JP2016147421A - 印刷制御装置および印刷制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不良ノズルによる画質劣化を抑制する。
【解決手段】不良ノズルを検出する不良ノズル検出部と、ノズル毎のインクの吐出を制御する吐出制御部とを備え、吐出制御部は、第1色のインクを吐出するための第1ノズル列に含まれる不良ノズルによって第1色のドットが本来形成されるべき位置(ドット欠落位置)に所定方向において隣接する隣接位置へ、第1ノズル列に含まれて不良ノズルに所定方向において隣接する隣接ノズルにより、第1色のドットを形成させるか隣接ノズルが本来形成すべきサイズより大きいサイズの第1色のドットを形成させる補完処理と、第2色のインクを第1色のインクよりも後に吐出するための第2ノズル列に含まれて所定方向における位置が不良ノズルに対応する位置対応ノズルにより、ドット欠落位置へ、隣接位置へ隣接ノズルにより形成される第1色のドットのサイズ以下のサイズの第2色のドットを形成させる補完誘導処理とを実行する。
【選択図】図6

Description

本発明は、印刷制御装置および印刷制御方法に関する。
複数のノズルからインクを印刷媒体へ吐出して印刷を行うインクジェットプリンターにおいては、ノズルが目詰まりすることがある。例えば、ノズルの開口付近でインクが乾燥したり、紙粉や埃等がノズルに付着したりすることで、このような目詰まりが発生する。ノズルの目詰まりは、インクの吐出不良を招く。吐出不良が発生したノズル(不良ノズル)により、本来吐出されるべきインクが吐出されないことによる印刷媒体上でのドットの欠落(ドット抜けとも言う)が生じる。
ここで、複数のノズルを配列する記録ヘッドを複数の液体の色毎に備え、ノズルから液体を吐出して記録することにより画像を形成する画像形成方法において、前記複数のノズルのうち記録をすることができない不吐出ノズルを特定する工程と、不吐出ノズルが本来記録すべき記録位置と隣接する位置に同色の液体による記録を行う同色隣接ノズルの記録量を増加し、前記不吐出ノズルが本来記録すべき記録位置に対応する位置に異色の液体による記録を行う異色対応ノズルの記録量を増加し、前記不吐出ノズルが本来記録すべき記録位置と隣接する位置に異色の液体による記録を行う異色隣接ノズルの記録量を減少して、画像を補正する補正工程とを有する構成が知られている(特許文献1参照)。
特開2008‐238409号公報
不良ノズルに起因するドット抜けが生じる位置(ドット欠落位置)の隣接位置へ吐出するインク量を多くすること(隣接位置に、より大きなドットを形成する等)により当該ドット抜けを補完する試みが、前記文献1を含め、これまで提案されている。
しかし、このような補完のために前記隣接位置にインクを吐出した場合であっても、当該吐出されたインクが印刷媒体に着弾したときドット欠落位置の方へ適切に広がらず、結果的に、当該ドット欠落位置をうまくインクで被覆できない(ドット抜けを補完できない)ことがあった。
また、前記文献1のように、不吐出ノズルが本来記録すべき記録位置に対応する位置に異色の液体による記録を行う異色対応ノズルの記録量を増加する異色補完によれば、異色の液体を多く使用することにより、印刷結果において、本来再現されるべき色味から大きくずれた色味となるおそれがあった。
本発明は上記課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、不良ノズルに起因する画質劣化を、より的確に抑制することが可能な印刷制御装置および印刷制御方法を提供する。
本発明の態様の一つは、所定方向に所定間隔で並ぶ複数のノズルを有するノズル列を複数のインクの色毎に備える印刷ヘッドによるインクの吐出を制御する印刷制御装置であって、前記複数のノズルの中からインクの吐出不良が発生する不良ノズルを検出する不良ノズル検出部と、前記ノズル毎のインクの吐出を制御する吐出制御部と、を備え、前記吐出制御部は、第1色のインクを吐出するための第1ノズル列に含まれる前記不良ノズルによって当該第1色のドットが本来形成されるべき位置であるドット欠落位置に前記所定方向において隣接する隣接位置へ、当該第1ノズル列に含まれて前記不良ノズルに前記所定方向において隣接する隣接ノズルにより、当該第1色のドットを形成させるか或いは当該隣接ノズルが本来形成すべきサイズより大きいサイズの当該第1色のドットを形成させる補完処理と、第2色のインクを前記第1色のインクよりも後に吐出するための第2ノズル列に含まれて前記所定方向における位置が前記不良ノズルに対応している位置対応ノズルにより、前記ドット欠落位置へ、前記隣接位置へ前記隣接ノズルにより形成される前記第1色のドットのサイズ以下のサイズの当該第2色のドットを形成させる補完誘導処理と、を実行する。
当該構成によれば、ドット欠落位置に隣接する隣接位置へ隣接ノズルにより第1色のドット(補完ドット)が形成された後、当該ドット欠落位置へ位置対応ノズルにより当該第1色のドットのサイズ以下のサイズの第2色のドット(補完誘導ドット)が形成される。従って、補完ドットは、インクが印刷媒体へ浸透して固着までの過程で、後から形成される補完誘導ドットに誘導されてドット欠落位置側へ拡大する。このため、ドット欠落位置を補完ドットにより的確に被覆する(ドット抜けを補完する)ことができる。また、補完誘導ドットは、あくまで補完ドットの広がりを誘導することを目的として形成されるため、サイズが比較的小さくされている。そのため、補完誘導ドットに起因して印刷結果の色味が狂うことが回避される。
本発明の態様の一つは、前記吐出制御部は、前記隣接位置へ前記隣接ノズルにより形成される前記第1色のドットのサイズに応じて、前記ドット欠落位置へ形成する前記第2色のドットのサイズを決定するとしてもよい。
当該構成によれば、ドット欠落位置へ形成する第2色のドット(補完誘導ドット)について、隣接位置へ前記隣接ノズルにより形成される第1色のドット(補完ドット)のサイズに応じて、前記誘導を実現するために必要最小限のサイズを決定することができる。
本発明の態様の一つは、前記吐出制御部は、インクの吐出対象となる印刷媒体の特性に応じて、前記ドット欠落位置へ形成する前記第2色のドットのサイズを決定するとしてもよい。
当該構成によれば、ドット欠落位置へ形成する第2色のドット(補完誘導ドット)について、インクの滲み易さ(インクの広がり易さ)等といった印刷媒体の特性に応じて、前記誘導を実現するために必要最小限のサイズを決定することができる。
前記第1色と前記第2色は同一色相であり、前記第2色は前記第1色よりも淡い色であるとしてもよい。
当該構成によれば、ドット欠落位置へ形成する第2色のドット(補完誘導ドット)により印刷結果の色味が変わることが、回避される。
本発明の態様の一つは、前記吐出制御部は、前記ドット欠落位置のうち前記位置対応ノズルにより前記第2色のドットが本来形成されない位置を対象として所定の頻度で前記第2色のドットを形成させるとしてもよい。
当該構成によれば、第2色のドットが本来形成されないドット欠落位置のうち一部に、第2色のドット(補完誘導ドット)を形成するため、ドット欠落位置におけるドット抜けの補完と、印刷結果の色味維持とを、好適なバランスで実現することができる。
本発明の技術的思想は、印刷制御装置という物以外によっても実現される。例えば、本発明は、印刷制御装置の各部が実行する各工程を含んだ方法(印刷制御方法)、あるいは当該方法をコンピューターに実行させるコンピュータープログラム、さらには当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体、とった各種カテゴリーにて実現されてもよい。
本実施形態にかかる装置構成を例示するブロック図。 印刷ヘッドの構成を例示する図。 印刷制御処理を示すフローチャート。 補完処理(近傍補完)および補完誘導処理の一例を説明するための図。 1つのノズルにより複数のドットを連続して印刷媒体に形成する状況を例示する図。 補完ドットと補完誘導ドットとを印刷媒体に形成する状況を例示する図。
1.装置構成の概略:
図1は、本実施形態にかかる印刷制御装置10等の機能をブロック図により例示したものである。印刷制御装置10は、例えば、プリンターや、プリンターの機能を含んだ複合機、等といった製品として把握される。印刷制御装置10が、印刷媒体への印刷を実際に行う印刷部30と、印刷部30の挙動を制御するための一部の構成(例えば、後述する制御部11)とを含む構成であるとした場合、一部の構成を指して印刷制御装置10と称してもよい。また、印刷制御装置10を、印刷装置、画像処理装置、等と呼んでもよい。図1に示した各構成は、一箇所あるいは一筐体内に集約されている場合に限らず、それら各構成が互いに離れた場所に存在し且つ通信可能な状態でいることで一システムを構築していてもよい。例えば、印刷制御装置10は、印刷媒体への印刷を実際に行うプリンターと、当該プリンターの挙動を制御するためのコンピュータープログラム(プリンタードライバー)を搭載して当該プリンターを制御する装置(パーソナルコンピューター等)と、を含んで構成されるとしてもよい。
図1では、印刷制御装置10を、制御部11、操作入力部16、表示部17、通信インターフェイス(I/F)18、スロット部19、不良ノズル検出部20、印刷部30、等を含む構成として例示している。制御部11は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有するICや、その他の記憶媒体等により構成される。制御部11では、CPUが、ROM等に保存されたプログラムに従った演算処理を、RAM等をワークエリアとして用いて実行することにより、様々な処理(例えば、後述する補完処理や補完誘導処理)を実現する。制御部11は、ノズル毎のインクの吐出を制御する吐出制御部に該当する。
操作入力部16は、ユーザーによる操作を受け付けるための各種ボタンやキー等を含む。表示部17は、印刷制御装置10に関する各種情報を示すための部位であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)により構成される。操作入力部16の一部は、表示部17に表示されたタッチパネルとして実現されるとしてもよい。
印刷部30は、画像を印刷媒体に印刷するための機構である。印刷部30が採用する印刷方式がインクジェット方式である場合、印刷部30は、印刷ヘッド31(図2参照)や、印刷媒体を所定の搬送方向に沿って搬送する搬送部36、等の構成を有する。印刷部30(あるいは印刷制御装置10)が、いわゆるラインプリンターに相当する製品である場合、ラインヘッドとしての印刷ヘッド31は基本的には移動しないため、図1に破線で示すキャリッジ35は不要となる。
印刷ヘッド31は、複数種類のインク(例えば、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク、ブラック(K)インク、等)毎の不図示のインクカートリッジから各種インクの供給を受ける。印刷ヘッド31は、各種インクに対応して設けられた複数のノズルからインク(インク滴)を吐出(噴射)可能である。吐出されたインクが印刷媒体に着弾することで印刷媒体にドットが形成されて印刷が実現する。「ドット」とは、基本的には印刷媒体に着弾したインク滴を指すが、インク滴が印刷媒体に着弾する前の工程に関する説明においても、ドットという表現を適宜用いる。印刷部30が使用する液体の具体的な種類や数は上述したものに限られず、例えば、ライトシアン、ライトマゼンダ、オレンジ、グリーン、グレー、ライトグレー、ホワイト、メタリック…等、種々のインクや液体を使用可能である。
搬送部36は、印刷媒体を支持して搬送するためのローラーや当該ローラーを回転させるためのモーター(いずれも不図示)等を含んでいる。印刷媒体は、代表的には紙である。ただし、本実施形態は、液体を記録可能であって搬送部36により搬送可能な素材であれば、紙以外の素材も印刷媒体の概念に含める。
通信I/F18は、印刷制御装置10を外部機器100と有線あるいは無線にて接続するためのインターフェイスの総称である。外部機器100としては、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デジタルスチルカメラ、パーソナルコンピューター(PC)等、印刷制御装置10にとって画像データの入力元となる様々な機器が該当する。印刷制御装置10は、通信I/F18を介して外部機器100と、例えば、USBケーブル、有線ネットワーク、無線LAN、電子メール通信等の様々な手段や通信規格により接続可能である。
スロット部19は、メモリーカード等の外部の記憶媒体を挿入するための部位である。つまり印刷制御装置10は、スロット部19に挿入されたメモリーカード等の外部の記憶媒体から、当該記憶媒体に記憶されている画像データを入力することも可能である。
制御部11は、入力した画像データから印刷データを生成するための画像処理を実行可能である。画像データのフォーマットは種々考えられるが、例えば、画素毎にRGB(レッド、グリーン、ブルー)で階調表現されたデータである。制御部11は、画像データに対し、解像度変換処理、色(表色系)変換処理、ハーフトーン処理といった、知られた画像処理を適宜施すことにより、印刷対象の画像を複数の画素でドットのパターンにより表現する印刷データを生成する。むろん、制御部11は、このような印刷データを、外部機器100等から入力するとしてもよい。
ドットのパターン(ドットパターン)とは、ドットのオン(ドット形成つまりインク吐出)・オフ(ドット非形成つまりインク非吐出)の配列であり、画素毎のドットのオン・オフを規定しているとも言える。例えば、印刷ヘッド31が、CMYKインクを吐出するものである場合、印刷データは、CMYK毎の、画素毎のドットのオン・オフを規定したデータを含んでいる。また、印刷データは、単にドットのオン・オフを示す2値データである以外に、1滴あたりの体積が互いに異なる複数サイズのドット(例えば、大ドット、中ドット、小ドット、等と称される複数サイズのドット)のいずれかのオンまたはドットオフを示す多値(4値)データであってもよい。なお、大ドット、中ドット、小ドットとは、ドットについてのサイズの相対的な差に従った呼び名に過ぎず、ここでは、ノズルが形成可能な複数サイズのドットのうち最小サイズのドットを小ドット、最大サイズのドットを大ドット、小ドットより大きくて大ドットより小さいドットを中ドット、と呼んでいる。むろんノズルはさらに多くの異なるサイズのドットを形成可能なものであってもよい。
印刷ヘッド31は、このような印刷データに基づいて各ノズルを駆動する。例えば、印刷ヘッド31へは、各ノズルを駆動するための駆動信号(パルスの一種)が与えられるとする。詳しい説明は省略するが、印刷ヘッド31においては、印刷データが表現する画素毎のドットのオン・オフ情報(あるいは大ドットオン、中ドットオン、小ドットオン、ドットオフ、の情報)に応じて、ノズル毎に設けられた駆動素子への前記駆動信号の印加をスイッチングすることで、印刷データに基づいた各ノズルからのインク吐出・非吐出を実現する。
不良ノズル検出部20は、印刷ヘッド31が有する複数のノズルの中から不良ノズルを検出するための手段である。不良ノズルとは、前記駆動信号の印加によるインク吐出の動作を行ったにもかかわらずインク滴を正常に吐出できない(吐出不良が発生する)ノズルの総称である。吐出不良が発生する原因としては、ノズルやノズルに連通するインクの流路内への気泡の混入、ノズル付近でのインクの乾燥・増粘(固着)、ノズル開口付近への紙粉付着、等が挙げられる。吐出不良が発生すると、その結果として、典型的にはノズルからインクが吐出されないため、印刷媒体に本来形成されるべきドットが欠落する現象(ドット抜け)が生じる。また、吐出不良の場合には、ノズルからインクが吐出されたとしても、液量が過少であったり、インクの飛行方向(弾道)がずれたりして適正に着弾しないので、やはりドット抜けが生じやすい。
本実施形態では、不良ノズル検出部20は、ノズル情報を制御部11へ通知する。ノズル情報とは、印刷ヘッド31が有するノズル毎の吐出不良の有無を示す情報、つまり、各ノズルについて不良ノズルであるか否かを示す情報である。ノズル情報は、ノズル毎に不良ノズルであるか否かが直接あるいは間接的に判る情報であれば何でも良い。本実施形態ではノズル情報を生成するための工程は特に問わず、不良ノズルを判定、検出するためのあらゆる技術を採用可能である。例えば、不良ノズル検出部20は、特開2013‐126776号公報に開示されている手法を利用してノズル毎に吐出不良の有無を検出し、その結果をノズル情報として制御部11へ通知することができる。具体的には、前記駆動信号の印加による駆動素子(圧電素子)の変形に伴って撓むいわゆる振動板(印刷ヘッド31を構成する要素の一部)等の残留振動の波形(周期等)を計測することにより、各ノズルからインクの吐出が正常に行われたか吐出不良が在ったかを検出する。あるいは、不良ノズル検出部20は、印刷ヘッド31の各ノズルからインクを吐出させて印刷したテストパターンにおけるドット抜けの有無の評価(人為的あるいは機械的な評価)を得ることにより、ノズル毎の吐出不良の有無を検出し、ノズル情報を生成してもよい。
図2は、ラインヘッドとしての印刷ヘッド31の構成等を簡易的に例示している。図2の上段には、印刷ヘッド31のインク吐出面31aにおけるノズル34の配列を例示している。インク吐出面31aとは、ノズル34が開口する面であり、搬送部36により搬送される印刷媒体Sと相対する面である。図2において、方向D2は前記搬送方向に該当する。方向D1は、方向D2に直交する方向であり、特許請求の範囲における所定方向に該当する。また図2では、個々のノズル34をヘッド32内の黒点により示している。
図2の例では、印刷ヘッド31は、複数のヘッド32を方向D1に沿って繋げて(ユニット化して)構成されている。各ヘッド32は同じ構成であり、いずれもインクの色毎のノズル列33C,33M,33Y,33Kを有する。ノズル列33Cは、Cインクを吐出するためのノズル34が所定間隔で並んでなるノズル列であり、ノズル列33Mは、Mインクを吐出するためのノズル34が所定間隔で並んでなるノズル列であり、ノズル列33Yは、Yインクを吐出するためのノズル34が所定間隔で並んでなるノズル列であり、ノズル列33Kは、Kインクを吐出するためのノズル34が所定間隔で並んでなるノズル列である。ノズル列33C,33M,33Y,33Kは互いに平行であり、図2の例では、方向D1とも平行である。
このような印刷ヘッド31全体(複数のヘッド32の集合)で見たとき、印刷ヘッド31は、方向D1において、印刷媒体Sの幅をカバー可能な範囲に亘って所定間隔(所定ノズルピッチ)で並ぶ複数のノズル34を有するノズル列を、インクの色(例えばCMYK)毎に有していると言える。ヘッド32毎のノズル列33Cを全てまとめてノズル列CNLとも呼ぶ。つまり、ノズル列CNLが、印刷ヘッド31が有するCインクの吐出のためのノズル列である。同様に、ヘッド32毎のノズル列33Mを全てまとめてノズル列MNL、ヘッド32毎のノズル列33Yを全てまとめてノズル列YNL、ヘッド32毎のノズル列33Kを全てまとめてノズル列KNL、と表現する。
図2から判るように、個々のヘッド32は、方向D2においてずれて配置されている。従って、1つの色のインク(例えばCインク)の吐出のためのノズル列(ノズル列CNL)を構成するノズル34は、必ずしも同一直線上に並んでおらず、方向D2においてずれて存在し得る。また、1つの色のインク(例えばCインク)の吐出のためのノズル列(ノズル列CNL)を構成するノズル34は、結果的に方向D1において所定間隔(等間隔)で並んでいればよい。そのため、ノズル列33C,33M,33Y,33Kの向きは、方向D1に対し斜めであってもよい。
このような構成によれば、印刷制御装置10は、複数の画素でドットのパターンを表現する印刷データに基づいて、所定方向(方向D1)に所定間隔で並ぶ複数のノズル34を有するノズル列を複数のインクの色毎に備える印刷ヘッド31によるインクの吐出を制御する、と言える。なお本明細書において、各構成の方向や位置等について、平行、直交、等間隔、同一、等と表現した場合であっても、それらは厳密な平行、直交、等間隔、同一、のみを意味するのではなく、製品性能上許容される程度の誤差や製品製造時に生じ得る程度の誤差も含む意味である。
図2の例では、いずれのヘッド32においても、インクの色毎のノズル列33C,33M,33Y,33Kは、搬送方向(方向D2)の上流側から下流側へ沿って、ノズル列33K、ノズル列33C、ノズル列33M、ノズル列33Yという順番で並んでいる。これは、印刷媒体Sのある一か所に注目したとき、Kインクが最も先に吐出され、次にCインクが吐出され、次にMインクが吐出され、Yインクが最後に吐出されることを意味する。
本実施形態では、不良ノズルが吐出すべきインクの色(欠落するドットの色)や当該ドットの欠落を補完するための補完ドットの色を、第1色と称することがある。また、補完ドットによる補完効果を高めるための補完誘導ドットの色を、第2色と称することがある。また、第2色は、必ず第1色よりも後に吐出される色とする。従って図2の例によれば、Kが第1色であるとき、第2色はC,M,Yのいずれかである。同様に図2の例では、Cが第1色であるとき、第2色はM,Yのいずれかである。同様に図2の例では、Mが第1色であるとき、第2色はYとなる。また、図2の例では、Kインクよりも先に吐出されるインクは無いため、Kは第2色になり得ない。また、図2の例では、Yインクよりも後に吐出されるインクは無いため、Yを第1色のインクとしたとき、第2色は存在しない。
2.印刷制御処理:
図3は、制御部11が実行する印刷制御処理を示すフローチャートである。
ステップS100では、制御部11は、不良ノズル検出部20から通知された最新のノズル情報を参照し、不良ノズルの有無に応じて処理を分岐する。ここでは、ノズル情報が、印刷ヘッド31が有する複数のノズル34の中に不良ノズルが有ることを示している場合にステップS120へ進む。一方、ノズル情報が、印刷ヘッド31が有する複数のノズル34の中に不良ノズルが無いことを示している場合にステップS110へ進む。なおステップS110では、制御部11は、印刷データに基づき、通常印刷処理を実行する。つまり、印刷データに基づいて印刷ヘッド31を含む印刷部30の挙動を制御して印刷媒体に画像を印刷させる。通常印刷処理については、特徴は無いため、これ以上の説明は省く。
ステップS120では、制御部11は、ノズル情報が示す不良ノズルによるドット抜けを補完するための補完処理と、当該補完の効果を高めるための補完誘導処理とを含む印刷処理を実行する。ここで言う補完処理は「近傍補完」を意味する。
近傍補完とは、第1色のインクを吐出するためのノズル列(第1ノズル列)に含まれる不良ノズルによって当該第1色のドットが本来形成されるべき位置であるドット欠落位置に所定方向(方向D1)において隣接する隣接位置へ、当該第1ノズル列に含まれて当該不良ノズルに方向D1において隣接する隣接ノズルにより、当該第1色のドットを形成させるか或いは当該隣接ノズルが本来形成すべきサイズより大きいサイズの当該第1色のドットを形成させる処理である。
また、補完誘導処理とは、第1色のインクよりも後に第2色のインクを吐出するノズル列(第2ノズル列)に含まれて方向D1における位置が不良ノズルに対応している位置対応ノズルにより、前記ドット欠落位置へ、前記隣接位置へ前記隣接ノズルにより形成される第1色のドットのサイズ以下のサイズの第2色のドットを形成させる処理である。
図4は、近傍補完および補完誘導処理の一例を説明するための図である。図4には、第1色のインク(例えばKインク)を吐出するための複数のノズル34(白丸)によるノズル列KNL(第1ノズル列)の一部と、第2色のインク(例えばYインク)を吐出するための複数のノズル34によるノズル列YNL(第2ノズル列)の一部とを示している。また、図4では、補完処理前の印刷データDB1と補完処理後の印刷データDA1、および、補完誘導処理前の印刷データDB2と補完誘導処理後の印刷データDA2、を例示している。これら印刷データDB1,DA1,DB2,DA2を構成する1つ1つの矩形は画素を表している。
印刷データDB1,DA1は、Kインクのドットパターンを表現する印刷データであり、印刷データDB2,DA2は、Yインクのドットパターンを表現する印刷データである。また図4の例では、ノズル列KNLに含まれるノズル34のうち符号34Nで示すノズルが不良ノズル(不良ノズル検出部20により検出された不良ノズル)であるとする。
印刷データDB1,DA1,DB2,DA2は、方向D1及び方向D2へそれぞれ対応して並ぶ複数の画素により構成される。本実施形態では、印刷データを構成する画素の並びの向きを、方向D1や方向D2により表現することがあるが、これはあくまで、印刷ヘッド31による印刷実行時における画像の向きと方向D1,D2との対応(一致)関係に基づいている。制御部11は、近傍補完の工程として、印刷データDB1に基づいて、不良ノズル34Nにより形成されるべきドットを補完した印刷データDA1を生成する。また、制御部11は、補完誘導処理の工程として、印刷データDB2に基づいて、当該補完の効果を高めるように補完誘導ドットを配置した印刷データDA2を生成する。
印刷データDB1,DA1に含まれる画素列NPLは、不良ノズル34Nに割り当てられる画素(不良ノズル対応画素NP)が方向D2へ繋がった領域であり、不良ノズル対応画素列NPLとも呼ぶ。方向D1において印刷データDB1,DA1内で不良ノズル対応画素NPの両隣にある画素を一次近傍画素と呼び、印刷データDB1,DA1内で一次近傍画素から不良ノズル対応画素NPとは反対側にある画素を二次近傍画素と呼ぶ。また、方向D1においてノズル列KNL内で不良ノズル34Nの両隣にあるノズル34を一次近傍ノズル(隣接ノズル)と呼び、ノズル列KNL内で一次近傍ノズルから不良ノズル34Nとは反対側にあるノズル34を二次近傍ノズルと呼ぶ。一次近傍ノズルから吐出されるインクによりドットが一次近傍画素に対応して形成され、二次近傍ノズルから吐出されるインクによりドットが二次近傍画素に対応して形成される。
印刷データDB1において、不良ノズル対応画素NPのうちドットを有する画素は、前記ドット欠落位置に相当する画素、つまりドット抜け(ここではKインクのドット抜け)を生じさせる画素である。このような画素をドット欠落画素と呼ぶ。また、ドット欠落画素に隣接する一次近傍画素が、前記隣接位置に相当する。図4において印刷データの各画素に記した0、S、M、Lは、それら画素が有するドットのサイズを示す。つまり、0はドットオフ、Sは小ドットオン、Mは中ドットオン、Lは大ドットオンを示す。近傍補完では、例えば、印刷データDB1に従ったとき、ドット欠落画素に対して方向D1に隣接する一次近傍画素について、ドットオフであれば小ドットオンに変換する(ドット付与)。また、近傍補完では、例えば、印刷データDB1に従ったとき、ドット欠落画素に対して方向D1に隣接する一次近傍画素について、小ドットオンであれば中ドットオンに変換し、中ドットオンであれば大ドットオンに変換する(ドットサイズ増大)。印刷データDA1は、印刷データDB1に対してこのような変換(近傍補完)を施した後のデータである。印刷データDA1では、ドットの付与あるいはドットサイズの増大がなされた一次近傍画素については太枠にて示している。また、このような付与あるいはサイズの増大がされたドットを補完ドットと呼ぶ。
近傍補完の具体的手法は上述の手法に限られない。例えば、制御部11は、印刷データDB1に従ったときのドット欠落画素のドットサイズと当該ドット欠落画素に対して方向D1に隣接する一次近傍画素のドットサイズと、から算出されるドットサイズを、当該一次近傍画素についての変換後のドットサイズ(印刷データDA1におけるドットサイズ)とする。例えば、ドットオフ=0、小ドット=1、中ドット=2、大ドット=3、等とドットサイズを定義し、印刷データDB1に従ったときのドット欠落画素のドットサイズ(1,2,3のいずれか)と当該ドット欠落画素に対して方向D1に隣接する一次近傍画素のドットサイズ(0,1,2,3のいずれか)と、を足したドットサイズを、当該一次近傍画素についての変換後のドットサイズとする。ただしこのような算出により4以上となったドットサイズは、3つまり大ドットとみなす。このような算出によりドットサイズを変換する処理は、印刷データDB1に従ったときのドット欠落画素の両隣の一次近傍画素にそれぞれ行っても良いし、一方の一次近傍画素にのみ行っても良い。
なお、印刷データが、単に画素毎のドットのオン・オフを示す2値データである場合は、近傍補完としては、一次近傍画素に対してドットを付与するか否かの単純な処理となる。制御部11は、二次近傍画素についてもドットの変更(ドットの付与、削除、サイズ増大、サイズ減少のいずれか)を行って印刷データDA1を生成してもよい。
上述したように、図4の例に従えば、第1色のインクはKインクであり、Kインクを吐出するためのノズル列KNLに不良ノズル34Nが含まれている。このような場合、補完誘導処理を行うための第2色のインクはCMYインクのいずれでもよいが、ここでは一例として、CMYインクのうち最も淡い色(目立たない色)であるYインクを第2色のインクとしている。ノズル列YNLに含まれるノズル34のうち、方向D1における位置が不良ノズル34Nに対応する(一致する)ノズル34Pが、位置対応ノズルとなる。
補完誘導処理では、制御部11は、印刷データDB2における位置対応ノズル34Pに割り当てられる画素のうち、印刷データDB1,DA1における前記ドット欠落画素と同一位置(同一座標)に在る画素に対して、補完誘導ドットを付与する。補完誘導ドットのサイズは、前記近傍補完により当該同一位置のドット欠落画素に隣接する一次近傍画素に形成することとしたドット(補完ドット)以下のサイズとする。従って、補完誘導ドットのサイズは、小ドットに固定してもよい。印刷データDA2では、補完誘導ドットが付与された画素について太枠にて示している。なお、補完誘導処理では、制御部11は、印刷データDB2における位置対応ノズル34Pに割り当てられる画素であって、印刷データDB1,DA1における前記ドット欠落画素と同一位置に在る画素(図4の印刷データDB2において破線で囲った画素)のうち、印刷データDB2に従ったときドットを有さない画素に対してドット(補完誘導ドット)を付与することにより、印刷データDA2を生成する。
補完処理(近傍補完)および補完誘導処理を伴う印刷処理(ステップS120)では、第1色のインクにかかる印刷データDA1(上記例の場合、Kインクのドットパターン)と第2色のインクにかかる印刷データDA2(上記例の場合、Yインクのドットパターン)を含む複数色のインクにかかる印刷データに基づいて印刷ヘッド31を含む印刷部30の挙動を制御して印刷媒体に画像を印刷させる。従って、不良ノズル34Nによる第1色のドット抜け(ドット欠落位置に生じるドット抜け)が隣接位置について増量された第1色の補完ドットにより補完され、かつ、当該ドット欠落位置に対して形成された第2色の補完誘導ドットにより当該補完がより効果的に実現された画像が、印刷結果として得られる。
3.効果の説明:
図5Aは、ある1つのノズル34により方向D2に沿って複数のドットDT1,DT2,DT3…が連続して印刷媒体Sに形成されていく様子を例示している。また図5Bは、同じ状況を、印刷媒体Sの面に相対する視点により例示している。図5Aに示すように、複数のドットDT1,DT2,DT3…は、印刷媒体Sに着弾した順序が早いドットから先に、水分の蒸発と溶剤(色素)の印刷媒体Sへの浸透が進み、広がりながら印刷媒体Sへ固着される。このとき、先に着弾したドットと後に着弾したドットとの間に、表面張力に差が生じる。このような表面張力差に起因して、先に着弾したドットが後に着弾したドットに引っ張られる(ドットDT1はドットDT2に引っ張られ、ドットDT2はドットDT3に引っ張られる)ように広がる現象が見られる。
つまり図5Bに示すように、同じノズル34で方向D2に沿って連続して形成される複数のドットDT1,DT2,DT3…は、それらが印刷媒体Sに固着する過程で当該連続する方向に直交する方向(方向D1)にはあまり広がらない。図5Bでは、ドットDT1の形状が広がる(引っ張られる)方向を矢印にて例示している。このような現象は、ドットDT1,DT2,DT3…が補完ドットである場合にも同様に見られる。つまり、ドットDT1,DT2,DT3…に対して方向D1において隣接する位置がドット欠落位置である場合、このドット欠落位置に対する不良ノズル34Nによるドット抜けを補完するためには、ドットDT1,DT2,DT3…が当該ドット欠落位置側へ広がることが重要である。しかしながら、上述した理由により、ドットDT1,DT2,DT3…は、当該ドット欠落位置側へはあまり広がらず、結果、当該ドット欠落位置におけるドット抜けが補完されない(補完の効果が不十分となる)。
本実施形態は、このような課題を補完誘導ドットにより解消する。
図6は、補完ドットCDT1,CDT2,CDT3,CDT4,CDT5,CDT6と、補完誘導ドットIDT1,IDT2,IDT3とが印刷媒体Sに形成されていく様子を、図5Bと同様の視点により例示している。図6においては、補完ドットCDT1,CDT2,CDT3と、補完ドットCDT4,CDT5,CDT6はそれぞれ、不良ノズル34N(第1色のインクを吐出すべきノズル34のうちの1つ)の両隣の隣接ノズル34NR,34NLによって方向D2に沿って形成されたドット(第1色のドット)である。補完誘導ドットIDT1,IDT2,IDT3は、不良ノズル34に対する位置対応ノズル34Pによって方向D2に沿って形成されたドット(第2色のドット)である。図6では、補完誘導ドットについては2点鎖線により示している。また図6では、不良ノズル34N、隣接ノズル34NR,34NLおよび位置対応ノズル34Pについても、その存在を破線の丸により示している。
これまでの説明から判るように、補完ドットに対して方向D1において隣に位置する補完誘導ドットは、当該補完ドットよりも後のタイミングで印刷媒体Sに着弾する。従って、補完ドットと、当該補完ドットに対して方向D1において隣に位置する補完誘導ドットとの間には表面張力に差が生じ、この表面張力差に起因して、先に着弾した補完ドットの形状が後に着弾した補完誘導ドットに引っ張られる。つまり、図6に例示するように、補完ドットCDT1,CDT2,CDT3,CDT4,CDT5,CDT6は、先に着弾したものから順に、補完誘導ドットIDT1,IDT2,IDT3に誘導されてドット形状がドット欠落位置側へ広がっていく。この結果、補完ドットCDT1,CDT2,CDT3,CDT4,CDT5,CDT6によりドット欠落位置が的確に埋められ、不良ノズル34Nに起因するドット抜けが解消される。
補完誘導ドットは、それ自体でドット欠落位置におけるドット抜けを補うことを目的としているのではなく、あくまで補完ドットをドット欠落位置側へ誘導するためのドットである。従って、ドット欠落位置において表される色に補完誘導ドットが変化を与えてしまうことは、極力避けるべきである。本実施形態では、補完誘導ドットのサイズは、補完誘導ドットが付与される位置に対応するドット欠落画素に隣接する前記一次近傍画素に形成する補完ドット以下のサイズとしており、具体的には小ドット等といった小さいサイズにしている。従って、補完誘導ドットが印刷結果の色味に与える影響を最小限に止めることができる。
4.他の実施形態:
本発明は上述の実施形態(便宜上、第1実施形態と呼ぶ。)に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば後述するような実施形態を採用可能である。各実施形態を適宜組み合わせた構成も本発明の開示範囲に入る。以下の実施形態の説明においては、第1実施形態と共通の事項は説明を適宜省略する。
(第2実施形態)
制御部11は、ドット欠落位置の隣接位置へ前記隣接ノズルにより形成させる第1色のドット(補完ドット)のサイズに応じて、ドット欠落位置へ形成する第2色のドット(補完誘導ドット)のサイズを決定するとしてもよい。制御部11は、上述の印刷データDB2から印刷データDA2を生成するに際し、例えば、印刷データDA1において付与した補完ドットが大ドットであれば、この補完ドットを誘導するためにドット欠落画素に対応する画素に付与する補完誘導ドットを小ドットとする。また、例えば、印刷データDA1において付与した補完ドットが中ドットであれば、この補完ドットを誘導するためにドット欠落画素に対応する画素に付与する補完誘導ドットを中ドットとする。このような構成によれば、補完ドットをドット欠落位置へ誘導するために必要最小限の補完誘導ドットのサイズを、補完ドットのサイズに応じて決定することができる。
(第3実施形態)
制御部11は、インクの吐出対象となる印刷媒体の特性に応じて、ドット欠落位置へ形成する第2色のドット(補完誘導ドット)のサイズを決定するとしてもよい。ここで言う印刷媒体の特性とは、インクの滲み易さ/滲み難さ、である。近傍補完は、不良ノズル34Nによるドット抜けを、前記一次近傍ノズル(隣接ノズル)から吐出する補完ドットの広がりにより見え難くする技術であるが、インクが滲み難い印刷媒体においては、補完ドットが広がる効果が小さい。そこで制御部11は、印刷部30が使用する印刷媒体の設定が、例えば、光沢紙のように比較的インクが滲み難い所定の第1印刷媒体である場合は、補完誘導ドットのサイズを例えば中ドットとし、補完ドットをドット欠落位置側へ誘導する効果を高める。一方、制御部11は、印刷部30が使用する印刷媒体の設定が、例えば、普通紙のように比較的インクが滲み易い所定の第2印刷媒体である場合は、補完ドットは比較的広がりやすい状況であると言える。そのため、補完誘導ドットのサイズを例えば小ドットとし、補完誘導ドットが印刷結果の色味に与える影響を最小限に止める。
(第4実施形態)
補完誘導ドットによって印刷結果の色味が変わることを防ぐという観点においては、第1色と第2色は同一色相であり、第2色は第1色よりも淡い色である、としてもよい。
図2に示した印刷ヘッド31は、CMYKインク毎のノズル列CNL,MNL,YNL,KNLを有する構成であるが、印刷ヘッド31は、例えば、ライトシアン(Lc)インクを吐出するためのノズル34によるノズル列、ライトマゼンダ(Lm)インクを吐出するためのノズル34によるノズル列、グレー(Lk)インクを吐出するためのノズル34によるノズル列、等を有していてもよい。
このような場合、制御部11は、第1色がCであるとき、第2色にLcを選択する。また、制御部11は、第1色がMであるとき、第2色にLmを選択し、第1色がKであるとき、第2色にLkを選択する。むろん印刷ヘッド31におけるノズル列の並びは、CインクがLcインクよりも先に吐出され、MインクがLmインクよりも先に吐出され、KインクがLkインクよりも先に吐出される並びとなっていることが前提である。このように第1色と同一色相であってより淡い色を第2色として選択することで、補完誘導ドット(第2色のドット)によって印刷結果の色味が変わってしまうことを、ほぼ完全に回避することができる。
(第5実施形態)
上述したように補完誘導処理では、制御部11は、印刷データDB2における位置対応ノズル34Pに割り当てられる画素であって、印刷データDB1,DA1における前記ドット欠落画素と同一位置に在る画素のうち、印刷データDB2に従ったときドットを有さない画素に対してドット(補完誘導ドット)を付与することにより、印刷データDA2を生成する。このとき、制御部11は、補完誘導ドットを付与し得る全ての画素に補完誘導ドットを付与してもよいが、第5実施形態では、当該補完誘導ドットを付与し得る画素の一部にだけ補完誘導ドットを付与する。つまり、制御部11は、前記ドット欠落位置のうち、前記位置対応ノズル34Pにより第2色のドットが本来(=印刷データDB2に従ったとき)形成されない位置を対象として、所定の頻度で第2色のドット(補完誘導ドット)を形成させる。
ここで言う所定の頻度とは、例えば、印刷データDB2における位置対応ノズル34Pに割り当てられる画素であって、印刷データDB1,DA1における前記ドット欠落画素と同一位置に在る画素のうち、印刷データDB2に従ったときドットを有さない画素数を100%としたとき、30〜50%程度の頻度である。このような頻度で第2色による補完誘導ドットを形成することで、補完ドットによるドット欠落位置に対する補完効果の向上と印刷結果の色味維持とを、好適なバランスで実現することができる。
(第6実施形態)
これまでは、印刷ヘッド31はラインヘッドである場合を例に説明をしてきたが、むろん、印刷ヘッド31は、いわゆるシリアルプインターに搭載される、キャリッジ35により所定の主走査方向へ移動するタイプの印刷ヘッドであってもよい。図2を参考にして、印刷ヘッド31がシリアルプインターに搭載される印刷ヘッドであると仮定すると、印刷媒体Sは、方向D2ではなく、方向D1に平行な方向へ搬送部36により搬送されることとなる。また、印刷ヘッド31は、キャリッジ35により方向D2に平行な方向(主走査方向)に沿って移動する。つまり、このような印刷ヘッド31の移動に伴うインク吐出(パス)と、印刷媒体Sの一定距離の搬送(紙送り)とが交互に繰り返されることで、印刷媒体Sにバンド単位の画像の印刷が繰り返される。このようなシリアルプリンターであっても、これまでの補完処理や補完誘導処理の説明が同様に適用される。
10…印刷制御装置、11…制御部、20…不良ノズル検出部、30…印刷部、31…印刷ヘッド、32…ヘッド、34…ノズル、34N…不良ノズル、34P…位置対応ノズル、35…キャリッジ、36…搬送部、100…外部機器、S…印刷媒体、KNL,CNL,MNL,YNL…ノズル列

Claims (6)

  1. 所定方向に所定間隔で並ぶ複数のノズルを有するノズル列を複数のインクの色毎に備える印刷ヘッドによるインクの吐出を制御する印刷制御装置であって、
    前記複数のノズルの中からインクの吐出不良が発生する不良ノズルを検出する不良ノズル検出部と、
    前記ノズル毎のインクの吐出を制御する吐出制御部と、を備え、
    前記吐出制御部は、
    第1色のインクを吐出するための第1ノズル列に含まれる前記不良ノズルによって当該第1色のドットが本来形成されるべき位置であるドット欠落位置に前記所定方向において隣接する隣接位置へ、当該第1ノズル列に含まれて前記不良ノズルに前記所定方向において隣接する隣接ノズルにより、当該第1色のドットを形成させるか或いは当該隣接ノズルが本来形成すべきサイズより大きいサイズの当該第1色のドットを形成させる補完処理と、
    第2色のインクを前記第1色のインクよりも後に吐出するための第2ノズル列に含まれて前記所定方向における位置が前記不良ノズルに対応している位置対応ノズルにより、前記ドット欠落位置へ、前記隣接位置へ前記隣接ノズルにより形成される前記第1色のドットのサイズ以下のサイズの当該第2色のドットを形成させる補完誘導処理と、を実行することを特徴とする印刷制御装置。
  2. 前記吐出制御部は、前記隣接位置へ前記隣接ノズルにより形成される前記第1色のドットのサイズに応じて、前記ドット欠落位置へ形成する前記第2色のドットのサイズを決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 前記吐出制御部は、インクの吐出対象となる印刷媒体の特性に応じて、前記ドット欠落位置へ形成する前記第2色のドットのサイズを決定することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  4. 前記第1色と前記第2色は同一色相であり、前記第2色は前記第1色よりも淡い色であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷制御装置。
  5. 前記吐出制御部は、前記ドット欠落位置のうち前記位置対応ノズルにより前記第2色のドットが本来形成されない位置を対象として所定の頻度で前記第2色のドットを形成させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の印刷制御装置。
  6. 所定方向に所定間隔で並ぶ複数のノズルを有するノズル列を複数のインクの色毎に備える印刷ヘッドによるインクの吐出を制御する印刷制御方法であって、
    前記複数のノズルの中からインクの吐出不良が発生する不良ノズルを検出する不良ノズル検出工程と、
    前記ノズル毎のインクの吐出を制御する吐出制御工程と、を備え、
    前記吐出制御工程では、
    第1色のインクを吐出するための第1ノズル列に含まれる前記不良ノズルによって当該第1色のドットが本来形成されるべき位置であるドット欠落位置に前記所定方向において隣接する隣接位置へ、当該第1ノズル列に含まれて前記不良ノズルに前記所定方向において隣接する隣接ノズルにより、当該第1色のドットを形成させるか或いは当該隣接ノズルが本来形成すべきサイズより大きいサイズの当該第1色のドットを形成させる補完処理と、
    第2色のインクを前記第1色のインクよりも後に吐出するための第2ノズル列に含まれて前記所定方向における位置が前記不良ノズルに対応している位置対応ノズルにより、前記ドット欠落位置へ、前記隣接位置へ前記隣接ノズルにより形成される前記第1色のドットのサイズ以下のサイズの当該第2色のドットを形成させる補完誘導処理と、を実行することを特徴とする印刷制御方法。
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