JP2013163298A - 描画方法、印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】変形が施される記録媒体に形成される粒状感が抑えられた画像を処理する描画方法、及び、その描画方法により形成された印刷物を提供する。
【解決手段】変形が施される記録媒体としての基材2に該変形前に形成される画像を二層以上の描画によって処理するインクジェット法を用いた描画方法であって、基材2に対して画像を視認する側とは反対側に、ブラックインクを使用する第1のルックアップテーブルを用いて生成した第1層115印刷データにより描画を行うステップと、基材2に対して画像を視認する側の変形により面積が変化する領域に、該変形後の面積が変化する領域各部の面積変化率データに基づいて、有彩色インクを吐出する第2のルックアップテーブルを用いて生成した視認側層116印刷データにより描画を行う視認側層描画ステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】変形が施される記録媒体としての基材2に該変形前に形成される画像を二層以上の描画によって処理するインクジェット法を用いた描画方法であって、基材2に対して画像を視認する側とは反対側に、ブラックインクを使用する第1のルックアップテーブルを用いて生成した第1層115印刷データにより描画を行うステップと、基材2に対して画像を視認する側の変形により面積が変化する領域に、該変形後の面積が変化する領域各部の面積変化率データに基づいて、有彩色インクを吐出する第2のルックアップテーブルを用いて生成した視認側層116印刷データにより描画を行う視認側層描画ステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、変形が施される記録媒体に形成される画像をインクジェット法を用いて処理する描画方法、及び、その描画方法により形成された印刷物に関する。
インクジェット法を用いた描画方式は、液状体をインクジェットヘッドのノズルから吐出して、紙やフィルム、あるいは金属などの記録媒体に所望の画像を形成することができ、インクジェットヘッドが記録媒体に対して非接触に記録動作を行うため、静粛性に優れ、記録速度が速く、高精細な画像形成が可能であってカラー化が容易であるなどの多くの利点を有している。また、インクジェット法はマスク(版)が不要で、多品種少量印刷を行う産業用途の印刷分野にも特に適しており、かかる分野への応用が期待されている。
近年、印刷物には意匠性を有する高品位な画像形成への要求が高まり、インクジェット法を用いた描画方法において様々な工夫が提案されている。例えば、特許文献1に示すように、2色以上の有彩色インクの混色によって微妙な色表現を実現する方法が紹介されている。
近年、印刷物には意匠性を有する高品位な画像形成への要求が高まり、インクジェット法を用いた描画方法において様々な工夫が提案されている。例えば、特許文献1に示すように、2色以上の有彩色インクの混色によって微妙な色表現を実現する方法が紹介されている。
特許文献1に示すような色表現の他にも、印刷物に意匠性を付与する取り組みもなされてきている。例えば、記録媒体を変形させて立体感のある印刷物を実現する方法が検討され、実用化されてきている。このように、変形を施すことを前提とする印刷物をインクジェット法を用いて形成する場合は、可撓性を有する例えば樹脂フィルムなどからなる記録媒体にインクジェット法を用いて画像形成を施した後で、真空成形などの成形手段により記録媒体を成形して変形処理を施す方法がとられる。
変形が施される記録媒体に、変形前に画像を形成する際には、変形後に視認される色合いが所望の画像となるように補正した画像データを生成し、それを用いて描画を行う。具体的には、記録媒体の変形後に面積変化の起こらない領域には、所望の画像データを特に補正せずに用いて画像形成を行い、記録媒体の変形後に延伸する部分には、変形後に所望の画像を形成するために濃い目の画像形成を行う。
変形が施される記録媒体に、変形前に画像を形成する際には、変形後に視認される色合いが所望の画像となるように補正した画像データを生成し、それを用いて描画を行う。具体的には、記録媒体の変形後に面積変化の起こらない領域には、所望の画像データを特に補正せずに用いて画像形成を行い、記録媒体の変形後に延伸する部分には、変形後に所望の画像を形成するために濃い目の画像形成を行う。
しかしながら、インクジェット法を用いて画像を形成した記録媒体を変形させたときに、記録媒体の延伸した部分は着弾・定着したインクドットが広がることにより粒状感が生じる。特にブラックインクは、色が濃くインクドットが粗となるために粒状感が顕著に生じて、所望の画像表現ができなくなる虞があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る描画方法は、変形が施される記録媒体に該変形前に形成される画像を二層以上の描画によって処理するインクジェット法を用いた描画方法であって、前記記録媒体に対して前記画像を視認する側とは反対側に、ブラックインクを使用する第1のルックアップテーブルを用いて生成した第1層印刷データにより描画を行う第1層描画ステップと、前記記録媒体に対して前記画像を視認する側の前記変形により面積が変化する領域に、該変形後の面積が変化する領域各部の面積変化率データに基づいて、有彩色インクを使用する第2のルックアップテーブルを用いて生成した視認側層印刷データにより描画を行う視認側層描画ステップと、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、記録媒体の変形後に面積が変化して第1層の粒状感が顕著化する領域に、ブラックインクに比してコントラストが低く粒状感が認識され難い有彩色インクによる視認側層が形成されている。この視認側層により、画像を視認する側から認識される粒状感を抑えながら、変形により変化する色合いを補正して所望の画像を形成することが可能となる。
また、第1層にブラックインクを用いていることにより、視認される色の濃度を補完できるので、例えばコンポジットで濃い色合いを表現する際に有彩色インクの使用量を抑えることができる。
また、第1層にブラックインクを用いていることにより、視認される色の濃度を補完できるので、例えばコンポジットで濃い色合いを表現する際に有彩色インクの使用量を抑えることができる。
[適用例2]上記適用例に記載の描画方法において、前記視認側層描画ステップの前または後に、前記記録媒体の前記変形後に面積が変化する領域と面積が変化しない領域との境を含む領域に透明なクリアインクにより描画を行うクリア層描画ステップを含むことを特徴とする。
本適用例によれば、クリア層によって記録媒体の変形後の面積が変化する領域と変化しない領域との境を含む領域の伸び量の差を抑えることができるので、該変形後の粒状感をより軽減することが可能となる。
[適用例3]本適用例に係る印刷物は、所望の画像が描画された記録媒体に変形が施された印刷物であって、前記記録媒体に対して前記画像を視認する側とは反対側にブラックインクを使用して形成された第1層と、前記記録媒体に対して前記画像を認識する側の前記変形により面積が変化する領域に、有彩色インクを使用して形成された視認側層と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、記録媒体の変形後に面積が変化して第1層の粒状感が顕著化する領域に、ブラックインクに比してコントラストが低く粒状感が認識され難い有彩色インクによる視認側層が形成されている。この視認側層により、画像を視認する側から認識される粒状感を抑えながら、変形により変化する色合いを補正して所望の画像が形成された印刷物を提供することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の印刷物において、前記記録媒体の前記変形後に面積が変化する領域と面積が変化しない領域との境を含む領域にクリアインクを使用して形成されたクリア層を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、クリア層によって記録媒体の変形後の面積が変化する領域と変化しない領域との境を含む領域の伸び量の差を抑えることができるので、該変形した領域の粒状感がより軽減された印刷物を提供することができる。
以下、本発明の描画方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する図面では、図示の便宜上、部材や各部の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
〔印刷物〕
まず、本実施形態の印刷物について説明する。図1は、印刷物の一実施形態を模式的に示すものであり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図1において、印刷物1は、所望の画像が描画された記録媒体としての基材2に変形が施されている。
基材2は、例えばポリフィルムなどの樹脂製のシートなどからなる。
基材2には、所望の変形が施されている。本実施形態の印刷物1では、基材2の略中央に平面視で楕円形の凸部Dが形成されている。
〔印刷物〕
まず、本実施形態の印刷物について説明する。図1は、印刷物の一実施形態を模式的に示すものであり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図1において、印刷物1は、所望の画像が描画された記録媒体としての基材2に変形が施されている。
基材2は、例えばポリフィルムなどの樹脂製のシートなどからなる。
基材2には、所望の変形が施されている。本実施形態の印刷物1では、基材2の略中央に平面視で楕円形の凸部Dが形成されている。
基材2に描画された画像は複数の層を有している。本実施形態の印刷物1では、基材2に対して視認者が印刷物1の画像を視認する視認側とは反対側に形成された第1層115と、基材2に対して視認者が印刷物1の画像を視認する側の変形により面積が変化する領域に形成された視認側層116との二層からなる画像が形成されている。なお、第1層115はベタパターンであるのに対して、視認側層116は画像の一部に設けられたパターンであるため、第1層の大部分は視認側に露出しているが、ここでは、複数層(二層)からなる画像のうち、視認側層116が視認側に設けられ、その視認側層116よりも第1層115が視認側に対して奥側に配置されていることを指している。
第1層115は、ブラックインクを使用して形成されている。一方、視認側層116は、ブラックインクを用いずに、有彩色インクを使用して形成されている。本実施形態の印刷物1は、図1(a)のように平面視したときに、その印刷物の平面が一色に視認されるように形成されている。
本実施形態の印刷物1の構成によれば、基材2(記録媒体)の変形後に面積が変化して第1層115の粒状感が顕著化する領域に、ブラックインクに比してコントラストが低く粒状感が認識され難い有彩色インクによる視認側層116が形成されている。この視認側層116により、画像を視認する側から認識される粒状感を抑えながら、基材2の変形により変化する色合いを補正して所望の画像が形成された印刷物1を提供することができる。
次に、上記印刷物1を形成する方法について説明する。
〔加飾成形システム〕
まず、上記印刷物を形成するための描画・成形システムについて説明する。図2は、描画・成形システムとしての加飾成形システムの概略構成の一例を示す構成図である。
図2において、本実施形態の加飾成形システム10は、図示するように、印刷物1の基材2の原形としてのシート状の記録媒体Sがロール状に巻かれてなるロール36から記録媒体Sを引き出してインクを吐出することにより画像を印刷するプリンター20と、画像が印刷された後の記録媒体Sを所望の三次元形状に立体成形する成形装置40と、プリンター20と通信可能に接続され記録媒体Sに形成すべき画像を入力して印刷データに処理して出力する画像処理装置の機能を有する汎用のパソコン(PC)50とを備えている。
〔加飾成形システム〕
まず、上記印刷物を形成するための描画・成形システムについて説明する。図2は、描画・成形システムとしての加飾成形システムの概略構成の一例を示す構成図である。
図2において、本実施形態の加飾成形システム10は、図示するように、印刷物1の基材2の原形としてのシート状の記録媒体Sがロール状に巻かれてなるロール36から記録媒体Sを引き出してインクを吐出することにより画像を印刷するプリンター20と、画像が印刷された後の記録媒体Sを所望の三次元形状に立体成形する成形装置40と、プリンター20と通信可能に接続され記録媒体Sに形成すべき画像を入力して印刷データに処理して出力する画像処理装置の機能を有する汎用のパソコン(PC)50とを備えている。
プリンター20は、装置全体を制御するコントローラー21と、インクを記録媒体Sに吐出する印刷機構25と、ロール36から記録媒体Sを引き出しながら搬送する送り機構32とを備えている。コントローラー21は、CPU22を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムを記憶しデータを書き換え可能なフラッシュメモリー23と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM24などを備えている。このコントローラー21は、PC50からの印刷データを受信すると共に印刷処理を実行するよう印刷機構25や送り機構32を制御する。印刷機構25は、キャリッジベルト31によりキャリッジ軸30に沿って左右(主走査方向)に往復動するキャリッジ26と、インクに圧力をかけノズル27からインク滴を吐出する印刷ヘッド28と、各色のインクを収容したカートリッジ29とを備えている。印刷ヘッド28は、キャリッジ26の下部に設けられており、圧電素子に電圧をかけることによりこの圧電素子を変形させてインクを加圧する所謂インクジェット方式により、印刷ヘッド28の下面に設けられたノズル27から各色のインクを吐出して記録媒体S上にドットを形成するものである。なお、インクへ圧力をかける機構は、ヒーターの熱による気泡の発生によるものとしてもよい。カートリッジ29は、本体側に装着され、シアン(c),マゼンタ(m),イエロー(y),ブラック(k),オレンジ(o),パープル(p)などのcmykopの各色のインクを個別に収容しており、この収容したインクを図示しないチューブを介して印刷ヘッド28へ供給する。送り機構32は、駆動モーター33により駆動されて記録媒体Sを搬送する送りローラー35などを備えている。
成形装置40は、記録媒体Sの上方側に配置される上型部41と、記録媒体Sの下方側に配置される下型部42とを備えている。上型部41や下型部42には、図示しない金型がセットされており、上下の金型で記録媒体Sを挟み込むことにより記録媒体Sを三次元形状に成形する。なお、成形装置40による成形は、加熱成形であってもよいし、加圧成形であってもよい。また、この成形装置40にセットされる金型は、複数種の異なる金型を交換可能なものとした。なお、記録媒体Sは、成形前あるいは成形後に、プリンター20と成形装置40との間に配置された切断機37により所定長さに切断される。
PC50は、装置全体の制御を司るコントローラー51と、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する大容量メモリーであるHDD55と、プリンター20などの外部機器とのデータの入出力を行うネットワークインターフェイス(I/F)56と、ユーザーが各種指令を入力するキーボードやマウスなどの入力装置57と、各種情報を表示するディスプレイ58とを備えている。コントローラー51は、各種制御を実行するCPU52や各種制御プログラムを記憶するフラッシュメモリー53、データを一時的に記憶するRAM54などを備えている。このPC50は、ディスプレイ58に表示されたカーソルなどをユーザーが入力装置57を介して入力操作すると、その入力操作に応じた動作を実行する機能を有している。コントローラー51やHDD55、I/F56、入力装置57、ディスプレイ58などは、バス59によって電気的に接続され、各種制御信号やデータのやり取りができるよう構成されている。
このPC50のHDD55には、図示しないアプリケーションプログラムや変形画像処理プログラム60、印刷ドライバー70などが格納されている。変形画像処理プログラム60は、記録媒体Sの成形に伴う変形により成形品(成形後の記録媒体S)の表面に形成されている画像(文字や模様などを含む)に生じる形状ずれや色ずれを補正するために用いられるプログラムである。この変形画像処理プログラム60は、各種データを入力するデータ入力部61と、入力されたデータから処理に必要な値を算出する算出部62と、三次元の画像(絵柄)モデルを編集する3D絵柄編集部63と、成形に伴う形状ずれを補償する形状補償部64と、成形に伴う色ずれを補償する色補償部65と、処理したデータを出力するデータ出力部67とを有している。3D絵柄編集部63は、データ入力部61により入力された変形後の記録媒体Sの各点の位置情報を基に成形前の記録媒体Sに形成した画像の編集や成形後の記録媒体Sに形成した画像の編集を実行する機能を有している。形状補償部64は、記録媒体Sの成形時の変形によって生じる画像の形状の変化を反映させて目的の形状に補正する形状補償を実行する機能を有している。色補償部65は、記録媒体Sの成形時の変形によって生じる画像の色合いの変化を反映させるために色補償変換ルックアップテーブル(LUT)66を用いて目的の色合いに補正する色補償を実行する機能を有している。データ出力部67は、形状ずれや色ずれが補償された補正後の画像データを印刷ドライバー70や図示しないアプリケーションプログラムなどへ出力する機能を有している。これらのデータ入力部61や算出部62、3D絵柄編集部63、形状補償部64、色補償部65、データ出力部67は、それぞれ、データ入力モジュールや算出モジュール、3D絵柄編集モジュール、形状補償モジュール、色補償モジュール、データ出力モジュールとして変形画像処理プログラムに組み込まれている。そして、これらの各モジュールがコントローラー51により実行されることにより、それぞれ上述した機能を発現するものとした。また、印刷ドライバー70は、アプリケーションプログラム側から受けた印刷ジョブをプリンター20で直接印刷処理可能な印刷データへ変換してプリンター20へ出力(送信)するプログラムである。この印刷ドライバー70は、変形画像処理プログラム60で作成された印刷データをプリンター20へ出力する機能を有している。
〔描画方法および成形方法〕
次に、上記加飾成形システム10を用いた印刷物1の形成方法(描画方法、及び成形方法)について説明する。図3(a)〜(c)は、本実施形態における印刷物1の形成方法の過程を模式的に説明する正断面図である。
本実施形態の印刷物1の形成方法では、まず、図3(a)に示すように、プリンター20により、記録媒体としての基材2上に、ブラックインクを使用する第1のルックアップテーブルを用いて生成した第1層印刷データにより描画を行って第1層115を形成する(第1層描画ステップ)。本実施形態では、基材2上の略全面に第1層115のベタパターンを形成する。
次に、上記加飾成形システム10を用いた印刷物1の形成方法(描画方法、及び成形方法)について説明する。図3(a)〜(c)は、本実施形態における印刷物1の形成方法の過程を模式的に説明する正断面図である。
本実施形態の印刷物1の形成方法では、まず、図3(a)に示すように、プリンター20により、記録媒体としての基材2上に、ブラックインクを使用する第1のルックアップテーブルを用いて生成した第1層印刷データにより描画を行って第1層115を形成する(第1層描画ステップ)。本実施形態では、基材2上の略全面に第1層115のベタパターンを形成する。
次に、図3(b)に示すように、後で基材2を成形したときに変形により基材2が延伸して面積が変化する領域に、該変形後の面積が変化する領域各部の面積変化率データに基づいて、プリンター20により有彩色インクを吐出する第2のルックアップテーブルを用いて生成した視認側層印刷データにより描画を行って視認側層116を形成する(視認側層描画ステップ)。
この段階では、基材2の画像形成面を平面視したときに、視認側層116が形成された領域が、周囲に視認される第1層115に比して濃い色として認識される。
この段階では、基材2の画像形成面を平面視したときに、視認側層116が形成された領域が、周囲に視認される第1層115に比して濃い色として認識される。
次に、図3(c)に示すように、成形装置40により、第1層115及び視認側層116が形成された基材2に、例えば真空成形などにより成形を施して凸部Dを形成する。
これにより、上記視認側層描画ステップ後の段階で、第1層115形成領域に比して濃い色として認識された視認側層116形成領域は、基材2が面積変化を生じて延伸されることにより色合いが薄くなり、第1層115形成領域と視認側層116形成領域とが同一色になって平面視で一様な色に視認される。
これにより、上記視認側層描画ステップ後の段階で、第1層115形成領域に比して濃い色として認識された視認側層116形成領域は、基材2が面積変化を生じて延伸されることにより色合いが薄くなり、第1層115形成領域と視認側層116形成領域とが同一色になって平面視で一様な色に視認される。
上記描画方法を含む印刷物1の形成方法によれば、記録媒体としての基材2の変形後に面積が変化して第1層115の粒状感が顕著化する領域に、ブラックインクに比してコントラストが低く粒状感が認識され難い有彩色インクによる視認側層116を形成するので、この視認側層116により、画像を視認する側から認識される粒状感を抑えながら、変形により変化する色合いを補正して所望の画像が形成された印刷物1を形成することができる。
(変形例)
次に、印刷物の変形例について説明する。図4は、印刷物の変形例を模式的に示す正断面図である。なお、図4において、上記実施形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。
図4において、本変形例の印刷物1´は、基材2´の画像を視認する視認側とは反対側にブラックインクを使用して形成された第1層115´と、基材2´の画像を視認する側の変形により面積が変化する領域に有彩色インクを使用して形成された視認側層116´との二層からなる画像が形成されている。
さらに、基材2´の変形後に面積が変化する領域と面積が変化しない領域との境を含む領域には、クリアインクを使用して形成されたクリア層120が形成されている。本変形例では、視認側層116´の大部分を露出させた態様で第1層115´上にクリア層120を形成した例を示したが、クリア層120は、基材2´の変形後に面積が変化する領域と面積が変化しない領域との境を含む領域に設けていればよく、例えば、視認側層116´上に形成されていてもよく、または、第1層115´の大部分を露出させて形成してもよい。
次に、印刷物の変形例について説明する。図4は、印刷物の変形例を模式的に示す正断面図である。なお、図4において、上記実施形態と同じ構成については同一符号を付して説明を省略する。
図4において、本変形例の印刷物1´は、基材2´の画像を視認する視認側とは反対側にブラックインクを使用して形成された第1層115´と、基材2´の画像を視認する側の変形により面積が変化する領域に有彩色インクを使用して形成された視認側層116´との二層からなる画像が形成されている。
さらに、基材2´の変形後に面積が変化する領域と面積が変化しない領域との境を含む領域には、クリアインクを使用して形成されたクリア層120が形成されている。本変形例では、視認側層116´の大部分を露出させた態様で第1層115´上にクリア層120を形成した例を示したが、クリア層120は、基材2´の変形後に面積が変化する領域と面積が変化しない領域との境を含む領域に設けていればよく、例えば、視認側層116´上に形成されていてもよく、または、第1層115´の大部分を露出させて形成してもよい。
この構成によれば、クリア層120によって記録媒体としての基材2´の変形後の面積が変化する領域と変化しない領域との境を含む領域の伸び量の差を抑えることができるので、該変形した領域の粒状感がより軽減された印刷物1´を提供することができる。
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態およびその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態および変形例では、記録媒体としての基材2,2´上にブラックインクを使用して形成された第1層115,115´を有し、その第1層115,115´上に有彩色インクを使用して形成された視認側層116,116´を積層させた印刷物1,1´の構成を説明した。
これに限らず、透明なフィルムからなる基材(記録媒体)上に有彩色インクを使用した視認層を形成し、その視認層上にブラックインクを使用した第1層を積層させて、視認者が印刷物の画像の視認層側を基材越しに視認する構成としてもよい。
この構成によれば、変形が施された透明な基材を介して画像を視認することにより、立体感などの視覚的な特徴を有し意匠性に富んだ印刷物を提供することができる。
これに限らず、透明なフィルムからなる基材(記録媒体)上に有彩色インクを使用した視認層を形成し、その視認層上にブラックインクを使用した第1層を積層させて、視認者が印刷物の画像の視認層側を基材越しに視認する構成としてもよい。
この構成によれば、変形が施された透明な基材を介して画像を視認することにより、立体感などの視覚的な特徴を有し意匠性に富んだ印刷物を提供することができる。
1,1´…印刷物、2,2´…記録媒体としての基材、10…加飾成形システム、20…プリンター、25…印刷機構、26…キャリッジ、27…ノズル、28…印刷ヘッド、29…カートリッジ、32…送り機構、33…駆動モーター、35…送りローラー、36…ロール、37…切断機、40…成形装置、41…上型部、42…下型部、50…PC、57…入力装置、58…ディスプレイ、60…変形画像処理プログラム、61…データ入力部、63…3D絵柄編集部、64…形状補償部、65…色補償部、66…ルックアップテーブル(LUT)、67…データ出力部、70…印刷ドライバー、115,115´…第1層、116,116´…視認側層、120…クリア層。
Claims (4)
- 変形が施される記録媒体に該変形前に形成される画像を二層以上の描画によって処理するインクジェット法を用いた描画方法であって、
前記記録媒体に対して前記画像を視認する側とは反対側に、ブラックインクを使用する第1のルックアップテーブルを用いて生成した第1層印刷データにより描画を行う第1層描画ステップと、
前記記録媒体に対して前記画像を視認する側の前記変形により面積が変化する領域に、該変形後の面積が変化する領域各部の面積変化率データに基づいて、有彩色インクを使用する第2のルックアップテーブルを用いて生成した視認側層印刷データにより描画を行う視認側層描画ステップと、
を含むことを特徴とする描画方法。 - 請求項1に記載の描画方法において、
前記視認側層描画ステップの前または後に、前記記録媒体の前記変形後に面積が変化する領域と面積が変化しない領域との境を含む領域に透明なクリアインクにより描画を行うクリア層描画ステップを含むことを特徴とする描画方法。 - 所望の画像が描画された記録媒体に変形が施された印刷物であって、
前記記録媒体に対して前記画像を視認する側とは反対側にブラックインクを使用して形成された第1層と、
前記記録媒体に対して前記画像を認識する側の前記変形により面積が変化する領域に、有彩色インクを使用して形成された視認側層と、
を含むことを特徴とする印刷物。 - 請求項3に記載の印刷物において、
前記記録媒体の前記変形後に面積が変化する領域と面積が変化しない領域との境を含む領域にクリアインクを使用して形成されたクリア層を含むことを特徴とする印刷物。
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