JP2011173251A - 制御装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

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昌史 上田
Hirotoshi Maehira
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Abstract

【課題】 印刷媒体を汚さずに端部画像を印刷すること。
【解決手段】 プリンタ10は、印刷媒体90を支持する複数個の凸部74a,74bを備える。各凸部74a,74bは、斜め方向(主走査方向及び副走査方向に平行でない方向)に伸びている。1〜8パス目において、下流側端部画像DEIが印刷される。1パス目において、ノズルN1は、ノズルN1の移動経路と凸部74aと、が交差する位置P7の近傍の単位領域G2,G3に向けてインク滴を吐出せず、他の単位領域G1,G4に向けてインク滴を吐出する。5パス目において、ノズルN6は、1パス目においてインク滴が吐出されなかった単位領域G2,G3に向けてインク滴を吐出する。これにより、斜め方向に伸びる凸部74a,74bを採用しても、下流側端部画像DEIを印刷する際に、凸部74a,74bにインク滴が付着しないために、印刷媒体90が汚れない。
【選択図】 図6

Description

本明細書では、印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置を開示する。
特許文献1には、印刷ヘッドに形成された各ノズルからインク滴を吐出させることによって、画像データによって表わされる画像を印刷媒体に印刷するプリンタが開示されている。このプリンタは、副走査方向に沿って搬送される印刷媒体に接触して印刷媒体を支持する複数個のリブを含むプラテンを備える。各リブは、副走査方向に平行に伸びている。複数個のリブは、主走査方向に沿って並ぶ第1リブ群と、主走査方向に沿って並ぶ第2リブ群と、を構成する。第1リブ群は、副走査方向の上流側に配置されており、第2リブ群は、副走査方向の下流側に配置されている。各第1リブと各第2リブとは、主走査方向において、交互に並んでいる。この技術では、画像のうちの端部である端部画像を、印刷媒体の副走査方向の端部領域に印刷する場合に、印刷ヘッドの第1の主走査を実行し、次いで、印刷媒体を副走査方向に沿って搬送し、次いで、印刷ヘッドの第2の主走査を実行する。第1の主走査では、各第1リブに対向するノズル群から、各第1リブの近傍の各領域に向けてインク滴を吐出させず、各第1リブから離れた各領域に向けてインク滴を吐出させる。第2の主走査では、各第2リブに対向するノズル群から、各第2リブの近傍の各領域に向けてインク滴を吐出させず、各第2リブから離れた各領域に向けてインク滴を吐出させる。このようにすると、仮に、印刷媒体の搬送誤差によって、端部画像を印刷するためのインク滴を吐出する各ノズルに対応する位置に印刷媒体が存在しない状態で、各ノズルからインク滴が吐出されても、そのインク滴が、リブに付着しない。リブにインク滴が付着しないために、印刷媒体がリブに接触して印刷媒体が汚れるのを抑制することができる。
特開2002−192713号公報 特開2004−4864号公報 特開2002−103584号公報
本明細書では、印刷媒体が汚れることなく端部画像を印刷するための他の技術を提供する。
本明細書では、印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置を開示する。印刷実行部は、印刷ヘッドと、ヘッド搬送部と、ヘッド駆動部と、媒体搬送部と、媒体支持部と、印刷制御部と、を備える。印刷ヘッドには、複数個のノズルが第1方向に沿って形成されている。ヘッド搬送部は、印刷ヘッドを第2方向に沿って搬送することによって、印刷ヘッドの主走査を実行する。ヘッド駆動部は、印刷ヘッドを駆動することによって、複数個のノズルから液滴を吐出させる。媒体搬送部は、印刷媒体を第1方向に沿って上流側から下流側に向けて搬送する。媒体支持部は、第1方向に沿って搬送される印刷媒体に接触して印刷媒体を支持する複数個の接触部を含む。複数個の接触部は、印刷ヘッドの主走査が実行される過程において複数個のノズルに対向するように構成されている。複数個の接触部は、第1方向及び第2方向に平行でない部分を含む。印刷制御部は、ヘッド搬送部と、ヘッド駆動部と、媒体搬送部と、を制御する。
制御装置は、生成部と、供給部と、を備える。生成部は、印刷実行部が、特定の画像データによって表わされる特定の画像を印刷媒体上に印刷するために、印刷制御部によって用いられる制御データを生成する。供給部は、制御データを、印刷制御部に供給する。生成部は、印刷実行部が、特定の画像のうちの端部である端部画像を、印刷媒体上の第1方向の端部領域に印刷する場合に、ヘッド駆動部が、複数個のノズルのうちの各特定ノズルから液滴を吐出させるように、制御データを生成する。生成部は、複数個の接触部の第1方向の第1側の部分が印刷媒体に接触せず、かつ、複数個の接触部の第1方向の第2側の部分が印刷媒体に接触する状態で、印刷実行部が端部画像を端部領域に印刷する場合に、ヘッド駆動部が、複数個の交差領域に向けて、各特定ノズルから液滴を吐出させず、複数個の非交差領域に向けて、各特定ノズルから液滴を吐出させるように、制御データを生成する。複数個の交差領域と複数個の非交差領域とは、第2方向に沿う領域群である。各交差領域は、第1方向及び第2方向に直交する方向から見た場合に、印刷ヘッドの主走査に伴う各特定ノズルの移動経路と、各接触部と、が交差する各位置の近傍領域である。
上記の技術では、複数個の接触部が、第1方向及び第2方向に平行でない部分を含む。しかも、上記の技術では、印刷実行部が端部画像を端部領域に印刷する場合に、各特定ノズルの移動経路と各接触部とが交差する各位置の近傍領域である各交差領域に向けて、各特定ノズルから液滴が吐出されない。このために、端部画像を印刷する場合に、各接触部に液滴が付着するのを抑制することができる。上記の技術によると、第1方向及び第2方向に平行でない部分を含む接触部に液滴が付着するのを抑制することができ、この結果、印刷媒体が汚れるのを抑制することができる。
なお、上記の印刷実行部と、上記の制御装置と、を備えるプリンタも、新規で有用である。さらに、上記の制御装置を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能媒体も新規で有用である。
印刷システムの構成を示す。 プリンタの一部の構成を示す。 プリンタの一部の斜視図を示す。 印刷ヘッド及び凸部の平面図を示す。 PCが実行する処理のフローチャートを示す。 1パス目の印刷が実行される様子を示す。 2パス目の印刷が実行される様子を示す。 3パス目の印刷が実行される様子を示す。 4パス目の印刷が実行される様子を示す。 5パス目の印刷が実行される様子を示す。 6パス目の印刷が実行される様子を示す。 7パス目の印刷が実行される様子を示す。 8パス目の印刷が実行される様子を示す。 L−7パス目の印刷が実行される様子を示す。 Lパス目の印刷が実行される様子を示す。 比較例1の凸部の構成を示す。 比較例2の凸部の構成を示す。 比較例3の凸部の構成を示す。 凸部の角度を説明するための図を示す。 凸部の角度を説明するための図を示す。
(システムの構成)
図面を参照して実施例を説明する。図1は、本実施例の印刷システム2の概略図を示す。印刷システム2は、LAN4とプリンタ10とPC100とを備える。プリンタ10とPC100とは、LAN4に接続されている。プリンタ10とPC100とは、LAN4を介して、相互に通信可能である。
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、記憶部12と、ネットワークインターフェイス18と、を備える。記憶部12は、ワーク領域14を備える。ワーク領域14は、印刷制御部80が処理を実行する過程で生成される様々なデータを記憶する。記憶部12は、さらに、印刷制御部80によって実行される様々なプログラム16を記憶する。ネットワークインターフェイス18は、LAN4に接続されている。プリンタ10は、さらに、印刷ヘッド30と、ヘッド搬送部40と、ヘッド駆動部50と、媒体搬送部60と、媒体支持部70と、印刷制御部80と、を備える。これらの各部30〜80の構成について、図2〜図4を参照しながら説明する。
図2に示されるように、印刷ヘッド30は、インク流路ユニット32と、アクチュエータユニット34と、を備える。インク流路ユニット32の下面には、インク滴を吐出するための複数個(本実施例では9個)のノズルN1〜N9が形成されている。詳しくは後述するが、印刷媒体90は、図2の右側から左側に向けて搬送される。印刷媒体90の搬送方向(即ち図2の左方向)のことを「副走査方向」と呼ぶ。複数個のノズルN1〜N9は、副走査方向に沿って等間隔で形成されている(即ち副走査方向に沿って等間隔で並んでいる)。なお、本実施例では、複数個のノズルN1〜N9が副走査方向に沿って一直線上に形成されているが、別の実施例では、複数個のノズルN1〜N9が2以上の直線に沿って千鳥状(ジグザグ)に形成されていてもよい。インク流路ユニット32には、さらに、複数個(本実施例では9個)の圧力室C1〜C9が形成されている。複数個の圧力室C1〜C9には、所定の色(例えばブラック)のインクが満たされる。複数個のノズルN1〜N9のそれぞれは、異なる1個の圧力室C1〜C9に連通している。
アクチュエータユニット34は、インク流路ユニット32の上面に接合されている。アクチュエータユニット34は、積層体35と、複数個(本実施例では9個)の個別電極I1〜I9と、を備える。積層体35は、複数枚の圧電シートと、共通電極シートと、が積層されたものである。積層体35の上面に、複数個(本実施例では9個)の個別電極I1〜I9が配置されている。複数個の個別電極I1〜I9のそれぞれは、異なる1個の圧力室C1〜C9に対応する位置に配置されている。アクチュエータユニット34を構成する個別電極(例えばI1)に、後述の駆動回路52から駆動信号が供給されると、当該個別電極に対応する積層体35の部分(例えば図2の2本の破線の内側の部分)が変形し、この結果、当該部分に対向する圧力室(例えばC1)内の圧力が変化する。これにより、当該圧力室に連通するノズル(例えばN1)からインク滴が吐出される。
ヘッド搬送部40(図1参照)は、図3に示されるように、キャリッジ42と、ベルト44と、一対のプーリ(図3では一方のプーリ46のみを示す)と、キャリッジモータ48と、を備える。キャリッジ42は、印刷ヘッド30を支持する。印刷ヘッド30は、キャリッジ42に着脱可能に搭載される。ベルト44は、キャリッジ42に接合されている。ベルト44は、無端ベルトであり、一対のプーリ46の間に架けられている。キャリッジモータ48は、プーリ46に接続されている。キャリッジモータ48が駆動されると、プーリ46が回転し、プーリ46に接続されているベルト44が回転する。これにより、ベルト44に接続されているキャリッジ42と、キャリッジ42によって支持されている印刷ヘッド30と、が移動する。プーリ46が正逆に選択的に回転することによって、キャリッジ42が往復移動する。キャリッジ42の往復移動方向、即ち、印刷ヘッド30の往復移動方向のことを「主走査方向」と呼ぶ。主走査方向は、副走査方向に直交する方向である。即ち、主走査方向は、図2の紙面垂直方向である。本実施例では、印刷ヘッド30が1回の往復移動を行うことを「1回の主走査」と呼ぶ。1回の主走査の往路の間に、印刷ヘッド30に形成された各ノズルN1〜N9からインク滴が吐出され、1回の主走査の復路の間に、各ノズルN1〜N9からインク滴が吐出されない。なお、別の実施例では、印刷ヘッド30の1回の往復移動の往路と復路の両方の間に、各ノズルN1〜N9からインク滴が吐出されてもよい。この場合、印刷ヘッド30の1回の往復移動のうち、往路と復路のそれぞれを「1回の主走査」と呼ぶことができる。
ヘッド駆動部50(図1参照)は、図2に示されるように、駆動回路52を備える。駆動回路52は、複数個の個別電極I1〜I9に接続されている。駆動回路52は、各個別電極I1〜I9に駆動信号を供給する。これにより、印刷ヘッド30が駆動され、各ノズルN1〜N9からインク滴が吐出される。
媒体搬送部60(図1参照)は、図2に示されるように、上流側搬送部62,66と、下流側搬送部64,68と、を備える。上流側搬送部62,66は、一対の上流側ローラ62と、一対の上流側ローラ62のうちの一方のローラに接続された上流側モータ66と、を備える。上流側ローラ62は、副走査方向(図2の左方向)において、印刷ヘッド30よりも上流側に配置されている。下流側搬送部64,68は、一対の下流側ローラ64と、一対の下流側ローラ64のうちの一方のローラに接続された下流側モータ68と、を備える。下流側ローラ64は、副走査方向において、印刷ヘッド30よりも下流側に配置されている。上流側モータ66及び下流側モータ68が駆動されると、上流側ローラ62及び下流側ローラ64が回転する。印刷媒体90は、図示省略の給紙トレイから、上流側ローラ62に送られる。次いで、印刷媒体90は、上流側ローラ62のみによって副走査方向に送られる。印刷媒体90が下流側ローラ64に到達すると、印刷媒体90は、上流側ローラ62及び下流側ローラ64の両方によって副走査方向に送られる。印刷媒体90が上流側ローラ62から離れると、印刷媒体90は、下流側ローラ64のみによって副走査方向に送られ、図示省略の排紙トレイに排紙される。
印刷媒体90が印刷ヘッド30の下方を通過する過程で、印刷ヘッド30に形成された複数個のノズルN1〜N9からインク滴が吐出され、印刷媒体90に画像が印刷される。印刷媒体90が下流側ローラ64に到達する前に、印刷媒体90への印刷が開始される。従って、印刷媒体90が、上流側ローラ62によって支持され、下流側ローラ64によって支持されていない状態で、印刷媒体90の副走査方向の下流側の端部(図2の左端部)が印刷される。また、印刷媒体90が下流側ローラ64に到達した後であって、印刷媒体90が上流側ローラ62から離れた後にも、印刷媒体90への印刷が実行される。従って、印刷媒体90が、下流側ローラ64によって支持され、上流側ローラ62によって支持されていない状態で、印刷媒体90の副走査方向の上流側の端部(図2の右端部)が印刷される。
媒体支持部70(図1参照)は、図2に示されるように、印刷ヘッド30の下方に配置されている。媒体支持部70は、上流側ローラ62と下流側ローラ64との間に配置されている。媒体支持部70は、印刷ヘッド30が主走査方向に移動する過程で、印刷ヘッド30に対向する。媒体支持部70は、ベース部72と、複数個(本実施例では4個)の凸部74と、を備える。図3に示されるように、ベース部72は、略板形状を有する。複数個の凸部74は、4個の凸部74a〜74dを含む。なお、以下では、各凸部74a〜74dを区別して説明する必要がない限り、各凸部を表わす符号として「74」を使用する。各凸部74は、ベース部72の上面から上方に突出している。ベース部72と各凸部74とは、一体に構成されていてもよいし、別体に構成されていてもよい。各凸部74は、上流側ローラ62より下流側に搬送された印刷媒体90に接触することによって、印刷媒体90を支持する。ベース部72には、印刷媒体90が接触しない。ベース部72の上面には、図示省略のインク吸収体が配置されている。
図4は、印刷ヘッド30及び各凸部74の平面図を示す。即ち、図4は、主走査方向及び副走査方向に直交する方向から見た図を示す。図4に示されるように、各凸部74の副走査方向の上流端は、ノズルN1を越えて、上流側(図4の上側)に配置されている。より具体的に言うと、各凸部74の副走査方向の上流端は、印刷ヘッド30の上流端を越えて、上流側に配置されている。各凸部74の副走査方向の下流端は、ノズルN9を越えて、下流側(図4の下側)に配置されている。より具体的に言うと、各凸部74の副走査方向の下流端は、印刷ヘッド30の下流端を越えて、下流側に配置されている。印刷ヘッド30が主走査方向に移動する過程で、ノズルN1〜N9(即ち全てのノズル)が各凸部74に対向する。各凸部74は、副走査方向の上流端(図4の上端)から下流端(図4の下端)まで、直線状に連続して伸びている。
複数個の凸部74は、副走査方向に平行に伸びる対称軸76を中心として、線対称に配置されている。複数個の凸部74は、対称軸76よりも右側に配置された多数個(本実施例では2個)の凸部74a,74bと、対称軸76よりも左側に配置された多数個(本実施例では2個)の凸部74c,74dと、を含む。右側の凸部74a,74bは平行である。従って、左側の凸部74c,74dも平行である。各凸部74は、副走査方向の上流側から下流側に向かうにつれて、対称軸76から離れるように伸びている。即ち、各凸部74は、主走査方向及び副走査方向に平行でない部分(即ち、主走査方向及び副走査方向に対して斜めの部分)を含む。より具体的に言うと、各凸部74の全部分が、主走査方向及び副走査方向に平行でない方向に沿って伸びている。なお、本実施例では、印刷媒体90の主走査方向の中央が対称軸76にほぼ一致する状態で、印刷媒体90が副走査方向に沿って搬送される。
図4では、印刷ヘッド30の主走査に伴うノズルN9の移動経路と、各凸部74d,74c,74b,74aと、が交差する位置を、符号P1,P3,P6,P8で示す。さらに、印刷ヘッド30の主走査に伴うノズルN1の移動経路と、各凸部74d,74c,74b,74aと、が交差する位置を、符号P2,P4,P5,P7で示す。位置P1と位置P3との間の主走査方向の距離(即ち2個の凸部74c,74dの間の距離)は、dis1である。凸部74c,74dが平行であるために、位置P2と位置P4との間の主走査方向の距離も、dis1である。また、本実施例では、位置P4と位置P5との間の主走査方向の距離も、dis1に設定されている。なお、各凸部74の傾斜角θについては後述する。
また、本実施例では、主走査方向に沿って連続して並ぶ複数個の仮想領域S1〜S5が印刷媒体90上に存在することを想定して、後述の印刷が実行される。各仮想領域S1〜S5の主走査方向の距離は、同じである。1個の仮想領域(例えばS1)の主走査方向の距離dis2は、上記の距離dis1に等しくなるように設定される。
印刷制御部80(図1参照)は、記憶部12に記憶されたプログラム16に従って、様々な処理を実行する。印刷制御部80は、PC100から供給される後述の制御データを用いて、ヘッド搬送部40のキャリッジモータ48(図3参照)と、ヘッド駆動部50の駆動回路52(図2参照)と、媒体搬送部60のモータ66,68(図2参照)と、を制御する。
(PC100の構成)
PC100は、ネットワークインターフェイス102と、操作部104と、表示部106と、記憶部110と、制御部120と、を備える。ネットワークインターフェイス102は、LAN4に接続されている。操作部104は、マウスとキーボードとによって構成される。ユーザは、操作部104を操作することによって、様々な指示をPC100に入力することができる。表示部106は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。
記憶部110は、ワーク領域112を備える。ワーク領域112は、例えば、印刷対象のデータを記憶する。印刷対象のデータは、例えば、PC100内のアプリケーション(例えばワープロソフト)によって生成されるデータであってもよいし、外部装置(インターネット上のサーバ、持ち運び可能な記憶媒体等)から取得されるデータであってもよい。ワーク領域112は、さらに、後述の制御部120が処理を実行する過程で生成される様々なデータを記憶する。記憶部110は、さらに、プリンタ10のためのプリンタドライバ114を記憶する。プリンタドライバ114は、プリンタ10に様々な指示(例えば印刷指示)を送信するためのソフトウェアである。プリンタドライバ114は、例えば、プリンタドライバ114を格納しているコンピュータ読取可能媒体からPC100にインストールされてもよいし、インターネット上のサーバからPC100にインストールされてもよい。
制御部120は、記憶部110に格納されているプログラム(例えばプリンタドライバ114)に従って、様々な処理を実行する。制御部120がプリンタドライバ114に従って処理を実行することによって、生成部122及び供給部124の機能が実現される。生成部122は、プリンタ10の印刷制御部80によって用いられる制御データを生成する。供給部124は、生成部122によって生成される制御データを、プリンタ10の印刷制御部80に供給する。
(PC100が実行する処理)
次いで、PC100の制御部120が実行する処理について説明する。ユーザは、所望のデータを選択し、当該データによって表わされる画像を印刷するための操作を操作部104に加えることができる。上記の操作は、ユーザが所望の印刷解像度を選択する操作を含む。なお、本実施例では、RGBのビットマップ形式の画像データ(以下では「RGB画像データ」と呼ぶ)がユーザによって選択されたものとして、処理の内容を説明する。他の形式のデータ(例えば、テキストデータ、RGB以外のビットマップ形式の画像データ、テキストとビットマップとの複合データ等)が選択された場合には、制御部120は、ユーザによって選択されたデータを、公知の手法を用いて、RGB画像データに変換する。制御部120は、上記の操作が実行されると、プリンタドライバ114に従って、図5のフローチャートに示される処理を実行する。
制御部120の生成部122(図1参照)は、RGB画像データを取得する(S10)。次いで、生成部122は、公知の手法を用いて、RGB画像データに対して解像度変換処理を実行することによって、変換済みRGB画像データ150を生成する(S12)。S12では、生成部122は、RGB画像データを、ユーザによって選択された印刷解像度に応じた解像度に変換する。変換済みRGB画像データ150は、複数行及び複数列を構成する複数個の画素を含む。なお、図5のS12内の左右方向に沿って並ぶ複数個の画素によって1個の行が構成され、図5のS12内の上下方向に沿って並ぶ複数個の画素によって1個の列が構成される。各画素は、R値と、G値と、B値と、によって構成される。R値、G値、B値は、それぞれ、256階調(0〜255)の多値データである。なお、本実施例では、変換済みRGB画像データ150の複数行が並ぶ方向(S12内の上下方向)が、印刷媒体90の副走査方向に対応し、変換済みRGB画像データ150の複数列が並ぶ方向(S12内の左右方向)が、印刷媒体90の副走査方向に直交する方向(即ち主走査方向)に対応する。即ち、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像のS12内の上下方向が、副走査方向に沿って表現され、かつ、当該画像のS12内の左右方向が、主走査方向に沿って表現されるように、当該画像が印刷媒体90上に印刷される。しかも、本実施例では、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像のS12内の上方向が、副走査方向の下流方向に対応し、当該画像のS12内の下方向が、副走査方向の上流方向に対応する。即ち、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像のうち、S12内の上側の画像(例えば符号DEIの部分)が、印刷媒体90上の副走査方向の下流側の部分に印刷され、S12内の下側の画像(例えば符号UEIの部分)が、印刷媒体90上の副走査方向の上流側の部分に印刷される。
S12では、生成部122は、印刷媒体90の副走査方向の長さに対応するサイズよりも大きい画像を表わす変換済みRGB画像データ150を生成する。より具体的に言うと、変換済みRGB画像データ150の行の総数をPとすると、印刷媒体90の副走査方向の長さに対応する行数は、P−4である。即ち、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像の副走査方向の中央と、印刷媒体90の副走査方向の中央と、が一致すると考えると、変換済みRGB画像データ150は、印刷媒体90の副走査方向の一端(例えば図4の上端)を越える2行分の画素を含むと共に、印刷媒体90の副走査方向の他端(例えば図4の他端)を越える2行分の画素を含む。従って、本実施例では、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像の副走査方向の幅の全てを、印刷媒体90の副走査方向の幅内に印刷することができない。ただし、後で詳しく説明するが、上記のような変換済みRGB画像データ150を用いると、印刷媒体90の副走査方向の上流端及び下流端の付近に空白が形成されることなく、印刷媒体90上に画像を印刷することができる。
また、変換済みRGB画像データ150によって表わされる画像は、下流側端部画像DEI(Downstream End Image)と、上流側端部画像UEI(Upstream End Image)と、それらの端部画像DEI,UEIの間の中央画像CI(Central Image)と、を含む。下流側端部画像DEIは、1〜4行目に属する画素群によって表わされる画像であり、上流側端部画像UEIは、P−3〜P行目(Pは変換済み画像データ150の行の総数)に属する画素群によって表わされる画像である。従って、中央画像CIは、5〜P−4行目に属する画素群によって表わされる画像である。下流側端部画像DEI、上流側端部画像UEIは、それぞれ、印刷媒体90上の副走査方向の下流側の端部領域、上流側の端部領域に印刷される。中央画像CIは、印刷媒体90の副走査方向の中央領域に印刷される。後で詳しく説明するが、各端部画像DEI,UEIを印刷媒体90上に印刷するためのプリンタ10の動作と、中央画像CIを印刷媒体90上に印刷するためのプリンタ10の動作と、は異なる。
次いで、生成部122は、公知の手法を用いて、色変換処理を実行する(S14)。S14では、生成部122は、変換済みRGB画像データ150を、CMYKのビットマップ形式の画像データ(以下では「CMYK画像データ」と呼ぶ)に変換する。変換済みRGB画像データ150内の1個の画素から、CMYK形式で記述された1個の画素が得られる。即ち、CMYK画像データの画素数は、変換済みRGB画像データ150の画素数に等しい。従って、CMYK画像データによって表わされる画像も、下流側端部画像DEIに対応する画像と、上流側端部画像UEIに対応する画像と、中央画像CIに対応する画像と、を含む。CMYK画像データ内の各画素は、C値と、M値と、Y値と、K値と、によって構成される。C値、M値、Y値、K値は、それぞれ、256階調(0〜255)の多値データである。
続いて、生成部122は、公知の手法を用いて、ハーフトーン処理を実行する(S16)。ハーフトーン処理の一例として、誤差拡散法、ディザ法等を挙げることができる。S16では、生成部122は、CMYK画像データを、「ドットON(=1)」及び「ドットOFF(=0)」の二値のビットマップ形式の画像データ(以下では「二値データ」と呼ぶ)に変換する。CMYK画像データ内の1個の画素から、二値で記述された1個の画素が得られる。即ち、二値データの画素数は、CMYK画像データの画素数に等しい。従って、二値データによって表わされる画像も、下流側端部画像DEIに対応する画像と、上流側端部画像UEIに対応する画像と、中央画像CIに対応する画像と、を含む。なお、本実施例では、ノズルN1〜N9が、ブラック(K)のインク滴を吐出することによって、印刷媒体90上にドットを形成する。このため、二値データ内の各画素は、K=1又はK=0によって構成される。ただし、ノズルN1〜N9以外にも、例えば、CMYに対応するノズル群が設けられている場合には、二値データ内の各画素は、Kに対応する値のみならず、CMYに対応する値も含む。また、本実施例では、ドットONとドットOFFの二値データが生成されるが、三値以上のデータが生成されてもよい。例えば、大ドットON(=3)、中ドットON(=2)、小ドットON(=1)、及び、ドットOFF(=0)の四値データが生成されてもよい。
次いで、生成部122は、二値データを用いて、制御データ160を生成する(S18)。制御データ160は、複数個のパスデータを含む。なお、上記の「パス」は、印刷ヘッド30の主走査を意味する。1個のパスデータが、1回のパス(即ち1回の主走査)に対応する。各パスデータは、印刷媒体90の副走査方向の搬送量を示す搬送量データを含む。例えば、図4のS18内に示される1パス目のパスデータは、5ドットピッチを示す搬送量データを含む。「1ドットピッチ」は、二値データに従って印刷が実行される場合に、副走査方向において隣接する2個のドットの間の距離を意味する。なお、二値データに従って印刷が実行される場合に、副走査方向において隣接する2個のドットの間の距離(以下では「副走査方向の1ドットピッチ」と呼ぶ)と、主走査方向において隣接する2個のドットの間の距離(以下では「主走査方向の1ドットピッチ」と呼ぶ)とは、同じでもよいし、異なってもよい。各パスデータは、さらに、複数個のノズルN1〜N9のそれぞれについて、当該ノズルに対応する複数個の画素を含む。パスデータ内の各画素は、二値データに含まれる各画素に対応しており、「0」又は「1」を示す。「0」は、ドットを形成しない(即ちインク滴を吐出しない)ことを示し、「1」は、ドットを形成する(即ちインク滴を吐出する)ことを示す。例えば、1パス目のパスデータでは、ノズルN1に対応する複数個の画素は、左から順に、「1」、「0」、「1」等を示す。これは、1回目のパス(主走査)の往路の過程で、ノズルN1から、インク滴の吐出、インク滴の不吐出、インク滴の吐出が、順に行なわれることを意味する。なお、制御データ160のより詳しい生成手法については、制御データ160によって実現される印刷の内容を説明した後に、再び説明する。
次いで、供給部124(図1参照)は、制御データ160をプリンタ10に供給する(S20)。これにより、プリンタ10の印刷制御部80が、制御データ160を用いて、ヘッド搬送部40、ヘッド駆動部50、及び、媒体搬送部60を制御する。プリンタ10が制御データ160に従って実行する印刷の内容について、次に説明する。
(印刷の内容)
図6〜図13は、1〜8パス目の印刷が実行される様子を示す。図14、図15は、それぞれ、L−7パス目、Lパス目の印刷が実行される様子を示す。図6〜図15は、主走査方向及び副走査方向に直交する方向から見た図を示す。なお、図6〜図15では、便宜上、印刷媒体90の一部のみを示す。また、以下では、副走査方向の下流及び上流のことを、「副走査方向」を省略して、単に「下流」及び「上流」と呼ぶ。本実施例では、副走査方向の印刷解像度は、1ノズルピッチ内に4ドットを形成するための印刷解像度である。「1ノズルピッチ」は、副走査方向において隣接する2個のノズル(例えばN1とN2)の間の距離を示す。なお、本実施例では、中央画像CIを印刷する場合(後述の9〜L−8パス目)には、1ノズルピッチ内に4ドットを形成するために、4回の主走査が実行される。即ち、本実施例では、中央画像CIを印刷する場合には、4パスのインタレース印刷が実行される。また、下流側端部画像DEI又は上流側端部画像UEIを印刷する場合(後述の1〜8パス目又はL−7〜Lパス目)には、1ノズルピッチ内に4ドットを形成するために、8回の主走査が実行される。即ち、本実施例では、端部画像DEI,UEIを印刷する場合には、8パスのインタレース印刷が実行される。
(1〜8パス目)
1〜8パス目では、下流側端部画像DEIの印刷が実行される。下流側端部画像DEIの印刷が実行される場合には、印刷媒体90は、各凸部74の上流側の部分によって支持され、各凸部74の下流側の部分(上記の上流側の部分以外の部分)によって支持されない。即ち、各凸部74の上流側の部分が印刷媒体90に接触し、各凸部74の下流側の部分が印刷媒体90に接触しない状態で、下流側端部画像DEIの印刷が実行される。
1パス目の印刷を開始するための前処理として、印刷制御部80は、まず、媒体搬送部60の上流側モータ66(図2参照)を制御することによって、印刷媒体90の下流端DEを所定位置Pd0まで搬送することを試行する試行処理を実行する。これにより、印刷媒体90の一部が、媒体支持部70の各凸部74の上流側の部分によって支持された状態で、印刷媒体90が副走査方向に搬送される。なお、以下では、上記の試行処理によって、印刷媒体90の下流端がPd0で停止することを「理想的な搬送」と呼ぶ。理想的な搬送が実行されると、印刷媒体90の下流端DEよりも下流側に副走査方向の2ドットピッチだけ進んだ位置と、ノズルN1の副走査方向の位置と、が一致する。
全ての印刷において理想的な搬送が実現されることが好ましいが、例えば、上流側モータ66の機械的な誤差等に起因して、理想的な搬送が実現されないことがある。例えば、上記の試行処理では、印刷媒体90の下流端DEが、位置Pd0を越えた位置で停止することがある。以下では、このような搬送のことを「プラス誤差の搬送」と呼ぶ。図6では、プラス誤差の搬送が行われる場合に、印刷媒体90の下流端付近に空白が形成されない印刷を実現可能な搬送位置の限界を、符号Pd1で示す。Pd0とPd1との間の距離は、副走査方向の2ドットピッチである。なお、以下では、上記の試行処理によって、印刷媒体90の下流端がPd1で停止することを「最大プラス誤差の搬送」と呼ぶ。
また、例えば、上記の試行処理では、印刷媒体90の下流端DEが、位置Pd0まで到達しないことがある。以下では、このような搬送のことを「マイナス誤差の搬送」と呼ぶ。図6では、マイナス誤差の搬送が行われる場合に、インク滴が各凸部74に付着しない印刷を実現可能な搬送位置の限界を、符号Pd2で示す。Pd0とPd2との間の距離は、副走査方向の2ドットピッチである。なお、以下では、上記の試行処理によって、印刷媒体90の下流端DEがPd2で停止することを「最大マイナス誤差の搬送」と呼ぶ。
上記の説明から明らかなように、本実施例では、印刷媒体90の下流端DE付近に空白が形成されず、かつ、インク滴が各凸部74に付着しない印刷を実現するための許容誤差は、副走査方向の±2ドットピッチである。一般的に言うと、RGB処理済み画像データ150によって表わされる画像の下流側端部画像DEIに対応する行数(4行(図5のS12参照))が、許容誤差の範囲(副走査方向の4ドットピッチ)に一致する。なお、後で詳しく説明するが、上流側端部画像UEIに対応する画像が印刷媒体90に印刷される場合(図14及び図15参照)にも、印刷媒体90の上流端UE付近に空白が形成されず、かつ、インク滴が各凸部74に付着しない印刷を実現するための許容誤差は、副走査方向の±2ドットピッチである。一般的に言うと、上流側端部画像UEIに対応する行数(4行(図5のS12参照))が、許容誤差の範囲(副走査方向の4ドットピッチ)に一致する。
次いで、印刷制御部80は、ヘッド搬送部40のキャリッジモータ48(図3参照)を制御することによって、印刷ヘッド30の主走査を実行する。さらに、印刷制御部80は、印刷ヘッド30の主走査の往路の間に、ヘッド駆動部50の駆動回路52を制御することによって、1パス目のパスデータに含まれる「1」を示す画素に対応する位置で、当該画素に対応するノズルからインク滴を吐出させる。1パス目では、ヘッド駆動部50は、1個のノズルN1からインク滴を吐出させ、他のノズルN2〜N8からインク滴を吐出させない。1パス目では、ヘッド駆動部50は、二値データの1行目(即ち変換済みRGB画像データ150の1行目)に属する画素群に対応するインク滴をノズルN1から吐出させる。即ち、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEI(1〜4行目に属する画素群によって表わされる画像)を印刷するためのインク滴をノズルN1から吐出させる。ただし、ヘッド駆動部50は、印刷ヘッド30の主走査に伴うノズルN1の移動経路と、各凸部74と、が交差する各位置の近傍領域に向けて、ノズルN1からインク滴を吐出させない。この点について、次に詳しく説明する。
上述したように、本実施例では、主走査方向に沿って連続的に並ぶ複数個の仮想領域S1等(図4参照)が印刷媒体90上に存在することを想定している。1個の仮想領域の主走査方向の距離dis2が、主走査方向の何ドットピッチ分の距離に相当するのかは、ユーザによって選択された印刷解像度に応じて変わる。図6〜図15の印刷では、1個の仮想領域の主走査方向の距離dis2は、主走査方向の12ドットピッチ分の距離である。即ち、印刷媒体90上の1個の仮想領域内には、二値データの1行に含まれる12個の画素に対応するドット群が形成される。
各仮想領域S1等は、複数個の複数個(本実施例では4個)の単位領域G1〜G4を含む。各仮想領域S1等に含まれる複数個の単位領域G1〜G4は、主走査方向に沿って連続して並ぶ領域群である。各単位領域G1〜G4の主走査方向の距離は、同じである。一般的に言うと、1個の単位領域(例えばG1)の主走査方向の距離は、「(距離dis1)/((端部画像を印刷するのに必要なパス数)/(端部画像に対応する1ラスタを印刷するのに必要なパス数))」という数式によって得られる。上述したように、距離dis1は、距離dis2に等しく、主走査方向の12ドットピッチ分の距離である。また、下流側端部画像DEI(又は上流側端部画像UEI)を印刷するのに必要なパス数は「8」であり、下流側端部画像DEI(又は上流側端部画像UEI)に対応する1ラスタを印刷するのに必要なパス数は「2」である。従って、本実施例では、1個の単位領域(例えばG1)の主走査方向の距離は、12/(8/2)によって求められ、結果として、主走査方向の3ドットピッチになる。即ち、印刷媒体90上の1個の単位領域内には、二値データの1行に含まれる3個の画素に対応するドット群が形成される。1個の仮想領域の主走査方向の距離dis2が12ドットピッチであるために、1個の仮想領域に含まれるべき単位領域の数は、12/3によって求められ、結果として、4個になる。このために、図6では、1個の仮想領域S1が、左から順に、4個の単位領域G1〜G4を含むように図示されている。なお、図示省略しているが、他の各仮想領域S2〜S4も、左から順に、4個の単位領域G1〜G4を含む。
図6に示されるように、本実施例では、1個の単位領域(本実施例では単位領域G2)の主走査方向の中央が位置P7に一致するように、仮想領域S1の位置が設定される。上述したように、位置P5と位置P7との間の距離、位置P4と位置P5との間の距離、位置P2と位置P4との間の距離は、それぞれ、dis2(1個の仮想領域の主走査方向の距離)である。従って、仮想領域S1に含まれる単位領域G2の主走査方向の中央が位置P7に一致する場合には、他の各仮想領域S2〜S4に含まれる各単位領域G2の主走査方向の中央が、各位置P5,P4,P2に一致する。なお、本実施例では、上記の手法を用いて仮想領域の位置が設定されるが、他の手法を用いて仮想領域の位置が設定されてもよい。例えば、1個の仮想領域の一端が対称軸76に一致するように、当該仮想領域の位置が設定され、当該仮想領域を基準として、他の各仮想領域の位置が設定されてもよい。
印刷ヘッド30の主走査に伴うノズルN1の移動経路と、凸部74aと、が交差する位置P7は、主走査方向において、仮想領域S1の単位領域G2内に存在する。1パス目では、ヘッド駆動部50は、位置P7を含む単位領域G2及び単位領域G2に隣接する単位領域G3に向けて、ノズルN1からインク滴を吐出させず、他の2個の単位領域G1,G4に向けて、ノズルN1からインク滴を吐出させる。なお、以下では、端部画像DEI及びUEIが印刷される各パス(1〜8パス目及びL−7〜Lパス目)において、二値データ内の画素がドットONを示す場合であってもインク滴が吐出されない単位領域のことを「不吐出領域」と呼び、二値データ内の画素がドットONを示す場合にインク滴が吐出される単位領域のことを「吐出領域」と呼ぶ。即ち、1パス目では、仮想領域S1の単位領域G2,G3が不吐出領域であり、仮想領域S1の単位領域G1,G4が吐出領域である。なお、図6に示されるように、位置P7を含む単位領域G2には、単位領域G3のみならず、単位領域G1も隣接する。ただし、本実施例では、不吐出領域として、単位領域G1が採用されずに、単位領域G3が採用されている。これは、凸部74aが位置P7から単位領域G3の側に傾斜して伸びているからである。1パス目の不吐出領域として、単位領域G1ではなく、単位領域G3を採用すると、1パス目と2パス目との間で不吐出領域(即ちG2及びG3)を変えずに済む。即ち、各凸部74にインク滴が付着しない印刷を実現するために、2パス毎に不吐出領域を変えれば足りる。
図4に示される仮想領域S2でも、ノズルN1の移動経路と凸部74bとが交差する位置P5が、主走査方向において、単位領域G2内に存在する。従って、仮想領域S1の場合と同様に、1パス目では、仮想領域S2の単位領域G2,G3が不吐出領域であり、仮想領域S2の単位領域G1,G4が吐出領域である。また、仮想領域S3では、位置P4が、主走査方向において、単位領域G2内に存在する。ただし、仮想領域S1,S2の場合と異なり、仮想領域S3の場合には、単位領域G1,G2が不吐出領域であり、単位領域G3,G4が吐出領域である。ここでは、不吐出領域として、単位領域G3が採用されずに、単位領域G1が採用されている。凸部74cは、位置P4から単位領域G1の側に傾斜して伸びているからである。なお、仮想領域S3の場合と同様に、仮想領域S4,S5についても、単位領域G1,G2が不吐出領域であり、単位領域G3,G4が吐出領域である。
例えば、最大プラス誤差の搬送が行われた場合には、1パス目では、印刷媒体90の下流端DEがPd1で停止する。この状態では、ノズルN1の副走査方向の位置に印刷媒体90が存在する。従って、ノズルN1から吐出されるインク滴が、印刷媒体90に着弾し、印刷媒体90上にドットが形成される。図6中の数字「1」は、ノズルN1によって形成されるドット群を示す。2パス目以降の各図でも、数字「2」、「3」等は、その数字に対応するノズルによって形成されるドットを示す。なお、各パスに対応する各図において、丸で囲まれた数字は、当該パスで形成されるドットを示し、丸で囲まれていない数字は、当該パスよりも前のパスで形成されたドットを示す。
一方において、例えば、理想的な搬送やマイナス誤差の搬送が行われた場合には、1パス目では、ノズルN1の副走査方向の位置に印刷媒体90が存在しないが、ノズルN1は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴を吐出する。ただし、上述したように、ノズルN1は、自身の移動経路と各凸部74とが交差する各位置の近傍領域(即ち不吐出領域)に向けて、インク滴を吐出しない。このために、ノズルN1から吐出されるインク滴が、各凸部74に付着しない。なお、後述の2〜8パス目においても、印刷媒体90が存在しない状態で、各ノズルN2〜N4,N6〜N9が、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴を吐出することがあり得る。ただし、2〜8パス目でも、各ノズルN2等の移動経路と各凸部74とが交差する各位置の近傍領域(即ち不吐出領域)に向けて、インク滴が吐出されない。このために、下流側端部画像DEIを印刷する場合に、各凸部74にインク滴が付着しない。各凸部74にインク滴が付着しないために、各凸部74に印刷媒体90が接触しても、印刷媒体90が汚れない。
1パス目の主走査が終了すると、印刷制御部80は、1パス目のパスデータ(図5のS18参照)に従って、媒体搬送部60の上流側モータ66を制御することによって、印刷媒体90の副走査方向の5ドットピッチの搬送を実行する。これにより、2パス目に対応する図7に示される位置まで印刷媒体90が搬送される。2パス目に対応する図7のPd0は、上記の理想的な搬送が行われた場合に、5ドットピッチの搬送によって、印刷媒体90の下流端が停止する位置を示す。なお、上記のプラス誤差又はマイナス誤差の搬送が行われた場合には、その誤差が維持される。図7のPd1,Pd2は、それぞれ、上記の最大プラス誤差、最大マイナス誤差の搬送が行われた場合に、5ドットピッチの搬送によって、印刷媒体90の下流端が停止する位置を示す。なお、3〜8パス目に対応する図8〜図13に示されるPd0,Pd1,Pd2も同様である。
続いて、2〜8パス目の印刷の内容について説明する。以下では、仮想領域S1について詳しく説明し、他の仮想領域S2〜S5についての説明を省略する。なお、2〜8パス目のいずれにおいても、仮想領域S2の不吐出領域及び吐出領域は、仮想領域S1の不吐出領域及び吐出領域と同じである。仮想領域S3〜S5の不吐出領域及び吐出領域は、仮想領域S1の不吐出領域及び吐出領域と異なるが、各凸部74にインク滴が付着しないように、不吐出領域及び吐出領域が設定される。2〜8パス目のいずれにおいても、各仮想領域S3〜S5では、2個の単位領域が不吐出領域に設定され、残りの2個の単位領域が吐出領域に設定される。また、2〜8パス目のいずれにおいても、各仮想領域S3〜S5では、仮想領域S1の場合と同様に、2パス毎に不吐出領域が変更される。
印刷制御部80は、2〜8パス目のパスデータを順に用いて、各部40,50,60を制御する。これにより、(1)ヘッド搬送部40が、印刷ヘッド30の主走査を実行し、(2)ヘッド駆動部50が、ノズルからインク滴を吐出させ、(3)媒体搬送部60が、印刷媒体90を搬送する、という一連の処理が繰り返し実行される。なお、2〜7パス目のパスデータに含まれる各搬送量データは、副走査方向の5ドットピッチを示し、8パス目のパスデータに含まれる搬送量データは、副走査方向の9ドットピッチを示す(図13に示される「9ドットピッチ」参照)。上述したように、1〜7パス目の各パスデータに含まれる搬送量データは、5ドットピッチを示す。なお、後述のL−7〜L−1パス目の各パスデータに含まれる搬送量データも、5ドットピッチを示す。一般的に言うと、ノズルN1〜N9の総数がm(mは1以上の整数;本実施例ではm=9)であり、1ノズルピッチがkドットピッチ(kは1以上の整数;本実施例ではk=4)である場合には、nドットピッチ(nは1以上の整数;本実施例ではn=5)の搬送量で印刷媒体90を搬送すれば、下流側端部画像DEI及び上流側端部画像UEIを印刷することができる。ここで、nは、mより小さい整数であり、kとnは、互いに素である。
図7に示されるように、2パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴(二値データの2行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN2から吐出させる。1パス目の場合と同様に、2パス目でも、単位領域G2,G3が不吐出領域であり、単位領域G1,G4が吐出領域である。さらに、2パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴(二値データの6行目に属する画素群に対応するインク滴)をノズルN1から吐出させる。中央画像CIに対応するインク滴を吐出するノズルN1については、上記の不吐出領域が設定されない。即ち、ノズルN1は、単位領域G1〜G4の全てに向けて、インク滴を吐出する。仮に、最大マイナス誤差の搬送が実行されても、ノズルN1の副走査方向の位置に印刷媒体90が存在するために、ノズルN1から吐出されたインク滴が印刷媒体90上に必ず着弾するからである。後述の3〜8パス目でも、中央画像CIに対応するインク滴を吐出する各ノズルについては、不吐出領域が設定されない。
図8に示されるように、3パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴(二値データの3行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN3から吐出させる。さらに、3パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN1,N2から吐出させる。1パス目及び2パス目の場合と異なり、3パス目では、単位領域G3,G4が不吐出領域であり、単位領域G1,G2が吐出領域である。3パス目の不吐出領域G3,G4は、2パス目の不吐出領域G2,G3のうち、1/2の領域である単位領域G3を含んで、他の1/2の領域である単位領域G2を含まない。即ち、3パス目の不吐出領域G3,G4の主走査方向の位置は、2パス目の不吐出領域G2,G3のうちの1/2の領域だけ変化する。
図9に示されるように、4パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴(二値データの4行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN4から吐出させる。さらに、4パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN1〜N3から吐出させる。3パス目の場合と同様に、4パス目では、単位領域G3,G4が不吐出領域であり、単位領域G1,G2が吐出領域である。
図10に示されるように、5パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴(二値データの1行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN6から吐出させる。さらに、5パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN1〜N5から吐出させる。5パス目では、単位領域G1,G4が不吐出領域であり、単位領域G2,G3が吐出領域である。5パス目の不吐出領域G1,G4の主走査方向の位置は、4パス目の不吐出領域G3,G4のうちの1/2の領域だけ変化する。図6に示されるように、1パス目では、単位領域G2,G3が不吐出領域であるために、二値データの1行目に属する画素群に対応するドット群が、単位領域G2,G3に形成されていない。1パス目でノズルN1によって単位領域G2,G3に形成されなかったドット群が、6パス目でノズルN6によって形成される。これにより、二値データの1行目に属する画素群に対応する全てのドット群が形成される。即ち、二値データの1行目に対応する1本のラスタが形成される。
図11に示されるように、6パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴(二値データの2行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN7から吐出させる。さらに、6パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN1〜N5から吐出させる。なお、6パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN6から吐出させない。ノズルN6がドット群を形成可能な位置には、2パス目でノズルN1によってドット群が既に形成されているからである。5パス目の場合と同様に、6パス目では、単位領域G1,G4が不吐出領域であり、単位領域G2,G3が吐出領域である。2パス目でノズルN2によって単位領域G2,G3に形成されなかったドット群が、6パス目でノズルN7によって形成される。これにより、二値データの2行目に属する画素群に対応する全てのドット群(二値データの2行目に対応する1本のラスタ)が形成される。
図12に示されるように、7パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴(二値データの3行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN8から吐出させる。さらに、7パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN1〜N5から吐出させる。なお、ノズルN6,N7がドット群を形成可能な位置には、3パス目でノズルN1,N2によってドット群が既に形成されているために、ノズルN6,N7からインク滴を吐出させない。7パス目では、単位領域G1,G2が不吐出領域であり、単位領域G3,G4が吐出領域である。7パス目の不吐出領域G1,G2の主走査方向の位置は、6パス目の不吐出領域G1,G4のうちの1/2の領域だけ変化する。3パス目でノズルN3によって単位領域G3,G4に形成されなかったドット群が、7パス目でノズルN8によって形成される。これにより、二値データの3行目に属する画素群に対応する全てのドット群(二値データの3行目に対応する1本のラスタ)が形成される。
図13に示されるように、8パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴(二値データの4行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN9から吐出させる。さらに、8パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、ノズルN1〜N5から吐出させる。なお、ノズルN6〜N8がドット群を形成可能な位置には、4パス目でノズルN1〜N3によってドット群が既に形成されているために、ノズルN6〜N8からインク滴を吐出させない。7パス目の場合と同様に、8パス目では、単位領域G1,G2が不吐出領域であり、単位領域G3,G4が吐出領域である。4パス目でノズルN4によって単位領域G3,G4に形成されなかったドット群が、8パス目でノズルN9によって形成される。これにより、二値データの4行目に属する画素群に対応する全てのドット群(二値データの4行目に対応する1本のラスタ)が形成される。
上述したように、1〜8パス目では、下流側端部画像DEIの印刷が実行される。最大プラス誤差の搬送が実行される場合には、下流側端部画像DEIの全て(二値データの1〜4行目の4行分に対応する画像)が、印刷媒体90上のPd1とPd2との間の4ドットピッチ分の領域に形成される。以下では、下流側端部画像DEIの少なくとも一部が形成される印刷媒体90上の領域のことを「下流側端部領域」と呼ぶ。従って、上記の最大プラス誤差の搬送が実行される場合には、下流側端部領域は、印刷媒体90の下流端DEから4ドットピッチ分の領域である。また、上記の理想的な搬送が実行される場合には、下流側端部画像DEIの一部(二値データの3及び4行目の2行分に対応する画像)が、印刷媒体90上のPd0とPd2との間の2ドットピッチ分の領域に形成される。即ち、この場合、下流側端部領域は、印刷媒体90の下流端DEから2ドットピッチ分の領域である。なお、上記の最大マイナス誤差の搬送が実行される場合には、下流側端部画像DEIが印刷媒体90上に形成されない。即ち、この場合、下流側端部領域が存在しない。
(9〜L−8パス目)
続いて、印刷制御部80は、8パス目に含まれる搬送量データに従って、印刷媒体90の副走査方向の9ドットピッチの搬送を媒体搬送部60に実行させる。さらに、印刷制御部80は、9〜L−8パス目のパスデータを順に用いて、各部40,50,60を制御する。9〜L−パス目の各パスデータに含まれる搬送量データは、副走査方向の9ドットピッチを示す。9〜L−8パス目では、ヘッド駆動部50は、中央画像CIを印刷するためのインク滴を、各ノズルN1〜N9から吐出させる。なお、9〜L−8パス目では、ヘッド駆動部50は、下流側端部画像DEI及び上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴をノズルN1等から吐出させない。
上述したように、8〜L−8パス目の各パスデータに含まれる搬送量データは、9ドットピッチを示す。一般的に言うと、中央画像CIを印刷するためにインク滴を吐出するノズルの総数がm個(mは1以上の整数;本実施例ではm=9)であり、1ノズルピッチがkドットピッチ(kは1以上の整数;本実施例ではk=4)である場合には、mドットピッチの搬送量で印刷媒体90を搬送すれば、m個のノズルN1〜N9がインク滴を吐出することによって、中央画像CIを印刷することができる。ここで、kとmは、互いに素である。
(L−7パス〜Lパス目)
L−7〜Lパス目では、上流側端部画像UEIの印刷が実行される。上流側端部画像UEIの印刷が実行される場合には、印刷媒体90は、各凸部74の下流側の部分によって支持され、各凸部74の上流側の部分(上記の下流側の部分以外の部分)によって支持されない。即ち、各凸部74の下流側の部分が印刷媒体90に接触し、各凸部74の上流側の部分が印刷媒体90に接触しない状態で、上流側端部画像UEIの印刷が実行される。
印刷制御部80は、L−7〜Lパス目のパスデータを順に用いて、各部40,50,60を制御する。L−7〜L−1パス目の各パスデータに含まれる搬送量データは、5ドットピッチを示す。なお、Lパス目のパスデータは、最後のパスデータであるために、搬送量データを含まない。図14は、L−7パス目の印刷が実行される様子を示す。なお、図14では、L−8パス目以前に形成されたドット群を図示省略している。図14のPu0は、上記の理想的な搬送が行われた場合に、L−7パス目に印刷媒体90の上流端UEが停止する位置を示す。また、図14のPu1,Pu2は、それぞれ、上記の最大プラス誤差、最大マイナス誤差の搬送が行われた場合に、L−7パス目に印刷媒体90の上流端UEが停止する位置を示す。なお、Lパス目に対応する図15に示されるPu0,Pu1,Pu2も同様である。
L−7パス目では、ヘッド駆動部50は、上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴(二値データのP−3行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN1から吐出させる。1パス目の場合と同様に、L−7パス目では、単位領域G2,G3が不吐出領域であり、単位領域G1,G4が吐出領域である。さらに、L−7パス目では、中央画像CIを印刷するためのインク滴をノズルN2〜N8から吐出させる。
L−6〜Lパス目では、上記の2〜8パス目と同様に不吐出領域及び吐出領域が設定される。さらに、L−6〜Lパス目では、ヘッド駆動部50は、上記の2〜8パス目で下流側端部画像DEIを印刷するためのインク滴を吐出したノズルと同じノズルから、上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴を吐出させる。例えば、L−6パス目では、2パス目の場合と同様に、単位領域G2,G3が不吐出領域であり、ヘッド駆動部50は、上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴(二値データのP−2行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN2から吐出させる。また、例えば、L−5パス目では、3パス目の場合と同様に、単位領域G3,G4が不吐出領域であり、ヘッド駆動部50は、上流側端部画像UEIを印刷するためのインク滴(二値データのP−1行目に属する画素群に対応するインク滴)を、ノズルN3から吐出させる。
Lパス目が終了すると、図15に示されるように、上流側端部画像UEIの印刷が終了する。L−7〜Lパス目でも、各ノズルN1〜N9の移動経路と各凸部74とが交差する各位置の近傍領域(即ち不吐出領域)に向けて、インク滴が吐出されない。このために、上流側端部画像UEIを印刷する場合に、各凸部74にインク滴が付着しない。各凸部74にインク滴が付着しないために、各凸部74に印刷媒体90が接触しても、印刷媒体90が汚れない。
上記の説明から明らかなように、L−7〜Lパス目において、プリンタ10は、上流側端部画像UEIの印刷を実行する。上記の最大マイナス誤差の搬送が実行される場合には、上流側端部画像UEIの全て(二値データのP−3〜P行目の4行分に対応する画像)が、印刷媒体90上のPu1とPu2との間の4ドットピッチ分の領域に形成される。以下では、上流側端部画像UEIの少なくとも一部が形成される印刷媒体90上の領域のことを「上流側端部領域」と呼ぶ。従って、上記の最大マイナス誤差の搬送が実行される場合には、上流側端部領域は、印刷媒体90の上流端UEから4ドットピッチ分の領域である。また、上記の理想的な搬送が実行される場合には、上流側端部画像UEIの一部(二値データのP−2及びP−3行目に対応する画像)が、印刷媒体90上のPu0とPu1との間の2ドットピッチ分の領域に形成される。即ち、この場合、上流側端部領域は、印刷媒体90の上流端UEから2ドットピッチ分の領域である。なお、上記の最大プラス誤差の搬送が実行される場合には、上流側端部画像UEIが印刷媒体90上に形成されない。即ち、この場合、上流側端部領域が存在しない。
また、以下では、中央画像CI(二値データの5〜P−4行目に対応する画像)が形成される印刷媒体90上の領域のことを「中央領域」と呼ぶ。理想的な搬送、プラス誤差の搬送、及び、マイナス誤差の搬送のいずれが実行されても、印刷媒体90の中央領域は、図6のPd2と図15のPu1との間の領域である。即ち、本実施例では、中央画像CIの全てが印刷媒体90上に形成されるために、印刷媒体90の搬送の態様(理想的な搬送等)に関わらず、印刷媒体90の中央領域のサイズは一定である。
(制御データの生成手法)
図5のS18の処理の内容について、再び説明する。S18では、生成部122は、図6〜図15を用いて説明した上記の印刷を実現するための制御データを生成する。即ち、生成部122は、1〜7パス目及びL−7〜L−1パス目の各パスデータの搬送量データとして、5ドットピッチを示すデータを生成すると共に、8〜L−8パス目の各パスデータの搬送量データとして、9ドットピッチを示すデータを生成する。さらに、生成部122は、各パスデータを生成する際に、当該パスデータに対応するパスで、図6〜図15に示されるように各ノズルがドットを形成するように、各ノズルに対応する複数個の画素を生成する。
例えば、図6に示される1パス目では、ノズルN1は、各仮想領域の不吐出領域(例えば仮想領域S1の不吐出領域G2,G3)に向けて、インク滴を吐出せず、各仮想領域の吐出領域(例えば仮想領域S1の吐出領域G1,G4)に向けて、インク滴を吐出する。従って、例えば、1パス目のパスデータが生成される場合には、生成部122は、二値データの1行目に属する複数個の画素のうち、各吐出領域に対応する各画素の値を抽出し、抽出された各画素の値を、ノズルN1の各吐出領域に対応する各画素の値として設定する。さらに、生成部122は、ノズルN1の各不吐出領域に対応する各画素の値として「0」を設定する。また、生成部122は、他のノズルN2〜N9に対応する各画素の値として「0」を設定する。また、例えば、2パス目のパスデータが生成される場合には、生成部122は、二値データの2行目に属する複数個の画素のうち、各吐出領域に対応する各画素の値を抽出し、抽出された各画素の値を、ノズルN2の各吐出領域に対応する各画素の値として設定する。さらに、生成部122は、ノズルN2の各不吐出領域に対応する各画素の値として「0」を設定する。また、生成部122は、二値データの6行目に属する全ての画素の値を抽出し、抽出された各画素の値を、ノズルN1に対応する各画素の値として設定する。さらに、生成部122は、他のノズルN3〜N9に対応する各画素の値として「0」を設定する。上記と同様の手法を用いて、3パス目以降の各パスデータも生成される。
続いて、各凸部74の傾斜角θ(図4参照)について説明する。図19は、ノズルN1〜N9と1個の凸部74とを示す。なお、以下では、副走査方向に伸びる1直線上に形成されるドット群のことを「カラム」と呼ぶ。一般的に言うと、端部画像DEI又はUEIを印刷する際に、副走査方向のyドットピッチ(本実施例では5ドットピッチ)の搬送量が採用される場合には、1回のパスにおいて、少なくともy個のノズルが、1本のカラム上のドット群を形成しなければ、端部画像DEI又はUEIを印刷することができない。本実施例では、副走査方向の5ドットピッチの搬送量が採用されているために、1回のパスにおいて、少なくとも5個のノズルが、1本のカラム上のドット群を形成しなければ、印刷することができない。即ち、1回のパスにおいて、1本のカラム上のドット群を形成不可能なノズルの数の最大数は、ノズルの総数から上記のyを減算した値であり、本実施例では9−5=4個である。この様子が図19に示されており、凸部74と1本のカラムCとが重複する範囲にドット群を形成しない印刷(凸部74にインク滴が付着するのを防止する印刷)を実現するために、最大数である4個のノズルN4〜N7が、1本のカラムC上のドット群(図19のハッチングで示された4個のドット群)を形成しない。従って、凸部74の角度θが、図19に示される角度であれば、印刷することができるが、凸部74の角度θが、図19に示される角度よりも大きくなると(1回のパスにおいて、5個以上のノズルが、1本のカラム上のドット群を形成不可能になると)、印刷できないという問題が生じる。
なお、上述したように、本実施例では、1ノズルピッチが副走査方向の4ドットピッチ(以下では「1ノズルピッチ=N」として記載する)であるために、最大数である4個のノズルN4〜N7の間の副走査方向の距離は、副走査方向の3N+1ノズルピッチである。図20は、副走査方向及び主走査方向に直交する方向に見た場合に、副走査方向の3N+1ノズルピッチの間に形成されるべきドット群のうち、副走査方向の最も上流側のドットと、副走査方向の最も下流側のドットと、の両方に凸部74が接している様子を示す。上述したように、凸部74の角度θが、図19に示される角度であれば、印刷することができるために、凸部74の角度θが、図20に示される角度でも、印刷することができる。より詳しく言うと、凸部74の角度θが、図20に示される角度以上であれば、印刷することができる。即ち、凸部74の角度θは、arctan(x3)/(x1+x2)以上であればよい。凸部74の厚みを「t」とすると、x1+x2は、3N+1−t/sinθで求められる。また、x3を1ドットピッチと近似することができる。この場合、凸部74の角度θは、arctan(1)/(3N+1−t/sinθ)以上であればよい。本実施例では、凸部74の角度θは、arctan(1)/(3N+1−t/sinθ)以上の値に設定されている。
なお、上記の数式において、さらに、安全係数Lが利用されることが好ましい。即ち、凸部74の角度θは、arctan(1+L)/(3N+1−t/sinθ−L)以上の値に設定されることが好ましい。ここで、L=E+αであり、Eは、ドットが印刷媒体上に着弾する場合の着弾誤差を示す距離であり、αは、予め決められた距離(凸部74にインク滴を付着させないための安全距離)である。安全係数Lを含む上記の数式を満たすように凸部74の角度θが設定されると、凸部74にインク滴がより付着しにくくなる。
本実施例について詳しく説明した。図6〜図15から明らかなように、本実施例では、制御部120を含むPC100は、上記の理想的な搬送を基準として、±2ドットピッチの範囲内であれば、印刷媒体90の搬送誤差が生じても、印刷媒体90の下流端DE及び上流端UEの近傍に空白が形成されない印刷を実行可能な制御データ(図5のS18参照)を生成することができる。しかも、PC100は、各凸部74にインク滴が付着しない印刷を実行可能な制御データ(図5のS18参照)を生成することができる。即ち、PC100は、端部画像DEI及びUEIを印刷するためのインク滴を吐出する各ノズルの移動経路と、各凸部74と、が交差する各位置の近傍領域(即ち不吐出領域)に向けて、インク滴が吐出されないように、1〜8目及びL−7〜Lパス目のパスデータを生成する。本実施例によると、端部画像DEI及びUEIが印刷される場合に、各凸部74のインク滴が付着しないので、印刷媒体90が汚れない。
しかも、本実施例では、各凸部74が斜め方向(主走査方向及び副走査方向に平行でない方向)に伸びており、各凸部74が上流端から下流端まで連続して伸びている。このために、印刷媒体90が汚れない印刷を実行すること、及び、紙詰まりの問題が発生するのを抑制すること、の両方を実現することができる。図16及び17を参照しながら、この理由を説明する。
例えば、図16に示される比較例1では、上流側に配置された複数個の第1の凸部75aと、下流側に配置された複数個の第2の凸部75bと、が別体に形成されている構成を採用している。主走査方向において、各第1の凸部75aと各第2の凸部75bとは、交互に配置されている。比較例1の構成によると、下流側端部画像DEIが印刷される場合に、印刷媒体90aの下流端が各第1の凸部75aによって支持されている状態で、第1のパスが実行される。第1のパスでは、各ノズルの移動経路と各第1の凸部75aとが交差する各位置の近傍の不吐出領域に向けて、インク滴が吐出されず、当該不吐出領域以外の吐出領域に向けて、インク滴が吐出される。次いで、印刷媒体90aの下流端が各第2の凸部75bによって支持されている状態で、第2のパスが実行される。第2のパスでは、第1のパスでの不吐出領域に向けて、インク滴が吐出される。比較例1の構成によると、下流側端部画像DEIを印刷する場合に、各凸部75a,75bにインク滴が付着しないために、印刷媒体90aが汚れない。しかしながら、主走査方向から見たときに、上流側の第1の凸部75aと下流側の第2の凸部75bとの間に隙間が形成されているために、印刷媒体90aが副走査方向に沿って搬送される過程で、印刷媒体90aが第2の凸部75bの上流端に引っかかる可能性がある。これにより、紙詰まりが発生し得る。
一方において、図17に示される比較例2では、複数個の凸部75cが副走査方向に沿って平行に連続して伸びている。比較例2の構成によると、印刷媒体90bが副走査方向に沿って搬送される過程で、印刷媒体90が凸部75cの上流端に引っかかるのを抑制することができる。しかしながら、各凸部75cが副走査方向に沿って平行に伸びているために、第1及び第2のパスのいずれにおいても、主走査方向において、各ノズルの移動経路と各凸部75cとが交差する位置が同じになってしまう。即ち、第1及び第2のパスのいずれにおいても、不吐出領域の主走査方向の位置が同じになってしまう。このために、仮に、不吐出領域を設けると、印刷されない部分が生じてしまう。従って、不吐出領域を設けずに印刷を実行しなければならない。不吐出領域を設けずに印刷が実行される場合には、印刷媒体90bの搬送誤差が発生すると、各凸部75cにインク滴が付着し得る。この場合、印刷媒体90bが汚れてしまう。
本実施例では、各凸部74が斜め方向に伸びている。従って、パスが変わると、不吐出領域の主走査方向の位置が変わる。このために、第1のパス(例えば図6の1パス目)で不吐出領域を設ける場合に、第2のパス(例えば図10の5パス目)において、第1のパスでの不吐出領域に向けて、インク滴を吐出することができる。即ち、本実施例では、不吐出領域を設けて印刷を実行することができるために、図17の比較例2の構成のように、印刷媒体90bが汚れるという事象が発生するのを抑制することができる。しかも、本実施例では、図16の比較例1のように、上流側の凸部と下流側の凸部とを別体で設ける必要がない。即ち、本実施例では、上流端から下流端まで連続して伸びる複数個の凸部74を採用することができるために、印刷媒体90が凸部74に引っかかるという事象が発生するのも抑制することができる。本実施例によると、印刷媒体90が汚れない印刷を実行すること、及び、紙詰まりの問題が発生するのを抑制すること、の両方を実現することができる。
しかも、本実施例では、プリンタ10は、上流側から下流側に向かうにつれて、対称軸76から離れるように伸びる複数個の凸部74を備える。このような構成を採用しているために、紙詰まりの問題が発生するのを抑制することができる。例えば、図18の比較例3では、複数個の凸部が、上流側から下流側に向かうにつれて、対称軸に近づくように伸びる構成を採用している。比較例3の構成では、印刷媒体90cが凸部77a,77cの間で撓む事象が発生し易い。即ち、印刷媒体90cが図18の位置よりもさらに下流側に搬送されると、印刷媒体90cの主走査方向の両端が、それぞれ、凸部77a,77cの内側面77b,77dに接触し得る。この結果、印刷媒体90cが凸部77a,77cの間で撓み、紙詰まりを引き起こす。これに対し、本実施例の構成では、印刷媒体90が副走査方向に沿って搬送される過程で、印刷媒体90が凸部74a,74dの内側面に接触しにくい。このために、比較例3の構成と比べて、紙詰まりが発生するのを抑制することができる。
なお、本実施例では、例えば、3パス目の不吐出領域G3,G4の主走査方向の位置は、2パス目の不吐出領域G2,G3のうちの1/2の領域だけ変化している。また、例えば、5パス目の不吐出領域G1,G4の主走査方向の位置は、4パス目の不吐出領域G3,G4のうちの1/2の領域だけ変化している。即ち、PC100は、不吐出領域の主走査方向の位置が、不吐出領域の1/2の領域ずつ変化するように、制御データを生成する。この構成によると、PC100は、各凸部74にインク滴が付着しないように、不吐出領域を適切に設定することができる。
本実施例の各要素と本発明の各要素との対応関係を記載しておく。プリンタ10、PC100が、それぞれ、「印刷実行部」、「制御装置」の一例である。副走査方向、主走査方向が、それぞれ、「第1方向」、「第2方向」の一例である。各凸部74が、「接触部」の一例である。図5のS12で生成される変換済みRGB画像データ150が、「特定の画像データ」の一例である。図6の1パス目のドット群の形成から、図13の8パス目のドット群の形成までのプリンタ10の動作が、「印刷実行部が端部画像を端部領域に印刷する場合」の一例である。この例の場合、下流側端部画像DEI、印刷媒体90の下流側端部領域(例えば理想的な搬送が実行される場合にはPd0〜Pd2の2ドットピッチ分の領域)が、それぞれ、「端部画像」、「端部領域」の一例である。さらに、この例の場合、複数個の凸部74の副走査方向の下流側の部分、上流側の部分が、それぞれ、「複数個の接触部の第1方向の第1側の部分」、「複数個の接触部の第1方向の第2側の部分」の一例である。また、中央画像CI、印刷媒体90の中央領域(図6のPd2と図15のPu1との間の領域)が、それぞれ、「中央画像」、「中央領域」の一例である。なお、図14のL−7パス目のドット群の形成から、図15のLパス目のドット群の形成までのプリンタ10の動作も、「印刷実行部が端部画像を端部領域に印刷する場合」の一例である。また、ノズルN1〜N4,N6〜N9が、「各特定ノズル」の一例である。さらに、不吐出領域、吐出領域が、それぞれ、「交差領域」、「非交差領域」の一例である。
例えば、図6の1パス目の印刷媒体90の位置、図10の5パス目の印刷媒体90の位置が、それぞれ、「第1の位置」、「第2の位置」の一例である。この例の場合、ノズルN1、ノズルN6が、それぞれ、「第1のノズル」、「第2のノズル」の一例であり、図6の吐出領域G1,G4、図10の吐出領域G2,G3が、それぞれ、「第1の非交差領域」、「第2の非交差領域」の一例である。また、本実施例では、不吐出領域の主走査方向の位置が、不吐出領域の1/2の領域ずつ変化する。従って、「2」が、「z」の一例である。また、「5ドットピッチ」、「9ドットピッチ」が、それぞれ、「第1の搬送量」、「第2の搬送量」の一例である。
上記の各実施例の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の実施例では、PC100の制御部120が、図5の処理を実行する生成部122及び供給部124を備える。しかしながら、プリンタ10が、生成部122及び供給部124を備える構成を採用してもよい。この場合、生成部122及び供給部124を備えるプリンタ10が、「印刷実行部」と「制御装置」とを備える「プリンタ」の一例である。
(2)上記の実施例では、下流側端部画像DEIが印刷される場合に、印刷媒体90の搬送量が一定の搬送量(5ドットピッチ)である。しかしながら、下流側端部画像DEIが印刷される場合に、印刷媒体90の搬送量を変えてもよい。例えば、1パス目の搬送量がQドットピッチ(Qは1以上の整数)であり、2パス目の搬送量がRドットピッチ(RはQと異なる1以上の整数)であってもよい。一般的に言うと、第1の搬送量は、一定の値であってもよいし、可変の値であってもよい。同様に、第2の搬送量は、一定の値であってもよいし、可変の値であってもよい。なお、第1の搬送量及び第2の搬送量が可変である場合には、第2の搬送量の平均値が第1の搬送量の平均値よりも大きい場合が、「第1の搬送量よりも大きい第2の搬送量」という構成の一例である。
(3)各凸部74の上流端は、ノズルN1よりも下流側の位置に配置されていてもよい。また、各凸部74の下流端は、ノズルN9よりも上流側の位置に配置されていてもよい。
(4)また、各凸部74は、上流端から下流端まで連続して伸びていなくてもよい。例えば、印刷ヘッド30が主走査する過程で、ノズルN1〜N4が対向する第1の凸部と、ノズルN5〜N9が対向する第2の凸部と、が別体に構成されてもよい。
(5)4個の凸部74に加えて、副走査方向に平行に伸びる他の凸部が設けられていてもよい。また、少なくとも1個の凸部74の少なくとも一部が、副走査方向に平行な部分を含んでいてもよい。即ち、一般的に言うと、少なくとも1個の凸部の少なくとも一部が、主走査方向及び副走査方向に沿って平行でない構成が、「複数個の接触部は、第1方向及び第2方向に平行でない部分を含む」という構成の一例である。また、各凸部74は、直線状に伸びていなくてもよい。即ち、少なくとも1個の凸部は、カーブしている部分を含んでいてもよい。
(6)上記の実施例では、端部画像DEI,UEIを印刷する場合に、1本のラスタが、2回のパス(即ち2個のノズルが吐出するインク滴)によって形成される。しかしながら、1本のラスタが、3回以上のパス(即ち3個以上のノズルが吐出するインク滴)によって形成されてもよい。即ち、一般的に言うと、「(1)第1のノズルから液滴を吐出させ、(2)第2のノズルから液滴を吐出させる、ことによって、端部領域に1本のラスタが形成される」という構成は、さらに、第3のノズルから液滴を吐出させることによって、当該1本のラスタが形成される構成を含む。
(7)また、上記の実施例では、不吐出領域の主走査方向の位置が、不吐出領域の1/2の領域ずつ変化する(即ちz=2である)。しかしながら、zは他の整数であってもよい。例えば、1個の不吐出領域に含まれる単位領域の数が3の倍数であれば、不吐出領域の主走査方向の位置が、不吐出領域の1/3の領域ずつ変化してもよい。
(8)上記の実施例では、端部画像DEI,UEIを印刷する場合、中央画像CIを印刷する場合に、それぞれ、8パス、4パスのインタレース印刷が実行されるが、それら以外のインタレース印刷を採用してもよい。
(9)本明細書で開示される技術は、インク滴を用いた印刷以外に、基板のパターンを形成するためのパターニング装置等にも利用することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
2:印刷システム、10:プリンタ、30:印刷ヘッド、74,74a〜74d:凸部、90:印刷媒体、100:PC、120:制御部、122:生成部、124:供給部、150:変換済みRGB画像データ、160:制御データ、N1〜N9:ノズル、CI:中央画像、DEI:下流側端部画像、UEI:上流側端部画像、S1〜S5:仮想領域、G1〜G4:単位領域

Claims (7)

  1. 印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置であって、
    前記印刷実行部は、
    複数個のノズルが第1方向に沿って形成された印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを第2方向に沿って搬送することによって、前記印刷ヘッドの主走査を実行するヘッド搬送部と、
    前記印刷ヘッドを駆動することによって、前記複数個のノズルから液滴を吐出させるヘッド駆動部と、
    印刷媒体を前記第1方向に沿って上流側から下流側に向けて搬送する媒体搬送部と、
    前記第1方向に沿って搬送される前記印刷媒体に接触して前記印刷媒体を支持する複数個の接触部を含む媒体支持部であって、前記複数個の接触部は、前記印刷ヘッドの前記主走査が実行される過程において前記複数個のノズルに対向するように構成され、前記複数個の接触部は、前記第1方向及び前記第2方向に平行でない部分を含む、前記媒体支持部と、
    前記ヘッド搬送部と、前記ヘッド駆動部と、前記媒体搬送部と、を制御する印刷制御部と、を備えており、
    前記制御装置は、
    前記印刷実行部が、特定の画像データによって表わされる特定の画像を前記印刷媒体上に印刷するために、前記印刷制御部によって用いられる制御データを生成する生成部と、
    前記制御データを、前記印刷制御部に供給する供給部と、を備え、
    前記生成部は、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの端部である端部画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の端部領域に印刷する場合に、前記ヘッド駆動部が、前記複数個のノズルのうちの各特定ノズルから前記液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記生成部は、
    前記複数個の接触部の前記第1方向の第1側の部分が前記印刷媒体に接触せず、かつ、前記複数個の接触部の前記第1方向の第2側の部分が前記印刷媒体に接触する状態で、前記印刷実行部が前記端部画像を前記端部領域に印刷する場合に、前記ヘッド駆動部が、複数個の交差領域に向けて、前記各特定ノズルから前記液滴を吐出させず、複数個の非交差領域に向けて、前記各特定ノズルから前記液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記複数個の交差領域と前記複数個の非交差領域とは、前記第2方向に沿う領域群であり、
    前記各交差領域は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向から見た場合に、前記印刷ヘッドの前記主走査に伴う前記各特定ノズルの移動経路と、前記各接触部と、が交差する各位置の近傍領域である、制御装置。
  2. 前記生成部は、前記印刷実行部が前記端部画像を前記端部領域に印刷する場合に、前記ヘッド搬送部が、前記印刷ヘッドの複数回の前記主走査を実行するように、前記制御データを生成し、
    前記生成部は、前記印刷実行部が前記端部画像を前記端部領域に印刷する場合に、
    (1)前記印刷媒体が第1の位置に搬送された第1の状態で、前記ヘッド搬送部が、前記印刷ヘッドの1回の前記主走査を実行すると共に、前記ヘッド駆動部が、第1の前記非交差領域に向けて、前記各特定ノズルのうちの第1のノズルから前記液滴を吐出させ、
    (2)前記印刷媒体が第2の位置に搬送された第2の状態で、前記ヘッド搬送部が、前記印刷ヘッドの1回の前記主走査を実行すると共に、前記ヘッド駆動部が、第2の前記非交差領域に向けて、前記各特定ノズルのうちの第2のノズルから前記液滴を吐出させる、
    ことによって、前記端部領域に1本のラスタが形成されるように、前記制御データを生成し、
    前記第1の非交差領域の前記第2方向の位置と、前記第2の非交差領域の前記第2方向の位置と、は異なる、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記生成部は、前記印刷実行部が前記端部画像を前記端部領域に印刷する場合に、前記交差領域の前記第2方向の位置が、前記交差領域の1/z(前記zは2以上の整数)の領域ずつ変化するように、前記制御データを生成する、請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記生成部は、
    前記印刷実行部が前記端部画像を前記端部領域に印刷する場合に、前記媒体搬送部が、第1の搬送量で前記印刷媒体を搬送するように、前記制御データを生成し、
    前記印刷実行部が、前記端部画像を印刷せずに、前記特定の画像のうちの中央である中央画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の中央領域に印刷する場合に、前記媒体搬送部が、前記第1の搬送量よりも大きい第2の搬送量で前記印刷媒体を搬送するように、前記制御データを生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
  5. 前記複数個の接触部は、第1の接触部と第2の接触部とを含み、
    前記第1の接触部と前記第2の接触部とは、線対称に配置され、
    前記第1の接触部と前記第2の接触部とのそれぞれは、前記第1方向の前記上流側から前記下流側に向かうにつれて、前記線対称の対称軸から離れるように伸びる、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 前記印刷実行部と、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置と、を備えるプリンタ。
  7. 印刷実行部に印刷を実行させるための制御装置のためのコンピュータプログラムであって、
    前記印刷実行部は、
    複数個のノズルが第1方向に沿って形成された印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドを第2方向に沿って搬送することによって、前記印刷ヘッドの主走査を実行するヘッド搬送部と、
    前記印刷ヘッドを駆動することによって、前記複数個のノズルから液滴を吐出させるヘッド駆動部と、
    印刷媒体を前記第1方向に沿って上流側から下流側に向けて搬送する媒体搬送部と、
    前記第1方向に沿って搬送される前記印刷媒体に接触して前記印刷媒体を支持する複数個の接触部を含む媒体支持部であって、前記複数個の接触部は、前記印刷ヘッドの前記主走査が実行される過程において前記複数個のノズルに対向するように構成され、前記複数個の接触部は、前記第1方向及び前記第2方向に平行でない部分を含む、前記媒体支持部と、
    前記ヘッド搬送部と、前記ヘッド駆動部と、前記媒体搬送部と、を制御する印刷制御部と、を備えており、
    前記コンピュータプログラムは、前記制御装置に、以下の各処理、即ち、
    前記印刷実行部が、特定の画像データによって表わされる特定の画像を前記印刷媒体上に印刷するために、前記印刷制御部によって用いられる制御データを生成する生成処理と、
    前記制御データを、前記印刷制御部に供給する供給処理と、を実行させ、
    前記生成処理では、
    前記印刷実行部が、前記特定の画像のうちの端部である端部画像を、前記印刷媒体上の前記第1方向の端部領域に印刷する場合に、前記ヘッド駆動部が、前記複数個のノズルのうちの各特定ノズルから前記液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記生成処理では、
    前記複数個の接触部の前記第1方向の第1側の部分が前記印刷媒体に接触せず、かつ、前記複数個の接触部の前記第1方向の第2側の部分が前記印刷媒体に接触する状態で、前記印刷実行部が前記端部画像を前記端部領域に印刷する場合に、前記ヘッド駆動部が、複数個の交差領域に向けて、前記各特定ノズルから前記液滴を吐出させず、複数個の非交差領域に向けて、前記各特定ノズルから前記液滴を吐出させるように、前記制御データを生成し、
    前記複数個の交差領域と前記複数個の非交差領域とは、前記第2方向に沿う領域群であり、
    前記各交差領域は、前記第1方向及び前記第2方向に直交する方向から見た場合に、前記印刷ヘッドの前記主走査に伴う前記各特定ノズルの移動経路と、前記各接触部と、が交差する各位置の近傍領域である、コンピュータプログラム。
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