JP2017024233A - インクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出する記録手段と、
前記複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの出現特性に係る初期ずれ情報を保持する調整情報記憶手段と、
前記記録手段により記録された画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取られた所定のテスト画像からインクの吐出異常の有無を検出する吐出異常検出手段と、
を備え、
前記吐出異常検出手段は、前記調整情報記憶手段により保持されている前記初期ずれ情報に基づいて、前記初期ずれによらない吐出異常を検出する
ことを特徴とするインクジェット記録装置である。
前記初期ずれ情報には、前記初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれ、
前記吐出異常検出手段は、前記エリア情報に基づいて、前記初期ずれの出現範囲内と当該初期ずれの出現範囲外とで吐出異常検出基準を異ならせる
ことを特徴としている。
前記エリア情報には、前記初期ずれの前記読取手段による検出レベル情報が含まれ、
前記吐出異常検出手段は、当該検出レベル情報に基づいて、前記初期ずれが前記吐出異常として検出されない前記吐出異常検出基準を定める
ことを特徴としている。
前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
前記吐出異常検出手段は、前記テスト画像の濃度むらに基づいて前記吐出異常の有無を判別する
ことを特徴としている。
前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
前記初期ずれ情報には、検出された前記初期ずれノズルの周期的な出現特性に係る空間周波数の情報が含まれ、
前記吐出異常検出手段は、前記読取手段により読み取られた前記テスト画像のデータに対して前記空間周波数の濃度変化を抑制する処理を行った補正データの濃度むらに基づいて前記吐出異常の有無を判別する
ことを特徴としている。
取得された画像形成命令に係る出力対象画像の前記記録手段による記録動作に対応して前記テスト画像を記録させる記録制御手段を備えることを特徴としている。
前記初期ずれによらない吐出異常が検出された場合に、前記吐出異常を生じさせている不良ノズルを特定するための不良ノズル特定画像を前記記録手段により形成させ、形成された当該不良ノズル特定画像の前記読取手段による読取データに基づいて前記不良ノズルを特定する不良ノズル特定手段を備える
ことを特徴としている。
特定された前記不良ノズル及び当該不良ノズルの周辺ノズルからのインク吐出を調整することで前記不良ノズルのインク吐出不良が補完された出力対象画像を前記記録手段により形成させる補完手段を備えることを特徴としている。
前記不良ノズルのインク吐出不良を回復させる回復手段と、
前記不良ノズルの検出状況が所定の第1条件を満たす場合に前記回復手段の動作を行わせる回復制御手段と、
を備えることを特徴としている。
報知動作を行う報知手段を備え、
前記回復制御手段は、前記回復手段による回復動作後における前記不良ノズルの前記検出状況が所定の第2条件を満たす場合に、前記報知手段に所定の報知動作を行わせる
ことを特徴としている。
前記記録手段は、当該記録手段と画像が記録される記録媒体との相対移動方向に垂直な幅方向について、当該記録媒体に対する画像形成可能幅に亘り、前記記録手段と前記記録媒体との前記幅方向への相対移動を行わずにインクを吐出可能なラインヘッドを有することを特徴としている。
前記記録手段は、複数の記録ヘッドを有することを特徴としている。
前記記録手段は、複数のノズルの開口部の間隔における所定方向成分が所定の配置間隔となるように当該複数のノズルの開口部が配列されたインク吐出ブロックを2以上の所定数有し、
当該所定数のインク吐出ブロックは、全体として前記ノズルの開口部の間隔における前記所定方向成分が前記配置間隔の所定数分の1となるように相対配置されている
ことを特徴としている。
異なる前記インク吐出ブロックに属するノズルは、各々異なる記録ヘッドに設けられていることを特徴としている。
複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出する記録手段を備えるインクジェットヘッドのインク吐出異常検出方法であって、
前記記録手段により記録された所定のテスト画像を読み取る読取ステップ、
前記読取ステップで読み取られた前記所定のテスト画像からインクの吐出異常の有無を検出する吐出異常検出ステップ、
を含み、
前記吐出異常検出ステップでは、前記複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの出現特性に係る初期ずれ情報に基づいて、前記初期ずれによらない吐出異常を検出する
ことを特徴としている。
複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部からインクを吐出する記録手段における各ノズルのインク吐出に係る初期ずれを検出する初期ずれ検出方法であって、
前記複数のノズルにより所定の濃度の中間調画像を検出用画像として記録させる検出用画像記録ステップ、
前記検出用画像記録ステップで記録された前記検出用画像の濃淡分布を読み取る画像読取ステップ、
前記画像読取ステップで読み取られた前記検出用画像の濃淡の空間分布に係る周波数成分を検出する周波数検出ステップ、
前記周波数検出ステップで検出された所定の出現基準を満たす周波数の濃淡分布の出現特性に係る初期ずれ情報を特定する初期ずれ情報特定ステップ、
を含むことを特徴としている。
前記初期ずれ情報特定ステップで特定される前記初期ずれ情報には、検出された初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれることを特徴としている。
前記初期ずれ情報特定ステップでは、前記画像読取ステップで得られた前記濃淡分布と、当該濃淡分布から前記所定の出現基準を満たす濃淡分布に係る周波数成分を除去した補正分布とを比較し、所定の差異条件内で一致しない範囲を前記初期ずれの出現範囲として特定することを特徴としている。
前記周波数検出ステップでは、前記濃淡分布をフーリエ変換することで得られるスペクトル分布において所定の基準値以上のスペクトル強度を示す周波数を検出し、
前記初期ずれ情報特定ステップでは、前記スペクトル分布において当該検出された周波数のスペクトルをマスクして逆フーリエ変換を行うことで前記補正分布を取得する
ことを特徴としている。
前記周波数検出ステップでは、前記記録手段の構造に係る空間周波数及び前記記録手段の製造に係る空間周波数に応じた周波数を前記濃淡分布に生じ得る特徴周波数として予め特定し、
前記初期ずれ情報特定ステップでは、当該特徴周波数での濃淡分布が前記所定の出現基準を満たす場合に前記初期ずれ情報を特定する
ことを特徴としている。
前記記録手段は、画像を記録する記録媒体の所定の搬送方向について異なる複数の位置にインク吐出ブロックを有し、
当該複数のインク吐出ブロックは、各々に複数個ずつ設けられたノズルの開口部の前記搬送方向に垂直な幅方向についての配置間隔を前記インク吐出ブロックそれぞれにおける前記ノズル開口部の配置間隔よりも狭めるように配置されており、
前記特徴周波数には、前記インク吐出ブロック各々の前記ノズル開口部の配置間隔が含まれる
ことを特徴としている。
図1は、本発明の実施形態のインクジェット記録装置100の構成を側面から見た模式図である。
給紙トレー11は、記録媒体Pを一又は複数載置可能に設けられた板状部材である。給紙トレー11は、載置された記録媒体Pの量に応じて上下動し、記録媒体Pのうち一番上のものが搬送部12による搬送開始位置に保持される。
記録媒体Pとしては、種々の厚さの印刷用紙に加えて、セル、フィルムや布帛など、画像形成ドラム21の外周面上に湾曲して担持され得る種々のものが用いられる。
搬送部12は、複数(例えば、2本)のローラー121、122と、内側面でローラー121、122により支持された輪状のベルト123と、給紙トレー11上に載置された記録媒体Pのうち一番上のものをベルト123に受け渡す図示略の供給部と、を有する。搬送部12は、ローラー121、122の回転によるベルト123の周回移動に従って供給部によりベルト123上に受け渡された記録媒体Pを搬送して画像形成部20へ送る。
ヘッドユニット23の各々は、ここでは、画像形成ドラム21の回転軸方向(記録媒体Pの搬送方向に垂直な方向)である幅方向(所定方向)に移動されることなくシングルパス方式で画像形成ドラム21の回転との組み合わせにより記録媒体P上の画像形成可能幅に亘って画像を形成可能なラインヘッドを有する。
このヘッドユニット23は、2個の記録ヘッド231、232がペアとなり、当該ペアが複数千鳥配置されることで、幅方向に記録媒体Pの幅に亘って切れ目なくインクの吐出が可能となっている。複数の記録ヘッド231、232は、それぞれ、搬送方向に異なる3箇所にそれぞれ複数個ずつのノズル開口部が配置されている。
ここでは、搬送方向に同一位置に配置された記録ヘッド231のグループと、記録ヘッド232のグループとを、それぞれ記録ヘッド群231T、232T(インク吐出部ロック)と記す。
図3(a)に示すように、記録ヘッド231には、幅方向に延びる直線231a、231b、231c上に各々ノズル開口部が間隔6dで設けられており、各直線上のノズル開口部の位置は、幅方向に互いに間隔2d(所定の配置間隔)ずつずれている。また、記録ヘッド232には、幅方向に延びる直線232a、232b、232c上に各々ノズル開口部が間隔6dで設けられており、各直線上のノズル開口部の位置は、互いに幅方向に2dずつずれている。更に、記録ヘッド231上の各ノズル開口部と記録ヘッド232上の各ノズル開口部とは、幅方向についての位置が互い違いとなるように互いに距離dずらして配置されており、全体としてノズル開口部は幅方向に間隔dで設けられていることになる。
一方、図3(b)に示すように、何れかのノズル開口部からインクが吐出されないと、当該部分にインクが吐出されずに隙間v11が生じる。また、何れかのノズル開口部からのインク吐出方向が正常な方向に対して幅方向に傾くと、インクの着弾位置にもずれが生じて隙間v21、v22、v23が生じる。これらの隙間v11、v21〜v23の幅は、上述のインク定着範囲に応じて定まる。また、ノズル開口部からのインク吐出量が通常よりも低下した場合には、当該部分の濃度が低下する。
インクジェット記録装置100は、上述の画像形成部20及び制御部40に加えて、搬送駆動部51と、通信部61と、操作表示部62と、報知部64(報知手段)と、バス69などを備える。
これら画像形成部20の各構成は、CMYK4色について各々設けられている。
これらヘッド駆動部531及び記録ヘッド231、232(記録ヘッド群231T、232T)と、ヒーター駆動部535及びヒーター235は、ヘッドユニット23に含まれる。
クリーニング駆動部57は、制御部40の制御によりクリーニング部27を動作させる。
CPU41は、インクジェット記録装置100の動作に係る各種演算処理を行う。RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。
記憶部43としては、高速で大容量の読み書きが可能な、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)と、電源がオフにされた期間にもデータを保持可能な不揮発性メモリーとの組み合わせが好ましく用いられる。また、インクジェット記録装置100の全体動作の制御プログラムや初期設定データは、マスクROMに記憶されていても良い。
図5は、検査装置200の機能構成を示すブロック図である。
照射駆動部2054は、制御部2040からの制御信号に基づいて照射部2024を動作させる。
読取駆動部2055は、読取部2025による読取動作を適切なタイミングで行わせる。
設定データには、特徴周波数テーブル2433が含まれ、検出結果には、初期ずれノズルエリア情報2432が含まれる。
検査装置200では、インクジェット記録装置100におけるヘッドユニット23の取り付け前やヘッドユニット23の交換時などに、予め新たに用いられるヘッドユニット23における初期ずれノズルの存在検出動作が行われる。ここでは、ノズル配列の形成時や複数の記録ヘッドの支持部材への取り付け時に製造装置や組立装置の機械精度上の問題などによって生じる周期的な吐出方向のずれに伴う微細な筋や吐出量のずれに伴う濃度むらの検出動作について説明する。
初期ずれ検出処理が開始されると、制御部2040(CPU2041)は、出力画像生成部2045からヘッド駆動部531に初期ずれの評価用画像(検査用画像)を形成させるための制御信号を出力させてヘッドユニット23からインクを吐出させる(ステップS101)。この評価用画像は、所定の濃度の中間調画像であり、各ノズルから吐出されて記録媒体Pに着弾するインクのサイズとノズルピッチとの比などに応じて各ノズルから略同一の適切な頻度でインクを吐出させたハーフトーン画像とすることが出来る。
そして、制御部2040は、初期ずれ検出処理を終了する。
初期ずれ検出処理が呼び出されると、制御部2040は、ステップS102の処理で読み取られた評価用画像の読取画像データを取得する(ステップS301)。制御部2040は、読取画像データの輝度値の空間分布(濃淡分布)を幅方向についてフーリエ変換して周波数スペクトルの分布を得る(ステップS302)。このとき、読取画像データが搬送方向に複数回取得されている場合には、幅方向に同一位置の輝度値を搬送方向について積算して用いても良い。
即ち、異なる周波数でそれぞれ差が生じるエリアが検出された場合には、当該エリアの重複有無に関わらず別個に初期ずれノズルエリア情報2432に記憶されることになる。
図8(a)は、濃淡の空間分布に係る輝度分布を示す図である。
図8(a)において、実線が読取部2025により読み取られた濃度分布の計測値を示している。濃度分布には、細かい増減が見られ、輝度値が高い部分はインクの吐出が少ない又は欠損していることを示す。
ここでは、約3.9lp/mm及びこの倍数である約7.8lp/mmの位置にピークp1、p2が見られる。約3.9lp/mmの値は、ノズル間隔で12×21.17μmに対応し、即ち、1200dpiのノズル配置においてノズル12個おき(600dpiのノズル配置においてノズル6個おき)に濃淡が生じていることが示されている。
図9は、吐出不良の有無を検出する不良有無検出画像の例と、吐出不良が検出された場合に吐出不良ノズルを同定するための不良ノズル特定画像の例を示す図である。
図9(a)に示すように、通常では、記録媒体Pに対して通常の形成対象の画像F(出力対象画像)が形成される際に、その余白領域に不良有無検出画像C21〜C24(所定のテスト画像)が形成されて、当該不良有無検出画像C21〜C24により各画像Fが正常に出力されたか(吐出異常の有無があるか)否かが判別される。
図9(c)に示すように、不良ノズル特定画像Lでは、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置が各々分離されるように、例えば、梯子状にノズル数に応じた直線を形成する。そして、適切な位置に直線が形成されていない場合には、当該形成されなかった位置に対応するノズルが吐出不良を生じていると判定される。この場合、不良ノズル特定画像Lの各直線を形成させるノズルは、該当するヘッドユニット23の全てのノズルであっても良いし、或いは、不良有無検出画像で異常が検出された範囲を含む一部のノズルであっても良いが、後者の方がインクの消費量が抑えられ、また、不良ノズル特定画像Lのサイズを小さくすることが出来る。
この吐出不良検出処理は、インクジェット記録装置100において通常の画像記録が行われる際に合わせて実行される。
このとき、読取部25のラインセンサーの解像度によっては、変更された検出基準レベルとして、単に濃淡の差の値を変更することに加えて又は代えて、当該濃淡の変化部分の幅を条件に加えることが出来る。ラインセンサーの解像度がノズルピッチと比較して数倍以上大きくない場合には、吐出不良ノズルからのインクが吐出されなくなると、隣り合う2つの撮像素子により得られる輝度値が続けて正常な部分を撮像する撮像素子で得られる輝度値よりも高くなるのに対し、上述の初期ずれに係る小さな隙間は、ラインセンサーの解像度に比して十分狭いので、2つの撮像素子で得られる輝度値を連続的に変化させない。
このように、初期ずれを生じているノズルを後発の吐出不良の検出から分離することによって、不要なクリーニングやインクの吐き捨て動作、更にはヘッドユニット23の交換といった作業が抑制される。また、軽微な初期ずれの検出に伴うノズル特定処理が省略されるので、特定の難しいノズルの特定動作に係る画像形成の中断やインク及び記録媒体の消費を抑えることが出来る。従って、ノズルの初期ずれに伴う動作効率やコストパフォーマンスの低下を抑制することが出来る。
このように、初期ずれノズルが出現している範囲でのみ当該初期ずれノズルの検出への影響を抑えることで、初期ずれの不要な検出の可能性を抑えつつ、後発吐出不良の検出漏れを生じにくくすることが出来る。
即ち、容易な画像で場所をとらず、初期ずれの出現に応じて柔軟に吐出異常の有無を検出することが出来るので、無駄の低減を図ることが出来る。
このように、ヘッドユニット23における記録ヘッドなどの製造や配置などに係る周期的な初期ずれを適切にカットし、当該初期ずれの影響を軽減した補正データに基づいて吐出異常の判別を行うので、より適切に初期ずれの影響を排除しながら後発吐出不良を検出することが出来る。
このように、後発吐出不良が生じて必要な場合にのみ不良ノズル特定画像を生成して吐出不良ノズルを特定するので、吐出不良ノズルの特定に係る時間や記録媒体の浪費を防いで適切に後発吐出不良ノズルを検出することが出来る。
従って、通常クリーニングでは改善されない初期ずれノズルを除外して、クリーニングで回復する後発の吐出不良ノズルの発生状況に応じて適切な間隔、タイミングでクリーニング動作を行わせることが出来、これにより、無駄なクリーニングの実施を減らすことが出来る。
従って、初期ずれの影響を排除した回復可能なはずのノズルがクリーニング動作によって十分に回復されない場合には、その旨をユーザーに知らせることで、適切なタイミングでヘッドユニット23の交換などを行わせることが出来る。
このように、ノズル開口部から吐出されたインクの着弾位置が記録媒体に対して直線状に相対移動するラインヘッドでは、特に細かい濃度むらが生じやすいので、本発明を適用することで効率良く適切な吐出不良の検出動作及びこれに応じた回復動作やヘッドの交換を行わせることが出来る。
当該2つの記録ヘッド群231T、232Tは、全体としてノズルの開口部の間隔における幅方向成分が配置間隔2dの2分の1、即ち、間隔dとなるように相対配置されている。
或いは、ヘッドユニット23は、それぞれ幅方向に間隔2dずつ互いにずらされて3列の直線231a、231b、231c(232a、232b、232c)上に各々間隔6dで設けられたノズル開口部が、更にペアとなる記録ヘッド231、232を幅方向に距離dずつずらして設けられることで、全体として搬送方向に合計6列のノズル開口部列の各ノズルの開口部が各ノズル開口部列における配置間隔6dの6分の1の間隔dで相対配置されている。
このような配置では、製造上の機械精度の限界などにより、周期的な初期ずれが現れやすくなるので、本発明を適用することで、このような周期的な初期ずれの影響を効果的に排除して効率的且つ適切に吐出不良ノズルの検出及び対処を行うことが出来る。
このように、初期ずれ情報を用いて吐出不良ノズルのみを区分けして検出することで、吐出不良に係る対応をより効率良く実施してインクジェット記録装置100の動作効率の低下を抑えることが出来る。
このように、初期ずれノズルを個別に特定するのではなく、周期性の初期ずれ情報を予め検出することで、軽微な初期ずれ、特に、吐出方向ずれのように検出に手間やコストを要する処理を行わずに容易に必要な情報を取得することが出来る。そして、このようにして取得された情報に基づいてヘッドユニット23における吐出不良ノズルの検出動作を効率良く行うことで、インクジェット記録装置100の動作効率の低下を抑制することが出来る。
このように、相対比較を行うことで、出現範囲の特定を容易且つ確実に行うことが出来る。
従って、初期吐出不良などによる非周期的且つ大きな問題を有するノズルの影響を初期ずれの検出から分離し、周期的な初期ずれを適切に取得して吐出不良ノズルの検出に反映させることが出来る。
このように、ノズルの配列が記録ヘッドなどの配置構造に応じて周期的になっている場合には、当該周期に従って初期ずれが生じやすく、本願発明を適用することで容易且つ効果的に初期ずれを検出して吐出不良ノズルの検出に用いることが出来る。
例えば、上記実施の形態では、初期ずれとして周期的に出現し、補完の必要のない軽微なものについて検出及び対応を行う動作について説明したが、その他のもの、特に、非周期的に出現して補完が必要な初期不良ノズルについても同様に初期ずれノズルとして記憶させても良い。この場合には、出現エリア情報だけではなく、不良ノズル特定画像などを用いて初期不良ノズル自体を予め特定して、初期ずれノズルエリア情報に記憶させれば良い。このような初期不良ノズルについても従来の回復技術の適用による回復が通常では難しいので、例えば、ステップS510におけるクリーニングの実行可否に係る判別処理などで、後発的に生じた吐出不良ノズルとは別個に取り扱うこととすることが出来る。
その他、上記実施の形態で示した構成や制御内容及びその手順など、具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
11 給紙トレー
12 搬送部
121、122 ローラー
123 ベルト
20 画像形成部
21 画像形成ドラム
22 受け渡しユニット
221 爪部
222 受け渡しドラム
23 ヘッドユニット
231 記録ヘッド
231a〜231c 直線
231T 記録ヘッド群
232 記録ヘッド
232a〜232c 直線
232T 記録ヘッド群
235 ヒーター
24 照射部
25 読取部
26 デリバリー部
261、262 ローラー
263 ベルト
264 受け渡しローラー
27 クリーニング部
30 媒体排出部
31 排紙トレー
40 制御部
41 CPU
42 RAM
43 記憶部
431 吐出不良ノズルリスト
432 初期ずれノズルエリア情報
51 搬送駆動部
531 ヘッド駆動部
535 ヒーター駆動部
54 照射駆動部
55 読取駆動部
57 クリーニング駆動部
61 通信部
62 操作表示部
63 報知部
69 バス
100 インクジェット記録装置
200 検査装置
2024 照射部
2025 読取部
2040 制御部
2041 CPU
2042 RAM
2043 記憶部
2432 初期ずれノズルエリア情報
2433 特徴周波数テーブル
2045 出力画像生成部
2046 画像処理部
2461 周波数解析部
2462 初期ずれ演算部
2051 搬送駆動部
2054 照射駆動部
2055 読取駆動部
2061 通信部
2062 操作表示部
P 記録媒体
Claims (21)
- 複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出する記録手段と、
前記複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの出現特性に係る初期ずれ情報を保持する調整情報記憶手段と、
前記記録手段により記録された画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取られた所定のテスト画像からインクの吐出異常の有無を検出する吐出異常検出手段と、
を備え、
前記吐出異常検出手段は、前記調整情報記憶手段により保持されている前記初期ずれ情報に基づいて、前記初期ずれによらない吐出異常を検出する
ことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記初期ずれ情報には、前記初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれ、
前記吐出異常検出手段は、前記エリア情報に基づいて、前記初期ずれの出現範囲内と当該初期ずれの出現範囲外とで吐出異常検出基準を異ならせる
ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。 - 前記エリア情報には、前記初期ずれの前記読取手段による検出レベル情報が含まれ、
前記吐出異常検出手段は、当該検出レベル情報に基づいて、前記初期ずれが前記吐出異常として検出されない前記吐出異常検出基準を定める
ことを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。 - 前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
前記吐出異常検出手段は、前記テスト画像の濃度むらに基づいて前記吐出異常の有無を判別する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
前記初期ずれ情報には、検出された前記初期ずれノズルの周期的な出現特性に係る空間周波数の情報が含まれ、
前記吐出異常検出手段は、前記読取手段により読み取られた前記テスト画像のデータに対して前記空間周波数の濃度変化を抑制する処理を行った補正データの濃度むらに基づいて前記吐出異常の有無を判別する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 取得された画像形成命令に係る出力対象画像の前記記録手段による記録動作に対応して前記テスト画像を記録させる記録制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記初期ずれによらない吐出異常が検出された場合に、前記吐出異常を生じさせている不良ノズルを特定するための不良ノズル特定画像を前記記録手段により形成させ、形成された当該不良ノズル特定画像の前記読取手段による読取データに基づいて前記不良ノズルを特定する不良ノズル特定手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 特定された前記不良ノズル及び当該不良ノズルの周辺ノズルからのインク吐出を調整することで前記不良ノズルのインク吐出不良が補完された出力対象画像を前記記録手段により形成させる補完手段を備えることを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
- 前記不良ノズルのインク吐出不良を回復させる回復手段と、
前記不良ノズルの検出状況が所定の第1条件を満たす場合に前記回復手段の動作を行わせる回復制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項7又は8記載のインクジェット記録装置。 - 報知動作を行う報知手段を備え、
前記回復制御手段は、前記回復手段による回復動作後における前記不良ノズルの前記検出状況が所定の第2条件を満たす場合に、前記報知手段に所定の報知動作を行わせる
ことを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録装置。 - 前記記録手段は、当該記録手段と画像が記録される記録媒体との相対移動方向に垂直な幅方向について、当該記録媒体に対する画像形成可能幅に亘り、前記記録手段と前記記録媒体との前記幅方向への相対移動を行わずにインクを吐出可能なラインヘッドを有することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録手段は、複数の記録ヘッドを有することを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録手段は、複数のノズルの開口部の間隔における所定方向成分が所定の配置間隔となるように当該複数のノズルの開口部が配列されたインク吐出ブロックを2以上の所定数有し、
当該所定数のインク吐出ブロックは、全体として前記ノズルの開口部の間隔における前記所定方向成分が前記配置間隔の所定数分の1となるように相対配置されている
ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 異なる前記インク吐出ブロックに属するノズルは、各々異なる記録ヘッドに設けられていることを特徴とする請求項13記載のインクジェット記録装置。
- 複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出する記録手段を備えるインクジェットヘッドのインク吐出異常検出方法であって、
前記記録手段により記録された所定のテスト画像を読み取る読取ステップ、
前記読取ステップで読み取られた前記所定のテスト画像からインクの吐出異常の有無を検出する吐出異常検出ステップ、
を含み、
前記吐出異常検出ステップでは、前記複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの出現特性に係る初期ずれ情報に基づいて、前記初期ずれによらない吐出異常を検出する
ことを特徴とするインク吐出異常検出方法。 - 複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部からインクを吐出する記録手段における各ノズルのインク吐出に係る初期ずれを検出する初期ずれ検出方法であって、
前記複数のノズルにより所定の濃度の中間調画像を検出用画像として記録させる検出用画像記録ステップ、
前記検出用画像記録ステップで記録された前記検出用画像の濃淡分布を読み取る画像読取ステップ、
前記画像読取ステップで読み取られた前記検出用画像の濃淡の空間分布に係る周波数成分を検出する周波数検出ステップ、
前記周波数検出ステップで検出された所定の出現基準を満たす周波数の濃淡分布の出現特性に係る初期ずれ情報を特定する初期ずれ情報特定ステップ、
を含むことを特徴とする初期ずれ検出方法。 - 前記初期ずれ情報特定ステップで特定される前記初期ずれ情報には、検出された初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれることを特徴とする請求項16記載の初期ずれ検出方法。
- 前記初期ずれ情報特定ステップでは、前記画像読取ステップで得られた前記濃淡分布と、当該濃淡分布から前記所定の出現基準を満たす濃淡分布に係る周波数成分を除去した補正分布とを比較し、所定の差異条件内で一致しない範囲を前記初期ずれの出現範囲として特定することを特徴とする請求項17記載の初期ずれ検出方法。
- 前記周波数検出ステップでは、前記濃淡分布をフーリエ変換することで得られるスペクトル分布において所定の基準値以上のスペクトル強度を示す周波数を検出し、
前記初期ずれ情報特定ステップでは、前記スペクトル分布において当該検出された周波数のスペクトルをマスクして逆フーリエ変換を行うことで前記補正分布を取得する
ことを特徴とする請求項18記載の初期ずれ検出方法。 - 前記周波数検出ステップでは、前記記録手段の構造に係る空間周波数及び前記記録手段の製造に係る空間周波数に応じた周波数を前記濃淡分布に生じ得る特徴周波数として予め特定し、
前記初期ずれ情報特定ステップでは、当該特徴周波数での濃淡分布が前記所定の出現基準を満たす場合に前記初期ずれ情報を特定する
ことを特徴とする請求項16〜19の何れか一項に記載の初期ずれ検出方法。 - 前記記録手段は、画像を記録する記録媒体の所定の搬送方向について異なる複数の位置にインク吐出ブロックを有し、
当該複数のインク吐出ブロックは、各々に複数個ずつ設けられたノズルの開口部の前記搬送方向に垂直な幅方向についての配置間隔を前記インク吐出ブロックそれぞれにおける前記複数のノズルの開口部の配置間隔よりも狭めるように配置されており、
前記特徴周波数には、前記インク吐出ブロック各々の前記複数のノズルの開口部の配置間隔が含まれる
ことを特徴とする請求項16〜20の何れか一項に記載の初期ずれ検出方法。
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