JP2007301771A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小液滴を吐出する吐出口列を複数色分配備した双方向対応型のインクジェット記録ヘッドを用いて画像を形成する構成において、端部よれに起因する濃度むらが全色で良好に低減された高品位の画像を出力する。
【解決手段】同種類のインクを吐出する2つ吐出口列の距離に応じて、マルチパス記録を行う際に使用するマスクパターン(151、152、153)の記録許容率の分布を異ならせる。これにより、2つ吐出口列の距離によって異なる端部よれの程度を、各吐出口列で適量に抑えることが出来る。
【選択図】図18

Description

本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、特に小液滴を高密度且つ高周波に記録するインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録装置では、小液滴化、ノズルの高密度化、駆動周波数の高周波化が進められている。このような状況において、最近、「端部よれ」と言う新たな問題が生じている。
図1は「端部よれ」について説明するための模式図である。図において、11は記録ヘッドであり、吐出口面14に高密度に配列された複数の吐出口からインク滴13を吐出しながら、図の垂直方向に移動している。吐出されたインク滴13は記録媒体12に着弾し、ドットを形成する。記録ヘッドの吐出周波数が高い状態であると、記録媒体12に向けて高密度に飛翔するインク滴13の運動に伴い、周囲に介在する粘性を持った空気も移動する。この結果、吐出口面14の近傍が記録ヘッド11の周囲よりも減圧された状態となり、更に周囲にある空気が当該減圧領域へと矢印の方向に流れていく。この気流によって、特に吐出口列の両端部に位置する吐出口から吐出されるインク滴13は、中央部に配置する吐出口の方向に偏向され、記録媒体12に対して目的の位置からずれた位置に着弾される。
図2は、上記「端部よれ」現象の程度を確認するために本発明者らが行った検証の結果を説明するための図である。ここでは、吐出口面14から記録媒体12までの距離(紙間距離)を1.3mm、約21.2μmの間隔で配列する吐出口を128個、各吐出口よりの吐出量を2.8pl、個々の吐出口からの吐出周波数を25KHzとした場合の結果を示している。図において、横軸は一列に並ぶ個々の吐出口の配列位置を示している。また、縦軸は、個々の吐出口から吐出されたインク滴の目的の着弾位置に対する実際に着弾された位置のずれ量を示している。ここでは、図1の状態において、目的の位置よりも右側に着弾された場合が+、左側に着弾された場合が−で示されている。すなわち、図によれば、最両端部の吐出口から吐出されたインク滴が最も内側にずれて記録され(約10μm)、中央に向かうに連れてずれ量は徐々に減少し、中央部の吐出口から吐出されたインク滴の記録位置のずれ量が最も少なくなっていることがわかる。
図3は、このような記録状態の記録ヘッドを用いて実際に一様な画像を記録した場合の記録状態を示した図である。記録ヘッド11は、キャリッジに搭載された状態で、図の左側から右に向けて所定速度で移動し、一定の吐出周波数で個々の吐出口31からインクを吐出する。図では、1回目の記録走査で形成された画像32と2回目の記録走査で形成された画像33の状態が示されている。記録ヘッドの端部に位置する吐出口から吐出されたインク滴は、記録ヘッドの中央方向にずれて着弾されるので、本来端部の吐出口が記録するべき領域は白紙領域34となって現れる。このような白紙領域34は各記録走査間のつなぎ部に発生し、一様な画像領域においてその品位を劣化させる。
一般に「端部よれ」は、吐出量が小さく、吐出周波数が高く、吐出口の配列密度が高いほど確認されやすいが、特に吐出量が10pl以下の場合に顕著に現れる。
図4は、本発明者らが検討を行った結果得られた、吐出量と記録位置ずれ量の関係を説明するための図である。ここでは、図1で説明した記録ヘッドと同じ条件でありながら、約5pl〜16plの範囲で吐出量を変化させた場合の吐出量を横軸、端部に位置する吐出口から吐出されたインク滴の記録位置ずれ量を縦軸に示している。図によれば、吐出量が小さいほど記録位置ずれ量が大きいことがわかる。インク滴が小さいほど、重量に対する表面積の割合が増え、気流による影響を受け易くなるためと考えられている。
以上説明したような「端部よれ」に対して、既に様々な対策も提案されている。例えば、特許文献1には、マルチパス記録方法を実行する際に使用するマスクパターンに特徴を持たせることによって「端部よれ」弊害を緩和する方法が開示されている。以下に本方法について説明する。
図5は、マルチパス記録方法を説明するための模式図である。ここでは、任意の記録領域に対し2回の記録走査で画像を完成する2パスのマルチパス記録方法が示されている。図において、1200は4色分の吐出口列を有する記録ヘッドである。記録ヘッド1200は図の主走査方向に移動しながら吐出を行うことにより、記録媒体にドットを記録していく。
但し、マルチパス記録方法においては1回の記録走査で記録可能な全画素に対する記録は行わない。例えば、2パスのマルチパス記録の場合、第1の記録走査では、記録ヘッド1200の下半分に含まれる吐出口によって、記録可能な全画素のうちの約半分の画素に対して記録を実行する。第1記録走査が終了すると、記録媒体は図の副走査方向に記録ヘッド1200の記録幅の半分に相当する量だけ搬送される。
続く第2記録走査において、既に第1記録走査によって約半分の画素の記録が行われた画像領域に対しては、記録ヘッド1200の上半分に含まれる吐出口によって残りの画素の記録が実行される。また、同じ第2記録走査において、記録ヘッド1200の下半分は、上記画像領域に隣接する白紙領域の約半分の画素に対して記録を実行する。第2記録走査が終了すると、更に記録媒体は図の副走査方向に記録ヘッド1200の記録幅の半分に相当する量だけ搬送される。
以上のような約半分の画素に対する記録主走査と、記録幅の半分に相当する量の副走査とを交互に繰り返すことによって、段階的に画像を完成させていくのが2パスのマルチパス記録方法である。このようなマルチパス記録方法によれば、記録媒体上の同一画像領域は、記録ヘッドの異なる吐出口群による複数回の記録走査で画像が形成される。よって、複数の吐出口に吐出方向や吐出量のばらつきがあったとしても、また記録媒体の搬送量に多少のばらつきが含まれていたとしても、これらばらつきによる弊害を画像上目立たなくすることができる。
なお、図5では2回の記録主走査で画像を完成させる2パスのマルチパス記録方法について説明したが、マルチパス数はこれに限定されるものではない。より多くの記録走査数に分割するほど、形成された画像はより一様性に優れたものとなる。
以上説明したマルチパス記録方法を採用する場合、各記録主走査で記録を実行する画素を決定するために、記録の許容・非許容を定めたマスクパターンを利用することが多い。そしてこのようなマスクパターンに様々な特徴を持たせることにより、一様性以外にも様々な画像品位項目を向上させることができる。
図6は、特許文献1に開示されている、端部よれを回避するために工夫されたマスクパターンを示した図である。ここでは、768個の吐出口を有する記録ヘッドを用い、4パスのマルチパス記録を行う際に利用するマスクパターンが示されている。マスクパターンの大きさは、縦方向が吐出口数と同等の768画素、横方向は256画素となっており、黒で示した画素が記録許容画素、白で示した画素が非許容画素となっている。4つの吐出口群それぞれに対応する4つのマスクパターンで互いに補完の関係を保つように各画素の記録許容・非許容が決定されている。
図からも判るように、ここでは吐出口の位置によって記録許容画素の数に偏りを持たせている。このように、端部の吐出口の記録許容率を中央部の記録許容率よりも低くすることにより、端部の吐出口から吐出されるインク滴の着弾位置ずれによる弊害を目立たなくすることが出来る。
特許文献1によれば、吐出口の位置によって記録許容画素の数に偏りを持たせる構成が開示されている。更に同文献によれば、「端部よれ」現象を緩和するためには図6で示したように、端部領域に位置する吐出口の記録許容率を中央部よりも低く定めることが有効である旨が記載されている。
これに対し特許文献2には、特許文献1を更に発展させたマスクパターン構成が開示されている。複数の吐出口列を双方向に移動させながら記録を行うカラーインクジェット記録装置では、紙面へのインクの付与順序が往路と復路で異なることが原因で色むらが発生することが知られている。特許文献2は、このような色むらを低減することを目的とし、記録許容率のピークを各色で異ならせたマスクパターン構成が開示されている。
特開2002−96455号公報 特開2002−292910号公報 特開2001−17111号公報
ところで近年では、上述したような色むらを低減するために、各色の吐出口列が記録ヘッドの進行方向において対称となるように配備された記録ヘッド(以後、双方向対応ヘッドと称す)も提供されている。以下、色むらについて簡単に説明する。
双方向対応ヘッドではない通常の記録ヘッドの場合、一般に各色1列ずつの吐出口列が非対称に配備されており、往路の記録走査と復路の記録走査では記録媒体へのインク付与順序が逆転する。例えば、同じグリーン画像を記録する場合であっても、シアンを付与した後にイエローを付与する記録走査と、イエローを付与した後にシアンを付与する記録走査とが交互に行われ、これら2種類のグリーンの列が副走査方向に交互に配置する。インクジェット記録において、インクの付与順序の違いは多かれ少なかれ色相差となって現れる。そして、これが視覚的に判別できるほどの差になると、色むらという弊害となって画像を劣化させる。このような色むら弊害を回避するために、特許文献3等では双方向対応型ヘッドが提案されている。
図7は、双方向対応型ヘッドにおける吐出口列の配置状態の一例を説明するための模式図である。記録ヘッド800は、2.8plのインク滴を吐出する吐出口が600dpi(ドット/インチ;参考値)のピッチで128個ずつ配列する6列の吐出口列801〜806を有している。吐出口列801および806はシアンインクを、吐出口列802および805はマゼンタインクを、吐出口列803および804はイエローインクをそれぞれ吐出する。同色インクを吐出する2列の吐出口列(例えば801と806)は、副走査方向に互いに半ピッチ(1200dpi相当)ずれて配置されている。よって、記録ヘッド800を主走査方向に移動させながら吐出動作を行うことにより、副走査方向には1200dpiの記録解像度で画像を形成することが出来る。
このような吐出口列配置の場合、往路の記録走査でも復路の記録走査でも記録媒体へのインクの付与順序は、シアン→マゼンタ→イエロー→イエロー→マゼンタ→シアンとなる。よって、インクの付与順序の違いに起因する色むらは回避される。
しかしながら、本発明者らが鋭意検討を行ったところ、このような非対称型の記録ヘッドでは、既に背景技術の項で説明したような端部よれの程度が吐出口列ごとに異なるという現象が確認された。
図8は、本発明者らが行った検証の結果を説明するための図である。ここでは、図7で示した記録ヘッドを用い、各色のモノトーン画像を、記録デューティーを変化させながら記録した際の、各吐出口列の端部よれの状態が示されている。記録条件としては、記録ヘッドの吐出口面と記録媒体との距離(紙間距離)は1.15mm、キャリッジの移動速度は25inch/sec、記録ヘッドの駆動周波数は30kHz、記録解像度は1200dpiであった。
図において、横軸は記録デューティーであり、1200dpiで配列する全記録画素へ向けてインクを吐出した場合が100%となる。一方、縦軸は、吐出口列の両端部に位置する吐出口から吐出されたインク滴が着弾した位置のずれ量を示している。また、曲線901はイエローの吐出口列(803と804)の記録位置ずれ量、902はシアンの吐出口列(801と806)の記録位置ずれ量をそれぞれ示している。
図によれば、2色の吐出口列ともに、記録デューティーが高まるほど記録位置ずれ量は大きくなっているが、その程度は異なっている。すなわち、再度図7を参照するに、2列の吐出口列が記録ヘッドの中心に近接して配置するイエローの吐出口列(803および804)の方が、離れて配置するシアンの吐出口列(801および806)よりも、端部よれ量が大きくなっている。なお、ここには示していないが、シアンとイエローの間に配置されているマゼンタの吐出口列については、イエローの曲線901とシアンの曲線902との間にその軌跡が得られている。
以上より、端部よれの程度は2列の吐出口列の距離と関係があることが分かる。これは、吐出を行う際の周囲の空気を引き込む力が、吐出口の配列密度すなわち2つの吐出口列の距離によって異なるからと考えられる。
図9は、吐出口の配列密度と気流の関係を説明するための模式図である。図9(a)および(b)ともに、副走査方向に1200dpiの単色画像を記録するための吐出口配列例を示している。図9(a)は、距離dをおいた2列の吐出口列から構成される例を示し、同図(b)は1列に配置された吐出口列の例を示している。これら2つは、どちらの構成であっても、副走査方向に1200dpiの記録密度で画像を記録することは出来る。しかし、端部よれの原因となる気流の量は吐出口の配列密度に依存すると考えられているので、より配列密度が高い図9(b)の方が発生する気流の量は大きいことが予想される。すなわち、再度図7を参照するに、図9(b)の配置に近いイエローの吐出口列(803と804)の方が、図9(a)の配置と類似したシアンの吐出口列(801と806)よりも発生する気流の量が多く、端部よれが起きやすいことが想定される。これは、図8に示した結果と一致している。
このような状態の記録ヘッドに対し、特許文献1に記載されているようなマスクパターン(例えば図6)を全吐出口列に対し共通に用いても、良好な画像は得られない。例えば図7におけるシアンの吐出口列のように、端部よれ量の少ない吐出口列に対しても記録許容率を極端に変動させている図6のようなマスクパターンを用いてしまった場合を考える。この場合、マルチパス記録の本来の効果が損なわれ、もともと吐出口列内に存在する濃度ばらつきが補正されず、濃度むらを引き起こしてしまうのである。
本発明者らは鋭意検討の結果、特許文献1に記載されているようなマスクパターンを用いる場合、吐出口列内の各ノズルの記録許容率の分布は、実際に現れる端部よれの程度に応じて調整することが肝要であると判断した。すなわち、端部よれを緩和することを目的としつつも、新たな弊害が現れない程度に、同じ吐出口列内での記録許容率の分布を定めることが求められるのである。そのためには、特許文献3に開示されているような双方向対応型の記録ヘッドのように、各色の吐出口列で端部よれの程度が異なる場合には、個々の吐出口列ごとに記録許容率の分布を定める必要があると考えた。
特許文献2には、吐出口列ごとに記録許容率が適正化されたマスクパターンが開示されている。しかしこの構成は、あくまでも色むらを回避するためのものであって、図7に示したような双方向対応型の記録ヘッドを念頭に置いたものではなった。双方向対応型記録ヘッドでは、色むらについては既にその構成によって回避されている。しかし、その構成によって新たに発生した問題に対し、吐出口列ごとに記録許容率を適正化することを課題としたのが本発明である。
すなわち、本発明が目的とするところは、小液滴を吐出する吐出口列を複数色分配備したインクジェット記録ヘッドを用いて画像を形成する構成において、端部よれに起因する濃度むらが全色で良好に低減された高品位の画像を出力することである。
そのために本発明は、少なくとも第1の種類のインクに対応した複数の第1吐出口列と第2の種類のインクに対応した複数の第2吐出口列とが走査方向に沿って配置された記録ヘッドを記録媒体に対し走査させながら、前記第1、第2吐出口列夫々について予め定められた記録許容率に基づくインク吐出を行うことにより、前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、前記複数の第1吐出口列間の距離は、前記複数の第2吐出口列間の距離よりも小さく、前記第1吐出口列における端部吐出口と中央部吐出口の記録許容率の差は、前記第2吐出口列における端部吐出口と中央部吐出口の記録許容率の差よりも大きいことを特徴とする。
また、インクを吐出する吐出口が配列してなる吐出口列を、前記配列方向とは異なる方向に同種類のインクについて2列ずつ並列して構成される記録ヘッドを、記録媒体の同一記録領域に対し複数回走査することにより、前記記録領域に画像を記録するインクジェット記録装置において、1回の前記走査で個々の吐出口によるドットの記録を許容する画素と許容しない画素を、同種類のインクを吐出する前記2列の吐出口列の距離に応じて、定めるマスク手段を具備することを特徴とする。
更に、少なくとも第1の種類のインクに対応した複数の第1吐出口列と第2の種類のインクに対応した複数の第2吐出口列とが走査方向に沿って配置された記録ヘッドを記録媒体に対し走査させながら、前記第1、第2吐出口列夫々について予め定められた記録許容率に基づくインク吐出を行うことにより、前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法において、前記複数の第1吐出口列間の距離は、前記複数の第2吐出口列間の距離よりも小さく、前記第1吐出口列における端部吐出口と中央部吐出口の記録許容率の差は、前記第2吐出口列における端部吐出口と中央部吐出口の記録許容率の差よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、同種類のインクを吐出する2つ吐出口列の距離によって異なる端部よれの程度を、各吐出口列で適量に抑えることが出来る。
以下、本発明の実施の形態を、複数の記録ヘッドを有するシリアル型のインクジェット記録装置を例に説明する。
図10は、本発明を適用したインクジェット記録装置の実施形態の要部構成を示す模式的斜視図である。図において、502はキャリッジであり、記録ヘッド1とこれに4色のインクを供給するインクタンクとが交換可能に搭載されている。
記録ヘッド1は4色のインクを記録可能であり、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクタンクからそれぞれのインクが供給されている。記録ヘッド1はキャリッジ502に位置決めして交換可能に搭載されており、キャリッジ502には、コネクターを介して記録ヘッド1に駆動信号等を伝達するためのコネクターホルダー(電気接続部)が設けられている。
キャリッジ502は、装置本体に設置されたガイドシャフト503に沿って主走査方向に案内支持されながら移動する。キャリッジ502の移動は、主走査モータ504の駆動力が、モータプーリ505、従動プーリ506、およびタイミングベルト507に伝達することによってなされ、その位置及び移動量が制御されている。
用紙やプラスチック薄板等の記録媒体508は、2組の搬送ローラ(509と510および511と512)の回転により、記録ヘッド1の吐出口面と対向する位置(記録部)を通過するように搬送される。なお記録媒体508は、記録部において平坦な記録面を形成できるように、その裏面をプラテン(不図示)により支持されている。キャリッジ502に搭載された記録ヘッド1についても、その吐出口面がキャリッジ502から下方へ突出して2組の搬送ローラ対(509と510および511と512)の間で記録媒体508との間で平行関係を維持できるように保持されている。
図11は、記録ヘッド1の吐出部の構造を説明するための構成断面図である。図において、24はSiウエハーから成る基板である。基板24は、インク流路構成部材の一部であり、電気熱変換体(ヒータ)、インク流路、及び吐出口を形成する材料層の支持体としても機能する。本実施形態において、基板24はSi以外でも、例えば、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等を用いることも可能である。
基板24上において、インク供給口20の長手方向には、熱エネルギ発生手段である電気熱変換素体(ヒータ)27が600dpiのピッチで配列されている。
基板24上には、インクを個々のヒータに導くための被覆樹脂層29が接着されている。被覆樹脂層29には、個々のヒータに対応する位置に形成された流路26と、個々の流路26に共通してインクを供給可能なインク供給口20が形成されている。それぞれの流路26の先端部は、ヒータ27によって膜沸騰を起こした結果のインク滴が吐出する吐出口28となる。
1つのインク供給口20には1種類のインクが供給されるが、1つの基板24上にはこのようなインク供給口20が複数並列して構成され、これらは異なる種類のインクを吐出することが出来る。本実施形態で用いる記録ヘッドの各色の吐出口配列については後に詳しく説明する。
図12は、本実施形態で適用するインクジェット記録装置の制御の構成を説明するためのブロック図である。図において、コントローラ700は主制御部であり、例えばマイクロコンピュータ形態のCPU701、プログラムや所要のテーブルその他の固定データを格納したROM702、画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM703を有する。本実施形態で使用するマスクパターンも、ROM702に格納されている。
記録装置の外部に接続されたホスト装置704は、画像データの供給源であるが、記録に係る画像等のデータの作成、処理等を行うコンピュータとする他、画像読み取り用のリーダ部等の形態であってもよい。画像データ、その他のコマンド、ステータス信号等は、インターフェース(I/F)712を介してコントローラ700との間で送受信される。
操作部705は操作者による指示入力を受容するスイッチ群であり、電源スイッチ706、記録動作開始を指示するためのプリントスイッチ707、記録ヘッドに対するメンテナンス処理の起動を指示するための回復スイッチ708等を有する。
ヘッドドライバ709は、記録データ等に応じて記録ヘッド1の電気熱変換体26を駆動するドライバである。ヘッドドライバ709は、記録データを電気熱変換体26の位置に対応させて整列させるシフトレジスタ、適宜のタイミングでラッチするラッチ回路、駆動タイミング信号に同期して電気熱変換体26を作動させる論理回路素子を有する。更に、ドット形成位置合わせのために駆動タイミング(吐出タイミング)を適切に設定するタイミング設定部等も有する。
記録ヘッド1には、サブヒータ712が設けられている。サブヒータ712はインクの吐出特性を安定させるための温度調整を行うものであり、電気熱変換体26と同時に記録ヘッドの基板24上に形成されていてもよいが、記録ヘッド1の本体に取り付けることもできる。
モータドライバ711は主走査モータ504を駆動するドライバであり、モータドライバ713は搬送ローラの回転動力となる副走査モータ714を駆動するドライバである。
図13は、本実施形態で用いる記録ヘッド1を吐出口面側から見た図である。基板24には8列の吐出口列が図のように配列されており、吐出口列C1、C2からはシアンインク、吐出口列M1、M2からはマゼンタインク、吐出口列Y1、Y2からはイエローインク、吐出口列Bk1、Bk2からはブラックインクが吐出される。個々の吐出口からは2.8plのインク滴が吐出される。各吐出口列は、600dpiのピッチで128個ずつ配列しているが、同色インクを吐出する2列の吐出口列は互いに半ピッチずれている。よって、各記録主走査では、全インク色について副走査方向に1200dpiの記録密度で256画素分の記録が行える。
本実施形態において、吐出口列C1、C2間の距離は7.39mm、吐出口列M1、M2間の距離は4.64mm、吐出口Y1、Y2間および吐出口列Bk1、Bk2間の距離はそれぞれ0.25mmとなっている。
図14は、上記記録ヘッド1を用いて、各色のモノトーン画像を、記録デューティーを変化させながら2パスのマルチパス記録で記録した際の、各吐出口列の端部よれの状態を示した図である。マルチパス記録時のマスクパターンとしては、全吐出口領域で一律に50%の記録許容率を有するものを、各色の吐出口列で共通に用いた。記録条件としては、紙間距離は1.15mm、キャリッジの移動速度は25inch/sec、記録ヘッドの駆動周波数は30kHzであった。図において、曲線120はイエローの吐出口列Y1およびY2、121はマゼンタの吐出口列M1およびM2、122はシアンの吐出口列の端部の記録位置ずれをそれぞれ示している。ブラックの吐出口列Bk1およびBk2についてはイエローの曲線120とほぼ同様の軌跡となった。
本実施形態においては、以上説明した構成と特徴を有する記録ヘッド1を用いて、2パスのマルチパス記録を実行する。
図15は、記録ヘッド1を用いて2パスのマルチパス記録を行った際の記録状態を説明するための図である。図において、記録ヘッド1は図の主走査方向に往復移動しながら吐出を行うことにより、記録媒体にドットを記録していく。
第1の記録走査では、記録ヘッド1の下半分に含まれる各色128個の吐出口によって、約50%の画素に対して往路方向での記録を実行する。第1記録走査が終了すると、記録媒体は図の副走査方向に記録ヘッド1記録幅の半分に相当する量だけ搬送される。
続く第2記録走査において、既に第1記録走査によって約50%の画素の記録が行われた画像領域に対しては、記録ヘッド1の上半分に含まれる128個の吐出口によって残り50%の画素の記録が復路方向で実行される。また、同じ第2記録走査において、記録ヘッド1の下半分の領域は、上記画像領域に隣接する白紙領域の約50%の画素に対して記録を実行する。第2記録走査が終了すると、更に記録媒体は図の副走査方向に記録ヘッド1の記録幅の半分に相当する量だけ搬送される。以上のような約50%の画素に対する往復の記録主走査と、記録幅の半分に相当する量の副走査とを交互に繰り返すことによって、段階的に画像を完成させていく。各記録走査での約50%の記録は、予め用意されたマスクパターンを用いて行われる。
図16は、特許文献2などに開示されているような、従来の一般的な端部よれ対策用の2パスのマスクパターンを示した図である。マスクパターン140の大きさは、縦方向、横方向ともに256画素となっており、黒で示した画素が記録許容画素、白で示した画素が非許容画素となっている。上下に分割された2つの吐出口群それぞれに対応する2つのマスクパターンで互いに50%ずつ補完の関係を保つように各画素の記録許容・非許容が決定されている。
上下の吐出口群それぞれに対応する全画素への記録許容率は50%ずつではあるが、図からも判るように、ここでは吐出口の位置によって記録許容画素の数に偏りを持たせている。すなわち、最端部に位置する吐出口の記録許容率は20%であるのに対し、中央に進むにつれて徐々に記録許容率は上昇し、中央部では80%となっている。このように、端部の吐出口の記録許容率を中央部の記録許容率よりも低くすることにより、端部の吐出口から吐出されるインク滴の着弾位置ずれによる弊害を目立たなくすることが可能となる。以下、このような記録許容率の分布を有するマスクパターンをグラデーションマスクと称する。
図17は、上記記録ヘッド1を用いて、記録デューティーを変化させながらモノトーン画像を記録した際の端部よれの状態を、マスクパターンの種類ごとに示した図である。図において、曲線200は、全吐出口領域で一様に50%の記録許容率を有するマスクパターンを用いて2パスのマルチパス記録を行った際の、端部に位置する吐出口の記録位置ずれ量を示している。一方、曲線201は、図16に示したグラデーションマスクを用いて2パスのマルチパス記録を行った際の、最端部に位置する吐出口の記録位置ずれ量を示している。図によれば、グラデーションマスクを用いた方が、端部よれが軽減されることが判る。
図18(a)〜(c)は、グラデーションマスクの記録許容率の分布が端部よれに及ぼす効果を調べるために、本発明者らが用意した3種類のマスクパターンを示す図である。図18(a)は、全吐出口領域で一様に50%の記録許容率を有するマスクパターン151を示している。同図(b)は、最端部の記録許容率が40%で、中心部の記録許容率が60%に設定されたグラデーションマスク152を示している。更に同図(c)は、最端部の記録許容率が20%で、中心部の記録許容率が80%に設定されたグラデーションマスク153を示している。本発明者らは、以上3種類のマスクパターンを用いて、端部よれの状況を観察した。
図19は、上記記録ヘッド1を用いて、記録デューティーを変化させながらモノトーン画像を記録した際の端部よれの状態を、図18(a)〜(c)に示した3種類のマスクパターンごとに示した図である。図において、曲線210は、図18(a)に示したマスクパターン151を用いて2パスのマルチパス記録を行った際の、最端部に位置するノズルの記録位置ずれ量を示している。一方、曲線211は図18(b)に示したグラデーションマスク152を用いて記録を行った際の最端部に位置するノズルの記録位置ずれ量をそれぞれ示している。更に、曲線212は図18(c)に示したグラデーションマスク153を用いて記録を行った際の、最端部に位置するノズルの記録位置ずれ量をそれぞれ示している。図によれば、グラデーションマスクの端部と中央部の記録許容率の差(勾配)が大きいほど端部よれが少ないことがわかる。
すなわち、端部よれ問題のみに着目すれば、グラデーションマスクの勾配がより大きい方が効果的であると判断することが出来る。しかしながら、勾配を大きくすることにより新たな問題点も幾つか提起される。以下にこのような問題点について具体的に説明する。
第1に、マルチパス効果の低減という問題が挙げられる。既に説明したように、マルチパス記録方法の効果の1つは、吐出口間に吐出方向や吐出量のばらつきがあったとしても、これによる弊害を画像上目立たなくすることができることである。そして、このような効果は、記録媒体上の主走査方向に並ぶ複数のドットが、異なる複数の吐出口によって、なるべく均等に分散されて記録されることにより得られる。従って、図18(c)に示したような記録許容率の差が大きいグラデーションマスクを用いた場合、もし中央部に位置する吐出口に大きなよれが含まれていても、この吐出口によって記録される80%のドットが主走査方向に一列に配列する。結果、得られた画像においてはスジや濃度むらが現れやすい。すなわち、この領域におけるマルチパス記録の効果は現れにくい。
更に中央部においては、80%のドットを記録するためのインクが一気に記録媒体に付与されるので、記録媒体に吸収される以前に隣接したインク滴同士が接触し、粒状感を悪化させる恐れがある。全ての吐出口列に対し同様のグラデーションマスクを用いた場合、この粒状感は更に目立ちやすくなる。
第2に、記録ヘッドの寿命の問題がある。インクジェット記録ヘッドの個々の吐出口においては、吐出回数を重ねるにつれ、その吐出性能はどうしても徐々に低下する。そして、1つの吐出口が吐出不能あるいは著しく吐出性能が低下した場合に、インクジェット記録ヘッド自体もその寿命が尽きたと判断される場合も多い。よって、吐出頻度に偏りを持たせるグラデーションマスクは、記録ヘッドの短命化を招致する恐れがある。グラデーションマスクにおける記録許容率の勾配が大きいほどその傾向は強く現れる。
以上の理由から、端部よれの程度を考慮しながらも、なるべく勾配は抑えるようにグラデーションマスクを設計することが望まれる。そして、図14で説明した様に、記録ヘッド上に配列する吐出口列の位置よって端部よれの程度に差が現れる場合には、その程度に応じて勾配の度合いを吐出口列ごとに調整することが望ましいと言える。
以上の理由から本実施形態においては、最も端部よれの大きい吐出口列Y1、Y2およびBk1、Bk2については、図18(c)で示した記録許容率が20%から80%まで変化するグラデーションマスクパターン153を適用する。また、端部よれの程度が中程度の吐出口列M1、M2については、図18(b)で示した記録許容率が40%から60%まで変化するグラデーションマスクパターン152を適用する。更に、端部よれが殆ど現れない吐出口列C1、C2については、図18(a)で示した記録許容率が一律50%のマスクパターン151を適用する。
図20は、上記3種類のマスクパターンを各色の吐出口列に適用した状態で、図14と同条件で各色のモノトーン画像を記録した際の、各吐出口列の端部よれの状態を示した図である。曲線220はイエローの吐出口列Y1およびY2、221はマゼンタの吐出口列M1およびM2、222はシアンの吐出口列の最端部の記録位置ずれをそれぞれ示している。記録許容率が一律50%であるマスクパターンを使用したシアンの吐出口列に関しては図14と同様の結果(曲線222)が得られているが、マゼンタおよびイエローに関しては、グラデーションマスクの効果により図14に比べて記録位置ずれ量が低減している。
このように、同色インクを吐出する吐出口列の間隔が小さいほど、記録許容率の勾配が大きいグラデーションマスクを用いることによって、端部よれを抑制しつつも、招致され得る様々な弊害を最低限に抑え、一様性に優れた画像を出力することが可能となる。
なお、本実施形態のような記録ヘッド構成の場合、イエローとブラックのみに図18(c)に示したグラデーションマスク153を用い、マゼンタおよびシアンに対しては、図18(a)に示したマスクパターン151を一律に用いても、本実施形態の効果を得ることは出来る。更に、イエローとブラックにおいて、両者の間で端部よれの目立ち方に差が現れるような場合であれば、これら2つの間で異なる勾配を有するグラデーションマスクを用いる形態であっても構わない。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態においても第1の実施形態と同様に図10〜図12で説明した構成のインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドを用いる。但し、個々の吐出口の配列状態は第1の実施形態とは異なるものとする。
図21は、本実施形態で使用する記録ヘッドを吐出口面側から見た図である。本実施形態の基板には大小あわせて12列の吐出口列が配列されており、それぞれ128個の吐出口が600dpiのピッチで配置されている。吐出口列C1、C2、C3、C4はシアンインクを、吐出口列M1、M2、M3、M4はマゼンタインクを、吐出口列Y1、Y2はイエローインクを、さらに吐出口列Bk1、Bk2はブラックインクをそれぞれ吐出する。同色インクを吐出する隣り合う2列の吐出口列(例えばC1とC3)は、副走査方向に互いに半ピッチずれて配列している。吐出口列C1、C2、M1、M2、Y1、Y2、Bk1およびBk2からは2.8plのインク滴が吐出され、吐出口列C3、C4、M3およびM4からは0.6plのインク滴が吐出される。
このように同色に対し複数段階の吐出量で画像を形成する場合、入力される濃度信号に応じてそれぞれの吐出口列の記録データは調整される。
図22は、入力濃度信号に対して吐出量の異なる吐出口列の記録率を示した図である。ここで記録率100%とは、全記録画素にインク滴を1つずつ記録する状態を示している。全ての画素に対し大ドット(2.6pl)での記録と小ドット(0.6pl)での記録が可能であるが、画像濃度が低い場合には小ドットのみの記録となる。ある程度画像濃度が高くなると(ここでは30%)、大ドットの記録が開始されその後徐々に増えていく。それと同時に小ドットの記録率は徐々に低下していく。画像濃度が最高濃度(100%)になったとき、全ての画素は大ドットによって記録される状態となる。
図23は、図21で示した記録ヘッドにおける端部よれ現象の程度を確認するために本発明者らが行った検証の結果を説明するための図である。ここでは、紙間距離を1.15mm、吐出周波数を25KHzとした場合の結果を示している。図において、横軸は一列に並ぶ個々の吐出口の配列位置を示している。また、縦軸は、個々の吐出口から吐出されたインク滴の目的の着弾位置に対する実際に着弾された位置のずれ量を示している。曲線160は吐出口列C3およびC4を用いて100%の記録を行った際の記録位置ずれ量、曲線161は吐出口列Y1およびY2を用いて50%の記録を行った際の記録位置ずれ量をそれぞれ示している。図によれば、2つの吐出口列間の距離がより小さいイエローの吐出口列Y1およびY2の方が、記録率が低いにもかかわらず、吐出口列C3およびC4よりも記録位置ずれの程度が大きいことがわかる。
よって、本実施形態においては、2つの吐出口列間の距離がより小さいY1、Y2およびBk1、Bk2に対して図18(c)に示した勾配が最も大きいグラデーションマスク153を用いる。また、吐出口列間の距離がイエローやブラックよりも大きく、中程度の端部よれが懸念される吐出口列M1、M2については、図18(b)で示した記録許容率が40%から60%まで変化するグラデーションマスク152を適用する。更に、端部よれが殆ど現れない吐出口列C1、C2については、図18(a)で示した記録許容率が一律50%のマスクパターン151を適用する。
なお、吐出量が小さいノズル列(C3、C4、M3およびM4)に関しては、再度図22を参照するに、画像処理上60%以上の記録率になることはない。よって、端部よれ現象は殆ど確認されないことが想定されるので、本実施形態ではC3、C4、M3およびM4共に図18(a)で示した記録許容率が一律50%のマスクパターン151を適用する。但し、吐出量が少ないことや、紙間距離が変動することによって端部よれが目立つ場合には、これら吐出口列に対しても適当なグラデーションマスクを用いることは出来る。
このように、グラデーションマスクの勾配の度合いは、記録ヘッド上における吐出口列の距離だけでなく、インクの種類や吐出量、また画像処理によって決まる最大記録率などを加味した上で調整されることが好ましい。例えば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックからなる基本の4色以外に、レッド、グリーンおよびブルーのような特色インクを用いる場合には、これら特色インクは基本の4色に比べて最大記録率が低くなることが想定される。このような特色を含む吐出口列が左右対称に配列された記録ヘッドの場合には、同色インクを吐出する吐出口列の距離を加味するとともに、特色インクの勾配が基本色の勾配よりも低く設定されるようにグラデーションマスクを調整してもよい。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態においても上記実施形態と同様に図10〜図12で説明した構成のインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドを用いる。但し、個々の吐出口の配列状態は上記実施形態とは異なるものとする。
図24は、本実施形態で使用する記録ヘッドを吐出口面側から見た図である。本実施形態の記録ヘッドは、4列ずつの吐出口列が配備された2つの基板を並列して構成されているデュアルヘッドである。本実施形態の記録ヘッドも、主走査方向において各色の吐出口列が左右対称に配備されている。吐出口列1902、1909からはシアンインクを、吐出口列1903、1908からはマゼンタインクを、吐出口列1904、1907からはイエローインクを、吐出口列1905、1906からはブラックインクをそれぞれ吐出する。
このような吐出口の配列構成であっても、やはり上記実施形態と同様に端部よれ現象は現れ、2つの吐出口列間の距離に応じてその程度も変動する。よって、端部よれの程度に応じて、図18に示したグラデーションマスクを各吐出口列に対し適切に対応させることにより、端部よれの少ない滑らかな画像を出力することが可能となる。
なお、マルチパス記録の中では、各吐出口の記録許容率が最も高い2パス記録が、端部よれが現れやすく本発明の効果を発揮しやすいと言える。このことから、以上3つの実施形態では2パスのマルチパス記録を例に説明して来た。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。更に多くのマルチパス数によって記録を行う場合であっても、吐出口列の配列位置に端部よれの程度が依存することに変わりはない。マルチパス数の異なる記録モードを複数有する記録装置の場合、記録モード毎に各吐出口列に対応するグラデーションマスクが用意されていれば、本発明の機能をより効果的に発揮することが出来る。
また、以上の実施形態では、図18に示すように吐出口列端部から中央部に向けて記録許容率が徐々に変化する2種類のグラデーションマスクを用いて説明してきたが、無論本発明はこのようなマスクパターンに限定されるものではない。マルチパス記録による補完の関係が満たされていれば、吐出口端部と中心の記録許容率は更に様々な値をとることが出来る。例えば、各吐出口の記録許容率は、吐出口列に対し段階的に変化させてもよい。端部から所定数の記録素子ずつ、20%、40%、60%、80%、60%、40%、20%のように、段階的に記録許容率を変動させたマスクであっても本発明の範疇に含まれる。
更に、全種類のインク夫々が複数の吐出口列を備えていることは本発明において必須ではない。複数の吐出口列を備えているインク類が2種類以上であれば本発明の範疇に含まれる。従って、例えば、Cインク、Mインクが夫々2つの吐出口列を備え、Yインク、Kインクが夫々1つの吐出口列を備える形態も本発明の一形態になる。
「端部よれ」について説明するための模式図である。 「端部よれ」現象の程度を確認するために本発明者らが行った検証の結果を説明するための図である。 端部よれの発生する記録ヘッドを用いて実際に画像を記録した場合の記録状態を示した図である。 吐出量と端部よれ量の関係を示す図である。 マルチパス記録方法を説明するための模式図である。 端部よれを回避するために工夫されたマスクパターンを示した図である。 双方向対応型ヘッドにおける吐出口列の配置状態の一例を説明するための模式図である。 吐出口列間の距離が異なる2組のノズル列において、記録位置ずれ量を比較するために本発明者らが行った検証の結果を説明する図である。 (a)および(b)は、吐出口の配列密度と気流の関係を説明するための模式図である。 本発明を適用したインクジェット記録装置の実施形態の要部構成を示す模式的斜視図である。 記録ヘッドの吐出部の構造を説明するための構成断面図である。 本発明の実施形態で適用するインクジェット記録装置の制御の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の第1の実施形態で適用する記録ヘッドを吐出口面側から見た図である。 各色のモノトーン画像を、記録デューティーを変化させながら2パスのマルチパス記録で記録した際の、各吐出口列の端部よれの状態を示した図である。 2パスのマルチパス記録を行った際の記録状態を説明するための図である。 従来の一般的な端部よれ対策用の2パスのマスクパターンを示した図である。 記録デューティーを変化させながらモノトーン画像を記録した際の端部よれの状態を、マスクパターンの種類ごとに示した図である。 (a)〜(c)は、グラデーションマスクの記録許容率の分布が端部よれに及ぼす効果を調べるために、本発明者らが用意した3種類のマスクパターンを示す図である。 記録デューティーを変化させながらモノトーン画像を記録した際の端部よれの状態を、3種類のマスクパターンごとに示した図である。 3種類のマスクパターンを吐出口列に適用した状態で、各色のモノトーン画像を記録した際の、各吐出口列の端部よれの状態を示した図である。 本発明の第2の実施形態で適用する記録ヘッドを吐出口面側から見た図である。 入力濃度信号に対して吐出量の異なる吐出口列の記録率を示した図である。 端部よれ現象の程度を確認するために本発明者らが行った検証の結果を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態で適用する記録ヘッドを吐出口面側から見た図である。
符号の説明
151 マスクパターン
152 マスクパターン
153 マスクパターン

Claims (5)

  1. 少なくとも第1の種類のインクに対応した複数の第1吐出口列と第2の種類のインクに対応した複数の第2吐出口列とが走査方向に沿って配置された記録ヘッドを記録媒体に対し走査させながら、前記第1、第2吐出口列夫々について予め定められた記録許容率に基づくインク吐出を行うことにより、前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置において、
    前記複数の第1吐出口列間の距離は、前記複数の第2吐出口列間の距離よりも小さく、
    前記第1吐出口列における端部吐出口と中央部吐出口の記録許容率の差は、前記第2吐出口列における端部吐出口と中央部吐出口の記録許容率の差よりも大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録許容率は、前記第1、第2吐出口列夫々に対応した第1、第2マスクパターンによって規定されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記複数の第1吐出口列と前記複数の第2吐出口列は、前記走査方向に沿って前記第2吐出口列、前記第1吐出口列、前記第1吐出口列、前記第2吐出口列の順で配列されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. インクを吐出する吐出口が配列してなる吐出口列を、前記配列方向とは異なる方向に同種類のインクについて2列ずつ並列して構成される記録ヘッドを、記録媒体の同一記録領域に対し複数回走査することにより、前記記録領域に画像を記録するインクジェット記録装置において、
    1回の前記走査で個々の吐出口によるドットの記録を許容する画素と許容しない画素を、同種類のインクを吐出する前記2列の吐出口列の距離に応じて、定めるマスク手段を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 少なくとも第1の種類のインクに対応した複数の第1吐出口列と第2の種類のインクに対応した複数の第2吐出口列とが走査方向に沿って配置された記録ヘッドを記録媒体に対し走査させながら、前記第1、第2吐出口列夫々について予め定められた記録許容率に基づくインク吐出を行うことにより、前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法において、
    前記複数の第1吐出口列間の距離は、前記複数の第2吐出口列間の距離よりも小さく、
    前記第1吐出口列における端部吐出口と中央部吐出口の記録許容率の差は、前記第2吐出口列における端部吐出口と中央部吐出口の記録許容率の差よりも大きいことを特徴とするインクジェット記録方法。
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