JP2010253946A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】各記録走査の記録許容率に偏りを持たせることなく、突発的な搬送ずれが発生しても、記録媒体全域において一様で滑らか画像を出力することが可能な記録装置および記録方法を提供する。
【解決手段】2Mパスのマルチパス記録を行う際に、Mパス目とM+1パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が、他の2つの連続するパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率よりも高く設定されたマスクを用いる。これにより、突発的な搬送ずれ等によってドットの補完関係が崩れ、濃度低下が懸念される場合であっても、重複ドットが分離することによって濃度の上昇が促進され、上記濃度低下を緩和することが可能となる。
【選択図】図12
【解決手段】2Mパスのマルチパス記録を行う際に、Mパス目とM+1パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が、他の2つの連続するパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率よりも高く設定されたマスクを用いる。これにより、突発的な搬送ずれ等によってドットの補完関係が崩れ、濃度低下が懸念される場合であっても、重複ドットが分離することによって濃度の上昇が促進され、上記濃度低下を緩和することが可能となる。
【選択図】図12
Description
本発明は、シリアル型のインクジェット記録装置を用いてマルチパス記録を実行する際に、記録走査単位の記録位置ずれに起因して生ずる画質劣化を低減するためのインクジェット記録方法に関する。
ドットを記録するための複数の記録素子を備えた記録ヘッドを用いる記録方式の一例として、記録素子からインクを吐出して記録媒体にドットを記録するインクジェット記録方式が知られている。インクジェット記録装置では、複数の記録素子が配列された記録ヘッドを用いるが、当該記録ヘッドにおいては、記録素子間で吐出量や吐出方向にばらつきが生じ、このようなばらつきが原因で、画像に濃度むらやスジが発生することがある。
このような濃度ムラやスジを軽減するための技術として、マルチパス記録方式が知られている。マルチパス記録方式では、記録媒体の単位領域に記録すべき画像データを記録ヘッドによる複数回の記録を伴う移動(以下記録走査と称す)の夫々で記録する画像データに分割する。そして、搬送動作を介在させた複数回の記録走査によって上記分割した画像データを順次記録する。こうすることで、個々の記録素子の吐出特性にばらつきが含まれていたとしても、1つの記録素子によって記録されるドットが走査方向に連続することはなく、個々の記録素子の影響を広い範囲に分散されることが出来る。その結果、一様で滑らかな画像を得ることが出来る。
以上説明したようなマルチパス記録を行う際、個々の記録走査に対して、画像データを分割する必要が生じる。一般に、このような分割には、ドットの記録を許容する記録許容エリア(1)とドットの記録を許容しない非記録許容エリア(0)とが予め配列されたマスクパターンが用いられることが多い。この場合、記録媒体の単位領域に記録すべき2値の画像データと上記マスクマスクパターンとの間で論理積演算を行うことにより、2値の画像データが各記録走査で記録すべき2値の画像データに分割される。
マスクパターン(以下、単にマスクとも言う)においては、記録許容エリア(1)の配置が、複数の記録走査(あるいは複数の記録ヘッド)の間で互いに補完の関係になるように定められているのが一般である。すなわち、2値の画像データで記録(1)と定められた画素には、いずれか1回の記録走査によって1つのドットが記録されるように構成されている。こうすることで、分割前の画像情報が分割後でも保存されるようになっている。
しかしながら、近年では、上記マルチパス記録を行うことによって、記録走査単位あるいは記録ヘッド(ノズル列)単位の記録位置(レジストレーション)のずれに起因する濃度変化や濃度むらが、新たに問題視されるようになってきている。ここで、記録走査単位あるいはノズル列単位の記録位置のずれとは、例えば1回目の記録走査(ノズル列)で記録されるドット群と2回目の記録走査(別のノズル列)で記録されるドット群とのずれのように、ドット群(プレーン)間のずれを意味している。これらプレーン間のずれは、記録媒体と吐出口面の距離(紙間距離)の変動、記録媒体の搬送量の変動などによって引き起こされる。そして、プレーン間のずれが発生すると、記録媒体に対するドットの被覆率が変動し、画像の濃度変動や濃度むらを招く。以下、上述のように、同じ手段(例えば、同種のインクを吐出するノズル列)の同じ記録走査によって記録されるドット群や画素群を、プレーンと称することとする。
通常記録媒体は、搬送の上流側に位置する搬送ローラ対と下流側に位置する排紙ローラ対の2つのローラ対によって搬送されるが、上述したような濃度むらや濃度変動は、これらローラの偏心や記録媒体の挟持状態の変化によって、影響を受けることが知られている。以下に、具体的な例を挙げる。
(1)ローラの偏芯やローラと記録媒体の間のすべりなどにより、ローラの回転量が一定であっても記録媒体の搬送量が一定でない場合、上記プレーン間のずれが周期的に発生する。
(2)記録媒体の先端部や後端部を記録する状況においては、片方のローラ対による挟持になってしまう。よって、毎回の搬送が不安定になったり紙間の変動が起こりやすくなったりして、上記プレーン間のずれが起こる。
(3)記録媒体が搬送ローラ対のみによって挟持されている状態から、搬送ローラ対と排紙ローラ対の2対のローラ対によって挟持される状態に移行する際に、搬送力や紙間の変動が突発的に起こる。よって、記録媒体を所定の搬送量よりも多くもしくは少なく送ってしまう箇所が突発的に発生し、上記プレーン間のずれが起こる。
(4)記録媒体が搬送ローラ対と排紙ローラ対の2対のローラ対によって挟持される状態から、排紙ローラ対のみによって挟持されている状態に移行する際に、搬送力や紙間の変動が突発的に起こる。よって、記録媒体を所定の搬送量よりも多くもしくは少なく送ってしまう箇所が突発的に発生し、上記プレーン間のずれが起こる。
このような問題に対し、例えば特許文献1には、記録媒体の先端部や後端部のように、特にプレーン間の記録位置ずれが発生しやすい箇所では、マルチパス記録における記録率すなわち使用するマスクの記録許容画素の割合を減らす技術が開示されている。使用するマスクの記録許容画素の割合を減らすことにより、当該箇所における実質的なドットの記録数すなわちずれて記録されるドット数を減少させることが出来るので、これらドットの記録位置ずれが画像上目立ち難くなるのである。
しかしながら、特許文献1のように、一部の記録走査に対応した記録許容画素の割合を減らしたマスクを用いた場合、そもそものマルチパス記録の効果、すなわち個々の記録素子の影響を分散させて滑らかな画像を得るという効果、が損なわれる恐れが生じる。既に説明したように、一般に記録許容画素の配置は複数の記録走査の間で互いに補完の関係にあるので、一部の記録走査の記録率を低減させると他の記録走査の記録許容画素の割合が増え、この走査に対応する記録素子の影響が画像に現れやすくなるからである。また、記録媒体の単位領域に対し複数回の記録走査によってインクが付与されるタイミングや量が、単位領域ごとに異なることになるので、これに伴う濃度むらも招致される。さらに、記録ヘッドの一部分の記録率を高めることは、記録ヘッドの寿命を短くしてしまう原因にもなる。
また、特許文献1では、特に記録媒体の先端部や後端部に対してのみ上記特別なマスクを用いているので、記録媒体の中央部で突発的に生じる搬送ずれなどに対応することは出来ない。
すなわち、複数の記録走査間の記録位置ずれが突発的に発生する場合であっても、記録媒体の全領域において一様で滑らかな画像を記録することは困難な状況であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。よってその目的とするところは、各記録走査の記録許容率に偏りを持たせることなく、突発的な搬送ずれが発生しても、記録媒体全域において一様で滑らか画像を出力することが可能な記録装置および記録方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、記録ヘッドを記録媒体の単位領域に対し2M回(Mは2以上の整数)走査させて記録を行う記録装置であって、前記単位領域に含まれる複数のエリアそれぞれについて、前記2M回の走査のうち同系色のドットの記録を許容する少なくとも2回の走査を定めたマスクを用いて、前記単位領域に記録すべき画像データを2M回の走査に分割するための分割手段と、前記分割された画像データに基づいて、前記複数のエリアに記録を許容された走査でドットを記録するための記録部とを備え、前記マスクは、M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は、N(NはMとは異なる正の整数で、且つ2M−1以下)回目の走査以前の走査およびN+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、M−L回目(LはMより小さい正の整数)の走査以前の走査およびM−L+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合がM−L+1回目の走査以前の走査およびM−L+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも小さく、M+L回目の走査以前の走査およびM+L+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合が、M+L+1回目の走査以前の走査およびM+L+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、少なくとも1つのSとTの組み合わせにおいて、S回目(Sは2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびS+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とS+1回目の走査以前の走査およびS+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差が、T回目(Tはとは異なる2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびT+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とT+1回目の走査以前の走査およびT+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差と異なることを特徴とする。
また、記録ヘッドを記録媒体の単位領域に対し2M+1回(Mは2以上の整数)走査させて記録を行う記録装置であって、前記単位領域に含まれる複数のエリアそれぞれについて、前記2M+1回の走査のうち同系色のドットの記録を許容する少なくとも2回の走査を定めたマスクを用いて、前記単位領域に記録すべき画像データを2M+1回の走査に分割するための分割手段と、前記分割された画像データに基づいて、前記複数のエリアに記録を許容された走査でドットを記録するための記録部とを備え、前記マスクは、i) M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とM+1回目の走査以前の走査およびM+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は、N(NはMおよびM+1とは異なる(2M)以下の正の整数)回目の走査以前の走査およびN+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、ii)少なくとも1つのSとTの組み合わせにおいて、S回目(Sは2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびS+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とS+1回目の走査以前の走査およびS+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差が、T回目(TはSとは異なる2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびT+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とT+1回目の走査以前の走査およびT+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差と異なることを特徴とする。
さらに、記録ヘッドを記録媒体の単位領域に対し2M回(Mは2以上の整数)走査させて記録を行う記録方法であって、前記単位領域に含まれる複数のエリアそれぞれについて、前記2M回の走査のうち同系色のドットの記録を許容する少なくとも2回の走査を定めたマスクを用いて、前記単位領域に記録すべき画像データを2M回の走査に分割するステップと前記分割された画像データに基づいて、前記複数のエリアに記録を許容された走査でドットを記録するステップとを有し、前記マスクは、M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は、N(NはMとは異なる2M−1以下の正の整数)回目の走査以前の走査およびN+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、M−L回目(LはMより小さい正の整数)の走査以前の走査およびM−L+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合がM−L+1回目の走査以前の走査およびM−L+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも小さく、M+L回目の走査以前の走査およびM+L+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合が、M+L+1回目の走査以前の走査およびM+L+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、少なくとも1つのSとLの組み合わせにおいて、S回目(Sは2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびS+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とS+1回目の走査以前の走査およびS+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差が、T回目(TはSとは異なる2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびT+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とT+1回目の走査以前の走査およびT+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差と異なることを特徴とする。
さらにまた、記録ヘッドを記録媒体の単位領域に対し2M+1回(Mは2以上の整数)走査させて記録を行う記録方法であって、前記単位領域に含まれる複数のエリアそれぞれについて、前記2M+1回の走査のうち同系色のドットの記録を許容する少なくとも2回の走査を定めたマスクを用いて、前記単位領域に記録すべき画像データを2M+1回の走査に分割するステップと、前記分割された画像データに基づいて、前記複数のエリアに記録を許容された走査でドットを記録するステップとを有し、前記マスクは、M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とM+1回目の走査以前の走査およびM+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は、N(NはMおよびM+1とは異なる(2M)以下の正の整数)回目の走査以前の走査およびN+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、少なくとも1つのSとLの組み合わせにおいて、S回目(Sは2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびS+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とS+1回目の走査以前の走査およびS+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差が、T回目(TはSとは異なる2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびT+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とT+1回目の走査以前の走査およびT+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差と異なることを特徴とする。
本発明によれば、複数のプレーンそれぞれの多値の画像データの相関に応じたパラメータを取得し、これを用いて量子化処理を実行することにより、記録媒体において所望のドット重複率を有する画像を出力することが可能となる。結果、ロバスト性に優れ粒状感も低減された高品位な画像が得られる。
以下に図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の主用な機構部の基本構成を示す図である。ヘッドカートリッジ1は、記録ヘッド201、インクタンク部、および、記録ヘッドを駆動するための信号などを授受するためのコネクタにより構成される(不図示)。また、ヘッドカートリッジ1は、キャリッジ2に交換可能に搭載されており、キャリッジ2には、上記コネクタを介してヘッドカートリッジ1に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダ(電気接続部)が設けられている。
図1は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の主用な機構部の基本構成を示す図である。ヘッドカートリッジ1は、記録ヘッド201、インクタンク部、および、記録ヘッドを駆動するための信号などを授受するためのコネクタにより構成される(不図示)。また、ヘッドカートリッジ1は、キャリッジ2に交換可能に搭載されており、キャリッジ2には、上記コネクタを介してヘッドカートリッジ1に駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダ(電気接続部)が設けられている。
キャリッジ2は、主走査方向に延在して装置本体に設置されたガイドシャフト3によって往復移動可能に案内支持されている。そして、キャリッジ2は主走査モータ4によりモータプーリ5、従動プーリ6およびタイミングベルト7等の駆動機構を介して駆動されるとともに、その位置および移動が制御される。また、ホームポジションセンサ30がキャリッジ2に設けられている。これにより遮蔽板36の位置をキャリッジ2上のホームポジションセンサ30が通過した際に、キャリッジがホームポジションに到達したことを知ることが可能となる。
紙やプラスチック薄板等の記録媒体8は、給紙モータ35からギアを介してピックアップローラ31を回転させることによりオートシートフィーダ(以下、ASFともいう)32から1枚ずつ分離給紙される。そして記録媒体8は、搬送ローラ9の回転により、ヘッドカートリッジ1に備えられた記録ヘッド201の吐出口面と対向する位置(記録部)を通って搬送(副走査)される。搬送ローラ9の回転は、LFモータ34の回転によりギアを介して行われる。その際、給紙されたかどうかの判定と給紙時の頭出し位置の確定は、ペーパエンドセンサ33を記録媒体8が通過した時点で行われる。更に、記録媒体8の後端が実際に何処に有り、実際の後端から現在の記録位置を最終的に割り出すためにもペーパエンドセンサ33は使用されている。
なお、記録媒体8は、記録部において平坦な記録面を形成するように、その裏面をプラテン(不図示)により支持されている。この際、キャリッジ2に搭載されたヘッドカートリッジ1は、記録ヘッド201の吐出口面が記録媒体8と平行になるように保持されている。
図2は、記録ヘッド201の吐出口(ノズル)の配列構成を説明する為の図である。図において、801はブラックインク(K)用のノズル列、802はシアンインク(C)用のノズル列、803はマゼンタインク(M)用のノズル列、804はイエローインク用(Y)のノズル列である。4色のノズル列は、それぞれEvenノズル列とOddノズル列によって構成されており、ブラックインクにおいては、801aおよび801bがこれに相当する。以下、ブラックインクのノズル列801を例に、吐出口の配列構成を詳細に説明する。
Evenノズル列801a及びOddノズル列801bのそれぞれには、600dpiのピッチで128個の吐出口が副走査方向に配列されている。さらに、Evenノズル列801a及びOddノズル列801bは、互いにY方向(副走査方向)に1200dpiだけずれて配置されている。すなわち、記録ヘッドがX方向(主走査方向)に走査しながらインクを吐出することにより、副走査方向には1200dpiの解像度で、約5.42mm幅の画像を記録することが出来る。
他色のノズル列も、ブラックのノズル列801と同様な構成を備えており、これら4色は図に示すように主走査方向に並列されている。
記録ヘッド201の個々のノズルには、例えば熱エネルギを利用してインクを吐出するための電気熱変換体が備えられている。電気熱変換体は電力が供給されると発熱し、接触するインク内に膜沸騰を生じさせる。そして、この膜沸騰により生じる気泡の成長エネルギによって吐出口よりインクが吐出される仕組みになっている。ここでは吐出エネルギを得るために電気変換体を備える構成を示したが、本発明や本実施形態はこのような構成に限定されるものではない。個々の記録素子に圧電素子を備え、電力を供給された圧電素子の圧力によって吐出口よりインクを吐出する構成であっても構わない。
図3は、本実施形態の記録装置700の制御構成を示すブロック図である。図において、記録制御部(単に制御部とも言う)500には、外部に接続されたホスト装置600からインターフェイス400を介して記録開始信号や量子化データが入力される。この記録開始信号の入力に伴って、ROM402に格納されている制御プラグラムがMPU401により実行される。制御プログラムとしては、例えば、後述するドットマトリクス割付処理などが含まれる。
ゲートアレイ404は、記録ヘッド201に対する画像データの供給制御を行い、また、インターフェイス400、MPU401、DRAM403間のデータの転送制御も行う。DRAM403は、各種データ(記録開始信号や記録ヘッド410に供給される画像データ等)を保存しておくダイナミック型のメモリであり、記録ドット数や、記録ヘッドの交換回数等も記憶できる。DRAM403は、後述する受信バッファ1001や展開バッファ1004、1005、ドットマトリクス格納ユニット1002(図5参照)としての役割も担う。
モータドライバ407、408は、記録ヘッド201が備えられたヘッドカートリッジ1を搬送する主走査モータ4と、LFモータ34を駆動する。またヘッドドライバ409は、記録ヘッド201を駆動する。
図4は、ホスト装置600が実行するデータ処理を説明するためのブロック図である。ホスト装置600は、色変換処処理601および量子化処理602を実行する。
色変換処理601では、アプリケーションなどから受信したRGB各8ビットの画像データを、記録装置で使用するインクすなわちシアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)に対応した多値データに変換する。ここでは、各色につき256階調を有する8bitデータに変換する。また、画素の解像度は600dpi(ドット/インチ)とする。
続く量子化処理602では、受信した多値データを、より低レベルのN値(N<256)に量子化する。詳しくは、C、MおよびYの256値データを、それぞれ、600dpiの4ビット9値データに量子化する。量子化処理は、一般的な多値誤差拡散法を用いてもよいしディザマトリクス法を用いても良い。このようにして量子化されたN値の画像データのことを、本明細書では以後「量子化データ」あるいは「多値量子化データ」と称する。600dpiの多値量子化データはインターフェイス400を介して記録装置の制御部500に送信される。
図5は、制御部500においてホスト装置600から受信した多値量子化データの変換および格納状態を説明するためのブロック図である。受信バッファ1001は、受信した多値量子化データを一度格納するためのバッファである。ドットマトリクス割り付けモジュール1003は、受信バッファ1001に格納された600dpiの多値量子化データを1画素分呼び出し、当該データに対応するドットマトリクスパターンをドットマトリクス格納ユニット1002から選択する。選択されたドットマトリクスパターンは、1200dpiの2値データとなり、2つの展開バッファ1004および1005に格納される。本実施形態において、ドットマトリクス割り付けモジュール1003と展開バッファ1004および1005が、2値化処理を行うための2値化処理部として機能する。なお、ドットマトリクス割り付けモジュール1003は、ROM402に予め格納されMPU401にて実行されるソフトウエアモジュールである。また、受信バッファ1001、ドットマトリクス格納ユニット1002、並びに展開バッファ1004および1005は、図3に示すDRAM403の所定のアドレス領域に格納されている。
図6は、本実施形態の制御部500が実行するドットマトリクス割り付け処理を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1において制御部500は、ホスト装置600より受信した600dpi4ビットの多値量子化データを、受信バッファ1001に格納する。続くステップS2において、受信バッファ1001内に格納したデータの中から、1画素分の量子化データを読み出し、ドットマトリクス割り付けモジュール1003に転送する。
ステップS3において、制御部500は、ドットマトリクスモジュール1003に転送した多値量子化データに対応するドットマトリクスパターンをドットマトリクス格納ユニット1002から選択する。
図7は、9段階のレベルを有する多値量子化データと、各レベルに対応するドットマトリクスパターンを説明するための模式図である。左列は、多値量子化データの1画素分(600dpi)が有するレベル0からレベル8までの階調を示し、A列およびB列は各レベルに対応する2種類のドットマトリクスパターン示している。1つのドットマトリクスパターンは4エリア×2エリアの領域を有し、個々の四角は1つのドットを記録することが可能なエリアに相当している。黒丸を示したエリアはドットを記録(1)するエリア、空欄はドットを記録しない(0)エリアをそれぞれ示している。図によれば、多値量子化データのレベルが上がるにつれて、4エリア×2エリア内のドットを記録するエリアが増えていることがわかる。制御部500では、このようにエリア単位で記録(1)または非記録(0)が定められた2値データで構成されるドットマトリクスパターンが、多値量子化データの各レベルに対応付けられる形態で、ドットマトリクス格納ユニット1002に格納されている。制御部500は、1つの多値量子化データに対しA列に示したドットマトリクスパターンとB列に示したドットマトリクスパターンとを、主走査方向に交互に選択する。
再び図6のフローチャートに戻る。ステップS3にてドットマトリクスパターンを選択すると、制御部はこれら2つのマトリクスパターンを分配し、ステップS4にて展開バッファ1004および1005に展開する。
図8は、選択された1つのドットマトリクスパターンと、展開バッファへの展開方法を説明するための模式図である。4エリア×2エリアのドットパターンは、主走査方向に対し奇数番目のエリアと偶数番目のエリアに分類され、奇数カラムデータC1および偶数カラムデータC2として、展開バッファ1004および展開バッファ1005にそれぞれ展開される。すなわち、展開バッファ1004にはドットマトリクスパターンの奇数列目のエリアに対応する2値データ(1又は0)が、展開バッファ1005にはドットマトリクスパターンの偶数列目のエリアに対応する2値データ(1又は0)が、それぞれ記憶される。
再度図6を参照するに、ステップ5において制御部500は、受信バッファ1001に格納された全ての画素について、ドットマトリクスパターンの展開処理が終了したか否かを判断する。まだ、展開すべき画素が残っていると判断した場合はステップS2へ戻り、次の画素に対するドットマトリクスパターンの割り付け処理を行う。一方、受信バッファ1002に格納された全ての画素についてドットマトリクスパターンの展開処理が終了したと判断した場合は、本処理を終了する。
図9は、2つの展開バッファ1004および1005とマルチパス記録の記録走査を対応付けて説明するための図である。本実施形態において、展開バッファ1004に格納された奇数カラムデータC1は、その後、互いに補完の関係にある4種類のマスクとの間で論理積が取られ、4つの記録走査(奇数パス目)に対応する画像データに分配される。一方、展開バッファ1005に格納された偶数カラムデータC2も、互いに補完の関係にある4種類のマスクとの間で論理積が取られ、4つの記録走査(偶数パス目)に対応する画像データに分配される。そして、奇数カラムデータC1と偶数カラムデータC2は、互いに異なる記録走査(1〜8パス目)で重ねて記録される。具体的には、1カラム目と2カラム目のデータが互いに重複するように、また3カラム目と4カラム目のデータが互いに重複するように記録される。
以上の構成により、記録媒体の単位領域は、ドットマトリクスパターンで定められた全てのドットが、記録ヘッドの8回の記録走査(1パス目〜8パス目)によって、段階的に記録され、個々のエリアには2つのドットが記録可能となる。以下、このように1つのエリアに重ねて記録されるドットを重複ドットと称する。
本発明者らは、このような重複ドットを構成する2つのドットを記録する走査を適切に割り振ることによって、記録位置ずれが発生した場合の濃度変動を抑えることが可能であると判断した。
図10(a)〜(f)は、重複のドットを記録する2回の記録走査の組み合わせに応じて、濃度変動が異なる例を説明するための模式図である。ここでは、4パスのマルチパス記録によって、50%のエリアに重複ドットを記録する例を示している。図10(a)〜(c)は縦横共に1つおきのエリアに重複ドットが記録されている例を示している。ドットの上に示した番号は、そこに重複されたドットがこの領域に対し何番目の記録走査(パス)によって記録されたかを示している。すなわち、図10(a)の左上のエリアは1回目の記録走査(1パス)と2回目の記録走査(2パス)によってドットが記録されたことを示し、図10(b)の同じエリアは1パスと4パスで記録されたことを示している。
図によれば、図10(a)〜(c)のドットの配置は等しくなっているが、ドットを記録するパスが互いに異なっていることが判る。具体的には、図10(a)では、全てのドットが1パスと2パスで重複されるか、3パスと4パスで重複されるかのどちらか一方になっている。図10(b)では、全てのドットが1パスと4パスで重複されるか、2パスと3パスで重複されるかのどちらか一方になっている。これに対し、図10(c)では、1パスと2パスで重複されるドット、1パスと4パスで重複されるドット、2パスと3パスで重複されるドット、さらに3パスと4パスで重複されるドット、が混在している。
図10(d)〜(f)は、図10(a)〜(c)のそれぞれに対し、2パスと3パスの間に行われる搬送が、正規の位置より1エリア分だけずれてしまった場合のドット配置状態を示している。この場合、1パスで記録されるドット群と2パスで記録されるドット群との間、および、3パスで記録されるドット群と4パスで記録されるドット群との間にはずれは生じない。
よって、図10(a)のように、1パスと2パスで重複されるドットと、3パスと4パスで重複されるドットしか存在しない状態においては、搬送ずれが発生しても、ドットの重複関係に変化はない。しかし、重複ドット同士の補完関係(位置関係)は変わり、縦横共に1つおきのエリアに配置していたドットが隣接したり、部分的に重なり合ったりして、図10(a)に比べ記録媒体の被覆率が低下し、白紙領域が目立つようになる(図10(d)参照)。ここでは、全てのドットが重複ドットである場合を説明したが、このような現象は単独ドットであっても同じである。すなわち、分散性が高く一様性に優れた配列状態から、突発的な搬送ずれが発生してドット同士の配列関係が崩れると、このように白紙領域が目立ち易くなり、その領域の濃度は低下する傾向にある。
一方、図10(b)のように、1パスと4パスで重複されるドットと、2パスと3パスで重複されるドットしか存在しない状態においては、2パスと3パスの間で搬送ずれが発生すると、全ての重複ドットが離れ離れになる(図10(e)参照)。よって、縦横共に1つおきのエリアにドットが記録されていた図10(b)の場合に比べ、白紙領域が減少する。すなわち、図10(b)のようなドット配置の場合、突発的な搬送ずれが発生すると、重複ドットが分離することによる濃度上昇が起こる。このように、全ての重複ドットが分離される状態においては、ドット同士の補完関係が変わることによる濃度低下よりも重複ドットが分離することによる濃度上昇のほうが上回る。
これに対し、図10(c)のように、様々なパスの組み合わせで重複ドットが記録されている状態においては、2パスと3パスの間で搬送ずれが発生しても、重複されたままのドットと、離れ離れになるドットとが混在する(図10(f)参照)。結果、図10(d)ほどの濃度低下は起こらないし、図10(e)ほどの濃度上昇も起こらず、 図10(d)〜(f)の中で、最もオリジナルに近い濃度を維持することが期待できる。
以上より、重複ドットを含んで画像を記録する構成においては、重複する2つのドットを記録する走査(パス)の組み合わせを適度に割り振ることが、濃度変動を抑えるために有効と言える。以下に、重複ドットを記録する走査(パス)を、様々な組み合わせに割り振るためのマルチパス記録方法を、従来の一般的なマルチパス記録方法と比較しながら説明する。
図11は、従来の一般的なマルチパス記録方法を説明するための模式図である。ここでは、8パスのマルチパス記録を例に、シアンのノズル列802に対するマスクの割り当て状態と、8回の記録走査によって単位領域の画像が記録されていく際の、ノズル列802と単位領域の位置関係が示されている。
シアンのノズル列802は、Evenノズル列とOddノズル列を合わせた256個のノズルが副走査方向に1200dpiのピッチで配置していると考えることが出来る。8パスのマルチパス記録において、これらノズル列は32個ずつの8個のブロックに分割され、それぞれのノズルブロックには、A〜Dのうち1つのマスクが宛がわれるようになっている。A〜Dのマスクは、複数のエリアそれぞれに対する記録の許容(1)あるいは非許容(0)が、互いに排他且つ補完の関係になるように定められており、各マスクの記録許容率(全エリアに対する記録許容エリアの割合)は、いずれも約25%になっている。本例において、第1ブロックと第2ブロックにはマスクAが、第3ブロックと第4ブロックにはマスクBが、第5ブロックと第6ブロックにはマスクCが、第7ブロックと第8ブロックにはマスクDが、それぞれ宛がわれている。
個々の記録走査が終了するたび、記録媒体は副走査方向に1ブロック分(32ノズル分)だけ搬送される。よって、32ノズル分の幅を有する単位領域では、1パス目でマスクAによる奇数カラムデータが、2パス目でマスクAによる偶数カラムデータが、3パス目でマスクBによる奇数カラムデータが、4パス目でマスクBによる偶数カラムデータが記録される。また、5パス目でマスクCによる奇数カラムデータが、6パス目でマスクCによる偶数カラムデータが、7パス目でマスクDによる奇数カラムデータが、8パス目でマスクDによる偶数カラムデータが、記録される。本明細書では、このように個々のブロックの幅(32ノズル幅)に対応する記録媒体の領域であって、同じノズル列の同じ記録走査で記録が行われていく領域を、単位領域と称している。
本例では、連続する2つのブロックで同じマスクを使用しているので、重複ドットを構成する2つのドットは連続する2回の記録走査で記録される。また、A〜Dのマスクは互いに排他且つ補完の関係を有しているので、奇数カラムデータについては、A〜Dのマスクを用いた4回の奇数パスによって、その全てが記録される。さらに、偶数カラムデータについては、A〜Dのマスクを用いた4回の偶数パスによって、その全てが記録される。
なお、奇数カラムデータのための記録走査と偶数カラムデータのための記録走査は交互に行われているので、1パス目で奇数カラムデータが記録される単位領域もあれば、1パス目で偶数カラムデータが記録される単位領域もある。
図14は、図11で説明した従来の一般的なマスクを用いた場合に、ある1回の搬送動作で搬送ずれが発生した場合の、濃度変動の発生状態を説明するための図である。ここでは、矢印で示した記録走査の直前に行われた搬送動作において、搬送ずれが発生した場合を想定する。単位領域1〜9は、上記搬送ずれをはさんで記録走査(パス)が行われる単位領域と、これに隣接する単位領域を示している。
ここで、単位領域1は、搬送ずれが発生した搬送動作を挟まないで記録走査が行われた領域(通常領域)である。
単位領域2は、当該領域に対する7パス目と8パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜7パス目の記録位置に対し8パス目の記録位置がずれた領域である(1/8パスの記録位置ずれ)。
単位領域3は、当該領域に対する6パス目と7パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜6パス目の記録位置に対し7および8パス目の記録位置がずれた領域である(2/8パスの記録位置ずれ)。
単位領域4は、当該領域に対する5パス目と6パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜5パス目の記録位置に対し6〜8パス目の記録位置がずれた領域である(3/8パスの記録位置ずれ)。
単位領域5は、当該領域に対する4パス目と5パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜4パス目の記録位置に対し5〜8パス目の記録位置がずれた領域である(4/8パスの記録位置ずれ)。
単位領域6は、当該領域に対する3パス目と4パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜3パス目の記録位置に対し4〜8パス目の記録位置がずれた領域である(5/8パスすなわち3/8パスの記録位置ずれ)。
単位領域7は、当該領域に対する2パス目と3パス目の間で搬送ずれが発生し、1および2パス目の記録位置に対し3〜8パス目の記録位置がずれた領域である(6/8パスすなわち2/8パスの記録位置ずれ)。
単位領域8は、当該領域に対する1パス目と2パス目の間で搬送ずれが発生し、1パス目の記録位置に対し2〜8パス目の記録位置がずれた領域である(7/8パスすなわち1/8パスの記録位置ずれ)。
単位領域9は、搬送ずれが発生した搬送動作を挟まないで記録走査が行われた領域(通常領域)である。
すなわち、搬送ずれが発生した搬送動作が1回あると、その影響は8パスのマルチパス記録の場合7つの単位領域に及び、2Mパス(Mは2以上の整数)のマルチパス記録の場合は(2M−1)個の単位領域に及ぶことになる。
図15は、上記搬送ずれの影響が及ぶ7つの領域(単位領域2〜8)について、それぞれのドットの重複および分離の状態を図10(a)〜(c)に照らし合わせて説明するための図である。まず、単位領域2については、7パスと8パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクDで記録される25%の重複ドットが、図10(e)のように分離する。単位領域8についても同様である。
単位領域3については、6パスと7パスの間に発生した搬送ずれによって、重複ドットが分離することはない。その一方で、マスクDによって記録された重複ドットが、マスクA、BおよびCによって記録された重複ドットに対しずれてしまうので、これらの補完関係が崩れ、図10(d)に示すように白紙領域が現れ、濃度低下が懸念される。単位領域7についても同様である。
単位領域4については、5パスと6パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクCによって記録される25%の重複ドットが、図10(e)のように分離する。その一方で、マスクAおよびマスクBで記録されたドットと、マスクDで記録されたドットの補完関係が崩れるので、濃度低下も懸念される。単位領域6についても同様である。
単位領域5については、4パスと5パスの間に発生した搬送ずれによって、重複ドットが分離することはない。その一方で、マスクCとマスクDによって記録された50%の重複ドットが、マスクAとマスクBによって記録された50%の重複ドットに対しずれてしまう。このときの補完関係の崩れは、重複ドットのうちの25%がずれる単位領域3や単位領域7よりも大きなものとなる。従って、単位領域5は、搬送ずれの影響が及ぶ全単位領域2から8の中で、最も濃度低下が懸念される単位領域となる。
ここでは8パスのマルチパス記録を例に説明しているが、一般的に2Mパスのマルチパス記録を行う場合、搬送ずれが起こった搬送動作をM回目の記録走査とM+1回目記録走査の間に持つ単位領域が、最も濃度低下が懸念される単位領域となる。本明細書では、このようなMパス目とM+1パス目の間のことを中央パス間と称する。
このような状況を改善するためには、最も濃度低下が懸念される単位領域(単位領域5)において、同じエリアの奇数カラムデータのドットと偶数カラムデータのドットが、なるべく搬送ずれが生じる搬送動作を挟んで記録されるようにすればよい。言い換えれば、全ての単位領域に対し、なるべく多くの重複ドットが、Mパス目とM+1パス目の間に行われる搬送動作を挟んで記録されるようにすれば、どのタイミングで搬送ずれが発生しても、濃度低下を緩和することが期待できる。そして、そのためには、Mパス目とM+1パス目の間を跨ぐマスクにおいて、同位置への記録を許容するエリアの割合(記録許容エリア重複率)が高く設定されていればよいことになる。
図11で示した従来のマスクを使用した場合には、図15の単位領域5に見るように、8パス(2M)のマルチパス記録において、4パス目と5パス目(Mパス目とM+1パス目)の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が0%となってしまっていた。このため、4パス目と5パス目の間で搬送ずれが生じた場合に、当該単位領域に大きな濃度低下が招致されてしまっていたのである。
図12は、上記条件を満たすように作成された本実施形態のマスクを用いたマルチパス記録方法を、図11と比較しながら説明するための模式図である。本実施形態においても、マスクとしては、その記録許容率がほぼ25%であり、互いに排他且つ補完の関係にあるA〜Dの4つが用意されている。
本実施形態では、奇数カラムデータを記録するための記録走査と、偶数カラムデータを記録するための記録走査において、それぞれのブロックに宛がうマスクを異ならせている。
奇数カラムデータを記録するための記録走査(図では奇数パス)については、第1ブロックと第2ブロックにはマスクAが、第3ブロックと第4ブロックにはマスクBが宛がわれている。また、第5ブロックと第6ブロックにはマスクCが、第7ブロックと第8ブロックにはマスクDが、それぞれ宛がわれている。図において、マスクA_25とは、マスクの種類と記録許容率を同時に示した表現方法であり、これは図11で示したマスクAと同じものを示す。また、マスクB_15やB_10は、それぞれ図11で示したマスクBの一部を示している。例えば第2ブロックは、記録許容率が15%のマスクB_15と記録許容率が10%のマスクB_10を合わせた記録率25%のマスクB_25が宛がわれていることになり、これは図11で示したマスクBと同じものとなる。マスクCおよびDについても同様である。
これに対し、偶数カラムデータを記録するための記録走査(図では偶数パス)については、第1ブロックと第2ブロックにはマスクD_25が、第3ブロックと第4ブロックにはマスクB_10とマスクC_15が、宛がわれている。また、第5ブロックと第6ブロックにはマスクB_15とマスクC_10が、第7ブロックと第8ブロックにはマスクD_25が、それぞれ宛がわれている。
図13は、偶数パスにおける第3ブロック〜第6ブロックに宛がわれるマスクのように、2種類のマスクBおよびマスクCから合成される新たなマスクを説明するための図である。図において、131はマスクB_25の一領域(16×16エリア)を示した図である。この図において、黒く塗りつぶしたエリアは記録許容エリアを示している。マスクB_25において、記録許容エリアは全エリアの25%に相当している。一方、132は、上記131と同じ領域に対応するマスクC_25を示している。132においても、記録許容エリアは全エリアの25%に相当している。
これに対し、133は、マスクC_25の25%の記録許容エリアのうち10%の記録許容エリアをマスクB_25の10%の記録許容エリアと入れ替えた状態を示している。マスクB_25とマスクC_25は、互いに排他なマスクであるので、記録許容エリアの入れ替えを行っても、記録許容エリアが重複することはない。この新たなマスク133が、偶数パスにおける第3ブロックおよび第4ブロックに宛がわれている。
また、134は、マスクB_25の25%の記録許容エリアのうち10%の記録許容エリアをマスクC_25の10%の記録許容エリアと入れ替えた状態を示している。この新たなマスク134が、偶数パスにおける第5ブロックおよび第6ブロックに宛がわれている。133に示したマスクと134に示したマスクは、マスクB_25とマスクC_25の一部を互いに入れ替えて生成されているので、これら2つの間にも排他の関係は成り立つ。そして、これらを足し合わせた記録許容率50%のマスクは、131に示したマスクB_25と132に示したマスクC_25を足し合わせた結果と一致する。
図16は、図12で説明した本実施形態のマスクを用いた場合に、ある1回の搬送動作で搬送ずれが発生した場合の、濃度変化の状態を説明するための図である。矢印で示したパス(記録走査)の直前に行われた搬送動作において、搬送ずれが発生した場合を示している。単位領域1〜9は、上記搬送ずれをはさんで記録走査(パス)が行われる領域と、これに隣接する単位領域を示している。
図17および図18は、上記搬送ずれの影響が及ぶ7つの領域(単位領域2〜8)について、それぞれのドットの重複あるいは分離の状態を図10(a)〜(c)に照らし合わせて説明するための図である。図17は1パス目が奇数カラムデータのための記録走査である場合を示し、図18は1パス目が偶数カラムデータのための記録走査である場合を示している。
図17において、単位領域2は、7パスと8パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクAによって記録される重複ドットが分離する。すなわち、7パス目と8パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%であるので、全体の25%の重複ドットが分離する。単位領域8についても同様である。
単位領域3については、6パスと7パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクAによって記録される重複ドットとマスクDによって記録された重複ドットが分離する。すなわち、6パス目と7パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%+25%=50%であるので、全体の50%の重複ドットが分離する。単位領域7についても同様である。
単位領域4では、5パスと6パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクAによって記録された重複ドット、マスクDによって記録された重複ドット、マスクB_15によって記録された重複ドット、マスクC_10によって記録された重複ドットが分離する。すなわち、5パス目と6パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%+25%+15%+10%=75%であるので、全体の75%の重複ドットが分離する。単位領域6についても同様である。
更に、単位領域5については、4パスと5パスの間の搬送ずれによって、マスクAによって記録された重複ドット、マスクDによって記録された重複ドット、マスクB_15によって記録された重複ドット、マスクC_15によって記録された重複ドットが分離する。すなわち、4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%+25%+15%+15%=80%であるので、全体の80%の重複ドットが分離する。
このように、本実施形態のマスクは、4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が80%となっており、これは、図15で説明した従来法の0%に比べ、十分に高い値になっている。よって、4パス目と5パス目の間に搬送ずれが発生した場合に最も濃度低下が懸念される単位領域であっても、濃度低下を緩和することが出来る。また、本実施形態では、4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率を高く設定しながらも、他の連続するパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率についても、上記4パス目と5パス目の間から段階的に少なくなるように設定している。このような構成にしておくことにより、搬送ずれによる濃度低下を全単位領域に対し、適量に抑えることが可能となる。
ところで、4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率は、図13で説明したマスクの作り方を調整することによって、変動させることも出来る。例えば、図13ではマスクB_25とマスクC_25のうち、互いの10%の記録許容エリアを入れ替える構成としたが、これを例えば5%とすることによって、4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率を90%とすることが可能となる。また、以下のようなマスクの割り当てにすれば、4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率を100%とすることも可能となる。
図19は、4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率を100%にする例を図17や図18と同様に示す図である。
この図において、単位領域2は、7パスと8パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクAによって記録される重複ドットが分離する。すなわち、7パス目と8パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%であるので、全体の25%の重複ドットが分離する。単位領域8についても同様である。
単位領域3については、6パスと7パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクAによって記録される重複ドットとマスクDによって記録される重複ドットが分離する。すなわち、7パス目と8パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%+25%=50%であるので、全体の50%の重複ドットが分離する。
単位領域4では、5パスと6パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクAによって記録される重複ドット、マスクDによって記録される重複ドット、およびマスクBによって記録される重複ドットが分離する。すなわち、5パス目と6パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%+25%+25%=75%であるので、全体の75%の重複ドットが分離する。単位領域6についても同様である。
更に、単位領域5については、4パスと5パスの間の搬送ずれによって、マスクAによって記録される重複ドット、マスクDによって記録される重複ドット、マスクBによって記録される重複ドット、マスクCによって記録される重複ドットが分離する。すなわち、4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%+25%+25%+25%=100%であるので、100%の重複ドットが分離する。
このように、図19に示すマスクの割り振りを採用するにすることによって、4パスと5パスの間では100%の記録許容エリア重複率を実現することが出来る。但し、記録許容エリア重複率は、搬送ずれによる濃度低下を抑える程度であれば良く、必要以上に高い値であると、図20に示すように濃度が通常領域よりも高くなってしまう恐れも生じる。よって、本実施形態においては、新たなマスクの作り方やマスクの割り振りを調整することによって、連続する2つのパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率を適切に調整することが望まれる。
以上説明したように、本実施形態によれば、2Mパスのマルチパス記録を行う際に、Mパス目とM+1パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が、他の2つの連続するパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率よりも高く設定されたマスクを用いている。これにより、突発的な搬送ずれ等によってドットの補完関係が崩れ、濃度低下が懸念される場合であっても、第1カラムデータのドットと第2カラムデータのドットが分離することによって濃度の上昇が促進され、上記濃度低下を緩和することが可能となる。また、上記記録許容エリア重複率を調整することにより、懸念される濃度低下の程度に適したドットの分離を実現することも可能である。
なお、本実施形態において、Mパス目とM+1パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率とは、Mを2以上の整数とするとき、M回目の走査以前の走査とM+1回目の走査以降の走査の両方で記録が許容されるエリアの割合である。また、他の2つの連続するパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率とは、NをMとは異なる2M−1以下の整数とするとき、N回目の走査以前の走査とN+1回目の走査以降の走査の両方で記録が許容されるエリアの割合である。
例えば、図19の場合、Mの値は4となる。そして、1パス目でマスクAにより記録が許容されるエリアは8パス目でもマスクAにより記録が許容され、2パス目でマスクDにより記録が許容されるエリアは7パス目でもマスクDにより記録が許容される。同様にして、3パス目でマスクBにより記録が許容されるエリアは6パス目でもマスクBにより記録が許容され、4パス目でマスクCにより記録が許容されるエリアは5パス目でもマスクCにより記録が許容される。つまり、図19の場合、全てのエリアに対して、4パス目以前のパスと5パス目以降のパスの両方で記録が許容されるため、4パス目以前のパスと5パス目以降のパスの両方で記録が許容されるエリアの割合は100%である。
また、同図において例えばN=3の場合を考える。3パス目以前のパスである1パス目でマスクAにより記録が許容されるエリアは、4パス目以降のパスである8パス目でもマスクAにより記録が許容される。また、3パス目以前のパスである2パス目でマスクDにより記録が許容されるエリアは、4パス目以降のパスである7パス目でもマスクDにより記録が許容される。また、3パス目以前のパスである3パス目でマスクBにより記録が許容されるエリアは、4パス目以降のパスである6パス目でもマスクBにより記録が許容される。ただし、4パス目および7パス目でマスクCにより記録が許容されるエリアは、共に4パス目以降のパスで記録が許容されるエリアであるので、このエリアはNパス目以前のパスとN+1パス目以降のパスの両方で記録が許容されるエリアには該当しない。そのため、N=3の場合のとき、Nパス目以前のパスとN+1パス目以降のパスの両方で記録が許容されるエリアの割合は75%である。その他のNの値の場合でも、Nパス目以前のパスとN+1パス目以降のパスの両方で記録が許容されるエリアの割合は100%よりも小さい。
この様に本実施形態のマスクは、M回目のパス以前のパスおよびM+1回目のパス以降のパスにおいてドットの記録を許容するエリアの割合が、N回目のパス以前のパスおよびN+1回目のパス以降のパスにおいてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きい。これによって、突発的な搬送ずれ等によってドットの補完関係が崩れた場合にも、重複ドットが分離することによって濃度の低下を緩和することが可能となる。
また、本実施形態の他の特徴の1つとして、記録許容エリア重複率を中央のパス間から段階的に少なくする際に、中央のパス間に近いほどその重複率の差が小さくなるようにしている。図17、図18では、3パス目と4パス目の間および5パス目と6パス目の間の記録許容エリア重複率が75%、4パス目と5パス目の間の記録許容エリア重複率が80%であり、その差は5%である。一方、1パス目と2パス目の間の記録許容エリア重複率が25%、2パス目と3パス目の間の記録許容エリア重複率が50%であり、その差は25%となる。このように、本実施形態では、記録許容エリア重複率を中央のパス間から段階的に少なくする際に、中央のパス間に近いほどその重複率の差が小さくなるようにしている。これによって、突発的な搬送ずれによる濃度変動の影響が大きい単位領域、例えば図17の単位領域4〜6において、急な濃度変動を緩和することができる。
このような形態は、特に中央のパス間ほど記録許容エリア重複率の差が小さくなるように、徐々にその差を小さくするのが好適な形態である。ただし、図17では、1パス目と2パス目の間の記録許容エリア重複率と2パス目と3パス目の間の記録許容エリア重複率の差(25%)と、2パス目と3パス目の間の記録許容エリア重複率と4パス目と5パス目の間の記録許容エリア重複率の差(25%)は等しい。このように、一部で差がゼロとなっていてもよく、必ずしも全てのパス間で記録許容エリア重複率の差が異なっている必要はない。
なお、以上では、シアンのノズル列802に対するマスクを例に説明してきたが、上記説明したマスクは各色で共通に用いることが出来る。また、各色で異なるマスクを用意することも出来る。例えば、インク色によって、濃度低下の弊害の目立ち方が異なる場合などは、Mパス目とM+1パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率をインク色毎に異ならせても良い。
(第2の実施形態)
本実施形態においても、図1で示した第1の実施形態と同様の記録装置を用いる。また、制御構成についても図2で示したブロック図を適用可能とする。本実施形態では、記録ヘッド201における各色のノズル列の配列構成が第1の実施形態とは異なっている。
本実施形態においても、図1で示した第1の実施形態と同様の記録装置を用いる。また、制御構成についても図2で示したブロック図を適用可能とする。本実施形態では、記録ヘッド201における各色のノズル列の配列構成が第1の実施形態とは異なっている。
図21は、本実施形態の記録ヘッド201の吐出口(ノズル)の配列構成を説明する為の図である。図において、211と218はブラックインク(K)用のノズル列、212と217はシアンインク(C)用のノズル列、213と216はマゼンタインク(M)用のノズル列、214と215はイエローインク用(Y)のノズル列である。本実施形態では、このように各色2列ずつのノズル列を有し、これら8つのノズル列は主走査方向に対称的な色関係になるように配置されている。このような構成であれば、往路方向で記録を行った場合でも、復路方向に記録を行った場合でも、記録媒体に対するインクの付与順序をK→C→M→Y→Y→M→C→Kに統一することが出来る。その結果、往復の記録走査を行っても、インクの付与順序の違いによって招致される色むらを回避することが可能となる。また、1つのノズル列が1回の記録走査で吐出可能な回数や駆動周波数には上限があるが、本実施形態のように各色のノズル列を2列ずつ用意しておけば、これら2列で吐出を補い合うことが出来る。このため、第1の実施形態の構成に比べて、より速いスピードや、より少ないマルチパス数で画像を出力することが可能となる。
図22は、本実施形態の制御部500においてホスト装置600から受信した多値データの変換および格納状態を説明するためのブロック図である。第1の実施形態と同じ機能を有する構成は、第1の実施形態と同じ符号で示している。第1の実施形態と異なる構成は展開バッファ1006のみである。
本実施形態においても、ドットマトリクス割付モジュール1003によって、ドットマトリクス格納ユニット1002に格納されたドットマトリクスパターンが600dpiの各画素に対応して選択される。そして、図8に示すように奇数カラムデータと偶数カラムデータに分類される。本実施形態において、これら奇数カラムデータと偶数カラムデータは、展開バッファ1006の異なる領域にそれぞれ展開される。たとえば、シアンインクの奇数カラムデータはC1に、偶数カラムデータはC2にそれぞれ展開される。他のインク色についても同様である。
図23は、展開バッファ1006の2つの領域C1およびC2と、それぞれに展開された2値データを記録するノズル列と、マルチパス記録の記録走査を対応付けて説明するための図である。本実施形態において、展開バッファ1006のC1に格納された奇数カラムデータは、ノズル列212によって4回の記録走査で記録される。また、展開バッファ1006のC2に格納された偶数カラムデータは、ノズル列217によって4回の記録走査で記録される。他のインク色についいても、同様の関係を有している。このような記録方法を採用することにより、展開バッファ1006のC1に格納された奇数カラムデータとC2に格納された偶数カラムデータは、記録媒体で重ねて記録され、重複ドットを形成する。
図24は、本実施形態で適用するマルチパス記録方法を説明するための模式図である。ここでは簡単のため、シアンのノズル列212および217についてのマスクを例に説明する。本実施形態においても、マスクとしては、その記録許容率がほぼ25%であり、互いに排他且つ補完の関係にあるA〜Dの4つが用意されている。
本実施形態では、奇数カラムデータを記録するためのノズル列212と、偶数カラムデータを記録するためのノズル列217において、それぞれのブロックに宛がうマスクパターンを異ならせている。
奇数カラムデータを記録するためのノズル列212については、第1ブロックと第2ブロックにはマスクA_25が、第3ブロックと第4ブロックには2つのマスクB_12.5が宛がわれている。また、第5ブロックと第6ブロックには2つのマスクC_12.5が、第7ブロックと第8ブロックにはマスクD_25が、それぞれ宛がわれている。第1の実施形態と同様、個々のマスクの記号は、マスクの種類と記録許容率を同時に示している。例えば第3ブロックは、記録許容率が12.5%で互いに排他の関係にある2つのマスクB_12.5を合わせて生成される、記録率25%のマスクB_25が宛がわれていることになる。マスクCおよびDについても同様である。
これに対し、偶数カラムデータを記録するためのノズル列217については、第1ブロックと第2ブロックにはマスクD_25が、第3ブロックと第4ブロックにはマスクB_12.5とマスクC_12.5が宛がわれている。また、第5ブロックと第6ブロックには、第3ブロックのマスクとは排他の関係にあるマスクB_12.5とマスクC_12.5が、宛がわれている。更に、第7ブロックと第8ブロックにはマスクA_25が宛がわれている。
本実施形態では、このようなマスクを用いることによって、4パス双方向のマルチパス記録を実行する。そして、個々の記録走査が終了するたび、記録媒体は副走査方向に2ブロック分(64ノズル分)だけ搬送される。よって、64ノズル分の幅を有する単位領域では、1パス目でマスクA_25による奇数カラムデータとマスクD_25による偶数カラムデータが記録される。2パス目では、2つのマスクB_12.5(マスクB_25)による奇数カラムデータとB_12.5およびC_12.5による偶数カラムデータが記録される。また、3パス目では、2つのマスクC_12.5(マスクC_25)による奇数カラムデータとB_12.5およびC_12.5による偶数カラムデータが記録される。更に、4パス目では、マスクD_25による奇数カラムデータとマスクA_25による偶数カラムデータが記録される。A〜Dのマスクは互いに排他且つ補完の関係を有しているので、奇数カラムデータについては、ノズル列212によって、A〜Dのマスクを用いた4回の記録走査で、その全てが記録される。また、偶数カラムデータについては、ノズル列217によって、A〜Dのマスクを用いた4回の記録走査で、その全てが記録される。既に説明したように、奇数カラムデータによって記録されるドットと、偶数カラムデータによって記録されるドットは、互いに同じ位置に重複して記録される。
図25は、本実施形態のマスクを用いた場合に、ある1回の搬送動作で搬送ずれが発生した場合の、濃度変動の発生状態を説明するための図である。ここでは、矢印で示したパス(記録走査)の直前に行われた搬送動作において、搬送ずれが発生した場合を想定する。単位領域1〜5は、上記搬送ずれをはさんで記録走査(パス)が行われる領域と、これに隣接する単位領域を示している。
単位領域1は、搬送ずれが発生した搬送動作を挟まないで記録走査が行われた領域(通常領域)である。
単位領域2は、3パス目と4パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜3パス目の記録位置に対し4パス目の記録位置がずれた領域である(1/4パスの記録位置ずれ)。
単位領域3は、2パス目と3パス目の間で搬送ずれが発生し、1および2パス目の記録位置に対し3および4パス目の記録位置がずれた領域である(2/4パスの記録位置ずれ)。
単位領域4は、1パス目と2パス目の間で搬送ずれが発生し、1パス目の記録位置に対し2〜4パス目の記録位置がずれた領域である(3/4パスすなわち1/4の記録位置ずれ)。
単位領域5は、搬送ずれが発生した搬送動作を挟まないで記録走査が行われた領域(通常領域)である。
図26は、上記搬送ずれの影響が及ぶ3つの領域(単位領域2〜4)について、それぞれのドットの重複あるいは分離の状態を説明するための図である。図において、単位領域2は、3パスと4パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクAによって記録される重複ドットとマスクDによって記録される重複ドットが分離する。すなわち、3パス目と4パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%+25%=50%であるので、全体の50%の重複ドットが分離する。単位領域4についても同様である。
単位領域3では、2パスと3パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクAで記録される重複ドット、マスクDで記録される重複ドット、マスクB_12.5で記録される重複ドット、およびマスクC_12.5で記録される重複ドットが分離する。すなわち、2パス目と3パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が25%+25%+12.5%+12.5%=75%であるので、全体の75%の重複ドットが分離する。
本実施形態のような4パス記録においては、単位領域3のように、2パス目と3パス目の間で搬送ずれがおこった場合に、濃度低下が最も懸念される。本実施形態においては、2パス目と3パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率を75%とするマスクを使用することで、搬送ずれによる濃度低下を適量に抑えることが可能となる。
なお、以上説明したマスクパターン構成はシアンのノズル列を例に説明を行ってきたが、他のインク色に対応するノズル列については、シアンと同様の構成を採用することも出来るし、各色それぞれがシアンとは異なるマスクパターンを使用することも出来る。
また、以上では、同一色のインクを吐出する2列のノズル列で1組の重複ドットを記録する構成で説明したが、本実施形態は、同系色でありながら濃度あるいは彩度の異なる2つのインクによって重複ドットを記録する構成にも応用することが出来る。濃度あるいは彩度の異なる2つのインクで記録される重複ドットであっても、ドットの補完関係が崩れることによる濃度低下や、これらドットが分離することによる濃度上昇は、程度の差こそあるが同じように発生する。よって、連続する2つのパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率を濃度変動の程度に応じて調整することにより、以上説明した本実施形態と同様の効果を取得することが出来る。
(第3の実施形態)
本実施形態においても、記録装置および制御の構成、および使用する記録ヘッドのノズル構成やドットマトリクスパターンの処理および格納構成については上述した第2の実施形態と同様である。但し、本実施形態では、より大きなマルチパス数である16パスのマルチパス記録を前提に、最も濃度低下が懸念される単位領域を中心に、他の単位領域についても、重複ドットがそれぞれ適量に分離されるような記録方法について説明する。
本実施形態においても、記録装置および制御の構成、および使用する記録ヘッドのノズル構成やドットマトリクスパターンの処理および格納構成については上述した第2の実施形態と同様である。但し、本実施形態では、より大きなマルチパス数である16パスのマルチパス記録を前提に、最も濃度低下が懸念される単位領域を中心に、他の単位領域についても、重複ドットがそれぞれ適量に分離されるような記録方法について説明する。
図27は、本実施形態で適用するマルチパス記録方法を説明するための模式図である。ここでも簡単のため、シアンのノズル列212および217についてのマスクを例に説明する。本実施形態のマスクとしては、その記録許容率がほぼ6.25%であり、互いに排他且つ補完の関係にあるA〜Pの16種類が用意されている。
本実施形態においても、第2の実施形態と同様、奇数カラムデータを記録するためのノズル列212と、偶数カラムデータを記録するためのノズル列217において、それぞれのブロックに宛がうマスクパターンを異ならせている。
奇数カラムデータを記録するためのノズル列212については、第1ブロック〜第16ブロックまでマスクA〜マスクPがこの順番で宛がわれている。また、偶数カラムデータを記録するためのノズル列217については、第1ブロックのマスクAと第16ブロックのマスクPはノズル列212と同様である。しかし、第2ブロック〜第15ブロックについては、マスクB〜マスクOがノズル列212とは逆の順番で宛がわれている。
本実施形態では、このようなマスクを用いることによって、16パス双方向のマルチパス記録を実行する。そして、個々の記録走査が終了するたび、記録媒体は副走査方向に1ブロック分(16ノズル分)だけ搬送される。このような構成において、突発的な搬送ずれが発生した場合、(16−1)=15の単位領域で濃度低下が懸念される。
以下に、本実施形態における濃度低下が懸念される単位領域とこれに隣接する単位領域1〜17での記録位置のずれの状態を上記実施形態と同様に説明する。
単位領域1は、搬送ずれが発生した搬送動作を挟まないで記録走査が行われた領域(通常領域)である。
単位領域2は、15パス目と16パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜15パス目の記録位置に対し16パス目の記録位置がずれた領域である(1/16パスの記録位置ずれ)。
単位領域3は、14パス目と15パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜14パス目の記録位置に対し15および16パス目の記録位置がずれた領域である(2/16パスの記録位置ずれ)。
単位領域4は、13パス目と14パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜13パス目の記録位置に対し14〜16パス目の記録位置がずれた領域である(3/16パスの記録位置ずれ)。
単位領域5は、12パス目と13パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜12パス目の記録位置に対し13〜16パス目の記録位置がずれた領域である(4/16パスの記録位置ずれ)。
単位領域6は、11パス目と12パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜11パス目の記録位置に対し12〜16パス目の記録位置がずれた領域である(5/16パスの記録位置ずれ)。
単位領域7は、10パス目と11パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜10パス目の記録位置に対し11〜16パス目の記録位置がずれた領域である(6/16パスの記録位置ずれ)。
単位領域8は、9パス目と10パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜9パス目の記録位置に対し10〜16パス目の記録位置がずれた領域である(7/16パスの記録位置ずれ)。
単位領域9は、8パス目と9パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜8パス目の記録位置に対し9〜16パス目の記録位置がずれた領域である(8/16パスの記録位置ずれ)。
単位領域10は、7パス目と8パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜7パス目の記録位置に対し8〜16パス目の記録位置がずれた領域である(9/16パスすなわち7/16の記録位置ずれ)。
単位領域11は、6パス目と7パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜6パス目の記録位置に対し7〜16パス目の記録位置がずれた領域である(10/16パスすなわち6/16の記録位置ずれ)。
単位領域12は、5パス目と6パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜5パス目の記録位置に対し6〜16パス目の記録位置がずれた領域である(11/16パスすなわち5/16の記録位置ずれ)。
単位領域13は、4パス目と5パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜4パス目の記録位置に対し5〜16パス目の記録位置がずれた領域である(12/16パスすなわち4/16の記録位置ずれ)。
単位領域14は、3パス目と4パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜3パス目の記録位置に対し4〜16パス目の記録位置がずれた領域である(13/16パスすなわち3/16の記録位置ずれ)。
単位領域15は、2パス目と3パス目の間で搬送ずれが発生し、1および2パス目の記録位置に対し3〜16パス目の記録位置がずれた領域である(14/16パスすなわち2/16の記録位置ずれ)。
単位領域16は、1パス目と2パス目の間で搬送ずれが発生し、1パス目の記録位置に対し2〜16パス目の記録位置がずれた領域である(15/16すなわち1/16パスの記録位置ずれ)。
単位領域17は、搬送ずれが発生した搬送動作を挟まないで記録走査が行われた領域(通常領域)である。
以上より、本実施形態のような16パスのマルチパス記録では、8パス目と9パス目の間に搬送位置ずれが起こる単位領域9の濃度低下が最も懸念され、次いでその両側に位置する単位領域7と単位領域10の濃度低下が懸念される。そして、濃度低下の懸念の度合いとなる記録位置ずれは、中心に位置する単位領域9から離れるほど徐々に小さくなっていく。このような状況に対応するため、本実施形態では、8パス目と9パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率を高く設定しながらも、他の連続するパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率についても、上記8パス目と9パス目の間から段階的に少なくなるように設定している。
図28は、上記搬送ずれの影響が及ぶ15の領域(単位領域2〜16)について、それぞれのドットの重複あるいは分離の状態を説明するための図である。
図において、単位領域2は、15パスと16パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクPによって記録される重複ドットが他のドットに対して移動する。しかし、15パス目と16パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率は0%であるので、重複ドットが分離することはない。単位領域16についても同様である。
単位領域3では、14パスと15パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクBで記録される重複ドットとマスクOで記録される重複ドットが分離する。すなわち、14パス目と15パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が6.25%+6.25%=12.5%であるので、全体の12.5%の重複ドットが分離する。単位領域15についても同様である。
単位領域4では、13パスと14パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクB、マスクC、マスクNおよびマスクOで記録される重複ドットが分離する。すなわち、13パス目と14パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が6.25%×4=25%であるので、全体の25%の重複ドットが分離する。単位領域14についても同様である。
単位領域5では、12パスと13パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクB、マスクC、マスクD、マスクM、マスクNおよびマスクOで記録される重複ドットが分離する。すなわち、12パス目と13パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が6.25%×6=37.5%であるので、全体の37.5%の重複ドットが分離する。単位領域13についても同様である。
単位領域6では、11パスと12パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクB、マスクC、マスクD、マスクE、マスクL、マスクM、マスクNおよびマスクOで記録される重複ドットが分離する。すなわち、11パス目と12パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が6.25%×8=50%であるので、全体の50%の重複ドットが分離する。単位領域12についても同様である。
単位領域7では、10パスと11パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクB、マスクC、マスクD、マスクE、マスクF、マスクK、マスクL、マスクM、マスクNおよびマスクOで記録される重複ドットが分離する。すなわち、10パス目と11パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が6.25%×10=62.5%であるので、全体の62.5%の重複ドットが分離する。単位領域11についても同様である。
単位領域8では、9パスと10パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクB、マスクC、マスクD、マスクE、マスクF、マスクG、マスクJ、マスクK、マスクL、マスクM、マスクNおよびマスクOで記録される重複ドットが分離する。すなわち、9パス目と10パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が6.25%×12=75%であるので、全体の75%の重複ドットが分離する。単位領域10についても同様である。
単位領域9では、8パスと9パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクB、マスクC、マスクD、マスクE、マスクF、マスクG、マスクH、マスクI、マスクJ、マスクK、マスクL、マスクM、マスクNおよびマスクOで記録される重複ドットが分離する。すなわち、8パス目と9パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が6.25%×14=87.5%であるので、全体の87.5%の重複ドットが分離する。
このように、本実施形態のマスクは、8パス目と9パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が87.5%と十分に高い値になっている。よって、最も濃度低下が懸念される単位領域9であっても、濃度低下を緩和することが出来る。また、本実施形態では、8パス目と9パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率を高く設定しながらも、他の連続する2つのパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率についても、上記8パス目と9パス目の間から段階的に少なくなるように設定している。このような構成にしておくことにより、搬送ずれによる濃度低下を全単位領域に対し、適量に抑えることが可能となる。
以下、このような状態を実現するための条件を、一般的に2Mパスの(2M回の走査による)マルチパス記録を行う場合を例に、LをMよりも小さな整数として、M±L回目の記録走査(M±Lパス目)に注目して具体的に示す。まず第1の条件は、Mパス目の走査とM+1パス目の走査の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が他の連続する2回の記録走査の間を跨ぐ記録許容エリア重複率よりも大きいことである。第2の条件は、M−Lパス目とM−L+1パス目を跨ぐ記録許容エリア重複率が、M−L+1パス目とM−L+2パス目を跨ぐ記録許容エリア重複率よりも小さく、M−L−1パス目とM−Lパス目を跨ぐ記録許容エリア重複率よりも大きいことである。第3の条件は、M+Lパス目とM+L+1パス目を跨ぐ記録許容エリア重複率が、M+L+1パス目とM+L+2パス目を跨ぐ記録許容エリア重複率よりも大きく、M+L−1パス目とM+Lパス目を跨ぐ記録許容エリア重複率よりも小さいことである。以上3つの条件を満たしていれば、2Mパスのマルチパス記録において、搬送ずれによる濃度低下を全単位領域に対し、適量に抑えることが可能となる。
なお、本実施形態では、1パス目と2パス目の間および15パス目と16パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率を0%としたが、本実施形態はこれに限定されるものではない。一般に、マルチパス数の多い記録の場合、単位領域2や単位領域16のような端部のパス間で搬送ずれが起こる領域では、ドットがずれる割合も6.25%と小さく濃度低下も目立ちにくい。よって本実施形態では、このようなパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率を0%とした。しかし、記録媒体の種類やドットの大きさによっては、このような領域でも濃度低下が目立つ場合もある。このような場合には、端部の単位領域であっても適量の重複ドットの分離が行われ、且つ全ての単位領域についてバランスの取れた状態で濃度低下を緩和できるように、記録許容エリア重複率が調整されていればよい。
(第4の実施形態)
本実施形態においても、記録装置と制御の構成、使用する記録ヘッドのノズル構成やドットマトリクスパターンの処理および格納構成については上述した第2および第3の実施形態と同様である。但し、本実施形態では、図21に示した記録ヘッド201の吐出口(ノズル)の配列構成が上記実施形態とは異なり、Evenノズル列及びOddノズル列のそれぞれには、600dpiのピッチで160個の吐出口が副走査方向に配列されているものとする。すなわち、各色のノズル列は、Evenノズル列とOddノズル列を合わせた320個のノズルが副走査方向に1200dpiのピッチで配置していると考えることが出来る。このようなノズル列を備えた記録ヘッドを用い、本実施形態では奇数パスである5パスのマルチパス記録を実行する。そして、上記第3の実施形態と同様、連続する2つのパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率が調整されたマスクを使用する。
本実施形態においても、記録装置と制御の構成、使用する記録ヘッドのノズル構成やドットマトリクスパターンの処理および格納構成については上述した第2および第3の実施形態と同様である。但し、本実施形態では、図21に示した記録ヘッド201の吐出口(ノズル)の配列構成が上記実施形態とは異なり、Evenノズル列及びOddノズル列のそれぞれには、600dpiのピッチで160個の吐出口が副走査方向に配列されているものとする。すなわち、各色のノズル列は、Evenノズル列とOddノズル列を合わせた320個のノズルが副走査方向に1200dpiのピッチで配置していると考えることが出来る。このようなノズル列を備えた記録ヘッドを用い、本実施形態では奇数パスである5パスのマルチパス記録を実行する。そして、上記第3の実施形態と同様、連続する2つのパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率が調整されたマスクを使用する。
図29は、本実施形態で適用するマルチパス記録方法を説明するための模式図である。ここでも簡単のため、シアンのノズル列212および217についてのマスクを例に説明する。本実施形態のマスクとしては、その記録許容率がほぼ20%であり、互いに排他且つ補完の関係にあるA〜Eの5種類が用意されている。
本実施形態においても、第2や第3の実施形態と同様、奇数カラムデータを記録するためのノズル列212と、偶数カラムデータを記録するためのノズル列217において、それぞれのブロックに宛がうマスクパターンを異ならせている。
奇数カラムデータを記録するためのノズル列212については、第1ブロック〜第5ブロックまでマスクA〜マスクEがこの順番で宛がわれている。また、偶数カラムデータを記録するためのノズル列217については、マスクA〜マスクEがノズル列212とは逆の順番で宛がわれている。
本実施形態では、このようなマスクを用いることによって、5パス双方向のマルチパス記録を実行する。そして、個々の記録走査が終了するたび、記録媒体は副走査方向に1ブロック分(64ノズル分)だけ搬送される。このような構成において、突発的な搬送ずれが発生した場合、(5−1)=4の単位領域で濃度低下が懸念される。
以下に、本実施形態における濃度低下が懸念される単位領域とこれに隣接する単位領域1〜6での記録位置のずれの状態を上記実施形態と同様に説明する。
単位領域1は、搬送ずれが発生した搬送動作を挟まないで記録走査が行われた領域(通常領域)である。
単位領域2は、4パス目と5パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜4パス目の記録位置に対し5パス目の記録位置がずれた領域である(1/5パスの記録位置ずれ)。
単位領域3は、3パス目と4パス目の間で搬送ずれが発生し、1〜3パス目の記録位置に対し4および5パス目の記録位置がずれた領域である(2/5パスの記録位置ずれ)。
単位領域4は、2パス目と3パス目の間で搬送ずれが発生し、1および2パス目の記録位置に対し3〜5パス目の記録位置がずれた領域である(3/5パスすなわち2/5パスの記録位置ずれ)。
単位領域5は、1パス目と2パス目の間で搬送ずれが発生し、1パス目の記録位置に対し2〜5パス目の記録位置がずれた領域である(4/5パスすなわち1/5パスの記録位置ずれ)。
単位領域6は、搬送ずれが発生した搬送動作を挟まないで記録走査が行われた領域(通常領域)である。
以上より、本実施形態のような5パスのマルチパス記録では、2/5パスの記録位置ずれとなる単位領域3および単位領域4での濃度低下が最も懸念される。次いで1/5パスの記録位置ずれとなる単位領域2および単位領域5での濃度低下が懸念される。
図30は、上記搬送ずれの影響が及ぶ4つの領域(単位領域2〜5)について、それぞれのドットの重複あるいは分離の状態を説明するための図である。
図において、単位領域2は、4パスと5パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクAで記録される重複ドットとマスクEで記録される重複ドットが分離する。すなわち、4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が20%+20%=40%であるので、全体の40%の重複ドットが分離する。単位領域5についても同様である。
単位領域3では、3パスと4パスの間に発生した搬送ずれによって、マスクA、マスクB、マスクDおよびマスクEで記録される重複ドットが分離する。すなわち、3パス目と4パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が20%×4=80%であるので、全体の80%の重複ドットが分離する。単位領域4についても同様である。
このように、本実施形態のマスクは、2パス目と3パス目の間および3パス目と4パス目の間における記録許容エリア重複率が同率に80%と十分に高い値になっている。よって、最も濃度低下が懸念される単位領域3および単位領域4であっても、濃度低下を同等に緩和することが出来る。また本実施形態では、これらパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率を高く設定しながらも、1パス目と2パス目の間及び4パス目と5パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率も、上記パス間を跨ぐ記録許容エリア重複率から段階的に少なくなるように設定している。このような構成にしておくことにより、奇数パスのマルチパス記録を行う場合であっても、全単位領域における濃度低下を適量に緩和することが可能となる。
本実施形態によれば、2M+1パスのマルチパス記録を行う際、Mパス目とM+1パス目およびM+1パス目とM+2パス目の間を跨ぐ記録許容エリア重複率が、他の2つの連続するパス間を跨ぐ記録許容エリア重複率よりも高く設定されたマスクを用いている。これにより、突発的な搬送ずれ等によってドットの補完関係が崩れ、濃度低下が懸念される場合であっても、第1カラムデータのドットと第2カラムデータのドットが分離することによって濃度の上昇が促進され、上記濃度低下を緩和することが可能となる。また、上記記録許容エリア重複率を調整することにより、懸念される濃度低下の程度に適したドットの分離を実現することも可能である。
500 制御部
1001 受信バッファ
1002 ドットマトリクス格納ユニット
1003 ドットマトリクス割り付けモジュール
1004 展開バッファ
1005 展開バッファ
1006 展開バッファ
1001 受信バッファ
1002 ドットマトリクス格納ユニット
1003 ドットマトリクス割り付けモジュール
1004 展開バッファ
1005 展開バッファ
1006 展開バッファ
Claims (9)
- 記録ヘッドを記録媒体の単位領域に対し2M回(Mは2以上の整数)走査させて記録を行う記録装置であって、
前記単位領域に含まれる複数のエリアそれぞれについて、前記2M回の走査のうち同系色のドットの記録を許容する少なくとも2回の走査を定めたマスクを用いて、前記単位領域に記録すべき画像データを2M回の走査に分割するための分割手段と、
前記分割された画像データに基づいて、前記複数のエリアに記録を許容された走査でドットを記録するための記録部と
を備え、
前記マスクは、
M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は、N(NはMとは異なる正の整数で、且つ2M−1以下)回目の走査以前の走査およびN+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、
M−L回目(LはMより小さい正の整数)の走査以前の走査およびM−L+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合がM−L+1回目の走査以前の走査およびM−L+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも小さく、M+L回目の走査以前の走査およびM+L+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合が、M+L+1回目の走査以前の走査およびM+L+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、
少なくとも1つのSとTの組み合わせにおいて、S回目(Sは2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびS+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とS+1回目の走査以前の走査およびS+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差が、T回目(Tはとは異なる2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびT+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とT+1回目の走査以前の走査およびT+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差と異なる
ことを特徴とする記録装置。 - 記録ヘッドを記録媒体の単位領域に対し2M+1回(Mは2以上の整数)走査させて記録を行う記録装置であって、
前記単位領域に含まれる複数のエリアそれぞれについて、前記2M+1回の走査のうち同系色のドットの記録を許容する少なくとも2回の走査を定めたマスクを用いて、前記単位領域に記録すべき画像データを2M+1回の走査に分割するための分割手段と、
前記分割された画像データに基づいて、前記複数のエリアに記録を許容された走査でドットを記録するための記録部と
を備え、
前記マスクは、
i) M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とM+1回目の走査以前の走査およびM+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は、N(NはMおよびM+1とは異なる(2M)以下の正の整数)回目の走査以前の走査およびN+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、
ii)少なくとも1つのSとTの組み合わせにおいて、S回目(Sは2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびS+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とS+1回目の走査以前の走査およびS+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差が、T回目(TはSとは異なる2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびT+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とT+1回目の走査以前の走査およびT+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差と異なる
ことを特徴とする記録装置。 - M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は100%より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- N回目の走査以前の走査およびN+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は0%より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッドは、前記同系色の2つのドットを記録するための2つのノズル列を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- 前記マスクは、SとLの全ての組み合わせにおいて、S回目の走査以前の走査およびS+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とS+1回目の走査以前の走査およびS+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差が、T回目の走査以前の走査およびT+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とT+1回目の走査以前の走査およびT+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差と異なることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- 前記マスクは、M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査で補完関係にあるマスクと、M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査で一部が補完関係にあるマスクを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
- 記録ヘッドを記録媒体の単位領域に対し2M回(Mは2以上の整数)走査させて記録を行う記録方法であって、
前記単位領域に含まれる複数のエリアそれぞれについて、前記2M回の走査のうち同系色のドットの記録を許容する少なくとも2回の走査を定めたマスクを用いて、前記単位領域に記録すべき画像データを2M回の走査に分割するステップと
前記分割された画像データに基づいて、前記複数のエリアに記録を許容された走査でドットを記録するステップと
を有し、前記マスクは、
M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は、N(NはMとは異なる2M−1以下の正の整数)回目の走査以前の走査およびN+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、
M−L回目(LはMより小さい正の整数)の走査以前の走査およびM−L+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合がM−L+1回目の走査以前の走査およびM−L+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも小さく、M+L回目の走査以前の走査およびM+L+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合が、M+L+1回目の走査以前の走査およびM+L+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、
少なくとも1つのSとLの組み合わせにおいて、S回目(Sは2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびS+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とS+1回目の走査以前の走査およびS+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差が、T回目(TはSとは異なる2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびT+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とT+1回目の走査以前の走査およびT+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差と異なる
ことを特徴とする記録方法。 - 記録ヘッドを記録媒体の単位領域に対し2M+1回(Mは2以上の整数)走査させて記録を行う記録方法であって、
前記単位領域に含まれる複数のエリアそれぞれについて、前記2M+1回の走査のうち同系色のドットの記録を許容する少なくとも2回の走査を定めたマスクを用いて、前記単位領域に記録すべき画像データを2M+1回の走査に分割するステップと、
前記分割された画像データに基づいて、前記複数のエリアに記録を許容された走査でドットを記録するステップと
を有し、前記マスクは、
M回目の走査以前の走査およびM+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とM+1回目の走査以前の走査およびM+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合は、N(NはMおよびM+1とは異なる(2M)以下の正の整数)回目の走査以前の走査およびN+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合よりも大きく、
少なくとも1つのSとLの組み合わせにおいて、S回目(Sは2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびS+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とS+1回目の走査以前の走査およびS+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差が、T回目(TはSとは異なる2Mより小さい正の整数)の走査以前の走査およびT+1回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合とT+1回目の走査以前の走査およびT+2回目の走査以降の走査においてドットの記録を許容するエリアの割合との差と異なる
ことを特徴とする記録方法。
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