JP5673154B2 - 画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラムに関し、より詳しくは、成形により変形させる媒体へ機能性材料によって形成する画像を処理する画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラムに関する。
従来、この種の画像処理装置としては、格子を形成したテスト版下を印刷したものを成形加工して三次元形状物に仕上げ、これと元の版下との両方をデジタル化してコンピューターに取り込み、三次元形状物に対する印刷の性質や三次元形状物にする加工方法の変形具合の特徴をつかみ、三次元形状物に成形した場合にデザイナーが要求する意匠になるような版下を作製し、その版下を印刷する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、絵柄フィルムを、成形前後の絵柄の歪みを算出して写像関数として記録し、写像関数に基づいて絵柄の歪みを相殺するように変形させた印刷絵柄を作製し、成形前後のフィルム濃度変化を濃度変化関数として記録し、印刷絵柄の濃度を濃度変化関数に基づいて補正するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−119409号公報 特開2005−199625号公報
ところで、上述の特許文献1の装置などでは、変形に基づく色補正を行わなければ一定の画質が得られない領域と、変形に基づく色補正を行わなくてもある一定の画質が得られる領域とが存在することがある。このように、より効率のよい処理によって色補正を行うことが望まれていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、画像形成後に媒体を変形するものにおいて、より効率のよい処理によって機能性材料の形成量の補正を行うことができる画像処理装置、画像処理方法及びそのプログラムを提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の画像処理装置は、
成形により変形させる媒体へ機能性材料によって形成する画像を処理する画像処理装置であって、
複数の基本形状を形成する複数の格子点を前記変形前の媒体に疑似形成した該格子点の位置と、前記媒体の変形に伴い移動した該格子点の位置とを含む位置情報に基づいて得られた前記基本形状の変形度合いを取得する変形度取得手段と、
前記取得した変形度合いが所定の変形閾値以上である前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する前記機能性材料の形成量の補正を実行する一方、前記変形度合いが前記変形閾値を下回る前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する前記機能性材料の形成量の補正を省略する補正実行手段と、
を備えたものである。
この画像処理装置では、変形前の媒体に疑似形成した格子点の位置と、媒体の変形に伴い移動した格子点の位置とを含む位置情報に基づいて得られた基本形状の変形度合いを取得する。そして、取得した変形度合いが所定の変形閾値以上である基本形状の領域に対しては機能性材料の形成量の補正を実行する一方、変形度合いが変形閾値を下回る基本形状の領域に対しては機能性材料の形成量の補正を省略する。このように、基本形状の変形度合いに基づいて機能性材料の形成量の補正を省略するのである。したがって、より効率のよい処理によって機能性材料の形成量の補正を行うことができる。ここで、「媒体に疑似形成」とは、媒体上に擬似的に形成することをいい、媒体の画像に格子点の画像を形成することや、試作品の媒体上に格子点を形成(例えば、印刷や貼付けなど)するなどとしてもよい。また、「位置情報」は、例えば格子点の座標値を含むものとしてもよい。また、「基本形状」は、複数の格子点で形成されるもののうち最小単位の形状をいうものとしてもよく、例えば、三角形、四角形、六角形などの多角形などが挙げられる。
本発明の画像処理装置は、前記変形度合いが前記変形閾値以上である前記基本形状の領域に対しては前記基本形状が変形していることを表す変形情報を設定する一方、前記変形度合いが前記変形閾値を下回る前記基本形状の領域に対しては前記基本形状が変形していないことを表す維持情報を設定する設定手段、を備え、前記補正実行手段は、前記変形情報が設定されている前記基本形状の領域に対しては前記機能性材料の形成量の補正を実行する一方、前記維持情報が設定されている前記基本形状の領域に対しては前記機能性材料の形成量の補正を省略するものとしてもよい。こうすれば、変形情報及び維持情報を用いてより効率のよい処理によって機能性材料の形成量の補正を行うことができる。このとき、前記設定手段は、前記媒体の変形によって変形した前記基本形状の領域に対して前記変形情報を設定する一方、前記媒体の変形によっても変形していない前記基本形状の領域に対して前記維持情報を設定するものとしてもよい。こうすれば、基本形状が変形したか否かにより変形情報又は維持情報を設定することができるため、更に効率のよい処理によって機能性材料の形成量の補正を行うことができる。
変形情報と維持情報とを設定する態様の本発明の画像処理装置は、画像を表示する表示手段と、前記複数の格子点により前記基本形状を疑似形成した前記変形前の媒体の画像と、前記設定した前記基本形状の領域の前記変形情報及び前記維持情報とを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示された前記基本形状の領域に対して、ユーザーの入力操作に基づいて入力された前記変形情報及び前記維持情報を取得する変形情報取得手段と、を備え、前記補正実行手段は、前記取得した変形情報及び維持情報を用いて前記変形前の媒体の基本形状の領域に対して前記機能性材料の形成量の補正を実行するものとしてもよい。こうすれば、変形情報及び維持情報を用いることにより、ユーザーの領域指定が容易になるため、機能性材料の形成量の補正の実行・省略をより容易な処理により設定することができる。
あるいは、変形情報と維持情報とを設定する態様の本発明の画像処理装置は、画像を表示する表示手段と、前記複数の格子点により前記基本形状を疑似形成した前記変形前の媒体の画像と、前記基本形状の前記変形度合いとを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示された前記基本形状の領域に対して、ユーザーの入力操作に基づいて入力された前記変形情報及び前記維持情報を取得する変形情報取得手段と、を備え、前記補正実行手段は、前記取得した変形情報及び維持情報を用いて前記変形前の媒体の基本形状の領域に対して前記機能性材料の形成量の補正を実行するものとしてもよい。こうすれば、各基本形状の変形度合いをユーザーが確認しながら変形情報及び維持情報を入力可能であるため、機能性材料の形成量の補正の実行・省略をより容易に、且つより確実に変更することができる。
本発明の画像処理装置は、ユーザーの入力操作に基づいて入力された前記変形閾値を取得する閾値取得手段、を備え、前記補正実行手段は、前記取得した変形閾値に基づいて前記変形前の媒体の基本形状の領域に対して前記機能性材料の形成量の補正を実行するものとしてもよい。こうすれば、ユーザーの要求に合わせた変形閾値を用いて、より効率のよい処理によって機能性材料の形成量の補正を行うことができる。
本発明の画像処理装置において、前記基本形状は、矩形であるものとしてもよい。こうすれば、変形前後での格子点の移動状態を比較的把握しやすい。このとき、前記位置情報は、前記変形前の媒体へ上下左右に等間隔に格子点を疑似形成した位置、即ち、前記変形前の媒体に正方形を疑似形成する複数の格子点の位置を含むことがより好ましい。
本発明の画像処理装置において、前記変形度取得手段は、前記媒体の変形前後において前記格子点により形成される基本形状が維持されているか否かを前記取得した前記格子点の位置情報に基づいて判定し、前記媒体の変形前後において前記基本形状が維持されているときには、該基本形状については変形していないと判定し、前記補正実行手段は、前記変形していない基本形状の領域に対して前記機能性材料の形成量の補正を省略するものとしてもよい。こうすれば、変形前後において基本形状が維持されている、例えば、変形率が一律な基本形状の領域などについては機能性材料の形成量の補正を省略することによって、処理の簡便化を図ることができる。ここで、「変形前後において基本形状が維持されている」とは、媒体の変形前後において、基本形状の形状及び大きさが同一であることをいうものとしてもよいし、基本形状の大きさは異なるが形状が同一であることをいうものとしてもよい。また、前記変形度取得手段は、前記媒体の変形前後において高さ方向に変化のない前記基本形状の領域を、前記媒体の変形前後において前記基本形状が維持されているものと判定するものとしてもよい。
本発明の画像処理装置において、前記補正実行手段は、前記基本形状の領域の変形率が大きいほど大きくなるよう前記機能性材料の形成量を補正するものとしてもよい。こうすれば、より適切な機能性材料の形成量の補正を行うことができる。
本発明の画像処理装置において、前記機能性材料は、インクであるものとしてもよい。あるいは、前記機能性材料は、トナーであるものとしてもよい。
本発明の画像処理方法は、
成形により変形させる媒体へ機能性材料によって形成する画像を処理する画像処理方法であって、
(a)複数の基本形状を形成する複数の格子点を前記変形前の媒体に疑似形成した該格子点の位置と、前記媒体の変形に伴い移動した該格子点の位置とを含む位置情報に基づいて得られた前記基本形状の変形度合いを取得するステップと、
(b)前記取得した変形度合いが所定の変形閾値以上である前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する機能性材料の形成量の補正を実行する一方、前記変形度合いが前記変形閾値を下回る前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する機能性材料の形成量の補正を省略するステップと、
を含むものである。
この画像処理方法では、上述した画像処理装置と同様に、基本形状の変形度合いに基づいて機能性材料の形成量の補正を省略するため、より効率のよい処理によって機能性材料の形成量の補正を行うことができる。なお、この画像処理方法において、上述した画像処理装置の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した画像処理装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
本発明のプログラムは、上述した画像処理方法の各ステップを1以上のコンピューターに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピューターが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピューターから別のコンピューターへ配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムを一つのコンピューターに実行させるか又は複数のコンピューターに各ステップを分担して実行させれば、上述した画像処理方法の各ステップが実行されるため、この画像処理方法と同様の作用効果が得られる。
加飾成形システム10の構成の概略の一例を示す構成図。 変形色補償LUT69の一例を表す説明図。 変形画像処理プログラムの形状補償処理の説明図。 変形後色補償処理ルーチンの一例を示すフローチャート。 実成形品の一例の説明図。 変形率データ75、変形フラグデータ76の説明図。 補正設定画面80の一例の説明図。 変形閾値をスライダー87で変更する説明図。 変形フラグを拡大表示領域84で変更する説明図。
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態である加飾成形システム10の構成の概略の一例を示す構成図である。本実施形態の加飾成形システム10は、図1に示すように、ロール36から引き出された媒体Sにインクを吐出して画像形成を行うプリンター20と、画像形成後の媒体Sを変形し立体物を成形する成形装置40と、プリンター20へデータ通信可能に接続され印刷データを出力する画像処理装置の機能を有するパソコン(PC)50とを備えている。
プリンター20は、樹脂製のシートなどの媒体S(例えばポリフィルムなど)に印刷する加飾印刷処理を実行可能な印刷装置として構成されている。プリンター20は、装置全体を制御するコントローラー21と、インクを媒体Sに吐出する印刷機構25と、媒体Sを搬送する搬送機構32とを備えている。コントローラー21は、CPU22を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムを記憶しデータを書き換え可能なフラッシュメモリ23と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM24などを備えている。このコントローラー21は、PC50からの印刷データを受信すると共に、印刷処理を実行するよう印刷機構25や搬送機構32を制御する。印刷機構25は、キャリッジベルト31によりキャリッジ軸30に沿って左右(主走査方向)に往復動するキャリッジ26と、インクに圧力をかけノズル27からインク滴を吐出する印刷ヘッド28と、各色のインクを収容したカートリッジ29と、を備えている。印刷ヘッド28は、キャリッジ26の下部に設けられており、圧電素子に電圧をかけることによりこの圧電素子を変形させてインクを加圧する方式により、印刷ヘッド28の下面に設けられたノズル27から各色のインクを吐出するものである。なお、インクへ圧力をかける機構は、ヒーターの熱による気泡の発生によるものとしてもよい。カートリッジ29は、本体側に装着され、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(K)などの各色のインクを個別に収容しており、この収容したインクを図示しないチューブを介して印刷ヘッド28へ供給する。搬送機構32は、駆動モーター33により駆動され、媒体Sを搬送する搬送ローラー34などを備えている。
成形装置40は、プリンター20で画像を形成したあとの媒体Sを所望の三次元形状に成形する装置である。この成形装置40は、媒体Sの上方に配置された上型部41と、媒体Sの下方に配置された下型部42とを備えている。上型部41や下型部42には図示しない金型がセットされており、媒体Sを挟み込むことにより媒体Sを三次元形状に成形する。この媒体Sの成形は、加熱成形としてもよいし、加圧成形としてもよい。また、この成形装置40にセットされる金型は、複数種の異なる金型を交換可能なものとした。なお、媒体Sは、成形前、あるいは成形後に、プリンター20と成形装置40との間に配置された切断機37により所定長さに切断される。
PC50は、ユーザーが使用する画像処理装置及び印刷制御装置として構成されたパソコンである。このPC50は、装置全体の制御を司るコントローラー51と、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する大容量メモリであるHDD55と、プリンター20などの外部機器とのデータの入出力を行うネットワークインターフェイス(I/F)56とを備えている。コントローラー51は、各種制御を実行するCPU52や各種制御プログラムを記憶するフラッシュメモリ53、データを一時記憶するRAM54などを備えている。また、PC50は、ユーザーが各種指令を入力するキーボード及びマウス等の入力装置57や、各種情報を表示するディスプレイ58などを備えている。このPC50は、ディスプレイ58に表示されたカーソル等をユーザーが入力装置57を介して入力操作するとその入力操作に応じた動作を実行する機能を有している。コントローラー51やHDD55、I/F56、入力装置57、ディスプレイ58などは、バス59によって電気的に接続され、各種制御信号やデータのやり取りができるよう構成されている。
このPC50のHDD55には、図示しないアプリケーションプログラムや、変形画像処理プログラム60、印刷ドライバー70などが格納されている。変形画像処理プログラム60は、媒体Sに形成した画像が媒体Sの成形後(変形後)に生じる色ずれや形状ずれを補正する際に用いられるプログラムであり、3D絵柄編集部61や形状補償部62、色補償部63などを有している。3D絵柄編集部61は、成形前の媒体Sに形成した画像の編集と成形後の媒体Sに形成した画像の編集とを実行する機能を有している。形状補償部62は、媒体Sの成形時の外形の変形によって生じる成形品表面の意匠(文字や模様)の形状変化を、目的の形状に補正する形状補償を実行する機能を有している。この形状補償部62は、複数の矩形(グリッド)を形成する複数の格子点を変形前の媒体Sに疑似形成したのちこの媒体Sの変形に伴い移動した格子点の位置に関する位置情報を取得する機能を有している。この形状補償部62は、正方形を形成する格子点を変形前の媒体Sに疑似形成し、媒体Sの成形後(変形後)に各格子点が移動した座標(X座標,Y座標,Z座標)を位置情報として取得する機能を有している。なお、「媒体Sに疑似形成する」とは、媒体Sの画像に格子点の画像を形成するものとしてもよい。色補償部63は、媒体Sの成形時の変形による成形品の色合いの変化を、目的の色合いに補正する色補償を実行する機能を有している。この色補償部63は、変形率取得部64やフラグ設定部65、閾値位置指定取得部66、補正実行部67、データ出力部68、変形色補償LUT69などを有している。変形率取得部64は、媒体Sの変形前の格子点の位置と媒体Sの変形後の格子点の位置とに基づいて得られた矩形の変形率(変形度合い)を取得する機能を有している。この変形率は、例えば、ある矩形において、媒体Sの変形後の面積を変形前の面積で除算し、100を乗算して求めた面積変化率としてもよい。フラグ設定部65は、各矩形に対し変形フラグを設定する機能を有している。この変形フラグは、格子点により形成された矩形が変形しているか否かを表すフラグであり、値「0」が変形していないことを表し、値「1」が変形していることを表すものと定義されている。このフラグ設定部65は、各矩形の変形率と所定の変形閾値とに基づいて変形フラグの値を設定する機能を有している。変形閾値は、この値を超えるとその矩形が変形していると判定する変形率と定義されており、ユーザーにより変更可能な値である。この変形閾値は、この値を超えるとその矩形のインク吐出量の補正を実行する変形率としても定義されている。閾値位置指定取得部66は、ユーザーの入力装置57の入力操作に基づいて入力された変形閾値や変形フラグの値を取得する機能を有している。補正実行部67は、変形前の矩形の各々に対し、変形後の変形率に応じて媒体Sへ形成する着色剤(インク)の形成量(吐出量,インク量とも称する)を変形色補償LUT69を用いて補正する機能を有している。データ出力部68は、補正後の印刷画像を印刷ドライバー70へ出力する機能を有している。変形色補償LUT69は、媒体Sの変形後の成形体で発色すべき目的色の色値と、媒体Sの変形率と、媒体S上に形成するインク量との関係を経験的に定めた対応関係テーブルである。図2は、変形色補償LUT69の一例を表す説明図である。図2に示すように、変形色補償LUT69において、色値と媒体Sの変形率とが指定されると、指定された変形率で媒体Sが変形したのちに指定した色値になる各色のインク量が導き出される。変形色補償LUT69では、同じ色値において、変形後の変形率が大きいほど着色剤の形成量が大きくなる傾向に設定されている。また、この変形色補償LUT69は、格納されている各値の間のデータを周知の四面体補間処理を行うことによって、より格子点データの多いLUTに展開して利用されるものとした。なお、図2では、変形色補償LUT69の一部のみを示した。この3D絵柄編集部61や形状補償部62、色補償部63は、それぞれ、プログラムとしての3D絵柄編集モジュール、形状補償モジュール、色補償モジュールとして変形画像処理プログラム60に組み込まれている。また、位置情報取得部64や変形率取得部65、閾値位置指定取得部66、補正実行部67、データ出力部68は、それぞれ、位置情報取得モジュールや変形率取得モジュール、閾値位置指定取得モジュール、補正実行モジュール、データ出力モジュールとして色補償部63に組み込まれている。そして、これらのモジュールがコントローラー51により実行されることにより、それぞれ上述した機能を発現するものとした。印刷ドライバー70は、アプリケーションプログラム側から受けた印刷ジョブをプリンター20で直接印刷処理可能な印刷データへ変換してプリンター20側へ出力(送信)するプログラムである。また、印刷ドライバー70は、変形画像処理プログラム60で作成された印刷データをプリンター20へ出力する機能を有している。
次に、こうして構成された本実施形態の加飾成形システム10の画像処理について、まず、形状補償部62による処理について説明する。図3は、変形画像処理プログラム60により実行される形状補償処理の説明図である。図3に示すように、3D絵柄編集部61及び形状補償部62を起動すると、CPU52は、縦横に等間隔の格子点72を形成し、これを結んだグリッドを平面の媒体上に形成した画像を作成する(図3(a))。次に、目的の製品の形状に成形するように媒体を変形させる処理を行い、変形後の各格子点72の三次元座標位置や各グリッドの歪み方向、歪み量を計算する。計算結果に基づいて、成形後の立体物の三次元モデル画像を作成し、ディスプレイ58へ表示処理する(図3(b))。次に、ユーザーの入力操作により三次元モデルの表面に絵柄が形成され(図3(c))、二次元変換指示が入力されると、三次元での座標値を二次元の座標値に変換し、変換後の画像を表示する(図3(d))。このようにして、成形後に目的とする絵柄となる形状の画像が成形前のシート上に形成され、成形前に媒体Sに印刷すべき版下画像データ73を作成することができる。その後、この版下画像データ73は、以下に説明する色補償処理が施される。
次に、成形して変形したあとの成形品の色補償を行う処理について説明する。図4は、コントローラー51のCPU52により実行される変形後色補償処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、HDD55に記憶され、色補償の実行指示が入力されたあとに実行される。色補償の実行指令は、例えば、ディスプレイ58に表示された、図示しない変形画像処理プログラム60の編集画面上で上記形状補償を行ったあとの版下画像データを選択したあと、この画面上に表示された色補償実行ボタンをクリックすることにより入力されるものとしてもよい。この色補償処理は、変形率取得部64、フラグ設定部65、閾値位置指定取得部66、補正実行部67、データ出力部68及び変形色補償LUT69など、色補償部63の各機能によって実行される。この変形後色補償処理では、媒体Sの変形率の増加に応じて色変化が増加することから、この変形率に基づいて加工前、画像形成時のインク吐出量を補正する処理を行う。ここでは、図5に示すように、四角錐の成形を実行する場合を具体例として以下説明する。図5は、実成形品の一例の説明図である。この実成形品について、斜視画像である立体画像74(図5の下図)や、上方から観察した平面図(図5の右図)を適宜用いて以下説明する。
このルーチンを実行すると、CPU52は、変形加工前後の格子点の位置情報を取得する(ステップS100)。ここでは、上述した形状補償処理で求めた、変形加工前の格子点の三次元座標(X,Y,Z)を取得すると共に、変形加工後の格子点の三次元座標(X,Y,Z)を取得することにより位置情報を取得するものとした。ここでは、図5に示す、平面に複数の格子点72が上下左右に等間隔に配置された画像を変形加工前の位置情報とし、四角錐の画像を変形加工後の位置情報として取得するものとした。次に、CPU52は、変形前の格子点により形成される矩形の面積と、変形後の格子点により形成される面積とに基づき、変形後の面積を変形前の面積で除算して100を乗算することにより導出された変形率を取得する(ステップS110)。ここでは、例えば、媒体Sの変形前後で格子点の座標位置が変化しないものについてはその矩形が変形していないものとして計算を省略し、媒体Sの変形前後で格子点の座標位置が変化した矩形については計算により変形率を求め、媒体上に形成されたグリッド全体の変形率を取得するものとした。なお、媒体Sの変形後の面積は、形状補償部62の機能により、その周りのグリッドの変形状態を加味して、計算で求めるものとした。
次に、CPU52は、格子点により形成された各矩形の変形率と、変形閾値とに基づいて各矩形の変形フラグの設定を行う(ステップS120)。ここでは、変形フラグの値は、格子点により形成される矩形の変形率が、予め設定されている変形閾値以上である場合に変形フラグを値「1」に設定し、変形閾値を下回る場合に変形フラグを値「0」に設定するものとした。図6は、RAM54に格納された変形率データ75、変形フラグデータ76及び変形閾値データ77の説明図である。HDD55には、前回設定された変形閾値が記憶されており、CPU52は、この値を読み出し変形閾値データ77としてRAM54に格納するものとした。また、CPU52は、各矩形に対して個別のアドレスを付与し、そのアドレスに対して上記算出した変形率を対応付けて変形率データ75とし、これをRAM54に格納するものとした。また、CPU52は、各矩形に対して個別のアドレスを付与し、そのアドレスに対して上記設定した変形フラグ値を対応付けて変形フラグデータ76とし、これをRAM54に格納するものとした。このように、変形率データ75及び変形フラグデータ76は、各矩形に付与されたアドレスに対して変形率や変形フラグ値を対応づけた形式でRAM54の所定領域に格納されている。したがって、このアドレスを用いて、各矩形の場所や変形率、変形フラグの値を一意に参照することができる。なお、図6では、理解の容易のため、図5の実成型品の変形率データ75及び変形フラグデータ76の一例をマトリックス状に表示し、変形フラグデータ76の変形フラグが値「1」である矩形に対して網掛け処理を施して表示した。
次に、CPU52は、変形フラグの内容を含む補正設定画面80をディスプレイ58に表示出力する(ステップS130)。図7は、ディスプレイ58に表示される補正設定画面80の一例の説明図である。この補正設定画面80には、立体画像74を表示する立体画像表示領域81や、媒体Sのグリッド全体を表示するグリッド表示領域82、グリッド85の一部である拡大枠83に含まれる領域を拡大表示する拡大表示領域84、変形閾値や変形フラグ値の変更を入力する設定入力領域86、色補償を実行する際に押下される色補償実行キー89などが含まれている。この補正設定画面80では、変形フラグ値は、グリッド表示領域82や拡大表示領域84の各矩形の色を変更して表示するものとした。このため、矩形の色により補正が実行されるか否かを容易に視認することができる。なお、図7では、変形しておりインク吐出量の補正を実行する矩形、即ち、変形フラグが値「1」の矩形については、網掛け処理を施して表示した。グリッド表示領域82及び拡大表示領域84では、いずれかの矩形をカーソル71でクリックすると、その矩形の変形フラグの値を変更することができるようになっている。また、設定入力領域86には、変形閾値を変更可能なスライダー87と、変形閾値をキー入力可能な閾値入力欄88とが配置されている。このスライダー87と閾値入力欄88とは連動するように構成されており、例えばスライダー87の上下操作に応じて閾値入力欄88の変更閾値が変更されるものとした。このスライダー87を「最大」側にスライドさせると、できるだけ多くの矩形に対して補正を実行する、即ち変形閾値をより小さな値に設定し、「最小」側にスライドさせると、できるだけ少ない矩形に対して補正を実行する、即ち変形閾値をより大きな値に設定するものとした。
さて、補正設定画面80を表示出力すると、CPU52は、変形閾値の変更入力がされたか否かを判定する(ステップS140)。ここでは、表示されている設定入力領域86において、スライダー87をスライドする入力がされたか否か、及び閾値入力欄88に直接キー入力されたか否かを判定する。変形閾値の変更入力がされたときは、CPU52は、変更入力された値を補正実行閾値データ77に格納し、ステップS120以降の処理、即ち、各矩形の変形率と、入力された変形閾値とに基づいて各矩形の変形フラグの値を再設定し、再設定した内容を含む補正設定画面80を表示出力する。図8は、変形閾値をスライダー87で変形閾値を変更する説明図である。図8に示すように、スライダー87のつまみが下方にスライドされると、CPU52は、その位置に基づいて変形閾値を設定し、その値をRAM54の補正実行閾値データ77に格納すると共に、閾値入力欄88に表示させる。更に、変更後の変形閾値以上の矩形に対し変形フラグを値「1」に設定する。ここでは、変形率150%以上の矩形の変形フラグを値「1」とし、グリッド表示領域82や拡大表示領域84での表示内容を変更する(図6の変形率データ75参照)。このように、変形閾値の変更により、比較的大領域の変形フラグの設定変更を実行することができる。
一方、ステップS140で変形閾値の変更入力がされていないときには、変形フラグの変更入力がされたか否かを判定する(ステップS150)。変形フラグの変更入力の判定は、例えば、拡大表示領域84のいずれかの矩形領域にカーソル71を合わせ、クリックされたか否かにより行うことができる。変形フラグの変更入力がされたときには、CPU52は、変更内容を反映させ(ステップS160)、ステップS100以降の処理を実行する。変更内容の反映は、例えば、変形フラグの値「0」の矩形領域がクリックされるとその矩形領域の変形フラグを値「1」に変更し、変形フラグの値「1」の矩形領域がクリックされるとその矩形領域の変形フラグを値「0」に変更するものとした。図9は、変形フラグの値を拡大表示領域84で変更する説明図である。図9に示すように、拡大表示領域84に表示されている矩形領域の1つがクリックされると、CPU52は、その矩形の変形フラグの値を反転させ、その値をRAM54の補正実行フラグデータ76に格納すると共に、立体画像表示領域81、グリッド表示領域82及び拡大表示領域84の表示内容を変更する。なお、変形フラグの入力及び変形閾値の入力はどのような形式で実現してもよいが、グリッド表示領域82や拡大表示領域84で変形フラグの値を入力したときには、現在設定されている変形フラグの値を保持させるよう、設定入力領域86の変形閾値を入力不可とするものとしてもよい(図9)。このように、変形フラグの変更により、小領域の変形フラグの設定変更を実行することができる。
一方、ステップS150で変形フラグの変更入力がされていないときには、CPU52は、色補償処理の実行指示が入力されたか否かを色補償実行キー89が押下されたか否かに基づいて判定する(ステップS170)。色補償処理の実行指示が入力されていないときには、CPU52は、ステップS130以降の処理を実行し、色補償処理の実行指示が入力されたときには、変形フラグの値に基づいて各矩形領域に対し色補償処理を実行する(ステップS180)。この色補償処理において、変形フラグが値「0」の矩形領域に対してはこの矩形領域は変形していないものとして色補償処理を省略し、変形フラグが値「1」の矩形領域に対してはこの矩形領域は変形しているものとして色補償処理を実行する。色補償処理では、目的とする色値と変形率とにより、変形色補償LUT69を用いて、その領域で用いる各色のインク量を設定する処理を行う。色補償処理において、目的とする色値及び変形率が、変形色補償LUT69に格納されている値の間にある場合などには、周知の四面体補間処理を行うことによって、適合するインク量を計算により近似的に求めるものとした。この色補償処理では、変形色補償LUT69により、色値が同じであるときは、変形後の変形率が大きいほど大きくなるようインクの形成量を補正するものとした。色補償処理が完了すると、CPU52は、色補償を行った画像データを色補償データとしてHDD55に保存し(ステップS190)、このルーチンを終了する。その後、この色補償データをプリンター20へ出力し、媒体Sへインクを吐出させる印刷処理を実行すると共に、成形装置40で印刷された媒体Sの成形処理を実行する。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のコントローラー51及び変形率取得部64が本発明の変形度取得手段に相当し、コントローラー51及びフラグ設定部65が設定手段に相当し、コントローラー51及び閾値位置指定取得部66が変形情報取得手段及び閾値取得手段に相当し、コントローラー51及び補正実行部67が補正実行手段に相当する。また、変形フラグ値「1」が変形情報に相当し、変形フラグ値「0」が維持情報に相当し、インク(着色剤)が機能性材料に相当する。なお、本実施形態では、PC50の動作を説明することにより本発明の画像処理方法の一例も明らかにしている。
以上詳述した本実施形態のPC50によれば、変形前の媒体Sに疑似形成した格子点の位置と、媒体Sの変形に伴い移動した格子点の位置とを含む位置情報に基づいて得られた矩形の変形率を取得する。そして、変形率が所定の変形閾値以上である矩形の領域に対してはインク吐出量の補正を実行する一方、変形率が変形閾値を下回る矩形の領域に対してはインク吐出量の補正を省略する。このように、矩形の変形率に基づいてインク吐出量の補正を省略するのである。したがって、より効率のよい処理によってインク吐出量の補正を行うことができる。また、変形率が変形閾値以上である矩形の領域に対しては変形フラグを値「1」に設定する一方、変形率が変形閾値を下回る矩形の領域に対しては変形フラグを値「0」に設定するため、変形フラグの値を用いてより効率のよい処理によってインク吐出量の補正を行うことができる。更に、ユーザーの入力操作に基づいて変形フラグの値を変更可能であるため、ユーザーの領域指定が容易であり、インク吐出量の補正の実行・省略をより容易な処理により設定することができる。更にまた、ユーザーの入力操作に基づいて変形閾値を変更可能であるため、ユーザーの要求に合わせた変形閾値を用いて、より効率のよい処理によってインク吐出量の補正を行うことができる。
そして、矩形のグリッドを形成するため、変形前後での格子点の移動状態を比較的把握しやすい。そしてまた、媒体の変形前後において格子点により形成される矩形が維持されているか否かを格子点の位置情報に基づいて判定し、矩形が維持されているときには、矩形は変形していないとするため、変形率の算出を省略したりインク吐出量の補正を省略可能であり、処理の簡便化を図ることができる。そして更に、矩形の領域の変形率が大きいほど大きくなるようインク吐出量を補正するため、より適切なインク吐出量の補正を行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、変形フラグにより色補償処理の実行、省略を行うものとしたが、特にこれに限定されず、変形フラグを用いないものとしてもよい。例えば、変形閾値以上の変形率を有する矩形については色補償処理を実行し、変形閾値を下回る変形率を有する矩形については色補償処理を省略するものとしてもよい。こうしても、矩形の変形率に基づいてインク吐出量の補正を省略するため、より効率のよい処理によってインク吐出量の補正を行うことができる。
上述した実施形態では、各矩形の変形率を取得し、この変形率が変形閾値以上である矩形の変形フラグを値「1」とし、変形率が変形閾値を下回る矩形の変形フラグを値「0」に設定するものとしたが、特にこれに限定されず、変形率を取得しないものとしてもよい。例えば、媒体Sの変形によって変形が起きた矩形の領域に対して変形フラグを値「1」とし、媒体Sの変形によっても変形が起きない矩形の領域に対して変形フラグを値「0」に設定するものとしてもよい。こうすれば、変形率の計算を省略して、更に効率のよい処理によってインク吐出量の補正を行うことができる。あるいは、変形率を用いずに、媒体の変形前後において格子点により形成される矩形が維持されているか否かを格子点の位置情報に基づいて判定し、矩形が維持されているときには、矩形は変形していないとして処理するものとしてもよい。こうすれば、変形率の算出を省略したりインク吐出量の補正を省略可能であり、処理の簡便化を図ることができる。
上述した実施形態では、変形フラグの値をユーザーが変更可能なものとしたが、特にこれに限定されず、この変形フラグの値の変更入力を省略してもよい。あるいは、上述した実施形態では、変形閾値の値をユーザーが変更可能なものとしたが、特にこれに限定されず、この変形閾値の変更入力を省略してもよい。このとき、画像データの種類に応じて変形閾値を複数設けておき、CPU52の処理により複数の変形閾値を切り替えて上記変形後色補償処理を行うものとしてもよい。また、上述した実施形態では、グリッド表示領域82や拡大表示領域84の矩形の色を変えて変形フラグの内容を表示するものとしたが、変形フラグの値を視認可能であれば特にこれに限定されず、例えば、フラグ値を表示させてもよいし、矩形内部に文字や記号、画像などを配置してもよい。
上述した実施形態では、ステップS100で位置情報を取得し、ステップS110で変形率を取得するものとしたが、特にこれに限定されない。例えば、変形率は、形状補償部62で計算されたものを取得するものとしてもよいし、色補償部63で位置情報に基づいて計算して取得するものとしてもよい。
上述した実施形態では、変形加工前の媒体Sに疑似形成する格子点は、均等に配置し正方形のグリッドを形成するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば、矩形状に配置してもよいし、正方形や矩形からややずれた位置に配置してもよいし、千鳥状に配置してもよい。なお、変形加工前後の格子点の位置関係を把握する上では、矩形状が好ましく、正方形状がより好ましい。
上述した実施形態では、成形後の三次元形状、即ち、各格子点72の三次元座標(位置情報)を3D絵柄編集部61や形状補償部62を用い、ソフトウエアプログラムにより取得するものとして説明したが、特にこれに限定されず、グリッドを形成した媒体Sを変形して実際に成形品を作製し、それを測定することにより、格子点の三次元座標を取得するものとしてもよい。この場合、形状補償処理は以下のような手順で行うことができる。例えば、目的の製品と同じ材質の媒体Sにグリッドを形成し、各格子点の位置を二次元座標として記録する。次に、この媒体Sを目的の製品を製造する条件で、成形装置40により成形する。成形後(変形後)の媒体Sの各格子点の位置を測定し、各格子点の位置を三次元座標として記録する。そして、変形加工前後の座標を対応付け、位置情報とすることができる。このとき、測定した各格子点の三次元座標を入力装置57で入力することにより、位置情報を取得するものとしてもよい。このように、「媒体に疑似形成」には、試作品の媒体上に格子点を形成(例えば、印刷や貼付けなど)することを含むものとしてもよい。
上述した実施形態では、立体画像表示領域81、グリッド表示領域82、拡大表示領域84及び設定入力領域86を含む補正設定画面80を表示するものとしたが、特にこれに限定されない。例えば、立体画像表示領域81、グリッド表示領域82、拡大表示領域84及び設定入力領域86のうち、いずれか1以上を省略するものとしてもよい。また、例えば、図6の変形率データ75など、各矩形の変形率を表示するものとしてもよい。こうすれば、各矩形の変形率をユーザーが確認しながら変形フラグ値や変形閾値などを入力可能であるため、インク吐出量の補正の実行・省略をより容易に、且つより確実に変更することができる。なお、本実施形態では、矩形の変形率を変形度合いとして用いたが、矩形の変形している程度を表すものであれば、特に限定せず用いることができる。
上述した実施形態では、変形率が大きいほど大きくなるインク補正量で色補償を行うものとしたが、特にこれに限定されない。また、上述した実施形態では、変形色補償LUT69を用いて色補償の補正を行うものとしたが、特にこれに限定されず、色値と変形率と着色剤の形成量との対応関係式を用い、計算により着色剤の形成量を算出するものとしてもよい。
上述した実施形態では、機能性材料が着色剤(インク)であるものとしたが、媒体S上に画像を形成する際に利用可能なものであれば特にこれに限定されない。媒体に形成可能な機能性材料、例えば、ジェルのような流状体、トナーなどの粉体などとしてもよい。また、インクとしては、溶媒に溶解したものであってもよいし、機能材料の粒子が分散されている液状体(分散液)であってもよい。また、インクは、溶媒や分散媒以外の液体を含有してもよい。なお、インクには、透明インクも含まれる。
上述した実施形態では、変形フラグの設定を色補償部63で行うものとしたが、特にこれに限定されず、形状補償部62で行うものとしてもよい。こうすれば、色補償部63を変更することなく利用することができる。また、上述した実施形態では、媒体Sの全体のグリッドに対し、上述した変形後色補償処理ルーチンを行うものとしたが、オブジェクト単位で行うものとしてもよい。
上述した実施形態では、プリンター20は、インクを吐出するインクジェット式の印刷機構25を備えたものとしたが、特にこれに限定されず、レーザープリンターとしてもよいし、熱転写プリンターとしてもよいし、ドットインパクトプリンターとしてもよい。また、PC50のような画像処理装置としたが、画像処理方法としてもよいし、これを実行可能なプログラムとしてもよい。
10 プリンターシステム、20 プリンター、21 コントローラー、22 CPU、23 フラッシュメモリ、24 RAM、25 印刷機構、26 キャリッジ、27 ノズル、28 印刷ヘッド、29 カートリッジ、30 キャリッジ軸、31 キャリッジベルト、32 搬送機構、33 駆動モーター、34 搬送ローラー、36 ロール、37 切断機、40 成形装置、41 上型部、42 下型部、50 パソコン(PC)、51 コントローラー、52 CPU、53 フラッシュメモリ、54 RAM、55 HDD、56 ネットワークインターフェイス(I/F)、57 入力装置、58 ディスプレイ、59 バス、60 変形画像処理プログラム、61 3D絵柄編集部、62 形状補償部、63 色補償部、64 変形率取得部、65 フラグ設定部、66 閾値位置指定取得部、67 補正実行部、68 データ出力部、69 変形色補償LUT、70 印刷ドライバー、71 カーソル、72 格子点、73 版下画像データ、74 立体画像、75 変形率データ、76 補正実行フラグデータ、77 補正実行閾値データ、80 補正設定画面、81 立体画像表示領域、82 グリッド表示領域、83 拡大枠、84 拡大表示領域、85 グリッド、86 設定入力領域、87 スライダー、88 閾値入力欄、89 色補償実行キー、S 媒体。

Claims (11)

  1. 成形により変形させる媒体へ機能性材料によって形成する画像を処理する画像処理装置であって、
    複数の基本形状を形成する複数の格子点を前記変形前の媒体に疑似形成した該格子点の位置と、前記媒体の変形に伴い移動した該格子点の位置とを含む位置情報に基づいて得られた前記基本形状の変形度合いを取得する変形度取得手段と、
    前記取得した変形度合いが所定の変形閾値以上である前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する前記機能性材料の形成量の補正を実行する一方、前記変形度合いが前記変形閾値を下回る前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する前記機能性材料の形成量の補正を省略する補正実行手段と、
    前記変形度合いが前記変形閾値以上である前記基本形状の領域に対しては前記基本形状が変形していることを表す変形情報を設定する一方、前記変形度合いが前記変形閾値を下回る前記基本形状の領域に対しては前記基本形状が変形していないことを表す維持情報を設定する設定手段と、
    画像を表示する表示手段と、
    前記複数の格子点により前記基本形状を疑似形成した前記変形前の媒体の画像と、前記設定した前記基本形状の領域の前記変形情報及び前記維持情報とを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備え、
    前記表示制御手段は、前記変形情報が設定された前記基本形状の領域を前記維持情報が設定されている前記基本形状の領域とは異なる色で表示させることにより前記変形情報及び前記維持情報を前記表示手段に表示させ、
    前記補正実行手段は、前記変形情報が設定されている前記基本形状の領域に対しては前記機能性材料の形成量の補正を実行する一方、前記維持情報が設定されている前記基本形状の領域に対しては前記機能性材料の形成量の補正を省略する、画像処理装置。
  2. 前記設定手段は、前記変形度合いが前記変形閾値以上である前記基本形状の領域に代えて前記媒体の変形によって変形した前記基本形状の領域に対して前記変形情報を設定する一方、前記変形度合いが前記変形閾値を下回る前記基本形状の領域に代えて前記媒体の変形によっても変形していない前記基本形状の領域に対して前記維持情報を設定する、請求項に記載の画像処理装置。
  3. 請求項又はに記載の画像処理装置であって
    前記表示された前記基本形状の領域に対して、ユーザーの入力操作に基づいて入力された前記変形情報及び前記維持情報を取得する変形情報取得手段、を備え、
    前記補正実行手段は、前記取得した変形情報及び維持情報を用いて前記変形前の媒体の基本形状の領域に対して前記機能性材料の形成量の補正を実行する、画像処理装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
    ユーザーの入力操作に基づいて入力された前記変形閾値を取得する閾値取得手段、を備え、
    前記補正実行手段は、前記取得した変形閾値に基づいて前記変形前の媒体の基本形状の領域に対して前記機能性材料の形成量の補正を実行する、画像処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置であって、
    ユーザーの入力操作に基づいて入力された前記変形閾値を取得する閾値取得手段、を備え、
    前記表示制御手段は、立体画像を表示する立体画像表示領域、媒体の基本形状全体を表示するグリッド表示領域、基本形状の一部である拡大枠に含まれる領域を拡大表示する拡大表示領域、変形閾値の変更を入力する設定入力領域のうち少なくとも1以上を含む補正設定画面を前記表示手段に表示させ、前記変形閾値が入力されると前記機能性材料の形成量の補正結果を反映した前記補正設定画面を前記表示手段に表示させる、画像処理装置。
  6. 前記基本形状は、矩形である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記変形度取得手段は、前記媒体の変形前後において前記格子点により形成される基本形状が維持されているか否かを前記格子点の位置情報に基づいて判定し、前記媒体の変形前後において前記基本形状が維持されているときには、該基本形状については変形していないと判定し、残りの基本形状に対して前記変形前の媒体に疑似形成した前記格子点の位置と、前記媒体の変形に伴い移動した前記格子点の位置とを含む位置情報に基づいて得られた前記基本形状の変形度合いを取得し、
    前記補正実行手段は、前記取得した変形度合いが所定の変形閾値以上である前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する前記機能性材料の形成量の補正を実行する一方、前記変形度合いが前記変形閾値を下回る前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する前記機能性材料の形成量の補正を省略すると共に、前記変形していない基本形状の領域に対して前記機能性材料の形成量の補正を省略する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記補正実行手段は、前記基本形状の領域の変形率が大きいほど大きくなるよう前記機能性材料の形成量を補正する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記機能性材料は、インクである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 成形により変形させる媒体へ機能性材料によって形成する画像を処理する画像処理方法であって、
    (a)複数の基本形状を形成する複数の格子点を前記変形前の媒体に疑似形成した該格子点の位置と、前記媒体の変形に伴い移動した該格子点の位置とを含む位置情報に基づいて得られた前記基本形状の変形度合いを取得するステップと、
    (b)前記取得した変形度合いが所定の変形閾値以上である前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する機能性材料の形成量の補正を実行する一方、前記変形度合いが前記変形閾値を下回る前記変形前の媒体の基本形状の領域に対しては前記媒体へ形成する機能性材料の形成量の補正を省略するステップと、
    (c)前記変形度合いが前記変形閾値以上である前記基本形状の領域に対しては前記基本形状が変形していることを表す変形情報を設定する一方、前記変形度合いが前記変形閾値を下回る前記基本形状の領域に対しては前記基本形状が変形していないことを表す維持情報を設定するステップと、
    (d)前記複数の格子点により前記基本形状を疑似形成した前記変形前の媒体の画像と、前記設定した前記基本形状の領域の前記変形情報及び前記維持情報とを画像を表示する表示手段に表示させるステップと、を含み、
    前記ステップ(d)では、前記変形情報が設定された前記基本形状の領域を前記維持情報が設定されている前記基本形状の領域とは異なる色で表示させることにより前記変形情報及び前記維持情報を前記表示手段に表示させ、
    前記ステップ(b)では、前記変形情報が設定されている前記基本形状の領域に対しては前記機能性材料の形成量の補正を実行する一方、前記維持情報が設定されている前記基本形状の領域に対しては前記機能性材料の形成量の補正を省略する、画像処理方法。
  11. 請求項10に記載された画像処理方法の各ステップを1以上のコンピューターに実行させるプログラム。
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