JP2014117899A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】補助インクを活用して光沢さを変化させるなど意匠性を高めた印刷物を作る。
【解決手段】画像を形成するカラーインクを吐出可能な第1吐出部と、画像を補助する補助インクを吐出可能な第2吐出部と、被印刷媒体、及び、カラーインクのそれぞれに設定されたパラメーターであって、剥がれやすさ、光沢性、インク定着性の少なくとも1つの第1パラメーターを記憶した第1パラメーター記憶部と、第1パラメーターを補助インク印刷データ用に変換された第2パラメーターを記憶した第2パラメーター記憶部と、補助インク印刷データを取得する補助インク印刷データ取得部と、第1吐出部からカラーインクを吐出させて被印刷媒体に画像を形成した後、当該被印刷媒体の所定領域に対して、補助インク印刷データに従って、第1パラメーター、もしくは、第2パラメーターに基づいて第2吐出部から補助インクを吐出させる制御部と、を有する。
【選択図】図14
【解決手段】画像を形成するカラーインクを吐出可能な第1吐出部と、画像を補助する補助インクを吐出可能な第2吐出部と、被印刷媒体、及び、カラーインクのそれぞれに設定されたパラメーターであって、剥がれやすさ、光沢性、インク定着性の少なくとも1つの第1パラメーターを記憶した第1パラメーター記憶部と、第1パラメーターを補助インク印刷データ用に変換された第2パラメーターを記憶した第2パラメーター記憶部と、補助インク印刷データを取得する補助インク印刷データ取得部と、第1吐出部からカラーインクを吐出させて被印刷媒体に画像を形成した後、当該被印刷媒体の所定領域に対して、補助インク印刷データに従って、第1パラメーター、もしくは、第2パラメーターに基づいて第2吐出部から補助インクを吐出させる制御部と、を有する。
【選択図】図14
Description
本発明は、画像形成装置に関する。
画像形成装置として、液体の一種であるインクを被印刷媒体(例えば紙)に吐出して被印刷媒体に画像を形成するインクジェット式のプリンターが知られている。また、プリンターにおいて、被印刷媒体の同じ印刷領域に対して印刷処理を繰り返し行うことがある。例えば、被印刷媒体に画像を形成した後、その画像上に補助インク(例えばクリアインク)を塗布することにより、画像表面をコーティング(オーバーコート)する場合がある。
コーティングの剥がれやすさ、光沢性、及び定着性などの特性は、補助インクが着弾する位置の下地の状態によって異なる。言い換えると、下地の状態に応じて最適な補助インクの打ち込み量(吐出量)が変わることになる。しかしながら、従来、補助インクは下地の状態にかかわらずに同一条件で吐出されていた。このため、例えば必要以上に補助インクを吐出して、補助インクを無駄に使用してしまうおそれや、あるいは、補助インクの吐出量が不足して、光沢が得られなかったり、剥がれたりするなどのおそれがあった。さらに、ユーザーが補助インクを活用して光沢さを変化させるなど意匠性を高めた印刷物を作ることができなかった。
そこで、本発明は、意匠性を高めつつ、補助インクの吐出条件の最適化を図ることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る画像形成装置は、画像を形成するカラーインクを吐出可能な第1吐出部と、前記画像を補助する補助インクを吐出可能な第2吐出部と、被印刷媒体、及び、前記カラーインクのそれぞれに設定されたパラメーターであって、剥がれやすさ、光沢性、インク定着性の少なくとも1つの第1パラメーターを記憶した第1パラメーター記憶部と、前記第1パラメーターを補助インク印刷データ用に変換した第2パラメーターを記憶した第2パラメーター記憶部と、補助インク印刷データを取得する補助インク印刷データ取得部と、前記第1吐出部から前記カラーインクを吐出させて前記被印刷媒体に前記画像を形成した後、当該被印刷媒体の所定領域に対して、前記補助インク印刷データに従って、前記第1パラメーター、もしくは、前記第2パラメーターに基づいて前記第2吐出部から前記補助インクを吐出させる制御部と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、ユーザーが指定した補助インク印刷データに従って、第1パラメーター、もしくは、第2パラメーターに基づいて補助インクを吐出することができるので、意匠性を高めつつ、補助インクの吐出条件の最適化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。以下の実施形態では、インクジェットプリンター(以下、プリンター1ともいう)を例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
<プリンター1の構成例について>
プリンター1の構成例について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、プリンター1の概略断面図である。図2は、プリンター1のブロック図である。
なお、以下の説明において、「上下方向」、「左右方向」をいう場合は、図1に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、「前後方向」をいう場合は、図1において紙面に直交する方向を示すものとする。
また、本実施形態においては、プリンター1が画像を記録する媒体(被印刷媒体)としてロール紙2(連続紙)を用いて説明する。
<プリンター1の構成例について>
プリンター1の構成例について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、プリンター1の概略断面図である。図2は、プリンター1のブロック図である。
なお、以下の説明において、「上下方向」、「左右方向」をいう場合は、図1に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、「前後方向」をいう場合は、図1において紙面に直交する方向を示すものとする。
また、本実施形態においては、プリンター1が画像を記録する媒体(被印刷媒体)としてロール紙2(連続紙)を用いて説明する。
本実施形態に係るプリンター1は、図1及び図2に示すように、搬送ユニット20と、該搬送ユニット20がロール紙2を搬送する搬送経路に沿って、給送ユニット10と、プラテン29と、巻き取りユニット80と、を有している。さらに、プリンター1は、ヘッドユニット30と、キャリッジユニット40と、クリーニングユニット70と、ノズル検査ユニット90と、これらのユニット等を制御しプリンター1としての動作を司るコントローラー60と、検出器群50と、を有している。
給送ユニット10は、ロール紙2を搬送ユニット20に給送するものである。この給送ユニット10は、ロール紙2が巻かれ回転可能に支持される巻軸18と、巻軸18から繰り出されたロール紙2を巻き掛けて搬送ユニット20に導くための中継ローラー19と、を有している。
搬送ユニット20は、給送ユニット10により送られたロール紙2を、予め設定された搬送経路に沿って搬送するものである。この搬送ユニット20は、図1に示すように、中継ローラー19に対して水平右方に位置する中継ローラー21と、中継ローラー21から見て右斜め下方に位置する中継ローラー22と、中継ローラー22から見て右斜め上方(ロール紙2が搬送される方向において、プラテン29から見て上流側)に位置する第一搬送ローラー23と、第一搬送ローラー23から見て右方(ロール紙2が搬送される方向において、プラテン29から見て下流側)に位置する第二搬送ローラー24と、第二搬送ローラー24から見て鉛直下方に位置する反転ローラー25と、反転ローラー25から見て右方に位置する中継ローラー26と、中継ローラー26から見て上方に位置する送り出しローラー27と、を有している。
中継ローラー21は、中継ローラー19から送られたロール紙2を、左方から巻き掛けて下方に向かって弛ませるローラーである。
中継ローラー22は、中継ローラー21から送られたロール紙2を、左方から巻き掛けて右斜め上方に向かって搬送するローラーである。
中継ローラー22は、中継ローラー21から送られたロール紙2を、左方から巻き掛けて右斜め上方に向かって搬送するローラーである。
第一搬送ローラー23は、不図示のモーターにより駆動される第一駆動ローラー23aと、該第一駆動ローラー23aに対してロール紙2を挟んで対向するように配置された第一従動ローラー23bとを有している。この第一搬送ローラー23は、下方に弛ませたロール紙2を上方に引き上げ、プラテン29に対向する印刷領域Rへ搬送するローラーである。第一搬送ローラー23は、印刷領域R上のロール紙2の部位に対して画像形成がなされている期間、一時的に搬送を停止させるようになっている(すなわち、後述するように、ヘッドが、左右方向及び前後方向へ移動しつつ、停止しているロール紙2の当該部位にインクを吐出することにより、当該部位に1ページ分の画像が形成されることとなる)。なお、コントローラー60の駆動制御により、第一駆動ローラー23aの回転駆動に伴って第一従動ローラー23bが回転することによって、プラテン29上に位置させるロール紙2の搬送量(ロール紙の部位の長さ)が調整される。
搬送ユニット20は、上述したとおり、中継ローラー21、22と第一搬送ローラー23との間に巻き掛けたロール紙2の部位を下方に弛ませて搬送する機構を有している。このロール紙2の弛みは、コントローラー60により、不図示の弛み検出用センサーからの検出信号に基づき監視される。具体的には、中継ローラー21、22と第一搬送ローラー23との間において弛ませたロール紙2の部位を、弛み検出用センサーが検出した場合には、該部位に適切な大きさの張力が与えられていることになるため、搬送ユニット20はロール紙2を弛ませた状態で搬送することが可能となる。一方、弛み検出用センサーが弛ませたロール紙2の部位検出しない場合は、該部位に過剰な大きさの張力が与えられていることになるため、搬送ユニット20によるロール紙2の搬送が一時的に停止され、張力が適切な大きさに調整される。
第二搬送ローラー24は、不図示のモーターにより駆動される第二駆動ローラー24aと、該第二駆動ローラー24aに対してロール紙2を挟んで対向するように配置された第二従動ローラー24bとを有している。この第二搬送ローラー24は、ヘッドユニット30により画像が形成された後のロール紙2の部位を、プラテン29の支持面に沿って水平右方向に搬送した後に鉛直下方に搬送するローラーである。これにより、ロール紙2の搬送方向が転換されることになる。なお、コントローラー60の駆動制御により、第二駆動ローラー24aの回転駆動に伴って第二従動ローラー24bが回転することによって、プラテン29上に位置するロール紙2の部位に対して付与される所定の張力が調整される。
反転ローラー25は、第二搬送ローラー24から送られたロール紙2を、左側上方から巻き掛けて右斜め上方に向かって搬送するローラーである。
中継ローラー26は、反転ローラー25から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて上方に向かって搬送するローラーである。
送り出しローラー27は、中継ローラー26から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて巻き取りユニット80に送り出すようになっている。
中継ローラー26は、反転ローラー25から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて上方に向かって搬送するローラーである。
送り出しローラー27は、中継ローラー26から送られたロール紙2を、左側下方から巻き掛けて巻き取りユニット80に送り出すようになっている。
プラテン29は、搬送経路上の印刷領域Rに位置するロール紙2の部位を支持するとともに、該部位を加熱するものである。このプラテン29は、図1に示すように、搬送経路上の印刷領域Rに対応させて設けられ、かつ、第一搬送ローラー23と第二搬送ローラー24との間の搬送経路に沿った領域に配置されている。
このように、ロール紙2が各ローラーを順次経由して移動することにより、ロール紙2を搬送するための搬送経路が形成されることになる。なお、ロール紙2は、搬送ユニット20により、印刷領域Rと対応した領域単位で間欠的にその搬送経路に沿って搬送される(すなわち、印刷領域R上のロール紙2の部位に1ページ分の画像が形成される毎に、間欠的な当該搬送が行なわれる)。
ヘッドユニット30は、搬送ユニット20により搬送経路上の印刷領域Rに(プラテン29上に)送り込まれたロール紙2の部位に、液体の一例としてのインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット30は、インクを吐出する複数のノズルが形成されたヘッド31を有している。
なお、ヘッド31の構成の詳細については後述する。
なお、ヘッド31の構成の詳細については後述する。
キャリッジユニット40は、ヘッド31を移動させるためのものである。このキャリッジユニット40は、搬送方向(左右方向)に延びるキャリッジガイドレール41と(図1に二点鎖線で示す)、キャリッジガイドレール41に沿って搬送方向(左右方向)へ往復移動可能に支持されたキャリッジ42と、不図示のモーターとを有する。
キャリッジ42は、不図示のモーターの駆動により、ヘッド31と一体となって搬送方向(左右方向)へ移動するよう構成されている。また、キャリッジ42には、列方向(前後方向)に延びる不図示のヘッドガイドレールが設けられており、ヘッド31は、前記モーターの駆動により、当該ヘッドガイドレールに沿って列方向(前後方向)へ移動するよう構成されている。
クリーニングユニット70は、ヘッド31をクリーニングするためのものである。このクリーニングユニット70は、ホームポジション(以下、HPと呼ぶ。図1参照)に設けられており、キャップと吸引ポンプ(いずれも不図示)等を有している。ヘッド31(キャリッジ42)が搬送方向(左右方向)に移動してHPに位置すると、ヘッド31の下面(ノズル面)に不図示のキャップが密着するようになっている。このようにキャップが密着した状態で吸引ポンプが作動すると、ヘッド31内のインクが、増粘したインクや紙粉と共に吸引される。このようにして、目詰まりしたノズルが不吐出状態から回復することによってヘッドのクリーニングが完了する。また、プリンター1が印刷を行わないとき(キャリッジ42がHPに位置しているとき)には、キャップは上昇してヘッド31の下面に密着する。このことにより、ノズルからのインクの蒸発(換言すれば、インクの乾燥)を抑制する。すなわち、キャップは、印刷休止中にヘッド31の下面(ノズル面)を封止して、インクの蒸発を抑制する蓋体としての機能を発揮する。
巻き取りユニット80は、搬送ユニット20により送られたロール紙2(画像形成済みのロール紙)を巻き取るためのものである。この巻き取りユニット80は、送り出しローラー27から送られたロール紙2を、左側上方から巻き掛けて右斜め下方へ搬送するための中継ローラー81と、回転可能に支持され中継ローラー81から送られたロール紙2を巻き取る巻き取り駆動軸82と、を有している。
コントローラー60(制御部に相当する)は、プリンター1の制御を行なうための制御ユニットである。このコントローラー60は、図2に示すように、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64と、を有している。インターフェイス部61は、外部装置であるホストコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行なうためのものである。CPU62は、プリンター1全体の制御を行なうための演算処理装置である。メモリー63(記憶部に相当する)は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。また、メモリー63は、ホストコンピューター110から受信した印刷データをインク色毎に一時的に保存する。さらにメモリー63には、クリアインクの吐出条件を設定するためのパラメーター等(後述する)が記憶されている。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従ったユニット制御回路64により各ユニットを制御する。
検出器群50は、プリンター1内の状況を監視するものであり、例えば、搬送ローラーに取り付けられてロール紙2の搬送などの制御に利用されるロータリー式エンコーダー、搬送されるロール紙2の有無を検出する用紙検出センサー、キャリッジ42(又はヘッド31)の搬送方向(左右方向)の位置を検出するためのリニア式エンコーダーなどがある。
<ヘッドの構成について>
図3はヘッド31の構成の説明図である。
ヘッド31は、その下面に、列方向にノズルが並んだノズル列を有している。本実施形態においては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)、クリア(CL)の色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯n(例えば180)からなるノズル列を有している。これらの各ノズル列のことをそれぞれイエローノズル列Y、マゼンタノズル列M、シアンノズル列C、ブラックノズル列K、ホワイトノズル列W、クリアノズル列CLとよぶ。
図3はヘッド31の構成の説明図である。
ヘッド31は、その下面に、列方向にノズルが並んだノズル列を有している。本実施形態においては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)、クリア(CL)の色ごとにそれぞれ複数のノズル♯1〜♯n(例えば180)からなるノズル列を有している。これらの各ノズル列のことをそれぞれイエローノズル列Y、マゼンタノズル列M、シアンノズル列C、ブラックノズル列K、ホワイトノズル列W、クリアノズル列CLとよぶ。
各ノズル列のノズル♯1〜♯nは、ロール紙2の搬送方向に交差する交差方向(つまり、当該交差方向が前述した列方向である)に直線状に配列されている。各ノズル列は、当該搬送方向に沿って相互に間隔をあけて平行に配置されている。
図4は、ヘッド31の内部構造の一例を説明するための断面図である。図では搬送方向に隣接する2つのノズルに対応する部分の断面が示されている。ヘッド31は、駆動ユニット32と、駆動ユニット32を収納するためのケース33と、ケース33に装着される流路ユニット34とを備えている。
駆動ユニット32は、複数のピエゾ素子321によって構成されるピエゾ素子群と、このピエゾ素子群が固定される固定板323と、各ピエゾ素子321に給電するためのフレキシブルケーブル324とから構成される。各ピエゾ素子321は、所謂片持ち梁の状態で固定板323に取り付けられている。固定板323は、ピエゾ素子321からの反力を受け止め得る剛性を備えた板状部材である。フレキシブルケーブル324は、可撓性を有するシート状の配線基板であり、固定板323とは反対側となる固定端部の側面でピエゾ素子321と電気的に接続されている。そして、このフレキシブルケーブル324の表面には、ピエゾ素子321の駆動等を制御するための制御用ICであるヘッド制御部HCが実装されている。
ケース33は、駆動ユニット32を収納可能な収納空部331を有する直方体ブロック状の外形である。このケース33の先端面には上記の流路ユニット34が接合される。この収納空部331は、駆動ユニット32が丁度嵌合可能な大きさである。また、このケース33には、対応するインクカートリッジ(不図示)からのインクを流路ユニット34に供給するためのインク供給管332も形成されている。
流路ユニット34は、流路形成基板35と、ノズルプレート36と、弾性板37とを有し、流路形成基板35がノズルプレート36と弾性板37に挟まれるようにそれぞれを積層して一体的に構成される。ノズルプレート36は、ノズル(Nz)が形成されたステンレス鋼製の薄いプレートである。
流路形成基板35には、圧力室351及びインク供給口352となる空部が各ノズルNzに対応して複数形成される。リザーバー353は、インクカートリッジに貯留されたインクを各圧力室351に供給するための液体貯留室であり、インク供給口352を通じて対応する圧力室351の他端と連通している。なお、インクカートリッジから供給されるインクは、インク供給管332を通って、リザーバー353内に導入されるようになっている。
駆動ユニット32は、ピエゾ素子321の自由端部を流路ユニット34側に向けた状態で収納空部331内に挿入され、この自由端部の先端面が対応する島部373に接着される。また、固定板323の背面が収納空部331を区画するケース33の内壁面に接着される。この収納状態でフレキシブルケーブル324を介してピエゾ素子321に駆動信号を供給すると、ピエゾ素子321は伸縮して圧力室351の容積を膨張・収縮させる。このような圧力室351の容積変化により、圧力室351内のインクには圧力変動が生じる。そして、このインク圧力の変動を利用することで対応するノズルNzからインク滴を吐出させることができる。
<インクについて>
プリンターでは、様々な色を表現するために「減法混色」が用いられている。減法混色の原色は有彩色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色である。シアン(C)は、レッド(R)を吸収し、グリーン(G)とブルー(B)を反射する。マゼンタ(M)は、グリーン(G)を吸収し、レッド(R)とブルー(B)を反射する。イエロー(Y)は、ブルー(B)を吸収し、レッド(R)とグリーン(G)を反射する。つまり、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクは、光の3原色RGBの吸収量を調整することによって、視認される画像を表現する。本実施形態では、画像を形成する際に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)以外に、ブラック(K)を用いている。ブラックインクを用いているのは、CMYの3色のインクを混ぜても、強い黒(深い黒)が表現できないためである。以下の説明において、画像を形成するこれらの4色(CMYK)のインクのことをカラーインクともいう。カラーインクを吐出可能なノズルは第1吐出部に相当する。なお、CMYKのうちの何れか(少なくとも1色)で画像を形成するようにしてもよいし、あるいは、上記4色(CMYK)に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、グリーン(G)、オレンジ(Or)など他の色のインクを用いて画像を形成するようにしてもよい。
プリンターでは、様々な色を表現するために「減法混色」が用いられている。減法混色の原色は有彩色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色である。シアン(C)は、レッド(R)を吸収し、グリーン(G)とブルー(B)を反射する。マゼンタ(M)は、グリーン(G)を吸収し、レッド(R)とブルー(B)を反射する。イエロー(Y)は、ブルー(B)を吸収し、レッド(R)とグリーン(G)を反射する。つまり、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクは、光の3原色RGBの吸収量を調整することによって、視認される画像を表現する。本実施形態では、画像を形成する際に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)以外に、ブラック(K)を用いている。ブラックインクを用いているのは、CMYの3色のインクを混ぜても、強い黒(深い黒)が表現できないためである。以下の説明において、画像を形成するこれらの4色(CMYK)のインクのことをカラーインクともいう。カラーインクを吐出可能なノズルは第1吐出部に相当する。なお、CMYKのうちの何れか(少なくとも1色)で画像を形成するようにしてもよいし、あるいは、上記4色(CMYK)に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)、ライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)、グリーン(G)、オレンジ(Or)など他の色のインクを用いて画像を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態においてホワイトインク(背景色インクに相当する)は、画像の背景となる白色の背景画像を形成するために用いられる白色のインクである(以下、ホワイトインクのことを白インクともいう)。白インクには着色剤として酸化チタンなどの顔料が用いられている。本実施形態において「白色」とは、可視光線のすべての波長を100%反射する物体の表面色である厳密な意味での白色に限らず、いわゆる「白っぽい色」のように、社会通念上、白色と呼ばれる色を含むものとする。なお、白インクを吐出可能なノズルは第3吐出部に相当する。
また、クリアインクは、無色透明のインクである。本実施形態においてクリアインクは、画像の表面をコーティングすることにより、印刷物の光沢や耐候性を向上させるために用いられる。以下の説明において、クリアインクによるコーティングのことをOP(オーバープリント)ともいう。なお、クリアインクを吐出可能なノズルは第2吐出部に相当する。
<プリンター1の動作例について>
上述した通り、本実施形態に係るプリンター1には、列方向(前後方向)にノズルが並んだノズル列を有するヘッド31が設けられている。そして、コントローラー60が、当該ヘッド31を搬送方向(左右方向)に移動させながら、ノズルからインクを吐出させ、搬送方向(左右方向)に沿ったラスタラインを形成することにより、印刷領域R上のロール紙2の部位に1ページ分の画像記録を行なう。
上述した通り、本実施形態に係るプリンター1には、列方向(前後方向)にノズルが並んだノズル列を有するヘッド31が設けられている。そして、コントローラー60が、当該ヘッド31を搬送方向(左右方向)に移動させながら、ノズルからインクを吐出させ、搬送方向(左右方向)に沿ったラスタラインを形成することにより、印刷領域R上のロール紙2の部位に1ページ分の画像記録を行なう。
ここで、本実施形態に係るコントローラー60は、複数パス(2パス、4パス等)の印刷を実行する。すなわち、列方向における画像の解像度を高くするために、パス毎に列方向におけるヘッド31の位置を少しずつ変えて印刷を行なう。本実施形態では4パスの印刷を実行することとする。また、画像形成方法としては、例えば、公知のインターレース(マイクロウィーブ)印刷が実行される。
これについて、図5を用いてより具体的に説明する。図5は、4パスで印刷するケースにおいて各パスで形成されるラスタラインを示した模式図である。
これについて、図5を用いてより具体的に説明する。図5は、4パスで印刷するケースにおいて各パスで形成されるラスタラインを示した模式図である。
図5の左側にはヘッド31のノズル列(ノズル)が表されており、当該ヘッド31(ノズル列)が搬送方向に移動しながらノズルからインクが吐出されることにより、ラスタラインが形成される。図に表されているヘッド31(ノズル列)の列方向における位置は、1パス目のときの位置であり、かかる位置を維持したままヘッド31(ノズル列)が搬送方向に移動すると、1パス目の印刷が実行され、図に表された5つのラスタライン(右端にパス1と書かれているラスタラインL1)が形成される。
そして、次に、ヘッド31(ノズル列)が列方向に移動して、移動後の位置を維持したままヘッド31(ノズル列)が搬送方向に移動すると、2パス目の印刷が実行され、図に表された4つのラスタライン(右端にパス2と書かれているラスタラインL2)が形成される。なお、インターレース(マイクロウィーブ)印刷が採用されているため、前記ラスタラインL1に隣接するラスタラインL2は、ラスタラインL1を形成するインクが吐出されたノズルとは異なるノズルから吐出されたインクにより形成されることとなる。そのため、ヘッド31(ノズル列)の列方向への移動距離は、ノズル間距離(例えば、1/180インチ)の1/4分(1/180×1/4=1/720インチ)ではなく、これより大きな距離となる。
以下、同様の動作が行なわれることにより、3パス目、4パス目の印刷が実行されて、図に表された残りのラスタライン(右端にパス3と書かれているラスタラインL3及びパス4と書かれているラスタラインL4)が形成される。このように、4パスでラスタラインが形成されることにより、列方向における画像の解像度を4倍(=720÷180)の解像度とすることが可能となる。
なお、本実施形態においては、所謂双方向印刷が行なわれる。すなわち、1パス、3パス目の印刷が行なわれるときのヘッド31(ノズル列)の移動方向と2パス、4パス、目の印刷が行なわれるときのヘッド31(ノズル列)の移動方向は互いに逆方向となる(後に、詳述する)。
以下では、プリンター1の動作例としてプリンター1の画像形成動作(換言すれば、インク吐出動作)を説明するが、上述した4パスで印刷する図6のケースを例に挙げて説明する(以下の説明で、図5も随時参照する)。
<プリンター1の画像形成動作例について>
ここでは、プリンター1の印刷動作例について、図5、図6を用いて説明する。図6は、ヘッドの移動を説明するための模式図である。印刷動作を説明する前に、先ず、図6(の見方)について説明する。
ここでは、プリンター1の印刷動作例について、図5、図6を用いて説明する。図6は、ヘッドの移動を説明するための模式図である。印刷動作を説明する前に、先ず、図6(の見方)について説明する。
図6には、印刷処理(すなわち、画像形成に係る一連の処理)が行なわれている間に、ヘッドがどのように移動するかが示されている。ここでは、説明を分かり易くするために、ヘッド31(およびノズル列)の数は、複数個ではなく1つであることとして、説明を行なう。
ヘッド31は、便宜上、丸印で表され(図には、大きな丸と小さな丸があるが、双方の区別に意味は無い)、ヘッドの移動が矢印で表されている。ここで、図中左右方向に向いた矢印は、搬送方向におけるヘッドの移動を表し、上下方向に向いた矢印は、列方向におけるヘッドの移動を表している。また、各矢印には、S1〜S10の符号が付けられているが、これは、以降の印刷処理の説明で用いられるステップ番号である。
また、パス1乃至パス4が付されているステップ番号があるが、これらのステップ番号はインクが吐出されることにより画像形成動作が実行されるステップを表している。
また、パス1乃至パス4が付されているステップ番号があるが、これらのステップ番号はインクが吐出されることにより画像形成動作が実行されるステップを表している。
以下、図5、図6を参照しつつ、印刷処理について説明する。なお、当該印刷処理は、主としてコントローラー60により実現される。特に、本実施形態においては、メモリー63に格納されたプログラムをCPU62が処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下に説明する各種の動作を行なうためのコードから構成されている。
前述した間欠的なロール紙2の搬送が行なわれてロール紙2が停止すると、印刷領域R上のロール紙2の部位に1ページ分の画像形成を行なうための印刷処理が開始される。
先ず、コントローラー60は、キャリッジ42(すなわち各ヘッド)をHP位置から往方向(ロール紙2が搬送される方向において、上流側から下流側へ向かう方向)へ移動させる(ステップS1)。
コントローラー60は、ヘッド31の往方向への移動を継続しつつ、ヘッドにインクを吐出させて、1パス目の印刷を実行する(ステップS2)。そして、このことにより、図6に示されたラスタラインL1(パス1のラスタライン)が形成される。
ヘッドが第一折り返し位置へ至ると、コントローラー60は、ヘッドを列方向へ移動させる(ステップS3)。本実施形態においては、前記距離dだけヘッドを移動させる。
先ず、コントローラー60は、キャリッジ42(すなわち各ヘッド)をHP位置から往方向(ロール紙2が搬送される方向において、上流側から下流側へ向かう方向)へ移動させる(ステップS1)。
コントローラー60は、ヘッド31の往方向への移動を継続しつつ、ヘッドにインクを吐出させて、1パス目の印刷を実行する(ステップS2)。そして、このことにより、図6に示されたラスタラインL1(パス1のラスタライン)が形成される。
ヘッドが第一折り返し位置へ至ると、コントローラー60は、ヘッドを列方向へ移動させる(ステップS3)。本実施形態においては、前記距離dだけヘッドを移動させる。
その後、コントローラー60は、ヘッドを復方向(ロール紙2が搬送される方向において、下流側から上流側へ向かう方向)へ移動させながら、ヘッドにインクを吐出させて、2パス目の印刷を実行する(ステップS4)。そして、このことにより、図6に示されたラスタラインL2(パス2のラスタライン)が形成される。
ヘッドが第二折り返し位置へ至ると、コントローラー60は、ヘッドを列方向へ移動させる(ステップS5)。本実施形態においては、前記距離dだけヘッドを移動させる。
ヘッドが第二折り返し位置へ至ると、コントローラー60は、ヘッドを列方向へ移動させる(ステップS5)。本実施形態においては、前記距離dだけヘッドを移動させる。
次に、コントローラー60は、ステップS2乃至ステップS4の処理と同じ処理をさらになう(ステップS6乃至ステップS8)。この処理において、3パス目の印刷(ステップS6)により図6に示されたラスタラインL3(パス3のラスタライン)が、4パス目の印刷(ステップS8)により図6に示されたラスタラインL4(パス4のラスタライン)が、それぞれ形成される。コントローラー60は、ヘッドの列方向における位置を元に戻す(ステップS9)。すなわち、ステップS3、S5、S7でヘッドが移動した方向とは逆方向に、距離3dだけヘッドを移動させる。
そして、コントローラー60は、ヘッドをHP位置へ移動させることにより(ステップS10)、1ページ分の画像形成を行なうための印刷処理を終了させる。なお、本実施形態では、1ページ分の画像形成を4パスで行うこととしたがこれには限られない、例えば2パスで1ページ分の画像形成を行うようにしてもよい。
また、本実施形態では複数の印刷データを用いて同じ印刷面に重ね印刷することで、複数版からなる画像を形成する版印刷を行う。なお、版とは印刷面の画を作成するために重ね印刷する場合の1印刷処理分のデータのことである。また、版を重ねて生成される1ページ分の印刷面のことをフレームともいう。版印刷の詳細については後述する。
<プリンタードライバーによる処理の概要>
上記の印刷処理は、前述したように、プリンター1に接続されたホストコンピューター110から印刷データが送信されることにより開始する。当該印刷データは、プリンタードライバーによる処理により作成される。以下、プリンタードライバーによる処理について、図7を参照しながら説明する。図7は、プリンタードライバーによる処理の説明図である。
上記の印刷処理は、前述したように、プリンター1に接続されたホストコンピューター110から印刷データが送信されることにより開始する。当該印刷データは、プリンタードライバーによる処理により作成される。以下、プリンタードライバーによる処理について、図7を参照しながら説明する。図7は、プリンタードライバーによる処理の説明図である。
プリンタードライバーは、アプリケーションプログラムから画像データを受け取り、プリンター1が解釈できる形式の印刷データに変換し、印刷データをプリンターに出力する。アプリケーションプログラムからの画像データを印刷データに変換する際に、プリンタードライバーは、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・並び替え処理・コマンド付加処理などを行う。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度(印刷解像度)に変換する処理である。例えば、印刷解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取ったベクター形式の画像データを720×720dpiの解像度のビットマップ形式の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データの各画素データは、RGB色空間により表される多階調(例えば256階調)のRGBデータである。この階調値は、RGB画像データに基づいて定められるものである。
色変換処理は、RGBデータをCMYK系色空間のデータに変換する処理である。なお、CMYK系色空間は、プリンター1で使用するインク(色)に対応した色空間である。言い換えると、プリンタードライバーは、RGBデータに基づいて、CMYK系平面の画像データを作成する。例えば、使用するインクがCMYKの4色の場合、CMYK平面の画像データを作成する。
この色変換処理は、RGBデータの階調値と使用するインクに応じたCMYK系データの階調値とを対応づけたテーブルに基づいて行われる。このテーブルのことを色変換ルックアップテーブル(LUT)という。なお、色変換処理後の画素データは、CMYK系色空間により表される256階調のデータである。
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンターが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。このハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理後の画像データでは、画素ごとに1ビット又は2ビットの画素データが対応しており、この画素データは各画素でのドットの形成状況(ドットの有無、ドットの大きさ)を示すデータになる。例えば2ビット(4階調)の場合、ドット階調値[00]に対応するドットなし、ドット階調値[01]に対応する小ドットの形成、ドット階調値[10]に対応する中ドットの形成、及び、ドット階調値[11]に対応する大ドットの形成のように4段階に変換される。その後、各ドットのサイズについてドット作成率が決められた上で、ディザ法・γ補正・誤差拡散法等を利用して、プリンター1がドットを分散して形成するように画素データが作成される。
並び替え処理は、マトリクス状に並ぶ画素データを、プリンター1に転送すべきデータ順に、画素データごとに並べ替える。例えば、各ヘッドのノズルの並び順に応じて、画素データを並べ替える。
コマンド付加処理は、ラスタライズ処理されたデータに、印刷方式に応じたコマンドを示すデータを付加する処理である。コマンドとしては、例えば、搬送コマンド、吸着コマンド、キャリッジ移動コマンドなどがある。
これらの処理を経てカラー画像の印刷データ(DCとする)が作成される。
また、プリンタードライバーは、カラー画像の印刷データDC以外に、背景用の背景画像の印刷データ(DWとする)や、画像のコーティング(OP)用の補助インク印刷データ(DOPとする)を作成する。このとき、ユーザーが指定した意匠性を高めたい領域は、補助インク印刷データ(DOP)として作成される。
これらの各印刷データは、プリンタードライバーによりインク色毎のデータとしてプリンター1に送信される。
また、プリンタードライバーは、カラー画像の印刷データDC以外に、背景用の背景画像の印刷データ(DWとする)や、画像のコーティング(OP)用の補助インク印刷データ(DOPとする)を作成する。このとき、ユーザーが指定した意匠性を高めたい領域は、補助インク印刷データ(DOP)として作成される。
これらの各印刷データは、プリンタードライバーによりインク色毎のデータとしてプリンター1に送信される。
<印刷画像について>
図8は1フレーム分の印刷データの一例を示す図である。本実施形態では、1フレームの画像は3版のデータから構成される。すなわち、図8に示すように、1版目の印刷データ(DC)と、2版目の印刷データ(DW)と、3版目の補助インク印刷データ(DOP)から1フレームの画像が構成される。これらの各印刷データは、ホストコンピューター110からプリンター1に送られ、プリンター1のメモリー63のバッファー(不図示)に一時的に記憶される。なお、各印刷データにおいて斜線で示す部分は、インクを吐出する領域を示している。
図8は1フレーム分の印刷データの一例を示す図である。本実施形態では、1フレームの画像は3版のデータから構成される。すなわち、図8に示すように、1版目の印刷データ(DC)と、2版目の印刷データ(DW)と、3版目の補助インク印刷データ(DOP)から1フレームの画像が構成される。これらの各印刷データは、ホストコンピューター110からプリンター1に送られ、プリンター1のメモリー63のバッファー(不図示)に一時的に記憶される。なお、各印刷データにおいて斜線で示す部分は、インクを吐出する領域を示している。
印刷データDCは、CMYKのインクで色付の画像(カラー画像)を印刷するためのデータである。この印刷データDCにはカラー画像(記号「ABC」)を形成するためのデータが含まれている。なお、本実施形態では説明の簡略化のため画像(記号「ABC」)をカラーインクのうちのシアンで印刷することとする。すなわち図8の印刷データDCはシアンのみ(一色の)データである。
印刷データDWは、カラー画像の背景となる背景画像(本実施形態では白色の背景画像)を印刷するためのデータである。本実施形態では、印刷データDWは、印刷データDCにおいてカラー画像を形成しない領域にホワイトインクを吐出させるように形成される。具体的には、印刷データDWは、図8に示すように、記号「ABC」を囲む周辺にインク(ホワイトインク)を吐出させるように形成される。ただし、後述するように、カラー画像と背景画像が重なって形成されるようにしてもよい。
補助インク印刷データDOPは、クリアインクで意匠性を高めた、画像表面に透明なコーティング(OP)を形成するためのデータである。本実施形態の補助インク印刷データDOPは、印刷面(印刷領域)の一部にクリアインクを塗布させるデータとなっている。本実施形態において、クリアインクの吐出条件は、補助インク印刷データDOP、印刷データDC及び印刷データDWに基づいてプリンター1のコントローラー60が定める(後述する)。
図9は、印刷の工程を示す模式図である。まず、コントローラー60は、ロール紙2の印刷面(印刷領域)に、図8に示した印刷データDCに基づいてCMYK系インク(本実施形態ではシアン)を吐出させる1版目の印刷処理を行う(S11)。これにより、ロール紙2の印刷面には、絵や文字など(本実施形態では記号「ABC」)の画像が形成される。
次に、コントローラー60は、1版目印刷後の印刷面に、印刷データDWに基づいてホワイトインクを吐出させる2版目の印刷処理を行う(S12)。これにより、記号「ABC」の周囲の領域に白色の背景画像が形成される。
さらに、コントローラー60は、2版目印刷後の印刷面に、印刷データDOPに基づいてクリアインクを塗布する3版目の印刷処理を行う(S13)。本第1実施形態では、補助インク印刷データDOPに基づいて、印刷面全面にコーティング(OP)が行われる。この1版〜3版の印刷処理によって、1フレーム分の印刷が終了する。1フレーム分の印刷を終えると、コントローラー60は、ロール紙2を次のページの印刷位置まで搬送させる(S14)。以下、S11〜S14を順次繰り返していく。
ところで、OPの剥がれやすさ、光沢性、及び、インクの定着性などの特性は、クリアインクが着弾する場所の下地の状態によって異なる。例えば、媒体上に直接クリアインクを着弾させた場合と、カラーインク上にクリアインクを着弾させた場合とでは、剥がれやすさや、光沢性、インクの定着性が異なる。もし仮に、下地の状態に関わらずにクリアインクを全て同じ条件で塗布すると、例えば、必要以上にクリアインクを塗布して、クリアインクを無駄に使用してしまうおそれがある。あるいは、クリアインクの塗布量が不足して、光沢が得られなかったり、剥がれたりするおそれがある。
そこで、本実施形態では、媒体の種類(基材)、カラーインクの種類(CMYK等)、背景色インクの種類(ホワイトインク、メタルインク)のそれぞれについて、剥がれやすさ、光沢性、インクの定着性についてのパラメーター(各特性を重み付けした値)を設定し、そのパラメーターに基づいてクリアインクの吐出条件(吐出量や吐出回数)を定めるようにしている。
<OPの印刷条件について>
図10は、オーバープリント(OP)の印刷条件を定めるための第1パラメーターの一例を示す図である。この図10に示すテーブルは、例えばメモリー63に予め記憶されており、OP(3版目の印刷)を行う際に参照される。
図10は、オーバープリント(OP)の印刷条件を定めるための第1パラメーターの一例を示す図である。この図10に示すテーブルは、例えばメモリー63に予め記憶されており、OP(3版目の印刷)を行う際に参照される。
図に示すように、媒体(被印刷媒体)、カラーインク、背景色インクのそれぞれに対して、剥がれやすさ(特性1)、光沢性(特性2)、インク定着性(特性3)のパラメーターが定められている。より具体的には、媒体としては、基材1、基材2、基材3の3種類があり、カラーインクとしては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、グリーン(G)の5種類があり、背景色インクとしては、白インク、メタリックインクの2種類がある。そして、こられの各要素について剥がれやすさ(特性1)、光沢性(特性2)、インク定着性(特性3)のパラメーターがそれぞれ設定されている。
例えば、基材1に対しては、剥がれやすさは「4」、光沢性は「7」、インク定着性は「5」と設定されている。また、カラーインクのシアン(C)に対しては、剥がれやすさは「3」、光沢性は「5」、インク定着性は「4」と設定されている。また、白インクに対しては、剥がれやすさは「7」、光沢性は「5」、インク定着性は「9」と設定されている。これらのパラメーターの値は、OPを行うときの下地の状態に応じて特性毎に適宜加算集計される。例えば、基材1上にシアンインクの層と白インクの層が形成されている場合のパラメーターの合計(和)は、特性1では14(=4+3+7)、特性2では17(=7+5+5)、特性3では18(=5+4+9)になる。
また、図11は、パラメーターの集計結果と、OPの印刷条件との対応関係の一例を示す図である。この図11に示すテーブルも、例えばメモリー63に予め記憶されている。
図に示すように、加算集計結果(パラメーターの和)に応じて、OP(すなわちクリアインク)の打ち込み量(吐出量)と、クリアインクの打ち込み回数が定められている。
図に示すように、加算集計結果(パラメーターの和)に応じて、OP(すなわちクリアインク)の打ち込み量(吐出量)と、クリアインクの打ち込み回数が定められている。
例えば、図10におけるパラメーターの集計結果(或る特性におけるパラメーターの和)が1〜4の場合、クリアインクを小ドット(S)の吐出量で1回打ち込むように設定される。また、例えば、パラメーターの集計結果(或る特性におけるパラメーターの和)が21より大の場合、クリアインクを大ドット(L)の吐出量で2回打ち込むように設定される。なお、クリアインクを2回打ち込むには、例えば、ピエゾ素子321を駆動させる駆動信号において、該当する量のインクを吐出させる駆動パルスを1画素の吐出周期に2つ設けておき、1画素の吐出周期の間にそのパルスをピエゾ素子321に2回印加させるようにすればよい。
<クリアインクの打ち込み量の制御について>
コントローラー60は、クリアインクを吐出する際に以下の動作を行う。
まず、印刷時に媒体(被印刷媒体)の種類(本実施形態ではロール紙2の種類)、及び、図10の特性1、特性2、特性3のうちどれを優先するかを、例えばユーザーインターフェースを介してユーザーに選択させ、これらの情報を取得する。本実施形態では媒体(ロール紙2)には基材1が用いられ、剥がれやすさ(特性1)を優先するという情報を取得する。
コントローラー60は、クリアインクを吐出する際に以下の動作を行う。
まず、印刷時に媒体(被印刷媒体)の種類(本実施形態ではロール紙2の種類)、及び、図10の特性1、特性2、特性3のうちどれを優先するかを、例えばユーザーインターフェースを介してユーザーに選択させ、これらの情報を取得する。本実施形態では媒体(ロール紙2)には基材1が用いられ、剥がれやすさ(特性1)を優先するという情報を取得する。
つぎに、コントローラー60は、クリアインクを吐出する領域(例えば媒体上の画素毎の領域)に対して、印刷データDC上で当該領域に吐出するカラーインクの有無や種類(インク色)、及び、印刷データDW上で当該領域に吐出する背景色インクの有無および種類(本実施形態ではホワイト)を判断する。すなわち、媒体の種類、印刷データDC、DWに基づいてクリアインクを吐出する領域の下地構造を求める。
そして、得られた下地構造に応じて、図10を参照してパラメーターの値を集計(加算)し、その結果と図11の吐出条件との比較により、クリアインクの吐出条件を定める。
そして、得られた下地構造に応じて、図10を参照してパラメーターの値を集計(加算)し、その結果と図11の吐出条件との比較により、クリアインクの吐出条件を定める。
図12は、本実施形態におけるOPを行う前の断面構造の一例を示す概念図である。
画像を形成する媒体(ロール紙2)としては基材1が用いられている。1版目の印刷処理では、印刷データDCに基づいて区間3、区間4にカラーインク(シアン)が吐出される(カラー画像が形成される)。2版目の印刷処理では、印刷データDWに基づいて区間2、区間3、区間5に白インクが吐出される(背景画像が形成される)。つまりカラー画像(シアンインク)と背景画像(白インク)は区間3において重複して(重ねて)形成される。なお、図12において、基材1の上のカラーインクCの層は1版目の印刷処理で印刷されることを示しており、その上の白インクの層は2版目の印刷処理で印刷されることを示している。つまり、図の区間2及び区間5の白インクは、実際には基材1上に着弾する。
画像を形成する媒体(ロール紙2)としては基材1が用いられている。1版目の印刷処理では、印刷データDCに基づいて区間3、区間4にカラーインク(シアン)が吐出される(カラー画像が形成される)。2版目の印刷処理では、印刷データDWに基づいて区間2、区間3、区間5に白インクが吐出される(背景画像が形成される)。つまりカラー画像(シアンインク)と背景画像(白インク)は区間3において重複して(重ねて)形成される。なお、図12において、基材1の上のカラーインクCの層は1版目の印刷処理で印刷されることを示しており、その上の白インクの層は2版目の印刷処理で印刷されることを示している。つまり、図の区間2及び区間5の白インクは、実際には基材1上に着弾する。
このように、区間1では、基材1上に画像が形成されない。また、区間2と区間5では、基材1上に白インクの層(背景画像)が形成される。区間3では基材1上にカラーインク(シアン)の層(カラー画像)と、白インクの層(背景画像)が重ねて形成される。区間4では、基材1上にカラーインク(シアン)の層(カラー画像)が形成される。このような区間毎における下地構造は、メモリー63のバッファーに記憶された各色の印刷データから求めることができる。
コントローラー60は、各印刷データと媒体の種類とから、これらの各区間について、図10のパラメーターを参照して、補助インク印刷データのなしとありのパラメーターの合計値(和)を特性1、特性2、特性3についてそれぞれ求める。本実施形態においては、補助インク印刷データのありの算出では、補助印刷データなしの算出値に対して、5を加算して求める。このルールは、例えばメモリー63に予め記憶されており、パラメーター値を算出するときに参照される。
図13は、補助インク印刷データなしとありの各区間におけるパラメーターの合計値を特性毎に示した図である。なお、補助インク印刷データありの各区間におけるパラメーターの合計値が、第2パラメーターに相当する。
例えば、補助インク印刷データなしの区間3では、基材1上にカラーインク(シアン)の層と白インクの層が形成される。この場合、特性1(剥がれやすさ)は14(=4+3+7)、特性2(光沢性)は17(=7+5+5)、特性3(インク定着性)は18(=5+4+9)になる。補助インク印刷データありの区間3では、補助インク印刷データなしの区間3に対して、5を加算した値を求める。この場合、特性1(剥がれやすさ)は19(=14+5)、特性2(光沢性)は22(=17+5)、特性3(インク定着性)は23(=18+5)になる。同様にしてコントローラー60は、図13のように各区間のパラメーターの合計を特性毎に算出する。
例えば、補助インク印刷データなしの区間3では、基材1上にカラーインク(シアン)の層と白インクの層が形成される。この場合、特性1(剥がれやすさ)は14(=4+3+7)、特性2(光沢性)は17(=7+5+5)、特性3(インク定着性)は18(=5+4+9)になる。補助インク印刷データありの区間3では、補助インク印刷データなしの区間3に対して、5を加算した値を求める。この場合、特性1(剥がれやすさ)は19(=14+5)、特性2(光沢性)は22(=17+5)、特性3(インク定着性)は23(=18+5)になる。同様にしてコントローラー60は、図13のように各区間のパラメーターの合計を特性毎に算出する。
そして、コントローラー60は、図13の算出結果から図11のテーブルを参照して、各区間の印刷条件を特性毎について定める。図14は、補助インク印刷データなしとありの各区間のクリアインクの吐出条件の算出結果を示す図である。図においてOP打ち込み量の「S」は小ドットを形成するための吐出量を意味し、「M」は中ドットを形成するための吐出量を意味し、「L」は大ドットを形成するための吐出量を意味する。また、OP打ち込み回数は、同じ領域にクリアインクを吐出する回数を示している。例えばOP打ち込み回数が「2」の区間には、クリアインクを2回吐出させる(OPを2層に形成する)。
また図15は、第1実施形態における補助インク印刷データなしの領域にOPを行った状態を示す概念図である。図16は、第1実施形態における補助インク印刷データありの領域にOPを行った状態を示す概念図である。前述したように、第1実施形態では、3つの特性のうち剥がれやすさ(特性1)の条件が優先される。よって、図15および図16では、図14の特性1の条件でOPを行った状態を模式的に示している。なお、図15、図16では、白インクの位置よりも上側にクリアインクのドットを示しているがこれは3版目の印刷処理で形成されることを示している。つまり、例えば区間1ではクリアインクは基材1上に着弾することになる。
図15において、クリアインク(クリアドット)をインク打ち込み量に応じて大きさの異なる3つの丸印で示している。また、丸印の上の記号の左側のS、M、Lは打ち込み量(すなわち形成するドットのサイズ:小ドット、中ドット、大ドット)を示し、記号の右側の1、2は打ち込み回数(1回、2回)を示している。例えば、S1は小ドットを1回形成することを示している。また、区間3のように、ドット(小ドット)を2回形成する場合は、丸印を上下の2つの層にして示している。図16も同じである。
図15(及び図14)に示すように区間1では小ドットを1回、区間2では大ドットを1回、区間3では小ドットを2回、区間4では中ドットを1回、区間5では大ドットを1回形成している。本実施形態では剥がれやすさ(特性1)を優先して、クリアインクの吐出条件を設定しているので、このようにクリアインクの吐出条件を設定することで各区間におけるコーティング(OP)の剥がれやすさを改善することができる。さらに、補助インク印刷データありの領域では、図16のクリアインクの吐出条件となる。これにより、補助インク印刷データが指定された領域のクリアリンクの吐出量が多くなり、意匠性を高めることができる。
以上説明したように、本実施形態では、下地の状態(基材、カラーインク、背景色インク)やコーティングによる特性(剥がれやすさ、光沢性、インク定着性)に応じてクリアインクの吐出条件を変えている。こうすることで、意匠性を高めつつ、各区間(領域)においてクリアインクの吐出条件の最適化を図ることができる。
<第1実施形態の変形例1>
前述した第1実施形態では各区間で下地の状態に応じて図10のパラメーターの和を求めていたが、この変形例では、各パラメーターの積で求める。すなわち、各パラメーターの積を算出した場合に最適な吐出条件が得られるように、それぞれのパラメーターの値や吐出条件との対応関係を設定するようにする。なお、プリンター1の構成や印刷処理の内容については第1実施形態と同じであるので説明を省略する。この場合も第1実施形態と同様に各パラメーターの積に応じてクリアインクの吐出条件(吐出量、吐出回数)を定めることで、クリアインクの吐出条件の最適化を図ることができる。なお、前述の実施形態のように、カラー画像を形成するのに複数のカラーインクを用いる場合は、カラーインク毎についてのパラメーターについては和を求めるようにしてもよい。そして、各区間において、媒体のパラメーターと、カラーインクのパラメーターの和と、背景色インクのパラメーターとの積を求めるようにしてもよい。この場合においても、クリアインクの吐出条件の最適化を図ることができる。
前述した第1実施形態では各区間で下地の状態に応じて図10のパラメーターの和を求めていたが、この変形例では、各パラメーターの積で求める。すなわち、各パラメーターの積を算出した場合に最適な吐出条件が得られるように、それぞれのパラメーターの値や吐出条件との対応関係を設定するようにする。なお、プリンター1の構成や印刷処理の内容については第1実施形態と同じであるので説明を省略する。この場合も第1実施形態と同様に各パラメーターの積に応じてクリアインクの吐出条件(吐出量、吐出回数)を定めることで、クリアインクの吐出条件の最適化を図ることができる。なお、前述の実施形態のように、カラー画像を形成するのに複数のカラーインクを用いる場合は、カラーインク毎についてのパラメーターについては和を求めるようにしてもよい。そして、各区間において、媒体のパラメーターと、カラーインクのパラメーターの和と、背景色インクのパラメーターとの積を求めるようにしてもよい。この場合においても、クリアインクの吐出条件の最適化を図ることができる。
<第1実施形態の変形例2>
前述した第1実施形態では、第2パラメーターを図13のように、第1パラメーターから求めた補助印刷データなしの印刷区間のデータから求めたが、この変形例では、第2パラメーターを図10のように持っている。前述した第1実施形態では、コントローラー60は、各印刷データと媒体の種類とから、これらの各区間について、図10のパラメーターを参照して、補助インク印刷データのなしとありのパラメーターの合計値(和)を特性1、特性2、特性3についてそれぞれ求めた。しかしながら、この変形例では、補助インク印刷用データのありのパラメーターは、図10と同じ補助インク印刷用データあり専用のパラメーターの表を持っていて、そこから求める。これにより、各特性や基材種、色種に応じてきめ細かく設定でき、より意匠性を高めつつ、クリアインクの吐出条件の最適化を図ることができる。
前述した第1実施形態では、第2パラメーターを図13のように、第1パラメーターから求めた補助印刷データなしの印刷区間のデータから求めたが、この変形例では、第2パラメーターを図10のように持っている。前述した第1実施形態では、コントローラー60は、各印刷データと媒体の種類とから、これらの各区間について、図10のパラメーターを参照して、補助インク印刷データのなしとありのパラメーターの合計値(和)を特性1、特性2、特性3についてそれぞれ求めた。しかしながら、この変形例では、補助インク印刷用データのありのパラメーターは、図10と同じ補助インク印刷用データあり専用のパラメーターの表を持っていて、そこから求める。これにより、各特性や基材種、色種に応じてきめ細かく設定でき、より意匠性を高めつつ、クリアインクの吐出条件の最適化を図ることができる。
<第1実施形態の変形例3>
前述した第1実施形態では、補助インク印刷データのありの算出の方法として、補助印刷データなしの算出値に対して、5を加算して求めたが、この変形例では、図11に示した区分を1増加させる。まず、補助インク印刷データなしの各区間と各特性を図13のように計算する。次に、補助インク印刷データありの算出では、補助インク印刷データなしの値を参照し、5加算するのではなく、図11の区分を1増加するように値を算出する。第1実施形態の区間1の特性1では、補助インク印刷データなしからありへの変更では、Sドット1回からLドット1回へと2段階急激に増加したが、本変形例では、1段階増となるため、Mドット1回となる。このように、急激なクリアインクの吐出量の変化を抑制し、より滑らかに意匠性を高めることができる。
前述した第1実施形態では、補助インク印刷データのありの算出の方法として、補助印刷データなしの算出値に対して、5を加算して求めたが、この変形例では、図11に示した区分を1増加させる。まず、補助インク印刷データなしの各区間と各特性を図13のように計算する。次に、補助インク印刷データありの算出では、補助インク印刷データなしの値を参照し、5加算するのではなく、図11の区分を1増加するように値を算出する。第1実施形態の区間1の特性1では、補助インク印刷データなしからありへの変更では、Sドット1回からLドット1回へと2段階急激に増加したが、本変形例では、1段階増となるため、Mドット1回となる。このように、急激なクリアインクの吐出量の変化を抑制し、より滑らかに意匠性を高めることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、クリアインクの吐出条件の定め方が第1実施形態と異なる。なお、プリンター1の構成や印刷処理の内容については第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
第1実施形態では、3つの特性のうち特性1を重視してクリアインクの吐出条件を定めていたのに対し、第2実施形態では区間毎の特性(特性1〜3)のうち最大のものをその区間の印刷条件として定める。
第2実施形態では、クリアインクの吐出条件の定め方が第1実施形態と異なる。なお、プリンター1の構成や印刷処理の内容については第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
第1実施形態では、3つの特性のうち特性1を重視してクリアインクの吐出条件を定めていたのに対し、第2実施形態では区間毎の特性(特性1〜3)のうち最大のものをその区間の印刷条件として定める。
図17は、第2実施形態における補助インク印刷データなしの領域にOPを行った状態を示す概念図であり、図18は、補助インク印刷データありの領域にOPを行った状態を示す概念図である。なお、図17、図18の記載方法は、第1実施形態(図15、図16)と同様である。また、以下の説明において図14も使用する。
例えば、図14の補助インク印刷データなしの区間1において、特性1では小ドット(S)を1回形成し、特性2、特性3では中ドット(M)を1回形成するようになっている。小ドットよりも中ドットの方が大きい(吐出量が多い)ので、この場合、図17に示すように、区間1のクリアインクの吐出条件として中ドット1回(M1)が選択される。
例えば、図14の補助インク印刷データなしの区間1において、特性1では小ドット(S)を1回形成し、特性2、特性3では中ドット(M)を1回形成するようになっている。小ドットよりも中ドットの方が大きい(吐出量が多い)ので、この場合、図17に示すように、区間1のクリアインクの吐出条件として中ドット1回(M1)が選択される。
また、図14の補助インク印刷データなしの区間3において、特性1では小ドット(S)を2回形成し、特性2及び特性3では中ドット(M)を2回形成するように設定されている。小ドットよりも中ドットの方が大きい(吐出量が多い)ので、図17に示すように、区間3のクリアインクの吐出条件として中ドット2回(M2)が選択される。
また、図14の補助インク印刷データなしの区間4において、特性1では中ドット(M)を1回形成し、特性2及び特性3では大ドット(L)を1回形成するように設定されている。中ドットよりも大ドットの方が大きい(吐出量が多い)ので、図17に示すように、区間4のクリアインクの吐出条件として大ドットを1回(L1)が選択される。
こうすることで、各区間において3つの特性(剥がれやすさ、光沢性、インク定着性)のいずれかを最適にした条件でOPを行うことができる。
また、図14の補助インク印刷データなしの区間4において、特性1では中ドット(M)を1回形成し、特性2及び特性3では大ドット(L)を1回形成するように設定されている。中ドットよりも大ドットの方が大きい(吐出量が多い)ので、図17に示すように、区間4のクリアインクの吐出条件として大ドットを1回(L1)が選択される。
こうすることで、各区間において3つの特性(剥がれやすさ、光沢性、インク定着性)のいずれかを最適にした条件でOPを行うことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態においても、クリアインクの吐出条件の定め方が前述の実施形態と異なる。なお、プリンター1の構成や印刷処理の内容については前述の実施形態と同じであるので説明を省略する。
例えば、印刷物において光沢性が所定値を超えない範囲とすることが要求される場合がある。このような場合、光沢性を制限した印刷モード(以下光沢制限モード)を行う。具体的には、光沢制限モードを行う場合、図14の特性2の吐出条件を超えない範囲で、各区間のクリアインクの吐出条件を定める。つまり、各区間で特性2による条件がクリアインクの最大吐出条件になる。言い換えると、各区間において、特性2の打ち込み量、及び、打ち込み回数以下でクリアインクの打ち込みを行うようにする。
こうすることで、光沢性が所定値を超えない範囲で最適なコーティングを行うことができる。
第3実施形態においても、クリアインクの吐出条件の定め方が前述の実施形態と異なる。なお、プリンター1の構成や印刷処理の内容については前述の実施形態と同じであるので説明を省略する。
例えば、印刷物において光沢性が所定値を超えない範囲とすることが要求される場合がある。このような場合、光沢性を制限した印刷モード(以下光沢制限モード)を行う。具体的には、光沢制限モードを行う場合、図14の特性2の吐出条件を超えない範囲で、各区間のクリアインクの吐出条件を定める。つまり、各区間で特性2による条件がクリアインクの最大吐出条件になる。言い換えると、各区間において、特性2の打ち込み量、及び、打ち込み回数以下でクリアインクの打ち込みを行うようにする。
こうすることで、光沢性が所定値を超えない範囲で最適なコーティングを行うことができる。
(その他の実施形態)
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンターについて>
前述の実施形態では、装置の一例としてプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用しても良い。
前述の実施形態では、装置の一例としてプリンターが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の装置に、上述の実施形態と同様の技術を適用しても良い。
また、前述した実施形態では、ラテラル式のプリンターであったが、これには限られない。例えば、シリアルプリンターであってもよいし、ラインプリンターであってもよい。
<吐出方式について>
前述の実施形態では、圧電素子(ピエゾ素子)を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
前述の実施形態では、圧電素子(ピエゾ素子)を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンターの実施形態だったので、ノズルからインクを吐出しているが、このインクは水性でも良いし、油性でも良い。
前述の実施形態は、プリンターの実施形態だったので、ノズルからインクを吐出しているが、このインクは水性でも良いし、油性でも良い。
また、前述の実施形態では白インクを用いて白色の背景画像を形成していたが、白インク以外のインクを用いてもよい。例えば、被印刷媒体とは異なる色(シルバーなど)のメタリックインクを用いて被印刷媒体と異なる色の背景画像を形成するようにしてもよい。なお、メタリックインクとは、印刷物がメタリック感を発現するインクであり、このようなメタリックインクとしては、例えば、金属顔料と有機溶剤と樹脂とを含む油性インク組成物を用いることができる。視覚的に金属的な質感を効果的に生じさせるためには、前述の金属顔料は、平板状の粒子であることが好ましい。このような金属顔料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金によって形成することができ、また、金属蒸着膜を破砕して作成することも可能である。メタリックインクに含まれる金属顔料の濃度は、例えば、0.1〜10.0重量%とすることができる。もちろん、メタリックインクはこのような組成に限らず、メタリック感が生じる組成であれば他の組成を適宜採用することが可能である。
また、前述の実施形態では、画像のコーティング(OP)を無色透明のクリアインクを用いて行っていたがこれには限られない。例えば、半透明の色のインクを塗布してコーティングを行ってもよい。
<画像について>
前述の実施形態では、カラー画像として記号「ABC」が印刷されている。但し、これに限られず、絵や図形などでも良い。また、本実施形態では画像(記号「ABC」)を一色で印刷したが、カラーインクを複数用いてカラー画像を印刷してもよい。この場合も前述の実施形態と同様に、メモリー63に記憶された各色(CMYK)の印刷データに基づいて、それぞれ区間(領域)毎に各色のパラメーターの和を算出するようにすればよい。
前述の実施形態では、カラー画像として記号「ABC」が印刷されている。但し、これに限られず、絵や図形などでも良い。また、本実施形態では画像(記号「ABC」)を一色で印刷したが、カラーインクを複数用いてカラー画像を印刷してもよい。この場合も前述の実施形態と同様に、メモリー63に記憶された各色(CMYK)の印刷データに基づいて、それぞれ区間(領域)毎に各色のパラメーターの和を算出するようにすればよい。
<パラメーターについて>
前述の実施形態では、剥がれやすさ(特性1)、光沢性(特性2)、インク定着性(特性3)の3つ特性についてそれぞれパラメーターの合計(和)を算出していたが、少なくとも1つのパラメーターの合計を算出すればよい。例えば、第1実施形態の場合、剥がれやすさ(特性1)を優先してOPの印刷条件を定めているので、この場合、特性1のみのパラメーターの合計を算出するようにしてもよい。あるいは、3つの特性のうち2つの特性についてパラメーターの合計を算出して、その何れかを適用するようにしてもよい。
前述の実施形態では、剥がれやすさ(特性1)、光沢性(特性2)、インク定着性(特性3)の3つ特性についてそれぞれパラメーターの合計(和)を算出していたが、少なくとも1つのパラメーターの合計を算出すればよい。例えば、第1実施形態の場合、剥がれやすさ(特性1)を優先してOPの印刷条件を定めているので、この場合、特性1のみのパラメーターの合計を算出するようにしてもよい。あるいは、3つの特性のうち2つの特性についてパラメーターの合計を算出して、その何れかを適用するようにしてもよい。
<コーティングについて>
前述した実施形態では印刷領域全体に対してクリアインクを吐出してオーバープリント(OP)を行っていたが、これには限られない。例えば、カラー画像上のみにOPを行うようにしてもよいし、背景画像上のみにOPを行うようにしてもよい。あるいは、画像の形成領域(カラー画像+背景画像)上にOPを行うようにしてもよい。このような場合も、前述した実施形態と同様に、OPを行う領域のパラメーターを算出してクリアインクの吐出条件を定めるようにすればよい。
前述した実施形態では印刷領域全体に対してクリアインクを吐出してオーバープリント(OP)を行っていたが、これには限られない。例えば、カラー画像上のみにOPを行うようにしてもよいし、背景画像上のみにOPを行うようにしてもよい。あるいは、画像の形成領域(カラー画像+背景画像)上にOPを行うようにしてもよい。このような場合も、前述した実施形態と同様に、OPを行う領域のパラメーターを算出してクリアインクの吐出条件を定めるようにすればよい。
<画像の形成順序について>
前述の実施形態では、カラー画像形成後に背景画像を形成していたが、これには限られない。例えば背景画像を形成してからカラー画像を形成し、その後OPを行うようにしてもよい。この場合も、前述の実施形態と同様に各区間におけるパラメーターの算出結果に基づいてクリアインクの吐出条件を定めるようにすればよい。
前述の実施形態では、カラー画像形成後に背景画像を形成していたが、これには限られない。例えば背景画像を形成してからカラー画像を形成し、その後OPを行うようにしてもよい。この場合も、前述の実施形態と同様に各区間におけるパラメーターの算出結果に基づいてクリアインクの吐出条件を定めるようにすればよい。
<吐出条件について>
前述の実施形態では、パラメーターの集計結果に基づいてクリアインクの打ち込み量(吐出量)と打ち込み回数の両方を変えるようにクリアインクの吐出条件を設定していたが、これには限られず、何れか一方を変えるようにしても良い。例えば、打ち込み量のみを変えるようにしてもよい。
前述の実施形態では、パラメーターの集計結果に基づいてクリアインクの打ち込み量(吐出量)と打ち込み回数の両方を変えるようにクリアインクの吐出条件を設定していたが、これには限られず、何れか一方を変えるようにしても良い。例えば、打ち込み量のみを変えるようにしてもよい。
1…プリンター、2…ロール紙、10…給送ユニット、18…巻軸、19…中継ローラー、20…搬送ユニット、21…中継ローラー、22…中継ローラー、23…第一搬送ローラー、23a…第一駆動ローラー、23b…第一従動ローラー、24…第二搬送ローラー、24a…第二駆動ローラー、24b…第二従動ローラー、25…反転ローラー、26…中継ローラー、27…送り出しローラー、29…プラテン、30…ヘッドユニット、31…ヘッド、32…駆動ユニット、33…ケース、34…流路ユニット、35…流路形成基板、36…ノズルプレート、37…弾性板、40…キャリッジユニット、41…ガイドレール、42…キャリッジ、50…検出器群、60…コントローラー、61…インターフェース部、62…CPU、63…メモリー、64…ユニット制御回路、70…クリーニングユニット、80…巻き取りユニット、81…中継ローラー、82…巻き取り駆動軸、110…ホストコンピューター、321…ピエゾ素子、323…固定板、324…フレキシブルケーブル、331…収納空部、332…インク供給管、351…圧力室、352…供給口、353…リザーバー。
Claims (1)
- 画像を形成するカラーインクを吐出可能な第1吐出部と、
前記画像を補助する補助インクを吐出可能な第2吐出部と、
被印刷媒体、及び、前記カラーインクのそれぞれに設定されたパラメーターであって、剥がれやすさ、光沢性、インク定着性の少なくとも1つの第1パラメーターを記憶した第1パラメーター記憶部と、
前記第1パラメーターを補助インク印刷データ用に変換した第2パラメーターを記憶した第2パラメーター記憶部と、
補助インク印刷データを取得する補助インク印刷データ取得部と、
前記第1吐出部から前記カラーインクを吐出させて前記被印刷媒体に前記画像を形成した後、当該被印刷媒体の所定領域に対して、前記補助インク印刷データに従って、前記第1パラメーター、もしくは、前記第2パラメーターに基づいて前記第2吐出部から前記補助インクを吐出させる制御部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012275404A JP2014117899A (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012275404A JP2014117899A (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 画像形成装置 |
Publications (1)
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ID=51173181
Family Applications (1)
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JP2012275404A Pending JP2014117899A (ja) | 2012-12-18 | 2012-12-18 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2014117899A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016112840A (ja) * | 2014-12-17 | 2016-06-23 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷データ生成装置及び印刷装置 |
-
2012
- 2012-12-18 JP JP2012275404A patent/JP2014117899A/ja active Pending
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