JP2019136926A - 補完吐出設定方法、補完設定装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

補完吐出設定方法、補完設定装置及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より容易に吐出不良を生じているノズルの適切な補完吐出設定を行うことのできる補完吐出設定方法、補完設定装置及びインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】複数のノズルが幅方向について間隔dpで配置され、かつ複数の記録ヘッド231a、231bに交互に配置され、媒体が搬送方向に相対移動されて記録動作を行うヘッドモジュール230の不良ノズル27fに対するインク吐出設定を補完する補完吐出設定方法であって、不良ノズルと幅方向について隣り合う近接ノズル27n1と同一の記録ヘッドで近接ノズルと幅方向について不良ノズルと反対側で隣り合う並列ノズル27p1に対するインク吐出設定を取得し、不良ノズルに対するインク吐出設定と、並列ノズルに対するインク吐出設定とに基づいて、近接ノズルに対する補完吐出設定を行う。【選択図】図4

Description

この発明は、補完吐出設定方法、補完設定装置及びインクジェット記録装置に関する。
複数個のノズルが配列され、当該ノズルからインクを吐出させて媒体上に着弾させることで、当該媒体に画像や構造などを記録するインクジェット記録装置がある。ノズル数の増加に従い、ノズルからのインク吐出不良の発生が避けられなくなってきている。これに対し、吐出不良を生じているノズルと隣り合う位置のノズルからインクを吐出させて補完する技術がある。
媒体に着弾したインク液滴は、当該媒体に浸透したり固化したりするまでの間に媒体表面で濡れ性に応じた広がりを生じる。複数のインク液滴が接すると、インク液滴間で引き合う力が生じる。上述の補完技術に従って本来とは異なるノズルからインクを吐出させた場合、意図しないインク液滴間の引き合いによりインクによる媒体の被覆範囲が変化して、画質に悪影響を及ぼすという問題がある。
これに対し、特許文献1には、補完に用いられるノズル(補完ノズル)から吐出されるインク液滴の着弾範囲が補完ノズルと隣り合うノズルから吐出されるインク液滴の着弾範囲と重なる場合に、媒体上でインク液滴が互いに接しない位置に補完ノズルからのインク液滴の着弾位置を変更するように吐出タイミングを遅らせる技術が開示されている。また、特許文献2には、インク不吐出ノズルの補完に他のノズルからインクを吐出させる場合に、当該他のノズルとこれに隣り合うノズルとの吐出タイミングの差に応じて他のノズルから吐出させるインク量を変化させて、他のノズルと隣り合うノズルとの間の液滴間における干渉の影響を補正する技術について開示されている。
特開2015−174394号公報 特開2011−201121号公報
しかしながら、着弾位置やインク量の変更動作は、処理に手間がかかるという課題がある。
この発明の目的は、より容易に吐出不良を生じているノズルの適切な補完吐出設定を行うことのできる補完吐出設定方法、補完設定装置及びインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
インクを吐出させる複数のノズルを有し、当該複数のノズルが第1方向について第1間隔で配置され、かつ当該第1方向と直交する第2方向について互いに異なる複数の配列範囲に所定の順番で周期的に配置され、前記複数のノズルからのインク着弾位置に対してインク着弾対象の媒体が前記第2方向に相対移動されることで記録動作を行う記録動作部における前記複数のノズルのうち、インクの吐出不良を生じている不良ノズルに対するインク吐出設定を補完する補完吐出の設定に係る補完吐出設定方法であって、
前記不良ノズルと前記第1方向について隣り合う近接ノズルと同一の前記配列範囲内で、当該近接ノズルと前記第1方向について前記不良ノズルとは反対側で隣り合う並列ノズルに対するインク吐出設定を取得する設定取得ステップ、
前記不良ノズルに対するインク吐出設定と、前記並列ノズルに対するインク吐出設定とに基づいて、前記近接ノズルにより行わせる前記補完吐出に係る補完吐出設定を行う決定ステップ
を含むことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の補完吐出設定方法において、
前記複数のノズルからはそれぞれ複数段階のインク吐出量でのインク吐出が可能であり、
前記決定ステップでは、前記不良ノズルに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量及び前記並列ノズルに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量の組み合わせに応じて補完吐出設定が行われる
ことを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の補完吐出設定方法において、
前記決定ステップでは、前記不良ノズルに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量が前記並列ノズルに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量よりも少ない場合には、前記近接ノズルにより補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う
ことを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法において、
前記設定取得ステップでは、前記第1方向について前記近接ノズルと前記並列ノズルとの間に挟まれて設けられ、前記第2方向について前記近接ノズル及び前記並列ノズルよりも上流側の配列範囲に属する中間ノズルに対するインク吐出設定を取得し、
前記決定ステップでは、前記中間ノズルに対するインク吐出設定に応じて当該中間ノズルからインクの吐出がある場合には、当該インクの吐出がある前記中間ノズルを挟む前記近接ノズルにより補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う
ことを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法において、
前記設定取得ステップでは、前記不良ノズルに対して前記第1方向について一方で隣り合う第1の近接ノズルに対応する第1の並列ノズルに対するインク吐出設定を取得し、
前記決定ステップでは、前記第1の近接ノズルに係る前記着弾インクと、前記第1の並列ノズルに係る前記着弾インクとの重なりの有無に応じて前記第1の近接ノズルに補完吐出を行わせるか否かを判別し、前記第1の近接ノズルに補完吐出を行わせない場合には、前記不良ノズルに対して前記一方とは反対側で隣り合う第2の近接ノズルに補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う
ことを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法において、
前記決定ステップでは、前記不良ノズルに対して両側で隣り合う2つの前記近接ノズルのいずれも補完吐出を行わせることができない場合には、前記相対移動に応じて前記第2方向について前記不良ノズルに対する前記インク吐出設定に応じた相対位置とは異なる相対位置に補完吐出を行わせる補完吐出設定を行うことを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法において、
前記ノズルから吐出されるインクは、温度に応じてゾル状態とゲル状態との間で相変化するインクであることを特徴とする。
また、請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法において、
前記媒体の表面は、着弾するインクに対して非吸収性の材質であることを特徴とする。
また、請求項9記載の発明は、
インクを吐出させる複数のノズルを有し、当該複数のノズルが第1方向について第1間隔で配置され、かつ当該第1方向と直交する第2方向について互いに異なる複数の配列範囲に所定の順番で周期的に配置され、前記複数のノズルからのインク着弾位置に対してインク着弾対象の媒体が前記第2方向に相対移動されることで記録動作を行う記録動作部における前記複数のノズルのうち、インクの吐出不良を生じている不良ノズルに対するインク吐出設定を補完する補完吐出の設定を行う制御部を備え、
前記制御部は、
前記不良ノズルと前記第1方向について隣り合う近接ノズルと同一の前記配列範囲内で、当該近接ノズルと前記第1方向について前記不良ノズルとは反対側で隣り合う並列ノズルに対するインク吐出設定を取得し、
前記不良ノズルに対するインク吐出設定と、前記並列ノズルに対するインク吐出設定とに基づいて、前記近接ノズルにより行わせる前記補完吐出に係る補完吐出設定を行う
ことを特徴とする補完設定装置である。
また、請求項10記載の発明は、
請求項9に記載の補完設定装置と、
前記記録動作部と、
前記記録動作部と前記複数のノズルから吐出されるインクを着弾させる媒体とを前記第2方向に相対移動させる搬送部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明に従うと、記録対象の画像データに対し、より容易に吐出不良を生じているノズルの適切な補完吐出設定を行うことができるという効果がある。
第1実施形態のインクジェット記録装置の構成を正面から見た模式図である。 ヘッドユニットを画像形成ドラムの搬送面側から見た底面図である。 第1実施形態のインクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 不良ノズルの補完に係る補完設定方法について説明する図である。 第1実施形態のインクジェット記録装置で実行される不良ノズル補完設定処理の制御手順を示すフローチャートである。 第2実施形態のインクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 インク液滴量に応じた着弾インクの位置関係を説明する図である。 第2実施形態のインクジェット記録装置で実行される不良ノズル補完設定処理の制御手順を示すフローチャートである。 着弾したインクの引き寄せについて説明する図である。 第3実施形態のインクジェット記録装置で実行される不良ノズル補完設定処理の制御手順を示すフローチャートである。 補完吐出設定の例を示す図表である。 第4実施形態のインクジェット記録装置で実行される不良ノズル補完設定処理の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態のインクジェット記録装置1について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置1の構成を正面から見た模式図である。
インクジェット記録装置1は、媒体供給部10と、画像形成部20と、媒体排出部30と、制御部40(図3参照)などを備えている。このインクジェット記録装置1では、制御部40による制御動作に基づいて、媒体供給部10に格納された記録媒体Pが画像形成部20に搬送され、画像が形成された後に媒体排出部30に排出される。
媒体供給部10は、媒体供給トレー11と供給搬送部12などを有する。
媒体供給トレー11は、記録媒体Pを一又は複数載置可能に設けられた板状部材である。媒体供給トレー11は、載置された記録媒体Pの量に応じて上下動し、記録媒体Pのうち一番上のものが供給搬送部12による搬送開始位置に保持される。
記録媒体Pとしては、種々の厚さの印刷用紙、セル、フィルムや布帛など種々のものが用いられる。記録媒体Pは、インクが内部に浸透しない非吸収性の材質の表面を有するものであってもよい。
供給搬送部12は、複数(例えば、2本)のローラー121、122と、内側面でローラー121、122により支持された輪状のベルト123と、媒体供給トレー11上に載置された記録媒体Pのうち一番上のものをベルト123に受け渡す図示略の供給部と、を有する。供給搬送部12は、ローラー121、122の回転によるベルト123の周回移動に従って供給部によりベルト123上に受け渡された記録媒体Pを搬送して画像形成部20へ送る。
画像形成部20は、画像形成ドラム21と、受け渡しユニット22と、ヘッドユニット23と、定着部24と、デリバリー部25などを備える。
画像形成ドラム21は、円筒状の外周形状を有し、当該外周面(搬送面)上に記録媒体Pを担持して、その回転動作に応じた搬送経路で記録媒体Pを搬送する。この画像形成ドラム21の内面側には、ヒーターが設けられ、搬送面上に載置された記録媒体Pが所定の設定温度になるように搬送面を加熱し得る。
受け渡しユニット22は、供給搬送部12から受け渡された記録媒体Pを画像形成ドラム21に受け渡す。受け渡しユニット22は、媒体供給部10の供給搬送部12と画像形成ドラム21との間の位置に設けられている。受け渡しユニット22は、供給搬送部12により送られてきた記録媒体Pの一端を把持する爪部221と、爪部221に把持された記録媒体Pを誘導する円筒状の受け渡しドラム222などを有する。爪部221により供給搬送部12から取得された記録媒体Pは、受け渡しドラム222に送られると回転する受け渡しドラム222の外周面に沿って移動し、そのまま画像形成ドラム21の外周面に誘導されて受け渡される。
ヘッドユニット23は、記録媒体Pが担持された画像形成ドラム21の回転に応じ、記録媒体Pと対向するインク吐出面に設けられた複数のノズル開口からヘッドユニット23と相対移動する当該記録媒体P(インク着弾対象の媒体)の各所にインクの液滴を吐出していくことで画像を形成する。本実施形態のインクジェット記録装置1では、ヘッドユニット23は、画像形成ドラム21の外周面から予め設定された距離だけ離隔されて、所定の間隔で4つ配置されている。4つのヘッドユニット23は、CMYK4色(シアン、マゼンタ、イエロー、黒色)のインクをそれぞれ出力する。ここでは、記録媒体Pの搬送方向(第2方向)について上流側から順番にC、M、Y、Kの各色インクがそれぞれ吐出される。インクとしては、任意のものが用いられ得るが、ここでは、温度に応じてゾル状態とゲル状態との間で相変化し、また、所定のエネルギー線、例えば、紫外線の照射により定着するインクが用いられる。ゾル状態でヘッドユニット23から吐出されたインクは、記録媒体P上に着弾すると温度が低下して速やかにゲル化して粘度が増大し、定着部24から照射される紫外線によりインクが記録媒体Pに定着する。
ヘッドユニット23の各々は、ここでは、画像形成ドラム21の回転との組み合わせにより記録媒体P上の画像記録幅にわたって画像を形成可能なラインヘッドである。
定着部24は、記録媒体Pの表面に対して所定のエネルギー線、ここでは、上述のように紫外線を照射する。定着部24は、例えば、紫外線発光するLEDランプなどを有する。定着部24は、画像形成ドラム21の外周面の近傍であって、画像形成ドラム21の回転により搬送される記録媒体P上にヘッドユニット23からインクの吐出がなされた後、記録媒体Pが画像形成ドラム21からデリバリー部25に渡る前の範囲で当該記録媒体Pに紫外線を照射可能に配置されている。定着部24は、遮蔽部材を有し、搬送面上の記録媒体Pの所定の範囲以外への紫外線の照射量を当該所定の範囲と比較して十分に低下させている。
デリバリー部25は、インクが吐出、定着された記録媒体Pを画像形成ドラム21から媒体排出部30に搬送する。デリバリー部25は、複数(例えば、2本)のローラー251、252と、内側面でローラー251、252に支持された輪状のベルト253と、円筒状の受け渡しローラー254などを有する。デリバリー部25は、受け渡しローラー254により画像形成ドラム21上の記録媒体Pをベルト253上に誘導し、受け渡された記録媒体Pをローラー251、252の回転に伴い周回移動するベルト253と共に移動させることで搬送して媒体排出部30に送り出す。
媒体排出部30は、画像形成部20から送り出された画像記録後の記録媒体Pをユーザーにより取り出されるまで格納する。媒体排出部30は、デリバリー部25により搬送された記録媒体Pが載置される板状の媒体排出トレー31などを有する。
図2は、ヘッドユニット23を画像形成ドラム21の搬送面側から見た底面図である。図2(b)は、図2(a)で示した底面における一部分の拡大図である。
ヘッドユニット23は、複数のノズル27(図3参照)が所定の範囲内(配列範囲)に配列されたヘッドモジュール230(記録動作部)を複数有する。ここでは、一つのヘッドユニット23に8個のヘッドモジュール230が設けられているが、これに限られない。8個のヘッドモジュール230には、それぞれ2個ずつの記録ヘッド231が搬送方向に異なる位置に配置されている。ヘッドモジュール230は、固定部材によりここでは千鳥格子状に適切な相対位置に調整されてヘッドユニット23に固定されている。
図2(b)に示すように、各記録ヘッド231の底面には、複数のノズル27の開口27aが千鳥格子状に配列されている。各記録ヘッド231における開口27aの搬送方向に直交する(垂直な)幅方向(第1方向)についての配置幅は、間隔dpの2倍である。ヘッドモジュール230内の2つの記録ヘッド231における開口27aの位置は、互いに間隔dpに対応する距離ずらして配置されており、ヘッドモジュール230全体では、幅方向について2個の記録ヘッド231(配列範囲)間を交互に(所定の順番で周期的に)間隔dp(第1間隔)での配置となる。ここでは、各ノズル27により吐出されるインクは、記録媒体Pに着弾すると、半径が間隔dpと同程度の範囲に広がる。すなわち、隣り合うノズル27だけでなく、一つ離れたノズル27から吐出されたインク液滴同士が接触して重なる。なお、記録媒体Pに着弾するインク量が当該記録媒体Pに対して過剰となるのを防ぐため、通常では、記録画像の濃度階調によらず、単位面積当たりのインクの被覆率(カラー画像の場合には、全色のインクによる合計被覆率)には上限が設定される。これにより、単位領域に対してインクを吐出可能なノズル27の全てから当該単位領域にインクが吐出されることはない。
幅方向についての位置が隣り合うヘッドモジュール230の各開口27aの配置範囲は、幅方向について一部重複するように設けられ、全体として記録媒体Pの幅方向についての記録可能幅にわたって間隔dpで開口27aが配置されることになる。
また、各記録ヘッド231において千鳥格子状に配列される複数の開口27aは、搬送方向について異なる2箇所に幅方向に延びる線(ノズル列)上に交互に配置される。2本のノズル列の間隔dr1は、画像記録時における搬送速度で記録媒体P上の搬送方向について同一位置に着弾させるインクの吐出タイミングのずれが十分に無視できる程度に小さく、間隔dpと近い値(例えば、1桁の差以下)である。一方で、ヘッドモジュール230における2つの記録ヘッド231において隣り合う2本のノズル列、すなわち上流側の記録ヘッド231の下流側のノズル列と、下流側の記録ヘッド231の上流側のノズル列との間隔dr2は、間隔dr1よりも十分に大きく(例えば、2〜3桁又はそれ以上)、画像記録時における搬送速度では、記録媒体P上の搬送方向についての所定の位置に対し、上流側の記録ヘッド231から吐出されて着弾したインクが多少硬化してから下流側の記録ヘッド231から吐出されたインクが着弾することになる。
図3は、本実施形態のインクジェット記録装置1の機能構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置1は、上述の画像形成部20に加えて、制御部40と、搬送駆動部45と、記憶部50と、通信部60と、表示部70と、操作受付部80と、バス90などを備える。
画像形成部20は、複数のノズル27と、当該複数のノズル27からインクを吐出させるヘッド駆動部28と、定着駆動部29などを有する。
ヘッド駆動部28は、各ノズル27に連通してインクを供給するインク流路において、当該インクに圧力を加える機構を動作させて、ヘッドユニット23(ヘッドモジュール230、記録ヘッド231)に記録動作を行わせる。例えば、ヘッド駆動部28は、インク流路中に設けられた加圧部(圧力室)の壁面を変形させる圧電素子に対する駆動電圧信号を生成して当該圧電素子に出力する。ヘッド駆動部28は、制御部40からの制御信号に基づいて予め記憶された電圧波形パターンを選択して電力増幅した駆動電圧信号を生成し、記憶部50から入力された画像データ(駆動用画像データ、すなわち、各ノズルに対するインク吐出設定)に応じて各圧電素子に対する駆動電圧信号の出力可否をそれぞれ切り替える。圧電素子の変形により圧力室が変形してインクに対して所定パターンで圧力変動が与えられ、これに応じてノズル27の開口27aから所定のインク着弾位置(平面視位置)に対して、所望の液量のインク液滴が所望の速度で吐出される。
定着駆動部29は、定着部24に駆動信号を出力して、所定のエネルギー線(ここでは紫外線)を出射(発光)させる。
制御部40は、インクジェット記録装置1の全体動作を統括し、各部の動作を制御する。制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)と、RAM42(Random Access Memory)などを備える。
CPU41は、各種演算処理を行い、インクジェット記録装置1における記録媒体Pの搬送、インクの供給、インクの吐出やメンテナンス動作などの制御を行う。また、CPU41は、記憶部50から読み出されたプログラムに従って画像データ、各部のステータス信号やクロック信号などに基づく画像記録に係る種々の処理を行う。
RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。RAM42には、不揮発性メモリーが含まれていてもよく、この不揮発性メモリーに記憶されるデータと記憶部50に記憶されるデータとは、適宜割り振られる。
記憶部50は、通信部60を介して外部から取得された画像記録に係るジョブデータ、及び制御部40の各種制御動作に係る制御プログラムや設定データなどを記憶する。ジョブデータやその処理データを一時記憶する構成としては、主にDRAMが用いられ、制御プログラムや設定データを記憶する構成としては、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリーなどが用いられるが、これに限られない。例えば、ジョブデータが不揮発性メモリーに記憶されてもよいし、初期プログラムや初期設定データなどは、書き換え更新のできないマスクROMなどに記憶されてもよい。制御プログラムには、インクの吐出不良を生じている不良ノズルの補完を行う補完吐出設定に係る補完設定プログラム51が含まれる。
また、記憶部50に記憶されるデータには、不良ノズルの検出時に書き込み更新され、補完設定プログラム51の実行時に参照される配列ノズル情報52が含まれる。配列ノズル情報52には、全ノズルの配列情報及び吐出不良が生じているノズルの位置を同定可能な情報が含まれる。
搬送駆動部45は、供給搬送部12、画像形成ドラム21、受け渡しユニット22やデリバリー部25など、記録媒体Pを搬送移動させる各部の動作を行わせる。搬送駆動部45は、各ローラーやドラムなどを回転動作させ、また爪部221の動作を行わせるモーターなどを備える。これらのうち、少なくとも画像形成ドラム21及び搬送駆動部45が本実施形態のインクジェット記録装置1における搬送部を構成する。
通信部60は、外部機器との間での通信動作を制御する通信インターフェイスである。通信インターフェイスとしては、例えば、LANカードなど、各種通信プロトコルに対応したものが一又は複数含まれる。通信部60は、制御部40の制御に基づいて外部機器から記録対象の元画像データや画像記録に係る設定データ(ジョブデータ)を取得し、また、外部機器に対してステータス情報などを送信することができる。
表示部70は、制御部40からの制御信号に応じて、インクジェット記録装置1のステータスや操作メニューなどの表示を行う。表示部70は、液晶画面といった表示画面などを有する。また、表示部70は、報知動作に用いられるLEDなどを有していてもよい。
また、操作受付部80は、ユーザーの操作を受け付けて制御部40に出力する。操作受付部80は、例えば、表示画面と重ねて設けられるタッチセンサーなどを有する。制御部40は、表示画面に表示させたメニューの内容や位置の情報と、操作受付部80が受け付けたユーザーのタッチ操作の種別や位置の情報とを対応付けて、操作に応じた処理をインクジェット記録装置1の各部に行わせる制御動作を行う。操作受付部80は、押しボタンスイッチやテンキーなどを備えていてもよい。
バス90は、制御部40と上記の各構成との間を電気的に接続して信号のやり取りを行う信号伝送経路である。
これらのうち、少なくとも制御部40が本実施形態の補完設定装置に含まれ、記憶部50なども補完設定装置に含まれてよい。
次に、インクジェット記録装置1における不良ノズルの補完動作について説明する。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、不良ノズルが生じた場合、周囲のノズル27からのインク吐出によって、当該不良ノズルが吐出するはずであったインク液滴の補完が可能である場合には、補完動作を行う。不良ノズルに対するインク吐出設定(吐出ありの場合)を補完する補完吐出を行わせるノズル27の設定(補完吐出設定)は、不良ノズルに対して固定的になされるのではなく、不良ノズルの周囲のノズル27からのインク吐出状態に応じて動的に定められる。
図4は、不良ノズルの補完に係る補完設定方法について説明する図である。
ノズルからの吐出不良が生じた場合、上流側の記録ヘッド231aにおいてインクの吐出不良を生じている不良ノズル27fに対して幅方向について隣り合う近接ノズル27n1、27n2の少なくとも一方によって不良ノズル27fにより吐出されるはずであったインクが補完的に吐出されるように設定される。ここでは、近接ノズル27n1、27n2は、いずれも搬送方向について下流側の記録ヘッド231bとなる。不良ノズル27fが下流側の記録ヘッド231bに属する場合には、近接ノズル27n1、27n2は、いずれも搬送方向について上流側の記録ヘッド231aのものとなる。
略同時に記録媒体P上に着弾したインク液滴(着弾インク)同士は、着弾範囲が重なって接触する場合がある。接触すると、表面張力などによってインク液滴同士が引き合う。上述のように、同一の記録ヘッド231で隣り合うノズル27(すなわち、間隔が2dp)からの着弾インクは、記録媒体P上で接触して互いに引き合うことになる。すなわち、図4(b)に示されるように、近接ノズル27n1から吐出されたインク液滴と、この近接ノズル27n1と同一の記録ヘッド231bにおいて、当該近接ノズル27n1の開口の位置に対し、幅方向について不良ノズル27fとは反対側に設けられている並列ノズル27p1から吐出されたインク液滴とが着弾後に引き寄せ合う。近接ノズル27n1からのインク液滴の着弾位置に対して不良ノズル27fの側(近接ノズル27n2の側)には、当該不良ノズル27fからのインクが吐出されないので、筋状に隙間V1が生じることになる。
ただし、図4(c)に示すように、近接ノズル27n1及び並列ノズル27p1が下流側の記録ヘッド231bである場合、上流側の記録ヘッド231aにおいて、幅方向について近接ノズル27n1と並列ノズル27p1との間にインクを吐出する中間ノズル27u1からインクが先に吐出され得る。上述のように、近接ノズル27n1と中間ノズル27u1の間隔は、近接ノズル27n1と並列ノズル27p1の間隔2dpよりも十分に広く、通常の記録媒体Pの搬送速度では、この中間ノズル27u1から先に吐出されたインクは、近接ノズル27n1及び並列ノズル27p1からのインクが記録媒体Pに着弾する前に記録媒体P上で粘度が増大して硬化し始める。
近接ノズル27n1及び並列ノズル27p1からのインクは、当該硬化し始めたインク液滴を挟んで着弾することになる。この場合、中間ノズル27u1から吐出されて硬化したインク液滴が近接ノズル27n1及び並列ノズル27p1からのインク液滴の引き寄せ(液寄り)を妨げるので、顕著な隙間V1が生じない。
すなわち、不良ノズル27fがある場合、幅方向について隣り合う近接ノズル27n1、27n2のうち、インク吐出がなされないものについて、さらに、同一の記録ヘッド231で隣り合う並列ノズル27p1、27p2からのインク吐出がないか、又は並列ノズル27p1、27p2からのインク吐出があっても当該記録ヘッド231がヘッドモジュール230において下流側のものであってかつ上流側の記録ヘッド231aにおける中間ノズル27u1、27u2からのインク吐出がある場合に、インク吐出のある中間ノズル27u1又は中間ノズル27u2と隣り合う近接ノズル27n1、又は近接ノズル27n2が補完ノズルに決定される。
図5は、本実施形態のインクジェット記録装置1で実行される不良ノズル補完設定処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
この不良ノズル補完設定処理は、駆動用画像データの生成時において、不良ノズル27fがある場合に随時呼び出されて実行される。
不良ノズル補完設定処理が開始されると、制御部40(CPU41)は、不良ノズル27fに対するインク吐出設定を参照し、当該不良ノズル27fからインクを吐出させる設定があるか否かを判別する(ステップS101)。吐出させる設定がないと判別された場合には(ステップS101で“NO”)、制御部40は、不良ノズル補完設定処理を終了する。
吐出させる設定があると判別された場合には(ステップS101で“YES”)、制御部40は、近接ノズル27n1、27n2を同定し、搬送方向下流側を見て左側の近接ノズル27n1(一方で隣り合う第1の近接ノズル)に対するインク吐出設定を取得する。制御部40は、当該インク吐出設定において近接ノズル27n1からインクを吐出させる設定があるか否かを判別する(ステップS102)。吐出させる設定があると判別された場合には(ステップS102で“YES”)、制御部40は、右側の近接ノズル27n2(不良ノズル27fに対して第1の近接ノズルの反対側で隣り合う第2の近接ノズル)に補完吐出を行わせる補完吐出設定を行い、不良ノズル27fから吐出ありの設定を取り消す(ステップS112)。そして、制御部40は、不良ノズル補完設定処理を終了する。
左側の近接ノズル27n1からのインクを吐出させる設定がないと判別された場合には(ステップS102で“NO”)、制御部40は、並列ノズル27p1、27p2を同定し、左側の並列ノズル27p1のインク吐出設定を取得する。制御部40は、このインク吐出設定において、左側の並列ノズル27p1(第1の並列ノズル)からインクを吐出させる設定があるか否かを判別する(ステップS103;設定取得ステップ)。左側の並列ノズル27p1からインクを吐出させる設定がない(ここではすなわち重なりが生じない)と判別された場合には(ステップS103で“NO”)、制御部40は、左側の近接ノズル27n1に補完吐出を行わせる補完吐出設定を行い、不良ノズル27fからの吐出ありの設定を取り消す(ステップS106)。そして、制御部40は、不良ノズル補完設定処理を終了する。
左側の並列ノズル27p1からインクを吐出させる設定があると判別された場合には(ステップS103で“YES”)、制御部40は、左側の近接ノズル27n1がヘッドモジュール230において下流側の記録ヘッド231bのものであり、かつ左側の中間ノズル27u1(上流側の記録ヘッド231aに属する)のインク吐出設定において当該中間ノズル27u1からインクを吐出させるインク吐出設定があるか否かを判別する(ステップS111)。左側の近接ノズル27n1が下流側の記録ヘッド231bのものであってかつ左側の中間ノズル27u1からインクを吐出させる設定があると判別された場合には(ステップS111で“YES”)、引き寄せが生じないことになるので、制御部40の処理は、ステップS106に移行する。左側の近接ノズル27n1が下流側の記録ヘッド231bのものではないか、又は左側の中間ノズル27u1からインクを吐出させる設定がないと判別された場合には(ステップS111で“NO”)、重なり及び引き寄せが生じることになるので、制御部40の処理は、ステップS112に移行する。
上記の各処理のうち、ステップS111、S112を主として、S103、S106などを含む各処理が本発明の補完吐出設定方法の実施形態における決定ステップを構成する。
なお、この実施形態の不良ノズル補完設定処理では、下流方向を見て左側のノズルによる重なり有無を判断し、重ならない場合には左側の近接ノズル27n1、重なる場合には右側の近接ノズル27n2にそれぞれ補完吐出設定を行ったが、下流方向を見て右側のノズルによる重なり有無を判断することとしてもよい。この場合には、単純にフローチャート内の左と右を入れ替えればよい。また、初めから両側の着弾インクの重なり有無を判断してもよい。この場合には、例えば、後述する第4実施形態における不良ノズル補完設定処理(図12参照)に基づいて、当該第4実施形態に応じた処理であるステップS133、S143〜S146の処理を削除して行うことができる。
以上のように、第1実施形態のインクジェット記録装置1の制御部40により実行される補完吐出設定方法は、インクを吐出させる複数のノズル27を有し、当該複数のノズル27が幅方向について間隔dpで配置され、かつ当該幅方向と直交する搬送方向について互いに異なる複数の記録ヘッド231(配列範囲)に交互に配置され、複数のノズル27からのインク着弾位置に対してインク着弾対象の記録媒体Pが搬送方向に相対移動されることで記録動作を行うヘッドモジュール230における複数のノズル27のうち、インクの吐出不良を生じている不良ノズル27fに対するインク吐出設定を補完する補完吐出の設定に係る補完吐出設定方法である。この補完吐出設定方法は、不良ノズル27fと幅方向について隣り合う近接ノズル27n1(27n2)と同一の配列範囲内で、当該近接ノズル27n1(27n2)と幅方向について不良ノズル27fとは反対側で隣り合う並列ノズル27p1(27p2)に対するインク吐出設定を取得する設定取得ステップ(ステップS103)、不良ノズル27fに対するインク吐出設定(すなわち、当該インク吐出設定に応じてインクが近接ノズル27n1(27n2)から吐出される場合の着弾インク)と、並列ノズル27p1(27p2)に対するインク吐出設定(当該インク吐出設定に応じたインクが当該並列ノズル27p1(27p2)から吐出される場合の着弾インク)とに基づいて、着弾インク間での重なりが生じないように(重なり状態に基づいて)、近接ノズル27n1(27n2)により行わせる補完吐出に係る補完吐出設定を行う決定ステップ(ステップS103、S106、S111、S112)、を含む。
このように、制御部40は、単に幅方向について隣り合うノズルだけではなく、搬送方向について同じ配列範囲内、すなわち、略同時にインクを吐出する範囲内で隣り合う並列ノズル27p1(27p2)との着弾インクの重なり状態を考慮することで、より容易に吐出不良を生じているノズルの適切な補完吐出設定を行うことができる。これにより、処理負荷を上げずに安定して画質劣化が抑制された画像を記録可能に補完吐出設定がなされた駆動用画像データを生成して出力することができる。
また、設定取得ステップでは、幅方向について近接ノズル27n1(27n2)と並列ノズル27p1(27p2)との間に挟まれて設けられ、搬送方向について近接ノズル27n1(27n2)及び並列ノズル27p1(27p2)よりも上流側の記録ヘッド231(配列範囲)に属する中間ノズル27u1(27u2)に対するインク吐出設定を取得し、決定ステップでは、中間ノズル27u1(27u2)に対するインク吐出設定に応じて当該中間ノズル27u1(27u2)からインクの吐出がある場合には、当該インク吐出のある中間ノズルを挟む近接ノズル27n1(27n2)により補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う。
このように、上流側の中間ノズル27u1(27u2)により先にインク吐出があって、近接ノズル27n1(27n2)及び並列ノズル27p1(27p2)からの吐出インクが着弾する前に当該中間ノズルからのインクが硬化し始める場合には、この硬化したインクの両側に着弾するインクの引き寄せが妨げられて、不良ノズル27fの位置における隙間V1の発生が抑制されるので、当該中間ノズル27u1(27u2)を挟む近接ノズル27n1(27n2)からもともとインクを吐出させる設定がなければ、当該近接ノズル27n1(27n2)から補完吐出を行わせてよい。これにより、画像を劣化させる補完吐出を行わせないように、より適切に補完吐出設定を行わせる近接ノズルを定めることができる。したがって、この補完吐出設定に基づいて、ヘッドモジュール230により、より安定して画質の劣化が抑制された画像を記録させることができる。
また、設定取得ステップでは、不良ノズル27fに対して幅方向について一方で隣り合う近接ノズル27n1に対応する並列ノズル27p1に対するインク吐出設定を取得し、決定ステップでは、近接ノズル27n1に係る着弾インクと、並列ノズル27p1に係る着弾インクとの重なりの有無に応じて近接ノズル27n1に補完吐出を行わせるか否かを判別し、近接ノズル27n1に補完吐出を行わせない場合には、不良ノズル27fに対して当該近接ノズル27n1とは反対側で隣り合う近接ノズル27n2に補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う。
このように、画像の濃度が特に高い特殊な画像でない場合には、一方の近接ノズル27n1及び並列ノズル27p1のインク吐出設定に基づいて容易に、近接ノズル27n1、27n2のうちいずれに補完吐出を行わせるかを決定することができる。したがって、より容易な処理でより安定して画質の劣化を抑制することのできる補完吐出設定が可能となる。
また、ノズル27から吐出されるインクは、温度に応じてゾル状態とゲル状態との間で相変化するインクである。このようなインクの場合、特に、記録媒体上でのインク液滴の濡れ性に応じた広がりと、温度変化による硬化の影響とが顕著に出ることから、上記のように並列ノズル27p1、27p2のインク吐出を考慮して近接ノズル27n1、27n2のいずれか適切なほうに補完吐出設定を行うことで、より適切に画質の劣化を抑えることのできる補完吐出をヘッドモジュール230により行わせることができる。
また、媒体の表面は、着弾するインクに対して非吸収性の材質である。この場合にも、表面での着弾インクの広がりの影響が顕著に現れるので、上述の補完吐出設定により、より適切に安定して画質の劣化を抑えることのできる補完吐出をヘッドモジュール230により行わせることができる。
また、本実施形態の補完設定装置としての制御部40は、インクを吐出させる複数のノズル27を有し、当該複数のノズル27が幅方向について間隔dpで配置され、かつ幅方向と直交する搬送方向について互いに異なる複数の記録ヘッド231(配列範囲)に交互に配置され、複数のノズル27からのインク着弾位置に対してインク着弾対象の記録媒体Pが搬送方向に相対移動されることで記録動作を行うヘッドモジュール230における複数のノズル27のうち、インクの吐出不良を生じている不良ノズル27fに対するインク吐出設定を補完する補完吐出の設定を行う。この制御部40は、不良ノズル27fと幅方向について隣り合う近接ノズル27n1(27n2)と同一の記録ヘッド231(配列範囲内)で、当該近接ノズル27n1(27n2)と幅方向について不良ノズル27fとは反対側で隣り合う並列ノズル27p1(27p2)に対するインク吐出設定を取得し、不良ノズル27fに対するインク吐出設定(当該インク吐出設定に応じたインクが近接ノズル27n1(27n2)から吐出される場合の着弾インク)と、並列ノズル27p1(27p2)に対するインク吐出設定(当該インク吐出設定に応じたインクが当該並列ノズル27p1(27p2)から吐出される場合の着弾インク)とに基づいて、着弾インク間に重なりが生じないように(すなわち、記録媒体P上における着弾インク間の重なり状態に基づいて)、近接ノズル27n1(27n2)により行わせる補完吐出に係る補完吐出設定を行う。
このように、制御部40の処理により、より容易な処理で画質劣化を抑制することのできる適切な補完吐出設定を行うことで、不良ノズルが生じた場合でも、インクジェット記録装置1(ヘッドモジュール230)により、容易により安定して適正な画像を出力させることができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1は、上述の補完設定装置としての制御部40と、ヘッドモジュール230と、ヘッドモジュール230と複数のノズル27から吐出されるインクを着弾させる記録媒体Pとを搬送方向に相対移動させる搬送部(画像形成ドラム21及び搬送駆動部45など)と、を備える。このようなインクジェット記録装置1において、上述の補完吐出設定を行うことで、不良ノズルが生じた場合でも、より適切に安定して画質劣化の抑制された画像を記録することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のインクジェット記録装置について説明する。
図6は、本実施形態のインクジェット記録装置1aの機能構成を示すブロック図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1では、ヘッド駆動部28は、吐出させるインク液滴の量(インク吐出量)を複数段階、例えば、小液滴と、小液滴よりもインク量の多い大液滴の2段階に変更可能である。記憶部50には、小液滴及び大液滴の吐出に係る複数の電圧波形パターンや駆動電圧の振幅設定、及び重複基準液量情報53が記憶されている。その他の構成については、第1実施形態のインクジェット記録装置1と同一の構成であって、同一の符号を用いることとして説明を省略する。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置1における不良ノズルの補完吐出設定について説明する。
図7は、インク液滴量に応じた着弾インクの位置関係を説明する図である。
図7(a)に示すように、近接ノズル27n1と並列ノズル27p1の両方から小液滴のインクが吐出された場合には、着弾したこれらのインク液滴(着弾インク)同士は、記録媒体P上で互いに接触しない。図7(b)、(c)に示すように、近接ノズル27n1及び並列ノズル27p1の少なくとも一方から大液滴のインクが吐出された場合には、これらのインク液滴同士は、記録媒体P上で互いに接触して引き寄せ合う。これにより、不良ノズル27fの側(近接ノズル27n2の側)には、隙間V1が生じることになる。
図7(d)の図表では、不良ノズル27fの補完吐出設定に係る吐出パターンを示している。
左の図表に示すように、不良ノズル27fが上流側の記録ヘッド231aの場合(下から2段目のU)、不良ノズル27fの吐出量の大小にかかわらず(二重丸)、近接ノズル27n1に元々インク吐出設定が吐出量の大小にかかわらずある場合(二重丸)には、反対側の近接ノズル27n2に補完吐出設定がなされる(C)。
近接ノズル27n1に元々インクを吐出させる設定がない場合(2段目以降)、並列ノズル27p1からインクを吐出させる設定がない場合(×)には、近接ノズル27n1に補完吐出設定(C)がなされる(2段目)。不良ノズル27fの吐出量と並列ノズル27p1の吐出量がいずれも小液滴の場合(小丸)、近接ノズル27n1に補完吐出設定(C)がなされる(3段目)。
不良ノズル27fの吐出量が大液滴の場合(大丸)及び/又は並列ノズル27p1の吐出量が大液滴の場合で、中間ノズル27u1からインクを吐出させる設定がない場合(×)には、反対側の近接ノズル27n2に補完吐出設定がなされる(4、6、7段目)。不良ノズル27f及び並列ノズル27p1の吐出量の大小によらず、中間ノズル27u1からインクを吐出させる設定がある場合には、近接ノズル27n1に補完吐出設定がなされる(8段目)。
なお、5段目に示すように、並列ノズル27p1が小液滴のインク吐出設定であり、不良ノズル27fが大液滴のインク吐出設定である場合で、中間ノズル27u1からのインク吐出設定がなく、かつ並列ノズル27p2も小液滴のインク吐出設定又はインク吐出無しの設定の場合には、両側の近接ノズル27n1、27n2の両方から小液滴を吐出させるように設定を行ってもよい。
一方、右の図表に示すように、不良ノズル27fが下流側の記録ヘッド231bの場合(下から2段目でD)、下流側の記録ヘッド231bにおける中間ノズル27d1からの吐出有無にかかわらず、不良ノズル27fのインク吐出量の設定と並列ノズル27p1のインク吐出量の設定とに応じて、左の図表における3〜7段目(すなわち、中間ノズル27u1からのインク吐出設定がない場合)と同一に設定される。
すなわち、着弾インク同士の記録媒体P上での重なりの有無(重なり状態)は、近接ノズル27n1、27n2と並列ノズル27p1、27p2の各インク吐出量の組み合わせに応じて判別されて定まる。この判別の基準は、テーブルデータとして重複基準液量情報53に記憶されている。また、複数の判別基準にそれぞれ応じた不良ノズル補完設定処理に係る補完設定プログラム51が保持されていてもよい。
図8は、本実施形態のインクジェット記録装置1aで実行される不良ノズル補完設定処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
この不良ノズル補完設定処理は、第1実施形態のインクジェット記録装置1で実行される不良ノズル補完設定処理に対し、ステップS104、S105の処理が追加されている。その他の処理については同一であり、同一の処理内容については説明を省略する。
ステップS103の判別処理で、左側の並列ノズル27p1からインクを吐出させる設定があると判別された場合には(ステップS103で“YES”)、制御部40は、不良ノズル27fの吐出設定が大液滴の吐出設定である(を含む、以下同じ)か否かを判別する(ステップS104)。大液滴の吐出設定であると判別された場合には(ステップS104で“YES”)、制御部40の処理は、ステップS111に移行する。
大液滴の吐出設定ではない(小液滴の吐出設定である)と判別された場合には(ステップS104で“NO”)、制御部40は、左側の並列ノズル27p1のインク吐出設定は、大液滴の吐出設定であるか否かを判別する(ステップS105)。大液滴の吐出設定であると判別された場合には(ステップS105で“YES”)、制御部40の処理は、ステップS111に移行する。大液滴の吐出設定ではない(小液滴の吐出設定である)と判別された場合には(ステップS105で“NO”)、制御部40の処理は、ステップS106に移行する。
以上のように、第2実施形態のインクジェット記録装置1aの制御部40による補完吐出設定方法では、複数のノズル27からはそれぞれ複数段階(大液滴、小液滴)のインク吐出量でのインク吐出が可能であり、決定ステップでは、不良ノズル27fに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量及び並列ノズル27p1(27p2)に対するインク吐出設定に応じたインク吐出量の組み合わせに応じて補完吐出設定が行われる。
すなわち、ここでは、少なくとも一方が大液滴でのインク吐出の場合には重なりがあると判断され、両方が小液滴でのインク吐出の場合には重なりが無いとして判断される。このように、単なるインク吐出だけでなく吐出量に応じてより正確に適切な補完吐出の設定を行うことで、補完吐出による画質の低下を安定して抑制することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のインクジェット記録装置について説明する。
第3実施形態のインクジェット記録装置1aの構成は、第2実施形態のインクジェット記録装置1aと同一であり、同一の符号を用いることとして説明を省略する。すなわち、このインクジェット記録装置1aでは、大液滴と小液滴の二段階でのインク吐出が可能である。
図9は、着弾したインクの引き寄せについて説明する図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1aで使用されるインクは、温度低下によるゲル化が速い。吐出されて記録媒体P上に着弾したインクは、インク液滴量の小さい小液滴の方が大液滴よりも素早く放熱されて硬化する。
図9(a)に示すように、近接ノズル27n1からの吐出インクが大液滴であり、並列ノズル27p1からの吐出インクが小液滴である場合、両者のインクは記録媒体P上で接するので引き寄せ合う。しかし、並列ノズル27p1からの吐出インクは、速やかに硬化するので、大きく引き寄せられない状態で留まる。近接ノズル27n1から吐出された大液滴のインクは、硬化する前に小液滴に引き寄せられて、不良ノズル27fの側(近接ノズル27n2の側)に隙間V1が生じる。
一方、図9(b)に示すように、近接ノズル27n1からの吐出インクが小液滴であり、並列ノズル27p1からの吐出インクが大液滴である場合、近接ノズル27n1からの吐出インクがより速やかに硬化するので、並列ノズル27p1からの吐出インクに大きく引き寄せられない。これにより、不良ノズル27fの側の隙間は広がらず、補完動作により画質は概ね維持される。
すなわち、図9(c)の図表に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置1aでは、左側の並列ノズル27p1からインクを吐出する設定がある場合には、そのインク液滴量によらず(不良ノズル27fの大液滴を両側の近接ノズル27n1、27n2に分配する場合を除く)、不良ノズル27fから大液滴を吐出する設定であるか否かのみに基づいて左側の近接ノズル27n1への補完吐出設定の可否が定められる。
図10は、本実施形態のインクジェット記録装置1aで実行される不良ノズル補完設定処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
この不良ノズル補完設定処理は、第2実施形態のインクジェット記録装置1aで実行される不良ノズル補完設定処理に対し、ステップS105の処理が削除されているのみである。よって、詳しい説明を省略する。すなわち、不良ノズル27fに設定されたインク吐出量のインクが近接ノズル27n1(27n2)により吐出される場合に、並列ノズル27p1(27p2)のノズルが大液滴であって着弾インク同士の重なりが生じる場合であっても、不良ノズル27fに設定されていたインク吐出量が小液滴であれば(並列ノズル27p1(27p2)に対するインク吐出設定に応じたインク吐出量よりも少ない場合には)、当該近接ノズル27n1(27n2)に補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う。
以上のように、第3実施形態のインクジェット記録装置1aの制御部40で実行される補完吐出設定方法は、決定ステップでは、不良ノズル27fに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量が並列ノズル27p1(27p2)に対するインク吐出設定に応じたインク吐出量よりも少ない場合には、近接ノズル27n1(27n2)により補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う。
すなわち、インク吐出量が小さいほど放熱が早く、より素早く硬化することで、着弾インクが速やかに他方の着弾インクから引き寄せられにくくなるので、当該素早く硬化する側のインク液滴が不良ノズル27fに近い場合には、当該不良ノズル27fの位置における隙間V1が問題になりにくい。よって、このような場合、近接ノズル27n1(27n2)にもともとインク吐出させる設定がなされていない条件で、小液滴を吐出する近接ノズル27n1(27n2)に補完吐出を行わせることができ、画質の低下を抑制しつつ補完吐出位置を適切に設定することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のインクジェット記録装置について説明する。
第4実施形態のインクジェット記録装置1aの構成は、第2実施形態のインクジェット記録装置1aと同一であり、同一の符号を用いることとして説明を省略する。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置1aにおける補完吐出設定について説明する。
上述の各実施形態では、近接ノズル27n1、27n2の少なくともいずれかは補完吐出設定が可能であるとの前提で補完吐出設定を行う処理としたが、本実施形態では、近接ノズル27n1、27n2の両方で補完吐出設定ができない場合を考慮する。また、近接ノズル27n1、27n2の両方で補完吐出設定が可能な場合に、より好ましいほうに補完吐出設定を行う。
図11は、補完吐出設定の例を示す図表である。ここでは、縦方向には搬送方向について吐出される順番を示している。上端が最初にインク吐出され、下端が最後にインク吐出される。
1段目(最上段)では、不良ノズル27fで大液滴のインク吐出設定があり、近接ノズル27n1、27n2及び並列ノズル27p1、27p2のいずれでもインク吐出がない。したがって、近接ノズル27n1、27n2のいずれにも補完吐出設定が可能である。この場合、次の段のインク吐出設定を参照し、近接ノズル27n1での小液滴のインク吐出設定があるので、この小液滴との引き寄せを避けるために、近接ノズル27n2での補完吐出設定を行う(C)。
3段目では、不良ノズル27fで大液滴のインク吐出設定があり、近接ノズル27n1で大液滴のインク吐出設定があり、また、並列ノズル27p2で小液滴のインク吐出設定がある。したがって、近接ノズル27n1、27n2のいずれにも補完吐出設定を行うことができない。この場合、次の段(搬送方向について、不良ノズル27fに対する元のインク吐出設定におけるヘッドモジュール230と記録媒体Pとの相対位置とは異なる相対位置)のインク吐出設定が参照される。4段目では、並列ノズル27p1に大液滴のインク吐出を行う設定があるので、近接ノズル27n1に補完吐出を行わせる補完吐出設定を行うことができない。よって、3段目における不良ノズル27fでの大液滴のインク吐出設定は、4段目で近接ノズル27n2での補完吐出設定で補われる(a)。
7段目では、不良ノズル27fで大液滴のインク吐出設定があり、並列ノズル27p1、27p2のいずれにもインクを吐出する設定があり、中間ノズル27u1、27u2にはインクを吐出する設定がない。したがって、近接ノズル27n1、27n2のいずれにも補完吐出設定を行うことができない。この場合にも、次の段(8段目)のインク吐出設定が参照される。8段目では、並列ノズル27p1、27p2のいずれにもインクを吐出する設定があるが、中間ノズル27u1にもインクを吐出する設定があるので、近接ノズル27n1には補完吐出設定が可能である(A)。また、不良ノズル27fで小液滴のインク吐出設定がある。この小液滴の補完吐出設定は、近接ノズル27n2に行われ得る(c)。
図12は、本実施形態のインクジェット記録装置1aで実行される不良ノズル補完設定処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
この不良ノズル補完設定処理が開始されると、制御部40(CPU41)は、不良ノズル27fからインクを吐出させる設定があるか否かを判別する(ステップS121)。ないと判別された場合には(ステップS121で“NO”)、制御部40は、不良ノズル補完設定処理を終了する。
不良ノズル27fからインクを吐出させる設定があると判別された場合には(ステップS121で“YES”)、制御部40は、左右の近接ノズル27n1、27n2について、それぞれ補完吐出設定を行うことが可能か否かを判定する(ステップS122)。制御部40は、近接ノズル27n1、27n2の両方が補完吐出設定可能であるか否かを判別する(ステップS123)。
両方可能であると判別された場合には(ステップS123で“YES”)、制御部40は、搬送方向上流側について次の段における近接ノズル27n1、27n2のインク吐出設定を取得する(ステップS124)。制御部40は、両方でインクを吐出させる設定がないか否かを判別する(ステップS125)。両方でインクを吐出させる設定がないと判別された場合には(ステップS125で“YES”)、制御部40は、所定の側の近接ノズルに補完吐出設定を行い、不良ノズルに対するインク吐出ありの設定を取り消す(ステップS126)。そして、制御部40は、不良ノズル補完設定処理を終了する。
両方とも、インクを吐出させる設定がない、すなわち、少なくとも一方からインクを吐出させない設定であると判別された場合には(ステップS125で“NO”)、制御部40は、片方のみがインクを吐出させない設定であるか否かを判別する(ステップS135)。片方のみがインクを吐出させない設定であると判別された場合には(ステップS135で“YES”)、制御部40は、吐出なしの側の近接ノズルに補完吐出設定を行わせ、不良ノズルに対するインク吐出ありの設定を取り消す(ステップS136)。そして、制御部40は、不良ノズル補完設定処理を終了する。片方がインク吐出をしない設定ではない、すなわち、両方ともインクを吐出させない設定であると判別された場合には(ステップS135で“NO”)、制御部40の処理は、ステップS126に移行する。なお、ステップS125の判別処理からステップS126に移行した場合と、ステップS135の判別処理からステップS126に移行した場合とで、所定の側が異なる側に設定されてもよい。
ステップS123の判別処理で、両方の近接ノズル27n1、27n2に補完吐出設定が可能なわけではない、すなわち、少なくとも一方の近接ノズルでは補完吐出設定ができないと判別された場合には(ステップS123で“NO”)、制御部40は、片方の近接ノズルでのみ補完吐出設定が可能であるか否かを判別する(ステップS133)。片方の近接ノズルでのみ補完吐出設定が可能であると判別された場合には(ステップS133で“YES”)、制御部40は、補完吐出設定が可能な片方の近接ノズルに対して補完吐出設定を行い、不良ノズルに対するインク吐出ありの設定を取り消す(ステップS134)。そして、制御部40は、不良ノズル補完設定処理を終了する。
両方の(不良ノズル27fに対して両側で隣り合う2つの)近接ノズルに対して補完吐出設定ができないと判別された場合には(ステップS133で“NO”)、制御部40は、搬送方向について上流側に次の段(すなわち、不良ノズル27fに対するインク吐出設定とは異なる位置)の近接ノズル27n1、27n2の補完吐出設定の可否を判定する(ステップS143)。この判定は、ステップS122の判別処理と同一の処理内容によりなされてよい。制御部40は、次の段における両方の近接ノズル27n1、27n2に補完吐出設定が可能であるか否かを判別する(ステップS144)。両方可能であると判別された場合には(ステップS144で“YES”)、制御部は、当該次の段における所定の側の近接ノズルに補完吐出設定を行い、不良ノズルに対するインク吐出ありの設定を取り消す(ステップS145)。この処理における所定の側は、ステップS126における所定の側と同一であっても反対側であってもよい。そして、制御部40は、不良ノズル補完設定処理を終了する。
次の段におけるいずれかの近接ノズル27n1、27n2に補完吐出設定が可能ではないと判別された場合には(ステップS144で“NO”)、制御部40は、この次の段において補完吐出設定が可能な側の近接ノズルに補完吐出設定を行い、不良ノズルに対するインク吐出なしの設定を取り消す(ステップS146)。なお、S144の処理でいずれの近接ノズル27n1、27n2でも補完吐出設定が可能ではない可能性は、ハーフトーン処理の特性及び上記の被覆率の上限値による制限から非常に低いが、可能ではない場合には、ステップS112の処理に戻ってさらに後ろの段についての補完吐出設定の可否を判断すればよい。そして、制御部40は、不良ノズル補完設定処理を終了する。
以上のように、第4実施形態のインクジェット記録装置1aの制御部40で実行される補完吐出設定方法は、決定ステップでは、不良ノズル27fに対して両側で隣り合う2つの近接ノズル27n1、27n2のいずれも補完吐出を行わせることができない場合には、搬送部による記録媒体Pの移動に応じて搬送方向について、この不良ノズル27fに対するインク吐出設定による相対位置とは異なる相対位置で補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う。すなわち、階調が高い画像などでインク吐出頻度が高く、補完吐出設定が行いづらい場合でも、他の段も含めて補完吐出設定を可能とすることで、大きな画質の劣化を抑制しながら可能な範囲で適切に補完吐出設定を行うことができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、ヘッドモジュール230内に配置された2つの記録ヘッド231のノズル間におけるインク吐出について説明したが、同一の記録ヘッド231内に複数の配列範囲が含まれていてもよい。また、ヘッドモジュール230内に3個以上(N個)の記録ヘッド231が搬送方向に異なる位置に設けられていてもよい。この場合、幅方向についての間隔がN×dpとなり、当該N×dpの間隔でインク液滴同士が重なる液滴サイズの組み合わせに基づき、搬送方向についての相対的な位置関係(上流/下流)についてのみ考慮して上記実施形態と同様の処理を行えばよい。すなわち、中間ノズルが複数存在する場合があってもよい。
吐出されるインク液滴のサイズは、単一サイズの場合と、大液滴と小液滴の二段階の場合を例に挙げて説明したが、中液滴を含む三段階やそれ以上であってもよい。各組み合わせについて、近接ノズルと並列ノズルの各着弾インクが記録媒体P上で重なるか否かの境界を基準としてそれぞれ設定されることが可能である。あるいは、中液滴以上の場合にはより大きい液滴との組み合わせであっても十分に硬化しないのであれば、単純に不良ノズル27fからの吐出量が小液滴に設定されている場合にのみ、インクを吐出する並列ノズル27p1と隣り合う近接ノズル27n1から補完吐出を行わせる設定としてもよい。
また、複数色のインクを吐出する複数のヘッドモジュール230を有する場合、インクの性質によって重複有無の基準が異なっていてもよい。この場合、基準となる情報は、重複基準液量情報53に各々記憶されて、不良ノズル補完設定処理の判別基準が変更されればよい。また、インクの性質が変化された場合には、重複基準液量情報53や不良ノズル補完設定処理を含む補完設定プログラム51(ファームウェア)が更新されることとすればよい。また、CMYK以外のインク(特色インク)を適宜切り替えて用いる場合などには、予め各特色インクについて重複基準液量情報53を保持しておき、インク色の設定に係るユーザーからの操作受付部80が受け付けられることで適切な基準データを呼び出して利用することが可能である。
また、重複有無の基準は、単純に重複するか否かだけではなく、インクの粘性変化の時間変化特性などに基づいて、重複の度合を考慮してもよい。すなわち、わずかに重ならない場合を重ならない場合に含めたり、わずかに重ならない場合を重なる場合に含めたりしてもよい。多少の重なりを無視しても問題ない場合には、重なりに係る近接ノズルの補完吐出設定を可能として設定の柔軟性をこうじょうさせてもよい。あるいは、反対に、基準となる状態では重ならない場合であっても、連続動作中の温度変化などに応じて重なる可能性があるものについては、予め重なるものとして取り扱うことができる。
また、上記実施の形態では、インクが温度に応じてゾルゲル状態間を変化するとしたが、相変化を起こさない他のインクであってもよい。
また、記録媒体Pは、表面に処理剤がコーティングされて、着弾したインクが処理剤との反応により速やかに硬化するようなものであってもよい。
また、上記実施形態では、ラインヘッドを有するインクジェット記録装置1、1aについて説明したが、ヘッドユニット23を走査させて画像を記録するスキャン型の記録ヘッドを有するものであってもよい。この場合、スキャン方向の往復時両方でインクの吐出を行う場合には、往路と復路とで、移動方向(走査方向)に対する上流側と下流側を入れ替えればよい。
また、上記実施の形態では、インクジェット記録装置1、1aが内蔵する制御部40が補完吐出設定を行うこととしたが、外部のPCといったコンピューターにより補完吐出設定がなされて、設定済みのデータがインクジェット記録装置1、1aに送られて画像記録動作がなされてもよい。
また、上記実施の形態では、制御部40では、CPU41がソフトウェア的に補完吐出設定に係る処理を行うこととしたが、処理の一部又は全部が、専用又は他の処理と併用される論理回路などのハードウェア回路により実行されてもよい。
その他、上記実施の形態で示した構成、配置、制御内容や制御手順などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
1、1a インクジェット記録装置
10 媒体供給部
11 媒体供給トレー
12 供給搬送部
121、122 ローラー
123 ベルト
20 画像形成部
21 画像形成ドラム
22 受け渡しユニット
221 爪部
222 ドラム
23 ヘッドユニット
230 ヘッドモジュール
231、231a、231b 記録ヘッド
24 定着部
25 デリバリー部
251、252 ローラー
253 ベルト
254 受け渡しローラー
27 ノズル
27a 開口
27d1、27u1、27u2 中間ノズル
27f 不良ノズル
27n1、27n2 近接ノズル
27p1、27p2 並列ノズル
28 ヘッド駆動部
29 定着駆動部
30 媒体排出部
31 媒体排出トレー
40 制御部
41 CPU
42 RAM
45 搬送駆動部
50 記憶部
51 補完設定プログラム
52 配列ノズル情報
53 重複基準液量情報
60 通信部
70 表示部
80 操作受付部
90 バス

Claims (10)

  1. インクを吐出させる複数のノズルを有し、当該複数のノズルが第1方向について第1間隔で配置され、かつ当該第1方向と直交する第2方向について互いに異なる複数の配列範囲に所定の順番で周期的に配置され、前記複数のノズルからのインク着弾位置に対してインク着弾対象の媒体が前記第2方向に相対移動されることで記録動作を行う記録動作部における前記複数のノズルのうち、インクの吐出不良を生じている不良ノズルに対するインク吐出設定を補完する補完吐出の設定に係る補完吐出設定方法であって、
    前記不良ノズルと前記第1方向について隣り合う近接ノズルと同一の前記配列範囲内で、当該近接ノズルと前記第1方向について前記不良ノズルとは反対側で隣り合う並列ノズルに対するインク吐出設定を取得する設定取得ステップ、
    前記不良ノズルに対するインク吐出設定と、前記並列ノズルに対するインク吐出設定とに基づいて、前記近接ノズルにより行わせる前記補完吐出に係る補完吐出設定を行う決定ステップ
    を含むことを特徴とする補完吐出設定方法。
  2. 前記複数のノズルからはそれぞれ複数段階のインク吐出量でのインク吐出が可能であり、
    前記決定ステップでは、前記不良ノズルに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量及び前記並列ノズルに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量の組み合わせに応じて補完吐出設定が行われる
    ことを特徴とする請求項1記載の補完吐出設定方法。
  3. 前記決定ステップでは、前記不良ノズルに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量が前記並列ノズルに対するインク吐出設定に応じたインク吐出量よりも少ない場合には、前記近接ノズルにより補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う
    ことを特徴とする請求項2記載の補完吐出設定方法。
  4. 前記設定取得ステップでは、前記第1方向について前記近接ノズルと前記並列ノズルとの間に挟まれて設けられ、前記第2方向について前記近接ノズル及び前記並列ノズルよりも上流側の配列範囲に属する中間ノズルに対するインク吐出設定を取得し、
    前記決定ステップでは、前記中間ノズルに対するインク吐出設定に応じて当該中間ノズルからインクの吐出がある場合には、当該インクの吐出がある前記中間ノズルを挟む前記近接ノズルにより補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法。
  5. 前記設定取得ステップでは、前記不良ノズルに対して前記第1方向について一方で隣り合う第1の近接ノズルに対応する第1の並列ノズルに対するインク吐出設定を取得し、
    前記決定ステップでは、前記第1の近接ノズルに係る前記着弾インクと、前記第1の並列ノズルに係る前記着弾インクとの重なりの有無に応じて前記第1の近接ノズルに補完吐出を行わせるか否かを判別し、前記第1の近接ノズルに補完吐出を行わせない場合には、前記不良ノズルに対して前記一方とは反対側で隣り合う第2の近接ノズルに補完吐出を行わせる補完吐出設定を行う
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法。
  6. 前記決定ステップでは、前記不良ノズルに対して両側で隣り合う2つの前記近接ノズルのいずれも補完吐出を行わせることができない場合には、前記相対移動に応じて前記第2方向について前記不良ノズルに対する前記インク吐出設定に応じた相対位置とは異なる相対位置に補完吐出を行わせる補完吐出設定を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法。
  7. 前記ノズルから吐出されるインクは、温度に応じてゾル状態とゲル状態との間で相変化するインクであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法。
  8. 前記媒体の表面は、着弾するインクに対して非吸収性の材質であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の補完吐出設定方法。
  9. インクを吐出させる複数のノズルを有し、当該複数のノズルが第1方向について第1間隔で配置され、かつ当該第1方向と直交する第2方向について互いに異なる複数の配列範囲に所定の順番で周期的に配置され、前記複数のノズルからのインク着弾位置に対してインク着弾対象の媒体が前記第2方向に相対移動されることで記録動作を行う記録動作部における前記複数のノズルのうち、インクの吐出不良を生じている不良ノズルに対するインク吐出設定を補完する補完吐出の設定を行う制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記不良ノズルと前記第1方向について隣り合う近接ノズルと同一の前記配列範囲内で、当該近接ノズルと前記第1方向について前記不良ノズルとは反対側で隣り合う並列ノズルに対するインク吐出設定を取得し、
    前記不良ノズルに対するインク吐出設定と、前記並列ノズルに対するインク吐出設定とに基づいて、前記近接ノズルにより行わせる前記補完吐出に係る補完吐出設定を行う
    ことを特徴とする補完設定装置。
  10. 請求項9に記載の補完設定装置と、
    前記記録動作部と、
    前記記録動作部と前記複数のノズルから吐出されるインクを着弾させる媒体とを前記第2方向に相対移動させる搬送部と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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