JP2014058712A - タンタル粒子の製造方法 - Google Patents
タンタル粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014058712A JP2014058712A JP2012203395A JP2012203395A JP2014058712A JP 2014058712 A JP2014058712 A JP 2014058712A JP 2012203395 A JP2012203395 A JP 2012203395A JP 2012203395 A JP2012203395 A JP 2012203395A JP 2014058712 A JP2014058712 A JP 2014058712A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tantalum
- particles
- tertiary
- magnesium
- oxygen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
【課題】酸素含量が十分に低減されたタンタル粒子を効率的に得られるタンタル粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のタンタル粒子の製造方法は、タンタル化合物を還元剤で還元して、金属タンタル同士が凝集した凝集粒子を得る工程と、マグネシウムの存在下で、前記凝集粒子を300℃超600℃未満で加熱する工程と、を備えることよりなる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のタンタル粒子の製造方法は、タンタル化合物を還元剤で還元して、金属タンタル同士が凝集した凝集粒子を得る工程と、マグネシウムの存在下で、前記凝集粒子を300℃超600℃未満で加熱する工程と、を備えることよりなる。
【選択図】なし
Description
本発明は、タンタル粒子の製造方法に関する。
近年、電子集積回路は、より低電圧での駆動、高周波化、低ノイズ化が求められており、そこに用いられる固体電解コンデンサについても、等価直列抵抗が低い(低ESR)、等価直列インダクタンスが低い(低ESL)、静電容量が高い(高CV値)等の優れた特性が求められている。
固体電解コンデンサのアノードを構成する金属としては、タンタル、ニオブ、チタン、タングステン、モリブデン等が用いられている。中でも、タンタルをアノードに用いたタンタル電解コンデンサ(以下、単に電解コンデンサということがある)は、小型で、低ESRかつ高容量であることから、携帯電話やパソコン等の部品として普及が進んでいる。
一般的に、電解コンデンサは、タンタル粒子をプレス成形、焼結して多孔質体とした後、化成酸化処理を施して表面に酸化物質(誘電体膜)を形成し、その表面に固体電解質層を設け、そこにカソードを接続することで製造される。
固体電解コンデンサのアノードを構成する金属としては、タンタル、ニオブ、チタン、タングステン、モリブデン等が用いられている。中でも、タンタルをアノードに用いたタンタル電解コンデンサ(以下、単に電解コンデンサということがある)は、小型で、低ESRかつ高容量であることから、携帯電話やパソコン等の部品として普及が進んでいる。
一般的に、電解コンデンサは、タンタル粒子をプレス成形、焼結して多孔質体とした後、化成酸化処理を施して表面に酸化物質(誘電体膜)を形成し、その表面に固体電解質層を設け、そこにカソードを接続することで製造される。
タンタル粒子の製造方法としては、原料であるフッ化タンタルカリウム(K2TaF7)等のタンタル化合物を還元処理し、洗浄、乾燥することにより調製される。このタンタル粒子を構成する粒子は、金属タンタルの粒子(タンタル一次粒子)同士が凝集した二次粒子(タンタル二次粒子)であり、そのままでは流動性や成形性等に劣る。このため、タンタル二次粒子同士を凝集させて三次粒子(タンタル三次粒子)にするための造粒や熱処理が施される。また、熱処理には、洗浄で残存する不純物をタンタル三次粒子から蒸発除去する効果がある。これらの熱処理後のタンタル三次粒子は酸素含量が多く、過剰な酸素は、電解コンデンサ製造時に結晶性酸化物を形成して電解コンデンサの漏れ電流の原因になる。このため、タンタル三次粒子は、熱処理後に脱酸素処理が施されて、電解コンデンサ用の製品(タンタル粒子)となる。
脱酸素処理としては、マグネシウムの存在下で、タンタル三次粒子をマグネシウムの融点(650℃)以上の温度に加熱する方法が一般的である。
しかし、単にマグネシウムの存在下で、タンタル三次粒子を650℃以上に加熱すると、得られたタンタル粒子を用いた電解コンデンサ用のCV値が低下するという問題があった。
こうした問題に対し、例えば、特許文献1には、タンタル一次粉末を、マグネシウム蒸気を用いて、不活性のキャリアガスの下で液状マグネシウムとの接触なしに680〜880℃で加熱して脱酸素処理を施す方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、タンタルの凝集粒子を含む第二の粉体(タンタル三次粒子に相当)を得、第二の粉体を固体のマグネシウムと混合し、容器内にヘッドスペースを設けて充填し、650〜850℃に加熱すると共に、前記ヘッドスペースに前記の固体のマグネシウムとは別のマグネシウムを気体として供給して脱酸素処理を施すことが開示されている。
脱酸素処理としては、マグネシウムの存在下で、タンタル三次粒子をマグネシウムの融点(650℃)以上の温度に加熱する方法が一般的である。
しかし、単にマグネシウムの存在下で、タンタル三次粒子を650℃以上に加熱すると、得られたタンタル粒子を用いた電解コンデンサ用のCV値が低下するという問題があった。
こうした問題に対し、例えば、特許文献1には、タンタル一次粉末を、マグネシウム蒸気を用いて、不活性のキャリアガスの下で液状マグネシウムとの接触なしに680〜880℃で加熱して脱酸素処理を施す方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、タンタルの凝集粒子を含む第二の粉体(タンタル三次粒子に相当)を得、第二の粉体を固体のマグネシウムと混合し、容器内にヘッドスペースを設けて充填し、650〜850℃に加熱すると共に、前記ヘッドスペースに前記の固体のマグネシウムとは別のマグネシウムを気体として供給して脱酸素処理を施すことが開示されている。
しかしながら、タンタル粒子としては、より高いCV値の電解コンデンサ用のものが求められている。
特許文献1〜2の技術では、タンタル三次粒子に脱酸素処理を施している最中に、タンタル一次粒子が熱凝集して、CV値の高い電解コンデンサに適した表面積のタンタル粒子の生産性が低くなることがある。
本発明者らは、タンタル三次粒子と固体のマグネシウムとの混合物(Ta・Mg混合物)を容器に入れ、これを650℃以上に加熱して、タンタル三次粒子に脱酸素処理を施す方法において、下記(I)式で表される値を400000未満(好ましくは265500未満)とすることで、タンタル一次子が熱凝集するのを防止できるとの知見を得た。
[タンタル三次粒子中の酸素含量(質量ppm)]×[容器内におけるTa・Mg混合物の厚さ(mm)]・・・(I)
特許文献1〜2の技術では、タンタル三次粒子に脱酸素処理を施している最中に、タンタル一次粒子が熱凝集して、CV値の高い電解コンデンサに適した表面積のタンタル粒子の生産性が低くなることがある。
本発明者らは、タンタル三次粒子と固体のマグネシウムとの混合物(Ta・Mg混合物)を容器に入れ、これを650℃以上に加熱して、タンタル三次粒子に脱酸素処理を施す方法において、下記(I)式で表される値を400000未満(好ましくは265500未満)とすることで、タンタル一次子が熱凝集するのを防止できるとの知見を得た。
[タンタル三次粒子中の酸素含量(質量ppm)]×[容器内におけるTa・Mg混合物の厚さ(mm)]・・・(I)
タンタル粒子をより高いCV値の電解コンデンサ用とするために、タンタル三次粒子の比表面積を大きくするほど、タンタル三次粒子中の酸素含量が高まる。このため、比表面積の大きいタンタル三次粒子に脱酸素処理を施す場合には、容器内におけるTa・Mg混合物の厚さが薄くなり(容器当たりのTa・Mg混合物量が少なくなり)、タンタル粒子の生産性が低くなってしまう。
そこで、本発明は、酸素含量が十分に低減されたタンタル粒子を効率的に得られるタンタル粒子の製造方法を目的とする。
従来、マグネシウムを用いてタンタル三次粒子に脱酸素処理を施すには、マグネシウムの融点以上に加熱する必要があると考えられていた。
改めて、本発明者らは、Ta・Mg混合物についてDSC(示差走査熱量測定)を下記条件にて測定したところ、図1の結果を得た。図1は、縦軸に熱流(mW/mg)を取り、横軸に温度(℃)を取ったDSCチャートである。
図1に示すように、300℃超から若干のラインシフトが観測され、次いで、531.0℃から始まり595.2℃をピークとする急激な発熱が観測された。これらの発熱は、マグネシウムとタンタル三次粒子中の酸素との結合によるものと考えられる。即ち、本実験から、タンタル三次粒子の還元は300℃から始まる可能性があると推測された。
加えて、図1に示すように、646℃から始まり652.5℃をピークとする吸熱が観測された。この吸熱は、マグネシウムの融解によるものと考えられる。
本発明者らは、図1に示す結果から、マグネシウムを用いたタンタル三次粒子の脱酸素処理は、マグネシウムの融解前の温度(即ち、マグネシウムの融点よりも低い温度)で行えるとの知見を得、本発明を完成させた。
改めて、本発明者らは、Ta・Mg混合物についてDSC(示差走査熱量測定)を下記条件にて測定したところ、図1の結果を得た。図1は、縦軸に熱流(mW/mg)を取り、横軸に温度(℃)を取ったDSCチャートである。
図1に示すように、300℃超から若干のラインシフトが観測され、次いで、531.0℃から始まり595.2℃をピークとする急激な発熱が観測された。これらの発熱は、マグネシウムとタンタル三次粒子中の酸素との結合によるものと考えられる。即ち、本実験から、タンタル三次粒子の還元は300℃から始まる可能性があると推測された。
加えて、図1に示すように、646℃から始まり652.5℃をピークとする吸熱が観測された。この吸熱は、マグネシウムの融解によるものと考えられる。
本発明者らは、図1に示す結果から、マグネシウムを用いたタンタル三次粒子の脱酸素処理は、マグネシウムの融解前の温度(即ち、マグネシウムの融点よりも低い温度)で行えるとの知見を得、本発明を完成させた。
(測定条件)
Ta・Mg混合物:Mg/Ta=2.27mg/15.17mg。
タンタル三次粒子の仕様:BET比表面積=6.9m2/g。
測定温度:30℃→800℃。
昇温速度:10℃/分。
加熱環境:アルゴン雰囲気。
Ta・Mg混合物:Mg/Ta=2.27mg/15.17mg。
タンタル三次粒子の仕様:BET比表面積=6.9m2/g。
測定温度:30℃→800℃。
昇温速度:10℃/分。
加熱環境:アルゴン雰囲気。
即ち、本発明のタンタル粒子の製造方法は、タンタル化合物を還元剤で還元して、金属タンタル同士が凝集した凝集粒子を得る工程と、マグネシウムの存在下で、前記凝集粒子を300℃超600℃未満で加熱する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のタンタル粒子の製造方法によれば、酸素含量が十分に低減されたタンタル粒子を効率的に得られる。
(タンタル粒子)
タンタル粒子は、金属タンタルの粒子(タンタル一次粒子)同士の凝集物であるタンタル二次粒子が、複数個凝集して形成された三次粒子(タンタル三次粒子)を含むものである。
タンタル粒子は、金属タンタルの粒子(タンタル一次粒子)同士の凝集物であるタンタル二次粒子が、複数個凝集して形成された三次粒子(タンタル三次粒子)を含むものである。
本発明のタンタル粒子の製造方法で得られるタンタル粒子は、例えば、10万μFV/g以上の電解コンデンサ用であることが好ましく、15万μFV/g以上の電解コンデンサ用であることがより好ましく、20万μFV/g以上の電解コンデンサ用であることがさらに好ましい。本発明は、CV値の高い電解コンデンサ用のタンタル粒子の製造において、本発明の効果が顕著に現れるためである。
CV値は、高いほど有用性が高いため、その上限は、特に限定されないが、製造性等を勘案し、例えば、40万μFV/gとされる。
なお、CV値は、次の方法で測定される値である。まず、タンタル粒子を4.5g/cm3のプレス密度で加圧成形してタンタルペレットとし、次いで、タンタルペレットを1100℃で焼結する。焼結したタンタルペレットを日本電子機械工業規格のEIAJ RC−2361に準拠し、60℃、10V、保持時間120分において、0.1質量%リン酸水溶液中で化成したものを下記測定条件で測定した値である。
<測定条件>
測定装置:アジレント製LCRメータ。
陰極:白金黒。
電解液:30.5質量%硫酸。
測定温度:25℃。
測定周波数:120Hz。
DCバイアス:1.5V。
CV値は、高いほど有用性が高いため、その上限は、特に限定されないが、製造性等を勘案し、例えば、40万μFV/gとされる。
なお、CV値は、次の方法で測定される値である。まず、タンタル粒子を4.5g/cm3のプレス密度で加圧成形してタンタルペレットとし、次いで、タンタルペレットを1100℃で焼結する。焼結したタンタルペレットを日本電子機械工業規格のEIAJ RC−2361に準拠し、60℃、10V、保持時間120分において、0.1質量%リン酸水溶液中で化成したものを下記測定条件で測定した値である。
<測定条件>
測定装置:アジレント製LCRメータ。
陰極:白金黒。
電解液:30.5質量%硫酸。
測定温度:25℃。
測定周波数:120Hz。
DCバイアス:1.5V。
タンタル粒子がどのようなCV値の電解コンデンサ用であるかは、主にタンタル粒子のペレットを焼結し化成酸化被膜を形成した後の比表面積によって決定される。タンタル粒子の比表面積は、そのまま電解コンデンサのCV値に反映されるわけではないものの重要な因子であり、例えば、CV値を15万μFV/g以上とする場合、BET比表面積は2.9m2/g以上とされる。
タンタル粒子を構成するタンタル二次粒子の空気透過式比表面積(SSA)が高いほど、高いCV値の電解コンデンサを得られる。タンタル粒子を構成するタンタル二次粒子のSSAは、例えば、CV値15万μFV/gの電解コンデンサ用であれば、9000cm2/g以上であり、CV値20万μFV/gの電解コンデンサ用であれば、10000cm2/g以上である。
本発明のタンタル粒子を構成するタンタル二次粒子のSSAは、特に限定されないが、SSA8000cm2/g以上が好ましく、SSA9000cm2/g以上がより好ましく、SSA11000cm2/g以上がさらに好ましい。
本発明のタンタル粒子を構成するタンタル二次粒子のSSAは、特に限定されないが、SSA8000cm2/g以上が好ましく、SSA9000cm2/g以上がより好ましく、SSA11000cm2/g以上がさらに好ましい。
SSAは、粒子を球状と仮定した場合に、粒子からなる試料層を透過する空気の透過性と比表面積との関係を表したコゼニー−カーマンの式(後述する式(i))を利用して測定される比表面積であり、特開2007−291487号公報の段落[0007]〜[0012]に記載の方法(空気透過式比表面積測定装置による比表面積(Sw)の測定方法)により求められる。
空気透過式比表面積測定装置は、特開2007−291487号公報の図1に示されるように、粉末の試料からなる試料層が充填される管状のセルと、前記セルが装着され、底部が有孔部材からなるセル装着部と、標線Xと標線Yが記された液面計を備え、鉛直に配置され、水が充填される水充填管と、水を排出する排出口と、前記水充填管及び前記排出口を接続する可撓性の接続管と、前記接続管に設けられた開閉弁と、前記排出口から排出された水を受ける容器とを備える。このような空気透過式比表面積測定装置の例としては、株式会社島津製作所製の粉体比表面積測定装置SS−100形等が挙げられる。
この空気透過式比表面積測定装置を用いてSSAを求める場合、まず、前記セル内にタンタル粒子を充填し、圧縮して試料層を形成する。試料層を形成する際のタンタル粒子の充填質量Wは16.6gである。また、後述のように電解コンデンサ製造の実情にあった粒子径にするため、試料層の密度が4.0〜4.5g/cm3になるように圧縮することが好ましい。
また、前記開閉弁を閉じた状態で、前記液面計の標線Xより水面が上に位置するように前記水充填管に水を充填する。前記試料層の高さLを測定した後、前記セルを前記セル装着部に装着する。
次いで、前記開閉弁を開き、前記排出口から水を排出させて、前記試料層を介して前記水充填管に空気を流入させる。これにより、前記セル内の試料層に空気を透過させ、前記液面計における水面が標線Xから標線Yに降下するまでの時間tを測定する。
そして、これらの測定結果を下記式(i)に代入することにより、SSAが求められる。
また、前記開閉弁を閉じた状態で、前記液面計の標線Xより水面が上に位置するように前記水充填管に水を充填する。前記試料層の高さLを測定した後、前記セルを前記セル装着部に装着する。
次いで、前記開閉弁を開き、前記排出口から水を排出させて、前記試料層を介して前記水充填管に空気を流入させる。これにより、前記セル内の試料層に空気を透過させ、前記液面計における水面が標線Xから標線Yに降下するまでの時間tを測定する。
そして、これらの測定結果を下記式(i)に代入することにより、SSAが求められる。
式(i)において、SSAはタンタル粒子の空気透過式比表面積、ρは金属タンタルの密度(16.6g/cm3)、△P1は前記試料層を透過する空気の圧力(以下、透過圧力という)、μは空気の粘度(0.00018g/(cm・秒))、Aは前記試料層の断面積(前記セルの孔の断面積)、tは、前記排出口から水を排出した際に水面が標線Xから標線Yに降下するまでの時間、Lは前記試料層の高さ、Qは前記試料層を透過する空気の体積、εは前記試料層の空隙率であり、1−{W/(ρ・A・L)}の式で求められる値である(Wは前記試料層の質量である)。
測定に際して、△P1は前記排出口の高さを調節して200mmH2O(1961Pa)になるように調整する。
前記試料層を透過する空気の体積Qは、水面が標線Xから標線Yに降下した際に前記水充填管から流出する水の体積に等しい。
測定に際して、△P1は前記排出口の高さを調節して200mmH2O(1961Pa)になるように調整する。
前記試料層を透過する空気の体積Qは、水面が標線Xから標線Yに降下した際に前記水充填管から流出する水の体積に等しい。
空気透過式比表面積測定装置を用いたSSAの測定では、タンタル粒子をセル内で圧縮している。このとき、粉末内での空気の流れの状態が反映される。そのため、SSAから求められる粒子径(以下、PDという)は、タンタル二次粒子の構造及びタンタル三次粒子の構造が反映されている。また、電解コンデンサを製造する際にはタンタル粒子を圧縮してペレット化するため、タンタル粒子をセル内で圧縮して測定して求めたPDは、電解コンデンサ製造の実情にあった粒子径である。
PDは、SSA(cm2/g)を、下記式(ii)に代入することにより求められる(式(ii)中のρは金属タンタルの密度(=16.6g/cm3)である。)
PD=6/(ρ・SSA) ・・・(ii)
PD=6/(ρ・SSA) ・・・(ii)
本発明のタンタル粒子は、酸素含量が少ないほど、電解コンデンサの漏れ電流を抑制できるものの、CV値が高いほど、不可避的な酸素含量を多く含む。例えば、タンタル粒子中の酸素含量は、CV値15万μFV/gのタンタル粒子であれば6500〜9000質量ppm、CV値20万μFV/gのタンタル粒子であれば9000〜12000質量ppm、CV値25万μFV/gのタンタル粒子であれば12000〜15000質量ppm、CV値30万μFV/gのタンタル粒子であれば15000〜20000質量ppm、CV値35万μFV/gのタンタル粒子であれば20000〜25000質量ppmとされる。
タンタル粒子の酸素含量は、JIS H1695(タンタル中の酸素定量方法)により測定できる。
また、タンタル粒子は、酸素含量と、タンタル粒子が用いられる電解コンデンサのCV値との比{酸素含量(質量ppm)/[CV値(μFV/g)×10−4]}が、400〜800であることが好ましく、450〜750であることがより好ましく、450〜600であることがさらに好ましい。上記下限値以上であれば、高いCV値のタンタル粒子を大気中で安定して取り扱うために必要とされる酸化膜が十分に形成され、上記上限値以下であれば漏れ電流を抑制できる。
タンタル粒子の酸素含量は、JIS H1695(タンタル中の酸素定量方法)により測定できる。
また、タンタル粒子は、酸素含量と、タンタル粒子が用いられる電解コンデンサのCV値との比{酸素含量(質量ppm)/[CV値(μFV/g)×10−4]}が、400〜800であることが好ましく、450〜750であることがより好ましく、450〜600であることがさらに好ましい。上記下限値以上であれば、高いCV値のタンタル粒子を大気中で安定して取り扱うために必要とされる酸化膜が十分に形成され、上記上限値以下であれば漏れ電流を抑制できる。
本発明のタンタル粒子は、例えば、窒素、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、水素、炭素、ニッケル、クロム、ケイ素、リン、ホウ素等の元素を含んでいてもよい。
これらの中でも、不可避的に含まれる酸素の影響を低減するために、窒素を含有することが好ましい。これにより、酸素の影響が抑えられ、漏れ電流がより抑制される。特に、高容量化のためにタンタル粒子の表面積を大きくすると、表面に吸着する酸素量も増え、漏れ電流が増加する傾向があるが、窒素原子を含有させることで、漏れ電流の増加を抑制し、電解コンデンサの信頼性を高められる。
タンタル粒子の窒素含量は、500〜6000質量ppmが好ましく、600〜4000質量ppmがより好ましく、800〜2500質量ppmがさらに好ましい。
タンタル粒子の窒素含量は、市販の酸素/窒素分析計(例えば、堀場製作所EMGA520)を使用して、ヘリウムガス中、試料をインパルス融解加熱し、発生ガスをTCD(熱伝導度法)で定量する方法(JIS H1685)等により測定できる。
これらの中でも、不可避的に含まれる酸素の影響を低減するために、窒素を含有することが好ましい。これにより、酸素の影響が抑えられ、漏れ電流がより抑制される。特に、高容量化のためにタンタル粒子の表面積を大きくすると、表面に吸着する酸素量も増え、漏れ電流が増加する傾向があるが、窒素原子を含有させることで、漏れ電流の増加を抑制し、電解コンデンサの信頼性を高められる。
タンタル粒子の窒素含量は、500〜6000質量ppmが好ましく、600〜4000質量ppmがより好ましく、800〜2500質量ppmがさらに好ましい。
タンタル粒子の窒素含量は、市販の酸素/窒素分析計(例えば、堀場製作所EMGA520)を使用して、ヘリウムガス中、試料をインパルス融解加熱し、発生ガスをTCD(熱伝導度法)で定量する方法(JIS H1685)等により測定できる。
タンタル粒子は、電解コンデンサの製造に好適に用いられ、例えば、以下の手順で電解コンデンサとされる。
タンタル粒子に、3〜5質量%程度のバインダー(例えば、ショウノウ(C10H16O)等)を加えてプレス成形し、900〜1250℃で0.3〜1時間程度加熱して焼結し、多孔質焼結体を製造する。焼結温度は、タンタル粒子の比表面積等に応じて適宜設定できる。この多孔質焼結体をアノードとして使用する場合には、プレス成形する前にタンタル粒子中にリード線を埋め込み、それからプレス成形し、焼結して、リード線を一体化させることが好ましい。
次いで、多孔質焼結体に対し、陽極酸化処理(化成酸化処理)を施す。化成酸化処理は、例えば、温度30〜90℃、濃度0.1質量%程度のリン酸、硝酸等の電解溶液中で、40〜300mA/gの電流密度で、4〜15Vまで昇圧して1〜3時間処理することにより行われる。このとき、酸化された部分が誘電体酸化膜になる。
化成酸化処理後、多孔質焼結体上に、固体電解質層、グラファイト層、銀ペースト層を順次形成し、その上に陰極端子をハンダ付け等で接続した後、樹脂外被を形成することにより、電解コンデンサが得られる。固体電解質層等の形成は公知の方法により行われる。例えば、固体電解質層は、固体電解質又はその前駆体の溶液もしくは分散液を多孔質焼結体に含浸させ、加熱する等の方法により形成できる。固体電解質としては、二酸化マンガン、導電性高分子等が挙げられる。
タンタル粒子に、3〜5質量%程度のバインダー(例えば、ショウノウ(C10H16O)等)を加えてプレス成形し、900〜1250℃で0.3〜1時間程度加熱して焼結し、多孔質焼結体を製造する。焼結温度は、タンタル粒子の比表面積等に応じて適宜設定できる。この多孔質焼結体をアノードとして使用する場合には、プレス成形する前にタンタル粒子中にリード線を埋め込み、それからプレス成形し、焼結して、リード線を一体化させることが好ましい。
次いで、多孔質焼結体に対し、陽極酸化処理(化成酸化処理)を施す。化成酸化処理は、例えば、温度30〜90℃、濃度0.1質量%程度のリン酸、硝酸等の電解溶液中で、40〜300mA/gの電流密度で、4〜15Vまで昇圧して1〜3時間処理することにより行われる。このとき、酸化された部分が誘電体酸化膜になる。
化成酸化処理後、多孔質焼結体上に、固体電解質層、グラファイト層、銀ペースト層を順次形成し、その上に陰極端子をハンダ付け等で接続した後、樹脂外被を形成することにより、電解コンデンサが得られる。固体電解質層等の形成は公知の方法により行われる。例えば、固体電解質層は、固体電解質又はその前駆体の溶液もしくは分散液を多孔質焼結体に含浸させ、加熱する等の方法により形成できる。固体電解質としては、二酸化マンガン、導電性高分子等が挙げられる。
(タンタル粒子の製造方法)
本発明のタンタル粒子の製造方法は、タンタル化合物を還元剤で還元して、金属タンタル同士が凝集した凝集粒子を得る工程と、マグネシウムの存在下で、凝集粒子を300℃超600℃未満で加熱する工程とを備える。
以下、タンタル粒子の製造方法について、一実施形態を挙げて説明する。
本実施形態のタンタル粒子の製造方法は、還元工程と、造粒工程と、熱処理工程と、脱酸素工程とを備えるものである。
本実施形態において、「凝集粒子」は、タンタル三次粒子である。また、「凝集粒子を得る工程」は還元工程、造粒工程及び熱処理工程で構成され、「マグネシウムの存在下で、前記凝集粒子を300℃超600℃未満で加熱する工程」は脱酸素工程で構成される。
本発明のタンタル粒子の製造方法は、タンタル化合物を還元剤で還元して、金属タンタル同士が凝集した凝集粒子を得る工程と、マグネシウムの存在下で、凝集粒子を300℃超600℃未満で加熱する工程とを備える。
以下、タンタル粒子の製造方法について、一実施形態を挙げて説明する。
本実施形態のタンタル粒子の製造方法は、還元工程と、造粒工程と、熱処理工程と、脱酸素工程とを備えるものである。
本実施形態において、「凝集粒子」は、タンタル三次粒子である。また、「凝集粒子を得る工程」は還元工程、造粒工程及び熱処理工程で構成され、「マグネシウムの存在下で、前記凝集粒子を300℃超600℃未満で加熱する工程」は脱酸素工程で構成される。
<還元工程>
還元工程としては、例えば、還元操作と、水洗操作と、酸洗操作と、乾燥操作と、第一の徐酸化操作とを備えるものが挙げられる。
還元工程としては、例えば、還元操作と、水洗操作と、酸洗操作と、乾燥操作と、第一の徐酸化操作とを備えるものが挙げられる。
≪還元操作≫
還元操作は、原料のタンタル化合物を還元し、タンタル一次粒子(体積基準の粒子径20〜50nm)複数個からなるタンタル二次粒子(体積基準の粒子径1〜30μm)と、製造に用いた希釈塩又は還元剤とを含む集塊物を得るものである。原料のタンタル化合物を還元する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、フッ化タンタルカリウムを溶融還元する方法(溶融還元法)、塩化タンタルをナトリウムにより気相還元する方法(気相還元法)、酸化タンタルをガス状マグネシウム等により還元する方法(固相還元法)等が挙げられる。
還元操作は、原料のタンタル化合物を還元し、タンタル一次粒子(体積基準の粒子径20〜50nm)複数個からなるタンタル二次粒子(体積基準の粒子径1〜30μm)と、製造に用いた希釈塩又は還元剤とを含む集塊物を得るものである。原料のタンタル化合物を還元する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、フッ化タンタルカリウムを溶融還元する方法(溶融還元法)、塩化タンタルをナトリウムにより気相還元する方法(気相還元法)、酸化タンタルをガス状マグネシウム等により還元する方法(固相還元法)等が挙げられる。
溶融還元法は、溶融した希釈塩(溶融塩)中で、原料のタンタル化合物を還元剤で還元する方法である。
溶融還元法には、例えば、図2の反応装置10が用いられる。反応装置10は、反応器1と、反応器1の上面に設けられた原料投入口2と、還元剤投入口3と、雰囲気ガス供給口4と、反応器1の内部を攪拌する攪拌機5とを備える。
攪拌機5は、攪拌翼5aと、攪拌翼5aを固定する回転軸5bと、回転軸5bを回転駆動させるモータ5cとを備える。本実施形態では、攪拌翼5aとして、水平方向に対して傾斜するように配置された2枚のピッチドパドル翼が用いられている。
溶融還元法には、例えば、図2の反応装置10が用いられる。反応装置10は、反応器1と、反応器1の上面に設けられた原料投入口2と、還元剤投入口3と、雰囲気ガス供給口4と、反応器1の内部を攪拌する攪拌機5とを備える。
攪拌機5は、攪拌翼5aと、攪拌翼5aを固定する回転軸5bと、回転軸5bを回転駆動させるモータ5cとを備える。本実施形態では、攪拌翼5aとして、水平方向に対して傾斜するように配置された2枚のピッチドパドル翼が用いられている。
反応器1の材質としては、一般に純ニッケル等の金属が用いられ、好ましくは純タンタルであり、インコネル(登録商標、Inco Alloys International,Inc.製)、インコロイ(登録商標)等の耐熱合金を爆着させて形成した外壁を備えていることがより好ましい。このような材質の反応器1を用いることで、反応器1を構成するニッケル等が溶出するのを防止し、タンタル粒子中の不純物を低減できる。
また、攪拌翼5aの材質としては、ステンレス鋼やインコネル(登録商標)等の耐熱合金を純ニッケル又は純タンタル等の金属で被覆したものが好ましい。特に表面がタンタルで被覆されていることで、攪拌翼5aを構成するニッケル等がタンタル粒子中に不純物として含まれるのを防止できる。
回転軸5bの材質は、攪拌翼5aの材質と同様である。
また、攪拌翼5aの材質としては、ステンレス鋼やインコネル(登録商標)等の耐熱合金を純ニッケル又は純タンタル等の金属で被覆したものが好ましい。特に表面がタンタルで被覆されていることで、攪拌翼5aを構成するニッケル等がタンタル粒子中に不純物として含まれるのを防止できる。
回転軸5bの材質は、攪拌翼5aの材質と同様である。
まず、反応器1内に希釈塩を充填する。
希釈塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、フッ化カリウム等が挙げられる。希釈塩は1種単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。
希釈塩の充填量は、原料(タンタル化合物)と還元剤との合計量に対し、5〜15質量倍が好ましい。希釈塩の充填量が原料と還元剤との合計量に対して5質量倍以上であれば、原料の濃度を適度に低くでき、反応速度を抑えて、得られるタンタル二次粒子の粗大化を防止できる。希釈塩の充填量が原料と還元剤の合計量に対して15質量倍以下であれば、反応速度の過度な低下を防ぎ、十分な生産性を確保できる。
次いで、雰囲気ガス供給口4からアルゴン等の希ガスを反応器に導入して空気を排除し、反応器1を加熱して希釈塩を溶融して溶融塩とする。溶融後、攪拌翼5aを回転させて、溶融塩を攪拌する。
反応器1の加熱温度は、750〜850℃であることが好ましい。加熱温度が750℃以上であれば、希釈塩を十分に溶融でき、850℃以下であれば、エネルギーの過剰な消費を抑えることができる。
希釈塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、フッ化カリウム等が挙げられる。希釈塩は1種単独で又は2種以上が組み合わされて用いられる。
希釈塩の充填量は、原料(タンタル化合物)と還元剤との合計量に対し、5〜15質量倍が好ましい。希釈塩の充填量が原料と還元剤との合計量に対して5質量倍以上であれば、原料の濃度を適度に低くでき、反応速度を抑えて、得られるタンタル二次粒子の粗大化を防止できる。希釈塩の充填量が原料と還元剤の合計量に対して15質量倍以下であれば、反応速度の過度な低下を防ぎ、十分な生産性を確保できる。
次いで、雰囲気ガス供給口4からアルゴン等の希ガスを反応器に導入して空気を排除し、反応器1を加熱して希釈塩を溶融して溶融塩とする。溶融後、攪拌翼5aを回転させて、溶融塩を攪拌する。
反応器1の加熱温度は、750〜850℃であることが好ましい。加熱温度が750℃以上であれば、希釈塩を十分に溶融でき、850℃以下であれば、エネルギーの過剰な消費を抑えることができる。
原料投入口2から原料のタンタル化合物を反応器1内に投入した後、還元剤投入口3から還元剤を反応器1の内部に投入し、攪拌を継続して、反応融液を得る。この反応融液中でタンタル化合物が還元されてタンタル一次粒子となり、このタンタル一次粒子同士が凝集してタンタル二次粒子が形成される。形成されたタンタル二次粒子は、反応融液中を沈降して反応器1の下部に堆積する。
原料のタンタル化合物としては、フッ化タンタルカリウム(K2TaF7)、タンタルのハロゲン化物(例えば、五塩化タンタル、低級塩化タンタル等)等が挙げられる。タンタル化合物としては、上記の中でも、フッ化タンタルカリウムが好ましい。
還元剤としては、ナトリウム等のアルカリ金属、アルカリ金属の水素化物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルカリ土類金属の水素化物等が挙げられる。これらの中でも、ナトリウムが好ましい。
特に、タンタル化合物としてフッ化タンタルカリウムを用い、還元剤としてナトリウムを用いると、フッ化タンタルカリウム中のフッ素とナトリウムとが反応して、ナトリウムのフッ化物が生成する。このフッ化物は、水溶性であるため、後述する水洗操作で容易に除去される。
還元剤の使用量は、タンタル化合物との反応当量が好ましく、タンタル化合物を残らず還元するため少し過剰に使用することもできるが、10質量%以上過剰に使用すると残存する還元剤の処理が問題となるため避ける必要がある。
特に、タンタル化合物としてフッ化タンタルカリウムを用い、還元剤としてナトリウムを用いると、フッ化タンタルカリウム中のフッ素とナトリウムとが反応して、ナトリウムのフッ化物が生成する。このフッ化物は、水溶性であるため、後述する水洗操作で容易に除去される。
還元剤の使用量は、タンタル化合物との反応当量が好ましく、タンタル化合物を残らず還元するため少し過剰に使用することもできるが、10質量%以上過剰に使用すると残存する還元剤の処理が問題となるため避ける必要がある。
原料及び還元剤を反応器1に投入する際、雰囲気ガス供給口4から窒素含有ガスを反応器1の反応融液の上側に導入しておくと、還元反応により生じたタンタルと窒素とが固溶した固溶体からなるタンタル二次粒子が形成される。そして、得られるタンタル二次粒子は窒素を含有するものとなる。
還元工程で使用できる窒素含有ガスとしては、例えば、窒素ガス、アンモニア等が挙げられる。
また、窒素含有ガスを反応器1内に導入する際、窒素含有ガス中の窒素濃度、窒素含有ガスの供給量、反応融液の攪拌速度等を調節することで、得られるタンタル二次粒子の窒素含量を調節できる。例えば、窒素含有ガスの供給中、反応融液を攪拌する攪拌翼5aの回転数が多いほど、得られるタンタル二次粒子中の窒素含量が多くなる。かかる観点から、回転数は、100〜200回転/分が好ましく、140〜170回転/分がより好ましい。回転数が100回転/分未満であると、得られるタンタル二次粒子の窒素含量が所望の値に満たないことがあり、200回転/分を超えると、得られるタンタル二次粒子の窒素含量が過剰になることがある。
還元工程で使用できる窒素含有ガスとしては、例えば、窒素ガス、アンモニア等が挙げられる。
また、窒素含有ガスを反応器1内に導入する際、窒素含有ガス中の窒素濃度、窒素含有ガスの供給量、反応融液の攪拌速度等を調節することで、得られるタンタル二次粒子の窒素含量を調節できる。例えば、窒素含有ガスの供給中、反応融液を攪拌する攪拌翼5aの回転数が多いほど、得られるタンタル二次粒子中の窒素含量が多くなる。かかる観点から、回転数は、100〜200回転/分が好ましく、140〜170回転/分がより好ましい。回転数が100回転/分未満であると、得られるタンタル二次粒子の窒素含量が所望の値に満たないことがあり、200回転/分を超えると、得られるタンタル二次粒子の窒素含量が過剰になることがある。
反応融液中で生成した還元物であるタンタル二次粒子は、反応器1の下部に堆積し、希釈塩又は還元剤を含む集塊物として得られる。
この集塊物の堆積量が任意の量となるまで、原料及び還元剤の投入を任意の回数繰り返す。その後、原料及び還元剤の投入を停止し、溶融塩を冷却する。
この集塊物の堆積量が任意の量となるまで、原料及び還元剤の投入を任意の回数繰り返す。その後、原料及び還元剤の投入を停止し、溶融塩を冷却する。
気相還元法は、気化させた塩化タンタルと、気化させたナトリウムとを接触させて、塩化タンタルを還元する方法である。
気相還元法には、例えば、図3に示す気相反応装置40が用いられる。
この気相反応装置40は、反応器41と、反応器41の上端41aに設けられた原料供給管42、不活性ガス供給管43及び還元剤供給管44と、反応器41の下端に接続された取出管45と、反応器41の全体を加熱する加熱体46と、反応器41内から加熱体46の外部に排気ガスを排出させる排気ガス管47とを備える。
反応器41は、直胴部41cと、直胴部41cより下に位置するテーパー部41dとを有する漏斗状の容器である。このような形状の反応器41では、直胴部41cにて生成したタンタル二次粒子をテーパー部41dにて集められるようになっている。
気相還元法には、例えば、図3に示す気相反応装置40が用いられる。
この気相反応装置40は、反応器41と、反応器41の上端41aに設けられた原料供給管42、不活性ガス供給管43及び還元剤供給管44と、反応器41の下端に接続された取出管45と、反応器41の全体を加熱する加熱体46と、反応器41内から加熱体46の外部に排気ガスを排出させる排気ガス管47とを備える。
反応器41は、直胴部41cと、直胴部41cより下に位置するテーパー部41dとを有する漏斗状の容器である。このような形状の反応器41では、直胴部41cにて生成したタンタル二次粒子をテーパー部41dにて集められるようになっている。
原料供給管42、不活性ガス供給管43及び還元剤供給管44は、同心円状の三重管になっており、原料供給管42が最も内側に配置され、原料供給管42の外側に不活性ガス供給管43が配置され、最も外側に還元剤供給管44が配置されている。このような配置により、不活性ガスを原料(塩化タンタル)と還元剤(ナトリウム)との間に供給して、原料と還元剤との急激な反応を抑制する。
気相反応装置40を用いた気相還元法では、塩化タンタル(沸点:242℃)を加熱して気化させ、気化させた塩化タンタルを原料供給管42で反応器41内に供給する。
また、ナトリウム(沸点:883℃)を加熱し、高温のアルゴンガスで気化させ、気化させたナトリウムを還元剤供給管44で反応器41内に供給する。また、アルゴン等の不活性ガスを不活性ガス供給管43により反応器41内に供給する。
その際、塩化タンタルとナトリウムとの質量比(塩化タンタル:ナトリウム)は、量論比相当(3.1:1)とされるが、ナトリウムを少し多くすることが好ましい。
また、原料供給管42で供給する塩化タンタルは不活性ガスで希釈されていてもよく、還元剤供給管44で供給するナトリウムは不活性ガスで希釈されていてもよい。希釈用の不活性ガスは、不活性ガス供給管43によって供給する不活性ガスと同じでもよいし、異なってもよい。
また、ナトリウム(沸点:883℃)を加熱し、高温のアルゴンガスで気化させ、気化させたナトリウムを還元剤供給管44で反応器41内に供給する。また、アルゴン等の不活性ガスを不活性ガス供給管43により反応器41内に供給する。
その際、塩化タンタルとナトリウムとの質量比(塩化タンタル:ナトリウム)は、量論比相当(3.1:1)とされるが、ナトリウムを少し多くすることが好ましい。
また、原料供給管42で供給する塩化タンタルは不活性ガスで希釈されていてもよく、還元剤供給管44で供給するナトリウムは不活性ガスで希釈されていてもよい。希釈用の不活性ガスは、不活性ガス供給管43によって供給する不活性ガスと同じでもよいし、異なってもよい。
次いで、加熱体46により加熱した反応器41の直胴部41c内で、反応器41に供給した塩化タンタルとナトリウムとを例えば700〜900℃で反応させる。この反応では、まず、タンタル一次粒子が形成され、そのタンタル一次粒子の複数個が、塩化タンタルとナトリウムとの反応によって生成した塩化ナトリウムによって包まれて、タンタル二次粒子が形成される。なお、気相還元法では、還元物であるタンタル二次粒子と、還元剤とを含む集塊物が粉末状で得られる。
集塊物は、反応器41のテーパー部41dに落下して集められ、取出管45を経て取り出される。また、未反応の塩化タンタル、未反応のナトリウム及び不活性ガスは、排気ガス管47を介して反応器41の外部に排出される。
集塊物は、反応器41のテーパー部41dに落下して集められ、取出管45を経て取り出される。また、未反応の塩化タンタル、未反応のナトリウム及び不活性ガスは、排気ガス管47を介して反応器41の外部に排出される。
≪水洗操作≫
水洗操作は、還元操作で得られた集塊物を水で洗浄するものである。水洗操作を設けることで、集塊物中の希釈塩及び還元剤を水に溶解させ、除去する。
水洗操作における水洗の方法は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、集塊物をジョークラッシャー等で粗砕し、得られた粗砕物に蒸気を吹きかけ、次いで、水中で攪拌する方法が挙げられる。この水洗操作を複数回繰り返した後、真空濾過機でタンタル二次粒子を濾別する。タンタル二次粒子中の水分量は、特に限定されないが、例えば、50質量%以下とされる。
水洗操作は、還元操作で得られた集塊物を水で洗浄するものである。水洗操作を設けることで、集塊物中の希釈塩及び還元剤を水に溶解させ、除去する。
水洗操作における水洗の方法は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、集塊物をジョークラッシャー等で粗砕し、得られた粗砕物に蒸気を吹きかけ、次いで、水中で攪拌する方法が挙げられる。この水洗操作を複数回繰り返した後、真空濾過機でタンタル二次粒子を濾別する。タンタル二次粒子中の水分量は、特に限定されないが、例えば、50質量%以下とされる。
≪酸洗操作≫
酸洗操作は、水洗操作で洗浄されたタンタル二次粒子を酸性水溶液で洗浄するものである。酸洗操作を設けることで、タンタル二次粒子中に残留しているナトリウムやカリウム等の還元剤由来の物質、及び不可避的に混入するニッケルや鉄等の重金属不純物を除去する。
酸洗操作に用いられる酸性水溶液としては、例えば、硝酸水溶液、塩酸、フッ酸等の鉱酸水溶液が挙げられる。酸性水溶液は、さらに、過酸化水素を含有してもよい。
酸洗の方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、タンタル二次粒子に酸性水溶液を加え、攪拌した後、上澄みを除去するものが挙げられる。上澄みを除去した後、さらに水を加え、攪拌し、余剰の酸性水溶液を除去してもよい。
酸洗操作は、水洗操作で洗浄されたタンタル二次粒子を酸性水溶液で洗浄するものである。酸洗操作を設けることで、タンタル二次粒子中に残留しているナトリウムやカリウム等の還元剤由来の物質、及び不可避的に混入するニッケルや鉄等の重金属不純物を除去する。
酸洗操作に用いられる酸性水溶液としては、例えば、硝酸水溶液、塩酸、フッ酸等の鉱酸水溶液が挙げられる。酸性水溶液は、さらに、過酸化水素を含有してもよい。
酸洗の方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、タンタル二次粒子に酸性水溶液を加え、攪拌した後、上澄みを除去するものが挙げられる。上澄みを除去した後、さらに水を加え、攪拌し、余剰の酸性水溶液を除去してもよい。
≪乾燥操作≫
酸洗操作の後、タンタル二次粒子を乾燥する。
乾燥操作としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、加熱乾燥法、真空乾燥法、真空加熱乾燥法等が挙げられる。中でも、十分に乾燥できることから、真空乾燥法、真空加熱乾燥法が好ましい。加熱する場合の乾燥温度は80〜120℃であることが好ましい。乾燥温度が80℃以上であれば、短時間で十分に乾燥でき、120℃以下であれば、タンタル二次粒子の表面が過度に酸化するのを防止できる。
乾燥操作後のタンタル二次粒子の水分含量は、1.0質量%以下が好ましい。水分含量の下限は特に制御する必要はないが、乾燥設備の能力や乾燥時間の効率及び過度の乾燥による静電気発生の抑制等を勘案して決定される。
酸洗操作の後、タンタル二次粒子を乾燥する。
乾燥操作としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、加熱乾燥法、真空乾燥法、真空加熱乾燥法等が挙げられる。中でも、十分に乾燥できることから、真空乾燥法、真空加熱乾燥法が好ましい。加熱する場合の乾燥温度は80〜120℃であることが好ましい。乾燥温度が80℃以上であれば、短時間で十分に乾燥でき、120℃以下であれば、タンタル二次粒子の表面が過度に酸化するのを防止できる。
乾燥操作後のタンタル二次粒子の水分含量は、1.0質量%以下が好ましい。水分含量の下限は特に制御する必要はないが、乾燥設備の能力や乾燥時間の効率及び過度の乾燥による静電気発生の抑制等を勘案して決定される。
≪第一の徐酸化操作≫
乾燥操作後のタンタル二次粒子は、酸素との反応性が極めて高い。このため、乾燥操作後のタンタル二次粒子を大気中に曝露すると、タンタル二次粒子は、急激に酸化反応が進み、発熱し、燃焼に至ることがある。特に比表面積が大きいタンタル二次粒子は、急激な酸化反応により燃焼する可能性が高い。そこで、乾燥操作後のタンタル二次粒子に、酸素を含有するガス(酸素含有ガス)や酸素を発生する物質(酸素含有物という)を徐々に接触させて、表面に酸化被膜を形成する処理(徐酸化処理)を施す。
第一の徐酸化操作としては、例えば、タンタル二次粒子を大気環境よりも酸素含有率が極めて低い(例えば、0.5〜1.5体積%)酸素含有ガス中に置き、次いで、酸素含有ガスの酸素含有率を段階的に高める方法が挙げられる。酸素含有ガスの酸素含有率を段階的に高めるには、例えば、タンタル二次粒子を入れた容器に、任意の酸素含有率の酸素含有ガスを導入した後、容器内を脱気し、次いで新たな酸素含有ガスを容器に導入することを繰り返す方法が挙げられる。この際、容器内へ酸素含有ガスを導入する処理と容器内を脱気する処理とを数回繰り返す毎に、窒素やアルゴンやヘリウム等の不活性ガスを容器内に導入し、次いで容器内を脱気するのが好ましい。不活性ガスをタンタル二次粒子と接触させることで、タンタル二次粒子と酸素との反応熱を除去し、タンタル二次粒子が燃焼するのを防ぐためである。
乾燥操作後のタンタル二次粒子は、酸素との反応性が極めて高い。このため、乾燥操作後のタンタル二次粒子を大気中に曝露すると、タンタル二次粒子は、急激に酸化反応が進み、発熱し、燃焼に至ることがある。特に比表面積が大きいタンタル二次粒子は、急激な酸化反応により燃焼する可能性が高い。そこで、乾燥操作後のタンタル二次粒子に、酸素を含有するガス(酸素含有ガス)や酸素を発生する物質(酸素含有物という)を徐々に接触させて、表面に酸化被膜を形成する処理(徐酸化処理)を施す。
第一の徐酸化操作としては、例えば、タンタル二次粒子を大気環境よりも酸素含有率が極めて低い(例えば、0.5〜1.5体積%)酸素含有ガス中に置き、次いで、酸素含有ガスの酸素含有率を段階的に高める方法が挙げられる。酸素含有ガスの酸素含有率を段階的に高めるには、例えば、タンタル二次粒子を入れた容器に、任意の酸素含有率の酸素含有ガスを導入した後、容器内を脱気し、次いで新たな酸素含有ガスを容器に導入することを繰り返す方法が挙げられる。この際、容器内へ酸素含有ガスを導入する処理と容器内を脱気する処理とを数回繰り返す毎に、窒素やアルゴンやヘリウム等の不活性ガスを容器内に導入し、次いで容器内を脱気するのが好ましい。不活性ガスをタンタル二次粒子と接触させることで、タンタル二次粒子と酸素との反応熱を除去し、タンタル二次粒子が燃焼するのを防ぐためである。
また、第一の徐酸化操作として、タンタル二次粒子に除湿した空気を低圧(例えば、30〜70hPa)で供給し、次いで、この圧力を段階的に高める方法が挙げられる。
あるいは、第一の徐酸化操作として、タンタル二次粒子に酸素含量の高い(例えば、40〜70体積%)酸素含有ガスを極低圧(例えば、10〜40hPa)で供給し、次いで、この圧力を段階的に高める方法が挙げられる。
あるいは、第一の徐酸化操作として、タンタル二次粒子に酸素含量の高い(例えば、40〜70体積%)酸素含有ガスを極低圧(例えば、10〜40hPa)で供給し、次いで、この圧力を段階的に高める方法が挙げられる。
<造粒工程>
造粒工程は、還元工程で得られたタンタル二次粒子を任意の大きさの粒子(以下、二次粒子造粒物ということがある)にする工程である。本実施形態の造粒工程は、粉砕操作と、造粒操作と、球形化操作とを備える。
造粒工程は、還元工程で得られたタンタル二次粒子を任意の大きさの粒子(以下、二次粒子造粒物ということがある)にする工程である。本実施形態の造粒工程は、粉砕操作と、造粒操作と、球形化操作とを備える。
≪粉砕操作≫
粉砕操作は、還元工程で得られたタンタル二次粒子を任意の粒子径に粉砕するものである。タンタル二次粒子の粉砕方法は、例えば、造粒装置を用いて攪拌する方法、粉砕装置を用いる方法等が挙げられる。
タンタル二次粒子として、溶融還元法で得られたタンタル二次粒子を用いる場合には、造粒装置及び粉砕機のいずれを用いてもよく、中でも造粒装置を用いることが好ましい。
造粒装置を用いることで、目的の粒子径の二次粒子造粒物をより得やすくなる。
タンタル二次粒子として、気相還元法で得られたタンタル二次粒子を用いる場合には、得られるタンタル粒子の十分な強度を確保するために、造粒装置を用いる。
粉砕操作は、還元工程で得られたタンタル二次粒子を任意の粒子径に粉砕するものである。タンタル二次粒子の粉砕方法は、例えば、造粒装置を用いて攪拌する方法、粉砕装置を用いる方法等が挙げられる。
タンタル二次粒子として、溶融還元法で得られたタンタル二次粒子を用いる場合には、造粒装置及び粉砕機のいずれを用いてもよく、中でも造粒装置を用いることが好ましい。
造粒装置を用いることで、目的の粒子径の二次粒子造粒物をより得やすくなる。
タンタル二次粒子として、気相還元法で得られたタンタル二次粒子を用いる場合には、得られるタンタル粒子の十分な強度を確保するために、造粒装置を用いる。
造粒装置としては、例えば、円筒状の本体容器と、本体容器内の周壁に沿って回転する低速翼と、容器本体の中心で低速翼よりも高い回転数で回転する高速翼と、容器本体内に水を噴霧する噴霧機を備えたスパルタン・リューザー(不二パウダル株式会社製)等が挙げられる。
低速翼の回転数は13〜27回転/分であることが好ましい。低速翼の回転数は13回転/分以上であれば、造粒中のタンタル二次粒子を攪拌すると共に高速翼に供給するのに十分な回転数となり、27回転/分以下であれば、造粒中のタンタル二次粒子の無駄な攪拌を防止できる。
高速翼の回転数は750〜6200回転/分であることが好ましい。750回転/分以上であれば、タンタル二次粒子を十分に粉砕でき、6200回転/分超としてもタンタル二次粒子の粉砕の程度を向上できないおそれがある。
加えて、高速翼の回転数は、実用上の観点からは、低速翼の回転数の10倍以上であり、30倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがさらに好ましい。また、高速翼の回転数は、低速翼の回転数の1000倍以下であることが好ましい。
高速翼の回転数は750〜6200回転/分であることが好ましい。750回転/分以上であれば、タンタル二次粒子を十分に粉砕でき、6200回転/分超としてもタンタル二次粒子の粉砕の程度を向上できないおそれがある。
加えて、高速翼の回転数は、実用上の観点からは、低速翼の回転数の10倍以上であり、30倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがさらに好ましい。また、高速翼の回転数は、低速翼の回転数の1000倍以下であることが好ましい。
また、造粒装置としては、円筒状の容器本体と、容器本体の底面近傍にて設置され、かつ鉛直方向に沿った回転軸に複数の回転羽根が取り付けられた低速翼と、低速翼の上方に設置され、容器本体の直径方向に沿った回転軸に複数の攪拌羽根が取り付けられ、前記低速翼よりも高い回転数で回転する高速翼と、容器本体内に水を噴霧する噴霧機とを備えたハイフレックスグラル(深江パウテック株式会社製)等が挙げられる。
ハイフレックスグラルの低速翼の回転数は100〜300回転/分であることが好ましい。低速翼の回転数は100回転/分以上であれば、造粒中のタンタル二次粒子を攪拌すると共に高速翼に供給するのに十分な回転数となり、300回転/分以下であれば、造粒中のタンタル二次粒子の無駄な攪拌を防止できる。
ハイフレックスグラルの高速翼の回転数は1500〜6000回転/分であることが好ましい。高速翼の回転数は1500回転/分以上であれば、タンタル二次粒子を十分に粉砕できる。回転数を6000回転/分超としても、粉砕の程度が変わらないおそれがある。
ハイフレックスグラルの低速翼の回転数は100〜300回転/分であることが好ましい。低速翼の回転数は100回転/分以上であれば、造粒中のタンタル二次粒子を攪拌すると共に高速翼に供給するのに十分な回転数となり、300回転/分以下であれば、造粒中のタンタル二次粒子の無駄な攪拌を防止できる。
ハイフレックスグラルの高速翼の回転数は1500〜6000回転/分であることが好ましい。高速翼の回転数は1500回転/分以上であれば、タンタル二次粒子を十分に粉砕できる。回転数を6000回転/分超としても、粉砕の程度が変わらないおそれがある。
粉砕装置とは、粉砕機能を有する装置であって、前記造粒装置を除くものである。
粉砕装置としては、例えば、ボールミル、チョッパーミル、スピードミル、ジョークラッシャー、カッターミル、スクリーンミル、ジェットミル等が挙げられる。
粉砕装置としては、例えば、ボールミル、チョッパーミル、スピードミル、ジョークラッシャー、カッターミル、スクリーンミル、ジェットミル等が挙げられる。
≪造粒操作≫
造粒操作は、粉砕操作後のタンタル二次粒子に水を添加し、造粒して、任意の大きさの二次粒子造粒物を得る工程である。
造粒方法は、特に限定されず、例えば、粉砕操作に用いた造粒装置中で、バインダーとしての水を添加しながらタンタル二次粒子を攪拌する方法が挙げられる。この際、添加した水の量によって、二次粒子造粒物の嵩密度を調整できる。嵩密度をより低くできる好ましい水の添加量は、使用するタンタル二次粒子、造粒装置、粉砕機の種類によって異なる。
後述する熱処理工程又は脱酸素工程でタンタル一次粒子の融合成長を抑えて高表面積を維持するために、添加する水には、リンやホウ素等が添加されていることが好ましく、リンが添加されていることがより好ましい。リンの形態としては、リン酸、アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩等が挙げられる。
造粒操作は、粉砕操作後のタンタル二次粒子に水を添加し、造粒して、任意の大きさの二次粒子造粒物を得る工程である。
造粒方法は、特に限定されず、例えば、粉砕操作に用いた造粒装置中で、バインダーとしての水を添加しながらタンタル二次粒子を攪拌する方法が挙げられる。この際、添加した水の量によって、二次粒子造粒物の嵩密度を調整できる。嵩密度をより低くできる好ましい水の添加量は、使用するタンタル二次粒子、造粒装置、粉砕機の種類によって異なる。
後述する熱処理工程又は脱酸素工程でタンタル一次粒子の融合成長を抑えて高表面積を維持するために、添加する水には、リンやホウ素等が添加されていることが好ましく、リンが添加されていることがより好ましい。リンの形態としては、リン酸、アンモニウムヘキサフルオロリン酸塩等が挙げられる。
リン又はホウ素の添加量は、タンタル二次粒子100質量%に対し0.005〜0.09質量%が好ましい。リン又はホウ素の添加量が0.005質量%以上であれば、タンタル一次粒子の融合を十分に抑制でき、0.09質量%以下であれば、得られるタンタル粒子を用いた電解コンデンサの性能低下を防止できる。
また、造粒操作は、例えば、粉砕操作後のタンタル二次粒子を水中で沈降させた後、余剰の上澄み液を除去し、上澄みを除去したタンタル二次粒子を造粒装置で攪拌してもよいし、粉砕処理を行いながら、タンタル二次粒子に水を噴霧又は滴下してもよい。
造粒装置を用いた場合には、水を添加することによって、タンタル二次粒子が造粒された二次粒子造粒物が形成される。装置の壁等に付着して二次粒子造粒物にならなかった粉砕物については、回収して再度そのまま造粒操作に用いることができる。
得られた二次粒子造粒物には、粒子径2〜10cmの粗大粒子が含まれる場合がある。粗大粒子が含まれる二次粒子造粒物を得た場合には、この二次粒子造粒物を後述する球形化操作に用いる。
得られた二次粒子造粒物には、粒子径2〜10cmの粗大粒子が含まれる場合がある。粗大粒子が含まれる二次粒子造粒物を得た場合には、この二次粒子造粒物を後述する球形化操作に用いる。
造粒操作において、タンタル二次粒子として気相還元法で得られたタンタル二次粒子を用いる場合には、得られる二次粒子造粒物の十分な強度を確保するために、造粒装置を用いることが好ましい。
≪球形化操作≫
球形化操作は、造粒操作で得られた二次粒子造粒物を任意の粒子径に調整するものである。
球形化操作は、造粒操作で得られた二次粒子造粒物を任意の粒子径に調整するものである。
まず、造粒操作で得られた二次粒子造粒物を乾燥する。乾燥方法としては、例えば、真空乾燥法、真空加熱乾燥法等が挙げられ、中でも、十分に乾燥できることから、真空乾燥法、真空加熱乾燥法が好ましい。この際、二次粒子造粒物を厚さ15mm以下になるように、トレー等に充填することが好ましい。加えて、タンタル二次粒子のSSAが高いほど、二次粒子造粒物をトレー等に薄く充填することが好ましい。なお、二次粒子造粒物を加熱して乾燥する場合には、二次粒子造粒物と酸素とが接触するのを避けることが好ましい。
加熱する場合の乾燥温度は、80〜120℃が好ましい。
乾燥した二次粒子造粒物に対し、第一の徐酸化操作と同様の処理を施してもよい。
加熱する場合の乾燥温度は、80〜120℃が好ましい。
乾燥した二次粒子造粒物に対し、第一の徐酸化操作と同様の処理を施してもよい。
次いで、二次粒子造粒物の乾燥物を篩に通して、解砕して、球形化させた二次粒子造粒物を得る。
篩としてはバッチ式のものが用いられる。通常、篩は、水平方向又は鉛直方向に振動させたり、円運動させることにより、二次粒子造粒物を球形化させつつ、篩から下方に落下させる。
篩としては、例えば、メッシュ、パンチングメタル等を用いることができる。篩は一段で使用してもよいし、多段に重ねて使用してもよい。
篩の上には通過促進用ボールを配置することが好ましい。篩の上に通過促進用ボールを配置すると、ボールが篩上で跳ねて篩の振動を大きくできるため、球形化した二次粒子造粒物が篩を通過する時間を短くできる。
篩としてはバッチ式のものが用いられる。通常、篩は、水平方向又は鉛直方向に振動させたり、円運動させることにより、二次粒子造粒物を球形化させつつ、篩から下方に落下させる。
篩としては、例えば、メッシュ、パンチングメタル等を用いることができる。篩は一段で使用してもよいし、多段に重ねて使用してもよい。
篩の上には通過促進用ボールを配置することが好ましい。篩の上に通過促進用ボールを配置すると、ボールが篩上で跳ねて篩の振動を大きくできるため、球形化した二次粒子造粒物が篩を通過する時間を短くできる。
球形化操作では、目的とする粒子径分布に応じて選択した開口面積の篩を用いる。電解コンデンサ用のタンタル粒子としては、体積基準の粒子径が20〜100μmであることが好ましい。全てのタンタル粒子の体積基準の粒子径を100μm以下にする場合には、目開きが75μm以下のメッシュを用いることが好ましい。また、全てのタンタル粒子の体積基準の粒子径を20μm以上にする場合には、目開きが33μm以上のメッシュを用いることが好ましい。
球形化操作で解砕しなかった乾燥塊状物が残った場合には、粉砕操作に用いるタンタル二次粒子として再利用できる。
球形化操作で解砕しなかった乾燥塊状物が残った場合には、粉砕操作に用いるタンタル二次粒子として再利用できる。
また、球形化操作において篩を多段にする場合には、選択する篩の開口面積によって、二次粒子造粒物の篩の通過時間が異なる。したがって、使用する篩を適切に組み合わせることにより、二次粒子造粒物の篩の通過時間を短くすることができる。二次粒子造粒物の篩の通過時間を短くできる篩の組み合わせとしては、例えば、60メッシュ、100メッシュ、160メッシュ及び200メッシュの組み合わせ等が挙げられる。
球形化操作では、篩を通過した二次粒子造粒物を板上で振動又は転動させることが好ましい。二次粒子造粒物を板上で振動又は転動することで、二次粒子造粒物をより球形化できる。
二次粒子造粒物を板上で振動させる方法としては、板を水平方向又は鉛直方向に振動させる方法が挙げられる。
二次粒子造粒物を板上で転動させる方法としては、板をその重心を軸として回転させる方法、板を円運動させる方法等が挙げられる。平板の板を回転させる場合には、板を水平に配置してもよいし、水平方向に対して斜めに配置してもよいが、二次粒子造粒物の相互接触による破砕を少なくできることから、板を水平に配置することが好ましい。
二次粒子造粒物を板上で振動させる方法としては、板を水平方向又は鉛直方向に振動させる方法が挙げられる。
二次粒子造粒物を板上で転動させる方法としては、板をその重心を軸として回転させる方法、板を円運動させる方法等が挙げられる。平板の板を回転させる場合には、板を水平に配置してもよいし、水平方向に対して斜めに配置してもよいが、二次粒子造粒物の相互接触による破砕を少なくできることから、板を水平に配置することが好ましい。
この時に使用する板としては、例えば、平板、球面状に凹んだ板、湾曲した板等を用いることができ、篩を通過した粉体の相互接触による破砕を少なくできることから平板が好ましい。板の縁部には、振動時又は転動時に、篩を通過した粉体がこぼれ出ないようにするために、側板が立設されていてもよい。
また、板として、二次粒子造粒物を受けるための受け容器の底面を利用しても構わない。受け容器の底面を板として利用する場合には、二次粒子造粒物を篩に通して解砕すると同時に、篩の振動や円運動を利用して、二次粒子造粒物を受け容器の底面にて球形化することができる。
また、板として、二次粒子造粒物を受けるための受け容器の底面を利用しても構わない。受け容器の底面を板として利用する場合には、二次粒子造粒物を篩に通して解砕すると同時に、篩の振動や円運動を利用して、二次粒子造粒物を受け容器の底面にて球形化することができる。
球形化操作では、二次粒子造粒物が粉砕されにくく、篩を通過した時点での粒子径をほぼそのまま維持することができる。特に粒子径10μm未満の微粉は形成されにくい。
これは、振動や転動では、攪拌のように二次粒子造粒物に強い剪断力を付与しないためと考えられる。
さらに、二次粒子造粒物同士の結合も生じにくい。これは、振動や転動では、二次粒子造粒物同士が強い衝撃力で衝突することがなく、しかも二次粒子造粒物が乾燥状態にあるためと考えられる。このように、球形化操作では、粒子径が大きく変化することなく、角が消失するように球形化されるため、篩の開口面積に応じて粒子径が揃った二次粒子造粒物を得られる。
なお、上記のように、この球形化操作では粒子径10μm未満の微粉が形成されにくいが、微粉が形成された場合には、篩分けによって微粉を除去することができる。除去した微粉は粉砕操作に用いるタンタル二次粒子として再利用できる。
これは、振動や転動では、攪拌のように二次粒子造粒物に強い剪断力を付与しないためと考えられる。
さらに、二次粒子造粒物同士の結合も生じにくい。これは、振動や転動では、二次粒子造粒物同士が強い衝撃力で衝突することがなく、しかも二次粒子造粒物が乾燥状態にあるためと考えられる。このように、球形化操作では、粒子径が大きく変化することなく、角が消失するように球形化されるため、篩の開口面積に応じて粒子径が揃った二次粒子造粒物を得られる。
なお、上記のように、この球形化操作では粒子径10μm未満の微粉が形成されにくいが、微粉が形成された場合には、篩分けによって微粉を除去することができる。除去した微粉は粉砕操作に用いるタンタル二次粒子として再利用できる。
上記した篩の通過と板上での振動又は転動とは、交互に複数回行ってもよいし、各々1回のみであっても構わない。
篩の通過と板上での振動又は転動とを交互に複数回行う場合には、例えば、各球形化操作にて、受け容器上に配置した一段の篩に、乾燥塊状物又は前段の篩を通過した二次粒子造粒物を通過させ、受け容器にて受け容器上の篩を通過した二次粒子造粒物を転動又は振動させる方法が採用される。各球形化操作で用いる篩を一段にする場合には、効率的に粒子径を小さくできる点で、1回目の球形化操作で用いる篩の開口面積を最も広くし、2回目以降の球形化操作で用いる篩の開口面積を順次小さくすることが好ましい。
篩の通過と板上での振動又は転動とを1回のみ行う場合には、例えば、受け容器上に多段に配置した篩で乾燥塊状物を処理し、受け容器にて二次粒子造粒物を転動又は振動させる方法が採用される。篩を多段にする場合には、粒子径を効率的に小さくする点で、下段になるにつれて開口面積が小さくなるように配置することが好ましい。
また、特開2006−336042号公報や特開2009−102680号公報に記載の造粒方法を用いてもよい。
篩の通過と板上での振動又は転動とを交互に複数回行う場合には、例えば、各球形化操作にて、受け容器上に配置した一段の篩に、乾燥塊状物又は前段の篩を通過した二次粒子造粒物を通過させ、受け容器にて受け容器上の篩を通過した二次粒子造粒物を転動又は振動させる方法が採用される。各球形化操作で用いる篩を一段にする場合には、効率的に粒子径を小さくできる点で、1回目の球形化操作で用いる篩の開口面積を最も広くし、2回目以降の球形化操作で用いる篩の開口面積を順次小さくすることが好ましい。
篩の通過と板上での振動又は転動とを1回のみ行う場合には、例えば、受け容器上に多段に配置した篩で乾燥塊状物を処理し、受け容器にて二次粒子造粒物を転動又は振動させる方法が採用される。篩を多段にする場合には、粒子径を効率的に小さくする点で、下段になるにつれて開口面積が小さくなるように配置することが好ましい。
また、特開2006−336042号公報や特開2009−102680号公報に記載の造粒方法を用いてもよい。
<熱処理工程>
熱処理工程は、造粒工程で得られた二次粒子造粒物を加熱して、タンタル二次粒子同士が凝集したタンタル三次粒子を得る工程である。本実施形態の熱処理工程は、熱処理操作と、第二の徐酸化操作とを備える。
熱処理工程は、造粒工程で得られた二次粒子造粒物を加熱して、タンタル二次粒子同士が凝集したタンタル三次粒子を得る工程である。本実施形態の熱処理工程は、熱処理操作と、第二の徐酸化操作とを備える。
≪熱処理操作≫
熱処理操作は、造粒工程で得られた二次粒子造粒物を加熱する工程である。この熱処理工程を経ることで、二次粒子造粒物は、タンタル二次粒子同士が凝集したタンタル三次粒子となる。
本操作における加熱温度は800〜1400℃が好ましく、900〜1200℃がさらに好ましい。加熱温度が800℃以上であれば、短時間で十分に凝集させることができ、1400℃以下であれば、タンタル二次粒子同士の凝集及びタンタル三次粒子の過度な焼結を防止できる。
加熱時間は0.1〜2時間であることが好ましい。加熱時間が0.1時間以上であれば、二次粒子造粒物の全体を均一加熱でき、2時間超としても温度分布の均一化等のさらなる改善が図れないおそれがあり、無益である。
加熱雰囲気は、例えば、真空雰囲気、希ガス雰囲気、窒素含有ガス雰囲気等にすることができる。希ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等が挙げられる。窒素含有ガスとしては、窒素ガス、アンモニアガス等が挙げられる。中でも、窒素含有ガス雰囲気とした場合には、タンタル粒子にさらに窒素を含有させることができる。
熱処理操作は、造粒工程で得られた二次粒子造粒物を加熱する工程である。この熱処理工程を経ることで、二次粒子造粒物は、タンタル二次粒子同士が凝集したタンタル三次粒子となる。
本操作における加熱温度は800〜1400℃が好ましく、900〜1200℃がさらに好ましい。加熱温度が800℃以上であれば、短時間で十分に凝集させることができ、1400℃以下であれば、タンタル二次粒子同士の凝集及びタンタル三次粒子の過度な焼結を防止できる。
加熱時間は0.1〜2時間であることが好ましい。加熱時間が0.1時間以上であれば、二次粒子造粒物の全体を均一加熱でき、2時間超としても温度分布の均一化等のさらなる改善が図れないおそれがあり、無益である。
加熱雰囲気は、例えば、真空雰囲気、希ガス雰囲気、窒素含有ガス雰囲気等にすることができる。希ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等が挙げられる。窒素含有ガスとしては、窒素ガス、アンモニアガス等が挙げられる。中でも、窒素含有ガス雰囲気とした場合には、タンタル粒子にさらに窒素を含有させることができる。
≪第二の徐酸化操作≫
熱処理操作の後に、第二の徐酸化操作を設けることで、タンタル三次粒子が大気中の酸素と接触し、急激に酸化反応が進んで、燃焼するのを防止できる。本操作は、第一の徐酸化操作と同様である。
熱処理操作の後に、第二の徐酸化操作を設けることで、タンタル三次粒子が大気中の酸素と接触し、急激に酸化反応が進んで、燃焼するのを防止できる。本操作は、第一の徐酸化操作と同様である。
熱処理工程後のタンタル三次粒子の酸素含量は、熱処理工程前のタンタル三次粒子の酸素含量よりも増加する。例えば、熱処理工程前のタンタル三次粒子の酸素含量が12000〜25000質量ppmである場合、熱処理工程後のタンタル三次粒子の酸素含量は15000〜37500質量ppmとなる。熱処理工程後のタンタル三次粒子は、熱処理工程前の形状を保持しており、特に解砕工程を必要としないが、篩分によって、異物、タンタル三次粒子同士の凝集体等を除去することが望ましい。
<脱酸素工程>
脱酸素工程は、熱処理工程で得られたタンタル三次粒子に対し、マグネシウムを用いて脱酸素し(脱酸素操作)、マグネシウム及び生成物を酸で濯ぎ(酸濯ぎ操作)、水で酸を濯ぎ落とす(水濯ぎ操作)工程である。本実施形態の脱酸素工程は、脱酸素操作と、第三の徐酸化操作と、酸濯ぎ操作と、水濯ぎ操作と、第四の徐酸化操作とを備える。
脱酸素工程は、熱処理工程で得られたタンタル三次粒子に対し、マグネシウムを用いて脱酸素し(脱酸素操作)、マグネシウム及び生成物を酸で濯ぎ(酸濯ぎ操作)、水で酸を濯ぎ落とす(水濯ぎ操作)工程である。本実施形態の脱酸素工程は、脱酸素操作と、第三の徐酸化操作と、酸濯ぎ操作と、水濯ぎ操作と、第四の徐酸化操作とを備える。
≪脱酸素操作≫
脱酸素操作は、熱処理工程で得られたタンタル三次粒子にマグネシウムを接触させつつ、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中又は真空中で、加熱するものである。これにより、タンタル三次粒子に含まれる酸素が、マグネシウムと反応して除去される。
脱酸素操作では、Ta2O5+5Mg→2Ta+5MgOという反応式の反応が進行してタンタル三次粒子から酸素が除去される。
脱酸素操作は、熱処理工程で得られたタンタル三次粒子にマグネシウムを接触させつつ、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中又は真空中で、加熱するものである。これにより、タンタル三次粒子に含まれる酸素が、マグネシウムと反応して除去される。
脱酸素操作では、Ta2O5+5Mg→2Ta+5MgOという反応式の反応が進行してタンタル三次粒子から酸素が除去される。
マグネシウムとしては、粉末(粉砕されたり、アトマイジングされたもの)又はチップ状の固体のマグネシウム(固体Mg)でもよいし、気体のマグネシウム(気体Mg)でもよいし、固体Mgと気体Mgとが併用されてもよい。
固体Mgの粒子径は、例えば、10メッシュ・パスが好ましく、16メッシュ・パスがより好ましく、40メッシュ・パスがよりさらに好ましい。固体Mgの粒子径の下限値は特に限定されないが、500メッシュ・オンが好ましく、200メッシュ・オンがより好ましく、100メッシュ・オンがさらに好ましい。上記範囲内であれば、タンタル三次粒子の酸素をより良好に除去できる。
固体Mgの粒子径は、例えば、10メッシュ・パスが好ましく、16メッシュ・パスがより好ましく、40メッシュ・パスがよりさらに好ましい。固体Mgの粒子径の下限値は特に限定されないが、500メッシュ・オンが好ましく、200メッシュ・オンがより好ましく、100メッシュ・オンがさらに好ましい。上記範囲内であれば、タンタル三次粒子の酸素をより良好に除去できる。
脱酸素操作に用いられる反応炉としては、例えば、竪形管状炉(外熱制御式又は内熱制御式)、ロータリーキルン、流動床炉、複合床炉、特表2002−519613号公報に示された高温回転式真空炉等が挙げられる。
脱酸素操作におけるタンタル三次粒子への加熱温度は、300℃超600℃未満であり、470〜520℃が好ましく、490〜510℃がより好ましい。上記下限値未満では、タンタル三次粒子の還元が不十分になり、上記上限値超では、タンタル一次粒子の凝集が助長されて、BET比表面積が低下したり、電解コンデンサのCV値が低下するおそれがある。
脱酸素操作は、例えば、Ta・Mg混合物を坩堝等の容器に入れ、この容器に入ったTa・Mg混合物を希ガス雰囲気の反応炉内で加熱する方法が挙げられる(固体Mg混合式)。
固体Mg混合式で脱酸素操作を行う場合、反応炉内の圧力は、例えば、10〜30000Paが好ましく、10〜300Paがより好ましく、10〜100Paがさらに好ましい。上記下限値以上であれば、反応炉内の圧力を経済的に調節でき、上記上限値以下であれば、マグネシウムの発火点(473℃:国際化学物質安全性カード)以上で加熱しても、反応炉内の酸素が少ないため、マグネシウムが発火するのを防止できる。即ち、希ガス雰囲気で、かつ上記上限値以下の圧力環境であれば、上述の加熱温度では、マグネシウムは発火しない。
固体Mg混合式で脱酸素操作を行う場合、反応炉内の圧力は、例えば、10〜30000Paが好ましく、10〜300Paがより好ましく、10〜100Paがさらに好ましい。上記下限値以上であれば、反応炉内の圧力を経済的に調節でき、上記上限値以下であれば、マグネシウムの発火点(473℃:国際化学物質安全性カード)以上で加熱しても、反応炉内の酸素が少ないため、マグネシウムが発火するのを防止できる。即ち、希ガス雰囲気で、かつ上記上限値以下の圧力環境であれば、上述の加熱温度では、マグネシウムは発火しない。
また、脱酸素操作としては、タンタル三次粒子と固体Mgとを各々別の容器に入れる等して、タンタル三次粒子と固体Mgとを直接接触しないように反応炉内に配置し、タンタル三次粒子と固体Mgとを希ガス雰囲気で加熱する方法(固体Mg分離式)や、Ta・Mg混合物と固体Mgとを直接接触しないように反応炉内に配置し、これらを希ガス雰囲気で加熱する方法(固体Mg一部分離式、特開2012−87371号公報参照)が挙げられる。この方法によれば、加熱によってマグネシウムを蒸発させ、蒸発したマグネシウムとタンタル三次粒子とを接触させることで、脱酸素操作を行う。
固体Mg分離式又は固体Mg一部分離式で脱酸素操作を行う場合、以下の処理を施すことが好ましい。まず、反応炉内が50〜500Paとなるように、反応炉内に希ガスを封入する。反応炉内を任意の加熱温度に昇温した後、反応炉内をマグネシウムの蒸気圧より少し高い圧力(例えば、30〜300Pa)に減圧し、この圧力を1〜10分間維持する(第一の圧力維持処理)。次いで、反応炉内をマグネシウムの蒸気圧より少し低い圧力(例えば、10〜100Pa)まで徐々に減圧し、この圧力を1〜10分間維持する(第二の圧力維持処理)。第一の圧力維持処理と第二の圧力維持処理とを2〜10回繰り返すことで、マグネシウムの蒸気がタンタル三次粒子に接触しやすくなり、タンタル三次粒子中の酸素を良好に除去できる。
固体Mg分離式又は固体Mg一部分離式で脱酸素操作を行う場合、以下の処理を施すことが好ましい。まず、反応炉内が50〜500Paとなるように、反応炉内に希ガスを封入する。反応炉内を任意の加熱温度に昇温した後、反応炉内をマグネシウムの蒸気圧より少し高い圧力(例えば、30〜300Pa)に減圧し、この圧力を1〜10分間維持する(第一の圧力維持処理)。次いで、反応炉内をマグネシウムの蒸気圧より少し低い圧力(例えば、10〜100Pa)まで徐々に減圧し、この圧力を1〜10分間維持する(第二の圧力維持処理)。第一の圧力維持処理と第二の圧力維持処理とを2〜10回繰り返すことで、マグネシウムの蒸気がタンタル三次粒子に接触しやすくなり、タンタル三次粒子中の酸素を良好に除去できる。
あるいは、例えば、ロッド状のマグネシウムや箔状のマグネシウムと共にタンタル三次粒子を容器に入れ、これを希ガス雰囲気の反応炉内で加熱する方法が挙げられる(多層充填式)。この際、ロッド状又は箔状のマグネシウムを、タンタル三次粒子を介して層状に配置してもよいし、タンタル三次粒子に突き立てて配置してもよい。この方法においては、ロッド状又は箔状のマグネシウム同士の間隔を10mm以下になるようにすることが好ましい。
気体Mgを用いた脱酸素操作としては、タンタル三次粒子を入れた容器を反応炉内に入れ、反応炉内に気体Mgを供給しつつ、タンタル三次粒子を加熱する方法が挙げられる(気体Mg接触式)。
気体Mg接触式で脱酸素操作を行う場合、反応炉内の圧力は、固体Mg混合式の場合と同様である。
気体Mg接触式で脱酸素操作を行う場合、反応炉内の圧力は、固体Mg混合式の場合と同様である。
あるいは、Ta・Mg混合物を入れた容器を反応炉内に入れ、反応炉内に気体Mgを送り込みつつ、タンタル三次粒子を加熱する方法が挙げられる(固体・気体併用式)。固体・気体併用式で脱酸素操作を行う場合、反応炉内の圧力は、固体Mg混合式の場合と同様である。
脱酸素操作の方法としては、固体Mg混合式、多層充填式、固体・気体併用式が好ましく、固体Mg混合式、多層充填式がより好ましい。これらの方法であれば、タンタル三次粒子に対する脱酸素処理を比較的短時間で、酸素を効率的に除去できる。
脱酸素操作の際、容器に入れられたTa・Mg混合物又はタンタル三次粒子の厚さは、例えば、1〜100mmが好ましい。本実施形態によれば、脱酸素操作において、タンタル三次粒子が300℃超600℃未満で加熱されるため、容器内のTa・Mg混合物の厚さを厚くして、例えば(I)式の値が400000以上となっても、タンタル三次粒子の熱凝集を防止できる。
脱酸素操作に用いられるタンタル三次粒子が、高いCV値の電解コンデンサ用(例えば、15万μFV/g以上)であると、酸素含量が高くなる(例えば、20000質量ppm以上)。酸素含量が高いタンタル三次粒子に脱酸素操作を行う場合には、酸素含量が低いタンタル三次粒子(低酸素三次粒子)と混合して三次粒子混合物とし、この三次粒子混合物に対して脱酸素操作を行ってもよい。この際、三次粒子混合物における酸素含量は、例えば、8000質量ppm以下が好ましい。酸素含量を8000質量ppm以下とすることで、脱酸素処理中のタンタル三次粒子の熱凝集をより確実に防止できる。
低酸素三次粒子としては、例えば、SSAが小さいタンタル粒子等が挙げられる。
なお、低酸素三次粒子の粒子径がタンタル三次粒子の粒子径よりも十分に大きければ、脱酸素工程の後に三次粒子混合物を篩分けることで、低酸素三次粒子を容易に除去し、これを再利用できる。
低酸素三次粒子としては、例えば、SSAが小さいタンタル粒子等が挙げられる。
なお、低酸素三次粒子の粒子径がタンタル三次粒子の粒子径よりも十分に大きければ、脱酸素工程の後に三次粒子混合物を篩分けることで、低酸素三次粒子を容易に除去し、これを再利用できる。
脱酸素操作で用いられるマグネシウムの量(固体・気体併用式の場合は、その合計量)は、上記反応式における化学量論比(Ta2O5に対して5モル倍)の1.0〜3.0モル倍が好ましく、1.5〜2.5モル倍がより好ましい。上記下限値未満では、酸素除去に必要なマグネシウム量が不足するため、タンタル三次粒子中の酸素を十分に除去できないおそれがあり、上記上限値超としても、酸素除去量が殆ど向上しないため、不経済である。
固体・気体併用式の場合、固体Mgと気体Mgとのモル比(固体Mg/気体Mg)は、0.5〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、2〜5がさらに好ましい。
固体・気体併用式の場合、タンタル三次粒子と固体Mgとの混合比(質量比)は、タンタル三次粒子/固体Mg=15〜50がより好ましく、18〜25がさらに好ましい。上記上限値超では、酸素除去量が低下するおそれがあり、上記下限値未満では、タンタル一次粒子の凝集が助長されて、CV値が低下するおそれがある。
固体・気体併用式の場合、タンタル三次粒子と固体Mgとの混合比(質量比)は、タンタル三次粒子/固体Mg=15〜50がより好ましく、18〜25がさらに好ましい。上記上限値超では、酸素除去量が低下するおそれがあり、上記下限値未満では、タンタル一次粒子の凝集が助長されて、CV値が低下するおそれがある。
脱酸素操作における反応時間、即ち、タンタル三次粒子を上記の加熱温度で加熱する時間は、タンタル三次粒子のSSAやBET比表面積、反応炉の加熱条件(外熱制御や内熱制御)や反応炉内の圧力等を勘案して決定され、例えば、0.5〜8時間が好ましく、1〜2時間がより好ましい。上記下限値未満では、酸素除去量が低下するおそれがあり、上記上限値超では、タンタル一次粒子の凝集が助長されて、CV値が低下するおそれがある。加えて、上記上限値超としても、さらなる酸素含量の低減を図れないおそれがある。
脱酸素操作における加熱方法は、特に限定されず、例えば、タンタル三次粒子を任意の昇温速度で、任意の加熱温度まで昇温させ、この加熱温度で任意の時間保持してもよいし、タンタル三次粒子への加熱温度を上記の範囲内で段階的に高めてもよい。加熱温度を段階的に高める場合、例えば、タンタル三次粒子を300〜520℃の任意の温度で1〜3時間加熱し、次いで、前記の任意の温度よりも50〜100℃高い温度で1〜3時間加熱してもよい。あるいは、タンタル三次粒子を300〜520℃の任意の温度で1〜3時間加熱した後、加熱温度を10〜50℃高めて0.1〜0.3時間加熱し、さらに加熱温度を10〜100℃高めて0.1〜0.3時間加熱して、加熱温度を順次挙げながら、目的の温度に到達させてもよい。
脱酸素操作は1回であってもよいが、複数回繰り返すことが好ましく、2回繰り返すことがより好ましい。
脱酸素操作においては、マグネシウムと共に、窒素ガス、アンモニアガス等の窒素含有ガスを反応炉内に供給して、タンタル三次粒子にさらに窒素を含有させてもよい。窒素含有ガスを反応炉内に供給した場合、供給した窒素含有ガスの窒素のほぼ全量がタンタル三次粒子に取り込まれるため、目的の窒素含量に応じて窒素含有ガスの供給量が設定される。
なお、脱酸素操作で供給する窒素は、窒化物の結晶を生成しやすく、電解コンデンサとしての性能を低下させるおそれがある。このため、脱酸素操作にて供給する窒素含量はできる限り少ないことが好ましい。
なお、脱酸素操作で供給する窒素は、窒化物の結晶を生成しやすく、電解コンデンサとしての性能を低下させるおそれがある。このため、脱酸素操作にて供給する窒素含量はできる限り少ないことが好ましい。
<第三の徐酸化操作>
脱酸素操作の後に、第三の徐酸化操作を設けることで、タンタル三次粒子が大気中の酸素と接触し、急激に酸化反応が進んで、燃焼するのを防止できる。本操作は、第一の徐酸化操作と同様である。
脱酸素操作の後に、第三の徐酸化操作を設けることで、タンタル三次粒子が大気中の酸素と接触し、急激に酸化反応が進んで、燃焼するのを防止できる。本操作は、第一の徐酸化操作と同様である。
≪酸濯ぎ操作≫
酸濯ぎ操作は、脱酸素操作で生じた酸化マグネシウム(MgO)及び過剰のマグネシウムを除去する操作であり、例えば、第三の徐酸化操作で処理が施されたタンタル三次粒子を任意の鉱酸(例えば、硝酸、硫酸等)に浸漬し、あるいは酸をタンタル三次粒子に噴霧することにより行われる。この際、過剰なマグネシウムの影響による水素の混入を防止するため、過酸化水素等の酸素供給源を追加することが望ましい。
酸濯ぎ操作は、脱酸素操作で生じた酸化マグネシウム(MgO)及び過剰のマグネシウムを除去する操作であり、例えば、第三の徐酸化操作で処理が施されたタンタル三次粒子を任意の鉱酸(例えば、硝酸、硫酸等)に浸漬し、あるいは酸をタンタル三次粒子に噴霧することにより行われる。この際、過剰なマグネシウムの影響による水素の混入を防止するため、過酸化水素等の酸素供給源を追加することが望ましい。
≪水濯ぎ操作≫
水濯ぎ操作は、酸濯ぎ操作でタンタル三次粒子に付着した酸を水で濯ぎ落とす操作であり、水濯ぎ操作には、タンタル三次粒子を乾燥する処理が含まれる。水としては、できるだけ不純物を含有しないものが好ましく、例えば、イオン交換水、純水、超純水(比抵抗18MΩ・cm以上)が挙げられ、中でも超純水が好ましい。
水濯ぎ操作における乾燥方法としては、真空乾燥法、真空加熱乾燥法等が挙げられる。加熱する場合の乾燥温度は80〜120℃であることが好ましい。
水濯ぎ操作は、酸濯ぎ操作でタンタル三次粒子に付着した酸を水で濯ぎ落とす操作であり、水濯ぎ操作には、タンタル三次粒子を乾燥する処理が含まれる。水としては、できるだけ不純物を含有しないものが好ましく、例えば、イオン交換水、純水、超純水(比抵抗18MΩ・cm以上)が挙げられ、中でも超純水が好ましい。
水濯ぎ操作における乾燥方法としては、真空乾燥法、真空加熱乾燥法等が挙げられる。加熱する場合の乾燥温度は80〜120℃であることが好ましい。
<第四の徐酸化操作>
水濯ぎ操作の後に、第四の徐酸化操作を設けることで、タンタル三次粒子が大気中の酸素と接触し、急激に酸化反応が進んで、燃焼するのを防止できる。本操作は、第一の徐酸化操作と同様である。
水濯ぎ操作の後に、第四の徐酸化操作を設けることで、タンタル三次粒子が大気中の酸素と接触し、急激に酸化反応が進んで、燃焼するのを防止できる。本操作は、第一の徐酸化操作と同様である。
脱酸素工程で処理が施されたタンタル三次粒子は、そのままで、又は必要に応じて篩分けされて、タンタル粒子とされる。
本実施形態のタンタル粒子の製造方法によれば、タンタル三次粒子を300℃超600℃未満で加熱する脱酸素工程を備えるため、酸素含量が十分に低減されたタンタル粒子を効率的に得られる。
(その他実施形態)
本発明のタンタル粒子の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態では、「凝集粒子を得る工程」が還元工程、造粒工程及び熱処理工程で構成されているが、本発明はこれに限定されず「凝集粒子を得る工程」が還元工程のみで構成されていてもよいし、還元工程と熱処理工程とで構成されていてもよい。即ち、本発明において、脱酸素工程で処理の対象となる「凝集粒子」は、タンタル二次粒子及びタンタル三次粒子のいずれであってもよい。
本発明のタンタル粒子の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。
上述の実施形態では、「凝集粒子を得る工程」が還元工程、造粒工程及び熱処理工程で構成されているが、本発明はこれに限定されず「凝集粒子を得る工程」が還元工程のみで構成されていてもよいし、還元工程と熱処理工程とで構成されていてもよい。即ち、本発明において、脱酸素工程で処理の対象となる「凝集粒子」は、タンタル二次粒子及びタンタル三次粒子のいずれであってもよい。
上述の実施形態では、タンタル粒子はタンタル三次粒子からなるが、本発明はこれに限定されず、造粒工程を省略し、タンタル二次粒子に脱酸素処理を施して、これをタンタル粒子としてもよい。
上述の実施形態では、還元工程が酸洗操作を備えているが、本発明はこれに限定されず、還元工程が酸洗操作を備えていなくてもよい。
上述の実施形態では、脱酸素操作の後、直ちに第三の徐酸化操作と酸濯ぎ操作とが設けられているが、本発明はこれに限定されず、例えば、脱酸素操作と第三の徐酸化操作との間に、タンタル三次粒子を600℃以上に加熱する操作(二次加熱操作)が設けられていてもよい。
タンタル粒子の製造方法は、二次加熱操作を備えることで、タンタル粒子におけるタンタル一次粒子の熱凝集を抑制しつつ、タンタル粒子の酸素含量をより低減できる。ただし、SSAやBET比表面積をより高く維持するためには、二次加熱操作を設けないことが好ましい。
タンタル粒子の製造方法は、二次加熱操作を備えることで、タンタル粒子におけるタンタル一次粒子の熱凝集を抑制しつつ、タンタル粒子の酸素含量をより低減できる。ただし、SSAやBET比表面積をより高く維持するためには、二次加熱操作を設けないことが好ましい。
上述の実施形態では、第一〜第四の徐酸化操作が設けられているが、本発明はこれに限定されず、第一〜第四の徐酸化操作の全て、もしくはいずれかが設けられていなくてもよい。ただし、タンタル二次粒子、タンタル三次粒子が熱凝集するのを確実に防止し、タンタル粒子の収量をより高めるためには、第一〜第四の徐酸化操作を設けることが好ましい。
上述の実施形態では、タンタル二次粒子の粉砕物に水を添加し、造粒して二次粒子造粒物を得ている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、タンタル二次粒子を水等の分散媒に分散したスラリーを得、このスラリーを熱風中に噴出させるスプレードライ法によって二次粒子造粒物を得てもよい。
上述の実施形態では、造粒工程に球形化操作が設けられているが、本発明はこれに限定されず、球形化操作が設けられていなくてもよい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示す反応装置10同様の反応装置(容量800L)を用いて集塊物を得た。まず、希釈塩(フッ化カリウム250kg、塩化カリウム250kg、水分含量:0.03質量%)を200℃で1時間加熱して水分を除去した後、投入用ホッパーを用いて反応器に投入した。投入後、800℃で溶融し、攪拌翼を用いて150回転/分で攪拌して、フッ化カリウム及び塩化カリウムの溶融塩を得た。
次いで、攪拌翼の回転数を150回転/分に維持したまま、窒素ガスを雰囲気ガス供給口から連続的に溶融塩の液面上に導入しながら、反応器内にフッ化タンタルカリウムの投入と、還元剤(ナトリウム)の投入とを交互に繰り返し行った。その後、75℃まで冷却し、反応器内の集塊物を回収した。なお、反応器に投入したフッ化タンタルカリウムの総量は100kgであり、反応器に投入にしたナトリウムの総量は31.4kgであった。
得られた集塊物を水洗し、濃度5質量%のフッ酸水溶液を用いて酸洗し、120℃で乾燥してタンタル二次粒子を得た。得られたタンタル二次粒子に、徐酸化処理を施した(以上、還元工程)。徐酸化処理が施されたタンタル二次粒子は、酸素含量10210質量ppm、窒素含量1970質量ppm、水素含量1230質量ppmであった。
図2に示す反応装置10同様の反応装置(容量800L)を用いて集塊物を得た。まず、希釈塩(フッ化カリウム250kg、塩化カリウム250kg、水分含量:0.03質量%)を200℃で1時間加熱して水分を除去した後、投入用ホッパーを用いて反応器に投入した。投入後、800℃で溶融し、攪拌翼を用いて150回転/分で攪拌して、フッ化カリウム及び塩化カリウムの溶融塩を得た。
次いで、攪拌翼の回転数を150回転/分に維持したまま、窒素ガスを雰囲気ガス供給口から連続的に溶融塩の液面上に導入しながら、反応器内にフッ化タンタルカリウムの投入と、還元剤(ナトリウム)の投入とを交互に繰り返し行った。その後、75℃まで冷却し、反応器内の集塊物を回収した。なお、反応器に投入したフッ化タンタルカリウムの総量は100kgであり、反応器に投入にしたナトリウムの総量は31.4kgであった。
得られた集塊物を水洗し、濃度5質量%のフッ酸水溶液を用いて酸洗し、120℃で乾燥してタンタル二次粒子を得た。得られたタンタル二次粒子に、徐酸化処理を施した(以上、還元工程)。徐酸化処理が施されたタンタル二次粒子は、酸素含量10210質量ppm、窒素含量1970質量ppm、水素含量1230質量ppmであった。
還元工程で得られたタンタル二次粒子をスパルタン・リューザー(不二パウダル株式会社製)の容器本体に投入した。
容器本体内のタンタル二次粒子を低速翼(27回転/分(周速;17m/秒))及び高速翼(5400回転/分)で2分間攪拌した。次いで、10質量%リン酸(H3PO4)水溶液と、純水とを乾燥粒子に噴霧しながら攪拌して、二次粒子造粒物を得た。10質量%リン酸水溶液の添加量は、タンタル二次粒子に対して、リン酸が250質量ppmになる量とした。純水の添加量は、10質量%リン酸水溶液中の水と、純水との合計量(総水量)が、タンタル二次粒子100質量部に対し、15質量部となる量とした。二次粒子造粒物を70℃で4時間乾燥した後、二次粒子造粒物に徐酸化処理を施した(造粒工程)。
容器本体内のタンタル二次粒子を低速翼(27回転/分(周速;17m/秒))及び高速翼(5400回転/分)で2分間攪拌した。次いで、10質量%リン酸(H3PO4)水溶液と、純水とを乾燥粒子に噴霧しながら攪拌して、二次粒子造粒物を得た。10質量%リン酸水溶液の添加量は、タンタル二次粒子に対して、リン酸が250質量ppmになる量とした。純水の添加量は、10質量%リン酸水溶液中の水と、純水との合計量(総水量)が、タンタル二次粒子100質量部に対し、15質量部となる量とした。二次粒子造粒物を70℃で4時間乾燥した後、二次粒子造粒物に徐酸化処理を施した(造粒工程)。
造粒工程で得られた二次粒子造粒物を1100℃で30分間加熱して、タンタル三次粒子を得た。得られたタンタル三次粒子について、徐酸化処理を施した(熱処理工程)。
熱処理工程で得られたタンタル三次粒子は、酸素含量16290質量ppm、窒素含量1930質量ppm、水素含量205質量ppm、BET比表面積4.89m2/gであった。
熱処理工程で得られたタンタル三次粒子は、酸素含量16290質量ppm、窒素含量1930質量ppm、水素含量205質量ppm、BET比表面積4.89m2/gであった。
熱処理工程で得られたタンタル三次粒子40gと、マグネシウム(Mg−10(商品名)、10メッシュ・オン:1.2質量%、10メッシュ・パス−16メッシュ・オン:34.4質量%、16メッシュ・パス−18メッシュ・オン:13.4質量%、18メッシュ・パス−30メッシュ・オン:46.6質量%、30メッシュ・パス:4.4質量%、株式会社関東金属製)1.6gとを混合してTa・Mg混合物とし、これを内径52mmφ×高さ52mmの有底円筒状の坩堝に入れた。竪形管状炉内を30Paとした。竪形管状炉内を1時間で500℃に昇温し(昇温時間=1時間)、次いで、500℃を2時間維持して(維持時間=2時間)、タンタル三次粒子を加熱した(脱酸素操作)。脱酸素操作後のタンタル三次粒子について、徐酸化処理を施した。
次いで、タンタル三次粒子を2倍量の5N硫酸に300秒間浸漬(酸濯ぎ操作)した後、2倍量の純水に浸漬(水濯ぎ操作)し、濾別する処理を2回繰り返した。その後、固体分をトレーに、厚さ約12mmとなるように充填し、これを真空加熱乾燥(120℃)により乾燥した。真空加熱乾燥をしたタンタル三次粒子について、徐酸化処理を施して、タンタル粒子を得た。
得られたタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
次いで、タンタル三次粒子を2倍量の5N硫酸に300秒間浸漬(酸濯ぎ操作)した後、2倍量の純水に浸漬(水濯ぎ操作)し、濾別する処理を2回繰り返した。その後、固体分をトレーに、厚さ約12mmとなるように充填し、これを真空加熱乾燥(120℃)により乾燥した。真空加熱乾燥をしたタンタル三次粒子について、徐酸化処理を施して、タンタル粒子を得た。
得られたタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例2)
脱酸素操作での維持時間を8時間とした以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。得られたタンタル粒子の一部について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
脱酸素操作での維持時間を8時間とした以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。得られたタンタル粒子の一部について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2で得られたタンタル粒子の残部について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
実施例2で得られたタンタル粒子の残部について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例4)
マグネシウムとしてMg−40(商品名、30メッシュ・オン:0.0質量%、30メッシュ・パス−42メッシュ・オン:0.9質量%、42メッシュ・パス−50メッシュ・オン:11.2質量%、50メッシュ・パス−100メッシュ・オン:81.4質量%、100メッシュ・パス:6.5質量%、株式会社関東金属製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。本例においては、脱酸素操作で、約10質量%のTa・Mg混合物が坩堝外に飛散した。坩堝内のタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
マグネシウムとしてMg−40(商品名、30メッシュ・オン:0.0質量%、30メッシュ・パス−42メッシュ・オン:0.9質量%、42メッシュ・パス−50メッシュ・オン:11.2質量%、50メッシュ・パス−100メッシュ・オン:81.4質量%、100メッシュ・パス:6.5質量%、株式会社関東金属製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。本例においては、脱酸素操作で、約10質量%のTa・Mg混合物が坩堝外に飛散した。坩堝内のタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
(実施例5)
マグネシウムとしてMg−100(商品名、100メッシュ・オン:0.4質量%、100メッシュ・パス−150メッシュ・オン:19.8質量%、150メッシュ・パス−200メッシュ・オン:30.8質量%、200メッシュ・パス:49.0質量%、株式会社関東金属製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。本例においては、脱酸素操作で、約60質量%のTa・Mg混合物が坩堝外に飛散した。坩堝内のタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
マグネシウムとしてMg−100(商品名、100メッシュ・オン:0.4質量%、100メッシュ・パス−150メッシュ・オン:19.8質量%、150メッシュ・パス−200メッシュ・オン:30.8質量%、200メッシュ・パス:49.0質量%、株式会社関東金属製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。本例においては、脱酸素操作で、約60質量%のTa・Mg混合物が坩堝外に飛散した。坩堝内のタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
脱酸素操作において、竪形管状炉内を1時間で300℃に昇温し、次いで、300℃を8時間維持した以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。得られたタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
脱酸素操作において、竪形管状炉内を1時間で300℃に昇温し、次いで、300℃を8時間維持した以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。得られたタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例2)
タンタル三次粒子800gと、マグネシウム(Mg−10)40gとを混合してTa・Mg混合物とし、これを内径200mmφ×高さ52mmの坩堝に、Ta・Mg混合物の厚さが25mmとなるように入れた((I)式で表される値=317250)。竪形管状炉内をアルゴンで置換し、次いで、竪形管状炉内を27000Paとした。竪形管状炉内を1.5時間で750℃に昇温し、次いで、750℃を1時間維持した(維持時間=1時間)以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。得られたタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
タンタル三次粒子800gと、マグネシウム(Mg−10)40gとを混合してTa・Mg混合物とし、これを内径200mmφ×高さ52mmの坩堝に、Ta・Mg混合物の厚さが25mmとなるように入れた((I)式で表される値=317250)。竪形管状炉内をアルゴンで置換し、次いで、竪形管状炉内を27000Paとした。竪形管状炉内を1.5時間で750℃に昇温し、次いで、750℃を1時間維持した(維持時間=1時間)以外は、実施例1と同様にしてタンタル粒子を得た。得られたタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
(比較例3)
タンタル三次粒子800gと、マグネシウム(Mg−10)40gとを混合してTa・Mg混合物とし、これを内径200mmφ×高さ52mmの坩堝に、Ta・Mg混合物の厚さが35mmとなるように入れた((I)式で表される値=570150)以外は、比較例4と同様にしてタンタル粒子を得た。得られたタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
タンタル三次粒子800gと、マグネシウム(Mg−10)40gとを混合してTa・Mg混合物とし、これを内径200mmφ×高さ52mmの坩堝に、Ta・Mg混合物の厚さが35mmとなるように入れた((I)式で表される値=570150)以外は、比較例4と同様にしてタンタル粒子を得た。得られたタンタル粒子について、酸素含量、窒素含量、水素含量及びBET比表面積を測定し、その結果を表1に示す。
(測定方法)
<タンタル粒子中の酸素含量>
JIS H1695に準拠して測定した。
<タンタル粒子中の窒素含量>
JIS H1685に準拠して測定した。
<タンタル粒子中の水素含量>
JIS H1696に準拠して測定した。
<タンタル粒子中の酸素含量>
JIS H1695に準拠して測定した。
<タンタル粒子中の窒素含量>
JIS H1685に準拠して測定した。
<タンタル粒子中の水素含量>
JIS H1696に準拠して測定した。
表1に示す通り、本発明を適用した実施例1〜5は、酸素含量を十分に低減できていた。特に、マグネシウムとしてMg−40を用いた実施例4は、酸素含量が10000質量ppm未満であった。
一方、加熱温度が300℃である比較例1は、脱酸素処理の前後においてタンタル三次粒子の酸素含量に違いが認められなかった。
加熱温度を750℃とした比較例2及び3は、タンタル三次粒子中の酸素を十分に除去できた。しかし、坩堝へのTa・Mg混合物の厚さを薄くしたため、比較例2及び3では、生産性の低下の懸念がある。加えて、比較例2のタンタル粒子のBET比表面積は3.05m2/g、比較例3のタンタル粒子のBET比表面積は2.12m2/gであり、実施例1〜5のBET比表面積より小さくなっていた。このことから、比較例2及び3のタンタル粒子を用いた電解コンデンサには、CV値の低下の懸念がある。
これらの結果から、本発明を適用することで、酸素含量が十分に低減されたタンタル粒子を効率的に得られることが判った。
一方、加熱温度が300℃である比較例1は、脱酸素処理の前後においてタンタル三次粒子の酸素含量に違いが認められなかった。
加熱温度を750℃とした比較例2及び3は、タンタル三次粒子中の酸素を十分に除去できた。しかし、坩堝へのTa・Mg混合物の厚さを薄くしたため、比較例2及び3では、生産性の低下の懸念がある。加えて、比較例2のタンタル粒子のBET比表面積は3.05m2/g、比較例3のタンタル粒子のBET比表面積は2.12m2/gであり、実施例1〜5のBET比表面積より小さくなっていた。このことから、比較例2及び3のタンタル粒子を用いた電解コンデンサには、CV値の低下の懸念がある。
これらの結果から、本発明を適用することで、酸素含量が十分に低減されたタンタル粒子を効率的に得られることが判った。
Claims (1)
- タンタル化合物を還元剤で還元して、金属タンタル同士が凝集した凝集粒子を得る工程と、
マグネシウムの存在下で、前記凝集粒子を300℃超600℃未満で加熱する工程と、を備えるタンタル粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012203395A JP2014058712A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | タンタル粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012203395A JP2014058712A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | タンタル粒子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014058712A true JP2014058712A (ja) | 2014-04-03 |
Family
ID=50615433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012203395A Pending JP2014058712A (ja) | 2012-09-14 | 2012-09-14 | タンタル粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014058712A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016046026A (ja) * | 2014-08-21 | 2016-04-04 | 日本ゼオン株式会社 | 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法 |
JP2017077570A (ja) * | 2015-10-20 | 2017-04-27 | マツダ株式会社 | 鋳物砂の再生方法 |
WO2018075419A1 (en) * | 2016-10-21 | 2018-04-26 | Global Advanced Metals, Usa, Inc. | Tantalum powder, anode, and capacitor including same, and manufacturing methods thereof |
CN110316706A (zh) * | 2019-06-06 | 2019-10-11 | 武汉大学 | 一种氮化五氧化二钽的熔盐化学方法及其制备获得的氮化五氧化二钽 |
JP2021510180A (ja) * | 2017-12-28 | 2021-04-15 | ニンシア オリエント タンタル インダストリー カンパニー、 リミテッド | タンタル粉末およびそれに関する調製法 |
-
2012
- 2012-09-14 JP JP2012203395A patent/JP2014058712A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016046026A (ja) * | 2014-08-21 | 2016-04-04 | 日本ゼオン株式会社 | 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法 |
JP2017077570A (ja) * | 2015-10-20 | 2017-04-27 | マツダ株式会社 | 鋳物砂の再生方法 |
WO2018075419A1 (en) * | 2016-10-21 | 2018-04-26 | Global Advanced Metals, Usa, Inc. | Tantalum powder, anode, and capacitor including same, and manufacturing methods thereof |
JP2020500260A (ja) * | 2016-10-21 | 2020-01-09 | グローバル アドバンスト メタルズ ユー.エス.エー.,インコーポレイティド | タンタル粉末、それを含むアノード及びキャパシタならびにそれらの製造方法 |
TWI744397B (zh) * | 2016-10-21 | 2021-11-01 | 美商環球高級金屬美國公司 | 鉭粉、陽極和包含其的電容器及彼等之製造方法 |
IL266069B1 (en) * | 2016-10-21 | 2024-06-01 | Global Advanced Metals Usa Inc | Tantalum powder, anode, capacitor containing them, and production methods for them |
IL266069B2 (en) * | 2016-10-21 | 2024-10-01 | Global Advanced Metals Usa Inc | Tantalum powder, anode, capacitor containing them, and production methods for them |
JP2021510180A (ja) * | 2017-12-28 | 2021-04-15 | ニンシア オリエント タンタル インダストリー カンパニー、 リミテッド | タンタル粉末およびそれに関する調製法 |
JP6991339B2 (ja) | 2017-12-28 | 2022-01-14 | ニンシア オリエント タンタル インダストリー カンパニー、 リミテッド | タンタル粉末およびそれに関する調製法 |
CN110316706A (zh) * | 2019-06-06 | 2019-10-11 | 武汉大学 | 一种氮化五氧化二钽的熔盐化学方法及其制备获得的氮化五氧化二钽 |
CN110316706B (zh) * | 2019-06-06 | 2022-10-18 | 武汉大学 | 一种氮化五氧化二钽的熔盐化学方法及其制备获得的氮化五氧化二钽 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10373764B2 (en) | Process for manufacturing agglomerated particles of tantalum, mixed tantalum powder and process for manufacturing same, tantalum pellet and process for manufacturing same, and capacitor | |
KR101629816B1 (ko) | 커패시터용 탄탈륨 분말의 제조방법 | |
JP2021515846A (ja) | 球状粉末含有陽極及びコンデンサ | |
JP2014058712A (ja) | タンタル粒子の製造方法 | |
CZ300529B6 (cs) | Práškový tantal, zpusob jeho výroby a z nej vyrobené anody a kondezátory | |
CA2304030C (en) | Metal powder | |
MXPA06012245A (es) | Procedimiento para la obtencion de polvo de niobio y de tantalo. | |
JP2012082126A (ja) | 多孔質シリコン複合体粒子及びその製造方法 | |
JP6412251B2 (ja) | コンデンサグレード粉末の製造方法及び前記方法から得られたコンデンサのグレード粉末 | |
WO2006062234A1 (ja) | 金属粉末および多孔質焼結体の製造方法、金属粉末、およびコンデンサ | |
CN102438939B (zh) | 氢产生材料及其制造方法、氢的制造方法以及氢制造装置 | |
JP6242814B2 (ja) | ニオブコンデンサ陽極用化成体及びその製造方法 | |
JP5654213B2 (ja) | タンタル凝集粒子の製造方法、タンタルペレットおよびキャパシタ | |
WO2015123851A1 (zh) | 一种钽粉的湿式球磨方法及由该方法制备的钽粉 | |
WO2013115366A1 (ja) | タンタル粒子及びその製造方法 | |
JP2015160780A (ja) | 酸化ニッケルの製造方法および得られる酸化ニッケル微粉末 | |
JP2013023427A (ja) | 一酸化ニオブの製造方法 | |
JPH11236631A (ja) | 固相還元法による微細ニッケル粉末の製造方法および該方法により得られた微細ニッケル粉末 | |
JP2012255209A (ja) | タンタル粒子の製造方法 | |
JP5697940B2 (ja) | タンタル粉体、その製造方法および脱酸素方法 | |
JP6258222B2 (ja) | ニオブコンデンサ陽極用化成体及びその製造方法 | |
JP6724536B2 (ja) | リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 | |
JP2022071326A (ja) | 金属系粉体及びその製造方法 | |
JP5105879B2 (ja) | 金属粉末および多孔質焼結体の製造方法 | |
CN116239093A (zh) | 一种从磷酸铁锂废粉中回收磷酸铁锂的方法及磷酸铁锂成品 |