JP2019005945A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易な構成及び手間で適正にノズルの動作不良を検出することのできるインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】インクジェット記録装置は、複数のノズルの配列と、印加電圧に応じて変形し、ノズルに各々供給されるインクに対してそれぞれ圧力変化を与える複数の圧電素子と、圧電素子への駆動電圧の印加に係る電力を供給する電力供給部と、圧電素子に対して所定の駆動電圧パターンにより周期的に駆動電圧を印加させ、駆動電圧の印加に係る電力供給部の供給電力に応じた所定の代表値を取得し、代表値に応じて求められる圧電素子の容量の異常を検出する異常検出部と、容量の異常を生じている圧電素子の変形によりインクを吐出する異常ノズルのインク吐出量を異常ノズルに隣り合って配置されている隣接ノズルのうち少なくとも一部からのインク吐出により補完させる設定を行う対応処理部と、を備える。【選択図】図8

Description

この発明は、インクジェット記録装置に関する。
従来、ノズルからインクを吐出して画像や構造などを形成するインクジェット記録装置がある。多数のノズルに対してインクを供給するインク流路に沿って圧電素子を設け、当該圧電素子に駆動電圧を印加して変形させることで、インク流路内のインクに圧力変化を与えてインクを吐出させる技術が広く用いられている。
インクジェット記録装置では、多くのノズルが配列されて同時並列的にインクの吐出が可能になっており、いずれかのノズルからのインク吐出に係る動作不良があると、記録内容の劣化が生じるという問題がある。これに対し、特許文献1では、圧電素子の変形に伴ってインク流路の壁面をなす振動板に生じる固有振動により、当該圧電素子に残留振動が生じることを利用し、当該残留振動に応じた起電力の振動を検出することで、圧電素子が適正に動作しているか否かを検出する技術について開示されている。
また、特許文献2には、各圧電素子に駆動電圧を印加する場合の当該印加電圧の立ち上がり速度に基づいて、当該圧電素子の容量や駆動回路の抵抗値の異常を検出する技術が開示されている。
特開2015−51606号公報 特開2008−62513号公報
しかしながら、判断に必要な残留振動の振幅を得るには、初期振動の振幅が十分に大きい必要があり、周辺温度などに応じて振幅調整の手間を要するという課題がある。また、圧電素子の容量は非常に小さく、この圧電素子への印加電圧の立ち上がりを十分な精度で検出するには、高い時間精度で電圧を計測可能な計測部を必要とし、構成の複雑化や高コスト化が避けられないという課題がある。
この発明の目的は、容易な構成及び手間で適正にノズルの動作不良を検出することのできるインクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
インクを吐出する複数のノズルの配列と、
印加電圧に応じて変形し、複数のノズルに各々供給されるインクに対してそれぞれ圧力変化を与える複数の圧電素子と、
前記圧電素子への駆動電圧の印加に係る電力を供給する電力供給部と、
前記圧電素子に対して所定の駆動電圧パターンにより周期的に駆動電圧を印加させ、当該駆動電圧の印加に係る前記電力供給部の供給電力に応じた所定の代表値を取得し、当該代表値に応じて求められる前記圧電素子の容量の異常を検出する異常検出部と、
前記容量の異常を生じている圧電素子の変形によりインクを吐出する異常ノズルのインク吐出量を当該異常ノズルに隣り合って配置されている隣接ノズルのうち少なくとも一部からのインク吐出により補完させる設定を行う対応処理部と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェット記録装置において、
前記異常ノズルを記憶する異常ノズル記憶部と、
所定の報知動作を行う報知部と、
を備え、
前記対応処理部は、検出された前記異常ノズルが所定の条件を満たす場合には、前記報知動作を行わせる
ことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のインクジェット記録装置において、
前記複数のノズルの各々について、前記代表値に係る履歴を記憶する履歴記憶部を備え、
前記異常検出部は、前記代表値の経時変化に基づいて、前記圧電素子の劣化状況を判断する
ことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
記録対象画像の画像データに応じて前記複数の圧電素子への駆動電圧の印加を制御する記録制御部と、
所定の吐出不良検査画像の画像データに応じた前記記録制御部の制御により、前記複数のノズルから記録媒体に対して吐出されたインクによる前記吐出不良検査画像の読取結果に基づいて、前記複数のノズルからのインク吐出不良を検出する不良検出部と、
前記複数のノズルの開口が配列されたノズル面の清掃を行う清掃部と、
を備え、
前記対応処理部は、インク吐出不良を生じている吐出不良ノズルに前記異常ノズルではないものがある場合には、所定の条件で前記清掃部により前記ノズル面の清掃を行わせる
ことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項4記載のインクジェット記録装置において、
記録媒体上に記録された前記吐出不良検査画像を読み取り可能に配置された読取部を備えることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記所定の駆動電圧パターンは、インクを前記複数のノズルから吐出させない非吐出波形であることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記電力供給部は、
電力供給を受けて所定の駆動電圧を出力する駆動電圧出力部と、
出力されている前記所定の駆動電圧に応じた電力を前記圧電素子に対して供給可能に蓄えるキャパシターと、
前記キャパシターと前記圧電素子との間の接続の状態を切り替える第1切替部と、
を備え、
前記異常検出部による前記容量の異常の検出時において、前記第1切替部により前記接続が切断されている場合における前記駆動電圧出力部による前記キャパシターの充電に係る時定数は、前記第1切替部により前記接続がなされている場合における前記キャパシターによる前記圧電素子の充電に係る時定数よりも大きい
ことを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項7記載のインクジェット記録装置において、
前記電力供給部は、
前記駆動電圧出力部からの出力電流を所定の抵抗値の抵抗素子による降下電圧に基づいて前記代表値として計測する電流計測部と、
前記出力電流が前記抵抗素子を経て出力される計測経路と当該抵抗素子を経ずに出力される直接経路とを切り替える第2切替部と、
を備え、
前記異常検出部は、前記容量の異常を検出する場合に前記計測経路により前記出力電流を出力させ、前記容量の異常を検出しない場合には前記直接経路により前記出力電流を出力させる
ことを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
前記異常検出部は、前記駆動電圧パターンによる駆動電圧の印加開始後所定時間経過した後に前記代表値を取得することを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項7又は8記載のインクジェット記録装置において、
前記異常検出部は、前記圧電素子の充電に係る前記キャパシターの放電速度と前記キャパシターの充電時における当該キャパシターの充電速度とが所定の基準差以下となった後に前記代表値を取得することを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項10記載のインクジェット記録装置において、
前記異常検出部は、複数の計測値の平均により前記代表値を取得することを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、
記録対象画像の画像データに応じて前記複数の圧電素子への駆動電圧の印加を制御する記録制御部を備え、
前記異常検出部は、記録対象画像の記録動作を繰り返し行う場合に、当該記録動作間で前記容量の異常の検出を行うことを特徴としている。
請求項13記載の発明は、請求項12記載のインクジェット記録装置において、
前記複数の圧電素子についての前記容量の異常の検出動作は、複数回の前記記録動作間に分割して行われることを特徴としている。
本発明に従うと、インクジェット記録装置において、容易な構成及び手間で無駄なく適正にノズルの動作不良を検出することができるという効果がある。
本発明の実施形態のインクジェット記録装置の全体構成を示す図である。 ヘッドユニットのノズル面を模式的に示す図である。 インクジェット記録装置の機能構成を示すブロック図である。 電力供給部及び画像記録部の電力供給回路を説明する概略図である。 電流及び電圧の変化を説明する図である。 画像記録動作の実行中に行われる場合の記録媒体上の画像記録位置について説明する図である。 インクジェット記録装置で実行されるノズル異常検出制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 ノズル異常検出制御処理の制御手順を示すフローチャートの他の例である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態のインクジェット記録装置1を示す全体斜視図である。
このインクジェット記録装置1は、搬送部10と、画像記録部20と、クリーニング部30(清掃部)と、制御部40(異常検出部、対応処理部、記録制御部、不良検出部)と、読取部60などを備える。
搬送部10は、駆動ローラー11と、搬送ベルト12と、従動ローラー13と、搬送モーター14と、押圧ローラー15と、剥がしローラー16などを有する。無端状の搬送ベルト12は、駆動ローラー11及び従動ローラー13の間で架け渡され、搬送モーター14の駆動によって駆動ローラー11が回転動作するのに従って周回移動する。この搬送ベルト12の外周面を搬送面として画像記録部20に対して所定の搬送方向に相対移動させることで、搬送面上に載置された記録媒体Pを当該搬送方向に移動させる搬送動作を行う。搬送ベルト12としては、駆動ローラー11及び従動ローラー13との接触面で柔軟に屈曲し、かつ確実に記録媒体Pを支持する材質のものが用いられ、例えば、ゴムなどの樹脂製のベルトや、スチールベルトなどが挙げられる。この搬送ベルト12は、記録媒体Pが吸着される材質及び/又は構成を有することで、より記録媒体Pを安定して搬送ベルト12に載置可能とすることが出来る。この場合、画像記録部20よりも搬送方向について下流側で記録媒体Pを搬送ベルト12から剥離させるための構成が更に設けられていても良い。
従動ローラー13は、搬送ベルト12の移動に伴って回転する。
記録媒体Pとしては、特には限られないが、ここでは搬送方向に連続した布帛などが用いられ、記録媒体P上に適宜な間隔で記録された複数の画像は、図示略の後処理装置で乾燥され、また、巻取り若しくは振り落としがなされ、及び/又は各々裁断される。
搬送モーター14は、制御部40からの制御信号に応じた回転速度で駆動ローラー11を回転動作させる。搬送モーター14は、駆動ローラー11を通常の搬送方向とは反対方向に逆回転させることも可能となっている。これにより、搬送ベルト12は、駆動ローラー11の回転速度に応じた搬送速度で記録媒体Pを搬送する。
押圧ローラー15は、搬送ベルト12の載置面に供給される記録媒体Pを当該載置面に対して押圧することでしわなどの載置面からの浮きを除去する。
剥がしローラー16は、搬送ベルト12に吸着された状態で搬送されてきた記録媒体Pを所定の圧力で引っ張ることで、記録媒体Pを搬送面から引き剥がして後処理装置へ送る。
クリーニング部30は、画像記録部20のノズル27(図3参照)やノズル開口27a(図2参照)が設けられた面(ノズル面210;図2参照、ここでは、搬送面上に載置された記録媒体Pと対向する面)のクリーニング(清掃)を行う。クリーニング部30は、例えば、不織布やブレード部材などを有し、ノズル面210に付着固化したインクや異物などを払拭する。不織布やブレード部材には、必要に応じて洗浄液などが含有、付着され得る。また、クリーニング部30は、ノズル27内のインクを吐出させることで当該ノズル内の異物や気泡などを取り除くクリーニングの実行時に吐出されたインクを回収するためのインクトレイなどを有していてもよい。クリーニング部30は、クリーニング動作を行う場合に画像記録部20と相対移動されてノズル面と対向配置される。
制御部40は、インクジェット記録装置1の各部の動作を統括制御する。
読取部60は、撮像センサーなどを備え、記録媒体Pの表面(特に、記録された記録対象画像)を撮像して読み取る動作を行う。読取部60は、画像記録部20の搬送方向について下流側かつ記録媒体Pが剥がしローラー16により搬送ベルト12から剥がされる位置よりも上流側で記録媒体Pの表面の撮像を行い、画像記録部20により記録された画像を読み取ることが可能となっている。
画像記録部20は、インクをノズル27(図3参照)から吐出して記録媒体Pの上面(搬送面に接する側とは反対側の面)に着弾(付与)させることで画像を記録(形成)する記録動作を行う。画像記録部20は、複数、ここでは、4つのヘッドユニット21Y、21M、21C、21K(以降、一部又は全部をまとめてヘッドユニット21とも記す)を有する。これらヘッドユニット21からは、図示略のインク貯留部から供給される各々異なる色のインク、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、黒色の各色のインクが吐出される。ヘッドユニット21は、いずれも搬送面に平行な面内で記録媒体Pの搬送方向と交差(ここでは直交)する幅方向に所定サイズ(上述の最大幅サイズ)の記録媒体Pの記録可能幅に亘ってノズル27(図3参照)が設けられ、インクが吐出可能となっている。
図2は、ヘッドユニット21Kのノズル面を模式的に示す図である。
なお、ヘッドユニット21C、21M、21Yも同一の構成を有するので、これらについては説明を省略する。
ヘッドユニット21Kには、底面に所定の間隔(ノズル間隔)、ここでは例えば360dpi(dot per inch)に対応して約141μm間隔でノズル開口27a(ここでは、1つのみ符号を明示)が配列された吐出ヘッド211が複数(ここでは、16個)設けられている。2個の吐出ヘッド211が組になり、各吐出ヘッド211のノズル開口27aが幅方向について交互に配置されることで、合わせて720dpi(ノズル間隔は約70.5μm)の記録解像度による画像記録が可能となっている。この吐出ヘッド211の組が更に千鳥格子状に配置されることで、幅方向に均一な間隔で上述の記録可能幅に亘ってノズル開口27aが配列されたラインヘッドを構成している。
ヘッドユニット21Kは、画像記録動作の間、ノズル面が搬送面と対向した状態で固定され、記録媒体Pの搬送に応じて搬送方向の異なる位置に所定の間隔で順次インクを吐出していくことで、ワンパス方式で画像を記録する。搬送方向についての記録解像度は、ノズル27からの吐出周波数と搬送速度などによって定まるが、上述の720dpiと等しくてもよいし、異なっていてもよい。
図3は、本実施形態のインクジェット記録装置1の機能構成を示すブロック図である。
インクジェット記録装置1は、上述の搬送部10、画像記録部20、クリーニング部30、制御部40及び読取部60に加えて、記憶部50(異常ノズル記憶部、履歴記憶部)と、通信部70と、操作表示部80(報知部)と、電力供給部90などを備える。
制御部40は、インクジェット記録装置1の全体動作を統括制御する。制御部40は、CPU41と、RAM42などを備える。CPU41は、各種演算処理を行い、制御動作に係る制御プログラムの種々の命令を実行する。制御動作には、記録対象画像の画像データに応じて搬送部10及び画像記録部20の動作(各圧電素子26への駆動電圧の印加)を制御して記録媒体に画像を記録させる処理や、各圧電素子26及び/又はノズル27の動作異常を検出する処理、検出結果に基づいてクリーニング部30を動作させる処理などが含まれる。RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一次データを記憶する。RAM42には、フラッシュメモリーなどの書き込み更新可能な不揮発性メモリーが含まれていてもよい。
記憶部50は、各種制御プログラム、設定データや記録対象の画像データ及び当該画像データの画像記録用加工データを記憶する。各種制御プログラム及び設定データは、フラッシュメモリーなどの不揮発性メモリーやHDD(Hard Disk Drive)などに記憶されるのが好ましく、記録対象の画像に係るデータは、DRAMなどの大容量高速処理が可能な揮発性メモリーなどに記憶されるのが好ましい。記憶部50は、これら不揮発性メモリー及びDRAMを有する。制御プログラムには、動作不良ノズルの検出プログラム51が含まれる。設定データには、動作不良ノズルが後述の不良原因と対応付けられた又は分類された不良ノズルリスト52と、動作不良ノズルの欠補完設定53と、各圧電素子26の容量履歴データ54(供給電力の代表値に係る履歴)などが含まれる。
搬送部10は、画像を記録する記録媒体を画像記録部20による画像記録位置に供給し、画像が記録された記録媒体を排出する。搬送部10は、画像記録位置において、画像記録部20に対して適切な位置関係で記録媒体を移動、保持させる。搬送部10は、上述のように、搬送モーター14を有し、駆動ローラー11を所定の速度で回転動作させることで搬送ベルト12上の記録媒体を移動させる。
画像記録部20は、搬送部10により供給された記録媒体上に画像記録位置においてCMYK各色のインクを吐出させて画像を記録する。画像記録部20の各吐出ヘッド211には、インクを吐出する複数のノズル27と、配列された複数のノズル27に各々連通し、当該複数のノズル27にインクを供給するインク流路の途中(圧力室)を変形させてそれぞれインクに圧力変化を与える複数の圧電素子26と、電圧を印加して、印加電圧により圧電素子26の変形動作を行わせるヘッド駆動部25などを有する。
クリーニング部30は、上述のように、不織布やブレードなどを有し、ノズル面210に対してこれらを相対移動させる駆動部を有する。また、クリーニング部30を搬送方向に移動させる機構を有し、複数のヘッドユニット21のノズル面210に対して不織布、ブレードやインクトレイを共通に利用可能とすることができる。
読取部60は、撮像センサーを有し、制御部40の制御により適切なタイミングで記録媒体Pの表面を撮像し、撮像データを制御部40に出力する。撮像センサーとしては、例えば、RGB3色で撮像可能なラインセンサーが用いられ、記録媒体Pの搬送に応じて撮像を繰り返すことで二次元画像を取得することが可能である。
通信部70は、インクジェット記録装置1と外部との間でのデータの送受信を所定の通信規格に従って制御する。通信部70には、例えば、LANによるTCP/IP接続を制御するネットワークカードなどが含まれる。通信部70を介してインクジェット記録装置1と通信を行う外部機器としては、プリントサーバー、各種PCや携帯端末などのコンピューターが挙げられる。
操作表示部80は、ユーザーなど外部からの入力操作を受け付けて、受け付けた操作内容を電気信号として制御部40に出力する操作受付部と、制御部40の制御に基づいてインクジェット記録装置1のステータス、警告表示やユーザーの入力操作に係るメニューなどを表示させる表示部とを有する。表示部としては、例えば、液晶ディスプレイが含まれ、この液晶ディスプレイにタッチセンサーが重ねて設けられてタッチパネルとして動作させることで、操作受付部として外部からの入力操作を受け付ける。操作表示部80としては、その他の構成、LEDランプや押しボタンスイッチなどが設けられていても良く、これらが併用されてもよい。また、操作表示部80は、表示部により警告表示が行われる場合などに、合わせてビープ音の発生や音声出力が可能であってもよい。
電力供給部90は、インクジェット記録装置1の各部に必要な電力を供給する。電力供給部90は、外部から電力供給を受け、DC/DC変換部95において必要な直流電圧に変換して各部に出力する。
電力供給部90は、後述のように、画像記録部20のヘッド駆動部25に対し、圧電素子の駆動電圧の印加に係る2種類の電圧VH1、VH2(直流電圧)で電力を出力(供給)可能である。電力供給部90は、これらのうち電圧VH1の供給路で電流を計測する電流検出部91(電流計測部)を有する。電流検出部91としては、所定の抵抗値の抵抗素子が回路に直列に挿入され、当該抵抗素子における降下電圧に基づいて電流値(出力電流)を計測する方式のものが用いられる。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置1における圧電素子26への電圧印加に係る回路構成について説明する。
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置1における電力供給部90及び画像記録部20の電力供給回路を説明する概略図である。ここでは、一のノズル27に対応する圧電素子26及びヘッド駆動部25への電力供給に係る構成を示すが、複数のノズル27に対応する複数の圧電素子26及びヘッド駆動部25に対して共通に電力供給を行い、各ヘッド駆動部25において各々個別に圧電素子26への供給電圧を切り替えることが可能である。
電力供給部90において、外部から入力された電力(ここでは、直流電圧で例えば24Vなど)は、DC/DC変換部95(駆動電圧出力部)により電圧VH1、VH2に変換されて各々出力される。電圧VH2の出力は2系統あり、一方は直接(電流検出部91の抵抗素子を経ない直接経路で)切替素子92(第2切替部)に入力され、他方は電流検出部91(その抵抗素子)を含む計測経路を介して切替素子92に入力される。これらのうち一方が切替素子92の切替状態に応じてヘッド駆動部25へ出力される。
電圧VH2は、切替素子92からヘッド駆動部25の第1スイッチ251(第1切替部)に入力される。第1スイッチ251との接続端と接地面との間には、第1安定化キャパシター93(キャパシター)が設けられている。電圧VH1は、ヘッド駆動部25の第2スイッチ252に入力される。第2スイッチ252との接続端と接地面との間には、第2安定化キャパシター94が設けられている。また、ヘッド駆動部25の第3スイッチ253の一端が接地されている。第1安定化キャパシター93及び第2安定化キャパシター94の容量は、圧電素子26の容量よりも十分に大きい。
ドライバー回路254には、画像データ信号と所定のクロック信号が入力され、これらの信号に応じて第1スイッチ251、第2スイッチ252及び第3スイッチ253のうちいずれか一つがオンされることにより(切替期間にいずれもオンされない期間が挟まれるように構成することもできる)、いずれかの電圧が圧電素子26の一端に供給される(第3スイッチ253がオンされた場合には、圧電素子26に蓄えられていた電荷が放電される)。圧電素子26の他端は接地されており、これにより圧電素子26には、供給された電圧が印加されることになる。ここでは、電圧VH1は、ノズル27からインクを吐出させない程度(ノズル27内でインク液面が振動する)の電圧(非吐出電圧)であり、電圧VH2は、ノズル27からインクを吐出させる電圧(吐出電圧)である。
図5は、各部における電流及び電圧の変化を説明する図である。
なお、ここでは、定性的な説明のために電流及び電圧の過渡的状況を誇張して示しており、定量的に特定の代表的な値に応じた波形を意図していない。
圧電素子26は容量性素子であるので、第1スイッチ251又は第2スイッチ252がオンされると、供給される電圧及び圧電素子26の容量に応じてDC/DC変換部95から圧電素子26の一端へ電位差に応じて、すなわち、圧電素子26の一端の電圧VaがDC/DC変換部95の出力電圧Vbと等しくなるまで一時的に圧電素子26の一端への電流Ia(>0)が流れる。また、第3スイッチ253がオンされると、圧電素子26の一端から接地面へ当該一端の電位に応じた(すなわち、圧電素子26の一端が接地電圧になるまでの)一時的な電流Ia(<0)が流れる。
第1スイッチ251又は第2スイッチ252がオンされた(接続がなされた)場合、第1安定化キャパシター93又は第2安定化キャパシター94、及びDC/DC変換部95から圧電素子26に電流が流れる。電流の大きさは、第1安定化キャパシター93、第2安定化キャパシター94と圧電素子26の電圧差、及び第1スイッチ251又は第2スイッチ252のオン抵抗などの第1安定化キャパシター93、第2安定化キャパシター94から圧電素子26にかけての回路抵抗に応じた(すなわち、これらを時定数とする)大きさとなる。DC/DC変換部95からは、出力インピーダンスに応じた出力電流が生じ、残りの電流が第1安定化キャパシター93、第2安定化キャパシター94からのものである。回路抵抗は、出力インピーダンスと比較して十分に小さいので、第1スイッチ251又は第2スイッチ252がオンされた直後の大きな電流Iaの大部分は、第1安定化キャパシター93、第2安定化キャパシター94から流れる電流となる。第1安定化キャパシター93、第2安定化キャパシター94からの放電がなされると、放電量に応じて第1安定化キャパシター93、第2安定化キャパシター94の電圧が僅かに低下する。
圧電素子26に駆動電圧が印加された後、第1スイッチ251及び第2スイッチ252がオフされると(接続が切断されている場合)、第1安定化キャパシター93、第2安定化キャパシター94の放電分の電荷がDC/DC変換部95により再充電されることになる。特に、電流検出部91を介して第1安定化キャパシター93を充電する場合には、電流検出部91の抵抗素子が他の回路抵抗などと比較して大きいことから、これらに応じた時定数(上述の圧電素子26への放電に係る時事定数より大きい)により再充電時に電流検出部91により検出される出力電流Ibがより小さくかつより長い時間継続することになる。
すなわち、第1スイッチ251は、第1安定化キャパシター93と圧電素子26との間の接続状態を切り替える。
このような構成により、圧電素子26への突入電流による一時的な電圧Vbの低下、すなわち、圧電素子26に印加される電圧Vaの低下が低減され、また、DC/DC変換部95から電流値の時間変化の小さい出力電流Ib(平均電流値Ir)が生じることになる。このような用途に必要な第1安定化キャパシター93、第2安定化キャパシター94の容量は、通常、全ての圧電素子26に対して同時に駆動電圧を印加する場合に、インク吐出性能に問題を生じさせるほどの電圧Vbの低下を生じさせない程度であり、すなわち、圧電素子26の容量と圧電素子26の数の積に対して更に1〜2桁以上大きい値である。
なお、画像記録動作時に電流検出部91の抵抗素子を介してインク吐出動作に係る駆動用の電圧VH2を多数の圧電素子26に一度に出力しようとすると、圧電素子26の数に応じて抵抗素子での発熱量が増大し、また、電圧低下の影響を低減させるための第1安定化キャパシター93の容量を更に大きくする必要が生じる。したがって、切替素子92を設けることで、電流の計測が不要な場合には、電流検出部91をバイパスさせる経路に切り替えて駆動電圧を出力するのが好ましい。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置1におけるインク吐出に係る動作不良ノズルの検出動作について説明する。
動作不良ノズルには、圧電素子26の劣化や駆動回路の断線など、ノズル27からのインク吐出を個別に回復不能なものと、ノズル27の詰まりやインク流路への気泡や異物の混入など、クリーニング動作や回復動作によってインク吐出を各々回復可能なものとがある。
インクジェット記録装置1では、記録媒体P上の余白などに定期的に所定のテスト画像(吐出不良検査画像)を記録させ、読取部60により読み取られた当該テスト画像の異常を検出することで(読取結果に基づいて)、各ノズル27からのインク吐出不良の有無を判断(検出)する。所定のテストチャートとしては、いずれのノズル27からインクが吐出されたかを識別可能に各ノズル27により各々別個の線分を記録させたラダーチャートなどが広く用いられる。この場合、上述の動作不良の原因によらず、一律にインク吐出不良のあるノズル27が検出される。
一方で、本実施形態のインクジェット記録装置1では、上述の電力供給部90の電流検出部91で出力電流Ib(供給電力に応じた代表値)を計測することにより、当該圧電素子26及びその駆動回路に異常があるか否かの検出を行う。圧電素子26及び駆動回路の異常を検出する場合には、選択された圧電素子26に対し、第2スイッチ252をオフにした状態で所定の切替周期で第1スイッチ251と第3スイッチ253を交互にオンさせて、各ノズル27に対し、周期的に非吐出電圧である電圧VH2の駆動電圧の印加有無を切り替える。これにより、選択されている圧電素子26の充放電が繰り返される(所定の駆動波形パターン)。オンオフの切替周期は、圧電素子26の充放電が十分になされる時間以上とされ、すなわち、第1スイッチ251、第3スイッチ253のオン抵抗などの回路抵抗及び圧電素子26の容量によって下限時間が定まる。回路抵抗は、圧電素子26への印加波形の鈍りが圧電素子26の動作に問題を及ぼさない範囲内となるように回路が構成される。一方で、オンオフの切替周期は、第1安定化キャパシター93の充電が終了せず、圧電素子26への放電量とバランスして適切な充電電流が継続的に流れる状況が好ましい。例えば、0.1nF〜1.0nF程度の圧電素子26に対して15V程度の電圧を印加する場合に、測定可能な出力電流Ibの電流値を得るのに適切なオンオフの切替周波数fとして10kHz程度が定められる。
具体的には、圧電素子26の容量Cpに対して電圧「0」から電圧V1まで充電するまでの仕事(すなわち、圧電素子26の電圧V1における静電エネルギー)E=Cp・V1/2を毎秒第1スイッチ251のオンオフの切替周波数fの回数実行するので、1秒当たりの仕事量、すなわち、DC/DC変換部95の供給電力量は、E・f=∫(Ib・Vb)dt〜Ir・V1となる。よって、圧電素子26の容量Cp=2・Ir/(V1・f)〜2・Ir/(V0・f)となり、容量Cpは、既知の印加電圧V0(すなわち、電圧VH2)及びオンオフの切替周波数f、並びに計測された出力電流Ibの平均電流値Irに応じて求められる。なお、実際には、計測される出力電流Ibの電流値はリップルの影響を受けて若干(±ε)変動するので、複数回出力電流Ibを計測して平均することなどにより平均電流値Irが求められる。電圧VH2及び切替周波数fが固定値である場合には、実際に容量Cpを計算せずとも、平均電流値Irが容量Cpに対応する値となる。
ここで、第1安定化キャパシター93の電圧Vbが変化すると、第1安定化キャパシター93の充放電速度(電流)も変化する。第1安定化キャパシター93の充電の速さには、当該第1安定化キャパシター93の容量及び電流検出部91の内部抵抗などの回路抵抗が影響する。また、第1安定化キャパシター93の放電には、上述の圧電素子26の充電に係る各構成が影響する。電圧Vbが高過ぎると、放電速度と比較して充電速度が遅くなり、電圧Vbが徐々に低下していく。電圧Vbが低すぎると、放電速度と比較して充電速度が速くなり、電圧Vbが徐々に上昇していく。切替周波数fでのオンオフ動作が連続してなされる場合、第1安定化キャパシター93の電圧Vbは、設定された印加電圧V0よりも僅かに低下し、放電と充電の速度がバランスする値(平衡値V1)で上下に周期変動する形で安定する。印加電圧V0から平衡値V1への低下幅は、第1安定化キャパシター93、第2安定化キャパシター94の容量に応じて圧電素子26への印加電圧(すなわち、変形動作)への影響を無視可能に小さくすることができる一方、当該容量に応じて、微小な低下により第1安定化キャパシター93の充放電速度への影響が大きくなる。したがって、充電電流の平均電流値Irの計測を行う場合には、切替周波数fでの電流検出部91を経由した検査対象の圧電素子26への電圧印加開始後、電圧Vbが平衡値V1に十分漸近する(放電速度と充電速度が基準最下になる)まで待機(所定時間経過)した後に計測を行うことで、計測精度が向上する。
このような各ノズルの検査前に待機に要する時間(待機時間trms)については、予め数式を保持し、設定された各パラメーターの値に基づいて算出されてもよいが、予めテーブルに実験値を書き込み保持させることができる。この待機時間trmsは、概ね第1安定化キャパシター93の充放電に係る応答速度、すなわち、時定数を定める当該第1安定化キャパシター93の容量と電流検出部91の抵抗素子の積に応じて定まる。第1安定化キャパシター93を可変容量として時定数を変更させることも可能であるが、容量を低下させて時定数を低下させると、出力電流Ibの計測時に平均電流値Irからのばらつき±εも大きくなるので、この場合には、出力電流Ibの計測回数を増加させて平均値の精度を向上させるなどが望ましい。
このようにして算出される圧電素子26の容量Cp(すなわち、平均電流値Ir)が基準範囲と比較して非常に小さい(「0」を含む)場合、DC/DC変換部95から圧電素子26まで(両端を含む)に断線などの不良があることが分かる。一方で、容量Cp(平均電流値Ir)が基準範囲と比較して非常に大きい場合には、DC/DC変換部95から圧電素子26までに短絡(ショート)などの通電状態不良があることが分かる。
また、算出された圧電素子26の容量Cpは、容量履歴データ54に記憶された過去の初期値や算出履歴(計時変化)と比較され、所定の基準範囲から外れた場合には、当該圧電素子26に劣化などが生じていると判断(劣化情報を判断)される。基準範囲としては、出荷前検査などで予め計測、保持された初期範囲であってもよいし、最初の所定数回の平均電流値Irに基づいて得られた値を平均したものとすることもできる。基準範囲データは、記憶部50などに記憶される。また、所定の基準範囲から外れる前でも、履歴(計時変化)に基づいてまもなく(例えば、所定の基準日数内に)基準範囲から外れることが想定される場合には、注意表示などを行わせてもよい。
これら容量Cpの異常から検出される断線、短絡や劣化などの電気系の異常は、個別には回復不能な異常であり、不良ノズルリスト52において、回復不能な異常ノズルとして記憶される。あるいは、ヘッド駆動部25により共通に駆動される複数のノズル27が同様に劣化している場合には、印加電圧V0を変更する設定を行うことで全体の調整がなされてもよい。個別に回復不能な異常ノズルがある場合、新たに生じた場合には、インクジェット記録装置1では、電気系の異常を有する圧電素子26がその変形によりインクを吐出させるノズル27(異常ノズル)の駆動を中止させ、このノズル27のインク吐出量を当該ノズル27と隣り合って配置されているノズル27(隣接ノズル)により補完的にインク吐出動作を行わせるように各ノズル27の吐出設定を行って欠補完設定53として記憶させる。なお、本実施形態のインクジェット記録装置1では、ノズル開口27aが二次元配置されており、あるノズルに対して隣り合うノズル27が幅方向について両端を除いて3〜4個存在するが、欠補完に係る補完的なインク吐出動作をこれら全ての隣り合うノズル27により行わせる必要は必ずしもなく、少なくとも一部の隣り合うノズル27によって欠補完の設定がなされればよい。
一方、上述のテストチャートを用いて吐出不良が検出されたノズル27(吐出不良ノズル)のうち、回復不能(異常ノズル)ではないものについては、回復可能と判断される。回復可能なノズル27が生じた場合には、当該回復可能なノズル27の数が少ないうちは、上述の欠補完の設定を行い、回復可能なノズル27の数がある程度増えてきたり、欠補完が困難(例えば、隣り合って配置される複数のノズル27がいずれも吐出不良となった場合など)となったりした場合(所定の条件)に、クリーニング部30を動作させてノズル面210のクリーニングを行う。あるいは、一つでも回復可能なノズル27が生じた場合には、欠補完の設定を行わずに直ちにノズル面210のクリーニングを行ってもよい。
これらの異常検出動作に係る処理は、インクジェット記録装置1の起動時(電力供給開始時)や、画像記録動作の実行中に定期的に行われる。また、プリントジョブの切り替えなどによる画像記録動作の中断中などに行われてもよい。
図6は、画像記録動作の実行中に行われる場合の記録媒体P上の画像記録位置について説明する図である。
連続した記録媒体P上に続けて記録対象画像F1、F2が記録される(記録動作が繰り返し行われる)場合、各記録対象画像F1、F2の搬送方向下流側にテストチャートC1、C2がYMCK4色のそれぞれについて帯状に形成されている。これらのテストチャートC1、C2は、必ずしも毎回全てのノズルについて吐出不良を検出可能としなくてもよく、複数個のテストチャートC1、C2などの組み合わせによって全てのノズルについての吐出不良が検出可能であってもよい。
テストチャートC2の搬送方向下流側には、前回の記録対象画像F1との間に若干の間隙M1が設けられている。この間隙M1の間(記録動作間)にインクを吐出させずに各圧電素子26の容量算出に係る電流計測動作を行わせることができる。この電流計測動作も、一つの間隙M1で全ての圧電素子26の容量を計測する必要は必ずしもなく、複数個の間隙の間に実行された複数回の電流計測動作の組み合わせで(複数回の記録動作間に分割されて)全ての圧電素子26の容量が算出されてもよい。
また、毎回全てのノズル27のインク吐出不良や圧電素子26の動作異常を識別可能とせず、複数のノズル27や圧電素子26のグループ内にインク吐出不良や動作異常があるか否かを検出可能としてもよい。グループ内にインク吐出不良や動作異常があると検出された場合に、当該グループに属する複数のノズル27や圧電素子26について各々検査を行い、インク吐出不良を生じているノズル27や動作異常を生じている圧電素子26を同定することとしてもよい。
図7は、本実施形態のインクジェット記録装置1で実行されるノズル異常検出制御処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートである。
ノズル異常検出制御処理が開始されると、制御部40は、電力供給部90に制御信号を出力し、電流検出部91を介す側に切替素子92を切り替える。制御部40は、各圧電素子26を順番に選択しながら電圧VH2の印加有無をクロック信号に応じて切り替えて電流値を電流検出部91から取得し、選択された圧電素子26の圧電容量を取得する(ステップS101)。
制御部40は、電力供給部90に制御信号を出力し、電流検出部91を介さない側に切替素子92を切り替えて、テストチャートと記録対象画像を記録媒体P上に記録させる(ステップS102)。制御部40は、記録媒体Pの搬送に合わせて読取部60に制御信号を出力し、記録されたテストチャートを読み取らせる(ステップS103)。
制御部40は、取得された圧電容量とテストチャートを解析して、吐出動作に異常のあるノズルを検出する(ステップS104)。制御部40は、不良ノズルリスト52を参照し、既知の異常ノズルの情報を取得する(ステップS105)。
制御部40は、新たに検出された異常ノズルが有るか否かを判別する(ステップS106)。ないと検出された場合には(ステップS106で“NO”)、制御部40は、ノズル異常検出制御処理を終了する。
新たに検出された異常ノズルがあると判別された場合には(ステップS106で“YES”)、制御部40は、当該異常ノズルが電気系の異常であるか否か、すなわち、テストチャートと圧電容量のいずれにおいても異常が検出されたか否かを判別する(ステップS107)。電気系の異常であると判別された場合には(ステップS107で“YES”)、当該異常ノズルに幅方向について隣り合うノズルにも異常が生じているか否かを判別する(ステップS108)。異常があると判別された場合(所定の条件)には(ステップS108で“YES”)、制御部40は、異常を示す所定の報知動作を操作表示部80などにより行わせ、異常が検出された吐出ヘッド211(又はヘッドユニット21)の交換を促す通知を行う(ステップS111)。そして、制御部40は、ノズル異常検出制御処理を終了する。
新たな異常ノズルに幅方向について隣り合うノズルに異常が生じていないと判別された場合には(ステップS108で“NO”)、制御部40は、新たな異常ノズルの使用を中止させ、当該異常ノズルに本来吐出させるインクを隣り合うノズルにより補完吐出させる設定を行う(ステップS109)。そして、制御部40は、ノズル異常検出制御処理を終了する。
ステップS107の判別処理で、新たな異常ノズルが電気系の異常によるものではないと判別された場合には(ステップS107で“NO”)、制御部40は、新たな異常ノズルに幅方向について隣り合うノズルに異常が生じているか否かを判別する(ステップS121)。隣り合うノズルに異常が生じていないと判別された場合には(ステップS121で“NO”)、制御部40は、検出されている異常ノズルの数が所定の基準数未満であるか否かを判別する(ステップS122)。基準数未満であると判別された場合には(ステップS122で“NO”)、制御部40の処理は、ステップS109に移行する。
異常ノズルの数が基準数未満ではない(基準数異常である)と判別された場合には(ステップS122で“YES”)、制御部40は、画像記録動作を中断させ、当該異常ノズルを含むヘッドユニット21のクリーニング処理をクリーニング部30により行わせる(ステップS123)。そして、制御部40は、ノズル異常検出制御処理を終了する。
ステップS121の判別処理で、隣り合うノズルにも異常があると判別された場合には(ステップS121で“YES”)、制御部40の処理は、ステップS123に移行する。
なお、ステップS106の判別処理で一度に複数のノズルに新たな異常が検出された場合には、ステップS107以降の処理を繰り返せばよい。ただし、ステップS111、S123の処理については、全ての新たな異常ノズルについての処理が終了後にまとめて行わせることができる。
図8は、ノズル異常検出制御処理の制御部40による制御手順を示すフローチャートの他の例である。
このノズル異常検出制御処理は、テストチャートの記録動作とは独立して行われるものであって、例えば、インクジェット記録装置1の起動時や、プリントジョブの切り替えなどによる画像記録動作の中断中などに行われる。
このノズル異常検出制御処理は、図7で示したノズル異常検出制御処理のうち、ステップS102、S103、S107、S122の処理が削除され、ステップS121の処理の代わりにステップS121aの処理が実行される。その他の処理内容は同一であり、同一の処理内容には同一の符号を付して説明を省略する。
制御部40は、ステップS101の処理に続いてステップS104の処理を実行する。また、制御部40は、ステップS106の判別処理で“YES”に分岐した場合には、ステップS108の処理に移行する。
ステップS108の処理で“YES”に分岐すると、制御部40は、隣り合うノズルの異常が電気系の異常であるか否かを判別する(ステップS121a)。電気系の異常ではないと判別された場合には(ステップS121aで“NO”)、制御部40の処理は、ステップS123に移行する。また、制御部40は、ステップS123の処理の後にステップS109の処理を実行する。
ステップS121aの判別処理で、隣り合うノズルの異常が電気系の異常であると判別された場合には(ステップS121aで“YES”)、制御部40の処理は、ステップS111に移行する。
以上のように、本実施形態のインクジェット記録装置1は、インクを吐出する複数のノズル27の配列と、印加電圧に応じて変形し、複数のノズル27に各々供給されるインクに対してそれぞれ圧力変化を与える複数の圧電素子26と、圧電素子26への駆動電圧の印加に係る電力を供給する電力供給部90と、制御部40とを備える。制御部40は、圧電素子26に対して所定の駆動電圧パターンにより周期的に駆動電圧を印加させ、当該駆動電圧の印加に係る電力供給部90の供給電力に応じた平均電流値Irを計測取得し、当該平均電流値Irに応じて求められる圧電素子26の容量Cpの異常を検出する異常検出部と、容量Cpの異常を生じている圧電素子26の変形によりインクを吐出する異常ノズルのインク吐出量を当該異常ノズルに隣り合って配置されている隣接ノズルのうち少なくとも一部からのインク吐出により補完させる設定を行う対応処理部と、として動作する。
このように、周期的な駆動電圧の印加を行い、その間の電力供給部90の供給電力に応じた平均電流値Irを取得して、圧電素子26の容量を見積もることで、短時間で急激に変化する圧電素子26への印加電圧や電流を計測するよりも鈍った値、特に平均化、平滑化された値を取得可能となる。したがって、計測に時間分解能の高い高精度なものを用いる必要がなくなり、また、計測の手間もより容易になる。また、これにより、ノズルの吐出不良のうち、特に電気系の異常に係る個別の回復が不能なものを識別可能になるので、不要なクリーニング処理を回避しつつ、欠補完により画質の維持を適切に図ることができる。
また、インクジェット記録装置1は、異常ノズルを不良ノズルリスト52に記憶する記憶部50と、所定の報知動作を行う操作表示部80とを備える。対応処理部としての制御部40は、検出された異常ノズルが連続して配置していたり、所定の基準数を超えたりといった所定の条件を満たす場合には、報知動作を行わせる。
このように、インクジェット記録装置1では、欠補完では画質の維持が困難な場合には速やかにユーザーにその旨報知することができるので、画質の低下に対して迅速に適切な対処が可能となり、効率良く安定した画質の画像を記録することができる。
また、記憶部50は、複数のノズル27の各々について、平均電流値Irに係る容量履歴データ54を記憶する。制御部40は、異常検出部として、平均電流値Irの経時変化に基づいて、圧電素子26の劣化状況を判断する。このように、単に圧電素子26の異常を検出するだけでなく、経年劣化を容易に判断することができるので、駆動電圧などの調整を行うのがより容易になり、また、吐出ヘッド211を交換するタイミングをより適切に判断することが可能になる。これにより、より一層のコストや手間の低減を図ることができる。
また、制御部40は、記録対象画像の画像データに応じて複数の圧電素子26への駆動電圧の印加を制御する記録制御部と、所定のテスト画像(吐出不良検査画像)の画像データに応じた記録制御部の制御により、複数のノズル27から記録媒体Pに対して吐出されたインクによる吐出不良検査画像の読取結果に基づいて、複数のノズル27からのインク吐出不良を検出する不良検出部と、として動作する。また、インクジェット記録装置1は、複数のノズル27の開口が配列されたノズル面210の清掃を行うクリーニング部30を備える。制御部40は、対応処理部として、インク吐出不良を生じている吐出不良ノズルに異常ノズルではないものがある場合には、その数などに応じた所定の条件でクリーニング部によりノズル面210の清掃を行わせる。
このように、インクジェット記録装置1では、圧電素子26の容量異常の検査と、従来のテスト画像を用いたインク吐出不良の検査とを併用することで、容易な検査でノズル面210のクリーニングの要否が判断できるので、無駄な処理を省いて速やかに適正な動作状態に戻すことができる。
また、インクジェット記録装置1は、記録媒体P上に記録された吐出不良検査画像を読み取り可能に配置された読取部60を備える。これにより、画像の記録動作と並行して容易にインク吐出不良の検査を行うことができるので、速やかにインク吐出不良や記録画像の画質低下を検出することができる。
また、所定の駆動電圧パターンは、インクを前記複数のノズルから吐出させない非吐出波形である。これにより、検査に係るインク消費、特に周期的な駆動電圧の印加による連続的なインク吐出量を低減させることができる。また、廃液トレイなどで吐出インクを別途受け止めるような動作を行わなくてよいので、記録動作の間に短時間で容易かつ適切に異常ノズル(圧電素子の容量異常)を検出することができる。したがって、記録動作の中断時間を大きくとる必要がなくなり、作業効率を向上させることができる。また、この場合、非吐出波形として駆動電圧の振幅を低下させても切替周波数fによる周期的な駆動電圧の印加により全体の電力消費、すなわち電力供給部90の供給電力(平均電流値Ir)を適切なレベルとすることができるので、必要な大きさの計測結果を得るために繊細な微調整などを必要としないこれにより、検査の手間をより軽減することができる。
また、電力供給部90は、電力供給を受けて所定の駆動電圧を出力するDC/DC変換部95と、出力されている所定の駆動電圧に応じた電力を圧電素子26に対して供給可能に蓄える第1安定化キャパシター93と、第1安定化キャパシター93と圧電素子26との間の接続状態を切り替える第1スイッチ251と、を備える。そして、制御部40による異常検出部としての容量Cpの異常の検出時において、第1スイッチ251により接続が切断されている場合におけるDC/DC変換部95による第1安定化キャパシター93の充電に係る時定数は、第1スイッチ251により接続がなされている場合における第1安定化キャパシター93による圧電素子26の充電に係る時定数よりも大きい。
すなわち、圧電素子26よりも十分に容量の大きい第1安定化キャパシター93が大きな時定数でDC/DC変換部95と圧電素子26との間に挿入されることで、DC/DC変換部95からの出力電流Ibがより平滑化され、また、出力電圧Vbの低下も微小範囲に抑えられるので、圧電素子26への印加電圧などの計測よりもより電力計測(すなわち、平均電流値Irの計測)が容易になる。これにより、圧電素子26の容量異常の判定が容易になる。
また、電力供給部90は、DC/DC変換部95からの出力電流Ibを所定の抵抗値の抵抗素子による降下電圧に基づいて平均電流値Irとして計測する電流検出部91と、出力電流Ibが抵抗素子を経て出力される計測経路と当該抵抗素子を経ずに出力される直接経路とを切り替える切替素子92とを備える。制御部40は、異常検出部として、容量Cpの異常を検出する場合に計測経路により出力電流Ibを出力させ、容量Cpの異常を検出しない場合には直接経路により出力電流Ibを出力させる。
このように、電流検出部91の抵抗素子自体が出力電流Ibにより第1安定化キャパシター93を充電する際の時定数の増大に寄与するので、追加の構成を必要とせずより容易に圧電素子26の容量異常を検出することができる。一方で、このような抵抗素子は、特に、多数のノズル27に各々対応する圧電素子26に対していっせいに駆動電圧を印加する場合などに、消費電力の増加や駆動電圧の降下の原因になるので、通常の駆動時には電流検出部91を通さないで電力を供給することで、容易な構成で消費電力の増大を防ぎつつ適切に各圧電素子26を変形動作させて、記録画像の画質に悪影響を及ぼさない。
また、制御部40は、異常検出部として、駆動電圧パターンによる駆動電圧の印加開始後所定時間経過した後に平均電流値Irを取得する。第1安定化キャパシター93の容量や印加電圧に応じて、周期的な駆動電圧の印加を開始してから、出力電流Ibが平均電流値Ir付近で安定するまで若干の遅延時間があるので、当該遅延時間を考慮して待機時間trms経過後に平均電流値Irを取得することで、より適正に容量Cp(異常ノズル)の検出を行うことができる。
また、制御部40は、異常検出部として、圧電素子26の充電に係る第1安定化キャパシター93の放電速度と当該第1安定化キャパシター93の充電時における第1安定化キャパシター93の充電速度とが所定の基準差以下となった後に平均電流値Irを取得する。
このように、待機時間trmsは、インクジェット記録装置1では十分に小さく定める(数十msecなど)ことができるので、記録動作に悪影響を及ぼさずに迅速に検査を行うことができる。
また、制御部40は、異常検出部として、複数の出力電流Ibの計測値の平均により平均電流値Irを取得する。上述のように、容量Cpよりも第1安定化キャパシター93の容量の方がはるかに大きくても、第1安定化キャパシター93の微小な電圧変化により出力電流Ibが相対的に変化し、容量Cpの算出に影響するので、当該出力電流Ibの平均値により、より正確に平均電流値Irを取得して適正な容量Cpを求めることができる。
また、制御部40は、異常検出部として、記録対象画像の記録動作を繰り返し行う場合に、当該記録動作間で容量Cpの異常の検出を行う。
このように、通常の記録動作の合間に異常検出が可能となることで、不要に時間を無駄にせず効率良く異常ノズルを検出することができる。また、記録動作ごとに異常検出を行うことで、異常発生時に速やかに画像記録を中止したり画質を維持する処理を行ったりすることができるので、画質の低下した画像を続けて記録することで無駄にする記録媒体、インクや時間を効果的に低減させることができる。
また、複数の圧電素子26についての容量Cpの異常の検出動作は、複数回の記録動作間に分割して行われる。記録動作間の時間は短いので、ノズル数によっては全ての圧電素子26の容量Cpの異常を検出するのが困難な場合もあり得る。このような場合でも、一部の圧電素子26ずつ分割して順番に検査を行っていくことで、速やかに全ての圧電素子26の検査が行われて異常ノズルが検出され、これに対して対処することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、出力電流Ibの電流計測のみを行ったが、出力電圧Vbやその変化を計測してもよい。また、電流検出部91の抵抗素子をそのまま利用する代わりに別途抵抗素子が挿入されてもよい。また、DC/DC変換部95の供給電力としてその出力電流Ibを計測することとしたが、DC/DC変換部95に供給される入力電流からDC/DC変換部95自体の消費電流などを差し引いて供給電力を算出することとしてもよい。
また、上記実施の形態では、各圧電素子26に対して各々順番に容量の異常を検出していくこととしたが、複数の圧電素子26に対してまとめて容量の異常の有無を検出し、容量の異常が検出された場合に当該複数の圧電素子26のうちいずれに問題があるかを検査する2段階の検査であってもよい。
また、上記実施の形態では、駆動波形として単に電圧VH2の供給有無のみを切り替えた矩形波を用いたが、電圧変化率の大きい台形波形状の駆動波形が出力される場合でも本発明を適用してDC/DC変換部95の供給電力から各圧電素子26の容量異常を検出してよい。
また、上記実施の形態では、出力電流Ibを計測する計測経路と計測しないバイパス経路である直接経路とを切替可能としたが、第1安定化キャパシター93の容量などに応じてバイパス直接経路が必要ない場合には、これを設けないこととしてもよい。また、上記では、第1安定化キャパシター93の容量と電流検出部91の抵抗素子とを考慮して出力電流の遅延、平滑化を考慮したが、DC/DC変換部95のインダクタンスなども考慮され得る。
また、上記実施の形態では、ラインヘッドを有し、ワンパスで連続的な記録媒体に対して画像記録を行うインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、これに限られない。記録媒体Pを搬送する動作と、停止している記録媒体Pに対して吐出ヘッド211を記録媒体Pに対して移動させながら記録媒体P上にインクを吐出させる動作とを繰り返すスキャン方式のインクジェット記録装置であってもよい。また、記録媒体は、連続的なものに限られず、枚葉紙など1又は所定数の記録対象画像ごとに区切られたものであってもよい。この場合、インクを吐出させない異常動作の検出動作は、複数の記録媒体間で行われてもよい。
また、上記実施の形態では、クリーニングとしてインク吐出面に付着した異物などを払拭する動作について説明したが、ノズル内の気泡や異物を吐出させたり吐出ヘッド211からインクタンクなどに還流させる動作などが併せて行われてもよい。
また、上記実施の形態では、読取部60を備えるインクジェット記録装置1について説明したが、別途外付けされてもよい。また、吐出不良ノズルの検出は制御部40の外部で別途行われて検出結果が取得されてもよい。
また、容量履歴データ54を保持せず、初期値と最新の値との比較のみで劣化の判断を行ってもよい。また、単純に故障などの異常のみを判断し、劣化状況の判断を行わなくてもよい。
その他、上記実施の形態で示した構成、当該構成の配置、処理の内容や手順などの具体的な細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
1 インクジェット記録装置
10 搬送部
11 駆動ローラー
12 搬送ベルト
13 従動ローラー
14 搬送モーター
15 押圧ローラー
16 剥がしローラー
20 画像記録部
21、21C、21M、21Y、21K ヘッドユニット
210 ノズル面
211 吐出ヘッド
25 ヘッド駆動部
251 第1スイッチ
252 第2スイッチ
253 第3スイッチ
254 ドライバー回路
26 圧電素子
27 ノズル
27a ノズル開口
30 クリーニング部
40 制御部
50 記憶部
51 検出プログラム
52 不良ノズルリスト
53 欠補完設定
54 容量履歴データ
60 読取部
70 通信部
80 操作表示部
90 電力供給部
91 電流検出部
92 切替素子
93 第1安定化キャパシター
94 第2安定化キャパシター
95 DC/DC変換部
Cp 容量
f 切替周波数
Ib 出力電流
Ip 電流量
Ir 平均電流値
trms 待機時間

Claims (13)

  1. インクを吐出する複数のノズルの配列と、
    印加電圧に応じて変形し、複数のノズルに各々供給されるインクに対してそれぞれ圧力変化を与える複数の圧電素子と、
    前記圧電素子への駆動電圧の印加に係る電力を供給する電力供給部と、
    前記圧電素子に対して所定の駆動電圧パターンにより周期的に駆動電圧を印加させ、当該駆動電圧の印加に係る前記電力供給部の供給電力に応じた所定の代表値を取得し、当該代表値に応じて求められる前記圧電素子の容量の異常を検出する異常検出部と、
    前記容量の異常を生じている圧電素子の変形によりインクを吐出する異常ノズルのインク吐出量を当該異常ノズルに隣り合って配置されている隣接ノズルのうち少なくとも一部からのインク吐出により補完させる設定を行う対応処理部と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記異常ノズルを記憶する異常ノズル記憶部と、
    所定の報知動作を行う報知部と、
    を備え、
    前記対応処理部は、検出された前記異常ノズルが所定の条件を満たす場合には、前記報知動作を行わせる
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記複数のノズルの各々について、前記代表値に係る履歴を記憶する履歴記憶部を備え、
    前記異常検出部は、前記代表値の経時変化に基づいて、前記圧電素子の劣化状況を判断する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
  4. 記録対象画像の画像データに応じて前記複数の圧電素子への駆動電圧の印加を制御する記録制御部と、
    所定の吐出不良検査画像の画像データに応じた前記記録制御部の制御により、前記複数のノズルから記録媒体に対して吐出されたインクによる前記吐出不良検査画像の読取結果に基づいて、前記複数のノズルからのインク吐出不良を検出する不良検出部と、
    前記複数のノズルの開口が配列されたノズル面の清掃を行う清掃部と、
    を備え、
    前記対応処理部は、インク吐出不良を生じている吐出不良ノズルに前記異常ノズルではないものがある場合には、所定の条件で前記清掃部により前記ノズル面の清掃を行わせる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 記録媒体上に記録された前記吐出不良検査画像を読み取り可能に配置された読取部を備えることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記所定の駆動電圧パターンは、インクを前記複数のノズルから吐出させない非吐出波形であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記電力供給部は、
    電力供給を受けて所定の駆動電圧を出力する駆動電圧出力部と、
    出力されている前記所定の駆動電圧に応じた電力を前記圧電素子に対して供給可能に蓄えるキャパシターと、
    前記キャパシターと前記圧電素子との間の接続の状態を切り替える第1切替部と、
    を備え、
    前記異常検出部による前記容量の異常の検出時において、前記第1切替部により前記接続が切断されている場合における前記駆動電圧出力部による前記キャパシターの充電に係る時定数は、前記第1切替部により前記接続がなされている場合における前記キャパシターによる前記圧電素子の充電に係る時定数よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記電力供給部は、
    前記駆動電圧出力部からの出力電流を所定の抵抗値の抵抗素子による降下電圧に基づいて前記代表値として計測する電流計測部と、
    前記出力電流が前記抵抗素子を経て出力される計測経路と当該抵抗素子を経ずに出力される直接経路とを切り替える第2切替部と、
    を備え、
    前記異常検出部は、前記容量の異常を検出する場合に前記計測経路により前記出力電流を出力させ、前記容量の異常を検出しない場合には前記直接経路により前記出力電流を出力させる
    ことを特徴とする請求項7記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記異常検出部は、前記駆動電圧パターンによる駆動電圧の印加開始後所定時間経過した後に前記代表値を取得することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記異常検出部は、前記圧電素子の充電に係る前記キャパシターの放電速度と前記キャパシターの充電時における当該キャパシターの充電速度とが所定の基準差以下となった後に前記代表値を取得することを特徴とする請求項7又は8記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記異常検出部は、複数の計測値の平均により前記代表値を取得することを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録装置。
  12. 記録対象画像の画像データに応じて前記複数の圧電素子への駆動電圧の印加を制御する記録制御部を備え、
    前記異常検出部は、記録対象画像の記録動作を繰り返し行う場合に、当該記録動作間で前記容量の異常の検出を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記複数の圧電素子についての前記容量の異常の検出動作は、複数回の前記記録動作間に分割して行われることを特徴とする請求項12記載のインクジェット記録装置。
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