JP2003166002A - ニオブまたはタンタル粉末およびその製造方法ならびにそれを用いた多孔質焼結体および固体電解コンデンサ - Google Patents

ニオブまたはタンタル粉末およびその製造方法ならびにそれを用いた多孔質焼結体および固体電解コンデンサ

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JP2003166002A JP2001367637A JP2001367637A JP2003166002A JP 2003166002 A JP2003166002 A JP 2003166002A JP 2001367637 A JP2001367637 A JP 2001367637A JP 2001367637 A JP2001367637 A JP 2001367637A JP 2003166002 A JP2003166002 A JP 2003166002A
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Hitoshi Iijima
均 飯島
Koichi Takayama
幸一 高山
Ryosuke Suzuki
亮輔 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空孔率が大きく高表面積で、かつ、閉孔や壷
状空孔のない相互に連結した空孔を多数有する多孔質焼
結体を製造可能なタンタルまたはニオブ粉末を提供す
る。 【解決手段】 長さが0.5〜20μmで、長さに対し
て垂直方向の最大長さが0.05〜5μmの柱状粒子を
含むニオブまたはタンタル粉末である。このようなニオ
ブまたはタンタル粉末は、ニオブまたはタンタルの金属
塩を希釈塩に添加し、前記希釈塩中の前記金属塩に還元
剤を作用させて前記ニオブまたはタンタルを生成させる
方法において、前記希釈塩として少なくとも塩化カリウ
ムを含有するものを使用することによって得られる。こ
の粉末は、固体電解コンデンサのアノード電極原料に最
適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解コンデン
サのアノード電極原料に好適なニオブまたはタンタル粉
末およびその製造方法ならびにそれを用いた多孔質焼結
体および固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】タンタルまたはニオブからなる固体電解
コンデンサのアノード電極は、空孔率が70容量%程度
の多孔質焼結体から形成されている。この多孔質焼結体
は、通常、タンタルまたはニオブのプライマリーパウダ
ーを加熱して熱凝集させた凝集粒を所定形状にプレス成
形し、ついでこれを焼結する方法で製造され、相互に連
結した多数の空孔を備えたスポンジ状のものである。固
体電解コンデンサは、このような多孔質焼結体を化成酸
化した後、その表面に固体電解質の被膜を形成し、その
上に陰極端子をハンダ付けなどで接続した後、樹脂外被
を形成することにより製造できる。
【0003】固体電解質としては、従来より酸化マンガ
ンが主に用いられている。酸化マンガンからなる被膜を
形成する場合には、まず、多孔質焼結体を硝酸マンガン
溶液などのマンガン塩を含む原料溶液に含浸する。この
際、多孔質焼結体は上述したように相互に連結した空孔
を備えているため、空孔から原料溶液が多孔質焼結体の
内部全体に浸透する。そして、このように原料溶液が含
浸された多孔質焼結体を加熱して、マンガン塩を熱分解
することにより、酸化マンガンからなる固体電解質被膜
を形成することができる。このような固体電解コンデン
サにおいて、多孔質焼結体の表面積と固体電解コンデン
サの容量とは比例するため、高容量の固体電解コンデン
サを製造するためには、できるだけ空孔率の大きな高表
面積の多孔質焼結体を使用することが必要となる。
【0004】また、固体電解コンデンサには、容量が大
きいだけでなく、ESR(等価直列抵抗)が小さいこと
も求められる。ESRが増加すると、電子回路の高速化
にともなう信号処理の不良が発生しやすくなる。このよ
うなESRの増加は、固体電解質被膜の形成不良に起因
する。そして、固体電解質被膜の形成不良は、多孔質焼
結体の有する空孔に閉孔や壷状空孔が多いほど発生しや
すい。例えば、多孔質焼結体の内部に形成された空孔
が、多孔質焼結体の表面側に形成された空孔と互いに連
結していない場合、すなわち、閉孔である場合、このよ
うな多孔質焼結体に固体電解質の原料溶液を含浸して
も、内部の空孔には溶液が十分に浸透せず、固体電解質
被膜の形成不良が起こる。また、たとえ、多孔質焼結体
の内部に形成された空孔が、多孔質焼結体の表面に形成
された空孔の一部と連結していても、このような空孔は
有底で浅い、いわゆる壷状空孔であって原料溶液が十分
には浸透しない。
【0005】このように容量が大きく、かつ、ESRの
小さな固体電解コンデンサを製造するためには、空孔率
が大きく高表面積で、かつ、閉孔や壷状空孔のない相互
に連結した空孔を多数有する多孔質焼結体をアノード電
極に使用することが重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、空孔率
が大きく高表面積の多孔質焼結体を製造するためには、
原料であるタンタルまたはニオブの凝集粒の空孔率を高
める必要があるが、空孔率が高い凝集粒はその強度、す
なわち凝集強度が小さいため、プレス成形時に空孔が潰
れやすく、閉孔を生じやすいという問題があった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、空孔率が大きく高表面積で、かつ、閉孔や壷状空孔
のない相互に連結した空孔を多数有する多孔質焼結体を
製造可能なタンタルまたはニオブ粉末を提供し、高容量
で、低ESRの固体電解質コンデンサを提供することを
課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のニオブまたはタ
ンタル粉末は、柱状粒子を含むニオブまたはタンタル粉
末であって、前記柱状粒子は、長さが0.5〜20μm
で、長さに対して垂直方向の最大長さが0.05〜5μ
mであることを特徴とする。前記柱状粒子は、前記長さ
が3〜20μmで、前記長さに対して垂直方向の最大長
さが0.05〜1μmであることが好ましい。また、本
発明のニオブまたはタンタル粉末は、前記柱状粒子が複
数放射状に集合した放射状集合粒子を含むことが好まし
い。本発明のニオブまたはタンタル粉末の製造方法は、
ニオブまたはタンタルの金属塩を希釈塩に添加し、前記
希釈塩中の前記金属塩に還元剤を作用させて前記ニオブ
またはタンタルを生成させる方法において、前記希釈塩
が少なくとも塩化カリウムを含有することを特徴とす
る。前記希釈塩中の塩化カリウム含有量は50モル%以
上であることが好ましい。本発明の多孔質焼結体は、上
記ニオブまたはタンタル粉末を焼結させたことを特徴と
する。本発明の固体電解コンデンサは、前記多孔質焼結
体からなるアノード電極を備えていることを特徴とす
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のニオブまたはタンタル粉末は、結晶が一方向に
成長した柱状粒子を含むものである。このような柱状粒
子を含むニオブまたはタンタル粉末を、多孔質焼結体を
製造する際の原料として使用すると、球形粒子のみから
なり柱状粒子を含まないニオブまたはタンタル粉末を使
用する場合に比べて、空孔率が大きく高表面積で、か
つ、閉孔や壷状空孔のない相互に連結した空孔を有する
多孔質焼結体を製造することができる。
【0010】すなわち、多数の粒子が集合するとこれら
の粒子間には空孔ができるが、これらの粒子がすべて球
形であると、これをプレス成形して得られた成形体の空
孔は球形粒子に周囲を囲まれた閉孔や、有底で浅い壷状
空孔になりやすい。その結果、このような成形体を焼結
して得られた多孔質焼結体も閉孔や壷状空孔を有するも
のとなる。多孔質焼結体をアノード電極とする際には、
これに固体電解質の原料溶液を浸透させる必要がある
が、多孔質焼結体が閉孔や壷状空孔を有する場合には原
料溶液の浸透が不十分となり、固体電解質の形成不良が
生じやすい。その結果、得られた固体電解コンデンサは
ESRが大きくなってしまう。ところが、ニオブまたは
タンタル粉末中に柱状粒子が含まれると、これを成形し
た成形体中において複数の柱状粒子が交差したり、球状
粒子と柱状粒子とが接したりするので、成形体表面に通
じる開孔した空孔が形成されやすく、閉孔や壷状空孔が
形成されにくい。その結果、空孔率が大きく高表面積
で、かつ、閉孔や壷状空孔のない相互に連結した空孔を
多数有する多孔質焼結体を製造することができ、高性能
の固体電解コンデンサを提供することができる。
【0011】そして、本発明のニオブまたはタンタル粉
末には、特に、長さLが0.5〜20μmで、長さに対
して垂直方向の断面の最大長さDが0.05〜5μmで
ある特定の大きさの柱状粒子が含まれる。このような大
きさの柱状粒子が含まれる粉末は、これを加熱して凝集
させた際の凝集強度が特に大きく、プレス成形時にも空
孔が潰れにくい。よって、高容量のコンデンサを製造す
るのに十分な表面積と互いに連結した空孔とを有する多
孔質焼結体を製造できる。また、このような粉末は、そ
のハンドリング性も優れるため作業効率も良好であり、
高性能のコンデンサを効率的に製造することも可能とな
る。さらに好ましくは、長さLが3〜20μmで、長さ
に対して垂直方向の断面の最大長さDが0.05〜1μ
mである柱状粒子が含まれると、凝集強度とハンドリン
グ性をともに有し、そのため、表面積が大きく互いに連
結した空孔を有する多孔質焼結体をより安定に製造する
ことができる。
【0012】ここで柱状粒子の長さLが0.5μm未満
であったり、または、長さに対して垂直方向の断面の最
大長さDが0.05μm未満である場合には、ハンドリ
ングしにくいうえ、このような柱状粒子を含むニオブま
たはタンタル粉末から得られる多孔質焼結体の空孔率が
不十分となる。一方、柱状粒子の長さLが20μmを超
えるか、長さに対して垂直方向の断面の最大長さDが5
μmを超える場合には、柱状粒子の表面積が小さくな
り、高容量のコンデンサの製造には適さず、また、凝集
強度が不十分となってプレス成形時に空孔が潰れやすく
なる。より好ましくは、柱状粒子の長さLと、長さに対
して垂直方向の断面の最大長さDとの比D/Lが1/1
00〜1/3の範囲であり、さらに好ましくは1/50
〜1/5である。1/100未満では柱状粒子自体の強
度が不十分となり、アノード電極への加工が困難となり
やすく、1/3を超えると、その形状は球形粒子に近づ
くため柱状粒子の効果が十分に発現しない場合がある。
また、柱状粒子の長さに対して垂直方向の断面形状には
特に制限はないが、通常四角形であり、三角形以外の多
角形、円形などの他の形状であってもよい。
【0013】また、このような大きさの柱状粒子のう
ち、特に長さLが3〜20μmで、長さに対して垂直方
向の断面の最大長さDが0.5〜1μmであるものを含
むニオブまたはタンタル粉末は、高圧化成が可能である
ため、特に高耐圧用途のコンデンサのアノード電極への
使用に適する。高耐圧用途のコンデンサとは、使用時の
電圧が30Vを超える高信頼用途向きのもので、化成膜
を厚くする必要があり、粒子の太さが重要となる。
【0014】本発明のニオブまたはタンタル粉末に含ま
れる上記柱状粒子の含有量には制限はないが、好ましく
は20質量%以上である。柱状粒子の含有量がこのよう
な範囲であると柱状粒子の効果が十分に発現し、空孔率
が大きく高表面積で、かつ、閉孔や壷状空孔のない相互
に連結した空孔を多数有する多孔質焼結体をより安定に
製造することができる。より好ましい上記柱状粒子の含
有量は50質量%以上である。
【0015】また、本発明のニオブまたはタンタル粉末
には、上記柱状粒子が複数放射状に集合した放射状集合
粒子が含まれることが好ましい。この放射状集合粒子
は、約10〜1000本の柱状粒子のそれぞれの一方の
端部が集合して中心点を形成し、柱状粒子のそれぞれの
他方の端部がこの中心点から放射状に延びた形態のもの
である。このような形態の放射状集合粒子が含まれる
と、隣接した放射状集合粒子間には、確実に連結した空
孔が形成されるため、空孔率が大きく高表面積で、か
つ、閉孔や壷状空孔のない相互に連結した空孔を多数有
する多孔質焼結体をより確実に製造することができる。
【0016】本発明のニオブまたはタンタル粉末は、例
えば、原料としてニオブまたはタンタルの金属塩を使用
し、少なくともこの金属塩を希釈塩に添加し、希釈塩中
の金属塩に対して還元剤を作用させてニオブまたはタン
タルを生成させる方法において、特に希釈塩として塩化
カリウムを含有するものを使用する方法により製造でき
る。ここで、少なくとも金属塩が希釈塩に添加された状
態であれば、還元剤は必ずしも希釈塩中に添加されなく
てもよい。例えば、後に詳述するように気化させた還元
剤を、金属塩が添加され溶融した希釈塩の上方に導入し
て、気体の還元剤を希釈塩に接触させることにより、還
元反応を行ってもよい。
【0017】使用する希釈塩としては、塩化カリウムを
含有する限り、塩化カリウム単独からなるものでも、塩
化カリウムと塩化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カ
ルシウムなどとの共晶塩でもよい。好ましくは、塩化カ
リウムを50モル%以上含有するものであり、より好ま
しくは70モル%以上含有するものである。具体的に
は、塩化カリウムのみからなる希釈塩、あるいは、塩化
カリウムを50モル%以上含み、塩化ナトリウムを50
モル%以下の範囲で含むKCl−NaCl共晶塩を例示
できる。このように塩化カリウムを含有する希釈塩を使
用することによって、上記特定の大きさの柱状粒子を効
率的に生成させることができる。
【0018】また、原料に使用する金属塩としては、K
2TaF7、K2NbF7、K2NbF6等のフッ化カリウム
塩、五塩化ニオブ、低級塩化ニオブ、五塩化タンタル、
低級塩化タンタル等の塩化物、ヨウ化物、臭化物などの
ハロゲン化物が挙げられ、特に金属がニオブの場合に
は、フッ化ニオブ酸カリウム等のフッ化ニオブ酸塩も使
用可能である。しかしながら、これらの中では塩化物を
使用することが好ましい。塩化物を使用することによっ
て柱状粒子を効率的に生成させることができる。還元剤
としては、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等の
アルカリ金属やアルカリ土類金属、これらの水素化物、
すなわち水素化マグネシウム、水素化カルシウムが挙げ
られるが、これらの中では、マグネシウムを使用するこ
とが好ましい。還元剤としてマグネシウムを使用するこ
とによって、上記特定の大きさの柱状粒子を効率的に生
成させることができる。
【0019】次にこのようなニオブまたはタンタル粉末
の具体的な製造方法を、タンタルの場合を例示し、図1
を用いて説明する。[第1の製造例]図中符号1は緻密
質のムライト、あるいはステンレス製などの反応容器で
ある。この反応容器1は下底を有する円筒状の本体1a
と、この本体1aに被せる蓋体1bからなり、本体1a
の周囲にはヒータ1cが設けられている。また、蓋体1
bには、開閉弁7aが備えられた原料投入用のパイプ7
と、反応容器1内のガスを置換したり反応容器1内を減
圧したりするためのガス流通管6と、温度計4とが設け
られている。
【0020】そして、この反応容器1の中には、希釈塩
3が投入された第1るつぼ2が配置されている。この第
1るつぼ2は、緻密質アルミナや酸化マグネシウムから
なる有底円筒状のものである。また、符号9は還元剤8
の入った小型の第2るつぼである。この第2るつぼ9に
は、つり下げ治具10が取り付けられていて、反応容器
1の外側でこれを操作することにより反応容器1内を昇
降可能になっている。また、第2るつぼ9の壁面には、
気体や液体が流通可能な図示略の孔が複数形成されてい
る。なお、第2るつぼ9の材質は、還元剤8に対して熱
力学的および化学的に安定であるものであれば制限はな
く、例えば還元剤8がマグネシウムである場合には酸化
マグネシウムが好ましい。
【0021】図1のようにしてタンタル粉末を製造する
場合には、まず始めに、第1るつぼ2の中に希釈塩3と
して固体の塩化カリウムを投入した後、これを反応容器
1の本体1a内に配置して、蓋体1bを被せる。つい
で、パイプ7の開閉弁7aを閉じ、ヒータ1cを作動さ
せるとともに、ガス流通管6に真空ポンプを接続して反
応容器1内を減圧し、塩化カリウムを乾燥する。このよ
うに希釈塩3を乾燥して、希釈塩3中の水分を除去する
ことによって、希釈塩3の安定性が高まるとともに、生
成するタンタル粉末が水分で酸化するのを防ぐことがで
きる。乾燥温度は室温〜600℃で、乾燥時間は1〜2
4時間である。ついで、ガス流通管6からアルゴンガ
ス、窒素ガスなどの不活性ガスを流通させて、反応容器
1内を不活性ガス雰囲気とした後、600〜1000℃
まで昇温して0〜2時間保持し、反応容器1内の塩化カ
リウムを溶融状態とする。
【0022】そしで、希釈塩3である塩化カリウムが溶
融状態になった後、還元剤8であるマグネシウムの入っ
た第2るつぼ9を塩化カリウム中に降下させ、660〜
1000℃で0.5時間〜12時間程度保持する。する
と、第2るつぼ9の壁面には、気体や液体が流通可能な
図示略の孔が複数形成されているので、第2るつぼ9中
のマグネシウムと第1るつぼ2中の塩化カリウムはこれ
らの孔を流通し、両者の少なくとも一部は互いに混合し
て溶融した状態となる。その後、原料投入用のパイプ7
から、原料の金属塩である五塩化タンタルを加える。こ
の際、パイプ7の一方の端部は、溶融状態の希釈塩3中
に浸漬するようにしておく。五塩化タンタルを加える方
法としては、五塩化タンタルをあらかじめ加熱して気化
させて希釈塩3中に吹き込む方法や、五塩化タンタルの
粉体をアルゴンガスや窒素ガスに同伴させて希釈塩3中
に吹き込む方法などを例示できる。
【0023】このようにして、希釈塩3中において還元
剤8と五塩化タンタルとを接触させることによって、五
塩化タンタルはマグネシウムと反応して還元され、タン
タルが生成する。そして、この際、特に希釈塩3として
塩化カリウムを使用しているので、生成したタンタル粉
末中には、長さLが0.5〜20μmで、長さに対して
垂直方向の断面の最大長さDが0.05〜5μmである
特定の大きさの柱状粒子が含まれる。希釈塩3として塩
化カリウムを含むものを使用することにより、このよう
な特定の大きさの柱状粒子が生成しやすくなる理由につ
いては未だ明らかではないが、塩化カリウムに対する金
属塩および還元剤8の溶解度が関係している可能性があ
る。例えば、金属塩として五塩化タンタルを使用し、希
釈塩3として塩化カリウムを使用する場合、これらの塩
化カリウムへの溶解度がそれぞれ200ppm以上上と
なるような条件で還元反応を行うと、特に好ましく上記
特定の大きさの柱状粒子を効率的に製造することができ
る。
【0024】このようにして、五塩化タンタルに対して
マグネシウムを作用させる還元反応を行った後、パイプ
7と第2るつぼ9を第1るつぼ2内から引き上げ、ヒー
タ1cの作動を停止して、反応容器1内の内容物を自然
冷却する。ついで、内容物を流水および酢酸などの酸で
洗浄した後、水分を遠心分離、ろ過などで分離してタン
タル粉末を得る。得られたタンタル粉末中の粒子の形
状、大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察
で特定することができる。このようにして得られたタン
タル粉末中においては、少なくとも20質量%以上の上
記特定の大きさの柱状粒子が含まれる。また、エネルギ
ー分散X線分光(EDX)、粉末X線回折などにより、
粒子の元素分析や相同定を行える。
【0025】次に、このような特定の柱状粒子を含むタ
ンタルの粉末の具体的な製造方法の別の例を図2を用い
て説明する。 [第2の製造例]この第2の製造例では、希釈塩3であ
る塩化カリウム中に金属塩の五塩化タンタルを加えて混
合塩を製造する第1工程と、第1工程で得られた混合塩
に還元剤8であるマグネシウムを作用させて、タンタル
粉末を生成させる第2工程とを有する。図2(a)は第
1工程を説明するものであり、図1と同じ構成要素につ
いては同じ符号を付している。なお、この例において、
第1るつぼ2は緻密な酸化マグネシウム製である。ま
た、原料投入用のパイプ7の一方の端部にはタンタル箔
7bが備えられていて、五塩化タンタルはこのタンタル
箔7bを透過して希釈塩3中に供給されるようになって
いる。
【0026】このように五塩化タンタルを、タンタル箔
7bを透過させて供給すると、透過させずに供給する場
合に比べて、塩化カリウム中に溶解する五塩化タンタル
の溶解度が増加する。その結果、長さLが0.5〜20
μmで、長さに対して垂直方向の断面の最大長さDが
0.05〜5μmである特定の大きさの柱状粒子が含ま
れるタンタル粉末が生成しやすくなる。五塩化タンタル
にタンタル箔7bを透過させることによって溶解度が向
上する理由は明らかではないが、タンタル箔7bを透過
することにより五塩化タンタルが不均化反応を起こし、
五塩化タンタルよりもより塩化カリウムに溶解しやすい
より低級の塩化物が生成するためと考えられる。
【0027】第1工程においては、まず、850〜95
0℃に加熱され、溶融した塩化カリウム中に、パイプ7
から五塩化タンタルを吹き込む。その後、パイプ7を引
き上げ、反応容器1内の内容物を自然冷却することによ
って、希釈塩3である塩化カリウム中に五塩化タンタル
が溶解した混合塩12の塊を製造する。
【0028】ついで、図2(b)に示したアルミナ製の
第3るつぼ13に、第1工程で得られた混合塩12の塊
を入れた後、この第3のるつぼ13をステンレスなどか
らなる密封容器11内に配置する。そして、還元剤8の
マグネシウムが入れられた酸化マグネシウム製の第4る
つぼ14を、同じく密封容器11内に配置する。つい
で、このマグネシウムが酸化して消失することを防ぐた
めに、密封容器11内をアルゴンガス、窒素ガスなどで
置換して不活性ガス雰囲気とするか、真空とする。そし
て、この密封容器11内を、この周囲に配されたヒータ
11aで850〜950℃まで加熱して、1〜6時間保
持する。すると、第4るつぼ14内のマグネシウムが気
化し、密封容器11内の気相中にガス状のマグネシウム
が存在する状態となる。そして、このガス状のマグネシ
ウムが第3るつぼ13内の混合塩12に作用し、混合塩
12内の五塩化タンタルが還元され、混合塩12中にタ
ンタル粉末が生成する。このようにして第2工程におい
て、第1工程で得られた混合塩12に還元剤8を作用さ
せて、タンタル粉末を生成させる。そして、第1の製造
例の場合と同様の処理を引き続き行って、タンタル粉末
を回収する。このようにして得られたタンタル粉末中に
おいては、少なくとも20質量%以上の上記特定の大き
さの柱状粒子が含まれる。
【0029】なお、第1の製造例および第2の製造例に
おいては、柱状粒子を含むタンタルの粉末の製造方法に
ついて具体的に説明したが、柱状粒子を含むニオブ粉末
も同様に製造できる。すなわち、希釈塩3として塩化カ
リウムを含むものを使用し、原料として五塩化ニオブな
どを、還元剤としてはマグネシウムなどを使用して、図
1および2のようにして同様にニオブ粉末を製造するこ
とができる。
【0030】以上のようにして得られたニオブ粉末また
はタンタル粉末に対して、熱凝集、脱酸素、徐酸化安定
化処理等の前処理を行った後、この粉末をプレス成形な
どで成形した後、これを焼結して多孔質焼結体を製造す
る。熱凝集は、ニオブ粉末またはタンタル粉末を加熱し
て凝集させ、比較的粒径の大きな2次粒子とするために
行うものであって、通常、真空中で800〜1400℃
で、0.5〜2時間程度加熱して行う。熱凝集の前に
は、ニオブ粉末またはタンタル粉末に振動を与えなが
ら、粉体全体が均一に濡れる量の水や、リンまたはホウ
素を含む水溶液を添加する予備凝集を行ってもよい。つ
いで、熱凝集で得られたケーキ状の粉体を、大気中また
は不活性ガス中で解砕した後マグネシウム等の還元剤を
加え、粒子中の酸素と還元剤を反応させる脱酸素と、そ
の後の冷却中に不活性ガス中に空気を導入してニオブま
たはタンタル粉末の徐酸化安定化処理を順次行った後、
粉末中に残留しているマグネシウム、酸化マグネシウム
等の還元剤由来の物質を酸洗浄して除去する。
【0031】このようにして熱凝集、脱酸素、徐酸化安
定化処理を行ったニオブ粉末またはタンタル粉末に、バ
インダーとして3〜5質量%程度のショウノウ(C10
16O)等を加えてプレス成形し、ついで、1000〜1
400℃で0.3〜1時間度加熱して焼結し、多孔質焼
結体を製造する。この多孔質焼結体をアノード電極とし
て使用する場合には、ニオブ粉末またはタンタル粉末を
プレス成形する前に、この粉末中にリード線を埋め込ん
でプレス成形し、焼結して、リード線を一体化させる。
そして、これを例えば温度30〜90℃、濃度0.1質
量%程度のリン酸、硝酸等の電解溶液中で、40〜80
mA/gの電流密度で20〜60Vまで昇圧して1〜3
時間処理し、化成酸化を行って、固体電解コンデンサ用
のアノード電極とする。さらに、公知の方法で二酸化マ
ンガン、酸化鉛や導電性高分子等の固体電解質層、グラ
ファイト層、銀ペースト層を多孔質焼結体上に順次形成
し、ついでその上に陰極端子をパンダ付けなどで接続し
た後、樹脂外被を形成することにより固体電解コンデン
サが得られる。
【0032】以上説明したように、上述のニオブまたは
タンタル粉末には、特に、長さLが0.5〜20μm
で、長さに対して垂直方向の断面の最大長さDが0.0
5〜5μmである特定の大きさの柱状粒子が含まれる。
このような大きさの柱状粒子が含まれるニオブまたばタ
ンタル粉末は、これを加熱して凝集させた際の凝集強度
が大きくプレス成形時にも空孔が潰れにくい。また、高
容量のコンデンサを製造するのに十分な表面積を有し、
かつ、閉孔や壷状空孔がなく、互いに連結した空孔を有
する多孔質焼結体を製造できる。このような多孔質焼結
体には、硝酸マンガン溶液などの固体電解質の原料溶液
がその内部にまで十分に浸透するため、固体電解質被膜
を均質に良好に形成できる。よって、このようなニオブ
またはタンタル粉末を使用すると、容量が大きいだけで
なく、ESR(等価直列抵抗)が小さい高性能の固体電
解コンデンサを製造できる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
する。 [実施例1]図1に示すようにしてタンタル粉末を製造
した。第1るつぼ2としては、内径42mmφ、高さ1
55mmの緻密質アルミナ(Al23)製のものを使用
し、これに希釈塩3として塩化カリウムを200g充填
した。この第1るつぼ2を反応容器1内に配し、900
℃まで昇温、保持し、溶融させた。ついで、還元剤8と
してマグネシウムが5g入った第2るつぼ8(内径19
mmφ、多孔質酸化マグネシウム(MgO)製)を第1
るつぼ2内に降下させて1時間そのまま保持した。つい
で、内径8mmφのパイプ7(MgO製)から、五塩化
タンタル5gを1時間かけて、第1るつぼ2に気化させ
ながら供給した。その後パイプ7を引き上げ、第1るつ
ぼ2内の内容物を自然冷却し、これを流水と酢酸で洗い
流し、乾燥させてタンタル粉末を得た。得られた粉末の
SEM写真を図3に示す。図3に示したとおり、このタ
ンタル粉末には、長さが0.5〜20μm、長さに対し
て垂直方向の最大長さ(対角線の長さ)が0.05〜5
μmの四角柱状の粒子が含まれていた。また、タンタル
粉末全体に対するこのような柱状粒子の割合は約70質
量%であった。なお、柱状粒子の割合は、得られたタン
タル粉末全体のSEM写真を画像処理して求めた。な
お、別途、塩化カリウム200gを900℃に加熱し
て、この中に上記方法と同様にして五塩化タンタル注入
して五塩化タンタルの溶解度を測定したところ、溶解度
は2200ppmであった。また、別途、塩化カリウム
200gを900℃に加熱して、この中に上記方法と同
様にしてマグネシウムを加え、マグネシウムの溶解度を
測定したところ、溶解度は500ppmであった。
【0034】[実施例2]希釈塩3として、塩化カリウ
ム50モル%と塩化ナトリウム50モル%とからなる共
晶塩を使用した以外は実施例1と同様の方法でタンタル
粉末を製造した。得られた粉末のSEM写真を図4に示
す。図4に示したとおり、このタンタル粉末には、長さ
が0.5〜20μm、長さに対して垂直方向の最大長さ
(対角線の長さ)が0.05〜5μmの四角柱状の粒子
が含まれていた。また、タンタル粉末全体に対するこの
ような柱状粒子の割合は約50質量%であった。なお、
別途、ここで使用した共晶塩200gを900℃に加
熱して、この中に上記方法と同様にして五塩化タンタル
注入して五塩化タンタルの溶解度を測定したところ、溶
解度は1500ppmであった。また、別途、同じ共晶
塩200gを900℃に加熱して、この中に上記方法と
同様にしてマグネシウムを加え、マグネシウムの溶解度
を測定したところ、溶解度は1400ppmであった。
【0035】[比較例1]希釈塩3として塩化カルシウ
ムを使用した以外は実施例1と同様の方法でタンタル粉
末を製造した。得られた粉末のSEM写真を図5に示
す。図5に示したとおり、このタンタル粉末には四角柱
状の粒子が含まれておらず、すべて球状であった。別
途、塩化カルシウム200gを900℃に加熱して、こ
の中に上記方法と同様にして五塩化タンタルを注入して
五塩化タンタルの溶解度を測定したところ、溶解度は6
9ppmと小さかった。また、別途、塩化カルシウム2
00gを900℃に加熱して、この中に上記方法と同様
にしてマグネシウムを加え、マグネシウムの溶解度を測
定したところ、溶解度は800ppmであった。
【0036】[実施例3]パイプ7から五塩化タンタル
を加える代わりに五塩化ニオブを加えた以外は実施例1
と同様にして、ニオブ粉末を得た。得られた粉末のSE
M写真を図6に示す。図6に示したとおり、このニオブ
粉末には、長さが0.5〜20μm、長さに対して垂直
方向の最大長さ(対角線の長さ)が0.05〜5μmの
四角柱状の粒子が含まれていた。また、ニオブ粉末全体
に対するこのような柱状粒子の割合は約70質量%であ
った。なお、 別途、塩化カリウム200gを900℃
に加熱して、この中に上記方法と同様にして五塩化ニオ
ブを注入して五塩化ニオブの溶解度を測定したところ、
溶解度は960ppmであった。また、別途、塩化カリ
ウム200gを900℃に加熱して、この中に上記方法
と同様にしてマグネシウムを加え、マグネシウムの溶解
度を測定したところ、実施例1ですでに述べたとおり溶
解度は500ppmであった。
【0037】[実施例4]パイプ7から五塩化タンタル
を加える代わりに五塩化ニオブを加えた以外は実施例2
と伺様にして、ニオブ粉末を得た。得られた粉末のSE
M写真を図7に示す。図7に示したとおり、このニオブ
粉末には、長さが0.5〜20μm、長さに対して垂直
方向の最大長さ(対角線の長さ)が0.05〜5μmの
四角柱状の粒子が含まれていた。また、ニオブ粉末全体
に対するこのような柱状粒子の割合は約50質量%であ
った。なお、別途、ここで使用した共晶塩200gを9
00℃に加熱して、この中に上記方法と同様にして五塩
化ニオブを注入して五塩化ニオブの溶解度を測定したと
ころ、溶解度は250ppmであった。また、別途、同
じ共晶塩200gを900℃に加熱して、この中に上記
方法と同様にしてマグネシウムを加え、マグネシウムの
溶解度を測定したところ、実施例2ですでに述べたとお
り溶解度は1400ppmであった。
【0038】[比較例2]パイプ7から五塩化タンタル
を加える代わりに五塩化ニオブを加えた以外は比較例1
と同様にして、ニオブ粉末を得た。得られた粉末のSE
M写真を図8に示す。図8に示したとおり、このニオブ
粉末には四角柱状の粒子が含まれおらず、すべて球状で
あった。なお、別途、ここで使用した塩化カルシウム2
00gを900℃に加熱して、この中に上記方法と同様
にして五塩化ニオブを注入して五塩化ニオブの溶解度を
測定したところ、溶解度は36ppmであった。また、
別途、同じ塩化カルシウム200gを900℃に加熱し
て、この中に上記方法と同様にしてマグネシウムを加
え、マグネシウムの溶解度を測定したところ、比較例1
ですでに述べたとおり溶解度は800ppmであった。
【0039】実施例および比較例から明らかなように、
希釈塩3として塩化カリウムを含むものを使用すると、
長さが0.5〜20μmで、長さに対して垂直方向の最
大長さが0.05〜5μmである柱状粒子を含むニオブ
またはタンタル粉末が得られた。このような柱状粒子を
含むニオブまたはタンタル粉末は、凝集強度の優れた凝
集粒を形成でき、また、空孔率の大きな多孔質焼結体を
製造でき、固体電解コンデンサのアノード電極原料に適
していると考えられる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明のニオブまた
はタンタル粉末は、柱状粒子を含み、この柱状粒子は長
さが0.5〜20μmで、長さに対して垂直方向の最大
長さが0.05〜5μmであるので、これを加熱して凝
集させた際の凝集強度が大きくプレス成形時にも空孔が
潰れにくい。また、高容量のコンデンサを製造するのに
十分な表面積を有し、かつ、閉孔や壷状空孔がなく、互
いに連結した空孔を有する多孔質焼結体を製造できる。
このような多孔質焼結体には、硝酸マンガン溶液などの
固体電解質の原料溶液がその内部にまで十分に浸透する
ため、固体電解質被膜を均質に良好に形成できる。よっ
て、このようなニオブまたはタンタル粉末を使用する
と、容量が大きいだけでなく、ESR(等価直列抵抗)
が小さい高性能の固体電解コンデンサを製造できる。こ
のようなニオブまたはタンタル粉末はニオブまたはタン
タルの金属塩を希釈塩に添加し、前記希釈塩中の前記金
属塩に還元剤を作用させて前記ニオブまたはタンタルを
生成させる方法において、前記希釈塩として少なくとも
塩化カリウムを含有するものを使用することによって製
造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法の一例を説明する概略断面
図である。
【図2】 本発明の製造方法の他の一例であり、(a)
第一工程を説明する概略断面図と、(b)第二工程を説
明する概略断面図である。
【図3】 本発明の実施例1で得られたタンタル粉末の
走査顕微鏡写真である。
【図4】 本発明の実施例2で得られたタンタル粉末の
走査顕微鏡写真である。
【図5】 本発明の比較例1で得られたタンタル粉末の
走査顕微鏡写真である。
【図6】 本発明の実施例3で得られたニオブ粉末の走
査顕微鏡写真である。
【図7】 本発明の実施例4で得られたニオブ粉末の走
査顕微鏡写真である。
【図8】 本発明の比較例2で得られたニオブ粉末の走
査顕微鏡写真である。
【符号の説明】
3 希釈塩 8 還元剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 幸一 福島県河沼郡河東町大字東長原字長谷地 111 昭和キャボットスーパーメタル株式 会社内 (72)発明者 鈴木 亮輔 京都府京都市左京区吉田本町 京都大学エ ネルギー科学研究科内 Fターム(参考) 4K017 AA03 BA07 CA02 DA08 EH00 FB11 4K018 AA40 AC10 BB01 BB04 KA39

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱状粒子を含むニオブまたはタンタル粉
    末であって、前記柱状粒子は、長さが0.5〜20μm
    で、長さに対して垂直方向の最大長さが0.05〜5μ
    mであることを特徴とするニオブまたはタンタル粉末。
  2. 【請求項2】 前記柱状粒子は、前記長さが3〜20μ
    mで、前記最大長さが0.05〜1μmであることを特
    徴とするニオブまたはタンタル粉末。
  3. 【請求項3】 前記柱状粒子が複数放射状に集合した放
    射状集合粒子を含むことを特徴とする請求項1または2
    に記載のニオブまたはタンタル粉末。
  4. 【請求項4】 ニオブまたはタンタルの金属塩を希釈塩
    に添加し、前記希釈塩中の前記金属塩に還元剤を作用さ
    せて前記ニオブまたはタンタルを生成させる方法におい
    て、 前記希釈塩が少なくとも塩化カリウムを含有することを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のニオブ
    またはタンタル粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記希釈塩中の塩化カリウム含有量が5
    0モル%以上であることを特徴とする請求項4に記載の
    ニオブまたはタンタル粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかに記載のニ
    オブまたはタンタル粉末を焼結させたことを特徴とする
    多孔質焼結体。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の多孔質焼結体からなる
    アノード電極を備えていることを特徴とする固体電解コ
    ンデンサ。
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