JP5263176B2 - 制御装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本明細書では、印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置を開示する。
特許文献1及び2には、画像データによって表わされる画像を印刷媒体に印刷するプリンタが開示されている。このプリンタは、副走査方向に沿って搬送される印刷媒体に接触することによって、印刷媒体を支持する接触部を有するプラテンを備える。プラテンには、接触部の副走査方向の下流端よりも下流側に、印刷媒体に接触しない溝部が形成されている。印刷ヘッドに形成された複数個のノズルは、印刷ヘッドが主走査方向に搬送される過程において、プラテンの接触部に対向する第1のノズル群と、プラテンの溝部に対向する第2のノズル群と、を含む。この技術では、画像のうちの中央である中央画像を、印刷媒体の副走査方向の中央領域に形成する場合に、第1及び第2のノズル群からインク滴を吐出させる。さらに、画像のうちの端部である端部画像を、印刷媒体の副走査方向の上流側又は下流側の端部領域に形成する場合に、第2のノズル群のみからインク滴を吐出させる。このようにすると、仮に、印刷媒体の搬送誤差によって、第2のノズル群に対応する位置に印刷媒体が存在しない状態で、端部画像を印刷するためのインク滴が第2のノズル群から吐出されても、そのインク滴が、プラテンの接触部に付着せずに、プラテンの溝部に付着する。プラテンの接触部にインク滴が付着しないために、印刷媒体が接触部に接触しても、印刷媒体が汚れない。
特開2002−103584号公報 特開2004−34722号公報
印刷媒体に印刷される画像の画質を向上させることが求められている。本明細書では、高画質の画像を印刷し得る技術を提供する。
本明細書では、印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置を開示する。印刷実行部は、印刷ヘッドと、ヘッド搬送部と、ヘッド駆動部と、媒体搬送部と、媒体支持部と、制御部と、を備える。印刷ヘッドには、複数個のノズルが第1方向に沿って形成されている。ヘッド搬送部は、印刷ヘッドを第2方向に沿って搬送する。ヘッド駆動部は、印刷ヘッドを駆動することによって、複数個のノズルから液滴を吐出させる。媒体搬送部は、印刷媒体を第1方向に沿って上流側から下流側に向けて搬送する。媒体支持部は、第1方向に沿って搬送される印刷媒体に接触することによって、印刷媒体を支持する接触部を備える。制御部は、ヘッド搬送部と、ヘッド駆動部と、媒体搬送部と、を制御する。複数個のノズルは、第1方向の上流側に配置された上流側ノズル群と、第1方向の下流側に配置された下流側ノズル群と、を含む。印刷ヘッドと媒体支持部とは、印刷ヘッドが第2方向に沿って搬送される過程において、上流側ノズル群が接触部に対向し、下流側ノズル群が接触部に対向しないように、構成される。制御装置は、生成部と、供給部と、を備える。生成部は、印刷実行部が、特定の画像データによって表わされる特定の画像を印刷媒体上に形成するために、印刷実行部の制御部によって用いられる制御データを生成する。供給部は、制御データを、印刷実行部の制御部に供給する。
本明細書によって開示される一つの態様では、生成部は、以下のようにして制御データを生成してもよい。即ち、生成部は、印刷実行部が、特定の画像のうちの端部である端部画像を、印刷媒体上の第1方向の下流側の端部領域に形成する第1の場合に、媒体搬送部が、第1の搬送量で印刷媒体を第1方向に沿って搬送すると共に、ヘッド駆動部が、複数個のノズルのうちの下流側ノズル群のみから上記の下流側の端部領域に向けて液滴を吐出させるように、制御データを生成してもよい。生成部は、印刷実行部が、特定の画像のうちの中央部である中央画像を、印刷媒体上の第1方向の中央領域に形成する第2の場合に、媒体搬送部が、第1の搬送量よりも大きい第2の搬送量で印刷媒体を第1方向に沿って搬送すると共に、ヘッド駆動部が、上流側ノズル群と下流側ノズル群とを含む複数個のノズルから中央領域に向けて液滴を吐出させるように、制御データを生成してもよい。生成部は、第1の場合に、上流側ノズル群に属する第1ノズルが、中央画像のうちの一部である特定の部分を中央領域に形成するための液滴を吐出可能であるにも関わらず、ヘッド駆動部が、特定の部分を中央領域に形成するための液滴を、第1ノズルから吐出させないように、制御データを生成してもよい。生成部は、第2の場合に、ヘッド駆動部が、第1ノズルによって形成されなかった特定の部分を中央領域に形成するための液滴を、下流側ノズル群に属する第2ノズルから吐出させるように、制御データを生成してもよい。
端部画像が印刷される場合には、液滴を吐出するノズルの数(以下では「使用ノズル数」と呼ぶ)は、通常、中央画像が印刷される場合よりも少なく設定される。端部画像と中央画像とが連続的に印刷される場合に、使用ノズル数が急激に変化すると、各ノズルからの液滴の吐出量が変動してしまい、この結果、印刷済みの画像の画質が低下し得る。上記の構成を採用すれば、端部画像と中央画像とが連続的に印刷される場合に、使用ノズル数が急激に変化するのを抑制し得るため、印刷済みの画像の画質を向上し得る。
本明細書によって開示される一つの態様では、生成部は、以下のようにして制御データを生成してもよい。即ち、生成部は、印刷実行部が、特定の画像のうちの中央部である中央画像を、印刷媒体上の第1方向の中央領域に形成する第3の場合に、媒体搬送部が、第3の搬送量で印刷媒体を第1方向に沿って搬送すると共に、ヘッド駆動部が、上流側ノズル群と下流側ノズル群とを含む複数個のノズルから中央領域に向けて液滴を吐出させるように、制御データを生成してもよい。生成部は、印刷実行部が、特定の画像のうちの端部である端部画像を、印刷媒体上の第1方向の上流側の端部領域に形成する第4の場合に、媒体搬送部が、第3の搬送量よりも小さい第4の搬送量で印刷媒体を第1方向に沿って搬送すると共に、ヘッド駆動部が、複数個のノズルのうちの下流側ノズル群のみから上記の上流側の端部領域に向けて液滴を吐出させるように、制御データを生成してもよい。生成部は、第3の場合に、上流側ノズル群に属する第1ノズルが、中央画像のうちの一部である特定の部分を中央領域に形成するための液滴を吐出可能であるにも関わらず、ヘッド駆動部が、特定の部分を中央領域に形成するための液滴を、第1ノズルから吐出させないように、制御データを生成してもよい。生成部は、第4の場合に、ヘッド駆動部が、第1ノズルによって形成されなかった特定の部分を中央領域に形成するための液滴を、下流側ノズル群に属する第2ノズルから吐出させるように、制御データを生成してもよい。
上記の構成を採用すれば、端部画像と中央画像とが連続的に印刷される場合に、使用ノズル数が急激に変化するのを抑制し得るため、印刷済みの画像の画質を向上し得る。
なお、上記の印刷実行部と、上記の制御装置と、を備えるプリンタも、新規で有用である。さらに、上記の制御装置を実現するための制御方法、及び、コンピュータプログラムも、新規で有用である。
印刷システムの構成を示す。 印刷実行部の一部の構成を示す。 印刷実行部の一部の斜視図を示す。 PCが実行する処理のフローチャートを示す。 実施例の下流端印刷が実行される様子を示す。 比較例の下流端印刷が実行される様子を示す。 実施例の上流端印刷が実行される様子を示す。 比較例の上流端印刷が実行される様子を示す。 実施例及び比較例の下流端印刷で使用されるノズル数の変化を示す。 実施例及び比較例の上流端印刷で使用されるノズル数の変化を示す。
(システムの構成)
図面を参照して実施例を説明する。図1は、本実施例の印刷システム2の概略図を示す。印刷システム2は、LAN4とプリンタ10とPC100とを備える。プリンタ10とPC100とは、LAN4に接続されている。プリンタ10とPC100とは、LAN4を介して、相互に通信可能である。
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、記憶部12と、ネットワークインターフェイス18と、印刷実行部20と、を備える。記憶部12は、ワーク領域14を備える。ワーク領域14は、制御部80が処理を実行する過程で生成される様々なデータを記憶する。記憶部12は、さらに、印刷実行部20の制御部80によって実行される様々なプログラム16を記憶する。印刷実行部20は、印刷ヘッド30と、ヘッド搬送部40と、ヘッド駆動部50と、媒体搬送部60と、媒体支持部70と、制御部80と、を備える。これらの各部30〜80の構成について、図2及び図3を参照しながら説明する。
図2に示されるように、印刷ヘッド30は、インク流路ユニット32と、アクチュエータユニット34と、を備える。インク流路ユニット32の下面には、インク滴を吐出するための複数個(本実施例では9個)のノズルN1〜N9が形成されている。詳しくは後述するが、印刷媒体90は、図2の右側から左側に向けて搬送される。印刷媒体90の搬送方向(即ち図2の左方向)のことを「副走査方向」と呼ぶ。複数個のノズルN1〜N9は、副走査方向に沿って等間隔で形成されている(即ち副走査方向に沿って等間隔で並んでいる)。なお、本実施例では、複数個のノズルN1〜N9が副走査方向に沿って一直線上に形成されているが、別の実施例では、複数個のノズルN1〜N9が一直線上に形成されていなくてもよい。インク流路ユニット32には、さらに、複数個(本実施例では9個)の圧力室C1〜C9が形成されている。複数個の圧力室C1〜C9には、所定の色(例えばブラック)のインクが満たされる。複数個のノズルN1〜N9のそれぞれは、異なる1個の圧力室C1〜C9に連通している。
アクチュエータユニット34は、インク流路ユニット32の上面に接合されている。アクチュエータユニット34は、積層体35と、複数個(本実施例では9個)の個別電極I1〜I9と、を備える。積層体35は、複数枚の圧電シートと、共通電極シートと、が積層されたものである。各圧電シート及び共通電極シートは、1枚のシートによって構成されており、複数個の圧力室C1〜C9の全てを跨ぐように配置されている。積層体35の上面に、複数個(本実施例では9個)の個別電極I1〜I9が配置されている。複数個の個別電極I1〜I9のそれぞれは、異なる1個の圧力室C1〜C9に対応する位置に配置されている。アクチュエータユニット34を構成する個別電極(例えばI1)に、後述の駆動回路52から駆動信号が供給されると、当該個別電極に対応する積層体35の部分(例えば図2の2本の破線の内側の部分)が変形し、この結果、当該部分に対向する圧力室(例えばC1)内の圧力が変化する。これにより、当該圧力室に連通するノズル(例えばN1)からインク滴が吐出される。
ヘッド搬送部40(図1参照)は、図3に示されるように、キャリッジ42と、ベルト44と、一対のプーリ(図3では一方のプーリ46のみを示す)と、キャリッジモータ48と、を備える。キャリッジ42は、印刷ヘッド30を支持する。印刷ヘッド30は、キャリッジ42に着脱可能に搭載される。ベルト44は、キャリッジ42に接合されている。ベルト44は、無端ベルトであり、一対のプーリ46の間に架けられている。キャリッジモータ48は、プーリ46に接続されている。キャリッジモータ48が駆動されると、プーリ46が回転し、プーリ46に接続されているベルト44が回転する。これにより、ベルト44に接続されているキャリッジ42と、キャリッジ42によって支持されている印刷ヘッド30と、が移動する。プーリ46が正逆に選択的に回転することによって、キャリッジ42が往復移動する。キャリッジ42の往復移動方向、即ち、印刷ヘッド30の往復移動方向のことを「主走査方向」と呼ぶ。主走査方向は、副走査方向に直交する方向である。即ち、主走査方向は、図2の紙面垂直方向である。本実施例では、印刷ヘッド30が1回の往復移動を行うことを「1回の主走査」と呼ぶ。1回の主走査の往路の間に、印刷ヘッド30に形成された各ノズルN1〜N9からインク滴が吐出され、1回の主走査の復路の間に、各ノズルN1〜N9からインク滴が吐出されない。なお、別の実施例では、印刷ヘッド30の1回の往復移動の往路と復路の両方の間に、各ノズルN1〜N9からインク滴が吐出されてもよい。この場合、印刷ヘッド30の1回の往復移動のうち、往路と復路のそれぞれを「1回の主走査」と呼ぶことができる。
ヘッド駆動部50(図1参照)は、図2に示されるように、駆動回路52を備える。駆動回路52は、複数個の個別電極I1〜I9に接続されている。駆動回路52は、各個別電極I1〜I9に駆動信号を供給する。これにより、印刷ヘッド30が駆動され、各ノズルN1〜N9からインク滴が吐出される。
媒体搬送部60(図1参照)は、図2に示されるように、上流側搬送部62,66と、下流側搬送部64,68と、を備える。上流側搬送部62,66は、一対の上流側ローラ62と、一対の上流側ローラ62のうちの一方のローラに接続された上流側モータ66と、を備える。上流側ローラ62は、副走査方向(図2の左方向)において、印刷ヘッド30よりも上流側に配置されている。下流側搬送部64,68は、一対の下流側ローラ64と、一対の下流側ローラ64のうちの一方のローラに接続された下流側モータ68と、を備える。下流側ローラ64は、副走査方向において、印刷ヘッド30よりも下流側に配置されている。上流側モータ66及び下流側モータ68が駆動されると、上流側ローラ62及び下流側ローラ64が回転する。印刷媒体90は、図示省略の給紙トレイから、上流側ローラ62に送られる。次いで、印刷媒体90は、上流側ローラ62のみによって副走査方向に送られる。印刷媒体90が下流側ローラ64に到達すると、印刷媒体90は、上流側ローラ62及び下流側ローラ64の両方によって副走査方向に送られる。印刷媒体90が上流側ローラ62から離れると、印刷媒体90は、下流側ローラ64のみによって副走査方向に送られ、図示省略の排紙トレイに排紙される。
印刷媒体90が印刷ヘッド30の下方を通過する過程で、印刷ヘッド30に形成された複数個のノズルN1〜N9からインク滴が吐出され、印刷媒体90に画像が印刷される。印刷媒体90が下流側ローラ64に到達する前に、印刷媒体90への印刷が開始される。従って、印刷媒体90が、上流側ローラ62によって支持され、下流側ローラ64によって支持されていない状態で、印刷媒体90の副走査方向の下流側の端部(図2の左端部)が印刷される。また、印刷媒体90が下流側ローラ64に到達した後であって、印刷媒体90が上流側ローラ62から離れた後にも、印刷媒体90への印刷が実行される。従って、印刷媒体90が、下流側ローラ64によって支持され、上流側ローラ62によって支持されていない状態で、印刷媒体90の副走査方向の上流側の端部(図2の右端部)が印刷される。
媒体支持部70(図1参照)は、図2に示されるように、印刷ヘッド30の下方に配置されている。媒体支持部70は、上流側ローラ62と下流側ローラ64との間に配置されている。媒体支持部70は、印刷ヘッド30が主走査方向に移動する過程で、印刷ヘッド30に対向する。媒体支持部70は、ベース部72と、複数の凸部74と、を備える。ベース部72は、略板形状を有する。図3に示されるように、複数個(本実施例では2個)の凸部74は、ベース部72の上面から上方に突出している。ベース部72と各凸部74とは、一体に構成されていてもよいし、別体に構成されていてもよい。各凸部74は、上流側ローラ62より下流側に搬送された印刷媒体90に接触することによって、印刷媒体90を支持する。ベース部72には、印刷媒体90が接触しない。ベース部72の上面には、図示省略のインク吸収体が配置されている。各凸部74は、副走査方向に沿って伸びている。図2から明らかなように、各凸部74の副走査方向の上流端(図2の右端)は、ノズルN1を越えて、上流側(図2の右側)に配置されている。より具体的に言うと、各凸部74の副走査方向の上流端は、印刷ヘッド30の上流端を越えて、上流側に配置されている。即ち、各凸部74は、印刷ヘッド30が主走査方向に移動する過程で、印刷ヘッド30と対向しない部分(即ち複数個のノズルN1〜N9と対向しない部分)を含む。各凸部74の副走査方向の下流端(図2の左端)は、印刷ヘッド30のノズルN4とノズルN5との間に配置されている。従って、印刷ヘッド30が主走査方向に移動する過程で、上流側に配置された4個のノズルN1〜N4は、各凸部74に対向し、下流側に配置された5個のノズルN5〜N9は、各凸部74に対向しない。以下では、各凸部74に対向する4個のノズルN1〜N4のことを「上流側ノズル群NU」と呼び、各凸部74に対向しない5個のノズルN5〜N9のことを「下流側ノズル群ND」と呼ぶ。
制御部80(図1参照)は、記憶部12に記憶されたプログラム16に従って、様々な処理を実行する。制御部80は、PC100から供給される後述の制御データを用いて、ヘッド搬送部40のキャリッジモータ48(図3参照)と、ヘッド駆動部50の駆動回路52(図2参照)と、媒体搬送部60のモータ66,68(図2参照)と、を制御する。
(PC100の構成)
PC100は、ネットワークインターフェイス102と、操作部104と、表示部106と、記憶部110と、制御装置120と、を備える。ネットワークインターフェイス102は、LAN4に接続されている。操作部104は、マウスとキーボードとによって構成される。ユーザは、操作部104を操作することによって、様々な指示をPC100に入力することができる。表示部106は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。
記憶部110は、ワーク領域112を備える。ワーク領域112は、例えば、印刷対象のデータを記憶する。印刷対象のデータは、例えば、PC100内のアプリケーション(例えばワープロソフト)によって生成されるデータであってもよいし、外部装置(インターネット上のサーバ、持ち運び可能な記憶媒体等)から取得されるデータであってもよい。ワーク領域112は、さらに、後述の制御装置120が処理を実行する過程で生成される様々なデータを記憶する。記憶部110は、さらに、プリンタ10のためのプリンタドライバ114を記憶する。プリンタドライバ114は、プリンタ10に様々な指示(例えば印刷指示)を送信するためのソフトウェアである。プリンタドライバ114は、例えば、プリンタドライバ114を格納しているコンピュータ読取可能媒体からPC100にインストールされてもよいし、インターネット上のサーバからPC100にインストールされてもよい。
制御装置120は、記憶部110に格納されているプログラム(例えばプリンタドライバ114)に従って、様々な処理を実行する。制御装置120がプリンタドライバ114に従って処理を実行することによって、生成部122及び供給部124の機能が実現される。生成部122は、プリンタ10の制御部80によって用いられる制御データを生成する。供給部124は、生成部122によって生成される制御データを、プリンタ10の制御部80に供給する。
(PC100が実行する処理)
次いで、PC100の制御装置120が実行する処理について説明する。ユーザは、所望のデータを選択し、当該データによって表わされる画像を印刷するための操作を操作部104に加えることができる。上記の操作は、ユーザが所望の印刷解像度を選択する操作を含む。なお、本実施例では、RGBのビットマップ形式の画像データ(以下では「RGB画像データ」と呼ぶ)がユーザによって選択されたものとして、処理の内容を説明する。他の形式のデータ(例えば、テキストデータ、RGB以外のビットマップ形式の画像データ、テキストとビットマップとの複合データ等)が選択された場合には、制御装置120は、ユーザによって選択されたデータを、公知の手法を用いて、RGB画像データに変換する。制御装置120は、上記の操作が実行されると、プリンタドライバ114に従って、図4のフローチャートに示される処理を実行する。
制御装置120の生成部122(図1参照)は、RGB画像データを取得する(S10)。次いで、生成部122は、公知の手法を用いて、RGB画像データに対して解像度変換処理を実行することによって、変換済みRGB画像データ150を生成する(S12)。S12では、生成部122は、RGB画像データを、ユーザによって選択された印刷解像度に応じた解像度に変換する。変換済みRGB画像データ150は、複数行及び複数列を構成する複数個の画素を含む。なお、図4のS12内の左右方向に沿って並ぶ複数個の画素によって1個の行が構成され、図4のS12内の上下方向に沿って並ぶ複数個の画素によって1個の列が構成される。各画素は、R値と、G値と、B値と、によって構成される。R値、G値、B値は、それぞれ、256階調(0〜255)の多値データである。なお、本実施例では、変換済みRGB画像データ150の複数行が並ぶ方向(S12内の上下方向)が、印刷媒体90の副走査方向に対応し、変換済みRGB画像データ150の複数列が並ぶ方向(S12内の左右方向)が、印刷媒体90の副走査方向に直交する方向(即ち主走査方向)に対応する。即ち、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像のS12内の上下方向が、副走査方向に沿って表現され、かつ、当該画像のS12内の左右方向が、主走査方向に沿って表現されるように、当該画像が印刷媒体90上に印刷される。しかも、本実施例では、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像のS12内の上方向が、副走査方向の下流方向に対応し、当該画像のS12内の下方向が、副走査方向の上流方向に対応する。即ち、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像のうち、S12内の上側の画像(例えば符号DEIの部分)が、印刷媒体90上の副走査方向の下流側の部分に印刷され、S12内の下側の画像(例えば符号UEIの部分)が、印刷媒体90上の副走査方向の上流側の部分に印刷される。
S12では、生成部122は、印刷媒体90の副走査方向の長さに対応するサイズよりも大きい画像を表わす変換済みRGB画像データ150を生成する。より具体的に言うと、変換済みRGB画像データ150の行の総数をPとすると、印刷媒体90の副走査方向の長さに対応する行数は、P−6である。即ち、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像の副走査方向の中央と、印刷媒体90の副走査方向の中央と、が一致すると考えると、変換済みRGB画像データ150は、印刷媒体90の副走査方向の一端(例えば図4の上端)を越える3行分の画素を含むと共に、印刷媒体90の副走査方向の他端(例えば図4の他端)を越える3行分の画素を含む。従って、本実施例では、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像の副走査方向の幅の全てを、印刷媒体90の副走査方向の幅内に印刷することができない。ただし、後で詳しく説明するが、上記のような変換済みRGB画像データ150を用いると、印刷媒体90の副走査方向の上流端及び下流端の付近に空白が形成されることなく、印刷媒体90上に画像を印刷することができる。
また、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像は、下流側端部画像DEI(Downstream End Image)と、上流側端部画像UEI(Upstream End Image)と、それらの端部画像DEI,UEIの間の中央画像CI(Central Image)と、を含む。下流側端部画像DEIは、1〜6行目に属する画素群によって表わされる画像であり、上流側端部画像UEIは、P−5〜P行目(Pは変換済み画像データ150の行の総数)に属する画素群によって表わされる画像である。従って、中央画像CIは、7〜P−6行目に属する画素群によって表わされる画像である。下流側端部画像DEI、上流側端部画像UEIは、それぞれ、印刷媒体90上の副走査方向の下流側の端部領域、上流側の端部領域に印刷される。中央画像CIは、印刷媒体90の副走査方向の中央領域に印刷される。後で詳しく説明するが、各端部画像DEI,UEIを印刷媒体90上に印刷するための印刷実行部20の動作と、中央画像CIを印刷媒体90上に印刷するための印刷実行部20の動作と、は異なる。
次いで、生成部122は、公知の手法を用いて、色変換処理を実行する(S14)。S14では、生成部122は、変換済みRGB画像データ150を、CMYKのビットマップ形式の画像データ(以下では「CMYK画像データ」と呼ぶ)に変換する。変換済みRGB画像データ150内の1個の画素から、CMYK形式で記述された1個の画素が得られる。即ち、CMYK画像データの画素数は、変換済みRGB画像データ150の画素数に等しい。従って、CMYK画像データによって表わされる画像も、下流側端部画像DEIに対応する画像と、上流側端部画像UEIに対応する画像と、中央画像CIに対応する画像と、を含む。CMYK画像データ内の各画素は、C値と、M値と、Y値と、K値と、によって構成される。C値、M値、Y値、K値は、それぞれ、256階調(0〜255)の多値データである。
続いて、生成部122は、公知の手法を用いて、ハーフトーン処理を実行する(S16)。ハーフトーン処理の一例として、誤差拡散法、ディザ法等を挙げることができる。S16では、生成部122は、CMYK画像データを、「ドットON(=1)」及び「ドットOFF(=0)」の二値のビットマップ形式の画像データ(以下では「二値データ」と呼ぶ)に変換する。CMYK画像データ内の1個の画素から、二値で記述された1個の画素が得られる。即ち、二値データの画素数は、CMYK画像データの画素数に等しい。従って、二値データによって表わされる画像も、下流側端部画像DEIに対応する画像と、上流側端部画像UEIに対応する画像と、中央画像CIに対応する画像と、を含む。なお、本実施例では、ノズルN1〜N9が、ブラック(K)のインク滴を吐出することによって、印刷媒体90上にドットを形成する。このため、二値データ内の各画素は、K=1又はK=0によって構成される。ただし、ノズルN1〜N9以外にも、例えば、CMYに対応するノズル群が設けられている場合には、二値データ内の各画素は、Kに対応する値のみならず、CMYに対応する値も含む。また、本実施例では、ドットONとドットOFFの二値データが生成されるが、三値以上のデータが生成されてもよい。例えば、大ドットON(=3)、中ドットON(=2)、小ドットON(=1)、及び、ドットOFF(=0)の四値データが生成されてもよい。
次いで、生成部122は、二値データを用いて、制御データ160を生成する(S18)。制御データ160は、複数個のパスデータを含む。なお、上記の「パス」は、印刷ヘッド30の主走査を意味する。1個のパスデータが、1回のパス(即ち1回の主走査)に対応する。各パスデータは、印刷媒体90の副走査方向の搬送量を示す搬送量データを含む。例えば、図4のS18内に示される1パス目のパスデータは、5ドットピッチを示す搬送量データを含む。なお、「1ドットピッチ」は、二値データに従って印刷が実行される場合に、副走査方向において隣接する2個のドットの間の距離を意味する。各パスデータは、さらに、複数個のノズルN1〜N9のそれぞれについて、当該ノズルに対応する複数個の画素を含む。パスデータ内の各画素は、二値データに含まれる各画素に対応しており、「0」又は「1」を示す。「0」は、ドットを形成しない(即ちインク滴を吐出しない)ことを示し、「1」は、ドットを形成する(即ちインク滴を吐出する)ことを示す。例えば、1パス目のパスデータでは、ノズルN4に対応する複数個の画素は、左から順に、「1」、「0」、「1」等を示す。これは、1回目のパス(主走査)の往路の過程で、ノズルN4から、インク滴の吐出、インク滴の不吐出、インク滴の吐出が、順に行なわれることを意味する。なお、制御データ160のより詳しい生成手法については、制御データ160によって実現される印刷の内容を説明した後に、再び説明する。
次いで、供給部124(図1参照)は、制御データ160をプリンタ10に供給する(S20)。これにより、印刷実行部20の制御部80が、制御データ160を用いて、ヘッド搬送部40、ヘッド駆動部50、及び、媒体搬送部60を制御する。印刷実行部20が制御データ160に従って実行する印刷の内容について、次に説明する。
(印刷の内容)
図5は、0〜7パス目の印刷を示す。図5のN1〜N9は、ノズルN1〜N9を示す。なお、各パスに対応する各図では、便宜上、印刷媒体90を短冊形状で表現している。また、以下では、副走査方向の下流及び上流のことを、「副走査方向」を省略して、単に「下流」及び「上流」と呼ぶ。本実施例では、副走査方向の印刷解像度は、1ノズルピッチ内に4ドットを形成するための印刷解像度である。「1ノズルピッチ」は、副走査方向において隣接する2個のノズル(例えばN1とN2)の間の距離を示す。換言すると、本実施例では、1ノズルピッチ内に4個のドットを形成するために、4回のパス(主走査)が実行される。本実施例の印刷のことを、4パスのインタレース印刷と呼ぶことができる。
(0パス目)
0パス目(パス数「0」)に対応する図に示されるように、制御部80は、まず、媒体搬送部60の上流側モータ66(図2参照)を制御することによって、印刷媒体90の下流端を所定位置Pd0まで搬送することを試行する試行処理を実行する。これにより、印刷媒体90の一部が、媒体支持部70の各凸部74(図3等参照)によって支持された状態で、印刷媒体90が副走査方向に搬送される。なお、以下では、上記の試行処理によって、印刷媒体90の下流端がPd0で停止することを「理想的な搬送」と呼ぶ。なお、理想的な搬送が実行されると、印刷媒体90上の下流端から1ドットピッチ分の領域と、ノズルN4の副走査方向の位置と、が一致する。
全ての印刷において理想的な搬送が実現されることが好ましいが、例えば、上流側モータ66の機械的な誤差等に起因して、理想的な搬送が実現されないことがある。例えば、上記の試行処理では、印刷媒体90の下流端が、位置Pd0を越えた位置で停止することがある。以下では、このような搬送のことを「プラス誤差の搬送」と呼ぶ。0パス目に対応する図では、プラス誤差の搬送が行われる場合に、印刷媒体90の下流端付近に空白が形成されない印刷を実現可能な搬送位置の限界を、符号Pd1で示す。Pd0とPd1との間の距離は、3ドットピッチである。なお、以下では、上記の試行処理によって、印刷媒体90の下流端がPd1で停止することを「最大プラス誤差の搬送」と呼ぶ。
また、例えば、上記の試行処理では、印刷媒体90の下流端が、位置Pd0まで到達しないことがある。以下では、このような搬送のことを「マイナス誤差の搬送」と呼ぶ。0パス目に対応する図では、マイナス誤差の搬送が行われる場合に、インク滴が各凸部74(図3等参照)に付着しない印刷を実現可能な搬送位置の限界を、符号Pd2で示す。Pd0とPd2との間の距離は、3ドットピッチである。なお、以下では、上記の試行処理によって、印刷媒体90の下流端がPd2で停止することを「最大マイナス誤差の搬送」と呼ぶ。
上記の説明から明らかなように、本実施例では、印刷媒体90の下流端付近に空白が形成されず、かつ、インク滴が各凸部74に付着しない印刷を実現するための許容誤差は、±3ドットピッチである。一般的に言うと、RGB処理済み画像データ150によって表わされる画像の下流側端部画像DEIに対応する行数(6行(図4のS12参照))が、許容誤差の範囲(6ドットピッチ)に一致する。なお、後で詳しく説明するが、上流側端部画像UEIに対応する画像が印刷媒体90に印刷される場合(図7参照)にも、印刷媒体90の上流端付近に空白が形成されず、かつ、インク滴が各凸部74に付着しない印刷を実現するための許容誤差は、±3ドットピッチである。一般的に言うと、上流側端部画像UEIに対応する行数(6行(図4のS12参照))が、許容誤差の範囲(6ドットピッチ)に一致する。
(1パス目)
制御部80は、1パス目のパスデータ(図4のS18参照)に従って、媒体搬送部60の上流側モータ66を制御することによって、印刷媒体90の5ドットピッチ(0パス目に対応する図に示される5ドットピッチ)の搬送を実行する。これにより、1パス目に対応する図に示される位置まで印刷媒体90が搬送される。1パス目に対応する図のPd0は、上記の理想的な搬送が行われた場合に、5ドットピッチの搬送によって、印刷媒体90の下流端が停止する位置を示す。なお、上記のプラス誤差又はマイナス誤差の搬送が行われた場合には、その誤差が維持される。1パス目に対応する図のPd1,Pd2は、それぞれ、上記の最大プラス誤差、最大マイナス誤差の搬送が行われた場合に、5ドットピッチの搬送によって、印刷媒体90の下流端が停止する位置を示す。なお、2〜7パス目に対応する各図に示されるPd0,Pd1,Pd2も同様である。
次いで、制御部80は、ヘッド搬送部40のキャリッジモータ48(図3参照)を制御することによって、印刷ヘッド30の主走査を実行する。さらに、制御部80は、印刷ヘッド30の主走査の往路の間に、ヘッド駆動部50の駆動回路52を制御することによって、1パス目のパスデータに含まれる「1」を示す画素に対応する位置で、当該画素に対応するノズルからインク滴を吐出させる。1パス目では、ヘッド駆動部50は、3個のノズルN4,N5,N6からインク滴を吐出させる。これにより、印刷媒体90上にドット群が形成される。1パス目に対応する印刷媒体90上の数字「4」、「5」、「6」は、それぞれ、ノズルN4、N5、N6によって形成されるドット群を示す。2パス目以降に対応する図でも、印刷媒体90上の数字は、その数字に対応するノズルによって形成されるドットを示す。なお、各パスに対応する図において、丸で囲まれた数字は、当該パスで形成されるドットを示し、丸で囲まれていない数字は、当該パスよりも前のパスで形成されたドットを示す。
1パス目では、ヘッド駆動部50は、二値データの1行目(即ち変換済みRGB画像データ150の1行目)に属する画素群に対応するインク滴をノズルN6から吐出させ、二値データの5行目に属する画素群に対応するインク滴をノズルN5から吐出させる。即ち、ノズルN5及びN6は、下流側端部画像DEI(1〜6行目に属する画素群によって表わされる画像)を印刷するためのインク滴を吐出する。また、1パス目では、ヘッド駆動部50は、二値データの9行目に属する画素群に対応するインク滴をノズルN4から吐出させる。即ち、ノズルN4は、中央画像CI(7〜P−6行目に属する画素群によって表わされる画像)を印刷するためのインク滴を吐出する。
なお、1パス目では、3個のノズルN1〜N3は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を吐出可能である。しかしながら、ヘッド駆動部50は、3個のノズルN1〜N3からインク滴を吐出させない。詳しくは後述するが、連続する2回のパスの間で、インク滴を吐出するノズルの数が大きく変動するのを抑制するためである。1パス目に対応する印刷媒体90に付加された矢印X1は、1パス目において、ノズルN1〜N3がインク滴を吐出してドットを形成可能であるにも関わらず、形成されなかったドットの位置を示す。なお、以下では、1〜3パス目でドットを形成可能であるにも関わらず、ドットを形成しないノズル(1パス目ではノズルN1〜N3)のことを「第1種の特定のノズル」と呼ぶ。
例えば、最大プラス誤差の搬送が行われた場合には、1パス目では、印刷媒体90の下流端がPd1で停止する。この状態では、ノズルN6の副走査方向の位置に印刷媒体90が存在する。従って、ノズルN4〜N6のいずれから吐出されるインク滴も、印刷媒体90に着弾する。一方において、例えば、理想的な搬送が行われた場合には、1パス目では、ノズルN6の副走査方向の位置に印刷媒体90が存在しないが、ノズルN6は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴を吐出する。ただし、ノズルN6は、下流側ノズル群NDに属しており、印刷ヘッド30が主走査する過程で各凸部74に対向しない。従って、ノズルN6からインク滴が吐出されても、各凸部74にインク滴が付着しない。また、例えば、最大マイナス誤差の搬送が行われた場合には、1パス目では、ノズルN5,N6の副走査方向の位置に印刷媒体90が存在しないが、ノズルN5,N6は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴を吐出する。ノズルN5,N6が下流側ノズル群NDに属しているために、ノズルN5,N6からインク滴が吐出されても、各凸部74にインク滴が付着しない。なお、2〜4パス目においても、印刷媒体90が存在しない状態で、ノズルN6〜N9が、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴を吐出することがあり得る。ただし、ノズルN6〜N9が下流側ノズル群NDに属しているために、インク滴が吐出されても、各凸部74にインク滴が付着しない。即ち、本実施例では、下流側端部画像DEIを印刷するために、上流側ノズル群NUがインク滴を吐出せず、下流側ノズル群NDのみがインク滴を吐出するために、各凸部74にインク滴が付着しない。
(2〜4パス目)
続いて、制御部80は、2〜4パス目のパスデータを順に用いて、各部40,50,60を制御する。これにより、(1)媒体搬送部60が、印刷媒体90の5ドットピッチの搬送を実行し、(2)ヘッド搬送部40が、印刷ヘッド30の主走査を実行し、(3)ヘッド駆動部50が、ノズルからインク滴を吐出させる、という一連の処理が繰り返し実行され、2〜4パス目の印刷が実行される。
2パス目では、ヘッド駆動部50は、5個のノズルN3〜N7からインク滴を吐出させる。2パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴を、ノズルN6及びN7から吐出させる。より具体的に言うと、ヘッド駆動部50は、二値データの2行目に属する画素群に対応するインク滴をノズルN7から吐出させ、二値データの6行目に属する画素群に対応するインク滴をノズルN6から吐出させる。2パス目では、ヘッド駆動部50は、さらに、中央画像CIを印刷するためのインク滴をノズルN3〜N5から吐出させる。なお、2パス目では、ヘッド駆動部50は、ノズルN1,N2が中央画像CIを印刷するためのインク滴を吐出可能であるにも関わらず、ノズルN1,N2からインク滴を吐出させない。2パス目に対応する印刷媒体90に付加された矢印X2は、2パス目において、ノズルN1,N2(即ち第1種の特定のノズルN1,N2)がインク滴を吐出してドットを形成可能であるにも関わらず、形成されなかったドットの位置を示す。
3パス目では、ヘッド駆動部50は、7個のノズルN2〜N8からインク滴を吐出させる。3パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴(二値データの3行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN8から吐出させる。3パス目では、ヘッド駆動部50は、さらに、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN2〜N7から吐出させる。なお、3パス目では、ヘッド駆動部50は、ノズルN1が中央画像CIを印刷するためのインク滴を吐出してドットを形成可能であるにも関わらず、ノズルN1からインク滴を吐出させない。3パス目に対応する印刷媒体90に付加された矢印X3は、3パス目において、ノズルN1(即ち第1種の特定のノズルN1)がインク滴を吐出してドットを形成可能であるにも関わらず、形成されなかったドットの位置を示す。
上記の説明から明らかなように、1〜3パス目のいずれにおいても、第1種の特定のノズルは、上流側ノズル群NUに属するノズルN1〜N3である。さらに詳しく言うと、1〜3パス目のいずれにおいても、第1種の特定のノズルは、上流側ノズル群NUのうち、最も下流側に配置されたノズルN4を含まない。即ち、1〜3パス目のいずれにおいても、第1種の特定のノズルは、上流側ノズル群NUのうち、比較的に上流側に配置されたノズルN1〜N3を含む。特に、1〜3パス目のいずれにおいても、第1種の特定のノズルは、複数個のノズルN1〜N9のうち、最も上流側に配置されたノズルN1を含む。
4パス目では、ヘッド駆動部50は、9個のノズル(即ち全てのノズル)N1〜N9からインク滴を吐出させる。4パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴(二値データの4行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN9から吐出させる。4パス目に対応する図から明らかなように、4パス目でノズルN9がインク滴を吐出することによって、下流側端部画像DEIの全てを印刷するためのインク滴が吐出されることになる。即ち、ノズルN9は、下流側端部画像DEIを形成するために、最後に液滴を吐出するノズルである。4パス目では、ヘッド駆動部50は、さらに、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN1〜N8から吐出させる。
上述したように、1〜4パス目の各パスデータに含まれる搬送量データは、5ドットピッチを示す。なお、後述のL−3〜Lパス目(図7参照)の各パスデータに含まれる搬送量データも、5ドットピッチを示す。一般的に言うと、下流側ノズル群NDの数がn個である場合には、nドットピッチの搬送量で印刷媒体90を搬送すれば、n個の下流側ノズル群NDのみがインク滴を吐出することによって、下流側端部画像DEI及び上流側端部画像UEIを印刷することができる。さらに、一般的に言うと、1ノズルピッチがkドットピッチ(kは1以上の整数;本実施例ではk=4)である場合には、kとnは、互いに素である。
上記の説明から明らかなように、1〜4パス目において、印刷実行部20は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴を、下流側ノズル群NDのみから吐出させる。上記の最大プラス誤差の搬送が実行される場合には、下流側端部画像DEIの全て(二値データの1〜6行目の6行分に対応する画像)が、印刷媒体90上のPd1とPd2との間の6ドットピッチ分の領域に形成される。以下では、下流側端部画像DEIが形成される印刷媒体90上の領域のことを「下流側端部領域」と呼ぶ。従って、上記の最大プラス誤差の搬送が実行される場合には、下流側端部領域は、印刷媒体90の下流端から6ドットピッチ分の領域である。また、上記の理想的な搬送が実行される場合には、下流側端部画像DEIの一部(二値データの4〜6行目の3行分に対応する画像)が、印刷媒体90上のPd0とPd2との間の3ドットピッチ分の領域に形成される。即ち、この場合、下流側端部領域は、印刷媒体90の下流端から3ドットピッチ分の領域である。なお、上記の最大マイナス誤差の搬送が実行される場合には、下流側端部画像DEIが印刷媒体90上に形成されない。即ち、この場合、下流側端部領域が存在しない。
(5〜7パス目)
続いて、制御部80は、5〜7パス目のパスデータを順に用いて、各部40,50,60を制御する。5〜7パス目の各パスデータに含まれる搬送量データは、1〜4パス目の各パスデータに含まれる搬送量データが示す搬送量(5ドットピッチ)よりも大きい9ドットピッチを示す。従って、媒体搬送部60は、印刷媒体90の9ドットピッチの搬送を実行する。5〜7パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、9個のノズル(即ち全てのノズル)N1〜N9から吐出させる。なお、5〜7パス目(さらには後述の8〜L−5パス目)では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEI及び上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴をノズルN1等から吐出させない。
5パス目では、ヘッド駆動部50は、3個のX1の位置にドットを形成するために、3個のノズルN7〜N9からインク滴を吐出させる。即ち、ノズルN7〜N9は、1パス目で第1種の特定のノズルN1〜N3がドットを形成しなかった位置X1に、ドットを形成する。なお、以下では、1〜3パス目で第1種の特定のノズルがドットを形成しなかった位置に、5〜7パス目でドットを形成するノズルのことを「第2種の特定のノズル」と呼ぶ。6パス目では、ヘッド駆動部50は、2パス目で第1種の特定のノズルN1及びN2がドットを形成しなかった位置X2にドットを形成するために、第2種の特定のノズルN8,N9からインク滴を吐出させる。7パス目では、ヘッド駆動部50は、3パス目で第1種の特定のノズルN1がドットを形成しなかった位置X3にドットを形成するために、第2種の特定のノズルN9からインク滴を吐出させる。
上記の説明から明らかなように、5〜7パス目のいずれにおいても、第2種の特定のノズルは、下流側ノズル群NDに属するノズルN7〜N9である。さらに詳しく言うと、5〜7パス目のいずれにおいても、第2種の特定のノズルは、下流側ノズル群NDのうち、最も上流側に配置されたノズルN5を含まない。即ち、5〜7パス目のいずれにおいても、第2種の特定のノズルは、下流側ノズル群NDのうち、比較的に下流側に配置されたノズルN7〜N9を含む。特に、5〜7パス目のいずれにおいても、第2種の特定のノズルは、複数個のノズルN1〜N9のうち、最も下流側に配置されたノズルN9を含む。
上述したように、5〜7パス目の各パスデータに含まれる搬送量データは、9ドットピッチを示す。なお、8〜L−4パス目(図7参照)の各パスデータに含まれる搬送量データも、9ドットピッチを示す。一般的に言うと、画像を印刷するためにインク滴を吐出するノズルN1〜N9の数がm個(mは1以上の整数;本実施例ではm=9)である場合には、mドットピッチの搬送量で印刷媒体90を搬送すれば、m個のノズルN1〜N9がインク滴を吐出することによって、中央画像CIを印刷することができる。さらに、一般的に言うと、1ノズルピッチがkドットピッチ(kは1以上の整数;本実施例ではk=4)である場合には、kとmは、互いに素である。
(8〜L−8パス目)
続いて、制御部80は、8〜L−8パス目のパスデータを順に用いて、各部40,50,60を制御する。これにより、媒体搬送部60は、印刷媒体90の9ドットピッチの搬送を実行する。さらに、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、9個のノズル(即ち全てのノズル)N1〜N9から吐出させる。
(L−7〜L−5パス目)
図7は、L−7〜Lパス目の印刷を示す。なお、図7では、L−8パス目以前に形成されたドット群を図示省略している。制御部80は、L−7〜L−5パス目のパスデータを順に用いて、各部40,50,60を制御する。これにより、媒体搬送部60は、印刷媒体90の9ドットピッチの搬送を実行する。L−7パス目に対応する図のPu0は、上記の理想的な搬送が行われた場合に、L−7パス目に印刷媒体90の上流端が停止する位置を示す。また、L−7パス目に対応する図のPu1,Pu2は、それぞれ、上記の最大プラス誤差、最大マイナス誤差の搬送が行われた場合に、L−7パス目に印刷媒体90の上流端が停止する位置を示す。なお、L−6〜Lパス目に対応する各図に示されるPu0,Pu1,Pu2も同様である。ヘッド駆動部50は、L−7パス目、L−6パス目、L−5パス目において、それぞれ、8個(N2〜N9)、7個(N3〜N9)、6個(N4〜N9)のノズルから、中央画像CIを印刷するためのインク滴を吐出させる。
L−7パス目では、ヘッド駆動部50は、ノズルN1が中央画像CIを印刷するためのインク滴を吐出可能であるにも関わらず、ノズルN1からインク滴を吐出させない。なお、以下では、L−7及びL−6パス目でドットを形成可能であるにも関わらず、ドットを形成しないノズル(L−7パス目ではノズルN1)のことを「第3種の特定のノズル」と呼ぶ。L−7パス目に対応する印刷媒体90に付加された矢印Y1は、L−7パス目において、第3種の特定のノズルN1がインク滴を吐出してドットを形成可能であるにも関わらず、形成されなかったドットの位置を示す。
L−6パス目では、ヘッド駆動部50は、ノズルN1及びN2が中央画像CIを印刷するためのインク滴を吐出可能であるにも関わらず、ノズルN1及びN2(即ち第3種の特定のノズルN1及びN2)からインク滴を吐出させない。L−6パス目に対応する印刷媒体90に付加された矢印Y2は、L−6パス目において、第3種の特定のノズルN1及びN2がインク滴を吐出してドットを形成可能であるにも関わらず、形成されなかったドットの位置を示す。
上記の説明から明らかなように、L−7及びL−6パス目のいずれにおいても、第3種の特定のノズルは、上流側ノズル群NUに属するノズルN1及びN2であり、上流側ノズル群NUのうち、比較的に上流側に配置されたノズルN1及びN2を含む。特に、L−7及びL−6パス目のいずれにおいても、第3種の特定のノズルは、複数個のノズルN1〜N9のうち、最も上流側に配置されたノズルN1を含む。
L−5パス目では、ヘッド駆動部50は、ノズルN2及びN3が上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴を吐出可能であるにも関わらず、ノズルN2及びN3からインク滴を吐出させない。その理由は、以下のとおりである。例えば、上記の最大プラス誤差の搬送が行なわれた場合には、L−5パス目では、印刷媒体90の上流端は、ノズルN3よりも下流側で停止する。即ち、ノズルN2及びN3の副走査方向の位置に、印刷媒体90が存在しない。ノズルN2及びN3は、上流側ノズル群NUに属しており、印刷ヘッド30が主走査する過程で各凸部74に対向する。従って、ノズルN2及びN3からインク滴が吐出されると、各凸部74にインク滴が付着してしまう。ヘッド駆動部50は、各凸部74にインク滴が付着するのを抑制するために、ノズルN2及びN3からインク滴を吐出させない。
(L−4〜Lパス)
続いて、制御部80は、L−4〜Lパス目のパスデータを順に用いて、各部40,50,60を制御する。なお、L−4パス目のパスデータに含まれる搬送量データは、9ドットピッチを示し、L−3〜Lパス目の各パスデータに含まれる搬送量データは、5ドットピッチを示す。ヘッド駆動部50は、L−4パス目、L−3パス目、L−2パス目、L−1パス目、Lパス目において、それぞれ、5個(N5〜N9)、4個(N6〜N9)、3個(N7〜N9)、2個(N8及びN9)、1個(N9)のノズルからインク滴を吐出させる。
L−4パス目では、ヘッド駆動部50は、上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴(二値データのP−4行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN5から吐出させる。L−4パス目では、ヘッド駆動部50は、さらに、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN6〜N9から吐出させる。なお、L−4パス目では、ヘッド駆動部50は、各凸部74にインク滴が付着するのを抑制するために、ノズルN4が上流側端部画像UEIに対応する画像を印刷するためのインク滴を吐出可能であるにも関わらず、ノズルN4からインク滴を吐出させない。
L−3パス目では、ヘッド駆動部50は、上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴(二値データのP−3行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN6から吐出させる。L−3パス目では、ヘッド駆動部50は、さらに、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN7〜N9から吐出させる。この結果、ノズルN9は、L−7パス目で第3種の特定のノズルN1がドットを形成しなかった位置Y1に、ドットを形成する。なお、以下では、L−7及びL−6パス目で第3種の特定のノズルがドットを形成しなかった位置に、L−3及びL−2パス目でドットを形成するノズルのことを「第4種の特定のノズル」と呼ぶ。
L−2パス目では、ヘッド駆動部50は、上流側端部画像UEIに対応する画像を印刷するためのインク滴(二値データのP−2行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN7から吐出させる。L−2パス目では、ヘッド駆動部50は、さらに、中央画像CIに対応する画像を印刷するためのインク滴を、ノズルN8,N9から吐出させる。この結果、ノズルN8及びN9(即ち第4種の特定のノズルN8,N9)は、L−6パス目で第3種の特定のノズルN1及びN2がドットを形成しなかった位置Y2に、ドットを形成する。
上記の説明から明らかなように、L−3及びL−2パス目のいずれにおいても、第4種の特定のノズルは、下流側ノズル群NDに属するノズルN8,N9であり、下流側ノズル群NDのうち、比較的に下流側に配置されたノズルN8,N9を含む。特に、L−3及びL−2パス目のいずれにおいても、第4種の特定のノズルは、複数個のノズルN1〜N9のうち、最も下流側に配置されたノズルN9を含む。
L−1パス目では、ヘッド駆動部50は、上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴(二値データのP−1、P−5行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN8及びN9から吐出させる。Lパス目では、ヘッド駆動部50は、上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴(二値データのP行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN9から吐出させる。Lパス目に対応する図から明らかなように、Lパス目でノズルN9がインク滴を吐出することによって、上流側端部画像UEIの全てを印刷するためのインク滴が吐出されることになる。即ち、ノズルN9は、上流側端部画像UEIを形成するために、最後に液滴を吐出するノズルである。
上記の説明から明らかなように、L−4〜Lパス目において、印刷実行部20は、上流側端部画像UEIを印刷するためインク滴を、下流側ノズル群NDのみから吐出させる。上記の最大マイナス誤差の搬送が実行される場合には、上流側端部画像UEIの全て(二値データのP−5〜P行目の6行分に対応する画像)が、印刷媒体90上のPu1とPu2との間の6ドットピッチ分の領域に形成される。以下では、上流側端部画像UEIが形成される印刷媒体90上の領域のことを「上流側端部領域」と呼ぶ。従って、上記の最大マイナス誤差の搬送が実行される場合には、上流側端部領域は、印刷媒体90の上流端から6ドットピッチ分の領域である。また、上記の理想的な搬送が実行される場合には、上流側端部画像UEIの一部(二値データのP−5〜P−3行目に対応する画像)が、印刷媒体90上のPu0とPu1との間の3ドットピッチ分の領域に形成される。即ち、この場合、上流側端部領域は、印刷媒体90の上流端から3ドットピッチ分の領域である。なお、上記の最大プラス誤差の搬送が実行される場合には、上流側端部画像UEIが印刷媒体90上に形成されない。即ち、この場合、上流側端部領域が存在しない。
なお、以下では、中央画像CI(二値データの7〜P−6行目に対応する画像)が形成される印刷媒体90上の領域のことを「中央領域」と呼ぶ。理想的な搬送、プラス誤差の搬送、及び、マイナス誤差の搬送のいずれが実行されても、印刷媒体90の中央領域は、図5のPd2と図7のPu1との間の領域である。即ち、本実施例では、中央画像CIの全てが印刷媒体90上に形成されるために、印刷媒体90の搬送の態様(理想的な搬送等)に関わらず、印刷媒体90の中央領域のサイズは一定である。
(制御データの生成手法)
図4のS18の処理の内容について、再び説明する。S18では、生成部122は、図5及び図7を用いて説明した上記の印刷を実現するための制御データを生成する。即ち、生成部122は、1〜4パス目及びL−3〜Lパス目の各パスデータの搬送量データとして、5ドットピッチを示すデータを生成すると共に、5〜L−4パス目の各パスデータの搬送量データとして、9ドットピッチを示すデータを生成する。さらに、生成部122は、各パスデータを生成する際に、当該パスデータに対応するパスで、図5及び図7に示されるように各ノズルがドットを形成するように、各ノズルに対応する複数個の画素を生成する。
例えば、図5に示される1パス目では、第1種の特定のノズルN1〜N3は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を吐出可能であるにも関わらず、インク滴を吐出しない。従って、図4のS18内の1パス目のパスデータに示されるように、各ノズルN1〜N3に対応する各画素の値は「0」に設定される。また、1パス目では、ノズルN4、ノズルN5、ノズルN6は、それぞれ、二値データの9行目、5行目、1行目に属する各画素に対応するドットを形成する。従って、生成部122は、1パス目のパスデータを生成する際に、二値データから9行目に属する各画素の値を抽出し、抽出された各画素の値を、ノズルN4に対応する各画素の値として設定する。同様に、生成部122は、二値データの5行目、1行目に属する各画素の値を、それぞれ、ノズルN5、ノズルN6に対応する各画素の値として設定する。
さらに、例えば、図5に示される5パス目では、第2種の特定のノズルノズルN7〜N9は、1パス目で第1種の特定のノズルN1〜N3が形成しなかったドットの各位置X1に、ドットを形成する。従って、生成部122は、5パス目のパスデータを生成する際に、二値データから5パス目の各位置X1に対応する行に属する各画素の値を抽出し、抽出された各画素の値を、ノズルN7〜N9に対応する各画素の値として設定する。同様の手法を用いて、生成部122は、1〜Lパス目に対応するL個のパスデータのそれぞれについて、当該パスデータの各ノズルに対応する各画素の値を設定する。
本実施例について詳しく説明した。図5及び図7から明らかなように、本実施例では、PC100の制御装置120は、上記の理想的な搬送を基準として、±3ドットピッチの範囲内であれば、印刷媒体90の搬送誤差が生じても、印刷媒体90の下流端及び上流端の近傍に空白が形成されず、かつ、各凸部74にインク滴が付着しない印刷が実行される制御データ(図4のS18参照)を生成することができる。各凸部74の上面にインク滴が付着しないので、印刷媒体90が汚れない。しかも、制御装置120は、図5に示されるように、1〜3パス目において、第1種の特定のノズルが各位置X1〜X3にドットを形成可能であるにも関わらず、第1種の特定のノズルがドットを形成しないように、制御データを生成する。さらに、制御装置120は、5〜7パス目において、第2種の特定のノズルが各位置X1〜X3にドットを形成するように、制御データを生成する。この結果、図9に示されるように、1〜4パス目において使用ノズル数(インク滴を吐出するノズルの数)が滑らかに増加し(2個ずつ増加し)、4パス目以降において使用ノズル数が一定になる。
仮に、1〜3パス目で各位置X1〜X3にドットを形成する手法を採用すると、図6の比較例に示される印刷が実行される。図6に示されるように、比較例の印刷では、1〜4パス目では、使用ノズル数が滑らかに増加する(1個ずつ増加する)。しかしながら、例えば、1パス目で各位置X1にドットを形成すると、5パス目では、ノズルN7〜N9の副走査方向の各位置が各位置X1に一致し、ノズルN7〜N9がインク滴を吐出することができない。このために、5パス目の使用ノズル数が「6」になる。この場合、4パス目の使用ノズル数「9」と5パス目の使用ノズル数「6」との差が「3」になる。図9を見ると明らかなように、本実施例では、1〜8パス目において、連続する2回のパスの間での使用ノズル数の最大変化量は「2」であるが、比較例では、連続する2回のパスの間での使用ノズル数の最大変化量は「3(4パス目と5パス目の間)」である。さらに、異なる観点で見ると、比較例では、1〜4パス目では、使用ノズル数が増加しているが、5パス目で、使用ノズル数が減少する。即ち、使用ノズル数が増加から減少に転じる逆転現象が起こる。
使用ノズル数が変化すると、インク滴の吐出性能が変化する。通常、使用ノズル数が多いと、各ノズルから吐出されるインク滴の量が少なくなり、使用ノズル数が少ないと、各ノズルから吐出されるインク滴の量が多くなる。この理由としては、以下のことが推察される。例えば、本実施例では、図2に示されるように、アクチュエータユニット34の積層体35を構成する圧電層は、複数個のノズルN1〜N9に跨って配置されている。このような構成の場合、例えば、各個別電極I1等に対向する圧電層の部分(例えば個別電極I1に対向する部分)を変形させるための力が働くと、当該力が、当該部分の周囲の部分(例えば個別電極I2に対向する部分)を引っ張る力として作用する。従って、使用ノズル数が多いと、多数個の個別電極I1等に対向する多数個の部分のそれぞれが互いに引っ張り合うことになり、この結果、上記の多数個の部分のそれぞれの変形量が少なくなる。このために、各ノズルN1等から吐出されるインク滴の吐出量が少なくなる。即ち、使用ノズル数が多い程、インク滴の吐出量が少なくなる現象が発生し得る。アクチュエータユニット34の構成に起因して、使用ノズル数の変化に伴ってインク滴の吐出性能が変化する現象のことを、「構造的クロストーク現象」と呼ぶことがある。また、例えば、各圧力室C1〜C9に共通のインク流路が連通している構成が採用されることがある。上記の共通のインク流路は、例えば、図示省略のインクカートリッジから各圧力室C1〜C9にインクを供給するための流路である。このような構成では、各圧力室C1等内の圧力変化に伴って発生する各圧力波が、上記の共通のインク流路内に到達する。上記の共通のインク流路内で各圧力波が干渉することに起因して、使用ノズル数が多い程、インク滴の吐出量が少なくなる現象が発生し得る。このような現象のことを、「流体的クロストーク現象」と呼ぶことがある。
ところで、通常、連続する2回のパスでは、副走査方向に隣接するドット群が形成される。例えば、図5及び図6の4パス目では、ノズルN1が、第1のドット群(即ち第1のラスタ)を形成し、図5及び図6の5パス目では、ノズルN3が、第1のドット群に隣接する第2のドット群(即ち第2のラスタ)を形成する。図6の比較例では、4パス目と5パス目との間で使用ノズル数の変化量(即ち「3」)が大きいために、4パス目でノズルN1が吐出するインク滴の吐出量と、5パス目でノズルN3が吐出するインク滴の吐出量と、が大きく異なり得る。従って、印刷済みの画像において、第1のラスタの濃度と、第1のラスタに隣接する第2のラスタの濃度と、の差が大きくなり得る。これにより、印刷済みの画像の濃度ムラが目立ち易くなり、画質の低下を招く。これに対し、本実施例では、0〜8パス目において、連続する2回のパスの間での使用ノズル数の最大変化量(即ち「2」)は、図6の比較例と比べて小さい。従って、図6の比較例と比べると、濃度ムラが目立ちにくい画像、即ち、高画質の画像を印刷することができる。
さらに、上述したように、図6の比較例では、使用ノズル数の逆転現象が起こる。即ち、比較例の1〜4パス目では、使用ノズル数が増加するために、1〜4パス目で形成されるドット群の濃度は、徐々に低下する。濃度が徐々に低下している途中で、5パス目で急激にインク滴の吐出量が増加すると、1〜4パス目で形成されるドット群と、5パス目で形成されるドット群と、の間の濃度差を、ユーザが認識し易い。即ち、濃度ムラが目立ち易い。これに対し、本実施例では、0〜8パス目において、使用ノズル数の逆転現象が起こらないために、濃度ムラが目立ちにくい画像、即ち、高画質の画像を印刷することができる。
また、PC100の制御装置120は、図7に示されるように、L―7及びL−6パス目において、第3種の特定のノズルが位置Y1及びY2にドットを形成可能であるにも関わらず、第3種の特定のノズルがドットを形成しないように、制御データを生成する。さらに、制御装置120は、L−3及びL−2パス目において、第4種の特定のノズルが位置Y1及びY2にドットを形成するように、制御データを生成する。この結果、図10に示されるように、L−8〜Lパス目において、使用ノズル数が滑らかに減少する(1個ずつ減少する)。
仮に、L−7及びL−6パス目で位置Y1及びY2にドットを形成する手法を採用すると、図8の比較例に示される印刷が実行される。図8に示されるように、L−7及びL−6パス目で各位置Y1,Y2にドットを形成すると、L−3及びL−2パス目では、ノズルN8,N9の副走査方向の各位置が各位置Y1,Y2に一致し、ノズルN8,N9がインク滴を吐出することができない。図10を見ると明らかなように、本実施例では、L−8〜Lパス目において、連続する2回のパスの間での使用ノズル数の最大変化量は「1」であるが、比較例では、連続する2回のパスの間での使用ノズル数の最大変化量は「3(L−6パス目とL−5パス目の間)」である。本実施例では、L−8〜Lパス目において、連続する2回のパスの間での使用ノズル数の最大変化量(即ち「1」)は、図8の比較例と比べて小さい。従って、図8の比較例と比べると、濃度ムラが目立ちにくい画像、即ち、高画質の画像を印刷することができる。さらに、異なる観点で見ると、比較例では、L−2パス目とL−1パス目の間で、使用ノズル数の減少から増加に転じる逆転現象が起こる。本実施例では、L−8〜Lパス目において、使用ノズル数の逆転現象が起こらないために、濃度ムラが目立ちにくい画像、即ち、高画質の画像を印刷することができる。
本実施例の各要素と本発明の各要素との対応関係を記載しておく。副走査方向、主走査方向が、それぞれ、「第1方向」、「第2方向」の一例である。各凸部74が、「接触部」の一例である。図4のS12で生成される変換済みRGB画像データ150が、「特定の画像データ」の一例である。図5の0パス目に対応する図に示される5ドットピッチの印刷媒体90の搬送から、4パス目に対応する図に示されるドット群の形成までの印刷実行部20の動作が、「第1の場合」の一例である。4パス目に対応する図に示される9ドットピッチの印刷媒体90の搬送から、例えば、7パス目に対応する図に示されるドット群の形成までの印刷実行部20の動作が、「第2の場合」の一例である。図5に示される「5ドットピッチ」、「9ドットピッチ」が、それぞれ、「第1の搬送量」、「第2の搬送量」の一例である。また、下流側端部画像DEI、印刷媒体90の下流側端部領域(例えば理想的な搬送が実行される場合にはPd0〜Pd2の3ドットピッチ分の領域)が、それぞれ、「第1の場合に形成される端部画像」、「印刷媒体上の第1方向の下流側の端部領域」の一例である。さらに、中央画像CI、印刷媒体90の中央領域(図5のPd2と図7のPu1との間の領域)が、それぞれ、「中央画像」、「中央領域」の一例である。さらに、第1種の特定のノズル、第2種の特定のノズルが、それぞれ、「第1の場合の第1ノズル」、「第2の場合の第2ノズル」の一例である。従って、図5の5〜7パス目において、第2種の特定のノズルが各位置X1〜X3に形成する中央画像CIの部分が、「第2の場合に形成される特定の部分」の一例である。
さらに、例えば、図7のL−7パス目に対応する図に示されるドット群の形成から、L−4パス目に対応する図に示される9ドットピッチの印刷媒体90の搬送までの印刷実行部20の動作が、「第3の場合」の一例である。L−4パス目に対応する図に示されるドット群の形成から、Lパス目に対応する図に示されるドット群の形成までの印刷実行部20の動作が、「第4の場合」の一例である。図7に示される「9ドットピッチ」、「5ドットピッチ」が、それぞれ、「第3の搬送量」、「第4の搬送量」の一例である。また、上流側端部画像UEI、印刷媒体90の上流側端部領域(例えば理想的な搬送が実行される場合にはPu0〜Pu1の3ドットピッチ分の領域)が、それぞれ、「第4の場合に形成される端部画像」、「印刷媒体上の第1方向の上流側の端部領域」の一例である。さらに、第3種の特定のノズル、第4種の特定のノズルが、それぞれ、「第3の場合の第1ノズル」、「第4の場合の第2ノズル」の一例である。従って、図7のL−3及びL−2パス目において、第4種の特定のノズルが各位置Y1,Y2に形成する中央画像CIの部分が、「第4の場合に形成される特定の部分」の一例である。
上記の各実施例の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の実施例では、PC100の制御装置120が、図4の処理を実行する生成部122及び供給部124を備える。しかしながら、プリンタ10が、生成部122及び供給部124を備える構成を採用してもよい。この場合、プリンタ10の生成部122は、RGB画像データに基づいて制御データを生成し、プリンタ10の供給部124は、生成された制御データを、プリンタ10の印刷実行部20の制御部80に供給してもよい。
(2)上記の実施例では、下流側端部画像DEIが印刷される場合に、印刷媒体90の搬送量が一定の搬送量(5ドットピッチ)である(図5の0〜3パス目に対応する各図に示される搬送量参照)。しかしながら、下流側端部画像DEIが印刷される場合に、印刷媒体90の搬送量を変えてもよい。例えば、図5において、1パス目の搬送量がQドットピッチ(Qは1以上の整数)であり、2パス目の搬送量がRドットピッチ(RはQと異なる1以上の整数)であってもよい。一般的に言うと、第1の搬送量は、一定の値であってもよいし、可変の値であってもよい。同様に、第2、第3、及び、第4の搬送量のいずれかは、一定の値であってもよいし、可変の値であってもよい。なお、第1の搬送量及び第2の搬送量が可変である場合には、第2の搬送量の平均値が第1の搬送量の平均値よりも大きい場合が、「第1の搬送量よりも大きい第2の搬送量」という構成の一例である。同様に、第3の搬送量及び第4の搬送量が可変である場合には、第4の搬送量の平均値が第3の搬送量の平均値よりも大きい場合が、「第3の搬送量よりも小さい第4の搬送量」という構成の一例である。
(3)上記の実施例では、図2に示されるように、各凸部74の上流端は、複数個のノズルN1〜N9のうちの最も上流側に配置されているノズルN1を越えて、上流側の位置に配置されている。しかしながら、各凸部74の上流端は、ノズルN1よりも下流側の位置に配置されていてもよい。例えば、各凸部74の上流端は、ノズルN1とノズルN2との間に配置されていてもよい。また、各凸部74は、副走査方向に沿って連続して伸びていなくてもよい。例えば、印刷ヘッド30が主走査する過程で、ノズルN1及びN2が対向する第1の凸部と、ノズルN3及びN4が対向する第2の凸部と、が別体に構成されてもよい。
(4)上記の実施例では、図5に示されるように、1パス目での第1種の特定のノズルは3個(N1〜N3)であり、2パス目での第1種の特定のノズルは2個(N1,N2)であり、3パス目での第1種の特定のノズルは1個(N1)である。しかしながら、各パスでの第1種の特定のノズルの個数は、適宜変更することができる。例えば、1パス目での第1種の特定のノズルの個数が1個(例えばN1)であってもよい。さらに、1〜3パス目の全てのパスにおいて第1種の特定のノズルが存在しなくてもよい。即ち、一般的に言うと、少なくとも1回のパスにおいて、少なくとも1個の第1種の特定のノズルが存在すればよい。同様に、少なくとも1回のパスにおいて、少なくとも1個の第2種の特定のノズルが存在すればよい。第3種及び第4種の特定のノズルも同様である。
(5)上記の実施例では、4パスのインタレース印刷が実行されるが、4パス以外のインタレース印刷を採用してもよい。さらに、インタレース印刷以外の印刷、例えば、1ノズルピッチの間の1本のラスタのみを形成する印刷が実行されてもよい。また、上記の実施例では、1個のノズルがインク滴を吐出することによって、1本のラスタが形成されるが、2個以上のノズルがインク滴を吐出することによって、1本のラスタが形成されてもよい。即ち、シングリング方式(オーバーラップ方式)の印刷が実行されてもよい。
(6)本明細書で開示される技術は、インク滴を用いた印刷以外に、基板のパターンを形成するためのパターニング装置等にも利用することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:印刷システム、10:プリンタ、20:印刷実行部、30:印刷ヘッド、74:凸部、90:印刷媒体、100:PC、120:制御装置、122:生成部、124:供給部、150:変換済みRGB画像データ、160:制御データ、N1〜N9:ノズル、ND:下流側ノズル群、NU:上流側ノズル群、CI:中央画像、DEI:下流側端部画像、UEI:上流側端部画像、X1〜X3,Y1,Y2:第1の場合及び第3の場合にインク滴が吐出されない位置

Claims (11)

  1. 印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置であって、
    前記印刷実行部は、
    複数個のノズルが第1方向に沿って形成された印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを第2方向に沿って搬送するヘッド搬送部と、
    前記印刷ヘッドを駆動することによって、前記複数個のノズルから液滴を吐出させるヘッド駆動部と、
    印刷媒体を前記第1方向に沿って上流側から下流側に向けて搬送する媒体搬送部と、
    前記第1方向に沿って搬送される前記印刷媒体に接触することによって、前記印刷媒体を支持する接触部を備える媒体支持部と、
    前記ヘッド搬送部と、前記ヘッド駆動部と、前記媒体搬送部と、を制御する制御部と、を備え、
    前記複数個のノズルは、前記第1方向の上流側に配置された上流側ノズル群と、前記第1方向の下流側に配置された下流側ノズル群と、を含み、
    前記印刷ヘッドと前記媒体支持部とは、前記印刷ヘッドが前記第2方向に沿って搬送される過程において、前記上流側ノズル群が前記接触部に対向し、前記下流側ノズル群が前記接触部に対向しないように、構成され、
    前記制御装置は、
    前記印刷実行部が、特定の画像データによって表わされる特定の画像を前記印刷媒体上に形成するために、前記印刷実行部の前記制御部によって用いられる制御データを生成する生成部と、
    前記制御データを、前記印刷実行部の前記制御部に供給する供給部と、を備え、
    前記生成部は、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの端部である端部画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の前記下流側の端部領域に形成する第1の場合に、前記媒体搬送部が、第1の搬送量で前記印刷媒体を前記第1方向に沿って搬送すると共に、前記ヘッド駆動部が、前記複数個のノズルのうちの前記下流側ノズル群のみから前記下流側の端部領域に向けて液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの中央部である中央画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の中央領域に形成する第2の場合に、前記媒体搬送部が、前記第1の搬送量よりも大きい第2の搬送量で前記印刷媒体を前記第1方向に沿って搬送すると共に、前記ヘッド駆動部が、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを含む前記複数個のノズルから前記中央領域に向けて液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記第1の場合に、前記上流側ノズル群に属する第1ノズルが、前記中央画像のうちの一部である特定の部分を前記中央領域に形成するための液滴を吐出可能であるにも関わらず、前記ヘッド駆動部が、前記特定の部分を前記中央領域に形成するための前記液滴を、前記第1ノズルから吐出させないように、前記制御データを生成し、
    前記第2の場合に、前記ヘッド駆動部が、前記第1ノズルによって形成されなかった前記特定の部分を前記中央領域に形成するための液滴を、前記下流側ノズル群に属する第2ノズルから吐出させるように、前記制御データを生成する、制御装置。
  2. 印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置であって、
    前記印刷実行部は、
    複数個のノズルが第1方向に沿って形成された印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを第2方向に沿って搬送するヘッド搬送部と、
    前記印刷ヘッドを駆動することによって、前記複数個のノズルから液滴を吐出させるヘッド駆動部と、
    印刷媒体を前記第1方向に沿って上流側から下流側に向けて搬送する媒体搬送部と、
    前記第1方向に沿って搬送される前記印刷媒体に接触することによって、前記印刷媒体を支持する接触部を備える媒体支持部と、
    前記ヘッド搬送部と、前記ヘッド駆動部と、前記媒体搬送部と、を制御する制御部と、を備え、
    前記複数個のノズルは、前記第1方向の上流側に配置された上流側ノズル群と、前記第1方向の下流側に配置された下流側ノズル群と、を含み、
    前記印刷ヘッドと前記媒体支持部とは、前記印刷ヘッドが前記第2方向に沿って搬送される過程において、前記上流側ノズル群が前記接触部に対向し、前記下流側ノズル群が前記接触部に対向しないように、構成され、
    前記制御装置は、
    前記印刷実行部が、特定の画像データによって表わされる特定の画像を前記印刷媒体上に形成するために、前記印刷実行部の前記制御部によって用いられる制御データを生成する生成部と、
    前記制御データを、前記印刷実行部の前記制御部に供給する供給部と、を備え、
    前記生成部は、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの中央部である中央画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の中央領域に形成する第3の場合に、前記媒体搬送部が、第3の搬送量で前記印刷媒体を前記第1方向に沿って搬送すると共に、前記ヘッド駆動部が、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを含む前記複数個のノズルから前記中央領域に向けて液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの端部である端部画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の前記上流側の端部領域に形成する第4の場合に、前記媒体搬送部が、前記第3の搬送量よりも小さい第4の搬送量で前記印刷媒体を前記第1方向に沿って搬送すると共に、前記ヘッド駆動部が、前記複数個のノズルのうちの前記下流側ノズル群のみから前記上流側の端部領域に向けて液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記第3の場合に、前記上流側ノズル群に属する第1ノズルが、前記中央画像のうちの一部である特定の部分を前記中央領域に形成するための液滴を吐出可能であるにも関わらず、前記ヘッド駆動部が、前記特定の部分を前記中央領域に形成するための前記液滴を、前記第1ノズルから吐出させないように、前記制御データを生成し、
    前記第4の場合に、前記ヘッド駆動部が、前記第1ノズルによって形成されなかった前記特定の部分を前記中央領域に形成するための液滴を、前記下流側ノズル群に属する第2ノズルから吐出させるように、前記制御データを生成する、制御装置。
  3. 前記第2ノズルは、前記複数個のノズルのうち、前記第1方向の最も下流側に配置された最下流ノズルを含む、請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記生成部は、前記第2の場合に、前記端部画像が前記下流側の端部領域に形成されないように、前記制御データを生成する、請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記生成部は、前記第3の場合に、前記端部画像が前記上流側の端部領域に形成されないように、前記制御データを生成する、請求項2に記載の制御装置。
  6. 前記第1ノズルは、前記上流側ノズル群のうち、前記第1方向の上流側に配置されたノズルを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. 前記第1の場合に、前記端部画像を前記下流側の端部領域に形成するために最後に液滴を吐出するノズルは、前記下流側ノズル群のうち、前記第1方向の最も下流側に配置された最下流ノズルを含む、請求項1又は4に記載の制御装置。
  8. 前記第4の場合に、前記端部画像を前記上流側の端部領域に形成するために最後に液滴を吐出するノズルは、前記下流側ノズル群のうち、前記第1方向の最も下流側に配置された最下流ノズルを含む、請求項2又は5に記載の制御装置。
  9. 前記印刷実行部と、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置と、を備えるプリンタ。
  10. 印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置のためのコンピュータプログラムであって、
    前記印刷実行部は、
    複数個のノズルが第1方向に沿って形成された印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを第2方向に沿って搬送するヘッド搬送部と、
    前記印刷ヘッドを駆動することによって、前記複数個のノズルから液滴を吐出させるヘッド駆動部と、
    印刷媒体を前記第1方向に沿って上流側から下流側に向けて搬送する媒体搬送部と、
    前記第1方向に沿って搬送される前記印刷媒体に接触することによって、前記印刷媒体を支持する接触部を備える媒体支持部と、
    前記ヘッド搬送部と、前記ヘッド駆動部と、前記媒体搬送部と、を制御する制御部と、を備え、
    前記複数個のノズルは、前記第1方向の上流側に配置された上流側ノズル群と、前記第1方向の下流側に配置された下流側ノズル群と、を含み、
    前記印刷ヘッドと前記媒体支持部とは、前記印刷ヘッドが前記第2方向に沿って搬送される過程において、前記上流側ノズル群が前記接触部に対向し、前記下流側ノズル群が前記接触部に対向しないように、構成され、
    前記コンピュータプログラムは、前記制御装置に、以下の各処理、即ち、
    前記印刷実行部が、特定の画像データによって表わされる特定の画像を前記印刷媒体上に形成するために、前記印刷実行部の前記制御部によって用いられる制御データを生成する生成処理と、
    前記制御データを、前記印刷実行部の前記制御部に供給する供給処理と、を実行させ、
    前記生成処理では、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの端部である端部画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の前記下流側の端部領域に形成する第1の場合に、前記媒体搬送部が、第1の搬送量で前記印刷媒体を前記第1方向に沿って搬送すると共に、前記ヘッド駆動部が、前記複数個のノズルのうちの前記下流側ノズル群のみから前記下流側の端部領域に向けて液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの中央部である中央画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の中央領域に形成する第2の場合に、前記媒体搬送部が、前記第1の搬送量よりも大きい第2の搬送量で前記印刷媒体を前記第1方向に沿って搬送すると共に、前記ヘッド駆動部が、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを含む前記複数個のノズルから前記中央領域に向けて液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記第1の場合に、前記上流側ノズル群に属する第1ノズルが、前記中央画像のうちの一部である特定の部分を前記中央領域に形成するための液滴を吐出可能であるにも関わらず、前記ヘッド駆動部が、前記特定の部分を前記中央領域に形成するための前記液滴を、前記第1ノズルから吐出させないように、前記制御データを生成し、
    前記第2の場合に、前記ヘッド駆動部が、前記第1ノズルによって形成されなかった前記特定の部分を前記中央領域に形成するための液滴を、前記下流側ノズル群に属する第2ノズルから吐出させるように、前記制御データを生成する、コンピュータプログラム。
  11. 印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置であって、
    前記印刷実行部は、
    複数個のノズルが第1方向に沿って形成された印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを第2方向に沿って搬送するヘッド搬送部と、
    前記印刷ヘッドを駆動することによって、前記複数個のノズルから液滴を吐出させるヘッド駆動部と、
    印刷媒体を前記第1方向に沿って上流側から下流側に向けて搬送する媒体搬送部と、
    前記第1方向に沿って搬送される前記印刷媒体に接触することによって、前記印刷媒体を支持する接触部を備える媒体支持部と、
    前記ヘッド搬送部と、前記ヘッド駆動部と、前記媒体搬送部と、を制御する制御部と、を備え、
    前記複数個のノズルは、前記第1方向の上流側に配置された上流側ノズル群と、前記第1方向の下流側に配置された下流側ノズル群と、を含み、
    前記印刷ヘッドと前記媒体支持部とは、前記印刷ヘッドが前記第2方向に沿って搬送される過程において、前記上流側ノズル群が前記接触部に対向し、前記下流側ノズル群が前記接触部に対向しないように、構成され、
    前記コンピュータプログラムは、前記制御装置に、以下の各処理、即ち、
    前記印刷実行部が、特定の画像データによって表わされる特定の画像を前記印刷媒体上に形成するために、前記印刷実行部の前記制御部によって用いられる制御データを生成する生成処理と、
    前記制御データを、前記印刷実行部の前記制御部に供給する供給処理と、を実行させ、
    前記生成処理では、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの中央部である中央画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の中央領域に形成する第3の場合に、前記媒体搬送部が、第3の搬送量で前記印刷媒体を前記第1方向に沿って搬送すると共に、前記ヘッド駆動部が、前記上流側ノズル群と前記下流側ノズル群とを含む前記複数個のノズルから前記中央領域に向けて液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの端部である端部画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の前記上流側の端部領域に形成する第4の場合に、前記媒体搬送部が、前記第3の搬送量よりも小さい第4の搬送量で前記印刷媒体を前記第1方向に沿って搬送すると共に、前記ヘッド駆動部が、前記複数個のノズルのうちの前記下流側ノズル群のみから前記上流側の端部領域に向けて液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記第3の場合に、前記上流側ノズル群に属する第1ノズルが、前記中央画像のうちの一部である特定の部分を前記中央領域に形成するための液滴を吐出可能であるにも関わらず、前記ヘッド駆動部が、前記特定の部分を前記中央領域に形成するための前記液滴を、前記第1ノズルから吐出させないように、前記制御データを生成し、
    前記第4の場合に、前記ヘッド駆動部が、前記第1ノズルによって形成されなかった前記特定の部分を前記中央領域に形成するための液滴を、前記下流側ノズル群に属する第2ノズルから吐出させるように、前記制御データを生成する、コンピュータプログラム。
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