JP5654213B2 - タンタル凝集粒子の製造方法、タンタルペレットおよびキャパシタ - Google Patents

タンタル凝集粒子の製造方法、タンタルペレットおよびキャパシタ Download PDF

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Description

本発明は、キャパシタ等に使用されるタンタル凝集粒子を製造する方法に関する。また、キャパシタ等に使用されるタンタルペレット、およびキャパシタに関する。
タンタル電解キャパシタは、小型化が容易であることから、電子機器に広く使用されている。タンタル電解キャパシタを製造するためには、まず、タンタル凝集粒子を成形して多孔質状のタンタルペレットにし、そのタンタルペレットの表面を酸化し、誘電体酸化膜を形成して、キャパシタ用のアノードを得る。次いで、アノードに固体電解質を充填し、充填した固定電解質にカソードを接続することで、キャパシタを得る。
キャパシタ用のタンタル凝集粒子の製造方法としては、例えば、特許文献1に、粒度325メッシュ以下を50質量%以上含むタンタル微粉体に水を含ませた後、水分2〜30質量%まで脱水し、静止状態で乾燥し、真空中で熱処理する方法が開示されている。
特許文献2には、造粒機にて、メディアン径(D50)が50μm以下になるまで粉砕したタンタル粒子に揮発性の液体を湿潤させ、造粒して、予備造粒粒子を形成し、その予備造粒粒子を静止状態で乾燥させた後、熱処理し、篩分する方法が開示されている。
特許文献3には、タンタル粒子を湿潤させ、得られた湿潤粒子を圧密し、乾燥してケーキを形成し、そのケーキを熱処理した後、粉砕、破砕、摩砕等を行う方法が開示されている。
特許第2089652号公報 米国特許出願公開第2007/0068341号明細書 特表2002−516385号公報
ところで、タンタル電解キャパシタ用のタンタル粉末としては、通常の溶融塩還元法によって、最小単位の粒子であるタンタル一次粒子を凝集させたタンタル二次粒子を作製し、そのタンタル二次粒子を別の工程でさらに凝集させたタンタル凝集粒子(タンタル三次粒子)が用いられる。キャパシタに使用されるタンタル凝集粒子としては、近年のキャパシタの小型化に対応するように、略球状で粒子径が小さいものが求められる。タンタル一次粒子についても、タンタルペレットの表面積を大きくでき、キャパシタの電気容量を大きくできることから、粒子径が小さいものが求められる。
また、タンタル凝集粒子としては、タンタルペレットの空隙の孔径を大きくでき、固体電解質の充填性が向上することから、略球状で粒子径分布が狭いものが求められる。
さらに、タンタル凝集粒子としては、タンタルペレット成形時の潰し代が大きく、所定の形状に成形しやすいことから、嵩密度が小さいものが求められる。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の製造方法では、略球状で粒子径が小さく、粒子径分布が狭い上に、嵩密度が小さいタンタル凝集粒子は得られなかった。
本発明は、略球状で粒子径が小さく、粒子径分布が狭い上に、嵩密度が小さいタンタル凝集粒子を製造できるタンタル凝集粒子の製造方法を提供すること目的とする。また、孔径が大きい空隙を有し、表面積の大きい多孔質状のタンタルペレットを提供することを目的とする。さらには、電気容量が大きいキャパシタを提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1] タンタル塩の還元により得たタンタル二次粒子を粉砕し、水を添加して、含水塊状物を得る工程と、
該含水塊状物を乾燥させて乾燥塊状物を得る工程と、
該乾燥塊状物を篩に通して球形化粒子を得る工程と、
該球形化粒子を熱処理する工程とを有することを特徴とするタンタル凝集粒子の製造方法。
[2] タンタル二次粒子として、フッ化タンタル酸カリウムの溶融還元により得たタンタル二次粒子、または、塩化タンタルのナトリウムによる気相還元により得たタンタル二次粒子を用いることを特徴とする[1]に記載のタンタル凝集粒子の製造方法。
[3] 球形化粒子を熱処理する工程の前に、前記篩を通過した粉体を板上で振動または転動させる[1]または[2]に記載のタンタル凝集粒子の製造方法。
[4] 熱処理した球形化粒子を脱酸素処理する工程を有する[1]〜[3]のいずれかに記載のタンタル凝集粒子の製造方法。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のタンタル凝集粒子の製造方法により製造されたタンタル凝集粒子が成形されたことを特徴とするタンタルペレット。
[6] [5]に記載のタンタルペレットが使用されたことを特徴とするキャパシタ。
本発明のタンタル凝集粒子の製造方法によれば、略球状で粒子径が小さく、粒子径分布が狭い上に、嵩密度が小さいタンタル凝集粒子を製造できる。
本発明のタンタルペレットは、孔径が大きい空隙を有し、表面積の大きい多孔質状のものである。
本発明のキャパシタは、電気容量が大きい。
本発明のタンタル凝集粒子の製造方法で用いられる溶融反応装置を示す概略図である。 本発明のタンタル凝集粒子の製造方法で用いられる気相反応装置を示す概略図である。 本発明のタンタル凝集粒子の製造方法で用いられる造粒装置の一例を示す概略図である。 本発明のタンタル凝集粒子の製造方法で用いられる造粒装置の他の例を示す概略図である。 実施例1〜3の粒子径分布曲線を示す図である。 実施例4〜6の粒子径分布曲線を示す図である。 実施例7〜9の粒子径分布曲線を示す図である。 実施例10〜12の粒子径分布曲線を示す図である。 比較例1の粒子径分布曲線を示す図である。 実施例13〜15の粒子径分布曲線を示す図である。 実施例16〜18の粒子径分布曲線を示す図である。 実施例19〜22の粒子径分布曲線を示す図である。 実施例23〜25および比較例2の粒子径分布曲線を示す図である。
<タンタル凝集粒子の製造方法>
本発明のタンタル凝集粒子の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態のタンタル凝集粒子の製造方法は、塊状化工程と、乾燥工程と、球形化工程と、熱処理工程とを有する。さらに、熱処理工程後に、脱酸素工程を有することが好ましい。
以下、各工程について説明する。
(塊状化工程)
塊状化工程では、タンタル塩を還元して得たタンタル二次粒子を粉砕し、水を添加して、含水塊状物を得る。
タンタル塩を還元して得たタンタル二次粒子としては、フッ化タンタル酸カリウム(KTaF)の溶融還元により得たタンタル二次粒子(以下、「溶融還元タンタル二次粒子」という。)、または、塩化タンタルのナトリウムによる気相還元により得たタンタル二次粒子(以下、「気相還元タンタル二次粒子」という。)が挙げられる。
[溶融還元タンタル二次粒子]
溶融還元タンタル二次粒子は、具体的には、フッ化タンタル酸カリウム(KTaF)を溶融塩中でナトリウム還元して生成した一次粒子の凝集体である二次粒子を水洗、酸洗、乾燥して得たものである。
溶融還元タンタル二次粒子を得るためには、例えば、図1に示す溶融反応装置30が用いられる。
この溶融反応装置30は、反応器31と、反応器31の上端31aに設けられたフッ化タンタル酸カリウム供給管32およびナトリウム供給管33と、反応器31の内部を攪拌する攪拌機34と、反応器31を加熱する加熱体35とを備える。
上記溶融反応装置30を用いた溶融還元タンタル二次粒子の製造方法では、まず、反応器31内に、溶融塩の原料成分を充填する。溶融塩の原料成分としては、塩化カリウム(KCl)とフッ化カリウム(KF)との共晶塩、塩化カリウム(KCl)と塩化ナトリウム(NaCl)との共晶塩等が挙げられる。
次いで、反応器31を加熱体35により、好ましくは800〜900℃に加熱し、上記溶融塩の原料成分を溶融させて溶融塩を得る。その後、攪拌機34で溶融塩を攪拌しながら、フッ化タンタル酸カリウム供給管32を介して、固体のフッ化タンタル酸カリウムを反応器31内に供給し、ナトリウム供給管33を介して固体のナトリウムを反応器31内に供給する。
フッ化タンタル酸カリウムおよびナトリウムは、溶融還元タンタル二次粒子を容易に製造できることから、それぞれ連続的に添加することが好ましい。とりわけ、フッ化タンタル酸カリウムとナトリウムとをそれぞれ溶融塩中に少量ずつ交互に分割して投入し、互いに反応させることがより好ましい。
また、ナトリウム添加直前における溶融塩量は、常に溶融塩中のフッ化タンタル酸カリウムの40〜1000倍であることが好ましく、200〜400倍であることがさらに好ましい。溶融塩量がフッ化タンタル酸カリウムの40倍未満であると、タンタル一次粒子を微細化させることが困難になる傾向にあり、1000倍を超えると、収率および生産効率が低くなる傾向にある。
フッ化タンタル酸カリウムとナトリウムとを反応させた後、溶融塩を冷却し、これにより得た集塊を反応器31から取り出し、水洗し、酸洗して、溶融塩および不純物を除去し、乾燥させて、タンタル二次粒子を得る。酸洗の際に使用する酸としては、例えば、硝酸、塩酸、フッ酸等の鉱酸や過酸化水素水が挙げられる。
乾燥の際の乾燥温度は80〜150℃であることが好ましい。乾燥温度が80℃以上であれば、短時間で充分に乾燥させることができ、150℃以下であれば、乾燥時のエネルギー消費量を少なくできる。
溶融還元タンタル二次粒子は、通常、嵩密度が0.4〜0.9g/cmであり、BET比表面積が4.0〜6.5m/gである。ここで、BET比表面積は、窒素ガスを吸着させて測定した値である。
嵩密度が0.4g/cm以上またはBET比表面積が6.5m/g以下のタンタル二次粒子を用いることで、得られるタンタル凝集粒子の粒子径を容易に小さくできる。また、嵩密度が0.9g/cm以下またはBET比表面積が4.0m/g以上のタンタル二次粒子を用いることで、得られるタンタル凝集粒子の嵩密度を容易に小さくできる。
溶融還元タンタル二次粒子の粉砕後の粒子径はモード径(最大頻度径)が0.7〜1.3μmであることが好ましく、メディアン径が1〜3μmであることが好ましい。ここで、粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した体積基準の粒子径である。
溶融還元タンタル二次粒子のモード径が0.7μm以上またはメディアン径が1μm以上であれば、得られるタンタル凝集粒子の嵩密度を低くでき、モード径が1.3μm以下またはメディアン径が3μm以下であれば、得られるタンタル凝集粒子の粒子径を容易に小さくできる。
溶融還元タンタル二次粒子の粒子径は、タンタル一次粒子の調整条件および溶融塩や水洗・酸洗での攪拌速度などにより変わるものであるが、これらの条件によって調整することは容易ではない。
なお、タンタル一次粒子の粒子径は、例えば、溶融還元タンタル二次粒子を得る際の溶融塩量、反応温度によって調整できる。溶融塩量を多くする程、または、反応温度を低くする程、得られるタンタル一次粒子の粒子径が小さくなる。
[気相還元タンタル二次粒子]
気相還元タンタル二次粒子は、気化させた塩化タンタルと、気化させたナトリウムとを接触させることにより反応させて得たものである。
この気相還元タンタル二次粒子は、塩化タンタルとナトリウムとの反応により形成したタンタル一次粒子の複数個が、その反応によって生成した塩化ナトリウムによって包まれている。タンタル一次粒子は体積基準の粒子径で20〜30nmである。
気相還元タンタル二次粒子を得るためには、例えば、図2に示す気相反応装置40が用いられる。
この気相反応装置40は、反応器41と、反応器41の上端41aに設けられた塩化タンタル供給管42、ナトリウム供給管43および不活性ガス供給管44と、反応器41の下端に接続された取出管45と、反応器41の全体を加熱する加熱体46と、反応器41の内部の下端41b側から加熱体46の外部に排気ガスを排出させる排気ガス管47とを備える。
反応器41は、直胴部41cと、直胴部41cより下に位置するテーパー部41dとを有する漏斗状の容器である。このような形状の反応器41では、直胴部41cにて生成した気相還元タンタル二次粒子をテーパー部41dにて集められるようになっている。
塩化タンタル供給管42、ナトリウム供給管43および不活性ガス供給管44は同心円状の三重管になっており、塩化タンタル供給管41が最も内側に配置され、塩化タンタル供給管41の外側に不活性ガス供給管44が配置され、最も外側にナトリウム供給管43が配置されている。このような配置により、不活性ガスを塩化タンタルとナトリウムとの間に供給して、塩化タンタルとナトリウムとの急激な反応を抑制している。
上記気相反応装置40を用いた気相還元タンタル二次粒子の製造方法では、塩化タンタル(沸点:242℃)を加熱して気化させ、気化させた塩化タンタルを塩化タンタル供給管42により反応器41に供給する。また、ナトリウム(沸点:883℃)を加熱して気化させ、気化させたナトリウムをナトリウム供給管43により反応器41に供給する。また、アルゴン等の不活性ガスを不活性ガス供給管44により反応器41に供給する。
その際、塩化タンタルとナトリウムとの質量比(塩化タンタル:ナトリウム)は、量論比相当(3.1:1)とされるが、ナトリウムを少し多くすることが好ましい。
また、塩化タンタル供給管42で供給する塩化タンタルは不活性ガスで希釈してもよく、ナトリウム供給管43で供給するナトリウムは不活性ガスで希釈してもよい。希釈用の不活性ガスは、不活性ガス供給管44によって供給する不活性ガスと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
次いで、反応器41に供給した塩化タンタルとナトリウムとを、気化させた状態のまま、加熱体46により加熱した反応器41の直胴部41c内で、例えば700〜900℃で反応させる。
この反応では、まず、タンタル一次粒子が形成され、そのタンタル一次粒子の複数個が、塩化タンタルとナトリウムとの反応によって生成した塩化ナトリウムによって包まれて、気相還元タンタル二次粒子が形成される。
形成された気相還元タンタル二次粒子は、反応器41のテーパー部41dに落下して集められ、取出管45を介して取り出される。また、未反応の塩化タンタル、未反応のナトリウムおよび不活性ガスは、排気ガス管47を介して反応器41の外部に排出される。
気相還元タンタル二次粒子は、通常、嵩密度が0.5〜1.2g/cmであり、BET比表面積が6〜18m/gである。
気相還元タンタル二次粒子の粉砕後の粒子径はモード径(最大頻度径)が0.5〜1.3μmであることが好ましく、メディアン径が0.4〜1.2μmであることが好ましい。
気相還元タンタル二次粒子の粒子物性(粒子径、嵩密度、比表面積)は、上記製造方法における塩化タンタルの流量、ナトリウムの流量、不活性ガスの流量、反応器の温度などによって調整できる。例えば、塩化タンタルの流量およびナトリウムの流量を増やすことによって、比表面積を小さく調整することができる。
[粉砕]
上記タンタル二次粒子を粉砕する方法としては、例えば、造粒装置を用いて攪拌する方法、粉砕機を用いる方法などが挙げられる。
タンタル二次粒子として、溶融還元タンタル二次粒子を用いる場合には、造粒装置および粉砕機の両方を用いることができるが、より目的のタンタル凝集粒子を得やすい点では、造粒装置が好ましい。
タンタル二次粒子として、気相還元タンタル二次粒子を用いる場合には、得られるタンタル凝集粒子の充分な強度を確保するために、造粒装置を用いる。
粉砕では、タンタル二次粒子の粒子径を調整する。粉砕を強くする程または粉砕を長くする程、粒子径が小さくなる。
造粒装置とは、タンタル二次粒子を攪拌する一つ以上の低速翼と、該低速翼よりも10倍以上高い回転数で回転する一つ以上の高速翼とを備える装置のことである。高速翼の回転数は、実用上の観点からは、低速翼の回転数の30倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがさらに好ましい。また、低速翼の回転数の1000倍以下であることが好ましい。具体的には、6000回転前後とされる。
造粒装置としては、例えば、図3に示すような、円筒状の容器11と、該容器11の内周壁に沿って回転する低速翼12と、容器11の中心にて低速翼12よりも高い回転数で回転する高速翼13と、容器11内に水を噴霧する噴霧機14を備えた不二パウダル社製スパルタン・リューザーが挙げられる。
低速翼12の回転数は13〜27回転/分であることが好ましい。低速翼12の回転数は13回転/分以上であれば、造粒中のタンタル二次粒子を攪拌すると共に高速翼に供給するのに充分な回転数となり、27回転/分以下であれば、造粒中のタンタル二次粒子の無駄な攪拌を防止できる。
高速翼13の回転数は750〜6200回転/分であることが好ましい。高速翼13の回転数は13回転/分以上であれば、タンタル二次粒子を充分に粉砕できる。しかし、27回転/分より回転数を上げても、粉砕の程度が変わらなくなるため、無益である。
また、造粒装置としては、図4に示すような、円筒状の容器21と、該容器21の底面近傍にて設置され、鉛直方向に沿った回転軸22aに複数の回転羽根22aが取り付けられた低速翼22と、低速翼22の上方に設置され、容器21の直径方向に沿った回転軸23aに複数の攪拌羽根23bが取り付けられ、低速翼22よりも高い回転数で回転する高速翼23と、容器21内に水を噴霧する噴霧機24を備えた深江パウテック社製ハイフレックスグラルが挙げられる。
低速翼22の回転数は100〜300回転/分であることが好ましい。低速翼22の回転数は100回転/分以上であれば、造粒中のタンタル二次粒子を攪拌すると共に高速翼に供給するのに充分な回転数となり、300回転/分以下であれば、造粒中のタンタル二次粒子の無駄な攪拌を防止できる。
高速翼23の回転数は1500〜6000回転/分であることが好ましい。高速翼23の回転数は1500回転/分以上であれば、タンタル二次粒子を充分に粉砕できる。しかし、6000回転/分より回転数を上げても、粉砕の程度が変わらなくなるため、無益である。
粉砕機とは、粉砕機能を有する装置であって、前記造粒装置を除くものである。
粉砕機としては、例えば、ボールミル、チョッパーミル、スピードミル、ジョークラッシャー、カッターミル、スクリーンミル、ジェットミルなどが挙げられる。
[水の添加]
粉砕前、粉砕の最中、粉砕した後のいずれかで、水を添加する。添加した水はバインダーとして機能する。このときに添加する水の量によって、得られるタンタル凝集粒子の嵩密度を調整できる。嵩密度をより低くできる好ましい水の添加量は、使用するタンタル二次粒子、造粒装置、粉砕機の種類によって異なる。
添加する水には、乾燥工程にて一次粒子の融合成長を抑えて高表面積を維持できることから、リンやホウ素等が添加されていることが好ましく、特にリンが添加されていることがより好ましい。リンの形態としては、リン酸、アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩等が挙げられる。
リンまたはホウ素の添加量は、使用したタンタル二次粒子を100質量%とした際の0.01〜0.03質量%(100〜300ppm)であることが好ましい。リンまたはホウ素の添加量が0.01質量%以上であれば、一次粒子の融合を充分に抑制でき、0.03質量%以下であれば、得られるタンタル凝集粒子から得たキャパシタの性能低下を防止できる。
水の添加方法としては、上記造粒装置を用いて、粉砕物を攪拌しながら水を添加する方法、粉砕粉を水中で沈降させた後に、余剰の上澄み液を除去する方法、粉砕粉に水を混合する方法などが挙げられる。
造粒装置を用いた場合には、水を添加することによって、含水塊状物が1個〜数十個形成される。具体的な数は使用したタンタル二次粒子の粉砕物の量によって異なるが、粉砕物のほぼ全量を含水塊状物にする。含水塊状物にならなかった装置の壁等に付着した粉砕物については、回収して再度そのまま粉砕物に混ぜて使用できる。
得られた含水塊状物は、粒子径が2〜10cmの粗大粒子である。粒子径が2cm未満の粒子では、目的のタンタル凝集粒子を得ることが困難であり、10cmを超える粗大粒子は実質的に得られない。
水の添加において、タンタル二次粒子として、気相還元タンタル二次粒子を用いる場合には、得られるタンタル凝集粒子の充分な強度を確保するために、造粒装置を用いることが好ましい。
(乾燥工程)
乾燥工程では、含水塊状物を乾燥して、乾燥塊状物を得る。
この乾燥工程では、目的のタンタル凝集粒子を容易に製造できることから、乾燥塊状物の水分量を1.0質量%以下にすることが好ましい。また、乾燥時間を短くする点では、0.3質量%以上にすることが好ましい。また、単位表面積あたりの水分量の観点では、0.5〜1.5mg/mの含水率に調整することが好ましい。
乾燥方法としては、加熱乾燥法、真空乾燥法、真空加熱乾燥法等を適用することができる。これらの中でも、充分に乾燥できることから、真空乾燥法、真空加熱乾燥法が好ましい。
加熱する場合の乾燥温度は80〜120℃であることが好ましい。乾燥温度が80℃以上であれば、短時間で充分に乾燥でき、120℃以下であれば、得られる乾燥塊状物を容易に解砕できるようになる。
(球形化工程)
球形化工程では、乾燥工程で得た乾燥塊状物を篩に通して、解砕して、球形化粒子を得る。
篩としてはバッチ式のものが用いられる。通常、篩は、水平方向または鉛直方向に振動させたり、円運動させることにより、乾燥塊状物を下方に落下させる。
篩としては、例えば、メッシュ、パンチングメタルなどを用いることができる。篩は一段で使用してもよいし、多段に重ねて使用してもよい。
篩の上には通過促進用ボールを配置することが好ましい。篩の上に通過促進用ボールを配置すると、ボールが篩上で跳ねて篩の振動を大きくできるため、乾燥塊状物が篩を通過する時間を短くできる。
球形化工程では、目的とする粒子径分布に応じて選択した開口面積の篩を用いる。キャパシタ用のタンタル凝集粒子としては、体積基準の粒子径が20〜100μmであることが好ましい。全タンタル凝集粒子の体積基準の粒子径を100μm以下にする場合には、目開きが75μm以下のメッシュを用いることが好ましい。また、全タンタル凝集粒子の体積基準の粒子径を20μm以上にする場合には、目開きが33μm以上のメッシュを用いることが好ましい。
球形化工程で解砕しなかった乾燥塊状物が残った場合には、塊状化工程のタンタル二次粒子として再利用できる。
また、球形化工程において篩を多段にする場合には、選択する篩の開口面積によって、乾燥塊状物の全部の篩の通過時間が異なる。したがって、使用する篩を適切に組み合わせることにより、乾燥塊状物の篩の通過時間を短くすることができる。乾燥塊状物の篩の通過時間を短くできる篩の組み合わせとしては、例えば、60メッシュ、100メッシュ、160メッシュおよび200メッシュの組み合わせなどが挙げられる。
球形化工程では、より球形化した粒子が得られることから、球形化粒子を熱処理する前に、篩を通過した粉体を板上で振動または転動させることが好ましい。
篩を通過した粉体を板上で振動させる方法としては、板を水平方向または鉛直方向に振動させる方法が挙げられる。
篩を通過した粉体を板上で転動させる方法としては、板をその重心を軸として回転させる方法、板を円運動させる方法などが挙げられる。平板の板を回転させる場合には、板を水平に配置してもよいし、水平方向に対して斜めに配置してもよいが、篩を通過した粉体の相互接触による破砕を少なくできることから水平が好ましい。
このときに使用する板としては、例えば、平板、球面状に凹んだ板、湾曲した板などを用いることができるが、篩を通過した粉体の相互接触による破砕を少なくできることから平板が好ましい。板の縁部には、振動時または転動時に、篩を通過した粉体がこぼれ出ないようにするために、側板が立設されていてもよい。
また、板として、篩を通過した粉体を受けるための受け容器の底面を利用しても構わない。受け容器の底面を板として利用する場合には、乾燥塊状物を篩に通して解砕すると同時に、篩の振動や円運動を利用して、篩を通過した粉体を受け容器の底面にて球形化することができる。
球形化工程では、篩を通過した粉体が粉砕されにくく、篩を通過した時点での粒子径をほぼそのまま維持することができる。特に粒子径10μm未満の微粉は形成されにくい。これは、振動や転動では、攪拌のように篩を通過した粉体に強い剪断力を付与することがないためと考えられる。さらに、篩を通過した粉体同士の結合も生じにくい。これは、振動や転動では、篩を通過した粉体同士が強い衝撃力で衝突することがなく、しかも篩を通過した粉体が乾燥状態にあるためと考えられる。このように、球形化工程では、粒子径が大きく変化することなく、かどが消失するように篩を通過した粉体が変形するため、篩の開口面積に応じて粒子径が揃った球形化粒子を形成させることができる。
なお、上記のように、この球形化工程では粒子径10μm未満の微粉が形成されにくいが、微粉が形成された場合には、篩分によって微粉を除去することも可能である。除去した微粉は塊状化工程のタンタル二次粒子として再利用できる。
上記篩の通過と板上での振動または転動とは、交互に複数回行ってもよいし、各々1回のみであっても構わない。
篩の通過と板上での振動または転動とを交互に複数回行う場合には、例えば、各解砕工程にて、受け容器上に配置した一段の篩に、乾燥塊状物または前段の篩を通過した粉体を通過させ、受け容器にて該受け容器上の篩を通過した粉体を転動または振動させる方法が採用される。各解砕工程で用いる篩を一段にする場合には、効率的に粒子径を小さくできる点で、1回目の解砕工程で用いる篩の開口面積を最も広くし、2回目以降の解砕工程で用いる篩の開口面積を順次小さくすることが好ましい。
篩の通過と板上での振動または転動とを1回のみ行う場合には、例えば、受け容器上に多段に配置した篩に、乾燥塊状物を通過させ、受け容器にて該受け容器上の篩を通過した粉体を転動または振動させる方法が採用される。篩を多段にする場合には、粒子径を効率的に小さくする点で、下段になるにつれて開口面積が小さくなるように配置することが好ましい。
(熱処理工程)
熱処理工程では、球形化工程により得た球形化粒子を加熱する。
熱処理工程における球形化粒子の熱処理温度は800〜1250℃であることが好ましい。熱処理温度が800℃以上であれば、短時間で充分に焼結できるが、1250℃を超えると、必要以上に加熱するため、粗大化が生じると共にエネルギーの浪費になる。
熱処理時間は10分〜2時間であることが好ましい。熱処理時間が10分以上であれば、充分に焼結させることができるが、2時間で焼結はほぼ完結しているため、それ以上の時間をかけるのは無益である。
(脱酸素工程)
脱酸素工程では、熱処理工程で熱処理した球形化粒子を脱酸素処理する。脱酸素処理の方法としては、例えば、熱処理した球形化粒子にマグネシウム等の還元剤を添加し、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で、還元剤の融点以上沸点以下の温度で加熱する方法などが挙げられる。
脱酸素処理は1回であってもよいが、複数回繰り返すことが好ましく、2回繰り返すことがより好ましい。
以上の工程を経ることで、粒子径が小さく、粒子径分布が狭い上に、嵩密度が小さいタンタル凝集粒子を得ることができる。
得られるタンタル凝集粒子のモード径は15〜80μmであることが好ましい。タンタル凝集粒子のモード径が15μm以上かつ80μm以下であれば、キャパシタ用として適している。
また、タンタル凝集粒子の嵩密度は1〜2.5g/cmであることが好ましい。タンタル凝集粒子の嵩密度が1g/cm以上であれば、タンタルペレット成形時に充分な充填量を確保でき、2.5g/cm以下であれば、タンタルペレット成形時に充分な潰し代を確保できる。
なお、本発明のタンタル凝集粒子の製造方法は、上記実施形態に限定されず、例えば、脱酸素工程が省略されていても構わない。ただし、キャパシタ用として好適になることから、脱酸素工程を行うことが好ましい。
<タンタルペレット>
本発明のタンタルペレットは、上記タンタル凝集粒子の製造方法により製造されたタンタル凝集粒子が成形されたものである。
タンタルペレットの成形方法としては、例えば、タンタル凝集粒子に、必要に応じて、ショウノウ(C1016O)等のバインダーを、タンタル凝集粒子100質量%に対して3〜5質量%を添加し、型枠内に充填し、圧縮成形し、圧縮状態を保ったまま、1000〜1400℃で0.3〜1時間、加熱して焼結する方法が挙げられる。このような成形方法により、多孔質焼結体からなるタンタルペレットを得ることができる。
上記成形方法により得たタンタルペレットをキャパシタのアノードとして使用する場合には、タンタル凝集粒子を圧縮成形する前に、タンタル凝集粒子中にリード線を埋め込んでおき、タンタルペレットとリード線とを一体化させることが好ましい。
タンタルペレットの成形に用いるタンタル凝集粒子の粒子径が小さいため、本発明のタンタルペレットは表面積が大きい。したがって、このタンタルペレットから得られるキャパシタは電気容量を大きくできる。
また、本発明のタンタルペレットの成形に用いるタンタル凝集粒子は粒子径分布が狭いため、本発明のタンタルペレットは孔径が大きい空隙を有する。したがって、キャパシタ製造時に固体電解質を容易に充填できる。
さらに、本発明のタンタルペレットの成形に用いるタンタル凝集粒子は嵩密度が小さく、成形時に充分な潰し代がある。したがって、本発明のタンタルペレットは容易に所定の形状にできる。
<キャパシタ>
本発明のキャパシタは、上記タンタルペレットが用いられている。上記タンタルペレットを用いたキャパシタの一例としては、タンタルペレットの表面が酸化されて得られたアノード、アノードに対向するカソード、アノードとカソードとの間に配置されからなる固体電解質層とを備えるものが挙げられる。
カソードには、陰極端子が半田付け等によって接続されている。また、アノード、カソードおよび固体電解質層で構成される部材の周囲には、樹脂外皮が形成されている。
カソードの材質としては、例えば、グラファイト、銀などが用いられる。
固体電解質層の材質としては、例えば、二酸化マンガン、酸化鉛、導電性高分子などが用いられる。
タンタルペレットの表面を酸化する際には、例えば、温度30〜90℃、濃度0.1質量%程度のリン酸、硝酸等の電解溶液中で、40〜80mA/gの電流密度で20〜60Vまで昇圧して1〜3時間処理する方法などが挙げられる。このときに酸化された部分は誘電体酸化膜になる。
本発明のキャパシタは、上記タンタルペレットを用いているため、誘電体酸化膜の面積が大きく、また、固体電解質が充分に充填されているため、高い電気容量を有する。
(実施例1)
攪拌翼を備えた50Lニッケル反応器にフッ化カリウム20kgと塩化カリウム20kgを投入し、200℃で1時間水分除去した後、800℃で溶融し、攪拌翼を150回転で攪拌した。この反応器内に窒素ガスを3L/分で導入しながら、フッ化タンタル酸カリウム130.9gを溶解させ、その1分後にナトリウム39.3gを添加した。このフッ化タンタル酸カリウムとナトリウムとの添加を28回繰り返した後、水洗し、フッ酸水溶液を用いて酸洗し、120℃で乾燥して、溶融還元タンタル二次粒子を得た。この溶融還元タンタル二次粒子径の嵩密度は0.70g/cm、BET比表面積は5.84m/gであった。
得られた溶融還元タンタル二次粒子1387gを不二パウダル社製スパルタンリューザー(製品名)に投入した後に、高速翼3000回転/分、低速翼27回転/分で、2分間攪拌した。その後、高速翼および低速翼を回転させたまま、10質量%リン酸水溶液10.9gと純水224.8gを順次3分間でスプレー添加し、添加終了後、更に3分間攪拌を継続して、含水塊状物を得た。
含水塊状物を120℃で16時間真空乾燥した後、乾燥塊状物の1kgを、60メッシュ(250μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、20分間かけて全量篩を通過させた。
次いで、60メッシュの篩を通過した粉体の全量を、100メッシュ(150μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、5分間かけて全量篩を通過させた。
さらに、100メッシュを通過した粉体100gを200メッシュ(75μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、30分間かけて全量篩を通過させた。
このように、順次目が細かい篩に乾燥塊状物を通過させることで、細かい粒子に解砕し、また、受け容器上で振動させることで、球形化して、球形化粒子を得た。
次いで、球形化粒子を1000℃で30分間熱処理し、その熱処理物100質量%に対して5質量%のマグネシウムを添加し、750℃で加熱して脱酸素処理した。この脱酸素処理をもう1回繰り返して、嵩密度1.77g/cm、BET比表面積3.78m/gのタンタル凝集粒子を得た。
(実施例2)
実施例1において200メッシュの篩を通過した粉体の全量を、さらに、330メッシュ(45μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させて解砕し、40分間かけて全量篩を通過させて、球形化粒子を得た。
このようにして得た球形化粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例3)
実施例1において200メッシュの篩を通過した粉体の全量を、さらに、390メッシュ(38μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させて解砕し、60分間かけて全量篩を通過させて、球形化粒子を得た。
このようにして得た球形化粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例4)
攪拌翼を備えた50Lニッケル反応器にフッ化カリウム15kgと塩化カリウム15kgを投入し、200℃で1時間水分除去した後、850℃で溶融し、攪拌翼を150回転で攪拌した。この反応器内に窒素ガスを3L/分で導入しながら、フッ化タンタル酸カリウム150gを溶解させ、その30秒後にナトリウム45gを添加した。このフッ化タンタル酸カリウムとナトリウムとの添加を40回繰り返した後、水洗し、フッ酸水溶液を用いて酸洗し、120℃で乾燥して、溶融還元タンタル二次粒子を得た。この溶融還元タンタル二次粒子径の嵩密度は0.86g/cm、BET比表面積は5.80m/gであった。
得られた溶融還元タンタル二次粒子330gと純水330gと粉砕用5mmボール3.3kgを粉砕容器中に充填し、6時間攪拌して、粉砕した。次いで、得られた粉砕物を粉砕容器から純水と共に抜き出し、2時間静置した後、上澄み液をデカンテーション除去して、含水塊状物を得た。
含水塊状物を120℃で16時間真空乾燥した後、乾燥塊状物の310gを、60メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、10分間かけて全量篩を通過させた。
次いで、60メッシュの篩を通過した粉体の全量を、100メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、2分間かけて全量篩を通過させた。
さらに、100メッシュを通過した粉体100gを200メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、30分間かけて全量篩を通過させた。
これにより、解砕および球形化を行って、球形化粒子を得た。
次いで、球形化粒子を1150℃で30分間熱処理し、その熱処理物100質量%に対して4質量%のマグネシウムを添加し、750℃で加熱して脱酸素処理した。この脱酸素処理をもう一回繰り返して、嵩密度1.55g/cm、BET比表面積3.20m/gのタンタル凝集粒子を得た。
(実施例5)
実施例4において200メッシュの篩を通過した粉体の全量を、さらに、330メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させて解砕し、40分間かけて全量篩を通過させて、球形化粒子を得た。
このようにして得た球形化粒子を用いたこと以外は実施例4と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例6)
実施例4において200メッシュの篩を通過した粉体の全量を、さらに、390メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させて解砕し、60分間かけて全量篩を通過させて、球形化粒子を得た。
このようにして得た球形化粒子を用いたこと以外は実施例4と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例7)
フッ化カリウムおよび塩化カリウムの溶融温度を840℃に変更したこと以外は実施例4と同様にして溶融還元タンタル二次粒子を得た。この溶融還元タンタル二次粒子径の嵩密度は0.60g/cm、BET比表面積は3.87m/gであった。
得られた溶融還元タンタル二次粒子1197gを不二パウダル社製スパルタンリューザー(製品名)に投入した後に、高速翼5400回転/分、低速翼27回転/分で、2分間攪拌した。その後、高速翼および低速翼を回転させたまま、10質量%リン酸水溶液5.7gと純水209.8gを順次3分間でスプレー添加し、添加終了後、更に3分50秒間攪拌を継続して、含水塊状物を得た。
含水塊状物を120℃で16時間真空乾燥した後、乾燥塊状物の1kgを、60メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、20分間かけて全量篩を通過させた。
次いで、60メッシュの篩を通過した粉体の全量を、100メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、5分間かけて全量篩を通過させた。
さらに、100メッシュを通過した粉体100gを200メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、30分間かけて全量篩を通過させた。
これにより、解砕および球形化を行って、球形化粒子を得た。
次いで、球形化粒子を1150℃で30分間熱処理し、その熱処理物100質量%に対して4質量%のマグネシウムを添加し、750℃で加熱して脱酸素処理した。この脱酸素処理をもう一回繰り返して、嵩密度1.75g/cm、BET比表面積2.90m/gのタンタル凝集粒子を得た。
(実施例8)
実施例7において200メッシュの篩を通過した粉体の全量を、さらに、330メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させて解砕し、40分間かけて全量篩を通過させて、球形化粒子を得た。
このようにして得た球形化粒子を用いたこと以外は実施例7と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例9)
実施例7において200メッシュの篩を通過した粉体の全量を、さらに、390メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させて解砕し、60分間かけて全量篩を通過させて、球形化粒子を得た。
このようにして得た球形化粒子を用いたこと以外は実施例7と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例10)
実施例4において粉砕容器に充填する純水量を165gに変更し、篩の下に受け容器の代わりに帯電防止性プラスチック袋を配置して、篩を通過した粉体を振動させなかったこと以外は実施例4と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例11)
実施例5において粉砕容器に充填する純水量を165gに変更したこと以外は実施例5と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例12)
実施例6において粉砕容器に充填する純水量を165gに変更したこと以外は実施例6と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例13)
実施例1と同様にして得た溶融還元タンタル二次粒子1400gを不二パウダル社製スパルタンリューザー(製品名)に投入した後に、高速翼3000回転/分、低速翼27回転/分で、2分間攪拌した。その後、高速翼および低速翼を回転させたまま、10質量%リン酸水溶液10.4gと純水227.6gを順次3分間でスプレー添加し、添加終了後、更に3分間攪拌を継続して、含水塊状物を得た。
含水塊状物を120℃で16時間真空乾燥した後、乾燥塊状物の1kgを、60メッシュ(250μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、20分間かけて全量篩を通過させた。
次いで、60メッシュの篩を通過した粉体の全量を、100メッシュ(150μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、5分間かけて全量篩を通過させた。
次いで、100メッシュの篩を通過した粉体の全量を、160メッシュ(90μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、5分間かけて全量篩を通過させた。
さらに、100メッシュを通過した粉体100gを200メッシュ(75μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、10分間かけて全量篩を通過させた。
このように、順次目が細かい篩に乾燥塊状物を通過させることで、細かい粒子に解砕し、また、受け容器上で振動させることで、球形化して、球形化粒子を得た。
次いで、球形化粒子を1000℃で30分間熱処理し、その熱処理物100質量%に対して5質量%のマグネシウムを添加し、750℃で加熱して脱酸素処理した。この脱酸素処理をもう1回繰り返して、嵩密度1.65g/cm、BET比表面積3.80m/gのタンタル凝集粒子を得た。
本例において乾燥塊状物の篩の通過時間の合計は40分であり、160メッシュの篩を用いなかった実施例1での篩の通過時間55分より短くなっていた。
(実施例14)
実施例1においてタンタル二次粒子に添加する10質量%リン酸水溶液の量を10.4g、純水の量を269.6gにしたこと以外は実施例1と同様にして、嵩密度1.53g/cm、BET比表面積4.00m/gのタンタル凝集粒子を得た。
(実施例15)
実施例1においてタンタル二次粒子に添加する10質量%リン酸水溶液の量を10.4g、純水の量を339.6gにしたこと以外は実施例1と同様にして、嵩密度1.22g/cm、BET比表面積4.30m/gのタンタル凝集粒子を得た。
タンタル二次粒子に添加した純水量を多くして得た実施例15のタンタル凝集粒子は、嵩密度がより小さくなっていた。
(比較例1)
実施例1と同様にして溶融還元タンタル二次粒子を得た。次いで、この溶融還元タンタル二次粒子にアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩(NHPF)を混合し、これにより得られた混合物を、10−4Paの減圧環境下、1000℃、10分間熱処理して、凝集して、凝集物を得た。
得られた凝集物をチョッパーミルにより予備粉砕した。次いで、解砕工程にて、予備粉砕した粉砕粉を、全長100mmの差動ロールを3段備えたロールグラニュレータで解砕してタンタル凝集粒子を得た。ここで、各差動ロールは、一段目のロール間の間隔を0.6mm、二段目のロール間の間隔を0.3mm、三段目のロール間の間隔を0.2mmとした。また、それぞれ一方のロールの周速度が他方のロールの周速度より30%速くなるように設定した。
実施例1〜15および比較例1のタンタル凝集粒子について、体積基準の粒子径の分布曲線をレーザー回折・散乱法(測定装置;日機装社製マイクロトラックMT3000)により求めた。実施例1〜3の粒子径分布曲線を図5に、実施例4〜6の粒子径分布曲線を図6に、実施例6〜9の粒子径分布曲線を図7に、実施例10〜12の粒子径分布曲線を図8に、比較例1の粒子径分布曲線を図9に、実施例13〜15の粒子径分布曲線を図10に示す。
また、実施例1〜15および比較例1のタンタル凝集粒子について100cmの質量を測定して嵩密度を求めた。嵩密度の測定結果を表1に示す。
また、実施例1〜15および比較例1のタンタル凝集粒子に窒素ガスを吸着させ、BET式を利用して単分子層吸着量を求め、さらに単分子層吸着量からBET比表面積を求めた。BET比表面積の測定結果を表1に示す。
Figure 0005654213
表1および図5〜8,10に示されるように、溶融還元タンタル二次粒子を粉砕したものを塊状化した乾燥塊状物を篩に通して解砕し、受け容器上で球形化した実施例1〜15のタンタル凝集粒子は、粒子径が小さく、粒子径分布が狭い上に、嵩密度が小さかった。
これに対し、溶融還元タンタル二次粒子を粉砕せずに凝集した凝集物をロールグラニュレータで解砕した比較例1のタンタル凝集粒子は、粒子径分布が広かった。
また、得られた実施例1〜12および比較例1のタンタル凝集粒子を用いたキャパシタについて評価した。
具体的には、まず、タンタル凝集粒子0.15gを圧縮成形して直径3mm、密度6.0g/cmの成形体を作成した。そして、この成形体を真空焼結炉で1200℃、20分間加熱して多孔質焼結体のタンタルペレットを得た。
次いで、得られたタンタルペレットを0.1体積%リン酸水溶液中で、化成電圧10V、温度60℃、保持時間120分で化成酸化して、表面に誘電体酸化膜を形成させた。
誘電体酸化膜が形成された多孔質焼結体を30.5体積%硫酸水溶液中に入れ、バイアス電圧1.5V、周波数120Hzで電気容量(CV値)を測定した。この測定方法では、硫酸水溶液が電解質およびカソードになる。電気容量の測定結果を表2に示す。
Figure 0005654213
実施例1〜12のタンタル凝集粒子を用いたキャパシタは高い電気容量を有していた。
比較例1のタンタル凝集粒子を用いたキャパシタは、実施例1〜12と同様の電気容量を有していたが、固体電解質の充填に時間を要した。
(実施例16)
気相還元タンタル二次粒子は、塩化タンタルを250℃に加熱して気化させ20cm/分で反応器に供給し、ナトリウムを900℃に加熱して気化させ100cm/分で反応器に供給することにより得た。また、反応の制御のため、反応中は、750℃に加熱したアルゴンガスを500cm/分にて反応器に供給した。
この気相還元タンタル二次粒子を水洗し、フッ酸水溶液を用いて酸洗し、120℃で乾燥した。酸洗後の気相還元タンタル二次粒子の嵩密度は1.00g/cm、BET比表面積は8.00m/gであった。
得られた気相還元タンタル二次粒子330gと純水330gと粉砕用5mmボール3.3kgを粉砕容器中に充填し、6時間攪拌して、粉砕した。次いで、得られた粉砕物を粉砕容器から純水と共に抜き出し、2時間静置した後、上澄み液をデカンテーション除去して、含水塊状物を得た。
含水塊状物を120℃で16時間真空乾燥した後、乾燥塊状物の310gを、60メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、10分間かけて全量篩を通過させた。
次いで、60メッシュの篩を通過した粉体の全量を、100メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、2分間かけて全量篩を通過させた。
さらに、100メッシュを通過した粉体100gを200メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、30分間かけて全量篩を通過させた。
これにより、解砕および球形化を行って、球形化粒子を得た。
次いで、球形化粒子を1000℃で30分間熱処理し、その熱処理物100質量%に対して4質量%のマグネシウムを添加し、750℃で加熱して脱酸素処理した。この脱酸素処理をもう一回繰り返して、嵩密度1.20g/cm、BET比表面積4.60m/gのタンタル凝集粒子を得た。
(実施例17)
実施例16において200メッシュの篩を通過した粉体の全量を、さらに、330メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させて解砕し、40分間かけて全量篩を通過させて、球形化粒子を得た。
このようにして得た球形化粒子を用いたこと以外は実施例16と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例18)
実施例16において200メッシュの篩を通過した粉体の全量を、さらに、390メッシュの篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させて解砕し、60分間かけて全量篩を通過させて、球形化粒子を得た。
このようにして得た球形化粒子を用いたこと以外は実施例16と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例19)
実施例1と同様にして得た気相還元タンタル二次粒子1387gを不二パウダル社製スパルタンリューザー(製品名)に投入した後に、高速翼3000回転/分、低速翼27回転/分で、2分間攪拌した。その後、高速翼および低速翼を回転させたまま、10質量%リン酸水溶液19.0gと純水481gを順次3分間でスプレー添加し、添加終了後、更に3分間攪拌を継続して、含水塊状物を得た。
含水塊状物を120℃で16時間真空乾燥した後、乾燥塊状物の2kgを、60メッシュ(250μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、20分間かけて全量篩を通過させた。
次いで、60メッシュの篩を通過した粉体の全量を、100メッシュ(150μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させ、5分間かけて全量篩を通過させた。
このように、順次目が細かい篩に乾燥塊状物を通過させることで、細かい粒子に解砕し、また、受け容器上で振動させることで、球形化して、球形化粒子を得た。
次いで、球形化粒子を950℃で20分間熱処理し、その熱処理物100質量%に対して5質量%のマグネシウムを添加し、750℃で加熱して脱酸素処理した。この脱酸素処理をもう1回繰り返して、嵩密度1.50g/cm、BET比表面積5.20m/gのタンタル凝集粒子を得た。
(実施例20)
実施例19において100メッシュの篩を通過した粉体の全量を、さらに、235メッシュ(63μm開き)の篩の上に載せ、篩およびその受け容器を垂直に振動させて解砕し、30分間かけて全量篩を通過させて、球形化粒子を得た。
このようにして得た球形化粒子を用いたこと以外は実施例19と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例21)
実施例19において熱処理温度を1000℃にしたこと以外は実施例19と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例22)
実施例20において熱処理温度を1000℃にしたこと以外は実施例20と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例23)
実施例21において嵩密度1.00g/cm、BET比表面積11.60m/gの気相還元タンタル二次粒子を用いたこと以外は実施例21と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例24)
実施例22において嵩密度1.00g/cm、BET比表面積11.60m/gの気相還元タンタル二次粒子を用いたこと以外は実施例22と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(実施例25)
実施例22において嵩密度1.00g/cm、BET比表面積14.00m/gの気相還元タンタル二次粒子を用い、脱酸素処理の温度を700℃にしたこと以外は実施例22と同様にして、タンタル凝集粒子を得た。
(比較例2)
造粒装置(不二パウダル社製スパルタン・リューザー)の容器(直径;20cm)内に、実施例1と同様にして得たタンタル二次粒子2000gを入れた。次いで、低速翼および高速翼により2分間攪拌して予備混合した。その際、低速翼の回転数を27回転/分(周速;17m/秒)、高速翼の回転数を5400回転/分とした。
次いで、噴霧機により10質量%リン酸水溶液19.0gと純水382.9gを一定速度で噴霧しながら容器内のタンタル二次粒子を4分間攪拌した。その後、水を添加せずに10分間攪拌した。このときも、低速翼の回転数を27回転/分、高速翼の回転数を5400回転/分とした。
上記のようにして得た造粒粉を、70℃で11時間真空乾燥させて、乾燥粉を得た。そして、その乾燥粉を950℃、1時間真空中で焼結させて、タンタル凝集粒子を得た。
実施例16〜25および比較例2の各タンタル凝集粒子についても、体積基準の粒子径の分布曲線をレーザー回折・散乱法(測定装置;日機装社製マイクロトラックMT3000)により求めた。実施例16〜18の粒子径分布曲線を図11に、実施例19〜22の粒子径分布曲線を図12に、実施例23〜25および比較例2の粒子径分布曲線を図13に示す。
また、実施例16〜25および比較例2の各タンタル凝集粒子についても、嵩密度およびBET比表面積を求めた。嵩密度およびBET比表面積の測定結果を表3に示す。
Figure 0005654213
表3および図11〜13に示されるように、気相還元タンタル二次粒子を粉砕したものを塊状化した乾燥塊状物を篩に通して解砕し、受け容器上で球形化した実施例16〜25のタンタル凝集粒子は、粒子径が小さく、粒子径分布が狭い上に、嵩密度が小さかった。
これに対し、溶融還元タンタル二次粒子を造粒装置のみで造粒した比較例2のタンタル凝集粒子は、粒子径および嵩密度が大きかった。
また、実施例16〜25および比較例2のタンタル凝集粒子については、粒子の強度を評価した。
その評価方法は、粒子径分布測定装置(日機装社製マイクロトラック「Microtrac AVSR(circulation system)、Microtrac HRA 9320−x100(optical system)」)に内蔵された超音波照射装置により超音波を照射しながら粒子径を測定し、3μm以下の累積粒子割合(%)を求めた。その際、超音波の強度は25Wとし、照射時間は20分間とした。求めた3μm以下の累積粒子割合(%)を表4に示す。
超音波照射により3μm以下の累積粒子割合(%)が多くなる程、粒子の強度は弱い。また、3μm以下の累積粒子割合(%)が多すぎると、キャパシタ用ペレット製造の際に成形機のオス型とメス型のクリアランスに微細粉末が噛み込まれるため、キャパシタ用のタンタル凝集粒子として好ましくない。
Figure 0005654213
気相還元タンタル二次粒子を造粒装置により粉砕し、篩を用いて球状化した実施例19〜25のタンタル凝集粒子は、超音波照射前後での3μm以下の累積粒子割合の変化が小さく、超音波照射後の3μm以下の累積粒子割合が少なかった。したがって、粒子の強度が高かった。
これに対し、気相還元タンタル二次粒子を粉砕機により粉砕し、篩を用いて球状化した実施例16〜18のタンタル凝集粒子は、超音波照射後の3μm以下の累積粒子割合が多かった。したがって、粒子の強度が不充分であった。
また、比較例2のタンタル凝集粒子は、超音波照射後の3μm以下の累積粒子割合(%)が多かった。
また、実施例19〜22のタンタル凝集粒子については、密度4.5g/cmの成形体とした以外は、実施例1〜12および比較例1と同様に、キャパシタにした際の電気容量を測定した。電気容量の測定結果を表5に示す。
表5に示すように、実施例19〜22のタンタル凝集粒子によれば、電気容量が高いキャパシタを得ることができた。
Figure 0005654213
11,21 容器
12,22 低速翼
13,23 高速翼
14,24 噴霧機
30 溶融反応装置
31 反応器
32 フッ化タンタル酸カリウム供給管
33 ナトリウム供給管
34 攪拌翼
35 加熱体
40 気相反応装置
41 反応器
42 塩化タンタル供給管
43 ナトリウム供給管
44 不活性ガス供給管
45 取出管
46 加熱体
47 排気ガス管

Claims (6)

  1. タンタル塩の還元により得たタンタル二次粒子を粉砕してメディアン径が1〜3μmの粒子径を有する粉砕粒子を得、その粉砕前および/または粉砕の最中に水を添加して、粒子径が2〜10cmの含水塊状物を得る工程と、
    該含水塊状物を乾燥させて、水分量が1.0質量%以下の乾燥塊状物を得る工程と、
    該乾燥塊状物を一段または多段の、目開き33〜75μmの、振動された篩に通して球形化粒子を得る工程と、
    該球形化粒子を熱処理する工程とを有することを特徴とするタンタル凝集粒子の製造方
    法。
  2. タンタル二次粒子として、フッ化タンタル酸カリウムの溶融還元により得たタンタル二
    次粒子、または、塩化タンタルのナトリウムによる気相還元により得たタンタル二次粒子
    を用いる請求項1に記載のタンタル凝集粒子の製造方法。
  3. 球形化粒子を熱処理する工程の前に、前記篩を通過した粉体を板上で振動または転動さ
    せる請求項1または2に記載のタンタル凝集粒子の製造方法。
  4. 熱処理した球形化粒子を脱酸素処理する工程を有する請求項1〜3のいずれかに記載の
    タンタル凝集粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタンタル凝集粒子の製造方法により製造されたタンタ
    ル凝集粒子が成形されたことを特徴とするタンタルペレット。
  6. 請求項5に記載のタンタルペレットが使用されたことを特徴とするキャパシタ。
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