JP5657453B2 - ダンパ装置 - Google Patents
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Description
そのため、右回転用ダンパ装置と左回転用のダンパ装置の何れにも、共通のロータを利用できるようになっている。
そのため、部品点数の増加がなく、部品同士の組付けが容易なダンパ装置が求められている。
前記ダンパ装置が右回転用ダンパ装置である場合には、
前記ロータの他端側から見て、前記ケース側突出壁の周方向における右側を前記ロータ側突出壁の初期位置とし、前記本体ケースの内周面により規定される前記封止空間の外径は、前記ケース側突出壁の近傍が大径で前記ロータ側突出壁と前記本体ケースの内周面との間に隙間が形成され、前記初期位置から周方向右に向かうにつれて小径とされて、前記ロータ側突出壁が前記本体ケースの内周面に圧入状態となるようにされ、
前記ダンパ装置が左回転用ダンパ装置である場合には、
前記側突出壁の周方向における左側を前記ロータ側突出壁の初期位置とし、前記封止空間の前記外径は、前記ケース側突出壁の近傍が大径で前記ロータ側突出壁と前記本体ケースの内周面との間に隙間が形成され、前記初期位置から周方向左に向かうにつれて小径とされて、前記ロータ側突出壁が前記本体ケースの内周面に圧入状態となるようにされ、
前記ロータの前記軸部の外周面において、前記ロータが前記ロータ側突出壁と前記本体ケースの内周面との間に隙間が形成される角度位置にあるときに前記ケース側突出壁に対向する位置に、前記ケース側突出壁との当接を避ける逃げ部を設けると共に、
前記軸部の断面形状を、回転中心軸を通り、当該回転中心軸から見て隣接する前記ロータ側突出壁の角度範囲を二等分する直線を挟んで対称に形成して、
前記ダンパ装置が右回転用ダンパ装置と左回転用ダンパ装置の何れの場合でも、前記ロータを、前記ロータ側突出壁と前記本体ケースの内周面との間に隙間が存在する角度位置で前記本体ケースに組み付けたときに、かかる角度位置で、前記ケース側突出壁と前記軸部との間に隙間が存在するようにしたことを特徴とするダンパ装置とした。
このように構成すると、ダンパ効果を発揮させるための部品を別途用意する必要がないので、部品点数の増加によるコストの上昇を防止できる。さらに、部品点数が増加しないので、組付けが複雑になることがない。
さらに、ロータ側突出壁と本体ケースの内周面、そしてケース側突出壁と軸部とが互いに接していない角度位置で、ロータを本体ケースに容易に組み付けることができる。
このため、ロータ側突出壁と本体ケースの内周面との間に設ける隙間を小さくすることで本体ケースの厚みを薄くすることなく、初期位置でのダンパ効果を小さくすることができる。
本発明に係るダンパ装置では、ロータの角度位置が所定範囲であるときに、ケース側突出壁とロータの軸部、そしてロータ側突出壁と本体ケースの内周面とが互いに、所定の圧入しろを持って組み付けられた状態となる。
そのため、ダンパ装置の作動により封止空間内の圧力が高くなって本体ケースやロータに変形が生じた場合でも、圧しろの分だけ余裕があるので、ロータが、ケース側突出壁と軸部、そしてロータ側突出壁と本体ケースの内周面が互いに接する所定範囲にあるときに、これらの部品の間に大きな隙間が形成されることを防止できる。
よって、本体ケースとロータを樹脂材料で構成したことで、これらに多少の変形が生じたとしても、ダンパ効果が損なわれることがない。
前記ロータ側突出壁には、前記回転中心軸周りの周方向で前記ロータ側突出壁を挟んで一方側の封止空間と、他方側の封止空間とを連通させる開口が設けられており、
前記ロータ側突出壁には、当該ロータ側突出壁の前記周方向における一方側の面に当接して前記開口を塞ぐ弁体が、前記周方向に移動可能に取り付けられている構成とした。
これにより、弁体をロータ側突出壁に取り付ける向きで、ロータが回転中心軸周りの時計回り方向(右回り方向)に回転するときに開口が塞がれるようにすることも、反時計回り方向(左回り方向)に回転させるときに開口が塞がれるようにすることもできる。よって、ロータが時計回り方向に回転するときにダンパ効果を発揮するダンパ装置と、反時計回り方向に回転するときにダンパ効果を発揮するダンパ装置の何れにも、共通して利用できるロータおよび弁体となる。
前記逃げ部は、前記軸部の外周面において、前記ロータの角度位置が前記制御部材の回転可能範囲外にあるときに前記ケース側突出壁に対向する位置に設けられている構成とした。
そのため、ダンパ効果により制御部材の回転に必要となるトルクの大きさの設計の自由度が高くなる。
前記逃げ部は、前記軸部の外周面において、前記ロータの角度位置が前記回転可能範囲の他方から前記一方側の前記ケース側突出壁が前記内周面を摺動する手前に達するまでに、前記ケース側突出壁が対向する範囲内に設けられている構成とした。
よって、部品点数を増加させることなく、組付けが複雑になることがない。
図1に示すダンパ装置1は、キャップ4側から見て、ロータ3が図中時計回り方向に回転する際にダンパ効果を発揮するようにされたダンパ装置であり、右回転用の本体ケース2を備える。
ダンパ装置1は、チェックバルブ6、6が取り付けられたロータ3を、本体ケース2に組み付けたのち、ワッシャ5を介在させて、キャップ4を本体ケース2に組み付けて形成される。
本体部21の内側は、本体ケース2とロータ3とキャップ4とを組み付けた際に、内部にオイル(流体)が封止される封止空間Sとされる。
内周面211のキャップ4側に隣接する拡径部212は、内周面211よりも大きい径で形成されており、後記するロータ3のフランジ部32が内嵌している。
リブ24は、本体部21の外周面21aを、その長手方向(回転中心軸Xの軸方向)に沿って設けられている。この3つのリブ24のうちの2つが、回転中心軸Xからみて一方側(図3では下側)に位置しており、ダンパ装置1を取り付けるときの上下方向の向きが、リブ24の位置関係で判るようになっている。
突出壁25、25は、回転中心軸周りの周方向で、180°間隔(等間隔)で2つ設けられている。突出壁25は、径方向内側(回転中心軸X側)に向かうにつれて回転中心軸X周りの周方向の厚みが薄くなるように、回転中心軸Xを通る直線Lmに沿って設けられている。
この突出壁25、25は、回転中心軸Xの径方向から見ると、直線Lmを挟んで対象となる形状(周方向厚み)を有している。
そのため、ダンパ装置1が組み付けられた状態において、後記するロータ3の軸部33が突出壁25、25の間に軽圧入された状態となる。よって、ロータ3が回転する際には、突出壁25の先端25aが軸部33の外周面33aを摺動する。
連結部31の二面幅部31aは、連結部31の先端側において、ロータ3の回転中心軸Xを挟んで対称となる位置に、互いに平行となるように形成されている。
連結部31は、この二面幅部31aにより、便座や便蓋の回転軸(図示せず)に回り止め嵌合される。
この被支持部31bの外周面であって、キャップ4の径方向内側に位置する部分には、凹溝38が設けられている。凹溝38は、回転中心軸X周りの周方向で、被支持部31bの全周に亘って設けられている。
この凹溝38には、Oリング7が外嵌して取り付けられており、本体ケース2内に充填されるオイルが、キャップ4と連結部31との隙間から外部に漏出することを防止している。
この際、キャップ4は、超音波溶着されながら本体ケース2に押し込まれるようになっている。これにより、封止空間S内のオイルが、本体ケース2とキャップ4との隙間から、ダンパ装置1の外部に漏出することを防止している。
この状態においてロータ3の軸部33は、封止空間S内に位置すると共に、その突出部331が、本体ケース2の断面凹形状の軸受部23で回転可能に支持されている。
壁部34は、回転中心軸X周りの周方向で、180°間隔(等間隔)で2つ設けられている。壁部34は、先端側(本体部21の内周面211側)に向かうにつれて、回転中心軸X周りの周方向の幅が狭くなるように、回転中心軸Xを通る直線Lnに沿って形成されている。この壁部34は、回転中心軸X周りの周方向で直線Lnを挟んで対象となる形状を有している。
実施の形態のダンパ装置1では、本体部21内に形成される封止空間Sは、突出壁25、25により、2つの封止空間S1、S2に区画され、これらの封止空間S1、S2は、それぞれ壁部34によりさらに2つの空間S1a、S1b、S2a、S2bに区画されている。
そして、ロータ3(軸部)の回転により突出壁25の回転中心軸X周りの角度位置が変化すると、空間S1aおよびS1bと、空間S2aおよびS2bの容積が変化するようになっている。
この際、突出壁25の回転中心軸X回りの角度位置は変化しないので、ロータ3が回転しても、封止空間S1、S2の容積は変化しない。一方、ロータ3の壁部34の回転中心軸X回りの角度位置は変化するので、空間S1a、S2aの容積が大きくなると、これに伴って空間S1b、S2bの容積が小さくなり、空間S1a、S2aの容積が小さくなると、これに伴って空間S1b、S2bの容積が大きくなる。
このオリフィス35の両側は、後記するチェックバルブ6の腕部62が係合して取り付けられる係合部36、36となっている。
突部37、37は、図5の(b)に示すように、回転中心軸X周りの周方向で、係合部36、36の全長に亘って設けられており、後記するチェックバルブ6が係合部36、36から外れることを防止するために設けられている。
そのため、チェックバルブ6は、係合部36に取り付けられた状態で、回転中心軸X周りの周方向に移動可能となっている。
係止部63は、延出部62aの延出方向と同じ方向に腕部62から延びており、弁部61と腕部62と延出部62aとに跨るように形成されている。
係止部63、63は、壁部34に取り付けられたチェックバルブ6が径方向外側に移動した際に、係合部36、36の突部37、37に当接して、チェックバルブ6の壁部34からの脱落が防止されるようになっている(図2参照)。
凹溝22aは、回転中心軸Xを通る仮想線L0を挟んで対称となる位置に設けられており、この仮想線L0に対して平行であって、仮想線L0からの距離が同じ位置にある仮想線L1、L2に沿って同じ長さWで形成されている。つまり、回転中心軸Xの軸方向から見て回転中心軸Xを回転中心とする点対称となっている。
凹溝22aは、突出壁25の近傍であって、ダンパ装置1のロータ3が、便座や便蓋を全開にする位置まで回転した際に、後記するロータ3の壁部34が位置する側に設けられている。
凹溝22aは、便座や便蓋を全開にする位置側において、空間S1aと空間S1bおよび空間S2aとS2bを連通させることで、ロータ3(便座や便蓋)を回転させるのに必要なトルクを小さくするために設けられている。
なお、この図6において、隙間Aがゼロよりも小さい範囲では、ロータ3の壁部34が本体ケース2の内周面211に圧入された状態であり、隙間Bがゼロよりも小さい範囲では、本体ケース2の突出壁25がロータ3の軸部33に圧入された状態であることを示している。
図7は、ダンパ装置1の動作説明図である。
その際にロータ3が回転可能な範囲(取付時のロータ回転可能範囲)は、図6に示すように、便座や便蓋が自立した状態となる角度位置(110°、図7の(a)の開位置参照)から、便座や便蓋で便器の開口部を閉じる角度位置(0°、図7の(d)の閉位置参照)までの範囲である。
ここで、内周面211aは、回転中心軸Xを中心とした仮想円Im4上に位置し、内周面211bは、仮想円Im4よりも径が小さい仮想円Im3上に位置している。そのため、封止空間Sが形成される内周面211の内径が、回転中心軸X周りの一方側と他方側とで異なっている。
そして、角度位置が開度θ=60°(図7の(c)参照)よりも小さくなると、隙間がゼロよりも小さくなって、ロータ3の壁部34が本体ケース2の内周面211に圧入された状態になる。つまり、壁部34の先端34aと内周面211bとの間をオイルが連通できなくなる。
これにより、便座や便蓋が閉状態となる角度(θ=0°)からおおよそ60°までの範囲で、ロータ3が回転する際に、壁部34(チェックバルブ6)の外周が本体部21の内周面211bを摺動することになり、かかる範囲において、空間S1bおよびS2bから空間S1a、S2aを連通可能なオイルの流路は、壁部34と底部22および壁部34とフランジ部32の間などに構成される微小な隙間のみとなる。このため、オイルが大きな流体抵抗を受けながらこの微小の隙間を流れることでダンパ効果が発揮される。また、摺動に起因するダンパ効果も発揮される。
なお、ロータ3が反時計回り方向に回転すると、壁部34が空間S1a、S2aの容積を小さくする方向に移動するため、空間S1a、S2aの圧力がS1b、Sbaより高くなり、チェックバルブ6の弁部61が壁部34から離間してオリフィス35を開放する。このため、オイルはこのオリフィス35を通って空間S1aおよびS2aから空間S1bおよびSba流れることができ、ダンパ効果が小さくなる。
ここで、本体部21において突出壁25は、回転中心軸X回りの周方向で180°間隔で設けられている。そのため、軸部33においても、回転中心軸X回りの周方向で180°間隔で、回転中心軸Xを挟んで対称となる位置に凹部39bが設けられている。
そして、凹部39bの回転中心軸X周りの周方向の幅は、突出壁25の先端25aの周方向の幅よりも狭くなっている。
実施の形態のダンパ装置1では、右回転用の本体ケース2とは別に、左回転用の本体ケース2Aが用意されており、本体ケースを交換するだけで、他の部品(ロータ3、チェックバルブ6、キャップ4など)をそのまま使用して、ロータ3が反時計回り方向に回転する際にダンパ効果を発揮するダンパ装置に変更できるようになっている。
そのため、ロータ3の軸部33の軸方向から見た断面形状は、回転中心軸と壁部34の幅方向の中央を通る直線Lnに直交すると共に回転中心軸Xを通る仮想線L0(図3参照)を挟んで線対称の形状を有している。
さらに、この状態において、壁部34(チェックバルブ6)の外周と、本体部21の内周面221aとの間に隙間が確保される。
よって、ロータ3は、チェックバルブ6を取り付ける向きを変えるだけで、ロータ3が右回転するときにチェックバルブ6によってオリフィス35を閉鎖してダンパ効果が発揮されるようにすることも、左回転するときにチェックバルブ6によってオリフィス35を閉鎖してダンパ効果が発揮されるようにすることもできる。
この左回転用の本体ケース2Aは、リブ24Aの数が、前記した右回転用の本体ケース2と異なっており、本体ケースの外観で右回転用と左回転用の何れの本体ケースであるのかが判るようにされている。
また、リブ24が一体に設けられた本体ケース2を、右回転用と左回転用で別形状としたため、便座や便蓋が一定角度(開位置、閉位置など)における少なくとも1つのリブ24の位置を右回転用と左回転用で同じ位置に設けることができる。例えば、右回転用と左回転用の何れでも開位置で下方向に位置するリブ24を設けると、このリブ24を下向きにすることで閉状態の便座および便蓋にダンパ装置1を容易に取付けることができる。
そのため、この本体ケース2Aを使用したダンパ装置(図9)の場合には、ロータ3が反時計回り方向に回転する際にダンパ効果を発揮されることになる。
そして、この凹部39aの位置は、便座や便蓋の回転可能範囲外であるので、軸部33に凹部39aを設けて、突出壁25の先端25aと軸部33の外周面33aとの間に隙間が形成されるようにしても、ダンパ装置1が発揮するダンパ効果に影響が及ぶことがないようにされている。
内部にオイルの封止空間Sが形成された本体ケース2と、本体ケース2で回転可能に支持されると共に、一端側の軸部33を封止空間S内に配置させたロータ3と、
軸部33の外周面から本体ケース2の内周面に向けて突出すると共に、ロータ3の回転により、ロータの回転中心軸X回りの角度位置が変化する壁部34(ロータ側突出壁)と、
封止空間S内で本体ケース2の内周面211から軸部33の外周面33aに当接する位置まで突出して、ロータ3の回転中心軸回りの周方向の回転可能範囲を規定する突出壁25(ケース側突出壁)と、を備え、
本体ケース2の本体部21において、本体ケース2の内周面211により規定される封止空間Sの外径を、回転中心軸X周りの周方向における一方側(内周面211a)と他方側(内周面211b側)とで異ならせて、壁部34の回転中心軸X周りの角度位置が内周面211b側の所定範囲(0°〜60°)にあるときに、壁部34が内周面211bを摺動してロータ3の回転に負荷が与えられるようにし、ロータ3の軸部33の外周面33aに突出壁25との当接を避ける逃げ部(凹部39(39a、39b)を設けると共に、外周面33aにおける凹部39の位置を、ロータ3が壁部34と本体ケース2の内周面との間に隙間が形成される角度位置にあるときに、本体ケース2の突出壁25に対向する位置とし、軸部33の断面形状を、回転中心軸Xを通り、隣接する壁部34の突出方向を二分する直線を挟んで対称(回転中心軸から見て、回転中心軸X周りの周方向で隣接する壁部34、34の角度範囲を二等分する直線を挟んで対称)に形成して、ダンパ装置が右回転用ダンパ装置と左回転用のダンパ装置の何れの場合でも、ロータ3を、壁部34と本体ケース2の内周面との間に隙間が存在する角度位置で本体ケース2に組み付けたときに、かかる角度位置で、突出壁25と軸部33との間に隙間が存在するようにした構成のダンパ装置とした。
さらに、回転中心軸の軸方向から見て、ロータ3の凹部39と本体ケース2の突出壁25とが一致する角度位置(ロータ組込位置)で、ロータ3を本体ケース2に組み付けると、かかる角度位置では、少なくとも突出壁25と軸部33とが互いに接していないので、ロータを本体ケースに容易に組み付けることができる。
また、回転中心軸回りの周方向で隣り合う壁部34(ロータ側突出壁)の間の軸部33の外周面33aの断面形状が、回転中心軸Xから見て壁部34と壁部34が成す角度の二等分線(図3における仮想線L0)を対称軸として線対称となっている、すなわち、ロータの軸部の断面形状を線対称としたため、右回転用と左回転用の何れのダンパ装置であっても、すなわちダンパ効果が発生する方向がどちらであっても、ロータを共通に使用できる。
このように、軸部の内部に凹部を設ける場合には、軸部の径が連結部の径よりも必然的に大きくなる(軸部が太くなってしまう)。本発明にかかるダンパ装置1の場合、軸部と連結部とが一体に構成されているので、従来のものに比べて、軸部33の径を小さくする(軸部を細くする)ことができる。よって、軸部33が細くなった分だけ、ダンパ装置1のサイズ(外径)も小さくすることができる。
壁部34には、回転中心軸X周りの周方向で壁部34を挟んで一方側の封止空間S1a、S2aと、他方側の封止空間S1b、S2bとを連通させるオリフィス35(開口)が設けられており、壁部34には、壁部34の前記周方向における一方側の面に当接して開口を塞ぐチェックバルブ6が、前記周方向に移動可能に取り付けられている構成とした。
これにより、チェックバルブ6を壁部34に取り付ける向きで、ロータ3が回転中心軸X周りの時計回り方向に回転するときにオリフィス35が塞がれるようにすることも、反時計回り方向に回転させるときにオリフィス35が塞がれるようにすることもできる。よって、ロータ3が時計回り方向に回転するときにダンパ効果を発揮するダンパ装置と、反時計回り方向に回転するときにダンパ効果を発揮するダンパ装置の何れにも、共通して利用できるロータおよび弁体となる。
そのため、ダンパ効果により制御部材の回転に必要となるトルクの大きさの設計の自由度が高くなる。
図10は、第2の実施形態にかかるダンパ装置の断面図である。
図11は、ダンパ装置100におけるロータ3の角度位置と、ロータ3を回転させるのに必要なトルクと、本体ケース2の内周面211とロータ3の壁部34との間の隙間Aと、ロータ3の軸部33Aと本体ケース2の突出壁25との間の隙間Bとの関係を説明する図である。
なお、この図11において、隙間Aがゼロよりも小さい範囲では、ロータ3の壁部34が本体ケース2の内周面211に圧入された状態であり、隙間Bがゼロよりも小さい範囲では、本体ケース2の突出壁25がロータ3の軸部33Aに圧入された状態であることを示している。
図12は、ダンパ装置100の動作説明図である。
この軸部33Aでは、壁部34と壁部34との略中間部分における外周面に、本体部21から径方向内側に突出する突出壁25との接触を避けるための平面部332が設けられている。
平面部332は、回転中心軸Xを通る直線Lnに対して平行であって、仮想線L0からの距離が同じ位置にある直線Ln1、Ln2に沿って同じ長さW2で形成されている。
内部にオイルの封止空間Sが形成された本体ケース2と、本体ケース2で回転可能に支持されると共に、一端側の軸部33Aを封止空間S内に配置させたロータ3と、
封止空間S内で本体ケース2の内周面211から軸部33Aの外周面33aに当接する位置まで突出する突出壁25と、軸部33の外周面から径方向外側に延出形成されると共に、ロータ3の回転により、ロータ3の回転中心軸X周りの角度位置が変化する壁部34と、を備え、本体ケース2の本体部21において、本体ケース2の内周面211により規定される封止空間Sの外径を、回転中心軸X周りの周方向における一方側(内周面211a)と他方側(内周面211b側)とで異ならせて、壁部34の回転中心軸X周りの角度位置が内周面211b側の所定範囲にあるときに、壁部34が内周面211bを摺動してロータ3の回転に負荷が与えられるようにし、ロータ3の軸部33の外周面33aに突出壁25との当接を避ける平面部332(逃げ部)を設けると共に、外周面33aにおける平面部332の位置を、ロータ3の角度位置が回転可能範囲の一方側(内周面211a)から、壁部34が他方側の内周面211bを摺動する手前に達するまでに、突出壁25が対向する範囲内とした構成のダンパ装置とした。
さらに、回転中心軸Xの軸方向から見て、ロータ3の平面部332と本体ケース2の突出壁25とが一致する角度位置(ロータ組込位置)で、ロータ3を本体ケース2に組み付けると、かかる角度位置では、少なくとも突出壁25と軸部33Aとが互いに接していないので、ロータ3を本体ケース2に容易に組み付けることができる。
さらに、便座や便蓋の回転軸(制御部材)の回転可能範囲をロータ3の回転可能範囲まで大きくすることができる。
前記した第2の実施形態では、ロータ3の軸部33Aの外周面に、突出壁25との接触を避けるための平面部332が設けられている場合を例示した。
しかし、突出壁25との接触を避けることができる形状であれば、種々の形状が採用可能である。
この湾曲凹部333は、軸部33Bの外周面から回転中心軸X側に窪むように形成されている。この湾曲凹部333の回転中心軸X周りの周方向の幅(角度範囲θx)は、突出壁25の先端25aよりも僅かに広い幅で形成されている。そのため、ロータ3の角度位置が、湾曲凹部333と突出壁25とを対向させる角度位置(ロータ組込位置)(図13の(b)参照)を外れるとすぐに、軸部33Bの外周面33aに突出壁25が当接するようになっている。
そうすると、ダンパ効果の発揮において、かかる隙間が影響することをより好適に防止できると共に、ダンパ効果を発揮させる範囲を、図10の平面部332の場合よりもより広く取ることが可能になる。すなわち、ダンパ装置の設計の自由度が向上する。
かかる場合、ロータ3の角度位置が、湾曲凹部333と突出壁25とを対向させる角度位置(ロータ組込位置)になったときに、ロータ3の軸部33Bと突出壁25との間に形成される隙間を、より狭くすることができる。
そうすると、ダンパ効果の発揮において、かかる隙間が影響することをいっそう好適に防止できることになる。
2 本体ケース
2A 本体ケース
3 ロータ
4 キャップ
5 ワッシャ
6 チェックバルブ
7 Oリング
21 本体部
21a 外周面
22 底部
22a 凹溝
23 軸受部
24 リブ
24A リブ
25 突出壁
25a 先端
31 連結部
31a 二面幅部
31b 被支持部
32 フランジ部
32a 外周面
33 軸部
33A 軸部
33B 軸部
33a 外周面
331 突出部
34 壁部
34a 先端
35 オリフィス
36 係合部
36a 端部
37 突部
38 凹溝
39 凹部
41 貫通穴
61 弁部
62 腕部
62a 延出部
63 係止部
100 ダンパ装置
211 内周面
211a 内周面
211b 内周面
212 拡径部
332 平面部
333、334 湾曲凹部
333a 平面部
S 封止空間
X 回転中心軸
Claims (7)
- 内部に流体の封止空間が形成された本体ケースと、
本体ケースで回転可能に支持されると共に、一端側の軸部を前記封止空間内に配置させたロータと、
前記軸部の外周面から前記本体ケースの内周面に向けて突出すると共に、前記ロータの回転により、前記ロータの回転中心軸周りの角度位置が変化するロータ側突出壁と、
前記封止空間内で前記本体ケースの内周面から前記軸部に当接する位置まで突出して、前記ロータの前記回転中心軸回りの周方向の回転可能範囲を規定するケース側突出壁と、を備えるダンパ装置において、
前記ダンパ装置が右回転用ダンパ装置である場合には、
前記ロータの他端側から見て、前記ケース側突出壁の周方向における右側を前記ロータ側突出壁の初期位置とし、前記本体ケースの内周面により規定される前記封止空間の外径は、前記ケース側突出壁の近傍が大径で前記ロータ側突出壁と前記本体ケースの内周面との間に隙間が形成され、前記初期位置から周方向右に向かうにつれて小径とされて、前記ロータ側突出壁が前記本体ケースの内周面に圧入状態となるようにされ、
前記ダンパ装置が左回転用ダンパ装置である場合には、
前記ケース側突出壁の周方向における左側を前記ロータ側突出壁の初期位置とし、前記封止空間の前記外径は、前記ケース側突出壁の近傍が大径で前記ロータ側突出壁と前記本体ケースの内周面との間に隙間が形成され、前記初期位置から周方向左に向かうにつれて小径とされて、前記ロータ側突出壁が前記本体ケースの内周面に圧入状態となるようにされ、
前記ロータの前記軸部の外周面において、前記ロータが前記ロータ側突出壁と前記本体ケースの内周面との間に隙間が形成される角度位置にあるときに前記ケース側突出壁に対向する位置に、前記ケース側突出壁との当接を避ける逃げ部を設けると共に、
前記軸部の断面形状を、回転中心軸を通り、当該回転中心軸から見て隣接する前記ロータ側突出壁の角度範囲を二等分する直線を挟んで対称に形成して、
前記ダンパ装置が右回転用ダンパ装置と左回転用ダンパ装置の何れの場合でも、前記ロータを、前記ロータ側突出壁と前記本体ケースの内周面との間に隙間が存在する角度位置で前記本体ケースに組み付けたときに、かかる角度位置で、前記ケース側突出壁と前記軸部との間に隙間が存在するようにしたことを特徴とするダンパ装置。 - 前記ロータは、前記本体ケースの外部で制御部材と連結される連結部を備え、該連結部は前記軸部と一体に構成されることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
- 前記本体ケースは底部を有する筒状であり、前記底部には、前記ロータ側突出壁が前記初期位置にあるときに、前記ロータ側突出壁の周方向両側に跨る凹溝を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダンパ装置。
- 前記本体ケースおよび前記ロータは、樹脂材料から構成されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のダンパ装置。
- 前記ロータ側突出壁は、前記回転中心軸の軸方向から見て、前記回転中心軸を通る直線上で、当該直線を挟んで対象となる形状で形成されており、
前記ロータ側突出壁には、前記回転中心軸周りの周方向で前記ロータ側突出壁を挟んで一方側の封止空間と、他方側の封止空間とを連通させる開口が設けられており、
前記ロータ側突出壁には、当該ロータ側突出壁の前記周方向における一方側の面に当接して前記開口を塞ぐ弁体が、前記周方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のダンパ装置。 - 前記ロータの前記回転中心軸周りの回転可能範囲は、前記ロータに接続される制御部材の前記回転中心軸周りの回転可能範囲よりも広く設定されており、
前記逃げ部は、前記軸部の外周面において、前記ロータの角度位置が前記制御部材の回転可能範囲外にあるときに前記ケース側突出壁に対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のダンパ装置。 - 前記封止空間の前記外径は、前記ロータの回転可能範囲における一方側で狭くなるように設定されており、
前記逃げ部は、前記軸部の外周面において、前記ロータの角度位置が前記回転可能範囲の他方から前記一方側の前記ケース側突出壁が前記内周面を摺動する手前に達するまでに、前記ケース側突出壁が対向する範囲内に設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のダンパ装置。
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