JP2009061774A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】奇数パスの双方向マルチパス記録を行いながらも、往路走査と復路走査の記録許容率の差に起因する画像弊害と、サテライトの配置の偏りによって招致される画像弊害を、抑制することが可能なインクジェット記録装置および記録方法を提供する。
【解決手段】奇数パスの双方向マルチパス記録において、所定の2種類のインクを異なる方向の走査で記録可能な画素の割合が上記2種類のインクを同じ方向の走査で記録可能な画素の割合よりも高くなるように記録許容画素と非記録許容画素が配列されたマスクパターンを用いる。これにより、同一画素に記録される所定の2種類のインクのサテライトがメインドットの両側に記録される割合が高くなるので、奇数パスの双方向マルチパス記録であっても一様な画像を出力することが可能となる。
【選択図】図10

Description

本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。特に、シリアル型の記録装置における奇数パスの双方向マルチパス記録方法に関する。
近年、比較的低廉なパーソナルコンピュータやワードプロセッサ等のOA機器が広く普及しており、これら機器で入力した情報を出力する様々な記録装置や該装置の高速化技術、高画質化技術が急速に開発されてきている。中でも、シリアル型のインクジェット記録装置は、低コストで高速ないしは高画質のプリントを実現可能な比較的小型な記録装置として注目されている。このようなシリアル型のインクジェット記録装置では、画像を高速に出力するために双方向記録を行なったり、画像を高画質に出力するためにマルチパス記録を行ったりすることが出来る。以下に、シリアル型のインクジェット記録装置における双方向記録およびマルチパス記録について簡単に説明する。
(双方向記録)
シリアル型のインクジェット記録装置では、インクを滴として吐出するノズルを集積配列した記録ヘッドが、記録装置内を主走査方向に移動するキャリッジに搭載されている。そして、キャリッジを移動させながら個々の吐出口より画像データに応じたインクの吐出を行うことにより、1バンド分の画像が形成される。このような1バンド分の記録主走査と1バンド幅に応じた記録媒体の搬送動作を交互に行うことにより、記録媒体に順次画像が形成される仕組みになっている。
双方向記録とは、往路方向の記録主走査が終了し搬送動作を行った後、復路方向での記録主走査を行う記録方法である。すなわち、記録を行わない復路走査を行った後に再び往路方向の記録主走査を繰り返す片方向記録に比べて、上記双方向記録は記録時間を短縮することが出来る。例えば、記録媒体の搬送方向に360dpi(ドット/インチ)の密度で64個のノズルが配置された記録ヘッドを用いてA4サイズの記録媒体全体に記録を行うとき、約60回の記録主走査が必要となる。この場合、片方向記録では記録を行わない復路走査も合わせて約60回の往復走査が要されるが、双方向記録では約30回の往復走査で記録が完了する。すなわち、双方向記録は、片方向記録に比べて、2倍近い速度で画像を出力することが出来る。
(マルチパス記録)
複数のノズルを有する記録ヘッドを用いて記録を行う場合、出力される画像の品位は個々のノズルの吐出特性に影響を受ける。記録ヘッドのノズル製造工程においては、ノズル内部に備えられ吐出エネルギを発生する電気熱変換体(ヒータ)の発熱特性や、吐出口の形状などにどうしてもある程度のばらつきが含まれる。そして、これらばらつきが、ノズルから吐出されるインクの吐出量や吐出方向に影響を及ぼし、記録媒体に形成される画像に濃度むらやスジを生じさせる。
図1(a)〜(c)は、吐出特性にばらつきが含まれていない記録ヘッドの記録状態を説明するための図である。図において、201は記録ヘッドであり、ここでは簡単のため8個のノズル202を有しているものとする。図1(a)のように、個々のノズルから吐出されるインク滴203の大きさや吐出方向が揃っている場合、記録媒体で形成されるドット配置は図1(b)のようになり、ノズル並び方向における濃度分布も図1(c)に示すように一様になる。
図2(a)〜(c)は、吐出特性にばらつきが含まれている記録ヘッドの記録状態を説明するための図である。個々のノズル202から吐出されるインク滴の大きさや吐出方向は、図2(a)のようなばらつきが含まれており、記録媒体でのドット配置も図2(b)のように一様ではなくなる。必要以上にドット同士が重なる領域もあれば、エリアファクタが100%に満たない白紙領域も確認される。結果、ノズル並び方向における濃度分布は、図1(c)に示すような不均一な状態になり、このような領域が副走査方向に繰り返されると、濃度むらとして認識される。
図3(a)〜(c)は、図2(a)〜(c)で示した記録ヘッドを用いてマルチパス記録を行った場合の記録状態を説明するための図である。図3(a)で示すように、マルチパス記録では、1回の記録走査で記録を完了させることが出来る領域を複数回の記録走査に分割して記録している。ここでは、2パスのマルチパス記録方法が示されている。
図4(a)〜(c)は、連続する3回の記録走査における、個々のノズルが記録を許容するドットの配置を示すための図である。図4(a)は1回目の記録走査で記録を許容するドットが示されており、ここでは縦横ともに1画素おきに配置する約半数のドットが示されている。1回の記録走査が終了すると、記録媒体は記録ヘッドの記録幅の半分(ここでは4ドット分)だけ副走査方向に搬送され、続く2回目の記録走査で再び1画素おきに配置する約半数のドットが記録される(図4(b))。但し、このときの記録位置は、1回目の記録走査でドットが記録されていない補完の位置となっている。更に4ドット分の搬送動作が行われた後、再び上記2回目の記録走査で記録されたドットと補完関係になる位置に、約半数のドットが3回目の記録走査で記録される(図4(c))。以上のような記録走査と搬送動作とを交互に繰り返すことにより、記録媒体の同一画像領域(単位領域)は、記録ヘッドの異なる領域による2回の記録走査によって画像が形成される。
このようなマルチパス記録を行うと、1つのノズルによって記録されるドットが図2(b)のように主走査方向に連なることがなくなる。すなわち、図2(a)で示した記録ヘッド201と等しい記録ヘッドを使用しても、各ノズルのばらつきによる影響が記録媒体上で半減され、図3(b)のようなドット配置となる。結果、ノズル並び方向における濃度分布も、図3(c)に示すようなほぼ均一な状態となる。
図23は、図4(a)〜(c)で説明した2パス記録に用いるマスクとその補完関係を概念的に説明する模式図である。P0001は、同色インクを吐出するための8個のノズルからなるノズル群を示している。ノズル群は、第1および第2の2つのブロックに分割され、各ノズルブロックにはそれぞれ4つのノズルが含まれる。P0002AおよびP0002Bは、この第1および第2ブロックそれぞれに対応したマスクパターンを示しており、4画素×4画素のサイズを有している。P0002Aは第1走査で用いるマスクパターン(同図中、下側のパターン)であり、P0002Bは第2走査で用いるマスクパターン(同図中、上側のパターン)である。それぞれのマスクパターン(P0002AおよびP0002B)は、黒で示された記録許容画素と白で示された非記録許容画素の配列によって構成される。第1走査用のマスクパターンP0002Aと第2走査用のマスクパターンP0002Bは互いに補完関係にあり、従って、これらを重ね合わせると記録許容画素が4×4のエリアを総て埋めるパターンとなって、これにより最大で100%記録が可能となる。そして、このような4画素×4画素のサイズのマスクパターンを主走査方向に繰り返し用いることによって、ヘッドの走査領域全域に対して2パス記録が可能となる。
ここで、マスクパターンにおける「記録許容画素」と「非記録許容画素」について説明する。「記録許容画素」とは、インクの吐出(ドットの記録)を許容する画素のことである。すなわち、この記録許容画素に対応する2値の画像データがインク吐出を示すデータであればドット記録が行われ、非吐出を示すデータならばドット記録は行われない。一方、「非記録許容画素」とは、2値の画像データに関わらず記録を許容しない画素のことである。従って、仮に、この非記録許容画素に対応する2値の画像データがインク吐出を示すデータであっても記録は行われない。
P0003およびP0004は、2パス記録によって完成される画像のドット配置を示している。第1走査では、マスクパターンP0002Aを用いて生成された2値の画像データが第1ブロックによって記録される。その後、記録媒体は図の矢印の方向に1つのノズルブロックの幅分ずつ搬送される。次の第2走査では、同じくマスクパターンP0002Aを用いて生成された2値の画像データが第1ブロックによって記録される。それと共に、第2走査では、マスクパターンP0002Bを用いて生成された2値の画像データが第2ブロックによって記録される。このようにして、2パス記録モードで使用可能なノズルの配列範囲の1/2に対応した幅を有する領域(同一画像領域)に対する記録が2回の記録走査によって完了する。
以上の説明では、各記録走査で縦横共に1画素おきにドットが配置される構成としたが、マルチパス記録はこのようなドット配置に限定されるものではない。各記録走査でドットが記録される位置は、一般に、上述したマスクパターンにおける記録許容画素の配置によって決められる。よって、マスクパターンにおける記録許容画素の配置や割合を様々に変えることにより、ドットの配置や記録許容率を調整することが出来る。なお、マスクパターンによって定められる記録許容率とは、マスクパターンを構成する記録許容画素と非記録許容画素の総数(全画素数)に対する記録許容画素の数の割合である。
また、以上では2パスのマルチパス記録について説明したが、マルチパス記録はマルチパス数を3パス、4パス、5パスと、より多く設定することにより、画像の一様性を一層高めることが出来る。但し、マルチパス数を多くするほど記録速度も低下するので、多くの記録装置では、画像品位を重視する記録モードや記録速度を重視する記録モードのように、マルチパス数の異なる複数の記録モードを予め用意している。この際、先に説明した双方向記録を併用することで、画像品位と記録速度のバランスにおいて、より適切な記録モードを設定することが可能となる。ただし、マルチパス記録を双方向の奇数パス記録で行った場合には、偶数パス記録では現れない新たな問題が提起される。
図5(a)および(b)は、偶数のマルチパス記録(4パス)と奇数のマルチパス記録(3パス)の違いを説明するための模式図である。
双方向記録では、往路走査と復路走査の双方で記録を行うが、複数のインク色に対応する記録ヘッドが主走査方向に並列に配置している場合、記録媒体にインクを付与する順序は、往路走査と復路走査で逆転する。例えば、往路走査でブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順にインクが付与される場合、復路走査ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順序にインクが付与される。この際、同じ色相を表現するために同じ割合で複数のインク色を記録しても、往路で記録した画像と復路で記録した画像とでは、多少の色差がどうしても発生する。また、単色で記録する場合や、複数のインク色に対応する記録ヘッドが副走査方向に配置している場合であっても、往路走査と復路走査においては例えば後述するサテライトの着弾位置に起因するドット形状の違いのような、何らかの記録特性の違いが現れる。結果、往路で記録した画像と復路で記録した画像とでは、多少の濃度差が発生する。
従って、マルチパス記録を行う場合であっても、往路走査で記録できるドットと復路走査で記録できるドットの数には、出来るだけ偏りがないことが望まれる。例えば、図5(a)を参照するに、4パスのような偶数のマルチパスの場合、記録媒体の同一画像領域(パスとパスの間に行われる記録媒体の搬送の量に対応する幅を有する単位領域)に対し往路走査と復路走査は2回ずつ行われる。よって、同一画像領域に対する各記録走査での記録許容率が均等に25%になっていれば、往路走査で記録できるドットの割合と復路走査で記録できるドットの割合は、共に50%となる。
しかし、図5(b)に示す3パスのマルチパス記録の場合、記録媒体の同一画像領域(単位領域)に対し往路走査と復路走査は同数ずつ行われない。往路走査が2回、復路走査が1回行われる同一画像領域(単位領域)と、往路走査が1回、復路走査が2回行われる同一画像領域(単位領域)とが副走査方向に交互に配列される。すなわち、各記録走査での記録許容率を33.3%と均等にすると、往路走査で記録されるドットが33.3%多い往路走査の記録特性が強い画像領域と、復路走査で記録されるドットが33.3%多い復路走査の記録特性が強い画像領域とが交互に現れる。これら2種類の画像領域では、上述したように色味や濃度が異なることが想定されるので、色むら、濃度むらといった画像弊害が招致される場合がある。
以上説明したような奇数パスの双方向記録における画像弊害は、パス数が少ないほど顕著に現れる。すなわち、往路走査の和と復路走査の和の差が33.3%となる3パスが最も目立ちやすい。各記録走査での記録許容率を均等にしても、5パス、7パスとパス数が多くなるほど記録許容率の差も20%、14.3%と少なく抑えられていくので、上記弊害も目立ち難くなるのである。
このような奇数パスの双方向記録に関し、例えば特許文献1には、記録ヘッドのノズル位置に応じて記録許容率を異ならせることにより、往路走査での記録許容率の和と復路走査での記録許容率の和を等しくする構成が開示されている。
図6は、特許文献1に開示されている3パスのマルチパス記録における往路走査および復路走査の記録許容率を説明するための模式図である。特許文献1によれば、記録ヘッドのノズル列を3つのブロックに分割し、両端部ブロックの記録許容率は25%ずつ、中央部ブロックの記録許容率は50%としている。これにより、往路走査→復路走査→往路走査の順に記録される領域も、復路走査→往路走査→復路走査の順に記録される領域も、往路走査によって記録できるドット数と復路走査によって記録できるドット数を略均等に揃えることが出来る。一方、図6のように、完全に揃えることが出来なくても、上記画像弊害が現れない程度に、往路走査によって記録されるドット数と復路走査によって記録されるドット数の差をなるべく抑えるように記録許容率を定めることも出来る。
図7は、記録ヘッドのノズル列を3つのブロックに分割し、両端部ブロックの記録許容率を30%、中央部ブロックの記録許容率を40%とした例を示した模式図である。このようにすれば、往路走査と復路走査の記録許容率の差は0%にはならないが20%程度に抑えられる。中央部と端部の記録許容率があまり大きいマスクを採用すると、「個々のノズルの吐出特性が画像上で目立ってしまうのを緩和する」という本来のマルチパス記録の効果を損なわせてしまう。また、記録ヘッドの寿命が吐出頻度の大きいノズルの寿命に合わせて短くなるという懸念も生じる。よって、往路走査と復路走査の記録許容率の差に起因する画像弊害が目立たない程度で、且つ、なるべく記録許容率の差を小さく抑えるような、上記のようなマスクが好ましく使用される。つまり、上述したマルチパス効果やヘッドの長寿命化効果を得るには、往復の記録許容率差が小さい図7のマスクパターンの方が、往復の記録許容率差が大きい図6のマスクパターンよりも有利である。
以後、上述したような、複数回の走査のうち少なくとも1回の走査の記録許容率が他の走査の記録許容率とは異なるようなマスクを、本明細書では段差マスクと定義する。要するに、段差マスクとは、各走査の記録許容率が均等でないマスクである。これに対し、各走査の記録許容率が等しく設定された従来の一般的なマスクを、本明細書ではフラットマスクと定義する。
ところで、記録ヘッドからインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録装置においては、ノズルから吐出されるインク滴の分離状態は常に安定しているわけではない。吐出口からインクが滴として吐出される際には、相対的に大きな量の主滴に続いて、これよりも小さく速度も遅い副滴が吐出されることが多い。記録ヘッドは、記録媒体に対して移動しながら吐出動作を行うので、主滴よりも速度の遅い副滴は、主滴よりも主走査の進行方向にずれた位置に着弾し、サテライトと呼ばれる小さなドットを形成する。
図8は、記録媒体における、主滴によって形成されるメインドットと副滴によって形成されるサテライトとの位置関係を説明するための模式図である。図によれば、メインドットに対するサテライトの位置が、往路走査と復路走査で逆転していることが分かる。つまり、双方向のマルチパス記録を実行した場合には、往路方向で記録されるドットと復路方向で記録されるドットが、同じ画像領域(例えば、同一画素、同一画素ライン、M×Nの画素領域)で混在する状況が生じる。
このようなサテライトは、たとえ発生しても、メインドットと同じ位置に記録されるか、あるいはメインドットに比べて充分小さければ、画像上は然程問題にならない。しかし、近年開発されているような、高精細で小液滴なインクを吐出する記録ヘッドの場合には、メインドット自体のドット径も小さくなりサテライトの存在も無視できない状況になっている。特に、2種類のインクを重ねて2次色を表現する場合には、問題がより大きくなる。
図9(a)および(b)は、シアンとマゼンタのドットを重ね合わせて、ブルーを表現する場合を示す図である。図9(a)は、矢印で示す往路方向にキャリッジを移動させながら、2×2画素領域に2つのブルードットを記録する状態を示している。図9(b)は、矢印で示す復路方向にキャリッジを移動させながら、2×2画素領域に2つのブルードットを記録する状態を示している。ここでは、シアンとマゼンタの2つの記録ヘッドにおいて、サテライトの発生条件も同等であるとしている。結果、主滴によって形成されたブルードット(2次色メインドット)の脇に、2色のドットが重なったサテライト(2次色サテライト)が形成されている。このような2次色サテライトは、1次色サテライトよりも更に目立ちやすく、画像にも影響を与えやすい。また、図9(a)および(b)に示される各画素では、2次色サテライトがメインドットの片側に発生しており、サテライトの偏りが生じている。このようにサテライトが不均一に発生した画像では、粒状感が増し、一様性が損なわれ、画像品位が低下する。
このようなサテライトの不均一を解消する技術が特許文献2に開示されている。特許文献2には、同一画素に記録される2種類のインク(シアンとマゼンタ)について、これらのサテライトがメインドットに対して対称的に配置されるように記録する構成が開示されている。
特開2000−108322号公報 特開2007−38671号公報
しかしながら、特許文献2には、奇数パスの双方向記録で用いる好適なマスクの具体的形態については言及されていない。このように従来の奇数パス用マスクでは、同じ画素に記録される複数種ドットのサテライトの位置まで配慮されているものはなかった。
図10は、シアンおよびマゼンタの両方に同じ段差マスクを使用した例を示した模式図である。同一画像領域に注目すると、シアンおよびマゼンタのインクは、1回目の走査で30%の記録が行われ、1回目とは反対方向の2回目の走査で40%の記録が行われ、更に1回目と同じ方向の3回目の走査で30%の記録が行われる。この際、シアンとマゼンタとでは同じマスクが使用されるので、同じ画素に着弾するシアンドットとマゼンタドットは同じ走査方向で記録されることなる。すると、ブルー画像は図9(a)あるいは(b)に示される画素で構成されることになるので、サテライト配置に大きな偏りが発生し、これが画像弊害に繋がる場合がある。
このように従来では、奇数パスのマルチパス記録において、サテライトの着弾位置を一様に分散させる構成を実現できていなかった。結果、奇数パスのマルチパス記録においては、サテライトの配置の偏りに起因する画像弊害を解決することができていなかった。また、往路走査と復路走査の記録許容率の差に起因する画像弊害と、サテライトの配置の偏りに起因する画像弊害とを、同時に解決することもできていなかった。
本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであって、その目的とするところは、サテライトの配置の偏りに起因する画像弊害を抑制することにある。また、本発明の別の目的は、往路走査と復路走査の記録許容率の差に起因する画像弊害と、サテライトの配置の偏りに起因する画像弊害とを、同時に解決することにある。
そのために本発明においては、少なくとも2種類のインクを吐出することが可能な記録ヘッドの往方向および復方向への移動中に前記記録ヘッドによって記録媒体に画像を記録するための双方向記録を実行可能なインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドの幅よりも小なる量の前記記録媒体の搬送を介在した前記記録ヘッドのM(Mは3以上の奇数)回の移動で、前記2種類のインクに対応した2種類のマスクパターンに従って前記双方向記録を実行可能な手段を備え、前記2種類のインクの記録が異なる方向の移動で許容される画素の割合が前記2種類のインクの記録が同じ方向の移動で許容される画素の割合よりも高くなるように、前記2種類のマスクパターンの記録許容画素と非記録許容画素が配列されていることを特徴とする。
また、少なくとも2種類のインクを吐出するための記録ヘッドの往方向および復方向への移動中に前記記録ヘッドによって記録媒体の同一画像領域に画像を記録するための双方向記録を実行可能なインクジェット記録方法であって、前記同一画像領域に対応する画像データをM回(Mは3以上の奇数)の移動に対応する画像データに分割するための、記録許容画素と非記録許容画素が配列されてなるマスクパターンを用意し、前記マスクパターンによって分割された画像データに従って、前記同一画像領域に前記M回の移動によって前記双方向記録を実行する工程を有し、前記マスクパターンの記録許容画素と非記録許容画素は、前記2種類のインクの記録が異なる方向の移動で許容される画素の割合が前記2種類のインクの記録が同じ方向の移動で許容される画素の割合よりも高くなるように、配列されていることを特徴とする。
更に、少なくとも2種類のインクを吐出するための記録ヘッドの往方向および復方向への移動中に前記記録ヘッドによって記録媒体の同一画像領域に画像を記録するための双方向記録を実行可能なインクジェット記録装置と、前記インクジェット記録装置を制御するための制御装置とを含む記録システムであって、前記記録ヘッドの幅よりも小なる量の前記記録媒体の搬送を介在した前記記録ヘッドのM(Mは3以上の奇数)回の移動で、前記2種類のインクに対応した2種類のマスクパターンに従って前記同一画像領域に対して前記双方向記録を実行可能な手段を備え、前記2種類のインクを異なる方向の移動で記録可能な画素の割合が前記2種類のインクを同じ方向の移動で記録可能な画素の割合よりも高くなるように、前記2種類のマスクパターンの記録許容画素と非記録許容画素は配列されていることを特徴とする。
更にまた、少なくとも2種類のインクを吐出するための記録ヘッドの往方向および復方向への移動中に前記記録ヘッドによって記録媒体の同一画像領域に画像を記録するための双方向記録を実行するためのインクジェット記録方法であって、前記同一画像領域に対応する画像データを、記録許容画素と非記録許容画素が配列されてなるマスクパターンを用いて、M(Mは3以上の奇数)回の移動に対応する画像データに分割する分割工程と、前記分割工程によって分割された画像データに従って、前記同一画像領域に前記M回の移動によって前記双方向記録を実行する工程と、を有し、前記マスクパターンの記録許容画素と非記録許容画素は、前記2種類のインクの記録が異なる方向の移動で許容される画素の割合が前記2種類のインクの記録が同じ方向の移動で許容される画素の割合よりも高くなるように、配列されていることを特徴とする。
本発明によれば、往路方向の走査と復路方向の走査の記録許容率の差に起因する画像弊害と、サテライトの配置の偏りに起因する画像弊害とを、より効果的に抑制しながらも、個々のノズルの駆動周波数を実質的に低減することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図11は、本実施形態の記録装置200と情報処理装置(ホストコンピュータ)100とを含む記録システムの制御構成を示す図である。200は記録ヘッドによりインクを吐出して記録を行う記録装置、100は記録装置200に画像データを供給する役割や記録装置200を制御する役割を担う情報処理装置を示している。記録装置200と情報処理装置100は、既知の通信手段で接続されており相互に通信が可能である。ユーザは、情報処理装置100にアクセスすることにより、記録装置200に記録させるための画像データを生成したり、当該画像データを記録装置200に記録させたり出来る。また、情報処理100では、記録装置200において実行可能な複数の記録モードの中から1つの記録モードを選択的に指定可能になっている。詳しくは、ユーザによって指定された「記録媒体の種類」と「記録品位」の組み合わせによって、複数の記録モードの中から1つの記録モードが選択的に指定される構成となっている。こうして情報処理装置100において指定された記録モードに関する情報は記録装置200へ送信される。記録装置200では、この送信された情報に基づいて、実行すべき記録モードを設定することになる。
記録装置200で実行可能な複数の記録モードには、3パス、5パス、7パス等のM(Mは3以上の奇数)パスの双方向記録モードが含まれている。Mパスの双方向記録モードとは、使用可能なノズルの配列範囲の幅より小なる量の記録媒体の搬送を介在した記録ヘッドのM回の走査によって、記録媒体の搬送の量に対応した幅を有する領域に対して双方向記録を実行するモードを指す。例えば、3パスの記録モードでは、3パスモードで使用可能なノズルの配列範囲の1/3の幅に対応した量の記録媒体の搬送を介在した記録ヘッドの3回の走査によって、上記1/3の幅を有する領域に対して画像が記録される。
記録装置200には、コントローラ213、記録ヘッド21、ヘッド駆動回路202、キャリッジ2、キャリッジモータ204、搬送ローラ14、搬送モータ206等が設けられている。ヘッド駆動回路202は記録ヘッド21の駆動を行うための回路で、ヘッド駆動回路202によって記録ヘッド21が駆動されてインクが吐出される。キャリッジモータ204は、記録ヘッド21を搭載するためのキャリッジ2を往復移動させるためのモータである。搬送モータ206は、記録媒体を搬送するための搬送ローラ14を搬送するためのモータである。装置全体を制御するためのコントローラ213には、マイクロプロセッサ形態のCPU210、制御プログラムが収納されているROM211、CPUが画像データの処理等を行う際に使用するRAM212等が設けられている。ROM211には、各記録モードに対応する複数種類のマスクパターン(例えば、図16や図21に示されるマスクパターン)やマルチパス記録を制御するための制御プログラム等が格納されている。コントローラ213は、情報処理装置100から送信された記録モードに関する情報に基づいて、実行すべき記録モードを設定する。また、コントローラ213はマルチパス記録を実行するために、ヘッド駆動回路202、キャリッジモータ204、搬送モータ206を制御する他、マルチパス記録の各走査に対応した画像データを生成する。詳しくは、コントローラ213は、制御プログラムに従って、ROM211から読み出したこのマスクパターンを用いて、同一画像領域(所定領域)に対応する画像データを分割して各走査に対応した画像データを生成する。具体的には、同一画像領域に対応する画像データをマスクパターンに従って間引くことにより、各走査に対応した間引き画像データを生成する。各走査では、これら間引き画像データに従って間引き画像が記録され、これにより、同一画像領域に対する記録が完成する。更に、コントローラ200は、この間引き画像データに従って記録ヘッド21からインクが吐出されるようにヘッド駆動回路202を制御する。
図12は、本発明に使用可能なインクジェット記録装置の内部構造を説明するための斜視図である。図において、1000は交換式のヘッドカートリッジであり、インクを吐出するための記録ヘッド21とこれにインクを供給するインクタンクとから構成されている。2はヘッドカートリッジ1000を着脱自在に保持するキャリッジである。3はヘッドカートリッジ1000をキャリッジ2に固定するためのホルダである。ヘッドカートリッジ1000をキャリッジ2内に装着してからカートリッジ固定レバー4を操作すると、これに連動してヘッドカートリッジ1000がキャリッジ2に圧接される。当該圧接によってヘッドカートリッジ1000の位置決めが行われると同時に、キャリッジ2に設けられた所要の信号伝達用の電気接点とヘッドカートリッジ1000側の電気接点とのコンタクトがなされる。5は、電気信号をキャリッジ2に伝えるためのフレキシブルケーブルである。
6は、キャリッジ2を主走査方向(第1の方向)に往復移動させるための駆動源をなすキャリッジモータに連動したプーリ、7は当該駆動力をキャリッジユニット2に伝達するキャリッジベルトである。8は主走査方向に延在してキャリッジ2の支持を行うとともにその移動を案内するガイドシャフトである。
9はキャリッジ2に取り付けられた透過型のフォトカプラ、10はホームポジション付近に設けられた遮光板である。キャリッジユニット2がホームポジションに至ったとき、遮光板10がフォトカプラ9の光軸を遮り、キャリッジ2がホームポジションにあることが検出される。12は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材やこのキャップ内を吸引する吸引手段、さらにはヘッド前面のワイピングを行う部材などの回復系を含むホームポジションユニットである。
14は搬送ローラであり、主走査方向と交差する副走査方向(第2の方向)へ記録媒体を所定量搬送する。記録ヘッド21からインクを吐出しながらヘッドカートリッジ1000を搭載したキャリッジを移動させる動作と、搬送ローラ14による記録媒体の所定量の搬送動作を繰り返すことにより、記録媒体に段階的に画像が記録されていく。
13は、記録媒体を排出するための排出ローラであり、不図示の拍車状ローラと協動して記録媒体を挟み込み、これを記録装置外へと排出する。
図13は、ヘッドカートリッジ1000の詳細を説明するための斜視図である。図13において、15はBk(ブラック)インクを貯溜する交換可能なインクタンク、16はC(シアン)、M(マゼンタ)およびY(イエロー)のインクを貯溜する交換可能なインクタンクである。17はヘッドカートリッジ1000と連結してインクを供給する部分となるインクタンク16のインク供給口、18は同様にインクタンク15のインク供給口である。インク供給口17および18は、供給管20に連結されて記録ヘッド21にインクを供給するように構成されている。19は前述のフレキシブルケーブル5と接続され、記録データに基づく信号を記録ヘッド21に伝えるための電気コンタクトである。
また、図13において、記録ヘッド21の前面に図示されている複数列の線は各々、インクを吐出するノズルが複数配列したノズル列である。4つのノズル列のそれぞれから、互いに色相の異なるBk(ブラック)インク、C(シアン)インク、M(マゼンタ)インク、Y(イエロー)インクが吐出される。
図14は、記録ヘッド21のノズル構造を説明するための模式的側断面図である。5102、5104、5106および5108は、夫々の種類のインクを受容する共通液室であり、この順番にブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクに対応している。これら共通液室5102〜5108は、ヒータボード4001および4002の半導体プロセスが施された面の裏面から、異方性エッチングによって形成される。また、共通液室5102〜5108は、吐出用のヒータ群(5003や5005)に対応した液路群(5004や5006)に連通している。個々の液路に供給されたインク中には、記録信号に基づいたヒータの急激な発熱によって発泡が生じ、この発泡エネルギによって所定量のインクが滴として吐出口から記録媒体Pに向けて吐出される。本明細書においては、1つのヒータと1つの液路および1つの吐出口によって構成される単位を1つのノズルと定義する。
図13では、記録ヘッド21上に4列のノズル列が配備されたように示しているが、実際の本実施形態の記録ヘッドでは、Fig.14に見るように、1つの共通液室から、その両側に配備された2列のノズル列に同色のインクが供給される構成になっている。ここでは、図14に向かって左側のノズル列すなわち5004を偶ノズル、右側のノズル列すなわち5006を奇ノズルと呼称する。なお、他色の共通液室とノズル列についても同様の構成を有するものとする。但し、このような構成は本発明を特徴付けるものではない。各色インクが1列ずつのノズル列から吐出される構成であっても構わない。
5101、5103、5105および5107は、ベースプレート4000に形成され、共通液室5102、5104、5106、及び5108と共に共通液室を構成する。5001および5002は、各ノズルを形成したオリフィスプレートであり、通常は耐熱性の樹脂で構成されている。
(第1の実施形態)
以下、本実施形態における特徴的な構成を説明する。本実施形態は、M回(Mは3以上の奇数回)の走査の双方向記録において使用される段差マスクの構造(記録許容画素の配置)に特徴を持たせるものである。
本実施形態では、2種類のインクの記録が反対方向の走査で許容される画素の割合が2種類のインクの記録が同方向の走査で許容される画素の割合よりも高くなるように、記録許容画素と非記録許容画素が配列された段差マスクを用いる。これにより、図19(a)および(b)で示されるような、2次色メインドットの両側に1次色サテライトが現れる画素の割合を、図9で説明したような、2次色メインドットの片側に2次色サテライトが現れる画素の割合よりも高くできる。
図19(a)および(b)は、同じ画素に対してシアンドット(第1の色のドット)とマゼンタドット(第2の色のドット)が反対方向の走査で記録される画素におけるメインドットとサテライトの関係を示したものである。図19(a)および(b)に示されるように、シアンのサテライト(1次色サテライト)とマゼンタのサテライト(1次色サテライト)がブルードット(2次色メインドット)の両側に分かれて着弾する。すると、メインドットに対するサテライトの分布は一様になるため、サテライトの偏りによる画像弊害は生じない。また、個々のサテライトは1次色であるため、図9(a)および(b)のような2次色サテライトが生じる画素に比べて、サテライト自体が目立ちにくくなる。従って、図19(a)および(b)のような画素の割合を図9(a)および(b)のような画素の割合よりも多くすることで、より高品位な画像を得ることが可能となる。
また、本実施形態の段差マスクでは、フラットマスクに比べて、往路走査と復路走査の記録許容率の差を小さくしている。すなわち、M(Mは3以上の奇数)回の走査の双方向記録モードで使用されるフラットマスクでは、往路走査と復路走査の記録許容率の差は100/M(%)となる。上述したように、往復の記録許容率差が100/M(%)の場合、色むらや濃度むらが目立つ場合がある。そこで、本実施形態では、往復の記録許容率差(つまり、往方向への移動中に記録可能な画素の割合と復方向への移動中に記録可能な画素の割合との差)が100/M(%)より小さい段差マスクを用いる。M(Mは3以上の奇数)回の走査を行う場合、往方向と復方向のうちの一方の方向への走査が{(M−1)/2}回行われ、他方の方向への走査が{(M+1)/2}回行われる。従って、一方の方向への{(M−1)/2}回の走査での記録許容率の和と他方の方向への{(M+1)/2}回の記録許容率の和の差が100/M(%)より小さくなるように、マスクパターンの記録許容画素を配置すればよい。これにより、フラットマスクを用いる場合よりも、色むらや濃度ムラを軽減することができる。
以下、本実施形態で用いる段差マスクの構成について具体的に説明する。図15は、本実施形態で採用するM=3パス用のマスクの構造を、シアン用のノズル列1501とマゼンタ用のノズル列1502に分けて説明するための模式図である。ここでは簡単のため、シアンおよびマゼンタの各ノズル列は192個ずつのノズルを備えているものとする。シアン用のノズル列1501は、64ノズルずつの3つのブロックA〜Cに分割(3分割)される。そして、個々のブロックでは、ノズル並び方向(副走査方向)が16画素×主走査方向が32画素の領域を有するマスクパターンが使用される。これらマスクパターンが、同一画像領域に対応したシアンの画像データを記録ヘッドの3回の走査夫々で記録するための画像データに分割するための画像データ分割手段として機能する。例えば、Aブロック用のマスクパターンは、マスクパターンA10がノズル並び方向に4つ配置されて構成されている。同様に、Bブロック用のマスクパターンは4つのマスクパターンB10、Cブロック用のマスクパターンは4つのマスクパターンC10で、それぞれ構成されている。また、同一画像領域に対する3パスのうち、1パス目ではマスクパターンC10が使用され、2パス目ではマスクパターンB10が使用されなお、3パス目ではマスクパターンA10が使用される。
一方、マゼンタのノズル列1502は、ノズル並び方向にD〜Fの3つのブロックに分割され、夫々のブロックではマスクパターンD10、E10およびF10がそれぞれ使用される。また、同一画像領域に対する3パスのうち、1パス目ではマスクパターンF10が使用され、2パス目ではマスクパターンE10が使用されなお、3パス目ではマスクパターンD10が使用される。
図16は、本実施形態で使用するマスクパターンA10〜F10の内容を説明するための図である。副走査方向が16画素×主走査方向が32画素の領域からなるマスクパターンは、記録許容画素(黒で示される画素)あるいは非記録許容画素(白で示される画素)の配列によって構成されている。3種類のマスクパターンA10、B10およびC10は互いに補完の関係を有し、これらを重ね合わせることによって、16画素×32画素の領域に含まれる全ての画素それぞれに対し、1回ずつ記録が許容される。すなわち、シアンのノズル列1501の記録走査と、64画素の紙送り(副走査)を交互に繰り返すことにより、記録媒体の同一画像領域には、3回の記録走査夫々でマスクパターンに従った間引き画像が形成される。これにより、同一画像領域には100%のシアン画像が記録可能となる。
マゼンタについても同様の関係が成り立つ。すなわち、マスクパターンD10、E10およびF10は互いに補完の関係を有し、これらを重ね合わせることによって、画像データに基づいた100%のマゼンタ画像が記録される。
本実施形態では、シアン用のマスクパターンA10〜C10とマゼンタ用のマスクパターンD10〜F10との間に、以下に示す特別な関係を持たせることを特徴とする。
(1)マスクパターンAおよびマスクパターンDの記録許容率は30%である。
(2)マスクパターンBおよびマスクパターンEの記録許容率は40%である。
(3)マスクパターンCおよびマスクパターンFの記録許容率は30%である。
(4)マスクパターンA10⊆マスクパターンE10
すなわち、マスクパターンA10の記録許容画素の全てが、マスクパターンE10の記録許容画素になっている。つまり、マゼンタドットとシアンドットが記録される画素のうち、3パス目でシアンドットが記録される画素には、3パス目とは走査方向が逆の2パス目でマゼンタドットが記録されることになる。
(5)マスクパターンF10⊆マスクパターンB10
すなわち、マスクパターンF10の記録許容画素の全てが、マスクパターンB10の記録許容画素になっている。つまり、マゼンタドットとシアンドットが記録される画素のうち、1パス目でマゼンタドットが記録される画素には、1パス目とは走査方向が逆の2パス目でシアンドットが記録されることなる。
(6)マスクパターンA10とマスクパターンD10は記録許容画素が互いに排他の関係にある。つまり、3パス目ではシアンドットとマゼンタドットが同じ画素に記録されることはない。
(7)マスクパターンB10とマスクパターンE10は記録許容画素が互いに排他の関係にある。つまり、2パス目ではシアンドットとマゼンタドットが同じ画素に記録されることはない。
(8)マスクパターンC10とマスクパターンF10は記録許容画素が互いに排他の関係にある。つまり、1パス目ではシアンドットとマゼンタドットが同じ画素に記録されることはない。
図17は、上記8つの条件を全て満たした場合の、各パターン同士の記録許容画素の重複率を示した図である。図17を参照しながら、上記条件を満たす本実施形態の効果を説明するために、シアンのノズル列1501の各ブロックでシアンドットが記録される画素に対するマゼンタドットの記録方向を考える。
まず、ブロックAでシアンドットが記録される画素群に着目すると、条件(4)によりこれら全ての画素群はブロックEによって記録される。すなわち、ブロックAで記録許容されるシアン30%の全てに対し、反対方向の記録走査でマゼンタが記録される。
次に、ブロックBでシアンドットが記録される画素群に着目すると、条件(7)によりこれら全ての画素群はブロックEによって記録されることはない。すなわち、ブロックBで記録許容されるシアン40%の全てに対し、ブロックDまたはブロックFのいずれかによって、反対方向の記録走査でマゼンタが記録される。
さらに、ブロックCでシアンドットが記録される画素群に着目すると、図17を参照するに、これら画素群のうち20%はブロックDによって、10%はブロックEによってマゼンタドットが記録される。すなわち、ブロックAで記録許容されるシアン30%のうち、10%がブロックEによって反対方向の記録走査でマゼンタが記録される。
すなわち、シアンドットとマゼンタドットが、反対方向の記録走査で記録される画素の割合(確率)は30%+40%+10%=80%となり、同じ方向の記録走査で記録される画素の割合(20%)に比べてはるかに高い値となる。従って、図19で説明したような、2次色メインドットの両側に1次色サテライトが現れる画素の割合を、図9で説明したような、2次色メインドットの片側に2次色サテライトが現れる画素の割合よりも高くできる。これにより、サテライトの偏りが抑制され、且つサテライト自体が視認されにくい、高品位画像を得ることが可能となる。
図16に示したA10〜F10のマスクパターンは、上記8つの条件を全て満たしている。但し、16画素×32画素という限られた領域では、記録許容率を正確に30%や40%に設定することは出来ないので、各パターン同士の記録許容画素の重複率は厳密には図17のようにはならない。図18は、図16に示したA10〜F10のマスクパターンを実際に採用した場合の、各パターン同士の記録許容画素の重複率を示した図である。個々の重複率に多少の端数は生じているが、図17に示した値に近いことが確認できる。
以上説明したように本実施形態によれば、上記(1)〜(3)に加え(4)〜(8)の条件を満たすように、シアン用のノズル列に対するマスクパターンと、マゼンタ用のノズル列に対するマスクパターンを用意する。そして、これらマスクパターンに基づいて奇数回走査のマルチパス記録を行う。これにより、シアンドットとマゼンタドットを異なる方向の走査で記録可能な画素の割合(確率)が、シアンドットとマゼンタドットを同じ方向の走査で記録な画素の割合よりも高くなる。また、本実施形態の段差マスクでは、往復の記録許容率差が20%となるので、フラットマスクを用いた場合の往復の記録許容率差(100/3%)よりも小さくなる。結果、往路方向の走査と復路方向の走査の記録許容率の差に起因する画像弊害と、サテライトの配置の偏りに起因する画像弊害とを、より効果的に抑制することが可能になる。
(第2の実施形態)
図20は、本実施形態で採用するマスクの構造を、シアン用のノズル列1501とマゼンタ用のノズル列1502に分けて説明するための模式図である。本実施形態においても第1の実施形態と同様、各ノズル列は192個ずつのノズルを備え、それぞれが64ノズルずつの3つのブロックA〜CおよびD〜Fに分割される。本実施形態においても、個々のブロックでは、ノズル並び方向(副走査方向)が16画素×主走査方向が32画素の領域を有するマスクパターン(A12〜F12)が使用される。
図21は、本実施例で使用するマスクパターンA12〜F12の内容を説明するための図である。副走査方向が16画素×主走査方向が32画素の領域からなるマスクパターンは、記録許容画素および非許容画素の配列によって構成されている。第1の実施形態と同様、マスクパターンA12、B12およびC12は互いに補完の関係を有し、これらを重ね合わせることによって、16画素×32画素に含まれる全ての画素それぞれに対し、1回ずつ記録が許容される。マスクパターンD12、E12およびF12の関係についても同様である。
本実施形態のマスクパターンにおいては、シアン用のマスクパターンA12〜C12とマゼンタ用のマスクパターンD12〜F12の間に以下に示す特別な関係を持たせることを特徴とする。
(1)マスクパターンAおよびマスクパターンDの記録許容率は30%である。
(2)マスクパターンBおよびマスクパターンEの記録許容率は40%である。
(3)マスクパターンCおよびマスクパターンFの記録許容率は30%である。
(4)マスクパターンA12の記録許容画素の大部分が、マスクパターンE12の記録許容画素になっている。
(5)マスクパターンF12の記録許容画素の大部分が、マスクパターンB12の記録許容画素になっている。
(6)マスクパターンA12とマスクパターンD12は記録許容画素の大部分が互いに排他の関係にある。
(7)マスクパターンB12とマスクパターンE12は記録許容画素の大部分が互いに排他の関係にある。
(8)マスクパターンC12とマスクパターンF12は記録許容画素の大部分が互いに排他の関係にある。
(9)全てのマスクパターンにおいて、記録許容画素(黒)は主走査方向に隣接しないように配置されている。
本実施例において、(9)の条件は、個々の記録素子の駆動周波数を実質的に低減するために、個々の記録素子の連続した吐出動作を回避するように加えた条件である。そして、この条件を加える変わりに、(4)〜(8)の条件については第1の実施形態に比べて多少の猶予を与えている。すなわち、この第2の実施形態のマスクパターンにおいては、(9)の条件を最優先に満足させながらも、(4)〜(8)の条件が極力満たされるように記録許容画素が配置されている。
図22は、上記9つの条件を全て満たすように本発明者らが作成したマスクパターンについて、各パターン同士の記録許容画素の重複率を示した図である。図22を参照しながら、本実施形態のシアンドットが記録される画素に対するマゼンタドットの記録方向を考えると以下のようになる。
まず、ブロックAでシアンドットが記録されブロックEでマゼンタドットが記録される割合、すなわちパターンA12とパターンE12の重複率は、26.3%となる。また、ブロックBでシアンドットが記録されブロックDまたはFでマゼンタドットが記録される割合、すなわちパターンBとパターンDの重複率およびパターンBとパターンFの重複率の和は、5.08%+31.25%=36.33%となる。さらに、ブロックCでシアンドットが記録されブロックEでマゼンタドットが記録される割合、すなわちパターンC12とパターンE12の重複率は、9.38%となる。以上より、シアンドットとマゼンタドットが、互いに異なる方向の記録走査で記録される画素の割合(確率)は26.3%+36.33%+9.38%=72.02%となる。従って、反対方向で記録される画素の割合(72.02%)は、同じ方向の記録走査で記録される画素の割合(17.98%)に比べてはるかに高い値となる。よって、図19(a)および(b)で説明したような、2次色メインドットの両側に1次色サテライトが現れる画素の割合を、Fig.9(a)および(b)で説明したような、2次色メインドットの片側に2次色サテライトが現れる画素の割合よりも高くできる。これにより、サテライトの偏りが抑制され、且つサテライト自体が視認されにくい、高品位画像を得ることが可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、上記(1)〜(3)に加え(4)〜(9)の条件を満たすように、シアン用のノズル列に対するマスクパターンと、マゼンタ用のノズル列に対するマスクパターンを用意する。そして、これらマスクパターンに基づいて奇数回走査のマルチパス記録を行う。これにより、シアンドットとマゼンタドットが互いに異なる方向の記録走査で記録される画素の割合(確率)を、同じ方向の記録走査で記録される画素の割合よりも高くできる。また、本実施形態の段差マスクでは、往復の記録許容率差が20%となるので、フラットマスクを用いた場合の往復の記録許容率差(100/3%)よりも小さくなる。結果、往路方向の走査と復路方向の走査の記録許容率の差に起因する画像弊害と、サテライトの配置の偏りに起因する画像弊害とを、より効果的に抑制しながらも、個々のノズルの駆動周波数を実質的に低減することが可能になる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、図11を用いて、ユーザが直接アクセスする情報処理装置100と記録装置200とを連結した記録システムとして説明してきたが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。ユーザが、直接記録装置にアクセスして記録モードを設定する構成であってもよい。この場合、記録装置の操作パネルにおいてユーザが複数の記録モードの中から実行すべき1つの記録モードを選択し、選択された記録モードが記録装置200において設定されることになる。また、上記実施形態で使用したマスクパターンは、記録装置200のメモリ(ROM211)に格納されていてもよいが、情報処理装置100のメモリに格納されている形態であっても構わない。この場合、画像データと共に記録モードに対応したマスクパターンが記録装置に転送されたり、あるいはマスクパターンによって処理された画像データが個々の記録走査における記録信号として記録装置に転送されたりすればよい。
また、上述した実施形態では、シアンとマゼンタの2種類のインクを例に挙げて説明したが、本発明を適用できる2種類のインクはシアンおよびマゼンタのインクに限られるものではない。例えば、イエローとマゼンタの2種類のインクに対して上述したマスクパターンを適用することもできる。また、上記の実施形態では、2種類のインク(シアン、マゼンタ)に対応した2種類のマスクパターンの記録許容率の分布はどちらも同じになっているが、2種類のインク間で記録許容率の分布を異ならせても構わない。例えば、一方のインク(例えば、シアン)の記録許容率は1〜3パス目で夫々30%、40%、30%とし、他方のインク(例えば、マゼンタ)の記録許容率は1〜3パス目で夫々28%、44%、28%としてもよい。但し、2種類のインクの記録が異なる方向の移動で許容される画素の割合が2種類のインクの記録が同じ方向の移動で許容される画素の割合よりも高くなるように、2種類のマスクパターンの記録許容画素が配列されている必要がある。
また、上記の実施形態では、M(Mは3以上の奇数)パスの双方向記録モードにおいて、往復の記録許容率差が100/M(%)より小さい段差マスクを用いているが、本発明はこれに限られるものではない。サテライトの配置偏りに起因する画像弊害を抑制するには、所定の2種類のインクが異なる方向の走査で記録される画素の割合を、所定の2種類のインクが同じ方向の走査で記録される画素の割合よりも高くすればよい。従って、この条件を満たすマスクを用いれば、本発明の第1の目的は達成されるので、往復の記録許容率の差が100/M(%)より小さい段差マスクを用いることは必須ではない。しかし、往復の記録許容率の差に起因する画像弊害と、サテライトの配置の偏りに起因する画像弊害とを同時に解決するには、往復の記録許容率の差が100/M(%)より小さい段差マスクを用いることが好適である。なお、往復の記録許容率の差とは、往方向への移動中に記録可能な画素の割合と復方向への移動中に記録可能な画素の割合との差である。
また、上記第1および第2の実施形態では、M(Mは3以上の奇数)パスの双方向記録モードとして、3パスモードについて説明したが、本発明は5パス、7パス等の奇数パスモードに広く適用可能である。
(a)〜(c)は、吐出特性にばらつきが含まれていない記録ヘッドの記録状態を説明するための図である。 (a)〜(c)は、吐出特性にばらつきが含まれている記録ヘッドの記録状態を説明するための図である。 (a)〜(c)は、図2(a)〜(c)で示したような記録ヘッドを用いてマルチパス記録を行った場合の記録状態を説明するための図である。 (a)〜(c)は、連続する3回の記録走査における、個々のノズルが記録するドットの配置を示すための図である。 (a)および(b)は、偶数のマルチパス記録(4パス)と奇数のマルチパス記録(3パス)の違いを説明するための模式図である。 3パスのマルチパス記録における往路走査および復路走査の記録許容率を説明するための模式図である。 記録ヘッドのノズル列を3つのブロックに分割し、両端部ブロックの記録許容率を30%、中央部ブロックの記録許容率を40%とした例を示した模式図である。 記録媒体における主滴によって形成されるメインドットとサテライトとの位置関係を説明するための模式図である。 (a)および(b)は、シアンとマゼンタのドットを重ね合わせてブルーを表現する場合を示す図である。 記録ヘッドのノズル列を3つのブロックに分割し、両端部ブロックの記録許容率を30%、中央部ブロックの記録許容率を40%としたマスクを、シアンおよびマゼンタの両方に使用した例を示した模式図である。 本発明の実施形態に適用可能な記録装置本体と情報処理装置(ホストコンピュータ)とを含む記録システムの制御構成を示すブロック図である。 本発明に適用可能なインクジェット記録装置の内部構造を説明するための斜視図である。 ヘッドカートリッジ1000の詳細を説明するための斜視図である。 記録ヘッドのノズル構造を説明するための模式的側断面図である。 第1の実施形態で採用するマスクの構造を、シアン用のノズル列1501とマゼンタ用のノズル列1502に分けて説明するための模式図である。 第1の実施形態で使用するマスクパターンA10〜F10の内容を説明するための図である。 第1の実施形態の条件を全て満たした場合の、各パターン同士の記録許容画素の重複率を示した図である。 A10〜F10のマスクパターンを実際に採用した場合の、各パターン同士の記録許容画素の重複率を示した図である。 同じ画素に対してシアンドットとマゼンタドットが反対方向の走査で記録される画素におけるメインドットとサテライトの関係を示した図である。 第2の実施形態で採用するマスクの構造を、シアン用のノズル列1501とマゼンタ用のノズル列1502に分けて説明するための模式図である。 第2の実施形態で使用するマスクパターンA12〜F12の内容を説明するための図である。 第2の実施形態の条件を満たすように本発明者らが作成したマスクパターンについて、各パターン同士の記録許容画素の重複率を示した図である。 2パス記録で用いるマスクパターンを説明するための図である。
符号の説明
2 キャリッジユニット
3 ホルダ
4 カートリッジ固定レバー
5 フレキシブルケーブル
6 プーリ
7 キャリッジベルト
8 ガイドシャフト
9 フォトカプラ
10 遮光板
12 ホームポジションユニット
13 排出ローラ
14 ラインフィードユニット
15 インクタンク
16 インクタンク
17 インク供給口
18 インク供給口
19 電気コンタクト
20 供給管
21 記録ヘッド
100 情報処理装置
200 記録装置
202 ヘッド駆動回路
204 キャリッジモータ
206 搬送モータ
210 CPU
211 ROM
212 RAM
213 コントローラ
1000 ヘッドカートリッジ
1403 主滴
1404 副滴
1501 シアンノズル列
1502 マゼンタノズル列

Claims (9)

  1. 少なくとも2種類のインクを吐出することが可能な記録ヘッドの往方向および復方向への移動中に前記記録ヘッドによって記録媒体に画像を記録するための双方向記録を実行可能なインクジェット記録装置であって、
    前記記録ヘッドの幅よりも小なる量の前記記録媒体の搬送を介在した前記記録ヘッドのM(Mは3以上の奇数)回の移動で、前記2種類のインクに対応した2種類のマスクパターンに従って前記双方向記録を実行可能な手段を備え、
    前記2種類のインクの記録が異なる方向の移動で許容される画素の割合が前記2種類のインクの記録が同じ方向の移動で許容される画素の割合よりも高くなるように、前記2種類のマスクパターンの記録許容画素と非記録許容画素が配列されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記2種類のマスクパターンそれぞれの記録許容画素は、前記往方向への移動と前記復方向への移動の記録許容率の差が100/M(%)より小さくなるように配列されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記Mは3であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記2種類のインクは互いに色相の異なるインクであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記2種類のインクはシアンおよびマゼンタのインクであることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記2種類のマスクパターンそれぞれの記録許容画素は、前記記録ヘッドの移動する方向に連続しないことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 少なくとも2種類のインクを吐出するための記録ヘッドの往方向および復方向への移動中に前記記録ヘッドによって記録媒体の同一画像領域に画像を記録するための双方向記録を実行可能なインクジェット記録方法であって、
    前記同一画像領域に対応する画像データをM回(Mは3以上の奇数)の移動に対応する画像データに分割するための、記録許容画素と非記録許容画素が配列されてなるマスクパターンを用意し、
    前記マスクパターンによって分割された画像データに従って、前記同一画像領域に前記M回の移動によって前記双方向記録を実行する工程を有し、
    前記マスクパターンの記録許容画素と非記録許容画素は、前記2種類のインクの記録が異なる方向の移動で許容される画素の割合が前記2種類のインクの記録が同じ方向の移動で許容される画素の割合よりも高くなるように、配列されていることを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 少なくとも2種類のインクを吐出するための記録ヘッドの往方向および復方向への移動中に前記記録ヘッドによって記録媒体の同一画像領域に画像を記録するための双方向記録を実行可能なインクジェット記録装置と、前記インクジェット記録装置を制御するための制御装置とを含む記録システムであって、
    前記記録ヘッドの幅よりも小なる量の前記記録媒体の搬送を介在した前記記録ヘッドのM(Mは3以上の奇数)回の移動で、前記2種類のインクに対応した2種類のマスクパターンに従って前記同一画像領域に対して前記双方向記録を実行可能な手段を備え、
    前記2種類のインクを異なる方向の移動で記録可能な画素の割合が前記2種類のインクを同じ方向の移動で記録可能な画素の割合よりも高くなるように、前記2種類のマスクパターンの記録許容画素と非記録許容画素は配列されていることを特徴とする記録システム。
  9. 少なくとも2種類のインクを吐出するための記録ヘッドの往方向および復方向への移動中に前記記録ヘッドによって記録媒体の同一画像領域に画像を記録するための双方向記録を実行するためのインクジェット記録方法であって、
    前記同一画像領域に対応する画像データを、記録許容画素と非記録許容画素が配列されてなるマスクパターンを用いて、M(Mは3以上の奇数)回の移動に対応する画像データに分割する分割工程と、
    前記分割工程によって分割された画像データに従って、前記同一画像領域に前記M回の移動によって前記双方向記録を実行する工程と、を有し、
    前記マスクパターンの記録許容画素と非記録許容画素は、前記2種類のインクの記録が異なる方向の移動で許容される画素の割合が前記2種類のインクの記録が同じ方向の移動で許容される画素の割合よりも高くなるように、配列されていることを特徴とするインクジェット記録方法。
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