JP5361759B2 - 貴金属微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、貴金属微粒子の製造方法に関し、特にロジウム、白金、パラジウム、イリジウム及びルテニウムの貴金属単体微粒子及びそれらの2種以上からなる貴金属合金微粒子の製造方法に関する。
近年、白金、ロジウム、パラジウム等の貴金属微粒子は、高性能電子部品の高精細電極材料や高出力燃料電池の電極触媒に不可欠な素材として需要が拡大しており、当該貴金属微粒子の高性能化が求められている。
貴金属粒子の作製法にはブレークダウン方式とボトムアップ方式の2つの方法がある。
ブレークダウン方式では貴金属の酸化物、貴金属の無機塩、貴金属を含む有機化合物等が貴金属原料として用いられる。そして、貴金属原料を機械的に粉砕して微粉化後、還元することにより貴金属粒子が得られる。
具体的には、特許文献1、特許文献2、特許文献3には、白金化合物粉末、ロジウム化合物粉末又はこれらの化合物粉末の混合粉末と炭酸カルシウム粉末とを混合し、800〜1400℃で還元処理を施して粒成長させた白金、ロジウム又は白金/ロジウム合金粉末の製造方法が記載されている。また、特許文献4、特許文献5には、ロジウム化合物粉末又は白金化合物粉末とアルカリ金属化合物粉末、アルカリ土類金属化合物粉末を混合後、1500℃以下で非酸素雰囲気下において加熱処理を施して粒成長させた白金、ロジウム粉末の製造方法が記載されている。
しかしながら、いずれの方法でも、貴金属化合物粒子の粒子径が大きいため、得られる貴金属粒子の粒子径も大きくなる。また、得られる貴金属粒子の結晶性と純度は、貴金属化合物粒子の結晶性と純度に左右されるため、これらの方法では、貴金属粒子の結晶性と純度の向上が望めない。また、2成分以上の貴金属化合物粒子の混合粉末から得られる貴金属合金粒子は、各粒子の組成が不均一になり易く、組成の均一性が得られない。
他方、ボトムアップ方式では貴金属の無機塩、貴金属を含む有機化合物等が貴金属原料として用いられる。そして、ポリオールなどの有機溶媒中で貴金属原料を還元して貴金属微粒子が得られる。
具体的には、特許文献6、特許文献7、特許文献8には、50〜100nm以下の銀ナノ粒子及びそのスラリーの製造方法が記載されている。しかしながら、当該製造方法では、100nm以下の貴金属ナノ粒子は作製できるが、100nm以上の比較的粗大な貴金属合金微粒子を作製することは困難である。
特開平10−102104号公報 特開平10−102106号公報 特開平10−102107号公報 特開2003−277802号公報 特開2003−277812号公報 特開2006−241494号公報 特開2007−19055号公報 特開2006−124787号公報
本発明は、粒子径及び合金組成を制御し易く、しかも結晶性及び純度が高い貴金属微粒子を得る、貴金属微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の工程を有する貴金属微粒子の製造方法が上記目的を達成できることを見出し、特願2008-102372に記載した。本発明者は、特願2008-102372に記載した方法に更に改良を加え、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の貴金属微粒子の製造方法に関する。
1.下記工程を有する貴金属微粒子の製造方法:
(1)貴金属微粒子の凝集物を得る工程1、
(2)前記貴金属微粒子の凝集物をアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種とともに解砕することにより、解砕された貴金属微粒子を含有する混合物を得る工程2、
(3)前記混合物を不活性ガス雰囲気において1000℃以上で熱処理した後、当該熱処理物を酸処理することにより、貴金属微粒子を得る工程3。
2.工程1において、貴金属塩化物を含有する固体混合塩化物を水素含有雰囲気において熱処理した後、当該熱処理物を水洗することにより貴金属微粒子の凝集物を得る、上記項1に記載の製造方法。
3.工程1において、貴金属酸溶液に還元剤を添加することにより貴金属微粒子の凝集物を得る、上記項1に記載の製造方法。
4.前記固体混合塩化物は、2種以上の貴金属塩化物を含有し、
前記固体混合塩化物は、貴金属塩化物を溶解した溶融塩であって貴金属の種類が異なる溶融塩を複数調製し、当該複数の溶融塩を混合・固化させることにより得られる、上記項2に記載の製造方法。
5.前記貴金属は、ロジウム、白金、パラジウム、イリジウム及びルテニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.工程2において、前記アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種は、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム及び炭酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記貴金属微粒子の凝集物に対する前記アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種の混合量は、重量比で1:1〜12である、上記項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
7.前記貴金属微粒子の平均粒子径は、10nm〜10μmである、上記項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
以下、本発明の貴金属微粒子の製造方法について詳細に説明する。
本発明の貴金属微粒子の製造方法は、下記工程を有することを特徴とする:
(1)貴金属微粒子の凝集物を得る工程1、
(2)前記貴金属微粒子の凝集物をアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種とともに解砕することにより、解砕された貴金属微粒子を含有する混合物を得る工程2、
(3)前記混合物を不活性ガス雰囲気において1000℃以上で熱処理した後、当該熱処理物を酸処理することにより、貴金属微粒子を得る工程3。
上記特徴を有する本発明の貴金属微粒子の製造方法は、従来法と比べて貴金属微粒子の粒子径及び合金組成を制御し易く、しかも結晶性及び純度が高い貴金属微粒子が得られる。また、特願2008-102372に記載した製造方法と比べて粒子径を微細化でき、粒度分布をシャープにすることができる。
以下、本発明の貴金属微粒子の製造方法を、各工程に分けて説明する。
≪工程1≫
工程1は、貴金属微粒子の凝集物を得る工程である。
貴金属微粒子を得る方法としては、例えば、貴金属塩化物を含有する固体混合塩化物を水素含有雰囲気において熱処理した後、当該熱処理物を水洗することにより貴金属微粒子の凝集物を得る方法が挙げられる。
貴金属としては、例えば、ロジウム、白金、パラジウム、イリジウム及びルテニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。具体的には、金属ロジウム、金属白金、金属パラジウム、金属イリジウム及び金属ルテニウムの単体やこれらの合金が利用できる。単体及び合金の種類は、目的物の貴金属微粒子の種類や組成に応じて選択する。単体及び合金としては、粉末状、バルク状のいずれもよい。
上記固体混合塩化物は、アルカリ金属塩化物の溶融塩と貴金属との混合物に塩素ガスを吹き込むことにより、貴金属を貴金属塩化物の状態で溶融塩中に溶解した後、冷却して固化させることにより得られる。
アルカリ金属塩化物としては、例えば、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、LiCl−NaCl、LiCl−KCl、NaCl−KCl、NaCl−CsCl、LiCl−CsCl、KCl−CsCl、LiCl−KCl−NaCl、LiCl−MgCl、LiCl−CaCl、LiCl−BaCl、NaCl−MgCl、NaCl−CaCl、NaCl−BaCl、KCl−MgCl、KCl−CaCl、KCl−BaCl、KCl−MgCl、KCl−CaCl、KCl−BaCl、CsCl−MgCl、CsCl−CaCl及びCsCl−BaClからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらのアルカリ金属塩化物のうち、2成分以上を含むものは、各成分の混合物を意味し、例えば、NaCl−CsClは、NaClとCsClの混合物を意味する。これらのアルカリ金属塩化物の中でも、NaCl−CsCl、KCl−CsCl等が好ましく、NaCl:CsCl=1:2(モル比)、KCl:CsCl=1:2(モル比)の混合物が好ましい。
アルカリ金属塩化物は、600〜800℃に加熱して溶融塩とし、先ずは当該溶融塩に貴金属を混合することにより混合物を調製する。ここで、貴金属とアルカリ金属塩化物との混合比は、貴金属:アルカリ金属塩化物(重量比)で1:5〜20程度が好ましい。
上記混合物に塩素ガスを吹き込むことにより、貴金属が塩素化して、溶融塩に貴金属塩化物が溶解する。ここで、塩素ガスの吹き込み量は、貴金属:塩素ガス(モル比)で1:1.5〜5程度が好ましい。
本発明では、最終目的物が貴金属合金微粒子である場合には、貴金属原料として貴金属合金を利用することが挙げられる。また、貴金属塩化物を溶解した溶融塩であって貴金属の種類が異なる溶融塩を複数調製し、当該複数の溶融塩を混合・固化させることにより固体混合塩化物を調製する方法が挙げられる。具体的には、例えば、Rh塩化物を溶解した溶融塩A、Pt塩化物を溶解した溶融塩B、Pd塩化物を溶解した溶融塩Cを調製し、これらの溶融塩A、溶融塩B、溶融塩Cを混合した後に冷却・固化させることにより、3種の貴金属を含有する固体混合塩化物を得ることができる。かかる方法であれば、固体混合塩化物に含まれる複数の貴金属の割合を制御し易い。そのため、最終的に得られる貴金属合金微粒子の組成を制御し易い。
固体混合塩化物を水素含有雰囲気において熱処理し、貴金属微粒子の凝集物をアルカリ金属塩化物中に生成させる。このとき、熱処理温度としては、300〜500℃程度が好ましい。熱処理時間としては、排気ガス中から塩化水素が確認されなくなるまで熱処理(還元熱処理)を行うことが好ましい。
熱処理後は、当該熱処理物を水洗する。これによりアルカリ金属塩化物が除去されて、貴金属微粒子の凝集物(二次粒子)が得られる。
貴金属微粒子の凝集物を得る方法としては、上記の方法以外に、貴金属酸溶液に還元剤を添加することにより貴金属微粒子の凝集物を得る方法(いわゆる湿式法)も用いることができる。
湿式法における貴金属原料としては、前記と同じものが使用できる。即ち、各種貴金属の単体又は合金を、粉末状又はバルク状で使用することができる。
貴金属酸溶液を調製するための酸としては限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、王水等が挙げられる。酸濃度は特に限定されないが、10〜20mol/l程度である。
湿式法では、貴金属酸溶液に還元剤を添加することにより貴金属微粒子の凝集物を得る。還元剤としては限定されないが、ヒドラジン、ホルマリン、アスコルビン酸等が挙げられる。これらの還元剤の添加量は限定されないが、貴金属原料:還元剤(重量比)で1:1.5程度とすることが好ましい。これにより、貴金属微粒子の凝集物が得られる。
湿式法でも、最終目的物が貴金属合金微粒子である場合には、貴金属原料として貴金属合金を利用することが挙げられる。また、貴金属の種類が異なる貴金属酸溶液を複数調製した後、各貴金属酸溶液の混合割合を調整することでも貴金属含有割合を調整し易い。
≪工程2≫
工程2は、前記貴金属微粒子の凝集物をアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種とともに解砕することにより、解砕された貴金属微粒子を含有する混合物を得る。
工程2で用いるアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種は、貴金属微粒子の凝集物を解砕(微細化)する際のマトリックスとして用いられるとともに、後続の工程3において、目的物の貴金属微粒子の粒径調整に有利に作用する。
アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。これらの金属炭酸塩の中でも炭酸カルシウムが好ましい。金属炭酸塩の解砕処理前の粒子径は限定されないが、取扱い性の観点から顆粒状が好ましい。
貴金属微粒子の凝集物に対する金属炭酸塩の添加量としては、貴金属微粒子の凝集物:金属炭酸塩(重量比)で1:1〜12程度とすることが好ましい。
貴金属微粒子の凝集物を金属炭酸塩とともに解砕するためには、公知の乳鉢らいかい機、遊星ボールミル、ボールミル又はアトライターなどの解砕機を使用すればよい。
上記解砕によって貴金属微粒子は概して次のような状態で得られる。即ち、マトリックスである金属炭酸塩は、微細化されるとともに凝集して数十μm程度の二次粒子となり、当該二次粒子と混合した状態で、10nm〜10μm程度(好ましくは一次粒子径)の平均粒子径の解砕された貴金属微粒子が得られる。
解砕された貴金属微粒子の平均粒子径(好ましくは一次粒子径)は、10nm〜10μm程度が好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定した値である。
≪工程3≫
工程3は、前記混合物(解砕された貴金属微粒子と金属炭酸塩との混合物)を不活性ガス雰囲気において1000℃以上で熱処理した後、当該熱処理物を酸処理することにより、目的の貴金属微粒子を得る。
不活性ガス雰囲気としては、アルゴン、窒素の雰囲気が好ましい。
熱処理温度は、1000℃以上であればよいが、1000〜1500℃程度が好ましい。工程2で用いた金属炭酸塩は、解砕された貴金属微粒子どうしの間にも存在するため、熱処理中に貴金属微粒子どうしが凝集することを効率的に抑制することができる。そして、金属炭酸塩は、熱処理により金属酸化物(酸化カルシウム、酸化ナトリウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム等)と二酸化炭素に分解し、生成した金属酸化物と貴金属微粒子の混合物が得られる。
以後、1000〜1500℃程度の熱処理を維持(エージング)することによって金属酸化物と混合した貴金属微粒子の粒径及び大きさを調整することができる。
例えば、酸化カルシウムとロジウム微粒子が混合されている場合には、エージングすることによってロジウム微粒子は凝集することなく酸化カルシウム間で極めて微小な微粒子は消滅し、ある程度粒径が大きな微粒子は粒子成長により大きく且つ球状に整形される。これは、貴金属微粒子の粒子径が小さいほど表面自由エネルギーが大きくなるため化学的に不安定になってより大きな粒子に吸収されるためである(Ostwald Ripening)。よって、熱処理時間は貴金属微粒子となっている限り限定されず、所望の処理物の量と粒子径に応じて、例えば0.5〜5時間の範囲内から適宜調整する。即ち、工程2でできる限り貴金属微粒子の凝集物を解砕し、工程3でエージング処理を行うことによって、目的物の貴金属微粒子の粒径、形状等を所望の範囲に容易に調整することができる。
熱処理後は、熱処理物を酸処理することによって目的の貴金属微粒子が得られる。当該酸処理によって酸化カルシウム等の金属酸化物(即ち、上記マトリックスの粉末)が溶解除去される。酸処理には、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等が使用できる。また、必要に応じて水洗を併用する。上記処理を経ることによって目的の貴金属微粒子が得られる。
本発明の貴金属微粒子の製造方法は、従来法と比べて貴金属微粒子の粒子径及び合金組成を制御し易く、しかも結晶性及び純度が高い貴金属微粒子が得られる。また、特願2008-102372に記載した製造方法と比べて粒子径を微細化でき、粒度分布をシャープにすることができる。
粒子径や合金組成が制御された貴金属微粒子は、高性能電子部品の高精細電極材料や高出力燃料電池用の電極触媒として好適に利用できる。
Pt/Pd/Rh合金微粒子(実施例1)のXRDパターンを示す図である。 Pt/Pd/Rh合金微粒子(実施例1)のSEM像を示す図である。 Pd金属微粒子(実施例2)のSEM像を示す図である。 Pd金属微粒子(実施例2)のXRDパターンを示す図である。 Pt/Pd/Rh合金微粒子(比較例1)のSEM像を示す図である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
金属Rh粉末10.0gと35mol%NaCl−65mol%CsClの混合塩とを重量比1:10で混合した。Arガス雰囲気中において当該混合塩を450℃に加熱した後、450℃を維持したまま塩素ガスをRh粉末の1倍の当量の割合で吹込んだ。更に加熱温度750℃で当該混合塩を溶融した後、750℃を維持したまま塩素ガスをRh粉末の2倍の当量の割合で吹込み、溶融塩中にRh塩化物を溶解させた。
同様に、金属Pt切片20.0gと上記混合塩(NaCl−CsCl)とを重量比1:10で混合し、Arガス雰囲気中において当該混合塩を450℃に加熱した後、450℃を維持したまま塩素ガスをPt粉末の1倍の当量の割合で吹込んだ。更に加熱温度750℃で当該混合塩を溶融した後、750℃を維持したまま塩素ガスをPt粉末の1.5倍の当量の割合で吹込み、溶融塩中にPt塩化物を溶解させた。
同様に、金属Pd切片20.0gと上記混合塩(NaCl−CsCl)とを重量比1:10で混合し、Arガス雰囲気中において当該混合塩を450℃に加熱した後、450℃を維持したまま塩素ガスをPd粉末の1倍の当量の割合で吹込んだ。更に加熱温度750℃で当該混合塩を溶融した後、750℃を維持したまま塩素ガスをPd粉末の1.2倍の当量の割合で吹込み、溶融塩中にPd塩化物を溶解させた。
次に、上記3種の溶融塩をPt塩化物とPd塩化物とRh塩化物が重量比4.5:4.5:1の割合となるように混合し、700℃でArガス雰囲気中において溶融塩を十分に混合した後、急冷してPt/Pd/Rh混合塩化物(固体混合塩化物)を得た。当該固体混合塩化物を、400℃でHガス雰囲気中において4.5時間還元し、水洗することによってPt/Pd/Rh合金微粒子の凝集物を得た。
次にPt/Pd/Rh合金微粒子の凝集物を当該凝集物に対して重量比で6倍のCaCOと混合した後、遊星ボールミルにより当該凝集物を解砕しCaCOマトリックス中に分散した20〜100nmのPt/Pd/Rh合金微粒子を得た。当該混合物粉末を、1200℃でArガス雰囲気中において1時間熱処理し、CaCOをCaOとCOに分解させた後、冷却しHClで溶解し水洗することによってPt/Pd/Rh合金微粒子を得た。
図1のXRD測定の結果より、Pt/Pd/Rh合金微粒子は所定の組成の、結晶性の高い、熱力学的に平衡する三相共存Pt/Pd/Rh合金微粒子であることを確認した。また、図2のSEM観察結果から、Pt/Pd/Rh合金微粒子の粒子径は30〜500nmであった。Pt/Pd/Rh合金微粒子の純度は99.99%以上であった。
実施例2
湿式法により、Pd微粒子の凝集物を得た。具体的には、金属Pd箔12.5gを35重量%塩酸62.5mlと32重量%水酸化ナトリウム水溶液35mlと25〜28重量%アンモニア水93.8mlと蒸留水250mlの混合溶液に溶解し、それに還元剤として51.2重量%ヒドラジン水溶液8.8mlと蒸留水408mlの混合溶液を添加することによりPd微粒子の凝集物を得た。
上記Pd微粒子の凝集物を、当該凝集物に対して重量比で6倍のCaCOと混合した後、遊星ボールミルにより当該凝集物を解砕しCaCOマトリックス中に分散した300nm〜1μmのPd金属微粒子を得た。当該混合物粉末を、1200℃でArガス雰囲気中において1時間熱処理し、CaCOをCaOとCOに分解させた後、冷却しHClで溶解し水洗することによってPd微粒子を得た。
図3のSEM観察結果から、Pd微粒子の粒子径は0.3〜1.5μmであった。Pd微粒子の純度は99.99%以上であった。また、図4のXRD解析の結果、Pd微粒子は結晶性が高いものであることを確認した。
比較例1
金属Rh粉末0.4gと35mol%NaCl−65mol%CsClの混合塩とを、重量比1:10で混合した。650℃でArガス雰囲気中において当該混合塩を溶融した後、650℃を維持したまま塩素ガスをRh粉末の3倍の当量の割合で吹込み、溶融塩中にRh塩化物を溶解させた。
同様に、金属Pt切片1.8gと上記混合塩とを重量比1:10で混合し、650℃でArガス雰囲気中において当該混合塩を溶融した後、650℃を維持したまま塩素ガスをPt切片の4倍の当量の割合で吹込み、溶融塩中にPt塩化物を溶解させた。
同様に、金属Pd粉末1.8gと上記混合塩とを重量比1:10で混合し、650℃でArガス雰囲気中において当該混合塩を溶融した後、650℃を維持したまま塩素ガスをPd粉末の2倍の当量の割合で吹込み、溶融塩中にPd塩化物を溶解させた。
次に、上記3種の溶融塩をPt塩化物とPd塩化物とRh塩化物が重量比4.5:4.5:1の割合となるように混合し、650℃でArガス雰囲気中において当該溶融塩を十分に混合した後、650℃を維持したままPt塩化物の2倍の当量及びPd塩化物の当量及びRh塩化物の1.5倍の当量に相当するNaCOを当該混合溶媒塩に添加し、Arガスで1時間バブリングをして混合した。その後冷却し、水洗をして黒色沈殿物のPt/Pd/Rh酸化物を回収した。
次にPt/Pd/Rh酸化物を当該酸化物に対して重量比で3倍のCaCOと混合した後、自動乳鉢により当該混合物を粉砕しCaCOマトリックス中に分散した100〜1000nmのPt/Pd/Rh酸化物微粉末を得た。当該混合物粉末を、1200℃で4mol%H−96mol%Arガス雰囲気中において1時間還元し、CaCOをCaOとCOに分解させた後、冷却しHClで溶解し水洗することによってPt/Pd/Rh合金微粒子を得た。
図5のSEM観察結果から、Pt/Pd/Rh合金微粒子の粒子径は0.1〜2μmであった。Pt/Pd/Rh合金微粒子の純度は99.99%以上であった。

Claims (5)

  1. 下記工程を有する貴金属微粒子の製造方法:
    (1)アルカリ金属塩化物と貴金属塩化物とを含有する固体混合塩化物を水素含有雰囲気において熱処理した後、当該熱処理物を水洗することにより貴金属微粒子の凝集物を得る工程1、
    (2)前記貴金属微粒子の凝集物をアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種とともに解砕することにより、解砕された貴金属微粒子を含有する混合物を得る工程2、
    (3)前記混合物を不活性ガス雰囲気において1000℃以上で熱処理した後、当該熱処理物を酸処理することにより、貴金属微粒子を得る工程3。
  2. 前記固体混合塩化物は、2種以上の貴金属塩化物を含有し、
    前記固体混合塩化物は、貴金属塩化物を溶解した溶融塩であって貴金属の種類が異なる溶融塩を複数調製し、当該複数の溶融塩を混合・固化させることにより得られる、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記貴金属は、ロジウム、白金、パラジウム、イリジウム及びルテニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 工程2において、前記アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種は、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム及び炭酸バリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記貴金属微粒子の凝集物に対する前記アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ土類金属炭酸塩の少なくとも1種の混合量は、重量比で1:1〜12である、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記解砕された貴金属微粒子の平均粒子径は、10nm〜10μmである、請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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