JP2017024233A - インクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017024233A
JP2017024233A JP2015143708A JP2015143708A JP2017024233A JP 2017024233 A JP2017024233 A JP 2017024233A JP 2015143708 A JP2015143708 A JP 2015143708A JP 2015143708 A JP2015143708 A JP 2015143708A JP 2017024233 A JP2017024233 A JP 2017024233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
initial deviation
image
unit
nozzle
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015143708A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6558116B2 (ja
Inventor
裕貴 富田
Yuki Tomita
裕貴 富田
敏幸 水谷
Toshiyuki Mizutani
敏幸 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2015143708A priority Critical patent/JP6558116B2/ja
Publication of JP2017024233A publication Critical patent/JP2017024233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6558116B2 publication Critical patent/JP6558116B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】ノズルの初期ずれに伴う動作効率やコストパフォーマンスの低下を抑制することの出来るインクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法を提供する。【解決手段】複数のノズルが配列されてこれら複数のノズルの開口部から各々インクを吐出するヘッドユニット(23)と、複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの出現特性に係る初期ずれノズルエリア情報(432)を保持する記憶部(43)と、ヘッドユニットにより記録された画像を読み取る読取部(25)と、読取部で読み取られた所定のテスト画像からインクの吐出異常の有無を検出する制御部(40)と、を備え、制御部は、記憶部により保持されている初期ずれ情報に基づいて、初期ずれによらない吐出異常を検出する。【選択図】図4

Description

この発明は、インクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法に関する。
従来、複数のノズルからインク液滴を吐出させて画像を記録したり所望のパターンを形成したりするインクジェット記録装置がある。各ノズルからのインクの吐出タイミングを適切に制御することで、インクの吐出対象となる媒体上に所望の画像などが形成される。
インクジェット記録装置において、複数のノズルが配列されて実際にインクの吐出に係る動作が行われるインクジェットヘッドは、機械精度の限界といった種々の要因で設計内容と厳密に同一には製造されず、設計内容からのずれ(初期ずれ)が生じて、ノズル間で吐出量や吐出方向のばらつきを伴う場合が生じ得る。このような初期ずれは、多くの場合には形成される画像の質に重大な影響を及ぼさない程度に微小であり、所定の検査基準を満たす範囲において出荷、利用される。
一方で、インクジェット記録装置の利用に伴ってインクがノズルに詰まったりノズル開口部の外側に固着したりすることで、後発的にノズル開口部からのインクの吐出量が減少したり吐出方向がずれたりするといった吐出不良が生じる場合がある。これに対し、従来、所定の検査画像を撮影して解析することでこのような吐出不良が生じているノズル(吐出不良ノズル)を検出する検出動作を行い、当該吐出不良ノズルを画像の形成に用いず、代わりに近傍のノズルから当該吐出不良ノズルの不吐出を補うようにインクを吐出させる補完技術や、ノズル及びノズル開口部のクリーニングを行って吐出不良を解消させる回復技術が利用されている(例えば、特許文献1、2)。
特開2007−160748号公報 特開2012−133582号公報
しかしながら、インクジェットヘッドにおけるノズルの初期ずれは、通常、検出動作において吐出不良ノズルと共に検出されても上述の回復技術を用いての回復が困難である。特に、軽微な初期ずれは、当該初期ずれが生じているノズルを特定すること自体に精度や手間を要する一方で、画質の改善には必ずしも繋がらない。従って、初期ずれと吐出不良とが一括して取り扱われると、インクジェット記録装置の動作効率やコストパフォーマンスが低下したりするという課題がある。
この発明の目的は、ノズルの初期ずれに伴う動作効率やコストパフォーマンスの低下を抑制することの出来るインクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出する記録手段と、
前記複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの出現特性に係る初期ずれ情報を保持する調整情報記憶手段と、
前記記録手段により記録された画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取られた所定のテスト画像からインクの吐出異常の有無を検出する吐出異常検出手段と、
を備え、
前記吐出異常検出手段は、前記調整情報記憶手段により保持されている前記初期ずれ情報に基づいて、前記初期ずれによらない吐出異常を検出する
ことを特徴とするインクジェット記録装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェット記録装置において、
前記初期ずれ情報には、前記初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれ、
前記吐出異常検出手段は、前記エリア情報に基づいて、前記初期ずれの出現範囲内と当該初期ずれの出現範囲外とで吐出異常検出基準を異ならせる
ことを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載のインクジェット記録装置において、
前記エリア情報には、前記初期ずれの前記読取手段による検出レベル情報が含まれ、
前記吐出異常検出手段は、当該検出レベル情報に基づいて、前記初期ずれが前記吐出異常として検出されない前記吐出異常検出基準を定める
ことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
前記吐出異常検出手段は、前記テスト画像の濃度むらに基づいて前記吐出異常の有無を判別する
ことを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
前記初期ずれ情報には、検出された前記初期ずれノズルの周期的な出現特性に係る空間周波数の情報が含まれ、
前記吐出異常検出手段は、前記読取手段により読み取られた前記テスト画像のデータに対して前記空間周波数の濃度変化を抑制する処理を行った補正データの濃度むらに基づいて前記吐出異常の有無を判別する
ことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
取得された画像形成命令に係る出力対象画像の前記記録手段による記録動作に対応して前記テスト画像を記録させる記録制御手段を備えることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記初期ずれによらない吐出異常が検出された場合に、前記吐出異常を生じさせている不良ノズルを特定するための不良ノズル特定画像を前記記録手段により形成させ、形成された当該不良ノズル特定画像の前記読取手段による読取データに基づいて前記不良ノズルを特定する不良ノズル特定手段を備える
ことを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載のインクジェット記録装置において、
特定された前記不良ノズル及び当該不良ノズルの周辺ノズルからのインク吐出を調整することで前記不良ノズルのインク吐出不良が補完された出力対象画像を前記記録手段により形成させる補完手段を備えることを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、請求項7又は8記載のインクジェット記録装置において、
前記不良ノズルのインク吐出不良を回復させる回復手段と、
前記不良ノズルの検出状況が所定の第1条件を満たす場合に前記回復手段の動作を行わせる回復制御手段と、
を備えることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載のインクジェット記録装置において、
報知動作を行う報知手段を備え、
前記回復制御手段は、前記回復手段による回復動作後における前記不良ノズルの前記検出状況が所定の第2条件を満たす場合に、前記報知手段に所定の報知動作を行わせる
ことを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録手段は、当該記録手段と画像が記録される記録媒体との相対移動方向に垂直な幅方向について、当該記録媒体に対する画像形成可能幅に亘り、前記記録手段と前記記録媒体との前記幅方向への相対移動を行わずにインクを吐出可能なラインヘッドを有することを特徴としている。
また、請求項12記載の発明は、請求項1〜11の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録手段は、複数の記録ヘッドを有することを特徴としている。
また、請求項13記載の発明は、請求項1〜12の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記記録手段は、複数のノズルの開口部の間隔における所定方向成分が所定の配置間隔となるように当該複数のノズルの開口部が配列されたインク吐出ブロックを2以上の所定数有し、
当該所定数のインク吐出ブロックは、全体として前記ノズルの開口部の間隔における前記所定方向成分が前記配置間隔の所定数分の1となるように相対配置されている
ことを特徴としている。
また、請求項14記載の発明は、請求項13記載のインクジェット記録装置において、
異なる前記インク吐出ブロックに属するノズルは、各々異なる記録ヘッドに設けられていることを特徴としている。
また、請求項15記載の発明は、
複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出する記録手段を備えるインクジェットヘッドのインク吐出異常検出方法であって、
前記記録手段により記録された所定のテスト画像を読み取る読取ステップ、
前記読取ステップで読み取られた前記所定のテスト画像からインクの吐出異常の有無を検出する吐出異常検出ステップ、
を含み、
前記吐出異常検出ステップでは、前記複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの出現特性に係る初期ずれ情報に基づいて、前記初期ずれによらない吐出異常を検出する
ことを特徴としている。
また、請求項16記載の発明は、
複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部からインクを吐出する記録手段における各ノズルのインク吐出に係る初期ずれを検出する初期ずれ検出方法であって、
前記複数のノズルにより所定の濃度の中間調画像を検出用画像として記録させる検出用画像記録ステップ、
前記検出用画像記録ステップで記録された前記検出用画像の濃淡分布を読み取る画像読取ステップ、
前記画像読取ステップで読み取られた前記検出用画像の濃淡の空間分布に係る周波数成分を検出する周波数検出ステップ、
前記周波数検出ステップで検出された所定の出現基準を満たす周波数の濃淡分布の出現特性に係る初期ずれ情報を特定する初期ずれ情報特定ステップ、
を含むことを特徴としている。
また、請求項17記載の発明は、請求項16記載の初期ずれ検出方法において、
前記初期ずれ情報特定ステップで特定される前記初期ずれ情報には、検出された初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれることを特徴としている。
また、請求項18記載の発明は、請求項17記載の初期ずれ検出方法において、
前記初期ずれ情報特定ステップでは、前記画像読取ステップで得られた前記濃淡分布と、当該濃淡分布から前記所定の出現基準を満たす濃淡分布に係る周波数成分を除去した補正分布とを比較し、所定の差異条件内で一致しない範囲を前記初期ずれの出現範囲として特定することを特徴としている。
また、請求項19記載の発明は、請求項18記載の初期ずれ検出方法において、
前記周波数検出ステップでは、前記濃淡分布をフーリエ変換することで得られるスペクトル分布において所定の基準値以上のスペクトル強度を示す周波数を検出し、
前記初期ずれ情報特定ステップでは、前記スペクトル分布において当該検出された周波数のスペクトルをマスクして逆フーリエ変換を行うことで前記補正分布を取得する
ことを特徴としている。
また、請求項20記載の発明は、請求項16〜19の何れか一項に記載の初期ずれ検出方法において、
前記周波数検出ステップでは、前記記録手段の構造に係る空間周波数及び前記記録手段の製造に係る空間周波数に応じた周波数を前記濃淡分布に生じ得る特徴周波数として予め特定し、
前記初期ずれ情報特定ステップでは、当該特徴周波数での濃淡分布が前記所定の出現基準を満たす場合に前記初期ずれ情報を特定する
ことを特徴としている。
また、請求項21記載の発明は、請求項16〜20の何れか一項に記載の初期ずれ検出方法において、
前記記録手段は、画像を記録する記録媒体の所定の搬送方向について異なる複数の位置にインク吐出ブロックを有し、
当該複数のインク吐出ブロックは、各々に複数個ずつ設けられたノズルの開口部の前記搬送方向に垂直な幅方向についての配置間隔を前記インク吐出ブロックそれぞれにおける前記ノズル開口部の配置間隔よりも狭めるように配置されており、
前記特徴周波数には、前記インク吐出ブロック各々の前記ノズル開口部の配置間隔が含まれる
ことを特徴としている。
本発明に従うと、ノズルの初期ずれに伴う動作効率やコストパフォーマンスの低下を抑制することの出来るという効果がある。
本発明の実施形態のインクジェット記録装置の構成を側面から見た模式図である。 インクジェットヘッドのノズル面を示す底面図である。 ノズル面におけるノズル開口部の配列について説明する図である。 インクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 検査装置の機能構成を示すブロック図である。 本実施形態の検査装置で実行される初期ずれ検出処理の制御手順を示すフローチャートである。 初期ずれ検出処理で呼び出される初期ずれノズル検出処理の制御手順を示すフローチャートである。 検査装置における検査データの例を示す図である。 吐出不良の有無を検出する不良有無検出画像の例と、吐出不良があると検出された場合に吐出不良ノズルを同定するための不良ノズル特定画像の例を示す図である。 インクジェット記録装置で実行される吐出不良検出処理の制御手順を示すフローチャートである。 吐出不良検出処理の他の例の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態のインクジェット記録装置100の構成を側面から見た模式図である。
インクジェット記録装置100は、媒体供給部10と、画像形成部20と、媒体排出部30と、制御部40(図4参照)(吐出異常検出手段、記録制御手段、不良ノズル特定手段、補完手段、回復制御手段)などを備えている。このインクジェット記録装置100では、制御部40による制御に基づいて、媒体供給部10に格納された記録媒体P(シート状媒体)が画像形成部20に搬送され、画像が形成された後に媒体排出部30に排出される。
媒体供給部10は、給紙トレー11と搬送部12などを有する。
給紙トレー11は、記録媒体Pを一又は複数載置可能に設けられた板状部材である。給紙トレー11は、載置された記録媒体Pの量に応じて上下動し、記録媒体Pのうち一番上のものが搬送部12による搬送開始位置に保持される。
記録媒体Pとしては、種々の厚さの印刷用紙に加えて、セル、フィルムや布帛など、画像形成ドラム21の外周面上に湾曲して担持され得る種々のものが用いられる。
搬送部12は、複数(例えば、2本)のローラー121、122と、内側面でローラー121、122により支持された輪状のベルト123と、給紙トレー11上に載置された記録媒体Pのうち一番上のものをベルト123に受け渡す図示略の供給部と、を有する。搬送部12は、ローラー121、122の回転によるベルト123の周回移動に従って供給部によりベルト123上に受け渡された記録媒体Pを搬送して画像形成部20へ送る。
画像形成部20は、画像形成ドラム21と、受け渡しユニット22と、ヘッドユニット23(記録手段)と、照射部24と、読取部25(読取手段)と、デリバリー部26などを備える。
画像形成ドラム21は、円筒状の外周形状を有し、当該外周面上に記録媒体Pを担持して、その回転動作に応じた搬送経路(搬送方向、記録手段と記録媒体との相対移動方向)で記録媒体Pを搬送する。
受け渡しユニット22は、搬送部12から受け渡された記録媒体Pを画像形成ドラム21に受け渡す。受け渡しユニット22は、媒体供給部10の搬送部12と画像形成ドラム21との間の位置に設けられている。受け渡しユニット22は、搬送部12により送られてきた記録媒体Pの一端を把持する爪部221と、爪部221に把持された記録媒体Pを誘導する円筒状の受け渡しドラム222などを有する。爪部221により搬送部12から取得された記録媒体Pは、受け渡しドラム222に送られると回転する受け渡しドラム222の外周面に沿って移動し、そのまま画像形成ドラム21の外周面に誘導されて受け渡される。
ヘッドユニット23は、記録媒体Pが担持される画像形成ドラム21の回転に応じ、記録媒体Pと対向するノズル面に設けられた複数のノズル開口部から当該記録媒体Pの各所にインクの液滴を吐出していくことで画像を形成する。本実施形態のインクジェット記録装置100では、ヘッドユニット23は、画像形成ドラム21の外周面から予め設定された距離だけ離隔されて、所定の間隔で4つ配置されている。4つのヘッドユニット23は、CMYK4色のインクをそれぞれ出力する。これらのインクとしては、所定の温度(例えば、60℃)以上になると軟化する熱軟化性のインクが用いられる。このようなインクとしては、特には限られないが、所定の温度以上に加熱されることでゾル化する公知のゲル状インク、例えば、国際公開第2012/147760号に記載された各種インクが利用される。ヘッドユニット23には、当該インクを加熱してゾル状態を維持させるためのヒーター235(図4参照)が設けられている。
ヘッドユニット23の各々は、ここでは、画像形成ドラム21の回転軸方向(記録媒体Pの搬送方向に垂直な方向)である幅方向(所定方向)に移動されることなくシングルパス方式で画像形成ドラム21の回転との組み合わせにより記録媒体P上の画像形成可能幅に亘って画像を形成可能なラインヘッドを有する。
照射部24は、所定波長のエネルギー線、ここでは、紫外線を照射して、ヘッドユニット23から記録媒体P上に吐出されたインクを硬化させる。照射部24は、例えば、紫外線を発する発光ダイオード(LED)を有し、当該LEDに電圧を印加して電流を流すことで発光させて紫外線を照射する。照射部24は、画像形成ドラム21の外周面の近傍であって、画像形成ドラム21の回転により搬送される記録媒体P上にヘッドユニット23からインクの吐出がなされた後、記録媒体Pの表面が読取部25によって読み取られる前に当該記録媒体P上に紫外線が照射可能に設けられている。
なお、照射部24において紫外線を発する構成は、LEDに限られない。照射部24は、例えば、水銀ランプを有していても良い。また、インクが紫外線以外のエネルギー線を受けて硬化する性質を有する場合には、上述の紫外線を発する構成の代わりに、当該インクを硬化させる波長のエネルギー線を発する周知の光源が設けられる。
読取部25は、記録媒体Pのインクが吐出された面を撮像することで読み取る。読取部25は、幅方向にヘッドユニット23がインク吐出して記録媒体P上に着弾させることが可能な範囲に亘って撮像可能なラインセンサーを有する。ラインセンサーの各撮像素子としては、CCD(Charge Coupled Device)センサーやCMOSセンサーなどが用いられる。画像形成ドラム21により搬送される記録媒体Pの表面を順次撮像していくことで、記録媒体Pの二次元撮像データが得られる。或いは、読取部25は、一度に二次元撮像が可能なセンサーを有していても良く、また、センサーが幅方向などに移動して記録媒体Pの全面を撮像する構成であっても良い。
読取部25は、ヘッドユニット23により吐出されたCMYK4色のインクによる画像が各々読み取り可能に、例えば、RGB各色及び/又は特定の波長帯で画像を読み取り可能に構成されている。なお、読取部25による読み取り解像度は、必ずしもヘッドユニット23の各ノズルからのインクの吐出間隔(ピッチ)よりも細かく分解可能な精度である必要はない。
デリバリー部26は、インクが吐出、硬化された記録媒体Pを画像形成ドラム21から媒体排出部30に搬送する。デリバリー部26は、複数(例えば、2本)のローラー261、262と、内側面でローラー261、262に支持された輪状のベルト263と、円筒状の受け渡しローラー264などを有する。デリバリー部26は、受け渡しローラー264により画像形成ドラム21上の記録媒体Pをベルト263上に誘導し、受け渡された記録媒体Pをローラー261、262の回転に伴い周回移動するベルト263と共に移動させることで搬送して媒体排出部30に送り出す。
媒体排出部30は、画像形成部20から送り出された画像形成後の記録媒体Pをユーザーにより取り出されるまで格納する。媒体排出部30は、デリバリー部26により搬送された記録媒体Pが載置される板状の排紙トレー31などを有する。
制御部40は、インクジェット記録装置100の全体動作を統括制御する。制御部40の機能動作については、後に詳述する。
図2は、ヘッドユニット23のインク吐出面を示す底面図である。
このヘッドユニット23は、2個の記録ヘッド231、232がペアとなり、当該ペアが複数千鳥配置されることで、幅方向に記録媒体Pの幅に亘って切れ目なくインクの吐出が可能となっている。複数の記録ヘッド231、232は、それぞれ、搬送方向に異なる3箇所にそれぞれ複数個ずつのノズル開口部が配置されている。
ここでは、搬送方向に同一位置に配置された記録ヘッド231のグループと、記録ヘッド232のグループとを、それぞれ記録ヘッド群231T、232T(インク吐出部ロック)と記す。
図3は、インク吐出面へのノズル開口部の配置について説明する図である。
図3(a)に示すように、記録ヘッド231には、幅方向に延びる直線231a、231b、231c上に各々ノズル開口部が間隔6dで設けられており、各直線上のノズル開口部の位置は、幅方向に互いに間隔2d(所定の配置間隔)ずつずれている。また、記録ヘッド232には、幅方向に延びる直線232a、232b、232c上に各々ノズル開口部が間隔6dで設けられており、各直線上のノズル開口部の位置は、互いに幅方向に2dずつずれている。更に、記録ヘッド231上の各ノズル開口部と記録ヘッド232上の各ノズル開口部とは、幅方向についての位置が互い違いとなるように互いに距離dずらして配置されており、全体としてノズル開口部は幅方向に間隔dで設けられていることになる。
ノズル開口部から吐出されるインクが記録媒体Pに着弾すると、インクは、ノズル開口部間の間隔d(ピッチ)よりも広い範囲に広がって定着する。従って、通常では、各ノズルからインクを吐出させることで幅方向に切れ目なくインクを着弾させることが可能となる。
一方、図3(b)に示すように、何れかのノズル開口部からインクが吐出されないと、当該部分にインクが吐出されずに隙間v11が生じる。また、何れかのノズル開口部からのインク吐出方向が正常な方向に対して幅方向に傾くと、インクの着弾位置にもずれが生じて隙間v21、v22、v23が生じる。これらの隙間v11、v21〜v23の幅は、上述のインク定着範囲に応じて定まる。また、ノズル開口部からのインク吐出量が通常よりも低下した場合には、当該部分の濃度が低下する。
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置100の機能構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置100は、上述の画像形成部20及び制御部40に加えて、搬送駆動部51と、通信部61と、操作表示部62と、報知部64(報知手段)と、バス69などを備える。
画像形成部20は、上述の記録ヘッド231、232(2つ(所定数)の記録ヘッド群231T、232T)においてインク吐出に係る動作を行わせるヘッド駆動部531と、インクの加熱に係るヒーター235を動作させるヒーター駆動部535と、照射部24を動作させる照射駆動部54と、読取部25を動作させる読取駆動部55と、クリーニング部27(回復手段)及びクリーニング駆動部57などを備える。
これら画像形成部20の各構成は、CMYK4色について各々設けられている。
ヘッド駆動部531は、出力画像データや各ノズルのメンテナンスなどに係るインク吐出命令に応じて各ノズル開口部からインクを吐出させるための動作負荷、例えば、圧電素子や電熱抵抗素子などに駆動電圧を印加する信号を出力する。
ヒーター駆動部535は、上述のように、インクを所定の温度に加熱維持するためのヒーター235を動作させる。このヒーター駆動部535は、図示略の温度センサーが計測するインクの温度又はインクが貯留されるインク室の壁面温度などに基づいてヒーター235の発熱をオンオフさせることが出来る。
これらヘッド駆動部531及び記録ヘッド231、232(記録ヘッド群231T、232T)と、ヒーター駆動部535及びヒーター235は、ヘッドユニット23に含まれる。
クリーニング部27は、ヘッドユニット23のノズル面のクリーニング動作を行う。クリーニング部27は、例えば、ノズル面をワイピングする拭布部材や、ノズル面に固着したインクを削るブレード部材などを有し、通常時は、ヘッドユニット23に対して幅方向に並列に配置されて待機し、必要に応じて移動されてノズル面に当接される。
クリーニング駆動部57は、制御部40の制御によりクリーニング部27を動作させる。
通信部61は、外部の電子機器、例えば、プリンターサーバーや、パーソナルコンピューター(PC)などの各種端末装置と所定の通信プロトコルでデータの送受信を行うためのインターフェイスであり、例えば、NIC(Network Interface Card)を備える。接続方法は、LAN(Local Area Network)を介した有線又は無線による通信であっても良いし、或いは、通信部61は、USB(Universal Serial Bus)などによる外部機器との直接接続を行う接続端子とドライバーとを備えていても良い。
操作表示部62は、制御部40の制御動作に基づいて表示画面に各種メニューやステータスなどの表示を行わせ、また、ユーザーによる入力操作を受け付けて操作信号を制御部40に出力する。表示画面としては、例えば、液晶画面(Liquid Crystal Display)が用いられるがこれに限られない。また、当該表示画面に重ねてタッチセンサーを設けることで表示画面をタッチパネルとして用いることが出来る。また、操作表示部62は、電力供給状態を示すLEDランプや、主電源のオンオフを切り替えたりリセット動作を行わせたりするための押しボタンスイッチなどを備えていても良い。
報知部63は、インクジェット記録装置100のユーザーに対して所定の報知動作を行う。報知動作には、例えば、ビープ音を発生したり、ランプを点灯又は点滅させたりする動作が含まれ、ビープ音を発生させる圧電素子や点灯又は点滅させる発光ダイオード(LED)などを備える。
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)及び記憶部43(調整情報記憶手段)などを備える。
CPU41は、インクジェット記録装置100の動作に係る各種演算処理を行う。RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。
記憶部43は、CPU41による制御動作に係る制御プログラムを記憶保持し、制御プログラムは、必要に応じてCPU41により読み出され、実行される。また、記憶部43には、通信部61を介して外部から取得された出力対象の画像データや、当該画像データを処理して本実施形態のインクジェット記録装置100で画像形成に用いられるフォーマットに変換されたデータ(ラスターデータ)が一時記憶される。出力対象の画像データは、適切なタイミングでヘッド駆動部531に出力され、各ノズルからのインク吐出有無を定める。また、記憶部43に記憶されるデータには、ラスターデータの生成に際して利用される各種設定データ、例えば、吐出不良を生じている吐出不良ノズルを特定する吐出不良ノズルリスト431、及びインクの吐出位置や吐出量に当初から、即ち、ヘッドユニット23の製造時など、使用開始前からずれを生じている初期ずれノズルの存在エリア(出現範囲を示すエリア)を示す初期ずれノズルエリア情報432(初期ずれ情報)などが含まれる。また、この初期ずれノズルエリア情報432には、当該初期ずれノズルの存在エリアにおける初期ずれノズルの検出レベルの情報を含むことが出来る。この場合、後述する検査装置200における検出レベルとインクジェット記録装置100の読取部25による検出レベルとでずれが生じないように適切に調整がなされる。
記憶部43としては、高速で大容量の読み書きが可能な、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)と、電源がオフにされた期間にもデータを保持可能な不揮発性メモリーとの組み合わせが好ましく用いられる。また、インクジェット記録装置100の全体動作の制御プログラムや初期設定データは、マスクROMに記憶されていても良い。
搬送駆動部51は、制御部40の制御に基づき、記録媒体Pを媒体供給部10から画像形成部20に送り、更に媒体排出部30へ移動させる動作を行う。搬送駆動部51は、適切なタイミングで給紙トレー11から搬送部12に送り出し、画像形成ドラム21を回転モーターなどにより適切な速度で回転させながら爪部221を動作させて搬送部12から受け渡しユニット22を介して当該画像形成ドラム21の外周面に載置させることで、記録媒体Pをヘッドユニット23のノズル面と対向させながら搬送する。そして、搬送駆動部51は、適切なタイミングで記録媒体Pを画像形成ドラム21の外周面上から離別させて、デリバリー部26を介して排紙トレー31に送り出す。
これらの各部は、バス69を介して互いに接続され、データのやりとりが可能となっている。
次に、本実施形態のヘッドユニット23の各ノズルにおけるインク吐出の初期ずれ検出を行う検査装置200について説明する。
図5は、検査装置200の機能構成を示すブロック図である。
この検査装置200は、制御部2040と、出力画像生成部2045と、画像処理部2046と、搬送駆動部2051と、読取駆動部2055と、読取部2025と、照射駆動部2054と、照射部2024と、通信部2061と、操作表示部2062などを備え、上述のインクジェット記録装置100で用いられるヘッドユニット23が取り付けられて検査が行われる。
搬送駆動部2051は、検査用記録媒体をヘッドユニット23のノズル面及び読取部2025の撮像面(読取面)と対向させながら所定の速度で移動させる。
照射部2024は、照射部24と同様の構成であり、記録ヘッド231、232から検査用記録媒体に吐出されたインクを定着させるエネルギー線(紫外線)を検査用記録媒体に照射する。
照射駆動部2054は、制御部2040からの制御信号に基づいて照射部2024を動作させる。
読取部2025は、読取部25と同様のラインセンサーであり、解像度などは読取部25と同一であっても異なっていても良い。
読取駆動部2055は、読取部2025による読取動作を適切なタイミングで行わせる。
通信部2061は、検査装置200と外部機器との間で通信を行うためのインターフェイスであり、通信部61同様、例えば、NICである。
操作表示部2062は、検査装置200のユーザーに対して示す動作メニューやステータス情報を表示し、また、当該ユーザーの入力操作を受け付けて操作信号として制御部2040に出力する。操作表示部2062の具体的な構成は、操作表示部62と同一であっても異なっていても良い。
画像処理部2046は、読取部2025の読み取り動作により得られた画像データの解析処理を行い、インクの吐出量や吐出方向が所定の基準範囲から外れている初期ずれノズルや設計値から大きく外れている初期不良ノズルの検出を行う。画像処理部2046は、周波数解析部2461と、初期ずれ演算部2462などを備える。周波数解析部2461は、読み取り画像における周期的な濃度むら(図3(b)の隙間v21〜v23に対応)の抽出に係る処理を行う。初期ずれ演算部2462は、上述の周期的な濃度むらを生じている初期ずれノズルに係る情報を特定する演算処理を行う。また、画像処理部2046は、非周期的な濃度むら(図3(b)の隙間v11に対応)に基づく初期不良ノズルの検出動作を行うことが出来る。
出力画像生成部2045は、検査用画像データを生成してヘッド駆動部531に出力する。出力画像生成部2045は、検査用画像データがベクトル画像データや中間画像データの場合には、これらの取得されたデータを、中間画像を経てラスター画像データに変換する処理を行う。
制御部2040は、CPU2041と、RAM2042と、記憶部2043などを備える。CPU2041は、RAM2042を作業用のメモリー空間として用いて各種演算処理動作を行う。
記憶部2043には、各種制御プログラムや設定データと共に、ノズルの初期ずれ検出動作に係る実行プログラム、設定データ及び初期ずれノズルの検出結果などが記憶される。
設定データには、特徴周波数テーブル2433が含まれ、検出結果には、初期ずれノズルエリア情報2432が含まれる。
次に、検査装置200による初期ずれノズルの存在検出動作について説明する。
検査装置200では、インクジェット記録装置100におけるヘッドユニット23の取り付け前やヘッドユニット23の交換時などに、予め新たに用いられるヘッドユニット23における初期ずれノズルの存在検出動作が行われる。ここでは、ノズル配列の形成時や複数の記録ヘッドの支持部材への取り付け時に製造装置や組立装置の機械精度上の問題などによって生じる周期的な吐出方向のずれに伴う微細な筋や吐出量のずれに伴う濃度むらの検出動作について説明する。
図3(b)に示したように、記録ヘッド232において、直線232b上のノズル位置が微小ずれ量ddだけ正常な位置よりずれた場合、所定の濃度の画像(中間調画像)には、ノズル6本分の間隔6dごとに筋(隙間)が現れ得る。このような微小な着弾位置ずれは、ノズルからの吐出不良により完全に一ノズル分のインクが欠落した場合と比較して遥かに小さなずれ(隙間)であり、着弾誤差などに応じて同一位置に毎回必ず出現するとは限らないが、所定の空間周期で出現する確率が十分に高い。また、読取部25の読み取り精度との関係などにより、隙間に応じた濃淡がしばしば検出可能となる一方で、実際に何れのノズルから吐出されたインクの着弾位置がずれたことで筋が生じているかを特定するのが難しい。
本実施形態のインクジェット記録装置100では、出力画像において得られた濃度値の幅方向へのプロファイル(濃度分布)をフーリエ変換することで周期的な濃度むらに対応する周波数空間でのスペクトル分布におけるスペクトル強度のピークを検出する。このような隙間の出現周期は、記録ヘッド231、232やヘッドユニット23の構造に基づいて定まるものと、これらの製造装置や組立装置に応じて定まるものとが主として想定され、通常、各々に応じて出現し得る空間周期(特徴周波数)が予め特徴周波数テーブル2433に保持される。次に、当該特徴周波数に存在するスペクトル強度のピークをマスクした上で逆フーリエ変換を行い、当該周期的なむらを消した濃度値の補正プロファイル(補正分布)を得る。そして、元の濃度分布と補正分布とを比較して濃度値(輝度値)に基準以上の変化が生じている領域を検出することで、周期的な濃度変化が存在している範囲を特定する。
図6は、本実施形態の検査装置200で実行される初期ずれ検出処理の制御部2040による制御手順を示すフローチャートである。
この初期ずれ検出処理は、検査の実行担当者による操作表示部2062への入力操作により起動される。
初期ずれ検出処理が開始されると、制御部2040(CPU2041)は、出力画像生成部2045からヘッド駆動部531に初期ずれの評価用画像(検査用画像)を形成させるための制御信号を出力させてヘッドユニット23からインクを吐出させる(ステップS101)。この評価用画像は、所定の濃度の中間調画像であり、各ノズルから吐出されて記録媒体Pに着弾するインクのサイズとノズルピッチとの比などに応じて各ノズルから略同一の適切な頻度でインクを吐出させたハーフトーン画像とすることが出来る。
制御部2040は、読取駆動部2055に制御信号を送り、読取部2025を動作させて評価用画像を読み取らせる(ステップS102)。制御部2040は、初期ずれノズル検出処理を呼び出して実行し、読み取られた評価用画像データを用いて初期ずれノズルの存在エリア(初期ずれノズルエリア)を同定する(ステップS103)。制御部2040は、同定されたエリアを初期ずれノズルエリア情報2432として記憶部2043に記憶させる(ステップS104)。
そして、制御部2040は、初期ずれ検出処理を終了する。
図7は、初期ずれ検出処理で呼び出される初期ずれノズル検出処理の制御手順を示すフローチャートである。
初期ずれ検出処理が呼び出されると、制御部2040は、ステップS102の処理で読み取られた評価用画像の読取画像データを取得する(ステップS301)。制御部2040は、読取画像データの輝度値の空間分布(濃淡分布)を幅方向についてフーリエ変換して周波数スペクトルの分布を得る(ステップS302)。このとき、読取画像データが搬送方向に複数回取得されている場合には、幅方向に同一位置の輝度値を搬送方向について積算して用いても良い。
制御部2040は、特徴周波数テーブル2433を参照して、濃淡の出現周波数として想定される周波数(特徴周波数)を1つ選択し(ステップS303)、当該周波数を含む所定の周波数範囲でのスペクトル値(スペクトル強度、パワーなどでも良い)のピーク値(最大値)が所定値以上である(所定の出現基準を満たす)か否かを判別する(ステップS304)。
ピーク値が所定値以上ではないと判別された場合には(ステップS304で“NO”)、制御部2040の処理は、ステップS311に移行する。ピーク値が所定値以上であると判別された場合には(ステップS304で“YES”)、制御部2040は、当該検出周波数帯のスペクトル値をマスクする(ステップS305)。即ち、制御部2040は、得られている周波数スペクトルの分布において、選択されている周波数を含む帯域のスペクトル値を「0」とする。
制御部2040は、当該マスクがなされたスペクトル分布を逆フーリエ変換してマスクされた輝度値の実空間における空間分布(補正分布)を算出する(ステップS306)。制御部2040は、ステップS301で取得された輝度計測値の空間分布と、ステップS306の処理で得られたマスク後の補正分布とを比較し、所定の基準値(所定の差異条件)以上の差が生じたエリアを検出する(ステップS307)。この検出動作では、制御部2040は、例えば、所定の幅ごとに輝度値の移動平均をそれぞれ算出し、移動平均値の差分や比が所定の基準以上大きくなった領域を順次抽出する。
制御部2040は、差が生じたエリアが検出されたか否かを判別する(ステップS308)。検出されなかったと判別された場合には(ステップS308で“NO”)、制御部2040の処理は、ステップS310に移行する。検出されたと判別された場合には(ステップS308で“YES”)、制御部2040は、当該差が生じたエリア(初期ずれノズルエリア)の範囲及びインクの色を示す情報と、当該範囲内においてステップS304で得られた濃淡検出レベルの最大値とを初期ずれノズルエリア情報2432に記憶させる(ステップS309)。即ち、互いに分離した異なる複数のエリアで差が生じたエリアが検出された場合については、制御部40は、各々別個に初期ずれノズルエリア情報2432に記憶させる。それから、制御部2040の処理は、ステップS310に移行する。
ステップS310の処理に移行すると、制御部2040は、ヘッドユニット23の全ての画像形成範囲及びインクの色に対して現在選択されている対象周波数でのエリア検出が終了したか否かを判別する(ステップS310)。終了していないと判別された場合には(ステップS310で“NO”)、処理をステップS308に戻し、引き続き他の範囲について輝度値の差の検出を行う。
全てのエリア検出が終了したと判別された場合には(ステップS310で“YES”)、制御部2040は、特徴周波数テーブル2433に記憶された全ての特徴周波数が選択されたか否かを判別する(ステップS311)。選択されていないと判別された場合には(ステップS311で“NO”)、制御部2040は、処理をステップS303に戻し、選択されていない他の対象周波数を選択してステップS304〜S310の処理を繰り返す。
即ち、異なる周波数でそれぞれ差が生じるエリアが検出された場合には、当該エリアの重複有無に関わらず別個に初期ずれノズルエリア情報2432に記憶されることになる。
全ての特徴周波数が選択されたと判別された場合には(ステップS311で“YES”)、制御部2040は、初期ずれノズル検出処理を終了して処理を初期ずれ検出処理に戻す。
得られた初期ずれノズルエリア情報2432は、対応するヘッドユニット23がインクジェット記録装置100に装着されるのに伴ってインクジェット記録装置100の記憶部43にコピーされる。また、記憶部43とは別個にヘッドユニット23が初期ずれ情報記憶部を有し、初期ずれ検出処理の実行時に当該初期ずれ情報記憶部に初期ずれノズルエリア情報が書き込まれて保持されることとしても良い。
図8は、本実施形態の検査装置200の検査データの例を示す図である。
図8(a)は、濃淡の空間分布に係る輝度分布を示す図である。
図8(a)において、実線が読取部2025により読み取られた濃度分布の計測値を示している。濃度分布には、細かい増減が見られ、輝度値が高い部分はインクの吐出が少ない又は欠損していることを示す。
図8(b)は、空間周波数に対応する値(lp/mm)、即ち、1mm当たりのノズル数(ノズルにより形成されるライン数)に対するスペクトル強度の振幅を示す図である。
ここでは、約3.9lp/mm及びこの倍数である約7.8lp/mmの位置にピークp1、p2が見られる。約3.9lp/mmの値は、ノズル間隔で12×21.17μmに対応し、即ち、1200dpiのノズル配置においてノズル12個おき(600dpiのノズル配置においてノズル6個おき)に濃淡が生じていることが示されている。
図8(c)に示すように、この3.9lp/mmを含む範囲f1のスペクトル値をマスクしたスペクトル分布を生成し、このスペクトル分布を逆フーリエ変換することで、図8(a)の点線で示されるマスク後の濃度分布が得られる。
図8(a)の計測された濃度分布(実線)とマスク後の濃度分布(点線)とを比較すると、領域(s)において、マスク後の濃度分布の振幅に顕著な減少が見られる。従って、このエリアにおいて12ノズルおき(1200dpi)に初期ずれが生じていると同定される。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100におけるノズル不良検出動作について説明する。
図9は、吐出不良の有無を検出する不良有無検出画像の例と、吐出不良が検出された場合に吐出不良ノズルを同定するための不良ノズル特定画像の例を示す図である。
図9(a)に示すように、通常では、記録媒体Pに対して通常の形成対象の画像F(出力対象画像)が形成される際に、その余白領域に不良有無検出画像C21〜C24(所定のテスト画像)が形成されて、当該不良有無検出画像C21〜C24により各画像Fが正常に出力されたか(吐出異常の有無があるか)否かが判別される。
図9(b)に示すように、不良有無検出画像C21〜C24は、それぞれCMYK各色のハーフトーン画像(所定濃度の画像)である。このハーフトーン画像は、全てのノズルから略均等の頻度でインクが吐出されることで形成されるものであり、何れかのノズルから吐出不良が生じると、当該ノズルからのインクの欠損に対応する幅方向の位置で濃度が低下する。これにより、背景色(通常では、記録媒体Pの白色)に応じて当該位置における輝度値が上昇することで生じる濃度むらが読取部25により検出される。なお、この不良有無検出画像C21〜C24のラスター画像データは、形成対象の画像Fと共に、既に特定されて吐出不良ノズルリスト431に記憶されている吐出不良ノズルの吐出不良に対する周辺ノズルによる補完処理を行わせたものとすることが出来る。このように吐出不良ノズル及び周囲のノズルのインク吐出を調整することにより(通常、吐出不良ノズル自体からのインクは不吐出とされる)補完処理済みのラスター画像データを用いて記録媒体に画像を形成させることで、新たに発生した(及び/又は回復した)吐出不良ノズルについての濃度むらのみが検出され、また、実際に形成、出力される画像Fに対する画質の異常を検出することになる。
不良有無検出画像で濃度むらに係る異常が検出された場合には、当該異常の原因となる吐出不良ノズル(不良ノズル)を特定するための不良ノズル特定画像を形成する。
図9(c)に示すように、不良ノズル特定画像Lでは、各ノズルから吐出されるインクの着弾位置が各々分離されるように、例えば、梯子状にノズル数に応じた直線を形成する。そして、適切な位置に直線が形成されていない場合には、当該形成されなかった位置に対応するノズルが吐出不良を生じていると判定される。この場合、不良ノズル特定画像Lの各直線を形成させるノズルは、該当するヘッドユニット23の全てのノズルであっても良いし、或いは、不良有無検出画像で異常が検出された範囲を含む一部のノズルであっても良いが、後者の方がインクの消費量が抑えられ、また、不良ノズル特定画像Lのサイズを小さくすることが出来る。
ここで、上述の初期ずれによって隙間やむらが生じる場合にも不良有無検出画像における当該隙間やむらに応じた位置の輝度値が上昇し、隙間の大きさなどによっては、後発的な吐出不良と混在して検出される場合がある。そこで、本実施形態のインクジェット記録装置100では、初期ずれノズルエリア内での検出基準を当該初期ずれノズルエリア外よりも厳しくすることで、初期ずれノズルによる隙間やむらの不要な再検出を抑制する。
図10は、本実施形態のインクジェット記録装置100で実行される吐出不良検出処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
この吐出不良検出処理は、インクジェット記録装置100において通常の画像記録が行われる際に合わせて実行される。
吐出不良検出処理において、制御部40は、通常画像に対して不良有無検出画像を余白に付加して上述の補完処理が行われた画像をヘッド駆動部531により記録媒体Pに対して画像形成を行わせる(ステップS501)。制御部40は、形成された不良有無検出画像を読取部25により読み取らせ、読み取られた画像データの輝度値分布を濃淡分布として取得して不良有無検出画像の異常検出、即ち、所定の基準レベル以上の濃淡むら(輝度値)を検出する(ステップS502)。
制御部40は、不良有無検出画像において異常が検出されたか否かを判別する(ステップS503)。検出されなかったと判別された場合には(ステップS503で“NO”)、制御部40の処理は、ステップS501に戻り、次の通常画像及び不良有無検出画像の画像形成に係る処理を行う。
不良有無検出画像に異常が検出されたと判別された場合には(ステップS503で“YES”)、制御部40は、初期ずれノズルエリア情報432を参照して、検出された範囲が初期ずれノズルエリア内であるか否かを判別する(ステップS504)。初期ずれノズルエリア内ではないと判別された場合には(ステップS504で“NO”)、制御部40の処理は、ステップS507に移行する。初期ずれノズルエリア内であると判別された場合には(ステップS504で“YES”)、異常の検出基準レベル(吐出異常検出基準)を変更し(ステップS505)、再度不良有無検出画像において異常が検出されるか否かを判別する(ステップS506)。
このとき、読取部25のラインセンサーの解像度によっては、変更された検出基準レベルとして、単に濃淡の差の値を変更することに加えて又は代えて、当該濃淡の変化部分の幅を条件に加えることが出来る。ラインセンサーの解像度がノズルピッチと比較して数倍以上大きくない場合には、吐出不良ノズルからのインクが吐出されなくなると、隣り合う2つの撮像素子により得られる輝度値が続けて正常な部分を撮像する撮像素子で得られる輝度値よりも高くなるのに対し、上述の初期ずれに係る小さな隙間は、ラインセンサーの解像度に比して十分狭いので、2つの撮像素子で得られる輝度値を連続的に変化させない。
異常が検出されないと判別された場合には(ステップS506で“NO”)、制御部40の処理は、ステップS501に戻る。異常が検出されたと判別された場合には、制御部40の処理は、ステップS507に移行する。
ステップS504、S506の処理からステップS507の処理に移行すると、制御部40は、通常の形成対象画像の形成を中断して画像形成部20に不良ノズル特定画像を形成させる(ステップS507)。制御部40は、読取部25により不良ノズル特定画像を読み取らせ、読み取られた不良ノズル特定画像から吐出不良を生じている吐出不良ノズルを特定する(ステップS508)。制御部40は、当該特定された吐出不良ノズルを含めた吐出不良ノズルリスト431を更新する(ステップS509)。
制御部40は、吐出不良ノズルリスト431にリストされている吐出不良ノズル(不良ノズルの検出状況)が基準の範囲内であるか否かを判別する(ステップS510)。基準の範囲としては、吐出不良ノズルの数が形成画像の要求画質及び全ノズル数などに応じて予め設定された上限値以下であることや、吐出不良ノズルが所定数(例えば2つ)幅方向に連続して存在しないことなどが定められる。
基準の範囲内にあると判別された場合には(ステップS510で“YES”)、制御部40の処理は、ステップS501に戻る。基準の範囲内にはない(所定の第1条件を満たす、所定の第2条件を満たす)と判別された場合には(ステップS510で“NO”)、制御部40は、現在の吐出不良ノズルリスト431の記憶内容がクリーニング動作の実行後(回復動作後)のものであるか否かを判別する(ステップS511)。クリーニング動作の実行後のものではないと判別された場合には(ステップS511で“NO”)、制御部40は、クリーニング部27を動作させてノズル面のクリーニング動作を行わせる(ステップS512)。それから、制御部40の処理は、ステップS507に移行する。
クリーニング動作の実行後のものであると判別された場合には(ステップS511で“YES”)、制御部40は、報知部63に所定の報知動作を行わせたり、操作表示部62に所定の警告動作を行わせたりすることで、ヘッドユニット23の異常状態を示す報知を行わせる(ステップS513)。或いは、制御部40は、通信部61を介し、設定された管理者に宛てて電子メールを送信させたりしても良い。そして、制御部40は、吐出不良検出処理を終了する。
図11は、インクジェット記録装置100で実行される吐出不良検出処理の他の例の制御手順を示すフローチャートである。
この吐出不良検出処理では、ステップS501とステップS502の処理の間にステップS521の処理が追加され、また、ステップS504〜S506の処理が省略された点を除き上述の実施形態の吐出不良検出処理と同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS501の処理の後、制御部40は、読取部25による不良有無検出画像の読取データを取得すると共に、初期ずれノズルエリア情報432を参照して、当該初期ずれノズルエリア情報432に記憶されている初期ずれノズルの出現に係る空間周波数の情報を取得する。制御部40は、読取データにおける当該空間周波数に対応する濃淡変化をマスク(抑制)する処理を行った後に、吐出不良の有無の検出を行う(ステップS521)。制御部40は、読取データに対してトラップフィルター(帯域除去フィルター)を用いて空間周波数を含む帯域の信号のみを減衰させる処理(トラップ処理)を行うことで、当該空間周波数による濃淡変化をマスクした補正分布のデータ(補正データ)を生成する。それから、制御部40の処理は、ステップS502に移行する。なお、制御部40は、補正分布の生成範囲を、取得された濃度分布のうち初期ずれノズルが検出されているエリアの範囲に応じた一部に限っても良い。
一方、制御部40は、ステップS503の判別処理で補正された不良有無検出画像(補正画像)に基準以上の濃淡異常が検出されたと判別された場合には(ステップS503で“YES”)、処理をステップS507に移行させる。
即ち、制御部40は、予め初期ずれによる濃度分布への影響を抑制した補正分布を生成することで、不良有無検出画像による異常の検出時には、検出領域に応じた異常判断基準の変更を行わない。
以上のように、本実施形態のインクジェット記録装置100は、複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出するヘッドユニット23と、複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの存在エリアや空間周波数といった出現特性に係る初期ずれノズルエリア情報432を保持する記憶部43と、ヘッドユニット23により記録された画像を読み取る読取部25と、制御部40とを備える。制御部40は、吐出異常検出手段として、読取部25で読み取られた不良有無検出画像からインクの吐出異常の有無を検出する。このとき、吐出異常検出手段としてのCPU41は、記憶部43により保持されている初期ずれノズルエリア情報432に基づいて、初期ずれによらない吐出異常を検出する。
このように、初期ずれを生じているノズルを後発の吐出不良の検出から分離することによって、不要なクリーニングやインクの吐き捨て動作、更にはヘッドユニット23の交換といった作業が抑制される。また、軽微な初期ずれの検出に伴うノズル特定処理が省略されるので、特定の難しいノズルの特定動作に係る画像形成の中断やインク及び記録媒体の消費を抑えることが出来る。従って、ノズルの初期ずれに伴う動作効率やコストパフォーマンスの低下を抑制することが出来る。
また、初期ずれノズルエリア情報432には、初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれ、吐出異常検出手段としての制御部40は、エリア情報に基づいて、初期ずれの出現範囲内と初期ずれの出現範囲外とで吐出異常検出基準を異ならせる。
このように、初期ずれノズルが出現している範囲でのみ当該初期ずれノズルの検出への影響を抑えることで、初期ずれの不要な検出の可能性を抑えつつ、後発吐出不良の検出漏れを生じにくくすることが出来る。
また、エリア情報には、初期ずれの検出レベル情報が含まれ、吐出異常検出手段としての制御部40は、当該検出レベル情報に基づいて、初期ずれが吐出異常として検出されない吐出異常検出基準を定める。このように、具体的な初期ずれ検出レベルを用いて軽微な初期ずれと通常の後発吐出不良とを適切に分別した検出を行うことが出来る。
また、不良有無検出画像は、所定濃度の画像(ハーフトーン画像)であり、吐出異常検出手段としての制御部40は、不良有無検出画像の濃度むらに基づいて吐出異常の有無を判別する。
即ち、容易な画像で場所をとらず、初期ずれの出現に応じて柔軟に吐出異常の有無を検出することが出来るので、無駄の低減を図ることが出来る。
また、初期ずれノズルエリア情報432には、検出された初期ずれノズルの周期的な出現特性に係る空間周波数の情報が含まれ、吐出異常検出手段としてのCPU41は、読取部25により読み取られた不良有無検出画像のデータに対して空間周波数の濃度変化を抑制する処理を行った補正分布(補正データ)の濃度むらに基づいて吐出異常の有無を判別する。
このように、ヘッドユニット23における記録ヘッドなどの製造や配置などに係る周期的な初期ずれを適切にカットし、当該初期ずれの影響を軽減した補正データに基づいて吐出異常の判別を行うので、より適切に初期ずれの影響を排除しながら後発吐出不良を検出することが出来る。
また、制御部40は、取得されたプリントジョブに係る出力対象画像のヘッドユニット23による記録動作に対応して不良有無検出画像を記録させる記録制御手段として動作する。このように、吐出不良の有無のみを取得するテスト画像を出力対象画像と併せて余白などに形成させることで、記録媒体の無駄な使用を防ぎつつ出力対象画像の画質不良を確実に判定してインク吐出不良に係る不良画像を判別することが出来る。
また、初期ずれによらない吐出異常が検出された場合に、この吐出異常を生じさせている不良ノズルを特定するための不良ノズル特定画像をヘッドユニット23により形成させ、制御部40は、形成された当該不良ノズル特定画像の読取部25による読取データに基づいて不良ノズルを特定する不良ノズル特定手段として動作する。
このように、後発吐出不良が生じて必要な場合にのみ不良ノズル特定画像を生成して吐出不良ノズルを特定するので、吐出不良ノズルの特定に係る時間や記録媒体の浪費を防いで適切に後発吐出不良ノズルを検出することが出来る。
また、制御部40は、特定された吐出不良ノズル及び当該吐出不良ノズルの周辺ノズルからのインク吐出を調整することで吐出不良ノズルのインク吐出不良が補完された出力対象画像をヘッドユニット23により形成させる補完手段として動作する。このように、吐出不良ノズルにより正常に吐出されないインクを周囲のノズルからの補完動作で適切に対応すると共に、軽微な初期ずれのように補完しても画質の改善が見込めない程度のものについては、補完対象から外すことで、本当に補完が必要な吐出不良ノズルを優先的に補完することが可能となる。これにより、不要なクリーニング動作などの発生頻度を低減させてより効果的に所望の画質基準を満たした画像の形成を継続させることが出来る。
また、吐出不良ノズルのインク吐出不良を回復させるクリーニング部27を備え、制御部40は、吐出不良ノズルの検出状況が所定の第1条件を満たす場合にクリーニング部27の動作を行わせる回復制御手段として動作する。
従って、通常クリーニングでは改善されない初期ずれノズルを除外して、クリーニングで回復する後発の吐出不良ノズルの発生状況に応じて適切な間隔、タイミングでクリーニング動作を行わせることが出来、これにより、無駄なクリーニングの実施を減らすことが出来る。
また、報知動作を行う報知部63や操作表示部62を備え、回復制御手段としての制御部40は、クリーニング部27による回復動作後における吐出不良ノズルの検出状況が所定の第2条件を満たす場合に、報知部63や操作表示部62に所定の報知動作を行わせる。
従って、初期ずれの影響を排除した回復可能なはずのノズルがクリーニング動作によって十分に回復されない場合には、その旨をユーザーに知らせることで、適切なタイミングでヘッドユニット23の交換などを行わせることが出来る。
また、ヘッドユニット23は、当該ヘッドユニット23と画像が記録される記録媒体との相対移動方向(即ち、搬送方向)に垂直な幅方向について、当該記録媒体に対する画像形成可能幅に亘り、ヘッドユニット23と記録媒体との幅方向への相対移動を行わずにインクを吐出可能なラインヘッドを有する。
このように、ノズル開口部から吐出されたインクの着弾位置が記録媒体に対して直線状に相対移動するラインヘッドでは、特に細かい濃度むらが生じやすいので、本発明を適用することで効率良く適切な吐出不良の検出動作及びこれに応じた回復動作やヘッドの交換を行わせることが出来る。
また、ヘッドユニット23は、複数の記録ヘッド231、232を有する。このように記録ヘッド単位でノズル開口部の位置に偏りなどが出る場合には、エリアを限った軽微な初期ずれや周期的な初期ずれが生じやすいので、本発明を適用することで、初期ずれと吐出不良とを適切に区分けして効率良く吐出不良の検出及び対処を行うことが出来る。
また、ヘッドユニット23は、複数のノズルの開口部の間隔における幅方向成分が所定の配置間隔2dとなるように当該複数のノズルの開口部が配列された2つの記録ヘッド群231T、232Tを有し、
当該2つの記録ヘッド群231T、232Tは、全体としてノズルの開口部の間隔における幅方向成分が配置間隔2dの2分の1、即ち、間隔dとなるように相対配置されている。
或いは、ヘッドユニット23は、それぞれ幅方向に間隔2dずつ互いにずらされて3列の直線231a、231b、231c(232a、232b、232c)上に各々間隔6dで設けられたノズル開口部が、更にペアとなる記録ヘッド231、232を幅方向に距離dずつずらして設けられることで、全体として搬送方向に合計6列のノズル開口部列の各ノズルの開口部が各ノズル開口部列における配置間隔6dの6分の1の間隔dで相対配置されている。
このような配置では、製造上の機械精度の限界などにより、周期的な初期ずれが現れやすくなるので、本発明を適用することで、このような周期的な初期ずれの影響を効果的に排除して効率的且つ適切に吐出不良ノズルの検出及び対処を行うことが出来る。
また、各記録ヘッド群231T、232Tにそれぞれ属するノズルは、それぞれ異なる記録ヘッド231、232に設けられているので、このような配置では、取り付け(組み立て)誤差の影響も出現し得る。これにより、各記録ヘッド群231T、232Tにおける初期ずれが周期的により明確に出やすくなる。従って、本発明を適用することで、このような周期的な初期ずれの影響を更に効果的に排除して効率的且つ適切に吐出不良ノズルの検出及び対処を行うことが出来る。
また、複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出するヘッドユニット23を備える本実施形態のインクジェット記録装置100のインク吐出異常検出方法は、ヘッドユニット23により記録された不良有無検出画像を読み取る読取ステップ、読取ステップで読み取られた不良有無検出画像からインクの吐出異常の有無を検出する吐出異常検出ステップ、を含み、吐出異常検出ステップでは、複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの存在エリアや空間周波数といった出現特性に係る初期ずれ情報に基づいて、初期ずれによらない吐出異常を検出する。
このように、初期ずれ情報を用いて吐出不良ノズルのみを区分けして検出することで、吐出不良に係る対応をより効率良く実施してインクジェット記録装置100の動作効率の低下を抑えることが出来る。
また、複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部からインクを吐出する本実施形態のヘッドユニット23における各ノズルのインク吐出に係る初期ずれを検出する初期ずれ検出方法は、複数のノズルにより所定の濃度の中間調画像を検出用画像として記録させる検出用画像記録ステップ、検出用画像記録ステップで記録された検出用画像の濃淡分布を読み取る画像読取ステップ、画像読取ステップで読み取られた検出用画像の濃淡の空間分布に係る周波数成分を検出する周波数検出ステップ、周波数検出ステップで検出されたある周波数成分における輝度値のピーク値が所定値以上である当該周波数の濃淡分布の出現特性に係る初期ずれ情報(即ち、周波数、エリアやピーク値)を特定する初期ずれ情報特定ステップ、を含む。
このように、初期ずれノズルを個別に特定するのではなく、周期性の初期ずれ情報を予め検出することで、軽微な初期ずれ、特に、吐出方向ずれのように検出に手間やコストを要する処理を行わずに容易に必要な情報を取得することが出来る。そして、このようにして取得された情報に基づいてヘッドユニット23における吐出不良ノズルの検出動作を効率良く行うことで、インクジェット記録装置100の動作効率の低下を抑制することが出来る。
また、初期ずれ情報特定ステップで特定される初期ずれ情報には、検出された初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれる。このように、記録ヘッド単位といった局所的に生じる初期ずれの範囲情報を含むことで、初期ずれの影響を考慮した吐出不良ノズルの検出を当該出現範囲に限って行うことが可能となり、通常の吐出不良ノズルの検出に係る精度を必要以上に低下させない。
また、初期ずれ情報特定ステップでは、画像読取ステップで得られた濃淡分布と、当該濃淡分布から前記所定の出現基準を満たす濃淡分布に係る周波数成分を除去した補正分布とを比較し、所定の差異条件内で一致しない範囲を初期ずれの出現範囲として特定する。
このように、相対比較を行うことで、出現範囲の特定を容易且つ確実に行うことが出来る。
また、周波数検出ステップでは、濃淡分布をフーリエ変換することで得られるスペクトル分布において所定の基準値以上のスペクトル強度を示す周波数を検出し、初期ずれ情報特定ステップでは、スペクトル分布において当該検出された周波数のスペクトルをマスクして逆フーリエ変換を行うことで補正分布を取得する。このようにフーリエ変換を利用して周波数空間で周期性に係る検出及び比較用の補正分布を生成し、実空間で実際に初期ずれノズルの存在する範囲を求めるので、従来周知の容易な処理で必要な情報を効率取得して適切に初期ずれの出現範囲を取得することが出来る。
また、周波数検出ステップでは、ヘッドユニット23の構造に係る空間周波数及びヘッドユニット23の製造に係る空間周波数に応じた周波数を濃淡分布に生じ得る特徴周波数として予め特定し、初期ずれ情報特定ステップでは、当該特徴周波数での濃淡分布が所定の出現基準を満たす場合に前記初期ずれ情報を特定する。
従って、初期吐出不良などによる非周期的且つ大きな問題を有するノズルの影響を初期ずれの検出から分離し、周期的な初期ずれを適切に取得して吐出不良ノズルの検出に反映させることが出来る。
また、ヘッドユニット23は、画像を記録する記録媒体の画像形成ドラム21の外周面に沿った搬送方向について異なる複数の位置に記録ヘッド群231T、232Tを有し、複数の記録ヘッド群231T、232Tは、各々に複数個ずつ設けられたノズル開口部の搬送方向に垂直な幅方向についての配置間隔を記録ヘッド群231T、232Tそれぞれにおけるノズル開口部の配置間隔2dよりも狭めるように配置されており、特徴周波数には、記録ヘッド群231T、232T各々のノズル開口部の配置間隔2dが含まれる。
このように、ノズルの配列が記録ヘッドなどの配置構造に応じて周期的になっている場合には、当該周期に従って初期ずれが生じやすく、本願発明を適用することで容易且つ効果的に初期ずれを検出して吐出不良ノズルの検出に用いることが出来る。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、初期ずれとして周期的に出現し、補完の必要のない軽微なものについて検出及び対応を行う動作について説明したが、その他のもの、特に、非周期的に出現して補完が必要な初期不良ノズルについても同様に初期ずれノズルとして記憶させても良い。この場合には、出現エリア情報だけではなく、不良ノズル特定画像などを用いて初期不良ノズル自体を予め特定して、初期ずれノズルエリア情報に記憶させれば良い。このような初期不良ノズルについても従来の回復技術の適用による回復が通常では難しいので、例えば、ステップS510におけるクリーニングの実行可否に係る判別処理などで、後発的に生じた吐出不良ノズルとは別個に取り扱うこととすることが出来る。
また、例えば、ヘッドモジュールや記録ヘッドを単位として非周期的に出現し、補完は不要な初期ずれノズルに関しては、周期的に出現するものと同様に出現エリア情報と検出レベル情報とを保持させることが出来る。このような非周期的且つ軽微な初期ずれは、周波数解析ではなく、例えば、濃淡分布の移動平均などで他の領域とは有意に濃度が異なる領域を検出したり、或いは、検査者がテスト画像を視認してエリアを定めたりしても良い。
また、上記実施の形態では、初期ずれノズルエリア情報432に初期ずれノズルエリア検出時における検出レベルの情報を保持し、当該検出レベルに応じて初期ずれノズルエリア内の吐出異常検出基準を変化させたが、一律に変化させても良い。
また、上記実施の形態では、ハーフトーン画像の濃度むらを用いて吐出異常を検出することとしたが、吐出異常による所定の範囲内での濃度むらが確認出来るテスト画像であれば、ハーフトーン画像には限られず、所定のパターン画像などが形成されても良い。
また、上記実施の形態では、後発の不良ノズルに対するクリーニング動作の開始基準と交換を促す報知動作を行う基準とを同一としたが、異なる基準とすることが出来る。
また、上記実施の形態では、ラインヘッドを備え、記録媒体を搬送させながら固定されたラインヘッドからインクを吐出させるインクジェット記録装置100を例に挙げて説明したが、ヘッドユニット23を走査させながら画像を形成するインクジェット記録装置であっても、シングルパス形式のものについては同様に本発明を適用することが出来る。また、記録媒体の搬送方向に垂直な幅方向やヘッドユニットの走査方向に垂直な方向についての配列間隔が均等になっていれば、搬送方向や走査方向についての各ノズルの開口部の配置は、適宜定められて良い。例えば、ノズルの開口部は、搬送方向に対して斜めに等間隔で一次元配列されていても良い。
また、ヘッドユニット23におけるノズル開口部の配置や記録ヘッドの数及び配置は、上記実施形態で説明したものに限られない。例えば、記録ヘッド231、232がペアで構成されたものでなくても良く、配置に応じて適切に特徴周波数が定められれば良い。
また、上記実施の形態では、インクジェット記録装置100で吐出不良の検出動作を行うこととしたが、外部の読取装置や検出装置が用いられて吐出不良が検出されても良い。反対に、初期ずれの検出動作に必要な構成をインクジェット記録装置100が備える場合や、必要なハードウェアと通信部61を介した情報のやり取りが可能な場合には、インクジェット記録装置100においてヘッドユニット23が取り付けられた後に初期ずれノズルの検出が行われても良い。
また、上記実施の形態では、吐出不良ノズルの回復方法としてクリーニング部27を用いたノズル面のクリーニングを例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、通常より高い圧力でインクを吐出させるフラッシング動作によりノズル内の詰まりを併せて用いることが出来る。
また、補完画像の設定、生成は、得られた吐出不良ノズルの情報を外部に出力することで当該外部機器により行われ、当該補完済みのラスター画像データが取得されてインクジェット記録装置100により画像の記録動作が行われても良い。
その他、上記実施の形態で示した構成や制御内容及びその手順など、具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
10 媒体供給部
11 給紙トレー
12 搬送部
121、122 ローラー
123 ベルト
20 画像形成部
21 画像形成ドラム
22 受け渡しユニット
221 爪部
222 受け渡しドラム
23 ヘッドユニット
231 記録ヘッド
231a〜231c 直線
231T 記録ヘッド群
232 記録ヘッド
232a〜232c 直線
232T 記録ヘッド群
235 ヒーター
24 照射部
25 読取部
26 デリバリー部
261、262 ローラー
263 ベルト
264 受け渡しローラー
27 クリーニング部
30 媒体排出部
31 排紙トレー
40 制御部
41 CPU
42 RAM
43 記憶部
431 吐出不良ノズルリスト
432 初期ずれノズルエリア情報
51 搬送駆動部
531 ヘッド駆動部
535 ヒーター駆動部
54 照射駆動部
55 読取駆動部
57 クリーニング駆動部
61 通信部
62 操作表示部
63 報知部
69 バス
100 インクジェット記録装置
200 検査装置
2024 照射部
2025 読取部
2040 制御部
2041 CPU
2042 RAM
2043 記憶部
2432 初期ずれノズルエリア情報
2433 特徴周波数テーブル
2045 出力画像生成部
2046 画像処理部
2461 周波数解析部
2462 初期ずれ演算部
2051 搬送駆動部
2054 照射駆動部
2055 読取駆動部
2061 通信部
2062 操作表示部
P 記録媒体

Claims (21)

  1. 複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出する記録手段と、
    前記複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの出現特性に係る初期ずれ情報を保持する調整情報記憶手段と、
    前記記録手段により記録された画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段で読み取られた所定のテスト画像からインクの吐出異常の有無を検出する吐出異常検出手段と、
    を備え、
    前記吐出異常検出手段は、前記調整情報記憶手段により保持されている前記初期ずれ情報に基づいて、前記初期ずれによらない吐出異常を検出する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記初期ずれ情報には、前記初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれ、
    前記吐出異常検出手段は、前記エリア情報に基づいて、前記初期ずれの出現範囲内と当該初期ずれの出現範囲外とで吐出異常検出基準を異ならせる
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記エリア情報には、前記初期ずれの前記読取手段による検出レベル情報が含まれ、
    前記吐出異常検出手段は、当該検出レベル情報に基づいて、前記初期ずれが前記吐出異常として検出されない前記吐出異常検出基準を定める
    ことを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
    前記吐出異常検出手段は、前記テスト画像の濃度むらに基づいて前記吐出異常の有無を判別する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記テスト画像は、所定濃度の画像であり、
    前記初期ずれ情報には、検出された前記初期ずれノズルの周期的な出現特性に係る空間周波数の情報が含まれ、
    前記吐出異常検出手段は、前記読取手段により読み取られた前記テスト画像のデータに対して前記空間周波数の濃度変化を抑制する処理を行った補正データの濃度むらに基づいて前記吐出異常の有無を判別する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 取得された画像形成命令に係る出力対象画像の前記記録手段による記録動作に対応して前記テスト画像を記録させる記録制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記初期ずれによらない吐出異常が検出された場合に、前記吐出異常を生じさせている不良ノズルを特定するための不良ノズル特定画像を前記記録手段により形成させ、形成された当該不良ノズル特定画像の前記読取手段による読取データに基づいて前記不良ノズルを特定する不良ノズル特定手段を備える
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 特定された前記不良ノズル及び当該不良ノズルの周辺ノズルからのインク吐出を調整することで前記不良ノズルのインク吐出不良が補完された出力対象画像を前記記録手段により形成させる補完手段を備えることを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記不良ノズルのインク吐出不良を回復させる回復手段と、
    前記不良ノズルの検出状況が所定の第1条件を満たす場合に前記回復手段の動作を行わせる回復制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項7又は8記載のインクジェット記録装置。
  10. 報知動作を行う報知手段を備え、
    前記回復制御手段は、前記回復手段による回復動作後における前記不良ノズルの前記検出状況が所定の第2条件を満たす場合に、前記報知手段に所定の報知動作を行わせる
    ことを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記記録手段は、当該記録手段と画像が記録される記録媒体との相対移動方向に垂直な幅方向について、当該記録媒体に対する画像形成可能幅に亘り、前記記録手段と前記記録媒体との前記幅方向への相対移動を行わずにインクを吐出可能なラインヘッドを有することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記記録手段は、複数の記録ヘッドを有することを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記記録手段は、複数のノズルの開口部の間隔における所定方向成分が所定の配置間隔となるように当該複数のノズルの開口部が配列されたインク吐出ブロックを2以上の所定数有し、
    当該所定数のインク吐出ブロックは、全体として前記ノズルの開口部の間隔における前記所定方向成分が前記配置間隔の所定数分の1となるように相対配置されている
    ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  14. 異なる前記インク吐出ブロックに属するノズルは、各々異なる記録ヘッドに設けられていることを特徴とする請求項13記載のインクジェット記録装置。
  15. 複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部から各々インクを吐出する記録手段を備えるインクジェットヘッドのインク吐出異常検出方法であって、
    前記記録手段により記録された所定のテスト画像を読み取る読取ステップ、
    前記読取ステップで読み取られた前記所定のテスト画像からインクの吐出異常の有無を検出する吐出異常検出ステップ、
    を含み、
    前記吐出異常検出ステップでは、前記複数のノズルのうち、インク吐出量及びインク吐出方向の少なくとも一方に初期ずれを生じている初期ずれノズルの出現特性に係る初期ずれ情報に基づいて、前記初期ずれによらない吐出異常を検出する
    ことを特徴とするインク吐出異常検出方法。
  16. 複数のノズルが配列されて当該複数のノズルの開口部からインクを吐出する記録手段における各ノズルのインク吐出に係る初期ずれを検出する初期ずれ検出方法であって、
    前記複数のノズルにより所定の濃度の中間調画像を検出用画像として記録させる検出用画像記録ステップ、
    前記検出用画像記録ステップで記録された前記検出用画像の濃淡分布を読み取る画像読取ステップ、
    前記画像読取ステップで読み取られた前記検出用画像の濃淡の空間分布に係る周波数成分を検出する周波数検出ステップ、
    前記周波数検出ステップで検出された所定の出現基準を満たす周波数の濃淡分布の出現特性に係る初期ずれ情報を特定する初期ずれ情報特定ステップ、
    を含むことを特徴とする初期ずれ検出方法。
  17. 前記初期ずれ情報特定ステップで特定される前記初期ずれ情報には、検出された初期ずれの出現範囲を示すエリア情報が含まれることを特徴とする請求項16記載の初期ずれ検出方法。
  18. 前記初期ずれ情報特定ステップでは、前記画像読取ステップで得られた前記濃淡分布と、当該濃淡分布から前記所定の出現基準を満たす濃淡分布に係る周波数成分を除去した補正分布とを比較し、所定の差異条件内で一致しない範囲を前記初期ずれの出現範囲として特定することを特徴とする請求項17記載の初期ずれ検出方法。
  19. 前記周波数検出ステップでは、前記濃淡分布をフーリエ変換することで得られるスペクトル分布において所定の基準値以上のスペクトル強度を示す周波数を検出し、
    前記初期ずれ情報特定ステップでは、前記スペクトル分布において当該検出された周波数のスペクトルをマスクして逆フーリエ変換を行うことで前記補正分布を取得する
    ことを特徴とする請求項18記載の初期ずれ検出方法。
  20. 前記周波数検出ステップでは、前記記録手段の構造に係る空間周波数及び前記記録手段の製造に係る空間周波数に応じた周波数を前記濃淡分布に生じ得る特徴周波数として予め特定し、
    前記初期ずれ情報特定ステップでは、当該特徴周波数での濃淡分布が前記所定の出現基準を満たす場合に前記初期ずれ情報を特定する
    ことを特徴とする請求項16〜19の何れか一項に記載の初期ずれ検出方法。
  21. 前記記録手段は、画像を記録する記録媒体の所定の搬送方向について異なる複数の位置にインク吐出ブロックを有し、
    当該複数のインク吐出ブロックは、各々に複数個ずつ設けられたノズルの開口部の前記搬送方向に垂直な幅方向についての配置間隔を前記インク吐出ブロックそれぞれにおける前記複数のノズルの開口部の配置間隔よりも狭めるように配置されており、
    前記特徴周波数には、前記インク吐出ブロック各々の前記複数のノズルの開口部の配置間隔が含まれる
    ことを特徴とする請求項16〜20の何れか一項に記載の初期ずれ検出方法。
JP2015143708A 2015-07-21 2015-07-21 インクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法 Active JP6558116B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015143708A JP6558116B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 インクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015143708A JP6558116B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 インクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017024233A true JP2017024233A (ja) 2017-02-02
JP6558116B2 JP6558116B2 (ja) 2019-08-14

Family

ID=57944932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015143708A Active JP6558116B2 (ja) 2015-07-21 2015-07-21 インクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6558116B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018176468A (ja) * 2017-04-06 2018-11-15 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置
JP2019111693A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 コニカミノルタ株式会社 相対位置検出方法及びインクジェット記録装置
JP2019136926A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 コニカミノルタ株式会社 補完吐出設定方法、補完設定装置及びインクジェット記録装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02525A (ja) * 1987-11-27 1990-01-05 Canon Inc インクジェット記録装置、該装置用キャップユニットおよびインクジェットヘッドの回復方法
JP2001063008A (ja) * 1999-08-24 2001-03-13 Canon Inc 記録装置及びその制御方法、コンピュータ可読メモリ
US20070176953A1 (en) * 2006-02-02 2007-08-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus to compensate for defective nozzle of inkjet image forming device
JP2007320278A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Konica Minolta Holdings Inc ラインヘッド及びインクジェット印画装置
JP2015058602A (ja) * 2013-09-18 2015-03-30 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録装置、及び、インク吐出不良の検出方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02525A (ja) * 1987-11-27 1990-01-05 Canon Inc インクジェット記録装置、該装置用キャップユニットおよびインクジェットヘッドの回復方法
JP2001063008A (ja) * 1999-08-24 2001-03-13 Canon Inc 記録装置及びその制御方法、コンピュータ可読メモリ
US20070176953A1 (en) * 2006-02-02 2007-08-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Method and apparatus to compensate for defective nozzle of inkjet image forming device
JP2007320278A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Konica Minolta Holdings Inc ラインヘッド及びインクジェット印画装置
JP2015058602A (ja) * 2013-09-18 2015-03-30 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録装置、及び、インク吐出不良の検出方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018176468A (ja) * 2017-04-06 2018-11-15 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置
JP2019111693A (ja) * 2017-12-22 2019-07-11 コニカミノルタ株式会社 相対位置検出方法及びインクジェット記録装置
JP2019136926A (ja) * 2018-02-09 2019-08-22 コニカミノルタ株式会社 補完吐出設定方法、補完設定装置及びインクジェット記録装置
JP7073764B2 (ja) 2018-02-09 2022-05-24 コニカミノルタ株式会社 補完吐出設定方法、補完設定装置及びインクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6558116B2 (ja) 2019-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5623192B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP5158992B2 (ja) 不良記録素子の検出装置及び方法、画像形成装置
US8851618B2 (en) Inkjet printing apparatus and inkjet printing method
JP2018054560A (ja) 画像検査方法及び装置、プログラム並びに画像記録システム
JP5971151B2 (ja) 画像形成装置及びプログラム
WO2018052031A1 (ja) インクジェット記録装置及び不良ノズルの検出方法
JP6558116B2 (ja) インクジェット記録装置、インク吐出異常検出方法及び初期ずれ検出方法
JP2015145088A (ja) インクジェット記録装置及び画像形成方法
JP6417650B2 (ja) インクジェット記録装置、及び、インク吐出不良の検出方法
JP5363262B2 (ja) 画像記録装置及び画像記録方法
JP6225631B2 (ja) 画像形成装置及びプログラム
JP7062991B2 (ja) 検出装置、インクジェット記録装置及び検出方法
JP6536049B2 (ja) インクジェット記録装置及びインク吐出不良の検出方法
JP2011121293A (ja) 印刷装置、および、不良ノズル検査方法
JP2011161823A (ja) 画像処理方法、画像記録方法及び画像処理装置並びに画像記録装置
WO2018173886A1 (ja) 濃度補正プロファイル生成方法及び画像形成装置
JP5605521B1 (ja) テストパターン
JP6531484B2 (ja) 液体を吐出する装置、画像データを処理する方法、プログラム
JP2013240913A (ja) インクジェットヘッドの異常吐出の検査方法および検査装置
JP7293732B2 (ja) インクジェット記録装置及び吐出不良ノズルの補完設定方法
JP6463257B2 (ja) 画像形成システム、及び媒体仕分け方法
JP7468129B2 (ja) テスト画像データ生成装置、インクジェット記録装置及びテスト画像データ生成方法
JP2018144417A (ja) インクジェット記録装置
JP2017170862A (ja) 画像形成装置、及び画像形成方法
JP7463762B2 (ja) 画像記録装置、異常検出制御方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6558116

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150