.37であった。
(実施例13、14)
実施例5、6の積層フィルムのハードコート層上に、それぞれ反射防止層として実施例7の低屈折率層1積層して、実施例13、14の反射防止層が設けられた積層フィルムを作製した。
(比較例9)
比較例1の積層フィルムのハードコート層上に、実施例8〜12と同様にして高屈折率層1と低屈折率層2を積層した。
(比較例10)
比較例2の積層フィルムのハードコート層上に、実施例7と同様にして低屈折率層1を積層した。
(比較例11)
比較例3の積層フィルムのハードコート層上に、実施例8〜12と同様にして高屈折率層1と低屈折率層2を積層した。
(比較例12〜15)
比較例4〜7の積層フィルムのハードコート層上に、それぞれ実施例7と同様にして低屈折率層1を積層した。
(比較例16)
比較例8の積層フィルムのハードコート層上に、実施例8〜12と同様にして高屈折率層1と低屈折率層2を積層した。
<干渉縞の評価>
上記の実施例及び比較例で作製した積層フィルムについて干渉縞を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0005676174
本発明の実施例7〜14は、干渉縞が十分に低減された実施例1〜6の積層フィルムのハードコート層上に反射防止層が設けられたものであるので、反射防止層面の干渉縞も十分に低減されている。一方、比較例9〜16は、干渉縞が抑制されていない比較例1〜8の積層フィルムのハードコート層上に反射防止層が設けられたものであるので、反射防止層面の干渉縞も十分に抑制されていない。
(実施例15)
実施例4の積層フィルムのハードコート層が積層された面とは反対面に、屈折率が1.51のウレタン系粘着剤層(厚み25μm)を積層した。
<干渉縞の評価>
上記実施例15の積層フィルムについて上記と同様にして干渉縞を評価した結果、干渉縞の発生は認められなかった。
(実施例16)
実施例6の積層フィルムのハードコート層が積層された面とは反対面に、屈折率が1.49のアクリル系粘着剤層(厚み25μm)を積層した。
<干渉縞の評価>
上記実施例16の積層フィルムについて上記と同様にして干渉縞を評価した結果、干渉縞の発生は認められなかった。
(実施例17)
実施例11の積層フィルムのハードコート層及び反射防止層が積層された面とは反対面に、屈折率が1.51のウレタン系粘着剤層(厚み25μm)を積層した。
<干渉縞の評価>
上記実施例17の積層フィルムについて上記と同様にして干渉縞を評価した結果、干渉縞の発生は認められなかった。
(実施例18)
実施例12の積層フィルムのハードコート層及び反射防止層が積層された面とは反対面に、屈折率が1.49のアクリル系粘着剤層(厚み25μm)を積層した。
<干渉縞の評価>
上記実施例18の積層フィルムについて上記と同様にして干渉縞を評価した結果、干渉縞の発生は認められなかった。
(実施例19)
実施例5の積層フィルムのハードコート層が積層された面とは反対面に、下記の近赤外線遮蔽機能を有する粘着剤層を厚み25μmで積層した。
<近赤外線遮蔽機能を有する粘着剤層>
アクリル系粘着剤200質量部に、ジイモニウム系近赤外線吸収色素を3質量部、フタロシアニン系近赤外線吸収色素を1質量部、570〜610nmに極大吸収波長を有するネオン光カット色素としてテトラアザポルフィリン0.3質量部を混合したものを乾燥厚みが25μmとなるように、離型PETフィルム(厚み38μm)上にスロットダイコーターで塗工し、乾燥して粘着剤層を形成した。次に、この離型PETフィルムに塗工された粘着剤層を、上記積層フィルムのハードコート層/低屈折率層が積層された面とは反対面に積層した。この粘着剤層の屈折率は1.49であった。
<干渉縞の評価>
実施例19の積層フィルムについて上記と同様にして干渉縞を評価した結果、干渉縞の発生は認められなかった。

Claims (11)

  1. ポリエステルフィルムの第1の面に、第1の樹脂層を介してハードコート層が積層され、
    前記ポリエステルフィルムの屈折率に対して前記ハードコート層の屈折率が0.07以上小さく、
    前記第1の樹脂層が、第1の高屈折率樹脂と第1の低屈折率樹脂とが混合された塗布液を、前記ポリエステルフィルムの第1の面に塗布して形成され、かつ、相分離状態を有するものであり、
    前記第1の高屈折率樹脂がフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂であり、かつ、この第1の高屈折率樹脂の屈折率は1.60以上1.70以下であり、
    前記第1の低屈折率樹脂がアクリル樹脂であり、かつ、この第1の低屈折率樹脂の屈折率は1.60未満であり、
    前記第1の高屈折率樹脂と前記ポリエステルフィルムとの屈折率差の絶対値が0.03以下であり、前記第1の低屈折率樹脂と前記ハードコート層との屈折率差の絶対値が0.03以下である、積層フィルム。
  2. 前記第1の樹脂層を構成する前記第1の高屈折率樹脂と前記第1の低屈折率樹脂の含有比率(質量比)が、40:60〜90:10の範囲である、請求項1の積層フィルム。
  3. 前記ポリエステルフィルムの屈折率が1.61以上1.70以下である、請求項1または2の積層フィルム。
  4. 前記ポリエステルフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜3のいずれかの積層フィルム。
  5. 前記第1の樹脂層の厚みが0.02〜1μmである、請求項1〜4のいずれかの積層フィルム。
  6. 前記ハードコート層の屈折率が1.45以上1.60未満である、請求項1〜5のいずれかの積層フィルム。
  7. 前記ハードコート層上に反射防止層を有する、請求項1〜6のいずれかの積層フィルム。
  8. 前記第1の高屈折率樹脂(フルオレン骨格を有するポリエステル樹脂)が、スルホン酸塩基を有するジカルボン酸成分を含有する、請求項1〜7のいずれかの積層フィルム。
  9. 前記第1の樹脂層が、更に架橋剤および粒子を含有する、請求項1〜8のいずれかの積層フィルム。
  10. 前記ハードコート層が、金属酸化物粒子を含有し、ハードコート層における前記金属酸化物粒子の含有量が、ハードコート層の固形分総量100質量%に対して50質量%未満である、請求項1〜9のいずれかの積層フィルム。
  11. 前記ハードコート層が、金属酸化物粒子を含有しない請求項1〜9のいずれかの積層フィルム。

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